(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】ロボット制御システム、ロボット制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B65B 69/00 20060101AFI20241023BHJP
B25J 13/00 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
B65B69/00 103
B25J13/00 Z
(21)【出願番号】P 2023103527
(22)【出願日】2023-06-23
【審査請求日】2023-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮内 幸平
(72)【発明者】
【氏名】巣山 崇
(72)【発明者】
【氏名】白神 圭祐
(72)【発明者】
【氏名】出口 央
(72)【発明者】
【氏名】太刀掛 浩貴
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-062774(JP,A)
【文献】特開2000-072121(JP,A)
【文献】特開2021-116106(JP,A)
【文献】特開平02-191133(JP,A)
【文献】特開2020-023357(JP,A)
【文献】特開平09-240638(JP,A)
【文献】特開平07-289749(JP,A)
【文献】特開2011-184074(JP,A)
【文献】特開2022-064268(JP,A)
【文献】再公表特許第2020/105631(JP,A1)
【文献】特開2022-063985(JP,A)
【文献】特開2021-123390(JP,A)
【文献】登録実用新案第3174702(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 69/00
B25J 13/00
B26D 1/00
B26D 3/00
B26D 5/00
B26D 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カッターを保持可能なロボットと、
前記ロボットが前記カッターの刃で
、内容物が梱包された梱包資材を切るように、前記ロボットを制御するロボットコントローラと、
を有し、
前記ロボットコントローラは、前記ロボットが前記刃で前記梱包資材の角を切るときよりも、前記ロボットが前記刃で前記梱包資材の面を切るときの方が、前記刃が前記梱包資材の外側を向くように、前記ロボットを制御する向き制御部を有する、
ロボット制御システム。
【請求項2】
前記向き制御部は、前記刃を前記梱包資材の角に入れさせて、前記梱包資材の外側に前記刃を向けて、前記刃が前記梱包資材の面を切るように、前記ロボットを制御する第1向き制御部を有する、
請求項1に記載のロボット制御システム。
【請求項3】
前記カッターは、前記刃を有する本体部と、先端部と、を有し、
前記向き制御部は、前
記内容物と、前記本体部と、の間に、前記先端部が配置されるように、前記刃の向きを変える第2向き制御部を有する、
請求項1又は2に記載のロボット制御システム。
【請求項4】
前記刃は、前記カッターの一の端部に配置されており、
前記一の端部は、前記カッターの他の端部よりも鋭利であり、
前記向き制御部は、前記内容物と、前記一の端部と、の間に、前記他の端部が配置されるように、前記刃の向きを変える第3向き制御部を有する、
を有する請求項1又は2に記載のロボット制御システム。
【請求項5】
前記ロボットは、カメラを保持可能であり、
前記ロボット制御システムは、前記カメラに基づいて、前記梱包資材の形状を認識する形状認識部を有し、
前記ロボットコントローラは、前記形状に基づいて、前記梱包資材の側面における膨らみよりも下を前記ロボットが前記刃で切るように、前記ロボットを制御する第1切断制御部を有する、
請求項1又は2に記載のロボット制御システム。
【請求項6】
前記ロボットは、カメラを保持可能であり、
前記ロボット制御システムは、前記カメラに基づいて、前記梱包資材の凹みを認識する凹み認識部を有し、
前記ロボットコントローラは、前記凹みに応じた位置を前記ロボットが前記刃で切るように、前記ロボットを制御する第2切断制御部を有する、
請求項1又は2に記載のロボット制御システム。
【請求項7】
前記ロボットコントローラは、前記ロボットが前記刃で前記梱包資材の面を切るときと、前記ロボットが前記刃で前記梱包資材の角を切るときと、で前記カッターの速度が変わるように、前記ロボットを制御する速度制御部を有する、
請求項1又は2に記載のロボット制御システム。
【請求項8】
前記ロボットコントローラは、前記ロボットが前記刃で前記梱包資材の面を切るときと、前記ロボットが前記刃で前記梱包資材の角を切るときと、で前記刃に関するトルクが変わるように、前記ロボットを制御する第3切断制御部を有する、
請求項1又は2に記載のロボット制御システム。
【請求項9】
前記ロボット制御システムは、前記梱包資材の性質を特定する性質特定部を有し、
前記向き制御部は、前記性質に基づいて、前記刃の向きが変わるように、前記ロボットを制御する第4向き制御部を有する、
請求項1又は2に記載のロボット制御システム。
【請求項10】
前記ロボット制御システムは、前
記内容物の種類を特定する種類特定部を有し、
前記向き制御部は、前記種類に基づいて、前記刃の向きが変わるように、前記ロボットを制御する第5向き制御部を有する、
請求項1又は2に記載のロボット制御システム。
【請求項11】
前記ロボット制御システムは、前記刃に関するトルクに基づいて、前記梱包資材の厚みを検出する厚み検出部を更に有し、
前記向き制御部は、前記厚みに基づいて、前記刃の向きが変わるように、前記ロボットを制御する第6向き制御部を有する、
請求項1又は2に記載のロボット制御システム。
【請求項12】
前記ロボットコントローラは、前記ロボットが前記刃で袋状の
前記内容物を梱包する前記梱包資材を切るように、前記ロボットを制御するロボット制御部を有する、
請求項1又は2に記載のロボット制御システム。
【請求項13】
カッターを保持可能なロボットが前記カッターの刃で
、内容物が梱包された梱包資材を切るように、前記ロボットを制御する方法であって、
前記ロボットが前記刃で前記梱包資材の角を切るときよりも、前記ロボットが前記刃で前記梱包資材の面を切るときの方が、前記刃が前記梱包資材の外側を向くように、前記ロボットを制御する、
ロボット制御方法。
【請求項14】
カッターを保持可能なロボットが前記カッターの刃で
、内容物が梱包された梱包資材を切るように、前記ロボットを制御するロボットコントローラを、
前記ロボットが前記刃で前記梱包資材の角を切るときよりも、前記ロボットが前記刃で前記梱包資材の面を切るときの方が、前記刃が前記梱包資材の外側を向くように、前記ロボットを制御する向き制御部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロボット制御システム、ロボット制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、加工対象物の表面に沿ってエンドエフェクタを移動させるロボットにおいて、加工対象物のコーナー部に所定値以上の角度変化がある場合に、当該コーナー部の前後にエンドエフェクタが差し掛かると、エンドエフェクタの進行速度を減少させるとともに、エンドエフェクタによる加工対象物への押し付け力を減少させるロボットが記載されている。
【0003】
例えば、特許文献2には、直方体の収容空間を形成する矩形筒状の箱体内にたばこ原料が充填されたたばこ原料ケースを解放するたばこ原料ケース開放装置であって、たばこ原料ケース開放装置が回転台に載せられたまま回転し、回転台の近傍で回転台の回転軸に向けて前後移動可能に配置された回転鋸刃によって、たばこ原料ケースが切断するたばこ原料ケース開放装置が記載されている。
【0004】
例えば、特許文献3には、内容物を梱包する梱包資材が支持台に載置され、ロボットが梱包資材を切断して梱包資材の上部を取り除いた後に、梱包資材の残りの部分を回転させることによって内容物を払い出す自動払い出し方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平8-252785号公報
【文献】特開平7-265035号公報
【文献】特開2003-081229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の目的の1つは、例えば、カッターの刃が梱包資材の内容物に当たることを抑止することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一側面に係るロボット制御システムは、カッターを有するロボットと、前記ロボットが前記カッターの刃で梱包資材を切るように、前記ロボットを制御するロボットコントローラと、を有し、前記ロボットコントローラは、前記ロボットが前記刃で前記梱包資材の角を切るときよりも、前記ロボットが前記刃で前記梱包資材の面を切るときの方が、前記刃が前記梱包資材の外側を向くように、前記ロボットを制御する向き制御部を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、例えば、カッターの刃が梱包資材の内容物に当たることを抑止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ロボット制御システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図2】第1実施形態におけるロボットコントローラ及びロボットが配置された空間の一例を示す図である。
【
図6】梱包資材の真上から切断箇所を見た様子の一例を示す図である。
【
図10】梱包資材の切断方法の一例を示す図である。
【
図11】梱包資材の切断方法の一例を示す図である。
【
図12】第1実施形態で実現される機能の一例を示す図である。
【
図13】カッターの移動経路の一例を示す図である。
【
図15】
図14とは別の観点で向き制御部の処理の一例を示す図である。
【
図16】第1実施形態で実行される処理の一例を示す図である。
【
図17】第2実施形態におけるロボット制御システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図18】第2実施形態におけるロボットコントローラ、ロボット、及び固定装置が配置された空間の一例を示す図である。
【
図19】梱包資材の底面と、固定装置と、の関係の一例を示す図である。
【
図20】第2実施形態で実現される機能の一例を示す図である。
【
図21】第2実施形態で実行される処理の一例を示す図である。
【
図22】第1実施形態に関する変形例で実現される機能の一例を示す図である。
【
図23】第2実施形態に関する変形例におけるロボット制御システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図24】第2実施形態に関する変形例で実現される機能の一例を示す図である。
【
図25】第1ロボットコントローラ、第1ロボット、第2ロボットコントローラ、及び第2ロボットが配置された空間の一例を示す図である。
【
図26】変形例2-3で梱包資材の上部が除去される様子の一例を示す図である。
【
図27】変形例2-4で作業台が回転する様子の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[1.第1実施形態]
本開示に係るロボット制御システム、ロボット制御方法、及びプログラムの実施形態の一例である第1実施形態を説明する。
【0011】
[1-1.ロボット制御システムのハードウェア構成]
図1は、ロボット制御システムのハードウェア構成の一例を示す図である。例えば、ロボット制御システム1は、ロボットコントローラ10及びロボット20を含む。ロボットコントローラ10は、電力線又は信号線等のケーブルによって、ロボット20と接続される。ロボット制御システム1に含まれる装置は、
図1の例に限られない。ロボット制御システム1は、任意の装置を含んでよい。例えば、ロボット制御システム1は、ロボットコントローラ10を制御する上位コントローラを含んでもよい。
【0012】
ロボットコントローラ10は、少なくとも1つのロボット20を制御する装置である。例えば、ロボットコントローラ10は、CPU11、記憶部12、及び通信部13を含む。CPU11は、少なくとも1つのプロセッサを含む。記憶部12は、揮発性メモリと、不揮発性メモリと、の少なくとも一方を含む。通信部13は、有線通信用の通信インタフェースと、無線通信用の通信インタフェースと、の少なくとも一方を含む。ロボットコントローラ10は、ロボット20に含まれる少なくとも1つのモータに電力を供給するための電力供給部等の他のハードウェアも含む。
【0013】
ロボット20は、ロボットコントローラ10により制御される少なくとも1つのモータを含む装置である。第1実施形態では、ロボット20が垂直多関節ロボットである場合を説明するが、ロボット20は、任意の種類であってよく、垂直多関節ロボットに限られない。例えば、ロボット20は、水平多関節ロボット、パラレルリンクロボット、又は直交ロボットであってもよい。ロボット20は、任意の軸数であってよく、例えば、4~7軸の何れかであってもよい。
【0014】
例えば、ロボット20は、少なくとも1つのカメラ21を保持可能である。カメラ21は、ビジョンセンサと呼ばれることもある。第1実施形態では、カメラ21が3Dカメラである場合を説明するが、カメラ21は、任意の種類であってよく、3Dカメラに限られない。例えば、カメラ21は、2Dカメラ(深度センサを有しないカメラ)又は赤外線カメラであってもよい。カメラ21は、所定のフレームレートで連続的に撮影を行って動画を生成してもよいし、連続的な撮影を行わずに静止画を生成してもよい。
【0015】
ロボット20は、少なくとも1つのカッター22を保持可能である。第1実施形態では、カッター22が超音波カッターである場合を説明するが、カッター22は、任意の種類であってよく、超音波カッターに限られない。例えば、カッター22は、超音波による振動ではなく高速で振動するバイブレーションカッター、又は、振動が発生しないカッターであってもよい。第1実施形態では、カッター22がロボット20と着脱可能に接続されている場合を例に挙げるが、カッター22は、着脱可能ではなく、ロボット20に固定されていてもよい。
【0016】
なお、記憶部12に記憶されるプログラム又はデータは、産業用ネットワーク、インターネット、又はLANといったネットワークを介して、ロボットコントローラ10に供給されてもよい。例えば、ロボットコントローラ10は、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を読み取る読取部(例えば、メモリカードスロット)と、外部機器と接続するための入出力部(例えば、USB端子)と、の少なくとも一方を含んでもよい。コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に記憶されたプログラム又はデータが、読取部又は入出力部を介して、ロボットコントローラ10に供給されてもよい。
【0017】
また、ロボットコントローラ10及びロボット20は、種々のハードウェアを適用可能である。ロボットコントローラ10及びロボット20のハードウェア構成は、上記の例に限られない。例えば、ロボットコントローラ10は、FPGA又はASICといった回路を含んでもよい。第1実施形態では、CPU11がcircuitryと呼ばれる構成に相当する場合を説明するが、FPGA又はASICといった他の回路がcircuitryに相当してもよい。例えば、ロボットコントローラ10には、モータエンコーダ、トルクセンサ、位置センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、又は接触センサといったセンサが接続されてもよい。これらのセンサは、ロボット20に含まれてもよい。
【0018】
[1-2.第1実施形態の概要]
図2は、第1実施形態におけるロボットコントローラ10及びロボット20が配置された空間の一例を示す図である。例えば、ロボットコントローラ10及びロボット20は、工場等の施設に配置される。例えば、カメラ21及びカッター22は、ロボット20の先端に取り付けられる。ロボット20の前方には、作業台Tが配置される。第1実施形態では、ロボットコントローラ10は、作業台Tに置かれた梱包資材PMの側面を、ロボット20がカッター22で周回して切るように、ロボット20を制御する。
【0019】
梱包資材PMは、梱包対象となる物体を梱包する資材である。第1実施形態では、ダンボールが梱包資材PMに相当する場合を説明するが、梱包資材PMは、任意の資材であってよく、ダンボールに限られない。梱包資材PMは、ダンボール以外の紙製の箱、プラスチック製の箱、ポリタンク、一斗缶、エアキャップ、又はその他の資材であってもよい。以降、梱包資材PMにより梱包された物体を、内容物という。
【0020】
