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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】締結工具
(51)【国際特許分類】
   B21J 15/26 20060101AFI20241023BHJP
   B21J 15/28 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
B21J15/26 Z
B21J15/28 M
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021079830
(22)【出願日】2021-05-10
(65)【公開番号】P2022173853
(43)【公開日】2022-11-22
【審査請求日】2024-02-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003052
【氏名又は名称】弁理士法人勇智国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井筒 悠太
(72)【発明者】
【氏名】関戸 基生
【審査官】飯田 義久
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-136431(JP,A)
【文献】特開2007-15045(JP,A)
【文献】米国特許第10232429(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21J 15/26
B21J 15/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピンと筒状部とを含むファスナを用いて作業材を締結するように構成された締結工具であって、
モータと、
前記筒状部に当接可能なアンビルと、
前記ピンを把持するように構成されたピン把持部であって、前記モータの動力によって、前記締結工具の前後方向を規定する第1の軸に沿って、前記アンビルに対して移動するように構成されたピン把持部と、
N極とS極とが前記前後方向に並ぶように配置され、前記ピン把持部と一体的に、前記第1の軸に平行な第2の軸に沿って前記前後方向に移動するように構成された磁石と、
第1検知面を有する第1磁気センサと、
第2検知面を有し、前記第1磁気センサよりも後方に配置された第2磁気センサと、
前記第2磁気センサの検出結果に基づいて、前記ピン把持部を、初期位置から停止位置まで前記アンビルに対して後方へ移動させ、且つ、前記第1磁気センサの検出結果に基づいて、前記ピン把持部を、前記停止位置から前記初期位置まで前記アンビルに対して前方へ移動させるように構成された制御装置とを備え、
前記第1磁気センサ及び前記第2磁気センサは、前記磁石の同一の所定極を検知するように構成された片極検知型センサであって、
前記第1磁気センサ及び前記第2磁気センサは、前記第2の軸に対する前記第1検知面の向きと、前記第2の軸に対する前記第2検知面の向きとが逆となるように配置されていることを特徴とする締結工具。
【請求項2】
請求項1に記載の締結工具であって、
前記所定極は、前記N極及び前記S極のうち、後側に配置された極であって、
前記第1検知面は、前記第2の軸に対向するように配置され、
前記第2検知面は、前記第2の軸から離れる方向を向くように配置されていることを特徴とする締結工具。
【請求項3】
ピンと筒状部とを含むファスナを用いて作業材を締結するように構成された締結工具であって、
モータと、
前記筒状部に当接可能なアンビルと、
前記ピンを把持するように構成されたピン把持部であって、前記モータの動力によって、前記締結工具の前後方向を規定する第1の軸に沿って、前記アンビルに対して移動するように構成されたピン把持部と、
N極とS極とが前記前後方向に並ぶように配置され、前記ピン把持部と一体的に、前記第1の軸に平行な第2の軸に沿って前記前後方向に移動するように構成された磁石と、
第1検知方向が規定された第1磁気センサと、
第2検知方向が規定され、前記第1磁気センサよりも後方に配置された第2磁気センサと、
前記第2磁気センサの検出結果に基づいて、前記ピン把持部を、初期位置から停止位置まで前記アンビルに対して後方へ移動させ、且つ、前記第1磁気センサの検出結果に基づいて、前記ピン把持部を、前記停止位置から前記初期位置まで前記アンビルに対して前方へ移動させるように構成された制御装置とを備え、
前記第1磁気センサ及び前記第2磁気センサは、夫々、前記磁石の同一の所定極を検知するように構成された片極検知型センサであって、
前記第1磁気センサと前記第2磁気センサとは、前記第2の軸に対する前記第1検知方向の向きと、前記第2の軸に対する前記第2検知方向の向きとが逆となるように配置されていることを特徴とする締結工具。
【請求項4】
請求項3に記載の締結工具であって、
前記所定極は、前記N極及び前記S極のうち、後側に配置された極であって、
前記第1検知方向は、前記第2の軸から離れる方向であり、
前記第2検知方向は、前記第2の軸へ向かう方向であることを特徴とする締結工具。
【請求項5】
請求項2又は4に記載の締結工具であって、
前記所定極は、N極であることを特徴とする締結工具。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1つに記載の締結工具であって、
前記第1磁気センサ及び前記第2磁気センサは、前記第2の軸を含む仮想的な平面に対して同じ側に配置されていることを特徴とする締結工具。
【請求項7】
請求項1~6の何れか1つに記載の締結工具であって、
前記磁石と前記第1磁気センサとが前記第2の軸に直交する第1の直線上にあるときの前記磁石と前記第1磁気センサの検知ポイントとの間の距離は、前記磁石と前記第2磁気センサとが前記第2の軸に直交する第2の直線上にあるときの前記磁石と前記第2磁気センサの検知ポイントとの間の距離と等しいことを特徴とする締結工具。
【請求項8】
請求項1~7の何れか1つに記載の締結工具であって、
前記第1磁気センサと前記第2磁気センサとは、夫々、別個の第1基板及び第2基板に搭載されていることを特徴とする締結工具。
【請求項9】
請求項1~8の何れか1つに記載の締結工具であって、
前記第1磁気センサ及び前記第2磁気センサは、同一構成を有するセンサであることを特徴とする締結工具。
【請求項10】
請求項1~9の何れか1つに記載の締結工具であって、
前記締結工具は、前記ファスナとして、破断用の小径部を有する前記ピンが前記筒状部に挿通された破断式のファスナを使用可能であって、
前記ピン把持部は、前記初期位置から前記停止位置まで移動する間に、前記ピンを前記ファスナに対して後方へ引っ張って前記作業材を締結するとともに、前記ピンを前記小径部で破断させるように構成されていることを特徴とする締結工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファスナを用いて作業材を締結する締結工具に関する。
【背景技術】
【0002】
