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特許7576071半ずれ巻線レイアウトと、片側位相、中性及びコイル接続溶接部とを有するモータステータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】半ずれ巻線レイアウトと、片側位相、中性及びコイル接続溶接部とを有するモータステータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/04 20060101AFI20241023BHJP
【FI】
H02K3/04 J
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022171396
(22)【出願日】2022-10-26
(65)【公開番号】P2023081838
(43)【公開日】2023-06-13
【審査請求日】2022-10-28
(31)【優先権主張番号】17/539,376
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520490406
【氏名又は名称】リヴィアン アイピー ホールディングス,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100103182
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 真美
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100141025
【弁理士】
【氏名又は名称】阿久津 勝久
(72)【発明者】
【氏名】ダン ディン ダン
(72)【発明者】
【氏名】ローガン ノエル バリエット
【審査官】服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0218305(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第111106692(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0227985(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ用のモータステータであって、
溶接端、クラウン端、及び複数のスロットを含むステータ本体であって、前記複数のスロットは、円周方向に配置され、かつ前記溶接端及び前記クラウン端の間で軸方向に前記ステータ本体を通って延在する、ステータ本体と、
複数の巻線であって、各巻線が、位相リード、中性リード、及び複数のコイルを含み、前記複数のコイルが、同層リードコイルを含み、前記同層リードコイルが、前記複数のスロットのうちの複数スロットにわたり、前記同層リードコイルの同層においてそれぞれのスロット内に挿入された2つの脚を含み、前記同層リードコイルが、前記溶接端において前記位相リードを配置し、前記複数のコイルを接合する前記中性リード及び溶接部が全て、前記溶接端において配置されている、複数の巻線と、を備え
それぞれの各巻線が、第1の円周方向に巻かれた順巻線セグメントと、前記第1の円周方向と反対の第2の円周方向に巻かれた逆巻線セグメントと、前記順巻線セグメントを前記逆巻線セグメントに接続する同層ジャンパコイルと、を含み、前記同層ジャンパコイルの各脚が、前記同層ジャンパコイルの同層においてそれぞれのスロット内に差し込まれている、
モータステータ。
【請求項2】
前記位相リードが、それぞれの各巻線の前記同層リードコイルの脚の端にある、請求項1に記載のモータステータ。
【請求項3】
前記順巻線セグメント及び前記逆巻線セグメントは、前記逆巻線セグメントのコイルの脚が、前記順巻線セグメントの対応するコイルの脚に対して1スロット分時計方向にずらされているような、半ずれ状態になっている、請求項に記載のモータステータ。
【請求項4】
前記複数の巻線が、複数位相のために配置され、各位相は、第1の位相巻線のコイルの脚が、第2の位相巻線の対応するコイルの脚に対して1スロット分時計方向にずらされているような、半ずれ状態の一対の巻線を含む、請求項1に記載のモータステータ。
【請求項5】
前記第1の位相巻線のための前記同層リードコイルが、ロングコイルであり、前記第2の位相巻線のための前記同層リードコイルが、ショートコイルであり、前記ショートコイルの脚が、前記同層リードコイルの同層において前記ロングコイルの脚の間に差し込まれている、請求項に記載のモータステータ。
【請求項6】
前記溶接端において配置された母線を更に備え、前記複数の巻線の各々についての前記位相リード、前記中性リード及び溶接部は、前記モータステータの全ての溶接部が前記溶接端において形成されるように、前記溶接端において形成されている、請求項1に記載のモータステータ。
【請求項7】
電気駆動軸であって、
モータであって、
モータロータ、及び
前記モータロータの回転を誘発するように構成されたモータステータであって、
溶接端、クラウン端、及び複数のスロットを含むステータ本体であって、複数のスロットは、円周方向に配置され、かつ前記溶接端と前記クラウン端との間で軸方向に前記ステータ本体を通って延在する、ステータ本体、並びに
複数の巻線であって、各巻線が、位相リード、中性リード、及び複数のコイルを含み、前記複数のコイルが、同層リードコイルを含み、前記同層リードコイルが、前記複数のスロットのうちの複数スロットにわたり、前記同層リードコイルの同層においてそれぞれのスロット内に挿入された2つの脚を含み、前記同層リードコイルが、前記溶接端において前記位相リードを配置し、前記複数のコイルを接合する前記中性リード及び溶接部が全て、前記溶接端において配置されている、複数の巻線、を含む、モータステータを含む、モータと、
前記モータロータに結合された駆動部材と、を備え
それぞれの各巻線が、第1の円周方向に巻かれた順巻線セグメントと、前記第1の円周方向と反対の第2の円周方向に巻かれた逆巻線セグメントと、前記順巻線セグメントを前記逆巻線セグメントに接続する同層ジャンパコイルと、を含み、前記同層ジャンパコイルの各脚が、前記同層ジャンパコイルの同層においてそれぞれのスロット内に差し込まれている、電気駆動軸。
【請求項8】
前記位相リードが、それぞれの各巻線の前記同層リードコイルの脚の端にある、請求項に記載の電気駆動軸。
【請求項9】
前記順巻線セグメント及び前記逆巻線セグメントは、前記逆巻線セグメントのコイルの脚が、前記順巻線セグメントの対応するコイルの脚に対して1スロット分時計方向にずらされているような、半ずれ状態になっている、請求項に記載の電気駆動軸。
