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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】容器への充填用の装置および方法
(51)【国際特許分類】
   B67C 3/06 20060101AFI20241023BHJP
   B67C 3/04 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
B67C3/06
B67C3/04
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022170601
(22)【出願日】2022-10-25
(65)【公開番号】P2023071603
(43)【公開日】2023-05-23
【審査請求日】2023-04-21
(31)【優先権主張番号】10 2021 128 681.6
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508120916
【氏名又は名称】クロネス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100160495
【弁理士】
【氏名又は名称】畑 雅明
(74)【代理人】
【識別番号】100173716
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 真理
(72)【発明者】
【氏名】ニットル、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ブレイ, クリスツィアン
(72)【発明者】
【氏名】ペーテル、ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ドンハウザー、ウド
(72)【発明者】
【氏名】ゼルナー、ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】グロツェル、ライナー
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-280845(JP,A)
【文献】欧州特許第03184484(EP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67C 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(12)への充填用の装置(10A~10D)であって、
液体を前記容器(12)に放出するための充填弁(14)と、
前記充填弁(14)の下方に配置されることができ、
前記液体を前記充填弁(14)から受け取り、前記液体を前記容器(12)に放出するための液体充填流路(30)および
前記容器(12)を排気する、前記容器(12)を予圧する、及び、前記容器(12)から戻りガスを排出する、からなる群から選ばれる少なくともいずれか一種を行うための少なくとも1つのガス流路(32)
を有し、
該少なくとも1つのガス流路(32)は、前記液体充填流路(30)とは別に形成されており、前記液体充填流路(30)の一部および前記少なくとも1つのガス流路(32)の一部が隣接し、または同軸的に延びている
切替ユニット(16)と
を備える装置(10A~10D)。
【請求項2】
加圧ガスを供給するために前記少なくとも1つのガス流路(32)と接続するか、または接続可能である加圧ガス源(44)、
前記戻りガスを排出するために前記少なくとも1つのガス流路(32)と接続するか、または接続可能である戻りガス出口(46)、及び、
前記容器(12)を排気するために前記少なくとも1つのガス流路(32)と接続するか、または接続可能である真空源、からなる群から選ばれる少なくともいずれか一種
をさらに備える、請求項1に記載の装置(10A~10D)。
【請求項3】
前記液体充填流路(30)は、前記充填弁(14)から受け取った液体を壁充填のための充填ジェットに変形し、壁充填のための前記充填ジェットを前記容器(12)に放出するために形成されている、
請求項1に記載の装置(10A~10D)。
【請求項4】
前記液体充填流路(30)は、渦生成部、案内要素および流れの方向に拡大する流動体(42)からなる群から選ばれる少なくともいずれか一種を備える、
請求項1に記載の装置(10A~10D)。
【請求項5】
前記切替ユニット(16)は、アクチュエータ(22)によって鉛直方向に可動である、および、
前記切替ユニット(16)は、前記充填弁(14)からは独立して鉛直方向に可動である、
からなる群から選ばれる少なくともいずれか一種である、
請求項1に記載の装置(10A~10D)。
【請求項6】
前記切替ユニット(16)は、前記充填弁(14)および/または前記切替ユニット(16)の鉛直方向移動によって前記充填弁(14)に押し当て可能である、および、
前記切替ユニット(16)は、前記切替ユニット(16)および/または前記容器(12)の容器ホルダ(20)の鉛直方向移動によって前記容器(12)に押し当て可能である、
からなる群から選ばれる少なくともいずれか一種である、
請求項1に記載の装置(10A~10D)。
【請求項7】
前記充填弁(14)は、弁コーン部を有する可動弁体(24)を備え、前記切替ユニット(16)が前記充填弁(14)の下方に配置されるとき、前記弁コーン部は、前記充填弁(14)の閉位置で前記切替ユニット(16)内に突出する、
請求項1に記載の装置(10A~10D)。
【請求項8】
前記切替ユニット(16)は、前記充填弁(14)の下方に摺動、旋回または回動可能に配置される、
請求項1に記載の装置(10A~10D)。
【請求項9】
前記充填弁(14)は、前記切替ユニット(16)に押し当てるために、鉛直方向に可動である、および、
前記装置(10A~10D)は、前記切替ユニット(16)に押し当てるために鉛直方向に可動な、前記容器(12)の保持のための容器ホルダ(20)を備える、
