(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法、及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
B60W 30/06 20060101AFI20241023BHJP
B60R 99/00 20090101ALI20241023BHJP
【FI】
B60W30/06
B60R99/00 322
(21)【出願番号】P 2022137842
(22)【出願日】2022-08-31
【審査請求日】2023-03-28
(31)【優先権主張番号】P 2022039043
(32)【優先日】2022-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 潤之
(72)【発明者】
【氏名】藤原 達朗
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 尭子
(72)【発明者】
【氏名】大和田 水紀
【審査官】鶴江 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-525266(JP,A)
【文献】再公表特許第2016/117060(JP,A1)
【文献】再公表特許第2013/168246(JP,A1)
【文献】特開2008-213647(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00-60/00
G08G 1/00- 1/16
B60R 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の制御装置において、
前記移動体のユーザから障害物位置の指定を受け付ける受付部と、
前記ユーザにより指定された障害物位置に基づいて前記移動体を目標駐車位置に駐車させるための駐車制御を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記ユーザにより指定された前記障害物位置を指定障害物位置として、前記目標駐車位置と紐づけて登録する、
制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記指定障害物位置と紐づけて登録されている目標駐車位置への前記駐車制御において、前記指定障害物位置に基づいて前記移動体を目標駐車位置に駐車させる制御を行う、
制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記登録の要否を前記ユーザに問い合わせ、前記ユーザからの応答に応じて前記登録を行う、
制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記目標駐車位置への前記移動体の駐車履歴に応じて、前記問い合わせを行わずに前記登録を行う、
制御装置。
【請求項5】
請求項3に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記目標駐車位置と前記障害物位置とが紐づけて登録されている場合は前記問い合わせを行わない、
制御装置。
【請求項6】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記障害物位置に基づく前記移動体の前記目標駐車位置への移動経路の計算結果に応じて、前記障害物位置の変更を前記ユーザに促す通知を行う、
制御装置。
【請求項7】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記受付部は、前記障害物位置の候補を前記ユーザに通知し、前記障害物位置の候補の中から前記ユーザにより選択された前記障害物位置の指定を受け付ける、
制御装置。
【請求項8】
請求項7に記載の制御装置であって、
前記受付部は、前記障害物位置の候補のうち、前記ユーザにより選択された候補と前記ユーザにより選択されていない候補とを異なる態様で前記ユーザに通知する、
制御装置。
【請求項9】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記移動体の周辺画像を表示する表示部を更に備え、
前記表示部は、
前記障害物位置の指定を受け付ける際、又は前記目標駐車位置が決定された際に、
前記目標駐車位置の中心点を基準とする表示を行う、
制御装置。
【請求項10】
請求項9に記載の制御装置であって、
前記表示部は、
前記目標駐車位置の決定前は、前記移動体の中心点を基準とする第1表示を行い、
前記目標駐車位置が決定後は、前記目標駐車位置の中心点を基準とする第2表示を行う、
制御装置。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の制御装置であって、
前記表示部は、
前記周辺画像とは異なる、駐車形態を選択するための選択画像をさらに表示し、
前記ユーザから前記障害物位置の指定を受け付けるアイコンを
前記選択画像上に表示
する、
制御装置。
【請求項12】
移動体の制御装置が、
前記移動体のユーザから障害物位置の指定を受け付け、
前記ユーザにより指定された障害物位置に基づいて前記移動体を目標駐車位置に駐車させるための駐車制御を行い、
前記ユーザにより指定された前記障害物位置を指定障害物位置として、前記目標駐車位置と紐づけて登録する、
制御方法。
【請求項13】
移動体の制御装置のプロセッサに、
前記移動体のユーザから障害物位置の指定を受け付け、
前記ユーザにより指定された障害物位置に基づいて前記移動体を目標駐車位置に駐車させるための駐車制御を行い、
前記ユーザにより指定された前記障害物位置を指定障害物位置として、前記目標駐車位置と紐づけて登録する、
処理を実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御方法、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通参加者の中でも脆弱な立場にある人々にも配慮した持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する取り組みが活発化している。この実現に向けて運転支援技術に関する研究開発を通して交通の安全性や利便性をより一層改善する研究開発に注力している。
【0003】
従来、指定された所定の駐車スペースに車両を自動的に移動させて駐車させる自動駐車制御が知られている。特許文献1には、前もって割り出された自動駐車軌道に対して、手動操作入力によって障害物を付加及び削除することができ、手動操作により調整された後の自動駐車軌道を割り出して車両を駐車させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2017/028849号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1によれば、センサ等では検出できなかった障害物をユーザが認識した場合に、手動操作入力によって付加することが可能なその障害物を考慮した自動駐車軌道を算出することが可能である。しかしながら、自宅の駐車場や月極駐車場のように同じ駐車位置に車両を駐車する場合にも同じ障害物について毎回手動操作入力しなければならず、ユーザにとって負担と感じられる場合もある。したがって、運転支援技術においてはこの点について従来技術には改良の余地がある。
【0006】
本発明は、所定の駐車位置に車両を駐車する際の、ユーザの負担を軽減することが可能な制御装置、制御方法、及び制御プログラムを提供することを目的とする。そして、延いては持続可能な輸送システムの発展に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
移動体の制御装置において、
前記移動体のユーザから障害物位置の指定を受け付ける受付部と、
