(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】浄水器用凝縮器、浄水器用凝縮器の製造方法、及び凝縮器を備える浄水器
(51)【国際特許分類】
F25B 39/04 20060101AFI20241023BHJP
F28F 1/12 20060101ALI20241023BHJP
F28D 1/047 20060101ALI20241023BHJP
B21D 53/06 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
F25B39/04 B
F28F1/12 B
F28D1/047 B
B21D53/06 H
(21)【出願番号】P 2022530814
(86)(22)【出願日】2020-11-18
(86)【国際出願番号】 KR2020016259
(87)【国際公開番号】W WO2021112455
(87)【国際公開日】2021-06-10
【審査請求日】2023-09-28
(31)【優先権主張番号】10-2019-0161062
(32)【優先日】2019-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514170813
【氏名又は名称】コーウェイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】COWAY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ヨン, ミンチョル
(72)【発明者】
【氏名】キム, チョンレ
(72)【発明者】
【氏名】キム, チョルホ
(72)【発明者】
【氏名】ホン, ヨンフン
(72)【発明者】
【氏名】シン, ヒョンス
(72)【発明者】
【氏名】パク, シジュン
(72)【発明者】
【氏名】パク, チャンジョン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ギョンジョン
(72)【発明者】
【氏名】イ, ギョンミン
(72)【発明者】
【氏名】イェ, ビョンヒョ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン, ウン
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-181371(JP,U)
【文献】実開昭52-006267(JP,U)
【文献】実開昭62-143166(JP,U)
【文献】実公昭44-013738(JP,Y1)
【文献】特開平08-320192(JP,A)
【文献】特開平06-265288(JP,A)
【文献】特公昭41-014821(JP,B1)
【文献】実開昭50-105070(JP,U)
【文献】特開2001-317854(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0256972(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0236762(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 39/00,39/04
F28F 1/00,1/12,1/32
F28D 1/047
B21D 53/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に互いに重なるように配置される複数個の曲げ部を備えるパイプ、
それぞれの前記複数個の曲げ部の上面及び下面に
上下方向と垂直な方向にそれぞれ設けられる冷却ワイヤ、及び
前記冷却ワイヤ
の一部分を囲むように配置される固定部材、
を含み、
それぞれの前記複数個の曲げ部は、それぞれ上下方向と垂直な方向に連続して配置される複数個のU字の曲面部分と複数個の直線状部分とを含み、
それぞれの前記複数個の曲げ部の
前記上面及び下面に設けられる前記冷却ワイヤは、交互に配置される、浄水器用凝縮器。
【請求項2】
前記
複数個の曲げ部の
前記上面及び下面のうち一面に配置される前記冷却ワイヤは、複数個の行を有するように配置される、請求項1に記載の浄水器用凝縮器。
【請求項3】
前記冷却ワイヤは直径が1.0mm~1.2mmである、請求項1に記載の浄水器用凝縮器。
【請求項4】
