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特許7576042リアルタイムビデオダイナミックレンジ分析
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】リアルタイムビデオダイナミックレンジ分析
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/20 20060101AFI20241023BHJP
   H04N 17/02 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
H04N5/20
H04N17/02
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021559374
(86)(22)【出願日】2020-04-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-27
(86)【国際出願番号】 US2020026725
(87)【国際公開番号】W WO2020206357
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-03-29
(31)【優先権主張番号】62/830,351
(32)【優先日】2019-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】319013861
【氏名又は名称】プロジェクト・ジャイアンツ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ジー・ベイカー
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-145864(JP,A)
【文献】特開2015-201849(JP,A)
【文献】特開2019-017067(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/00- 5/956
H04N 17/00-17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ信号のダイナミックレンジを測定するためのビデオ分析器であって、
前記ビデオ信号を受信するように構築されたビデオ信号受信手段と、
前記ビデオ信号の成分から累積分布関数カーブを発生するように構築された累積分布関数発生器と、
前記累積分布関数カーブから一又はそれ以上の特徴ベクトルを発生するように構築された特徴検出器と、
前記一又はそれ以上の特徴ベクトルに基づいて、前記ビデオ信号の一又はそれ以上の部分の輝度を示す視覚出力を生成するように構築されたビデオダイナミックレンジ発生器とからなるビデオ分析器。
【請求項2】
前記視覚出力が前記ビデオ信号の一又はそれ以上の部分の輝度を示す疑似カラー画像を含む、前記請求項1に記載のビデオ分析器。
【請求項3】
前記視覚出力が前記ビデオ信号の単独フレームの輝度対画面エリアのパーセンテージを示す波形を含む、前記請求項1に記載のビデオ分析器。
【請求項4】
前記視覚出力が前記波形と同時に表示された特定のディスプレイのためのパワーマスクを含む、前記請求項3に記載のビデオ分析器。
【請求項5】
前記視覚出力が前記ビデオ信号の少なくとも一部分の各フレームの平均輝度を含む、前記請求項1に記載のビデオ分析器。
【請求項6】
前記視覚出力が更に特定のディスプレイの最大平均輝度を含む、前記請求項5に記載のビデオ分析器。
【請求項7】
前記視覚出力が更に特定のディスプレイの最小平均輝度を含む、前記請求項6に記載のビデオ分析器。
【請求項8】
前記視覚出力が更に特定のディスプレイの最適最大輝度と最適最小輝度を含む、前記請求項7に記載のビデオ分析器。
【請求項9】
前記視覚出力がリアルタイム若しくは準リアルタイムで発生され表示される、前記請求項1に記載のビデオ分析器。
【請求項10】
ビデオ信号のダイナミックレンジを測定するための方法であって、
前記ビデオ信号の成分から累積分布関数カーブを発生することと、
前記累積分布関数カーブから一又はそれ以上の特徴ベクトルを発生することと、
前記一又はそれ以上の特徴ベクトルに基づいて、前記ビデオ信号の一又はそれ以上の部分の輝度を示す視覚出力を生成することとからなる方法。
【請求項11】
前記視覚出力が前記ビデオ信号の一又はそれ以上の部分の輝度を示す疑似カラー画像を含む、前記請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記視覚出力が前記ビデオ信号の単独フレームの輝度対画面エリアのパーセンテージを示す波形を含む、前記請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記視覚出力が前記波形と同時に表示された特定のディスプレイのためのパワーマスクを含む、前記請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記視覚出力が前記ビデオ信号の少なくとも一部分の各フレームの平均輝度を含む、前記請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記視覚出力が更に特定のディスプレイのための最大平均輝度と最小平均輝度を含む、前記請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ビデオ信号の一又はそれ以上の部分の輝度を示す視覚出力を生成することがリアルタイム若しくは準リアルタイムで視覚出力を生成することからなる、前記請求項10に記載の方法。
【請求項17】
ビデオ信号のダイナミックレンジを測定するためのビデオ分析器に与える命令であって、前記ビデオ分析器の一又はそれ以上のプロセッサによって実行されたときに、前記ビデオ分析器に前記ビデオ信号の成分から累積分布関数カーブを発生させることと、
前記ビデオ分析器に前記累積分布関数カーブから一又はそれ以上の特徴ベクトルを発生させることと、
前記一又はそれ以上の特徴ベクトルに基づいて、前記ビデオ分析器に前記ビデオ信号の一又はそれ以上の部分の輝度を示す視覚出力を生成させることとからなる命令を含むプログラム。
