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特許7576130情報処理システム、情報処理方法、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20241023BHJP
【FI】
G06Q30/0241
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023117659
(22)【出願日】2023-07-19
【審査請求日】2023-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】394025924
【氏名又は名称】株式会社博報堂
(73)【特許権者】
【識別番号】500453821
【氏名又は名称】デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】岡本 和久
(72)【発明者】
【氏名】大野 佳菜子
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼部 仁
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 まり奈
(72)【発明者】
【氏名】中本 のぞみ
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-099631(JP,A)
【文献】特表2004-519923(JP,A)
【文献】深谷 歩,Facebook広告 集客・販促ガイド,初版,株式会社翔泳社,2019年07月18日,第97-101ページ,ISBN:978-4-7981-5858-7
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -G06Q 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一以上の商品に関して、商品毎に、対応する商品を説明する商品データを記憶するように構成される第一の記憶部と、
前記商品毎に、対応する商品を紹介する一以上のコンテンツに関するデータを記憶するように構成される第二の記憶部と、
前記商品毎の前記商品データ及び前記一以上のコンテンツに関するデータに基づき、配信システムに対する入稿データを生成するように構成される生成部と、
を備え、
前記一以上の商品には、二以上のコンテンツが用意される少なくとも一つの商品が含まれ
前記入稿データは、商品及びコンテンツの組合せ毎の広告配信を、前記配信システムを通じて実現するための入稿データであり、前記商品及びコンテンツの組合せ毎に、広告用商品データを含み、
前記組合せ毎の前記広告用商品データは、前記組合せに対応するコンテンツを用いた、前記組合せに対応する商品の広告配信を、前記配信システムを通じて実現するためのデータであり、配信制御に使用可能なカスタムフィールドを有し、
前記配信システムは、前記入稿データに基づいて、前記商品及びコンテンツの組合せ毎の広告配信を実行し、前記二以上のコンテンツが用意される少なくとも一つの商品に関しては、前記二以上のコンテンツに対応する二以上の広告用商品データの前記カスタムフィールドの記述に基づき、対応する商品に対して用意された前記二以上のコンテンツの中から、広告配信に用いるコンテンツを選択し、選択したコンテンツを用いて、前記対応する商品の広告配信を行うように構成され、
前記生成部は、前記二以上のコンテンツが用意される少なくとも一つの商品に関し、前記二以上の広告用商品データのそれぞれの前記カスタムフィールドに、対応するコンテンツの特徴を記述して、前記入稿データを生成する情報処理システム。
【請求項2】
前記二以上のコンテンツは、異なる複数の制作者が個別に制作した複数のコンテンツを含む請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記生成部は、前記カスタムフィールドに、前記対応するコンテンツの人気に関する特徴を記述する請求項記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記生成部は、前記カスタムフィールドに、前記対応するコンテンツの制作者に関する特徴、及び、前記対応するコンテンツに関する場所の特徴の少なくとも一方を記述する請求項記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記生成部は、前記カスタムフィールドに、前記対応するコンテンツの広告効果に関する特徴を記述する請求項記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記生成部は、複数の配信システムに関して、配信システム毎に、対応する配信システムが受付可能なデータフォーマットで、前記入稿データを生成するように構成される請求項1~請求項5のいずれか一項記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記複数の配信システムのそれぞれに、前記一以上のコンテンツを、対応する配信システムが配信可能なデータフォーマットで提供するように構成される請求項記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記商品毎の前記一以上のコンテンツは、動画コンテンツを含む請求項1~請求項のいずれか一項記載の情報処理システム。
【請求項9】
コンピュータにより実行される情報処理方法であって、
一以上の商品に関して、商品毎に、対応する商品を説明する商品データを記憶する装置から前記商品毎の前記商品データを取得することと、
前記商品毎に、対応する商品を紹介する一以上のコンテンツに関するデータを記憶する装置から、前記商品毎の前記一以上のコンテンツに関するデータを取得することと、
取得した前記商品毎の前記商品データ及び前記一以上のコンテンツに関するデータに基づき、配信システムに対する入稿データを生成することと、
を含み、
前記一以上の商品には、二以上のコンテンツが用意される少なくとも一つの商品が含まれ
前記入稿データは、商品及びコンテンツの組合せ毎の広告配信を、前記配信システムを通じて実現するための入稿データであり、前記商品及びコンテンツの組合せ毎に、広告用商品データを含み、
前記組合せ毎の前記広告用商品データは、前記組合せに対応するコンテンツを用いた、前記組合せに対応する商品の広告配信を、前記配信システムを通じて実現するためのデータであり、配信制御に使用可能なカスタムフィールドを有し、
前記配信システムは、前記入稿データに基づいて、前記商品及びコンテンツの組合せ毎の広告配信を実行し、前記二以上のコンテンツが用意される少なくとも一つの商品に関しては、前記二以上のコンテンツに対応する二以上の広告用商品データの前記カスタムフィールドの記述に基づき、対応する商品に対して用意された前記二以上のコンテンツの中から、広告配信に用いるコンテンツを選択し、選択したコンテンツを用いて、前記対応する商品の広告配信を行うように構成され、
前記生成することは、前記二以上のコンテンツが用意される少なくとも一つの商品に関し、前記二以上の広告用商品データのそれぞれの前記カスタムフィールドに、対応するコンテンツの特徴を記述して、前記入稿データを生成することを含む情報処理方法。
【請求項10】
前記二以上のコンテンツは、異なる複数の制作者が個別に制作した複数のコンテンツを含む請求項記載の情報処理方法
【請求項11】
前記生成することは、前記カスタムフィールドに、前記対応するコンテンツの人気に関する特徴を記述することを含む請求項記載の情報処理方法
【請求項12】
前記生成することは、前記カスタムフィールドに、前記対応するコンテンツの制作者に関する特徴、及び、前記対応するコンテンツに関する場所の特徴の少なくとも一方を記述することを含む請求項記載の情報処理方法
【請求項13】
前記生成することは、前記カスタムフィールドに、前記対応するコンテンツの広告効果に関する特徴を記述することを含む請求項記載の情報処理方法
【請求項14】
前記生成することは、複数の配信システムに関して、配信システム毎に、対応する配信システムが受付可能なデータフォーマットで、前記入稿データを生成することを含む請求項9~請求項13のいずれか一項記載の情報処理方法
【請求項15】
前記複数の配信システムのそれぞれに、前記一以上のコンテンツを、対応する配信システムが配信可能なデータフォーマットで提供することを含む請求項14記載の情報処理方法
【請求項16】
前記商品毎の前記一以上のコンテンツは、動画コンテンツを含む請求項~請求項13のいずれか一項記載の情報処理方法
【請求項17】
請求項~請求項13のいずれか一項記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ウェブメディアを通じた広告配信の一形態として、ダイナミック広告が知られている。ダイナミック広告では、データフィードの仕組みが用いられる。例えば、商品カタログデータが入稿先に応じて加工されて、その加工済データが入稿データとして、入稿先の配信システムに提供される。配信システムは、入稿データに基づき、ウェブメディアにアクセスする情報端末に対して、消費者の関心、興味、及び行動履歴等に応じた商品の広告を配信する。
【0003】
