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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】治具
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/18 20060101AFI20241023BHJP
   E04B 1/24 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
E04G21/18 Z
E04B1/24 R
E04B1/24 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021043017
(22)【出願日】2021-03-17
(65)【公開番号】P2022142814
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2024-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 翔太
(72)【発明者】
【氏名】塩津 悠介
【審査官】菅原 奈津子
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-159007(JP,A)
【文献】特開2017-144474(JP,A)
【文献】実公昭47-042495(JP,Y1)
【文献】特開平07-324492(JP,A)
【文献】実開昭61-107488(JP,U)
【文献】実開昭61-041490(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2007/0297556(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/24
E04B 1/38- 1/61
E04G 21/14-21/22
B23K 9/00
B23K 9/02- 9/038
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱に対してベースプレートを固定するために用いられる治具であって、
本体部と、
前記本体部に設けられ、前記柱に当接可能な当接部と、
前記本体部に設けられ、前記ベースプレートと係合可能な係合部と、
を具備する治具。
【請求項2】
前記本体部は、
横向きに配置された前記柱を、上方及び一対の側方から囲むような枠状に形成されている、
請求項1に記載の治具。
【請求項3】
前記本体部は、
前記柱と接触しないように形成されている、
請求項1又は請求項2に記載の治具。
【請求項4】
前記当接部は、
断面視多角形状に形成された前記柱が有する複数の側面のうち、少なくとも2つの側面と当接するように形成されている、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の治具。
【請求項5】
前記当接部は、
前記係合部に係合された前記ベースプレートと接触しないように形成されている、
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の治具。
【請求項6】
前記係合部は、
断面視多角形状に形成された前記柱の対角線上に向かい合った角部の近傍に位置するように、少なくとも2つ形成されている、
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の治具。
【請求項7】
前記当接部との間で前記柱を挟持することが可能な挟持部をさらに具備する、
請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柱に対してベースプレートを固定するために用いられる治具の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、柱に固定されたベースプレートをコンクリート基礎に埋め込まれたアンカーボルトに固定することで、柱をコンクリート基礎に連結する鉄骨造の技術が公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
このような鉄骨造に用いられる柱にベースプレートを固定する場合、一般的には、ベースプレートにけがきを行い、けがかれたベースプレートを作業者が手で持ち、横たわらせた柱の底部にベースプレートの位置を合わせ、溶接等によって柱に固定する、という方法が用いられている。
【0004】
しかしながら、上記のような方法では、ベースプレートにけがきを行う作業時間を要したり、作業者の手持ちによる作業であるため取り付け後の寸法確認作業を入念に行う必要があるなど、作業性の改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-282192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、柱に対してベースプレートを固定する際の作業性を向上させることが可能な治具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、柱に対してベースプレートを固定するために用いられる治具であって、本体部と、前記本体部に設けられ、前記柱に当接可能な当接部と、前記本体部に設けられ、前記ベースプレートと係合可能な係合部と、を具備するものである。
【0009】
請求項2においては、前記本体部は、横向きに配置された前記柱を、上方及び一対の側方から囲むような枠状に形成されているものである。
【0010】
請求項3においては、前記本体部は、前記柱と接触しないように形成されているものである。
【0011】
請求項4においては、前記当接部は、断面視多角形状に形成された前記柱が有する複数の側面のうち、少なくとも2つの側面と当接するように形成されているものである。
【0012】
請求項5においては、前記当接部は、前記係合部に係合された前記ベースプレートと接触しないように形成されているものである。