【請求項10】
前記複数の巻線が、複数位相のために配置され、各位相が、第1の位相巻線のコイルの脚が、第2の位相巻線の対応するコイルの脚に対して1スロット分時計方向にずらされているような、半ずれ状態の一対の巻線を含む、請求項に記載の電気駆動軸。
【請求項11】
前記第1の位相巻線のための前記同層リードコイルが、ロングコイルであり、前記第2の位相巻線のための前記同層リードコイルが、ショートコイルであり、前記ショートコイルの脚が、前記同層リードコイルの同層において前記ロングコイルの脚の間に差し込まれている、請求項10に記載の電気駆動軸。
【請求項12】
前記溶接端において配置された母線を更に備え、前記複数の巻線の各々についての前記位相リード、前記中性リード及び溶接部が、前記モータステータの全ての溶接部が前記溶接端において形成されるように、前記溶接端において形成される、請求項に記載の電気駆動軸。
【請求項13】
車両であって、
電気駆動軸であって、
モータロータ、及び
前記モータロータの回転を誘発するように構成されたモータステータであって、
溶接端、クラウン端、及び複数のスロットを含むステータ本体であって、前記複数のスロットは、円周方向に配置され、かつ前記溶接端と前記クラウン端との間で軸方向に前記ステータ本体を通って延在する、ステータ本体、並びに
複数の巻線であって、各巻線が、位相リード、中性リード、及び複数のコイルを含み、前記複数のコイルが、同層リードコイルを含み、前記同層リードコイルが、前記複数のスロットのうちの複数スロットにわたり、前記同層リードコイルの同層においてそれぞれのスロット内に挿入された2つの脚を含み、前記同層リードコイルが、前記溶接端において前記位相リードを配置し、前記複数のコイルを接合する前記中性リード及び溶接部が全て、前記溶接端において配置されている、複数の巻線を含む、モータステータを含む、電気駆動軸と、
前記モータロータに結合された駆動部材と、
前記駆動部材に結合され、前記駆動部材によって駆動されるように構成された車輪と、を備え
それぞれの各巻線が、第1の円周方向に巻かれた順巻線セグメントと、前記第1の円周方向と反対の第2の円周方向に巻かれた逆巻線セグメントと、前記順巻線セグメントを前記逆巻線セグメントに接続する同層ジャンパコイルと、を含み、前記同層ジャンパコイルの各脚が、前記同層ジャンパコイルの同層においてそれぞれのスロット内に差し込まれている、車両。
【請求項14】
前記位相リードが、それぞれの各巻線の前記同層リードコイルの脚の端にある、請求項13に記載の車両。
【請求項15】
前記順巻線セグメント及び前記逆巻線セグメントは、前記逆巻線セグメントのコイルの脚が、前記順巻線セグメントの対応するコイルの脚に対して1スロット分時計方向にずらされているような、半ずれ状態になっている、請求項13に記載の車両。
【請求項16】
前記複数の巻線が、複数位相のために配置され、各位相は、第1の位相巻線のコイルの脚が、第2の位相巻線の対応するコイルの脚に対して1スロット分時計方向にずらされているような、半ずれ状態の一対の巻線を含む、請求項13に記載の車両。
【請求項17】
前記第1の位相巻線のための前記同層リードコイルが、ロングコイルであり、前記第2の位相巻線のための前記同層リードコイルが、ショートコイルであり、前記ショートコイルの脚が、前記同層リードコイルの同層において前記ロングコイルの脚の間に差し込まれている、請求項16に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、電気モータに関する。より具体的には、本開示は、半ずれ巻線レイアウトと、片側位相、中性及びコイル接続溶接部とを含む電気モータのモータステータに関する。
【0002】
モータステータは、その中に複数巻線を含み、複数巻線は、複数巻線の形成のためにかなりの数の溶接部、及びコイルタイプなどを必要とする。形成する必要があるかなりの数のコイルタイプ及び溶接部に起因して、製造プロセスは時間がかかる。更に、各溶接部は、抵抗損失の可能性及び巻線の潜在的な故障点である。
【0003】
本紹介は、例示的な環境状況としてのみ提供されており、いかなる方法でも限定的であると解釈されるべきではない。本開示の原理は、他の環境状況で等しく適用され得る。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、概して、所与の位相の対応する巻線が1つのスロットだけ互いにオフセットされている半ずれ巻線レイアウトを提供する。各巻線は、位相リードを含む、その端において同層リードコイルを含み、同層リードコイルは、位相リードがモータステータ/ステータ本体の溶接端で終端するように、位相リードを含む端において巻線長さだけ延長する。中性リードはまた、モータステータ/ステータ本体の溶接端で終端するように構成されている。したがって、ステータモータの全ての接続部/溶接部は、モータステータの同じ(溶接端)側に形成され、これにより、スタックの両側の固定具コイル溶接部の必要性を排除し、エポキシ適用を単一のステップに低減することによって、製造プロセスが簡素化される。更に、同層リードコイルを有する半ずれ巻線レイアウトにより、溶接接続部が排除され、他のモータステータ構成と比較して固有のコイルタイプの数が減少し、これらの溶接点における抵抗損失の可能性が低減し、これらの潜在的な故障点が排除される。
【0005】
1つの例示的な実施形態では、本開示は、モータ用のモータステータを提供する。モータステータは、ステータ本体及び複数の巻線を含む。ステータ本体は、溶接端、クラウン端、及び複数のスロットを含み、複数のスロットは、円周方向に配置され、溶接端とクラウン端との間で軸方向にステータ本体を通って延在する。各巻線は、位相リード、中性リード、及び複数のコイルを含む。複数のコイルは、同層リードコイルを含み、同層リードコイルは、複数のスロットのうちの複数スロットにわたり、同層リードコイルの同層においてそれぞれのスロット内に挿入された2つの脚を含む。同層リードコイルは、溶接端において位相リードを配置する。複数のコイルを接合する中性リード及び溶接部は、全て溶接端において配置されている。
【0006】