第1実施形態では、作業台Tの天板は、梱包資材PMの底面よりも小さい。これにより、ロボット20がカッター22で梱包資材PMを切断するときに、作業台Tとロボット20との干渉を抑止できる。なお、作業台Tは、第1実施形態の例に限られない。例えば、作業台Tの天板は、作業台Tとロボット20が干渉しない程度であれば、梱包資材PMの底面よりも大きくてもよい。例えば、作業台Tの天板の長辺と、梱包資材PMの長辺と、の差が、カッター22の長さに応じた閾値未満となるような作業台Tであってもよい。作業台Tの天板の短辺と、梱包資材PMの短辺と、の差が、カッター22の長さに応じた閾値未満となるような作業台Tであってもよい。例えば、梱包資材PMのうち、ロボット20がカッター22で切断する部分だけが、作業台Tの天板が上から見えないように、梱包資材PMが置かれていてもよい。
【0021】
第1実施形態では、ポリ袋が内容物に相当する場合を説明するが、内容物は、任意の物体であってよく、ポリ袋に限られない。例えば、内容物は、アルミ蒸着袋、ビニール袋、紙袋、麻袋、フレコンバッグ、その他の袋、箱、エアキャップで包まれた物体、又はその他の物体であってもよい。梱包資材PMには、複数の内容物が梱包されていてもよい。例えば、内容物には、ロボット20が配置された工場で生産される製品の原料又は材料が詰められていてもよい。内容物は、ポリ袋のように形状が変化しやすい不定形物ではなく、形状が変化しにくい定形物であってもよい。
【0022】
例えば、ロボットコントローラ10は、ロボット20及び梱包資材PMの相対的な位置関係と、梱包資材PMの全体的な形状と、を特定するために、ロボット20がカメラ21で梱包資材PMを撮影するように、ロボット20を制御する。カメラ21による撮影は、ロボット20が梱包資材PMの切断を開始する前に行われる。第1実施形態では、予め定められた複数の撮影位置の各々から、梱包資材PMが撮影される。
【0023】
図3は、撮影位置の一例を示す図である。例えば、ロボットコントローラ10は、ロボット20が配置された土台に対応する原点O1を中心にX1軸、Y1軸、及びZ1軸が設定された座標系で、現実空間の位置を特定する。座標系は、ロボット制御で利用される任意の座標系であってよく、
図3の例に限られない。例えば、ロボット20の軸ごとに座標系が設定されていてもよい。
【0024】
図3の例では、梱包資材PMの上側の撮影位置FP1と、梱包資材PMの横側の撮影位置FP2と、が予め定められている。撮影位置FP1には、Z1軸負方向の撮影方向FD1が定められている。撮影位置FP2には、X1軸正方向の撮影方向FD2が定められている。例えば、ロボットコントローラ10は、カメラ21が、撮影位置FP1から撮影方向FD1に向けて梱包資材PMを撮影するように、ロボット20を制御する。その後、ロボットコントローラ10は、カメラ21が、撮影位置FP2から撮影方向FD2に向けて梱包資材PMを撮影するように、ロボット20を制御する。
【0025】
なお、撮影位置及び撮影方向の組み合わせは、
図3のような2つに限られない。撮影位置及び撮影方向の組み合わせは、1つだけであってもよいし、3つ以上であってもよい。例えば、ロボットコントローラ10は、カメラ21が、梱包資材PMの周囲を移動しながら梱包資材PMを満遍なく撮影するように、ロボット20を制御してもよい。撮影位置及び撮影方向の組み合わせは、予め定められていなくてもよい。例えば、ロボットコントローラ10は、カメラ21により生成された撮影画像に基づいて、撮影位置及び撮影方向の組み合わせを、その場で決定してもよい。
【0026】
また、カメラ21による梱包資材PMの撮影は、任意のタイミングで行われてよい。カメラ21による梱包資材PMの撮影のタイミングは、第1実施形態の例に限られない。例えば、ロボット20がカッター22で梱包資材PMを周回して切断するのではなく、ロボット20がカッター22で梱包資材PMの側面を一面ずつ切断する場合には、カメラ21が梱包資材PMの一の側面を撮影し、ロボット20がカッター22で当該側面を切断するといった動作が繰り返されてもよい。
【0027】
例えば、ロボットコントローラ10は、カメラ21により生成された撮影画像を解析し、梱包資材PMの位置と、梱包資材PMの形状と、を特定する。これらの特定方法は、画像処理分野で利用されている任意の方法を利用可能である。例えば、ロボットコントローラ10は、ニューラルネットワーク等の機械学習手法、又は、撮影画像から抽出した特徴点のパターンに基づいて、梱包資材PMの形状を特定してもよい。ロボットコントローラ10は、梱包資材PMの位置と、梱包資材PMの形状と、に基づいて、梱包資材PMの切断箇所を決定する。
【0028】
図4は、切断箇所の一例を示す図である。
図4の破線は、ロボットコントローラ10が特定した梱包資材PMの形状を示す。破線は、梱包資材PMの輪郭ということもできる。
図4の例では、説明の簡略化のために、梱包資材PMが直方体である場合が示されているが、梱包資材PMの形状は、完全な直方体ではない可能性がある。例えば、梱包資材PMの中に内容物が一杯に詰められている場合には、梱包資材PMが膨らむことがある。逆に、作業員が梱包資材PMを落とした場合には、梱包資材PMが凹むこともある。このような場合にも、ロボットコントローラ10は、画像解析によって、表面の膨らみ又は凹みを特定可能である。
【0029】
例えば、ロボットコントローラ10は、カメラ21により生成された撮影画像に基づいて、梱包資材PMの頂点V1~V8の位置を特定する。ロボットコントローラ10は、相対的に下側に位置する4つの頂点V2,V4,V6,V8で囲われた面を、梱包資材PMの底面として特定する。ロボットコントローラ10は、梱包資材PMの底面から所定距離d1(例えば、1~5cm程度)だけ上の水平面(X-Y平面)と、梱包資材PMの表面(側面)と、が交差する点をつなげた線を、カッター22が切断すべき切断箇所CPとして決定する。
【0030】
例えば、ロボットコントローラ10は、ロボット20のカッター22が梱包資材PMの切断箇所CP上を移動するように、ロボット20を制御する。カッター22は、両刃のタイプであってもよいが、第1実施形態では、カッター22が片刃のタイプであるものとする。更に、第1実施形態のカッター22は、先端に刃が付いておらず、先端が丸みを帯びており、カッター22の刃が内容物に触れにくくなっている。
【0031】
図5は、カッター22の一例を示す図である。
図5の例では、ロボット20の先端の軸に対応する原点O2を中心に設定されたX2軸、Y2軸、及びZ2軸の座標系が示されている。例えば、カッター22は、刃220を含む本体部221と、先端部222と、を含む。本体部221は、カッター22のうち、相対的にロボット20に近い部分である。先端部222は、カッター22のうち、相対的にロボット20から遠い部分である。先端部222は、刃220が付いておらず、丸みを帯びている。
【0032】
例えば、刃220は、カッター22の一の端部E1に配置される。
図5の例では、刃220は、カッター22の短手方向(Y2軸方向)における2つの端部のうちの一の端部E1に配置される。一の端部E1は、
図5の方向D1からカッター22を見たときに見える端部である。一の端部E1には、刃220が配置されているので、本体部221の一の端部E1は、本体部221の他の端部E2よりも鋭利である。
【0033】
例えば、他の端部E2は、カッター22の短手方向(Y2軸方向)における2つの端部のうち、刃220が配置されていない方の端部である。他の端部E2は、
図5の方向D2からカッター22を見たときに見える端部である。他の端部E2には、刃220がない。他の端部E2は、刃220の峰に相当する。他の端部E2は、一の端部E1の反対側の端部である。他の端部E2は、一の端部E1における刃220の部分よりも厚み(
図5のZ2軸方向の厚み)がある。他の端部E2は、一の端部E1のうち刃220の部分よりも鋭利ではない。なお、カッター22が両刃である場合には、他の端部E2に刃が付いていてもよい。
【0034】
例えば、先端部222は、刃220を含まない。先端部222は、カッター22のうち、刃220よりも先の部分ということもできる。本体部221の一の端部E1は、先端部222よりも鋭利である。先端部222は、一の端部E1のうち刃220の部分よりも鋭利ではない。先端部222は、一の端部E1のうち刃220の部分よりも厚みがある。先端部222は、刃220が内容物に当たらないようにガードする部材であればよく、先端部222の形状は、
図5の例に限られない。先端部222は、刃220のカバーとしての役割を果たす。
【0035】
例えば、ロボット20が梱包資材PMを切断している最中に、先端部222は、梱包資材PMの内側に入る。先端部222は、刃220によって梱包資材PMに入れられた切れ目から、梱包資材PMの内側に入る。先端部222が梱包資材PMの切れ目から内側に入ることができるように、先端部222の厚み(
図5のZ2軸方向の厚み)は、ある程度薄くなっている。例えば、当該厚みは、5mm未満である。以降、
図5のカッター22が
図4の切断箇所CPを切断するための制御の一例を説明する。
【0036】
図6は、梱包資材PMの真上から切断箇所CPを見た様子の一例を示す図である。
図6の点線は、内容物CT(第1実施形態では、ポリ袋)を示す。
図6の例では、内容物CTは、梱包資材PMの側面の内側に接している。
図6のように、内容物CTの体積が梱包資材PMの容積に近かったとしても、梱包資材PMの内部のうち、角C1~C4付近の場所は、ある程度の空間が存在することが多い。ロボットコントローラ10は、ロボット20が角C1~C4の何れかに対して切れ目を入れるように、ロボット20を制御する。刃220が角C1~C4の何れかの内側に多少入ったとしても、刃220が内容物CTに触れないことが多い。
【0037】
図7~
図11は、梱包資材PMの切断方法の一例を示す図である。
図7~
図11では、
図6の内容物CTの点線と、
図6の座標軸と、を省略する。
図7~
図11では、梱包資材PMのうち、切断箇所CPのうち、梱包資材PMが切断されていない部分を実線で示す。切断箇所CPのうち、梱包資材PMが切断されていない部分を破線で示す。なお、
図7~
図11の例では、図面におけるカッター22を分かりやすくするために、カッター22を大きく記載している。
【0038】
例えば、
図7の上側のように、ロボットコントローラ10は、刃220が移動方向MD1に移動して梱包資材PMの角C1に近づくように、ロボット20を制御する。
図7の例では、移動方向MD1は、梱包資材PMの側面のうち、カッター22側にある側面(
図7では、右側の側面)の法線とのなす角度が180°又は略180°(例えば、160°~200°)となる方向である。別の言い方をすれば、移動方向MD1は、カッター22が最初に切断する角C1から、カッター22が次に切断する角C2に対する方向である。刃220が移動方向MD1に移動すると、
図7の下側のように、刃220が梱包資材PMの角C1に当たる。ロボットコントローラ10は、刃220がそのまま移動方向MD1に移動して梱包資材PMの角C1の切断を開始するように、ロボット20を制御する。
【0039】
例えば、梱包資材PMの角C1及びその周辺に、切れ目ができる。ロボットコントローラ10は、先端部222が当該切れ目から梱包資材PMの内部に入るように、ロボット20を制御する。例えば、ロボットコントローラ10は、カッター22が梱包資材PMの外側に所定距離移動した後に、先端部222が梱包資材PMの内部に入るように、カッター22を回転させて梱包資材PMの内側に先端部222を差し込み、ある程度の距離だけ移動方向MD1にカッター22を移動させる。
【0040】
例えば、
図8の上側のように、ロボットコントローラ10は、先端部222が梱包資材PMの内側に入ると、反時計回りの回転方向RD1にカッター22が所定角度だけ回転するように、ロボット20を制御する。その後、
図8の下側のように、ロボットコントローラ10は、カッター22が向きを維持したまま移動方向MD2に移動するように、ロボット20を制御する。
図8の例では、移動方向MD2は、カッター22が直近で切断した角C1から、カッター22が次に切断する角C2に対する方向である。
図9の上側及び下側のように、カッター22が移動方向MD2に進むと、先端部222が内容物CTに触れる可能性があるが、先端部222は、刃220が無いので内容物CTが破けにくい。例えば、カッター22は、ポリ袋である内容物CTを先端部222で押しのけるようにして進むので、カッター22の移動中に、刃220が内容物CTに当たりにくい。
【0041】
例えば、ロボットコントローラ10は、カッター22が角C2に到達すると、
図10の上側のように、時計回りの回転方向RD2にカッター22が所定角度だけ回転するように、ロボット20を制御する。これにより、
図10の下側のように、角C2の切断が完了する。ロボットコントローラ10は、カッター22が角C3に向けて多少移動するように、ロボット20を制御してもよい。なお、ロボットコントローラ10は、カッター22が角C2に到達した後に、カッター22をそのままの移動方向MD2で移動させて、梱包資材PMからカッター22を抜くように、ロボット20を制御してもよい。その後、ロボットコントローラ10は、ロボット20が梱包資材PMと干渉しない領域でカッター22の角度を変更し、角C2から角C3に向けた切断を開始するように、ロボット20を制御してもよい。他の角C3,C4の切断時も同様に、カッター22が梱包資材PMから抜かれてもよい。
【0042】
例えば、
図11の上側のように、ロボットコントローラ10は、反時計回りの回転方向RD3にカッター22が所定角度だけ回転するように、ロボット20を制御する。その後、
図11の下側のように、ロボットコントローラ10は、カッター22が向きを維持したまま移動方向MD3に移動するように、ロボット20を制御する。
図11の例では、移動方向MD3は、カッター22が直近で切断した角C2から、カッター22が次に切断する角C3に対する方向である。カッター22がこの向きで進むと、カッター22が内容物CTに当たったとしても、先端部222が内容物CTに触れるので、内容物CTが破けにくい。
【0043】
以降同様にして、ロボットコントローラ10は、カッター22が切断箇所CP上を移動して、スタート地点の角C1又はその付近まで戻るように、ロボット20を制御する。以上のように、ロボットコントローラ10は、ロボット20が刃220で角C1~C4を切るときよりも、ロボット20が刃220で梱包資材PMの面を切るときの方が、刃220が梱包資材PMの外側を向くように、ロボット20を制御する。これにより、内容物CTが破れにくくなる。以降、ロボット制御システム1の詳細を説明する。
【0044】
[1-3.第1実施形態で実現される機能]
図12は、第1実施形態で実現される機能の一例を示す図である。例えば、ロボットコントローラ10は、データ記憶部100及びロボット制御部101を含む。データ記憶部は、記憶部12により実現される。ロボット制御部101は、CPU11により実現される。
【0045】
[データ記憶部]
データ記憶部100は、ロボットコントローラ10がロボット20を制御するために必要なデータを記憶する。例えば、データ記憶部100は、ロボット20の制御内容を示すコード(コマンド)を含むプログラムを記憶する。プログラムは、任意の言語で作成可能であり、例えば、ロボット言語又はラダー言語により作成されてもよい。コードは、これらの言語で採用されているものであればよい。例えば、プログラムは、ロボット20を移動させるためのコードと、ロボット20の姿勢を変更するためのコード、及びロボット20の向きを変更するためのコードの少なくとも1つを含む。
【0046】
例えば、データ記憶部100は、下記のプログラムを記憶する。
(1)形状認識プログラム:カメラ21により生成された撮影画像に基づいて、梱包資材PMの形状を認識するためのプログラム。
(2)切断箇所プログラム:梱包資材PMの形状に基づいて、切断箇所CPを計算するためのプログラム。
(3)ロボット制御プログラム:カッター22が切断箇所CPを切断するように、ロボット20を制御するためのプログラム。
【0047】
例えば、形状認識プログラムは、カメラ21により生成された撮影画像に基づいて、梱包資材PMの形状を推定するためのコードを含む。第1実施形態では、頂点V1~V8により梱包資材PMの形状が特定されるものとするが、梱包資材PMの表面が湾曲している場合には、当該湾曲した表面の形状も形状認識プログラムによって特定されるものとする。形状認識プログラムは、公知の物体検出で用いられるプログラムであってもよい。
【0048】
第1実施形態では、カメラ21が3Dカメラなので、形状認識プログラムは、3Dカメラにより撮影された撮影画像(カメラ21及び被写体の間の深度を含む画像)に基づいて、梱包資材PMの形状を推定するためのコードを含む。例えば、形状認識プログラムは、カメラ21により撮影された複数の撮影画像に基づいて、梱包資材PMの3次元的な形状を特定する。
図4の例であれば、形状認識プログラムは、頂点V1~V8の位置を特定する。
【0049】
例えば、切断箇所プログラムは、梱包資材PMの形状に基づいて、切断箇所CPを決定するためのコードを含む。切断箇所プログラムは、梱包資材PMの底面から上方向に所定距離d1の水平面と、梱包資材PMの表面と、が交差する場所をつないだ経路を、切断箇所CPとして計算するコードを含む。切断箇所プログラムは、梱包資材PMの底面ではなく、上面又は側面に基づいて、切断箇所CPを計算するコードを含んでもよい。切断箇所CPは、水平面ではなくてもよい。例えば、何らかの障害物を回避するような経路が切断箇所CPに相当してもよい。