【0013】
請求項6においては、前記係合部は、断面視多角形状に形成された前記柱の対角線上に向かい合った角部の近傍に位置するように、少なくとも2つ形成されているものである。
【0014】
請求項7においては、前記当接部との間で前記柱を挟持することが可能な挟持部をさらに具備するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0016】
請求項1においては、柱に対してベースプレートを固定する際の作業性を向上させることができる。
【0017】
請求項2においては、治具が柱から脱落し難くすることができ、ひいては作業性を向上させることができる。
【0018】
請求項3においては、柱に対してベースプレートを固定する際の作業性を向上させることができる。
【0019】
請求項4においては、柱に対してベースプレートの位置を容易に合わせることができる。
【0020】
請求項5においては、柱に対してベースプレートを固定する際の作業性を向上させることができる。
【0021】
請求項6においては、柱に対してベースプレートの位置を精度良く合わせることができる。
【0022】
請求項7においては、柱に対してベースプレートを固定する際の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係る治具を示した後方斜視図。
図2】同じく、前方斜視図。
図3】同じく、背面図。
図4】同じく、平面図。
図5】使用時の治具を示した後方斜視図。
図6】同じく、前方斜視図。
図7】同じく、側面断面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の説明においては、図中に記した矢印に従って、上下方向、左右方向及び前後方向をそれぞれ定義する。
【0025】
まず、本発明の一実施形態に係る治具1について説明する。
【0026】
治具1は、柱2にベースプレート3を固定する際に、柱2に対してベースプレート3の位置を合わせるために用いられるものである(図5等参照)。なお本実施形態では、柱2及びベースプレート3の一例として、角筒状(長手方向断面視において略矩形状)に形成された柱2、及び矩形板状に形成されたベースプレート3を例示している(図5等参照)。治具1は、主として本体部10、当接部20、係合部30及び挟持部40を具備する。
【0027】
図1から図4に示す本体部10は、治具1の主たる構造体を形成する部分である。本体部10は、適宜の厚さを有する板材により形成される。本実施形態においては、本体部10が、厚さ方向を前後方向に向けて配置された状態を図示している。本体部10は、主として上部11、第一側部12及び第二側部13を具備する。
【0028】
上部11は、使用時(柱2にベースプレート3の位置を合わせるために用いられる際)に柱2の上方に位置する部分である。上部11は、左右方向に延びるように形成される。
【0029】
第一側部12は、使用時に柱2の側方(本実施形態では、左側方)に位置する部分である。第一側部12は、上部11の左端部から下方に向かって延びるように形成される。
【0030】
第二側部13は、使用時に柱2の側方(本実施形態では、右側方)に位置する部分である。第二側部13は、上部11の右端部から下方に向かって延びるように形成される。第二側部13は、第一側部12よりも長く(下端の位置が、第一側部12の下端よりも下方に位置するように)形成される。
【0031】
このようにして本体部10は、正面視において下方に向かって開口するコの字状(逆U字状)の枠状に形成される。使用時には、柱2を上方及び一対の側方(左右両側方)から囲むように本体部10が配置される(図3参照)。なお、本体部10の寸法(第一側部12と第二側部13の間の隙間等)は、柱2の寸法に応じて適宜決定される。
【0032】
当接部20は、使用時に柱2と当接可能な部分である。当接部20は、主として上方当接部21及び側方当接部22を具備する。
【0033】
上方当接部21は、柱2に対して上方から当接する(柱2の上側面と当接する)部分である。上方当接部21は、直方体状に形成される。上方当接部21は、本体部10の上部11の後面に固定される。上方当接部21は、上部11の下端から下方に突出するように配置される。
【0034】
側方当接部22は、柱2に対して側方(本実施形態では、左方)から当接する(柱2の左側面と当接する)部分である。側方当接部22は、直方体状に形成される。側方当接部22は、本体部10の第一側部12の後面に固定される。側方当接部22は、第一側部12の右端から右方に突出するように配置される。
【0035】
係合部30は、使用時にベースプレート3と係合可能な部分である。係合部30は、主として第一係合ピン31及び第二係合ピン32を具備する。
【0036】
第一係合ピン31及び第二係合ピン32は、ベースプレート3に形成された貫通孔3aと係合する部分である。第一係合ピン31及び第二係合ピン32は、略円柱状に形成される。第一係合ピン31及び第二係合ピン32は、長手方向を前後方向に向けて配置される。第一係合ピン31及び第二係合ピン32は、本体部10の前面から前方に突出するように固定される。第一係合ピン31及び第二係合ピン32は、使用時に、ベースプレート3に形成された貫通孔3a(アンカーボルトが挿通される孔)と対応する位置に配置される。
【0037】
第一係合ピン31は、使用時に、ベースプレート3の左上部の貫通孔3aに対応する位置に配置される(図5及び図6参照)。具体的には、第一係合ピン31は、本体部10の第一側部12の上部に設けられる。これによって第一係合ピン31は、使用時に、柱2の左上部の角部の近傍に位置することになる(図3参照)。
【0038】
第二係合ピン32は、使用時に、ベースプレート3の右下部の貫通孔3aに対応する位置に配置される(図5及び図6参照)。具体的には、第二係合ピン32は、本体部10の第二側部13の下部に設けられる。これによって第二係合ピン32は、使用時に、柱2の右下部の角部の近傍に位置することになる(図3参照)。
