IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ PSP株式会社の特許一覧

特許7576118入力支援システム、入力支援プログラム及び入力支援方法
<>
  • 特許-入力支援システム、入力支援プログラム及び入力支援方法 図1
  • 特許-入力支援システム、入力支援プログラム及び入力支援方法 図2
  • 特許-入力支援システム、入力支援プログラム及び入力支援方法 図3
  • 特許-入力支援システム、入力支援プログラム及び入力支援方法 図4
  • 特許-入力支援システム、入力支援プログラム及び入力支援方法 図5
  • 特許-入力支援システム、入力支援プログラム及び入力支援方法 図6
  • 特許-入力支援システム、入力支援プログラム及び入力支援方法 図7
  • 特許-入力支援システム、入力支援プログラム及び入力支援方法 図8
  • 特許-入力支援システム、入力支援プログラム及び入力支援方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】入力支援システム、入力支援プログラム及び入力支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04812 20220101AFI20241023BHJP
   G06F 3/0482 20130101ALI20241023BHJP
   G16H 10/20 20180101ALI20241023BHJP
【FI】
G06F3/04812
G06F3/0482
G16H10/20
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023056454
(22)【出願日】2023-03-30
(65)【公開番号】P2024149843
(43)【公開日】2024-10-21
【審査請求日】2023-03-31
【審判番号】
【審判請求日】2024-02-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】399057182
【氏名又は名称】PSP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004163
【氏名又は名称】弁理士法人みなとみらい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 大介
(72)【発明者】
【氏名】田村 光治
【合議体】
【審判長】山澤 宏
【審判官】北元 健太
【審判官】村松 貴士
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-338257(JP,A)
【文献】特開2015-5228(JP,A)
【文献】特開2017-162037(JP,A)
【文献】特開2014-160482(JP,A)
【文献】特開2011-76465(JP,A)
【文献】国際公開第2010/067618(WO,A1)
【文献】特開2019-82776(JP,A)
【文献】「チェックボックス(サブウィンドウ)」,[online],2022年12月12日 [2024年8月26日検索],インターネット <URL: https://wagby.com/manual8/relation-check-search.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01- 3/04895
G06F 3/14- 3/153
G06Q10/00-99/00
G16H10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる医療情報の入力を支援する入力支援システムであって、
前記入力支援システムは、表示処理手段、入力手段、及び特定手段を備え
記表示処理手段は、医療情報を受け付ける為の複数の領域が表示される入力画面を表示処理し、
前記複数の領域は、1のデータを選択入力可能な入力形式の領域、及び複数のデータを選択入力可能な入力形式の領域を含み、
前記領域は、前記データの入力を受け付けるデータ受付部と、入力を受け付けたデータを表示するデータ表示部とを含み、
前記入力手段は、前記データの入力完了に係る入力を受け付け、
前記入力完了に係る入力は、前記入力形式が1のデータを選択入力可能な入力形式の場合には、前記データの選択入力であり、前記入力形式が前記複数のデータを選択入力可能な入力形式の場合には、前記データの選択入力に加えて、選択入力の完了に係る入力であり、
前記特定手段は、あらかじめ設定された前記領域の選択順序に従って、前記入力完了に係る入力を受け付けた領域の次の領域を、前記データの入力を受け付け可能にアクティブにし、