【請求項18】
前記ビデオ分析器に、前記ビデオ信号の一又はそれ以上の部分の輝度を示す疑似カラー画像を含む視覚出力を発生させる命令を更に含む、前記請求項17に記載のプログラム。
【請求項19】
前記ビデオ分析器に、前記ビデオ信号の単独フレームの輝度対画面エリアのパーセンテージを示す波形を含む視覚出力を発生させる命令を更に含む、前記請求項17に記載のプログラム。
【請求項20】
前記ビデオ分析器に、前記波形と同時に表示された特定のディスプレイのためのパワーマスクを含む視覚出力を発生させる命令を更に含む、前記請求項19に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本開示は、ビデオ信号を測定するためのシステムと方法に関連し、特には、ビデオ信号のダイナミックレンジを自動的に分析することに関連する。
発明の技術的背景
【0002】
テレビジョン(TVs)は、4K解像度のストリーミングデータサービスからのコンテンツをサポート可能な4K及び8Kの消費者用ディスプレイの出現とともに、元の1080x1920の高精細(HD)フォーマットを超えて、ディスプレイサイズと解像度において目まぐるしく改善した。しかしながら、典型的な視聴距離で典型的なリビングルームスクリーンサイズにおいてこれら新しい高解像度の改善を感知して完全に評価することには困難があり、画像解像度未解決問題(moot)についての更なる改善を行う。
【0003】
そのようなものとして、ビデオ技術における進展は、より広い色域(WCG)、特には、はるかに広いコントラストとピーク明るさの現代的なディスプレイのハイダイナミックレンジ(HDR)を利用することに重点を置いた。これらが典型的なリビングルーム視聴距離と照明において容易に評価され得る視聴者の経験において非常に顕著な改善を生み出したからである。
【0004】
HDRビデオコンテンツプロバイダは、標準的なダイナミックレンジ(SDR)ビデオよりも常に大きなダイナミックレンジを有するクラシックフィルムアーカイブスをビデオDVDとストリーミングサービスのための新たなHDRフォーマットに変換することを迅速なペースで取り組んでいる。さらに、今日のカメラは非常に広いダイナミックレンジを有しており、HDRコンテンツのライブ放送とビデオ制作記録の双方を可能にし、さらに、HDRTVを有していない人々に対してのSDRコンテンツの同時放送も可能にしている。
【0005】
現状では、HDR/WCGコンテンツのための3つの一般的なディスプレイフォーマットと、2つのWCGフォーマットがある。ハイエンドのスタジオ標準ディスプレイモニター、さもなければ、pixモニターとして知られているものは、これらのフォーマットのうちの一又はそれ以上のフォーマットで直接入力を表示できる。
【0006】
HDR/WCGコンテンツは、HDR/SDRpixモニター入力フォーマットとは異なる広範な範囲のカメラ、フィルム、デジタルアーカイブフォーマットに由来する。そのようなものとして、ダイナミックレンジや色空間を圧縮又は拡大のいずれかを行いpixモニターフォーマットのうちの一つに合わせるには、赤、緑、青(RGB)明るさや、コントラストや、彩度や、ガンマにおける調整が必要である。
【0007】
開示された実施の形態は、先行技術のこれらの欠陥及び他の欠陥に対処する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の実施の形態の様相や特徴や利点は、添付の図面を参照して以下の実施形態の説明から明らかとなる。
【0009】
図1は、本開示の実施の形態に関するリアルタイムビデオダイナミックレンジ分析システムのブロック図である。
【0010】
図2Aと2Bは、特定のビデオフレームの図1のリアルタイムビデオダイナミックレンジ分析システムの出力例である。
【0011】
図3は、他の特定のビデオフレームの図1のリアルタイムビデオダイナミックレンジ分析システムの他の出力例である。
【0012】
図4は、図1のリアルタイムビデオダイナミックレンジ分析システムによって出力されたビデオの輝度のグラフ出力である。
【0013】
図5は、図1のリアルタイムビデオダイナミックレンジ分析システムを実装するために用いられるコンピュータ装置又はシステムの一例である。
発明の詳細な説明
【0014】
上記のように、ここでは、pixモニターとも呼ばれる、ハイエンドのスタジオ標準ディスプレイモニターは、一又はそれ以上のフォーマットの入力を表示することができる。そのフォーマットは、例えば、HDRpixモニターディスプレイ「ガンマ」フォーマット若しくはWCGpixモニター原色フォーマットを含んでいる。
【0015】
HDRpixモニターディスプレイ「ガンマ」フォーマットは、1000~4000nitのピーク明るさにグレード分けされた知覚量子化(PQ)と、主に1000nitのピーク明るさにグレード分けされたハイブリッドログガンマ(hybrid log gamma)と、主に1200nitのピーク明るさにグレード分けされたSRライブ(SRLive)を含むことができる。SCGpixモニター原色フォーマットは、現在の画像モニターのディスプレイ原色が純粋なRGB光に達することができないので制限されねばならない、完全に飽和された「レーザー」光純粋ディスプレイ原色を有するBT.2020と、広色域(wide color gamut)を有するが、レーザー光純度に欠けるディスプレイ原色に達することができるP3-D65を含むことができる。
【0016】
HDR/WCGコンテンツは、HDR/SDRpixモニターの入力フォーマットとは異なる広範囲のカメラ、フィルム、デジタルアーカイブフォーマットに由来している。したがって、上記のように、RGB明るさ、コントラスト、彩度及びガンマにおいて、ダイナミックレンジ及び色空間を圧縮又は拡大してpixモニターのガンマフォーマットのうちの一つに合わせる調節が必要である。
【0017】
さらに、画像の輝度は、確実にHDR/WCGコンテンツがターゲットのディスプレイ技術の限界を超えないように、表示エリアに応じて定量化されるべきである。しかしながら、小さな画素エリアのみを占有している非常に明るいハイライト、若しくは、映画館と比較したときに、非常に暗くはない室内のテレビジョン(TV)にとってあまりにも暗く映るシーンを有することがあるビデオ画像の輝度を測定することには困難であることがある。