からなる群から選ばれる少なくともいずれか一種である、
請求項1に記載の装置(10A~10D)。
【請求項10】
下記(1)及び下記(2)からなる群から選ばれる少なくともいずれか一種である、
請求項1に記載の装置(10A~10D)。
(1)前記装置(10A~10D)は、フリージェット作動モードである第1作動モードで作動可能であり、該第1作動モードでは、前記充填弁(14)がフリージェットで前記液体を、前記容器(12)への充填又は直接充填のために放出する。
(2)前記装置(10A~10D)は、壁充填作動モードである第2作動モードで作動可能であり、該第2作動モードでは、
- 前記切替ユニット(16)が、前記充填弁(14)の下方に配置され、
- 前記液体充填流路(30)が、前記液体を前記充填弁(14)から受け取り、前記容器(12)に、前記容器(12)への充填又は壁充填のために放出し、
- 前記少なくとも1つのガス流路(32)が、ガスを前記容器(12)から、前記容器(12)の排気のために吸引する、前記少なくとも1つのガス流路(32)が、加圧ガスを前記容器(12)に、前記容器(12)の予圧のために、前記容器(12)への前記充填前に供給する、及び、前記少なくとも1つのガス流路(32)が、前記充填中に、戻りガスを前記容器(12)から受け取り排出する、からなる群から選ばれる少なくともいずれか一種を行う。
【請求項11】
容器(12)への充填用の装置(10A~10D)を作動させるための方法であって、前記方法は、
前記装置(10A~10D)を第1作動モードで作動させ、該第1作動モードでは、
フリージェットが、充填弁(14)から、前記充填弁(14)の下方の容器(12)に流れるステップと、
前記装置(10A~10D)を第2作動モードで作動させ、該第2作動モードでは、
替ユニット(16)が、前記充填弁(14)の下方に配置され、
- 前記切替ユニット(16)の液体充填流路(30)が、前記充填弁(14)から液体を受け取り、前記容器(12)に、前記液体を放出し、
- 前記切替ユニット(16)が、少なくとも1つのガス流路(32)を備え、前記容器(12)への充填前に、ガスが該ガス流路(32)を通って前記容器(12)から排気される、前記容器(12)への充填前に、加圧ガスが該ガス流路(32)を通って、前記容器(12)の予圧のために、前記容器(12)の中に導入される、及び、前記容器(12)への充填中に、戻りガスが該ガス流路(32)を通って前記容器(12)から排出される、からなる群から選ばれる少なくともいずれか一種がなされるステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記容器(12)は、前記第1作動モードにおいて、前記充填弁(14)から離れて配置される、および、
前記容器(12)および前記切替ユニット(16)および前記充填弁(14)は、前記第2作動モードにおいて、互いに対して押し当てられる、
からなる群から選ばれる少なくともいずれか一種がなされる、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1作動モードでは、炭酸非含有液体が前記容器(12)中に充填される、および、
前記第2作動モードでは、炭酸含有液体が前記容器(12)中に充填される、
からなる群から選ばれる少なくともいずれか一種がなされる、
請求項11または請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記切替ユニット(16)または前記切替ユニット(16)の前記液体充填流路(30)を、前記充填弁(14)の下方に移動させることにより、前記第1作動モードから前記第2作動モードに変換するステップ、および、
前記切替ユニット(16)または前記切替ユニット(16)の前記液体充填流路(30)を、前記充填弁(14)から離すことにより、前記第2作動モードから前記第1作動モードに変換するステップ、
からなる群から選ばれる少なくともいずれか一種
をさらに含む、請求項11または請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に充填するための装置、および容器に充填するための装置を作動させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
容器に充填するために、充填カルーセルのような充填装置の中でさまざまな技術を使用することができる。例えば、フルジェット充填システムあるいはフリージェット充填システム、または壁充填システムなどの圧力充填システムを使用しうる。
【0003】
例えばフルジェットシステムでは、フルジェット/フリージェット充填弁で非炭酸飲料を充填できる。そのとき瓶を充填弁に押し当てる必要はない。戻りガスは、容器から周囲の空間に放出されうる。例えばフルジェットシステムで、炭酸含有飲料、すなわち炭酸飲料を充填する場合、容器を充填弁に押し当てることができる。加圧ガスが充填要素から容器へと進み、戻りガスがその逆方向に戻るために必要なガス導管は、充填弁に統合されている。戻りガス経路は、充填弁内の充填ジェット出口の側方に配置されている。
【0004】
壁充填システムでは、非炭酸飲料すなわち炭酸非含有飲料および炭酸飲料の場合にも、容器を充填弁に押し当てて壁充填をすることができる。充填弁は、壁充填を可能にするように特別に設計されており、容器に流入する際に、充填ジェットが容器の内周壁に接触する。加圧ガスが充填要素から容器へと進み、戻りガスがその逆方向に戻るために必要なガス導管は、充填弁に統合されている。
【0005】
それぞれの容器への加圧ガスの供給およびそれぞれの容器からの戻りガスの排出は、公知の充填弁あるいは充填要素の場合、充填弁の中に形成され、中に1つまたは複数の制御弁が配置された複数のガス流路を有する、制御されたガス経路を介して行われる。その場合、制御弁は、例えば空気圧制御弁装置の構成要素であり、少なくとも1つの電気的に制御可能な切換弁を介して充填機の機械制御によって制御される。特に戻りガス流路は、従来技術から公知の充填要素配置の場合、菌および/または汚染の高度な負荷に晒されることがある。