前記パイプは直径が4.5mm~5mmである、請求項1に記載の浄水器用凝縮器。
【請求項5】
前記パイプは、複数個の曲げ部を連結する連結部をさらに備える、請求項1に記載の浄水器用凝縮器。
【請求項6】
前記パイプは、
一端に流入口が備えられる第1曲げ部と、前記第1曲げ部の
他端から延長する第1連結部と、
一端に前記第1連結部
が連結される第2曲げ部と、前記第2曲げ部の
他端から延長する第2連結部と、
一端に前記第2連結部
が連結される第3曲げ部と、前記第3曲げ部の
他端から延長する第3連結部と、
一端に前記第3連結部
が連結される第4曲げ部と、前記第4曲げ部の
他端から延長する第4連結部と、
一端に前記第4連結部
が連結されて
他端に流出口が備えられる第5曲げ部と、を備える、請求項5に記載の浄水器用凝縮器。
【請求項7】
前記第1曲げ部に設けられる前記冷却ワイヤの一端部と、前記第2~第4曲げ部に設けられる前記冷却ワイヤの両端部及び前記第5曲げ部に設けられる前記冷却ワイヤの他端部は曲げられる、請求項6に記載の浄水器用凝縮器。
【請求項8】
内部空間を有し、外部空気が流入する吸入口を備える本体ケース、
前記本体ケースの内部空間に設けられ、前記本体ケースの吐出口に配置される請求項1から7のいずれか一項に記載の凝縮器、
前記凝縮器の前端に配置されて前記本体ケースの内部空間に配置される空気を前記凝縮器に通過させた後、外部に排出させる送風ファン、及び
前記本体ケースの内部空間に配置されて前記凝縮器を含む冷却システムによって冷水を生成する冷水生成部、
を含み、
前記本体ケースの内部空気は、前記凝縮器を通過した後、前記吐出口を介して前記本体ケースの外部に吐出される、浄水器。
【請求項9】
パイプを曲げて複数個の曲げ部を形成する段階、
前記複数個の曲げ部のうち偶数番目または奇数番目に配置される曲げ部を隣り合って配置される曲げ部と比較して、上部または下部側に予め設定された間隔だけ移動させる段階、
それぞれの前記
複数個の曲げ部の上面及び下面に
上下方向と垂直な方向に複数個の行をなすようにワイヤを設ける段階
、
前記複数個の曲げ部と隣り合う前記曲げ部の間に配置される
不要なワイヤ
部分を除去して冷却ワイヤを形成する段階、及び
前記複数個の曲げ部が
上下方向に重なるように前記パイプを曲げる段階、
を含み、
前記複数個の曲げ部が重なるように前記パイプを曲げる段階は、偶数番目または奇数番目に配置される曲げ部が隣り合って配置される曲げ部と重なって配置されるように、初期移動方向とは逆に下部または上部側に移動させて曲げ
、
それぞれの前記複数個の曲げ部は、それぞれ上下方向と垂直な方向に連続して配置される複数個のU字の曲面部分と複数個の直線状部分とを含み、
それぞれの前記複数個の曲げ部の前記上面及び下面に形成される前記冷却ワイヤは、交互に配置される、浄水器用凝縮器の製造方法。
【請求項10】
前記予め設定された間隔は、前記ワイヤの行間間隔の半分に対応する、請求項9に記載の浄水器用凝縮器の製造方法。
【請求項11】
前記冷却ワイヤは直径が1.0mm~1.2mmである、請求項9に記載の浄水器用凝縮器の製造方法。
【請求項12】
前記パイプは直径が4.5mm~5mmである、請求項9に記載の浄水器用凝縮器の製造方法。
【請求項13】
前記複数個の曲げ部が重なるように前記パイプを曲げる段階の後に、
前記パイプの形状を補正しながら前記パイプを圧着する段階、及び
前記冷却ワイヤに固定部材を設ける段階、
をさらに含む、請求項9に記載の
浄水器用凝縮器の製造方法。
【請求項14】
前記冷却ワイヤに固定部材を設ける段階は、
前記冷却ワイヤを囲むように配置される前記固定部材の上部及び下部にスクリューを設ける段階を備える、請求項
13に記載の浄水器用凝縮器の製造方法。
【請求項15】
前記冷却ワイヤに固定部材を設ける段階の後に、
前記パイプに冷媒が流動する銅管(copper tube)を接合する段階をさらに含む、請求項
13に記載の浄水器用凝縮器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄水器用凝縮器、浄水器用凝縮器の製造方法、及び凝縮器を備える浄水器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
