(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】液面検出装置
(51)【国際特許分類】
G01F 23/24 20060101AFI20241023BHJP
F25D 21/14 20060101ALI20241023BHJP
A47F 3/04 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
G01F23/24 A
F25D21/14 Q
F25D21/14 L
A47F3/04 M
(21)【出願番号】P 2021022102
(22)【出願日】2021-02-15
【審査請求日】2024-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【氏名又は名称】溝渕 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】堅田 多恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】加藤 俊匡
【審査官】櫻井 健太
(56)【参考文献】
【文献】実公昭51-005333(JP,Y1)
【文献】実公昭51-005334(JP,Y1)
【文献】実開昭52-161657(JP,U)
【文献】実開昭53-111759(JP,U)
【文献】特開昭60-239628(JP,A)
【文献】特開平07-071864(JP,A)
【文献】特開平11-044568(JP,A)
【文献】特開2007-047044(JP,A)
【文献】英国特許出願公告第00967467(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 3/04
F25D 21/14
G01F 23/00 - 23/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドレン水が貯留されるドレンタンクの上部に形成された開口から該ドレンタンク内に挿入された検出体の電極に前記ドレン水が接触することにより液面レベルを検出可能な液面検出装置であって、
前記検出体は、可撓性を有し鉛直下方向に向けて垂下するように、前記ドレンタンクとは別個の所定部材に吊支されており、
前記開
口に前記ドレンタンクの内部と連通して前記電極が配置される電極配置部が設けられ、
前記電極配置部は、底壁部と該底壁部の上面周縁に立設される周壁部とから上方に開口する箱状に形成され、
前記ドレンタンクは
前記電極配置部とともに水平方向に移動させて引き出し可能であることを特徴とする液面検出装置。
【請求項2】
前記検出体は、導電性を有する複数の被接合部材を接合して線状にしたチェーンであることを特徴とする請求項1に記載の液面検出装置。
【請求項3】
前記複数の被接合部材は球状であり、該複数の被接合部材は線状の接合部材により接合されていることを特徴とする請求項2に記載の液面検出装置。
【請求項4】
前記検出体は、第1電極を有する第1検出体と、該第1検出体から所定の水平方向に離れた位置に配置され第2電極を有する第2検出体と、を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の液面検出装置。
【請求項5】
前記第1検出体及び前記第2検出体は、前記ドレンタンクとは別個の所定部材に吊支され、
前記ドレンタンクは、前記第1検出体及び前記第2検出体が前記開口に挿入される設置位置から前記所定の水平方向に対し交差する特定水平方向に移動させて引き出し可能であることを特徴とする請求項4に記載の液面検出装置。
【請求項6】
前記電極配置部は
、前記ドレン水の液面レベルが所定液面レベルに達したときに前記電極配置部内に前記ドレン水が進入可能とされていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の液面検出装置。
【請求項7】
前記電極配置部の周壁部の内面は、上方に向けて外側に傾斜していることを特徴とする請求項
1ないし6のいずれかに記載の液面検出装置。
【請求項8】
前記ドレンタンクの内部における前記開口と前記ドレンタンクの底壁との間に、前記電極が載置可能な載置部材が設けられていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の液面検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内に貯留された被検出液の液面を検出可能な液面検出装置に関する。
【0002】
従来、被検出液の液面を検出可能な液面検出装置として、例えば、家庭やオフィスで利用される除湿器、スーパーマーケットなどの店舗に設置される商品陳列用の冷蔵ショーケースなどの機器、に設置されているドレンタンク(容器)に貯留されたドレン水(被検出液)の液面を検出するために配設されたものがある。
【0003】
フロート式の液面検出装置が冷蔵ショーケースに適用された例として、ドレンタンクの上部に取付けられるフロートスイッチ取付蓋にフロートスイッチを設置し、ドレンタンク内の水位が満水になると上昇したフロートが電気接点の接続状態を切り換え検出信号が出力されるものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、超音波式の液面検出装置が冷蔵ショーケースに適用された例として、ドレンタンクの上方に超音波センサを設置し、水面に向けて発信された超音波が水面に反射して戻り受信されるまでの時間を計測して超音波センサと水面との距離を算出して水位を検出するものがあった(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平9-68380号公報(第4頁、
図6参照)
【文献】特開2008-20111号公報(第1頁、