ピンと筒状部とを備えたファスナを用いて、複数の作業材を締結する締結工具が知られている。例えば、特許文献1に開示されている締結工具では、ピン把持部(ジョーアセンブリ)が、初期位置から後方に移動する過程で、ピンを把持して筒状部に対して軸方向に引っ張ることで、ファスナを変形させ、作業材を締結する。ピン把持部は、所定の停止位置に到達した後、初期位置へ戻される。ピン把持部の移動は、2つのセンサによる検出結果に基づいて制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の締結工具では、2つのセンサには、夫々、ピン把持部と一体的に移動する磁石の磁界を検出するホールセンサが採用されている。ホールセンサのような磁気センサを利用した位置検出機構の検出精度は、磁気センサの取付け態様に影響される。
【0005】
本発明は、かかる状況に鑑み、ピンと筒状部とを含むファスナを用いて作業材を締結する締結工具における位置検出機構に関する改良を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、ピンと筒状部とを含むファスナを用いて作業材を締結するように構成された締結工具が提供される。この締結工具は、モータと、アンビルと、ピン把持部と、磁石と、第1磁気センサと、第2磁気センサと、制御装置とを備える。
【0007】
アンビルは、筒状部に当接可能に構成されている。ピン把持部は、ファスナのピンを把持するように構成されている。ピン把持部は、モータの動力によって、第1の軸に沿って、アンビルに対して移動するように構成されている。第1の軸は、締結工具の前後方向を規定する。磁石は、N極とS極とが前後方向に並ぶように配置されている。磁石は、ピン把持部と一体的に、第1の軸に平行な第2の軸に沿って前後方向に移動するように構成されている。第1磁気センサは、第1検知面を有する。第2磁気センサは、第2検知面を有する。第2磁気センサは、第1磁気センサよりも後方に配置されている。制御装置は、第2磁気センサの検出結果に基づいて、ピン把持部を、初期位置から停止位置までアンビルに対して後方へ移動させ、且つ、第1磁気センサの検出結果に基づいて、ピン把持部を、停止位置から初期位置までアンビルに対して前方へ移動させるように構成されている。
【0008】
第1磁気センサ及び第2磁気センサは、磁石の同一の所定極を検知するように構成された片極検知型センサである。言い換えると、第1磁気センサ及び第2磁気センサは、何れも磁石のN極にのみ反応する(N極の磁界のみを検出する)、あるいは、何れも磁石のS極にのみ反応する(S極の磁界のみを検出する)ように構成されている。第1磁気センサ及び第2磁気センサは、第2の軸に対する第1検知面の向きと、第2の軸に対する第2検知面の向きとが逆となるように配置されている。
【0009】
本態様に係る締結工具では、磁石が第2磁気センサに前方から近づくときと、磁石が第1磁気センサに後方から近づくときとで、先に各磁気センサに近づく磁石の極が異なっている。これに対し、第2の軸(磁石の移動軸)に対する第1磁気センサの第1検知面の向きと、第2磁気センサの第2検知面の向きとが逆である。このため、第1磁気センサと第2磁気センサの一方は、本来とは逆の極を検知する片極検知型センサと同様に機能することができる。よって、磁石が第2磁気センサに前方から近づくときと、第1磁気センサに後方から近づくときとで、各磁気センサが検知する極の磁界(磁束密度)の変化を同様にすることができる。これにより、締結工具の寸法設計が容易となり、誤差が生じる可能性を低下することができるため、ピン把持部の位置検出精度が向上する。
【0010】
本開示の別の一態様によれば、ピンと筒状部とを含むファスナを用いて作業材を締結するように構成された締結工具が提供される。この締結工具は、モータと、アンビルと、ピン把持部と、磁石と、第1磁気センサと、第2磁気センサと、制御装置とを備える。
【0011】
アンビルは、筒状部に当接可能に構成されている。ピン把持部は、ファスナのピンを把持するように構成されている。ピン把持部は、モータの動力によって、第1の軸に沿って、アンビルに対して移動するように構成されている。第1の軸は、締結工具の前後方向を規定する。磁石は、N極とS極とが前後方向に並ぶように配置されている。磁石は、ピン把持部と一体的に、第1の軸に平行な第2の軸に沿って前後方向に移動するように構成されている。第1磁気センサには、第1検知方向が規定されている。第2磁気センサには、第2検知方向が規定されている。第2磁気センサは、第1磁気センサよりも後方に配置されている。制御装置は、第2磁気センサの検出結果に基づいて、ピン把持部を、初期位置から停止位置までアンビルに対して後方へ移動させ、且つ、第1磁気センサの検出結果に基づいて、ピン把持部を、停止位置から初期位置までアンビルに対して前方へ移動させるように構成されている。
【0012】
第1磁気センサ及び第2磁気センサは、磁石の同一の所定極を検知するように構成された片極検知型センサである。言い換えると、第1磁気センサ及び第2磁気センサは、何れも磁石のN極にのみ反応する(N極の磁界のみを検出する)、あるいは、何れも磁石のS極にのみ反応する(S極の磁界のみを検出する)ように構成されている。第1磁気センサと第2磁気センサとは、第2の軸に対する第1検知方向の向きと、第2の軸に対する第2検知方向の向きとが逆となるように配置されている。
【0013】
本態様に係る締結工具では、磁石が第2磁気センサに前方から近づくときと、磁石が第1磁気センサに後方から近づくときとで、先に各磁気センサに近づく磁石の極が異なっている。これに対し、第2の軸(磁石の移動軸)に対する第1磁気センサの第1検知方向の向きと、第2磁気センサの第2検知方向の向きとが逆である。このため、第1磁気センサと第2磁気センサの一方は、本来とは逆の極を検知する片極検知型センサと同様に機能することができる。よって、磁石が第2磁気センサに前方から近づくときと、第1磁気センサに後方から近づくときとで、各磁気センサが反応する極の磁界(磁束密度)の変化を同様にすることができる。これにより、締結工具の寸法設計が容易となり、誤差が生じる可能性を低下することができるため、ピン把持部の位置検出精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】締結工具で使用可能なファスナの一例の説明図である。
図2】補助ハンドルが取り付けられた状態の締結工具の左側面図である。
図3】ネジシャフト及びピン把持部が初期位置に配置されているときの締結工具の断面図である。
図4図3の部分拡大図である。
図5図1のVーV線における部分断面図である。
図6図4のVI-VI線における断面図である。
図7】補助ハンドルが取り付けられた状態の締結工具の正面図である。
図8図4の位置検出機構を含む領域の部分拡大図である。
図9】磁石と第1センサ/第2センサとの位置関係と磁束密度の変化を説明するための模式図である。
図10】ネジシャフト及びピン把持部が停止位置に配置されているときの締結工具の部分断面図である。
図11】対比例おける磁石と第1センサ/第2センサとの位置関係と磁束密度の変化を説明するための模式図である。
