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特許7576076ストレージシステム、ストレージシステムにおけるデータ処理方法、及びストレージシステムにおけるデータ処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】ストレージシステム、ストレージシステムにおけるデータ処理方法、及びストレージシステムにおけるデータ処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/06 20060101AFI20241023BHJP
【FI】
G06F3/06 301N
G06F3/06 301Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022212285
(22)【出願日】2022-12-28
(65)【公開番号】P2024095184
(43)【公開日】2024-07-10
【審査請求日】2023-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】524132520
【氏名又は名称】日立ヴァンタラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西野 剛史
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 智洋
(72)【発明者】
【氏名】井出 昌宏
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-102260(JP,A)
【文献】特開2005-346426(JP,A)
【文献】特開2003-345516(JP,A)
【文献】特開2003-058326(JP,A)
【文献】米国特許第06883049(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストレージ装置を備えたストレージシステムであって、
プロセッサと記憶部を有し、
前記プロセッサは、
前記ストレージ装置上に構成されたボリュームを、メインフレーム系サーバに対して提供し、
オープン系サーバで扱うデータを、前記ボリュームにおいて、第1スロット長の第1スロットを単位としてデータ管理し、
前記メインフレーム系サーバで扱うデータを、前記ボリュームにおいて、前記第1スロットに所定数毎に格納した前記第1スロット長よりも短い第2スロット長の第2スロットを単位として管理し、
処理の種別に応じて、前記第1スロット及び前記第2スロットの何れかを単位として該処理を行い、
前記ボリュームにおける前記第1スロットと前記第2スロットとの対応を示すマッピング情報を前記記憶部に記憶させ、
前記メインフレーム系サーバからI/O処理要求を受信した場合に、前記マッピング情報に基づいて、該I/O処理要求の対象データを格納する前記第2スロットを特定し、該対象データを該第2スロットを単位としてI/O処理し、
前記メインフレーム系サーバから受信した書き込みデータの書き込み処理要求を格納する受信フレームに含まれる宛先情報と所定計算式から、該書き込みデータを格納する前記第2スロットのスロット番号を算出し、
前記スロット番号に該当する前記第2スロットが前記記憶部上に構成されるキャッシュメモリに保持されているかの判定を行い、
前記キャッシュメモリに保持されていると判定された場合には、該キャッシュメモリに保持されている前記第2スロットに対して前記書き込みデータの書き込み処理を行い、
前記キャッシュメモリに保持されていないと判定された場合には、前記スロット番号に該当する前記第2スロットを前記ボリュームから取得して該キャッシュメモリに保持し、該キャッシュメモリに保持されている該第2スロットに対して前記書き込みデータの書き込み処理を行う
ことを特徴とするストレージシステム。
【請求項2】
ストレージ装置を備えたストレージシステムであって、
プロセッサと記憶部を有し、
前記プロセッサは、
前記ストレージ装置上に構成されたボリュームを、メインフレーム系サーバに対して提供し、
オープン系サーバで扱うデータを、前記ボリュームにおいて、第1スロット長の第1スロットを単位としてデータ管理し、
前記メインフレーム系サーバで扱うデータを、前記ボリュームにおいて、前記第1スロットに所定数毎に格納した前記第1スロット長よりも短い第2スロット長の第2スロットを単位として管理し、
処理の種別に応じて、前記第1スロット及び前記第2スロットの何れかを単位として該処理を行い、
前記ボリュームにおける前記第1スロットと前記第2スロットとの対応を示すマッピング情報を前記記憶部に記憶させ、
前記メインフレーム系サーバからI/O処理要求を受信した場合に、前記マッピング情報に基づいて、該I/O処理要求の対象データを格納する前記第2スロットを特定し、該対象データを該第2スロットを単位としてI/O処理し、
前記メインフレーム系サーバから受信した読み出しデータの読み出し処理要求を格納する受信フレームに含まれる宛先情報と所定計算式から、該読み出しデータを格納する前記第2スロットのスロット番号を算出し、
前記スロット番号に該当する前記第2スロットが前記記憶部上に構成されるキャッシュメモリに保持されているかの判定を行い、
前記キャッシュメモリに保持されていると判定された場合には、該キャッシュメモリに保持されている前記第2スロットから前記読み出しデータの読み出し処理を行い、
前記キャッシュメモリに保持されていないと判定された場合には、前記スロット番号に該当する前記第2スロットを前記ボリュームから取得して該キャッシュメモリに保持し、該キャッシュメモリに保持されている該第2スロットから前記読み出しデータの読み出し処理を行う
ことを特徴とするストレージシステム。
【請求項3】
ストレージ装置を備えたストレージシステムであって、
プロセッサと記憶部を有し、
前記プロセッサは、
前記ストレージ装置上に構成されたボリュームを、メインフレーム系サーバに対して提供し、
オープン系サーバで扱うデータを、前記ボリュームにおいて、第1スロット長の第1スロットを単位としてデータ管理し、
前記メインフレーム系サーバで扱うデータを、前記ボリュームにおいて、前記第1スロットに所定数毎に格納した前記第1スロット長よりも短い第2スロット長の第2スロットを単位として管理し、
処理の種別に応じて、前記第1スロット及び前記第2スロットの何れかを単位として該処理を行い、
前記ボリュームにおける前記第1スロットと前記第2スロットとの対応を示すマッピング情報を前記記憶部に記憶させ、
前記メインフレーム系サーバからI/O処理要求を受信した場合に、前記マッピング情報に基づいて、該I/O処理要求の対象データを格納する前記第2スロットを特定し、該対象データを該第2スロットを単位としてI/O処理し、
