(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】エアロゾル生成物品及びエアロゾル生成物品を製造する方法
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20241023BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20241023BHJP
A24F 40/70 20200101ALI20241023BHJP
A24C 5/01 20200101ALI20241023BHJP
A24C 5/18 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
A24D1/20
A24F40/42
A24F40/70
A24C5/01
A24C5/18
(21)【出願番号】P 2021527902
(86)(22)【出願日】2019-11-25
(86)【国際出願番号】 EP2019082359
(87)【国際公開番号】W WO2020109203
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-09-01
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2018-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2019-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】ブラック,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ローガン,アンドリュー・ロバート・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ズルバ,オレクサンドル
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-530311(JP,A)
【文献】特開昭62-272962(JP,A)
【文献】国際公開第2017/068096(WO,A1)
【文献】特表2012-513750(JP,A)
【文献】特表2018-515113(JP,A)
【文献】特表2016-502403(JP,A)
【文献】米国特許第06213128(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/20
A24F 40/42
A24F 40/70
A24C 5/01
A24C 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シェル(14)と、
前記シェル(14)内に配置されるエアロゾル生成材料部(10)及び誘導加熱可能サセプタ(12、20)と、を含む、エアロゾル生成物品であって、
前記エアロゾル生成材料部(10)が、実質的に前記エアロゾル生成物品の長手方向に沿って配置された少なくとも10のエアロゾル生成帯(18)を含み、
前記誘導加熱可能サセプタ(12、20)が、前記エアロゾル生成帯(18)の間に配置され、実質的に前記長手方向に沿って配置された細長部分を含み、
前記エアロゾル生成材料部(10)が、ロッド形状であり、前記シェル(14)が、実質的に筒状の包材(16)を含み、前記ロッド形状のエアロゾル生成材料部(10)及び前記誘導加熱可能サセプタ(12、20)が、前記実質的に筒状の包材(16)によって封入され、
前記エアロゾル生成帯(18)が、前記筒状の包材(16)の長さ未満の長さを有する、エアロゾル生成物品。
【請求項2】
前記誘導加熱可能サセプタ(12、20)が、帯状であり、実質的に前記長手方向に沿って配置される、請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項3】
前記誘導加熱可能サセプタ(12、20)、前記ロッド形状のエアロゾル生成材料部(10)、及び前記筒状の包材(16)のそれぞれの一端又は両端が、実質的に
前記長手方向に
沿って配置される、請求項1又は2に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項4】
前記エアロゾル生成物品が、少なくとも2つの帯状誘導加熱可能サセプタ(12、20)を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項5】
前記少なくとも2つの帯状サセプタ(12、20)のそれぞれの主面が、前記長手方向に実質的に直交する方向に実質的に向けられる、請求項4に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項6】
前記エアロゾル生成帯(18)の少なくとも1つが、前記少なくとも2つの帯状サセプタ(12、20)の間に配置される、請求項4又は5に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項7】
前記少なくとも2つの帯状サセプタ(12、20)が、前記エアロゾル生成帯(18)によって取り囲まれる、請求項4~6のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項8】
前記エアロゾル生成帯(18)には、折り目がない、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項9】
前記エアロゾル生成物品が、実質的に円筒形であり、エアロゾル生成デバイスにおいて前記エアロゾル生成物品の周方向配置を容易にするためのフォーメーション(30)を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品を連続的に製造する方法であって、