図12】変形例における磁石と第1センサ/第2センサとの位置関係と磁束密度の変化を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の1つ又はそれ以上の実施形態において、所定極は、N極及びS極のうち、後側に配置された極であってもよい。第1磁気センサの第1検知面は、第2の軸に対向するように配置され、第2磁気センサの第2検知面は、第2の軸から離れる方向を向くように配置されてもよい。あるいは、第1磁気センサの第1検知方向は、第2の軸から離れる方向であり、第2磁気センサの第2検知方向は、第2の軸へ向かう方向であってもよい。この構成によれば、第2磁気センサは、本来とは逆の極(N極とS極のうち前側の一方)を検知する片極検知型センサと同様に機能する。よって、第2磁気センサは、後側の極が第2磁気センサの検知ポイントを通過した後、前側の極の磁束密度が比較的急速に増加する過程で作動することができる。また、第1磁気センサは、本来の極(N極とS極のうち後側の一方)を検知する片極検知型センサとして機能し、前側の極が第1磁気センサの検知ポイントを通過した後、後側の極の磁束密度が比較的急速に増加する過程で作動することができる。これにより、第1磁気センサ及び第2磁気センサの検出精度を高めることができる。更に、所定極は、N極であってもよい。この構成によれば、比較的流通量の多いN極検知型センサを有効活用することができる。
【0016】
本開示の1つ又はそれ以上の実施形態において、第1磁気センサ及び第2磁気センサは、第2の軸を含む仮想的な平面に対して同じ側に配置されていてもよい。この構成によれば、第2の軸に交差する方向において比較的小さいスペースに、第1磁気センサ及び第2磁気センサを配置することができる。
【0017】
本開示の1つ又はそれ以上の実施形態において、磁石と第1磁気センサとが第2の軸に直交する第1の直線上にあるときの磁石と第1磁気センサの検知ポイントとの間の距離は、磁石と第2磁気センサとが第2の軸に直交する第2の直線上にあるときの磁石と第2磁気センサの検知ポイントとの間の距離と等しくてもよい。この構成によれば、磁石が第2磁気センサに前方から近づくときと、第1磁気センサに後方から近づくときとで、各磁気センサが反応する極の磁界(磁束密度)の変化をより確実に同等とすることができる。
【0018】
本開示の1つ又はそれ以上の実施形態において、第1磁気センサと第2磁気センサとは、夫々、別個の第1基板及び第2基板に搭載されていてもよい。この構成によれば、第1磁気センサと第2磁気センサの組付けの自由度を向上させることができる。
【0019】
本開示の1つ又はそれ以上の実施形態において、第1磁気センサ及び第2磁気センサは、同一構成を有するセンサであってもよい。この構成よれば、磁石が第2磁気センサに前方から近づくときと、第1磁気センサに後方から近づくときとで、各磁気センサが反応する極の磁界(磁束密度)の変化をより確実に同等とすることができる。
【0020】
本開示の1つ又はそれ以上の実施形態において、締結工具は、ファスナとして、破断用の小径部を有するピンが筒状部に挿通された破断式のファスナを使用可能であってもよい。ピン把持部は、初期位置から停止位置まで移動する間に、ピンをファスナに対して後方へ引っ張って作業材を締結するとともに、ピンを小径部で破断させるように構成されていてもよい。この構成によれば、ピンの破断によってピン把持部にかかる負荷が急激に低下した後、停止位置でピン把持部を適切に停止させることができる。
【0021】
以下、図面を参照して、本開示の代表的且つ非限定的な実施形態について、具体的に説明する。以下の実施形態では、ファスナを使用して作業材を締結可能な締結工具1を例示する。
【0022】
締結工具1は、複数種類のファスナを選択的に使用可能である。図1に示すファスナ9は、締結工具1で使用可能なファスナの一例である。より詳細には、ファスナ9は、複数部材加締め式のファスナ(multi-piece swage type fastener)と称される公知のファスナの一例である。
【0023】
以下、ファスナ9の構成について簡単に説明する。ファスナ9は、ピン91と、カラー95とを含む。ピン91は、軸部911と、軸部911の一端部に一体的に形成されたヘッド915とを含む。カラー95は、軸部911を挿通可能な円筒状部材である。ピン91とカラー95とは、元々は互いに別体として形成されている。締結工具1によって、ピン91がカラー95に対して軸方向に引っ張られることでカラー95が変形し、ピン91のヘッド915と、ピン91の軸部911に加締められたカラー95とで作業材Wが締結される。
【0024】
なお、複数部材加締め式のファスナには、ピンの軸部の一部(ピンテール又はマンドレルともいう)が破断して引きちぎられるタイプ(以下、単に、破断タイプともいう)、及び、ピンの軸部が破断せずにそのまま維持されるタイプ(以下、単に非破断タイプともいう)がある。ファスナ9は、破断タイプである。よって、ピン91の軸部911には、破断用の小径部913(溝)が設けられている。
【0025】
以下、締結工具1の概略構成について説明する。
【0026】
図2及び図3に示すように、締結工具1は、工具本体10と、ノーズ16と、ハンドル17とを備えている。
【0027】
工具本体10は、ハウジングとも称され、モータ21、駆動機構3等を収容する。工具本体10には、バッテリ145を装着可能であって、締結工具1は、バッテリ145から供給される電力で動作する。ノーズ16は、アンビル161と、アンビル161内に配置されたピン把持部165とを備える。アンビル161は、所定の駆動軸A1に沿って延在するように、工具本体10の一端部に連結されている。ハンドル17は、使用者によって把持される長尺の筒状体である。ハンドル17は、駆動軸A1の延在方向において、アンビル161とは反対側に配置されており、駆動軸A1に交差する方向(詳細には、概ね直交する方向)に延在する。ハンドル17は、使用者によって押圧操作(引き操作)されるトリガ171を備えている。本実施形態では、ハンドル17の両端は、概ねC 字状の工具本体10に連結されている。工具本体10及びハンドル17は、全体として略D字状の環状部(リング)を形成する。
【0028】
使用者が、ファスナ9(図1参照)をアンビル161の先端部に係合させ、トリガ171を押圧操作すると、モータ21が駆動される。モータ21の動力によって、駆動機構3が、ピン91をカラー95に対して後方に強く引っ張り、ファスナ9を変形させることで、作業材Wを締結する。
【0029】
以下では、締結工具1の方向に関して、説明の便宜上、駆動軸A1の延在方向を締結工具1の前後方向と規定する。前後方向において、ノーズ16が配置されている側を前側、反対側(ハンドル17が配置されている側)を後側と定義する。また、駆動軸A1に直交し、ハンドル17の長軸方向に対応する方向を上下方向と規定する。上下方向において、ハンドル17の駆動軸A1に近い端部側を上側、反対側(駆動軸A1から遠い端部側)を下側と定義する。また、前後方向及び上下方向に直交する方向を左右方向と定義する。
【0030】
以下、締結工具1の詳細構成について説明する。
【0031】
まず、工具本体10の詳細構成及び工具本体10の内部構造について説明する。
【0032】
図2及び図3に示すように、工具本体10は、全体としてはC字状に形成されており、収容部12と、延在部13と、バッテリ保持部14とを含む。収容部12は、駆動軸A1に沿って延在している。収容部12の上側部分の前端部(以下、バレル部103という)は、円筒状に形成されている。バレル部103の前端部の周囲には、補助ハンドル18を装着可能である。延在部13は、工具本体10のうち、収容部12の下端部から、後ろ下方向に斜めに延びている。バッテリ保持部14は、延在部13の上下方向の中央部から後方に延びている。バッテリ保持部14は、バッテリ145を取り外し可能に保持するように構成されている。なお、本実施形態では、バッテリ145は、バッテリ保持部14に支持されたバッテリホルダ141を介してバッテリ保持部14に装着される。これに代えて、バッテリ保持部14は、バッテリ145を直接着脱可能に構成されてもよい。