オンラインショッピングサイトにおいて、複数のユーザから投稿されたレビューを表示する技術も知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-109800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ダイナミック広告に関して、例示的な入稿データは、商品毎のレコードを備える商品カタログデータの形態を有する。各商品のレコードには、広告枠に表示されるべきコンテンツとして、広告画像が関連付けられる。関連付けは、例えば広告画像のURL(Uniform Resource Locator)をレコードに記述することにより実現される。
【0006】
本発明者らは、ダイナミック広告用の配信システムを例に含む外部の配信システムを通じて、一つの商品の、複数のコンテンツを用いた広告配信を実現することを考えている。
【0007】
そこで、本開示の一側面によれば、一つの商品の、複数のコンテンツを用いた広告配信に有意義な、入稿に関する新規技術を提供できることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一側面によれば、情報処理システムが提供される。情報処理システムは、第一の記憶部と、第二の記憶部と、生成部とを備える。第一の記憶部は、一以上の商品に関して、商品毎に、対応する商品を説明する商品データを記憶するように構成される。
【0009】
第二の記憶部は、商品毎に、対応する商品を紹介する一以上のコンテンツに関するデータを記憶するように構成される。一以上の商品には、二以上のコンテンツが用意される少なくとも一つの商品が含まれる。
【0010】
生成部は、商品毎の商品データ及び一以上のコンテンツに関するデータに基づき、商品及びコンテンツの組合せ毎の広告配信を、配信システムを通じて実現するための配信システムに対する入稿データを生成するように構成される。
【0011】
配信システムは、入稿データに基づいて、広告配信に用いるコンテンツを選択し、選択したコンテンツを用いて、対応する商品の広告配信を行うように構成される。
【0012】
生成部は、対応する商品の広告配信に際して配信システムで選択されるコンテンツが、対応する商品の一以上のコンテンツのそれぞれの特徴に応じて変化するように、入稿データを生成するように構成される。
【0013】
この情報処理システムによれば、一つの商品に関して複数のコンテンツを用いた広告配信を配信システムに要求する場合に、コンテンツの特徴に応じて、コンテンツの選択可能性を調整することができる。従って、本開示の一側面によれば、配信システムを通じて、一つの商品に関する複数のコンテンツを用いた広告配信を行う場合に、有意義に配信制御可能な新規技術を提供できる。
【0014】
本開示の一側面によれば、二以上のコンテンツは、異なる複数の制作者が個別に制作した複数のコンテンツを含み得る。一つの商品に関して、異なる複数の制作者が個別に制作した複数のコンテンツを用いて広告配信できることは、有意義である。
【0015】
本開示の一側面によれば、入稿データは、商品及びコンテンツの組合せ毎に、対応するコンテンツを用いた、対応する商品の広告配信を、配信システムを通じて実現するための広告用商品データを含み得る。
【0016】
本開示の一側面によれば、広告用商品データは、配信制御に使用可能なカスタムフィールドを有し得る。配信システムは、カスタムフィールドの記述に基づき、コンテンツ選択を含む広告の配信制御を実行可能に構成され得る。
【0017】
本開示の一側面によれば、生成部は、商品及びコンテンツの組合せ毎に、対応する広告用商品データのカスタムフィールドに、対応するコンテンツの特徴を記述するように構成され得る。カスタムフィールドにコンテンツの特徴を記述すれば、一つの商品に関して、複数のコンテンツを用いた広告配信を適切に制御可能である。
【0018】
本開示の一側面によれば、生成部は、カスタムフィールドに、対応するコンテンツの人気に関する特徴を記述し得る。複数のコンテンツを用いた広告配信を、人気を指標に制御することによれば、広告効果の高い配信制御を実現可能である。
【0019】
本開示の一側面によれば、生成部は、カスタムフィールドに、対応するコンテンツの制作者に関する特徴、及び、対応するコンテンツに関する場所の特徴の少なくとも一方を記述し得る。複数のコンテンツを用いた広告配信を、制作者及び/又は場所を指標に制御することによれば、広告主の所望に応じた配信制御を実現可能である。
【0020】
本開示の一側面によれば、生成部は、カスタムフィールドに、対応するコンテンツの広告効果に関する特徴を記述し得る。複数のコンテンツを用いた広告配信を、広告効果を指標に制御することによれば、効果の高い配信制御を実現可能である。
【0021】
本開示の一側面によれば、生成部は、二以上のコンテンツが用意される少なくとも一つの商品に関して、配信対象のコンテンツを、二以上のコンテンツのそれぞれの特徴に基づいて二以上のコンテンツの中から絞り込み、対応する商品と二以上のコンテンツとの組合せのうち、対応する商品と配信対象のコンテンツとの組合せ毎の広告用商品データを選択的に含んだ入稿データを生成するように構成され得る。こうした絞り込みに基づいて入稿データを生成することによれば、有意義な広告配信を実現することができる。
【0022】
本開示の一側面によれば、生成部は、配信対象のコンテンツを、二以上のコンテンツのそれぞれの人気に関する特徴に基づいて、二以上のコンテンツの中から絞り込むように構成され得る。二以上のコンテンツを、人気を指標に絞りこむことによれば、効果的な広告配信を実現可能である。
【0023】
本開示の一側面によれば、生成部は、配信対象のコンテンツを、二以上のコンテンツのそれぞれの制作者に関する特徴、及び、二以上のコンテンツのそれぞれに関する場所の特徴の少なくとも一方に基づいて、二以上のコンテンツの中から絞り込むように構成され得る。二以上のコンテンツを、制作者及び/又は場所を指標に絞りこむことによれば、広告主の所望に応じた広告配信を実現可能である。
【0024】
本開示の一側面によれば、生成部は、配信対象のコンテンツを、二以上のコンテンツのそれぞれの広告効果に関する特徴に基づいて、二以上のコンテンツの中から絞り込むように構成され得る。二以上のコンテンツを、広告効果を指標に絞りこむことによれば、効果の高い広告配信を実現可能である。
【0025】
本開示の一側面によれば、生成部は、組合せ毎の広告用商品データに、対応するコンテンツを用いた広告配信の強弱を制御するための情報を、対応するコンテンツの特徴に基づいて記述した入稿データを生成するように構成され得る。こうした情報の付加によれば、配信システムを通じた一部の広告用商品データに基づく広告配信を強化することができる。
【0026】
本開示の一側面によれば、生成部は、複数の配信システムに関して、配信システム毎に、対応する配信システムが受付可能なデータフォーマットで、入稿データを生成するように構成され得る。
【0027】
本開示の一側面によれば、複数の配信システムのそれぞれに、一以上のコンテンツを、対応する配信システムが配信可能なデータフォーマットで提供するように構成され得る。本開示の一側面によれば、商品毎の一以上のコンテンツは、動画コンテンツを含み得る。
【0028】
本開示の一側面によれば、情報処理方法が提供されてもよい。情報処理方法は、一以上の商品に関して、商品毎に、対応する商品を説明する商品データを記憶する装置から商品毎の商品データを取得することを含み得る。
【0029】
情報処理方法は、商品毎に、対応する商品を紹介する一以上のコンテンツに関するデータを記憶する装置から、商品毎の一以上のコンテンツに関するデータを取得することを含み得る。一以上の商品には、二以上のコンテンツが用意される少なくとも一つの商品が含まれ得る。
【0030】
情報処理方法は、取得した商品毎の商品データ及び一以上のコンテンツに関するデータに基づき、商品及びコンテンツの組合せ毎の広告配信を、配信システムを通じて実現するための配信システムに対する入稿データを生成することを含み得る。
【0031】
配信システムは、入稿データに基づいて、広告配信に用いるコンテンツを選択し、選択したコンテンツを用いて、対応する商品の広告配信を行うように構成され得る。この場合、生成することは、対応する商品の広告配信に際して配信システムで選択されるコンテンツが、対応する商品の一以上のコンテンツのそれぞれの特徴に応じて変化するように、入稿データを生成することを含み得る。こうした情報処理方法によれば、上述の情報処理システムと同様の効果が得られる。
【0032】
本開示の一側面によれば、上述した情報処理方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムが提供されてもよい。本開示の一側面によれば、上述した情報処理システムとしての機能をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムが提供されてもよい。コンピュータプログラムは、コンピュータ読取可能な一時的でない記録媒体に記録され得る。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】第一実施形態にかかる情報処理システムの構成を表すブロック図である。
図2】クローラ、拡張部、及び入稿部に関する説明図である。
図3図3Aは、商品データベースの構成を表す図であり、図3Bは、コンテンツデータベース構成を表す図である。