【0018】
現代のTVpixモニターは、それらが非常に大きいスクリーン上に提供することができる表示パワー若しくは光度において限界がある。例えば、2000nit(cd/m)のピーク輝度を表示することができると宣伝されている、70インチの対角線を有するテレビジョン又はpixモニターは、スクリーン面積の2%未満でのみそのピーク輝度を配信できる場合がある。言い換えれば、テレビジョン又はpixモニターは、スクリーン全体にわたる2000nitの白フィールドを表示することはできない。なぜならば、そのことがディスプレイ技術を考慮するとあまりにも多くのパワーを使いすぎるからです。
【0019】
本開示の実施の形態は、HDRコンテンツをターゲットのHDRディスプレイガンマフォーマットにグレーディングするか若しくはSDRにダウンコンバージョンする間に、ハイライトコンテンツの調整を可能にするとともに平均輝度の調整を可能にする、画像エリアの関数としてのシーン輝度を決定するシステムと方法を提供する。好適には、このシステムと方法は、ビデオシーケンス全体にわたるコンテンツの品質管理チェック及びグラフ表示のためにリアルタイムで作動する。
【0020】
本開示の実施の形態の他の様相は、所望のミッドトーン反射ハイライト並びに肌色露出のような他のエリアの輝度を数量化するために、画像内の問題の特定エリアに関するリアルタイム輝度マーカーを提供する。ある実施の形態において、これらのマーカーは、pixエリアに基づいて、そして、疑似カラー挿入のようなpixエリアディスプレイ表示とともに選択されうる。
【0021】
本開示の実施の形態の他の様相は、ターゲットのpixディスプレイモニターの限界光度が超過されたか否か決定する方法を提供することができる。
【0022】
図1は、開示された技術のある実施の形態に関するリアルタイムビデオダイナミックレンジ分析の例示システム100のブロック図である。このシステム100は、リアルタイムでビデオコンテンツを分析し、画像エリアの関数としてシーン輝度を決定し、HDRコンテンツをHDRディスプレイガンマフォーマットにグレーディングするか若しくはSDRにダウンコンバージョンする間に調整がハイライトコンテンツに対してなされるべきであるか否か、並びに、平均輝度に対して調整がなされるべきか否かを利用者に早急に特定できるようにしている。このシステムは、Cb′Y′Cr′信号若しくは変換機102において輝度Y‘信号に変換することができるR’G‘B’信号のいずれかを受信することができる。マルチプレクサ104は、Cb′Y′Cr′信号若しくは変換されたR′G′B′信号のいずれかから輝度すなわちY‘成分を選択することができる。
【0023】
任意の前処理106がY′成分に対して行われそれを異なるフォーマットのサイズにするか、若しくは、レターボックス検出及びアクティブなpixに対するトリミングを行う。後続の処理のための画素カウントは、例えば、0.01%にまでのスクリーン面積にとっての合理的な画素カウントを提供することだけで十分である必要がある。典型的な大スクリーンにおいても、これよりも少ないエリアは、ピーク明かるさに関して一般的に問題にならない。例えば、4K若しくは2Kの画像を720x1280の大きさに変更することは、それでも0.01%のエリア解像度の場合約92ピクセルを提供する。
【0024】
さらに、このシステム100は、ある実施の形態においてはアクティブな画像画素にのみ関心がある場合があり、レターボックス(サイドパネルとトップ/ボトムの黒帯)が検出され、そして、後続の画素処理にゲートアウトされるべきである。前処理106の後で、SDR又はHDRの輝度成分Y′は、マルチプレクサ110を介して、そして、成分Y′がHDRのY′成分である場合には参照テーブル112を介して、SDR信頼性モニター108に送られ得る。参照テーブル108は、HDRの成分Y′をSDRにダウンコンバートすることができ、SDR信頼性モニター108はビデオ画像信頼性モニタリング関数を提供するが、それは、以下に詳述する、リアルタイム累積分布関数(CDF)若しくは補完累積分布関数(CCDF)と同時に表示できる。このことは、輝度領域をマークするための疑似カラーを伴うフルカラー画像若しくはモノクロ画像でもありうる。
【0025】
ある実施の形態においては、入力データコード値の範囲にわたって一次元のヒストグラムが生成される(114)。この一次元ヒストグラムは、確率密度関数(PDF)に類似するものであって、各入力コード値の単独フレーム上の画素カウントのベクトルであり、累積合計1の分数値に正規化される。
【0026】
ある実施の形態においては、任意の再帰ヒストグラムフィルタ116が、ヒストグラムベクトルの時間平均をそれ自体に提供することで、一次元ヒストグラムに利用される。例えば、再帰的ローパスフィルタ(LPF)が明示されるが、それにより、一次指数ステップ応答を生成する以前のフレームからの値でヒストグラムの各値域が平均化(自動的逆累進化)される。有限インパルス応答による移動アンサンブル平均時間LPFは、同じ利益を提供することができる。
【0027】
累積ヒストグラムとしても言及され得る、累積分布関数(CDF)118は、累積合計として生成される。平均化ヒストグラムが合計1を有するので、CDFは伝統的な統計関数におけるようなゼロから1への単調増加関数となる。
【0028】
CDF118の出力から、特徴検出120が、各フレームの所定のpixエリアにおける輝度、ストップ、入力コード値(CV)のようなリアルタイムダイナミックマーカー値のセットを生成するが、それは、有効にスクリーン面積比又はパーセンテージのセットである画素確率の所定セットのそれぞれに最も近いCV値域に対するCDFを捜索することで生成される。入力CV値は、疑似カラー閾値として機能することができ、リアルタイムでpixディスプレイ上の各マーカーの所定の画素面積を示す。
【0029】
CDF波形は、リアルタイムダイナミックマーカー値のセットに基づいて、特徴検出120からグラフ化されうる。CDF波形は、特徴検出120によって決定された入力CV対画素確率をグラフ化するか、若しくは、入力CVはフルスケールパーセンテージに変換され得るとともに画素確率はビデオ信号の既知のガンマフォーマットを用いてnit又はストップに変換され得る。