【0050】
例えば、ロボット制御プログラムは、切断箇所CPに基づいて、ロボット20を制御するためのコードを含む。ロボット制御プログラムは、カッター22の移動経路の計算、カッター22の向きの計算、及びこれらの計算に基づくロボットの制御を示すコードを含む。カッター22の移動経路は、切断箇所CPと同じであってもよいが、第1実施形態では、ロボット20が先端部222を梱包資材PMの内部に差し込む必要があるので、カッター22の移動経路と切断箇所CPが完全には一致しない。
【0051】
図13は、カッター22の移動経路の一例を示す図である。移動経路MPを計算するためのアルゴリズムは、ロボット制御における任意のアルゴリズムが利用されてよい。例えば、ロボット制御プログラムは、直線補完、円弧補間、又はスプライン補完に基づく移動経路の計算のコードを含んでもよい。第1実施形態では、ロボット制御プログラムは、これらのアルゴリズムを示すコードに加えて、ロボット20が先端部222を梱包資材PMの内部に差し込む動作のコードを含む。
【0052】
例えば、ロボット制御プログラムは、初期位置P1にカッター22を移動させるコードを含む。初期位置P1は、ロボット制御システム1のユーザが予め指定しているものとする。ロボット制御プログラムは、初期位置P1から角C1に対する方向(
図7で説明した移動方向MD1)に対し、所定距離だけ離れた位置にカッター22を移動させた後に梱包資材PMの外側の位置P2にカッター22を移動させるコードを含む。ロボット制御プログラムは、位置P2から先端部222を梱包資材PMの内部に入れる動作を示すコードを含む。
図13の例では、当該動作が行われた後の位置を、P3とする。
【0053】
例えば、ロボット制御プログラムは、位置P3に移動したカッター22を反時計回りに所定角度だけ回転させるコードを含む。位置P3は、角C1から次の角C2に向けて所定距離だけ離れた位置であるものとする。ロボット制御プログラムは、位置P3から、角C2から所定距離だけ手前の位置P4にカッター22を移動させるコードを含む。ロボット制御プログラムは、位置P4でカッター22を時計回りに回転させるコードを含む。ロボット制御プログラムは、角C2から次の角C3に向けて所定距離だけ離れた位置P5までカッター22を移動させて、位置P5に移動したカッター22を反時計回りに所定角度だけ回転させるコードを含む。
【0054】
例えば、ロボット制御プログラムは、位置P5から、角C3から所定距離だけ手前の位置P6にカッター22を移動させるコードを含む。ロボット制御プログラムは、位置P6でカッター22を時計回りに回転させるコードを含む。ロボット制御プログラムは、角C3から次の角C4に向けて所定距離だけ離れた位置P7までカッター22を移動させて、位置P7に移動したカッター22を反時計回りに所定角度だけ回転させるコードを含む。
【0055】
例えば、ロボット制御プログラムは、位置P7から、角C4から所定距離だけ手前の位置P8にカッター22を移動させるコードを含む。ロボット制御プログラムは、位置P8でカッター22を時計回りに回転させるコードを含む。ロボット制御プログラムは、角C4から次の角C1に向けて所定距離だけ離れた位置P9までカッター22を移動させて、位置P9に移動したカッター22を反時計回りに所定角度だけ回転させるコードを含む。ロボット制御プログラムは、位置P9から角C1に対する線の延長上にある位置P10までカッター22を移動させるコードを含む。以上の一連の動作が、ロボット制御プログラムに定義されている。
【0056】
なお、データ記憶部100が記憶するデータは、上記の例に限られない。例えば、データ記憶部100は、形状認識プログラム、切断箇所プログラム、及びロボット制御プログラム以外の他のプログラムを記憶してもよい。また、データ記憶部100が記憶するデータは、プログラムに限られない。例えば、データ記憶部100は、切断箇所CPを示す切断箇所データと、ロボット20の移動経路を示す移動経路データと、を記憶してもよい。例えば、データ記憶部100は、上記のプログラムにより参照されるパラメータを記憶してもよい。パラメータは、ロボット制御で利用されているものであればよく、例えば、ロボット20内のモータの位置を示す位置パラメータ、トルクセンサ等の各種センサにより検出された値であってもよい。
【0057】
[ロボット制御部]
ロボット制御部101は、データ記憶部100に記憶されたプログラム及びパラメータに基づいて、ロボット20がカッター22の刃220で梱包資材PMを切るように、ロボット20を制御する。第1実施形態では、内容物CTがポリ袋なので、ロボット制御部101は、ロボット20が刃220で、袋状の内容物CTを梱包する梱包資材PMを切るように、ロボット20を制御する。袋状の内容物CTは、ポリ袋に限られず、先述した種々の袋であってよい。
【0058】
例えば、ロボット制御部101は、カメラ21により生成された撮影画像と、形状認識プログラムと、に基づいて、梱包資材PMの形状を推定する。ロボット制御部101は、形状認識プログラムに含まれるコードを実行し、撮影画像から頂点V1~V8を抽出する。ロボット制御部101は、頂点V1~V8を示すデータを、データ記憶部100に記録する。
【0059】
例えば、ロボット制御部101は、梱包資材PMの形状と、切断箇所プログラムと、に基づいて、切断箇所CPを計算する。第1実施形態では、ロボット制御部101は、頂点V2,V4,V6,V8で囲われた梱包資材PMの底面から所定距離d1だけ上側を、切断箇所CPとして計算する。
【0060】
例えば、ロボット制御部101は、ロボット制御プログラムに基づいて、移動経路MPを計算し、カッター22が移動経路MP上を移動するように、ロボット20を制御する。ロボット制御プログラムに基づくロボット20の制御は、先述した通りである。例えば、ロボット制御プログラムがロボット言語によって作成される場合、ロボット制御部101は、ロボット制御プログラムに含まれるMOVE命令のコードを実行することによって、カッター22が
図13の移動経路MP上を移動するように、ロボット20を制御する。
【0061】
[向き制御部]
例えば、ロボット制御部101は、向き制御部102を含む。向き制御部102は、カッター22の向きを制御する。カッター22の向きは、刃220の向き、本体部221の向き、又は先端部222の向きということもできる。カッター22の向きは、カッター22の姿勢ということもできる。第1実施形態では、カッター22の向きを変更することを示すコードがロボット制御プログラムに定義されているので、向き制御部102は、ロボット制御プログラムに基づいて、カッター22の向きを制御する。例えば、当該コードは、ロボット20の先端の軸に対応するモータを回転させるためのコードである。
【0062】
図14は、向き制御部102の処理の一例を示す図である。
図14では、刃220の法線方向を、刃220の向きBDとする。梱包資材PMの4つの側面のうち、刃220が切断中の側面の法線方向(法線方向)を、PDの符号で示す。向き制御部102によってカッター22の向きが変わると、刃220の向きBDと、刃220が切断中の側面の法線方向PDと、のなす角度θ1が変わる。角度θ1は、刃220が角C1切るときよりも、刃220が位置P3から次の角C2までの場所を切るときの方が小さい。
【0063】
例えば、向き制御部102は、ロボットコントローラ10は、ロボット20が刃220で梱包資材PMの角を切るときよりも、ロボット20が刃220で梱包資材PMの面を切るときの方が、刃220が梱包資材PMの外側を向くように、ロボット20を制御する。梱包資材PMの外側を向くとは、刃220が切断中の側面の垂直方向に向けて回転することである。
図14の例であれば、角度θ1が小さくなることは、刃220が梱包資材PMの外側を向くことに相当する。
【0064】
例えば、向き制御部102は、カッター22が移動経路MPの位置P3に到達すると、角度θ1が小さくなるように、カッター22を回転させる。向き制御部102は、ロボット20の先端の軸に対応するモータが、角度θ1が小さくなる回転方向に所定角度(回転前のθ1と、回転後のθ1と、の差)だけ回転するように、ロボット20を制御する。目標となる角度θ1(回転後のθ1)は、ロボット制御プログラムに予め示されているものとする。ロボット制御プログラムには、目標となる角度θ1ではなく、回転量(上記の所定角度)が予め示されていてもよい。
【0065】
図15は、
図14とは別の観点で向き制御部102の処理の一例を示す図である。
図15では、カッター22の長手方向を、LDの符号で示す。梱包資材PMの角C1から角C2に対する方向を、SDの符号で示す。SDは、カッター22の移動方向ということもできる。向き制御部102によってカッター22の向きが変わると、カッター22の長手方向LDと、角C1から角C2に対する方向SDと、のなす角度θ2が変わる。
図15の例であれば、角度θ2が小さくなることは、刃220が梱包資材PMの外側を向くことに相当する。角度θ2は、刃220が角C1切るときよりも、刃220が位置P3から次の角C2までの場所を切るときの方が小さい。
【0066】
例えば、向き制御部102は、カッター22が移動経路MPの位置P3に到達すると、角度θ2が小さくなるように、カッター22を回転させる。向き制御部102は、ロボット20の先端の軸に対応するモータが、角度θ2が小さくなる回転方向に所定角度(回転前のθ2と、回転後のθ2と、の差)だけ回転するように、ロボット20を制御する。目標となる角度θ2(回転後のθ2)は、ロボット制御プログラムに予め示されているものとする。ロボット制御プログラムには、目標となる角度θ2ではなく、回転量(上記の所定角度)が予め示されていてもよい。
【0067】
なお、刃220が梱包資材PMの外側を向くことは、
図14,15で説明した角度θ1,θ2以外の角度によって定義されてもよい。例えば、カッター22の長手方向LDと、梱包資材PMの側面の法線方向PDと、のなす角度が小さくなることが、刃220が梱包資材PMの外側を向くことに相当してもよい。刃220の向きBDと、角C1から角C2に対する方向SDと、のなす角度が小さくなることが、刃220が梱包資材PMの外側を向くことに相当してもよい。
【0068】
第1実施形態では、カッター22が、梱包資材PMの上側から見て時計回りに周回するように、梱包資材PMを切る。この場合、カッター22が、梱包資材PMの上側から見て反時計回りに回転することが、刃220が梱包資材PMの外側を向くことに相当する。逆に、カッター22が、梱包資材PMの梱包資材PMの上側から見て反時計回りに周回するように、梱包資材PMを切る場合には、カッター22が、梱包資材PMの上側から見て時計回りに回転することが、刃220が梱包資材PMの外側を向くことに相当する。向き制御部102は、梱包資材PMの角を切るときは、梱包資材PMの外側に刃220が当たり、梱包資材PMの面を切るときは、梱包資材PMの内側に刃220が当たるように、カッター22の向きを制御してもよい。なお、先述したように、周回の途中でカッター22が梱包資材PMから抜かれてもよい。
【0069】
第1実施形態では、向き制御部102は、第1向き制御部102A、第2向き制御部102B、及び第3向き制御部102Cを含む。例えば、第1向き制御部102Aは、刃220を梱包資材PMの角C1に入れさせて、梱包資材PMの外側に刃220を向けて、刃220が梱包資材PMの面を切るように、ロボット20を制御する。例えば、第1向き制御部102Aは、
図13のようにして決定された移動経路MPに基づいて、カッター22を初期位置P1から移動方向MD1に移動させることによって、刃220を角C1に入れさせる。
【0070】
例えば、第1向き制御部102Aは、カッター22を
図13の位置P2から位置P3に移動させる。第1向き制御部102Aは、位置P3で梱包資材PMの外側に刃220を向けるように、ロボット20を制御する。
図13の例であれば、第1向き制御部102Aは、位置P3でカッター22を、梱包資材PMの上側から見て反時計回りに所定角度だけ回転させる。その後、第1向き制御部102Aは、カッター22を位置P4に向けて移動させて、刃220が梱包資材PMの面を切るように、ロボット20を制御する。
【0071】
例えば、第2向き制御部102Bは、梱包資材PMの内容物CTと、本体部221と、の間に、先端部222が配置されるように、刃220の向きBDを変える。
図13の例であれば、第2向き制御部102Bは、カッター22を位置P2から位置P3に移動させ、先端部222を梱包資材PMの内部に入れる。第2向き制御部102Bは、この状態で、位置P3でカッター22を、梱包資材PMの上側から見て反時計回りに所定角度だけ回転させることによって、内容物CTと、本体部221と、の間に、先端部222を配置させる。第2向き制御部102Bは、先端部222が内容物CTに触れたとしても、刃220が内容物CTに触れないように、刃220の向きBDを変える。
【0072】
例えば、第3向き制御部102Cは、内容物CTと、一の端部E1と、の間に、他の端部E2が配置されるように、刃220の向きを変える。
図13の例であれば、第3向き制御部102Cは、カッター22を位置P2から位置P3に移動させ、先端部222を梱包資材PMの内部に入れる。第3向き制御部102Cは、この状態で、位置P3でカッター22を、梱包資材PMの上側から見て反時計回りに所定角度だけ回転させることによって、内容物CTと、一の端部E1と、の間に、他の端部E2を配置させる。第3向き制御部102Cは、刃220が配置された一の端部E1が内容物CTに触れないように、刃220の向きBDを変える。
【0073】
[1-4.第1実施形態で実行される処理]
図16は、第1実施形態で実行される処理の一例を示す図である。CPU11が記憶部12に記憶されたプログラムを実行することによって、
図16の処理が実行される。
図16の処理は、梱包資材PMが作業台Tの上に載せられた場合に実行される。梱包資材PMが作業台Tの上に載せられたことは、任意の方法によって検出可能であり、例えば、作業台T上に配置された接触センサ等によって検出されてもよい。
【0074】
図16に示すように、ロボットコントローラ10は、ロボット20がカメラ21で梱包資材PMを撮影するように、ロボット20を制御する(S100)。ロボットコントローラ10は、カメラ21により生成された撮影画像と、形状認識プログラムと、に基づいて、梱包資材PMの形状を認識する(S101)。ロボットコントローラ10は、S101で推定された梱包資材PMの形状と、切断箇所プログラムと、に基づいて、切断箇所CPを計算する(S102)。
【0075】
ロボットコントローラ10は、S102で計算された切断箇所CPと、ロボット制御プログラムと、に基づいて、ロボット20の移動経路MPを計算する(S103)。S103では、ロボットコントローラ10は、カッター22を回転させる位置も決定する。ロボットコントローラ10は、S103で計算された移動経路MPに基づいて、カッター22が初期位置P1に移動するように、ロボット20を制御する(S104)。
【0076】
ロボットコントローラ10は、カッター22を初期位置P1から梱包資材PMの角C1に移動させて刃220で角C1を切断した後に、カッター22を位置P2まで移動させる(S105)。ロボットコントローラ10は、S105における移動で生じた切り口の中に先端部222が入るように、カッター22を位置P3まで移動させて、刃220が梱包資材PMの外側を向くように、カッター22を反時計回りに回転させる(S106)。
【0077】
ロボットコントローラ10は、カッター22を位置P4まで移動させて、カッター22を時計回りに回転させる(S107)。ロボットコントローラ10は、カッター22を位置P5まで移動させて、カッター22を反時計回りに回転させる(S108)。ロボットコントローラ10は、カッター22を位置P6まで移動させて、カッター22を時計回りに回転させる(S109)。ロボットコントローラ10は、カッター22を位置P7まで移動させて、カッター22を反時計回りに回転させる(S110)。
【0078】
ロボットコントローラ10は、カッター22を位置P8まで移動させて、カッター22を時計回りに回転させる(S111)。ロボットコントローラ10は、カッター22を位置P9まで移動させて、カッター22を反時計回りに回転させる(S112)。ロボットコントローラ10は、カッター22を位置P10まで移動させて(S113)、梱包資材PMの切断が完了する。
【0079】
[1-5.第1実施形態のまとめ]
第1実施形態のロボット制御システム1は、ロボット20が刃220で梱包資材PMの角C1~C4を切るときよりも、ロボット20が刃220で梱包資材PMの面を切るときの方が、刃220が梱包資材PMの外側を向くように、ロボット20を制御する。ロボットが刃220で梱包資材PMの角C1~C4を切るときよりも、ロボット20が刃220で梱包資材PMの面を切るときの方が、カッター22の刃220が梱包資材PMの外側を向くので、刃220が梱包資材PMの内容物CTに当たるのを抑止できる。
【0080】