前記表示処理手段は、アクティブにされた領域の入力形式に基づいて、該領の前記データ受付部を表示処理すると共に、該領のデータ受付部に重畳するようにマウスカーソルを移動して表示処理し
アクティブにされた域の入力形式が前複数のデータを選択入力可能な入力形式場合には、前記選択順序における直前の領域について前記入力完了に係る入力がされることを契機に、選択肢を表示する及び前記選択入力の完了に係る入力を受け付ける前記データ受付部を前記入力画面に重畳して表示処理し、且つ前記マウスカーソルを前記選択肢に重畳して表示処理し、前記データ受付部においてデータの選択入力と選択入力の完了に係る入力がされると、前記入力画面内に表示される前記データ表示部に、前記選択入力されたデータを表示処理する、入力支援システム。
【請求項2】
ユーザによる医療情報の入力を支援する入力支援プログラムであって、
前記入力支援プログラムは、コンピュータを、表示処理手段、入力手段、及び特定手段として機能させ、
前記表示処理手段は、医療情報を受け付ける為の複数の領域が表示される入力画面を表示処理し、
前記複数の領域は、1のデータを選択入力可能な入力形式の領域、及び複数のデータを選択入力可能な入力形式の領域を含み、
前記領域は、前記データの入力を受け付けるデータ受付部と、入力を受け付けたデータを表示するデータ表示部とを含み、
前記入力手段は、前記データの入力完了に係る入力を受け付け、
前記入力完了に係る入力は、前記入力形式が1のデータを選択入力可能な入力形式の場合には、前記データの選択入力であり、前記入力形式が前記複数のデータを選択入力可能な入力形式の場合には、前記データの選択入力に加えて、選択入力の完了に係る入力であり、
前記特定手段は、あらかじめ設定された前記領域の選択順序に従って、前記入力完了に係る入力を受け付けた領域の次の領域を、前記データの入力を受け付け可能にアクティブにし、
前記表示処理手段は、アクティブにされた領域の入力形式に基づいて、該領の前記データ受付部を表示処理すると共に、該領の前記データ受付部に重畳するようにマウスカーソルを移動して表示処理し
アクティブにされた域の入力形式が前複数のデータを選択入力可能な入力形式場合には、前記選択順序における直前の領域について前記入力完了に係る入力がされることを契機に、選択肢を表示する及び前記選択入力の完了に係る入力を受け付ける前記データ受付部を前記入力画面に重畳して表示処理し、前記マウスカーソルを前記選択肢に重畳して表示処理し、前記データ受付部においてデータの選択入力と選択入力の完了に係る入力がされると、前記入力画面内に表示される前記データ表示部に、前記選択入力されたデータを表示処理する、入力支援プログラム。
【請求項3】
ユーザによる医療情報の入力を支援するコンピュータを用いた入力支援方法であって、
前記コンピュータは、
医療情報を受け付ける為の複数の領域が表示される入力画面を表示処理し、
前記複数の領域は、1のデータを選択入力可能な入力形式の領域、及び複数のデータを選択入力可能な入力形式の領域を含み、
前記領域は、前記データの入力を受け付けるデータ受付部と、入力を受け付けたデータを表示するデータ表示部とを含み、
前記データの入力完了に係る入力を受け付け、
前記入力完了に係る入力は、前記入力形式が1のデータを選択入力可能な入力形式の場合には、前記データの選択入力であり、前記入力形式が前記複数のデータを選択入力可能な入力形式の場合には、前記データの選択入力に加えて、選択入力の完了に係る入力であり、
あらかじめ設定された前記領域の選択順序に従って、前記入力完了に係る入力を受け付けた領域の次の前記領域を、前記データの入力を受け付け可能にアクティブにし、
アクティブにされた領域の入力形式に基づいて、該領の前記データ受付部を表示処理すると共に、該領の前記データ受付部に重畳するようにマウスカーソルを移動して表示処理し
アクティブにされた域の入力形式が前複数のデータを選択入力可能な入力形式場合には、前記選択順序における直前の領域について前記入力完了に係る入力がされることを契機に、前記データ受付部を、選択肢を表示する及び前記選択入力の完了に係る入力を受け付ける前記データ受付部を前記入力画面に重畳して表示処理し、且つ前記マウスカーソルを前記選択肢に重畳して表示処理し、前記データ受付部においてデータの選択入力と選択入力の完了に係る入力がされると、前記入力画面内に表示される前記データ表示部に、前記選択入力されたデータを表示処理する、入力支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力支援システム、入力支援プログラム及び入力支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、問診や既往歴等の患者情報、検査の実施に関する情報や検査の結果等、一連の様々な項目の情報を入力する場合、マウス操作でカーソルを移動し、次の項目をクリックすることで入力する対象を次の項目へ移していた。しかし、このような場合、カーソルの移動のためにマウスを大きく移動させる必要があり、また、マウスの移動が大きいために誤操作を起こし、入力に手間がかかってしまうという問題があった。このような問題を解決する技術が、例えば、特許文献1に提案されている。