【0030】
ある実施の形態では、補完CDF(CCDF)122が、画像エリアを入力CVと結ぶ付けるためにも使用されうる。CCDF122は、1からCDFを減じることで決定される、すなわち、1-CDF=CCDFである。そして、CCDF122と特徴検出120の両出力がビデオダイナミックレンジ発生器124において受信される。ビデオダイナミックレンジ発生器124は、システム100の利用者によって見ることができ得る形式で、ビデオ信号の一又はそれ以上の部分の輝度を示す視覚出力を生成する。
【0031】
ビデオダイナミックレンジ発生器124は、特徴検出120によって決定されるような、nit、ストップ、又は入力CV値対スクリーンエリアのパーセンテージ又はlog確率のグラフ化された量を含むビデオ入力の単独フレーム126のための視覚出力を生成することができる。入力エンコーディングガンマフォーマットが既知であることが多いので、CDF118又はCCDF120による出力であるCVスケールは、ビデオ制作、品質管理、及び、配布ワークフローにおける利用ポイントの参照用のディスプレイ光(nits)又はシーンリファレンス(ストップ又は反射率)に変換され得る。ガンマフォーマットは、入力信号のメタデータから受信され得るか、若しくは、利用者によって入力され得る。信号フレームのための視覚出力は、利用者に代表的なディスプレイピーク明るさを超えるHDRハイライト、又はSDRに容易にダウンコンバートすることができないコンテンツを含むことがある画像エリアを容易に認識させることを可能にする。
【0032】
ビデオダイナミックレンジ発生器124は、リルタイム若しくは準リアルタイムで視覚出力を生成するが、これはビデオ信号がシステム100に入力されているときに視覚出力が生成されること、若しくは、視覚出力の作成のための時間を提供するために、信号受信後可能な限り早急に視覚出力が生成されることを意味する。他の実施の形態において、ビデオダイナミックレンジ発生器124の出力は、以後の分析ために一時的に保存されるか、若しくは、無期限に保存されることすらあり得る。
【0033】
ビデオダイナミックレンジ発生器124は、また、各フレームの平均輝度、各フレームの最大ピーク輝度並びに各フレームの最小輝度のようなnit量対フレームの図式を含むことがあり得るビデオ入力の複数フレーム128のための視覚出力を生成することができる。複数フレーム出力128は、また、利用者に通常のビュー状態での心地よくない明るさ若しくは暗さである、(大きなエリアでの)平均輝度を有するシーンを認識させることを可能にする。
【0034】
ビデオダイナミックレンジ発生器124は、さらに若しくはそれとは別に、画像の異なる部分に存在する輝度量に基づきその輝度で画像をカラーコーディングすることでビデオ入力のフレームの疑似画像若しくは疑似カラー画像の視覚出力を生成することがある。疑似カラー画像出力130は、リアルタイム輝度nit値でHDRハイライトに視覚的に相関する。
【0035】
ある実施の形態では、パワー制限マスクが特定のディスプレイにとって決められており、利用者が容易且つ早急に入力ビデオが特定のディスプレイにとってあまりにも明るすぎるか若しくは暗すぎる部分を有するか否かを確認することができるように、視覚出力上に同時に表示されることもある。
【0036】
ディスプレイパワー制限は、既知の操作又は方法を用いて決定され得る。製造者がテレビジョン又はモニターに対してnitで最大輝度を特定すると、それらは主にテレビジョン又はモニターのスクリーンのあるエリアのために特定される。
【0037】
以下の式(1)において、最大輝度(Lmax)は、3つの異なるディスプレイのスクリーン面積の2%未満に特定された2500nit、1500nit、並びに,1000nitでありうる。式(2)は、1nitが1カンデラ/平方メートルに等しいことを表している。
【0038】
【0039】
1nit=1cd/m (2)
【0040】
16x9のアスペクト比を有するテレビジョン又はモニターにとって、対角線長さは70インチであり、式(3)は対角線長さDをメートルに変換する。
【0041】
Dm:=70・2.54/100 (3)
【0042】
以下に示す式(4)は、そして、対角線長さに基づくテレビジョン又はモニターの面積を決定する。
【0043】
面積(D):= D2・cos(atan(9/16))・sin(atan(9/16)) (4)
【0044】
上記式(4)を用いて、70インチのテレビジョン又はモニターの面積は1.341mである。
【0045】
ピーク光度Plumは、面積の2%を最大光度にかけることで、式5において定められる。
【0046】
Plum:=Lmax・Amax・0.02 (5)
【0047】
上記の3つのディスプレイにおいて、ピーク光度は以下の式(6)で示される。
【0048】
【0049】
カンデラのピーク光度は、式(7)に示すようにnitsに変換されうる。
【0050】
Lfs:=Plum/Amax (7)
【0051】
上記の3つのディスプレイにおいて、結果が式(8)で示される。
【0052】
【0053】
式(9)において、nitsの最大数はI(この例では10、000である)で示され、iは0~I-1であり、jはスクリーン面積(2%より上である)であり、各ポイントの面積iは式(9)で決定される。
【0054】
面積 Ai:=i/I+10-4 (9)
【0055】
式(5)の上記ピーク光度が与えられると、各ポイントの最大輝度は式(1)を用いて決定され得る。
【0056】
Lumi,j:=Plum/Ai・Amax Lumi,j:=if(Lumi,j>Lmaxj, Lmaxj,Lumi,j) (10)
【0057】
max(Lum)=2.5x10min(Lum)=20 (11)
【0058】
式(9)~(11)は、生成されたCDF又はCCDF上にパワー制限マスクを描画するために使用される。
【0059】