別の例示的な実施形態では、本開示は、電気駆動軸(アクスル)を提供する。電気駆動軸は、モータ及び駆動部材を含む。モータは、モータロータ及びモータステータを含む。モータステータは、ステータ本体及び複数の巻線を含む。ステータ本体は、溶接端、クラウン端、及び複数のスロットを含み、複数のスロットは、円周方向に配置され、溶接端とクラウン端との間で軸方向にステータ本体を通って延在する。各巻線は、位相リード、中性リード、及び複数のコイルを含む。複数のコイルは、同層リードコイルを含み、同層リードコイルは、複数のスロットのうちの複数スロットにわたり、同層リードコイルの同層においてそれぞれのスロット内に挿入された2つの脚を含む。同層リードコイルは、溶接端において位相リードを配置する。複数のコイルを接合する中性リード及び溶接部は、全て溶接端において配置されている。駆動部材は、モータロータに結合されている。
【0007】
更なる例示的な実施形態では、本開示は、車両を提供する。車両は、電気駆動軸、駆動部材、及び車輪を含む。電気駆動軸は、モータを含む。モータは、モータロータ及びモータステータを含む。モータステータは、ステータ本体及び複数の巻線を含む。ステータ本体は、溶接端、クラウン端、及び複数のスロットを含み、複数のスロットは、円周方向に配置され、溶接端とクラウン端との間で軸方向にステータ本体を通って延在する。各巻線は、位相リード、中性リード、及び複数のコイルを含む。複数のコイルは、同層リードコイルを含み、同層リードコイルは、複数のスロットのうちの複数スロットにわたり、同層リードコイルの同層においてそれぞれのスロット内に挿入された2つの脚を含む。同層リードコイルは、溶接端において位相リードを配置する。複数のコイルを接合する中性リード及び溶接部は、全て溶接端において配置されている。駆動部材は、モータロータに結合されている。車輪は、駆動部材に結合され、駆動部材によって駆動されるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示は、様々な図面を参照して本明細書に例示及び説明され、同様の参照番号が、必要に応じて同様のシステム構成要素/方法ステップを示すために使用される。
図1】本開示の実施形態による、電気駆動軸の斜視図である。
図2図1の電気駆動軸の部分切断図の斜視図である。
図3】本開示の実施形態による、モータステータのクラウン端の斜視図である。
図4図3のモータステータの溶接端の斜視図である。
図5図3のモータステータの側面図である。
図6】本開示のいくつかの実施形態による、異なる数の導体層を有するスロット配置の概略図である。
図7】本開示の実施形態による、その第1の位相巻線を強調するモータステータの斜視図である。
図8】本開示の実施形態による、その第2の位相巻線を強調するモータステータの斜視図である。
図9】本開示の実施形態による、その第3の位相巻線を強調するモータステータの斜視図である。
図10】本開示の実施形態による、その第4の位相巻線を強調するモータステータの斜視図である。
図11】本開示の実施形態による、第1及び第2の位相巻線の中性リードを示す巻線図である。
図12】本開示の実施形態による、第1及び第2の位相巻線の位相リードを示す巻線図である。
図13】本開示の実施形態による、第3及び第4の位相巻線の中性リードを示す巻線図である。
図14】本開示の実施形態による、第3及び第4の位相巻線の位相リードを示す巻線図である。
図15】モータのモータステータを組み立てるための方法である。
図16】本開示の車両の1つの例示的な実施形態の概略図である。
図17】本開示の車両の別の例示的な実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
再び、本開示は、概して、所与の位相の対応する巻線が1つのスロットによって互いにオフセットされている半ずれ巻線レイアウトを提供する。各巻線は、位相リードを含む、その端において同層リードコイルを含み、同層リードコイルは、位相リードがモータステータ/ステータ本体の溶接端で終端するように、位相リードを含む端において巻線長さだけ延長する。中性リードはまた、モータステータ/ステータ本体の溶接端で終端するように構成されている。したがって、ステータモータの全ての接続部/溶接部は、モータステータの同じ(溶接端)側に形成され、これにより、スタックの両側での固定具コイル溶接部の必要性が排除し、エポキシ適用を単一のステップに低減することによって、製造プロセスが簡素化される。
【0010】
以下で更に詳細に説明するように、様々な実施形態では、各巻線は、同層ジャンパコイルによって直列に接続された2つの巻線セグメントを含む。巻線セグメントは、半ずれ状態になっており(脚は同層にあり、1スロット分オフセットされている)、向かい合う方位/円周方向に延在する。巻線セグメントのうちの1つは、位相リードと、ずれレイアウトを越えて延在する同層リードコイルと、を含む。同層リードコイルを有するこの半ずれ巻線レイアウトの組み合わせにより、溶接接続部が排除され、他のモータステータ構成と比較して固有のコイルタイプの数が減少し、これらの溶接点における抵抗損失の可能性が低減し、これらの潜在的な故障点が排除される。
【0011】
図1は、電気駆動軸100の斜視図である。図2は、図1の電気駆動軸の部分切断図の斜視図である。ここで図1及び図2を参照すると、様々なものにおいて、電気駆動軸(e駆動軸)100は、電気自動車用の電気モータの電気駆動軸である。電気自動車用のe駆動軸100の例は、例示のためにのみ与えられ、限定されるものではないことが理解されよう。電気自動車のためのe駆動軸100のそのような制限は意図されておらず、推測されるべきではないことも理解されよう。
【0012】
e駆動軸100は、モータ110を含む。モータ110は、特定の用途に望まれるような任意のタイプの電気モータであってよいことが理解されるであろう。例えば、いくつかの実施形態では、モータ110は、交流(AC)モータであり得、いくつかの他の実施形態では、モータ110は、直流(DC)電気モータであり得る。モータ110がACモータである実施形態では、モータ110は、特定の用途に望まれるような任意のタイプのACモータ、例えば、限定されないが、単相又は多相のいずれかの誘導モータ(非同期モータとしても知られている)及びリラクタンス又はヒステリシスのいずれかの同期モータであってもよい。モータ110がDCモータである実施形態において、モータ110は、限定されないが、永久磁石DCモータ、直列DCモータ、シャントDCモータ、及び複合DCモータなど、特定の用途に望まれる任意のタイプのDCモータであってよい。簡潔にするために、モータ110のためのACモータの非限定的な例示的な例が、例示の目的のみで限定されないように本明細書に提供される。しかしながら、モータ110は、(任意のタイプの)ACモータに限定されず、いくつかの実施形態では、DCモータであり得ることが再び強調される。
【0013】
モータ110は、モータステータ130及びモータロータ120を含む。モータロータ120は、モータステータ130に対して回転するように適合されている。
