(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】エンドエフェクタの提供システムおよび提供方法
(51)【国際特許分類】
B25J 15/04 20060101AFI20241023BHJP
B29C 64/386 20170101ALI20241023BHJP
B29C 64/393 20170101ALI20241023BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20241023BHJP
B33Y 50/00 20150101ALI20241023BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20241023BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20241023BHJP
【FI】
B25J15/04 A
B29C64/386
B29C64/393
B33Y10/00
B33Y50/00
B33Y50/02
B33Y80/00
(21)【出願番号】P 2020550994
(86)(22)【出願日】2018-10-03
(86)【国際出願番号】 JP2018036974
(87)【国際公開番号】W WO2020070813
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-03-17
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東田 明洋
(72)【発明者】
【氏名】天野 雅史
【合議体】
【審判長】刈間 宏信
【審判官】田々井 正吾
【審判官】堀内 亮吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-312420(JP,A)
【文献】国際公開第2015/178377(WO,A1)
【文献】特開2016-028876(JP,A)
【文献】“製造現場のさまざまなプロセスで活用される3Dプリンタ--産業用ロボット大手KUKA”、[online]、2018年4月28日、ZDNet Japan、[2018年11月15日検索]、インターネット、<https://japan.zdnet.com/article/35117126/>及び<https://japan.zdnet.com/article/35117126/2/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 15/00 - 15/12
B29C 64/00 - 64/40
B33Y 10/00
B33Y 50/00 - 50/02
B33Y 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークに対する作業を行う作業装置に交換可能に装着され前記ワークを保持するためのエンドエフェクタを提供する提供システムであって、
3次元データに基づいて材料を積層することで3次元造形を行う3次元造形装置と、
前記ワークおよび前記作業の情報に基づいて設定された前記エンドエフェクタの設計基準を満たす3次元データを生成または取得し、前記3次元データに基づいて前記エンドエフェクタの造形品を造形するように前記3次元造形装置を制御する処理制御部と、
前記エンドエフェクタの造形品による前記ワークの保持に関する評価を取得する評価取得部と、
を備え、
前記処理制御部は、前記エンドエフェクタの提供要求がされた場合、該提供要求が新規の要求か即納の要求か再造形の要求のいずれかであれば、前記エンドエフェクタの造形品を造形するように前記3次元造形装置を制御し、前記提供要求が新規の要求か即納の要求か再造形の要求のいずれでもなく正規品の要求であれば、前記エンドエフェクタの金型成形の手配処理を行い、
前記評価取得部は、前記エンドエフェクタの評価結果として、良好でない旨の評価結果は前記エンドエフェクタの再造形の要求と共に送信されるものを取得し、良好である旨の評価結果は前記エンドエフェクタの正規品の要求と共に送信されるものを取得し、
さらに、前記処理制御部は、良好でない旨の評価結果が取得された場合、該評価結果を反映するように修正された前記3次元データを生成または取得し、修正された前記3次元データに基づいて前記エンドエフェクタの造形品を再造形するように前記3次元造形装置を制御
し、良好である旨の評価結果が取得された場合、前記設計基準と前記3次元データとを確定し、前記エンドエフェクタの正規品が納入されるまで前記エンドエフェクタの造形品を用いた前記作業の継続を許容する、
エンドエフェクタの提供システム。
【請求項2】
ワークに対する作業を行う作業装置に交換可能に装着され前記ワークを保持するためのエンドエフェクタの提供方法であって、
(a)前記ワークおよび前記作業の情報に基づいて設定された前記エンドエフェクタの設計基準を満たす3次元データを生成または取得するステップと、
(b)前記3次元データに基づいて材料を積層することで前記エンドエフェクタの造形品を造形するように3次元造形装置を制御するステップと、