図1参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載のフロート式の液面検出装置は、フロートをドレンタンク内の液面上に浮かせることから、上下寸法が短いドレンタンクに適用すると、フロートの可動域が小さいことから検出感度が悪くなることや、満水状態を検出することが難しくなるという問題があった。また、特許文献2に記載の超音波式の液面検出装置は、超音波パルス信号を液面に向けて発信する送信部や受信部に精密機器を用いていることから導入コストが高く、また、超音波センサの取付位置とドレンタンクとの位置関係が少しでもずれると、超音波センサによる測定範囲内にドレンタンクの開口周縁等が入り込んで液面の正確な検出が困難となるなど、取り扱いが難しいという問題があった。
【0007】
また、上記以外に、検出範囲に制限がなく、かつ、安価な液面検出装置として、回路部に接続された電極を有する複数の検出体を被検出液が貯留された容器に挿入し、一方の検出体の検出電極と、該一方の検出体とアース回路を形成する共通電極とに被検出液がそれぞれ接触し、流れる電流を検出することで液面を検出する電極式の液面検出装置があるが、電極式の液面検出装置は、検出体が棒状に形成されていることで、検出体を容器の開口に上方から挿入したり引き出したりする際に容器に接触して検出体が折れ曲がったり破損する虞があるため、慎重な取り扱い作業が必要となる。
【0008】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、取り扱い作業が容易で正確な液面レベルの検出が可能な液面検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明の液面検出装置は、
ドレン水が貯留されるドレンタンクの上部に形成された開口から該ドレンタンク内に挿入された検出体の電極に前記ドレン水が接触することにより液面レベルを検出可能な液面検出装置であって、
前記検出体は、可撓性を有し鉛直下方向に向けて垂下するように、前記ドレンタンクとは別個の所定部材に吊支されており、
前記開口に前記ドレンタンクの内部と連通して前記電極が配置される電極配置部が設けられ、前記電極配置部は、底壁部と該底壁部の上面周縁に立設される周壁部とから上方に開口する箱状に形成され、
前記ドレンタンクは前記電極配置部とともに水平方向に移動させて引き出し可能であることを特徴としている。
この特徴によれば、検出体が可撓性を有することで、検出体が容器に接触しても衝撃が緩和され、開口内で垂下されるので、取り扱い作業が容易で正確な液面の検出が可能となる。
【0010】
前記検出体は、導電性を有する複数の被接合部材を接合して線状にしたチェーンであることを特徴としている。
この特徴によれば、検出体が垂下されると被接合部材同士が自重によってお互いに当接するので、検出体の導電性が保持される。
【0011】
前記複数の被接合部材は球状であり、該複数の被接合部材は線状の接合部材により接合されていることを特徴としている。
この特徴によれば、被接合部材の表面が球面であることで、容器などに接触したときに滑りやすいので、容器の開口などに引っ掛かりにくい。
【0012】
前記検出体は、第1電極を有する第1検出体と、該第1検出体から所定の水平方向に離れた位置に配置された第2電極を有する第2検出体と、を含むことを特徴としている。
この特徴によれば、2つの電極が互いに離れた別個の検出体により吊支されるので、電極同士が接触し難くなっている。
【0013】
前記第1検出体及び前記第2検出体は、前記容器とは別個の所定部材に吊支され、
前記容器は、前記第1検出体及び前記第2検出体が前記開口に挿入される設置位置から前記所定の水平方向に対し交差する特定水平方向に移動させて引き出し可能であることを特徴としている。
この特徴によれば、電極を含む検出体を所定部材から取外すことなく、容器を設置位置から引き出すことで容器に貯留された被検出液を排水することができるとともに、容器を設置位置から引き出すときに2つの電極が接触したり絡んだりすることが防止される。
【0014】
前記容器の内部における前記開口に対応する位置に、前記電極が配置される電極配置部が設けられ、前記電極配置部は、底壁部と該底壁部の上面周縁に立設される周壁部とから上方に開口する箱状に形成され、
前記被検出液の液面レベルが所定液面レベルに達したときに前記電極配置部内に被検出液が進入可能とされていることを特徴としている。
この特徴によれば、被検出液の液面レベルが所定液面レベルに達するまでは電極配置部内に被検出液が進入することはなく、また、電極配置部内の被検出液が所定液面レベルに達するまでは液面レベルが検出されることはないので、所定液面レベルに達していないのに被検出液が振動により波打つことで液面レベルが検出されてしまうことが防止されるとともに、検出体を電極設置部内に深く挿入させた状態で所定液面レベルを検出することが可能となる。
【0015】
前記電極配置部の周壁部の内面は、上方に向けて外側に傾斜していることを特徴としている。
この特徴によれば、検出体が開口内に挿入されたり開口から引き出されるときに周壁部の内面に形成された傾斜面により案内されることで、開口の周縁などに引っ掛かりにくくなる。
【0016】
前記容器の内部における前記開口と前記容器の底壁との間に、前記電極が載置可能な載置部材が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、電極が載置部材に載置されることで、検出体の長さによらず電極を所望の液面レベルに容易に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の液面検出装置が適用された冷蔵ショーケースを示す斜視図である。
【
図2】
図1の冷蔵ショーケースの内部を示す縦断面図である。
【
図5】(a)はドレンタンクを示す平面図であり、(b)は(a)のB-B断面図であり、(c)は(a)のC-C断面図であり、(d)は(a)のD-D断面図である。