【0003】
特許文献1には、データ入力装置は、データを入力/表示するために複数の入力フィールドA1、A2、B1、B2、CとカーソルXを表示した画面1aを有する表示部1と、画面1aのカーソルXの移動を制御するための情報が記録および更新されるカーソル制御テーブル2と、ユーザ単位に使用するカーソル優先度を決定するユーザ情報ファイル3と、カーソル優先度テーブル2の情報と画面1のカーソルXの移動履歴とを格納(記憶)するカーソル情報メモリ4と、このカーソル情報メモリ4に格納(記憶)されたカーソル移動履歴に従い画面1aのカーソルXを制御する画面制御部5と、キーボード6などの入力手段から入力され表示画面1aに表示されたデータを格納するデータファイル7とから構成されていること、TABキーなどが操作されたカーソル移動イベントであれば、画面制御部5はカーソル情報メモリ4のカーソル移動情報の順に、移動したフィールドID、フィールド属性、入力有無をセットし、画面制御部5はカーソルXをカーソル制御順序の次の入力フィールドID(第2フィールドID)の入力フィールドの位置に移動させること、が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-184605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、カーソル移動イベントとしてTABキーが操作されることで、格納されたカーソル制御順序で次の入力フィールドにカーソルを移動させることができる。しかし、キーボード操作で全ての入力を行う為には、キーボード操作に慣れる必要があり、TABキー操作等のキーボード操作に慣れていない人にとっては不便であった。またそもそもキーボード操作に慣れていない人は、キーボード操作を利用して情報入力をすることがなかった。
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、マウス操作による情報の入力を支援することができる新規な技術を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、ユーザによる医療情報の入力を支援する入力支援システムであって、前記入力支援システムは、表示処理手段、入力手段、及び特定手段を備え、医療情報は複数のデータを含み、前記表示処理手段は、前記複数のデータの入力をそれぞれ受け付ける為の複数の領域を入力画面において表示処理し、前記入力手段は、前記データの入力完了に係る入力を受け付け、前記特定手段は、あらかじめ設定された前記領域の選択順序に従って、次の前記領域をアクティブにし、前記表示処理手段は、該次の領域にマウスカーソルを移動して表示処理する。
【0008】
また、本発明は、ユーザによる医療情報の入力を支援する入力支援プログラムであって、前記入力支援プログラムは、コンピュータを、表示処理手段、入力手段、及び特定手段として機能させ、医療情報は複数のデータを含み、前記表示処理手段は、前記複数のデータの入力をそれぞれ受け付ける為の複数の領域を表示処理し、前記入力手段は、前記データの入力完了に係る入力を受け付け、前記特定手段は、あらかじめ設定された前記領域の選択順序に従って、次の前記領域をアクティブにし、前記表示処理手段は、該次の領域にマウスカーソルを移動して表示処理する。
【0009】
また、本発明は、ユーザによる医療情報の入力を支援するコンピュータを用いた入力支援方法であって、医療情報は複数のデータを含み、前記コンピュータは、前記複数のデータの入力をそれぞれ受け付ける為の複数の領域を表示処理し、前記データの入力完了に係る入力を受け付け、あらかじめ設定された前記領域の選択順序に従って、次の前記領域をアクティブにし、該次の領域にマウスカーソルを移動して表示処理する。
【0010】
このような構成とすることで、医療情報の入力に際して、あらかじめ決められた領域の選択順序に従って、データの入力を受け付ける領域をアクティブ状態にし、且つ該アクティブ状態となった領域に自動的にマウスカーソルを移動させることができる。これにより、マウス操作を削減し、更に誤操作を防止することができ、効率的に医療情報の入力を行うことができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記領域は、前記データの入力を選択入力可能な選択式領域を含み、前記入力手段は、前記入力完了に係る入力として前記データの選択入力を受け付ける。
