(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】複合セルラネットワークにおけるアンカーポイント移動
(51)【国際特許分類】
H04W 36/12 20090101AFI20241023BHJP
H04W 36/14 20090101ALI20241023BHJP
H04W 36/22 20090101ALI20241023BHJP
H04W 36/30 20090101ALI20241023BHJP
H04W 48/18 20090101ALI20241023BHJP
H04W 88/16 20090101ALI20241023BHJP
【FI】
H04W36/12
H04W36/14
H04W36/22
H04W36/30
H04W48/18
H04W88/16
(21)【出願番号】P 2022509041
(86)(22)【出願日】2020-08-06
(86)【国際出願番号】 US2020045098
(87)【国際公開番号】W WO2021030126
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2023-08-02
(32)【優先日】2019-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521478407
【氏名又は名称】ディッシュ ワイヤレス エル.エル.シー.
【氏名又は名称原語表記】DISH WIRELESS L.L.C.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】アラスティ メディ
(72)【発明者】
【氏名】ケヌモル シッダールタ
(72)【発明者】
【氏名】ソロンド マリアム
【審査官】吉倉 大智
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109392043(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0053117(US,A1)
【文献】国際公開第2019/072902(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0092142(US,A1)
【文献】国際公開第2018/128529(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/128494(WO,A1)
【文献】特開2017-143350(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセルラ通信プロトコルを収容する複合セルラネットワークであって、前記
複合セルラネットワークは、
複数のアンカーポイントを含む第1のセルラネットワークのスタンドアロンネットワーク部であって、
前記スタンドアロンネットワーク部は、第1のセルラ通信プロトコルのみにしたがって動作し、
前記複数のアンカーポイントは地理的に分散されており、
前記複数のアンカーポイントのうちの各アンカーポイントは、ユーザ機器のためのデータネットワークとのゲートウェイとしての役割を果たし、
前記複数のアンカーポイントのうちのどのアンカーポイントが前記ユーザ機器のためのゲートウェイとしての役割を果たすかは、レイテンシ又は負荷に基づいて変更される、前記スタンドアロンネットワーク部と、
前記複数のアンカーポイントとは異なる収束アンカーポイントを含む、前記第1のセルラネットワークの収束コアネットワーク部であって、
前記収束コアネットワーク部は、前記第1のセルラ通信プロトコル及び第2のセルラ通信プロトコルにしたがって動作し、
前記ユーザ機器が、前記第2のセルラ通信プロトコルを使用する別個の第2のセルラネットワークと接続する場合、前記ユーザ機器は、前記データネットワークとの前記ゲートウェイとして、前記第1のセルラネットワークの前記収束コアネットワーク部の前記収束アンカーポイントにロックされる、前記収束コアネットワーク部と、
を含
み、
前記ユーザ機器が、前記複合セルラネットワークの地理的エッジを越えて、前記第2のセルラ通信プロトコルを使用する前記第2のセルラネットワーク上でローミングするように、前記収束コアネットワーク部は前記複合セルラネットワークの前記地理的エッジの近くに配置される、複合セルラネットワーク。
【請求項2】
前記第1のセルラ通信プロトコルは5G新無線(NR)である、請求項1に記載の前記複数のセルラ通信プロトコルを収容する複合セルラネットワーク。
【請求項3】
前記第2のセルラ通信プロトコルは4Gロングタームエボリューション(LTE)である、請求項2に記載の前記複数のセルラ通信プロトコルを収容する複合セルラネットワーク。
【請求項4】
前記第2のセルラネットワークは、4G発展型パケットコア(EPC)コンポーネントを含む非スタンドアロン5Gセルラネットワークである、請求項2に記載の前記複数のセルラ通信プロトコルを収容する複合セルラネットワーク。
【請求項5】
前記データネットワークはインターネットを含む、請求項2に記載の前記複数のセルラ通信プロトコルを収容する複合セルラネットワーク。
【請求項6】
前記収束コアネットワーク部の基地局のカバレッジ領域が、前記第2のセルラ通信プロトコルを使用する前記第2のセルラネットワークのカバレッジ領域と重複するように、前記収束コアネットワーク部は物理的に配置される、請求項1に記載の前記複数のセルラ通信プロトコルを収容する複合セルラネットワーク。
【請求項7】
前記ユーザ機器が前記収束コアネットワーク部の基地局と通信している間、前記ユーザ機器は、前記データネットワークとの前記ゲートウェイとして前記収束アンカーポイントを使用することにロックされない、請求項1に記載の前記複数のセルラ通信プロトコルを収容する複合セルラネットワーク。
【請求項8】
前記第2のセルラネットワークと接続された状態が継続している間、前記ユーザ機器が前記第2のセルラネットワーク上のどこでローミングするかにかかわらず、前記収束コアネットワーク部は、前記ユーザ機器のための前記データネットワークとの前記ゲートウェイとして使用されたままである、請求項1に記載の前記複数のセルラ通信プロトコルを収容する複合セルラネットワーク。
【請求項9】
複数のセルラ通信プロトコルを収容する複合セルラネットワークを使用するための方法であって、
ユーザ機器(UE)が前記複合セルラネットワークのスタンドアロンネットワーク部を使用している間、前記複合セルラネットワークによって、第1のアンカーポイントを使用して、前記UEをデータネットワークと接続することであって、
アンカーポイントは、前記データネットワークと前記UEとの間の通信ゲートウェイとしての役割を果たし、
前記スタンドアロンネットワーク部は、第1のセルラ通信プロトコルのみにしたがって動作する、ことと、
前記複合セルラネットワークによって、前記UEを、前記複合セルラネットワークの前記第1のアンカーポイントの使用から第2のアンカーポイントの使用に遷移させることと、