浄水器は、原水をろ過して浄水を生成する装置であって、冷水生成のために冷水生成部を備えることもできる。このような冷水生成部は、冷水タンクに収容された水を冷媒管(蒸発器)によって冷却するタンク冷却方式を用いるか、氷蓄槽の内部に冷媒が流動する冷媒管(蒸発器)と浄水が流動する冷水生成管を設けた後、氷蓄槽に収容された氷蓄液を冷媒管(蒸発器)によって冷却し、冷却された氷蓄液または氷と冷水生成管を流れる浄水を熱交換させて冷水生成管を介して冷水が排出されるようにする氷蓄冷却方式を用いることもある。
【0003】
このために、冷媒管(蒸発器)は圧縮機、凝縮器、膨張弁と連結されて冷却サイクルを構成する。
【0004】
一方、凝縮器は冷媒を凝縮する過程で熱が発生するようになり、浄水器の場合に凝縮器の放熱を効率的に行うために、凝縮器チューブの外面に多数のアルミニウムフィンを取り付けたフィン/チューブ(fin&tube)方式を多く用いている。また、送風ファンを介して凝縮器に空気を供給して凝縮器の冷却が行われるようにする。
【0005】
しかしながら、フィン/チューブ(fin&tube)方式の凝縮器には、フィンとチューブとの連結部位に埃が付着しやすくなり、これによって放熱効率が低下する可能性がある。このような問題点を解決するために、従来の浄水器は、フィン/チューブ方式の凝縮器に対応するハウジング(本体ケース)部分に埃をろ過するためのろ過部材(メッシュ網)を設け、メッシュ網と凝縮器との間に送風ファンを設けて、ろ過部材を通過した空気を吸引してフィン/チューブ方式の凝縮器に供給するようになる。しかし、このような場合には、ハウジングの外部の空気がハウジングの内部に流入してフィン/チューブ方式の凝縮器の放熱及び冷却が行われるが、凝縮器と熱交換した空気がハウジングの外部に効率的に排出されず、ハウジングの内部に滞留しながら、ハウジングの内部の温度が上昇するという問題点がある。
【0006】
一方、大型冷却システムの場合、凝縮器の効率を増加させるためにパイプを曲げた後、曲げたパイプに冷却用ワイヤを取り付けて、これを積層した方式が用いられることもあったが、このような構造はその体積が大きく、家庭用/業務用浄水器には用いることができない。すなわち、曲げたチューブを積層した方式の場合、パイプに設けられる冷却用ワイヤが互いに重なって凝縮器の体積が大きくなるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
凝縮器の効率を向上させながら、凝縮器の体積増加を抑制できる浄水器用凝縮器が提供される。
【0008】
また、凝縮器に備えられる放熱フィンに埃などの異物が挟まることを防止することができる凝縮器を備える浄水器が提供される。
【0009】
そして、浄水器の本体ケースの内部の温度上昇を効率的に改善し、冷却システムの負荷減少による騒音低減を達成することができる凝縮器を備える浄水器が提供される。
【0010】
さらに、凝縮器の体積増加を抑制することができる凝縮器の製造方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施例に係る浄水器用凝縮器は、上下方向に互いに重なるように配置される複数個の曲げ部を備えるパイプと、上記複数個の曲げ部の上面と下面にそれぞれ設けられる冷却ワイヤ及び上記冷却ワイヤを固定させる固定部材を含み、上記複数個の曲げ部と向かい合うように配置される面に設けられる上記冷却ワイヤは交互に配置されることができる。
【0012】
上記曲げ部の一面に配置される上記冷却ワイヤは、複数個の行を有するように配置されることができる。
【0013】
上記冷却ワイヤは直径が1.0mm~1.2mmであることができる。
【0014】
上記パイプは直径が4.5mm~5mmであることができる。
【0015】
上記パイプは、複数個の曲げ部を連結する連結部をさらに備えることができる。
【0016】
上記パイプは、流入口が備えられる第1曲げ部と、上記第1曲げ部の端部から延長する第1連結部と、上記第1連結部の端部に連結される第2曲げ部と、上記第2曲げ部の端部から延長する第2連結部と、上記第2連結部の端部に連結される第3曲げ部と、上記第3曲げ部の端部から延長する第3連結部と、上記第3連結部の端部に連結される第4曲げ部と、上記第4曲げ部の端部から延長する第4連結部と、上記第4連結部の端部に連結されて流出口が備えられる第5曲げ部と、を備えることができる。
【0017】