前記ユーザにより指定された障害物位置に基づいて前記移動体を目標駐車位置に駐車させるための駐車制御を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、前記ユーザにより指定された前記障害物位置を指定障害物位置として、前記目標駐車位置と紐づけて登録する、
制御装置である。
【0008】
本発明は、
移動体の制御装置が、
前記移動体のユーザから障害物位置の指定を受け付け、
前記ユーザにより指定された障害物位置に基づいて前記移動体を目標駐車位置に駐車させるための駐車制御を行い、
前記ユーザにより指定された前記障害物位置を指定障害物位置として、前記目標駐車位置と紐づけて登録する、
制御方法である。
【0009】
本発明は、
移動体の制御装置のプロセッサに、
前記移動体のユーザから障害物位置の指定を受け付け、
前記ユーザにより指定された障害物位置に基づいて前記移動体を目標駐車位置に駐車させるための駐車制御を行い、
前記ユーザにより指定された前記障害物位置を指定障害物位置として、前記目標駐車位置と紐づけて登録する、
処理を実行させるための制御プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の制御装置、制御方法、及び制御プログラムによれば、所定の駐車位置に車両を駐車する際の、ユーザの負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態の制御装置を搭載した車両の一例を示す側面図である。
【
図3】
図1に示す車両の内部構成を示すブロック図である。
【
図4】目標駐車位置に車両を駐車させるための自動駐車制御を示すフローチャートである。
【
図5】目標駐車位置が設定された俯瞰画像の一例を示す図である。
【
図6】
図5の目標駐車位置に対する特徴点を示す図である。
【
図7】目標駐車位置に対して登録される登録内容のマップの一例を示す図である。
【
図8】障害物位置の指定要否を問い合わせる画面の一例を示す図である。
【
図9】障害物位置を指定する指定画面の一例を示す図である。
【
図10】障害物位置の登録要否を問い合わせる画面の一例を示す図である。
【
図11】指定障害物位置の設定要否を問い合わせる画面の一例を示す図である。
【
図12】第1変形例の自動駐車制御を示すフローチャートである。
【
図13】第2変形例の自動駐車制御において表示される障害物指定画面の一例を示す図である。
【
図14】目標駐車位置76の決定前の俯瞰画像71の第1の例を示す図である。
【
図15】目標駐車位置76の決定後の俯瞰画像71の第1の例を示す図である。
【
図16】目標駐車位置76の決定前の俯瞰画像71の第2の例を示す図である。
【
図17】目標駐車位置76の決定後の俯瞰画像71の第2の例を示す図である。
【
図18】目標駐車位置76の決定前の俯瞰画像71の第3の例を示す図である。
【
図19】目標駐車位置76の決定後の俯瞰画像71の第3の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の制御装置、制御方法、及び制御プログラムの一実施形態を、添付図面に基づいて説明する。なお、図面は、符号の向きに見るものとする。また、本明細書等では説明を簡単かつ明確にするために、前後、左右、上下の各方向は、
図1及び
図2に示す車両10の運転者から見た方向に従って記載し、図面には、車両10の前方をFr、後方をRr、左方をL、右方をR、上方をU、下方をD、として示す。
【0013】
<本発明の制御装置を搭載した車両10>
図1は、本発明の制御装置を搭載した車両10の側面図である。
図2は、
図1に示した車両10の上面図である。車両10は、本発明の移動体の一例である。
【0014】
車両10は、駆動源(図示略)と、駆動源の動力によって駆動される駆動輪及び転舵可能な転舵輪を含む車輪と、を有する自動車である。本実施形態では、車両10は、左右一対の前輪及び後輪を有する四輪の自動車である。車両10の駆動源は、例えば電動機である。なお、車両10の駆動源は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であってもよいし、電動機と内燃機関との組み合わせであってもよい。また、車両10の駆動源は、左右一対の前輪を駆動してもよいし、左右一対の後輪を駆動してもよいし、左右一対の前輪及び後輪の四輪を駆動してもよい。前輪及び後輪は、双方が転舵可能な転舵輪であってもよいし、いずれか一方が転舵可能な転舵輪であってもよい。
【0015】
車両10は、さらにサイドミラー11L,11Rを備える。サイドミラー11L,11Rは、車両10の前席ドアの外側に設けられた、運転者が後方及び後側方を確認するためのミラー(バックミラー)である。サイドミラー11L,11Rは、それぞれ垂直方向に延びる回転軸によって車両10の本体に固定されており、この回転軸を中心に回転することにより開閉可能である。
【0016】
車両10は、さらに前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rを備える。前方カメラ12Frは、車両10の前方に設けられ、車両10の前方を撮像するデジタルカメラである。後方カメラ12Rrは、車両10の後方に設けられ、車両10の後方を撮像するデジタルカメラである。左側方カメラ12Lは、車両10の左のサイドミラー11Lに設けられ、車両10の左側方を撮像するデジタルカメラである。右側方カメラ12Rは、車両10の右のサイドミラー11Rに設けられ、車両10の右側方を撮像するデジタルカメラである。
【0017】
<車両10の内部構成>
図3は、
図1に示した車両10の内部構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、車両10は、センサ群16と、ナビゲーション装置18と、制御ECU(Electronic Control Unit)20と、EPS(Electric Power Steering)システム22と、通信部24と、を有する。車両10は、さらに駆動力制御システム26と、制動力制御システム28と、を有する。
【0018】
センサ群16は、制御ECU20による制御に用いられる各種の検出値を取得する。センサ群16には、前方カメラ12Frと、後方カメラ12Rrと、左側方カメラ12Lと、右側方カメラ12Rとが含まれる。また、センサ群16には、前方ソナー群32aと、後方ソナー群32bと、左側方ソナー群32cと、右側方ソナー群32dとが含まれる。また、センサ群16には、車輪センサ34a,34bと、車速センサ36と、操作検出部38とが含まれる。
【0019】
前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rは、車両10の周辺を撮像することにより、車両10の外界を認識するための認識データ(例えば、周辺画像)を取得する。前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rによって撮像される周辺画像は、それぞれ前方画像、後方画像、左側方画像、右側方画像と称される。左側方画像と右側方画像とによって構成される画像を側方画像と称してもよい。前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、右側方カメラ12Rの各撮像データを合成することにより生成される外界認識画像を車両10の俯瞰画像と称してもよい。
【0020】
前方ソナー群32aと、後方ソナー群32bと、左側方ソナー群32cと、右側方ソナー群32dとは、車両10の周辺に音波を発射すると共に、他物体からの反射音を受信する。前方ソナー群32aは、例えば4つのソナーを含む。前方ソナー群32aを構成するソナーは、車両10の左斜め前方、前方左側、前方右側及び右斜め前方にそれぞれ設けられている。後方ソナー群32bは、例えば4つのソナーを含む。後方ソナー群32bを構成するソナーは、車両10の左斜め後方、後方左側、後方右側及び右斜め後方にそれぞれ設けられている。左側方ソナー群32cは、例えば2つのソナーを含む。左側方ソナー群32cを構成するソナーは、車両10の左側部前方及び左側部後方にそれぞれ設けられている。右側方ソナー群32dは、例えば2つのソナーを含む。右側方ソナー群32dを構成するソナーは、車両10の右側部前方及び右側部後方にそれぞれ設けられている。