前記第1スロットから構成されるオープン系ボリュームを前記ストレージ装置上に作成し、
作成した前記オープン系ボリュームをプール化し、
プール化した前記オープン系ボリュームから、前記第1スロットに前記所定数毎に格納される前記第2スロットから構成されるメインフレーム系ボリュームを作成し、
前記オープン系ボリュームにおける前記第1スロットの範囲を作成し、
前記オープン系ボリュームにおいて前記第2スロットを、他の前記メインフレーム系ボリュームの前記第2スロットと混在せず、連続するように確保し、
確保した前記第2スロットと、前記第1スロットの範囲との対応を示す前記マッピング情報を作成する
ことを特徴とするストレージシステム。
【請求項4】
ストレージ装置を備えたストレージシステムであって、
プロセッサと記憶部を有し、
前記プロセッサは、
前記ストレージ装置上に構成されたボリュームを、メインフレーム系サーバに対して提供し、
オープン系サーバで扱うデータを、前記ボリュームにおいて、第1スロット長の第1スロットを単位としてデータ管理し、
前記メインフレーム系サーバで扱うデータを、前記ボリュームにおいて、前記第1スロットに所定数毎に格納した前記第1スロット長よりも短い第2スロット長の第2スロットを単位として管理し、
処理の種別に応じて、前記第1スロット及び前記第2スロットの何れかを単位として該処理を行い、
前記ボリュームにおける前記第1スロットと前記第2スロットとの対応を示すマッピング情報を前記記憶部に記憶させ、
前記メインフレーム系サーバからI/O処理要求を受信した場合に、前記マッピング情報に基づいて、該I/O処理要求の対象データを格納する前記第2スロットを特定し、該対象データを該第2スロットを単位としてI/O処理し、
前記ストレージ装置に対する前記I/O処理とは異なる前記第2スロットを対象とする所定機能の処理に際し、前記マッピング情報を参照し、該第2スロットを格納する前記第1スロットを特定し、特定した該第1スロットを単位として該処理を行い、
前記所定機能は、Thin Image、Global Active Device、Adaptive Data Reduction、又はREST APIの少なくとも何れかを含む
ことを特徴とするストレージシステム。
【請求項5】
ストレージ装置を備えたストレージシステムが実行するストレージシステムにおけるデータ処理方法であって、
前記ストレージシステムは、プロセッサと記憶部を有し、
前記プロセッサが、
前記ストレージ装置上に構成されたボリュームを、メインフレーム系サーバに対して提供し、
オープン系サーバで扱うデータを、前記ボリュームにおいて、第1スロット長の第1スロットを単位としてデータ管理し、
前記メインフレーム系サーバで扱うデータを、前記ボリュームにおいて、前記第1スロットに所定数毎に格納した前記第1スロット長よりも短い第2スロット長の第2スロットを単位として管理し、
処理の種別に応じて、前記第1スロット及び前記第2スロットの何れかを単位として該処理を行い、
前記ボリュームにおける前記第1スロットと前記第2スロットとの対応を示すマッピング情報を前記記憶部に記憶させ、
前記メインフレーム系サーバからI/O処理要求を受信した場合に、前記マッピング情報に基づいて、該I/O処理要求の対象データを格納する前記第2スロットを特定し、該対象データを該第2スロットを単位としてI/O処理し、
前記メインフレーム系サーバから受信した書き込みデータの書き込み処理要求を格納する受信フレームに含まれる宛先情報と所定計算式から、該書き込みデータを格納する前記第2スロットのスロット番号を算出し、
前記スロット番号に該当する前記第2スロットが前記記憶部上に構成されるキャッシュメモリに保持されているかの判定を行い、
前記キャッシュメモリに保持されていると判定された場合には、該キャッシュメモリに保持されている前記第2スロットに対して前記書き込みデータの書き込み処理を行い、
前記キャッシュメモリに保持されていないと判定された場合には、前記スロット番号に該当する前記第2スロットを前記ボリュームから取得して該キャッシュメモリに保持し、該キャッシュメモリに保持されている該第2スロットに対して前記書き込みデータの書き込み処理を行う
各処理を含んだことを特徴とするデータ処理方法。
【請求項6】
ストレージ装置を備えたストレージシステムが実行するストレージシステムにおけるデータ処理方法であって、
前記ストレージシステムは、プロセッサと記憶部を有し、
前記プロセッサが、
前記ストレージ装置上に構成されたボリュームを、メインフレーム系サーバに対して提供し、
オープン系サーバで扱うデータを、前記ボリュームにおいて、第1スロット長の第1スロットを単位としてデータ管理し、
前記メインフレーム系サーバで扱うデータを、前記ボリュームにおいて、前記第1スロットに所定数毎に格納した前記第1スロット長よりも短い第2スロット長の第2スロットを単位として管理し、
処理の種別に応じて、前記第1スロット及び前記第2スロットの何れかを単位として該処理を行い、
前記ボリュームにおける前記第1スロットと前記第2スロットとの対応を示すマッピング情報を前記記憶部に記憶させ、
前記メインフレーム系サーバからI/O処理要求を受信した場合に、前記マッピング情報に基づいて、該I/O処理要求の対象データを格納する前記第2スロットを特定し、該対象データを該第2スロットを単位としてI/O処理し、
前記メインフレーム系サーバから受信した読み出しデータの読み出し処理要求を格納する受信フレームに含まれる宛先情報と所定計算式から、該読み出しデータを格納する前記第2スロットのスロット番号を算出し、
前記スロット番号に該当する前記第2スロットが前記記憶部上に構成されるキャッシュメモリに保持されているかの判定を行い、
前記キャッシュメモリに保持されていると判定された場合には、該キャッシュメモリに保持されている前記第2スロットから前記読み出しデータの読み出し処理を行い、
前記キャッシュメモリに保持されていないと判定された場合には、前記スロット番号に該当する前記第2スロットを前記ボリュームから取得して該キャッシュメモリに保持し、該キャッシュメモリに保持されている該第2スロットから前記読み出しデータの読み出し処理を行う
各処理を含んだことを特徴とするデータ処理方法。
【請求項7】
ストレージ装置を備えたストレージシステムが実行するストレージシステムにおけるデータ処理方法であって、
前記ストレージシステムは、プロセッサと記憶部を有し、
前記プロセッサが、
前記ストレージ装置上に構成されたボリュームを、メインフレーム系サーバに対して提供し、
オープン系サーバで扱うデータを、前記ボリュームにおいて、第1スロット長の第1スロットを単位としてデータ管理し、