上記第1曲げ部に設けられる上記冷却ワイヤの一端部と、上記第2~第4曲げ部に設けられる上記冷却ワイヤの両端部及び上記第5曲げ部に設けられる上記冷却ワイヤの他端部は曲げられることができる。
【0018】
本発明の一実施例に係る浄水器は、内部空間を有し、外部空気が流入する吸入口を備える本体ケースと、上記本体ケースの内部空間に設けられ、上記本体ケースの吐出口に配置される浄水器用凝縮器と、上記凝縮器の前端に配置されて上記本体ケースの内部空間に配置される空気を上記凝縮器に通過させた後、外部に排出させる送風ファン及び上記本体ケースの内部空間に配置されて上記凝縮器を含む冷却システムによって冷水を生成する冷水生成部を含み、上記本体ケースの内部空気は、上記凝縮器を通過した後、上記吐出口を介して上記本体ケースの外部に吐出されることができる。
【0019】
本発明の一実施例による凝縮器の製造方法は、パイプを曲げて複数個の曲げ部を形成する段階と、上記複数個の曲げ部のうち偶数番目または奇数番目に配置される曲げ部を隣り合って配置される曲げ部と比較して、上部または下部側に予め設定された間隔だけ移動させる段階と、上記曲げ部の上面及び下面に複数個の行をなすようにワイヤを設ける段階と、上記複数個の曲げ部と隣り合う上記曲げ部の間に配置されるワイヤを除去して冷却ワイヤを形成する段階及び上記複数個の曲げ部が重なるように上記パイプを曲げる段階を含み、上記複数個の曲げ部が重なるように上記パイプを曲げる段階は、偶数番目または奇数番目に配置される曲げ部が隣り合って配置される曲げ部と重なって配置されるように、初期移動方向とは逆に下部または上部側に移動させて曲げることができる。
【0020】
上記予め設定された間隔は、上記ワイヤの行間間隔の半分に対応することができる。
【0021】
上記複数個の曲げ部が重なるように上記パイプを曲げるとき、上記曲げ部の向かい合う面に配置される冷却ワイヤは、交互に配置されることができる。
【0022】
上記冷却ワイヤは、直径が1.0mm~1.2mmであることができる。
【0023】
上記パイプは、直径が4.5mm~5mmであることができる。
【0024】
上記凝縮器の製造方法は、上記複数個の曲げ部が重なるように上記パイプを曲げる段階の後に、上記パイプの形状を補正しながら上記パイプを圧着する段階及び上記冷却ワイヤに固定部材を設ける段階をさらに含むことができる。
【0025】
上記冷却ワイヤに固定部材を設ける段階は、上記冷却ワイヤを囲むように配置される上記固定部材の上部と下部にスクリューを設ける段階を備えることができる。
【0026】
上記凝縮器の製造方法は、上記冷却ワイヤに固定部材を設ける段階の後に、上記パイプに銅管を接合する段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0027】
凝縮器の効率を向上させながら、凝縮器の体積増加を抑制することができる効果がある。
【0028】
凝縮器に備えられる放熱フィンに埃などの異物が挟まることを防止することができる効果がある。
【0029】
本体ケースの内部の温度上昇を効率的に改善し、冷却システムの負荷減少による騒音低減を達成することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の一実施例による浄水器用凝縮器を示した概略平面図である。
【
図2】本発明の一実施例による浄水器用凝縮器を示した概略側面図である。
【
図3】本発明の一実施例による浄水器を示した概略構成図である。
【
図4】本発明の一実施例による浄水器用凝縮器の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施例による浄水器用凝縮器の製造方法を説明するための説明図である。
【
図6】本発明の一実施例による浄水器用凝縮器の製造方法を説明するための説明図である。
【
図7】本発明の一実施例による浄水器用凝縮器の製造方法を説明するための説明図である。
【
図8】本発明の一実施例による浄水器用凝縮器の製造方法を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は、いくつかの他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0032】
図1は、本発明の一実施例による浄水器用凝縮器を示した概略平面図であり、
図2は、本発明の一実施例による浄水器用凝縮器を示した概略側面図である。