また、ロボット制御システム1は、刃220を梱包資材PMの角C1に入れさせて、梱包資材PMの外側に刃220を向けて、刃220が梱包資材PMの面を切るように、ロボット20を制御する。カッター22の刃220を梱包資材PMの角C1に入れさせて、梱包資材PMの外側にカッター22の刃220を向けて、カッター22の刃220が梱包資材PMの面を切るように、ロボットが制御されるので、梱包資材PMをスムーズに切ることができる。例えば、カッター22の刃220が梱包資材PMの側面を周回するように梱包資材PMを切ることができる。内容物CTの取り出しと、切断された梱包資材PMの後片付けと、が容易になる。
【0081】
また、カッター22は、刃220を有する本体部221と、先端部222と、を有する。ロボット制御システム1は、梱包資材PMの内容物CTと、本体部221と、の間に、先端部222が配置されるように、刃220の向きを変える。梱包資材PMの内容物CTと、刃220を有する本体部221と、の間に、先端部222が配置されるので、カッター22の刃220が内容物CTに当たりにくくなる。先端部が内容物CTに触れたとしても、本体部に比べて鋭利ではないので、内容物CTが破損しにくい。
【0082】
また、刃220は、カッター22の一の端部E1に配置されている。一の端部E1は、カッター22の他の端部E2よりも鋭利である。ロボット制御システム1は、内容物CTと、一の端部E1と、の間に、他の端部E2が配置されるように、刃220の向きを変える。内容物CTと、刃220が配置された一の端部E1と、の間に、他の端部E2が配置されるので、カッター22の刃220が内容物CTに当たる確率を、より低減できる。その結果、内容物CTが破損する確率を、より低減できる。
【0083】
また、ロボット制御システム1は、ロボット20が刃220で、袋状の内容物CTを梱包する梱包資材PMを切るように、ロボット20を制御する。袋状の内容物CTは、梱包資材PMの面の内側に触れることがあるが、梱包資材PMの角C1の内側には触れないことが多い。このような内容物CTを梱包する梱包資材PMの場合、梱包資材PMの内部のうち、角C1~C4付近には空間があることが多い。ロボット20がカッター22の刃220で梱包資材PMの角C1~C4を切るときには、カッター22の刃220が内容物CTに当たりにくいが、梱包資材PMの面を切るときには、カッター22の刃220が内容物CTに当たりやすい。ロボット20がカッター22の刃220で梱包資材PMの角C1~C4を切るときよりも、ロボット20がカッター22の刃220で梱包資材PMの面を切るときの方が、カッター22の刃220が外側を向くので、カッター22の刃220が梱包資材PMの内容物CTに当たるのを抑止できる。
【0084】
[2.第2実施形態]
次に、ロボット制御システム1の別実施形態の一例である第2実施形態を説明する。第2実施形態では、第1実施形態と同様の点については、説明を省略する。
【0085】
図17は、第2実施形態におけるロボット制御システム1のハードウェア構成の一例を示す図である。第2実施形態のロボット制御システム1は、固定装置30を含む。例えば、固定装置30は、カッター22を有するロボット20がカッター22の刃220で梱包資材PMの側面を周回して切るように、ロボット20が制御される場合に、梱包資材PMの底面と接触し、底面と接触した部分の少なくとも一部を固定する装置である。
【0086】
例えば、固定装置30は、梱包資材PMの底面と接触した部分の少なくとも一部を吸引する吸引機31を有する。吸引機31は、梱包資材PMと接触する吸着カップ(吸盤)と、吸引のためのポンプと、を含む。例えば、吸引機31は、ポンプによって、吸着カップと、吸着カップが触れた物体と、の間で真空状態を作り出す。なお、吸引機31は、任意の種類であってよく、吸着カップを用いたタイプに限られない。例えば、吸引機31は、吸着カップではなくマット状のタイプであってもよいし、バキュームグリッパーと呼ばれるタイプであってもよい。
【0087】
例えば、ロボットコントローラ10は、信号線又は通信線等のケーブルによって、固定装置30と接続される。第2実施形態では、固定装置30は、ロボットコントローラ10からの指示によって、吸引機31による吸引のオン/オフを制御する。固定装置30は、ロボットコントローラ10からの指示によって、吸引機31による吸引力を制御する。固定装置30は、ロボットコントローラ10以外の他の装置と接続されてもよい。この場合、他の装置によって、吸引機31による吸引のオン、オフ、及び吸引力の少なくとも1つが制御されてもよい。
【0088】
なお、固定装置30は、吸引以外の方法によって、梱包資材PMの底面と接触した部分の少なくとも一部を固定してもよい。即ち、固定装置30は、吸引機31を含まなくてもよい。例えば、固定装置30は、吸引機能を有しない吸盤、ゴム、爪、又はその他の部材によって、当該少なくとも一部を固定してもよい。当該部材は、吸盤又はゴムのように作業台Tの天板よりも静止摩擦係数が高くてもよいし、爪のように梱包資材PMの底面を支持可能な形状であってもよい。例えば、固定装置30は、磁力又は静電気力によって、当該少なくとも一部を固定してもよい。他にも例えば、後述の変形例のように、固定装置30は、ロボット20とは異なる他のロボットであってもよい。
【0089】
図18は、第2実施形態におけるロボットコントローラ10、ロボット20、及び固定装置30が配置された空間の一例を示す図である。
図18では、梱包資材PMが載せられる前の作業台Tの一例が示されている。
図18のように、作業台Tの天板は、中央付近に穴があけられている。当該穴の部分に、吸引機31の吸着カップが上を向くように、固定部300が配置されている。例えば、吸着カップが作業台Tの天板と同じ高さになるように、固定装置30が配置される。吸引機31のうち、吸着カップが配置された面には、物体を検出するセンサが配置されていてもよい。梱包資材PMが吸引機31の吸着カップに載せられると、吸引機31が自動的に吸引を開始してもよい。
【0090】
図19は、梱包資材PMの底面と、固定装置30と、の関係の一例を示す図である。
図19では、作業台Tの天板の輪郭L1、梱包資材PMの底面の輪郭L2、作業台Tの天板の穴の輪郭L3、及び固定装置30の輪郭L4が示されている。例えば、輪郭L2は、輪郭L1よりも大きいので、梱包資材PMが作業台Tの天板に載っても、梱包資材PMの底面には、作業台Tの天板に触れない領域が存在する。
【0091】
例えば、輪郭L2は、輪郭L3,L4よりも大きいので、梱包資材PMが作業台Tの天板に載っても、梱包資材PMの底面には、吸引機31によって吸引されない領域が存在する。梱包資材PMの底面のうち、吸引機31による吸引によって、輪郭L4の全部又は一部(例えば、吸着カップの部分)の領域は、吸引機31によって吸引されない領域(例えば、輪郭L3と輪郭L1の間の領域)よりも、静止摩擦力が大きい。輪郭L4の全部又は一部の領域は、梱包資材PMの底面と接触した部分の少なくとも一部の一例である。第2実施形態では、吸引機31による吸引によって、梱包資材PMの底面のうち、吸引されている領域の静止摩擦力が、底面の他の領域よりも大きくなる。
【0092】
図20は、第2実施形態で実現される機能の一例を示す図である。第2実施形態のロボット制御部101は、第1実施形態と同様に、ロボット20がカッター22の刃220で梱包資材PMの側面を周回して切るように、ロボットを制御する。ロボット制御部101の機能は、第1実施形態と同様であるものとするが、第2実施形態のロボット制御部101は、第1実施形態で説明した機能の一部を含まなくてもよい。
【0093】
例えば、第2実施形態のロボット制御部101は、向き制御部102を含まなくてもよい。この場合、ロボット制御部101は、ロボット20がカッター22の刃220で梱包資材PMの側面を周回して切るように、ロボットを制御するが、刃220が梱包資材PMの面を切るときに、刃220の向きを変えなくてもよい。
図13のような移動経路MPの場合に、ロボット制御部101は、位置P3,P5,P7,P9でカッター22の向きを変えなくてもよい。例えば、第2実施形態では、第1実施形態のようなカッター22ではなく、回転刃のカッター22であってもよい。
【0094】
第2実施形態では、ロボットコントローラ10は、吸引機制御部103を含む。例えば、吸引機制御部103は、CPU11により実現される。吸引機制御部103は、吸引機31の吸引力を制御する。例えば、吸引機制御部103は、吸引機31に対し、吸引を開始することを示す吸引開始信号、吸引を停止することを示す吸引停止信号、吸引力を増大させる吸引力増大信号、及び吸引力を減少させる吸引力減少信号の少なくとも1つを送信する。これらの信号は、予め定められた信号であればよい。
【0095】
例えば、吸引機31は、吸引開始信号を受信すると、ポンプによる吸引を開始する。吸引機31は、吸引停止信号を受信すると、ポンプによる吸引を停止する。吸引機31は、吸引力増大信号を受信すると、吸引力が増大するようにポンプを制御する。吸引機31は、吸引力減少信号を受信すると、吸引力が減少するようにポンプを制御する。吸引機31が各信号を受信した場合にこれらの動作をするように、吸引機31の回路が設計されている。
【0096】
例えば、吸引機制御部103は、ロボット20が刃220で梱包資材PMの側面を周回して切るときに、吸引機31の吸引力が増大するように、吸引機31を制御する。ロボット20が刃220で梱包資材PMの側面を周回して切るときとは、刃220が梱包資材PMに触れているときだけを意味してもよいが、第2実施形態では、刃220が梱包資材PMに触れる前も含むものとする。
【0097】
図13の移動経路MPの例であれば、カッター22が初期位置P1に移動した後の時点が、ロボット20が刃220で梱包資材PMの側面を周回して切るときに相当してもよい。例えば、吸引機制御部103は、カッター22が初期位置P1に移動した場合に、吸引機31に対し、吸引開始信号を送信する。吸引機31は、吸引開始信号を受信すると、吸引を開始する。吸引機制御部103は、カッター22が位置P10まで移動して梱包資材PMの切断が完了した場合に、吸引機31に対し、吸引停止信号を送信する。吸引機31は、吸引停止信号を受信すると、吸引を停止する。
【0098】
なお、カッター22が初期位置P1に移動する前に、既に吸引が開始されている場合には、吸引機制御部103は、吸引機31に対し、吸引開始信号ではなく、吸引力増大信号を送信してもよい。吸引機31は、吸引力増大信号を受信すると、吸引力を増大させる。また、吸引機制御部103は、カッター22が位置P10まで移動して梱包資材PMの切断が完了した場合に、吸引機31に対し、吸引停止信号ではなく、吸引力減少信号を送信してもよい。吸引機31は、吸引力減少信号を受信すると、吸引力を減少させる。
【0099】
固定装置30は、固定部300を含む。例えば、固定部300は、吸引機31により実現される。固定部300は、梱包資材PMの底面と接触し、底面と接触した部分の少なくとも一部を固定する。梱包資材PMの底面と接触した部分とは、固定装置30のうち、梱包資材PM側の面の全てであってもよいし、当該面の一部であってもよい。例えば、固定部300は、吸引機31による吸引によって、当該少なくとも一部を固定する。
【0100】
なお、固定部300による固定方法は、上記の例に限られない。固定部300は、吸引以外の他の固定方法によって、梱包資材PMの底面と接触した部分の少なくとも一部を固定してもよい。例えば、固定部300は、当該少なくとも一部と、吸盤、ゴム、又はその他の部材と、の間で発生する静止摩擦力によって、当該少なくとも一部を固定してもよい。固定部300は、当該少なくとも一部と、爪と、の間で発生する支持力によって、当該少なくとも一部を固定してもよい。固定部300は、当該少なくとも一部との間で発生する磁力又は静電気力によって、当該少なくとも一部を固定してもよい。
【0101】
図21は、第2実施形態で実行される処理の一例を示す図である。CPU11が記憶部12に記憶されたプログラムを実行することによって、
図21の処理が実行される。
図21に示すように、ロボットコントローラ10は、梱包資材PMが作業台Tに載せられたか否かを判定する(S200)。例えば、ロボットコントローラ10は、カメラ21により撮影された画像、又は、作業台Tの上に配置された接触センサ等に基づいて、S200の判定を実行する。梱包資材PMが作業台Tに載せられたと判定された場合(S200:Y)、ロボットコントローラ10は、吸引機31に吸引を開始させる(S201)。以降のS202~S215の処理は、S100~S113の処理と同様である。なお、
図21では、梱包資材PMが作業台Tに載せられた場合に吸引機31による吸引が開始される場合を説明したが、S206において、ロボット20が初期位置P1に移動した場合に、ロボットコントローラ10は、吸引機31による吸引を開始してもよい。なお、ロボットコントローラ10は、S215の処理が実行されて切断が完了した後に、吸引機31の吸引を停止してもよい。
【0102】
第2実施形態のロボット制御システム1は、梱包資材PMの底面と接触し、底面と接触した部分の少なくとも一部を固定する固定部300を含む。例えば、治具が梱包資材PMの側面を支持する場合には、治具がロボット20の邪魔になる可能性があるが、固定部300が当該少なくとも一部を固定するので、ロボット20がカッター22で梱包資材PMの側面を周回して切る場合に、カッター22の邪魔になることなく、梱包資材PMを固定できる。カッター22からの力によって梱包資材PMが動くことを防止できる。
【0103】
また、ロボット制御システム1は、梱包資材PMの底面と接触した部分の少なくとも一部を吸引する吸引機31を有する。吸引機31によって、カッター22の邪魔になることなく、梱包資材PMを固定できる。
【0104】
また、ロボット制御システム1は、ロボット20が刃220で梱包資材PMの側面を周回して切るときに、吸引機31の吸引力が増大するように、吸引機31を制御する。これにより、ロボット20がカッター22で前記梱包資材PMの側面を周回して切るときに、吸引力の増大によって梱包資材PMを固定しやすくなる。
【0105】
[3.変形例]
本開示は、以上に説明した第1実施形態及び第2実施形態に限定されない。本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【0106】
[3-1.第1実施形態に関する変形例]
まず、第1実施形態に関する変形例を説明する。
図22は、第1実施形態に関する変形例で実現される機能の一例を示す図である。例えば、第1実施形態に関する変形例では、ロボット制御部101は、形状認識部104、切断制御部105、凹み認識部106、速度制御部107、性質特定部108、種類特定部109、及び厚み検出部110を含む。形状認識部104、切断制御部105、凹み認識部106、速度制御部107、性質特定部108、種類特定部109、及び厚み検出部110の各々は、CPU11により実現される。
【0107】
[変形例1-1]
例えば、第1実施形態で説明したように、梱包資材PMの表面は、内容物CTによって膨らむことがある。梱包資材PMが膨らんでいる場所は、表面が湾曲しているため、カッター22で切りにくいことがある。更に、梱包資材PMが膨らんでいる場所は、表面のすぐ内側に内容物CTがあるので、強い力でカッター22が内容物CTに当たってしまう可能性がある。そこで、ロボットコントローラ10は、梱包資材PMの膨らみよりも下を切るように、ロボット20を制御してもよい。なお、ロボットコントローラ10は、梱包資材PMの膨らみに追従して梱包資材PMを切断するように、ロボット20を制御してもよい。
【0108】
変形例1-1のロボット制御システム1は、形状認識部104及び切断制御部105を含む。形状認識部104は、カメラ21に基づいて、梱包資材PMの形状を認識する。形状認識部104の機能は、第1実施形態におけるロボット制御部101の機能で説明した通りである。形状認識部104は、カメラ21により生成された撮影画像と、形状認識プログラムと、に基づいて、梱包資材PMの形状を認識する。
【0109】
例えば、変形例1-1の梱包資材PMは、表面に膨らみがある。例えば、梱包資材PMは、内側から受ける内容物CTの圧力によって、側面の少なくとも一部が膨らむ。ここでは、梱包資材PMの底面と上面の中間地点が最も膨らんでいるものとする。形状認識部104は、カメラ21により生成された画像に基づいて、このような膨らみも認識できる。
【0110】
切断制御部105は、ロボット20がカッター22で梱包資材PMを切るように、ロボット20を制御する。切断制御部105の処理は、第1実施形態でロボット制御部101の処理として説明した処理と同様であってよい。変形例1-1では、切断制御部105は、第1切断制御部105Aを含む。第1切断制御部105Aは、形状認識部104により特定された形状に基づいて、梱包資材PMの側面における膨らみよりも下をロボット20が刃220で切るように、ロボット20を制御する。例えば、第1切断制御部105Aは、形状認識部104による認識結果(梱包資材PMの輪郭)に基づいて、最も膨らんでいる位置を特定する。
【0111】