【0021】
車輪センサ34a,34bは、車両10の車輪の回転角度を検出する。車輪センサ34a,34bは、角度センサによって構成されていてもよいし、変位センサによって構成されていてもよい。車輪センサ34a,34bは、車輪が所定角度回転する毎に検出パルスを出力する。車輪センサ34a,34bから出力される検出パルスは、車輪の回転角度及び車輪の回転速度の算出に用いられる。車輪の回転角度に基づいて、車両10の移動距離が算出される。車輪センサ34aは、例えば、左後輪の回転角度θaを検出する。車輪センサ34bは、例えば、右後輪の回転角度θbを検出する。
【0022】
車速センサ36は、車両10の車体の速度、すなわち車速Vを検出し、検出した車速Vを制御ECU20に出力する。車速センサ36は、例えば、トランスミッションのカウンタシャフトの回転に基づいて車速Vを検出する。
【0023】
操作検出部38は、操作入力部14を用いて行われるユーザによる操作内容を検出し、検出した操作内容を制御ECU20に出力する。操作入力部14には、例えばサイドミラー11L,11Rの開閉状態を切り替えるサイドミラースイッチや、シフトレバー(セレクトレバーやセレクタ)など各種のユーザインタフェースが含まれる。
【0024】
ナビゲーション装置18は、例えばGPS(Global Positioning System)を用いて車両10の現在位置を検出すると共に、目的地までの経路をユーザに案内する。ナビゲーション装置18は、地図情報データベースが備えられた不図示の記憶装置を有する。
【0025】
ナビゲーション装置18には、タッチパネル42と、スピーカ44とが備えられている。タッチパネル42は、制御ECU20の入力装置及び表示装置として機能する。スピーカ44は、車両10の搭乗者に対して各種の案内情報を音声で出力する。
【0026】
タッチパネル42は、制御ECU20に対する各種の指令を入力することができるように構成されている。例えば、ユーザは、タッチパネル42を介して、車両10の駐車支援に関する指令を入力することが可能である。また、タッチパネル42は、制御ECU20の制御内容に関する各種の画面を表示するように構成されている。例えば、タッチパネル42には、車両10の駐車支援に関する画面が表示される。具体的には、タッチパネル42には、車両10の駐車支援を要求する駐車支援ボタンが表示される。駐車支援ボタンには、制御ECU20の自動操舵による駐車を要求する自動駐車ボタンや、運転者の操作で駐車する際の補助を要求する駐車補助ボタンが含まれる。また、タッチパネル42には、車両10の外界を認識する周辺画像が表示される。なお、タッチパネル42以外の構成要素、例えばHUD(Head-Up Display)、スマートフォン、タブレット端末等を入力装置又は表示装置として用いるようにしてもよい。
【0027】
なお、「駐車」は、例えば「パーキング」と同義である。例えば、「駐車」は、乗員の乗り降りを伴う停止であり、交通信号等での一時的な停止は除く。また、「駐車位置」とは移動体を停止させる位置、すなわちパーキングする位置のことである。
【0028】
制御ECU20は、入出力部50と、演算部52と、記憶部54とを有する。演算部52は、例えばCPU(Central Processing Unit)によって構成される。演算部52は、記憶部54に記憶されているプログラムに基づいて各部を制御することにより各種の制御を行う。また、演算部52は、入出力部50を介して、制御ECU20に接続される各部との間で信号を入出力する。
【0029】
演算部52は、車両10の自動駐車を制御するための自動駐車制御部55と、ユーザからの障害物位置の指定を受け付ける受付部56と、を有する。演算部52は、本発明の制御装置の一例である。自動駐車制御部55は、本発明の制御部の一例である。
【0030】
自動駐車制御部55は、ステアリング110の操作を自動駐車制御部55の制御によって自動で行う自動操舵による車両10の駐車支援を行う。自動操舵の支援では、アクセルペダル(図示せず)、ブレーキペダル(図示せず)及び操作入力部14の操作が自動で行われる。また、自動駐車制御部55は、アクセルペダル、ブレーキペダル及び操作入力部14の操作を運転者が行って車両10を手動駐車させる際の補助支援を行う。
【0031】
例えば、自動駐車制御部55は、前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rによって取得された車両10の外界の認識データと、ユーザにより指定された所定の駐車位置(以下、「目標駐車位置」ともいう)とに基づいて、車両10を目標駐車位置に駐車させる自動駐車の制御を行う。
【0032】
具体的には、自動駐車制御部55は、前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rによって取得された車両10の外界の認識データに基づいて目標駐車位置に関する特徴点を検出し、検出した特徴点を登録特徴点として記憶部54に登録する。目標駐車位置に関する特徴点には、目標駐車位置そのものの特徴点や、目標駐車位置の周辺の特徴点等が含まれる。目標駐車位置そのものの特徴点としては、例えば、目標駐車位置内に「駐車」という文字が表示されているような特徴点等が挙げられる。目標駐車位置の周辺の特徴点としては、例えば、周辺に存在する特徴的な建築物や障害物等が挙げられる。自動駐車制御部55は、車両10の外界の認識データと、目標駐車位置の登録特徴点とに基づいて、車両10を目標駐車位置に駐車させる自動駐車の制御を行う。
【0033】
また、自動駐車制御部55は、目標駐車位置の周辺に存在する対象物であって、ユーザにより障害物であると指定された対象物の位置(以下、「指定障害物位置」ともいう)を目標駐車位置と紐づけて記憶部54に登録する。ユーザにより障害物であると指定された対象物とは、現実的には自動駐車の障害とはならない対象物、すなわち自動駐車制御部55では障害物として検出されない対象物ではあるが、ユーザにとっては障害物として含めてほしい対象物である。ユーザにとって障害物として含めてほしい対象物とは、例えば、自動駐車時に車両10を通過させたくない対象物のことをいう。具体的には、車両10を通過させたくない対象物とは、車両10の自動駐車の移動経路中に存在する「水溜まり」、「ゴミ」、「自生する植物」等である。さらに、ユーザにより指定される障害物には、例えば、子供が居る場所を中心として設定される領域であって、現実的には自動駐車の障害にならないと判定される半径R1の範囲よりも広い半径R2(R1<R2)の領域を含めてもよい。自動駐車制御部55は、車両10の外界の認識データと、目標駐車位置の登録特徴点と、指定障害物位置とに基づいて、車両10を目標駐車位置に駐車させる自動駐車の制御を行う。指定障害物位置の登録は、次回の駐車制御時に参照することができるように、今回の駐車制御後も記憶部54に保持しておく。
【0034】
自動駐車制御部55は、指定障害物位置を目標駐車位置と紐づけて登録するか否かをユーザに問い合わせ、ユーザからの応答に応じて登録するか否かを決定する。また、自動駐車制御部55は、目標駐車位置への車両10の駐車履歴に応じて、指定障害物位置を目標駐車位置と紐づけて登録するか否かをユーザに問い合わせしないで登録する。例えば、自動駐車制御部55は、同じ駐車位置に対するN回(例えば、2回)以降の駐車である場合や、一定期間内でN回(例えば、2回)目の駐車である場合にはユーザに問い合わせしないで登録する。また、自動駐車制御部55は、例えば、目標駐車位置と指定障害物位置とが既に紐づけて登録されている場合には、登録の要否についてユーザに問い合わせを行わない。
【0035】