【
図6】(a)~(c)はドレンタンク内にドレン水が貯留され液面レベルが検出される状態を示す要部拡大断面図である。
【
図7】(a)~(d)はドレンタンクを設置位置に設置させるときの態様を示す要部拡大断面図である。
【
図8】(a)~(d)はドレンタンクを設置位置から引き出すときの態様を示す拡大断面図である。
【
図9】(a)は検出体の変形例1を示す断面図であり、(b)は検出体の変形例2を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る液面検出装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0019】
本発明の実施例に係る液面検出装置が適用された冷蔵ショーケースについて、
図1~
図8に基づいて説明する。以下、
図1の紙面左斜め下を冷蔵ショーケースの正面側(前方側)とし、
図2の紙面右斜め上を冷蔵ショーケースの背面側(後方側)とし、冷蔵ショーケースを正面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。
【0020】
図1に示される冷蔵ショーケース1は、主に商店やスーパーマーケット、コンビニエンスストア等の野菜、果物及びその他の生鮮食品並びにその他の食料品等(以下、物品とする)を取り扱う販売店舗に設置され、購入者の物品購入に際して、店舗が販売する物品を陳列するために設置されるものである。特に本実施例における冷蔵ショーケース1は上方に開放された平型オープンショーケース2を備えた冷蔵ショーケースであり、例えばイートインコーナーや専門店等の対面販売を行う場所等で、冷蔵ショーケース1を挟むように正面側に客が背面側に店員が位置するように配置されて用いられる。
【0021】
図1,
図2に示されるように、冷蔵ショーケース1は、冷蔵陳列の物品(図示略)が冷却・収納される保冷室4と、平型オープンショーケース2の下方に設けられる基台5と、から主に構成されている。基台5は、その内部に図示しない圧縮機、凝縮器、送風機等を冷媒配管により接続して構成される冷凍機ユニット43と、ドレン水蒸発装置9と、電極式レベルスイッチ10と、を備えている。冷凍機ユニット43には、冷気循環経路26に配設される蒸発器41及び送風機42(
図2参照)が接続されており、冷凍機ユニット43と、蒸発器41及び送風機42とによって冷凍サイクルが行われることにより、冷気循環経路26の上部に設けられた噴出口7から吸込口8に向けて吹き出される冷気により保冷室4が冷却されるようになっている。
【0022】
保冷室4は、断面視略逆L字状に形成されたケース本体21と、ケース本体21の左右両側端にそれぞれ配設されるパネルユニット27,27と、を備えている。また、保冷室4はケース本体21の下部の前端にアクリル樹脂で形成された透光性を有するフロントパネル28が左右端部に亘って立設されることで、前面側から上面側にかけて開口を有する箱状に構成されている。
【0023】
図2に示されるようにケース本体21は、断面視略逆L字状を成す断熱構造の外ケース22と、その内方において同じく断面視略逆L字状を成す内ケース23とから構成されており、内ケース23の底部23bの上面29に冷蔵状態で陳列される物品が陳列可能になっている。
【0024】
冷蔵ショーケース1は、外気との温度差により生じた蒸発器41近傍の霜を氷解させる霜取り運転を定期的に行うようになっており、この霜取り運転時に霜が溶けることでドレン水が発生し、この霜取り運転によって生じたドレン水は、ドレン水蒸発装置9に溜められて蒸発するようになっている。ドレン水蒸発装置9は、蒸発器41から排出されるドレン水を溜めるドレンパン(図示略)と、含浸されたドレン水を蒸発させる不織布からなる蒸発部材(図示略)と、を備えている。また、ドレン水蒸発装置9からは、基台5の底板5b下面側に配置されたドレンタンク6に向けてオーバーフロー管90(
図3参照)が延設されており、霜取り時にドレン水が多量に生じた際においては、ドレンパンに貯留されたドレン水がオーバーフロー管90を通過してドレンタンク6へ排出されるようになっている。
【0025】
ドレンタンク6は、基台5の底板5b下面左側に取付けられた前後方向を向く左右一対のガイドレール5a,5a(
図1参照)を介して、基台5に対し前後方向にスライド移動可能に設けられており、底板5bの下面の設置位置(
図2~
図4に示す位置)から正面側にスライド移動させることで、冷蔵ショーケース1から取り出すことができるようになっている(
図1参照)。また、設置位置においては、ガイドレール5a,5aに設けられた図示しない規制部によりドレンタンク6の後方へのスライド移動が規制されるようになっているため、冷蔵ショーケース1の正面側からスライド移動が規制されるまでドレンタンク6を後方に向けて押し込むことで、設置位置に容易に配置させることができるようになっている。
【0026】
図2,
図3,
図4に示されるように、ドレンタンク6の液面レベルを検出する液面検出装置としての電極式レベルスイッチ10は、支持部材11と、支持部材11により吊支される第1検出体としてのボールチェーン12及び第2検出体としてのボールチェーン13と、を有している。支持部材11には、検出回路が設けられた回路基板(図示略)が内部に収容されており、この回路基板にはボールチェーン12,13とケーブル10aとが電気的に接続されている。ボールチェーン12はアース電極、ボールチェーン13は検出電極として機能し、これらに交流電圧が印加された状態でボールチェーン12,13双方に導電性の被検出液(本実施例ではドレン水D)が接触することで、ボールチェーン12,13間のドレン水Dに電流が流れて検出回路が閉回路となり、ドレンタンク6の液面レベルが所定液面レベル(本実施例では満水液面レベル)になったことが検出される。ここで、ボールチェーン12,13は本発明の検出体兼電極であって全体が金属材の導電性部材にて構成されている。