(c)前記エンドエフェクタの造形品による前記ワークの保持に関する評価を取得するステップと、
を含み、
前記ステップ(b)では、前記エンドエフェクタの提供要求がされた場合、該提供要求が新規の要求か即納の要求か再造形の要求のいずれかであれば、前記エンドエフェクタの造形品を造形するように前記3次元造形装置を制御し、
(d)前記提供要求が新規の要求か即納の要求か再造形の要求のいずれでもなく正規品の要求であれば、前記エンドエフェクタの金型成形の手配処理を行うステップ、をさらに含み、
前記ステップ(c)では、前記エンドエフェクタの評価結果として、良好でない旨の評価結果は前記エンドエフェクタの再造形の要求と共に送信されるものを取得し、良好である旨の評価結果は前記エンドエフェクタの正規品の要求と共に送信されるものを取得し、
さらに、前記ステップ(b)では、良好でない旨の評価結果が取得された場合、該評価結果を反映するように修正された前記3次元データを生成または取得し、修正された前記3次元データに基づいて前記エンドエフェクタの造形品を再造形するように前記3次元造形装置を制御
し、
(e)良好である旨の評価結果が取得された場合、前記設計基準と前記3次元データとを確定し、前記エンドエフェクタの正規品が納入されるまで前記エンドエフェクタの造形品を用いた前記作業の継続を許容するステップ、をさらに含む、
エンドエフェクタの提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、エンドエフェクタの提供システムおよび提供方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、ワークを保持するエンドエフェクタ(ハンド)を備えるロボットにおいて、複数種類のエンドエフェクタから作業対象のワークに応じた適切なエンドエフェクタを選択するシステムが提案されている。例えば、特許文献1には、作業対象のワークに関する情報とエンドエフェクタに関する情報とに基づいて、ワークとエンドエフェクタの適合性を評価し、より適切なエンドエフェクタを自動で選択することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、エンドエフェクタの適合性の評価結果によっては、新たな形状のエンドエフェクタを設計して製造する必要が生じることがある。そのためには新たな金型の製造などが必要となるから、新たなエンドエフェクタを短期間に製造することは困難である。また、エンドエフェクタを製造して使用した場合に不具合が見つかると、エンドエフェクタを再度製造することになるが、金型を修正したり金型を製造し直したりするため、時間やコストがかかるものとなる。
【0005】
本開示は、ワークを保持するための適切なエンドエフェクタをより迅速に提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示のエンドエフェクタの提供システムは、ワークに対する作業を行う作業装置に交換可能に装着され前記ワークを保持するためのエンドエフェクタを提供する提供システムであって、3次元データに基づいて材料を積層することで3次元造形を行う3次元造形装置と、前記ワークおよび前記作業の情報に基づいて設定された前記エンドエフェクタの設計基準を満たす3次元データを生成または取得し、前記3次元データに基づいて前記エンドエフェクタの造形品を造形するように前記3次元造形装置を制御する処理制御部と、を備えることを要旨とする。
【0008】
本開示のエンドエフェクタの提供システムでは、ワークおよび作業の情報に基づいて定められたエンドエフェクタの設計基準を満たす3次元データを生成または取得し、その3次元データに基づいてエンドエフェクタの造形品を造形するように3次元造形装置を制御する。これにより、エンドエフェクタの金型成形品を製造する場合に比して、エンドエフェクタの製造期間を大幅に短縮して作業装置の使用者に迅速に提供することができる。また、エンドエフェクタの3次元データは、ワークおよび作業の情報に基づいて定められたエンドエフェクタの設計基準を満たすから、新たなワークや新たな作業に対して適切なエンドエフェクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】事業者システム10および顧客システム40の概略を示す説明図。
【
図2】作業システム50の構成の概略を示す構成図。
【
図4】提供管理装置20が有する作業DB26の一例を示す説明図。
【
図6】エンドエフェクタ造形処理の一例を示すフローチャート。
【
図7】エンドエフェクタ評価処理の一例を示すフローチャート。
【
図9】エンドエフェクタEの試作品の造形および評価の流れを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本開示を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は事業者システム10および顧客システム40の概略を示す説明図であり、
図2は作業システム50の構成の概略を示す構成図である。なお、