【0006】
独国特許出願公開第102014109589号は、容器に充填するための充填システムに関し、該システムは、複数の充填要素を有し、それらはそれぞれ、充填要素ハウジング内に設けられかつ充填材料出口を備えた充填材料流路を有し、それを介して、充填時に液体弁によって制御される液体充填材料は、充填材料出口の下方にその容器開口部が配置されたそれぞれの容器に流入し、それぞれの充填要素に割り当てられ、充填要素に対してそれぞれの容器の少なくとも1つの間接的なシール位置を保持および生成するために鉛直方向に移動できる容器ホルダ、ならびに充填要素を洗浄および/または滅菌するための充填材料出口に配置される洗浄キャップを備える。各充填要素には、充填材料出口で密閉位置に配置されうる、充填材料通路を備えた拡張部が割り当てられ、拡張部が充填材料出口に配置されると、充填要素の充填材料流路に延長が生じる。
【0007】
独国特許出願公開第102016115891号は、容器に充填製品を充填するための充填設備に関し、該設備は、容器に充填製品を充填するための充填装置を含み、容器に関して充填製品を偏向するための静電界を有する偏向装置が企図される。
【0008】
さらに欧州特許第3286130号から、容器に液体充填物を無加圧または加圧フリージェット充填をするための充填要素配列が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】独国特許出願公開第102014109589号明細書
【文献】独国特許出願公開第102016115891号明細書
【文献】欧州特許第3286130号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、例えばフリージェット充填および壁充填のような、異なったモードで簡単な方法により容器に充填することを可能にする、改良された技術を提供するという課題に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、独立請求項の特徴によって解決される。有利な発展形態は、従属請求項および明細書に記載されている。
【0012】
本開示の一態様は、容器に液体を放出するための充填弁(例えばフルジェット充填弁)を備えた、好ましくは充填カルーセル用の、容器への充填用の装置に関する。装置は、(例えば選択的に)充填弁の下方に配置可能な、充填弁から液体を受け取り液体を容器に放出するための液体充填流路と、容器を排気し、かつ/または容器を予圧し、かつ/または容器から戻りガスを排出するための少なくとも1つのガス通路とを有する切替ユニットをさらに備える。
【0013】
有利には、装置は、簡単かつ衛生的な方法により異なるモードで、すなわち、充填弁から容器への液体流路内に切替ユニットの液体充填流路を介在させまたは介在させずに、容器に充填することを可能にする。装置は、有利には、炭酸非含有製品のフリージェットによる充填を(切替ユニットの液体充填流路を介在させずに)フリージェットシステムの相応に高い性能を利用して、および炭酸製品の加圧充填による充填、例えば壁充填による充填を(切替ユニットの液体充填流路を介在させることによって)壁充填システムの相応に高い性能を利用して実現することができる。ここでは、例えばフリージェットと壁充填とを完全に自動的に切り替えることも可能である。発泡性の高い製品は、フリージェット充填よりも、壁充填にすることによってはるかに高い性能で充填できる。
【0014】
有利には装置において、少なくとも1つのガス流路の形態の、例えば容器を排気するため、または加圧ガスを容器に供給するため、または戻りガスを容器から排気するためのガス導管がもはや充填要素または充填弁にではなく、切替ユニットに統合されている。これは、例えば無菌状態において非常に有利でありうる。なぜならガス流路を充填要素に手間をかけて統合し監視する必要がないからである。純粋に例として、ここでは、容器が充填弁に押し当てられない、非炭酸、弱酸性の製品を充填する滅菌装置について言及する必要がある。充填要素中のガス流路は、一時的にしか使用されない場合でも、ここでは滅菌装置の要件に従って設計および監視されなければならない。これは、部材の設計に対する労力が増えることを意味する。洗浄および滅菌の監視には、さらに多くのセンサ(温度監視)も必要となる。
【0015】
切替ユニットは、好ましくは充填弁とは別に形成されうる。
【0016】
少なくとも1つのガス流路は、好ましくは液体充填流路とは別に形成されうる。
【0017】
例えば少なくとも1つのガス流路は、排気流路、加圧ガス流路および/または戻りガス流路を含むことができる。排気流路、加圧ガス流路および/または戻りガス流路は、別々に形成すること、または(全部で2つまたは3つの)流路のうちの少なくとも2つ、例えば加圧ガス流路と戻りガス流路とを互いに統合することが可能である。
【0018】
好ましくは、少なくとも1つのガス流路は、正確に1つのガス流路(例えば加圧ガス流路、戻りガス流路または排気流路)、正確に2つのガス流路(例えば加圧ガス流路および戻りガス流路、または加圧ガス流路および排気流路、または排気流路および戻りガス流路)、または正確に3つのガス流路(例えば加圧ガス流路および戻りガス流路および排気流路)を含みうる。
【0019】
一実施形態例では、液体充填流路の一部(例えば出口部分)および少なくとも1つのガス流路の一部(例えば端部分)が隣接し、または同軸的に延びており、好ましくは液体充填流路の一部が、少なくとも1つのガス流路の一部を同軸的に、特に好ましくは螺旋状に取り囲む。これは、好ましくは設置スペースという観点から特に有利でありえ、少なくとも1つのガス流路は、液体充填流路内に既に存在する設置スペース内に特に好適に巧みに配置されることができる。
【0020】
さらなる実施形態例では、装置は、加圧ガスを供給するために少なくとも1つのガス流路(例えば少なくとも1つのガス流路の加圧ガス流路)に接続されるか、または接続可能な加圧ガス源をさらに備える。従って有利には、容器が、充填前に少なくとも1つのガス流路を介して予圧されうる。