前記メインフレーム系サーバで扱うデータを、前記ボリュームにおいて、前記第1スロットに所定数毎に格納した前記第1スロット長よりも短い第2スロット長の第2スロットを単位として管理し、
処理の種別に応じて、前記第1スロット及び前記第2スロットの何れかを単位として該処理を行い、
前記ボリュームにおける前記第1スロットと前記第2スロットとの対応を示すマッピング情報を前記記憶部に記憶させ、
前記メインフレーム系サーバからI/O処理要求を受信した場合に、前記マッピング情報に基づいて、該I/O処理要求の対象データを格納する前記第2スロットを特定し、該対象データを該第2スロットを単位としてI/O処理し、
前記第1スロットから構成されるオープン系ボリュームを前記ストレージ装置上に作成し、
作成した前記オープン系ボリュームをプール化し、
プール化した前記オープン系ボリュームから、前記第1スロットに前記所定数毎に格納される前記第2スロットから構成されるメインフレーム系ボリュームを作成し、
前記オープン系ボリュームにおける前記第1スロットの範囲を作成し、
前記オープン系ボリュームにおいて前記第2スロットを連続するように確保し、
確保した前記第2スロットと、前記第1スロットの範囲との対応を示す前記マッピング情報を作成する
各処理を含んだことを特徴とするデータ処理方法。
【請求項8】
ストレージ装置を備えたストレージシステムが実行するストレージシステムにおけるデータ処理方法であって、
前記ストレージシステムは、プロセッサと記憶部を有し、
前記プロセッサが、
前記ストレージ装置上に構成されたボリュームを、メインフレーム系サーバに対して提供し、
オープン系サーバで扱うデータを、前記ボリュームにおいて、第1スロット長の第1スロットを単位としてデータ管理し、
前記メインフレーム系サーバで扱うデータを、前記ボリュームにおいて、前記第1スロットに所定数毎に格納した前記第1スロット長よりも短い第2スロット長の第2スロットを単位として管理し、
処理の種別に応じて、前記第1スロット及び前記第2スロットの何れかを単位として該処理を行い、
前記ボリュームにおける前記第1スロットと前記第2スロットとの対応を示すマッピング情報を前記記憶部に記憶させ、
前記メインフレーム系サーバからI/O処理要求を受信した場合に、前記マッピング情報に基づいて、該I/O処理要求の対象データを格納する前記第2スロットを特定し、該対象データを該第2スロットを単位としてI/O処理し、
前記ストレージ装置に対する前記I/O処理とは異なる前記第2スロットを対象とする所定機能の処理に際し、前記マッピング情報を参照し、該第2スロットを格納する前記第1スロットを特定し、特定した該第1スロットを単位として該処理を行う
各処理を含み、
前記所定機能は、Thin Image、Global Active Device、Adaptive Data Reduction、又はREST APIの少なくとも何れかを含む
ことを特徴とするデータ処理方法。
【請求項9】
ストレージ装置を備えたストレージシステムとしてコンピュータを機能させるためのストレージシステムにおけるデータ処理プログラムであって、
前記ストレージシステムは、プロセッサと記憶部を有し、
前記コンピュータに、
前記ストレージ装置上に構成されたボリュームを、メインフレーム系サーバに対して提供し、
オープン系サーバで扱うデータを、前記ボリュームにおいて、第1スロット長の第1スロットを単位としてデータ管理し、
前記メインフレーム系サーバで扱うデータを、前記ボリュームにおいて、前記第1スロットに所定数毎に格納した前記第1スロット長よりも短い第2スロット長の第2スロットを単位として管理し、
処理の種別に応じて、前記第1スロット及び前記第2スロットの何れかを単位として該処理を行い、
前記ボリュームにおける前記第1スロットと前記第2スロットとの対応を示すマッピング情報を前記記憶部に記憶させ、
前記メインフレーム系サーバからI/O処理要求を受信した場合に、前記マッピング情報に基づいて、該I/O処理要求の対象データを格納する前記第2スロットを特定し、該対象データを該第2スロットを単位としてI/O処理し、
前記メインフレーム系サーバから受信した書き込みデータの書き込み処理要求を格納する受信フレームに含まれる宛先情報と所定計算式から、該書き込みデータを格納する前記第2スロットのスロット番号を算出し、
前記スロット番号に該当する前記第2スロットが前記記憶部上に構成されるキャッシュメモリに保持されているかの判定を行い、
前記キャッシュメモリに保持されていると判定された場合には、該キャッシュメモリに保持されている前記第2スロットに対して前記書き込みデータの書き込み処理を行い、
前記キャッシュメモリに保持されていないと判定された場合には、前記スロット番号に該当する前記第2スロットを前記ボリュームから取得して該キャッシュメモリに保持し、該キャッシュメモリに保持されている該第2スロットに対して前記書き込みデータの書き込み処理を行う
各処理を実行させることを特徴とするデータ処理プログラム。
【請求項10】
ストレージ装置を備えたストレージシステムとしてコンピュータを機能させるためのストレージシステムにおけるデータ処理プログラムであって、
前記ストレージシステムは、プロセッサと記憶部を有し、
前記コンピュータに、
前記ストレージ装置上に構成されたボリュームを、メインフレーム系サーバに対して提供し、
オープン系サーバで扱うデータを、前記ボリュームにおいて、第1スロット長の第1スロットを単位としてデータ管理し、
前記メインフレーム系サーバで扱うデータを、前記ボリュームにおいて、前記第1スロットに所定数毎に格納した前記第1スロット長よりも短い第2スロット長の第2スロットを単位として管理し、
処理の種別に応じて、前記第1スロット及び前記第2スロットの何れかを単位として該処理を行い、
前記ボリュームにおける前記第1スロットと前記第2スロットとの対応を示すマッピング情報を前記記憶部に記憶させ、
前記メインフレーム系サーバからI/O処理要求を受信した場合に、前記マッピング情報に基づいて、該I/O処理要求の対象データを格納する前記第2スロットを特定し、該対象データを該第2スロットを単位としてI/O処理し、
前記メインフレーム系サーバから受信した読み出しデータの読み出し処理要求を格納する受信フレームに含まれる宛先情報と所定計算式から、該読み出しデータを格納する前記第2スロットのスロット番号を算出し、
前記スロット番号に該当する前記第2スロットが前記記憶部上に構成されるキャッシュメモリに保持されているかの判定を行い、
前記キャッシュメモリに保持されていると判定された場合には、該キャッシュメモリに保持されている前記第2スロットから前記読み出しデータの読み出し処理を行い、