前記遷移させることの後、前記UEが前記複合セルラネットワークの前記スタンドアロンネットワーク部を使用している間、前記複合セルラネットワークによって、前記第2のアンカーポイントを使用して、前記UEを前記データネットワークと接続することと、
前記第2のアンカーポイントを使用して前記UEを前記データネットワークと接続することの後、前記複合セルラネットワークによって、前記UEを、前記複合セルラネットワークの前記第2のアンカーポイントから収束アンカーポイントに遷移させることであって、
前記収束アンカーポイントは、前記第1のセルラ通信プロトコル及び第2のセルラ通信プロトコルにしたがって動作する
、前記複合セルラネットワークの収束コアネットワーク部の一部である、ことと、
前記UEを、前記第2のアンカーポイントから前記収束アンカーポイントへ遷移させることの後、前記UEが前記第2のセルラ通信プロトコルを使用して通信する第2のセルラネットワークと通信している間、前記UEを前記収束アンカーポイントにロックすることと、
を含
み、
前記ユーザ機器が、前記複合セルラネットワークの地理的エッジを越えて、前記第2のセルラ通信プロトコルを使用する前記第2のセルラネットワーク上でローミングするように、前記収束コアネットワーク部は前記複合セルラネットワークの前記地理的エッジの近くに配置される、方法。
【請求項10】
前記UEによって、前記第2のセルラ通信プロトコルを使用して前記第2のセルラネットワークと通信することをさらに含む、請求項
9に記載の複数のセルラ通信プロトコルを収容する前記複合セルラネットワークを使用するための方法。
【請求項11】
前記UEが前記第2のセルラ通信プロトコルを使用して前記第2のセルラネットワークと通信している間、前記UEが前記第2のセルラネットワーク内のどこでローミングするかにかかわらず、前記データネットワークへのアクセスのために、前記複合セルラネットワークの前記収束アンカーポイントを使用することをさらに含む、請求項
10に記載の複数のセルラ通信プロトコルを収容する前記複合セルラネットワークを使用するための方法。
【請求項12】
前記第1のセルラ通信プロトコルは5G新無線(NR)である、請求項
9に記載の複数のセルラ通信プロトコルを収容する前記複合セルラネットワークを使用するための方法。
【請求項13】
前記第2のセルラ通信プロトコルは4Gロングタームエボリューション(LTE)である、請求項
12に記載の複数のセルラ通信プロトコルを収容する前記複合セルラネットワークを使用するための方法。
【請求項14】
前記第2のセルラネットワークは、4G発展型パケットコア(EPC)コンポーネントを含む非スタンドアロン5Gネットワークである、請求項
12に記載の複数のセルラ通信プロトコルを収容する前記複合セルラネットワークを使用するための方法。
【請求項15】
前記データネットワークはインターネットを含む、請求項
12に記載の複数のセルラ通信プロトコルを収容する前記複合セルラネットワークを使用するための方法。
【請求項16】
前記
複合セルラネットワークの物理的エッジを越えて、前記ユーザ機器が前記第2のセルラ通信プロトコルを使用する前記第2のセルラネットワーク上でローミングするように、前記収束コアネットワーク部は前記複合セルラネットワークの前記物理的エッジの近くに配置される、請求項
9に記載の複数のセルラ通信プロトコルを収容する前記複合セルラネットワークを使用するための方法。
【請求項17】
前記複合セルラネットワークの前記収束コアネットワーク部は、前記第2のセルラ通信プロトコルを使用する前記第2のセルラネットワークと重複する地理的カバレッジ領域を有する、請求項
9に記載の複数のセルラ通信プロトコルを収容する前記複合セルラネットワークを使用するための方法。
【請求項18】
前記ユーザ機器が前記複合セルラネットワークの前記収束コアネットワーク部と無線接続されている間、前記ユーザ機器は、前記データネットワークとの前記通信ゲートウェイとして前記収束アンカーポイントを使用することにロックされない、請求項
9に記載の複数のセルラ通信プロトコルを収容する前記複合セルラネットワークを使用するための方法。
【請求項19】
前記UEが前記第2のセルラネットワークと通信している間に前記UEを前記収束アンカーポイントにロックすることの後、前記UEが前記複合セルラネットワークと再度無線通信しているとき、前記複合セルラネットワークによって、第3のアンカーポイントを使用して、前記UEを前記データネットワークと接続することをさらに含む、請求項
9に記載の複数のセルラ通信プロトコルを収容する前記複合セルラネットワークを使用するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願へのクロスリファレンス]
本特許出願は、2019年8月14日に出願された「ANCHOR POINT MOVEMENT IN A COMPOUND CELLULAR NETWORK」という名称の米国仮特許出願第62/886,916号に対する優先権を主張する2019年11月11日に出願された「ANCHOR POINT MOVEMENT IN A COMPOUND CELLULAR NETWORK」という名称の米国非仮特許出願第16/680,094号に対する優先権を主張するものであり、その開示全体がすべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
セルラネットワークを設計する際に、セルラネットワークオペレータは、最も効率的で最新のセルラネットワークアーキテクチャを使用したいという望みを前世代のセルラネットワークとの後方互換性を有することとバランスをとることを含めて、様々な要素のバランスをとる必要があることがある。本明細書で詳述される実施形態は、セルラネットワークオペレータが、最新のセルラネットワークアーキテクチャを使用することと、前世代の機器との互換性を得ることの両方の利点を実現できるようにする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
様々な実施形態が、複数のセルラ通信プロトコルを収容する複合セルラネットワークに関して説明される。いくつかの実施形態では、複数のセルラ通信プロトコルを収容する複合セルラネットワークが説明される。システムは、複数のアンカーポイントを含む第1のセルラネットワークのスタンドアロンネットワーク部を含み得る。スタンドアロンネットワーク部は、第1のセルラ通信プロトコルのみにしたがって動作し得る。複数のアンカーポイントは地理的に分散され得る。複数のアンカーポイントのうちの各アンカーポイントは、ユーザ機器のためのデータネットワークとのゲートウェイとしての役割を果たし得る。複数のアンカーポイントのうちのどのアンカーポイントがユーザ機器のためのゲートウェイとしての役割を果たすかは、レイテンシ又は負荷に基づいて変更され得る。システムは、複数のアンカーポイントとは異なる収束アンカーポイントを含む、第1のセルラネットワークの収束コアネットワーク部を含み得る。収束コアネットワーク部は、第1のセルラ通信プロトコル及び第2のセルラ通信プロトコルにしたがって動作し得る。ユーザ機器は、第2のセルラ通信プロトコルを使用し得る別個の第2のセルラネットワークと接続する場合、ユーザ機器は、データネットワークとのゲートウェイとして、第1のセルラネットワークの収束コアネットワーク部の収束アンカーポイントにロックされ得る。