【0014】
様々な実施形態では、e駆動軸はまた、油ポンプ、油フィルタ102、及び熱交換器104を含む。様々な実施形態では、油ポンプは、油貯留槽に流体的に結合され、油貯留槽から油を引き出すように適合されている。油ポンプは、特定の用途に望まれるような任意のタイプの好適な油ポンプであり得る。油は、モータステータ130の巻線131など、モータステータ130に送達される前に、フィルタ102を通して、かつ熱交換器104を通してポンプ輸送される。様々な実施形態では、油フィルタ103は、油ポンプ及びモータ110から移動する油を濾過するように構成されている。油フィルタ102は、特定の用途に望まれるような任意のタイプの好適な油フィルタであり得る。
【0015】
様々な実施形態では、熱交換器104は、油ポンプから加熱された油を受け取り、油をモータ110に戻す前に油から熱を排除するように適合されている。熱交換器104は、限定するものではないが、チューブアンドシェル熱交換器、クロスフロー熱交換器、逆流熱交換器、プレート熱交換器などの、特定の用途に望まれるような任意のタイプの熱交換器であり得る。
【0016】
図3は、本開示の実施形態による、モータステータ130のクラウン端140の斜視図である。図4は、図3のモータステータ130の溶接端150の斜視図である。図5は、図3のモータステータ130の側面図である。図3図5を参照すると、様々な実施形態では、モータステータ130は、ステータ本体135、溶接端150、クラウン端140、巻線131、及び母線115を含む。実施形態では、母線は、端子116を含む。
【0017】
様々な実施形態では、モータステータ130は、巻線131内の同層リードコイルを含む半ずれ位相レイアウトを含み、これにより、全ての電気経路がモータステータ130の溶接端150上で始まり、終了する。したがって、図4及び図5に見られるように、巻線131を形成するためにコイルの端を共に接合する溶接部133、母線115との溶接部、特に、端子116との電気的接続部を含む、モータステータ130の全ての溶接部は、溶接端150上に形成されている。図3に見られるように、図示の実施形態では、クラウン端140は、いかなる溶接部も含まない。
【0018】
実施形態では、端子116は、モータ110のそれぞれの位相(例えば、A、B、及びC)に結合されるように構成されている(例えば、図示のように三相、四極)。ステータ本体135は、複数スロット(例えば、複数のステータ歯の間に配置された48個の円周方向に配置されたスロット、図6を参照)を含み、各スロットは、複数層を含む(図6を参照)。巻線レイアウト内の層の数は、(例えば、半径方向に積層されている)各スロット内の導体の数によって定義される。いくつかの配置では、全ての導体は、1つの層を構成する。図示の実施形態では、スロットは10個の層を含み、層は半径方向に配置されている(図6を参照)。
【0019】
様々な実施形態では、各巻線131は、共に溶接された複数コイル132を含み、溶接部133は、モータステータ130の溶接端150上に配置され、形成されている。実施形態では、コイル132は、ヘアピンなどのワイヤである。各コイル132は、一般に、コイル132がクラウン端140から挿入され、コイル132の各脚がその層のうちの1つにおいてスロットのうちの1つ内に挿入され、そのリード端が溶接端150においてステータ本体135から延在するように、ステータ本体135を通って軸方向に延在する2つの脚134を含む。複数コイル132は、スロット内に配置される(例えば、溶接部134で互いに合流する)。例えば、コイル132は、例えば、(i)半径方向の位置(例えば、1-2、3-4、5-6、7-8、9-10などの層対を形成する、第1の層及び第2の層にそれぞれ嵌合するように構成された2つの脚)において、かつ(ii)所定のピッチ(例えば、コイル132のスロット数幅)にわたって、2つのそれぞれのスロット内に嵌合するように構成された2つの脚134を含み得る。したがって、様々な実施形態では、コイル132の全てがステータ本体135の溶接端150からリード端が延在するように挿入された状態で、全ての溶接部が、母線115との接続部を含む溶接端150上に形成される。
【0020】
例示的な巻線Bl、B2、B3、及びB4は、図7図10における明確さのために単独で示されており、(例えば、4つの半ずれ巻線Bl、B2、B3、及びB4について)モータステータ130のいくつかの位相の例示的な配線概略図が図11図14に示されている。いくつかの実施形態では、コイル132は、スパンと層対にわたって延在する標準コイル(例えば、共通の形状を有するコイル132)と、順方向巻線と逆方向巻線を接続するための同層巻線ジャンパと、を含む。コイル132はまた、同層リードコイルを含む。
【0021】
巻線ピッチ(又は「スパン」)は、コイル132の一方の脚134がコイル132の他方の脚134から離れている数を指す。例えば、コイル132は、コイル132が広がるスロットの数が、極数(例えば、一体型スロットマシンの場合は典型的には整数)で割ったスロット数に等しい「フルピッチ」分延在し得る。コイル132は、しばしば「ショート」と呼ばれる「ショートピッチ」分延在することができ、これは、コイル132が広がるスロットの数が振るピッチ未満である場合である。コイル132はまた、しばしば「ロング」と呼ばれる「ロングピッチ」分延在することができ、これは、コイル132が広がるスロットの数が振るピッチを超える場合である。巻線131を並列に接続するとき、多くの巻線配置では、いくつかのピッチである、標準的なピッチ(フルピッチ)、ショートピッチ、及び(時には)ロングピッチを作製するために、全ての層にコイル132が必要となる。
【0022】
様々な実施形態では、巻線131は、直列に接続された順巻線及び逆巻線を含む。例えば、本開示の前方巻線及び逆巻線は、(例えば、並列接続部の数に応じて、図6を参照)層内の全てのスロットを占有するか、又は全ての層のスロットを部分的に占有することができる。順巻線は、(例えば、同層ジャンパを介して)逆巻線に接続することができ、順巻線及び逆巻線は、互いに半ずれの様式で相補的である。本開示のアプローチは、層対の標準的な形状(例えば、フルピッチコイル)を利用し、したがって、巻線レイアウトにおける異なる形状の数を低減する。例えば、同じ巻線レイアウトを順巻線の全てに適用することができ、同層ジャンプ後に、半ずれ巻線レイアウトを有する逆巻線に接続される。順巻線と逆巻線とを組み合わせることにより、巻線を完全にバランスさせ、コイル形状の数を低減することができる。更に、以下で更に詳細に説明するように、短い同層リードコイル及び長い同層リードコイルは、位相リードがモータステータ130の溶接端150上にあることを確実にする、巻線の位相リード端において配置される。