(i)少なくとも10のエアロゾル生成帯(18)を包装ステーション(62)に供給することと、
(ii)誘導加熱可能サセプタ(12、20)を前記包装ステーション(62)に供給することと、
(iii)前記エアロゾル生成帯(18)及び前記誘導加熱可能サセプタ(12、20)を包装して連続ロッド(72)を形成することと、
を含む、方法。
【請求項11】
ステップ(ii)が、前記誘導加熱可能サセプタ(12、20)を前記エアロゾル生成帯(18)の間に配置することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(i)が、前記エアロゾル生成帯(18)の端部をステップ(iii)において形成される実質的に筒状の包材(16)内に配置する直前又は配置する間に、エアロゾル生成シート(52)を切断して、前記エアロゾル生成帯(18)を形成することを含む、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
ステップ(ii)が、前記誘導加熱可能サセプタ(12、20)の端部をステップ(iii)において形成される実質的に筒状の包材(16)内に配置する間、前記誘導加熱可能サセプタ(12、20)を保持することを含む、請求項10~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
ステップ(ii)が、少なくとも2つの帯状サセプタ(12、20)を前記包装ステーション(62)に供給することを含み、
(a)前記少なくとも2つの帯状サセプタ(12、20)のそれぞれが、異なるフィードユニット(56、58)によって供給されるか、又は
(b)前記少なくとも2つの帯状サセプタ(12、20)のそれぞれが、共通のフィードユニット(84)によって供給されるか、のいずれかである、
請求項10~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
ステップ(iii)の後で、前記連続ロッド(72)の断面枠内の前記誘導加熱可能サセプタ(12、20)の位置を検出することをさらに含む、請求項10~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記連続ロッド(72)の前記断面枠内の前記誘導加熱可能サセプタ(12、20)の所望の位置を取得するために、製造を停止すること、及び/又は検出した前記位置に基づいて1つ若しくは複数のサセプタフィードユニット(56、58、84)を調整することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、エアロゾル生成物品に関し、より具体的には、エアロゾル生成物品を加熱して、ユーザが吸入するためのエアロゾルを生成するエアロゾル生成デバイスで使用するためのエアロゾル生成物品に関する。本開示の実施形態は、エアロゾル生成物品を製造する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エアロゾル生成材料を燃やすのではなく加熱して、吸入用のエアロゾルを生じさせるデバイスが、消費者に人気になってきている。
【0003】
そのようなデバイスは、いくつかの異なる手法のうちの1つを使用して、エアロゾル生成材料に熱を与えることができる。そのような手法の1つは、誘導加熱システムを用いるエアロゾル生成デバイスを提供することであり、このエアロゾル生成デバイスには、エアロゾル生成材料を含むエアロゾル生成物品をユーザが着脱可能に挿入することができる。そのようなデバイスでは、誘導コイルがデバイスに設けられ、誘導加熱可能サセプタがエアロゾル生成物品に設けられる。ユーザがデバイスを作動させると、電気エネルギーが誘導コイルに提供され、次いでこれにより交番電磁場が発生する。サセプタは、この電磁場と結合し、熱を発生させる。この熱は、例えば、伝導によってエアロゾル生成材料に伝達され、エアロゾル生成材料が加熱されるにつれてエアロゾルが発生する。
【0004】
エアロゾル生成デバイスによって生成されるエアロゾルの特性は、エアロゾル生成デバイスと共に使用されるエアロゾル生成物品の構造を含む、いくつかの要因に依存する。したがって、物品の使用中に生成されるエアロゾルの特性を最適化することを可能にするエアロゾル生成物品を提供することが望まれる。容易に、且つ一貫して大量生産され得るエアロゾル生成物品を提供することも、概して望まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様によれば、
シェルと、
シェル内に配置されるエアロゾル生成材料部及び誘導加熱可能サセプタと、を含む、エアロゾル生成物品であって、
エアロゾル生成材料部が、実質的に第1の方向に向けられた少なくとも10のエアロゾル生成帯を含み、
誘導加熱可能サセプタが、エアロゾル生成帯の間に配置され、実質的に第1の方向に向けられた細長部分を含む、エアロゾル生成物品が提供される。
【0006】
エアロゾル生成物品は、エアロゾル生成材料部内のエアロゾル生成帯を燃やすのではなく加熱して、エアロゾル生成帯の少なくとも1つの成分を揮発させ、それにより、冷却及び凝縮してエアロゾル生成デバイスのユーザが吸入するためのエアロゾルを形成する、加熱された蒸気を生成するために、エアロゾル生成デバイスで使用するためのものである。
【0007】