【0004】
そのような方法の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含み得る。第1のセルラ通信プロトコルは5G新無線(NR)でもよい。第2のセルラ通信プロトコルは4Gロングタームエボリューション(LTE)でもよい。第2のセルラネットワークは、4G発展型パケットコア(EPC)コンポーネントを含み得る非スタンドアロン5Gセルラネットワークでもよい。データネットワークはインターネットを含み得る。地理的エッジを越えて、ユーザ機器が第2のセルラ通信プロトコルを使用する第2のセルラネットワーク上でローミングし得るように、収束コアネットワーク部は地理的エッジの近くに配置され得る。収束コアネットワーク部の基地局のカバレッジ領域が、第2のセルラ通信プロトコルを使用し得る第2のセルラネットワークのカバレッジ領域と重複するように、収束コアネットワーク部は物理的に配置され得る。ユーザ機器が収束コアネットワーク部の基地局と通信していてもよい間、ユーザ機器は、データネットワークとのゲートウェイとして収束アンカーポイントを使用することにロックされなくてもよい。第2のセルラネットワークと接続された状態が継続している間、ユーザ機器が第2のセルラネットワーク上のどこでローミングするかにかかわらず、収束コアネットワーク部は、ユーザ機器のためのデータネットワークとのゲートウェイとして使用されたままでもよい。
【0005】
いくつかの実施形態では、複数のセルラ通信プロトコルを収容する複合セルラネットワークを使用するための方法が説明される。方法は、ユーザ機器(UE)が複合セルラネットワークのスタンドアロンネットワーク部を使用し得る間、複合セルラネットワークによって、第1のアンカーポイントを使用して、ユーザ機器(UE)をデータネットワークと接続することを含み得る。アンカーポイントは、データネットワークとUEとの間の通信ゲートウェイとしての役割を果たし得る。スタンドアロンネットワーク部は、第1のセルラ通信プロトコルのみにしたがって動作し得る。方法は、複合セルラネットワークによって、UEを、複合セルラネットワークの第1のアンカーポイントの使用から第2のアンカーポイントの使用に遷移させることを含み得る。方法は、遷移することの後に、UEが複合セルラネットワークのスタンドアロンネットワーク部を使用し得る間、複合セルラネットワークによって、第2のアンカーポイントを使用して、UEをデータネットワークと接続することを含み得る。方法は、第2のアンカーポイントを使用してUEをデータネットワークと接続することの後、複合セルラネットワークによって、UEを、複合セルラネットワークの第2のアンカーポイントから収束アンカーポイントに遷移させることを含み得る。収束アンカーポイントは、第1のセルラ通信プロトコル及び第2のセルラ通信プロトコルにしたがって動作する複合セルラネットワークの収束コアネットワーク部の一部でもよい。方法は、UEを、第2のアンカーポイントから収束アンカーポイントへ遷移することの後、UEが第2のセルラ通信プロトコルを使用して通信し得る第2のセルラネットワークと通信していてもよい間、UEを収束アンカーポイントにロックすることを含み得る。
【0006】
そのような方法の実施形態は、以下の特徴の1つ又は複数を含み得る。UEによって、第2のセルラ通信プロトコルを使用して第2のセルラネットワークと通信すること。方法は、UEが第2のセルラ通信プロトコルを使用して第2のセルラネットワークと通信していてもよい間、UEが第2のセルラネットワーク内のどこでローミングするかにかかわらず、データネットワークへのアクセスのために、複合セルラネットワークの収束アンカーポイントを使用することをさらに含み得る。第1のセルラ通信プロトコルは5G新無線(NR)でもよい。第2のセルラ通信プロトコルは4Gロングタームエボリューション(LTE)でもよい。第2のセルラネットワークは、4G発展型パケットコア(EPC)コンポーネントを含み得る非スタンドアロン5Gネットワークでもよい。データネットワークはインターネットを含んでもよい。システムの物理的エッジを越えて、ユーザ機器が第2のセルラ通信プロトコルを使用する第2のセルラネットワーク上でローミングするように、収束コアネットワーク部は複合セルラネットワークの物理的エッジの近くに配置されてもよい。複合セルラネットワークの収束コアネットワーク部は、第2のセルラ通信プロトコルを使用する第2のセルラネットワークと重複し得る地理的カバレッジ領域を有する。ユーザ機器が複合セルラネットワークの収束コアネットワーク部と無線接続され得る間、ユーザ機器は、データネットワークとの通信ゲートウェイとして収束アンカーポイントを使用することにロックされなくてもよい。方法は、UEが第2のセルラネットワークと通信していてもよい間にUEを収束アンカーポイントにロックすることの後、UEが複合セルラネットワークと再度無線通信していてもよいとき、複合セルラネットワークによって、第3のアンカーポイントを使用して、UEをデータネットワークと接続することをさらに含み得る。
【0007】
様々な実施形態の特性及び利点のさらなる理解は、以下の図面を参照することによって実現され得る。添付図面において、類似の構成要素又は特徴は同一の参照符号を有することがある。さらに、同一の種類の様々な構成要素は、参照符号の後にダッシュを付し、その後に類似の構成要素を区別する第2の符号を付すことによって区別され得る。本明細書において第1の参照符号のみが使用されている場合、その記載は、第2の参照符号にかかわらず同一の第1の参照符号を有する類似の構成要素のいずれか1つに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】複合セルラネットワークを含む通信環境のブロック図の実施形態を示す図である。
【
図1B】複合セルラネットワークを含む通信環境のブロック図の別の実施形態を示す図である。
【
図2】複合セルラネットワークを含む通信環境の実施形態を示す図である。
【
図3】複合セルラネットワーク内のユーザ機器(UE)の移動及び複合セルラネットワークのローミングオフの実施形態を示す図である。
【
図4】複合セルラネットワーク内でのUEの移動及び複合セルラネットワークのローミングオフの別の実施形態を示す図である。
【
図5】複合セルラネットワークにおけるアンカーポイント移動を管理するための方法の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