【0027】
また、回路基板からケーブル10aを通じて図示しない報知手段(例えば、表示装置やランプなど)へ信号が出力されることで、ドレンタンク6の液面レベルが所定液面レベルになったことが報知され、ドレン水の排水が促されるようになっている。尚、本実施例では、満水液面レベルを検出可能としたが、満水液面レベル以外の液面レベルを検出可能としてもよいし、複数の液面レベルを検出可能としてもよい。また、支持部材11に検出回路を有する回路基板が収容されているが、検出回路は支持部材11以外の場所に配置されていてもよい。
【0028】
また、支持部材11は、基台5内の所定位置に配置された所定部材としての取付金具5cにネジ部材(図示略)により取付けられており、支持部材11における前部11Fの左側には、ボールチェーン12の上端が吊支され、前部11Fの右側には、ボールチェーン13の上端が吊支されている。このようにボールチェーン13は、ボールチェーン12から右方向に所定寸法以上(例えば、約5cm以上)離れた位置に吊支されている(
図4参照)。また、後部11Bには、回路基板に電力を供給するための電源線や信号線などを含むケーブル10aが延出されている。
【0029】
また、基台5の底板5bにおける取付金具5cの下方位置には、ボールチェーン12,13を挿通可能とする貫通孔5dが形成されている。貫通孔5dに挿通されたボールチェーン12,13の下部は、設置位置に設置されたドレンタンク6の後述する開口66a,66bの略中央位置から内部に挿入されて第1電極配置部61と第2電極配置部62に配置される。ドレンタンク6は、設置位置において開口66a,66bが底板5bの貫通孔5dの鉛直下方に位置するようになっている。
【0030】
ボールチェーン12,13は、金属材から成る中空球状の複数の被接合部材12a,13aと、金属材から成る略棒状の接合部材12b,13bと、を有し、複数の被接合部材12a,13aを接合部材12b,13bにより接合することで鎖状に形成されている。また、ボールチェーン12,13の長手方向寸法は略同寸とされ、下端は後述する底壁部61a,62aの上面からやや上方に離れて位置している。詳しくは、ボールチェーン12,13は、各接合部材12b,13bの一端が、中空の各被接合部材12a,13aに対して屈曲可能、かつ、被接合部材12a,13aに対し伸縮可能に係止されているので、外力が加えられると、被接合部材12a,13aと接合部材12b,13bとの接合部が屈曲することにより非直線状に変形可能である。つまり、可撓性を有している。一方、他の部材などが接触するなど外力が加えられていない状態では、自重により鉛直下方向に向けて垂下して直線状になる。
【0031】
また、ボールチェーン12,13は、支持部材11に吊支された状態において鉛直下方に垂下された状態で、下部が貫通孔5dに挿入される検出位置に位置する。また、この状態で、ボールチェーン12,13は、各被接合部材12a,13aの自重により接合部材12b,13bの端部が被接合部材12a,13aに係止される接触状態となり、全体が電気的に接続されている。また、ボールチェーン12,13を構成する複数の被接合部材12a,13a及び接合部材12b,13bは全て金属材から形成されているので、ボールチェーン12,13全体が電極として機能する。
【0032】
次に、
図5(a)~(d)を用いてドレンタンク6について説明する。
図5(a)に示されるようにドレンタンク6は、樹脂材をブロー成型することにより平面視略長方形状の薄い箱型に形成されており、内部にドレン水を貯留可能な貯留空間Aを備えている。
図5(a),(d)に示されるように、上板6aの左側には、オーバーフロー管90から排出されたドレン水Dを貯留空間A内に導入可能なドレン水流入口6cが形成されている。
【0033】
上板6aの左側前部には、貯留空間Aに貯留されたドレン水を排出させるためのドレン水排出口6fが形成されている。また、ドレン水流入口6cの左側には、上板6aから下板6bまで貫通する矩形状の貫通孔6eが左側辺に沿うように形成されており、貫通孔6eにより形成された把持部6gを把持することで、ドレンタンク6の持ち運びやドレン水排出口6fからのドレン水の排水が容易となっている。
【0034】
また、
図5(a),(c)に示されるように、ドレンタンク6の上板6a及び下板6bの複数個所には、それぞれ内方側に凹む凹部6dが互いに対応する位置に形成されている。凹部6dは平面視略円形に形成され、上板6a側に形成された凹部6dと下板6b側に形成された凹部6dとが接合されていることにより、ドレンタンク6の上板6a及び下板6bが一体化されて撓みにくくなっている。ドレンタンク6は、上下寸法が前後寸法や左右寸法より短くなるように肉薄に形成されている。よって、ドレンタンク6を底板5bと床面との間の狭い空間内に収容できる。
【0035】
また、
図5(b)に示されるように、ドレンタンク6の下板6bの左右端部には、上板6a側に向けて凹む段状凹部6h,6hが左右側辺に沿って形成されており、段状凹部6h,6hを基台5の底板5b下面に取付けられたガイドレール5a,5a上に載置させると、ガイドレール5aの下面とドレンタンク6の下板6bとが略面一になるようになっている。
【0036】
また、
図5(a),(b),(d)に示されるように、ドレンタンク6の上板6aにおけるドレン水流入口6cとドレン水排出口6fとの間には、下方に凹む第1電極配置部61及び第2電極配置部62が設けられている。第1電極配置部61と第2電極配置部62とは、略同一構成となっているので、以下、第2電極配置部62の説明を省略し、第1電極配置部61について詳しく説明する。
【0037】
第1電極配置部61は、上方に開放する箱状に形成されており、ドレンタンク6の基台5に対する挿脱方向(前後方向)に向けて長寸に延設されている。