【0012】
このような構成とすることで、データの選択入力を受け付けることで、次の領域にマウスカーソルを移動させることができる。これにより、次の領域に移動させる為の別の入力を受け付けずとも、次の領域にマウスカーソルを移動させることができ、より効率的に医療情報の入力を行うことができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記領域は、前記データの入力を選択入力可能な選択式領域を含み、前記表示処理手段は、前記次の領域が前記選択式領域の場合には、該選択式領域に紐づく選択肢を表示処理する。
【0014】
このような構成とすることで、次の領域がデータを選択的に受け付ける場合に、前の領域におけるデータ入力の完了に係る入力を受け付けることを契機に、該次の領域に紐づく選択肢を自動的に表示することができる。これにより、マウス操作で選択肢を表示させる為の入力が不要になり、更に効率的に医療情報の入力を行うことができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記表示処理手段は、前記選択式領域が複数のデータをまとめて選択入力可能な場合には、前記入力画面に重畳するように前記選択式領域を表示処理する。
【0016】
このような構成とすることで、次の領域が複数のデータをまとめて選択的に受け付ける場合に、前の領域におけるデータ入力の完了に係る入力を受け付けることを契機に、該次の領域を自動的に表示することができる。これにより、マウス操作で該領域を表示させる為の入力が不要になり、更に効率的に医療情報の入力を行うことができる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記表示処理手段は、前記選択式領域を表示処理すると共に、前記選択肢に重畳するように前記マウスカーソルを移動して表示処理する。
【0018】
このような構成とすることで、次の領域を表示するとともに、該領域に紐づく選択肢に合わせるようにマウスカーソルを移動させることができる。これにより、選択肢を選択する為のマウス操作を最小限に減らすことができ、更に効率的に医療情報の入力を行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、マウス操作による情報の入力を支援することができる新規な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係る発明のシステム構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係るハードウェア構成図である。
図3】本発明の実施形態に係る医療情報入力画面の一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る医療情報の入力フローチャートの一例である。
図5】本発明の実施形態に係る医療情報入力画面の一例を示す図である。
図6】本発明の実施形態に係る医療情報入力画面の一例を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係る医療情報入力画面の一例を示す図である。
図8】本発明の実施形態に係る医療情報入力画面の一例を示す図である。
図9】本発明の実施形態に係る医療情報入力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態に関する入力支援システムについて説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。
【0022】
例えば、本実施形態では入力支援システムの構成、動作等について説明するが、実行される方法、装置、コンピュータプログラム等によっても、同様の作用効果を奏することができる。本実施形態におけるプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、クライアント端末でその機能を実現する為に外部のコンピュータにおいて当該プログラムを起動させてもよい(いわゆるクラウドコンピューティング)。
【0023】
また、本実施形態において「手段」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらハードウェア資源によって具体的に実現され得るソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含み得る。本実施形態において「情報」とは、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行され得る。
【0024】
