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特許7576136コンテナ取扱車両の交換可能な電源を充電するための充電ステーションを備えた自動保管および取出しシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】コンテナ取扱車両の交換可能な電源を充電するための充電ステーションを備えた自動保管および取出しシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20241023BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
B65G1/04 531D
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023136868
(22)【出願日】2023-08-25
(62)【分割の表示】P 2020558876の分割
【原出願日】2019-02-15
(65)【公開番号】P2023159362
(43)【公開日】2023-10-31
【審査請求日】2023-08-25
(31)【優先権主張番号】20180586
(32)【優先日】2018-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(73)【特許権者】
【識別番号】317005527
【氏名又は名称】アウトストア・テクノロジー・エーエス
【氏名又は名称原語表記】AUTOSTORE TECHNOLOGY AS
【住所又は居所原語表記】Stokkastrandvegen 85,N-5578 Nedre Vats,Norway
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100211236
【弁理士】
【氏名又は名称】道下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】アウストロヘイム,トロンド
(72)【発明者】
【氏名】フェルドハイム,イーバル
(72)【発明者】
【氏名】ファガランド,イングバル
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-503731(JP,A)
【文献】特表2016-540487(JP,A)
【文献】特表2019-527527(JP,A)
【文献】特表2020-519550(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
B65G 1/06
B65G 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平面(P)に配置され、第1の方向(X)に延びる第1のセットの平行な軌道(110)と、前記水平面(P)に配置され、前記第1の方向(X)に直交する第2の方向(Y)に延びる第2のセットの平行な軌道(111)とを備えた軌道システム(108)であって、前記第1および第2のセットの軌道(110、110)は、複数の隣接したグリッドセル(122)を含む前記水平面(P)内のグリッドパターンを形成し、各グリッドセルは、前記第1のセットの軌道(110)の一対の隣接した軌道(110a、110b)、および前記第2のセットの軌道(111)の一対の隣接した軌道(111a、111b)によって規定されたグリッド開口部(115)を備える、軌道システム(108)と、
前記軌道システム(108)の真下に位置する複数の保管コラム(105)であって、各保管コラム(105)は、グリッド開口部(115)の垂直下方に位置し、保管コンテナ(106)のスタック(107)を保管するように配置される、複数の保管コラム(105)と、
前記スタック(107)に積み重ねられた少なくとも1つの保管コンテナ(106)を持ち上げるためのコンテナ取扱車両(3~5)であって、前記コンテナ取扱車両(3~5)は、前記グリッド開口部(115)を介して前記保管コンテナ(106)にアクセスするように、前記保管コラム(105)の上方の前記軌道システム(108)上で横に移動するように構成されており、
前記コンテナ取扱車両(3~5)は、保管コンテナ(106)を保管する少なくとも1つの保管室(24)を備えた下部(17a)、前記下部(17a)の垂直上方に配置された上部(17b)、前記軌道システム(108)に沿って前記コンテナ取扱車両(3~5)を案内する車輪組立体(18)、および交換可能な電源(28)を収容する電源室(27a)を備える、コンテナ取扱車両(3~5)と、
電源充電接続部(46)を有する前記電源室に収容するための交換可能な電源(28)と、
前記交換可能な電源(28)を充電するための充電ステーション(40)であって、前記電源充電接続部(46)との電気接続を生成するように構成された充電接続部(45)であって前記充電接続部および前記電源充電接続部はプラグ/ソケット接続である充電接続部(45)、および充電中に前記電源(28)を解除可能に支持する電源支持体(43)を備えた充電ステーション(40)と
を備え、
前記電源室(27a)は、前記コンテナ取扱車両(3~5)の前記上部(17b)に配置され、前記第1の方向(X)または前記第2の方向(Y)の方に面する開口部を介して前記交換可能な電源(28)を受容するように構成され
前記車輪組立体(18)は、前記第1のセットの軌道(110)に係合するように配置された第1のセットの車輪(19)と、前記第2のセットの軌道(111)に係合するように配置された第2のセットの車輪(20)とを備え、前記第1のセットの車輪(19)は、上側車輪位置と下側車輪位置の間で移動可能であり、前記第1のセットの車輪(19)は前記下側車輪位置で前記第1のセットの軌道(110)に係合するとともに、前記第2のセットの車輪(20)は前記上側車輪位置で前記第2のセットの軌道(111)に係合するようになっていて;
前記電源支持体(43)は、前記軌道システム(108)に対して一定レベルに配置され、前記充電接続部(45)は、前記軌道システム(108)に対して下側接続位置と上側接続位置の間で移動可能であり、
-前記下側接続位置で、前記電源(28)が前記電源支持体(43)によって支持されるときに、前記充電接続部(45)は、前記電源充電接続部(46)の前記レベルに対応するレベルで配置され、
-前記上側接続位置で、前記電源(28)が前記電源室内に収容されるとともに、前記第1のセットの車輪(19)が前記下側車輪位置にあるときに、前記充電接続部(45)は、前記電源充電接続部(46)の前記レベルに対応するレベルで配置され;
前記充電接続部(45)は、前記上側接続位置の方へ付勢される、自動保管および取出しシステム(1)。
【請求項2】
前記電源支持体(43)は、放電した電源(28)を取出すまたは充電した電源(28)を挿入するために前記電源室(27a)の中に延びるように配置されていて、