図4】拡張データベースの構成を表す図である。
図5】プロセッサが実行するデータ更新処理を表すフローチャートである。
図6】プロセッサが実行する入稿関連処理を表すフローチャートである。
図7】入稿データ(換言すれば商品カタログデータ)の構成を表す図である。
図8】入稿データ(換言すれば商品カタログデータ)の構成を表す図である。
図9】第二実施形態においてプロセッサが実行する生成関連処理を表すフローチャートである。
図10】第二実施形態における入稿データの構成を表す図である。
図11】第三実施形態の生成関連処理を表すフローチャートである。
図12】第三実施形態における入稿データの構成を表す図である。
図13】第三実施形態における配信/非配信の例を説明する図である。
図14】第四実施形態の生成関連処理を表すフローチャートである。
図15】第四実施形態における入稿データの構成を表す図である。
図16】第四実施形態における入札の強化に関する説明図である。
図17図17Aは、第五実施形態の生成関連処理を表すフローチャートであり、図17Bは、その変形例のフローチャートである。
図18】コンテンツの変換に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に本開示の例示的実施形態を、図面を参照しながら説明する。以下に説明する複数の実施形態のうち、第一実施形態は、参考例として、情報処理システム10の基本構成を説明する実施形態であり、ユニークIDに関する特徴を有する。第二~第五実施形態は、第一実施形態の変形例に対応し、配信制御に関する特徴を有する。
【0035】
[第一実施形態]
図1に示す本実施形態の情報処理システム10は、商品に関する入稿データを、一以上の配信システム30に送信することによって、一以上の配信システム30に対して広告配信を要求するように構成される。入稿には、データフィードの仕組みが利用される。
【0036】
配信システム30のそれぞれは、ダイナミック広告に関する配信システムである。配信システム30のそれぞれは、入稿データとして、商品カタログデータを取得し、取得した商品カタログデータに基づいて、広告媒体としてのウェブメディアにアクセスする消費者の情報端末50に、消費者の関心及び興味等に応じた商品の広告を配信するように構成される。広告配信は、入稿元から指定されたコンテンツを用いて実現される。
【0037】
ここでは、説明を簡単にするために、広告主が一企業であるとの前提を置く。複数の広告主が存在する場合、以下に説明するデータベースが広告主毎に用意され、以下に説明する処理が広告主毎に実行され得る。
【0038】
情報処理システム10は、広告主から提供された情報及び/又はウェブサイト70から収集した情報に基づき、図2に示す商品データベース151及びコンテンツデータベース153を構築し、これらの商品データベース151及びコンテンツデータベース153に基づいて、入稿データを生成するように構成される。入稿データは、配信システム30毎に、対応する配信システム30によって指定されたデータフォーマットで生成される。
【0039】
情報処理システム10は、プロセッサ11と、メモリ13と、ストレージ15と、ユーザインタフェース17と、通信インタフェース19とを備える。ここでは、説明を簡単にするために、情報処理システム10が、一つのコンピュータシステムから構成される例を説明する。ただし、情報処理システム10のハードウェア構成が、これに限定されるものではないことは、言うまでもない。情報処理システム10は、ネットワークを通じて互いに通信可能に接続された複数のコンピュータシステムから構成されてもよい。
【0040】
情報処理システム10のプロセッサ11は、ストレージ15に記憶されたコンピュータプログラムに従う処理を実行する。メモリ13は、プロセッサ11による処理実行時に作業領域として使用される。
【0041】
ユーザインタフェース17は、情報処理システム10の管理者からの操作を受付可能及び管理者に対して各種情報を表示可能に構成される。通信インタフェース19は、インターネット等の広域ネットワークを通じて外部システムと通信可能に構成される。情報処理システム10は、通信インタフェース19を通じて、一以上の配信システム30及び複数のウェブサイト70と通信可能に構成される。
【0042】
プロセッサ11は、コンピュータプログラムに従う処理を実行することにより、図2に示すように、クローラ111、拡張部113、及び入稿部115として機能する。
【0043】
クローラ111は、ウェブサイト70を巡回することにより収集した商品に関する情報に基づき、ストレージ15に記憶される商品データベース151を更新するように構成される。例えば、クローラ111は、広告主の商品を販売するウェブサイト70にアクセスして商品の情報を収集し、商品データベース151を更新し得る。商品データベース151は、広告主から提供された商品データベースを基礎に構築され、ストレージ15に格納され得る。
【0044】
図3Aは、商品データベース151の構成を例示する。図3Aに示される商品データベース151は、SKU(Stock Keeping Unit)単位で区別される一以上の商品、特には複数の商品に関して、商品毎のレコードを含む。このレコードのことを、以下では商品データという。
【0045】
各商品データは、対応する商品を説明する。各商品データは、対応する商品のSKU IDと、対応する商品の商品グループIDと、を有する。SKU IDは、商品をSKU単位で識別可能な識別コードである。商品グループIDは、商品をSKUより広い商品グループ単位で識別可能な識別コードである。
【0046】
例えば、アパレル商品に関して、同じ型の商品は、色及びサイズ毎に細分化される。細分化された各商品が、SKU単位の商品として管理される。商品グループIDは、同じ型の商品を、一つの商品グループとして定義したときの当該商品グループの識別コードである。商品グループIDは、商品型番であり得る。
【0047】
各商品データは更に、対応する商品を販売又は紹介するウェブページである商品ページへのリンク情報、及び、対応する商品の詳細情報を有する。リンク情報は、対応する商品ページのURLであり得る。商品の詳細情報は、商品名、商品カテゴリ、価格、及び、在庫等の情報を含み得る。アパレル商品の場合、商品の詳細情報には、商品の色及びサイズ等の情報が含まれ得る。
【0048】
クローラ111は更に、ウェブサイト70を巡回することにより収集したコンテンツに関する情報に基づき、ストレージ15に格納されたコンテンツデータベース153を更新するように構成される。コンテンツは、広告主の商品を紹介する動画コンテンツであり得る。
【0049】
クローラ111は、商品データベース151に登録される商品を紹介するコンテンツを公開するウェブサイト70にアクセスして、ウェブサイト70からコンテンツの情報を収集し、コンテンツデータベース153を更新するように構成される。
【0050】
本実施形態では、商品を紹介する動画コンテンツが、SKU単位の商品のそれぞれに対して、複数制作されることを想定している。例えば、SKU単位の商品のそれぞれに対しては、異なる複数の制作者が個別に制作した複数の動画コンテンツが用意され得る。
【0051】
動画コンテンツの制作者は、消費者、又は、商品を販売する小売店の従業員であり得る。動画コンテンツは、ユーザによって生成されるユーザ生成コンテンツ(UGC)であり得る。動画コンテンツは、ソーシャルネットワークサービス(SNS)を通じて投稿されるコンテンツであり得る。
【0052】
図3Bは、コンテンツデータベース153の構成を例示する。図3Bに示されるコンテンツデータベース153は、コンテンツ毎のコンテンツデータを含む。コンテンツデータベース153は、商品データベース151に登録される商品毎に、対応する商品を紹介する一以上のコンテンツに関するコンテンツ毎のコンテンツデータを備える。
【0053】
各コンテンツデータは、対応するコンテンツを説明する。各コンテンツデータは、コンテンツIDに関連付けて、対応するコンテンツによって紹介される商品のSKU IDと、対応する商品の商品グループIDと、制作者IDと、場所IDとを有する。
【0054】
コンテンツIDは、コンテンツの識別コードであり、コンテンツ毎に固有のIDである。制作者IDは、対応するコンテンツの制作者の識別コードであり、制作者毎に固有のIDである。場所IDは、対応するコンテンツに関連する場所の識別コードであり、場所毎に固有のIDである。
【0055】
ここでいう場所は、商品を販売する店舗やその地域の識別コードであり得る。あるいは、場所は、コンテンツの制作者が所属する店舗やその地域の識別コードであり得る。あるいは、場所は、コンテンツが公開されるウェブメディアの識別コードであり得る。ここでいう場所は、実空間上の場所の他、オンライン空間上の場所を含む意味で使用される。
【0056】
各コンテンツデータは、対応するコンテンツへのリンク情報を有する。リンク情報は、対応するコンテンツが公開されるウェブページのURLであり得る。あるいは、リンク情報は、クローラ111が取得したコンテンツの格納先URLであって、配信システム30が参照可能なコンテンツサーバのURLであってもよい。クローラ111は、取得したコンテンツを、コンテンツサーバに格納し得る。
【0057】