例えば、切断制御部105は、梱包資材PMの底面と上面の中間地点を、最も膨らんでいる位置として特定する。第1切断制御部105Aは、梱包資材PMが最も膨らんでいる位置と、梱包資材PMの底面と、の間の位置を、切断箇所CPとして決定する。例えば、第1切断制御部105Aは、梱包資材PMが最も膨らんでいる位置と、梱包資材PMの底面と、の距離を計算する。第1切断制御部105Aは、梱包資材PMが最も膨らんでいる位置から、当該距離の所定割合(例えば、8割)だけ下の位置を、切断箇所CPとして決定する。切断箇所CPが決定された後のロボット制御部101の処理は、第1実施形態と同様であってよい。
【0112】
なお、第1切断制御部105Aによる切断箇所CPの決定方法は、上記の例に限られない。第1切断制御部105Aは、梱包資材PMの膨らみよりも下の位置を切断箇所CPとして決定すればよい。例えば、第1切断制御部105Aは、梱包資材PMの輪郭の曲がり具合(曲率)を計算し、曲がり具合が閾値未満になる位置を切断箇所CPとして決定してもよい。他にも例えば、第1切断制御部105Aは、梱包資材PMの底面から、梱包資材PMが最も膨らんでいる位置と、梱包資材PMの底面と、の距離の所定割合(例えば、2割)だけ離れた位置を、切断箇所CPとして決定してもよい。
【0113】
変形例1-1のロボット制御システム1は、カメラ21に基づいて、梱包資材PMの形状を認識する。ロボット制御システム1は、梱包資材PMの形状に基づいて、梱包資材PMの側面における膨らみよりも下をロボット20が刃220で切るように、ロボット20を制御する。これにより、ロボット制御システム1は、梱包資材PMの側面の膨らみよりも下をカッター22で切るので、カッター22の刃220が内容物CTに当たりにくくなる。
【0114】
[変形例1-2]
例えば、第1実施形態で説明したように、梱包資材PMの表面は、変形例1-1のような膨らみではなく、凹みが存在することがある。この場合に、ロボットコントローラ10は、梱包資材PMの凹みに応じた位置をロボット20が刃220で切るように、ロボット20を制御してもよい。変形例1-2のロボット制御システム1は、凹み認識部106及び第2切断制御部105Bを含む。
【0115】
例えば、変形例1-2の梱包資材PMは、表面に凹みがある。例えば、作業員が梱包資材PMを落とした場合に、凹みが生じる。ここでは、梱包資材PMの頂点V2付近が凹んでいるものとする。凹み認識部106は、カメラ21に基づいて、梱包資材PMの凹みを認識する。凹み認識部106は、形状認識部104の一機能である。例えば、凹み認識部106は、梱包資材PMの輪郭が内側に曲がっている部分(輪郭の内側方向の曲率が閾値以上の部分)を、凹みとして認識する。
【0116】
第2切断制御部105Bは、凹みに応じた位置をロボット20が刃220で切るように、ロボット20を制御する。凹みに応じた位置とは、梱包資材PMのうち、凹んでいる部分以外の位置である。例えば、第2切断制御部105Bは、ロボット20が、梱包資材PMの凹んでいる部分を回避して切断するように、ロボット20を制御する。第2切断制御部105Bは、切断箇所CPが凹みの上を通過しないように、切断箇所CPを決定する。切断箇所CPが決定された後のロボット制御部101の処理は、第1実施形態と同様であってよい。
【0117】
変形例1-2のロボット制御システム1は、カメラ21に基づいて、梱包資材PMの凹みを認識する。ロボット制御システム1は、凹みに応じた位置をロボット20が刃220で切るように、ロボット20を制御する。これにより、ロボット制御システム1は、梱包資材PMが凹んでいたとしても、ロボットがカッター22の刃220で梱包資材PMを適切に切ることができる。
【0118】
[変形例1-3]
例えば、梱包資材PMの面の部分は、ある程度速く切断した方が、刃220が引っかかりにくいことが多い。このため、ロボット20が、梱包資材PMの角を切るときと、梱包資材PMの面を切るときと、でカッター22の速度が変わるようにしてもよい。変形例1-3における速度は、移動速度を意味するものとするが、超音波カッターのように振動が発生するカッター22の場合には、振動速度を意味してもよい。変形例1-3のロボット制御システム1は、速度制御部107を含む。
【0119】
速度制御部107は、ロボット20が刃220で梱包資材PMの面を切るときと、ロボット20が刃220で梱包資材PMの角C1を切るときと、でカッター22の速度が変わるように、ロボット20を制御する。例えば、速度制御部107は、ロボット20が刃220で梱包資材PMの面を切るときの速度が、ロボット20が刃220で梱包資材PMの角C1を切るときの速度よりも速くなるように、ロボット20を制御する。
【0120】
なお、速度制御部107による制御方法は、上記の例に限られない。速度制御部107は、ロボット20が刃220で梱包資材PMの面を切るときの速度が、ロボット20が刃220で梱包資材PMの角C1を切るときの速度よりも遅くなるように、ロボット20を制御してもよい。例えば、梱包資材PMの面が濡れていて破けやすい状態の場合に、速度制御部107がこのように速度を制御することによって、梱包資材PMの濡れている面が破けることを防止できる。
【0121】
変形例1-3のロボット制御システム1は、ロボット20が刃220で梱包資材PMの面を切るときと、ロボット20が刃220で梱包資材PMの角C1を切るときと、でカッター22の速度が変わるように、ロボット20を制御する。カッター22の刃220が梱包資材PMの面を切るときと、カッター22の刃220が梱包資材PMの角C1を切るときと、でカッター22の速度が変わるので、ロボット制御システム1は、適切な速度で梱包資材PMを切ることができる。例えば、タクトタイムが上がる。カッター22が途中で止まりにくくなる。
【0122】
[変形例1-4]
例えば、ロボットコントローラ10は、変形例1-3のように速度を変えるのではなく、刃220に関するトルクが変わるようにロボット20を制御してもよい。刃220に関するトルクとは、刃220が梱包資材PMを切断するときに検出されるトルクである。このトルクは、刃220が梱包資材PMから受ける反力によって増加することがある。変形例1-4のロボット制御システム1は、第3切断制御部105Cを含む。
【0123】
第3切断制御部105Cは、ロボット20が刃220で梱包資材PMの面を切るときと、ロボット20が刃220で梱包資材PMの角C1を切るときと、で刃220に関するトルクが変わるように、ロボット20を制御する。例えば、第3切断制御部105Cは、ロボット20が刃220で梱包資材PMの面を切るときのトルクが、ロボット20が刃220で梱包資材PMの角C1を切るときのトルクよりも大きくなるように、ロボット20を制御する。第3切断制御部105Cは、ロボット20が刃220で梱包資材PMの面を切るときのトルクが、ロボット20が刃220で梱包資材PMの角C1を切るときのトルクよりも大きくなるように、ロボット20が刃220を梱包資材PMに押し付ける力を強くする。
【0124】
なお、第3切断制御部105Cによる制御方法は、上記の例に限られない。第3切断制御部105Cは、ロボット20が刃220で梱包資材PMの面を切るときに生じるトルクが、ロボット20が刃220で梱包資材PMの角C1を切るときに生じるトルクよりも小さくなるように、ロボット20を制御してもよい。第3切断制御部105Cは、ロボット20が刃220で梱包資材PMの面を切るときのトルクが、ロボット20が刃220で梱包資材PMの角C1を切るときのトルクよりも小さくなるように、ロボット20が刃220を梱包資材PMに押し付ける力を弱くする。例えば、梱包資材PMの面が濡れていて破けやすい状態の場合に、第3切断制御部105Cがこのようにロボット20を制御することによって、梱包資材PMの濡れている面が破けることを防止できる。
【0125】
変形例1-4のロボット制御システム1は、ロボット20が刃220で梱包資材PMの面を切るときと、ロボット20が刃220で梱包資材PMの角C1を切るときと、で刃220に関するトルクが変わるように、ロボット20を制御する。カッター22の刃220が梱包資材PMの面を切るときと、カッター22の刃220が梱包資材PMの角C1を切るときと、で刃220に関するトルクが変わるので、ロボット制御システム1は、適切な押し付け力で梱包資材PMを切ることができる。
【0126】
[変形例1-5]
例えば、ロボットコントローラ10は、梱包資材PMの性質に応じて、刃220の向きを変えてもよい。梱包資材PMの性質とは、梱包資材PMの厚み、濡れ具合、固さ、及び素材の少なくとも1つである。ロボット制御システム1は、性質特定部108及び第4向き制御部102Dを有する。
【0127】
性質特定部108は、梱包資材PMの性質を特定する。変形例1-5では、ロボット制御システム1を利用するユーザが、ロボットコントローラ10に接続されたハンディターミナルから、梱包資材PMの性質を入力するものとする。性質特定部108は、ユーザが入力した梱包資材PMの性質を示す性質パラメータを、データ記憶部100に記録する。例えば、ユーザは、梱包資材PMの厚み、濡れ具合、固さ、及び素材の少なくとも1つを、ハンディターミナルから入力する。
【0128】
なお、性質特定部108は、他の方法によって、梱包資材PMの性質を特定してもよい。例えば、性質特定部108は、カメラ21により生成された撮影画像に基づいて、梱包資材PMの性質を特定してもよい。梱包資材PMの厚みは、撮影画像から特定することが難しいが、梱包資材PMの濡れ具合、固さ、及び素材の少なくとも1つは、梱包資材PMの表面の色合いから、ある程度推定可能である。性質特定部108は、撮影画像を画像解析することによって、梱包資材PMの濡れ具合、固さ、及び素材の少なくとも1つを特定してもよい。
【0129】
また、性質特定部108は、ロボット20が有するセンサの検出信号に基づいて、梱包資材PMの性質を特定してもよい。例えば、性質特定部108は、カッター22が角C1に切り込みを入れる時のトルクセンサにより検出されたトルクの変化に基づいて、梱包資材PMの性質を特定してもよい。性質特定部108は、カッター22が角C1に切り込みを入れる時の接触センサの検出信号の変化に基づいて、梱包資材PMの性質を特定してもよい。
【0130】
第4向き制御部102Dは、梱包資材PMの性質に基づいて、刃220の向きが変わるように、ロボット20を制御する。梱包資材PMの性質と、刃220の向きと、の関係は、ロボット制御プログラムに定義されているものとする。第4向き制御部102Dは、梱包資材PMの性質に関連付けられた刃220の向きになるように、ロボット20を制御する。例えば、第4向き制御部102Dは、梱包資材PMが第1の性質だった場合に、梱包資材PMが第2の性質だった場合よりも、刃220が梱包資材PMの外側を向くように、刃220の向きを制御する。
【0131】
例えば、第4向き制御部102Dは、梱包資材PMが乾いている場合には、梱包資材PMが濡れている場合よりも、刃220が梱包資材PMの外側を向いても切断しやすいので、刃220が梱包資材PMの外側を向くように、刃220の向きを制御する。第4向き制御部102Dは、梱包資材PMが薄いほど、刃220が内容物CTに当たりやすいので、刃220が梱包資材PMの外側を向くように、刃220の向きを制御する。第4向き制御部102Dは、梱包資材PMの素材が柔らかいほど、刃220が梱包資材PMの外側を向いても切断しやすいので、刃220が梱包資材PMの外側を向くように、刃220の向きを制御する。
【0132】
変形例1-5のロボット制御システム1は、梱包資材PMの性質に基づいて、刃220の向きを変える。ロボット制御システム1は、梱包資材PMの性質に応じた刃220の向きで梱包資材PMを切ることができる。
【0133】
[変形例1-6]
例えば、ロボットコントローラ10は、内容物CTの種類に応じて、刃220の向きを変えてもよい。内容物CTの種類とは、内容物CTの素材、厚み、濡れ具合、及び固さの少なくとも1つである。ロボット制御システム1は、種類特定部109及び第5向き制御部102Eを有する。
【0134】
種類特定部109は、梱包資材PMの内容物CTの種類を特定する。変形例1-6では、ユーザが、ロボットコントローラ10に接続されたハンディターミナルから、内容物CTの種類を入力するものとする。性質特定部108は、ユーザが入力した内容物CTの種類を示す種類パラメータを、データ記憶部100に記録する。例えば、ユーザは、内容物CTの素材、厚み、濡れ具合、及び固さの少なくとも1つを、ハンディターミナルから入力する。
【0135】
なお、種類特定部109は、他の方法によって、内容物CTの種類を特定してもよい。例えば、梱包資材PMの上面が開いている場合には、種類特定部109は、カメラ21により生成された撮影画像に基づいて、内容物CTの種類を特定してもよい。例えば、カッター22の先端にカメラ21が配置されている場合には、種類特定部109は、カッター22の先端部222を差し込んだときにカメラ21で内容物CTを撮影し、カメラ21により生成された撮影画像に基づいて、内容物CTの種類を特定してもよい。
【0136】
第5向き制御部102Eは、内容物CTの種類に基づいて、刃220の向きが変わるように、ロボット20を制御する。内容物CTの種類と、刃220の向きと、の関係は、ロボット制御プログラムに定義されているものとする。第5向き制御部102Eは、内容物CTの種類に関連付けられた刃220の向きになるように、ロボット20を制御する。例えば、第5向き制御部102Eは、内容物CTが第1の種類だった場合に、内容物CTが第2の種類だった場合よりも、刃220が梱包資材PMの外側を向くように、刃220の向きを制御する。
【0137】
例えば、第5向き制御部102Eは、梱包資材PMの素材が柔らかいほど、刃220が梱包資材PMの外側を向いても切断しやすいので、刃220が梱包資材PMの外側を向くように、刃220の向きを制御する。第5向き制御部102Eは、梱包資材PMが薄いほど、刃220が内容物CTに当たりやすいので、刃220が梱包資材PMの外側を向くように、刃220の向きを制御する。第5向き制御部102Eは、梱包資材PMが乾いている場合には、梱包資材PMが濡れている場合よりも、刃220が梱包資材PMの外側を向いても切断しやすいので、刃220が梱包資材PMの外側を向くように、刃220の向きを制御する。
【0138】
変形例1-6のロボット制御システム1は、梱包資材PMの内容物CTの種類を特定する。ロボット制御システム1は、内容物CTの種類に基づいて、刃220の向きが変わるように、ロボット20を制御する。ロボット制御システム1は、内容物CTの種類に応じた刃220の向きで梱包資材PMを切ることができる。
【0139】
[変形例1-7]
例えば、ロボットコントローラ10は、トルクセンサにより検出された刃220に関するトルクに基づいて、梱包資材PMの厚みを検出してもよい。トルクセンサは、梱包資材PMの厚みを検出するために設けられていてもよいが、変形例1-7では、ロボットコントローラ10がロボット20に異常が発生しているか否かを検知するために設けられているものとする。ロボットコントローラ10は、このような目的で設けられたトルクセンサを活用し、梱包資材PMの厚みを検出する。変形例1-7のロボット制御システム1は、厚み検出部110及び第6向き制御部102Fを含む。
【0140】
厚み検出部110は、刃220に関するトルクに基づいて、梱包資材PMの厚みを検出する。例えば、厚み検出部110は、刃220が梱包資材PMに触れてからのトルクの変化に基づいて、梱包資材PMの厚みを検出する。刃220が梱包資材PMに触れると、刃220が反力を受けるので、トルクの増加量が閾値以上になる。厚み検出部110は、これにより、刃220が梱包資材PMに触れたことを検出する。刃220が梱包資材PMの内側に到達すると、刃220に対する反力が弱まるので、トルクの減少量が閾値以上になる。厚み検出部110は、これにより、刃220が梱包資材PMの内側に到達したことを検出する。
【0141】
例えば、厚み検出部110は、刃220が梱包資材PMに触れてから、刃220が梱包資材PMの内側に到達するまでの刃220の移動距離に基づいて、梱包資材PMの厚みを検出する。厚み検出部110は、当該移動距離をそのまま梱包資材PMの厚みとして検出してもよいし、当該移動距離に所定の係数を乗じた値を梱包資材PMの厚みとして検出してもよい。
【0142】
第6向き制御部102Fは、梱包資材PMの厚みに基づいて、刃220の向きが変わるように、ロボット20を制御する。梱包資材PMの厚みと、刃220の向きと、の関係は、ロボット制御プログラムに定義されているものとする。第6向き制御部102Fは、梱包資材PMの厚みに関連付けられた刃220の向きになるように、ロボット20を制御する。例えば、第6向き制御部102Fは、梱包資材PMが薄いほど、刃220が梱包資材PMの外側を向くように、刃220の向きを制御する。
【0143】
変形例1-7のロボット制御システム1は、刃220に関するトルクに基づいて、梱包資材PMの厚みを検出する。ロボット制御システム1は、梱包資材PMの厚みに基づいて、刃220の向きが変わるように、ロボット20を制御する。ロボット制御システム1は、梱包資材PMの厚みに応じた刃220の向きで梱包資材PMを切ることができる。
【0144】
[第1実施形態に関するその他の変形例]