広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)及びメモリ(Memory)等を適宜組み合わせることによって実現される回路である。即ち、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PGA(Field-Programmable Gate Array)等を含むものである。
【0025】
本発明は、医師や看護師が医療情報に含まれる一連の複数のデータを入力することを支援するシステムに関する。本発明において医療情報は、問診や既往歴等の患者情報、検査の実施に関する情報、及び検査の結果等を含む。本発明においては、医療情報の入力画面において、複数のデータをそれぞれ入力する為の複数の領域が表示され、領域を選択し該領域をアクティブにすることで、データを入力する。本実施形態においては、領域の選択順序が事前に設定されており、ある領域においてデータの入力完了に係る入力を受け付けると、該順序に従って自動的に次の領域がアクティブになる。また、本実施形態ではアクティブになった領域に自動的にマウスカーソルが移動する。
【0026】
<システム構成>
図1は、一実施の形態のシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、入力支援システム0は、情報処理装置1及び記憶装置2を備える。情報処理装置1及び記憶装置2は通信ネットワークを介して通信可能に構成されている。本実施形態では、病院等の施設内で利用されるコンピュータが情報処理装置1として機能し、院内ネットワーク(LAN;Local Area Network)を介して院内の情報を記憶する記憶装置2と通信する構成を想定する。
【0027】
なお、情報処理装置1として、汎用のパーソナルコンピュータ等を利用することが可能である。また、入力支援システム0は、情報処理装置1であるサーバと、該サーバと有線又は無線で通信可能なクライアントコンピュータにより構成され、情報処理装置1が備える各機能構成要素(手段)の一部又は全部がクライアントコンピュータに備えられていてもよい。また、複数のコンピュータを用いて情報処理装置1を構成することも可能である。
【0028】
<機能構成>
図1に示すように、情報処理装置1は、機能構成として、入力手段10、特定手段11、表示処理手段12、及び登録手段13を備える。これは、ソフトウェア(後述の記憶部102に記憶されている)による情報処理が、ハードウェア(処理部101等)によって具体的に実現されたものである。
【0029】
<1.ハードウェア構成>
図2は、本実施形態における情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。情報処理装置1は、ハードウェア構成として、処理部101、記憶部102、通信部103、入力部104、出力部105を備える。
【0030】
処理部101は、CPU(Central Processing Unit)等の1又は複数のプロセッサを含み、本発明に係る入力支援プログラム、OSやブラウザソフト、その他のアプリケーションを実行することで、情報処理装置1の動作処理全体を制御する。
【0031】
記憶部102は、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等であって、情報処理装置1の場合には、本発明に係る入力支援プログラムを処理部101がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。処理部101が、記憶部102に記憶されている入力支援プログラム等に基づき、処理を実行することによって、後述する機能構成が実現される。
【0032】
通信部103は、通信ネットワークNWとの通信制御を実行して、情報処理装置1を動作させる為に必要な入力や、動作結果に係る出力を行う。
【0033】
入力部104は、タッチパネル、マウス及びキーボード等であって、ユーザによる操作要求を処理部101に入力する。出力部105は、ディスプレイ等であって、処理部の処理の結果等を表示する。
【0034】
<2.システム機能構成>
次いで、上述の機能構成について、各手段の処理内容を詳述する。
【0035】
入力手段10は、医療情報に含まれる複数のデータの入力を受け付ける。本実施形態において入力手段10は、複数のデータの入力をそれぞれ受け付ける為の複数の領域において、各領域のデータ入力形式に応じて、複数のデータの入力を受け付ける。ここでデータ入力形式は、テキスト入力又は選択入力である。
【0036】
また入力手段10は、ユーザからデータの入力完了に係る入力を受け付ける。本実施形態において入力手段10は、各領域において入力完了に係る入力を受け付ける。なお、本実施形態において入力完了に係る入力は、特定のコマンドの入力、選択肢の選択入力、「OK」ボタンの選択入力であることが好ましい。