【0033】
図3に示すように、工具本体10の内部には、主に、モータ21と、駆動機構3と、位置検出機構8と、コントローラ20とが収容されている。
【0034】
モータ21は、収容部12の下後端部に収容されている。モータシャフト213の回転軸A2は、駆動軸A1の下側で駆動軸A1と平行に(つまり、前後方向に)延在している。なお、本実施形態では、モータ21には、ブラシレスDCモータが採用されている。モータシャフト213は、正方向及び逆方向の二方向に回転可能である。正方向は、後述するネジシャフト45及びピン把持部165を後方へ移動させる方向に対応する。逆方向は、ネジシャフト45及びピン把持部165を前方へ移動させる方向に対応する。以下では、モータシャフト213が正方向に回転するようにモータ21を駆動することを正転駆動ともいう。モータシャフト213が逆方向に回転するようにモータ21を駆動することを逆転駆動ともいう。
【0035】
駆動機構3は、モータ21の動力によって、ファスナ9のピン91をカラー95に対して前後方向に移動させるように構成されている。より詳細には、駆動機構3は、ピン91を把持するように構成されたピン把持部165を、工具本体10に連結されたアンビル161に対して駆動軸A1に沿って移動させるように構成されている。図4に示すように、本実施形態の駆動機構3は、遊星減速機31と、駆動ギヤ32と、アイドルギヤ33と、ボールネジ機構40とを含む。
【0036】
遊星減速機31は、収容部12において、モータ21の前側に、モータ21と同軸状に配置されている。遊星減速機31は、多段式の遊星減速機として構成されている。駆動ギヤ32は、遊星減速機31の前側に、遊星減速機31と同軸状に配置されている。遊星減速機31は、モータシャフト213から入力されるトルクを増大させ、駆動ギヤ32を回転させるように構成されている。アイドルギヤ33は、駆動ギヤ32の上側に配置されている。アイドルギヤ33は、駆動ギヤ32と、後述するナット41の被動ギヤ411に噛合している。
【0037】
ボールネジ機構40は、回転運動を直線運動に変換するように構成された運動変換機構である。ボールネジ機構40は、ナット41とネジシャフト45とを主体として構成されている。本実施形態では、ボールネジ機構40は、ナット41の回転運動をネジシャフト45の直線運動に変換して、ピン把持部165を直線状に移動させるように構成されている。ボールネジ機構40は、収容部12の上側部分に収容されている。
【0038】
ナット41は、工具本体10に対して、前後方向に実質的に移動不能、且つ、駆動軸A1周りに回転可能な状態で支持されている。ナット41は、円筒状に形成されており、外周部に一体的に設けられた被動ギヤ411を有する。ナット41は、被動ギヤ411の前側及び後側で、工具本体10に支持された2つのベアリングによって支持されている。
【0039】
ネジシャフト45は、工具本体10に対して、駆動軸A1周りに実質的に回転不能、且つ、駆動軸A1に沿って前後方向に移動可能な状態でナット41に係合している。より詳細には、ネジシャフト45は、長尺体として構成され、駆動軸A1に沿って延在するように、ナット41に挿通されている。詳細な図示は省略するが、ナット41の内周面とネジシャフト45の外周面に夫々形成された溝によって、螺旋状の軌道が規定されている。軌道内には、多数のボールが転動可能に配置されている。ネジシャフト45は、これらのボールを介してナット41に係合している。ネジシャフト45の後端部には、延設シャフト451が同軸状に連結固定され、ネジシャフト45に一体化されている。以下、一体化されたネジシャフト45と延設シャフト451を総称して、駆動シャフト450ともいう。
【0040】
駆動シャフト450は、駆動軸A1に沿って駆動シャフト450を貫通する貫通孔を有する。工具本体10の後端部には、回収容器15が取り外し可能に取り付けられている。回収容器15は、ファスナ9のピン91から分離された軸部の一部(以下、ピンテールという)を収容するための容器である。ファスナ9から分離されたピンテールは、駆動シャフト450の貫通孔を通って回収容器15に到達し、回収容器15に収容される。
【0041】
また、図4図6に示すように、ネジシャフト45の後端部には、ベアリングホルダ46が連結されている。ベアリングホルダ46は、ネジシャフト45の周囲に配置されるベース部461と、ベース部461から左方及び右方に延びる2つのアーム部463を有する。ベース部461は、ネジシャフト45の後端部に設けられたショルダ部の後面と延設シャフト451の前端面とに挟まれ、ネジシャフト45に連結固定されている。これにより、ベアリングホルダ46は、ネジシャフト45(駆動シャフト450)に一体化されている。各アーム部463の先端部には、ベアリング465が取り付けられている。一方、工具本体10(収容部12)には、左右一対のガイドプレート121が固定されている。各ガイドプレート121には、前後方向に延在するガイド溝123が形成されている。左右のベアリング465は、夫々、左右のガイド溝123内に配置されている。
【0042】
このような構成により、モータ21の駆動に応じて、ナット41が駆動軸A1周りに回転されると、ネジシャフト45は、ナット41及び工具本体10に対して前後方向に直線状に移動する。
【0043】
更に、図4及び図6に示すように、ベアリングホルダ46の下端部には、磁石ホルダ47が連結されている。磁石ホルダ47は、磁石48の保持部材である。磁石ホルダ47は、ベアリングホルダ46の下側に配置されており、上下方向に磁石ホルダ47を貫通する貫通孔471を有する。ベアリングホルダ46(ベース部461)の下端部には、上下方向に延びるネジ穴462が形成されている。ネジ穴462には、磁石ホルダ47の下側から、磁石ホルダ47の貫通孔471を介してネジ475が締結されている。これにより、磁石ホルダ47及び磁石48は、ベアリングホルダ46に連結固定され、ベアリングホルダ46を介してネジシャフト45(駆動シャフト450)に一体化されている。なお、本実施形態では、ネジ475の締結方向が、駆動軸A1(ネジシャフト45の移動方向)に直交している。これにより、ネジ475の締結方向がネジシャフト45の移動方向と平行の場合に比べ、ネジシャフト45が移動しても、ネジ475が緩みにくい構成が実現されている。
【0044】
磁石ホルダ47は、磁石48が下方に露出するように磁石48を支持している。なお、本実施形態では、磁石48は、N極が後側、且つ、S極が前側に位置するように配置されている。磁石ホルダ47はネジシャフト45と一体化されているため、磁石48の中心は、ネジシャフト45が駆動軸A1に沿って前後方向に移動するのに伴って、駆動軸A1に平行な移動軸A3に沿って(移動軸A3上を)前後方向に移動する。
【0045】
図4に示す位置検出機構8は、磁石48による磁界を検出することで、ネジシャフト45、ひいてはピン把持部165の位置を検出する機構である。本実施形態では、位置検出機構8は、磁石48の移動軸A3の近傍に、前後方向に離間配置された2つの磁気センサ80(第1センサ81及び第2センサ82)を含む。磁気センサ80による検出結果は、モータ21の駆動制御(ひいてはピン把持部165の移動制御)に使用される。磁気センサ80の構成及び配置と、磁気センサ80の検出結果に基づく制御については、後で詳述する。
【0046】