【0021】
さらなる実施形態例では、装置は、戻りガスを排出するために少なくとも1つのガス流路(例えば少なくとも1つのガス流路の戻りガス流路)に接続されるか、または接続可能な戻りガス排出部をさらに備える。従って有利には、容器が充填されている間、少なくとも1つのガス流路を介して、戻りガスが容器から排出されうる。
【0022】
さらなる実施形態例では、装置は、容器を排気するために少なくとも1つのガス流路(例えば少なくとも1つのガス流路の排気流路)に接続されるか、または接続可能な真空源をさらに備える。従って有利には、容器が、充填前および場合により予圧前に、少なくとも1つのガス流路を介して排気されうる。
【0023】
さらなる実施形態例では、液体充填流路は、充填弁から受け取った液体を壁充填のための充填ジェットに変形(あるいは再成形または偏向)し、壁充填のための充填ジェットを容器に放出するように形成されている。
【0024】
一実施形態では、液体充填流路は、(例えば螺旋状の)渦生成部、案内要素および/または流れの方向に広がる流動体、好ましくはデフレクターを備える。好ましくは渦生成部、案内要素および/または流動体は、少なくとも1つのガス流路の一部を、特に好ましくは同軸的に包囲することができる。有利には、これは、特に有利には非常に省スペースな方法で、容器への壁充填を可能にしうる。
【0025】
さらなる実施形態では、切替ユニットは、好ましくはアクチュエータによって、かつ/または充填弁とは独立して、鉛直方向に移動可能である。従って切替ユニットは、容器および/または充填弁に有利に押し当てることができる。
【0026】
さらなる実施形態では、好ましくは(例えばアクチュエータによって引き起こされる)充填弁および/または(例えばアクチュエータによって引き起こされる)切替ユニットの鉛直方向移動によって、切替ユニットは、充填弁に押し当てられることができる。代替的または追加的に、好ましくは切替ユニットおよび/または容器の容器ホルダの鉛直方向移動によって、切替ユニットは、容器に押し当てられることができる。
【0027】
切替ユニットは、好ましくは、充填弁に押し当てるための(例えば金属製または非金属製の)好ましくはリング形状の上部シール面を備えうる。
【0028】
切替ユニットは、好ましくは、容器に押し当てるための(例えば金属製または非金属製の)好ましくはリング形状の下部シール面を備えうる。
【0029】
充填弁は、好ましくは、切替ユニットに押し当てるための(例えば金属製または非金属製の)好ましくはリング形状のシール面を備えうる。
【0030】
一実施形態の変形で充填弁は、好ましくは弁コーン部を有する可動弁体を備え、弁コーン部は、切替ユニットが充填弁の下方に位置するとき、充填弁が閉位置にある場合、好ましくは切替ユニット(例えば切替ユニットの液体充填流路)内に突出する。好ましくは、切替ユニットは、可動弁体の前端のための凹部を有することができ、これは、特に好ましくは前端の形状に適合する。有利には、これにより特に平坦に形成された切替ユニットを実現できる。
【0031】
さらなる実施形態の変形では、切替ユニットは充填弁の下方に位置するために摺動、旋回および/または回動可能であり、好ましくは案内され、および/またはアクチュエータによって配置される。
【0032】
さらなる実施形態の変形では、好ましくは切替ユニットに押し当てるために、充填弁は、鉛直方向に可動であり、かつ/または装置は、好ましくは切替ユニットに押し当てるために鉛直方向に可動である、容器を保持するための容器ホルダを備える。
【0033】
さらなる実施形態例では、装置は第1作動モード、好ましくはフリージェット作動モードで作動可能であり、このモードでは、充填弁が液体をフリージェットで好ましくは直接(例えば切替ユニットの液体充填流路を介在させずに)容器への充填のために放出できる。代替的または追加的に、装置は、第2作動モード、好ましくは壁充填作動モードで作動可能であり、このモードでは、切替ユニットが充填弁の下方に配置され、液体充填流路が充填弁から液体を受け取り、容器に充填する、好ましくは壁充填するために液体を放出し、少なくとも1つのガス流路が、容器からガスを吸引して容器を排気し、かつ/または少なくとも1つのガス流路が、容器に充填する前に容器を予圧するため加圧ガスを容器に供給し、かつ/または少なくとも1つのガス流路が、充填中に容器から戻りガスを受け取り排出する。
【0034】
本開示のさらなる態様は、好ましくは本明細書に開示されるように、容器への充填用の装置の作動方法に関し、この方法は、第1作動モードで装置を作動させるステップを含み、このモードでは、フリージェットが、充填弁から、好ましくは直接(例えば切替ユニットの液体充填流路を介在させずに)充填弁の下方の容器に流れる。この方法は、装置を第2作動モードで作動させるステップを含み、このモードでは、切替ユニットが、充填弁の下方に配置され、切替ユニットの液体充填流路が充填弁から液体を受け取り、好ましくは容器への壁充填が行われるように液体を容器に放出し、切替ユニットが、少なくとも1つのガス流路を備え、容器への充填前にガスが該ガス流路を通って容器から排気され、かつ/または容器への充填前に容器の予圧のために加圧ガスが該ガス流路を通って容器中に導入され、かつ/または容器への充填中に戻りガスが該ガス流路を通って容器から排出される。有利には、装置に関してすでに説明したものと同じ利点がこの方法で達成できる。
【0035】
一実施形態では、第1作動モードにおいて、容器は、(例えば切替ユニットおよび/または液体充填流路を介在させずに)充填弁から離れて配置され、かつ/または容器および切替ユニットおよび充填弁は、第2作動モードにおいて、互いに対して押し当てられる。
【0036】
さらなる実施形態例では、第1作動モードでは、炭酸非含有(あるいは非炭酸(stille))液体が容器に充填され、かつ/または第2作動モードでは、炭酸含有液体が容器に充填される。
【0037】