拡張部113は、商品及びコンテンツの最新情報を含む拡張データベース155を生成及び更新するように構成される。拡張データベース155は、商品データベース151及びコンテンツデータベース153を統合することによって生成される。拡張データベース155には更に、商品又はコンテンツに関する測定データに基づき、コンテンツの人気及び広告効果に関する情報が格納される。
【0058】
具体的に、拡張データベース155は、商品とコンテンツとの組合せ毎のレコードを備える。このレコードのことを以下では、拡張データという。
【0059】
拡張データは、図4に示すように、対応する商品とコンテンツとの組合せの識別コードであるユニークIDに関連付けて、対応する商品及びコンテンツに関する情報を有する。拡張データは、ユニークIDに関連付けて、対応する商品のSKU ID、商品グループID、商品ページへのリンク情報を有する。拡張データは更に、対応する商品の詳細情報を有する。拡張データは更に、ユニークIDに関連付けて、対応するコンテンツへのコンテンツID、制作者ID、場所ID、及び、対応するコンテンツへのリンク情報を有する。
【0060】
拡張データは更に、測定データに基づく情報として、対応するコンテンツの人気に関する測定値、対応するコンテンツの広告効果に関する測定値を有する。コンテンツの人気に関する測定値は、対応するコンテンツのビュー数、及び、対応するコンテンツのエンゲージメント数を例に含む。エンゲージメント数は、コンテンツに対する閲覧者のリアクション数に対応する。広告効果に関する測定値は、ROAS(Return On Advertising Spend)や、コンバージョン数などを例に含む。
【0061】
入稿部115は、拡張データベース155を参照して、配信システム30のそれぞれに対する入稿データを生成し、各入稿データを、対応する配信システム30に送信するように構成される。配信システム30のそれぞれは、このように生成された入稿データに基づき、商品及びコンテンツの組合せ毎の広告配信を実現する。
【0062】
プロセッサ11は、拡張部113として機能するために、クローラ111の動作に合わせて、図5に示すデータ更新処理を実行することができる。データ更新処理を開始すると、プロセッサ11は、商品データベース151を参照し、商品データベース151に商品データの形態で登録されている商品の一つを、処理対象の商品として選択する(S110)。
【0063】
続くS120において、プロセッサ11は、コンテンツデータベース153を参照して、コンテンツデータベース153に登録されているコンテンツの一群の中から、処理対象の商品に対応する一以上のコンテンツを判別する。処理対象の商品に対応するコンテンツの数は、商品毎に異なる。ただし、多くの商品は、商品毎に、二以上のコンテンツを有する。
【0064】
続くS130において、プロセッサ11は、処理対象の商品、及び、S120で判別された一以上のコンテンツの情報に基づき、処理対象の商品とコンテンツとの組合せの一つを、処理対象の組合せとして選択する。
【0065】
続くS140において、プロセッサ11は、拡張データベース155に、処理対象の組合せに対応する拡張データが登録されているか否かを判断する。拡張データが登録されていると判断すると(S140でYes)、プロセッサ11は、続くS145において、拡張データベース155における、処理対象の組合せに関する拡張データを、商品データベース151及びコンテンツデータベース153に基づいて最新情報を反映させるように更新する。その後、S180の処理を実行する。
【0066】
プロセッサ11は、S140において、処理対象の組合せに対応する拡張データが登録されていないと判断すると(S140でNo)、続くS150において、処理対象の組合せに対し、ユニークIDを生成する。すなわち、プロセッサ11は、処理対象の組合せに対し、ユニークIDを発行する。
【0067】
ユニークIDは、商品及びコンテンツの組合せに関する識別コードであり、SKU単位の商品及びコンテンツの組合せ毎に固有のIDである。ユニークIDは、ユニーク識別子に対応する。
【0068】
続く160において、プロセッサ11は、処理対象の組合せに対応する拡張データを生成する。すなわち、プロセッサ11は、S150で発行されたユニークIDを記述する拡張データであって、図4に示すように、対応する商品のSKU ID、対応する商品の商品グループID、対応する商品ページへのリンク情報、対応する商品の詳細情報、対応するコンテンツのコンテンツID、対応するコンテンツの制作者ID、対応するコンテンツの場所ID、対応するコンテンツへのリンク情報、並びに、対応するコンテンツの人気及び広告効果に関する測定値の情報を有する拡張データを生成する。
【0069】
続くS170において、プロセッサ11は、当該生成した拡張データを、新たに拡張データベース155に登録する。続くS180において、プロセッサ11は、組合せのすべてに関して、S140以降の処理を実行したか否かを判断する。S180において否定判断すると、プロセッサ11は、S130の処理を実行する。
【0070】
このようにして、プロセッサ11は、処理対象の商品に関して、商品とコンテンツとの組合せ毎に、S130~S170の処理を実行し、組合せのすべてを処理対象に選択して、S140以降の処理を実行すると、S180で肯定判断する。
【0071】
続くS190において、プロセッサ11は、商品データベース151に登録されている商品のすべてを処理対象に選択して、S120以降の処理を実行したか否かを判断する。S190において否定判断すると、プロセッサ11は、S110において処理対象の商品を新たに選択し、S120以降の処理を実行する。プロセッサ11は、商品データベース151に登録されている商品のすべてについてS120以降の処理を実行し終えると、S190で肯定判断し、図5に示すデータ更新処理を終了する。
【0072】
この他、プロセッサ11は、入稿部115として機能するために、入稿指示に従って、図6に示す入稿関連処理を実行する。入稿指示は、入稿に関する管理者から入力され得る。入稿指示は、例えば、情報処理システム10のユーザインタフェース17を通じて管理者から入力され得る。あるいは、入稿指示は、通信インタフェース19を通じて外部の管理者装置から入力され得る。
【0073】
プロセッサ11は、入稿関連処理を開始すると、入稿指示元から指定された一以上の配信システム30のうちの一つを入稿先として選択する(S210)。続くS220において、プロセッサ11は、選択した入稿先のデータフォーマットに従って、拡張データベース155に登録された各拡張データを加工することにより、入稿データを生成する。
【0074】
入稿データは、入稿先から指定されたデータフォーマットに対応した複数のカラムを有する表形式の商品カタログデータである。ここで、知られている商品カタログデータのデータフォーマットの共通項を説明する。
【0075】
図7及び図8に示されるように、商品カタログデータは、基本構成として、商品に関する第一の識別子としてのSKU IDを記述するための「ID」のカラム、及び、商品に関する第二の識別子としての商品グループIDを記述するための「グループID」のカラムを有する。
【0076】
商品カタログデータは更に、商品の詳細を説明する複数のカラムを有する。複数のカラムには、例えば、商品名を記述するカラム、商品カテゴリを記述するカラム、商品価格を記述するカラムが含まれる。
【0077】
商品カタログデータは更に、コンテンツ情報を記述する一つ又は複数のカラムを有する。コンテンツ情報には、配信システム30が、上述した動画コンテンツ等のコンテンツを、広告としてウェブメディアを通じて情報端末50に表示するために必要な情報が含まれる。コンテンツ情報は、例えば、コンテンツID、及び/又は、コンテンツへのリンク情報としてのURL情報を含む。
【0078】
商品カタログデータは更に、遷移先URLとして、ランディングページのURLを記述するカラムを有する。ランディングページは、広告に消費者が反応したときの飛び先のウェブページに対応する。商品カタログデータは、入稿元が任意に追加可能なカスタムラベルとして機能するカラムを更に含むことができる(詳細後述)。
【0079】
S220において、プロセッサ11は、このデータフォーマットに従って商品カタログデータとしての入稿データを生成する。入稿データは、商品及びコンテンツの組合せ毎のレコードを含む。このレコードのことを、以下では広告用商品データという。
【0080】
すなわち、入稿データは、拡張データベース155に登録された商品及びコンテンツの組合せ毎の拡張データに対応する、商品及びコンテンツの組合せ毎の広告用商品データを有する。
【0081】
広告用商品データは、上述したカラムに対応するフィールドを有する。広告用商品データは、図8に示すように、ID、グループID、商品の詳細情報、コンテンツ情報、及び遷移先URLを記述するための複数のフィールドを有する。
【0082】
広告用商品データの「ID」のフィールドには、対応する拡張データが示すユニークIDが記述される。すなわち、本実施形態では、SKU IDを記述することが配信システム30側から推奨されている「ID」のフィールドに、SKU IDではなく、対応する商品及びコンテンツの組合せに対して割り当てられたユニークIDが記述される。ユニークIDが、形式的には、商品の識別子として、広告用商品データに記述される。
【0083】