【0033】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施例による浄水器用凝縮器100は、一例として、パイプ110、冷却ワイヤ120、及び固定部材130を含んで構成されることができる。
【0034】
パイプ110は、凝縮器100に連結される冷却システム(図示せず)の冷媒が流動する空間を提供する。パイプ110は、上部から見たとき、U字の曲面と直線が連続して配置される曲げ部112を備えることができる。一方、曲げ部112は、一例として、上部から見たとき、5つのU字の管と6つの直線状の管が備えられることができる。一例として、曲げ部112は、5つが積層されるように配置されることができる。
【0035】
すなわち、曲げ部112は、最上層に配置される第1曲げ部112a、第1曲げ部112aの下部に配置される第2曲げ部112b、第2曲げ部112bの下部に配置される第3曲げ部112c、第3曲げ部112cの下部に配置される第4曲げ部112d及び第4曲げ部112dの下部に配置される第5曲げ部112eを備えることができる。
【0036】
一方、本実施例では、曲げ部112が5つ備えられることを、例を挙げて説明しているが、これに限定されず、曲げ部112の個数は様々に変更可能である。
【0037】
また、パイプ110は、曲げ部112を連結する連結部113を備えることができる。すなわち、連結部113は、第1曲げ部112aと第2曲げ部112bを連結する第1連結部113aと、第2曲げ部112bと第3曲げ部112cを連結する第2連結部113bと、第3曲げ部112cと第4曲げ部112dを連結する第3連結部113cと、第4曲げ部112dと第5曲げ部112eを連結する第4連結部113dと、を備えることができる。
【0038】
また、複数個の層からなる曲げ部112、すなわち、第1~第5曲げ部112a~112eは、互いに重なるように配置されることができる。言い換えると、第1~第5曲げ部112a~112eは、少なくとも最外郭に配置される部分が上部から見たとき、互いに重なるように配置されることができる。
【0039】
一方、パイプ110は、第1曲げ部112aから延長形成される流入口114と、最下層に配置される第5曲げ部112eから延長形成される流出口115と、を備えることができる。
【0040】
そして、パイプ110の直径は、約4.5mm~5.5mmであることができる。一例として、パイプ110の直径は4.8mmであることができる。
【0041】
冷却ワイヤ120は、パイプ110の上下部に配置されることができる。すなわち、冷却ワイヤ120は、第1~第5曲げ部112a~112eのそれぞれの上下部に配置されることができる。言い換えると、冷却ワイヤ120は、第1曲げ部112aの上面に接合される第1-1冷却ワイヤ121aと、第1曲げ部112aの下面に接合される第1-2冷却ワイヤ121bと、を備える。そして、冷却ワイヤ120は、第2曲げ部112bの上面に接合される第2-1冷却ワイヤ122aと、第2曲げ部112bの下面に接合される第2-2冷却ワイヤ122bと、を備える。さらに、冷却ワイヤ120は、第3曲げ部112cの上面に接合される第3-1冷却ワイヤ123aと、第3曲げ部112cの下面に接合される第3-2冷却ワイヤ122cと、を備える。また、冷却ワイヤ120は、第4曲げ部112dの上面に接合される第4-1冷却ワイヤ124aと、第4曲げ部112dの下面に接合される第4-2冷却ワイヤ124bと、を備える。そして、冷却ワイヤ120は、第5曲げ部112eの上面に接合される第5-1冷却ワイヤ125aと、第5曲げ部112eの下面に接合される第5-2冷却ワイヤ125bと、を備える。
【0042】
一方、第1-2冷却ワイヤ121b及び第2-1冷却ワイヤ122aは、一例として、交互に配置される。すなわち、第1-2冷却ワイヤ121bと第2-1冷却ワイヤ122aは交互に配置されることができる。さらに、第2-2冷却ワイヤ122bと第3-1冷却ワイヤ123aも交互に配置される。また、第3-2冷却ワイヤ123bと第4-1冷却ワイヤ124aも交互に配置され、第4-2冷却ワイヤ124bと第5-1冷却ワイヤ125aも交互に配置される。
【0043】