【0023】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、異なる数の導体層を有するスロット配置の概略図である。特に、図6は、本開示のいくつかの実施形態による、異なる数の導体層を有するモータステータ160の例示的なスロット配置の3つの端面図(例えば、パネル600、630、及び650)の部分を示す。
【0024】
パネル600を参照すると、6つの導体層を有するスロット配置が示されている(スロット当り6つの導体)。パネル630を参照すると、8つの導体層を有するスロット配置が示されている(スロット当り8つの導体)。パネル650を参照すると、10個の導体層を有するスロット配置が示されている(スロット当り10個の導体)。参照のために、パネル600、630、650の各々において、方位方向(例えば、スロットインデックス付けの方向)及び半径方向(例えば、層インデックス付けの方向)が示されている。図示された実施形態における方位方向は、周方向(例えば、図示のモータステータ130の端を見ているときの時計回り方向)に延在する。図示の実施形態では、スロット601~605の層は、半径方向外向きの方向にインデックス付けされている。したがって、(同層を有する巻線131のコイル132は、2つの異なるスロット601~606を通過する一方で、同じ半径方向にインデックス付けされた位置(又は層)も通過するコイルである。
【0025】
パネル600、630、及び650の各々において、図3図5の巻線131などのいくつかの巻線が、3相分(例えば、位相Aの部分が繰り返されるが、電流の流れの向きが反対)示されている。図示されるように、パネル600、630、及び650の各配置は、スロット601~606と、隣接するスロットの間に配置されたステータ歯611~615と、を含む。パネル600、630、及び650の各々において、いくつかの巻線が、3相分(例えば、位相Aの部分が繰り返されるが、電流の流れの向きが反対)示されている。パネル600、630、及び650の各々に示されるように、各位相の巻線は、図示されているスロットのうちの3つの間に分散され、ここでスロットは、3つのスロットのうちの2つについて他の位相と共有される。図示されるように、第1の極性の位相Aの巻線(例えば、図示されるようなページの中又は外への電流)は、スロット601及び602に含まれ、反対の極性を有する位相Aの巻線は、スロット606に含まれる。図示されるように、第1の極性の位相Bの巻線は、スロット602、603、及び604に含まれる。図示されるように、第1の極性の位相Cの巻線は、スロット604、605、及び606に含まれる。層間の3つのスロットの間の巻線のずれ(例えば、パネル600のスロット601、602、及び606間の位相Aの巻線の半径方向のずれ、及び位相B及び位相Cも同様)は、5次及び7次の巻線高調波を低下させ、結果として、モータ騒音の原因となるトルクリップルを低下させることができる。いくつかの実施形態では、図6には示されていないが、各位相の巻線は、これらのスロットの各々内に位相の共有がない2つのスロット内に分散され得る。例示するため、後者は、製造理由のために好ましい場合があるが、いくつかの状況では、モータにおけるより高い空間高調波を犠牲にしている。
【0026】
図7は、本開示の実施形態による、モータステータ130の斜視図であり、その第1の位相巻線131が強調表示されている。図8は、本開示の実施形態による、モータステータ130の斜視図であり、その第2の位相巻線131が強調表示されている。図9は、本開示の実施形態による、モータステータ130の斜視図であり、その第3の位相巻線131が強調表示されている。図10は、本開示の実施形態による、モータステータ130の斜視図であり、その第4の位相巻線131が強調表示されている。図7図10を参照すると、位相Bの巻線(131)B1(第1の位相巻線、図7)、B2(第2の位相巻線、図8)、B3(第3の位相巻線、図9)、及びB4(第4の位相巻線、図10)は、それぞれ図7図10で分離して示されている。
【0027】
様々な実施形態では、巻線131の各々は、順巻線セグメント136、逆巻線セグメント137、同層ジャンパコイル139、同層リードコイル138、位相リード128、及び中性リード129を含む。順巻線セグメント136は、第1の方位/円周方向に巻かれ、逆巻線セグメント137は、第1の方位/円周方向に反対の第2の方位/円周方向に巻かれる。順巻線セグメント136及び逆巻線セグメント137は、同層ジャンパコイル139を介して接続される。同層ジャンパコイル139は、同層ジャンパコイル139の各脚が同層ジャンパコイル139の同層においてそれぞれのスロットに差し込まれている、標準的、ロング、ショートピッチを含むことができる。順巻線セグメント136及び逆巻線セグメント137の各々は、溶接端150において、溶接などを介して共に接合された複数コイル132から形成される。
【0028】
様々な実施形態では、順巻線セグメント136及び逆巻線セグメント137は、逆巻線セグメント137のコイル132の脚が、順巻線セグメント136の対応するコイル132の脚に対して1スロット分時計方向にずらされているような、半ずれ状態になっている。
【0029】
各巻線131の同層リードコイル138は、位相リード128に隣接するように、巻線131の端に配置されている。同層リードコイル138は、各位相の電気経路が溶接端150上で始まり、かつ終わるように構成されている(位相リード128及び中性リード129)。したがって、実施形態では、各巻線131は、位相リード128、中性リード129、及び複数コイル132を含む。コイル132は各々、同層リードコイル138を含み、同層リードコイル138は、複数スロットにわたり、同層リードコイル138の同層においてそれぞれのスロットに挿入された2つの脚134を含む。再び、同層リードコイル138は、溶接端150において位相リード128を配置する。コイル132を接合する中性リード129及び溶接部133は全て、溶接端150において配置されている。全ての接続部/溶接部を同じ側に保つことにより、製造プロセスが大幅に簡略化され、これにより、スタックの両側の固定具コイル接続部/溶接部の必要性が排除され、エポキシ適用を単一のステップに低減することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、巻線131(B1、B2、B3、B4)の各々は、半ずれ方位シフトを可能にするように適合されたジャンパコイル127を含む。特に、1つのジャンパコイル127は、順巻線セグメント136のシフトを引き起こし、他方は、逆巻線セグメント137のシフトを引き起こす。図示の実施形態では、ジャンパコイル127は各々、5つのスロットに広がる。