図2の左右方向がX軸方向であり、前後方向がY軸方向であり、上下方向がZ軸方向である。なお、顧客システム40が1つだけでなく複数存在していてもよい。
【0012】
事業者システム10は、顧客システム40の作業システム50で使用されるエンドエフェクタEを提供する事業者のシステムである。事業者システム10は、
図1に示すように、加工装置12と、射出成形装置14と、提供管理装置20と、3Dプリンタ30とを備え、これらがLAN19に接続されている。加工装置12は、マシニングセンタや旋盤などで構成されており切削などにより金型加工を行う。射出成形装置14は、金型を用いた樹脂などの射出成形により提供対象のエンドエフェクタEを成形する。
【0013】
提供管理装置20は、装置全体を制御する制御部と、各種アプリケーションプログラムや各種データを記憶する記憶部と、各種情報を表示する表示部と、作業者が各種指令を入力するキーボード及びマウス等の入力部と、3Dプリンタ30などの外部装置と通信を行う通信部とを備える。提供管理装置20の記憶部には、3DCADソフトウエアなどが組み込まれている。また、提供管理装置20は、提供対象のエンドエフェクタEの設計や提供に必要な機能部として、設定処理部22と、3Dデータ生成部24と、作業DB26とを備える。設定処理部22は、ワークWの情報やワークWに対して行う作業の情報などに基づいて、エンドエフェクタEの設計基準を設定する処理を行う。なお、ワークWの情報やワークWに対して行う作業の情報などは、顧客システム40から送信された情報が用いられる。また、設計基準については後述する。3Dデータ生成部24は、提供対象のエンドエフェクタEの3次元形状を造形する造形データとしての3D(3次元)データを生成する。作業DB26は、各顧客に提供済みのエンドエフェクタEやそれを用いた作業に関する各種情報が登録されており、その詳細は後述する。
【0014】
3Dプリンタ30は、造形ステージ32と、造形ステージ32に向けて樹脂などの造形材料を吐出したり押し出したりするヘッド34と、造形ステージ32とヘッド34とを相対的にXYZ方向に移動させる移動機構36と、ヘッド34や移動機構36を制御する制御部38とを備える。3Dプリンタ30は、3Dデータに基づいて造形材料を積層していくことによりエンドエフェクタEなどの3次元造形品を造形することが可能である。造形材料としては、ABS樹脂やアクリル樹脂、金属、シリコンゴムなど、造形品に必要とされる剛性や弾性などに応じたものが適宜選定される。
【0015】
エンドエフェクタEを使用する顧客(使用者)側の顧客システム40は、作業管理装置42と、ロボット60を含む作業システム50とを備え、これらがLAN49に接続されている。作業システム50は、作業台51上に配置されたワーク供給装置52およびトレイ搬送装置54、ロボット60と、作業システム50の全体を制御する制御部58とを備える。ワーク供給装置52は、前後方向(Y軸方向)に離間して配置された駆動ローラおよび従動ローラに架け渡されたコンベアベルト52aを備え、駆動ローラを回転駆動することにより、コンベアベルト52a上の複数のワークWを後方から前方へ供給する。トレイ搬送装置54は、コンベアベルトにより構成され、ワークWの供給方向と直交する方向(X軸方向)にトレイTを搬送し、中央位置にて位置決め保持する。作業システム50は、ワーク供給装置52により供給されたワークWをロボット60によりピッキングして、トレイ搬送装置54により搬送されたトレイT上に整列させてプレースする作業を行う。また、作業システム50は、トレイT上に整列させたボルトなどのワークWに対し、ワッシャーなどの別のワークWをロボット60によりピッキングして、ボルトの軸部に挿入するようにプレースする作業なども行う。
【0016】
ロボット60は、複数のリンクが関節を介して回転可能に連結された垂直多関節型のロボットアーム62を備える。ロボットアーム62は、各関節に図示しないサーボモータや回転角度を検出するエンコーダなどが設けられている。ロボットアーム62の先端には、ワークWをピッキングするための作業ツールとしてのエンドエフェクタEが着脱可能となっている。また、ロボットアーム62の先端には、カメラ68が取り付けられている。カメラ68は、ピッキング対象のワークWの位置や姿勢などを認識したり、プレース対象の位置などを認識したりするための画像を撮像し、制御部58に送信する。
【0017】
ここで、
図3はエンドエフェクタEの一例を示す説明図である。本実施形態では、エンドエフェクタEとして、
図3Aに示すエンドエフェクタE1*と、
図3Bに示すエンドエフェクタE2*とを使用可能である。エンドエフェクタE1*は、ワークWを負圧によって吸着することで保持する吸着ノズルであり、ノズル内径φNや高さH、パッド径φPなどの設計基準が異なる複数のタイプが使用される。エンドエフェクタE2*は、開閉可能な一対のクランプ爪によりワークWを把持することで保持するメカニカルチャック(以下、メカチャックという)であり、クランプ爪の厚みDや幅W、高さH、開閉ストローク量St、最大開放時の外寸Roなどの設計基準が異なる複数のタイプが使用される。
【0018】