図2Aは、HDR PQフォーマットの入力ビデオのフレーム例に対して作動するシステム100によって生成された例示のCCDF波形を図示するが、一方、図2Bは、システム100によって生成された疑似カラー画像の例を図示している。図2Bの疑似カラー画像は、グレースケールで表示されているが、実際の疑似カラー画像はカラーで生成され、特定の色彩は元の画像の様々なレベルの輝度若しくは明るさを示している。図2Aは、図1の単独フレームビュー126の一例でありうるビデオの1フレームにおいてPQ HDR CCDFディスプレイ光対pixエリアパーセンテージのプロット200を描画している。パワー制限マスク202は、式(9)~(11)を用いて上記に決定されたもののように、1500nitディスプレイのプロット上で示されている。CCDF波形204が、プロット200上にプロットされている。
【0060】
議論を容易にするために、数多くのマーカーがプロット200上に図示されているが、利用者に表示されるときにこれらのマーカーのすべてがCCDF波形204に存在する必要はない。マーカー206は、600nitsがディスプレイ面積の0.1%に存在することを図示している。マーカー208は、400nitsでディスプレイ面積ポイントの1%であることを図示している。マーカー210は、20nitsでディスプレイ面積の10%であること、そして、マーカー212は、8nitsでディスプレイ面積の25%であることを図示している。マーカー214によって示されているように、ディスプレイ面積の3%が、200nitsを超えている。マーカー216は、18nitsである平均マーカーを図示している。
【0061】
プロット200に示されているように、図2Bの形態218は1500nitエリアのパワー制限マスクに違反するものではない。カラーコードキ―220が提供されて、利用者に疑似カラー図218のどのエリアがCCDF波形204のどの部分に対応しているのかを迅速に特定させることを可能にする。矢示222は、600nitsを超える0.1%のエリアを図示しているが、矢示224は、400nitsを超える1%のエリアを図示するとともに、矢示226は、200nitsを超える3%のエリアのHDRエリアを図示している。
【0062】
図3は、他の単独ビデオフレームのCCDF波形302の他の例を図示している。パワー制限マスク202は、プロット300上にも示されている。マーカー304、306、308,310は、それぞれ0.1%、1%、10%、25%の面積パーセンテージでのCCDF波形のnit数を図示している。
【0063】
平均マーカー312は、112nitsに位置している。マーカー308に示されているように、その画像はパワー制限マスク202によって示されているように、ディスプレイパワー制限を超える画像の10%以上の800nitを超える面積を有している。さらに、100nitsを超える平均輝度(112nits)は、ほとんどの看者に心地よくない明るさの画像を示すことがあるかもしれない。図3には示されていないけれども、上記図2A及び図2Bと同様に、疑似カラー画像130もプロット300並びにキーと同時に表示され得る。
【0064】
図4は、システム100を使ってビデオコンテンツが特定のディスプレイ上に適切に表示しているか否かを試験する利用者に表示され得るグラフ400である。グラフ400は、図1のビデオダイナミックレンジ発生器124により生成された複数フレームビュー128の例である。グラフ400は、ビデオ入力の全期間にわたってシステム100によって測定された、1%未満の画像エリア波形404のビデオピーク輝度の平均輝度波形402と、1%を超える画像エリア波形406の最小輝度(ピークブラック)を図示している。ピーク間の差異は、ビデオクリップの各フレームの最も暗い1%と最も明るい1%の間にまたがるダイナミックレンジである。線408と410は、それぞれ、ディスプレイの最大と最小の輝度を示している。線412と414は、ディスプレイの輝度の最適エリアを示している。
【0065】
図4に示されているように、平均輝度402は、ビデオの600フレームに全体に亘ってグラフ化されている。平均輝度402は、ほぼ100と170フレームの周辺にある2つの過度に暗い違背(overly dark violation)を除いて、線408と410によって示された、ディスプレイの最大と最小の輝度範囲内にある。システム100の利用者は、これらの違背を視認することが可能であり、必要に応じてビデオを調整して違背を是正しビデオが適度の表示されるようにすることができる。
【0066】
図5は、本開示の実施の形態に関連した方法、プロセス、機能若しくは作動を実装するように構成されたコンピュータ装置又はシステムに存在され得る構成要素又は構成部分を図示する線図である。記載されているように、ある実施の形態では、ここに記載されたシステム及び方法は、処理要素および実行可能な命令のセットを含む装置の形式で実装され得る。実行可能な命令は、ソフトウェアアップリケ―ションの一部でよいし、ソフトウェアアーキテクチュアに配置されることもある。一般には、開示の実施形態は、適切にプログラムされた処理要素(CPU、マイクロプロセッサ、プロセッサ、コントローラ、コンピュータ装置など)によって実行されるように設計されたソフトウェア命令のセットを用いて実装され得る。複雑なアプリケーション又はシステムにおいては、そのような命令は主に「モジュール」にアレンジされ、該各モジュールは主に特定のタスク、プロセス、機能若しくは作動を行う。モジュールのセット全体は、組織的プラットフォームのオペレーティングシステム(OS)又は他の形式によりそれらの作動を制御又は調整されることがある。
【0067】
各アプリケーションモジュール又はサブモジュールは、そのモジュール又はサブモジュールによって実装される特定の機能、方法、プロセス若しくは作動に対応することがある。そのような機能、方法、プロセス若しくは作動は、ここに記載されたシステム及び方法の一又はそれ以上の様相を実現するために用いられるものを含むことができる。
【0068】