前記キャッシュメモリに保持されていないと判定された場合には、前記スロット番号に該当する前記第2スロットを前記ボリュームから取得して該キャッシュメモリに保持し、該キャッシュメモリに保持されている該第2スロットから前記読み出しデータの読み出し処理を行う
各処理を実行させることを特徴とするデータ処理プログラム。
【請求項11】
ストレージ装置を備えたストレージシステムとしてコンピュータを機能させるためのストレージシステムにおけるデータ処理プログラムであって、
前記ストレージシステムは、プロセッサと記憶部を有し、
前記コンピュータに、
前記ストレージ装置上に構成されたボリュームを、メインフレーム系サーバに対して提供し、
オープン系サーバで扱うデータを、前記ボリュームにおいて、第1スロット長の第1スロットを単位としてデータ管理し、
前記メインフレーム系サーバで扱うデータを、前記ボリュームにおいて、前記第1スロットに所定数毎に格納した前記第1スロット長よりも短い第2スロット長の第2スロットを単位として管理し、
処理の種別に応じて、前記第1スロット及び前記第2スロットの何れかを単位として該処理を行い、
前記ボリュームにおける前記第1スロットと前記第2スロットとの対応を示すマッピング情報を前記記憶部に記憶させ、
前記メインフレーム系サーバからI/O処理要求を受信した場合に、前記マッピング情報に基づいて、該I/O処理要求の対象データを格納する前記第2スロットを特定し、該対象データを該第2スロットを単位としてI/O処理し、
前記第1スロットから構成されるオープン系ボリュームを前記ストレージ装置上に作成し、
作成した前記オープン系ボリュームをプール化し、
プール化した前記オープン系ボリュームから、前記第1スロットに前記所定数毎に格納される前記第2スロットから構成されるメインフレーム系ボリュームを作成し、
前記オープン系ボリュームにおける前記第1スロットの範囲を作成し、
前記オープン系ボリュームにおいて前記第2スロットを、他の前記メインフレーム系ボリュームの前記第2スロットと混在せず、連続するように確保し、
確保した前記第2スロットと、前記第1スロットの範囲との対応を示す前記マッピング情報を作成する
各処理を実行させることを特徴とするデータ処理プログラム。
【請求項12】
ストレージ装置を備えたストレージシステムとしてコンピュータを機能させるためのストレージシステムにおけるデータ処理プログラムであって、
前記ストレージシステムは、プロセッサと記憶部を有し、
前記コンピュータに、
前記ストレージ装置上に構成されたボリュームを、メインフレーム系サーバに対して提供し、
オープン系サーバで扱うデータを、前記ボリュームにおいて、第1スロット長の第1スロットを単位としてデータ管理し、
前記メインフレーム系サーバで扱うデータを、前記ボリュームにおいて、前記第1スロットに所定数毎に格納した前記第1スロット長よりも短い第2スロット長の第2スロットを単位として管理し、
処理の種別に応じて、前記第1スロット及び前記第2スロットの何れかを単位として該処理を行い、
前記ボリュームにおける前記第1スロットと前記第2スロットとの対応を示すマッピング情報を前記記憶部に記憶させ、
前記メインフレーム系サーバからI/O処理要求を受信した場合に、前記マッピング情報に基づいて、該I/O処理要求の対象データを格納する前記第2スロットを特定し、該対象データを該第2スロットを単位としてI/O処理し、
前記ストレージ装置に対する前記I/O処理とは異なる前記第2スロットを対象とする所定機能の処理に際し、前記マッピング情報を参照し、該第2スロットを格納する前記第1スロットを特定し、特定した該第1スロットを単位として該処理を行う
各処理を実行させ、
前記所定機能は、Thin Image、Global Active Device、Adaptive Data Reduction、又はREST APIの少なくとも何れかを含む
ことを特徴とするデータ処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレージシステム、ストレージシステムにおけるデータ処理方法、及びストレージシステムにおけるデータ処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、企業や官公庁といった組織の基幹システムとして、メインフレームサーバを用いて構築されたメインフレーム系システムが利用されている。近年では、安価にシステムを構築したいというニーズから、オープンアーキテクチャに準拠するオープン系サーバを用いて構築されたオープン系システムが利用されるようになっている。メインフレーム系システムは、オープン系システムと比較して信頼性が高く、高い信頼性が要求されるシステムにおいて依然として利用されており、メインフレーム系システムとオープン系システムが併存する状況となっている。
【0003】
この状況下で、メインフレーム系システムが、オープン系システムと連携してオープン系システムの機能を利用することで、メインフレーム系システムとオープン系システムでの機能の二重開発の無駄を削減する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2022-056151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の従来技術では、メインフレーム系システムがオープン系システムと連携するために、連携用のストレージを別途設ける必要があり、ハードウェアやシステム開発のコストが負担となっていた。
【0006】
本発明は、上述の背景を鑑みてなされたものであり、メインフレーム系システムに対しオープン系システムの機能を低コストで提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面では、ストレージ装置を備えたストレージシステムであって、プロセッサと記憶部を有し、前記プロセッサは、前記ストレージ装置上に構成されたボリュームを、メインフレーム系サーバに対して提供し、オープン系サーバで扱うデータを、前記ボリュームにおいて、第1スロット長の第1スロット単位でデータ管理し、前記メインフレーム系サーバで扱うデータを、前記ボリュームにおいて、前記第1スロットに所定数毎に格納した前記第1スロット長よりも短い第2スロット長の第2スロット単位で管理し、処理の種別に応じて、前記第1スロット及び前記第2スロットの何れかを単位として該処理を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本願の一側面によれば、メインフレーム系システムに対しオープン系システムの機能を低コストで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係るストレージシステムの構成を示す図。