一般論として、蒸気とは、臨界温度よりも低い温度で気相である物質であり、これは、温度を低下させることなく圧力を増加させることにより蒸気を液体に凝縮させ得ることを意味する。一方、エアロゾルは、空気中又は別のガス中の微細な固体粒子又は液滴の浮遊物である。しかしながら、本明細書では、「エアロゾル」及び「蒸気」という用語は、特に、ユーザによる吸入のために生成される吸入可能媒体の形態に関して互換的に使用され得ることに留意されたい。
【0008】
本開示によるエアロゾル生成物品は、シェル内にエアロゾル生成帯及び誘導加熱可能なサセプタを配置することによって、効率的に製造され、比較的容易に大量生産され得る。シェルは、電磁場がそれを通過することを可能にし、電磁シールドとして機能しない材料を実質的に含む。シェルは、例えば、包装紙、又は代替的には紙若しくはプラスチック材料、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの耐熱プラスチック材料を含む、筒若しくはカップを含み得る。
【0009】
エアロゾル生成物品を通る均一な気流は、エアロゾル生成帯の間の隙間によってもたらされる気流経路によって実現される。
【0010】
エアロゾル生成物品は、少なくとも20の上記エアロゾル生成帯、場合により少なくとも40の上記エアロゾル生成帯、場合により少なくとも50の上記エアロゾル生成帯、又は場合により少なくとも60の上記エアロゾル生成帯を含み得る。エアロゾル生成物品は、最大で100の上記エアロゾル生成帯、場合により最大で150の上記エアロゾル生成帯、又は場合により最大で200の上記エアロゾル生成帯を含み得る。エアロゾル生成帯の数が多いほど、エアロゾル生成帯の間により多くの隙間の存在をもたらす傾向にあり、それによって、エアロゾル生成物品を通る、より均一な気流を有利にもたらし得る。しかしながら、エアロゾル生成物品が適当な寸法を有することを保証するために、帯の数が増加するにつれてエアロゾル生成帯の幅が減少することが典型的には必要であるため、過大な数のエアロゾル生成帯は望ましくない。エアロゾル生成帯の幅が小さすぎる場合、帯の強度が低下することがあり、その結果、エアロゾル生成物品の大量生産が困難になる場合がある。
【0011】
誘導加熱可能サセプタは、帯状であってもよく、実質的に第1の方向に向けられてもよい。帯状の誘導加熱可能サセプタの使用によって、サセプタからエアロゾル生成帯への熱伝達が最大化され得る。さらに、帯状サセプタを実質的に第1の方向に向けることによって、エアロゾル生成物品の製造が容易となり得る。
【0012】
誘導加熱可能サセプタは、代替的にはU形であってもよく、I形若しくはピン形状であってもよく、又は例えば円形、長方形、若しくは正方形の断面を有する筒状であってもよい。
【0013】
エアロゾル生成材料部は、ロッド形状であってもよく、シェルは、実質的に筒状の包材を含んでもよく、ロッド形状のエアロゾル生成材料部及び誘導加熱可能サセプタは、実質的に筒状の包材によって封入されてもよい。エアロゾル生成物品は、その形状に起因して製造することが容易である。形状によって、複数のエアロゾル生成物品の保管/包装、ユーザによる物品の取り扱い、及びエアロゾル生成デバイスのキャビティ内への物品の挿入も容易になり得る。
【0014】
誘導加熱可能サセプタ、ロッド形状のエアロゾル生成材料部、及び筒状の包材のそれぞれの一端又は両端が、実質的に長手方向に整列され得る。そのような構成によって、エアロゾル生成物品の製造が容易になり、エアロゾル生成帯の束の縁からのみ空気が入り、その束の反対側の縁からのみ出て行くため、エアロゾル生成物品を通る気流が最適化され得る。
【0015】
一実施形態では、エアロゾル生成帯、帯状誘導加熱可能サセプタ、及びシェルが、実質的に同一の長さであってもよい。例えば、エアロゾル生成帯、帯状誘導加熱可能サセプタ、及び筒状の包材が、実質的に同一の長さであってもよい。そのような構成は、シェル又は筒状の包材内の長手方向にエアロゾル生成帯の均一な分布が存在することを保証し、それによって、エアロゾル生成物品を通る均一な気流及び均一な加熱(帯の密度が第1の方向に均一であるため)が実現されることを保証する。さらに、この構成は、エアロゾル生成帯が筒状の包材から脱落することを防止する。
【0016】
別の実施形態では、エアロゾル生成帯の少なくともいくつかが、シェルの長さ未満の長さを有する。例えば、エアロゾル生成帯の少なくともいくつかが、筒状の包材の長さ未満の長さを有する。そのような構成によって、エアロゾル生成物品の製造が容易になり得る。さらに、エアロゾルがより有効に生成され得るように、エアロゾル生成帯の縁は、シェル内の気流に暴露される。
【0017】
エアロゾル生成物品は、少なくとも2つの帯状誘導加熱可能サセプタを含み得る。帯状サセプタがシェル内の異なる位置にあるため、複数の帯状サセプタの使用が、エアロゾル生成帯のより均一且つ有効な加熱をもたらす。
【0018】
少なくとも2つの帯状サセプタのそれぞれの主面が、第1の方向に実質的に直交し得る第2の方向に実質的に向けられ得る。そのような構成によって、帯状サセプタが、エアロゾル生成デバイスの誘導コイルによって発生された電磁場とより有効に結合すること、及びそれによってより有効に加熱されることが可能となり得る。
【0019】
上記エアロゾル生成帯の少なくとも1つが、少なくとも2つの帯状サセプタの間に配置され得る。帯状サセプタは、互いに接触しないため、より有効に加熱される。
【0020】
少なくとも2つの帯状サセプタは、エアロゾル生成帯によって取り囲まれ得る。帯状サセプタにおいて発生する熱の全てが、エアロゾル生成帯に伝達されるため、そのような構成によって、最適な加熱、及びしたがって、最適なエアロゾル生成がもたらされる。
【0021】
エアロゾル生成帯は、特に第1の方向に折り目がなくてもよい。特に第1の方向に折り目がないことによって、シェル内のエアロゾル生成帯の密度が最大化され、且つ均一にされることが可能となり、均一な気流が実現されることが保証される。