アプリケーションモジュール又はサブモジュールは、プログラミング言語に相応するコンピュータ実行可能なコードのような、適切なコンピュータ実行可能なコード又は命令のセット(例えば、適切にプログラムされたプロセッサ、マイクロプロセッサ、若しくはCPUにより実行されるであろう)を含むことがある。例えば、プログラミング言語ソースコードはコンピュータ実行可能なコードにコンパイルされうる。それとは別に、若しくは、それに加えて、プログラミング言語は、スクリプト言語のようなインタープリートされたプログラミング言語であってもよい。コンピュータ実行可能なコード又は命令のセットは、非一時的コンピュータ可読媒体に(又はその上に)格納されうる。一般的には、ここに記載された実施の形態に関して、非一時的コンピュータ可読媒体は、一時的波形若しくは同様の媒体を除いて、ほとんどの構造、技術、若しくは方法を含むことができる。
【0069】
記載されたように、開示の実施形態を実装するためのシステム、装置、方法、プロセス、機能及び/又は作動は、中央演算処理装置(CPU)又はマイクロプロセッサのような一若しくはそれ以上のプログラムされたコンピュータプロセッサによって実行される命令のセットの形式で全体的に若しくは部分的に実装され得る。そのようなプロセッサは、システムの他の構成要素により操作されるか、又は、それらと通信して操作される装置、サーバー、クライアント、若しくは他のコンピューティング又はデータ処理機器に組み込まれることがある。一例として、図5は開示の実施形態に関連して方法、プロセス、機能、若しくは作動を実装するために構成されたコンピュータ装置又はシステム500に存在する構成要素又は構成部分を示す線図である。図5に示されたサブシステムは、システムバス502を介して相互接続されている。サブシステムは、ディスプレイ504と周辺装置を含むことができ、I/Oコントローラ506に連結する入出力(I/O)機器はシリアルポート508のような当該技術分野で既知の多くの手段によりコンピュータシステムに接続され得る。例えば、シリアルポート508若しくは外部インタフェース510は、コンピュータ機器500をインターネットのような広域ネットワーク、マウス入力機器及び/又はスキャナを含む、図5に非図示の更なる機器及び/又はシステムに接続するために利用され得る。システムバス502を介して相互接続することで、一又はそれ以上のプロセッサ512が各サブシステムと連絡することを可能にするとともに、システムメモリ514及び/又は固定ディスク516に保存された命令の実行、並びにサブシステム間の情報交換を制御することも可能にする。システムメモリ514及び/又は固定ディスク516は、有形のコンピュータ可読媒体で具体化され得る。図1のビデオダイナミックレンジ発生器124により生成されたビュー126,128,130のいずれか又はそのすべてが、システム500の利用者に対して、ディスプレイ505上に示され得る。
【0070】
本願に記載されたソフトウェア構成部分、プロセス、若しくは機能のいずれも、例えば、従来技術又はオブジェクト指向技術を用いた、例えば、Java、JavaScript、C++若しくはPerlのような適切なコンピュータ言語を用いたプロセッサによって実行されるべきソフトウェアコードとして実装され得る。そのソフトウェアコードは、一連の命令若しくはコマンドとして、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、ハードドライヴ又はフロッピーディスクのような磁気媒体、若しくは、CD-ROMのような光学媒体のような非一時的コンピュータ可読媒体に(又はその上に)保存され得る。この文脈において、非一時的コンピュータ可読媒体は、一時的波形を除いて、データまたは命令のセットの保存に適するほとんどすべての媒体である。そのような非一時的コンピュータ可読媒体は、単独の演算機器上若しくはその内部に存在し、システム又はネットワーク内の異なる演算機器上若しくはその内部に存在し得る。
【0071】
一つの実装例によれば、ここに使用されたような用語処理要素又はプロセッサは、中央演算処理装置(CPU)であってもよく、若しくは(仮想マシーンのように)CPUとして概念化されてもよい。この実装例において、CPU又はCPUが組み込まれている機器は、ディスプレイのような一又はそれ以上の周辺機器に連結、接続及び/又は通信され得る。
【0072】
ここで言及された非一時的コンピュータ可読記録媒体は、独立ディスクの冗長アレイ(RAID)、フロピーディスクドライブ、フラッシュメモリ、USBフラッシュドライブ、外部ハードディスクドライブ、サムドライブ、ペンドライブ、高密度デジタル多目的ディスク(HD-DVD)光学ディスクドライブ、内蔵ハードディスクドライブ、Blu-Ray光学ディスクドライブ、又は、ホログラフィックデジタルデータストレージ(HDDS) 光学ディスクドライブ、シンクロナスダイミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)若しくは同様の機器、又は同様の技術に基づく他の形式のメモリのような、多くの物理的ドライブユニットを含むことがある。記載されているように、ここに記載された実施の形態に関して、非一時的コンピュータ可読媒体は、一時的波形若しくは同様の媒体を除いて、ほとんどすべての構造、技術、若しくは方法を含むことができる。
【0073】
開示された技術のある実装が、システムのブロックダイアグラム及び/又は機能、作動、プロセス若しくは方法のフローチャート若しくはフローダイアグラムに関連してここに記載されている。ブロックダイアグラムの一又はそれ以上のブロック若しくはフローチャート若しくはフローダイアグラムの一又はそれ以上のステージ又はステップ、そして、ブロックダイアグラムのブロックとフローチャート若しくはフローダイアグラムのステージ又はステップの組み合わせは、それぞれ、コンピュータ実行可能なプログラム命令によって実施され得ることが理解される。ある実施の形態では、一又はそれ以上のブロック若しくはステージ又はステップが表示された順序で必ずしも行われる必要はないし、必ずしも行われる必要がない場合があることに言及する。
【0074】
これらのコンピュータ実行可能なプログラム命令は、汎用コンピュータ、特定用途コンピュータ、プロセッサ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされて、コンピュータ、プロセッサ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理機器によって実行される命令がここに記載された一又はそれ以上の機能、作動、プロセス若しくは方法を実装する手段を生み出すような、特定の例の機械を生成することがある。これらのコンピュータプログラム命令は、また、コンピュータ可読メモリに保存されるが、それはコンピュータ若しくは他のプログラム可能なデータ処理機器に命じて、特定の方法でコンピュータ可読メモリに保存された命令がここに記載された一又はそれ以上の機能、作動、プロセス若しくは方法を実装する命令手段を含む製品を生成するように機能することがある。