前記電源室(27a)は、前記電源室(27a)内の所定の位置に前記電源(28)を保持するように配置された電源ロック組立体(27、27b、27c)を備え、
前記電源ロック組立体(27、27b、27c)は、前記電源ロック組立体が所定の位置に前記電源を保持することができる第1の位置と前記電源が移動され得る第2の位置との間で移動可能であり、
前記電源ロック組立体(27、27b、27c)は、解除可能なロック機構(50)によって前記第1の位置でロックされる、請求項1に記載のシステム
【請求項3】
前記電源支持体(43)は、前記解除可能なロック機構(50)および/または前記電源ロック組立体(27、27b、27c)と相互作用するように配置され、前記電源ロック組立体は、前記電源支持体(43)が、放電した電源を取出すまたは充電した電源を挿入するために前記電源室(27a)の中に延ばされるときに、前記第2の位置に移動することができるようになっている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記電源ロック組立体は、前記コンテナ取扱車両(3~5)の前記上部(17b)に枢動可能に接続され、前記電源ロック組立体は、前記第1の位置と第2の位置の間で枢動することができるようになっている、請求項2または3に記載のシステム。
【請求項5】
前記電源支持体(43)は、横に延びる2つの案内アーム(43a、43b)を備え、前記2つの案内アーム(43a、43b)の間で、前記交換可能な電源(28)は支持され得、
前記案内アーム(43a、43b)のうちの少なくとも1つは、前記解除可能なロック機構(50)および/または前記電源ロック組立体と相互作用する端(52)を備える、請求項2に記載のシステム
【請求項6】
前記交換可能な電源(28)は、前記電源の2つの反対側の側面の各々に配置された支持リブ(49)を備え、各支持リブ(49)は、前記電源支持体の対応する案内アーム(43a、43b)と相互作用するように配置され、
各支持リブ(49)は、前記案内アーム(43a、43b)にそれぞれ配置された対応する突出部(32)または凹部と相互作用する凹部(49a)または突出部を備え、
前記相互作用する凹部(49a)および突出部(32)は、前記電源支持体によって支持されるときに、前記電源(28)は横移動が妨げられるように配置される、請求項5に記載のシステム
【請求項7】
前記電源ロック組立体(27、27b、27c)は、ロック要素(27c)を備え、前記ロック要素は、前記電源が前記電源室内に配置されるとともに、前記電源ロック組立体(27、27b、27c)が前記第1の位置にあるときに、前記電源(28)と相互作用するように配置され、随意に、支持リブ(49)を介して前記電源の2つの反対側の側面の各々に配置され、前記電源は、少なくとも横方向に移動するのが妨げられるようになっている、請求項2に記載のシステム。
【請求項8】
前記電源ロック組立体(27、27b、27c)は、前記電源支持体(43)が前記電源室の中に延び、前記第1のセットの車輪(19)が前記下側車輪位置にあるときに、前記第1の位置にあるように配置され、
前記電源ロック組立体(27、27b、27c)は、前記電源支持体(43)が前記電源室の中に延び、前記第1のセットの車輪(19)が前記上側車輪位置にあるときに、前記第2の位置にあるように配置される、請求項2に記載のシステム。
【請求項9】
前記電源(28)は、前記電源支持体(43)が前記電源室(27a)の中の延びるとともに、前記第1のセットの車輪(19)が前記上側車輪位置にあるときに、前記電源支持体(43)によって支持されるように配置される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記電源(28)は、前記電源支持体(43)から分離しているように配置され、前記電源支持体(43)が前記電源室の中に延び、前記第1のセットの車輪(19)が前記下側車輪位置にあるときに、前記電源室の内側に配置された少なくとも1つの支持面(31)によって支持される、請求項8または9に記載のシステム。
【請求項11】
電源充電接続部(46)を備える交換可能な電源(28)のための充電ステーション(40)であって、前記充電ステーション(40)は、前記電源充電接続部(46)との電気接続を生成するように構成された充電接続部(45)であって前記充電接続部および前記電源充電接続部はプラグ/ソケット接続である充電接続部(45)と、充電中に前記電源(28)を解除可能に支持する電源支持体(43)とを備え、前記充電接続部(45)は、前記電源支持体(43)に対して下側接続位置と上側接続位置の間で移動することができ、
前記下側接続位置で、前記充電接続部(45)は、前記電源(28)が前記電源支持体(43)によって支持されるとき、前記電源充電接続部(46)のレベルに対応するレベルで配置され、
前記充電接続部(45)は、前記電源支持体が電源を支持していないときに、前記充電接続部が前記上側接続位置にあるように、前記上側接続位置の方へ付勢される、充電ステーション(40)。
【請求項12】
前記電源支持体(43)は、前記交換可能な電源(28)を支持することができる横に延びる2つの案内アーム(43a、43b)を備え、少なくとも1つの案内アームは、前記電源を支持することができる前記案内アームのセクションを越えて延びる楔形の端(52)を備える、請求項11に記載の充電ステーション。
【請求項13】
請求項11または12に記載の充電ステーション(40)を用いてコンテナ取扱車両(3~5)の電源室(27a)内に収容された電源(28)を充電する方法であって、前記コンテナ取扱車両(3~5)は、水平面(P)内に配置され、第1の方向(X)の延びる第1のセットの平行な軌道(110)と、前記水平面(P)内に配置され、前記第1の方向(X)に直交する第2の方向(Y)に延びる第2のセットの平行な軌道(111)とを備えた軌道システム(108)上で移動するように構成され、前記第1および第2のセットの軌道(110、110)は、複数の隣接したグリッドセル(122)を含む前記水平面(P)内のグリッドパターンを形成し、各グリッドセルは、前記第1のセットの軌道(110)の一対の隣接した軌道(110a、110b)、および前記第2のセットの軌道(111)の一対の隣接した軌道(111a、111b)によって規定されたグリッド開口部(115)を備える方法において、
)前記充電ステーション(40)の前記電源支持体(43)が前記電源(28)を保管する前記電源室(27a)に少なくとも部分的に入っている位置であって、前記充電ステーション(40)の少なくとも1つの充電接続部(45)が、前記電源(28)の少なくとも1つの電源充電接続部(46)と電気接触するように設定される位置へ、前記コンテナ取扱車両(3~5)を移動させるステップであって、前記電源室(27a)は前記軌道システム(108)に対して上側位置にある、ステップと、