【0022】
帯状誘導加熱可能サセプタは、特に第1の方向に折り目がなくてもよい。特に第1の方向に折り目がないことによって、均一な帯抵抗に起因するエアロゾル生成帯の均一な加熱がもたらされ、それによって、折り目の存在において起こり得る熱集中(又はホットスポット)が回避される。
【0023】
エアロゾル生成物品は、実質的に円筒形であってもよく、エアロゾル生成デバイスにおいてエアロゾル生成物品の周方向配置を容易にするためのフォーメーションを含んでもよい。フォーメーションは、例えば、エアロゾル生成物品の外表面上に、突出部又は溝などの凹部を含み得る。フォーメーションは、有利なことに、エアロゾル生成デバイスの誘導コイルによって発生される電磁場に対して誘導加熱可能サセプタが最適に配置される向きにおいて、エアロゾル生成デバイス内のエアロゾル生成物品の配置を容易にする。
【0024】
エアロゾル生成物品は、例えばセルロースアセテート繊維を含むフィルタを含み得る。
【0025】
エアロゾル生成物品は、蒸気冷却領域を含み得る。蒸気冷却領域は、有利なことに、エアロゾル生成帯を加熱することによって生成される加熱された蒸気が、冷却及び凝縮されて、例えばフィルタを通して、ユーザによる吸入のための適当な特性を有するエアロゾルを形成することを可能にし得る。蒸気冷却領域は、中空チャンバを含み得る。中空チャンバは、加熱された蒸気から熱を吸収してそれを冷却及び凝縮させるように構成される、熱吸収材料を含み得る。熱吸収材料は、金属、例えばアルミニウムを含み得る。
【0026】
エアロゾル生成物品は、4.0mm~10.0mmの直径を有し得る。直径は、5.0mm~9.0mmであってもよく、場合により6.0mm~7.5mmであってもよい。
【0027】
エアロゾル生成帯は、0.2mm~10.0mmの幅を有し得る。幅は、0.2mm~7.0mm、場合により0.2mm~5.0mm、場合により0.2mm~3.0mm、又は場合により0.2mm~2.0mmであってもよい。
【0028】
エアロゾル生成帯は、0.05mm~0.7mmの厚さを有し得る。厚さは、0.05mm~0.5mm、場合により0.05mm~0.3mmであってもよい。
【0029】
エアロゾル生成帯は、200~900N/mの引張強度を有し得る。引張強度は、300~800N/mであってもよく、場合により400~700N/mであってもよい。これは、エアロゾル生成帯がエアロゾル生成物品の製造中に壊れないことを保証することに役立つ。
【0030】
エアロゾル生成帯は、植物由来の材料を含んでもよく、特にタバコを含んでもよい。エアロゾル生成帯は、例えば、タバコと、セルロース繊維、タバコ茎繊維、及びCaCO3などの無機充填剤のうちの任意の1つ又は複数とを含む、再構成タバコを含んでもよい。エアロゾル生成帯は、押出帯を含んでもよく、例えば、タバコ又は再構成タバコなどの押出エアロゾル生成材料を含んでもよい。
【0031】
エアロゾル生成帯は、エアロゾル形成剤を含み得る。エアロゾル形成剤の例には、グリセリン又はプロピレングリコールなどの多価アルコール及びその混合物が含まれる。典型的には、エアロゾル生成帯は、乾燥重量ベースで約5%~約50%のエアロゾル形成剤含有量を含み得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成帯は、乾燥重量ベースで約10%~約20%、場合により乾燥重量ベースで約15%のエアロゾル形成剤含有量を含み得る。
【0032】
誘導加熱可能サセプタは、アルミニウム、鉄、ニッケル、ステンレス鋼、及びそれらの合金、例えばニッケルクロム又はニッケル銅のうちの1つ又は複数を含み得るが、これらに限定されない。サセプタの付近に電磁場を印加すると、渦電流及び磁気ヒステリシス損失により電磁気から熱へのエネルギー変換がもたらされることに起因して、サセプタは熱を発生させ得る。
【0033】
エアロゾル生成デバイスの誘導コイルは、リッツ線又はリッツケーブルを含み得る。しかしながら、他の材料を使用できると理解されたい。誘導コイルは、実質的にらせん状の形状であってもよく、例えばエアロゾル生成物品が配置されるキャビティの周りに延びてもよい。
【0034】
らせん状の誘導コイルの断面が円形であることにより、エアロゾル生成デバイス内に、例えばエアロゾル生成物品が使用中に受け入れられるキャビティ内にエアロゾル生成物品を挿入することが容易となり、エアロゾル生成帯を均一に加熱することが保証され得る。
【0035】
誘導コイルは、使用時に、約20mT~最高密度点で約2.0Tの間の磁束密度を有する変動電磁場を伴って動作するように構成され得る。
【0036】
エアロゾル生成デバイスは、高周波で動作するように構成され得る電源及び回路を含み得る。電源及び回路は、約80kHz~500kHzの間、場合により約150kHz~250kHzの間、場合により約200kHzの周波数で動作するように構成され得る。電源及び回路は、使用される誘導加熱可能サセプタの種類に応じて、例えばMHz範囲などのより高い周波数で動作するように構成され得る。
【0037】
本開示の第2の態様によれば、上記で定義されたエアロゾル生成物品を連続的に製造する方法であって、
(i)少なくとも10のエアロゾル生成帯を包装ステーションに供給することと、
(ii)誘導加熱可能サセプタを包装ステーションに供給することと、
(iii)エアロゾル生成帯及び誘導加熱可能サセプタを包装して連続ロッドを形成することと、
を含む、方法が提供される。
【0038】
本開示による方法は、エアロゾル生成物品の製造を容易にし、特に、エアロゾル生成物品を比較的容易に大量生産することを可能にする。