「グループID」のフィールドには、対応する拡張データが示す商品グループIDの情報が記述される。「コンテンツ情報」のフィールドには、対応する拡張データが示すコンテンツID及び/又はコンテンツのURL情報が記述される。
【0084】
「遷移先URL」のフィールドには、ランディングページのURLとして、例えば対応する拡張データが示す商品ページのURLが記述される。あるいは、広告に反応した消費者の情報端末50を、対応する商品ページへ誘導するサイトのURLが記述される。
【0085】
遷移先URLには、消費者が反応した広告の種類を遷移先で記録することができるように引数を付加することができる。引数には、コンテンツID、制作者ID、場所IDを採用することができる。すなわち、「遷移先URL」のフィールドには、消費者が反応した広告に対応するコンテンツを遷移先で判別可能であるように、及び/又は、当該コンテンツの制作者及び関連する場所を遷移先に判別可能であるように、引数を有したURLが記述され得る。
【0086】
入稿データは、このように生成される広告用商品データの一群から構成される。この入稿データは、商品及びコンテンツの組合せ毎に、対応する組合せに対して生成されたユニークIDを、商品の識別子として「ID」フィールドに記述した広告用商品データであって、対応するコンテンツを用いた、対応する商品の広告配信を、配信システム30を通じて実現するための広告用商品データを含むものである。
【0087】
プロセッサ11は、S220で生成した入稿データを、対応する入稿先の配信システム30に送信することにより、入稿データに基づく広告配信を配信システム30に要求する(S230)。
【0088】
プロセッサ11は、入稿指示元から指定された一以上の配信システム30に関して、配信システム30毎に、S210~S230の処理を実行し、当該指定されたすべての配信システム30に対する入稿データの送信による入稿を完了すると(S240でYes)、図6に示す入稿関連処理を終了する。
【0089】
以上に説明する本実施形態の情報処理システム10は、一つの商品に関して、複数のコンテンツを用いた広告配信を、配信システム30に要求するとき、一つの商品に対して一つのレコードでなく、コンテンツの数に応じた複数のレコードを含む入稿データを生成する。
【0090】
従来のように、一つの商品に対応する一つのレコードに、複数のコンテンツを関連付ける場合には、配信システム30側から指定されるデータフォーマットの制限を受けて、複数のコンテンツを、メインのコンテンツ及びサブのコンテンツに分類する必要があった。
【0091】
これに対して、本実施形態によれば、一つの商品に関して複数のコンテンツを用いた広告配信を要求する場合でも、一つのレコードには、一つのコンテンツを記述する。この場合、従来通り「ID」のフィールドに、SKU IDを記述すると、IDが重複する複数のレコードが出現するために、本実施形態では、SKU単位の商品とコンテンツとの組合せ毎に、新たにユニークIDを発行して、このユニークIDを「ID」のフィールドに記述する。
【0092】
これにより、配信システム30から指定されるデータフォーマットの制限下で、配信システム30に一つの商品に対する複数のコンテンツを、従来よりも均一に配信させることが可能な、入稿データを生成することができる。
【0093】
上述したように、入稿データにおける「グループID」には、商品型番の情報が記述され得る。商品型番は、対応する商品の閲覧計測に用いられるウェブページ内の計測タグに関連付けられる。例えば、計測タグは、クッキー(Cookie)を用いたトラッキングに用いられることが知られている。計測タグが埋め込まれたウェブページが読み込まれると、トラッキング用のサーバに、ウェブページの閲覧者の情報が送信される。配信システム30は、このサーバからのトラッキングデータに基づき、広告配信対象の消費者の興味、関心、ウェブページの閲覧履歴を判別し、消費者に最適な広告を、入稿データが示すコンテンツを用いてウェブメディアを通じて配信することができる。
【0094】
第一実施形態は、一つの商品に対する複数のコンテンツが、従来よりも均一に配信されるように、入稿データを生成するための技術を開示するものである。この技術は、入稿データの生成方法の工夫によって、配信システム30側での複数のコンテンツを用いた広告配信を制御する思想を含む。
【0095】
ただし、広告主側にとって望ましい配信制御は、必ずしも均一な配信制御に限定されない。第二~第五の実施形態は、均一な配信制御だけでなく、不均一な配信制御を、意図した重み付けで実現可能な技術を開示する。
【0096】
[第二実施形態]
第二実施形態の情報処理システム10は、プロセッサ11が、S220において、図9に示す生成関連処理を実行することを除いて、第一実施形態と同様に構成される。従って、以下では、プロセッサ11が実行する図9に示す生成関連処理を選択的に説明する。以下において説明されない情報処理システム10の構成は、第一実施形態と同様であると理解されてよい。
【0097】
プロセッサ11は、図9に示す生成関連処理を開始すると、S310において、入稿先のデータフォーマットに従って、仮入稿データを生成する。仮入稿データは、第一実施形態の入稿データと同じであると理解されてよい。仮入稿データは、第一実施形態の入稿データと同様に、商品及びコンテンツの組合せ毎に、広告用商品データを備える。
【0098】
続くS320において、プロセッサ11は、各広告用商品データに配信制御用のカスタムラベルを追加するように仮入稿データを編集することによって、カスタムラベルを付加した入稿データを生成する。その後、生成関連処理を終了する。カスタムラベルは、入稿元が任意のパラメータ値を記述可能なフィールドであり、カスタムフィールドに対応する。
【0099】
ここでは、第二実施形態の第一実施形態との相違点をわかりやすく説明するために、プロセッサ11が、段階的にカスタムラベル付きの入稿データを生成する例を説明するが、段階的な手順を踏まずに、カスタムラベルを含む入稿データが生成されてもよい。このことは、後述する第三から第五実施形態にも適用される。
【0100】
プロセッサ11は、S320の処理によって、商品及びコンテンツの組合せ毎に、第一実施形態の広告用商品データに対して、更に、配信制御用の第1~第3のカスタムラベルを追加した広告用商品データを生成する。
【0101】
図10に示すように、第1のカスタムラベルには、コンテンツの人気に関する特徴量として、対応する拡張データが示す、コンテンツの人気に関する測定値に基づいた特徴量が記述される。例えば、人気に関する測定値が、閾値との比較に基づいて、人気のレベルを表す「高」、「中」、「低」の三値のいずれかに変換されて、特徴量として記述される。
【0102】
第2のカスタムラベルには、対応するコンテンツの制作者及び/又は関連する場所に関する特徴が記述される。例えば、第2のカスタムラベルには、対応する拡張データが示す、コンテンツの制作者ID、及び/又は、コンテンツの場所IDが記述される。別例によれば、第2のカスタムラベルには、複数の制作者、及び/又は、複数の場所を、グループ化したときの、制作者又は場所に関するグループIDが記述され得る。
【0103】
第3のカスタムラベルには、コンテンツの広告効果に関する特徴量として、対応する拡張データが示す、コンテンツの広告効果に関する測定値に基づいた特徴量が記述される。例えば、特徴量は、測定値それ自体であり得る。あるいは、広告効果に関する測定値が閾値との比較に基づいて、広告効果のレベルを表す「高」、「中」、「低」の三値のいずれかに変換されて、特徴量として記述される。
【0104】
すなわち、S320において生成される第二実施形態の入稿データは、商品及びコンテンツの組合せ毎に、対応する拡張データに基づいた広告用商品データを含む。各広告用商品データは、ユニークID、商品グループID、商品の詳細情報、コンテンツ情報、遷移先URLの情報に加えて、配信制御のための情報として、コンテンツの人気に関する特徴量、コンテンツの制作者及び/又は関連する場所に関する特徴、並びに、コンテンツの広告効果に関する特徴量を含む。
【0105】
このカスタムラベルの情報を配信制御に有効活用するために、入稿者は、配信システム30に対して、第1、第2、及び第3のカスタムラベルの記述に基づいた配信の強弱を要求することができる。配信システム30は、この要求に従って、各広告用商品データに基づく、対応するコンテンツを用いた広告配信を、第1、第2、及び第3のカスタムラベルの記述を参照して、配信を強弱するように制御することができる。
【0106】
例えば、入稿者は、配信システム30側から提供される配信設定用のウェブページを通じて、第1のカスタムラベルに記述される値が高いほど、対応する広告用商品データに基づいた広告配信を強化するように、配信システム30に対して指示することができる。
【0107】
この指示によれば、仮に第1のカスタムラベルが存在しない場合と比較して、人気の高いコンテンツに関連付けられた広告用商品データに基づく、対応するコンテンツを用いた広告配信が、優先的に配信システム30から消費者に対してなされる。
【0108】
ただし、配信システム30では、様々なパラメータを考慮して、消費者に対して最適な広告が選択される。すなわち、人気に関する特徴量だけに基づいて、広告選択が行われるわけではない。広告選択は、配信システム30側の仕様に依存し、第1のカスタムラベルの値は、その選択に影響を与える値に過ぎない。