【0031】
図11は、本開示の実施形態による、第1及び第2の位相巻線B1、B2の中性リード129を示す巻線図である。図12は、本開示の実施形態による、第1及び第2の位相巻線B1、B2の位相リード128を示す巻線図である。図11及び図12を参照すると、いくつかの実施形態では、第1及び第2の位相巻線B1及びB2の巻線ピッチは、6スロットである。第1及び第2の位相巻線Bl及びB2の各々についての同層リードコイル138は、その位相端において配置されている。いくつかの実施形態では、その同層リードコイル138の脚のうちの1つは、それぞれの位相巻線B1、B2の位相リード128を形成する。
【0032】
図示の実施形態では、第1の位相巻線B1の同層リードコイル138は、ロングピッチを含み、一方で、第2の位相巻線B2の同層リードコイル138は、ショートピッチを含む。図12に示される実施形態では、第2の位相巻線B2の同層リードコイル138の各脚132のスロットは、第1の位相巻線B1の同層リードコイル138の各脚132のスロットに対して1スロット分オフセットされ、それにより、第2の位相巻線B2の両脚132は、第1の位相巻線B1の脚132の間に配置される。
【0033】
再び、図11及び図12に見られるように、位相リード128及び中性リード129の両方は、ステータ130/ステータ本体135の溶接端150にある。
【0034】
図13は、本開示の実施形態による、第3及び第4の位相巻線B3、B4の中性リード129を示す巻線図である。図14は、本開示の実施形態による、第3及び第4の位相巻線B3、B4の位相リード128を示す巻線図である。図13及び図14を参照すると、いくつかの実施形態では、第3及び第4の位相巻線B3及びB4の巻線ピッチは、6スロットである。第3及び第4の位相巻線B3及びB4の各々についての同層リードコイル138は、その位相端において配置されている。いくつかの実施形態では、その同層リードコイル138の脚のうちの1つは、それぞれの位相巻線B3、B4の位相リード128を形成する。
【0035】
図示の実施形態では、第3の位相巻線B3の同層リードコイル138は、ロングピッチを含み、一方で、第4の位相巻線B2の同層リードコイル138は、ショートピッチを含む。図14に示される実施形態では、第4の位相巻線B4の同層リードコイル138の各脚132のスロットは、第3の位相巻線B3の同層リードコイル138の各脚132のスロットに対して1スロット分オフセットされ、それにより、第4の位相巻線B4の両脚132は、第3の位相巻線B1の脚132の間に配置される。
【0036】
再び、図13及び図14に見られるように、位相リード128及び中性リード129の両方は、ステータ130/ステータ本体135の溶接端150にある。
【0037】
図7図14は、モータステータ130の巻線131の位相Bの位相巻線B1~B4の実施形態を説明しているが、様々な実施形態では、位相Aの位相巻線A1~A4及び位相Cの位相巻線C1~C4は、位相セグメント138、139を有する巻線131、モータステータ130/ステータ本体135の溶接端150における位相リード128及び中性リード129、同層リードコイル138、同層ジャンパコイル139などを含むように同様に構成されている。
【0038】
図15は、モータ110のモータステータ130を組み立てるための方法1500である。この方法は、溶接端、クラウン端、及び円周方向に配置され、ステップ1502で溶接端とクラウン端との間で軸方向にステータ本体を通って延在する複数のスロットを含むステータ本体を提供することを含む。この方法はまた、ステップ1504でステータ本体の周囲に巻線を形成することを含む。巻線の各々は、位相リード、中性リード、及び複数コイルを含む。複数コイルは、同層リードコイルを含み、同層リードコイルは、複数のスロットのうちの複数スロットにわたり、同層リードコイルの同層においてそれぞれのスロット内に挿入された2つの脚を含む。同層リードコイルは、溶接端において位相リードを配置する。複数コイルを接合する中性リード及び溶接部は、全て溶接端において配置されている。
【0039】
方法のいくつかの実施形態では、位相リードは、それぞれの各巻線の同層リードコイルの脚の端にある。
【0040】
この方法のいくつかの実施形態では、それぞれの各巻線は、第1の方位方向に巻かれた順巻線セグメントと、第1の方位方向と反対の第2の方位方向に巻かれた逆巻線セグメントと、順巻線セグメントを逆巻線セグメントに接続する同層ジャンパコイルと、を含み、同層ジャンパコイルの各脚は、同層ジャンパコイルの同層においてそれぞれのスロットに差し込まれている。これらの実施形態のいくつかでは、順巻線セグメント及び逆巻線セグメントは、逆巻線セグメントのコイルの脚が、順巻線セグメントの対応するコイルの脚に対して1スロット分時計方向にずらされているような、半ずれ状態になっている。
【0041】
本方法のいくつかの実施形態では、複数の巻線は、複数位相のために配置され、各位相は、第1の巻線のコイルの脚が、第2の巻線の対応するコイルの脚に対して1スロット分時計方向にずらされているような、半ずれ状態の一対の巻線を含む。これらの実施形態のいくつかでは、第1の巻線の同層リードコイルは、ロングコイルであり、第2の巻線のための同層リードコイルは、ショートコイルであり、ショートコイルの脚は、その同層においてロングコイルの脚の間に差し込まれている。
【0042】
いくつかの実施形態では、方法は、溶接端において母線を配置し、溶接端において接続部を形成することを更に含む。これらの実施形態では、複数の巻線の各々についての位相リード及び中性リード溶接部は、モータステータの全ての溶接部が溶接端において形成されるように、溶接端において形成される。
【0043】
図16は、本開示の車両10の1つの例示的な実施形態の概略図である。ここで図16を参照すると、様々な実施形態では、車両10は、車両本体12と、少なくとも1つの車輪14のためのドライブトレインに結合されるモータステータ130及びモータロータ120を含む、本開示の少なくとも1つのe駆動軸100によって駆動されるように適合された車両本体12に結合された少なくとも1つの車輪14と、を含む。例えば、図2に示すように、モータロータ120は、モータステータ130に対して回転するように構成されている。
【0044】