自動駐車制御部55は、ユーザにより指定された障害物位置に基づいて車両10の目標駐車位置への移動経路を計算し、その計算結果に応じて、障害物位置の変更をユーザに促す通知を行う。例えば、自動駐車制御部55は、自動駐車を実行するに際し、障害物の位置を避けることが不可能な場合や、障害物の位置を避けると危険度が所定値を超える場合等に障害物の位置の変更を促す通知を行う。ユーザにより指定された障害物は、上述したように現実的には自動駐車の障害とはならないが、ユーザが障害物として含めてほしい対象物である。自動駐車制御部55は、その障害物の位置を変更することが可能であるかユーザに通知する。
【0036】
受付部56は、タッチパネル42に対してユーザの操作により入力される障害物の位置を表す障害物位置の指定を受け付ける。受付部56は、目標駐車位置における障害物位置の候補を表示してユーザに通知し、その障害物位置の候補の中からユーザにより選択された障害物位置の指定を受け付ける。目標駐車位置における障害物位置の候補とは、目標駐車位置において障害物になるであろうと予想される対象物の位置、すなわち目標駐車位置から一意に決まる障害物の位置の候補のことをいう。受付部56は、障害物位置の候補のうち、ユーザにより選択された障害物位置の候補とユーザにより選択されていない障害物位置の候補とを異なる態様(例えば、異なる色や異なる透明度)で表示してユーザに通知する。
【0037】
EPSシステム22は、舵角センサ100と、トルクセンサ102と、EPSモータ104と、レゾルバ106と、EPS ECU108と、を有する。舵角センサ100は、ステアリング110の舵角θstを検出する。トルクセンサ102は、ステアリング110に加わるトルクTQを検出する。
【0038】
EPSモータ104は、ステアリング110に連結されたステアリングコラム112に対して駆動力又は反力を付与することにより、乗員によるステアリング110の操作支援や駐車支援時の自動操舵を可能とする。レゾルバ106は、EPSモータ104の回転角度θmを検出する。EPS ECU108は、EPSシステム22の全体の制御を司る。EPS ECU108には、入出力部(図示せず)と、演算部(図示せず)と、記憶部(図示せず)とが備えられている。
【0039】
通信部24は、他の通信装置120との間で無線通信を行うことを可能とするものである。他の通信装置120とは、基地局や、他車両の通信装置や、車両10の搭乗者が所持するスマートフォン等の情報端末などである。
【0040】
駆動力制御システム26には、駆動ECU130が備えられている。駆動力制御システム26は、車両10の駆動力制御を実行する。駆動ECU130は、不図示のアクセルペダルに対するユーザによる操作に基づいて、不図示のエンジン等を制御することによって、車両10の駆動力を制御する。
【0041】
制動力制御システム28には、制動ECU132が備えられている。制動力制御システム28は、車両10の制動力制御を実行する。制動ECU132は、不図示のブレーキペダルに対するユーザによる操作に基づいて、不図示のブレーキ機構等を制御することによって、車両10の制動力を制御する。
【0042】
<演算部52による自動駐車制御>
次に、演算部52による車両10の自動駐車制御の一例について
図4から
図11を参照して説明する。
【0043】
図4は、目標駐車位置に車両10を駐車させるための自動駐車制御を示すフローチャートである。
図5は、前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rによって取得される車両10の外界の認識データにより生成された俯瞰画像71に目標駐車位置76を設定した図である。
図6は、
図5に示す目標駐車位置76に対する周辺の特徴点を示した図である。
図7は、目標駐車位置に対して登録される登録内容のマップの一例を示す図である。
図8は、障害物位置の指定要否を問い合わせる画面の一例を示す図である。
図9は、障害物位置を指定する指定画面の一例を示す図である。
図10は、障害物位置の登録要否を問い合わせる画面の一例を示す図である。
図11は、指定障害物位置の設定要否を問い合わせる画面の一例を示す図である。
【0044】
例えば、車両10を運転するユーザが駐車場の近くまで来て車両10を自動駐車させるために、車両10のタッチパネル42に表示される自動駐車ボタン(図示省略)をタップ操作したとする。自動駐車ボタンをタップ操作すると、その操作信号が受付部56に受け付けられて、タッチパネル42には、例えば、
図5に示すような、車両10周辺の俯瞰画像71が表示される。タッチパネル42に表示された俯瞰画像71において、車両10を駐車する目標駐車位置がユーザにより指定されると、演算部52は、
図4に示す処理を開始する。なお、
図5に示す本例では、ユーザが自宅の駐車場72の目標駐車位置76に車両10を自動駐車する場合について説明する。自宅の駐車場72は、ユーザの住居(建築物)73と、複数の植栽(障害物)74a~74fとの間に設けられている。また、俯瞰画像71に表示される車両は、車両10を上方から見た様子を示す画像であり、予め生成(撮像)されて記憶部54等に記憶されている車両画像75である。
【0045】
先ず、演算部52の自動駐車制御部55は、俯瞰画像71における目標駐車位置76の指定を受け付ける(ステップS11)。目標駐車位置76の指定は、例えば、車両10の駐車領域を示す矩形状の枠(目標駐車位置76)をタッチパネル42上でタッチ操作して、車両10を駐車させたい位置へスライド移動させることにより指定することができる。
【0046】
ステップS11において、目標駐車位置76の指定を受け付けると、自動駐車制御部55は、前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rにより取得される外界の認識データから、指定された目標駐車位置76に関する特徴点を検出し、検出した特徴点に基づいて目標駐車位置76がどのような駐車位置であるか、例えば、ユーザの自宅の駐車場72であるか判定する。なお、自宅の駐車場72のような駐車頻度の高い目標駐車位置76に関する特徴点の情報は記憶部54に登録されている。
【0047】
例えば、
図6に示す俯瞰画像71のように、自動駐車制御部55は、指定された目標駐車位置76に関する特徴点として、目標駐車位置76に近い側の建築物73の輪郭の位置を示す建築物特徴点77a~77dや、目標駐車位置76の周囲に存在する障害物74a~74fの位置を示す障害物特徴点78a~78f等を検出する。
【0048】
自動駐車制御部55は、検出した目標駐車位置76に関する建築物特徴点77a~77dや障害物特徴点78a~78f等と、記憶部54に登録されている駐車場の目標駐車位置76に関する特徴点との一致率を算出することにより駐車位置の判定を行う。ユーザ宅の駐車場72の目標駐車位置76に関する特徴点は、例えば、
図7に示すように、建築物特徴点77a~77d及び障害物特徴点78a~78fと目標駐車位置76との関連を示すマップ54aとして登録されている。特徴点の一致率が所定値よりも高い場合に、自動駐車制御部55は、現在車両10を駐車させようとしている目標駐車位置76がユーザ宅の駐車場72の目標駐車位置76であると判定する。本例では、ユーザが自宅の駐車場72に車両10を自動駐車する場合であり、ユーザ宅の駐車場72の目標駐車位置76であると判定される。
【0049】
次に、自動駐車制御部55は、目標駐車位置76に対して紐づけて登録された指定障害物位置が記憶部54に記憶されているか否か判定する(ステップS12)。指定障害物位置とは、上述したように、目標駐車位置76の周辺に存在する対象物であって、ユーザにより障害物であると指定された対象物の位置のことである。
【0050】
ステップS12において、紐づけて登録された指定障害物位置がない場合(ステップS12:No)には、自動駐車制御部55は、障害物位置の指定要否、すなわち今回の自動駐車において障害物として指定する対象物があるかどうかをユーザに問い合わせる(ステップS13)。ユーザへの問い合わせは、