5G新無線(NR)セルラネットワークなどの無線セルラネットワークは、様々なアーキテクチャを使用して構築され得る。第1のアーキテクチャは、無線アクセスネットワーク(RAN)及びセルラネットワークのコア構成要素としての5Gコアのための5G NRなどの1つの無線アクセス技術(RAT)又は単一の無線セルラ通信プロトコルのみを使用し得る。そのような専用5G NR無線セルラネットワークは、「スタンドアロン5Gネットワーク」と呼ばれることが可能であり、他のセルラ通信プロトコルに対する互換性を含む他の形態のセルラネットワークよりも単純なアーキテクチャを有し展開するのが安価であるなどの特定の利点を有し得る。しかし、スタンドアロン5Gネットワークの欠点は、他のセルラプロトコルに対する互換性がないことであり得る。例えば、ユーザ機器(UE)のホームセルラネットワークのアーキテクチャが、5Gコアを有するスタンドアロン5Gネットワークであり、したがってEPCとの通信を可能とする追加の無線通信プロトコルをサポートしない場合に、UEが非5Gセルラネットワーク(例えば、4G LTEネットワーク)又は非スタンドアロン5Gセルラネットワーク(例えば、コアネットワークが4G発展型パケットコア(EPC)を使用するが、UEとの通信のために5Gを使用するネットワーク)上でローミングすることは可能ではないことがある。
【0010】
無線セルラネットワークのための第2の可能なアーキテクチャは、複数のRAT又は複数の無線セルラ通信プロトコルによってアクセス可能なセルラネットワークを含み得る。例えば、セルラネットワークは、4G LTE及び5G NRと互換性を有することがある。そのようなネットワークは4Gと5Gのネットワークコンポーネントを共に有することがある一方、ネットワークコアは、4Gコア又はEPCと呼ばれ得る4Gコンポーネントを使用することがある。そのような構成は、複数のRATを収容可能であるという利点を有することがあり、4Gから5Gへの遷移及び5Gの高速展開を助け得るが、低効率の(おそらくより高価な)コアネットワークアーキテクチャを使用するという欠点を有することがある。コアネットワークは、5Gのために組み込まれた互換性を有する4GのEPCアーキテクチャなどの旧式のRATを中心に構築されることがある。
【0011】
アンカーポイントは、インターネットなどの外部データネットワークとユーザ機器との間のゲートウェイとしての役割を果たすセルラネットワークコアコンポーネントを指す。4G EPCを使用可能な上記で詳述した第2のアーキテクチャなどのある種のセルラネットワークに対して、アンカーポイントは固定される。すなわち、UEがセルラネットワークと接続されている間に、数百又は数千マイル遠方でも、どこにUEが物理的に移動するかにかかわらず、UEとデータネットワークとの間のアンカーポイントとして機能するネットワークのコアコンポーネントは同一のままである。そのような構成は、結果として、UEとデータネットワークとの間のパス長の増加に起因してレイテンシ増加、帯域幅減少、又はその両方が発生し得る。しかし、5G NRコアを使用する上述の第1のアーキテクチャなどの他のある種類のセルラネットワークに対して、アンカーポイントはレイテンシを減少するように調節されることが可能である。セルラネットワークのモードに依存して、アンカーポイントは、UEが移動するときに再度割り当てられることが可能である。したがって、UEが配置された場所に基づいて、最も効率的なアンカーポイント(例えば、最小レイテンシ、最大帯域幅、最短物理的距離)が使用され得る。
【0012】
本明細書で詳述される実施形態は、第1のアーキテクチャ及び第2のアーキテクチャの利点の少なくともいくつかを表す。例えば、本明細書で詳述される実施形態は、5Gコアコンポーネントを使用する(さらにアンカーポイントを変更可能とする)複合セルラネットワークに焦点を当てる。しかし、ネットワークフットプリントの物理的エッジの近くにおいて、別個のセルラネットワーク上でローミングが発生する領域(例えば、別のキャリアの4G LTEネットワーク)にUEが入る可能性がある場合、複数のRAT(例えば、5G及び4G)と互換性を有する収束コアコンポーネントが使用され得る。
【0013】
図を参照してさらなる詳細が提供される。
図1Aは、複合セルラネットワークを含む通信環境100Aのブロック図の実施形態を示す。通信環境100Aは、複合セルラネットワーク105と、セルラネットワーク107とを含み得る。複合セルラネットワーク105は、様々なUEのための一次(例えば、ホーム)セルラネットワークでもよい。しかし、場合によって、UEは複合セルラネットワーク105の基地局(BS)との接続が得られない地理的領域などにおけるセルラサービスのためにセルラネットワーク107を使用してもよい。物理的に、複合セルラネットワーク105がセルラネットワーク107とは全体的に異なる地理的領域をカバーし得ることが可能である。しかし、多くの実施形態では、複合セルラネットワーク105及びセルラネットワーク107によるサービスが提供される地理的領域において顕著な重複が存在する。
【0014】
複合セルラネットワーク105は、複数の世代のセルラネットワークコアコンポーネントを含み得る。複合セルラネットワーク105は、複数のスタンドアロンネットワークコンポーネント110(例えば、110-1、110-2、110-3)を含み得る。これらのスタンドアロンネットワークコンポーネント110のそれぞれは、5G NRなどの単一のRATを用いることがある。UEが複合セルラネットワーク105によってカバーされる領域内で物理的に移動する場合、UEは、インターネットであり得るデータネットワーク140にアクセスするために、アンカーポイントとして様々なスタンドアロンネットワークコンポーネント110間で使用を切り替え得る。アンカーポイントは、セルラネットワークと、インターネットなどの外部データネットワークとの間のゲートウェイとしての役割を果たすセルラネットワークの構成要素を定義する。例えば、UEがスタンドアロンネットワークコンポーネント110-1の近傍に存在する場合、スタンドアロンネットワークコンポーネント110-1のコアコンポーネントはデータネットワーク140にアクセスするために使用され得る。別の時点で、UEはスタンドアロンネットワークコンポーネント110-3の近傍に配置されることがあり、その場合、スタンドアロンネットワークコンポーネント110-3のコアコンポーネントが、データネットワーク140にアクセスするために使用され得る。
【0015】
UEが複合セルラネットワーク105と通信状態である間、複合セルラネットワーク105の収束コアネットワークコンポーネント120は、スタンドアロンネットワークコンポーネント110と同様に機能することが可能である。すなわち、UEが収束コアネットワークコンポーネント120の近くの地理的領域に移動した場合、収束コアネットワークコンポーネント120は、データネットワーク140にアクセスするためのアンカーポイントとして使用され得る。その後、UEが遠ざかる方向に移動して、例えばスタンドアロンネットワークコンポーネント110-2に近づいた場合、スタンドアロンネットワークコンポーネント110-2はデータネットワーク140にアクセスするためのアンカーポイントとして使用されることを開始し得る。