例えば、カッター22が梱包資材PMの内部に入り込みすぎないように、カッター22にはストッパーが設けられていてもよい。ロボットコントローラ10は、カッター22が梱包資材PMの角を切るときに、カッター22が梱包資材PMの面を切るときよりも、カッター22の振動数を上げてもよい。ロボットコントローラ10は、梱包資材PMが濡れている場合には、カッター22の振動数を下げてもよい。ロボットコントローラ10は
、梱包資材PMに応じてカッター22を交換してもよい。
【0145】
[3-2.第2実施形態に関する変形例]
次に、第2実施形態に関する変形例を説明する。第2実施形態では、固定部300が、作業台Tに配置された吸引機31によって実現される場合を説明したが、固定部300は、他のハードウェアによって実現されてもよい。第2実施形態に関する変形例では、固定部300が、ロボット20とは異なる他のロボットによって実現される場合を説明する。第2実施形態に関する変形例のロボット制御システム1は、ロボット20とは異なる他のロボットを含む。
【0146】
図23は、第2実施形態に関する変形例におけるロボット制御システム1のハードウェア構成の一例を示す図である。第2実施形態に関する変形例では、第2実施形態で説明したロボットコントローラ10及びロボット20を、それぞれ第1ロボットコントローラ10及び第1ロボット20という。例えば、ロボット制御システム1は、第2ロボットコントローラ40及び第2ロボット50を含む。第1ロボット20は、カッター22を有するロボットの一例である。第2ロボット50は、他のロボットの一例である。
【0147】
第2実施形態に関する変形例では、第1ロボットコントローラ10及び第2ロボットコントローラ40が、産業用ネットワーク又はLAN等のネットワークによって直接的に接続される場合を例に挙げるが、第1ロボットコントローラ10及び第2ロボットコントローラ40は、上位コントローラを介して接続されてもよい。第1ロボットコントローラ10及び第2ロボットコントローラ40は、上位コントローラからの指示に基づいて、以降説明する処理を実行してもよい。
【0148】
例えば、第2ロボットコントローラ40は、CPU41、記憶部42、及び通信部43を含む。CPU41、記憶部42、及び通信部43のハードウェア構成は、それぞれCPU11、記憶部12、及び通信部13と同様であってよい。記憶部42に記憶されるプログラム又はデータが、ネットワークを介して第2ロボットコントローラ40に供給されてもよい点と、第2ロボットコントローラ40のハードウェア構成が
図23の例に限られない点と、についても、第1ロボットコントローラ10と同様である。
【0149】
第2ロボット50のハードウェア構成は、第1ロボット20と同様であってよいが、第ロボット50は、エンドエフェクタとして装着されるものが第1ロボット20とは異なる。例えば、第2ロボット50は、エンドエフェクタとして、固定装置30を含む。第2実施形態に関する変形例では、第2実施形態と同様に、固定装置30は、吸引機31を含むものとする。このため、第2ロボット50は、先端部分に、エンドエフェクタとして吸引機31を有する。なお、第2実施形態に関する変形例では、第2ロボット50がカメラを含まない場合を説明するが、第2ロボット50は、第1ロボット20と同様に、カメラを含んでもよい。第2ロボット50は、モータエンコーダ、トルクセンサ、接触センサ、又はその他のセンサを含んでもよい。
【0150】
図24は、第2実施形態に関する変形例で実現される機能の一例を示す図である。例えば、第2実施形態に関する変形例では、第2ロボットコントローラ40は、データ記憶部400及び第2ロボット制御部401を含む。データ記憶部400は、記憶部42により実現される。第2ロボット制御部401は、CPU41により実現される。第2ロボット制御部401は、固定制御部402、除去制御部403、回転制御部404、切断箇所特定部405、切断状況特定部406、及び性質特定部407を含む。
【0151】
例えば、データ記憶部400は、第2ロボットコントローラ40が第2ロボット50を制御するために必要なデータを記憶する。例えば、データ記憶部100は、第2ロボット50の制御内容を示すコード(コマンド)を含むプログラムを記憶する。プログラムは、任意の言語で作成可能であり、例えば、ロボット言語又はラダー言語により作成されてもよい。コードは、これらの言語で採用されているものであればよい。例えば、プログラムは、第2ロボット50を移動させるためのコードと、第2ロボット50の姿勢を変更するためのコード、及び吸引機31を制御するためのコードの少なくとも1つを含む。
【0152】
例えば、データ記憶部400は、吸引機31を梱包資材PMの表面に移動させるためのロボット制御プログラムと、吸引機31を制御するための吸引機制御プログラムと、を記憶する。ロボット制御プログラムは、所定の目標位置への移動を実現するプログラムという点で、第1実施形態で説明したロボット制御プログラムと同様である。例えば、ロボット制御プログラムは、目標位置までの経路を計算するアルゴリズムを含んでもよい。吸引機制御プログラムは、第2実施形態で説明した吸引開始指示等の各種指示を吸引機31に送るためのプログラムである。固定制御部402は、これらのプログラムに基づいて、第2ロボット50の固定装置30が梱包資材PMを固定するように、第2ロボット50を制御する。
【0153】
図25は、第1ロボットコントローラ10、第1ロボット20、第2ロボットコントローラ40、及び第2ロボット50が配置された空間の一例を示す図である。例えば、第2ロボット50は、作業台T及び梱包資材PMから見て第1ロボット20とは反対側に配置される。なお、第2実施形態に関する変形例の作業台Tは、第1実施形態と同様に、固定装置30を含まないものとする。また、
図25では、第1ロボットコントローラ10及び第2ロボットコントローラ40の間の通信線を省略している。通信線の省略は、後述の
図26及び
図27も同様である。
【0154】
図25のように、第2ロボット50の先端には、エンドエフェクタとして、固定装置30が取り付けられている。
図25の例では、固定装置30の吸引機31の吸引カップが下方向を向いている。
図25の状態で、第2ロボットコントローラ40が、吸引機31の吸引カップが梱包資材PMの上面に触れるように第2ロボット50を移動させて、固定装置30で梱包資材PMを上から押さえ付けるように制御すれば、固定装置30は、梱包資材PMを固定できる。更に、第2ロボットコントローラ40は、吸引機31による吸引を開始すれば、より強い力で梱包資材PMを固定できる。
【0155】
なお、第2実施形態に関する変形例では、第1ロボット20及び第2ロボット50が互いに干渉しないようになっている。例えば、第1ロボット20は、梱包資材PMを半周ずつ切断するように移動して、第2ロボット50と接触しないようにしてもよい。例えば、第2ロボット50は、第1ロボット20が付近を通りすぎるときには、他の場所に退避して、第1ロボット50が通りすぎた後に、再び梱包資材PMの固定を開始してもよい。
【0156】
[変形例2-1]
例えば、変形例2-1では、第1ロボット20がカッター22で梱包資材PMを切り始める前に、第2ロボットコントローラ40は、第2ロボット50が固定装置30で梱包資材PMの上面を固定するように、第2ロボット50を動作させる。例えば、第2ロボットコントローラ40は、第1ロボットコントローラ10から、梱包資材PMの位置及び形状を示す梱包資材データを受信する。例えば、梱包資材データは、第1ロボット20を基準とした座標系における梱包資材PMの頂点V1~V8の位置が示されている。
【0157】
例えば、第2ロボットコントローラ40は、梱包資材データにおける第1ロボット20を基準とした座標系を、第2ロボット50を基準とした座標系に変換する。第1ロボット20及び第2ロボット50の相対的な位置関係(例えば、第1ロボット50の土台と、第2ロボット50の土台と、の間の方向及び距離)は、ユーザが予めパラメータとして指定しているものとする。第2ロボットコントローラ40は、当該相対的な位置関係に基づいて、梱包資材データの座標系を変換すればよい。
【0158】
例えば、第2ロボットコントローラ40は、座標系が変換された後の梱包資材データが示す梱包資材PMの位置及び形状に基づいて、第2ロボット50の固定装置30を移動させる位置を決定する。第1ロボットコントローラ10は、第2ロボット50の固定装置30で梱包資材PMが固定された後に、梱包資材PMの切断を開始する。梱包資材PMの切断方法は、第2実施形態と同様であってよい。
【0159】
なお、座標系の変換は、第1ロボットコントローラ10によって実行されてもよい。この場合、第1ロボットコントローラ10は、第2ロボットコントローラ40に対し、第2ロボット50を基準とした座標系に変換済みの梱包資材データを送信する。また、第2ロボット50が、カメラ21と同様のカメラを有する場合には、第2ロボットコントローラ40は、第2ロボット50のカメラが梱包資材PMを撮影するように、第2ロボット50を制御してもよい。第2ロボットコントローラ40は、第1ロボットコントローラ10と同様にして、第2ロボット50のカメラにより生成された撮影画像に基づいて、梱包資材PMの位置及び形状を認識してもよい。
【0160】
変形例2-1のロボット制御システム1は、第1固定制御部402Aを含む。第1固定制御部402Aは、第2ロボット50が固定装置30で梱包資材PMを固定するように、第2ロボット50を制御する。例えば、第1固定制御部402Aは、固定装置30の吸引機31が梱包資材PMの上面に触れるように、第2ロボット50を制御する。梱包資材PMの上面の位置は、梱包資材データから特定される。第1固定制御部402Aは、刃220により梱包資材PMに加えられる力とは異なる方向に、第2ロボット50が梱包資材PMを支持することによって、第2ロボット50が梱包資材PMを固定するように、第2ロボット50を制御する。
【0161】
刃220により梱包資材PMに加えられる力の方向は、刃220の移動方向、又は、当該移動方向とのなす角度が所定角度未満(例えば、20°未満)の方向である。以降、当該方向を切断方向という。切断方向とは異なる方向とは、切断方向とのなす角度が所定角度以上(例えば、45°以上)の方向である。以降、切断方向とは異なる方向を、支持方向という。
【0162】
図25の例では、切断方向が水平方向である。支持方向が垂直方向である。第1固定制御部402Aは、第2ロボット50が梱包資材PMを垂直方向に支持するように(即ち、第2ロボット50が梱包資材PMを上から押さえ付けるように)、第2ロボット50を制御する。例えば、第1固定制御部402Aは、梱包資材データが示す梱包資材PMの位置及び形状に基づいて、第2ロボット50の固定装置30の目標位置を決定する。変形例2-1では、第1固定制御部402Aは、梱包資材PMの上面の中心点を、第2ロボット50の固定装置30の目標位置として決定する。
【0163】
例えば、第1固定制御部402Aは、固定装置30が、梱包資材PMの上面の中心点に、吸着カップを下方向に向けた状態で移動するように、第2ロボット50を制御する。第2ロボット50の移動経路は、任意のアルゴリズムによって決定可能である。例えば、第1固定制御部402Aは、直線補完、円弧補間、又はスプライン補完に基づいて、第2ロボット50に設定された初期位置から目標位置までの移動経路を計算する。第1固定制御部402Aは、当該計算された移動経路に基づいて、第2ロボット50を制御する。
【0164】
なお、変形例2-1では、作業台Tが、第2ロボット50の固定装置30とは異なる他の固定装置を含まない場合を例に挙げたが、作業台Tは、他の固定装置を含んでもよい。即ち、第2ロボット50の固定装置30と、作業台Tの他の固定装置と、によって、梱包資材PMが上下から挟み込まれるようにして固定されてもよい。
【0165】
変形例2-1のロボット制御システム1は、刃220により梱包資材PMに加えられる力とは異なる方向に、第2ロボット50が梱包資材PMを支持することによって、第2ロボット50が梱包資材PMを固定するように、第2ロボット50を制御する。梱包資材PMを切る第1ロボット20とは異なる第2ロボット50によって、梱包資材PMを固定できる。例えば、梱包資材PMの底面に発生する摩擦力と、梱包資材PMの上面に発生する摩擦力と、によって、梱包資材PMを固定しやすくなる。
【0166】
[変形例2-2]
例えば、変形例2-1では、第2ロボット50が梱包資材PMの上面から梱包資材PMを固定する場合を例に挙げた。第2ロボット50は、梱包資材PMの上面以外の他の面を固定してもよい。変形例2-2では、作業台Tではなく、第2ロボット50の固定装置30の上に梱包資材PMが配置され、第2ロボット50が梱包資材PMの底面から梱包資材PMを固定する場合を説明する。
【0167】
変形例2-2では、作業台Tが配置されない。第2ロボット50が
図25の状態(ただし、作業台Tは存在しない)だったとすると、第2ロボットコントローラ40は、第2ロボット50の固定装置30の吸着カップが上方向を向くように、第2ロボット50を制御する。梱包資材PMは、作業員又は搬送用ロボットにより、固定装置30の上に載せられる。梱包資材PMが固定装置30の上に載せられると、第2ロボットコントローラ40は、吸引機31による吸着を開始させる。第2ロボット50は、固定装置30で梱包資材PMを下から支えるようにして支持する。
【0168】
変形例2-2のロボット制御システム1は、第2固定制御部402Bを含む。第2固定制御部402Bは、第2ロボット50が、梱包資材PMの上面、又は、梱包資材PMの底面と接触した少なくとも一部を固定するように、第2ロボット50を制御する。第2ロボット50が梱包資材PMの上面を固定するパターンは、変形例2-1で説明したので、変形例2-2では、第2ロボット50が梱包資材PMの底面と接触した少なくとも一部を固定するパターンを説明する。
【0169】
データ記憶部400には、固定装置30の目標位置が予め定められているものとする。当該目標位置は、梱包資材PMが載せられる位置である。例えば、第2固定制御部402Bは、固定装置30が、目標位置に、吸着カップを上方向に向けた状態で移動するように、第2ロボット50を制御する。第2固定制御部402Bは、先述の任意のアルゴリズムに基づいて、第2ロボット50に設定された初期位置から目標位置までの移動経路を計算する。第2固定制御部402Bは、当該計算された移動経路に基づいて、第2ロボット50を制御する。
【0170】
変形例2-2のロボット制御システム1は、第2ロボット50が、梱包資材PMの上面、又は、梱包資材PMの底面と接触した少なくとも一部を固定するように、第2ロボット50を制御する。梱包資材PMを切る第1ロボット20とは異なる第2ロボット50によって、梱包資材PMを固定できる。例えば、第2ロボット50が梱包資材PMの底面側を固定することによって、第2ロボット50が作業台Tの代わりになるので、作業台Tをなくすこともできる。
【0171】
[変形例2-3]
例えば、変形例2-1において、第2ロボットコントローラ40は、第1ロボット20が梱包資材PMの切断を完了した後に、第2ロボット50が梱包資材PMの上部を除去するように、第2ロボット50を制御してもよい。他にも例えば、変形例2-2において、第2ロボットコントローラ40は、第1ロボット20が梱包資材PMの切断を完了して内容物CTが取り出された後に、第2ロボット50が梱包資材PMの底部を除去するように、第2ロボット50を制御してもよい。
【0172】
変形例2-3のロボット制御システム1は、除去制御部403を含む。除去制御部403は、梱包資材PMの切断が完了した後に、第2ロボット50が梱包資材PMの上部又は底部を除去するように、第2ロボット50を制御する。例えば、第1ロボットコントローラ10は、第1ロボット20が梱包資材PMの切断を完了した場合に、第2ロボットコントローラ40に対し、梱包資材PMの切断が完了したことを示す切断完了通知を送信する。第2ロボットコントローラ40は、第1ロボットコントローラ10から切断完了通知を受信することによって、梱包資材PMの切断が完了したことを特定する。
【0173】
図26は、変形例2-3で梱包資材PMの上部が除去される様子の一例を示す図である。変形例2-3では、第2固定制御部402Bが、第2ロボット50が梱包資材PMの上面を固定するように、第2ロボット50を制御するものとする。この場合の第2固定制御部402Bの処理は、変形例2-1で説明した第1固定制御部402Aの処理と同様である。第2ロボット50は、梱包資材PMの切断中は梱包資材PMを上面から押さえ付けて、梱包資材PMの切断が完了した後は、そのままの流れで梱包資材PMの上部を除去する。梱包資材PMの上部は、梱包資材PMのうち、切断面によって切り離された上側の部分である。
【0174】
例えば、除去制御部403は、梱包資材PMの切断が完了した後に、第2ロボット50が上部を除去するように、第2ロボット50を制御する上部除去制御部403Aを有する。上部除去制御部403Aは、第2ロボットコントローラ40が第1ロボットコントローラ10から切断完了通知を受信した場合に、固定装置30の吸引機31による吸引を維持したまま、梱包資材PMの上部を他の場所に移動させる。梱包資材PMの上部の移動先の位置は、データ記憶部400に予め定められているものとする。
【0175】