図8に示すように、例えば、「目標駐車位置の指定を受け付けました。障害物位置の指定を行いますか?」のような問い合わせメッセージ81と、障害物位置を指定するボタン82a及び指定しないボタン82bと、をタッチパネル42上に表示して問い合わせる。
【0051】
次に、自動駐車制御部55は、ステップS13の問い合わせに対して、障害物位置を指定する旨の応答があったか否か、すなわち
図8に示した問い合わせメッセージ81に対して指定するボタン82aがタップ操作されたか判定する(ステップS14)。
【0052】
ステップS14において、障害物位置を指定する旨の応答がなかった、すなわち
図8の指定しないボタン82bがタップ操作された場合(ステップS14:No)には、自動駐車制御部55は、前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rにより取得された外界の認識データと、目標駐車位置76の特徴点(建築物特徴点77a~77d及び障害物特徴点78a~78f)とに基づいて、目標駐車位置76までの車両10の移動経路を計算する(ステップS15)。
【0053】
そして、自動駐車制御部55は、ステップS15において計算された移動経路に基づいて、目標駐車位置76に車両10を自動駐車させる(ステップS16)。
【0054】
一方、ステップS14において、障害物位置を指定する旨の応答があった、すなわち
図8の指定するボタン82aがタップ操作された場合(ステップS14:Yes)には、自動駐車制御部55は、障害物位置を指定するための障害物指定画面をタッチパネル42に表示する(ステップS17)。
図9は障害物指定画面の一例を示す図である。
図9に示すように、障害物指定画面71aは、ユーザが指定しようとする障害物を表示するための障害物マーカー83を添付表示した俯瞰画像として表示される。ユーザは障害物マーカー83をスワイプ操作することにより、任意の位置に障害物を配置させることができる。自動駐車制御部55は、ユーザの操作により配置された障害物を、例えば、障害物マーク84として障害物指定画面71a上に表示する。
図9に示す例は、障害物マーク84が目標駐車位置76寄りの建築物73の前に配置された状態を示す。障害物マーク84は複数配置してもよい。
【0055】
また、自動駐車制御部55は、障害物指定画面71a上に操作パネル85を表示する。操作パネル85は、配置された障害物マーク84の位置を移動させることが可能な操作パネルである。ユーザは配置した障害物マーク84をタッチして選択した後に、操作パネル85のカーソルにより任意の矢印方向へ移動させることができる。また、自動駐車制御部55は、障害物マーク84の配置を決定する決定ボタン85aと、障害物マーク84の配置を取り消すリセットボタン85bと、障害物マーク84の配置を中止する中止ボタン85cと、を操作パネル85上に表示する。
【0056】
次に、自動駐車制御部55は、ステップS17で表示した障害物指定画面71aに対して、障害物位置の指定を受け付けたか否か判定する(ステップS18)。
【0057】
ステップS18において、障害物位置の指定を受け付けなかった、すなわち
図9に示す操作パネル85で中止ボタン85cがタップ操作された場合(ステップS18:No)には、自動駐車制御部55は、ステップS15に進んで各処理を実行する。
【0058】
ステップS18において、障害物位置の指定を受け付けた、すなわち
図9に示す操作パネル85で決定ボタン85aがタップ操作された場合(ステップS18:Yes)には、自動駐車制御部55は、目標駐車位置76と障害物位置の登録要否、すなわち指定した障害物位置を目標駐車位置76と紐づけて登録するかどうかをユーザに問い合わせる(ステップS19)。ユーザへの問い合わせは、
図10に示すように、例えば、「障害物位置の指定を受け付けました。目標駐車位置と紐づけて登録しますか?」のような問い合わせメッセージ86と、目標駐車位置76と紐づけて登録するボタン87a及び登録しないボタン87bと、をタッチパネル42上に表示して問い合わせる。
【0059】
次に、自動駐車制御部55は、ステップS19の問い合わせに対して、障害物位置を登録する旨の応答があったか否か、すなわち
図10に示した問い合わせメッセージ86に対して登録するボタン87aがタップ操作されたか判定する(ステップS20)。
【0060】
ステップS20において、障害物位置を登録する旨の応答があった、すなわち
図10の登録するボタン87aがタップ操作された場合(ステップS20:Yes)には、自動駐車制御部55は、その障害物位置を指定障害物位置として、目標駐車位置76と紐づけて登録する(ステップS21)。
【0061】
次に、自動駐車制御部55は、前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rにより取得された外界の認識データと、目標駐車位置76の特徴点(建築物特徴点77a~77d及び障害物特徴点78a~78f)と、指定された障害物位置とに基づいて、目標駐車位置76までの車両10の移動経路、すなわち指定された障害物位置を避ける移動経路を計算する(ステップS22)。
【0062】
一方、ステップS20において、障害物位置を登録する旨の応答がなかった、すなわち
図10の登録しないボタン87bがタップ操作された場合(ステップS20:No)には、自動駐車制御部55は、そのままステップS22に進み、指定された障害物位置を避ける移動経路を計算する。
【0063】
次に、自動駐車制御部55は、ステップS22において計算された移動経路に基づいて、目標駐車位置76に車両10を自動駐車させる(ステップS16)。
【0064】
また一方、ステップS12において、紐づけて登録された指定障害物位置がある場合(ステップS12:Yes)には、自動駐車制御部55は、その指定障害物位置を設定するか否か、すなわちその指定障害物位置を今回の自動駐車における障害物マーク84として配置させるか否かをユーザに問い合わせる(ステップS23)。ユーザへの問い合わせは、
図11に示すように、例えば、「登録されている障害物位置があります。今回の自動駐車で設定しますか?」のような問い合わせメッセージ88と、障害物位置を設定するボタン89a及び設定しないボタン89bと、をタッチパネル42上に表示して問い合わせる。
【0065】
次に、自動駐車制御部55は、ステップS23の問い合わせに対して、指定障害物位置を設定する旨の応答があったか否か、すなわち
図11に示した問い合わせメッセージ88に対して設定するボタン89aがタップ操作されたか判定する(ステップS24)。
【0066】
ステップS24において、指定障害物位置を設定する旨の応答がなかった、すなわち
図11の設定しないボタン89bがタップ操作された場合(ステップS24:No)には、自動駐車制御部55は、ステップS13に進み、各処理を実行する。
【0067】
ステップS24において、指定障害物位置を設定する旨の応答があった、すなわち
図11の設定するボタン89aがタップ操作された場合(ステップS24:Yes)には、自動駐車制御部55は、登録された指定障害物位置を設定する、すなわち障害物位置として障害物マーク84を配置させる(ステップS25)。
【0068】
次に、自動駐車制御部55は、ステップS22に進み、設定された指定障害物位置を避ける移動経路を計算する。なお、ここでは、設定された指定障害物位置を避ける移動経路を計算しているが、例えば、再度、別の障害物位置の指定の要否を問い合わせするようにしてもよい。そして、別の障害物位置の指定を受け付けた場合には、その障害物位置も含めた障害物位置を避ける移動経路を計算してもよい。
【0069】