【0039】
方法は、
(iv)連続ロッドを切断して複数の個々のエアロゾル生成物品を形成すること
をさらに含み得る。
【0040】
ステップ(ii)は、誘導加熱可能サセプタをエアロゾル生成帯の間に配置することを含み得る。誘導加熱可能サセプタをエアロゾル生成帯の間に配置することによって、エアロゾル生成帯の有効な加熱が実現されることが保証される。
【0041】
ステップ(i)は、エアロゾル生成帯の端部をステップ(iii)において形成される実質的に筒状の包材内に配置する直前に又は配置する間に、エアロゾル生成シートを切断して、エアロゾル生成帯を形成することを含み得る。エアロゾル生成物品の製造が、エアロゾル生成帯が実質的に筒状の包材内に配置される時点まで、複数のエアロゾル生成帯ではなくエアロゾル生成シートを扱うことによって簡略化される。
【0042】
ステップ(ii)は、例えば、サセプタの主面の向きを設定するために、誘導加熱可能サセプタの端部をステップ(iii)において形成される実質的に筒状の包材内に配置する間、誘導加熱可能サセプタを保持することを含み得る。この構成では、誘導加熱可能サセプタの向きが確保され得る。複数の帯状サセプタの場合、例えば、帯状サセプタのそれぞれの主面が、同一方向に確実に向けられることができ、それにより最適な加熱及び気流特性を有するエアロゾル生成物品を提供する。
【0043】
ステップ(ii)は、少なくとも2つの帯状サセプタを包装ステーションに供給することを含み得る。
【0044】
一実施形態では、少なくとも2つの帯状サセプタのそれぞれが、異なるフィードユニットによって供給され得る。これによって、帯状サセプタがエアロゾル生成物品内に正確に配置されることが可能となる。
【0045】
別の実施形態では、少なくとも2つの帯状サセプタのそれぞれが、共通のフィードユニットによって供給され得る。帯状サセプタの包装ステーションへの供給が、それによって簡略化される。
【0046】
方法は、ステップ(iii)の後で、連続ロッドの断面枠内の誘導加熱可能サセプタの位置を検出することをさらに含み得る。検出するステップは、カメラを用いて実行され得る。
【0047】
方法は、連続ロッドの断面枠内の誘導加熱可能サセプタの所望の位置を取得するために、製造を停止すること、及び/又は検出した位置に基づいて1つ若しくは複数のサセプタフィードユニットを調整することをさらに含み得る。連続ロッドの断面枠内の誘導加熱可能サセプタの位置は、例えば1つ又は複数のサセプタフィードユニットの再配置によって、調整され、最適化され得る。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】
図1a-1bは、エアロゾル生成物品の第1の例のそれぞれ概略断面側面図及び概略断面端面図である。
【
図2】
図2a-2bは、エアロゾル生成物品の第2の例のそれぞれ概略断面側面図及び概略断面端面図である。
【
図3】
図3a-3bは、エアロゾル生成物品の第3の例のそれぞれ概略断面側面図及び概略断面端面図である。
【
図4】
図4a-4bは、エアロゾル生成物品の第4の例のそれぞれ概略断面側面図及び概略断面端面図である。
【
図5a】エアロゾル生成物品の第5の例の概略断面端面図である。
【
図6a】エアロゾル生成物品の第6の例の概略断面端面図である。
【
図7a】エアロゾル生成物品の第7の例の概略断面端面図である。
【
図8-1】
図8a-8cは、
図1a及び1bに示されるエアロゾル生成物品の第1の例を製造する装置及び方法の概略図であり、
図8aは上面図であり、
図8bは側面図である。
【
図8-2】
図8a-8cは、
図1a及び1bに示されるエアロゾル生成物品の第1の例を製造する装置及び方法の概略図であり、
図8aは上面図であり、
図8bは側面図である。
【
図9-1】
図9a-9cは、エアロゾル生成物品の第8の例を製造する装置及び方法の概略図であり、
図9aは上面図であり、
図9bは側面図である。
【
図9-2】
図9a-9cは、エアロゾル生成物品の第8の例を製造する装置及び方法の概略図であり、
図9aは上面図であり、
図9bは側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
ここで、本開示の実施形態について、添付の図面を参照しながら単なる例として説明する。
【0050】
初めに
図1a及び
図1bを参照すると、誘導コイルを含み、誘導加熱の原理に基づいて動作するエアロゾル生成デバイスで使用するためのエアロゾル生成物品1の第1の例が示されている。そのような装置については、当技術分野では知られており、本明細書ではさらに詳細には説明しない。エアロゾル生成物品1は細長く、実質的に円筒形である。円形の断面により、ユーザによる物品1の取り扱い、及びエアロゾル生成デバイスのキャビティ又は加熱コンパートメントへの物品1の挿入が容易になる。
【0051】
エアロゾル生成物品1は、第1の端部10a及び第2の端部10bを有するエアロゾル生成材料部10と、シェル14内に配置され、且つシェル14によって封入される誘導加熱可能サセプタ12と、を含む。シェル14は、実質的に非導電性且つ非透磁性の材料を含む。例示された例では、シェル14は、筒状の紙包材16を含む。
【0052】
エアロゾル生成材料部10は、エアロゾル生成物品1の長手方向によって構成される第1の方向に実質的に向けられる少なくとも10のエアロゾル生成帯18を含む、実質的にロッド形状である。複数の隙間(
図1a及び
図1bでは見えない)は、典型的にはエアロゾル生成帯18の間に存在し、これらは、エアロゾル生成物品1を通る気流経路をもたらす。エアロゾル生成帯18は、長手方向に折り目がなく、気流経路が中断されないこと、及び物品1を通る均一の気流が実現されることを保証する。