さらなる実施形態例では、方法は、切替ユニットまたは切替ユニットの液体充填流路を、充填弁の下方に、好ましくはアクチュエータを用いて、移動、好ましくは摺動、旋回および/または回動させることによって、第1作動モードから第2作動モードに変換するステップをさらに含む。
【0038】
さらなる実施形態例では、方法は、切替ユニットまたは切替ユニットの液体充填流路を、好ましくはアクチュエータを用いて、移動、好ましくは摺動、旋回および/または回動させて、充填弁から離すことにより、第2作動モードから第1作動モードに変換するステップをさらに含む。
【0039】
好ましくは、切替ユニットの液体充填流路は、第2作動モードにおいて、液体充填流路の(例えば螺旋状の)渦生成部、案内要素および/または流れの方向で広がる流動体、好ましくはデフレクターによって、充填弁から受け取った液体を容器への壁充填のための充填ジェットに変形する。
【0040】
好ましくは、本開示の範囲内における「フリージェット充填」または「フリージェットフィリング」は、液体充填材料が、フリー充填ジェットまたは充填材料ジェット中の液体弁から、充填される容器に向かって流出し、充填材料の流れが、例えばデフレクター、スワーラー、短いまたは長い充填管などの案内要素によって影響を受けたり変更されたりしない充填方法を意味すると理解される。フリージェット充填は、無加圧および加圧下の両方で行うことができる。無加圧フリージェット充填の場合、容器は、周囲圧力を有していてもよく、容器は、通常、容器の口または開口部で充填弁に接触せず、充填弁あるいは設けられた排出開口部から離れている。無加圧フリージェット充填の場合、容器がその容器口で充填弁に接触していると、ガス経路は容器の内部と環境との間の連絡を生成でき、それによって無加圧充填が可能になりうる。好ましくはこのガス経路を通って、容器内に収容され容器内に流入する飲料によって排除されたガスも、環境中に逃れ出る。フリージェット充填が、周囲圧力から逸脱した、周囲圧力を超えるおよび未満の両方に存在しうる圧力下で行われる場合、容器は、その口で充填弁に押し当てられて密閉されることができ、続いてその上に容器内部の圧力が、加圧ガスによる圧迫または負圧による圧迫によって調整されうる。
【0041】
好ましくは、上記のフリージェット充填の逆の充填プロセスを示すことができ、そこで液体充填材料が、充填されるべき容器に、液体弁から、例えばデフレクターおよび/またはスワーラーおよび/または短いもしくは長い充填管などの案内要素による充填材料の流れに対する影響を受けながら、例えば容器への壁充填のために流出しうる。この充填プロセスも無加圧または加圧下で行うことができる。
【0042】
上述の本発明の好ましい実施形態および特徴は、任意に互いに組み合わせることができる。
【0043】
本発明のさらなる詳細および利点は、添付の図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本開示の一実施形態例に係る、第1作動モードにおける充填用の装置の概略断面図を示す。
図2】第2作動モードにおける図1の装置の概略断面図を示す。
図3】本開示の一実施形態に係る、第1作動モードにおける充填用の装置の概略断面図を示す。
図4】第2作動モードにおける図3の装置の概略断面図を示す。
図5】本開示の一実施形態に係る、第1作動モードにおける充填用の装置の概略断面図を示す。
図6】第2作動モードにおける図5の装置の概略断面図を示す。
図7】本開示の一実施形態に係る、第2作動モードにおける充填用の装置の概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図示される実施形態は少なくとも部分的に一致するため、類似または同一の部分には同じ参照符号が付され、それらの説明については、繰り返しを避けるために他の実施形態または図の説明も参照されたい。
【0046】
図1および図2は、異なる作動モードでの容器12(容器12の容器ネック部のみが示されている)への充填用の装置10Aを示す。
【0047】
図3図7の装置10B~10Dと同様に)装置10Aは、容器処理設備の充填装置に含めることができる。充填装置は、好ましくは充填カルーセルとして設計される。充填装置は、複数の容器を同時に充填するための複数の装置10A~10Dを有することができる。例えば装置10A~10Dは、充填カルーセルとして設計された充填装置の周囲に配置されうる。
【0048】
装置10Aは、充填弁14と、切替ユニット16とを備える。装置10Aは、支持構造18と、容器ホルダ20と、アクチュエータ22とをさらに備えうる。
【0049】
充填弁14は、容器12に充填するために、液体(例えば飲料)を放出することができる。液体は、充填弁14自体からフリージェットで放出されることができる。充填弁14は、可動弁体24および弁座26を備えうる。
【0050】
弁体24は、例えば弁座26を押し当て、弁座26から持ち上がるための前方弁コーン体を備えうる。弁座26は、円錐または切頭円錐の形状に形成されうる。弁体24は、閉位置(図示せず)と開位置(図示せず)との間でアクチュエータ(図示せず)によって移動、好ましくは摺動されることができる。閉位置では、弁体24が弁座26に接触している。開位置では、弁体24が弁座26から離れている。開位置では、弁体24と弁座26との間の隙間に成形されうるフリージェットが充填弁14から流出する。
【0051】
充填弁14のアクチュエータおよび本明細書に開示される全ての他のアクチュエータは、例えば電磁、空気圧または油圧などの任意の方法で設計されることができる。
【0052】
充填弁14は、支持構造18によって支持されうる。充填弁14は、例えばアクチュエータ(図示せず)によって鉛直方向に移動できることが可能である。鉛直方向の可動性により、充填弁14は、例えば切替ユニット16に押し当てられるか、もしくは容器12に押し当てられることができ、または充填弁14が容器12に押し当てられずに、容器12への間隔を縮小することができる。代替的に充填弁14は、例えば支持構造18上に固定または非可動に取り付けられうる。