例えば、上部除去制御部403Aは、先述した任意のアルゴリズムに基づいて、固定装置30が梱包資材PMを固定している現在位置から当該移動先の位置までの移動経路を計算し、当該計算された移動経路に基づいて、第2ロボット50を制御する。上部除去制御部403Aは、固定装置30が移動先の位置まで移動した場合に、吸引機31による吸引をオフにする。梱包資材PMの上部は、移動先の位置に配置される。上部除去制御部403Aは、固定装置30が初期位置に移動するように、第2ロボット50を制御する。
【0176】
なお、変形例2-2,2-3を組み合わせてもよい。この場合、除去制御部403は、第1ロボット20が梱包資材PMの切断を完了して、梱包資材PMの上部が作業員によって除去されて内容物CTが取り出された後に、固定装置30の吸引機31による吸引を維持したまま、梱包資材PMの底部を他の場所に移動させるように、第2ロボット50を制御すればよい。梱包資材PMの底部は、梱包資材PMのうち、切断面によって切り離された下側の部分である。
【0177】
変形例2-3のロボット制御システム1は、梱包資材PMの切断が完了した後に、第2ロボット50が梱包資材PMの上部又は底部を除去するように、第2ロボット50を制御する。梱包資材PMを固定する第2ロボット50が梱包資材PMの上部又は底部を除去することによって、梱包資材PMを効率的に除去できるので、タクトタイムが上がる。
【0178】
また、ロボット制御システム1は、第2ロボット50が梱包資材PMの上面を固定するように、第2ロボット50を制御する場合に、梱包資材PMの切断が完了した後に、第2ロボット50が上部を除去するように、第2ロボット50を制御する。第2ロボット50が梱包資材PMの上面を固定してそのまま梱包資材PMの上部を除去することによって、梱包資材PMを効率的に除去できるので、タクトタイムが上がる。
【0179】
[変形例2-4]
例えば、作業台Tは、回転可能であってもよい。この場合、第2実施形態のようにして、第1ロボット20が、作業台Tの上に載せられた梱包資材PMの周囲を移動するのではなく、作業台Tが回転することによって、梱包資材PMが切断されてもよい。変形例2-4では、変形例2-1のように、第2ロボット50が梱包資材PMの上面を固定したまま、作業台Tが回転する場合を例に挙げる。
【0180】
図27は、変形例2-4で作業台Tが回転する様子の一例を示す図である。変形例2-4では、第1ロボットコントローラ10が作業台Tを回転させる場合を説明するが、第1ロボットコントローラ10以外の他の装置が、作業台Tを回転させてもよい。第2ロボットコントローラ40が第2ロボット50に梱包資材PMの上面を固定させるための制御は、変形例2-1と同様であってよい。
【0181】
変形例2-4の作業台Tは、少なくとも1つのモータを含む。作業台T自体は、公知のターンテーブルであってよい。作業台Tのモータが回転することによって、作業台Tが回転する。作業台Tは、モータの回転位置を検出するためのモータエンコーダ等の各種センサを含んでもよい。第1ロボットコントローラ10は、作業台Tのモータを回転させるための電力線を有する。第1ロボットコントローラ10は、電力線に対する電力を制御することによって、作業台Tを回転させる。
【0182】
ロボット制御システム1は、回転制御部404を含む。回転制御部404は、第2ロボット50が梱包資材PMを固定した状態で、梱包資材PMを回転させる。例えば、第2ロボットコントローラ40は、梱包資材PMの固定が完了すると、第1ロボットコントローラ10に対し、梱包資材PMの固定が完了したことを示す固定完了通知を送信する。第1ロボットコントローラ10は、固定完了通知を受信すると、梱包資材PMの固定が完了したことを特定する。
【0183】
例えば、第1ロボットコントローラ10は、第1ロボットコントローラ10が固定完了通知を受信した場合に、カッター22が角C1に当たるように、第1ロボット20を制御する。この制御は、第2実施形態と同様であってよい。その後、回転制御部404は、作業台Tを所定の速度で回転させる。第1ロボットコントローラ10は、予め特定した梱包資材PMの位置及び形状と、作業台Tの回転速度と、に基づいて、カッター22の移動経路が相対的に
図13と同様の移動経路となるように、第1ロボット20を制御する。このときの第1ロボット20の制御方法は、ターンテーブルを利用した公知の切断手法を利用可能である。
【0184】
なお、第2ロボットコントローラ40は、作業台Tの回転に合わせて、固定装置30が回転するように、先端のモータを制御する。例えば、第1ロボットコントローラ10は、作業台Tの回転を開始する場合に、第2ロボットコントローラ40に対し、作業台Tの回転を開始することを示す回転開始通知を送信する。第2ロボットコントローラ40は、回転開始通知を受信すると、固定装置30の回転を開始する。以降、梱包資材PMの切断が完了するまで、第1ロボットコントローラ10及び第2ロボットコントローラ40の間で通信が行われ、作業台Tの回転と、固定装置30の回転と、の同期が取られる。
【0185】
変形例2-4のロボット制御システム1は、第1ロボット20とは異なる第2ロボット50と、第2ロボット50が梱包資材PMを固定した状態で、梱包資材PMを回転させる。梱包資材PMを固定した状態で回転させることができる。例えば、ロボット制御システム1は、梱包資材PMを回転させてカッター22で側面を切ることができる。
【0186】
[変形例2-5]
例えば、第2ロボットコントローラ40は、梱包資材PMの切断中に、固定装置30が固定する位置を動的に変えるように、第2ロボット50を制御してもよい。変形例2-5では、変形例2-4のように作業台Tが回転するのではなく、変形例2-1のように、第1ロボット20が梱包資材PMの周囲を移動して梱包資材PMを切断するものとする。変形例2-5のロボット制御システム1は、切断箇所特定部405を含む。なお、変形例2-5の第2ロボット50は、吸引機31ではなく、固定装置30としてロボットハンドを含んでもよい。
【0187】
切断箇所特定部405は、梱包資材PMの切断箇所を特定する。切断箇所とは、カッター22の刃220が梱包資材PMに触れている位置である。第1ロボットコントローラ10は、モータエンコーダ、位置センサ、又は接触センサといったセンサによる検出信号に基づいて、梱包資材PMの切断箇所を特定可能である。切断箇所は、カメラ21により生成された撮影画像に基づいて特定されてもよい。第1ロボットコントローラ10は、第2ロボットコントローラ40に対し、梱包資材PMの切断箇所を示す切断箇所データを送信する。
【0188】
例えば、第2ロボットコントローラ40は、第1ロボットコントローラ10から、切断箇所データを受信する。切断箇所特定部405は、切断箇所データに基づいて、梱包資材PMの切断箇所を特定する。切断箇所データが第1ロボット20を基準とした座標系における切断箇所の座標を示す場合には、切断箇所特定部405は、当該座標を、第2ロボット50を基準とした座標系における座標に変換する。切断箇所特定部405は、当該座標に基づいて、梱包資材PMの切断箇所を特定する。なお、座標系の変換は、第1ロボットコントローラ10によって実行されてもよい。
【0189】
変形例2-5の固定制御部402は、第3固定制御部402Cを含む。第3固定制御部402Cは、第2ロボット50が切断箇所に応じた位置で梱包資材PMを固定するように、第2ロボット50を制御する。切断箇所と、梱包資材PMの固定位置と、の関係は、予めデータ記憶部400に記憶されているものとする。この関係は、プログラムコードの一部として定義されていてもよいし、テーブル形式等の他の形式のデータで定義されていてもよい。第3固定制御部402Cは、第2ロボット50が、切断箇所に関連付けられた固定位置で梱包資材PMを固定するように、第2ロボット50を制御する。
【0190】
例えば、第1ロボット20が
図13のような移動経路で梱包資材PMを切断する場合、切断箇所が角C1付近であれば、第3固定制御部402Cは、変形例2-1と同様に、梱包資材PMの上面の中心点付近が固定位置になるように、第2ロボット50を制御する。梱包資材PMの切断が進行して切断箇所が角C3に到達すると、梱包資材PMのうち、角C1と角C2の間と、角C2と角C3との間と、が切断されているので、第3固定制御部402Cは、切断されていない箇所を押さえ付けることができるように、梱包資材PMの上面の中心点付近から頂点V7の方向に固定位置が移動するように、第2ロボット50を制御する。
【0191】
例えば、梱包資材PMの切断が更に進行して、切断箇所が角C4に到達すると、梱包資材PMのうち、切断されていない箇所は、角C4と角C1の間のみになるので、切断されていない箇所を押さえ付けることができるように、梱包資材PMの頂点V7と頂点V1との間付近に固定位置が移動するように、第2ロボット50を制御する。
【0192】
変形例2-5のロボット制御システム1は、第2ロボット50が切断箇所に応じた位置で梱包資材PMを固定するように、第2ロボット50を制御する。ロボット制御システム1は、切断箇所に基づいて、第2ロボット50が梱包資材PMを固定する位置が変わり、切断箇所に応じた最適な位置で梱包資材PMを固定できるので、梱包資材PMが動きにくくなる。
【0193】
[変形例2-6]
例えば、変形例2-1では、第2ロボット50が梱包資材PMを上面から押さえ付ける場合を例に挙げたが、第2ロボットコントローラ40は、第2ロボット50が梱包資材PMの角を押さえるように、第2ロボット50を制御してもよい。変形例2-6のロボット制御システム1は、第4固定制御部402Dを含む。なお、変形例2-6の第2ロボット50は、吸引機31ではなく、固定装置30としてロボットハンドを含んでもよい。変形例2-6の第2ロボット50は、梱包資材PMの側面を押さえ付ける。
【0194】
変形例2-6では、第1ロボット20が
図13のような移動経路MPで移動して梱包資材PMを切断する場合の第2ロボット50の固定位置について説明する。第4固定制御部402Dは、第2ロボット50が梱包資材PMの角を押さえるように、第2ロボット50を制御する。第2ロボットコントローラ40は、第1ロボットコントローラ10と通信し、梱包資材PMの切断箇所をリアルタイムで取得可能であるものとする。この点は、変形例2-5で説明した通りである。
【0195】
例えば、第1ロボット20が角C1と角C2との間を切断する場合、梱包資材PMには、角C1から角C2に向けた方向の力が働くので、第4固定制御部402Dは、当該方向とは逆方向(角C2から角C1に向けた方向)に押さえ付けるように、角C2の付近が固定位置になるように、第2ロボット50を制御する。第1ロボット20が角C2と角C3との間を切断する場合、梱包資材PMには、角C2から角C3に向けた方向の力が働くので、第4固定制御部402Dは、当該方向とは逆方向(角C3から角C2に向けた方向)に押さえ付けるように、角C3の付近が固定位置になるように、第2ロボット50を制御する。
【0196】
例えば、第1ロボット20が角C3と角C4との間を切断する場合、梱包資材PMには、角C3から角C4に向けた方向の力が働くので、第4固定制御部402Dは、当該方向とは逆方向(角C4から角C3に向けた方向)に押さえ付けるように、角C4の付近が固定位置になるように、第2ロボット50を制御する。第1ロボット20が角C4と角C1との間を切断する場合、梱包資材PMには、角C4から角C1に向けた方向の力が働くので、第4固定制御部402Dは、当該方向とは逆方向(角C1から角C4に向けた方向)に押さえ付けるように、角C1の付近が固定位置になるように、第2ロボット50を制御する。
【0197】
変形例2-6のロボット制御システム1は、第1ロボット20とは異なる第2ロボット50と、第2ロボット50が梱包資材PMの角C1を押さえるように、第2ロボット50を制御する。ロボット制御システム1は、第2ロボット50が梱包資材PMの角C1を押さえることによって、梱包資材PMが動きにくくなる。
【0198】
[変形例2-7]
例えば、第2ロボットコントローラ40は、刃220により梱包資材PMに加えられる力とは逆の方向に、第2ロボット50が梱包資材PMを支持してもよい。このような制御は、変形例2-6で説明した制御も一態様として含まれる。変形例2-7のロボット制御システム1は、第5固定制御部402Eを含む。
【0199】
第5固定制御部402Eは、刃220により梱包資材PMに加えられる力とは逆の方向に、第2ロボット50が梱包資材PMを支持することによって、第2ロボット50が梱包資材PMを固定するように、第2ロボット50を制御する。第5固定制御部402Eは、変形例2-7で説明した第4固定制御部402Dの制御と同様の制御を行ってもよいし、角C1~C4ではなく、側面を支持してもよい。
【0200】
例えば、第1ロボット20が角C1と角C2との間を切断する場合、梱包資材PMには、角C1から角C2に向けた方向の力が働くので、第5固定制御部402Eは、頂点V3,V4,V6,V5で囲われた側面を押さえ付けるように、第2ロボット50を制御する。第1ロボット20が角C2と角C3との間を切断する場合、梱包資材PMには、角C2から角C3に向けた方向の力が働くので、第5固定制御部402Eは、頂点V5,V6,V8,V7で囲われた側面を押さえ付けるように、第2ロボット50を制御する。
【0201】
例えば、第1ロボット20が角C3と角C4との間を切断する場合、梱包資材PMには、角C3から角C4に向けた方向の力が働くので、第5固定制御部402Eは、頂点V1,V2,V8,V7で囲われた側面を押さえ付けるように、第2ロボット50を制御する。第1ロボット20が角C4と角C1との間を切断する場合、梱包資材PMには、頂点V1,V2,V4,V3で囲われた側面を押さえ付けるように、第2ロボット50を制御する。
【0202】
変形例2-7のロボット制御システム1は、第1ロボット20とは異なる第2ロボット50と、刃220により梱包資材PMに加えられる力とは逆の方向に、第2ロボット50が梱包資材PMを支持することによって、第2ロボット50が梱包資材PMを固定するように、第2ロボット50を制御する。ロボット制御システム1は、梱包資材PMを切る第1ロボット20とは異なる第2ロボット50が、カッター22により梱包資材PMに加えられる力とは逆の方向に梱包資材PMを支持することによって、梱包資材PMが動きにくくなる。
【0203】
[変形例2-8]
例えば、変形例2-5では、第2ロボット50が、切断箇所に応じた位置で梱包資材PMを固定する場合を説明した。変形例2-8では、第2ロボットコントローラ40が、変形例2-5の切断箇所を一例とする切断状況に応じて第2ロボット50が梱包資材PMを固定するように、第2ロボット50を制御する場合を説明する。変形例2-8のロボット制御システム1は、切断状況特定部406を含む。
【0204】
切断状況特定部406は、梱包資材PMの切断状況を特定する。切断状況は、変形例2-5のような切断箇所に限られず、例えば、カッター22の移動速度、又は、カッター22に関するトルクであってもよい。第1ロボットコントローラ10は、モータエンコーダ、位置センサ、接触センサ、位置センサ、加速度センサ、又はトルクセンサといったセンサによる検出信号に基づいて、梱包資材PMの切断状況を特定可能である。第1ロボットコントローラ10は、第2ロボットコントローラ40に対し、梱包資材PMの切断状況を示す切断状況データを送信する。例えば、第2ロボットコントローラ40は、第1ロボットコントローラ10から、切断状況データを受信する。切断状況特定部406は、切断状況データに基づいて、梱包資材PMの切断状況を特定する。
【0205】
変形例2-8の固定制御部402は、第6固定制御部402Fを含む。第6固定制御部402Fは、切断状況に基づいて、第2ロボット50が梱包資材PMを固定するように、第2ロボット50を制御する。切断状況と、梱包資材PMの固定方法と、の関係は、予めデータ記憶部400に記憶されているものとする。この関係は、プログラムコードの一部として定義されていてもよいし、テーブル形式等の他の形式のデータで定義されていてもよい。第6固定制御部402Fは、第2ロボット50が、切断状況に関連付けられた固定方法で梱包資材PMを固定するように、第2ロボット50を制御する。
【0206】
例えば、第6固定制御部402Fは、第5固定制御部402Eと同様の制御を行ってもよい。固定位置以外の固定方法としては、固定力が挙げられる。固定力は、吸引力又は押さえ付け力である。例えば、第6固定制御部402Fは、カッター22が梱包資材PMに加える力が強いほど、固定力が強くなるように、第2ロボット50を制御する。
【0207】
変形例2-8のロボット制御システム1は、梱包資材PMの切断状況に基づいて、第2ロボット50が梱包資材PMを固定するように、第2ロボット50を制御する。ロボット制御システム1は、梱包資材PMの切断状況に基づいて、第2ロボット50が梱包資材PMを固定することによって、切断状況に応じた最適な固定を実現できる。
【0208】
[変形例2-9]
例えば、梱包資材PMの角は、ダンボールの張り合わせの部分が存在するので、カッター22が梱包資材PMの角を切るときには、カッター22が梱包資材PMの面を切るときよりも、大きな力が梱包資材PMに加わることがある。そこで、第2ロボットコントローラ40は、カッター22が梱包資材PMの角を切るときに、第2ロボット50がより強い固定力で梱包資材PMを固定するように、第2ロボット50を制御してもよい。