【0053】
誘導加熱可能サセプタ12は、エアロゾル生成帯18のように、エアロゾル生成物品1の長手方向によって構成される第1の方向に実質的に向けられる、複数の帯状サセプタ20を含む。帯状サセプタ20は、長手方向に折り目がなく、エアロゾル生成材料部10においてホットスポットを防止する。
図1bから明らかであるように、4つの帯状サセプタ20が、シェル14内に配置される。実際には、加熱要件に依存して、任意の適当な数の帯状サセプタ20が、シェル14内に配置され得る。帯状サセプタ20のそれぞれが、有利なことにエアロゾル生成帯18によって取り囲まれ、それにより、エアロゾル生成帯18への熱伝達が最大化されることを保証し、帯状サセプタ20が互いに接触しないことをさらに保証する。
【0054】
エアロゾル生成物品1の例示された第1の例では、筒状の包材16、エアロゾル生成帯18、及び帯状サセプタ20は、全て実質的に同一の長さであり、それらのそれぞれの端部が、それらが同一の高さであるように長手方向に整列される。
【0055】
エアロゾル生成物品1は、エアロゾル生成材料部10の下流に配置される中空チャンバ24の形態で、蒸気冷却領域22を含む。エアロゾル生成物品1は、例えばセルロースアセテート繊維を含むフィルタ26も含み、フィルタ26は蒸気冷却領域22の下流に配置され、ユーザは、フィルタ26を通して、エアロゾル生成デバイスでの物品1の使用中に生成されたエアロゾル又は蒸気を吸入し得る。
図1aにおいて最も良く分かるように、筒状の包材16の下流端、蒸気冷却領域22、及びフィルタ26は、シート材、例えばチップペーパの形態の包装紙28によって包装されて、筒状の包材16及びフィルタ26を組み立て、それらの位置関係を維持する。
【0056】
エアロゾル生成帯18は、典型的には、タバコなどの植物由来の材料を含む。エアロゾル生成帯18は、有利なことに、タバコと、セルロース繊維、タバコ茎繊維、及びCaCO3などの無機充填剤のうちの任意の1つ又は複数とを含む、再構成タバコを含む。
【0057】
エアロゾル生成帯18は、グリセリン又はプロピレングリコールなどのエアロゾル形成剤を含む。典型的には、エアロゾル生成帯18は、乾燥重量ベースで約5%~約50%のエアロゾル形成剤含有量を含む。加熱すると、エアロゾル生成帯18は、場合によりニコチン又はタバコ香味料などのフレーバー化合物を含む、揮発性化合物を放出する。
【0058】
エアロゾル生成デバイスにおける物品1の使用中に、帯状サセプタ20付近に時間変化する電磁場が印加されると、渦電流及び磁気ヒステリシス損失に起因して帯状サセプタ20において熱が発生し、この熱が、帯状サセプタ20からエアロゾル生成帯18に伝達されて、エアロゾル生成帯18を燃やすのではなく加熱し、1つ以上の揮発性化合物を放出し、それにより蒸気を生成する。ユーザがフィルタ26を通して吸入すると、加熱された蒸気が、エアロゾル生成材料部10の第1の端部10aからフィルタ26に向かって物品1を通って下流方向に吸い込まれる。加熱された蒸気が蒸気冷却領域22を通ってフィルタ26に向かって流れると、加熱された蒸気が冷却及び凝縮されて、フィルタ26を通してユーザが吸入するのに適当な特性を有するエアロゾルを形成する。
【0059】
エアロゾル生成物品1が、誘導コイルに対してエアロゾル生成デバイスのキャビティ又は加熱コンパートメントに最適に配置されることを保証するために、物品1は、
図1bにおいて最も良く分かるようにその外表面上に突出部30を含む。突出部30は、使用中、エアロゾル生成デバイスのハウジング内に形成される対応する形状の凹部に配置可能であり、帯状サセプタ20が誘導コイルによって発生される電磁場と最適に結合されることを保証する。
【0060】
ここで
図2a及び
図2bを参照すると、
図1a及び
図1bに示されるエアロゾル生成物品1と類似のエアロゾル生成物品2の第2の例が示されており、対応する要素は、同一の参照番号を用いて指定されている。
【0061】
エアロゾル生成物品2は、誘導加熱可能サセプタ12が実質的にI形又はピン形状であり、エアロゾル生成帯20が均一に加熱されることを保証するためにエアロゾル生成材料部10の中心に配置される単一の細長部分32を含むことを除く全ての点で、
図1a及び
図1bに示されるエアロゾル生成物品1と一致する。
【0062】
例示される例では、I形誘導加熱可能サセプタ12は、エアロゾル生成材料部10を部分的にのみ通って、第1の端部10aから第1の端部10aと第2の端部10bとの間の中間点まで延びる。しかしながら、当業者であれば、誘導加熱可能サセプタ12は、エアロゾル生成帯18と同一の長さであり、エアロゾル生成材料部10を完全に通って第1の端部10aから第2の端部10bまで延び得ると理解するであろう。
【0063】
ここで
図3a及び
図3bを参照すると、
図1a及び
図1bに示されるエアロゾル生成物品1と類似のエアロゾル生成物品3の第3の例が示されており、対応する要素は、同一の参照番号を用いて指定されている。
【0064】
エアロゾル生成物品3は、誘導加熱可能サセプタ12が筒状であることを除く全ての点で、
図1a及び
図1bに示されるエアロゾル生成物品1と一致する。エアロゾル生成材料部10のエアロゾル生成帯18は、筒状の誘導加熱可能サセプタ12の内側及び外側の両方に配置されて、エアロゾル生成帯18への熱伝達を最大化し、それにより生成されるエアロゾルの量を最大化し、エネルギー効率を最大化する。
【0065】
好ましい実施形態では、筒状の誘導加熱可能サセプタ12及び筒状の包材16は同心であり、それにより、エアロゾル生成帯18が均一に加熱されることを保証する。
【0066】