【0053】
充填弁14は、シール面28を有しうる。シール面28は、金属製または非金属製、例えば合成樹脂製でありうる。好ましくは、シール面28は、充填弁14の出口を包囲する。シール面28は、好ましくは環状である。シール面28は、好ましくは環状に取り付けられたカラー部として、または環状に取り付けられたフランジとして形成されることができる。シール面28は、充填弁14と切替ユニット16とが互いに対して押し当てられたとき、充填弁14と切替ユニット16との間を封止することができる。
【0054】
切替ユニット16は、液体充填流路30と、少なくとも1つのガス流路32とを備える。
【0055】
液体充填流路30は、充填弁14から液体を受け取り容器12に放出することができる。液体充填流路30は、受け取った液体を、好ましくは容器12への壁充填のための充填ジェットに変形しうる。切替ユニット16または液体充填流路30が充填弁14の下方に位置するとき、液体は、充填弁14によって受け取られうる。液体充填流路30は、液体を受け取るため、あるいは充填弁14の下方に位置するために上部入口を有しうる。液体充填流路30は、容器12への壁充填のための充填ジェットを、液体充填流路30の下部出口を通って放出することができる。
【0056】
受け取った液体を壁充填のための充填ジェットに変形するために、液体充填流路30は、例えば渦生成部を有することができる。図1および図2に示されるように、渦生成部は、例えば螺旋状または渦巻状でありうる。代替的または追加的に、液体充填流路30は、例えば案内要素、および/または流れの方向に、あるいは容器12に向かって拡張された(図1および図2には示されていない)例えばスクリーン体の形態の流動体を備えうる。案内要素および/または流動体は、液体を容器12の容器内壁に接触させるため、すなわち壁充填のために、偏向することができる。流動体は、少なくとも1つのガス流路32の一部を好ましくは同軸的に包囲しうる。
【0057】
液体充填流路30の一部、好ましくは出口部分は、好ましくは少なくとも1つのガス流路32の一部、好ましくは端部分と同軸的に配置される。特に好ましくは、液体充填流路30の一部は、少なくとも1つのガス流路32の一部を同軸的に包囲する。液体充填流路30の一部は、好ましくは液体充填流路30の出口に接する出口部分でありうる。容器12を充填するために切替ユニット16が充填弁14の下方に位置するとき、少なくとも1つのガス流路32の一部は、好ましくは容器12に押し当てできるか、または少なくとも容器12に面する、少なくとも1つのガス流路32の開口部に接する端部分でありうる。
【0058】
少なくとも1つのガス流路32は、加圧ガスを受け取るための加圧ガス流路を含むことができ、加圧ガス流路は、加圧ガス源44(明確さのために図1にのみ例示する)に接続されるか、または接続可能である。受け取られた加圧ガスは、少なくとも1つのガス流路32または加圧ガス流路の下部開口部から、容器12の予圧のために容器12内に放出されうる。容器12は、加圧ガス流路あるいは少なくとも1つのガス流路32を介して、加圧ガスあるいは例えば二酸化炭素のような産業ガスで充填前に洗浄されることも可能である。
【0059】
代替的または追加的に、少なくとも1つのガス流路32は、戻りガス出口46(明確さのために図1にのみ例示する)に接続されるか、または接続可能な戻りガス流路を含みうる。少なくとも1つのガス流路32の、あるいは戻りガス流路の下部開口部によって、戻りガスは、容器12を充填するとき(例えば液体充填流路30を通じた充填)、容器12から少なくとも1つのガス流路32あるいは戻りガス流路に直接流入することができる。少なくとも1つのガス流路32あるいは戻りガス流路は、流入する戻りガスを戻りガス出口46に案内することができる。
【0060】
代替的または追加的に、少なくとも1つのガス流路32は、真空源48(明確さのために図1にのみ例示する)に接続されるか、または接続可能な排気流路を含みうる。真空源48は、例えば真空ポンプとして設計することができる。少なくとも1つのガス流路32あるいは排気流路の下部開口部によって、ガスは、容器12への充填および場合によっては予圧(例えば液体充填流路30を介した充填)前に、容器12から直接少なくとも1つのガス流路32あるいは排気流路に流入し、またはこれらの中に吸引されうる。少なくとも1つのガス流路32あるいは排気流路は、ガスを真空源48に案内することができる。
【0061】
加圧流路、戻り流路および排気流路は、互いに分離して形成することが可能である。これらの流路のうちの1つのみが別に形成され、他の2つが共同の流路を構成することも可能である。加圧ガス流路、戻りガス流路および/または排気流路の機能を担う1つのガス流路32のみが含まれることも同様に可能である。
【0062】
装置10Aが、容器12の排気のためにガスを排出するため、加圧ガスを供給するため、および/または戻りガスを排出するための少なくとも1つのガス管34を備えることが可能である。少なくとも1つのガス管34は、少なくとも1つのガス流路32と接続されうる。少なくとも1つのガス管34は、支持構造18に支持されうる。特に好ましくは少なくとも1つのガス管34は、アクチュエータ22の調整装置を貫通して延びていてもよい。
【0063】
少なくとも1つのガス流路32は、1つまたは複数の(図示されない)制御弁により制御されてもよく、制御弁は、少なくとも1つのガス流路32を例えば遮断しまたは開放することができ、および/または少なくとも1つのガス流路32を加圧ガス源44および/または戻りガス出口46および/または真空源48と接続することができる。少なくとも1つの制御弁は、装置10Aを備えた充填装置の機械制御によって、例えば空気圧または電磁気によって制御されることができる。
【0064】
切替ユニット16は、支持構造18に支持されうる。支持構造18は、アクチュエータ22をも支持できる。
【0065】