下にある前記軌道システム(108)に対して前記電源室(27a)の高さを調整することによって、前記コンテナ取扱車両(3~5)の前記電源室(27a)から前記電源支持体(43)へ前記電源(28)を移送するステップと、
)前記コンテナ取扱車両(3~5)を逆転させ、充電時に前記充電ステーション(40)上に前記電源(28)を残すステップと
を含む方法。
【請求項14】
前記自動保管および取出しシステム(1)は、請求項1から10のいずれかに記載されている、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電ステーションを用いてコンテナの保管および取出しを行うための自動保管および取出しシステム、ならびにその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、枠組み構造100を備えた典型的な先行技術の自動保管および取出しシステム1を開示し、図2および図3は、そのようなシステム1を稼働させるのに適した2つの異なる先行技術のコンテナ取扱車両201、301を開示する。
【0003】
枠組み構造100は、いくつかの垂直部材102と、この垂直部材102によって支持されるいくつかの水平部材103とを備える。典型的には、部材102、103は、金属、例えば、押出しアルミニウムプロファイルで作製され得る。
【0004】
枠組み構造100は、列に配置された保管コラム105を備える保管グリッド104を規定しており、この保管コラム105の中に、箱としても知られている保管コンテナ106が、スタック107を形成するように互いに積み重ねられている。保管グリッド104は、保管コンテナ106のスタック107の水平移動を防ぐとともに、コンテナ106の垂直移動を案内するが、通常、積み重ねられたときに、他のやり方で保管コンテナ106を支持しない。
【0005】
自動保管および取出しシステム1は、保管104の上部にわたってグリッドパターンに配置されたレールシステム108を備え、レールシステム108上には、複数のコンテナ取扱車両201、301が、保管コラム105から保管コンテナ106を持ち上げたり、保管コラム105の中に保管コンテナ106を下げたりするとともに、保管コラム105の上方で保管コンテナ106を搬送をも行うように稼働させられる。レールシステム108は、枠構造100の上部にわたって第1の方向Xのコンテナ取扱車両201、301の移動を案内するように配置された第1のセットの平行なレール110と、第1の方向Xに直角をなす第2の方向Yのコンテナ取扱車両201、301の移動を案内するように第1のセットのレール110に直角をなして配置された第2のセットの平行なレール111とを備える。このように、レールシステム108は、グリッドコラム112を規定し、その上方でコンテナ取扱車両201、301は、保管コラム105の上方を横に、すなわち、水平X-Y平面に平行である平面内で、移動することができる。
【0006】
各先行技術のコンテナ取扱車両201、301は、車両本体201a、301aと、それぞれX方向およびY方向のコンテナ取扱車両201、301の横の移動を可能にする第1および第2のセットの車輪201b、301b、201c、301cとを備える。図2および図3において、セットごとの2つの車輪は、十分に見える。第1のセットの車輪201b、301bは、レールのうちの第1のセット110の2つの隣接したレールに係合するように配置され、第2のセットの車輪201c、301cは、レールのうちの第2のセット111の2つの隣接したレールに係合するように配置される。車輪201b、301b 201c、301cの各セットは、持ち上げられるおよび下げられることができ、第1のセットの車輪201b、301b、および/または第2のセットの車輪201c、301cは、どの時点においてもレール110、111のそれぞれのセットに係合できるようになっている。
【0007】
各先行技術のコンテナ取扱車両201、301は、例えば、保管コラム105から保管
コンテナ106を持ち上げたり、保管コラム105の中に保管コンテナ106を下げたりする保管コンテナ106を垂直搬送するための持ち上げ装置(図示せず)も備える。持ち上げ装置は、1つまたは複数の把持/係合装置(図示せず)を備え、この把持/係合装置は、保管コンテナ106を係合するようになされるとともに、車両201、301から下げられ得るものであり、車両201、301に対しての把持/係合装置の位置を、第1の方向Xおよび第2の方向Yに直交する第3の方向Zに調整することができるようになっている。
【0008】
従来から、そしてまた本出願の目的のために、Z=1は、グリッド104の最上層、すなわち、レールシステム108の真下の層、Z=2は、レールシステム108の下方の第2の層、Z=3は、第3の層などを特定する。図1に開示された例示的な先行技術のグリッドでは、Z=8は、グリッド104の最下の底層を特定する。同様に、X=l...n、およびY=l...nは、水平面内の各グリッドコラム112の位置を特定する。したがって、一例として、および図1に示された直交座標系X,Y,Zを用いて、図1の106’として特定される保管コンテナは、グリッド位置またはセルC=10、Y=2、Z=3を占めると言うことができる。コンテナ取扱車両201、301は、層Z=0内で移動すると言うことができ、各グリッドコラム112は、そのXおよびY座標によって特定することができる。
【0009】
各先行技術のコンテナ取扱車両201、301は、レールシステム108にわたって保管コンテナ106を搬送するときに保管コンテナ106を受容および収容する保管室または空間を備える。保管空間は、図2に示されるように、および例えば、WO2015/193278A1(その内容は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるように、車両本体201a内の中央に配置された空洞を備えることができる。
【0010】
図3は、片持ち梁構造を備えるコンテナ取扱車両301の一代替構成を示す。そのような車両は、例えば、NO0317366に詳細に説明されており、その内容は参照により本明細書にやはり組み込まれる。
【0011】
図2に示された中央空洞のコンテナ取扱車両201は、例えば、WO2015/193278A1(その内容が参照により本明細書に組み込まれる)に説明されるように、グリッドコラム112の横の広がり、すなわち、X方向およびY方向のグリッドコラム112の広がりにほぼ等しいX方向およびY方向の寸法を有する面積をカバーする設置面積を有することができる。本明細書に使用される用語「横の」は、「水平の」を意味し得る。
【0012】
代替として、中央空洞のコンテナ取扱車両101は、例えば、WO2014/090684A1に開示されるように、グリッドコラム112によって規定される横面積よりも大きい設置面積を有してもよい。
【0013】