【0109】
別例によれば、入稿者は、広告効果の高いコンテンツに基づく広告配信が優先的に行われるようにするために、第3のカスタムラベルに記述される値が高いほど、対応する広告用商品データに基づいた広告配信を強化するように、配信システム30に対して指示することができる。
【0110】
入稿者は、特定の制作者により制作されたコンテンツ、及び/又は、特定の場所に関連するコンテンツに基づく広告配信が優先的に行われるようにするために、第2のカスタムラベルに記述される値が指定された値を示す場合には、対応する広告用商品データに基づいた広告配信を強化するように、配信システム30に対して指示することができる。
【0111】
本実施形態によれば、カスタムラベルの存在により、各商品の広告配信に際して配信システム30で選択されるコンテンツが、対応する商品の一以上のコンテンツのそれぞれの特徴に応じて変化する。特徴の例は、上述の通り、コンテンツの人気に関する特徴、コンテンツの制作者及び/又は関連する場所の特徴、コンテンツの広告効果に関する特徴を含む。
【0112】
このように、本実施形態によれば、一つの商品に関して複数のコンテンツを用いた広告配信を配信システム30に要求する場合に、コンテンツの特徴に応じて、コンテンツの選択可能性の強弱を調整することができる。従って、複数のコンテンツを用いて一つの商品に関する広告配信を行う場合に、配信を適切に制御可能である。
【0113】
[第三実施形態]
第三実施形態の情報処理システム10は、プロセッサ11が、S220において、図11に示す生成関連処理を実行することを除いて、第一実施形態と同様に構成される。従って、以下では、プロセッサ11が実行する図11に示す生成関連処理を選択的に説明する。以下において説明されない情報処理システム10の構成は、第一実施形態と同様であると理解されてよい。
【0114】
プロセッサ11は、図11に示す生成関連処理を開始すると、S410において、入稿先のデータフォーマットに従って、仮入稿データを生成する。仮入稿データは、第一実施形態の入稿データと同じであると理解されてよい。
【0115】
続くS420において、プロセッサ11は、各広告用商品データに対して、制御用フラグを追加するように、仮入稿データを編集することによって、図12に示すように、各広告用商品データに制御用フラグを付した入稿データを生成する。その後、生成関連処理を終了する。
【0116】
本実施形態によれば、プロセッサ11は、S420の処理によって、仮入稿データにカスタムラベルを追加し、商品及びコンテンツの組合せ毎に、対応する広告用商品データのカスタムラベルに、制御用フラグを記述することができる。
【0117】
あるいは、プロセッサ11は、データフォーマットで予め定義されている在庫有無に関するフラグのカラムに、本実施形態の制御用フラグを記述することができる。制御用フラグは、値0又は値1の二値を採る。
【0118】
プロセッサ11は、配信を強化すべき広告用商品データに対して、制御用フラグ1を付し、それ以外の広告用商品データに対して、制御用フラグ0を付すように、各広告用商品データに対して制御用フラグを付すことができる。
【0119】
具体的に、プロセッサ11は、広告効果が高い広告用商品データに対して制御用フラグ1を付し、それ以外の広告用商品データに対して、制御用フラグ0を付すことができる。例えば、プロセッサ11は、広告用商品データ毎に、対応する拡張データの広告効果に関する測定値を参照して、広告効果に関する測定値が閾値以上であるとき、対応する広告用商品データに制御用フラグとして値1を付し、測定値が閾値未満であるとき、対応する広告用商品データに制御用フラグとして値0を付すことができる。
【0120】
別例によれば、プロセッサ11は、広告用商品データ毎に、対応する拡張データの人気に関する測定値を参照して、人気に関する測定値が閾値以上であるとき、対応する広告用商品データに制御用フラグとして値1を付し、人気に関する測定値が閾値未満であるとき、対応する広告用商品データに制御用フラグとして値0を付すことができる。
【0121】
このフラグを配信制御に有効活用するために、入稿者は、配信システム30に対して、フラグに基づいた配信の強弱を要求することができる。例えば、入稿者は、配信システム30側から提供される配信設定用のウェブページを通じて、フラグが値1である広告用商品データに基づいた広告配信を強化するように、配信システム30に対して指示することができる。これにより、広告効果又は人気の高いコンテンツに基づく広告配信を強化することが可能である。
【0122】
別例によれば、入稿者は、配信システム30に対して、フラグが値1である広告用商品データに基づいた広告配信のみを行い、フラグが値0である広告用商品データに基づいた広告配信を行わないように、配信システム30に対して指示してもよい。この場合には、図13に示すように、配信システム30に、広告効果又は人気の高いコンテンツに基づく広告配信のみを実行させることができる。
【0123】
[第四実施形態]
第四実施形態の情報処理システム10は、プロセッサ11が、S220において、図14に示す生成関連処理を実行することを除いて、第一実施形態と同様に構成される。従って、以下では、プロセッサ11が実行する図14に示す生成関連処理を選択的に説明する。以下において説明されない情報処理システム10の構成は、第一実施形態と同様であると理解されてよい。
【0124】
プロセッサ11は、図14に示す生成関連処理を開始すると、S510において、入稿先のデータフォーマットに従って、仮入稿データを生成する。仮入稿データは、第一実施形態の入稿データと同じであると理解されてよい。
【0125】
続くS520において、プロセッサ11は、各広告用商品データに入札強化情報を追加するように、仮入稿データを編集することによって、図15に示すように、広告用商品データ毎に入札強化情報を含む入稿データを生成する。その後、生成関連処理を終了する。入札強化情報は、例えばカスタムラベルを用いて、広告用商品データに追加可能である。
【0126】
入札強化情報は、例えば入札を強化する程度を表す情報であり得る。例えば、入札強化情報は、入札の強化レベルを、「高」「中」「低」の三値のいずれかで表す情報であり得る。「高」は、入札価格を標準から引き上げることに対応し得る。「低」は、入札価格を標準から引き下げることに対応し得る。
【0127】
プロセッサ11は、広告用商品データ毎に、対応する拡張データが示す広告効果に関する測定値が、第一の閾値より高いとき、対応する広告用商品データに、入札強化情報として値「高」を記述し、広告効果に関する測定値が、第一の閾値よりも低い第二の閾値より低いとき、対応する広告用商品データに、入札強化情報として値「低」を記述することができ、広告効果に関する測定値が、第一の閾値から第二の閾値の間にあるとき、対応する広告用商品データに、入札強化情報として値「中」を記述することができる。
【0128】
この入札強化情報の活用のために、入稿者は、配信システム30に対して、各広告用商品データに基づく広告配信に際して、入札強化情報に基づいた入札価格で入札を行うように、配信システム30に対して要求することができる。これにより、本実施形態の入稿データによれば、広告効果が高いほど、高い入札価格で、対応する広告用商品データに基づく広告配信が行われ、対応する広告の配信が強化される。
【0129】
図16は、入札強化レベルが高い広告用商品データに基づく広告配信に際して、高い入札価格が設定されることを示している。すなわち、図16は、入札強化レベルが「高」であるときには、第一の入札価格Y1が用いられ、入札強化レベルが「中」であるときには、第一の入札価格Y1より小さい第二の入札価格Y2が用いられ、入札強化レベルが「低」であるときには、第二の入札価格Y2よりも小さい第三の入札価格Y3が用いられることを示している。
【0130】
本実施形態によれば、入札の強化により、広告効果の高い広告用商品データに基づく広告配信を強化することができる。ただし、入札強化は、広告効果を指標に行われなくてもよく、第三実施形態と同様に、人気を指標に行われてもよい。更に言えば、特定の制作者が制作したコンテンツを用いた広告配信が強化されるように、制作者IDに基づいて、入札強化情報が記述されてもよい。
【0131】
[第五実施形態]
第五実施形態の情報処理システム10は、プロセッサ11が、S220において、図17Aに示す生成関連処理を実行することを除いて、第一実施形態と同様に構成される。従って、以下では、プロセッサ11が実行する図17Aに示す生成関連処理を選択的に説明する。以下において説明されない情報処理システム10の構成は、第一実施形態と同様であると理解されてよい。
【0132】
プロセッサ11は、図17Aに示す生成関連処理を開始すると、S610において、入稿先のデータフォーマットに従って、仮入稿データを生成する。仮入稿データは、第一実施形態の入稿データと同じであると理解されてよい。
【0133】
続くS620において、プロセッサ11は、仮入稿データに含まれる広告用商品データの一つを、処理対象レコードとして選択する。続くS630において、プロセッサ11は、処理対象レコードに対応する拡張データの指標値が、閾値未満であるか否かを判断する。指標値は、処理対象レコードに対応する拡張データが示す、コンテンツの人気に関する測定値、又は、広告効果に関する測定値であり得る。
【0134】