切替ユニット16は、充填弁14の下方に位置することができる。切替ユニット16は、充填弁14の下方で可動であり、かつ充填弁14の下方の位置から離れるように移動可能でありうる。移動には、例えば切替ユニット16の回動、旋回および/または摺動が含まれうる。したがって、切替ユニット16は、摺動、旋回および/または回動可能である。好ましくは、移動には、鉛直方向移動および/または水平方向移動が含まれうる。切替ユニット16の可動性は、場合により存在する充填弁14の可動性には依存しえない。
【0066】
好ましくは、切替ユニット16は、アクチュエータ22によって、充填弁14の下方の位置に移動し、かつ充填弁14の下方の位置から離れるように例えば停止位置に移動する。ただし所望により、例えば(図示されない)ロボット装置が、切替ユニット16を充填弁14の下方に配置させ、または移動させることも可能である。
【0067】
切替ユニット16は、充填弁14に対し、下方から押し当て可能でありうる。押し当ては、例えば充填弁14の鉛直方向移動および/または切替ユニット16の鉛直方向移動によってもたらされうる。
【0068】
切替ユニット16は、容器12に対し、上方から押し当て可能でありうる。押し当ては、例えば切替ユニット16の鉛直方向移動および/または例えば容器ホルダ20を用いた容器12の鉛直方向移動によってもたらされうる。
【0069】
切替ユニット16は、上部シール面36を備えうる。上部シール面36は、金属製または例えば合成樹脂製のような非金属製でありうる。好ましくは、上部シール面36は、液体充填流路30の入口を包囲する。上部シール面36は、好ましくは環状である。上部シール面36は、好ましくは環状に取り付けられたカラー部として、または環状に取り付けられたフランジとして形成される。充填弁14と切替ユニット16とが互いに対して押し当てられるとき、上部シール面36は、充填弁14と切替ユニット16との間を封止しうる。
【0070】
切替ユニット16は、下部シール面38を備えうる。下部シール面38は、金属製または例えば合成樹脂製のような非金属製でありうる。好ましくは、下部シール面38は、液体充填流路30の出口および少なくとも1つのガス流路32の開口部を包囲する。下部シール面38は、好ましくは環状である。下部シール面38は、好ましくは環状に取り付けられたカラー部として、または環状に取り付けられたフランジとして形成される。好ましくは、下部シール面38は、円錐状に設計されうる。切替ユニット16と容器12とが互いに対して押し当てられるとき、下部シール面38は、切替ユニット16と容器12との間を封止しうる。
【0071】
切替ユニット16が充填弁14の下方に位置するとき、充填弁14の弁体24の前端(例えば弁コーン部)は、充填弁14の閉位置で切替ユニット16内に突出することが可能である。好ましくは、切り替えユニット16は、弁体24の前端のための凹部40(明確さのために図1でのみ参照番号で示される)を備えうる。凹部40の形状は、弁体24の前端の形状に適合しうる。例えば凹部40は、弁体24の弁コーン部のために円錐状でありうる。
【0072】
容器ホルダ20は、容器12の保持のために形成されている。例えば、容器ホルダ20は、容器12を容器ネック部で保持しうる。したがって、容器ホルダ20は、例えば容器ネック部ホルダとして形成されうる。容器のネック部での容器12の保持に加えてまたは代えて、容器ホルダ20は、容器12を例えばその容器本体あるいは容器胴部で保持し、または容器12を下方から、あるいは底面で支持することができる。
【0073】
容器ホルダ20は、容器12を例えばクランプまたはグリッパーで保持できる。容器ホルダは、受動的に、例えば閉位置で容器12の保持のために弾性的に応力を付与されうる。代替的に、容器ホルダ20は、能動的でありえ、例えばアクチュエータによって開くおよび/または閉じることができる。アクチュエータが閉じるように弾性的に応力を付与された容器ホルダ20を開くことができ、あるいは開くように弾性的に応力を付与された容器ホルダ20を閉じることができることも可能である。
【0074】
容器ホルダ20が、例えばアクチュエータによって鉛直方向に可動であることが可能である。鉛直方向の可動性によって、容器ホルダ20は、下方から切替ユニット16に、所望があれば切替ユニット16の介在なしで下方から充填弁14に押し当てられうる。
【0075】
図1は、装置10Aを、第1作動モード、好ましくはフルジェットあるいはフリージェット作動モードで示す。第1作動モードにおいて、容器12は、充填弁14が開位置にあることによって、フリージェットで充填されうる。フリージェットは、充填弁14から直接容器12中に流入しうる。切替ユニット16は、停止位置に配置されうる。停止位置で切替ユニット16は、充填弁14の下方にもはや位置しないように配置されうる。ただし、例えば切替ユニット16が液体充填流路30とは別の貫通流路を備えることも考えうる。第1作動モードにおいて、この貫通流路は、充填弁14の下方に位置しうる。この貫通流路は、充填弁14からのフリージェットを例えば実質的影響なしに通過させ、容器12中に流入させることができる。
【0076】
第1作動モードにおいて、充填弁14は、好ましくは容器12から離れて配置される。第1作動モードで好ましくは炭酸非含有、すなわち非炭酸の液体が充填弁14から容器12に(例えば直接または切替ユニット16の流出流路を介して)充填されうる。
【0077】
図2は、装置10Aを、第2作動モード、好ましくは非フルジェット作動モード、または特に好ましくは容器12への壁充填のための圧力充填作動モードで示す。第2作動モードにおいて、切替ユニット16および液体充填流路30は、充填弁14の下方に配置されうる。切替ユニット16は、液体を充填弁14から液体充填流路30の入口で受け取ることができる。液体充填流路30中で、液体は、好ましくは壁充填のための充填ジェットに変形され、あるいは偏向されうる。液体充填流路30の出口から壁充填のための充填ジェットは、切替ユニット16を離れ、容器12の中に流入しうる。
【0078】