【0037】
特定手段11は、ある領域において入力手段10が入力完了に係る入力を受け付けると、アクティブにする領域を特定する。本実施形態において特定手段11は、入力手段10が入力完了に係る入力を受け付けると、あらかじめ設定された領域の選択順序に従って、アクティブにする次の領域を特定し、該領域をアクティブにする。
【0038】
表示処理手段12は、複数のデータの入力をそれぞれ受け付ける為の複数の領域を入力画面において表示処理する。本実施形態において表示処理手段12は、データの入力形式に応じて領域を表示処理する。そして、表示処理手段12は、表示処理結果を出力部105に送信する。ここで領域は、データ表示部及びデータ受付部を有する。
【0039】
また、表示処理手段12は、アクティブになった領域にマウスカーソルを移動して表示処理する。本実施形態において表示処理手段12は、アクティブになったデータ受付部に重畳するようにマウスカーソルを移動して表示処理する。
【0040】
登録手段13は、入力された種々情報を記憶装置2に登録する。本実施形態において、登録手段13は、様々な入力形式で、医療情報の入力を受け付けて、記憶装置2に登録する。
【0041】
<3.医療情報入力画面>
図3は、情報処理装置1の出力部105において表示される、ある患者の医療情報を入力する為の医療情報入力画面W1の表示例である。医療情報入力画面W1は、患者基本情報表示部PBIを含み、領域としてテキストボックスTB、コンボボックスCOB、チェックボックスCHB、日付コントロールDC、及び時刻コントロールTCを含む。患者基本情報表示部PBIには、患者基本情報が表示される。患者基本情報としては、患者を一意に特定する患者ID、氏名、生年月日、年齢、実施した検査の種別、検査予約日時、検査実施日、検査を依頼した診療科、検査を依頼した医師等を含む。
【0042】
本実施形態においては、あらかじめ設定された領域の選択順序に従って、アクティブにする次の領域が特定され、該領域がアクティブになる。そして、ユーザが各領域において医療情報の各データを入力する。
【0043】
なお、本実施形態においては、入力画面左上部から下方に向かう順に領域が選択されるように領域の選択順序が設定されている。一方、登録手段13は、入力手段10がユーザから任意の選択順序を受け付けると、該選択順序を記憶装置2に登録してもよい。例えば、入力画面において入力される医療情報には登録が許可されていない項目が事前に設定されており、該項目は選択されないように選択順序が設定されていてもよい。また、入力を行うユーザのユーザ情報には、担当する科目を示す科目情報が含まれ、科目情報毎に入力項目が対応付けられている場合には、ユーザの科目情報に基づいて、アクティブとする次の領域が特定されるように、選択順序が設定されてもよい。また、入力完了に係る入力と、遷移前後の領域が紐づけられており、入力完了に係る入力に応じて、アクティブとする次の領域を変更するように、選択順序が設定されてもよい。
【0044】
<4.医療情報の入力フローチャート>
次いで、図4を参照して、医療情報を入力する為の入力支援方法について説明する。図4は、医療情報入力画面のある領域において医療情報が入力され、次の領域にマウスカーソルが移動するまでの処理フローチャートの一例を示す図である。
【0045】
まずステップS1(以下、単に「ステップSX」を「SX」とする)において、入力手段10は、領域において、該領域に対応する医療情報のデータの選択入力又はテキスト入力を受け付ける。そして、S2において、入力手段10は、該領域において、入力完了に係る入力を受け付ける。本実施形態において入力完了に係る入力は、領域のデータ入力形式に応じて設定されており、後述の各領域の表示例で詳述する。
【0046】
次いで特定手段11は、あらかじめ設定された領域の選択順序に従って、次の領域を特定し、次の領域の種類を判定する(S3)。そして、次の領域の入力形式が選択式である場合、つまりコンボボックスCOB、チェックボックスCHB、日付コントロールDC、又は時刻コントロールTCの場合には(S3でYes)、表示処理手段12は、次のデータ受付部に選択肢を表示処理する(S4)。また、次の領域の入力形式が選択式でない場合、つまりテキストボックスTBの場合(S3でNO)には、そのままS5に進む。
【0047】
次いでS5において、特定手段11は、次のデータ受付部をアクティブにする。そして、S6において、表示処理手段12は、S5でアクティブになったデータ受付部にマウスカーソルを移動して表示処理する。
【0048】
そして、医療情報入力画面W1において、全てのデータの入力が完了し、「確定」が選択入力されることで、登録手段13は、患者基本情報と紐づけて医療情報を記憶装置2に登録する。以上の処理によって、医療情報を入力する医師や看護師は、領域から領域へのカーソル移動をせずとも、複数のデータを入力することができる。これにより、効率的なデータ入力を可能にし、医師や看護師の事務的作業をサポートすることができる。