例示される例では、筒状の誘導加熱可能サセプタ12は、エアロゾル生成材料部10を部分的にのみ通って、第1の端部10aから第1の端部10aと第2の端部10bとの間の中間点まで延びる。しかしながら、当業者であれば、筒状の誘導加熱可能サセプタ12は、エアロゾル生成帯18と同一の長さであり、エアロゾル生成材料部10を完全に通って第1の端部10aから第2の端部10bまで延び得ると理解するであろう。
【0067】
ここで
図4a及び
図4bを参照すると、
図1a及び
図1bに示されるエアロゾル生成物品1と類似のエアロゾル生成物品4の第4の例が示されており、対応する要素は、同一の参照番号を用いて指定されている。
【0068】
エアロゾル生成物品4は、誘導加熱可能サセプタ12が、実質的にU形であり、エアロゾル生成材料部10を部分的に通って第1の端部10aから第1の端部10aと第2の端部10bとの間の中間点まで延びる2つの細長部分12a、12bと、2つの細長部分12a、12bを接続する第1の端部10aに配置される接続部12cとを含むことを除く全ての点において、
図1a及び
図1bに示されるエアロゾル生成物品1と一致する。例示される例では、接続部12cにより構成されるU形誘導加熱可能サセプタ12の上流端は、エアロゾル生成材料部10の第1の端部10aにおいてエアロゾル生成帯18に埋め込まれ、それによって、誘導加熱可能サセプタ12は、エアロゾル生成帯18により完全に取り囲まれる。
【0069】
この場合も、当業者であれば、U形誘導加熱可能サセプタ12の細長部分12a、12bがエアロゾル生成帯18と同一の長さであり、エアロゾル生成材料部10を完全に通って第1の端部10aから第2の端部10bまで延び得ると理解するであろう。
【0070】
ここで
図5a及び
図5bを参照すると、
図1a及び
図1bに示されるエアロゾル生成物品1と類似のエアロゾル生成物品5の第5の例が示されており、対応する要素は、同一の参照番号を用いて指定されている。
【0071】
エアロゾル生成物品5は、長方形断面を有し、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの耐熱プラスチック材料を含む、筒34の形態のシェル14を含む。プラスチック筒34は、両端部が開いており、複数のエアロゾル生成帯18と物品5の長手方向に向けられた帯状サセプタ20とを封入する。
【0072】
ここで
図6a及び
図6bを参照すると、
図5a及び
図5bに示されるエアロゾル生成物品5と類似のエアロゾル生成物品6の第6の例が示されており、対応する要素は、同一の参照番号を用いて指定されている。
【0073】
エアロゾル生成物品6は、長方形断面を有し、プラスチック材料を含む、カップ36の形態のシェル14を含む。プラスチックカップ36は、複数のエアロゾル生成帯18と物品6の長手方向に向けられた帯状サセプタ20とを封入する。
【0074】
プラスチックカップ36は、閉端部38を有し、閉端部38において、空気がエアロゾル生成材料部10内に流れることを可能にする、複数の開口部40を含む。開口部40は、典型的には、エアロゾル生成デバイスにおけるエアロゾル生成物品6の使用中にエアロゾル生成材料部10を通して均一な気流が得られることを保証するために、均一に分散される。
【0075】
ここで
図7a及び
図7bを参照すると、
図5a及び
図5bに示されるエアロゾル生成物品5と類似のエアロゾル生成物品7の第7の例が示されており、対応する要素は、同一の参照番号を用いて指定されている。
【0076】
エアロゾル生成物品7は、長方形断面を有し、プラスチック材料又は紙を含む、筒42の形態のシェル14を含む。筒42は、両端部が開いており、物品7の長手方向に向けられた複数のエアロゾル生成帯18を封入する。この例では、誘導加熱可能サセプタ12は、筒状であり、筒42の断面形状に対応する長方形断面形状を有する。したがって、サセプタ12の主面が、エアロゾル生成帯18が向けられている物品7の長手方向(即ち、第1の方向)に実質的に直交する第2の方向に向けられ、それにより、エアロゾル生成デバイスの誘導コイルによって発生する電磁場との最適な結合を保証すると理解されたい。
【0077】
ここで、
図1a及び
図1bを参照して上述したエアロゾル生成物品1などの、本開示によるエアロゾル生成物品を製造するのに適当な装置50、80、及び方法について説明する。
【0078】
図8a~8cを参照すると、
図1a及び
図1bを参照して上述したエアロゾル生成物品1の第1の例を製造する装置50及び方法の概略図が示されている。
【0079】
装置50は、連続シート形態のエアロゾル生成シート52を搬送する供給リール(図示せず)と、切断ローラ54a、54bと、サセプタフィードローラ56、58の形態のサセプタフィードユニットと、包装紙のシート70を供給するフィードローラ60と、を含む。装置は、包装ステーション62及び切断ステーション64をさらに含む。
【0080】
動作中、エアロゾル生成シート52は、供給リールから切断ローラ54a、54bに連続的に供給される。切断ローラ54a、54bは、エアロゾル生成シート52を切断して複数の連続エアロゾル生成帯18にするように協調する切断フォーメーションを含み、複数の連続エアロゾル生成帯18は、包装ステーション62に供給される。同時に、サセプタフィードローラ56、58は、誘導加熱可能サセプタ12の第1の連続帯66及び第2の連続帯68を包装ステーション62に供給リール(図示せず)から連続的に供給する。
【0081】
包装紙の連続シート70は、フィードローラ60によって供給リール(図示せず)から包装ステーション62に供給される。包装紙のシート70が移送され、包装ステーション62を通してガイドされるにつれて、シート70は、連続エアロゾル生成帯18並びに誘導加熱可能サセプタ12の第1の連続帯66及び第2の連続帯68の周囲に包装され、それによって連続ロッド72を形成する。