制御部58は、CPUやROM、HDD,RAMなどで構成され、ロボット60の動作プログラムなどを記憶している。制御部58には、ロボット60のエンコーダなどからの検知信号やカメラ68からの画像データ、ワーク供給装置52やトレイ搬送装置54からの動作信号などが入力される。制御部58からは、ロボット60のサーボモータやエンドエフェクタEへの制御信号、カメラ68への制御信号、ワーク供給装置52やトレイ搬送装置54への制御信号などが出力される。
【0019】
作業管理装置42は、提供管理装置20と同様に、制御部と、記憶部と、表示部と、入力部と、通信部とを備える。作業管理装置42は、LAN49を介して作業システム50の制御部58と通信可能に接続されており、作業に関する各種データのやり取りを行う。また、作業管理装置42は、インターネットなどのネットワーク18を介して提供管理装置20と通信が可能であり、各種データなどのやり取りを行う。例えば、作業管理装置42は、ワークWの情報やワークWに対して行う作業の情報などを含むジョブの情報と共に、必要なエンドエフェクタEの提供要求を提供管理装置20に出力する。
【0020】
ここで、
図4は提供管理装置20が有する作業DB26の一例を示す説明図である。図示するように、作業DB26は、ワークWの情報や作業の情報に対応付けて、エンドエフェクタEの製造番号や設計基準に関する情報などの各種情報が登録されている。ワークWの情報には、ワークWの形状や寸法などの情報を含む。作業情報には、ワークWをプレースする対象の対象形状や対象寸法、ワークWをトレイT上に整列させるのかボルトの軸に挿入するかなどの作業の内容の情報を含む。例えば、ワッシャーをボルトの軸に挿入する作業の場合、ワークWの形状(ワッシャー)やワッシャーの内外径、ボルトの軸径、軸挿入などが登録される。エンドエフェクタEの情報には、エンドエフェクタEの型式番号(E1*やE2*)と共に、エンドエフェクタE1*が吸着ノズルであればノズル内径φNや高さH、パッド径φPなどの設計基準の情報を含み、エンドエフェクタE2*がメカチャックであればクランプ爪の厚みDや幅W、高さH、開閉ストローク量St、外寸Roなどの設計基準の情報を含む。
【0021】
次に、事業者システム10が行うエンドエフェクタEの提供に関する処理を説明する。
図5は提供対応処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、事業者システム10の提供管理装置20により実行される。この処理では、提供管理装置20は、まず、顧客システム40からのエンドエフェクタEの提供要求を受け付け(S100)、その提供要求が、新規のエンドエフェクタEの要求であるか否か(S110)、即納の要求であるか否か(S120)、再造形の要求であるか否か(S130)、をそれぞれ判定する。新規の要求は、金型成形の実績のないエンドエフェクタEの提供要求であり、例えば新たなワークWに対する作業や新たな内容の作業が予定されている場合などになされる。即納の要求は、即日または数日以内などの短納期の指定を伴う提供要求であり、例えば金型成形されたエンドエフェクタEの使用中に破損などの突発的な不良が生じて在庫がないか少ない場合などになされる。再造形の要求は、例えば新規なエンドエフェクタEを造形した試作品を顧客システム40に提供して使用された結果、形状修正などが必要な場合などになされる。
【0022】
提供管理装置20は、S110で新規の要求であると判定したり、S120で即納の要求であると判定したり、S130で再造形の要求であると判定したりすると、3Dプリンタ30によるエンドエフェクタ造形処理を実行する(S140)。S140の処理の詳細は後述する。一方、提供管理装置20は、S110~S130のいずれの要求でもないと判定すると、要求されたエンドエフェクタEの金型成形の手配を行う(S150)。S150では、提供管理装置20は、金型成形の実績のないエンドエフェクタEであれば、金型の設計指示や加工装置12での金型の加工指示を行う。また、提供管理装置20は、金型の準備が整ったり、既に金型のあるエンドエフェクタEであったりすると、射出成形装置14でのエンドエフェクタEの射出成形の指示を行う。
【0023】
そして、提供管理装置20は、S140のエンドエフェクタ造形処理において3Dプリンタ30での造形が完了したエンドエフェクタEを、要求元の顧客システム40に発送し納入して(S160)、提供対応処理を終了する。なお、射出成形装置14での射出成形により製造されるエンドエフェクタEも、完了次第、要求元の顧客システム40に発送し納入することになる(S160)。ただし、金型の設計からエンドエフェクタEの射出成形の完了までには数週間から数月程度の長期間を要することがある。
【0024】
ここで、S140のエンドエフェクタ造形処理を
図6のフローチャートに基づいて説明する。この処理では、提供管理装置20は、エンドエフェクタEの3Dデータを生成済みであるか否かを判定し(S200)、生成済みでないと判定すると、エンドエフェクタEの設計基準を設定済みであるか否かを判定する(S210)。なお、即納の要求の場合や再造形の要求の場合には、S200で3Dデータを生成済みであると判定する。また、3Dデータを生成済みでなくても、例えば顧客システム40から設計基準と共に提供要求が受け付けられた場合には、S210で設計基準を設定済みであると判定する。