【0049】
<5.各領域の表示例>
以下、アクティブになった各領域の表示例について図5図9を参照して詳述する。
【0050】
<5.1.テキストボックスTB>
図5は、領域がテキストボックスTBである場合のデータ受付部が表示された医療情報入力画面W1の表示例である。本実施形態においては、テキストボックスTBが次の領域として特定されると、データ受付部IPがアクティブ化される。データ受付部IPは、テキストデータを入力可能に構成される。
【0051】
本実施形態において、データ受付部IPがアクティブ化されると、マウスカーソルがデータ受付部IPに重畳して表示される。そして、データ受付部IPにおいてテキストデータの入力を受け付け、データの入力完了に係る入力として特定のコマンドの入力を受け付ける。ここで特定のコマンドとは、テキストボックスが1行の場合には「Enterキー」、テキストボックスが複数行の場合には「Ctrlキー+Enterキー」である。
【0052】
<5.2.コンボボックスCOB>
図6は、領域がコンボボックスCOBである場合のデータ受付部が表示された医療情報入力画面W1の表示例である。本実施形態においては、コンボボックスCOBが次の領域として特定されると、データ受付部IPがデータ表示部DPの下部又は上部に表示される。なお、領域がコンボボックスCOBの場合には、データ受付部IPは選択肢受付部SIP(選択式領域)として、領域に紐づく選択肢のうち何れか1つが選択入力可能に構成される。
【0053】
本実施形態において、データ受付部IPが表示されると、マウスカーソルが選択肢受付部SIPの選択肢に重畳して表示される。ここで、領域がコンボボックスCOBの場合には、データの入力完了に係る入力として、データ(選択肢)の選択入力を受け付ける。そして、選択肢及びデータの入力完了に係る入力を受け付けることで、選択入力された選択肢に対応するデータが、該データ受付部IPに対応するデータ表示部DPに表示される。
【0054】
これにより、入力完了に係る入力として、データの選択入力以外の入力を定義する必要がなく、データを入力する操作のみで、入力対象の領域を次の領域に移動させることができる。そして上記構成により、操作回数の削減、更には入力完了に係る入力の誤操作を防止することができ、医師や看護師は、より効率的に一連のデータの入力をすることができる。
【0055】
なお、本実施形態において表示処理手段12は、選択肢受付部SIPにおいて、あらかじめ設定された順序で選択肢を表示処理する。一方、登録手段13が選択入力された選択肢毎に回数を登録し、表示処理手段12は、選択入力された回数が高い順に選択肢を選択肢受付部SIPの上部に表示処理してもよい。
【0056】
<5.3.チェックボックスCHB>
図7は、領域がチェックボックスCHBである場合のデータ受付部が表示された医療情報入力画面W1の表示例である。本実施形態においては、チェックボックスCHBが次の領域として特定されると、データ受付部IPが医療情報入力画面W1に重畳して表示される。データ受付部IPは、選択肢受付部SIPを有する。選択肢受付部SIPは、領域に紐づく選択肢のうち、複数の選択肢をまとめて選択入力可能に構成される。
【0057】
本実施形態において、データ受付部IPが表示されると、マウスカーソルが選択肢受付部SIP(選択式領域)の選択肢に重畳して表示される。そして、選択肢受付部SIPにおいて選択肢の入力を受け付け、データの入力完了に係る入力として「OK」が選択入力されることによって、選択入力された選択肢に対応するデータが、該データ受付部IPに対応するデータ表示部DPに表示される。
【0058】
これにより、複数の選択肢をまとめて選択入力することができる。複数の選択肢をまとめて入力する場合には、データの入力のみではデータの入力完了を判断することができず、データの入力完了に係る入力を別に定義する必要がある。本発明はこれを実現するために、「OK」の入力をデータの入力完了に係る入力として、「OK」ボタン及び複数の選択肢を医療情報入力画面W1に重畳して表示することで、複数の選択肢をまとめて選択入力可能にする。
【0059】
なお、本実施形態において入力手段10は、データの入力完了に係る入力として「OK」の選択入力を受け付けるが、選択入力可能な選択肢が1つである場合には、データの入力完了に係る入力として選択肢受付部SIPにおいてデータ(選択肢)の選択入力を受け付けてもよい。また入力手段10は、入力完了に係る入力として「OK」に代えて、「Enterキー」の入力を受け付けてもよい。また本実施形態では、医療情報入力画面W1に重畳して表示されるデータ受付部IPはチェックボックス形式に限定されず、例えばリストボックス形式であってもよい。