図5(b),(d)に示されるように、第1電極配置部61は、下板6bに対し略平行な底壁部61aと、該底壁部61aの左右両側縁に立設された側壁部61d,61dと、底壁部61aの前後両側縁に立設された前後壁部61f,61fと、から形成され、上板6aに形成された開口66aにより上方に開放されている。
【0038】
底壁部61aは、ドレンタンク6の下板6bと上板6aとの中間位置よりやや下方に配置されており、側壁部61d,61dの上端縁部は上板6aに接続され、前後壁部61f,61fの上端縁部は上板6aに接続されている。つまり、第1電極配置部61は、ドレンタンク6の成型時に上板6aに形成される凹部である。
【0039】
前後壁部61f,61fは、底壁部61aの前後両端から前後方向(外方)に向けて上側に傾斜する傾斜壁部61b,61bと、傾斜壁部61b,61bの前後側端部に形成されるスリット61c,61cと、スリット61c,61cの前後端部から上方に向けて立設され上板6aと接続される垂直壁部61e,61eと、を有している。また、側壁部61d,61dは、上方に向けて外側(左右側)に傾斜している。スリット61c,61cは、平面視略長方形状に形成されており、水を通過可能、かつ、ボールチェーン12の被接合部材12aを通過不能な大きさに形成されている。
【0040】
また、第1電極配置部61と第2電極配置部62とは、それぞれ別個に形成された開口66a,66bに対応して左右に隣接して配置されていることで、第1電極配置部61と第2電極配置部62との間には、第1電極配置部61及び第2電極配置部62の側壁部61d,61dと、該側壁部61d,61d間の上板6aと、からなる縦断面視略逆V状の仕切部63が設けられるため、振動によりボールチェーン12,13が揺れ動いたときでも、ボールチェーン12,13の下端がそれぞれ別の空間に配置されていることで、電極の接触が防止される。
【0041】
また、傾斜壁部61b,61bの上端部、つまり、底壁部61aの上方位置にスリット61c,61cが形成されていることで、第1電極配置部61の内部空間と貯留空間Aとが連通され、貯留空間A内にドレン水Dが所定液面レベル(スリット61cに対応する液面レベル)以上貯留されると、スリット61cを通過して第1電極配置部61内にドレン水Dが進入するようになっている。
【0042】
尚、本実施例では、第1電極配置部61と及び第2電極配置部62は、上板6aにおける開口66a,66bに対応する部分を凹状に形成することにより上板6aに一体に形成されていたが、上板6aとは別個に形成された箱体にて構成されてもよい。例えば、底壁部と該底壁部の上面周縁に立設される周壁部とから上方に開口する箱状に形成された第1電極配置部61及び第2電極配置部62を、開口66a,66bの下方位置において、周壁部の上端と上板6aとの間に隙間が形成されるように下板6bに固設し、貯留空間Aの液面レベルが所定液面レベルに達したときに前記隙間からドレン水Dが進入する構成としてもよい。また、ドレンタンク6の移動方向に延びる平面視長方形状に形成されていたが、平面視略円形など、形状は任意に変形可能である。
【0043】
次に、
図6(a)~(c)を用いて、ドレンタンク6内にドレン水が貯留され、電極式レベルスイッチ10が所定液面レベル(満水液面レベル)を検出する態様について説明する。
【0044】
図6(a)は、ドレンタンク6の貯留空間A内にドレン水Dが少量貯留された態様を示している。このときドレン水Dの貯留空間A内における液面レベルはスリット61cよりも下方であり、液面レベルが所定液面レベル(スリット61cに対応する液面レベル)に達していないので、第1電極配置部61内や第2電極配置部62内にドレン水Dが進入することはない。尚、冷蔵ショーケース1が稼働したり、冷蔵ショーケース1に人や物品等が接触するなど外力が加わることにより生じる振動や、オーバーフロー管90からドレン水Dが流入することなどにより、ドレン水Dが波打って少量のドレン水Dがスリット61cから第1電極配置部61や第2電極配置部62内に進入したとしても、第1電極配置部61内のドレン水Dと第2電極配置部62内のドレン水Dとが貯留空間Aのドレン水Dを介して連通しないので、ボールチェーン12とボールチェーン13との間に電流が流れて所定液面レベルが検出されることはない。
【0045】
図6(b)は、ドレン水Dがスリット61c,61cから第1電極配置部61内と第2電極配置部62内に進入する態様を示している。このとき、ドレン水Dの貯留空間A内における液面レベルは、スリット61cに対応する所定液面レベル(満水液面レベル)に達しているが、第1電極配置部61内と第2電極配置部62内とに貯留されたドレン水Dの液面レベルは所定液面レベルに達していない、つまり、第1電極配置部61内のドレン水Dと第2電極配置部62内のドレン水Dとが貯留空間Aのドレン水Dを介して連通していないため、
図6(b)においてはボールチェーン12とボールチェーン13との間に電流は流れない。このように、スリット61cは、貯留空間Aが満水液面レベルに達したときにドレン水Dが第1電極配置部61及び第2電極配置部62の内部に進入する位置に形成されていることが好ましい。
【0046】
図6(c)は、第1電極配置部61内と第2電極配置部62内に進入したドレン水Dの液面レベルが所定液面レベルまで上昇した態様を示している。このとき、ドレン水Dの貯留空間A内における液面レベルと第1電極配置部61及び第2電極配置部62内のドレン水Dの液面レベルとがスリット61cよりも上方の所定液面レベルにおいて略同一になり、第1電極配置部61に貯留されたドレン水Dと第2電極配置部62に貯留されたドレン水Dとが、貯留空間Aに貯留されたドレン水Dを介して連通し、ボールチェーン12とボールチェーン13との間に電流が流れることにより所定液面レベルに達したことが検出され、ドレン水Dが満杯状態となったことが報知される。また、ボールチェーン12とボールチェーン13は、ドレン水Dよりも密度が大きくなっているので、第1電極配置部61と第2電極配置部62とドレン水Dが貯留された際においても、鉛直下方に垂下した状態となっている。