【0025】
提供管理装置20は、S210で設計基準を設定済みでないと判定すると、エンドエフェクタEの設計基準の設定に必要となる今回のジョブの情報としてワークWの情報および作業の情報を取得する(S220)。なお、顧客システム40の作業管理装置42は、エンドエフェクタEの提供要求にワークWの情報と作業の情報とを含めて送信するから、提供管理装置20はそれらの情報を提供要求から取得すればよい。次に、提供管理装置20は、取得した情報と作業DB26に登録されている各ジョブの情報の相関値を所定のアルゴリズムにより演算する(S230)。例えば、所定のアルゴリズムでは、ワークWの形状や寸法、プレース対象の対象形状や対象寸法、作業内容などの各項目について、項目毎に定められた評価関数を用いて各評価値を演算し、項目毎の重み付け係数を用いて各評価値をそれぞれ重み付けして加算することで相関値を演算する。このようなアルゴリズムの具体例については、例えばWO2015/178377などに記載されている。
【0026】
提供管理装置20は、相関値を演算すると、作業DB26の複数のジョブのうち相関値が予め定められた所定値以上に高くなる1または複数のジョブの情報を参考にしてエンドエフェクタEの設計基準を設定する(S240)。例えば、提供管理装置20は、相関値の高い2つのジョブで使用されたエンドエフェクタE1*が、ノズル内径φNがφ4とφ8の吸着ノズルであった場合、設定対象のノズル内径φNをそれらの中間値のφ6に定めるなどにより設計基準を設定する。あるいは、提供管理装置20は、φ8の方が相関値が高ければ、ノズル内径φNをφ7に定めてもよい。提供管理装置20は、他の設計基準も同様に設定する。また、提供管理装置20は、相関値の高いジョブの情報を表示部に表示して作業者から設計基準の設定を受け付けたり、自動設定した設計基準を表示部に表示して作業者から設計基準の調整を受け付けたりしてもよい。
【0027】
こうして設計基準を設定するか、S210で設計基準を設定済みであると判定すると、設計基準を満たす3Dデータを生成する(S250)。提供管理装置20は、S250では、設計基準を満たすように、エンドエフェクタEを構成する1または複数の部材の各寸法を設定して3Dデータを生成する。また、提供管理装置20は、部材を造形するための造形材料を、部材に必要とされる剛性や撓みなどに応じて適宜選定する。3Dデータを生成するか、S200で3Dデータを生成済みであると判定すると、提供管理装置20は、3Dデータに基づくエンドエフェクタEの3D図面や造形材料を画面表示し、表示内容を確認した作業者が造形許可を入力するのを待つ(S260)。なお、作業者は、3Dデータを調整した上で造形許可を入力してもよい。提供管理装置20は、S260で造形許可が入力されると、3Dプリンタ30に3Dデータを出力し3Dデータに基づいてエンドエフェクタEを造形させて(S270)、本処理を終了する。3Dプリンタ30の制御部38は、3Dデータに基づいてヘッド34や移動機構36を制御して、エンドエフェクタEを造形する。エンドエフェクタEの造形は、エンドエフェクタEの種類やサイズ、形状、材料などによって異なるが、概ね数時間程度で完了する。提供管理装置20は、エンドエフェクタEの造形が完了すると、エンドエフェクタEの造形品を顧客システム40に納入する。このように、事業者システム10では、エンドエフェクタEの新規要求や即納要求、再造形要求を受け付けると、金型成形品ではなく、3Dプリンタ30を用いたエンドエフェクタEの造形品を製造して顧客システム40に納入するのである。このため、事業者システム10は、即日や翌日などの数日以内にエンドエフェクタEを納入することができる。したがって、エンドエフェクタEの新規要求であっても、早ければ即日にエンドエフェクタEの造形品を試作品として納入して、作業システム50で使用させることができる。以下、試作品としてのエンドエフェクタEを納入した以降の処理について説明する。なお、3Dプリンタ30がワークWの3Dデータに基づいてワークWを造形し、エンドエフェクタEの試作品と共に顧客システム40に納入するものなどとしてもよい。
【0028】
まず、エンドエフェクタEの試作品が納入された顧客システム40の処理について説明する。
図7はエンドエフェクタ評価処理の一例を示すフローチャートである。この処理では、作業管理装置42は、まず、納入されたエンドエフェクタEの試作品の使用を指示して(S300)、使用結果を受け付けるのを待つ(S310)。S300では、ロボット60がエンドエフェクタEを自動交換可能に構成されていれば、作業管理装置42はロボット60に交換指示を出力して使用を開始させる。一方、ロボット60がエンドエフェクタEを自動交換可能でないならば、作業管理装置42は交換指示を表示部に表示するなどして作業者にエンドエフェクタEを交換させて使用を開始させる。また、作業者は、ロボット60がエンドエフェクタEの試作品を用いて作業を行った際の、ワークWの保持状況を確認して使用結果として入力するものとする。あるいは、ロボット60がワークWを正常に保持できたか否かを、制御部58が判定した使用結果が作業管理装置42に入力されるものなどとしてもよい。