指標値が閾値未満であると判断すると(S630でYes)、プロセッサ11は、処理対象レコードを、仮入稿データから削除する(S640)。一方、指標値が閾値以上であると判断すると(S630でNo)、プロセッサ11は、処理対象レコードを、仮入稿データから削除せずに残す。
【0135】
プロセッサ11は、仮入稿データに含まれる広告用商品データのすべてを、処理対象レコードに選択してS630以降の処理を実行するまで、S620~S640の処理を、処理対象レコードを切り替えながら繰返し実行する。
【0136】
広告用商品データのすべてについての処理が完了すると(S650でYes)、プロセッサ11は、S620~S640の処理の繰返しによって編集された後の仮入稿データを、入稿先の配信システム30に送信する入稿データに確定する(S660)。その後、生成関連処理を終了する。
【0137】
すなわち、プロセッサ11は、生成関連処理の実行により、仮入稿データから、指標値が閾値未満の広告用商品データを取り除くようにして、入稿データを生成する。これにより、プロセッサ11は、指標値が閾値未満の拡張データ(換言すれば広告用商品データ)に基づく広告配信が行われないように、配信システム30に対して入稿データを送信する。
【0138】
付言すれば、プロセッサ11は、S640において、仮に処理対象レコードを取り除くと、処理対象レコードに対応する商品に関するすべての広告用商品データを、仮入稿データから取り除くことになる場合、プロセッサ11は、処理対象レコードを削除せずに、仮入稿データに残したままにすることができる。
【0139】
すなわち、第五実施形態の変形例として、プロセッサ11は、図17Bに示すS641及びS645の処理を、S640において実行することができる。S641において、プロセッサ11は、処理対象レコードを仮入稿データから削除すると、処理対象レコードと同一の商品に関する広告用商品データの一群が仮入稿データからすべて削除されるか否かを判断することができる。同一商品に関する広告用商品データの一群は、処理対象レコードを含む、処理対象レコードと同一商品に関する広告用商品データであって、互いにコンテンツが異なる広告用商品データである。
【0140】
すべて削除されると判断した場合(S641でYes)、プロセッサ11は、処理対象レコードを仮入稿データから削除せず、すべては削除されないと判断した場合に限って(S641でNo)、処理対象レコードを仮入稿データから削除する(S645)。
【0141】
本実施形態によれば、指標値として、人気に関する測定値を用いるときには、人気が基準未満の広告用商品データに基づく広告配信が行われないように、入稿データを生成することができる。指標値として、広告効果に関する測定値を用いるときには、広告効果が基準未満の広告用商品データに基づく広告配信が行われないように、入稿データを生成することができる。
【0142】
変形例によれば、レコードの削除によっても、商品毎に、少なくとも一つの広告用商品データが、入稿データに残る。従って、広告主が広告配信を所望する商品が広告配信されない事象の発生を抑制することができ、各商品の広告配信を、効果的なコンテンツを用いて、配信システム30に配信させることができる。
【0143】
付言すると、一つの商品に関する複数の広告用商品データが、すべて削除の要件を満たす指標値を示すにもかかわらず、S641での肯定判断により一つの広告用商品データを仮入稿データに残すケースでは、一つの商品に関する複数の広告用商品データのうち、指標値が最大の広告用商品データを仮入稿データに残すように、生成関連処理を実行してもよい。この場合、S641で肯定判断した場合には、処理対象レコードに対応する商品の広告用商品データの中で、指標値が最大である広告用商品データを仮入稿データに復元し、同一商品の他の広告用商品データを、仮入稿データから削除することができる。
【0144】
このような広告用商品データの仮入稿データからの削除は、二以上のコンテンツが用意される商品に関して、配信対象のコンテンツを、二以上のコンテンツのそれぞれの特徴に基づいて二以上のコンテンツの中から絞り込み、対応する商品と二以上のコンテンツとの組合せのうち、対応する商品と配信対象のコンテンツとの組合せ毎の広告用商品データを選択的に含んだ入稿データを生成することに対応する。
【0145】
更なる変形例として、図17Aに示す生成関連処理のS630の処理は、S635の処理に置き換えられてもよい。変形例によれば、プロセッサ11は、処理対象レコードに対応するコンテンツの制作者及び/又は関連する場所が、特定の制作者及び/又は場所であるかを判断する(S635)。この判断は、処理対象レコードに対応する拡張データの制作者ID及び/又は場所IDを参照することにより実現することができる。
【0146】
プロセッサ11は、処理対象レコードに対応するコンテンツの制作者及び/又は関連する場所が特定の制作者及び/又は場所であるとき、S640に移行して、処理対象レコードを、仮入稿データから削除することができる。別例によれば、プロセッサ11は、処理対象レコードに対応するコンテンツの制作者及び/又は関連する場所が特定の制作者及び/又は場所ではないとき、S640に移行して、処理対象レコードを、仮入稿データから削除してもよい。このようにして、プロセッサ11は、入稿データを生成することができる。
【0147】
本実施形態によれば、フラグを用いた第三実施形態の同様に、配信システム30に、広告効果又は人気の高いコンテンツに基づく広告配信のみを実行させることができる。あるいは、配信システム30に、一部の制作者により制作されたコンテンツ、及び/又は、一部の場所に関連するコンテンツに基づく広告配信のみを実行させることができる。
【0148】
[その他の実施形態]
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、配信可能なコンテンツのデータフォーマットが複数の配信システム30間で異なるとき、プロセッサ11は、配信システム30毎のデータフォーマットに、コンテンツを変換するように構成されてもよい。動作コンテンツのデータフォーマットに関して言えば、フレームサイズ、アスペクト比、解像度、フレームレート等の制限が、配信システム30毎に異なる場合があり得る。
【0149】
プロセッサ11は、コンテンツデータベース153に登録されたコンテンツのそれぞれを、配信システム30毎に、対応する配信システム30が配信可能なデータフォーマットのコンテンツに変換して、変換後のコンテンツを、配信システム30が参照可能なコンテンツサーバ20に登録することができる。そして、各配信システム30への入稿データには、コンテンツ情報に、対応する配信システム30が配信可能なコンテンツへのリンク情報を含ませることにより、当該コンテンツを、配信システム30に提供することができる。
【0150】
図18に示す例によれば、プロセッサ11は、コンピュータプログラムの実行により、変換部119として機能する。図示される変換部119は、一つのコンテンツを、第1の配信システム30A用のコンテンツと、第2の配信システム30B用のコンテンツに変換して、これらをコンテンツサーバ20に登録する。
【0151】
第1の配信システム30Aは、入稿データにおけるコンテンツ情報の参照により、第1の配信システム30A用に変換されたコンテンツを、コンテンツサーバ20から読み出して、広告配信に使用することができる。
【0152】
第2の配信システム30Bは、入稿データにおけるコンテンツ情報の参照により、第2の配信システム30B用に変換されたコンテンツを、コンテンツサーバ20から読み出して、広告配信に使用することができる。
【0153】
この他、本開示の技術は、ダイナミック広告への適用に限定されない。ディジタルサイネージを通じた広告配信等、様々な広告配信のシーンで、本開示の技術は、活用可能である。
【0154】
上記実施形態における1つの構成要素が有する機能は、複数の構成要素に分散して設けられてもよい。複数の構成要素が有する機能は、1つの構成要素に統合されてもよい。上記実施形態の構成の一部は、省略されてもよい。上記実施形態の構成の少なくとも一部は、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換されてもよい。特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【0155】
[本明細書が開示する技術思想]
本明細書には、次の技術思想が開示されていると理解することができる。
[項目1]
一以上の商品に関して、商品毎に、対応する商品を説明する商品データを記憶するように構成される第一の記憶部と、
前記商品毎に、対応する商品を紹介する一以上のコンテンツに関するデータを記憶するように構成される第二の記憶部と、
前記商品毎の前記商品データ及び前記一以上のコンテンツに関するデータに基づき、商品及びコンテンツの組合せ毎の広告配信を、配信システムを通じて実現するための前記配信システムに対する入稿データを生成するように構成される生成部と、
を備え、
前記一以上の商品には、二以上のコンテンツが用意される少なくとも一つの商品が含まれ、
前記配信システムは、前記入稿データに基づいて、広告配信に用いるコンテンツを選択し、選択したコンテンツを用いて、対応する商品の広告配信を行うように構成され、