このように、互いに向かい合う冷却ワイヤ120が交互に配置されるため、冷却ワイヤ120による体積増加を減少させることができる。これについて簡単に検討すると、製造時の一例として、第2曲げ部112b及び第4曲げ部112dを上部側に移動させた後、冷却ワイヤ120を設ける。この後、パイプ110の曲げにより第1~第5曲げ部112a~112eを重なるように曲げるとき、第2曲げ部112b及び第4曲げ部112dを下部側に移動させてから曲げることで、互いに向かい合う冷却ワイヤ120を交互に配置させることができる。
【0044】
ここで、交互に配置される状態は、例えば、向かい合う冷却ワイヤ120が交差したり、重ならずに一列に順次配置される状態を意味する。すなわち、互いに隣接する上層と下層の冷却ワイヤ120が合間に挟まれて重ならずに一つの層をなす形状となることができる。
【0045】
例えば、第1-2冷却ワイヤ121bと第2-1冷却ワイヤ122aは、互いに交差または重ならず、第1-2冷却ワイヤ121b、第2-1冷却ワイヤ122a、第1-2冷却ワイヤ121b、第2-1冷却ワイヤ122aの順に配置される状態を意味するものである。
【0046】
一方、第1-1冷却ワイヤ121aと第1-2冷却ワイヤ121bの一端部、第5-1冷却ワイヤ125aと第5-2冷却ワイヤ125bの他端部を除いて、残りの冷却ワイヤは曲げられることができる。すなわち、製造時に冷却ワイヤ120を形成するために、プレス切断を行う際に、第1-1冷却ワイヤ121aと第1-2冷却ワイヤ121bの一端部、第5-1冷却ワイヤ125aと第5-2冷却ワイヤ125bの他端部を除いて、残りの冷却ワイヤが一方向に曲げられる。この後、第1~第5曲げ部112a~112eが重なるように曲げられることで、第1-1冷却ワイヤ121aと第1-2冷却ワイヤ121bの一端部、第5-1冷却ワイヤ125aと第5-2冷却ワイヤ125bの他端部を除いた冷却ワイヤ120の端部は、曲げ部112の中央部側に曲げられる。
【0047】
一例として、冷却ワイヤ120は直径が1.0mm~1.2mmであることができる。
【0048】
一方、本実施例では、冷却ワイヤ120がそれぞれの曲げ部112の上下面に設けられる場合を、例を挙げて説明しているが、冷却ワイヤ120はそれぞれの曲げ部112の上面または下面にのみ設けられることができる。
【0049】
固定部材130は、冷却ワイヤ120を固定させる役割を果たす。一例として、固定部材130は、冷却ワイヤ120を一部分囲むように配置されることができる。例えば、固定部材130は、「コ」字状を有することができる。そして、固定部材130は、スクリューSによって固定されることができる。一例として、固定部材130を固定するためのスクリューSは、固定部材130の上部と下部にそれぞれ1つずつ設けられることができる。また、固定部材130は、冷却ワイヤ120を固定するために複数個が設けられることができる。
【0050】
一方、本実施例では、固定部材130が2つ備えられる場合を、例を挙げて説明しているが、固定部材130の設置個数は、様々に変更可能である。また、図示されてはいないが、固定部材130には、凝縮器100を本体ケース210(
図3を参照)の内部に備えられるフレーム(図示せず)に固定させるためのブラケット部材が連結されることができる。
【0051】
上述したように、互いに重なるように配置されて複数個の層をなす曲げ部112を介して体積増加を抑制しながらも効率を向上させることができる。
【0052】
また、交互に配置される複数の層からなる冷却ワイヤ120を介して体積増加を抑制しながら効率をより向上させることができる。
【0053】
また、パイプ110と冷却ワイヤ120が固定された接触部分は、曲面構造をなして接触面積が小さいため、凝縮器100に埃などの異物が溜まることを低減させることができる。特に、凝縮器100に送風が行われる過程で、凝縮器100の表面に溜まっている埃などの異物が除去されるため、別途の清掃作業が不要である。
【0054】
そして、凝縮器100に埃が溜まることで、凝縮器100の放熱が低下することを防止することができるため、圧縮機などの冷却システム(図示せず)の負荷を低減することができ、これにより冷却システムの駆動時に発生する騒音が減少されることができる。
【0055】
以下では、上記の凝縮器を備える浄水器について説明する。
【0056】
図3は、本発明の一実施例による浄水器を示した概略構成図である。
【0057】
図3を参照すると、本発明の一実施例による浄水器200は、一例として、本体ケース210、凝縮器100、送風ファン220、冷水生成部230を含んで構成されることができる。