【0209】
変形例2-9の固定制御部402は、第7固定制御部402Gを含む。第7固定制御部402Gは、第1ロボット20がカッター22で梱包資材PMの面を切るときよりも、第1ロボット20がカッター22で梱包資材PMの角C1を切るときの方が、第2ロボット50が梱包資材PMを固定する力が強くなるように、第2ロボット50を制御する。変形例2-9では、変形例2-5と同様に、第2ロボットコントローラ40は、第1ロボットコントローラ10から切断箇所データを受信するものとする。これにより、第2ロボットコントローラ40は、カッター22が梱包資材PMの角を切っているのか面を切っているのかを特定できる。
【0210】
例えば、第7固定制御部402Gは、第1ロボット20がカッター22で梱包資材PMの面を切るときの吸引力よりも、第1ロボット20がカッター22で梱包資材PMの角C1を切るときの吸引力の方が強くなるように、第2ロボット50の吸引機31を制御する。第7固定制御部402Gは、第1ロボット20がカッター22で梱包資材PMの面を切るときの押さえ付け力よりも、第1ロボット20がカッター22で梱包資材PMの角C1を切るときの押さえ付け力の方が強くなるように、第2ロボット50を制御してもよい。
【0211】
変形例2-9のロボット制御システム1は、第1ロボット20がカッター22で梱包資材PMの面を切るときよりも、第1ロボット20がカッター22で梱包資材PMの角C1を切るときの方が、第2ロボット50が梱包資材PMを固定する力が強くなるように、第2ロボット50を制御する。ロボット制御システム1は、第1ロボット20がカッター22で梱包資材PMの角C1を切る時に、第1ロボット20がカッター22で梱包資材PMの面を切る時よりも強い力が梱包資材PMに加わったとしても、梱包資材PMが動きにくくなる。
【0212】
[変形例2-10]
例えば、梱包資材PMの性質によっては、あまり強く固定すると梱包資材PMが破損する可能性がある。他にも例えば、梱包資材PMの性質によっては、動きやすい素材の梱包資材PMも存在する。そこで、第2ロボットコントローラ40は、第2ロボット50が梱包資材PMの性質に応じた固定を行うように、第2ロボット50を制御してもよい。変形例2-10のロボット制御システム1は、性質特定部407を含む。性質特定部407は、梱包資材PMの性質を特定する。性質特定部407は、第2ロボットコントローラ40によって実現される点では異なるが、変形例1-5と同様であってよい。第2ロボットコントローラ40の性質特定部407は、第1ロボットコントローラ10の性質特定部108による性質の特定結果を、第1ロボットコントローラ10から取得してもよい。
【0213】
変形例2-10の固定制御部402は、第8固定制御部402Hを含む。第8固定制御部402Hは、梱包資材PMの性質に基づいて、固定部300を制御する。梱包資材PMの性質と、梱包資材PMの固定方法と、の関係は、予めデータ記憶部400に記憶されているものとする。この関係は、プログラムコードの一部として定義されていてもよいし、テーブル形式等の他の形式のデータで定義されていてもよい。第8固定制御部402Hは、第2ロボット50が、梱包資材PMの性質に関連付けられた固定方法で梱包資材PMを固定するように、第2ロボット50を制御する。
【0214】
例えば、第8固定制御部402Hは、梱包資材PMの表面が濡れている場合には、梱包資材の表面が濡れていない場合よりも弱い固定力で第2ロボット50が梱包資材PMを固定するように、第2ロボット50を制御する。第8固定制御部402Hは、梱包資材PMが大きい場合には、梱包資材が小さい場合よりも強い固定力で第2ロボット50が梱包資材PMを固定するように、第2ロボット50を制御する。
【0215】
変形例2-11のロボット制御システム1は、梱包資材PMの性質に基づいて、固定部300を制御する。ロボット制御システム1は、梱包資材PMの性質に応じた固定方法で梱包資材PMを固定できる。
【0216】
[第2実施形態に関するその他の変形例]
例えば、第2ロボットコントローラ40は、第2ロボット50が梱包資材PMを押さえ付けているときに検出されたトルクを、第1ロボットコントローラ10に送信してもよい。第1ロボットコントローラ10は、当該トルクに基づいて、カッター22の速度を制御してもよい。第2ロボットコントローラ40は、当該トルクを、第2ロボット50のトルクセンサで検出してもよいし、梱包資材PMの押さえ付け力を検出可能な力センサで検出してもよい。第2ロボットコントローラ40は、第2ロボット50が除去した梱包資材PMを、コンベアの上に配置してもよい。コンベアの先には、梱包資材PMを圧縮して処分するための装置が配置されていてもよい。
【0217】
[3-3.その他変形例]
例えば、上記変形例を組み合わせてもよい。
【0218】
例えば、上記説明した各機能は、ロボット制御システム1における任意の装置で実現されるようにすればよい。ロボットコントローラ10(第1ロボットコントローラ10)に含まれるものとして説明した機能が第2ロボットコントローラ40又は他の装置により実現されてもよい。第2ロボットコントローラ40に含まれるものとして説明した機能がロボットコントローラ10(第1ロボットコントローラ10)又は他の装置により実現されてもよい。1つの装置で実現されるものとして説明した機能は、複数の装置で分担されてもよい。
【0219】
[4.第1実施形態に関する付記]
例えば、第1実施形態に関するロボット制御システムは、下記のような構成も可能である。
(1-1)
カッターを保持可能なロボットと、
前記ロボットが前記カッターの刃で梱包資材を切るように、前記ロボットを制御するロボットコントローラと、
を有し、
前記ロボットコントローラは、前記ロボットが前記刃で前記梱包資材の角を切るときよりも、前記ロボットが前記刃で前記梱包資材の面を切るときの方が、前記刃が前記梱包資材の外側を向くように、前記ロボットを制御する向き制御部を有する、
ロボット制御システム。
(1-2)
前記向き制御部は、前記刃を前記梱包資材の角に入れさせて、前記梱包資材の外側に前記刃を向けて、前記刃が前記梱包資材の面を切るように、前記ロボットを制御する第1向き制御部を有する、
(1-1)に記載のロボット制御システム。
(1-3)
前記カッターは、前記刃を有する本体部と、先端部と、を有し、
前記向き制御部は、前記梱包資材の内容物と、前記本体部と、の間に、前記先端部が配置されるように、前記刃の向きを変える第2向き制御部を有する、
(1-1)又は(1-2)に記載のロボット制御システム。
(1-4)
前記刃は、前記カッターの一の端部に配置されており、
前記一の端部は、前記カッターの他の端部よりも鋭利であり、
前記向き制御部は、前記内容物と、前記一の端部と、の間に、前記他の端部が配置されるように、前記刃の向きを変える第3向き制御部を有する、
(1-1)~(1-3)の何れかに記載のロボット制御システム。
(1-5)
前記ロボットは、カメラを保持可能であり、
前記ロボット制御システムは、前記カメラに基づいて、前記梱包資材の形状を認識する形状認識部を有し、
前記ロボットコントローラは、前記形状に基づいて、前記梱包資材の側面における膨らみよりも下を前記ロボットが前記刃で切るように、前記ロボットを制御する第1切断制御部を有する、
(1-1)~(1-4)の何れかに記載のロボット制御システム。
(1-6)
前記ロボットは、カメラを保持可能であり、
前記ロボット制御システムは、前記カメラに基づいて、前記梱包資材の凹みを認識する凹み認識部を有し、
前記ロボットコントローラは、前記凹みに応じた位置を前記ロボットが前記刃で切るように、前記ロボットを制御する第2切断制御部を有する、
(1-1)~(1-5)の何れかに記載のロボット制御システム。
(1-7)
前記ロボットコントローラは、前記ロボットが前記刃で前記梱包資材の面を切るときと、前記ロボットが前記刃で前記梱包資材の角を切るときと、で前記カッターの速度が変わるように、前記ロボットを制御する速度制御部を有する、
(1-1)~(1-6)の何れかに記載のロボット制御システム。
(1-8)
前記ロボットコントローラは、前記ロボットが前記刃で前記梱包資材の面を切るときと、前記ロボットが前記刃で前記梱包資材の角を切るときと、で前記刃に関するトルクが変わるように、前記ロボットを制御する第3切断制御部を有する、
(1-1)~(1-7)の何れかに記載のロボット制御システム。
(1-9)
前記ロボット制御システムは、前記梱包資材の性質を特定する性質特定部を有し、
前記向き制御部は、前記性質に基づいて、前記刃の向きが変わるように、前記ロボットを制御する第4向き制御部を有する、
(1-1)~(1-8)の何れかに記載のロボット制御システム。
(1-10)
前記ロボット制御システムは、前記梱包資材の内容物の種類を特定する種類特定部を有し、
前記向き制御部は、前記種類に基づいて、前記刃の向きが変わるように、前記ロボットを制御する第5向き制御部を有する、
(1-1)~(1-9)の何れかに記載のロボット制御システム。
(1-11)
前記ロボット制御システムは、前記刃に関するトルクに基づいて、前記梱包資材の厚みを検出する厚み検出部を更に有し、
前記向き制御部は、前記厚みに基づいて、前記刃の向きが変わるように、前記ロボットを制御する第6向き制御部を有する、
(1-1)~(1-10)の何れかに記載のロボット制御システム。
(1-12)
前記ロボットコントローラは、前記ロボットが前記刃で袋状の内容物を梱包する前記梱包資材を切るように、前記ロボットを制御するロボット制御部を有する、
(1-1)~(1-11)の何れかに記載のロボット制御システム。
【0220】
[5.第2実施形態に関する付記]
例えば、第2実施形態に関するロボット制御システムは、下記のような構成も可能である。
(2-1)
梱包資材の底面と接触し、前記底面と接触した部分の少なくとも一部を固定する固定部と、
カッターを保持可能なロボットと、
前記ロボットが前記カッターの刃で梱包資材の側面を周回して切るように、前記ロボットを制御するロボット制御部と、
を有するロボット制御システム。
(2-2)
前記固定部は、前記少なくとも一部を吸引する吸引機を有する、
(2-1)に記載のロボット制御システム。
(2-3)
前記ロボット制御システムは、前記ロボットが前記刃で前記梱包資材の側面を周回して切るときに、前記吸引機の吸引力が増大するように、前記吸引機を制御する吸引機制御部を有する、
(2-2)に記載のロボット制御システム。
(2-4)
前記ロボット制御システムは、
前記ロボットとは異なる他のロボットと、
前記刃により前記梱包資材に加えられる力とは異なる方向に、前記他のロボットが前記梱包資材を支持することによって、前記他のロボットが前記梱包資材を固定するように、前記他のロボットを制御する第1固定制御部と、
を有する(2-1)~(2-3)の何れかに記載のロボット制御システム。
(2-5)
前記ロボット制御システムは、
前記ロボットとは異なる他のロボットと、
前記他のロボットが前記梱包資材の上面又は前記少なくとも一部を固定するように、前記他のロボットを制御する第2固定制御部と、
を有する(2-1)~(2-4)の何れかに記載のロボット制御システム。
(2-6)
前記ロボット制御システムは、前記梱包資材の切断が完了した後に、前記他のロボットが前記梱包資材の上部又は底部を除去するように、前記他のロボットを制御する除去制御部を有する、
(2-5)に記載のロボット制御システム。
(2-7)
前記第2固定制御部は、前記他のロボットが前記梱包資材の上面を固定するように、前記他のロボットを制御し、
前記除去制御部は、前記梱包資材の切断が完了した後に、前記他のロボットが前記上部を除去するように、前記他のロボットを制御する上部除去制御部を有する、
(2-6)に記載のロボット制御システム。
(2-8)
前記ロボット制御システムは、
前記ロボットとは異なる他のロボットと、
前記他のロボットが前記梱包資材を固定した状態で、前記梱包資材を回転させる回転制御部と、
を有する(2-1)~(2-7)の何れかに記載のロボット制御システム。
(2-9)
前記ロボット制御システムは、
前記ロボットとは異なる他のロボットと、
前記梱包資材の切断箇所を特定する切断箇所特定部と、
前記他のロボットが前記切断箇所に応じた位置で前記梱包資材を固定するように、前記他のロボットを制御する第3固定制御部と、
を有する(2-1)~(2-8)の何れかに記載のロボット制御システム。
(2-10)
前記ロボット制御システムは、
前記ロボットとは異なる他のロボットと、
前記他のロボットが前記梱包資材の角を押さえるように、前記他のロボットを制御する第4固定制御部と、
を有する(2-1)~(2-9)の何れかに記載のロボット制御システム。
(2-11)
前記ロボット制御システムは、
前記ロボットとは異なる他のロボットと、
前記刃により前記梱包資材に加えられる力とは逆の方向に、前記他のロボットが前記梱包資材を支持することによって、前記他のロボットが前記梱包資材を固定するように、前記他のロボットを制御する第5固定制御部と、
を有する(2-1)~(2-10)の何れかに記載のロボット制御システム。
(2-12)
前記ロボット制御システムは、
前記ロボットとは異なる他のロボットと、
前記梱包資材の切断状況を特定する切断状況特定部と、
前記切断状況に基づいて、前記他のロボットが前記梱包資材を固定するように、前記他のロボットを制御する第6固定制御部と、
を有する(2-1)~(2-11)の何れかに記載のロボット制御システム。
(2-13)
前記ロボット制御システムは、
前記ロボットとは異なる他のロボットと、
前記ロボットが前記カッターで前記梱包資材の面を切るときよりも、前記ロボットが前記カッターで前記梱包資材の角を切るときの方が、前記他のロボットが前記梱包資材を固定する力が強くなるように、前記他のロボットを制御する第7固定制御部と、
を有する(2-1)~(2-12)の何れかに記載のロボット制御システム。
(2-14)
前記ロボット制御システムは、
前記梱包資材の性質を特定する性質特定部と、
前記性質に基づいて、前記固定部を制御する第8固定制御部と、
を有する(2-1)~(2-14)の何れかに記載のロボット制御システム。
(2-15)
カッターを有するロボットが前記カッターの刃で梱包資材の側面を周回して切るように、前記ロボットが制御される場合に、前記梱包資材の底面と接触し、前記底面と接触した部分の少なくとも一部を固定する固定部による梱包資材の固定方法。
(2-16)
カッターを有するロボットが前記カッターの刃で梱包資材の側面を周回して切るように、前記ロボットが制御される場合に、前記梱包資材の底面と接触し、前記底面と接触した部分の少なくとも一部を固定する固定装置。
(2-17)
梱包資材の側面から受ける外力で前記梱包資材が動かないように、前記梱包資材の底面と接触する固定部により、前記底面と接触した部分の少なくとも一部を固定する梱包資材の固定方法。
(2-18)
側面から外力を受ける梱包資材の底面と接触し、前記底面と接触した部分の少なくとも一部を固定する固定装置。
【符号の説明】
【0221】
1 ロボット制御システム、10 ロボットコントローラ、11,41 CPU、12,42 記憶部、13,43 通信部、20 ロボット、T 作業台、21 カメラ、22 カッター、220 刃、221 本体部、222 先端部、30 固定装置、31 吸引機、C1,C2,C3,C4 角、CP 切断箇所、CT 内容物、E1 一の端部、E2 他の端部、D1,D2 方向、LD 長手方向、MP 移動経路、O1,O2 原点、P1 初期位置、P2,P3,P4,P5,P6,P7,P8,P9,P10 位置、PD 法線方向、PM 梱包資材、SD 方向、V1,V2,V3,V4,V5,V6,V7,V8 頂点、d1 所定距離、FD1,FD2 撮影方向、FP1,FP2 撮影位置、MD1,MD2,MD3 移動方向、RD1,RD2,RD3 回転方向、100 データ記憶部、101 ロボット制御部、102 向き制御部、102A 第1向き制御部、102B 第2向き制御部、102C 第3向き制御部、102D 第4向き制御部、102E 第5向き制御部、102F 第6向き制御部、103 吸引機制御部、104 形状認識部、105 切断制御部、106 凹み認識部、107 速度制御部、108 性質特定部、109 種類特定部、110 厚み検出部、300 固定部、400 データ記憶部、401 第2ロボット制御部、402 固定制御部、403 除去制御部、403A 上部除去制御部、404 回転制御部、405 切断箇所特定部、406 切断状況特定部、407 性質特定部。
【要約】
【課題】カッターの刃が梱包資材の内容物に当たることを抑止する。
【解決手段】ロボット制御システム(1)は、カッター(22)を保持可能なロボット(20)と、ロボット(20)がカッター(22)の刃(220)で梱包資材(PM)を切るように、ロボット(20)を制御するロボットコントローラ(10)と、を有する。ロボットコントローラ(10)は、ロボット(20)が刃(220)で梱包資材(PM)の角を切るときよりも、ロボット(20)が刃(220)で梱包資材(PM)の面を切るときの方が、刃(220)が梱包資材(PM)の外側を向くように、ロボット(20)を制御する向き制御部(102)を有する。
【選択図】
図12