レールシステム108は、図4に示されるように、シングルレールシステムとすることができる。代替として、レールシステム108は、図5に示されるように、ダブルレールシステムであってもよく、これによって、別のコンテナ取扱車両201がこの列に隣り合うグリッドコラムの上方に配置される場合でも、グリッドコラム112によって規定された横面積にほぼ対応する設置面積を有するコンテナ取扱車両201が、グリッドコラムの列に沿って移動することを可能にする。シングルレールシステムとダブルレールシステムの両方、またはシングルレールシステム108内にシングルレールとダブルレールの配置を備える組合せは、複数の矩形および均一のグリッド位置またはグリッドセル122を備える水平面P内のグリッドパターンを形成しており、ただし、各グリッドセル122は、第1の軌道110の一対の軌道110a、110bおよび第2のセットの軌道111の一対の軌道111a、111bによって定められたグリッド開口部115を備える。図5
は、グリッドセル122は、破線の四角形によって示される。
【0014】
したがって、軌道110aおよび110bは、X方向に延びるグリッドセルの平行な列を規定する軌道の対を形成するとともに、軌道111aおよび111bは、Y方向に延びるグリッドセルの平行な列を規定する軌道の対を形成する。
【0015】
図6に示されるように、各グリッドセル122は、典型的には30から150cmの間隔内である幅W、および典型的には50から200cmの間隔内である長さLを有する。各グリッド開口部115は、グリッドセル122の幅Wおよび長さLよりも小さい典型的には2から10cmである幅Wおよび長さLを有する。
【0016】
X方向およびY方向において、隣り合ったグリッドセルは、それらの間に空間がないように互いに接触して配置される。
【0017】
保管グリッド104では、グリッドコラム112の大部分は、保管コラム105、すなわち、グリッドコラム105であり、ここに保管コンテナ106が、スタック107で保管される。しかしながら、通常、グリッド104は、少なくとも1つのグリッドコラム112を有し、この少なくとも1つのグリッドコラム112は、保管コンテナ106を保管するために使用されず、コンテナ取扱車両201、301が保管コンテナ106を降下させるおよび/または取り上げる位置を含み、保管コンテナ106が、保管コンテナ106にグリッド104の外側からアクセスすることができ、またはこれをグリッド104の内外に移送することができるアクセスステーション(図示せず)へ搬送され得るようになっている。当技術分野内で、通常、そのような位置は、「ポート」と呼ばれ、ポートが位置するグリッドコラム112は、「ポートコラム」119、120と呼ばれ得る。アクセスステーションへの搬送は、水平、傾斜および/または垂直である任意の方向であり得る。例えば、保管コンテナ106は、保管グリッド104内でランダムまたは専用のグリッドコラム112に配置され得、次いで、任意のコンテナ取扱車両によって取り上げられ、アクセスステーションへのさらなる搬送のためにポート119、120へ搬送される。用語「傾斜」は、保管コンテナ106の搬送が水平と垂直の間のどこかの一般的な搬送の向きを有することを意味することに留意されたい。
【0018】
図1のグリッド104は、2つのポートコラム119および120を備える。例えば、第1のポートコラム119は、コンテナ取扱車両201、301が搬送される保管コンテナ106をアクセスまたは移送ステーションへ降下させることができる専用の降下ポートコラムとすることができ、第2のポートコラム120は、コンテナ取扱車両201、301がアクセスまたは移送ステーションからグリッド104へ搬送された保管コンテナ106を取り上げることができる専用の取上げポートコラムとすることができる。
【0019】
典型的には、アクセスステーションは、製品アイテムが保管コンテナ106から取り除かれるまたは保管コンテナ106の中に配置されるピッキングまたはストッキングステーションであり得る。ピッキングまたはストッキングステーションでは、通常、保管コンテナ106は、自動保管および取出しシステム1から決して取り除かれないが、アクセスされるとグリッド104の中に戻される。ポートは、保管コンテナをグリッド104の外へまたはグリッド104の中に移送するのに、例えば、保管コンテナ106を別の保管設備へ(例えば、別のグリッド、または別の自動保管および取出しシステムへ)、輸送車両(例えば、列車またはトラック)へ、または生産施設へ移送するのに使用することもできる。
【0020】
ポート119、120とアクセスステーションの間で保管コンテナを搬送するために、通常、コンベヤを備えるコンベヤシステムが用いられる。
【0021】
ポート119、120およびアクセスステーションが異なるレベルに位置する場合、コンベヤシステムは、ポート119、120とアクセスステーションの間で保管コンテナ106を垂直に搬送するための垂直構成要素を有するリフト装置を備えてもよい。
【0022】
コンベヤシステムは、例えば、WO2014/075937A1(その内容は参照により本明細書に組み込まれる)に説明されるように、異なるグリッド間で保管コンテナ106を移送するように配置することができる。
【0023】
図1に開示されたグリッド104内で保管される保管コンテナ106がアクセスされるとき、コンテナ取扱車両201、301の一方は、目標の保管コンテナ106をグリッド104内のその位置から取出し、目標の保管コンテナ106を降下ポート119へ搬送するように指示される。この動作は、目標の保管コンテナ106が位置する保管コラム105の上方のグリッド位置へコンテナ取扱車両201、301を移動させることと、コンテナ取扱車両201、301の持ち上げ装置(図示せず)を用いて保管コラム105から保管コンテナ106を取出すことと、保管コンテナ106を降下ポート119へ搬送することとを含む。目標の保管コンテナ106がスタック107内に深く位置する場合、すなわち、1つまたは複数の他の保管コンテナ106が目標の保管コンテナ106の上方に配置される場合、この動作は、目標の保管コンテナ106を保管コラム105から持ち上げる前に、上方に配置された保管コンテナを一時的に移動させることも含む。当技術分野内で「掘り起こし」と呼ばれる場合もあるこのステップは、目標の保管コンテナを降下ポート119へ搬送するために続いて使用される同じコンテナ取扱車両、または1つもしくは複数の他の協働するコンテナ取扱車両で実行されてもよい。代替として、または加えて、自動保管および取出しシステム1は、保管コラム105から保管コンテナを一時的に取り除く作業に特に専用のコンテナ取扱車両を有してもよい。目標の保管コンテナ106が保管コラム105から取り除かれると、一時的に取り除かれた保管コンテナは、元の保管コラム105の中に再配置することができる。しかしながら、代替として、取り除かれた保管コンテナは、他の保管コラムへ配置し直されてもよい。
【0024】