【0058】
本体ケース210は、一例として、内部空間を有することができる。一方、本体ケース210の後面と側面の少なくとも一面には、外部空気が流入する吸入口211が備えられることができる。また、本体ケース210には、内部から空気が外部に流出される吐出口212が備えられることができる。そして、吐出口212は、比較的温度が高い空気を排出させるための一例として、吸入口211の上部に配置されることができる。
【0059】
一方、本体ケース210には、流入する原水を浄水するための複数個のフィルタを有するフィルタ部201が備えられることができる。
【0060】
凝縮器100は、図示されていない圧縮機、膨張弁、蒸発器と連結されて冷却システムを構成する。また、凝縮器100は、吐出口212の前方に配置されるように本体ケース210の内部空間に設けられる。一方、凝縮器100は、上述した凝縮器100と実質的に同一構成要素であって、ここでは詳細な説明を省略する。また、凝縮器100は、パイプ110(
図1及び
図2を参照)内を流れる冷媒の凝縮時に熱を外部に放出する。
【0061】
上述したように、本発明の一実施例による浄水器100は、凝縮器100に埃が溜まらず、送風時に埃の排出が容易な構造を有するため、凝縮器100に流入する空気をろ過するためのフィルタ部材(メッシュ網)を別途設ける必要がなく、これにより、凝縮器100の前端の流路に送風ファン220を配置することができる。
【0062】
すなわち、送風ファン220は、凝縮器100の前端に配置され、本体ケース210の内部空気が凝縮器100を通過しながら熱交換した後、本体ケース210の吐出口212を介して外部に吐出させるようにする。これにより、凝縮器100と熱交換して熱くなった空気が本体ケース210の外部に直接排出されるため、凝縮器100の放熱性能が改善されるだけでなく、本体ケース210の内部温度が上昇することを抑制することができる。
【0063】
これに対してより詳しく検討すると、従来には本体ケースに送風ファンの吸引力によって本体ケースの外部の空気がフィルタ部材(メッシュ網)を介してろ過された後、送風ファン及び凝縮器100を通過して凝縮器100との熱交換を介して温度が上昇した空気が吐出口から円滑に排出されず、本体ケース210の内部空間に留まるという問題点があった。これにより、凝縮器100から熱が伝達されて熱伝達がなされた空気が本体ケース210の内部に滞留した。したがって、本体ケース210の内部空間の温度が上昇するという問題があった。例えば、本体ケース210の内部温度が凝縮器100の駆動前に約35℃(浄水器の設置空間の温度)である状態で凝縮器100を駆動すると、本体ケース210の内部温度が約60℃まで上昇した。さらに、本体ケース210の内部温度が凝縮器100の駆動前に約40℃(浄水器の設置空間の温度)である状態で凝縮器100を駆動すると、本体ケース210の内部温度が非常に上昇して凝縮器100による冷媒の冷却が行われないという問題があった。
【0064】
しかし、本発明の場合、本体ケース210の内部温度が凝縮器100の駆動前に約35℃(浄水器の設置空間の温度)である状態で凝縮器100を駆動するとしても、約35℃(浄水器の設置空間の温度)である状態を維持することができる。さらに、本発明の場合、本体ケース210の内部温度が凝縮器100の駆動前に約40℃(浄水器の設置空間の温度)である状態で凝縮器100を駆動するとしても約40℃(浄水器の設置空間の温度)である状態を維持することができる。
【0065】
このように、本体ケース210の内部温度の上昇を抑制することによって、結果的に浄水器200の冷却水の生成効率を向上させることができる。
【0066】
冷水生成部230は、本体ケース210の内部空間に配置されて、凝縮器100を含む冷却システム(図示せず)を介して冷水を生成することができる。
【0067】
このような冷水生成部230は、冷水タンクに収容された水を冷却システムの蒸発器(図示せず)によって直接冷却するタンク冷却方式を用いたり、氷蓄槽の内部に冷媒が流動する蒸発器(図示せず)と浄水が流動する冷水生成管を設置した後、氷蓄槽に収容された氷蓄液を蒸発器によって冷却し、冷却された氷蓄液または氷と冷水生成管を流れる浄水を熱交換させて冷水生成管を介して冷水が排出されるようにする氷蓄冷却方式など、浄水器200において冷水生成のために様々な方式で用いられるため、具体的な説明は省略する。