【0039】
挟持部40は、当接部20(より詳細には、側方当接部22)との間で柱2を挟持することが可能な部分である。挟持部40は、主として取付板41、ナット42及びボルト43を具備する。
【0040】
取付板41は、後述するナット42を取り付けるための部分である。取付板41は、適宜の厚さを有する板材により形成される。取付板41は、厚さ方向を前後方向に向けて配置される。取付板41は、本体部10の第二側部13の後面に固定される。取付板41は、側方当接部22に対して左右に対向する位置(側方当接部22と同じ高さ)に配置される。
【0041】
ナット42は、後述するボルト43が締結されるものである。ナット42は、ねじ孔を左右方向に向けて配置される。ナット42は、取付板41の後面に固定される。
【0042】
ボルト43は、柱2を側方から押すためのものである。ボルト43は、右方からナット42に締結される。ボルト43をナット42に適宜締め込むことで、ボルト43の先端を任意の量だけナット42の左方(側方当接部22側)へと突出させることができる。
【0043】
次に、治具1を用いて柱2にベースプレート3を固定する方法について説明する。
【0044】
図5及び図6に示すように、まず、適宜の載置台(不図示)の上に柱2を横たわらせた状態で配置する。
【0045】
次に、柱2の上に治具1を配置する。具体的には、柱2を上方及び左右両側方から囲むように、本体部10を配置する。この際、図3に示すように、上方当接部21が柱2の上側面に当接するように本体部10を配置(載置)する。また、側方当接部22が柱2の左側面に当接するように本体部10を配置する。
【0046】
このように、当接部20(上方当接部21及び側方当接部22)を柱2に当接させることで、柱2に対する治具1の位置決めを行うことができる。特に本実施形態では、柱2の複数の側面(上側面及び左側面)に当接部20を当接させることで、複数方向(上下方向及び左右方向)の位置決めを行うことができる。これによって、治具1の位置決めを精度良く行なうことができる。
【0047】
次に、図5及び図6に示すように、ベースプレート3を前方から治具1に近づけて、ベースプレート3の貫通孔3aに治具1の係合部30(第一係合ピン31及び第二係合ピン32)を挿通する。このように、治具1の係合部30をベースプレート3に係合させることで、治具1に対するベースプレート3の位置決めを行うことができる。
【0048】
次に、図7に示すように、ベースプレート3が、柱2の前端及び治具1(本体部10)の前面と当接するように、ベースプレート3及び治具1の位置を調整する。具体的には、柱2の前端と当接する位置までベースプレート3を後方へ移動させると共に、このベースプレート3と当接する位置まで治具1(本体部10)を前方へ移動させる。
【0049】
次に、図4から図6に示すように、右方からナット42にボルト43を締め込んで、ボルト43の先端で柱2の右側面を押圧する。これによって、ボルト43と側方当接部22との間で柱2を挟んで保持することができ、治具1を柱2に固定することができる。
【0050】
このように、柱2に設けた治具1にベースプレート3を係合させることで、柱2に対してベースプレート3の位置を合わせる(位置決めする)ことができる。この状態で、適宜の方法(例えば、溶接)によって、ベースプレート3が柱2に固定される。
【0051】
この際、図3及び図5等に示すように、治具1は当接部20及び挟持部40(ボルト43)でのみ柱2と当接している。一方、本体部10と柱2は接触しておらず、本体部10と柱2との間には隙間が形成されている。これによって、この隙間から溶接作業を容易に行うことができる。また、図7に示すように、当接部20は本体部10の後面に設けられ、ベースプレート3は本体部10の前面に当接しているため、ベースプレート3と当接部20との間には前後方向に隙間が確保されている。これによって、この隙間から溶接作業を容易に行うことができると共に、溶接時のスパッタが治具1(当接部20)に付着するのを抑制することができる。
【0052】
このように本実施形態に係る治具1を用いることによって、ベースプレート3に位置合わせのためのけがきを行わなくても、柱2に対してベースプレート3の位置を合わせることができる。また、治具1で柱2とベースプレート3の位置を合わせた状態で溶接を行うことができるため、溶接の際の位置ずれの発生が抑制でき、その後の寸法確認作業も省略(若しくは簡略化)することができる。このように、治具1を用いることで、柱2に対してベースプレート3を固定する際の作業性を向上させることができる。
【0053】
以上の如く、本実施形態に係る治具1は、
柱2に対してベースプレート3を固定するために用いられる治具1であって、
本体部10と、
前記本体部10に設けられ、前記柱2に当接可能な当接部20と、
前記本体部10に設けられ、前記ベースプレート3と係合可能な係合部30と、
を具備するものである。
このように構成することにより、柱2に対してベースプレート3を固定する際の作業性を向上させることができる。
【0054】
また、前記本体部10は、
横向きに配置された前記柱2を、上方及び一対の側方から囲むような枠状に形成されているものである。
このように構成することにより、治具1が柱2から脱落し難くすることができ、ひいては作業性を向上させることができる。
【0055】
また、前記本体部10は、
前記柱2と接触しないように形成されているものである。
このように構成することにより、柱2に対してベースプレート3を固定する際の作業性を向上させることができる。すなわち、本体部10と柱2との隙間から、柱2とベースプレート3を固定する作業(溶接等)を行うことができ、柱2とベースプレート3を容易に固定することができる。
【0056】
また、前記当接部20は、
断面視多角形状(矩形状)に形成された前記柱が有する複数の側面のうち、少なくとも2つの側面と当接するように形成されているものである。