保管コンテナ106がグリッド104に保管されるとき、コンテナ取扱車両201、301の一方は、取上げポート120から保管コンテナ106を取り上げ、保管コンテナ106が保管されることになる保管コラム105の上方のグリッド位置へ保管コンテナ106を搬送するように指示される。保管コラムのスタック107内の目標の位置にまたはその上方に配置されたいずれかの保管コンテナが取り除かれた後に、コンテナ取扱車両201、301は、保管コンテナ106を所望の位置に配置する。次いで、取り除かれた保管コンテナは、保管コラム105の中に下げ戻され、または他の保管コラムへ再配置されてもよい。
【0025】
自動保管および取出しシステム1を監視および制御するために、例えば、グリッド104内のそれぞれの保管コンテナ106の位置、各保管コンテナ106の内容、およびコンテナ取扱車両201、301の移動を監視および制御し、それによって、所望の保管コンテナ106が、コンテナ取扱車両201、301が互いに衝突することなく所望の時間に所望の位置へ送り届けることができるようにするために、自動保管および取出しシステム1は、典型的にはコンピュータ化されているとともに、典型的には保管コンテナ106の軌道を維持するデータベースを備えている制御システムを備える。
【0026】
しかしながら、上述された保管システムの場合、再充電の必要性により、望ましくないロボットの停止があり、それによって全体として保管システムの運転サイクルを典型的には1日あたり16時間まで低下させる。
【0027】
WO2015/104263A2(その内容は参照により本明細書に組み込まれる)では、保管グリッドの周辺にいくつかの充電ステーションを配置することによって望ましくない停止を解決する保管システムが説明されている。各充電ステーションは、各車両上の電力貯蔵源を充電する能力を有する。しかしながら、WO2015/104263A2に開示された解決策は、電源の配置が保管コンテナのために利用可能な空間と車両の全体的な安定性の両方を低下させるという点で欠点を有する。さらに、電力貯蔵源を充電ステーションに接続するために使用されるフックシステムは、かなり複雑であり、したがってよりサービス集約的であり、故障しがちである。加えて、先行技術のフックシステムは、横方向の電力貯蔵源の支持が制限されることにより、接続された電力貯蔵源の潜在的な横の広がりを制限する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
本明細書に記載された本発明の解決策は、WO2015/104263A2に開示されるような保管システムのさらなる発展を示すものとみなすことができ、空間および安定性に関する上述した欠点が緩和される。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明は、独立請求項に記載されるとともに特徴付けられ、一方、従属請求項は、本発明の他の特徴を説明する。
【0030】
第1の態様では、本発明は、
水平面に配置され、第1の方向に延びる第1のセットの平行な軌道と、水平面に配置され、第1の方向に直交する第2の方向に延びる第2のセットの平行な軌道とを備えた軌道システムであって、第1および第2のセットの軌道は、複数の隣接したグリッドセルを含む水平面内のグリッドパターンを形成し、各グリッドセルは、第1のセットの軌道の一対の隣接した軌道、および第2のセットの軌道の一対の隣接した軌道によって規定されたグリッド開口部を備える、軌道システムと、
軌道システムの真下に位置する複数の保管コラムであって、各保管コラムは、グリッド開口部の垂直下方に位置し、保管コンテナのスタックを保管するように配置される、複数の保管コラムと
スタックに積み重ねられた少なくとも1つの保管コンテナを持ち上げるためのコンテナ取扱車両であって、コンテナ取扱車両は、グリッド開口部を介して保管コンテナにアクセスするように、保管コラムの上方の軌道システム上で横に移動するように構成されており、
コンテナ取扱車両は、保管コンテナを保管する少なくとも1つの保管室を備えた下部、下部の垂直上方に配置された上部、軌道システムに沿ってコンテナ取扱車両を案内する車輪組立体、および交換可能な電源を収容する電源室を備える、コンテナ取扱車両と、
電源充電接続部を有する電源室に収容するための交換可能な電源と、
交換可能な電源を充電するための充電ステーションであって、電源充電接続部との電気接続を生成するように構成された充電接続部、および充電中に電源を解除可能に支持する電源支持体を備えた充電ステーションと
を備え、
電源室は、コンテナ取扱車両の上部に配置され、第1の方向または第2の方向の方に面する開口部を介して交換可能な電源を受容するように構成される、自動保管および取出しシステムを提供する。
【0031】
言い換えると、電源室は、少なくとも1つの保管室のレベルの上方のレベルに配置される。電源室は、少なくとも1つの保管室の直接上方に延在してもよい。
【0032】
本システムの一実施形態では、電源支持体は、放電した電源を取出すまたは充電した電源を挿入するために電源室の中に延びるように配置されている。
【0033】
電源支持体は、支持された電源が電源支持体に対して上向き方向に単に解除されてもよいように配置される。
【0034】
電源支持体を電源室の中に延びるように配置させたことによって、電源は、電源を車両のコネクタに確かに結合するのに十分な安定性を同時に維持しつつ、コンテナ取扱車両の側面(または水平の周囲)から横に隔たった車両内の位置に導入されてもよい。
【0035】
本システムの一実施形態では、電源室は、電源室内の所定の位置に電源を保持するように配置された電源ロック組立体を備える。
【0036】
言い換えると、電源組立体は、収容された電源が電源室に対して移動するのを防ぐように配置される。言い換えると、電源ロック組立体は、電源が電源室に対して横に/水平に移動するのを防ぐ。
【0037】
本システムの一実施形態では、電源ロック組立体は、電源ロック組立体が所定の位置に電源を保持することができる第1の位置と電源が移動され得る第2の位置との間で移動可能である。
【0038】
本システムの一実施形態では、電源ロック組立体は、解除可能なロック機構によって第1の位置でロックされる。
【0039】
本システムの一実施形態では、電源支持体は、解除可能なロック機構および/または電源ロック組立体と相互作用するように配置され、電源ロック組立体は、電源支持体が、放電した電源を取出すまたは充電した電源を挿入するために電源室の中に延ばされるときに、第2の位置に移動することができるようになっている。
【0040】
解除可能なロック機構は、ロック機構が解除されるように、電源支持体と相互作用するように配置される少なくとも1つの枢動アームを備えてもよい。
【0041】
本システムの一実施形態では、電源ロック組立体は、コンテナ取扱車両の上部に枢動可能に接続され、電源ロック組立体は、第1の位置と第2の位置の間で枢動することができるようになっている。