図3に示すように、コントローラ20は、延在部13内に配置されている。詳細な図示は省略するが、コントローラ20は、回路基板に搭載された制御回路、モータ21の駆動回路等を含む。なお、本実施形態では、コントローラ20の制御回路は、CPU、ROM、RAM等を含むマイクロコンピュータとして構成されている。コントローラ20は、図示しない電線を介して、磁気センサ80(第1センサ81及び第2センサ82)、後述のLEDライト25、スイッチ172等に電気的に接続されている。コントローラ20は、モータ21の駆動を含む締結工具1の動作を制御する。
【0047】
また、延在部13の下端部の前壁に形成された開口部には、LEDライト25が保持されている。LEDライト25は、ノーズ16の前方領域(つまり、ファスナによる締結作業領域)を照らすように配置されている。
【0048】
なお、図3及び図5に示すように、本実施形態では、工具本体10は、金属ハウジング102と、樹脂ハウジング107とで形成されている。金属ハウジング102は、金属(例えば、アルミニウム合金)で形成されており、上述のバレル部103と、駆動ギヤ32、アイドルギヤ33、ナット41を支持する支持部104とを含む。樹脂ハウジング107は、合成樹脂によって形成されており、金属ハウジング102に連結固定されて、金属ハウジング102と一体化されている。樹脂ハウジング107は、金属ハウジング102のうち、支持部104の大部分を覆っている。
【0049】
図5に示すように、金属ハウジング102の支持部104のうち、ナット41を支持する部分の左側部及び右側部には、ネジ穴105が形成されている。樹脂ハウジング107の左壁部及び右壁部には、ネジ穴105を外部に露出させる開口108が形成されている。各ネジ穴105には、図2及び図7に示すように、アイボルト109を締結可能である。締結工具1の使用者は、アイボルト109のループにショルダベルト(図示略)の取付け具を取り付けることで、締結工具1を肩からショルダベルトで吊り下げることができる。
【0050】
以下、ノーズ16について説明する。図3に示すように、ノーズ16は、アンビル161と、ピン把持部165とを主体として構成されている。なお、アンビル161及びピン把持部165の構成は公知であるため、以下に簡単に説明する。
【0051】
アンビル161は、全体としては円筒体であって、駆動軸A1に沿って延在するボアを有する。ボアの先端部は、他の部分よりも小径に構成されており、ファスナ9のカラー95に当接(係合)可能である。アンビル161は、連結部材162、163を介して工具本体10(バレル部103)に連結されている。
【0052】
ピン把持部165は、ファスナ9のピン91(軸部911)を把持可能に構成され、アンビル161に対して駆動軸A1に沿って前後方向に移動可能に保持されている。より詳細には、ピン把持部165は、アンビル161と同軸状にボア内に保持されており、ボア内を摺動可能である。ピン把持部165は、ジョーアセンブリとも称され、ピン91の軸部911を把持可能な複数の爪(ジョーとも称される)を有する。ピン把持部165は、アンビル161に対して初期位置(図3に示す位置)から後方へ移動するのに伴って、爪による把持力が増大するように構成されている。ピン把持部165の後端部は、連結部材166を介してネジシャフト45の前端部に連結されている。よって、ピン把持部165は、ネジシャフト45と一体的に前後方向に移動する。なお、連結部材166は、駆動シャフト450の貫通孔に連通する貫通孔を有する。
【0053】
以下、ハンドル17の内部構造について説明する。
【0054】
図3に示すように、ハンドル17の内部には、トリガ171の後側に隣接してスイッチ172が収容されている。スイッチ172は、常時にはオフ状態で維持され、トリガ171の引き操作に応じてオン状態とされる。スイッチ172はオン状態とされると、特定の信号(オン信号)をコントローラ20に出力する。
【0055】
以下、図8を参照して、位置検出機構8の磁気センサ80の構成及び配置の詳細について説明する。
【0056】
本実施形態では、位置検出機構8の2つの磁気センサ80には、同一のセンサが採用されている。各磁気センサ80は、ホール効果を利用して、磁界の有無及び磁界の強さを検出するように構成されたセンサ(ホールセンサ、ホール効果センサ)である。
【0057】
本実施形態の磁気センサ80は、N極及びS極のうち一方のみを検知する、いわゆる片極検知(単極検知)1出力型のホールセンサである。より詳細には、磁気センサ80は、磁石48のN極のみに反応する(N極の磁界を検出する)ように構成されており、検知面(主面、基準面)SSに垂直、且つ、検知面SSから取付け面MSへ向かう一方向(検知方向(基準方向)SD)の磁界成分を検出する。更に、磁気センサ80は、磁気センサ80の検知ポイントSPを通過して、検知方向SDに磁気センサ80を貫く磁界(磁束密度)の大きさに応じて、オン・オフ動作する(出力信号をLOW信号とHIGH信号との間で切り替える)。具体的には、磁気センサ80は、磁束密度が所定の閾値を超える場合、オンとなり(LOW信号を出力し)、磁束密度が閾値以下の場合、オフとなる(HIGH信号を出力する)。なお、磁気センサ80がオフとなる閾値は、磁気センサ80がオンとなる閾値とは異なっていてもよい。
【0058】
2つの磁気センサ80は、磁石48の移動軸A3を含む仮想的な平面に対して同じ側に、前後方向に離間して配置されている。より詳細には、磁気センサ80は何れも、磁石48の移動軸A3を含み、且つ、上下方向に直交するように延びる仮想的な平面Pに対して下側に配置されている。これにより、ネジシャフト45の下方の収容部12内の空きスペースを利用して、2つの磁気センサ80を上下方向にコンパクトなスペースに配置することができる。なお、磁気センサ80の夫々の検知ポイントSPは、移動軸A3の真下で移動軸A3と平行に(前後方向に)延在する直線L上に位置する。
【0059】
なお、以下では、2つの磁気センサ80を総称する場合、及び、これらの何れか一方を区別なく指す場合には、単に磁気センサ80という。2つの磁気センサ80を区別して指す場合には、前側の磁気センサ80を第1センサ81、後側の磁気センサ80を第2センサ82ともいう。また、第1センサ81の検知面SS、取付け面MS、検知ポイントSP、検知方向SDを、夫々、検知面SS1、取付け面MS1、検知ポイントSP1、検知方向SD1ともいう。第2センサ82の検知面SS、取付け面MS、検知ポイントSP、検知方向SDを、夫々、検知面SS2、取付け面MS2、検知ポイントSP2、検知方向SD2ともいう。
【0060】
第1センサ81及び第2センサ82は、夫々、別個の第1基板86及び第2基板87に搭載され、工具本体10(収容部12)内で支持されている。より詳細には、第1基板86及び第2基板87は、夫々、工具本体10(収容部12)の側壁部から工具本体10の内側に突出する支持リブ125によって支持されている。
【0061】
更に、第1基板86と第2基板87とは、磁石48の移動軸A3に対する第1センサ81の検知面SS1(検知方向SD1)の向きと、移動軸A3に対する第2センサ82の検知面SS2(検知方向SD2)の向きとが逆となるように配置されている。また、本実施形態では、前側の第1センサ81の検知面SS1と、後側の第2センサ82の検知面SS2とが互いに平行、且つ、逆方向を向くように配置されている。つまり、第1センサ81の検知方向SD1と、第2センサ82の検知方向SD2とは、互いに逆向きであり、何れも移動軸A3に概ね直交している。