【0047】
次に、
図7(a)~(d)を用いて、空のドレンタンク6を設置位置に設置する際におけるボールチェーン12の態様について説明する。尚、ボールチェーン12,13は、略同様の変形態様を成すのでボールチェーン12の態様のみ説明する。
【0048】
空のドレンタンク6を設置位置に設置する際においては、
図7(a)に示されるように、ドレンタンク6の下板6bに形成されている段状凹部6h,6h(
図4参照)の下面をガイドレール5a,5aの上面に位置するようにドレンタンク6を位置合わせし、ドレンタンク6の後端部6Bから基台5の下部に挿入する。ボールチェーン12の下部は、底板5bの貫通孔5dよりも下方に位置するように吊支されているので、ドレンタンク6の後端部6Bが挿入されたときにボールチェーン12の下部に接触するが、ボールチェーン12は可撓性を有するので、ドレンタンク6の移動方向(背面側)に向けて湾曲(変形)する。
【0049】
図7(b)に示されるように、ドレンタンク6を更に基台5の背面側へスライドさせると、ドレンタンク6の移動に伴いボールチェーン12の下端が上板6a上で移動方向に引きずられるように摺動される。ボールチェーン12の被接合部材12aは球状に形成されているので、上板6a上でスムーズに摺動する。
【0050】
図7(c)に示されるように、ドレンタンク6の開口66aが貫通孔5dの鉛直下方に位置すると、ボールチェーン12の下部が上板6aから開口66a内に落下し、前後壁部61fにより下方に向けて案内される。特に傾斜壁部61bは下方に向けて底壁部61a側に傾斜しているので、ボールチェーン12の下部が底壁部61aに向けて案内される。また、ボールチェーン12の場合、複数の接合部を有しているので導線などに比べて部分的に変形しやすいため、
図7(b)に示される状態において、上半部は自重により垂下されており下半部だけが後側に向けて湾曲しているので、下端が貫通孔5dより後側に引きずられてしまうことがない。よって、
図7(c)に示されるように開口66aが貫通孔5dの下方に位置したときに、ボールチェーン12の下端が開口66aよりも後側に位置していて開口66a内に落下しないという状況が生じることを回避できる。
【0051】
図7(d)に示されるように、ドレンタンク6を更に基台5の背面側にスライドさせて設置位置にて停止されると、ボールチェーン12は、ドレンタンク6に対し非接触状態となることで自重によって鉛直下方へ垂下される。このように、平型オープンショーケース2下方で作業者が作業しにくい箇所に設けられた電極式レベルスイッチ10を、ドレンタンク6を設置した後に取付けたりすることなく、取付位置である取付金具5cに取付けられたまま、ドレンタンク6を基台5の正面側から背面側へスライドさせて設置位置に設置するだけで、第1電極配置部61と第2電極配置部62にボールチェーン12,13を容易に配置することができる。
【0052】
次に、
図8(a)~(d)を用いて、満水状態のドレンタンク6を手前側にスライドさせて設置位置から引き抜く際におけるボールチェーン12の態様について説明する。尚、ボールチェーン12,13は、略同様の変形態様を成すのでボールチェーン12の態様のみ説明する。
【0053】
満水液面レベルに達したドレンタンク6を設置位置から引き抜く際においては、
図8(a)に示されるように、ドレンタンク6の前端部6Fを把持し正面側にスライドさせる。このとき、ボールチェーン12は、底壁部61a上に位置しているので鉛直下方へ垂下している。
【0054】
図8(b)に示されるように、ドレンタンク6を基台5の正面側へスライドさせると、ドレンタンク6の移動に伴いボールチェーン12の下部が背面側の傾斜壁部61bに接触することで、ボールチェーン12の下部が正面側に引っ張られて湾曲する。また、傾斜壁部61bは底壁部61aから上方に向けて傾斜されているので、ボールチェーン12の下部が上方へ向けてスムーズに案内されるので、開口66aの周縁部に引っ掛かることなく開口66aから引き出される。
【0055】
また、ボールチェーン12の被接合部材12aは球状に形成されているので、
図8(c)に示されるように、ドレンタンク6の前面側への移動に伴って、ボールチェーン12の下端が上板6a上でスムーズに摺動される。また、第1電極配置部61は、上板6aに一体に形成された凹部であり、スリット61cは被接合部材12aを通過不能とされていることで、開口66aに挿入されたボールチェーン12がスリット61cから第1電極配置部61外の貯留空間Aに配置されてしまうことがない。
【0056】
図8(d)に示されるように、ドレンタンク6を更に正面側へスライドさせ、ボールチェーン12が吊支されている位置よりも手前側にドレンタンク6の後端部6Bが移動されると、ボールチェーン12の下端がドレンタンク6の上板6a上から滑落し、手前側に湾曲していたボールチェーン12は自重によって鉛直下方へ垂下する。
【0057】
以上説明したように、本発明の実施例としての電極式レベルスイッチ10にあっては、ドレン水Dが貯留されるドレンタンク6の上部に形成された開口66a,66bからドレンタンク6内に挿入された検出体及び電極としてのボールチェーン12,13がドレン水Dに接触することにより液面レベルを検出可能な液面検出装置であって、ボールチェーン12,13は、可撓性を有し鉛直下方向に向けて垂下するように吊支されている。このように、ボールチェーン12,13が可撓性を有することで、ドレンタンク6を設置位置に設置したり、設置位置から取り出したりするときにボールチェーン12,13がドレンタンク6に接触しても衝撃が緩和されることで、電極を含む検出体が破損することがなく、また、ボールチェーン12,13は、ドレンタンク6や底板5bとの接触により変形しても、開口66a,66b内に挿入されときに自重により垂下され、ドレン水Dの液面に対し略直交する適正な姿勢で配置されるため、取り扱い作業が容易で正確な液面レベルの検出が可能となる。