【0042】
本システムの一実施形態では、電源支持体は、横に延びる2つの案内アームを備え、2つの案内アームの間で、交換可能な電源は支持され得る。
【0043】
各案内アームの少なくともセクションは、電源室の中に延びるように配置されてもよく、および/または少なくとも1つの案内アームの少なくとも端セクションは、電源室の中に延びるように配置されてもよく、および/または電源を間で支持することができる案内アームの少なくともセクションは、電源室の中に延びるように配置される。
【0044】
本システムの一実施形態では、案内アームのうちの少なくとも1つは、解除可能なロック機構および/または電源ロック組立体と相互作用する端を備える。
【0045】
言い換えると、案内アームのうちの少なくとも1つは、電源ロック組立体が第2の位置に移動することができるように、解除可能なロック機構および/または電源ロック組立体と相互作用する端を備えてもよい。案内アームのうちの少なくとも1つの端は、楔形であ
ってもよい。
【0046】
本システムの一実施形態では、交換可能な電源は、電源の2つの反対側の側面の各々に配置された支持リブを備え、各支持リブは、電源支持体の対応する案内アームと相互作用するように配置される。支持リブは、電源の反対側側壁で横に/水平に延びてもよい。
【0047】
本システムの一実施形態では、各支持リブは、案内アームにそれぞれ配置された対応する突出部または凹部と相互作用する凹部または突出部を備える。
【0048】
本システムの一実施形態では、相互作用する凹部および突出部は、電源支持体によって支持されるときに、電源は横移動が妨げられるように配置される。
【0049】
本システムの一実施形態では、電源ロック組立体は、ロック要素を備え、ロック要素は、電源が電源室内に配置されるとともに、電源ロック組立体が第1の位置にあるときに、電源と相互作用するように配置され、随意に、支持リブを介して電源の2つの反対側の側面の各々に配置され、電源は、少なくとも横方向に移動するのが妨げられるようになっている。
【0050】
本システムの一実施形態では、ロック要素は、構造要素によって相互接続された長手方向の2つの側壁上に配置され、側壁は、互いに対して固定されるようになっている。
【0051】
本システムの一実施形態では、構造要素は、電源が電源室内に配置され、電源ロック組立体が第1の位置にあるときに電源を少なくとも一部カバーするように配置された電源カバーである。
【0052】
本システムの一実施形態では、電源ロック組立体は、長手方向の2つの側壁、構造要素、または電源カバーを介してコンテナ取扱車両の上部に枢動可能に接続される。
【0053】
本システムの一実施形態では、車輪組立体は、第1のセットの軌道に係合するように配置された第1のセットの車輪と、第2のセットの軌道に係合するように配置された第2のセットの車輪とを備え、第1のセットの車輪は、上側車輪位置と下側車輪位置の間で移動可能であり、第1のセットの車輪は下側車輪位置で第1のセットの軌道に係合するとともに、第2のセットの車輪は上側車輪位置で第2のセットの軌道に係合するようになっている。
【0054】
言い換えると、第1のセットの車輪は、コンテナ取扱車両の上部に対して上側位置と下側位置の間で移動可能であり、第1および第2のセットの軌道に対しての電源室のレベルは、それぞれ下側レベルと上側レベルの間で移動可能であるようになっている。
【0055】
本システムの一実施形態では、電源ロック組立体は、電源支持体が電源室の中に延び、第1のセットの車輪が下側車輪位置にあるときに、第1の位置にあるように配置される。
【0056】
本システムの一実施形態では、電源ロック組立体は、電源支持体が電源室の中に延び、第1のセットの車輪が上側車輪位置にあるときに、第2の位置にあるように配置される。
【0057】
システムの一実施形態では、電源は、電源支持体が電源室の中の延びるとともに、第1のセットの車輪が上側車輪位置にあるときに、電源支持体によって支持されるように配置される。
【0058】
本システムの一実施形態では、電源は、電源支持体から分離しているように配置され、
電源支持体が電源室の中に延び、第1のセットの車輪が下側車輪位置にあるときに、電源室の内側に配置された少なくとも1つの支持面によって支持される。少なくとも1つの支持面は、上向きに向いている面とすることができる。
【0059】
本システムの一実施形態では、電源支持体は、軌道システムに対して一定レベルに配置され、充電接続部は、軌道システムに対して下側接続位置と上側接続位置の間で移動可能であり、
下側接続位置で、電源が電源支持体によって支持されるときに、充電接続部は、電源充電接続部のレベルに対応するレベルで配置され、
上側接続位置で、電源が電源室内に収容されるとともに、第1のセットの車輪が下側車輪位置にあるときに、充電接続部は、電源充電接続部のレベルに対応するレベルで配置される。
【0060】
充電接続部は、電源支持体に対して下側接続位置と上側接続位置の間で移動可能であるように規定することもできる。
【0061】
本システムの一実施形態では、充電接続部は、上側接続位置の方へ付勢される。
【0062】
言い換えると、電源支持体が電源を支持しないとき、充電接続部は、上側接続位置にある。充電接続部は、ばねなどの任意の適切な弾性要素によって上側接続位置の方へ付勢されてもよい。
【0063】
充電接続部および電源充電接続部は、プラグ/ソケット接続であってもよい。充電接続部は充電ソケットであってもよく、電源充電接続部は対応する電源充電プラグであってもよく、またはその逆も同様である。
【0064】
第2の態様では、本発明は、電源充電接続部を備える交換可能な電源のための充電ステーションであって、充電ステーションは、電源充電接続部との電気接続を生成するように構成された充電接続部と、充電中に電源を解除可能に支持する電源支持体とを備え、充電接続部は、電源支持体に対して下側接続位置と上側接続位置の間で移動することができ、
下側接続位置で、充電接続部は、電源が電源支持体によって支持されるとき、電源充電接続部のレベルに対応するレベルで配置され、
充電接続部は、電源支持体が電源を支持していないときに、充電接続部が上側接続位置にあるように、上側接続位置の方へ付勢される充電ステーションを提供する。
【0065】
充電ステーションの一実施形態では、電源支持体は、交換可能な電源を支持することができる横に延びる2つの案内アームを備え、少なくとも1つの案内アームは、電源を支持することができる案内アームのセクションを越えて延びる楔形の端を備える。
【0066】
充電ステーションの一実施形態では、電源支持体は、交換可能な電源を間で支持することができる横に延びる2つの案内アームを備え、少なくとも1つの案内アームは、電源を間で支持することができる案内アームのセクションを越えて延びる楔形の端を備える。
【0067】