【0029】
作業管理装置42は、S310で使用結果が受け付けられると、その使用結果が良好であるか否かを判定する(S320)。作業管理装置42は、使用結果が良好でないと判定すると、設計基準の変更を受け付けるのを待つ(S330)。作業者は、例えば作業管理装置42の表示部に表示される設計変更画面などを介して、エンドエフェクタEの設計基準の各項目の数値を修正して設計基準を変更する。なお、作業者の操作に基づいて設計基準の変更を受け付けるものに限られず、変更すべき項目の指定のみを作業管理装置42が受け付けて自動修正するものなどとしてもよい。例えば、作業管理装置42は、高さや厚みなどの各項目のうちいずれの項目が過不足しているのかを受け付け、受け付けた項目を所定量単位で増減させることで設計基準を変更してもよい。また、作業管理装置42は、3Dデータの変更を受け付けるものとしてもよい。作業管理装置42は、設計基準の変更を受け付けると、その変更点を評価結果に含めるように登録し(S340)、エンドエフェクタEの再造形の要求と評価結果とを提供管理装置20に送信して(S350)、エンドエフェクタ評価処理を終了する。一方、作業管理装置42は、S320で使用結果が良好であると判定すると、エンドエフェクタEの正規品の要求と評価結果とを提供管理装置20に送信して(S360)、エンドエフェクタ評価処理を終了する。
【0030】
続いて、評価結果を受け付けた事業者システム10の提供管理装置20の処理を説明する。
図8は評価対応処理の一例を示すフローチャートである。この処理では、提供管理装置20は、まず、評価結果が良好であるか否かを判定し(S400)、評価結果が良好でないと判定すると、評価結果に登録されている変更点に基づいてエンドエフェクタEの設計基準を修正する(S410)。次に、提供管理装置20は、修正後の設計基準を満たすように3Dデータを修正して(S420)、評価対応処理を終了する。このように、提供管理装置20は、良好でない旨の評価結果を受け付けると、変更点に基づいて設計基準と3Dデータとを修正する。また、良好でない旨の評価結果は、再造形の要求と共に送信されるから、提供管理装置20は、提供対応処理のS130で再造形の要求であると判定してエンドエフェクタEを造形する。その場合、評価結果を反映させた修正後の3Dデータを用いてエンドエフェクタEの再造形が行われることになるから、金型の修正などが必要となる場合に比して修正後のエンドエフェクタEを容易に再提供することができる。
【0031】
一方、提供管理装置20は、S400で評価結果が良好であると判定すると、納入済みのエンドエフェクタEを造形した際の設計基準と3Dデータとを確定し(S430)、ワークWの情報や作業の情報に対応付けてエンドエフェクタEの製造番号や設計基準を登録することで作業DB26を更新して(S440)、評価対応処理を終了する。このように、提供管理装置20は、エンドエフェクタEの良好な評価が得られた場合に、エンドエフェクタEの設計基準を設定するのに必要な情報を作業DB26に登録していくから、エンドエフェクタEの設計基準の自動設定の精度を高めることができる。また、良好である旨の評価結果は、正規品の要求と共に送信される。このため、提供管理装置20は、提供対応処理のS110~S130のいずれにも該当しないと判定してエンドエフェクタEの金型成型を手配するから、正規品であるエンドエフェクタEの金型成形品の製造に着手することになる。この正規品の方が試作品よりも耐久性や寸法精度が高いものの試作品も継続使用が可能であるから、顧客システム40では、エンドエフェクタEの正規品が納入されるまで試作品を用いて作業を継続すればよい。このため、顧客システム40では、エンドエフェクタEの造形品(試作品)を用いて作業を継続することができ、エンドエフェクタEの正規品が納入されるまでの間に作業ができなくなるのを防止することができる。
【0032】
ここで、
図9はエンドエフェクタEの試作品の造形および評価の流れを示す説明図である。まず、作業管理装置42からワークWの情報や作業の情報を含む試作品の提供要求がなされる(
図9(1))。提供要求を受け付けた提供管理装置20は、設計基準を設定すると共に(
図9(2))、3Dデータを生成して3Dプリンタ30に出力する(
図9(3))。3Dプリンタ30は、3Dデータに基づいてエンドエフェクタEの試作品を造形し(
図9(4))、その試作品が顧客システム40に提供される(
図9(5))。顧客システム40の作業システム50は、試作品としてのエンドエフェクタEを使用し(
図9(6))、作業管理装置42はその評価を提供管理装置20に送信する(
図9(7))。提供管理装置20は、その評価を取得して設計基準の修正または確定に反映させる(
図9(8))。提供管理装置20は、必要があれば3Dデータを修正して3Dプリンタ30に出力し(
図9(9))、3Dプリンタ30が再造形を行う(
図9(10))。なお、再造形された試作品が納入された顧客システム40では、再度試作品を使用して評価を送信する。