【0062】
より詳細には、第1基板86は、第1センサ81の検知面SS1が上方を向く(つまり、上下方向において、移動軸A3及び磁石48に対向する)ように配置されている。第1センサ81の検知方向SD1は、下向き方向(移動軸A3から離れる方向)である。この第1センサ81の向きは、N極のみに反応する磁気センサ80の本来の使用時の向きである。
【0063】
一方、第2基板87は、第2センサ82の検知面SS2が下方を向く(つまり、上下方向において、移動軸A3及び磁石48から離れる方向を向く)ように配置されている。第2センサ82の検知方向SD2は、上向き方向(移動軸A3に向かう方向)である。つまり、第2センサ82は、本来の使用時の向きとは逆向き(つまり、取付け面MS2が移動軸A3及び磁石48に対向する向き)に配置されている。このような配置により、第2センサ82は、取付け面MS2に対向する磁石のS極のみに反応する(S極の磁界を検出する)片極検知型のホールセンサと同等に機能する。
【0064】
また、図9に示すように、磁石48と第1センサ81とが上下方向に一直線上に並ぶときの磁石48と検知ポイントSP1との間の距離(ギャップ)G1は、磁石48と第2センサ82とが上下方向に一直線上に並ぶときの磁石48と検知ポイントSP2との間の距離(ギャップ)G2と等しい。本実施形態では、第1基板86と第2基板87とが別個の基板であるため、工具本体10に対する取付けの自由度は高い。よって、第1基板86と第2基板87とを、距離G1と距離G2とが等しくなるように配置するのは容易である。
【0065】
以上のように配置された第1センサ81及び第2センサ82は、夫々、ネジシャフト45及びピン把持部165と一体的に移動する磁石48が、夫々に対して所定位置に配置されるとオンとされる。第1センサ81及び第2センサ82からの出力信号は、図示しない電線を介してコントローラ20に伝送される。
【0066】
以下、ファスナ9を用いて作業材Wを締結する作業(以下、締結作業という)を行うときの締結工具1の動作について説明する。締結作業の遂行時には、ネジシャフト45及びピン把持部165が、図3に示す初期位置から図10に示す停止位置まで後方に移動する往動行程と、停止位置から初期位置まで前方に移動する復動行程とからなる1サイクルの動作を行う。
【0067】
図3に示すように、トリガ171が引き操作されない初期状態では、ネジシャフト45(駆動シャフト450)及びピン把持部165は、初期位置に配置されている。使用者は、ファスナ9(図1参照)を作業材Wに対して仮留めし、ピン91の軸部911をピン把持部165の先端部(爪)に挿入し、緩く把持させる。使用者がトリガ171を引き操作すると、コントローラ20(制御回路)は、スイッチ172からのオン信号に応じてモータ21に通電し、モータ21の正転駆動を開始する。これにより、往動行程が開始される。
【0068】
遊星減速機31、駆動ギヤ32、アイドルギヤ33を介して、モータシャフト213の正方向の回転がナット41に伝達される。ナット41の回転に伴って、ネジシャフト45及びピン把持部165は、工具本体10及びアンビル161に対して後方へ移動する。ピン91の軸部911は、ピン把持部165によって強固に把持されて、カラー95及び作業材Wに対して後方へ引っ張られる。
【0069】
カラー95が変形してピン91の軸部911に加締められ、作業材Wがピン91のヘッド915とカラー95に挟持された後、軸部911が小径部913で破断して、ピンテールが分離され、作業材Wの締結が終了する。コントローラ20は、図10に示すように、ネジシャフト45及びピン把持部165が予め定められた停止位置に到達するのに応じて、モータ21の正転駆動を停止する。
【0070】
本実施形態では、コントローラ20は、第2センサ82の検出結果に基づいて、ネジシャフト45及びピン把持部165が停止位置に到達したか否かを判断するように構成されている。より詳細には、コントローラ20は、磁石48が第2センサ82に前方から近づき、第2センサ82がオンとされると(第2センサ82から出力されたLOW信号を認識すると)、ネジシャフト45及びピン把持部165が停止位置に到達したと判断し、モータ21を制動し、停止させる。これをもって、往動行程が終了する。
【0071】
使用者がトリガ171の押圧を解除し、スイッチ172がオフとされるのに応じて、コントローラ20は、モータ21の逆転駆動を開始する。これにより、復動行程が開始される。
【0072】
モータシャフト213が逆方向に回転するのに伴って、ナット41は、往動行程とは逆方向に回転する。これにより、ネジシャフト45及びピン把持部165は、工具本体10及びアンビル161に対して前方へ移動する。コントローラ20は、図3に示すように、ネジシャフト45及びピン把持部165が初期位置に到達するのに応じて、モータ21の逆転駆動を停止する。
【0073】
本実施形態では、コントローラ20は、第1センサ81の検出結果に基づいて、ネジシャフト45及びピン把持部165が初期位置に到達したか否かを判断するように構成されている。より詳細には、コントローラ20は、磁石48が第1センサ81に後方から近づき、第1センサ81がオンとされると(第1センサ81から出力されたLOW信号を認識すると)、ネジシャフト45及びピン把持部165が初期位置に到達したと判断し、モータ21を制動し、停止させる。これをもって、復動行程が終了し、締結作業も終了する。
【0074】
本実施形態では、上述した磁石48と2つの磁気センサ80の構成及び配置により、各磁気センサ80と磁石48との間の距離の変化と、検知方向SDに対する磁界(磁束密度)の向き及び大きさの変化との対応関係を、往動行程と復動行程とで実質的に同等とすることができる。この点について、以下に詳細に説明する。
【0075】
本実施形態では、第1センサ81及び第2センサ82の検出対象は、単一の磁石48である。磁石48のN極及びS極は、磁石48の移動方向(前後方向)に並んでおり、N極が後側、S極が前側に位置する。よって、往動行程では、磁石48のN極の面がS極の面よりも先に第2センサ82に近づく。一方、復動行程では、磁石48のS極の面がN極の面よりも先に第1センサ81に近づく。
【0076】
このため、往動行程における第1センサ81と磁石48との間の距離と磁束密度との関係、及び、復動行程における第2センサ82と磁石48との間の距離と磁束密度との関係は、具体的には、図9に示すようになる。なお、図9の各グラフにおける距離(横軸)は、磁石48の移動方向(前後方向)における、各磁気センサ80の検知ポイントSPと磁石48の中心(N極とS極との境界)との間の距離である。また、各グラフにおける磁束密度(縦軸)に関しては、グラフの上側の領域及び下側の領域は、夫々、各検知ポイントSPを通過して各磁気センサ80を検知方向SDに貫く磁界、及び、検知方向SDと逆方向に貫く磁界に対応する。よって、第1センサ81のグラフの上側の領域はN極の磁界、下側の領域はS極の磁界に夫々対応しており、第2センサ82のグラフの上側の領域はS極の磁界、下側の領域はN極の磁界に夫々対応しているといえる。
【0077】
図9に示すように、第1センサ81及び第2センサ82の何れについても、距離と磁束密度との関係は、S字状のカーブを示す。上述のように、第1センサ81と第2センサ82とは、検知方向SD1とSD2とが逆向きに配置された同一のホールセンサであり、夫々の検知ポイントSPと磁石48との間の距離G1とG2とが同一である。このため、第1センサ81のカーブと第2センサ82のカーブとは、磁石48の前後方向の移動に関し、逆向きの同一形状を有する。