このように構成することにより、柱2に対してベースプレート3の位置を容易に合わせることができる。すなわち、当接部20を柱2の複数の側面と当接させることで、治具1(ひいてはベースプレート3)の複数方向における位置を合わせることができる。これによって、ベースプレート3の位置が所定の位置となるように、容易に合わせることができる。
【0057】
また、前記当接部20は、
前記係合部30に係合された前記ベースプレート3と接触しないように形成されているものである。
このように構成することにより、柱2に対してベースプレート3を固定する際の作業性を向上させることができる。すなわち、当接部20とベースプレート3との隙間から、柱2とベースプレート3を固定する作業(溶接等)を行うことができ、柱2とベースプレート3を容易に固定することができる。また、溶接時のスパッタが治具1(当接部20)に付着するのを抑制することができる。
【0058】
また、前記係合部30は、
断面視多角形状に形成された前記柱2の対角線上に向かい合った角部の近傍に位置するように、少なくとも2つ形成されているものである。
このように構成することにより、柱2に対してベースプレート3の位置を精度良く合わせることができる。すなわち、柱2の対角線上に係合部30を配置することで、係合部30同士の間隔を比較的大きく確保することができる。比較的遠く離れた係合部30でベースプレート3と係合することにより、ベースプレート3の比較的小さな位置ズレ(傾斜)も修正することができるため、ベースプレート3の位置を精度良く合わせることができる。
【0059】
また、治具1は、
前記当接部20との間で前記柱2を挟持することが可能な挟持部40をさらに具備するものである。
このように構成することにより、柱2に対してベースプレート3を固定する際の作業性を向上させることができる。すなわち、当接部20と挟持部40とによって柱2を挟持することで、治具1を柱2に固定することができるため、作業性を向上させることができる。
【0060】
また、側方当接部22は、本体部10の第一側部12及び第二側部13のうち、短く形成された第一側部12に設けられるものである。
このように構成することにより、治具1の左右の重量バランスの均一化を図ることができる。これによって、治具1が柱2から脱落し難くすることができる。
【0061】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0062】
例えば、本実施形態においては、本体部10を正面視コの字状に形成した例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、任意の形状に形成することが可能である。
【0063】
また、本実施形態においては、本体部10が柱2と接触しないように構成された例を示したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば本体部10が柱2と一部当接してもよい。
【0064】
また、本実施形態においては、当接部20を2つ(上方当接部21及び側方当接部22の2つ)設けた例を示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、当接部20を1つ、若しくは3つ以上設けることも可能である。但し、位置を精度良く合わせる観点からは、当接部20は柱2に対して複数方向から(複数の側面に対して)当接できるように形成することが望ましい。
【0065】
また、当接部20を柱2の複数の側面に当接させる方法としては、当接部20を複数設けるだけではなく、1つの当接部20を柱2の複数の側面に当接させることも可能である。例えば、当接部20を正面視L字状に形成し、柱2の2つの側面に当接するように形成することも可能である。
【0066】
また、本実施形態においては、係合部30を2つ(第一係合ピン31及び第二係合ピン32の2つ)設けた例を示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、係合部30を1つ、若しくは3つ以上設けることも可能である。
【0067】
また、係合部30の配置は本実施形態のもの(柱2の対角線上の2箇所)に限るものではなく、ベースプレート3の形状等に応じて任意に配置することが可能である。
【0068】
また、本実施形態においては、係合部30をベースプレート3の貫通孔3aに挿通することで、ベースプレート3と係合する例を示したが、ベースプレート3に対する係合方法はこれに限るものではなく、任意の方法で係合させることが可能である。例えば、係合部30をフック状に形成し、ベースプレート3に引っ掛けるようにして係合させることも可能である。
【0069】
また、挟持部40の構成は本実施形態のものに限るものではなく、柱2に対して治具1を固定できるものであれば、その構成を任意に変更することが可能である。例えば、ボルト43の代わりにバネ等の弾性部材を用いて柱2を押圧する(当接部20との間で柱2を挟持する)ことも可能である。
【0070】
また、本実施形態では挟持部40を具備する治具1を例示したが、本発明はこれに限るものではなく、挟持部40は必ずしも設けなくてもよい。
【0071】
また、本実施形態で例示した柱2及びベースプレート3は一例であり、治具1は任意の形状の柱2及びベースプレート3に適用することが可能である。例えば、柱2は断面視矩形状に限るものではなく、その他の多角形状や円形状(円柱状)であってもよい。
【0072】
また、本実施形態で説明した柱2にベースプレート3を固定する方法は一例であり、その手順は適宜変更することが可能である。例えば、本実施形態では、柱2に治具1を配置した後で、ベースプレート3を治具1に係合させるものとしたが、ベースプレート3を治具1に係合させてから、この治具1を柱2に配置することも可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 治具
2 柱
3 ベースプレート
10 本体部
20 当接部
30 係合部
40 挟持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7