図17は、本開示の車両10の別の例示的な実施形態のブロック図である。図17を参照すると、様々な実施形態では、例示的な車両10は、少なくとも1つの駆動部材30、少なくとも1つの推進装置40、及び少なくとも1つのe駆動軸100を含む。実施形態では、少なくとも1つの駆動部材30は、e駆動軸100と一体である。少なくとも1つの推進装置40は、少なくとも1つの駆動部材30に結合されている。電気モータ110は、その単一の側面上の巻線のための全ての溶接部を有するモータステータ130と、モータステータ130に対して回転するように構成されたモータロータ120と、を含む。モータロータ120は、少なくとも1つの駆動部材30に結合されている。
【0045】
しかしながら、車両10は、限定することなく、所望に応じていかなるものであれ、任意のタイプの車両であり得ることが理解されよう。非限定的な例として挙げると、様々な実施形態では、車両10は、電気車両(すなわち、全電気駆動式車両)又はハイブリッド車両であり得る。例えば、非限定的な例として挙げると、様々な実施形態では、車両10は、限定しないが、自動車、トラック、スポーツユーティリティ車両(sport utility vehicle、SUV)、バン、全地形用車両(all-terrain vehicle、ATV)、オートバイ、電動自転車、トラクタ、限定しないが乗用芝刈り機などの芝刈り機、スノーモービル、などのような、図16に示される車両10などの車輪で駆動されるモータ車両、及び/又はトラックを含み得る。更なる非限定的な例として挙げると、様々な実施形態では、車両10は、限定しないが、ボート、船、潜水艦、潜水艇、自律型水中車両(autonomous underwater vehicle、AUV)などのような、船舶を含み得る。更なる非限定的な例として挙げると、様々な実施形態では、車両10は、限定しないが、固定翼航空機、回転翼航空機、及び軽(lighter-than-air、LTA)航空機などの航空機を含み得る。
【0046】
様々な実施形態では、e駆動軸(複数可)100は、その対応する電気モータ(複数可)110を介して車両10を駆動するように構成されている。すなわち、様々な実施形態では、e駆動軸(又は複数のe駆動軸)100は、限定しないが、車輪若しくは複数の車輪、トラック若しくは複数のトラック、プロペラ若しくは複数のプロペラ、プロパルサ若しくは複数のプロパルサ、ロータ若しくは複数のロータなどのような、車両10に関連付けられた任意の推進装置40を駆動する任意の駆動部材30を駆動し得る。
【0047】
例えば、モータ車両におけるいくつかの実施形態では、1つのe駆動軸100及びその対応する電気モータ110が、1つの車輪又はトラックを駆動する駆動軸又はチェーンリングなどの1つの駆動部材30を駆動するように構成され得、モータ車両におけるいくつかの他の実施形態では、1つのe駆動軸100及びその対応する電気モータ110が、2つの車輪又は2つのトラックを回転させる駆動軸を駆動するように構成され得、モータ車両におけるいくつかの他の実施形態では、1つのe駆動軸100及びその対応する電気モータ110が、1つの車輪又は1つのトラックを回転させる駆動軸を駆動するように構成され得、別のe駆動軸100及びその対応する電気モータ110が、別の車輪又は別のトラックを回転させる別の駆動軸を駆動するように構成されている。
【0048】
同様に、船舶におけるいくつかの実施形態では、1つのe駆動軸100及びその対応する電気モータ110が、1つのプロペラ又はプロパルサを駆動するように構成され得、船舶におけるいくつかの他の実施形態では、1つのe駆動軸100及びその対応する電気モータ110が、2つのプロペラ又は2つのプロパルサを回転させるシャフトを駆動するように構成され得、船舶におけるいくつかの他の実施形態では、1つのe駆動軸100及びその対応する電気モータ110が、1つのプロペラ又はプロパルサを回転させるシャフトを駆動するように構成され得、別のe駆動軸100及びその対応する電気モータ110が、別のプロペラ又はプロパルサを回転させる別のシャフトを駆動するように構成され得る。
【0049】
同様に、航空機におけるいくつかの実施形態では、1つのe駆動軸100及びその対応する電気モータ110が、1つのプロペラ又はロータを駆動するように構成され得、航空機におけるいくつかの他の実施形態では、1つのe駆動軸100及びその対応する電気モータ110が、2つのプロペラ又は2つのロータを回転させるシャフトを駆動するように構成され得、航空機におけるいくつかの他の実施形態では、1つのe駆動軸100及びその対応する電気モータ110が、1つのプロペラ又はロータを回転させるシャフトを駆動するように構成され得、別のe駆動軸100及びその対応する電気モータ110が、別のプロペラ又はロータを回転させる別のシャフトを駆動するように構成され得る。
【0050】
本開示は、例示的な実施形態及びその実施例を参照して例示及び説明されるが、他の実施形態及び実施例が同様の機能を実行し、かつ/又は同様の結果を達成することができることは、当業者には容易に明らかであろう。全てのそのような同等の実施形態及び実施例は、本開示の趣旨及び範囲内にあり、それによって企図され、全ての目的のために以下の非限定的な特許請求の範囲によって網羅されることが意図される。 なお、本発明には以下の態様が含まれ得ることを付記する。
[態様1]
モータ用のモータステータであって、
溶接端、クラウン端、及び複数のスロットを含むステータ本体であって、前記複数のスロットは、円周方向に配置され、かつ前記溶接端及び前記クラウン端の間で軸方向に前記ステータ本体を通って延在する、ステータ本体と、
複数の巻線であって、各巻線が、位相リード、中性リード、及び複数のコイルを含み、前記複数のコイルが、同層リードコイルを含み、前記同層リードコイルが、前記複数のスロットのうちの複数スロットにわたり、前記同層リードコイルの同層においてそれぞれのスロット内に挿入された2つの脚を含み、前記同層リードコイルが、前記溶接端において前記位相リードを配置し、前記複数のコイルを接合する前記中性リード及び溶接部が全て、前記溶接端において配置されている、複数の巻線と、を備える、モータステータ。
[態様2]
前記位相リードが、それぞれの各巻線の前記同層リードコイルの脚の端にある、態様1に記載のモータステータ。
[態様3]
それぞれの各巻線が、第1の円周方向に巻かれた順巻線セグメントと、前記第1の円周方向と反対の第2の円周方向に巻かれた逆巻線セグメントと、前記順巻線セグメントを前記逆巻線セグメントに接続する同層ジャンパコイルと、を含み、前記同層ジャンパコイルの各脚が、前記同層ジャンパコイルの同層においてそれぞれのスロット内に差し込まれている、態様1に記載のモータステータ。