【0016】
収束コアネットワークコンポーネント120は、スタンドアロンネットワークコンポーネント110を超える追加機能を有する。スタンドアロンネットワークコンポーネント110が5Gなどの単一のセルラRATのみを使用して通信可能である一方、収束コアネットワークコンポーネント120は、5G NR及び4G LTE EPCなどの複数のセルラ標準を使用して機能するコアコンポーネントを含む。UEが4G LTEセルラネットワーク、非スタンドアロン5Gセルラネットワーク、又は何らかの他のRATに基づくセルラネットワークであり得るセルラネットワーク107と通信しているとき、UEが通信している第2のセルラネットワークコアコンポーネント130のうちのいずれにかかわらず、収束コアネットワークコンポーネント120はデータネットワーク140にアクセスするためのアンカーポイントとして使用されたままである。したがって、UEがセルラネットワーク107内のどこでローミングするかにかかわらず、アンカーポイントは収束コアネットワークコンポーネント120に固定される。
【0017】
レイテンシを減少させるために、収束コアネットワークコンポーネント120は、UEがセルラネットワーク107を使用すると予測される場所の近くに配置されてもよい。例えば、収束コアネットワークコンポーネント120は、複合セルラネットワーク105のカバレッジ領域が終端するがセルラネットワーク107のカバレッジが開始又は継続する場所の近くに配置され得る。
【0018】
図1Bは、複合セルラネットワークを含む通信環境100Bのブロック図の別の実施形態を示す。通信環境100Bにおいて、複数の収束コアネットワークコンポーネント(120、150)は複合セルラネットワーク105の一部として図示される。
図1Aに関連して詳述されるように、複合セルラネットワーク105は、複数のスタンドアロンネットワークコンポーネント110(例えば、110-1、110-2、110-3)を含み得る。これらのスタンドアロンネットワークコンポーネント110のそれぞれは、5G NRなどの単一のRATを用いてもよい。UEが複合セルラネットワーク105によってカバーされる領域内で物理的に移動する場合、UEは、インターネットであり得るデータネットワーク140にアクセスするためのアンカーポイントとして様々なスタンドアロンネットワークコンポーネント110間で使用を切り替え得る。
【0019】
UEが複合セルラネットワーク105と通信状態である間、複合セルラネットワーク105の収束コアネットワークコンポーネント120及び150は、スタンドアロンネットワークコンポーネント110と同様に機能することが可能である。すなわち、UEが収束コアネットワークコンポーネント120又は収束コアネットワークコンポーネント150に近い地理的領域に移動した場合、収束コアネットワークコンポーネント120又は150は、データネットワーク140にアクセスするためのアンカーポイントとして使用され得る。
【0020】
収束コアネットワークコンポーネント120及び150は、5G NR及び4G LTE EPCなどの複数のセルラ標準を使用して機能するコアコンポーネントを含む。UEが複合セルラネットワーク105の代わりにセルラネットワーク107を使用した通信に遷移すると、データネットワーク140にアクセスするためのアンカーポイントとして使用される複合セルラネットワーク105のコンポーネントは固定となる。例えば、UEが収束コアネットワークコンポーネント120と以前通信しており、その後セルラネットワーク107にローミングした場合、収束コアネットワークコンポーネント120は、UEがセルラネットワーク107上でローミングしている限り、(UEがセルラネットワーク107内のとこでローミングするかにかかわらず)固定アンカーポイントとして使用され得る。UEが収束コアネットワークコンポーネント150と以前通信しており、その後セルラネットワーク107にローミングした場合、収束コアネットワークコンポーネント150は、UEがセルラネットワーク107上でローミングしている限り、(UEがセルラネットワーク107内のどこでローミングするかにかかわらず)固定アンカーポイントとして使用され得る。
【0021】
UEがセルラネットワーク107上でローミングしている時間中にUEがアンカーポイントとして使用されるためにセルラネットワーク107上でのローミングを開始すると、UEは複合セルラネットワーク105の特定の収束コアネットワークコンポーネントを割り当てられてもよい。例えば、UEがスタンドアロンネットワークコンポーネント110-2と以前接続され、次にセルラネットワーク107の第2のセルラネットワークコアコンポーネント130-2と接続された場合、UEがセルラネットワーク内のどこでローミングするかにかかわらず、UEがセルラネットワーク内でローミングしている時間中にUEのためのアンカーポイントとしての役割を果たすために、収束コアネットワークコンポーネント120又は収束コアネットワークコンポーネント150のいずれかが複合セルラネットワーク105によって選択されてもよい。この選択は、レイテンシ、地理的ロケーション、又は1つ又は複数の他の要素に基づいてもよい。
【0022】
どのようにアンカーポイントがロックされるかの一例として、UEが第2のセルラネットワークコアコンポーネント130-1を使用してセルラネットワーク107と接続した場合、複合セルラネットワーク105の収束コアネットワークコンポーネント120は、データネットワーク140にアクセスするためのアンカーポイントとしてロックされ得る。UEが移動し、その後、第2のセルラネットワークコアコンポーネント130-3と通信した場合、収束コアネットワークコンポーネント150が低レイテンシを有する場合、又は地理的に近接している場合でも、収束コアネットワークコンポーネント120は、UEがセルラネットワーク107と接続されている時間中、アンカーポイントとして使用されたままである。
【0023】
UEが、セルラネットワーク107からの接続が切断され、収束コアネットワークコンポーネント120、収束コアネットワークコンポーネント150、又は1つ又はスタンドアロンのネットワークコンポーネント110のいずれかと直接通信した場合、アンカーポイントはこれらのコンポーネント間でシフトされることを再開してもよい。その後、UEがセルラネットワーク107と再接続した場合、アンカーポイントが選択されてもよく(したがって複合セルラネットワーク105の異なる収束コアネットワークコンポーネントでもよく)、再度ロックされてもよい。
【0024】
図1A及び