【0060】
<5.4.日付コントロールDC>
図8は、領域が日付コントロールDCである場合のデータ受付部が表示された医療情報入力画面W1の表示例である。本実施形態においては、日付コントロールDCが次の領域として特定されると、データ受付部IPがデータ表示部DPの下部又は上部に表示される。なお、領域が日付コントロールDCの場合には、データ受付部IPは選択肢受付部SIP(選択式領域)として、何れか1つの日付の選択入力を受け付けるが、「今日」ボタンの選択入力を受け付けても良い。
【0061】
本実施形態において、データ受付部IPが表示されると、マウスカーソルが選択肢受付部SIPの選択肢に重畳して表示される。ここで、領域が日付コントロールDCの場合には、データの入力完了に係る入力として、データ(選択肢)の選択入力を受け付ける。そして、選択肢及びデータの入力完了に係る入力を受け付けることで、選択入力された選択肢に対応するデータが、該データ受付部IPに対応するデータ表示部DPに表示される。
【0062】
<5.5.時刻コントロールTC>
図9は、領域が時刻コントロールTCである場合のデータ受付部が表示された医療情報入力画面W1の表示例である。本実施形態においては、時刻コントロールTCが次の領域として特定されると、データ受付部IPがデータ表示部DPの下部又は上部に表示される。なお、領域が時刻コントロールTCの場合には、データ受付部IPは選択肢受付部SIP(選択式領域)として、何れか1つの時刻(「時」及び「分」)の選択入力を受け付ける。
【0063】
本実施形態において、データ受付部IPが表示されると、マウスカーソルが選択肢受付部SIPの選択肢に重畳して表示される。ここで、領域が時刻コントロールTCの場合には、データの入力完了に係る入力として、「時」及び「分」のデータ(選択肢)の選択入力を受け付ける。そして、選択肢及びデータの入力完了に係る入力を受け付けることで、選択入力された選択肢に対応するデータが、該データ受付部IPに対応するデータ表示部DPに表示される。
【0064】
なお、本実施形態では、選択式領域においては入力完了に係る入力としてデータ(選択肢)の選択入力、又は「OK」の選択入力を受け付け、テキストボックスTBにおいては入力完了に係る入力として「Enterキー」又は「Ctrlキー+Enterキー」等の特定のコマンドの入力を受け付ける。一方、入力完了に係る入力は、任意の設定が可能である。例えば、入力完了に係る入力が、ユーザ毎に設定されてもよい。これにより、ユーザ毎に適した操作性を実現することができる。
【0065】
なお本実施形態において入力手段10は、データ入力形式がコンボボックスCOB、チェックボックスCHB、日付コントロールDC、及び時刻コントロールTCの場合には、データ受付部IPにおいて、データの入力を受け付ける。一方、入力手段10は、データ受付部IPにおいてデータを受け付ける代わりに、データ表示部DPにおいてテキストデータの入力を受け付けてもよい。この場合、データの入力完了に係る入力として特定のコマンド、例えば「Enterキー」の入力を受け付けてもよい。
【0066】
以上の構成により、本発明では、様々な入力形式に対応して、入力完了と同時に入力対象を次に遷移させて表示し、該入力対象にマウスカーソルを移動させることができる。従来技術ではデータを入力した後に、キーボード操作(TABキー等)又はマウス操作によって、入力対象の領域を次の領域に遷移させる必要があった。つまり、入力対象の領域を次の領域に遷移させる為の操作が必要であり非効率である。一方、本発明は、入力完了と同時に入力対象を次の入力対象に遷移することを可能にし、領域の遷移の為の操作をなくすことで、ユーザは、即時的に次々にデータの入力をすることができ、ユーザの作業効率を大幅に向上させることができる。また、領域間のマウス操作がなくなることで、マウスカーソルの移動回数やマウスの移動範囲を大幅に減らすことができ、誤操作の防止、更にはマウスを操作する腕への負担の軽減を実現することができる。
【符号の説明】
【0067】
0 :入力支援システム
1 :情報処理装置
2 :記憶装置
101 :処理部
102 :記憶部
103 :通信部
104 :入力部
105 :出力部
10 :入力手段
11 :特定手段
12 :表示処理手段
13 :登録手段
W1 :医療情報入力画面
PBI :患者基本情報表示部
TB :テキストボックス
COB :コンボボックス
CHB :チェックボックス
DC :日付コントロール
TC :時刻コントロール
DP :データ表示部
IP :データ受付部
SIP :選択肢受付部


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9