【0068】
上述したように、凝縮器100を通過した空気を本体ケース210の内部から外部に吐出させることで、本体ケース210の内部温度が上昇することを防止することができる。
【0069】
これにより、冷却効率など浄水器200の効率を向上させることができる。
【0070】
以下では、図面を参照して本発明の一実施例による凝縮器の製造方法について説明する。
【0071】
図4は、本発明の一実施例による凝縮器の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【0072】
図4を参照すると、まず作業者は一直線状のパイプを切断して曲げる。これによって、パイプ110は
図5に示したように、一例として5つの曲げ部112を有する。但し、本実施例では曲げ部112が5つである場合を、例を挙げて説明しているが、曲げ部112の個数は様々に変更可能である。
【0073】
この後、作業者は
図6に示したように、偶数番目に配置される曲げ部112を上部または下側に所定間隔a移動させて、奇数番目に配置される曲げ部112を平行に配置させる。但し、これに限定されず、奇数番目に配置される曲げ部112を上部または下側に所定間隔a移動させて、偶数番目に配置される曲げ部112を平行に配置させることもできる。
【0074】
このとき、所定間隔は後述するワイヤWの配置間隔(行間間隔)の約半分(約40%~60%)になることができる。例えば、ワイヤWの配置間隔が5mmである場合、曲げ部112を移動させる所定間隔は、2.5mm(約2mm~3mm)からなることができる。
【0075】
この後、作業者は、
図6に示したように、冷却ワイヤ120(
図1及び2を参照)に成形されるワイヤWをパイプ110の上面及び下面に設ける。冷却ワイヤ120に成形されるワイヤは、溶接によってパイプ110に接合して設けられることができる。
【0076】
この後、作業者は、
図7に示したように、曲げ部112の間に配置される不要なワイヤ部分を除去するためにワイヤを切断する。これにより、冷却ワイヤ120の端部が切断用プレスの移動方向に曲げられる。
【0077】
この後、曲げ部112が互いに重なるように曲げ設備(図示せず)を介してパイプ110を曲げる。このとき、偶数番目に配置される曲げ部10を元の位置に戻しながらパイプ110を曲げる。これにより、パイプ110に設けられる冷却ワイヤ120が互いにずらすように配置されることができる。
【0078】
この後、作業者は、圧着機(図示せず)を介して冷却ワイヤ120が設けられたパイプ110を圧着する。このとき、矯正フィンがパイプ110の形状を矯正できるようにして、複数個の層を有するようになされる曲げ部112が正確に重なるように配置されることができる。このとき、矯正フィンは、パイプ110の形状矯正のために曲げ部112の内部に挟まるか、曲げ部112が外部に接触するように複数個が用いられることができる。
【0079】
一方、偶数番目に配置される曲げ部10を元の位置に戻さずに、
図7の状態で上下方向に垂直な方向に曲げた後、圧着段階の校正過程で曲げ部112が正確に重なる形状を有するように偶数番目に配置される曲げ部10を元の位置に戻すことも可能である。
【0080】
この後、
図8に示したように、固定部材130を介して冷却ワイヤ120を固定させることで、パイプ110が固定されるようにする。このとき、固定部材130にはスクリューSが設けられ、スクリューSは固定部材130の上部及び下部にそれぞれ1つずつ設けられることができる。さらに、固定部材130は複数個が設けられることができる。
【0081】
この後、パイプ110の流入口114及び流出口115に冷媒が流動する銅管(copper tube)を接合する。
【0082】
上述したように、曲げ部10の一部を上部側に移動させた状態で冷却ワイヤ120に形成されるワイヤを設けた後、上部側に移動された曲げ部10を元の位置に戻しながら曲げを行うことで、冷却ワイヤ120が交互に配置されることができる。
【0083】
これにより、凝縮器100の体積を減少させることができるため、家庭用/業務用浄水器に用いることができる。
【0084】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。