図1Bの例において、スタンドアロンネットワークコンポーネント110、収束コアネットワークコンポーネント120及び150、並びに第2のセルラネットワークコアコンポーネント130の数は例に過ぎない。現実の実施例において、複合セルラネットワーク105からUEがローミングできるセルラネットワークの数は、1つよりも多くてもよく、より多くのコンポーネントが存在してもよい。
【0025】
図2は、通信環境200の実施形態を示す図である。通信環境200は、
図1Aのより詳細な実施形態を表し得る。通信環境200は、UEがローミングし得る5G NRと4G LTEネットワークとの間のブリッジ機能のコンテクストで使用されることが可能である。通信環境200は、複合セルラネットワーク210と、セルラネットワーク230とを含み得る。複合セルラネットワーク210は、スタンドアロンネットワーク部211及び収束コアネットワーク部220を含む複数の部分を含み得る。スタンドアロンネットワーク部211は、5Gなどの単一のRATにしたがって機能するRAN及びコアコンポーネントを含む複合セルラネットワーク210の一部を表す。スタンドアロンネットワーク部211は、5G NRなどの1つのRATを使用する通信のみ行い得る。スタンドアロンネットワーク部211内には、複数のアンカーポイントが存在し得る。5Gコアコンポーネントを使用するセルラネットワークの場合、アンカーポイントはUPF(ユーザプレーン機能)と呼ばれ得る。UPF212は、UEと、インターネットであり得るデータネットワーク240との間のゲートウェイとしての役割を果たす。複数のUPF212(112-1、212-2、212-3)が存在する。各UPFは、基地局214のうちの1つ又は複数の基地局の役割を果たし得る。基地局214は、5G NRネットワークにおけるgNodeB(gNB)であり得る。基地局214のうちの所与の基地局にサービスを提供する、UPF212のうちのUPFは固定され得る。
【0026】
図示されるように、UPF212の各UPFは、基地局214の特定の基地局と通信状態であるとして図示されている。スタンドアロンネットワーク部211に対して使用されるセッション更新機能(SSC)モードに応じて、基地局がUEの代わりにどの特定のUPFと通信しているかは変化してもよい。例えば、第1のモード(例えば、SSC3)では、UEが基地局間を移動するが、UEは、より効率的な(例えば、低レイテンシ、高帯域幅、短地理的距離)UPFとの新規接続が構築されるまで、UPFをそのアンカーポイントとして使用することを継続し得る。これは、口語的に「メイクビフォアブレイク」と呼ばれ得る。別のモード(例えば、SSC2)では、より効率的なUPFとの新規接続が構築される前に、前に使用されたUPFとの接続が終了し得る。これは、口語的に「ブレイクビフォアメイク」と呼ばれ得る。したがって、接続が所与の基地局に対して最も効率的であり得るUPFを示しても、基地局は、必要に応じて他のUPFを用いてUEに対してデータをルーティングしてもよい。
【0027】
UEがスタンドアロンネットワーク部211内で移動して基地局214のうちの異なる基地局と接続したときに、複合セルラネットワークが許容モード(例えば、5G NR用のSSC2又はSSC3)に設定される場合、UEをデータネットワーク240と接続するために使用されるUPFは変更され得る。例えば、UEが基地局214-4と接続された場合、UPF212-1は、UEがデータネットワーク240との通信のためのアンカーポイントとして使用され得る。UEが移動して基地局214-2との通信を開始した場合、UPF212-3は、UEがデータネットワーク240との通信のためのアンカーポイントとして使用され得る。
【0028】
収束コアネットワーク部220は、複数のRAT(5G NR及び4G LTEなどの複数のセルラ通信プロトコル)と互換性を有するコアコンポーネントを含む複合セルラネットワーク210の一部を表す。スタンドアロンネットワーク部211と同一種類のアンカーポイントを有するのではなく、収束コアネットワーク部220は、複数のRATと互換性を有する1つ又は複数のアンカーポイントを有し得る。基地局224との無線接続を有するなどによって、UEが収束コアネットワーク部220の一部として動作している間、機能は、UEがスタンドアロンネットワーク部211内にあるかのような場合と同様であり得る。すなわち、アンカーポイントは、UPF/PGW222となるように調整され得る。UEが収束コアネットワーク部220の基地局と直接接続されている間、UPF/PGW222はUPF212と同様に機能し得る。例えば、UEがスタンドアロンネットワーク部211に戻るように移動した場合、異なるUPFがそのUEのアンカーポイントとして使用されるように遷移が発生し得る。
【0029】
UPF/PGW222(ユーザプレーン機能/パケットゲートウェイ)は、単一のコンポーネント、又は協働して機能する複数のコンポーネントを表し得る。UPFが5G通信のためにデータネットワーク240とUEとの間のゲートウェイとして使用され得る一方、PGWは4G通信のための同様の機能を実行し得る。
【0030】
UEは、収束コア地域データセンタを有する複合セルラネットワーク210の領域から出て、セルラネットワーク230上でローミングしてもよい。セルラネットワーク230は、複合セルラネットワーク210とは異なるネットワークプロバイダによって動作され得る。例えば、複合セルラネットワーク210のプロバイダは、セルラネットワーク230のプロバイダとの業務委託契約を有することがある。セルラネットワーク230は、スタンドアロンネットワーク部211とは異なるRATを使用して動作する。例えば、セルラネットワーク230は、4G LTEネットワーク又は5G非スタンドアロンネットワーク(4G EPCをそのコアとして使用)であり得る。4G LTE及び5G非スタンドアロン(4G EPC利用)は、4G EPCコアネットワークにおけるアンカーポイントが固定されている点でスタンドアロン5G NRネットワークとは異なる。UEがセルラネットワーク230の基地局234のうちの基地局と通信している間、UPF/PGW222は、UEがセルラネットワーク230内のどこでローミングするかにかかわらず、そのUEのために使用されるアンカーポイントのままであり得る。
【0031】
セルラネットワーク230内で、基地局234のそれぞれは、サービングゲートウェイ(SGW)232と通信し得る。SGWは、収束コアネットワーク部220のUPF/PGW222である、UEにサービス提供するPGWへデータ通信を転送し得る。UEがセルラネットワーク230内で移動する場合、データをUPF/PGW222に転送するために使用されるSGW232のうちのSGWは変更されてもよいが、データネットワーク240との通信のためのアンカーポイントはUPF/PGW222のままである。少なくともUEがセルラネットワーク230からの接続を切断して複合セルラネットワーク210と再接続するまで、UPF/PGW222はアンカーポイントのままであり得る。UEが収束コアネットワーク部220の一部である基地局(例えば、基地局224)と再接続した場合、UPF/PGW222は少なくとも初期にはデータネットワーク240との通信のためのアンカーポイントのままであり得る。しかし、UEが基地局214-4などの別の基地局と再接続した場合、UPF212のうちのUPFがその代わりにアンカーポイントとして使用され得る。