【0078】
より詳細には、第2センサ82のカーブは、往動行程において磁石48の中心が第2センサ82の検知ポイントSP2の真上に至るまでの間で、検知方向SD2と逆方向の(N極の)磁束密度が徐々に増加し、その後、より急速に減少する。磁石48の中心(N極)が検知ポイントSP2を後方へ通過した後は、検知方向SD2の(S極の)磁束密度が急速に増加し、その後、徐々に減少する。第2センサ82は、S極検知型のホールセンサと同等に機能するため、S極の磁束密度が急速に増加する途中で閾値を超えると、オンとされる。このとき、磁石48の中心は、第2センサ82の検知ポイントSP2から後方に距離D2だけ離れた位置にある。
【0079】
一方、第1センサ81のカーブは、復動行程において磁石48の中心が第1センサ81の検知ポイントSP1の真上に至るまでの間で、検知方向SD1と逆方向の(S極の)磁束密度が徐々に増加し、その後、より急速に減少する。磁石48の中心(S極)が検知ポイントSP1を前方へ通過した後は、検知方向SD1の(N極の)磁束密度が急速に増加し、その後、徐々に減少する。N極検知型のホールセンサである第1センサ81は、N極の磁束密度が急速に増加する途中で閾値を超えると、オンとされる。このとき、磁石48の中心は、第1センサ81の検知ポイントSP1から前方に距離D1だけ離れた位置にある。
【0080】
上述の第1センサ81及び第2センサ82の夫々のカーブの関係上、距離D1は、距離D2と等しい。つまり、第1センサ81及び第2センサ82は、磁石48の中心が夫々の検知ポイントSP1及びSP2を同一距離だけ通過した時点でオンとされる。つまり、第1センサ81が作動するときの第1センサ81と磁石48との位置関係と、第2センサ82が作動するときの第2センサ82と磁石48との位置関係は、実質的に同一である。
【0081】
ここで、図11を参照して、第1センサ81及び第2センサ82の配置に関する対比例について説明する。図11に示すように、この対比例では、第1センサ81と第2センサ82とが、夫々の検知方向SD1、SD2が何れも本来の向き(下向き)となり、且つ、夫々の検知ポイントSPと磁石48との間の距離G1とG3とが同一となるように配置されている。このように、対比例では、実施形態と比べ、第2センサ82の配置のみが異なっている。
【0082】
この対比例では、第1センサ81のカーブと第2センサ82のカーブとは、磁石48の前後方向の移動に関し、同じ向きの同一形状を有する。つまり、第2センサ82のカーブは、往動行程において、磁石48の中心が第2センサ82の検知ポイントSP2の真上に至るまでの間で、検知方向SD2の(N極の)磁束密度が徐々に増加し、その後、より急速に減少する。磁石48の中心(N極)が検知ポイントSP2を後方へ通過した後は、検知方向SD2と逆方向の(S極の)磁束密度が急速に増加した後、徐々に減少する。N極検知型のホールセンサである第2センサ82は、N極の磁束密度が徐々に増加する途中で閾値を超える、とオンとされる。このとき、磁石48の中心は、第2センサ82の検知ポイントSP2に到達しておらず、検知ポイントSP2から前方に距離D3だけ離れた位置にある。距離D3は、距離D1よりも大きい。
【0083】
このように、この対比例では、第1センサ81が作動するときの第1センサ81と磁石48との位置関係と、第2センサ82が作動するときの第2センサ82と磁石48との位置関係とが相違する。このため、この相違を考慮した上で、様々な構成要素の寸法設計を行う必要が生じる。
【0084】
これに対し、上述のように、本実施形態の第1センサ81及び第2センサ82の構成及び配置によれば、寸法設計が容易となり、誤差が生じる可能性が低下する。その結果、上述の対比例に比べて位置検出精度が向上し、ネジシャフト45及びピン把持部165を、停止位置や初期位置で適切に停止させることができる。破断式のファスナ9を用いる締結工具1では、初期位置から停止位置の間でピン91が破断された後、モータ21が高速で回転するため、停止位置で直ちにモータ21を停止させることが好ましい。また、ピン把持部165が初期位置で、適切な把持力でピン91を把持するには、ピン把持部165を初期位置で精度よく停止させる必要がある。よって、破断式のファスナ9を用いる締結工具1において、位置検出精度の向上は有用である。
【0085】
また、本実施形態では、上述のように、第1センサ81及び第2センサ82は、僅かな距離の変化に対し、夫々が検出可能な極の磁束密度が比較的急速に増加する(磁束密度のカーブの傾きが比較的大きい)過程で、磁束密度が閾値を超えた時点で作動する。これにより、磁束密度の増加が緩やかな過程で作動する場合に比べ、第1センサ81及び第2センサ82の位置検出精度を高めることができる。
【0086】
上記実施形態の構成(特徴)と本開示の構成(特徴)との対応関係を以下に示す。但し、実施形態の構成(特徴)は単なる一例であって、本開示あるいは本発明の構成(特徴)を限定するものではない。
【0087】
締結工具1は、「締結工具」の一例である。ファスナ9、ピン91、カラー95は、夫々、「ファスナ」、「ピン」、「筒状部」の一例である。モータ21は、「モータ」の一例である。アンビル161、ピン把持部165は、夫々、「アンビル」、「ピン把持部」の一例である。磁石48は、「磁石」の一例である。第1センサ81、第2センサ82は、夫々、「第1磁気センサ」、「第2磁気センサ」の一例である。コントローラ20(詳細には、制御回路)は、「制御装置」の一例である。検知面SS1、SS2は、夫々、「第1検知面」、「第2検知面」の一例である。検知方向SD1、SD2は、夫々、「第1検知方向」、「第2検知方向」の一例である。検知ポイントSP(SP1、SP2)は、「検知ポイント」の一例である。第1基板86、第2基板87は、夫々、「第1基板」、「第2基板」の一例である。
【0088】
なお、上記実施形態は単なる例示であり、本開示に係る締結工具は、上記実施形態に例示された締結工具1に限定されるものではない。例えば、下記に例示される非限定的な変更を加えることができる。また、これらの変更のうち少なくとも1つが、締結工具1の構成(特徴)の少なくとも一部、請求項に記載された構成(特徴)の少なくとも1つと組み合わされて採用されうる。
【0089】
まず、位置検出機構8(第1センサ81及び第2センサ82)及び磁石48に関して採用可能な変形例について説明する。
【0090】
例えば、第1センサ81及び第2センサ82には、上記実施形態とは異なるタイプの磁気センサが採用されてもよい。例えば、第1センサ81及び第2センサ82は、夫々、S極を検知する片極検知型のホールセンサであってもよい。なお、この場合、位置検出精度の観点から、磁石48は、S極が後側、N極が前側に位置するように配置されると好ましい。また、第1センサ81及び第2センサ82は、同一構成を有する(同一のセンサである)と好ましいが、同じ極を検知する片極検知型の磁気センサであれば、必ずしも同一構成を有する必要はない。
【0091】
磁石48の移動軸A3に対する検知面SS1(検知方向SD1)の向きと検知面SS2(検知方向SD2)の向きとが逆の関係にある限り、第1センサ81及び第2センサ82は、磁石48の移動軸A3の下側ではなく、別の位置に配置されてもよい。例えば、第1センサ81及び第2センサ82は、両方とも、移動軸A3に対して上側、右側、又は左側に配置されていてもよい。