[態様4]
前記順巻線セグメント及び前記逆巻線セグメントは、前記逆巻線セグメントのコイルの脚が、前記順巻線セグメントの対応するコイルの脚に対して1スロット分時計方向にずらされているような、半ずれ状態になっている、態様3に記載のモータステータ。
[態様5]
前記複数の巻線が、複数位相のために配置され、各位相は、第1の巻線のコイルの脚が、第2の巻線の対応するコイルの脚に対して1スロット分時計方向にずらされているような、半ずれ状態の一対の巻線を含む、態様1に記載のモータステータ。
[態様6]
前記第1の巻線のための前記同層リードコイルが、ロングコイルであり、前記第2の巻線のための前記同層リードコイルが、ショートコイルであり、前記ショートコイルの脚が、前記同層リードコイルの同層において前記ロングコイルの脚の間に差し込まれている、態様5に記載のモータステータ。
[態様7]
前記溶接端において配置された母線を更に備え、前記複数の巻線の各々についての前記位相リード及び前記中性リード溶接部は、前記モータステータの全ての溶接部が前記溶接端において形成されるように、前記溶接端において形成されている、態様1に記載のモータステータ。
[態様8]
電気駆動軸であって、
モータであって、
モータロータ、及び
前記モータロータの回転を誘発するように構成されたモータステータであって、
溶接端、クラウン端、及び複数のスロットを含むステータ本体であって、複数のスロットは、円周方向に配置され、かつ前記溶接端と前記クラウン端との間で軸方向に前記ステータ本体を通って延在する、ステータ本体、並びに
複数の巻線であって、各巻線が、位相リード、中性リード、及び複数のコイルを含み、前記複数のコイルが、同層リードコイルを含み、前記同層リードコイルが、前記複数のスロットのうちの複数スロットにわたり、前記同層リードコイルの同層においてそれぞれのスロット内に挿入された2つの脚を含み、前記同層リードコイルが、前記溶接端において前記位相リードを配置し、前記複数のコイルを接合する前記中性リード及び溶接部が全て、前記溶接端において配置されている、複数の巻線、を含む、モータステータを含む、モータと、
前記モータロータに結合された駆動部材と、を備える、電気駆動軸。
[態様9]
前記位相リードが、それぞれの各巻線の前記同層リードコイルの脚の端にある、態様1に記載の電気駆動軸。
[態様10]
それぞれの各巻線が、第1の円周方向に巻かれた順巻線セグメントと、前記第1の円周方向と反対の第2の円周方向に巻かれた逆巻線セグメントと、前記順巻線セグメントを前記逆巻線セグメントに接続する同層ジャンパコイルと、を含み、前記同層ジャンパコイルの各脚が、前記同層ジャンパコイルの同層においてそれぞれのスロット内に差し込まれている、態様1に記載の電気駆動軸。
[態様11]
前記順巻線セグメント及び前記逆巻線セグメントは、前記逆巻線セグメントのコイルの脚が、前記順巻線セグメントの対応するコイルの脚に対して1スロット分時計方向にずらされているような、半ずれ状態になっている、態様10に記載の電気駆動軸。
[態様12]
前記複数の巻線が、複数位相のために配置され、各位相が、第1の巻線のコイルの脚が、第2の巻線の対応するコイルの脚に対して1スロット分時計方向にずらされているような、半ずれ状態の一対の巻線を含む、態様1に記載の電気駆動軸。
[態様13]
前記第1の巻線のための前記同層リードコイルが、ロングコイルであり、前記第2の巻線のための前記同層リードコイルが、ショートコイルであり、前記ショートコイルの脚が、前記同層リードコイルの同層において前記ロングコイルの脚の間に差し込まれている、態様12に記載の電気駆動軸。
[態様14]
前記溶接端において配置された母線を更に備え、前記複数の巻線の各々についての前記位相リード及び前記中性リード溶接部が、前記モータステータの全ての溶接部が前記溶接端において形成されるように、前記溶接端において形成される、態様1に記載の電気駆動軸。
[態様15]
車両であって、
電気駆動軸であって、
モータロータ、及び
前記モータロータの回転を誘発するように構成されたモータステータであって、
溶接端、クラウン端、及び複数のスロットを含むステータ本体であって、前記複数のスロットは、円周方向に配置され、かつ前記溶接端と前記クラウン端との間で軸方向に前記ステータ本体を通って延在する、ステータ本体、並びに
複数の巻線であって、各巻線が、位相リード、中性リード、及び複数のコイルを含み、前記複数のコイルが、同層リードコイルを含み、前記同層リードコイルが、前記複数のスロットのうちの複数スロットにわたり、前記同層リードコイルの同層においてそれぞれのスロット内に挿入された2つの脚を含み、前記同層リードコイルが、前記溶接端において前記位相リードを配置し、前記複数のコイルを接合する前記中性リード及び溶接部が全て、前記溶接端において配置されている、複数の巻線を含む、モータステータを含む、電気駆動軸と、
前記モータロータに結合された駆動部材と、
前記駆動部材に結合され、前記駆動部材によって駆動されるように構成された車輪と、を備える、車両。
[態様16]
前記位相リードが、それぞれの各巻線の前記同層リードコイルの脚の端にある、態様15に記載の車両。
[態様17]
それぞれの各巻線が、第1の円周方向に巻かれた順巻線セグメントと、前記第1の円周方向と反対の第2の円周方向に巻かれた逆巻線セグメントと、前記順巻線セグメントを前記逆巻線セグメントに接続する同層ジャンパコイルと、を含み、前記同層ジャンパコイルの各脚が、前記同層ジャンパコイルの同層においてそれぞれのスロット内に差し込まれている、態様15に記載の車両。
[態様18]
前記順巻線セグメント及び前記逆巻線セグメントは、前記逆巻線セグメントのコイルの脚が、前記順巻線セグメントの対応するコイルの脚に対して1スロット分時計方向にずらされているような、半ずれ状態になっている、態様17に記載の車両。
[態様19]
前記複数の巻線が、複数位相のために配置され、各位相は、第1の巻線のコイルの脚が、第2の巻線の対応するコイルの脚に対して1スロット分時計方向にずらされているような、半ずれ状態の一対の巻線を含む、態様15に記載の車両。
[態様20]
前記第1の巻線のための前記同層リードコイルが、ロングコイルであり、前記第2の巻線のための前記同層リードコイルが、ショートコイルであり、前記ショートコイルの脚が、前記同層リードコイルの同層において前記ロングコイルの脚の間に差し込まれている、態様19に記載の車両。

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