【0032】
収束コアネットワーク部220は、セルラネットワーク230と重複し得る。すなわち、収束コアネットワーク部220は、UEが複合セルラネットワーク210とセルラネットワーク230との両方と通信可能な領域を表し得る。しかし、複合セルラネットワーク210はUEのホームネットワークであるため、複合セルラネットワーク210が利用不可能でない限り、そのUEはセルラネットワーク230と接続しない。収束コアネットワーク部220がセルラネットワーク230のカバレッジ領域と重複するか否かにかかわらず、収束コアネットワーク部220は複合セルラネットワーク210の地理的エッジの近くに配置され得る。収束コアネットワーク部220のPGW機能は、UEが4G互換性又は非スタンドアロン5G互換性を必要とするローミングセルラネットワークと通信しているときにのみ必要とされるため、スタンドアロンネットワーク部211においてPGW機能を実施する必要はないことがある。収束コアネットワーク部220のためのロケーションを選択する際の1つの可能な目標は、UEがセルラネットワーク230上でローミングすると予想され得る大領域に対してUPF/PGW222が比較的低レイテンシを有するように、収束コアネットワーク部220を配置することであり得る。
【0033】
図3は、UEが複合セルラネットワーク内で移動し複合セルラネットワークのローミングオフをする実施形態300を示す図である。実施形態300は、UEが複合セルラネットワーク内で移動し、セルラネットワーク230でローミングすることを表す。UEは、無線セルラネットワークとのデータ交換可能ないずれかの種類の通信機器であり得る。UEの例は、スマートフォン、セルラフォン、タブレットコンピュータ、無線モデム、ラップトップコンピュータ、及び無線アクセスポイント(AP)を含み得る。
【0034】
実施形態300において、UEロケーション301からUEロケーション307へ移動する単一のUEが図示される。UEロケーション301で、UEはスタンドアロンネットワーク部211の基地局214-1と通信し得る。スタンドアロンネットワーク部211が5Gであり、5Gコアネットワークを使用すると仮定すると、UEは、アンカーポイントとしてUPF212-2を使用してデータネットワーク240に接続し得る。UEはUEロケーション302を移動し得る。UEロケーション302で、UEは基地局214-3と通信し得る。UEは、データネットワーク240と接続するためのアンカーポイントとして、UPF212-2の使用からUPF212-3の使用へ遷移され得る。UEはUEロケーション303に移動し得る。UEロケーション303で、UEは基地局224と通信し得る。基地局224が収束コアネットワーク部220の一部であるが、UEは依然として複合セルラネットワーク210と直接接続されているため、アンカーポイントは移動され続け得る。UPF/PGW222は、UEがデータネットワーク240と通信するためのアンカーポイントとして使用され得る。
【0035】
UEロケーション304で、UEはセルラネットワーク230上でのローミングを開始する。セルラネットワーク230がそのRATとして4Gを使用すると仮定すると、UPF/PGW222は、UEがデータネットワーク240と通信するためのアンカーポイントとして現時点でロックされる。したがって、UEがセルラネットワーク230内のどこを移動するかにかかわらず、UPF/PGW222はUEのアンカーポイントのままとなる。UEロケーション304で、UEは、eNodeB(eNB)であり得る基地局234-3と通信し得る。UEは、SGW232-2を介してUPF/PGW222と通信し得る。UEはUEロケーション305に移動し得る。UEロケーション305で、UEは基地局234-1と通信し得る。データネットワーク240と通信するために、データはSGW232-1及びUPF/PGW222を介してルーティングされ得る。UEロケーション306で、UEは基地局234-2と通信し得る。この場合も、データネットワーク240と通信するために、データはSGW232-1及びUPF/PGW222を介してルーティングされ得る。しかし、UEがUEロケーション307に移動するとき、UEはその時点で複合セルラネットワーク210に戻っているため、UEのアンカーポイントはUPF212-1に遷移され得る。
【0036】
図4は、UEが複合セルラネットワーク210内で移動し複合セルラネットワーク210のローミングオフを行う実施形態400を示す図である。実施形態400は、UEが複合セルラネットワーク内で移動し、セルラネットワーク230上でローミングすることを表す。本実施形態において、UPF/PGW222は、セルラネットワーク230のカバレッジ領域と物理的に重複する地理的領域に配置されていない。
【0037】
実施形態400において、UEロケーション401からUEロケーション407へ移動する単一のUEが図示される。UEロケーション401で、UEは、スタンドアロンネットワーク部の一部である基地局214-1と通信し得る。UPF212-2は、スタンドアロン5Gネットワーク部の一部であり、5Gコアネットワークを使用し、そのためUEはアンカーポイントとしてUPF212-2を使用してデータネットワーク240に接続し得る。UEはUEロケーション402に移動し得る。UEロケーション402で、UEは基地局214-3と通信し得る。UEは、データネットワーク240と接続するためのアンカーポイントとして、UPF212-2の使用からUPF212-3の使用へと遷移され得る。UEはUEロケーション403にその後移動し得る。UEロケーション403で、UEは、SGW232-3と接続される基地局224と通信し得る。複合セルラネットワーク210の一部であるPGWは、UEがセルラネットワーク230上でローミングしている残り時間に固定アンカーポイントとして使用され得る。SGW232-3は、複合セルラネットワーク210のUPF/PGW222と通信し得る。いくつかの実施形態では、プライベートネットワーク接続が、SGW232-3とUPF/PGW222との間で使用される。他の実施形態では、データネットワーク240は、SGW232-2とUPF/PGW222との間の通信のために使用され得る。
【0038】
UEロケーション404で、UEは、SGW232-2と通信するBS234-3と通信し得る。SGW232-2は、プライベートネットワーク接続又はデータネットワーク240のいずれかを介して、アンカーポイントのままであるUPF/PGW222と通信し得る。UEロケーション405で、UEは、SGW232-1と通信し得るBS234-1と通信し得る。SGW232-1は、プライベートネットワーク接続又はデータネットワーク240のいずれかを介してUPF/PGW222と通信し得る。同様に、UEロケーション406で、SGW232-1を使用して通信を継続するBS234-2と通信し得る。