充電ステーションの一実施形態では、各案内アームは、電源を間でまたはこれによって支持することができる案内アームのセクションを越えて延びる楔形の端を備える。
【0068】
充電ステーションの一実施形態では、各案内アームのセクションは、電源と相互作用するための少なくとも1つの凹部または突出部を備え、支持された電源の横移動が妨げられるようになっている。言い換えると、各案内アームのセクションは、電源と相互作用するための少なくとも1つの凹部または突出部を備え、充電接続部に対して支持された電源の
横移動が妨げられるようになっている。
【0069】
充電ステーションは、第1の態様によるシステムの充電ステーションに存在する特徴のいずれかを含むことができる。
【0070】
第3の態様では、本発明は、第1の態様のいずれかの実施形態による自動保管システムのためのコンテナ取扱車両であって、保管コンテナを保管する少なくとも1つの保管室を備えた下部、下部の垂直上方に配置された上部、軌道システムに沿ってコンテナ取扱車両を案内する車輪組立体、および交換可能な電源を収容する電源室を特徴とし、車輪組立体は、軌道システムの第1のセットの軌道に係合するように配置された第1のセットの車輪と、車輪システムの第2のセットの軌道に係合するように配置された第2のセットの車輪とを備え、第1のセットの車輪は、上側位置と下側位置の間で移動することができ、第1のセットの車輪が下側位置で第1のセットの軌道と係合し、第2のセットの車輪が上側位置で第2のセットの軌道に係合するようになっており、電源室は、第1のセットの車輪が下側位置にあるときに車両が移動できる方向に面する開口部を介して、交換可能な電源を受容するように配置される、コンテナ取扱車両を提供する。
【0071】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、電源室は、電源室内の所定の位置に電源を保持するように配置された電源ロック組立体を備え、電源ロック組立体は、コンテナ取扱車両の上部に枢動可能に接続され、電源ロック組立体は、電源ロック組立体が所定の位置に電源を保持することができる第1の位置と電源が移動され得る第2の位置との間で枢動できるようになっている。
【0072】
コンテナ取扱車両の一実施形態では、電源ロック組立体は、解除可能なロック機構によって第1の位置でロックされる。
【0073】
コンテナ取扱車両は、第1の態様によるシステムのコンテナ取扱車両に存在する特徴のいずれかを含むことができる。
【0074】
電源支持体を備える充電ステーションを用いてコンテナ取扱車両の電源室内に収容された電源を充電する方法であって、
コンテナ取扱車両は、水平面内に配置され、第1の方向の延びる第1のセットの平行な軌道と、水平面内に配置され、第1の方向に直交する第2の方向に延びる第2のセットの平行な軌道とを備えた軌道システム上で移動するように構成され、第1および第2のセットの軌道は、複数の隣接したグリッドセルを含む水平面内のグリッドパターンを形成し、各グリッドセルは、第1のセットの軌道の一対の隣接した軌道、および第2のセットの軌道の一対の隣接した軌道によって規定されたグリッド開口部を備える方法において、
a)充電ステーションの電源支持体が、電源を保管する電源室に少なくとも部分的に入っている位置であって、充電ステーションの少なくとも1つの充電接続部が、電源の少なくとも1つの電源充電接続部と電気接触するように設定される位置へ、コンテナ取扱車両を移動させるステップと、
b)コンテナ取扱車両の電源室から電源支持体へ電源を移送するステップと、
c)コンテナ取扱車両を逆転させ、充電時に充電ステーション上に電源を残すステップと
を含む方法。
【0075】
方法の一実施形態では、コンテナ取扱車両の電源室から電源支持体へ電源を移送するステップは、下にある軌道システムに対して電源室の高さを調整することによって実現される。
【0076】
方法の一実施形態では、ステップa)中、電源室は、軌道システムに対して上側位置にある。
【0077】
方法の一実施形態では、コンテナ取扱車両は、保管コンテナを保管する少なくとも1つの保管室を表示する下部と、下部の垂直上方に配置された上部とを備え、電源室は、コンテナ取扱車両の上部に位置する。
【0078】
第3の態様による方法では、コンテナ取扱車両および充電ステーションは、第1、第2、および第3の態様の実施形態に定められた特徴のいずれかを含んでもよい。
【0079】
方法の一実施形態では、車輪組立体は、第1のセットの軌道に係合するように配置された第1のセットの車輪と、第2のセットの軌道に係合するように配置された第2のセットの車輪とを備え、第1のセットの車輪は、上側車輪位置と下側車輪位置の間で移動可能であり、第1のセットの車輪は下側車輪位置で記第1のセットの軌道に係合するとともに、第2のセットの車輪は上側車輪位置で第2のセットの軌道に係合するようになっている。
【0080】
方法の一実施形態では、第1のセットの車輪は、ステップb)において上側車輪位置へ移動させられ、ステップa)の間、下側車輪位置にある。
【0081】
充電ステーションは、受電中に電源を解除可能に支持する、解除可能に保持する、または解除可能に吊るす電源支持体をさらに備えてもよい。この構成では、電源支持体は、コンテナ取扱車両の電源カバーの少なくとも1つの開口部の対応する垂直高さのレベルもしくはおおよそそのレベルで、または少なくとも1つの電源室の垂直高さで軌道システムの上方の垂直高さDに配置されてもよい。
【0082】
好ましくは、充電ステーションは、軌道システムの周辺に、またはその周囲に隣接して配置され、水平面(P)に沿って軌道システムの中にある距離だけ延びる。しかしながら、充電ステーションは、概して、充電ステーションがコンテナ取扱車両から届く範囲内にある限り、軌道システム上またはその外側のどこかに配置されてもよいことに留意されたい。
【0083】
電源支持体に加えて、充電ステーションは、軌道システムに直接または間接的に取り付けられた下端を備えた充電ステーションコラムをさらに備えてもよい。この構成では、電源支持体は、コンテナ取扱車両の下部の対応する垂直高さ以上である軌道システムに対しての垂直高さDにある充電ステーションコラム上に、そこに、またはその近くに配置されることが好ましい。この構成の場合、電源は、電源交換中のさらなる垂直調整を必要とすることなく、またはそれが最小の必要性で、保管室の上方に配置される電源室に入ることができる。
【0084】
充電ステーションの電源支持体は、コンテナ取扱車両内の電源の垂直高さに等しいまたはほぼ等しい軌道システムからの垂直距離Dで配置されてもよく、電源支持体は、充電中に電源を解除可能に支持するように構成される。
【0085】
さらに、充電ステーションは、軌道システムの水平面にまたはその近くに固定された下端を備えた充電ステーションコラムを備えてもよい。
【0086】