また、上記ステップS19とステップS20では、目標駐車位置76と障害物位置の登録要否をユーザに問い合わせして、登録する旨の応答があった場合に紐づけて登録する例を説明したが、これに限定されない。自動駐車制御部55は、例えば、目標駐車位置76への車両10の駐車履歴に応じて、指定障害物位置を目標駐車位置76と紐づけて登録するか否かをユーザに問い合わせしないで登録してもよい。具体的には、自動駐車制御部55は、同一の目標駐車位置76における同一の障害物位置が2回繰り返して指定されたが、いずれの回も登録要否の問い合わせに対して登録しない旨の応答があった場合、3回目が繰り返された場合には、ユーザに登録要否を問い合わせしないで指定障害物位置を目標駐車位置76と紐づけて登録するようにしてもよい。
【0070】
以上説明したように、演算部52の自動駐車制御部55は、ユーザにより指定された障害物位置を指定障害物位置として目標駐車位置76と紐づけて登録し、登録されている指定障害物位置に基づいて車両10を目標駐車位置に駐車させる制御を行う。これにより、同じ駐車位置への車両10の駐車時に障害物位置の指定を毎回行わなくてもよくなるため、車両10を自動駐車させる際のユーザの負担を軽減することができる。
【0071】
また、自動駐車制御部55は、ユーザが指定した障害物位置を目標駐車位置76と紐づけて登録するか否かをユーザに問い合わせし、ユーザからの応答に応じて障害物位置を登録するか否かを決定する。これにより、車両10を自動駐車させようとしている目標駐車位置が一時的に利用する駐車位置か否かに応じて、障害物位置の登録の有無を選択することができ、障害物位置の不要な登録を抑制することができる。
【0072】
また、自動駐車制御部55は、目標駐車位置76への車両10の駐車履歴に応じて、ユーザへの問い合わせを行わずに障害物位置の登録を行う。これにより、自宅駐車場や月極駐車場のように駐車頻度の多い目標駐車位置に対する障害物位置の登録に関してユーザへの問い合わせやユーザによる応答を減らすことができ、車両10を自動駐車させる際のユーザの負担を軽減することができる。
【0073】
また、自動駐車制御部55は、目標駐車位置76と障害物位置とが既に紐づけて登録されている場合は、障害物位置の登録に関するユーザへの問い合わせを行わない。これにより、障害物位置の登録に関するユーザへの不要な問い合わせやユーザによる不要な応答を減らし、ユーザの負担を軽減することができる。
【0074】
<演算部52による自動駐車制御の第1変形例>
次に、演算部52による車両10の自動駐車制御の第1変形例について、
図12のフローチャートを参照して説明する。
【0075】
図12に示すように、第1変形例の自動駐車制御において、ステップS11からステップS22-1までの各処理、及びステップS23からステップS25までの各処理は、
図4に示す自動駐車制御のステップS11からステップS22までの各処理、及びステップS23からステップS25までの各処理と同様の処理である。このため、これらのステップの処理については説明を省略する。
【0076】
ステップS22-1において障害物位置を避ける移動経路を計算すると、自動駐車制御部55は、その計算された移動経路に基づいて車両10を駐車させることが可能であるか否か判定する(ステップS22-2)。この場合において駐車させることが可能でないとは、障害物位置を避けることが不可能であるために駐車させることが可能でない場合の他に、障害物位置を避けると危険度が所定値を超えるために駐車させることが可能でない場合を含む。危険度が所定値を超える場合とは、例えば、障害物位置を避けるために何度も切り返しを繰り返さなければならない場合や、大きく回り道しなければならない場合などを含む。
【0077】
ステップS22-2において、駐車可能である場合(ステップS22-2:Yes)には、自動駐車制御部55は、ステップS16に進み、目標駐車位置76に車両10を自動駐車させる。
【0078】
ステップS22-2において、駐車可能ではない場合(ステップS2-2:No)には、自動駐車制御部55は、例えば「指定した障害物位置(障害物マーク84)は、変更可能ですか?」のような、配置した障害物マーク84の位置の変更を促す通知メッセージ(図示省略)を表示する。位置の変更とは、配置した障害物マーク84を取り除く場合や、許容可能な範囲で障害物マーク84の位置をずらす場合などが含まれる。次に、自動駐車制御部55は、障害物マーク84が配置された障害物指定画面71a(
図9参照)をタッチパネル42に表示する(ステップS22-3)。ユーザは障害物マーク84の位置を変更可能であればタッチパネル42を操作して変更する。障害物マーク84を移動させる操作方法はステップS17で上述した通りである。
【0079】
次に、ステップS22-3において、障害物位置(障害物マーク84)が変更された場合(ステップS22-3:Yes)には、自動駐車制御部55は、ステップS19に戻って、各ステップの処理を繰り返す。
【0080】
ステップS22-3において、障害物位置(障害物マーク84)が変更されない場合(ステップS22-3:No)には、自動駐車制御部55は、駐車不可能であると判定して本処理を終了する。
【0081】
以上説明したように、第1変形例における演算部52の自動駐車制御部55は、障害物位置に基づく車両10の目標駐車位置76への移動経路の計算結果に応じて、障害物位置の変更をユーザに促す通知を行う。これにより、障害物位置(障害物マーク84)をユーザの許容範囲において変更することができ、車両10の自動駐車制御の実行頻度を向上させることが可能になる。
【0082】
<演算部52による自動駐車制御の第2変形例>
次に、演算部52による車両10の自動駐車制御の第2変形例について、
図13を参照して説明する。
図13は、障害物位置を指定するための障害物指定画面71bを示す図である。障害物指定画面71bは、
図4に示す自動駐車制御のステップS17の処理で表示される障害物指定画面71aに相当する図である。
【0083】
第2変形例の自動駐車制御において、自動駐車制御部55は、
図13に示すように、障害物位置の候補として透明な障害物マーク94(例えば、障害物マーク94a,94b等)を予め障害物指定画面71b上に表示してユーザに通知する。障害物位置の候補とは、障害物としてユーザにより指定されるであろう対象物の位置のことであり、自動駐車制御部55側で予想して表示する障害物の位置のことである。具体的には、自動駐車制御部55は、ユーザであれば目標駐車位置76寄りの建築物73の前に障害物マークを配置するであろうと予想し、透明な障害物マーク94aを候補として表示する。また、自動駐車制御部55は、ユーザであれば目標駐車位置76に対向する敷地際に障害マークを配置するであろうと予想し、透明なバー状の障害物マーク94bを候補として表示する。
【0084】
自動駐車制御部55は、表示した障害物マーク94a,94bがユーザによってタップされると、タップされた障害物マークの位置をユーザ指定の障害物位置として受け付ける。自動駐車制御部55は、タップされた障害物マークの表示状態を、透明から非透明の状態へと変化させて表示する。なお、障害物指定画面71bに表示される操作パネル85を用いて障害物マークを移動させる操作方法は上述した場合と同様である。例えば、バー状の障害物マーク94bは、操作パネル85の曲線矢印カーソルにより回転移動させることも可能である。
【0085】
以上説明したように、第2変形例における演算部52の自動駐車制御部55は、障害物位置の候補をタッチパネル42に表示してユーザに通知し、表示した障害物位置の候補の中からユーザにより選択された障害物位置の指定を受け付ける。これにより、候補として表示される障害物マーク94a,94bをタップするだけで障害物位置を指定することができるので、指定操作が容易となり障害物位置の設定時の負担を軽減できる。
【0086】
また、自動駐車制御部55は、障害物位置の候補のうち、ユーザにより選択された候補とユーザにより選択されていない候補とを異なる態様でタッチパネル42に表示してユーザに通知する。これにより、例えば、非透明な障害物マーク84と透明な障害物マーク94a,94bのような異なる態様で表示することによって、障害物位置の視認性を向上でき、障害物位置の設定時の誤操作を抑制できる。