【0033】
ここで、本実施形態の構成要素と本開示の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のロボット60が作業装置に相当し、エンドエフェクタEがエンドエフェクタに相当し、事業者システム10が提供システムに相当し、3Dプリンタ30が3次元造形装置に相当し、
図6のエンドエフェクタ造形処理を実行する提供管理装置20と3Dプリンタ30の制御部38とが処理制御部に相当する。また、提供管理装置20が評価取得部に相当する。
【0034】
以上説明した事業者システム10は、ワークWおよび作業の情報に基づいて定められたエンドエフェクタEの設計基準を満たす3Dデータを生成し、その3Dデータに基づいて3Dプリンタ30でエンドエフェクタEを造形する。これにより、エンドエフェクタEの金型成形品を製造する場合に比して、エンドエフェクタEの製造期間を大幅に短縮して使用者に迅速に提供することができる。また、3Dデータは、ワークWおよび作業の情報に基づいて定められた設計基準を満たすから、新たなワークWや新たな作業に対して適切なエンドエフェクタEを提供することができる。
【0035】
また、事業者システム10では、新規なエンドエフェクタEの提供が要求された場合に3Dプリンタ30でエンドエフェクタEを造形するから、即日などの短期間でエンドエフェクタEの造形品を試作品として提供し作業を行わせることができる。また、エンドエフェクタEの造形品によるワークWの保持に関する評価を取得するから、エンドエフェクタEの造形品(試作品)の評価を、金型の設計に反映させるなど、より適切なエンドエフェクタEの提供が可能となる。また、評価が良好でない場合、評価の結果を反映するように3Dデータを修正してエンドエフェクタEの造形品を3Dプリンタ30で再度造形するから、評価の結果を踏まえて、より適切なエンドエフェクタEを提供し直すことができる。
【0036】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0037】
例えば、上述した実施形態では、提供管理装置20がエンドエフェクタEの設定処理部22と3Dデータ生成部24と作業DB26とを備え、エンドエフェクタEの設計基準の設定と3Dデータの生成とを行うものとしたが、これに限られるものではない。例えば、作業管理装置42が設定処理部と作業DBとを備えて設計基準の設定を行ってもよい。そして、提供管理装置20は、作業管理装置42から取得した設計基準を満たす3Dデータを生成すればよい。あるいは、作業管理装置42が設定処理部と3Dデータ生成部と作業DBとを備えて、設計基準の設定と3Dデータの生成とを行ってもよい。そして、提供管理装置20は、作業管理装置42から取得した3Dデータに基づいて3Dプリンタ30にエンドエフェクタEを造形させればよい。あるいは、設定処理部と3Dデータ生成部と作業DBとを備える専用の処理装置が、事業者システム10や顧客システム40とは別に設けられてネットワーク18に接続されているものなどとしてもよい。その処理装置は、作業管理装置42からワークWの情報および作業の情報を受信すると、設計基準を設定して提供管理装置20に送信したり、3Dデータを生成して提供管理装置20に送信したりするものなどとすればよい。なお、設計基準の設定や3Dデータの生成が自動で行われるものに限られず、作業者が行うものなどとしてもよい。
【0038】
上述した実施形態では、事業者システム10が加工装置12や射出成形装置14を備えてエンドエフェクタEの金型成形品を提供可能としたが、これに限られず、加工装置12や射出成形装置14を備えないものとしてもよい。即ち、事業者システム10は、エンドエフェクタEの金型成形品は提供せず、3Dプリンタ30によりエンドエフェクタEの造形品を提供するシステムとしてもよい。また、事業者システム10が3Dプリンタ30を備えたが、これに限られず、3Dプリンタが事業者システム10とは別に設けられてネットワーク18に接続されているものとしてもよい。そのようにする場合、提供管理装置20は、その3Dプリンタに3Dデータを送信してエンドエフェクタEを造形させればよい。あるいは、顧客システム40が3Dプリンタを備えてもよい。そのようにする場合、作業管理装置42がエンドエフェクタEの設計基準の設定や3Dデータの生成を行って3DプリンタにエンドエフェクタEを造形させるものなどとすればよい。即ち、エンドエフェクタEの提供システムが、顧客システム内に存在するものとしてもよい。
【0039】
上述した実施形態では、新規の要求に対して1種類のエンドエフェクタEを造形するものとしたが、これに限られず、設計基準や3Dデータが異なる複数種類のエンドエフェクタEを造形するものとしてもよい。こうすれば、複数種類のエンドエフェクタEの評価結果に基づいて最適なエンドエフェクタEの金型成形品を製造することができる。
【0040】
上述した実施形態では、垂直多関節のロボット60を例示したが、これに限られず、直交ロボットや水平多関節ロボット、パラレルリンクロボットなどであってもよい。また、ロボット60がワークWをピッキングしてトレイT上にプレースするものに限られず、電子部品などを基板に実装するものとしてもよい。