【0092】
また、第1センサ81と第2センサ82とは、磁石48の移動軸A3を含む平面(実施形態で例示された平面Pに限られない)に対して同じ側ではなく、この平面の両側に配置されてもよい。例えば、図12に示す変形例のように、第1センサ81と第2センサ82とが、移動軸A3を含み、且つ、左右方向に直交する(上下方向に延びる)平面P’に対して、夫々、左側と右側に配置されてもよい。磁石48と検知ポイントSP1との間の距離G1は、磁石48と検知ポイントSP2との間の距離G2と等しい。第1センサ81の検知面SS1の向きは、移動軸A3に対向する向き(検知方向SD1は移動軸A3から離れる向き(左向き))である。第2センサ82の検知面SS2の向きは、第1センサ81とは逆に、移動軸A3から離れる向き(検知方向SD2は移動軸A3に向かう向き(左向き))である。この変形例によれば、上述の実施形態と同様、各磁気センサ80と磁石48との間の距離の変化と、検知方向SDに対する磁界(磁束密度)の向き及び大きさの変化との対応関係を、往動行程と復動行程とで実質的に同等とすることができる。
【0093】
更には、第1センサ81と第2センサ82とは、検知面SS1(検知方向SS1)と検知面SS2(検知方向SD2)とが互いに平行且つ逆向きである必要はなく、これらが互いに交差する方向に配置されていてもよい。図示は省略するが、例えば、第1センサ81及び第2センサ82の一方は、その検知方向SDが上下方向と一致するように、移動軸A3の下方又は上方に配置されてもよい。そして、他方は、その検知方向SDが左右方向と一致するように、移動軸A3の左方又は右方に配置されてもよい。
【0094】
第1センサ81及び第2センサ82は、必ずしも夫々の検知面SS1及びSS2が磁石48の移動軸A3に平行である(検知方向SD1及びSD2が移動軸A3に直交する)ように配置されなくてもよい。つまり、検知面SS1及びSS2に対して直交する磁界成分(検知方向SD1及びSD2に平行な磁界成分)を適切に検出可能である限り、検知面SS1及びSS2(検知方向SD1及びSD2)は、移動軸A3に対して斜めであってもよい。
【0095】
第1センサ81及び第2センサ82は、単一の基板に搭載されていてもよい。例えば、第1センサ81及び第2センサ82がフレキシブル基板に搭載される場合、比較的容易に上述の距離G1とG2とを同一とすることができる。
【0096】
磁石48は、ピン把持部165と一体的に、アンビル161に対して前後方向に移動可能である限り、その配置位置やピン把持部165との連結態様は、適宜変更されうる。つまり、磁石48は、ピン把持部165、又は、ピン把持部165と一体的に移動可能にピン把持部165に直接又は間接的に連結された如何なる部材に固定されていてもよい。
【0097】
以下、その他の変形例について説明する。
【0098】
締結工具1は、上記実施形態で例示されたファスナ9とは異なるタイプのファスナ(例えば、ブラインドリベット、複数部材加締め式のファスナのうち、軸維持式のファスナ)を用いて作業材Wを締結するように構成されていてもよい。締結工具1は、アンビル161及びピン把持部165の交換によって、複数種類のファスナに対応可能であってもよい。工具本体10、ノーズ16、ハンドル17の形状、構成要素及びその連結態様は、任意に変更されうる。
【0099】
モータ21は、ブラシレスDCモータ以外のモータ(ブラシを有するDCモータ、交流モータ)であってもよい。締結工具1は、バッテリ145ではなく、外部の交流電源から供給される電力で動作するように構成されてもよい。
【0100】
駆動機構3は、モータ21の動力によって駆動され、ピン把持部165をアンビル161に対して前後方向に移動できればよく、その構成要素及び配置は任意に変更されうる。例えば、ボールネジ機構40に代えて、互いに直接螺合するナットとネジシャフトとを備えた送りネジ機構が採用されてもよい。また、ボールネジ機構40は、ネジシャフト45が、前後方向に実質的に移動不能、且つ、回転可能に支持される一方、ナット41が、ネジシャフト45の回転に伴って前後方向に移動するように構成されていてもよい。この場合、ピン把持部165は、直接的又は間接的にナット41に連結されればよい。上記実施形態の例とは異なるギヤ列によって、モータ21からボールネジ機構40へ動力が伝達されてもよい。
【0101】
コントローラ20の制御回路は、マイクロコンピュータではなく、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのプログラマブル・ロジック・デバイスで構成されていてもよい。
【0102】
更に、本発明、上記実施形態及びその変形例の趣旨に鑑み、以下の態様が構築される。以下の態様のうち少なくとも1つが、上述の実施形態及びその変形例、並びに各請求項に記載された構成(特徴)の少なくとも1つと組み合わされて採用されうる。
[態様1]
前記第1磁気センサ及び前記第2磁気センサは、夫々、前記検知面に直交する方向の磁界成分を検出するように構成されている。
[態様2]
前記第1磁気センサ及び前記第2磁気センサは、ホール効果を利用して前記磁石の磁界を検出するように構成されたホールセンサである。
[態様3]
前記制御装置は、前記モータの駆動を制御することで、前記ピン把持部の移動を制御するように構成されている。
[態様4]
前記第1検知面及び前記第2検知面のうち一方は、前記第2の軸に対向するように配置され、
前記第1検知面及び前記第2検知面のうち他方は、前記第2の軸から離れる方向を向くように配置されている。
[態様5]
前記第1検知方向及び前記第2検知方向のうち一方は、前記第2の軸から離れる方向であり、
前記第1検知方向及び前記第2検知方向のうち他方は、前記第2の軸へ向かう方向である。
【符号の説明】
【0103】
1:締結工具、10:工具本体、102:金属ハウジング、103:バレル部、104:支持部、105:ネジ穴、107:樹脂ハウジング、108:開口、109:アイボルト、12:収容部、121:ガイドプレート、123:ガイド溝、125:支持リブ、13:延在部、14:バッテリ保持部、141:バッテリホルダ、145:バッテリ、15:回収容器、16:ノーズ、161:アンビル、162:連結部材、163:連結部材、165:ピン把持部、166:連結部材、17:ハンドル、171:トリガ、172:スイッチ、18:補助ハンドル、20:コントローラ、21:モータ、213:モータシャフト、25:LEDライト、3:駆動機構、31:遊星減速機、32:駆動ギヤ、33:アイドルギヤ、40:ボールネジ機構、41:ナット、411:被動ギヤ、45:ネジシャフト、450:駆動シャフト、451:延設シャフト、46:ベアリングホルダ、461:ベース部、462:ネジ穴、463:アーム部、465:ベアリング、47:磁石ホルダ、471:貫通孔、475:ネジ、48:磁石、8:位置検出機構、80:磁気センサ、81:第1センサ、82:第2センサ、86:第1基板、87:第2基板、9:ファスナ、91:ピン、95:カラー、911:軸部、913:小径部、915:ヘッド、A1:駆動軸、A2:回転軸、A3:移動軸、P:平面、MS(MS1、MS2):取付け面、SD(SD1、SD2):検知方向、SP(SP1、SP2):検知ポイント、SS(SS1SS2):検知面、W:作業材
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