図2】OPEN-SLOTとMF-SLOTの関係を説明するための図。
図3】VDEV領域構成範囲マッピングテーブルの構成を示す図。
図4】HDEV/C-VDEV-SLOTマッピングテーブルの構成を示す図。
図5】HDEV-SLOT定義テーブルの構成を示す図。
図6】HDEV-SLOT/SSデータマッピングテーブルの構成を示す図。
図7】環境構築処理を示すフローチャート。
図8】MF系サーバからのWriteI/O受信~TI差分バックアップ処理を示すシーケンス図。
図9】MF系サーバからのReadI/O受信時処理を示すシーケンス図。
図10】MF-VOLを含むOPEN-VOLのTI差分バックアップ処理のGUI画面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本願の開示に係る実施形態を説明する。実施形態は、図面も含めて本願を説明するための例示である。実施形態では、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化がされている。特に限定しない限り、実施形態の構成要素は単数でも複数でもよい。また、ある実施形態と他の実施形態を組み合わせた形態も、本願に係る実施形態に含まれる。
【0011】
同一又は類似の構成要素には、同一の符号を付与し、後出の実施形態及び実施例では、説明を省略する、又は差分を中心とした説明のみを行う場合がある。また、同一又は類似の構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。また、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。各構成要素の数は、特に断りがない限り単数でも複数でもよい。
【0012】
実施形態において、プログラムが行う処理について説明する場合がある。コンピュータは、プロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit))により、主記憶装置のメモリ等を用いながら、プログラムで定められた処理を行う。そのため、プログラムを実行して行う処理の主体を、プロセッサとしてもよい。プロセッサがプログラムを実行することで、処理を行う機能部が実現される。
【0013】
同様に、プログラムを実行して行う処理の主体が、プロセッサを有するコントローラ、装置、システム、計算機、ノードであってもよい。プログラムを実行して行う処理の主体は、演算部であればよく、特定の処理を行う専用回路を含んでいてもよい。専用回路は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。
【0014】
プログラムは、プログラムソースから計算機にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバ又は計算機が読取り可能な非一時的な記憶メディアであってもよい。プログラムソースがプログラム配布サーバの場合、プログラム配布サーバはプロセッサと配布対象のプログラムを記憶する記憶資源(ストレージ)を含み、プログラム配布サーバのプロセッサが配布対象のプログラムを他の計算機に配布してもよい。また、実施形態において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0015】
[実施形態]
(ストレージシステムSの構成)
図1は、実施形態に係るストレージシステムSの構成を示す図である。ストレージシステムSは、MF(Main Frame)系サーバ3と、SAN(Storage Area Network)等の通信回線を介して接続される。
【0016】
ストレージシステムSは、コントローラ1及びストレージ装置2を有する。コントローラ1は、環境構築制御プログラム111とI/O制御プログラム112を動作させるプロセッサ11、及び共有メモリ12を有する。コントローラ1には、1つ以上のストレージ装置2が接続されている。
【0017】
プロセッサ11は、MF系サーバ3からのI/Oリクエストと、管理端末(不図示)からの所定機能(例えばスナップショット)の実行リクエストに際して、共有メモリ12内に保持される情報を取得又は更新する。
【0018】
また、共有メモリ12は、VDEV領域構成範囲マッピングテーブル121、HDEV/C-VDEV-SLOTマッピングテーブル122、HDEV-SLOT定義テーブル123、及びHDEV-SLOT/SSデータマッピングテーブル124を保持している。また、共有メモリ12には、MF系サーバ3からのI/Oリクエストに応じて、ストレージ装置2に書き込むライトデータや、ストレージ装置2から読み出したリードデータを一時的に格納するキャッシュメモリが構成されている。
【0019】
ストレージ装置2は、1つ以上のドライブ装置21から構成されている。ドライブ装置21は、ドライブインターフェース(不図示)を介してプロセッサ11からアクセスされる。ドライブ装置21は、磁気ディスク等の記憶媒体を用いたHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体を用いたSSD(Solid State Drive)等である。
【0020】
ドライブ装置21は、記憶領域として、OPEN-VOL(オープン系ボリューム)211を有する。また、ドライブ装置21は、OPEN-VOL211のスナップショット(SS:Snap Shot)を格納する記憶領域として、TI(DP)プール212を有する。
【0021】
ストレージシステムSは、MF系サーバ3に対してデータ格納資源としてメインフレーム系サーバ用のボリュームであるMF-VOL211aを提供する。ストレージ装置2は、OPEN-VOL内にMF系サーバ3用のボリューム(MF-VOL)をマッピングすることで、MF系サーバ3がMF-VOL211aにアクセス可能にし、OPEN-VOL211をサポートする所定機能(例えばスナップショット)を利用可能とする。
【0022】
すなわち、ストレージ装置2は、MF-VOL211aを構成するMF-SLOTを、MF-SLOTのスロット長よりも長いスロット長のOPEN-SLOTに格納する。そして、MF系サーバ3からMF-VOL211aへのI/Oリクエストに対してはMF-SLOTとして動作し、OPEN-VOL211の機能を動作させる場合には、OPEN-SLOTとして動作する。
【0023】
(OPEN-SLOT211OSとMF-SLOT211MSの関係)
図2は、OPEN-SLOT211OS(第1スロット)とMF-SLOT211MS(第2スロット)の関係を説明するための図である。オープン系サーバ用のOPEN-VOL、メインフレームサーバ用のMF-VOL、スナップショット用のTI-SVOL等のボリューム種別を問わず、ボリュームVOL(HDEV)は、SLOTという単位で管理される。これは、キャッシュメモリ上で、SLOT長単位でデータを取り扱うためである。