【0039】
UEロケーション407で、UEは複合セルラネットワーク210との通信を再開する。UEが複合セルラネットワーク210との通信を再開したため、アンカーポイントはロックされなくなる。UEロケーション407では、UEはBS214-1と通信する。BS214-1のために、UPF212-2がBS214-1に割り当てられる、又はUPF212-2が他のUPFと比べて比較的低レイテンシであるなどの1つ又は複数の有利な特性を結果として得られる、のいずれかを理由として、UPF212-2はアンカーポイントとして使用される。UEが複合セルラネットワーク210内を移動すると、アンカーポイントとして使用されるUPFは変化し続け得る。UEがセルラネットワーク230に移動した場合、アンカーポイントは、以前使用されたものと同一のPGW又は異なるPGWであり得る、複合セルラネットワーク210のPGWに再度ロックされ得る。
【0040】
図1Aから
図4に関連して詳述されたシステムを使用して、様々な方法が実行され得る。
図5は、複合セルラネットワークにおけるアンカーポイント移動を管理するための方法500の実施形態を示す図である。ブロック510で、UEが複合セルラネットワークと通信している間、UEは第1のアンカーポイントを介してデータネットワークと接続され得る。この第1のアンカーポイントは、5G RAT又は非スタンドアロン5GのためのPGWとして機能可能でないUPFでもよい。複合セルラネットワークは、スタンドアロン5Gコア部と、収束5G/4Gコア部とを含み得る。ブロック520で、UEは、複合セルラネットワークによって地理的にカバーされる新規ロケーションに移動し得る。他の実施形態において、方法500はブロック550に直接進んでもよい。ブロック530で、そのUEに割り当てられたアンカーポイントが第1のアンカーポイントから第2のアンカーポイントへ遷移され得る。この第2のアンカーポイントは、さらに、5G RATのためのPGW又は非スタンドアロン5Gとして機能可能でないUPFでもよい。UEが複合セルラネットワークと接続されているため、複合セルラネットワークがそれを許容するモード(例えば、SSC3)に設定されると仮定すると、アンカーポイントは、UEとデータネットワークとの間でより効率的な(例えば、低レイテンシ、高帯域幅)通信を可能とするなどのために、変更され得る。ブロック540で、UEが複合セルラネットワークと通信している間、第2のアンカーポイントを使用して、UEはデータネットワークと接続され得る。
【0041】
ブロック550で、UEは別の新規の物理的ロケーションに移動し得る。その新規ロケーションにおいて、UEは、異なるネットワークプロバイダによって動作されることが可能な異なるセルラネットワーク上でローミングし得る。この他のセルラネットワークは、4G LTE、非スタンドアロン5G(両方の実施形態において、4G EPCはネットワークのコアのために使用される)、又はいずれかの他のセルラネットワーク標準でもよい。ブロック560で、複合セルラネットワークは、UEのアンカーポイントを、第2のアンカーポイントからPGWとして機能することが可能な収束アンカーポイントへ遷移させ得る。ブロック570で、UEが4G又は非スタンドアロン5Gを使用する異なるセルラネットワーク上でローミングしている間、PGWは、そのUEのためのアンカーポイントとしてロックされ得る。UEがこの他のセルラネットワーク上のどこでローミングするかにかかわらず、ブロック560のPGWは、データネットワークとUEとの間のアンカーポイントのままであり得る。
【0042】
UEがそのホームネットワークに戻ると、アンカーポイントはロックされなくなり、アンカーポイントは、複合セルラネットワークのUPFと収束UPF/PGW間で移動され得る。UEが再度4G LTEネットワーク又は非スタンドアロン5Gネットワークにローミングした場合、収束UPF/PGWは、UEが4G又は非スタンドアロン5Gセルラネットワーク上でローミングしている時間の残りにおいて、再度、固定アンカーポイントとして使用される。
【0043】
上述した方法、システム、及び装置は例である。様々な構成が、必要に応じて様々な手続き又は構成要素を省略、置換、又は追加してもよい。例えば、代替の構成において、方法は、上述した順序と異なる順序で実行されてもよく、及び/又は様々な段階が追加、省略、及び/又は組み合わされてもよい。さらに、特定の構成に関して説明した特徴は、様々な他の構成において組み合わされてもよい。その構成の異なる態様及び要素が同様に組み合わされてもよい。また、技術は進化するものであり、したがって要素の多くは例であり、本開示の範囲又は特許請求の範囲を限定しない。
【0044】
例示の構成(実施例を含む)の十分な理解を実現するために、本明細書において具体的な詳細が示されている。しかし、構成は、それらの具体的な詳細なしで実践され得る。例えば、よく知られている回路、プロセス、アルゴリズム、構造、及び技法は、構成を不明瞭とすることを避けるために、不要な詳細なく示されている。本明細書は、例示の構成のみを提示しており、特許請求の範囲、適用可能性、又は構成を限定しない。むしろ、構成の上記説明は、当業者に、上述した技法を実施するための実現説明を提供する。本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、要素の機能及び構成に対して様々な変更がなされてもよい。
【0045】
また、構成は、フロー図又はブロック図として図示されるプロセスとして説明されてもよい。それぞれは、順次プロセスとして動作を説明することがあるが、動作の多くは並列又は同時に実行可能である。加えて、動作の順序は並び替えられてもよい。プロセスは、図に含まれていない追加ステップを有してもよい。さらに、方法の実施例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、又はこれらの任意の組み合わせによって実施されてもよい。必要なタスクを実行するために、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、又はマイクロコードにおいて実施された場合、その必要なタスクを実行するプログラムコード又はコードセグメントは、記憶媒体などの非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されてもよい。プロセッサが上述のタスクを実行してもよい。
【0046】
いくつかの例示の構成について説明したが、本開示の趣旨から逸脱することなく、様々な修正、代替の構造、及び同等物が使用されてもよい。例えば、上述した要素は、より大きなシステムの構成要素でもよく、ここで他の規則は、本発明の適用よりも優先されてもよく、又は本発明の適用を他の方法で修正してもよい。さらに、上述した要素が考慮される前、間、後に、多くのステップが実行されてもよい。