【0058】
また、検出体は、複数の被接合部材12a,13aを接合して線状にしたチェーンであることから、ボールチェーン12,13が垂下されると、被接合部材12a,13aがそれぞれ自重によって互いに当接するので、変形した後もボールチェーン12,13の導電性が好適に保持される。また、線状部材などに比べて部分的に変形しやすいので、ドレンタンク6の移動に応じてボールチェーン12,13の下端が検出位置から大きく離れた位置まで動いてしまうことを防止できる。
【0059】
また、複数の被接合部材12aは球状であることから、被接合部材12aの表面が球面であることで、ドレンタンク6などに接触したときに滑りやすいので、ボールチェーン12,13が開口66a,66bに挿入されやすい。
【0060】
また、第1電極を有する第1検出体としてのボールチェーン12と、該ボールチェーン12から右方向に離れた位置に配置され第2電極を有する第2検出体としてのボールチェーン13とを含むことから、2つの電極がお互いに離れた別個の検出体により吊支されるので、ボールチェーン12とボールチェーン13との接触や絡まりを容易に回避することができる。
【0061】
また、ボールチェーン12,13は、ドレンタンク6とは別個の取付金具5cに吊支され、ドレンタンク6は、ボールチェーン12,13が開口66a,66bに挿入される設置位置から所定の水平方向(左右方向)に対し交差する水平方向(前後方向)に移動することで引き出し可能である。つまり、ボールチェーン12,13が吊支された支持部材11をドライバー等の工具を用いて取付金具5cから取外すことなく、ドレンタンク6を設置位置から引き出すことで、ドレンタンク6に貯留されたドレン水Dを排水することができ、また、ドレンタンク6は設置位置から前方に向けて水平に引き出すことができるようになっているので、左右に並んだボールチェーン12,13が接触したり絡んだりすることが防止される。
【0062】
また、ドレンタンク6の内部における開口66a,66bに対応する位置に、ボールチェーン12,13が配置される第1電極配置部61と第2電極配置部62が設けられ、第1電極配置部61と第2電極配置部62は、底壁部61aと、該底壁部61aの上面周縁に立設される周壁部としての側壁部61d,61d及び前後壁部61f,61fとから上方に開口する箱状に形成され、ドレン水Dが所定液面レベルを超えたときにスリット61c,61cから第1電極配置部61と第2電極配置部62にドレン水Dが進入可能とされている。このように、ドレン水Dが所定液面レベルに達するまでは第1電極配置部61と第2電極配置部62内にドレン水Dが進入することはなく、また、第1電極配置部61と第2電極配置部62内のドレン水Dが所定液面レベルに達するまでは液面レベルが検出されることはないので、所定液面レベルに達していないのにドレン水Dが振動により波打つことで所定液面レベルが検出されてしまうことが防止されるとともに、ボールチェーン12,13をドレンタンク6内に深く挿入させた状態で所定液面レベルを検出することが可能となる。
【0063】
詳しくは、例えば、第1電極配置部61や第2電極配置部62を設けずに所定液面レベル(満水液面レベル)を検出可能とするには、ボールチェーン12,13の下端を開口66a,66bにおける上板6a付近に配置する必要がある。この場合、上記したように液面が一時的に波打つと、所定液面レベルに達していなくても所定液面レベルが検出されてしまう場合がある。また、ボールチェーン12,13の下端が所定液面レベルより下方に配置されると満水前に検出されてしまう一方、所定液面レベルより上方に配置されると検出されないままドレン水Dが溢れてしまうことがあるので、ボールチェーン12,13の設置作業に正確性を要する。
【0064】
一方、第1電極配置部61や第2電極配置部62にボールチェーン12,13を配置する場合、貯留空間Aが所定液面レベルに達した後で、第1電極配置部61や第2電極配置部62が所定液面レベルに達してボールチェーン12,13間に電流が流れるようになるとともに、ボールチェーン12,13の下端を、所定液面レベルとは異なる液面レベル(例えば、所定液面レベルより下方位置)に配置しても、所定液面レベルを正確に検出することができるため、ボールチェーン12,13の長さ調整や下端の位置調整などの設置作業が容易になる。また、ボールチェーン12,13の設置状況に影響を受けることなく正確な所定液面レベルを検出することができるため、ドレンタンク6の容量を確保しつつ、上下寸法を短寸化することができる。
【0065】
また、第1電極配置部61と第2電極配置部62の側壁部61d,61d及び前後壁部61f,61fは、上方に向けて外側に傾斜していることから、ボールチェーン12,13が開口66a,66b内に挿入されたり、開口66a,66bから引き出されるときに側壁部61d,61d及び前後壁部61f,61fにより案内されることで、垂直壁部61eなどに引っ掛かりにくくなる。
【0066】
また、前記実施例では、電極式レベルスイッチの検出体として、複数の被接合部材12a,13aを接合部材12b,13bにより回転可能に接合することにより鎖状に形成したボールチェーン12,13を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、
図9(a)に示されるように、導電性を有する複数の環状部材24a(被接合部材)各々を接合して線状にしたチェーン24を用いることとしてもよい。
【0067】
また、例えば、