【0024】
OPEN-VOL211には、図2に示すように、複数のOPEN-SLOT211OSが設けられる。複数のOPEN-SLOT211OSのそれぞれには、所定数(本実施形態では4個)のMF-SLOT211MSが格納される。MF-SLOT211MSには、制御情報Aを格納する制御情報Aスロット、制御情報Bを格納する制御情報Bスロット、及びユーザデータを格納するユーザデータスロットの3種類のSLOTがある。制御情報はメインフレームで扱うデータに特有の情報であり、対応するユーザデータのフォーマットやデータ長等に関する情報が格納される。
【0025】
MF-VOL211aを構成する複数のMF-SLOT211MSは、例えば連続する4個単位でOPEN-SLOT211OSにそれぞれマッピングされる。MF-VOL211a毎に、同様のマッピングが行われる。
【0026】
そして、コントローラ1は、処理の種別(I/O処理かスナップショット等の所定機能か)に応じて、OPEN-SLOT211OS及びOPEN-SLOT211MSの何れかを単位として処理を行う。
【0027】
(VDEV領域構成範囲マッピングテーブル121)
図3は、VDEV領域構成範囲マッピングテーブル121の構成を示す図である。VDEV領域構成範囲マッピングテーブル121は、OPEN-VOL211毎に作成されたOPEN-SLOT211OSと、OPEN-SLOT211OSにマッピングされるMF-VOL211aとの仮想ドライブにおける領域構成の範囲の対応を示す。VDEV領域構成範囲マッピングテーブル121は、OPEN-SLOT211OSとMF-VOL211aとの対応を、CU#、DEV#、先頭SLOTアドレス、及びSLOT数(GB)の組み合わせで表されるVDEV領域構成の範囲で示す。
【0028】
CU#は、コントローラ1の識別情報である。DEV#は、OPEN-VOL211及びMF-VOL211aの識別情報である。先頭SLOTアドレスは、OPEN-VOL211及びMF-VOL211aの先頭アドレスである。SLOT数(GB)は、DEV#で識別されるOPEN-VOL211及びMF-VOL211aに含まれるSLOT数と容量である。
【0029】
(HDEV/C-VDEV-SLOTマッピングテーブル122)
図4は、HDEV/C-VDEV-SLOTマッピングテーブル122の構成を示す図である。HDEV/C-VDEV-SLOTマッピングテーブル122は、MF-SLOT211MSと、共有メモリ12に構成されたキャッシュメモリ上のSLOTとの対応関係を示す。HDEV-SLOT#は、MF-SLOT211MSの識別情報(スロット番号)である。C-VDEV-SLOT#は、共有メモリ12に構成されたキャッシュメモリ上のSLOTの識別情報(スロット番号)である。
【0030】
(HDEV-SLOT定義テーブル123)
図5は、HDEV-SLOT定義テーブル123の構成を示す図である。HDEV-SLOT定義テーブル123は、OPEN-VOL211毎に作成されたOPEN-SLOT211OSと、OPEN-SLOT211OSにマッピングされるMF-VOL211aとの対応関係を示す。HDEV-SLOT定義テーブル123は、OPEN-SLOT211OSの識別情報OPEN-SLOT#(スロット番号)と、MF-SLOT211MSの識別情報MS-SLOT#(スロット番号)及びセグメントの識別情報SEGMENT#(セグメント番号)との対応関係を示す。
【0031】
なお、HDEV-SLOT定義テーブル123は、MS-SLOT#に対応するOPEN-SLOT#を逆引きする際に用いられる。MS-SLOT#に対応するOPEN-SLOT#は、VDEV領域構成範囲マッピングテーブル121を基に計算できるため、HDEV-SLOT定義テーブル123を省略してもよい。
【0032】
(HDEV-SLOT/SSデータマッピングテーブル124)
図6は、HDEV-SLOT/SSデータマッピングテーブル124の構成を示す図である。HDEV-SLOT/SSデータマッピングテーブル124は、OPEN-VOL211毎に作成されたOPEN-SLOT211OSと、TI-SVOL212aを構成するSSデータSLOTと、退避コピー要否との対応関係を示す。
【0033】
(OPEN-VOL211にMF-VOL211aをマッピングする環境構築処理)
図7は、OPEN-VOL211にMF-VOL211aをマッピングする環境を構築する環境構築処理を示すフローチャートである。図7では、(CU#:DEV#)=(00:00)で識別されるOPEN-VOL211に、(CU#:DEV#)=(10:00)で識別されるMF-VOL211aをマッピングする場合の環境構築処理を説明する。
【0034】
先ずステップS11では、環境構築制御プログラム111(図1)は、ユーザ指示に基づいて、OPEN-VOL(00:00)をストレージ装置2に作成する。
【0035】
次にステップS12では、環境構築制御プログラム111は、VDEV領域構成範囲マッピングテーブル121(図3)のOPEN-VOL(00:00)の情報を作成する。VDEV領域構成範囲マッピングテーブル121のOPEN-VOL(00:00)の情報は、VDEV領域構成範囲マッピングテーブル121の左半分の「OPEN」の(CU#:DEV#)=(00:00)に該当する情報である。次にステップS13では、環境構築制御プログラム111は、ユーザ指示に基づいて、OPEN-VOL(00:00)をプール化する。
【0036】
次にステップS14では、環境構築制御プログラム111は、ユーザ指示に基づいて、プール化されたOPEN-VOL(00:00)からMF-VOL(10:00)を作成する。
【0037】
次にステップS15では、環境構築制御プログラム111は、VDEV領域構成範囲マッピングテーブル121におけるOPEN-VOL(00:00)とMF-VOL(10:00)とのマッピング情報を作成する。このマッピング情報は、VDEV領域構成範囲マッピングテーブル121の右半分の「MF」の(CU#:DEV#)=(10:00)に該当する情報である。
【0038】
次にステップS16では、環境構築制御プログラム111は、VDEV領域構成範囲マッピングテーブル121を探索する。環境構築制御プログラム111は、OPEN-VOL(00:00)に対応するSLOTの範囲(OPEN-SLOT#0~12,521)から、他のMF-VOLのMF-SLOTと混在せず、自身のMF-VOLのMF-SLOTが連続するようにMF-VOL(10:00)のSLOTの範囲を切り出す。これにより、同一のMF-VOLのMF-SLOTが分散してしまい、アクセス速度が低下することを抑制できる。