第2作動モードにおいて、切替ユニット16は、下方から充填弁14またはその出口に押し当てられうる。この押し当ては、装置10Aの第1作動モードから第2作動モードへの変換の際、切替ユニット16がまずアクチュエータ22によって充填弁14の下方に旋回されることによって生じうる。続いて切替ユニット16は、アクチュエータ22によって鉛直上向きに移動され、切替ユニット16を充填弁14に対して押し付ける。
【0079】
第2作動モードでは、容器12が下方から切替ユニット16に押し当てられうる。この押し当ては、装置10Aの第2作動モードにおいて、切替ユニット16が下方から充填弁14に押し当てられた後、容器12が容器ホルダ20によって鉛直上向きに移動し、切替ユニット16または液体充填流路30の出口に押し当てられることによって生じうる。
【0080】
第2作動モードにおける容器12への充填(例えば壁充填)中、戻りガスは、容器12から少なくとも1つのガス流路32の中に流入し、戻りガス出口46に案内されうる。代替的または追加的に、第2作動モードでの容器12への充填(例えば壁充填)前に、容器12を加圧ガスで予圧することが可能である。加圧ガスは、加圧ガス源44から少なくとも1つのガス流路32を通って容器12に流入しうる。
【0081】
所望があれば、少なくとも1つのガス流路32は、例えば容器12を排気するために使用されることが可能である。ここでは、少なくとも1つのガス流路32は、真空源48と接続されるか、または接続可能でありうる。
【0082】
一実施形態例では、少なくとも1つのガス流路32は、例えば互いに独立した排気流路および(例えば加圧ガス/パージガスとしての二酸化炭素のための)加圧流路を含むことができる。この実施形態例では、押し当てられた容器12が、例えばまず排気流路を介して排気されえて、容器12中の空気(ひいては、その中に含まれる酸素)を削減する。それに続いて加圧ガス流路を介して二酸化炭素が排気された容器12に導入され、それによって洗浄され予圧されうる。
【0083】
真空源48に割り当てられた制御弁および、例えば加圧ガス源44に割り当てられた加圧ガス弁/パージガス弁が同時に、またはわずかのみの時間差で開くことによって、真空源48が、例えば二酸化炭素のような産業ガスの容器12を通る流れを促進しうることも同様に可能である。
【0084】
第2作動モードにおいて、充填弁14、切替ユニット16および容器12は、好ましくは互いに対して押し当てられている。第2作動モードでは、好ましくは炭酸含有液体、あるいは炭酸液が充填弁14から切替ユニット16の液体充填流路30を通って容器12中に充填されうる。
【0085】
第2作動モード(図2)から第1作動モード(図1)への変換のために、切替ユニット16は、アクチュエータ22によって鉛直下向きに移動されうる。切替ユニット16は、充填弁14から取り外される。すると、切替ユニット16または液体充填流路30の少なくとも入口は、アクチュエータ22によって充填弁14またはその出口から移動されうる。
【0086】
図3および図4は、装置10Aと同様の装置10Bを示す。装置10Bの場合、充填弁14は、例えば(図示されない)アクチュエータによって鉛直方向に移動可能でありうる。第1作動モード(図3参照)での鉛直方向の可動性は、例えば、充填弁14が容器12に触れることなく、充填弁14と容器12との間の間隔を縮小するために使用されうる。第2作動モード(図4参照)での鉛直方向の可動性は、例えば、充填弁14が切替ユニット16と共に上方から容器12を押し付けるために使用されうる。そのため、容器ホルダ20が容器12を鉛直方向に移動させうることは必要ではないが、それでも可能ではある。
【0087】
図5および図6は、装置10A装置および10Bと同様の装置10Cを示す。装置10Cの場合、切替ユニット16は、第2作動モード(図6参照)のために、充填弁14の下方にアクチュエータ22によって摺動され、第1作動モード(図5参照)のために、充填弁14の下方の位置から離れてアクチュエータ22によって摺動されることができる。第2作動モード(図6参照)において、充填弁14を上方から切替ユニット16に押し付けるために、充填弁14もまた、鉛直方向に可動でありうる。第2作動モード(図6参照)において、容器12を下方から切替ユニット16に押し付けるために、容器ホルダ20も、同様に鉛直方向に可動でありうる。
【0088】
図7は、装置10Aと同様の装置10Dを示す。装置10Aと装置10Dとの違いは、装置10Dの切替ユニット16の液体充填流路30が、螺旋状の流路部の代わりに流動体42を備えるところにある。流動体42は、充填弁14から受け取った液体を、充填ジェットが容器12の壁充填のために生じるように偏向する。好ましくは流動体42が流出方向あるいは容器12の方向に拡大する。流動体42は図示されたように、好ましくは偏向スクリーンとして設計される。流動体42は、好ましくは液体充填流路30の中心に配置されうる。少なくとも1つのガス流路32の一端は、流動体42を貫通して延びていてもよい。
【0089】
本発明は、上述の好ましい実施形態例に限定されない。むしろ多数の変形および修正が可能であり、それらも同様に本発明に係る概念を利用しており、従ってその保護範囲内に入る。特に本発明は言及された請求項とは独立して、従属請求項の主題および特徴に対する保護も請求する。特に独立請求項1の個々の特徴は、互いに独立してそれぞれ開示されている。加えて、従属請求項の特徴も、独立請求項1のすべての特徴とは独立して、例えば独立請求項1の充填弁および/または切替ユニットの存在および/または構成に関する特徴とは独立して開示される。
【符号の説明】
【0090】
10A~10D 充填用の装置
12 容器
14 充填弁
16 切替ユニット
18 支持構造
20 容器ホルダ
22 アクチュエータ
24 弁体
26 弁座
28 シール面
30 液体充填流路
32 ガス流路
34 ガス管
36 上部シール面
38 下部シール面
40 凹部
42 流動体
44 加圧ガス源
46 戻りガス出口
48 真空源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7