【0041】
上述した実施形態では、エンドエフェクタEの新規の要求や即納の要求により3Dプリンタ30でエンドエフェクタEを造形するものとしたが、これに限られず、要求の理由に拘わらず3Dプリンタ30でエンドエフェクタEを造形するものとしてもよい。
【0042】
上述した実施形態では、設計基準を満たす3Dデータを生成すると、その3Dデータに基づいてエンドエフェクタEを造形するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、設計基準を満たす3Dデータを生成すると、その3Dデータに基づくシミュレーションを行って3Dデータに問題がないことを確認してからその3Dデータに基づいてエンドエフェクタEを造形するものなどとしてもよい。あるいは、事業者システム10でエンドエフェクタEの評価を行ってから顧客システム40に納入するものなどとしてもよい。
【0043】
上述した実施形態では、エンドエフェクタEの評価として良好でない旨の評価を取得すると、設計基準や3Dデータを修正してエンドエフェクタEを再造形するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、良好でない旨の評価を取得したものの微修正で対応可能な場合には、エンドエフェクタEを再造形することなく、金型設計に修正を反映させてエンドエフェクタEの金型成形品を手配するものなどとしてもよい。
【0044】
上述した実施形態では、作業DB26のワーク情報としてワークWの形状以外に寸法などを含むものとしたが、少なくともワークWの形状を含むものであればよい。また、作業情報としてワークWをプレースする対象形状や対象寸法などを含むものとしたが、少なくともどのような作業を行うかの作業内容を含むものであればよい。
【0045】
ここで、本開示のエンドエフェクタの提供システムは、以下のように構成してもよい。例えば、本開示のエンドエフェクタの提供システムにおいて、前記処理制御部は、新規な前記エンドエフェクタの提供が要求された場合に、前記エンドエフェクタの金型成形品の製造に先立つ試作品として前記エンドエフェクタの造形品を造形するように前記3次元造形装置を制御するものとしてもよい。こうすれば、例えば即日などの短期間でエンドエフェクタの造形品を試作品として使用者に提供し、作業装置に装着させて作業を行わせることができる。なお、正規品としてのエンドエフェクタの金型成形品が提供されるまで、使用者は試作品としてのエンドエフェクタの造形品を用いるものなどとすればよい。
【0046】
本開示のエンドエフェクタの提供システムにおいて、前記エンドエフェクタの造形品による前記ワークの保持に関する評価を取得する評価取得部を備えるものとしてもよい。こうすれば、エンドエフェクタの造形品の評価を、金型の設計などに反映させることができるから、より適切なエンドエフェクタの提供が可能となる。
【0047】
本開示のエンドエフェクタの提供システムにおいて、前記処理制御部は、前記評価として良好でない旨の評価が取得された場合、該評価の結果を反映するように修正された前記3次元データを生成または取得し、修正された前記3次元データに基づいて前記エンドエフェクタの造形品を再度造形するように前記3次元造形装置を制御するものとしてもよい。こうすれば、評価の結果を踏まえて、より適切なエンドエフェクタの造形品を提供し直すことができる。
【0048】
本開示のエンドエフェクタの提供方法は、ワークに対する作業を行う作業装置に交換可能に装着され前記ワークを保持するためのエンドエフェクタの提供方法であって、前記ワークおよび前記作業の情報に基づいて設定された前記エンドエフェクタの設計基準を満たす3次元データを生成または取得するステップと、前記3次元データに基づいて前記エンドエフェクタの造形品を3次元造形装置により造形するステップと、を含むことを要旨とする。このエンドエフェクタの提供方法では、上述したエンドエフェクタの提供システムと同様に、エンドエフェクタの製造期間を大幅に短縮して作業装置の使用者に迅速に提供することができる。また、新たなワークや新たな作業に対して適切なエンドエフェクタを提供することができる。なお、このエンドエフェクタの提供方法において、エンドエフェクタの提供システムの各機能を実現するようなステップを追加してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、エンドエフェクタの製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0050】
10 事業者システム、18 ネットワーク、19,49 LAN、20 提供管理装置、22 設定処理部、24 3Dデータ生成部、26 作業DB、30 3Dプリンタ、32 造形ステージ、34 ヘッド、36 移動機構、38,58 制御部、40 顧客システム、42 作業管理装置、50 作業システム、51 作業台、52 ワーク供給装置、52a コンベアベルト、54 トレイ搬送装置、60 ロボット、62 ロボットアーム、68 カメラ、E,E1*,E2* エンドエフェクタ、T トレイ、W ワーク。