【0075】
本開示の諸相は、特別に作成されたハードウェア、ファームウェア、デジタル信号プロセッサ若しくはプログラムされた命令に関して作動するプロセッサを含む特別にプログラムされたコンピュータにおいて作動することができる。ここに使用された用語コントローラ又はプロセッサは、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、特定用途向け集積回路(ASICs)及びハードウェア専有コントローラを含むことを意図している。本開示の一又はそれ以上の様相が、コンピュータ利用可能なデータ及び一又はそれ以上のコンピュータ若しくは他の機器によって実行された一又はそれ以上のプログラムモジュールのようなコンピュータ実行可能な命令で実施可能である。一般的には、プログラムモジュールは、コンピュータ若しくは他の機器のプロセッサによって実行されたときに特定のタスクを行うか又は特定の抽象データ型を実装するルーティン、プログラム、オブジェクト、コンポネント、データ構造、などを含んでいる。コンピュータ実行可能な命令は、ハードディスク、光学ディスク、取り出し可能な記録媒体、ソリッドステートメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)などのようなコンピュータ可読記録メモリに記録されうる。いわゆる当業者によって認識されているように、プログラムモジュールの機能は、様々な様相で望まれているように、組み合わされるか又は分散され得る。さらに、この機能は、集積回路、FPGAなどのようなファームウェア若しくはハードウェア均等物において全部もしくは部分的に実現され得る。特定のデータ構造が使用されて、本開示の一又はそれ以上の様相をより効率的に実装されることがあり、そのようなデータ構造は、ここで記載されたコンピュータ実行可能な命令及びコンピュータ利用可能なデータの範囲内で想定される。
【0076】
開示された様相は、場合によって、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア若しくはそれらの組み合わせにおいて実装され得る。開示された様相は、また、コンピュータ可読記録媒体によって搬送されるか、又はそこに記録された命令であって、一若しくはそれ以上のプロセッサによって読み込まれ実行され得る命令としても実装され得る。そのような命令は、コンピュータプログラム製品と呼ぶことができる。ここに取り扱われたように、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ機器によってアクセス可能な任意の媒体を意味する。例示として、そして限定するものではないが、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記録媒体と通信媒体を含むことがある。
【0077】
コンピュータ記録媒体は、コンピュータ可読情報を記録するために使用され得る任意の媒体を意味する。例示として、そして限定するものではないが、コンピュータ記録媒体は、RAM、ROM、電気的消去書込み可能なプログラム可能読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、又は他のメモリ技術、コンパクトディスク読出し専用メモリ(CD-ROM)、デジタルビデオディスク(DVD)、又は他の光学ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ、又は他の磁気ストレージ機器、及び、任意の技術によって実装された他の揮発性又は不揮発性、取り出し可能又は取り出し不可能な媒体を含み得る。コンピュータ記録媒体は、信号それ自体及び信号伝送の一時的な形式を含まない。
【0078】
通信媒体は、コンピュータ可読情報の通信のために使用され得る任意の媒体を意味する。例示として、そして限定するものではないが、通信媒体は、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、空気、若しくは、電気信号、光信号、無線周波数(RF)信号、赤外線信号、音響信号又は他のタイプの信号の通信に適した他の媒体を含むことがある。
実施例
【0079】
ここに開示された技術の実例が以下に提供される。この技術の実施の形態は、一又はそれ以上の下記の実施例のいずれか、及びその組み合わせを含むことができる。
【0080】
実施例1は、ビデオ信号のダイナミックレンジを測定するためのビデオ分析器であって、前記ビデオ信号を受信するように構築されたビデオ入力と、前記ビデオ信号の成分から累積分布関数カーブを発生するように構築された累積分布関数発生器と、前記累積分布関数カーブから一又はそれ以上の特徴ベクトルを発生するように構築された特徴検出器と、前記ビデオ信号の一又はそれ以上の部分の輝度を示す視覚出力を生成するように構築されたビデオダイナミックレンジ発生器とからなるビデオ分析器である。
【0081】
実施例2は、前記視覚出力が前記ビデオ信号の一又はそれ以上の部分の輝度を示す疑似カラー画像を含んでいる前記実施例1に記載のビデオ分析器である。
【0082】
実施例3は、前記視覚出力が前記ビデオ信号の単独フレームの輝度対画面エリアのパーセンテージを示す波形を含んでいる前記実施例1又は2に記載のビデオ分析器である。
【0083】
実施例4は、前記視覚出力が前記波形と同時に表示された特定のディスプレイのためのパワーマスクを含んでいる前記実施例3に記載のビデオ分析器である。
【0084】
実施例5は、前記視覚出力が前記ビデオ信号の少なくとも一部分の各フレームの平均輝度を含んでいる前記実施例1~4のうちのいずれか一つに記載のビデオ分析器である。
【0085】
実施例6は、前記視覚出力が更に特定のディスプレイの最大平均輝度を含んでいる前記実施例5に記載のビデオ分析器である。