前記生成部は、前記対応する商品の広告配信に際して前記配信システムで選択される前記コンテンツが、前記対応する商品の前記一以上のコンテンツのそれぞれの特徴に応じて変化するように、前記入稿データを生成する情報処理システム。
[項目2]
前記二以上のコンテンツは、異なる複数の制作者が個別に制作した複数のコンテンツを含む項目1記載の情報処理システム。
[項目3]
前記入稿データは、前記商品及びコンテンツの組合せ毎に、対応するコンテンツを用いた、対応する商品の広告配信を、前記配信システムを通じて実現するための広告用商品データを含み、
前記広告用商品データは、配信制御に使用可能なカスタムフィールドを有し、
前記配信システムは、前記カスタムフィールドの記述に基づき、コンテンツ選択を含む広告の配信制御を実行可能に構成され、
前記生成部は、前記商品及びコンテンツの組合せ毎に、対応する広告用商品データの前記カスタムフィールドに、対応するコンテンツの特徴を記述する項目1又は項目2記載の情報処理システム。
[項目4]
前記生成部は、前記カスタムフィールドに、前記対応するコンテンツの人気に関する特徴を記述する項目3記載の情報処理システム。
[項目5]
前記生成部は、前記カスタムフィールドに、前記対応するコンテンツの制作者に関する特徴、及び、前記対応するコンテンツに関する場所の特徴の少なくとも一方を記述する項目3又は項目4記載の情報処理システム。
[項目6]
前記生成部は、前記カスタムフィールドに、前記対応するコンテンツの広告効果に関する特徴を記述する項目3~項目5のいずれか一項記載の情報処理システム。
[項目7]
前記入稿データは、前記商品及びコンテンツの組合せ毎に、対応するコンテンツを用いた、対応する商品の広告配信を、前記配信システムを通じて実現するための広告用商品データを含み、
前記生成部は、前記二以上のコンテンツが用意される少なくとも一つの商品に関して、配信対象のコンテンツを、前記二以上のコンテンツのそれぞれの特徴に基づいて前記二以上のコンテンツの中から絞り込み、対応する商品と前記二以上のコンテンツとの組合せのうち、前記対応する商品と前記配信対象のコンテンツとの組合せ毎の広告用商品データを選択的に含んだ前記入稿データを生成する
項目1又は項目2記載の情報処理システム。
[項目8]
前記生成部は、前記配信対象のコンテンツを、前記二以上のコンテンツのそれぞれの人気に関する特徴に基づいて、前記二以上のコンテンツの中から絞り込む項目7記載の情報処理システム。
[項目9]
前記生成部は、前記配信対象のコンテンツを、前記二以上のコンテンツのそれぞれの制作者に関する特徴、及び、前記二以上のコンテンツのそれぞれに関する場所の特徴の少なくとも一方に基づいて、前記二以上のコンテンツの中から絞り込む項目7又は項目8記載の情報処理システム。
[項目10]
前記生成部は、前記配信対象のコンテンツを、前記二以上のコンテンツのそれぞれの広告効果に関する特徴に基づいて、前記二以上のコンテンツの中から絞り込む項目7~項目9のいずれか一項記載の情報処理システム。
[項目11]
前記入稿データは、前記商品及びコンテンツの組合せ毎に、対応するコンテンツを用いた、対応する商品の広告配信を、前記配信システムを通じて実現するための広告用商品データを含み、
前記生成部は、前記組合せ毎の前記広告用商品データに、対応するコンテンツを用いた広告配信の強弱を制御するための情報を、対応するコンテンツの特徴に基づいて記述した前記入稿データを生成するように構成される項目1又は項目2記載の情報処理システム。
[項目12]
前記生成部は、複数の配信システムに関して、配信システム毎に、対応する配信システムが受付可能なデータフォーマットで、前記入稿データを生成するように構成される項目1~項目11のいずれか一項記載の情報処理システム。
[項目13]
前記複数の配信システムのそれぞれに、前記一以上のコンテンツを、対応する配信システムが配信可能なデータフォーマットで提供するように構成される項目12記載の情報処理システム。
[項目14]
前記商品毎の前記一以上のコンテンツは、動画コンテンツを含む項目1~項目13のいずれか一項記載の情報処理システム。
[項目15]
一以上の商品に関して、商品毎に、対応する商品を説明する商品データを記憶する装置から前記商品毎の前記商品データを取得することと、
前記商品毎に、対応する商品を紹介する一以上のコンテンツに関するデータを記憶する装置から、前記商品毎の前記一以上のコンテンツに関するデータを取得することと、
取得した前記商品毎の前記商品データ及び前記一以上のコンテンツに関するデータに基づき、商品及びコンテンツの組合せ毎の広告配信を、配信システムを通じて実現するための前記配信システムに対する入稿データを生成することと、
を含み、
前記一以上の商品には、二以上のコンテンツが用意される少なくとも一つの商品が含まれ、
前記配信システムは、前記入稿データに基づいて、広告配信に用いるコンテンツを選択し、選択したコンテンツを用いて、対応する商品の広告配信を行うように構成され、
前記生成することは、前記対応する商品の広告配信に際して前記配信システムで選択される前記コンテンツが、前記対応する商品の前記一以上のコンテンツのそれぞれの特徴に応じて変化するように、前記入稿データを生成することを含む情報処理方法。
[項目16]
前記入稿データは、前記商品及びコンテンツの組合せ毎に、対応するコンテンツを用いた、対応する商品の広告配信を、前記配信システムを通じて実現するための広告用商品データを含み、
前記広告用商品データは、配信制御に使用可能なカスタムフィールドを有し、
前記配信システムは、前記カスタムフィールドの記述に基づき、コンテンツ選択を含む広告の配信制御を実行可能に構成され、
前記生成することは、前記商品及びコンテンツの組合せ毎に、対応する広告用商品データの前記カスタムフィールドに、対応するコンテンツの特徴を記述するように、前記入稿データを生成することを含む項目15記載の情報処理方法。
[項目17]
前記入稿データは、前記商品及びコンテンツの組合せ毎に、対応するコンテンツを用いた、対応する商品の広告配信を、前記配信システムを通じて実現するための広告用商品データを含み、
前記生成することは、前記二以上のコンテンツが用意される少なくとも一つの商品に関して、配信対象のコンテンツを、前記二以上のコンテンツのそれぞれの特徴に基づいて前記二以上のコンテンツの中から絞り込み、対応する商品と前記二以上のコンテンツとの組合せのうち、前記対応する商品と前記配信対象のコンテンツとの組合せ毎の広告用商品データを選択的に含んだ前記入稿データを生成することを含む項目15記載の情報処理方法。
[項目18]
項目15~項目17のいずれか一項記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
[項目19]
前記生成部は、
前記一以上の商品及び前記一以上のコンテンツに関して、商品及びコンテンツの組合せ毎に固有のユニーク識別子を生成し、
前記組合せ毎に、対応する組合せに対して生成された前記ユニーク識別子を、商品の識別子として記述した広告用商品データであって、対応するコンテンツを用いた、対応する商品の広告配信を、前記配信システムを通じて実現するための広告用商品データを生成すること
により、前記入稿データとして、前記組合せ毎の前記広告用商品データを含む入稿データを生成する項目1~項目14のいずれか一項記載の情報処理システム。
[項目20]
前記配信システムが受付可能な前記入稿データの前記広告用商品データは、第一の単位で商品を識別可能な第一の識別子を記述するための第一のフィールドと、第二の単位で商品を識別可能な第二の識別子を記述するための第二のフィールドと、を有し、
前記生成部は、前記組合せ毎に、前記対応する組合せに対して生成された前記ユニーク識別子を、前記第一の識別子に代えて前記第一のフィールドに記述し、前記対応する商品の閲覧計測に用いられるウェブページ内の計測タグに関連付けられる第二の識別子を、前記第二のフィールドに記述した前記広告用商品データを生成する項目19記載の情報処理システム。
[項目21]
前記ユニーク識別子は、SKU(Stock Keeping Unit)単位の商品及びコンテンツの組合せ毎に生成される項目19又は項目20記載の情報処理システム。
【符号の説明】
【0156】
10…情報処理システム、11…プロセッサ、13…メモリ、15…ストレージ、17…ユーザインタフェース、19…通信インタフェース、20…コンテンツサーバ、30,30A,30B…配信システム、111…クローラ、113…拡張部、115…入稿部、119…変換部、151…商品データベース、153…コンテンツデータベース、155…拡張データベース。
【要約】
【課題】一つの商品の、複数のコンテンツを用いた広告配信に有意義な、入稿に関する新規技術を提供する。
【解決手段】商品毎の商品データ及び一以上のコンテンツに関するデータに基づき、商品及びコンテンツの組合せ毎の広告配信を、配信システムを通じて実現するための配信システムに対する入稿データが生成される。配信システムは、入稿データに基づいて、広告配信に用いるコンテンツを選択し、選択したコンテンツを用いて、対応する商品の広告配信を行うように構成され得る。入稿データは、対応する商品の広告配信に際して配信システムで選択されるコンテンツが、対応する商品の一以上のコンテンツのそれぞれの特徴に応じて変化するように生成される。
【選択図】図9
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18