【0082】
連続ロッド72は、次いで切断ステーション64に移送され、そこで、適切な位置で所定の長さに切断されて複数のエアロゾル生成物品1を形成する。連続エアロゾル生成帯18、誘導加熱可能サセプタ12の第1の連続帯66及び第2の連続帯68、並びに連続する筒状の包材16は、切断ステーション64において全て同一の長さに切断され、個々のエアロゾル生成物品1を形成する。この種の方法は、エアロゾル生成物品1の大量生産に適当であると理解されたい。
【0083】
装置50は、切断されてエアロゾル生成物品1を形成する連続ロッド72の断面枠内の帯状サセプタ20の位置を検出するカメラ74をさらに含む。カメラ74によって検出される帯状サセプタ20の位置が最適でない場合、サセプタフィードローラ56、58の位置が、検出した位置に基づいて、例えば手動又は自動で調整されて、帯状サセプタ20が最適に配置されることを保証し得る。装置50は、サセプタフィードローラ56、58の再配置が行われる間、エアロゾル生成物品1の製造を停止してもよく、又は装置50は、代替的に、サセプタフィードローラ56、58の再配置が行われる間、エアロゾル生成物品1を製造し続けてもよい。
【0084】
装置50及び方法の変形において、サセプタフィードローラ56、58は、上述のように誘導加熱可能サセプタ12の連続帯66、68ではなく、個別の事前に切断された帯状サセプタ20を包装ステーション62に連続的に供給してもよい。この場合、サセプタフィードローラ56、58は、それぞれの帯状サセプタ20の一端を保持するように適合され、一方、反対側の端は包装ステーション62に適当に配置される。
【0085】
ここで
図9a~9cを参照すると、
図9cに示されるエアロゾル生成物品8の第8の例を製造するための装置80及び方法の例が示されている。装置80及び方法のある要素は、
図8a~8cを参照して上述した装置50及び方法に類似しており、したがって、同一参照番号を用いて指定される。
【0086】
装置80は、供給リール(図示せず)から包装ステーション62に包装紙の連続シート70を供給するフィードローラ60、86を含む。装置80は、場合により様々な長さのエアロゾル生成帯18の供給物を含む、ホッパー82をさらに含む。動作中、ホッパー82に格納されるエアロゾル生成帯18は、それがフィードローラ60、86によって包装ステーション62に移送されるにつれて、包装紙の連続シート70の上面にランダムに配置される。この構成では、エアロゾル生成帯18は、
図9a~9cに概略的に示されるように、その長手方向に重なり合ってもよいと理解されたい。
【0087】
サセプタフィードローラ84の形態のサセプタフィードユニットは、誘導加熱可能サセプタ12の第1の連続帯66及び第2の連続帯68を包装ステーション62に供給リール(図示せず)から連続的に供給する。
【0088】
包装紙のシート70が移送され、包装ステーション62を通してガイドされるにつれて、シート70は、エアロゾル生成帯18並びに誘導加熱可能サセプタ12の第1の連続帯66及び第2の連続帯68の周囲に包装され、それによって連続ロッド72を形成する。
【0089】
連続ロッド72は、次いで切断ステーション64に移送され、そこで、適切な位置で所定の長さに切断されて複数のエアロゾル生成物品8を形成する。エアロゾル生成帯18のいくつかが、切断ステーション64において連続ロッド72の中のそれらの位置に依存して切断されてもよく、一方、誘導加熱可能サセプタ12の第1の連続帯66及び第2の連続帯68、並びに連続する筒状の包材16は、切断ステーション64において同一の長さに切断され、個々のエアロゾル生成物品8を形成する。この種の方法はエアロゾル生成物品8の大量生産に適当であることが、ここでも理解されたい。
【0090】
装置80及び方法の変形において、サセプタフィードローラ84は、上述のように誘導加熱可能サセプタ12の連続帯66、68ではなく、個別の事前に切断された帯状サセプタ20を包装ステーション62に連続的に供給してもよい。この場合、サセプタフィードローラ84は、それぞれの帯状サセプタ20の一端を保持するように適合され、一方、反対側の端は包装ステーション62に適当に配置される。
【0091】
装置80及び方法のさらなる変形において、装置80は、ホッパー82の下流に配置され、帯状サセプタ20の供給物を含むさらなるホッパー(図示せず)を含んでもよい。さらなるホッパーは、包装紙のシート70の上面に、より詳細にはホッパーから包装紙のシート70の上面に堆積されたエアロゾル生成帯18の上に、帯状サセプタ20を配置するように適合されてもよい。この場合、サセプタフィードローラ84は必要ないと理解されたい。
【0092】
これまでの段落では、例示的な実施形態について説明してきたが、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に対して様々な修正を加えることができることを理解されたい。したがって、特許請求の広さ及び範囲は、上述した例示的な実施形態に限定されるべきではない。
【0093】
本明細書で特段の断りのない限り又は文脈に明らかに矛盾しない限り、全ての可能な変形形態における上述した特徴の任意の組み合わせが本開示によって包含される。
【0094】
文脈上、明らかに他の意味に解すべき場合を除き、本明細書及び特許請求の範囲の全体を通して、「含む」、「含んでいる」などの語は、排他的意味又は網羅的意味とは反対に、包括的に、すなわち「含むが、限定されない」という意味で解釈されるべきである。