【0086】
実施例7は、前記視覚出力が更に特定のディスプレイの最小平均輝度を含んでいる前記実施例6に記載のビデオ分析器である。
【0087】
実施例8は、前記視覚出力が更に特定のディスプレイの最適最大輝度と最適最小輝度を含んでいる前記実施例7に記載のビデオ分析器である。
【0088】
実施例9は、前記視覚出力がリアルタイム若しくは準リアルタイムで発生され表示される前記実施例1~8のうちのいずれか一つに記載のビデオ分析器である。
【0089】
実施例10は、ビデオ信号のダイナミックレンジを測定するための方法であって、前記ビデオ信号の成分から累積分布関数カーブを発生することと、前記累積分布関数カーブから一又はそれ以上の特徴ベクトルを発生することと、前記ビデオ信号の一又はそれ以上の部分の輝度を示す視覚出力を生成することとからなる方法である。
【0090】
実施例11は、前記視覚出力が前記ビデオ信号の一又はそれ以上の部分の輝度を示す疑似カラー画像を含んでいる前記実施例10に記載の方法である。
【0091】
実施例12は、前記視覚出力が前記ビデオ信号の単独フレームの輝度対画面エリアのパーセンテージを示す波形を含む、前記実施例10又は11に記載の方法である。
【0092】
実施例13は、前記視覚出力が前記波形と同時に表示された特定のディスプレイのためのパワーマスクを含んでいる前記実施例12に記載の方法である。
【0093】
実施例14は、前記視覚出力が前記ビデオ信号の少なくとも一部分の各フレームの平均輝度を含んでいる前記実施例10~13のうちのいずれか一つに記載の方法である。
【0094】
実施例15は、前記視覚出力が更に特定のディスプレイのための最大平均輝度と最小平均輝度を含んでいる前記実施例14に記載の方法である。
【0095】
実施例16は、前記ビデオ信号の一又はそれ以上の部分の輝度を示す視覚出力を生成することがリアルタイム若しくは準リアルタイムで視覚出力を生成することからなる、前記実施例10~15のうちのいずれか一つに記載の方法である。
【0096】
実施例17は、ビデオ分析器に与える命令であって、前記ビデオ分析器の一又はそれ以上のプロセッサによって実行されたときに、前記ビデオ分析器に前記ビデオ信号の成分から累積分布関数カーブを発生させることと、前記ビデオ分析器に前記累積分布関数カーブから一又はそれ以上の特徴ベクトルを発生させることと、前記ビデオ分析器に前記ビデオ信号の一又はそれ以上の部分の輝度を示す視覚出力を生成させることとからなる命令を含む一又はそれ以上のコンピュータ可読記録媒体である。
【0097】
実施例18は、前記ビデオ分析器に、前記ビデオ信号の一又はそれ以上の部分の輝度を示す疑似カラー画像を含む視覚出力を発生させる命令を更に含んでいる前記実施例17に記載の一又はそれ以上のコンピュータ可読記録媒体である。
【0098】
実施例19は、前記ビデオ分析器に、前記ビデオ信号の単独フレームの輝度対画面エリアのパーセンテージを示す波形を含む視覚出力を発生させる命令を更に含む、前記実施例17又は18に記載の一又はそれ以上のコンピュータ可読記録媒体である。
【0099】
実施例20は、前記ビデオ分析器に、前記波形と同時に表示された特定のディスプレイのためのパワーマスクを含む視覚出力を発生させる命令を更に含む、前記実施例17~19のうちのいずれか一つに記載の一又はそれ以上のコンピュータ可読記録媒体である。
【0100】
実施例21は、ビデオ信号のダイナミックレンジを測定するためのビデオ分析器であって、前記ビデオ信号を受信するように構築されたビデオ入力と、前記ビデオ信号の成分から累積分布関数カーブを発生するように構築された累積分布関数発生器と、前記累積分布関数カーブから一又はそれ以上の特徴ベクトルを発生するように構築された特徴検出器と、前記累積分布関数カーブと一又はそれ以上の特徴ベクトルから前記ビデオ信号の一又はそれ以上の部分の輝度を示す視覚出力を生成するように構築されたビデオダイナミックレンジ発生器とからなるビデオ分析器である。
【0101】
実施例22は、ビデオ信号のダイナミックレンジを測定するための方法であって、前記ビデオ信号の成分から累積分布関数カーブを発生することと、前記累積分布関数カーブから一又はそれ以上の特徴ベクトルを発生することと、前記累積分布関数カーブと一又はそれ以上の特徴ベクトルから前記ビデオ信号の一又はそれ以上の部分の輝度を示す視覚出力を生成することとからなる方法である。
【0102】
実施例23は、ビデオ分析器に与える命令であって、前記ビデオ分析器の一又はそれ以上のプロセッサによって実行されたときに、前記ビデオ分析器に前記ビデオ信号の成分から累積分布関数カーブを発生させることと、前記ビデオ分析器に前記累積分布関数カーブから一又はそれ以上の特徴ベクトルを発生させることと、前記累積分布関数カーブと一又はそれ以上の特徴ベクトルから前記ビデオ分析器に前記ビデオ信号の一又はそれ以上の部分の輝度を示す視覚出力を生成させることとからなる命令を含む一又はそれ以上のコンピュータ可読記録媒体である。
【0103】
開示された主題の前記説明は、記載されたか若しくは当業者にとって明らかであろう多くの利点を有する。たとえそうでも、これらの利点又は特徴は、開示された装置、システム、若しくは方法のすべてのものに要求されるものではない。
【0104】
その上、この詳細な説明は、特定の特徴に言及している。本明細書の開示がこれらの特定の特徴のすべて可能な組み合わせを含むことが理解されるべきである。特定の特徴が特定の様相又は例の文脈で開示されている場合、その特徴は可能な範囲で他の様相又は例の文脈でも使用可能である。
【0105】
また、本願において2又はそれ以上の定義された工程又は作業を有する方法に言及されている場合、その定義された工程又は作業は、文脈上その可能性が排除されない限りにおいて、いかなる順番により若しくは同時に実行されうる。
【0106】
本発明の特定の例が例示目的で例示並びに記載されているが、本発明の精神および範囲を逸脱しない範囲で様々な改変が行われ得ることが理解される。したがって、本発明は添付の特許請求の範囲によることを除いて限定されるべきでない。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5