図9(b)に示されるように、導電性を有する導線25aと、該導線25aの下端に略球状で導電性を有し重量のある錘25bが取付けられた吊体25を用いることとしてもよい。このように検出体は、導線25aのような可撓性を有する線状部材にて構成されていてもよい。また、下端に錘25bが取付けられているので、導線25aが変形しても錘25bにより鉛直下方に垂下するようになる。
【0068】
以上、本発明の実施例と変形例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0069】
前記実施例では、検出体は、ボールチェーン12,13が電極を兼ねる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、検出体が被検出液に電気的に接触する電極を有していればよく、導線の周囲が絶縁体で被覆され一部が露出しているものであってもよい。
【0070】
また、前記実施例では、全長に亘って検出体が可撓性を有する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、検出体の少なくとも容器に挿入される箇所が可撓性を有していればよい。
【0071】
また、前記実施例では、検出体が、アース電極としてのボールチェーン12(第1検出体)と、検出電極としてのボールチェーン13(第2検出体)とで別個に固定される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1電極を有する第1導線と第2電極を有する第2導線とが当接しショートしないよう一定距離離間させた上で1本のゴム管などの絶縁材の内部に一体に設けられているものであってもよい。
【0072】
また、前記実施例では、ボールチェーン12,13の下端は底壁部61a,62aより上方に僅かに離間して配置される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ボールチェーン12,13の下部が底壁部61a,62a上に載置されるようにボールチェーン12,13を吊支してもよく、このようにすることで、ボールチェーン12,13の長さを所定液面レベルに合わせて正確に調整しなくても、ボールチェーン12,13の下部を底壁部61a,62a上に載置するだけで所望の液面レベルに容易に配置することができる。
【0073】
また、前記実施例では、ドレンタンク6のドレン水を排水するために設置位置から引き出すときに、支持部材11を基台5の取付金具5cから取外さない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ドレンタンク6を設置位置から引き出すときに、支持部材11を取付金具5cから取外して、ボールチェーン12,13をドレンタンク6の開口66a,66bから引き出すようにしてもよい。また、ドレンタンク6が設置位置から引き出し可能であるか否かにかかわらず、支持部材11をメンテナンスの為に取付金具5cに対し取付け、取外し可能としてもよい。つまり、本発明の検出体であるボールチェーン12,13は、可撓性を有し鉛直下方に垂下するので、取付金具5cに対し取付けたり取外したりする際にドレンタンク6に衝突しても破損しにくく、開口66a,66bに挿入したり引き出したりする際に鉛直下方に向けて垂下されるので、着脱などの取り扱い作業が容易である。
【0074】
また、前記実施例では、第1電極配置部61及び第2電極配置部62の各々に、平面視略長方形状の2つのスリット61c,61cが、傾斜壁部61bの前後側に形成されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、形状は上記のように平面視略長方形状のものだけでなく、平面視略正方形状や平面視略円形状など種々の形状に変形可能である。また、スリット61cの数についても2つに限定されるものではなく、1つまたは3つ以上としてもよい。更に、前記実施例では、スリット61c,61cは傾斜壁部61bの前後側端部に形成されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、所望の液面レベルに応じてスリット61c,61cの形成箇所を傾斜壁部61bの上下方向の略中央位置など、周壁部の任意の箇所に変更してもよい。
【0075】
また、前記実施例では、第1電極配置部61と第2電極配置部62との間には、第1電極配置部61及び第2電極配置部62の側壁部61d,61dと、該側壁部61d,61d間の上板6aと、からなる縦断面視略逆V状の仕切部63が形成されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、側壁部61d,61d間の上板6aを水平方向に延出させた側面視略台形状の仕切部としてもよい。
【0076】
また、前記実施例では、液面検出装置としての電極式レベルスイッチ10を、冷蔵ショーケース1に適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、冷凍ショーケース、あるいは冷凍、冷蔵ショーケース以外の他の業務機器や、加湿器や除湿機など家電機器などにも適用可能であり、ドレン水以外の被検出液の液面レベルを検出可能な液面検出装置としてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 冷蔵ショーケース
2 平型オープンショーケース
5 基台
6 ドレンタンク(容器)
10 電極式レベルスイッチ(電極式液面検出装置)
11 支持部材
12,13 ボールチェーン(検出体、電極)
12a,13a 被接合部材
12b,13b 接合部材
24 チェーン(検出体、電極)
25 吊体(検出体、電極)
61 第1電極配置部
62 第2電極配置部
61a,62a 底壁部
61b,62b 傾斜壁部
61c スリット
61d,62d 側壁部(周壁部)
61f,62f 前後壁部(周壁部)
61e,62e 垂直壁部
63 仕切部
66a,66b 開口
90 オーバーフロー管
A 貯留空間
D ドレン水(被検出液)