【0087】
<俯瞰画像71の表示の他の例>
図14は、目標駐車位置76の決定前の俯瞰画像71の第1の例を示す図である。自動駐車制御部55は、例えば
図4に示したステップS11において目標駐車位置76の指定を受け付ける際、すなわち目標駐車位置76の決定前に、
図14に示す目標駐車位置指定画面71cを表示してもよい。
図14に示す目標駐車位置指定画面71cは、車両10の周辺画像である俯瞰画像71を含み、自動駐車制御部55は、この俯瞰画像71を用いて目標駐車位置76の指定を受け付ける。
【0088】
目標駐車位置76の指定は、例えば、目標駐車位置76をタッチパネル42上でタッチ操作して、俯瞰画像71のうち、車両10を駐車させたい位置に対応する部分へスライド移動させることにより指定することができる。また、目標駐車位置76の指定には、目標駐車位置76の回転等の指定も含まれていてもよい。
【0089】
図14に示す目標駐車位置指定画面71cの俯瞰画像71の表示は、車両10の進行方向(画面縦方向)において、車両10の中心点10aを中心とする周辺画像の表示であり、車両10の中心点10aを基準とする第1表示の一例である。これにより、車両10の位置を基準とした目標駐車位置76の指定を容易に行うことができる。
【0090】
図15は、目標駐車位置76の決定後の俯瞰画像71の第1の例を示す図である。
図14に示した例において、自動駐車制御部55は、例えば
図4に示したステップS17において障害物位置の指定を受け付ける際、すなわち目標駐車位置76の決定後に、
図15に示す障害物指定画面71dを表示してもよい。
【0091】
障害物指定画面71dは、
図9に示した障害物指定画面71aや
図13に示した障害物指定画面71bと同様に、俯瞰画像71、障害物マーカー83、操作パネル85等を含む。また、障害物指定画面71dは、
図13に示した障害物指定画面71bと同様に、障害物マーク94a,94bを含んでいてもよい。自動駐車制御部55は、
図9,
図15の例と同様に、この障害物指定画面71dを用いて障害物位置の指定を受け付ける。
【0092】
図15に示す障害物指定画面71dの俯瞰画像71の表示は、車両10の進行方向(画面縦方向)において、決定された目標駐車位置76の中心点76aを中心とする周辺画像の表示であり、目標駐車位置76の中心点76aを基準とする第2表示の一例である。これにより、決定された目標駐車位置76を基準とした障害物位置の指定を容易に行うことができる。
【0093】
また、このときの俯瞰画像71は目標駐車位置76の中心点76aが基準(中心)となっている。このため、車両10と目標駐車位置76とが離れている場合などでも、ユーザが障害物位置として指定したい位置や、障害物位置の候補として表示されるべき障害物マーク94a,94bが俯瞰画像71の範囲外となってしまい障害物位置の指定が困難になることを防止することができる。
【0094】
図16は、目標駐車位置76の決定前の俯瞰画像71の第2の例を示す図である。
図17は、目標駐車位置76の決定後の俯瞰画像71の第2の例を示す図である。
図16の例では、目標駐車位置76の決定前の目標駐車位置指定画面71cにおいて、
図14に示した例に対して回転した状態の目標駐車位置76が指定されている。この場合も、
図17に示すように、目標駐車位置76の決定後の障害物指定画面71dの俯瞰画像71は、車両10の進行方向(画面縦方向)において、決定された目標駐車位置76の中心点76aが中心となる周辺画像となっている。
【0095】
図18は、目標駐車位置76の決定前の俯瞰画像71の第3の例を示す図である。
図19は、目標駐車位置76の決定後の俯瞰画像71の第3の例を示す図である。
図18の例では、目標駐車位置76の決定前の目標駐車位置指定画面71cにおいて、
図14に示した例に対して後方の目標駐車位置76が指定されている。この場合も、
図19に示すように、目標駐車位置76の決定後の障害物指定画面71dの俯瞰画像71は、車両10の進行方向(画面縦方向)において、決定された目標駐車位置76の中心点76aが中心となる周辺画像となっている。
【0096】
このように、自動駐車制御部55は、目標駐車位置76の指定を受け付ける際や、障害物位置の指定を受け付ける際に、車両10の周辺画像である俯瞰画像71をタッチパネル42(表示部)に表示させる制御を行う。そして、自動駐車制御部55は、障害物位置の指定を受け付ける際、又は目標駐車位置76が決定された際に、目標駐車位置76の中心点76aを基準とする表示を行う。
【0097】
具体的には、自動駐車制御部55は、目標駐車位置76の決定前は、車両10の中心点10aを基準とする第1表示(
図14,
図16,
図18の目標駐車位置指定画面71cの表示)を行い、目標駐車位置76が決定後は、目標駐車位置76の中心点76aを基準とする第2表示(
図15,
図17,
図19の障害物指定画面71dの表示)を行う。すなわち、自動駐車制御部55は、目標駐車位置76の決定の前後で俯瞰画像71の表示をオフセットさせる。
【0098】
これにより、障害物位置の指定を受け付ける際に、目標駐車位置76の中心点76aを基準とした俯瞰画像71を含む障害物指定画面71dを用いることで、障害物位置の指定が困難になることを防止することができる。
【0099】
なお、
図14~
図19の例では、車両10の進行方向(画面縦方向)において目標駐車位置76の中心点76aを基準とする第2表示を行う場合について説明したが、画面のレイアウトの制約等に応じて、車両10の進行方向と直交する方向(画面横方向)において目標駐車位置76の中心点76aを基準とする第2表示を行うようにしてもよい。
【0100】
<障害物マーカー83の表示の他の例>
ユーザから障害物位置の指定を受け付けるアイコンである障害物マーカー83は、例えば、俯瞰画像71において、車両10の中心点10aに対して所定の位置関係になるように表示される。そのため、
図19の例では、車両10の中心点10aではなく目標駐車位置76の中心点76aを中心とする俯瞰画像71が表示された結果、障害物マーカー83が俯瞰画像71の範囲外となり非表示となってしまっている。
【0101】
これを防止するために、自動駐車制御部55は、障害物マーカー83を、俯瞰画像71とは異なる他の画像に重畳して表示してもよい。障害物マーカー83を重畳する他の画像は、一例としては、目標駐車位置76(俯瞰画像71)と隣接して表示される、駐車形態(例えば自動駐車及びリモート駐車のいずれか)の選択画像とすることができる。これにより、ユーザから障害物位置の指定を受け付ける際に障害物マーカー83が非表示となることを防止することができる。また、障害物マーカー83が俯瞰画像71中のオブジェクトと重なって視認性が低下することを防止することができる。
【0102】
ただし、障害物マーカー83を重畳する他の画像は、駐車形態の選択画像以外の画像であってもよい。また、自動駐車制御部55は、障害物マーカー83を、俯瞰画像71(目標駐車位置76)における所定位置に表示するようにしたり、目標駐車位置76(俯瞰画像71の中心)に対して所定の位置関係になるように表示したりしてもよい。
【0103】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
【0104】
例えば、上記実施形態では、制御装置として車両10の演算部52について説明したが、これに限定されない。例えば、制御装置は、スマートフォンやタブレット端末等の情報端末であってもよい。
【0105】
また、上記実施形態では、前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、及び右側方カメラ12Rの俯瞰画像を用いて車両10の駐車位置や駐車位置及び周辺の特徴点について説明しているが、これに限定されない。例えば、前方カメラ12Fr、後方カメラ12Rr、左側方カメラ12L、右側方カメラ12Rのうちのいずれかのカメラで撮像された画像を用いてもよい。