【0039】
次にステップS17では、環境構築制御プログラム111は、ステップS16で切り出したMF-VOL(10:00)の先頭SLOTアドレス及びSLOT数を、VDEV領域構成範囲マッピングテーブル121に追加する。
【0040】
次にステップS18では、環境構築制御プログラム111は、ユーザ指示に基づいて、ステップS14で作成されたMF-VOL(10:00)を含むOPEN-VOL(00:00)のスナップショット用のTI(DP)プール212を作成する。
【0041】
次にステップS19では、環境構築制御プログラム111は、OPEN-VOL(00:00)のスナップショットデータを定義する。次にステップS20では、環境構築制御プログラム111は、ユーザ指示に基づいて、OPEN-VOL(00:00)211を正ボリューム、TI-SVOL(02:00)212aを副ボリュームとするTIペアを作成する。
【0042】
次にステップS21では、環境構築制御プログラム111は、OPEN-VOL(00:00)のHDEV/C-VDEV-SLOTマッピングテーブル122、HDEV-SLOT定義テーブル123、及びHDEV-SLOT/SSデータマッピングテーブル124を作成する。
【0043】
(MF系サーバ3からのWriteI/O(データ書き込み処理要求)受信時処理)
図8は、MF系サーバ3からのWriteI/O受信~TI差分バックアップ処理を示すシーケンス図である。図8は、MF系サーバ3からWrite先のシリンダヘッド番号を指定したMF-VOL(10:00)へのWriteI/Oに応じて実行される処理を示す。
【0044】
先ずステップS31では、MF系サーバ3は、MF-VOL211aのWriteI/Oを発行する。次にステップS32では、コントローラ1のI/O制御プログラム112(図1)は、MF系サーバ3からの受信フレームからライトデータのWrite先のシリンダヘッド番号CCHH(W)を抽出する。Write先のシリンダヘッド番号CCHH(W)は、宛先情報である。
【0045】
次にステップS33では、I/O制御プログラム112は、VDEV領域構成範囲マッピングテーブル121を参照する。そして、ステップS32で抽出されたシリンダヘッド番号CCHH(W)と、所定計算式とから、Write先のMF-SLOT211MSの識別情報MF-SLOT#を計算する。ここでは、MF-SLOT#=3、16,697、16,731が計算されたとする。すなわちユーザデータスロットが#3、制御情報Aスロットが#16,697、制御情報Bスロットが#16,731であることを示している。
【0046】
次にステップS34では、I/O制御プログラム112は、HDEV/C-VDEV―SLOTマッピングテーブル122を参照し、ステップS33で計算されたMF-SLOT#(HDEV-SLOT#)のキャッシュヒット判定を行う。HDEV/C-VDEV―SLOTマッピングテーブル122を参照すると、MF-SLOT#=3、16,697、16,731のそれぞれに対応するキャッシュメモリ上のSLOT#は、16,696、0、1である。I/O制御プログラム112は、ステップS34でキャッシュミスと判定された該当のOPEN-SLOT#のSLOTをキャッシュメモリにステージングする。
【0047】
次にステップS35では、I/O制御プログラム112は、キャッシュメモリに対象の書き込みデータを書き込む。さらにI/O制御プログラム112は、ライトデータの宛先情報に基づいて当該書き込みデータをMF-VOL211aに書き込む。
【0048】
次にステップS36では、I/O制御プログラム112は、HDEV-SLOT定義テーブル123を参照し、ステップS33で取得されたMF-SLOTが位置するOPEN-SLOTを取得する。HDEV-SLOT定義テーブル123を参照すると、MF-SLOT#=3、16,697、16,731のそれぞれが位置するOPEN-SLOT#は、0、4,174、4,182である。
【0049】
次にステップS37では、I/O制御プログラム112は、ステップS36で取得されたOPEN-SLOT211OSのTI-SVOL(02:00)212aへのTI差分バックアップを行う。I/O制御プログラム112は、HDEV-SLOT/SSデータマッピングテーブル124において、退避コピー要否“要”であるOPEN-SLOT211OSについては、退避コピーを作成した上でTI差分バックアップを行う。TI差分バックアップにより、TI-SVOL(02:00)212aにMF-VOL211aの新たなスナップショットが格納される。
【0050】
(MF系サーバ3からのReadI/O(データ読み出し処理要求)受信時処理)
図9は、MF系サーバ3からのReadI/O受信時処理を示すシーケンス図である。図9は、MF系サーバ3からRead先のシリンダヘッド番号を指定したMF-VOL(10:00)へのReadI/Oに応じて実行される処理を示す。
【0051】
先ずステップS41では、MF系サーバ3は、MF-VOL211aのReadI/Oを発行する。次にステップS42では、コントローラ1のI/O制御プログラム112(図1)は、MF系サーバ3からの受信フレームからライトデータのRead先のシリンダヘッド番号CCHH(R)を抽出する。
【0052】
次にステップS43では、I/O制御プログラム112は、VDEV領域構成範囲マッピングテーブル121を参照する。そして、ステップS42で抽出されたシリンダヘッド番号CCHH(R)と、所定計算式から、Read先のMF-SLOT211MSの識別情報MF-SLOT#を計算する。ここでは、MF-SLOT#=3、16,697、16,731が計算されたとする。
【0053】
次にステップS44では、I/O制御プログラム112は、HDEV/C-VDEV―SLOTマッピングテーブル122を参照し、ステップS43で計算されたMF-SLOT#(HDEV-SLOT#)のキャッシュヒット判定を行う。HDEV/C-VDEV―SLOTマッピングテーブル122を参照すると、MF-SLOT#=3、16,697、16,731のそれぞれに対応するキャッシュメモリ上のSLOT#は、16,696、0、1である。I/O制御プログラム112は、ステップS44でキャッシュミスと判定された該当のOPEN-SLOT#のSLOTをキャッシュメモリにステージングする。
【0054】
次にステップS45では、I/O制御プログラム112は、対象の読み出しデータをキャッシュメモリから読み出してMF系サーバ3に送信する。
【0055】
なお、MF系サーバからのデータ削除のI/O要求に対しては、削除対象のデータが格納されるMF-SLOT211MSを特定して、特定したMF-SLOT211MS及びキャッシュメモリから削除対象のデータを削除する。
【0056】