【0106】
また、上記実施形態では、自動駐車制御部55が俯瞰画像71等を車両10のタッチパネル42に表示する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、自動駐車制御部55は、通信部24を介して、車両10の搭乗者が所持する情報端末(例えばスマートフォン等)の表示画面上に俯瞰画像71等を表示するようにしてもよい。
【0107】
なお、前述した実施形態で説明した制御方法は、予め用意された制御プログラムをコンピュータで実行することにより実現できる。本制御プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録され、記憶媒体から読み出されることによって実行される。また、本制御プログラムは、フラッシュメモリ等の非一過性の記憶媒体に記憶された形で提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介して提供されてもよい。本制御プログラムを実行するコンピュータは、制御装置に含まれるものであってもよいし、制御装置と通信可能なスマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータ等の電子機器に含まれるものでもあってもよいし、これら制御装置及び電子機器と通信可能なサーバ装置に含まれるものであってもよい。
【0108】
また、本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
【0109】
(1) 移動体(車両10)の制御装置(演算部52)において、
前記移動体のユーザから障害物位置の指定を受け付ける受付部(受付部56)と、
前記ユーザにより指定された障害物位置に基づいて前記移動体を目標駐車位置(目標駐車位置76)に駐車させるための駐車制御を行う制御部(自動駐車制御部55)と、を備え、
前記制御部は、前記障害物位置を指定障害物位置として、前記目標駐車位置と紐づけて登録する、
制御装置。
【0110】
(1)によれば、同じ駐車位置への駐車時に障害物位置の指定を毎回行わなくてもよくなるため、ユーザの負担を軽減することができる。
【0111】
(2) (1)に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記指定障害物位置と紐づけて登録されている目標駐車位置への前記駐車制御において、前記指定障害物位置に基づいて前記移動体を目標駐車位置に駐車させる制御を行う、
制御装置。
【0112】
(2)によれば、同じ駐車位置への駐車時に障害物位置の指定を毎回行わなくてもよくなるため、ユーザの負担を軽減することができる。
【0113】
(3) (1)又は(2)に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記登録の要否を前記ユーザに問い合わせ、前記ユーザからの応答に応じて前記登録を行う、
制御装置。
【0114】
(3)によれば、一時的に利用する駐車位置か否かに応じて登録の有無を選択でき、不要な登録を抑制することができる。
【0115】
(4) (3)に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記目標駐車位置への前記移動体の駐車履歴に応じて、前記問い合わせを行わずに前記登録を行う、
制御装置。
【0116】
(4)によれば、ユーザへの問い合わせやユーザによる応答を減らし、ユーザの負担を軽減することができる。
【0117】
(5) (3)又は(4)に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記目標駐車位置と前記障害物位置とが紐づけて登録されている場合は前記問い合わせを行わない、
制御装置。
【0118】
(5)によれば、ユーザへの不要な問い合わせやユーザによる不要な応答を減らし、ユーザの負担を軽減することができる。
【0119】
(6) (1)から(5)のいずれかに記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記障害物位置に基づく前記移動体の前記目標駐車位置への移動経路の計算結果に応じて、前記障害物位置の変更を前記ユーザに促す通知を行う、
制御装置。
【0120】
(6)によれば、駐車制御の実行頻度を向上させることが可能になる。
【0121】
(7) (1)から(6)のいずれかに記載の制御装置であって、
前記受付部は、前記障害物位置の候補を前記ユーザに通知し、前記障害物位置の候補の中から前記ユーザにより選択された前記障害物位置の指定を受け付ける、
制御装置。
【0122】
(7)によれば、障害物位置の指定操作が容易となり障害物位置の設定時の負担を軽減できる。
【0123】
(8) (7)に記載の制御装置であって、
前記受付部は、前記障害物位置の候補のうち、前記ユーザにより選択された候補と前記ユーザにより選択されていない候補とを異なる態様で前記ユーザに通知する、
制御装置。
【0124】
(8)によれば、ユーザによる視認性を向上でき、障害物位置の設定時の負担や誤操作を防止できる。
【0125】
(9) (1)から(8)のいずれかに記載の制御装置であって、
前記移動体の周辺画像(俯瞰画像71)を表示する表示部(タッチパネル42)を更に備え、
前記表示部は、
前記障害物位置の指定を受け付ける際、又は前記目標駐車位置が決定された際に、
前記目標駐車位置の中心点(中心点76a)を基準とする表示を行う、
制御装置。
【0126】
(9)によれば、障害物位置の指定を受け付ける際に、目標駐車位置の中心点を基準とした俯瞰画像を表示し、障害物位置の指定が困難になることを防止することができる。
【0127】
(10) (9)に記載の制御装置であって、
前記表示部は、
前記目標駐車位置の決定前は、前記移動体の中心点(中心点10a)を基準とする第1表示を行い、
前記目標駐車位置が決定後は、前記目標駐車位置の中心点を基準とする第2表示を行う、
制御装置。
【0128】
(10)によれば、目標駐車位置の決定前には移動体の中心点を基準とした俯瞰画像を表示して移動体の周辺の様子の直感的な把握が可能になるとともに、障害物位置の指定を受け付ける際には障害物位置の指定が困難になることを防止することができる。
【0129】
(11) (9)又は(10)に記載の制御装置であって、
前記表示部は、
前記ユーザから前記障害物位置の指定を受け付けるアイコンを、
前記周辺画像とは異なる駐車形態の選択画像上に表示を行う、
制御装置。
【0130】
(11)によれば、障害物位置の指定が困難になることを防止することができる。
【0131】
(12) 移動体の制御装置が、
前記移動体のユーザから障害物位置の指定を受け付け、
前記ユーザにより指定された障害物位置に基づいて前記移動体を目標駐車位置に駐車させるための駐車制御を行い、
前記障害物位置を指定障害物位置として、前記目標駐車位置と紐づけて登録する、
制御方法。
【0132】
(12)によれば、同じ駐車位置への駐車時に障害物位置の指定を毎回行わなくてもよくなるため、ユーザの負担を軽減することができる。
【0133】
(13) 移動体の制御装置のプロセッサに、
前記移動体のユーザから障害物位置の指定を受け付け、
前記ユーザにより指定された障害物位置に基づいて前記移動体を目標駐車位置に駐車させるための駐車制御を行い、
前記障害物位置を指定障害物位置として、前記目標駐車位置と紐づけて登録する、
処理を実行させるための制御プログラム。
【0134】
(13)によれば、同じ駐車位置への駐車時に障害物位置の指定を毎回行わなくてもよくなるため、ユーザの負担を軽減することができる。
【符号の説明】
【0135】
10 車両(移動体)
10a,76a 中心点
42 タッチパネル(表示部)
52 演算部(制御装置)
55 自動駐車制御部(制御部)
56 受付部
71 俯瞰画像(周辺画像)
76 目標駐車位置