また、図示していないが、I/O制御プログラム112は、MF系サーバ3からスナップショットの取得要求を受け付けた場合には、スナップショットを取得する。I/O制御プログラム112は、MF系サーバ3からスナップショット取得の要求を受けたならば、指定されたスナップショットデータを対応するTI-SVOL212aから読み出してスナップショットデータを提供する。TI-SVOL212aはMF-VOL211aの差分バックアップであるため、対応するTI-SVOL212aを対象に上述したReadI/O(データ読み出し処理要求)受信時処理を実行することでスナップショットデータを取得できる。
【0057】
(TI差分バックアップ処理のGUI画面50)
図10は、MF-VOL211aを含むOPEN-VOL211のTI差分バックアップ処理のGUI画面50を示す図である。
【0058】
GUI画面50は、差分バックアップ処理対象のMF-VOL211a((10:00),(10:01))を含むOPEN-VOL211(00:00)の論理表示51a及びイメージ表示51bを表示する。また、GUI画面50は、TI(DP)プール212(02:00)に作成されたスナップショットボリュームTI-SVOL212a((03:00),(03:01))論理表示52a及びイメージ表示52bを表示する。TI-SVOL212aは、差分バックアップ処理対象と定義されるスナップショットデータを格納する。
【0059】
このようにGUI画面50を表示させることで、OPEN-VOL211、MF-VOL211a、TI(DP)プール212、及びTI-SVOL212aの関係を、管理者に直感的に把握させることができる。
【0060】
(OPEN-VOLをサポートする所定機能について)
以上の実施形態では、MF-VOLを含むOPEN-VOLに対して実行するOPEN-VOLの機能の一例として、差分スナップショットの保存機能(TI:Thin Image)を説明した。MF-VOLを含むOPEN-VOLに対して実行できるOPEN-VOLの機能は、TIに限らない。例えば、TIに加え、複数のストレージシステム間で作成したボリュームのグループで同一のデータを保持する機能(GAD:Global Active Device)、ストレージシステム単位で行うデータの圧縮又は重複排除(ADR:Adaptive Data Reduction)、REST API(Representational State Transfer Application Programming Interface)の少なくとも何れかが含まれてもよい。
【0061】
また、同一ストレージシステムに存在するデータボリュームの複製ボリュームを作成する機能(SI:Shadow Image)、遠隔地にボリュームの複製を作成/保持する機能(TC:True Copy)、副サイトのストレージシステムを遠隔地に設置して、正サイトのプライマリボリュームへのデータ書き込みとは非同期に副サイトにあるセカンダリボリュームにデータをコピーする機能(UR:Universal Replicator)、コピー機能等が含まれてもよい。
【0062】
(実施形態の効果)
上述の実施形態では、処理の種別(I/O処理かOPEN-VOLに対する所定機能か)に応じて、OPEN-SLOT及びMF-SLOTの何れかを単位として処理を行う。よって、OPEN-VOLのみをサポートする既存機能をMF-VOLも利用できるようになる。また、将来の新規機能開発において、OPEN-VOL向けの開発のみでMF-VOLもサポートされることになるので、二重開発の無駄を防止することができる。
【0063】
また上述の実施形態では、メインフレーム系サーバからI/O処理要求を受信した場合に、VDEV領域構成範囲マッピングテーブル121(図3)に基づいて、I/O処理要求の対象データを格納するMF-SLOTを特定し、対象データをMF-SLOTを単位としてI/O処理する。よって、同一データ(スロット/セグメント)に二面性を持たせ、MF-VOLとして動作させる時(MF-VOLへのI/O等)には、データをMF-SLOTとして扱うことができる。その一方で、OPEN-VOLとして動作させる時(TI差分バックアップ等)には、データをOPEN‐SLOTとして扱うことができる。
【0064】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上述の実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また上述の実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0065】
また上述の各構成、機能部、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば、集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また上述の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリやハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0066】
また上述の各図において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、必ずしも実装上の全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。例えば、実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【0067】
また上述したストレージシステムS、コントローラ1、及びストレージ装置2の各機能及びデータの配置形態は一例に過ぎない。ストレージシステムS、コントローラ1、及びストレージ装置2の各機能及びデータの配置形態は、それぞれが備えるハードウェアやソフトウェアの性能、処理効率、通信効率等の観点から最適な配置形態に変更し得る。
【符号の説明】
【0068】
S:ストレージシステム、1:コントローラ、2:ストレージ装置、3:MF系サーバ、11;プロセッサ、12:共有メモリ、21:ドライブ装置、50:GUI画面、111:環境構築制御プログラム、112:I/O制御プログラム、121:VDEV領域構成範囲マッピングテーブル、122:HDEV-SLOTマッピングテーブル、123:HDEV-SLOT定義テーブル、123:HDEV-SLOT/SSデータマッピングテーブル、211:OPEN-VOL、211a:MF-VOL、212:TI(DP)プール、212a:TI-SVOL。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10