電源支持体は、水平分離している2つの案内ピン(すなわち、案内アーム)を備えてもよく、2つの案内ピンは、充電ステーションコラムの外周から距離Lだけ延びる。上端の反対側の各案内ピンの端は、電源室の中への挿入を助けるように、および/または電源室に電源をうまく挿入することを可能にする解除機構を作動させるように、楔形であること
が有利であり得る。楔形は、案内ピンの上面および下面に対しての先細り端面として定義されることに留意されたい。
【0087】
電源は、第1の方向(X)の電源のサイズに対応する奥行き、第2の方向(Y)の電源のサイズに対応する幅、および水平面(P)に直角をなす電源のサイズに対応する高さを有することができ、好ましくは、上述した2つの案内ピン間の水平分離距離は、電源の幅以下である。
【0088】
さらに、充電ステーションコラムの下端は、軌道システムの第1のセットの平行な軌道および第2のセットの平行な軌道内またはその上に配置される充電ステーション基部板を備えてもよい。
【0089】
充電接続部は、軌道システムに対して垂直に変位可能であり得、例えば、充電ステーションコラムに弾性的に接続される。
【0090】
本発明は、電源支持体を備える充電ステーションを用いるコンテナ取扱車両の電源室内に配置された電源を充電する方法にも関する。
【0091】
電源は、電池またはコンデンサなどの電力を発生させることができる任意の装置であり得る。
【0092】
充電ステーションは、充電ステーションコラムを備えてもよく、この充電ステーションコラムは、水平面(P)内に配置され、第1の方向(X)に延びる第1のセットの平行な軌道と、水平面(P)内に配置され、第1の方向(X)に直交する第2の方向(Y)に延びる第2のセットの平行な軌道と、下端からある距離で延びる上端とを備える軌道システムに取り付けられるようになされた下端をさらに備えてもよい。距離は、軌道システムを動作させるときにコンテナ取扱車両の下部の垂直高さ以上、例えば20cm、25cm、または30cm以上であり得る。後者の高さは、自動保管および取出しシステム内に保管される保管コンテナの典型的な高さを表す。代替として、距離は、コンテナ取扱車両の高さ以上であり得る。
【0093】
コンテナ取扱車両の高さは、以下、アンテナ等などの何らかの鋭い突出部分を除外して、軌道システムを車両の最上位置に接触する最下位置からの垂直距離として定義される。
【0094】
充電ステーションは、例えば、充電ステーションコラム総距離の20%以下である上端の末端からある距離の範囲内で、上端上に、上端に、または上端の近くの位置に、固定された電源支持体をさらに備える。充電ステーションコラムの下端から電源支持体までの距離Dは、軌道システムを動作させるときのコンテナ取扱車両の下部の上方に配置された電源の垂直高さに等しいまたはほぼ等しいものであり得る。距離Dは、例えば、自動保管および取出しシステム内に保管される保管コンテナの典型的な高さ以上、すなわち、20cm、または25cm、または30cm以上とすることができる。
【0095】
電源支持体は、充電中に電源を解除可能に支持する、保持する、または吊るすように構成することができる。
【0096】
電源支持体は、充電ステーションコラムの外周、好ましくは上端の外周から距離Lだけ延びることができ、距離Lは電源の幾何学的サイズに等しくまたはほぼ等しく、幾何学的サイズは、長さ、幅、対角線、および直径のうちの1つである。例えば、電源が、幅、高さ、および奥行きを有する矩形の箱のような全体的形状を有する場合、奥行きは、電源の前壁と背壁の間の長さであり、距離Lは、電源の奥行きに等しいまたはほぼ等しいもので
あり得る。
【0097】
加えてまたは代替として、距離Lは、車両が充電位置にあるとき、充電ステーションコラムの外周、例えば上端の外周から車両の水平中心点、または車両のほぼ水平中心点までの距離であり得る。
【0098】
用語「ほぼ水平中心点」は、例えば、真の水平中心点からの水平距離として定義することができ、電源支持体の方向の車両の水平の広がりの1/4未満である。
【0099】
また、電源支持体は、充電ステーションコラムの外周から距離Lだけ延びる2つの案内ピン(すなわち、案内アーム)を含み得る。2つの案内ピン間の水平分離は、上述したように、電源の幾何学的サイズに等しいまたはほぼ等しいものであり得、例えば、矩形の箱形状の場合には、電源の幅に等しいまたはほぼ等しい。好ましくは、2つの案内ピンは、水平面(P)内で相互に位置合わせされる。
【0100】
案内ピンの端は、動作中にコンテナ取扱車両内の電源室の入口開口部にまたはその近くに配置された解除機構と相互作用する楔形などの異なる形態を有してもよい。楔形は、例えば、解除機構の一部を構成する枢動アームの枢動を引き起こすことができ、枢動アームの枢動移動によって電源が電源室の中に摺動することを可能にする。しかしながら、並進移動、または枢動移動と並進移動の組合せに基づく解除機構などの他の機構が考えられ得る。
【0101】
充電ステーションコラムの下端は、軌道システムへの安定した結合を可能にするために充電ステーション基部板を備えてもよい。充電ステーション基部板は、軌道システムの第1のセットの平行な軌道内および第2のセットの平行な軌道内に適合するように構成される。例えば、基部板の周辺は、グリッドセル内の軌道の2つ以上の内側側壁に固定されてもよい。代替として、または加えて、基部板は、軌道に装着されてもよいが、車両がそれぞれのグリッドセルに入るときに、基部板がコンテナ取扱車両の車輪に干渉しないようになっている。
【0102】
充電ステーションは、充電ステーションコラムに、好ましくは充電ステーションコラムの上半分に、より好ましくは上端の末端からの距離が充電ステーションコラムの総距離の25%以下である範囲内にあるコラムの位置に配置された電気ソケットまたは電気プラグなどの充電接続部をさらに備えてもよい。この充電接続部は、電源上に配置された対応する電源充電接続部を介して充電される電源との電気通信を確立するように適合される。
【0103】
さらに、有利には、充電接続部は、充電ステーションコラムに対して垂直に変位可能であり得る。一構成では、充電接続部は、例えば充電接続部が上側位置の方へ付勢されるばねシステムによって充電ステーションコラムに弾性的に接続され得る。
【0104】
コンテナ取扱車両は、保管コンテナを収容するためのコンテナを受容する保管空間と、スタックの保管位置と保管空間内の搬送位置との間で垂直に保管コンテナを搬送するように配置された持ち上げ装置とを備えてもよい。持ち上げ装置は、保管コンテナを解除可能に把持するように構成された把持装置と、保管空間に対して把持装置を持ち上げたり下げたりするように構成された持ち上げ用モータとを備えることができる。
【0105】
コンテナを受容する保管空間は、コンテナ取扱車両の下部内で中央に配置されてもよい。
【0106】
転がり装置は、保管空間の周辺に配置される車輪を備えてもよい。
【0107】
保管室の上方に電源室および電源を配置することによって、電源は、コンテナのために利用可能な保管空間を減少させることなく、車両の中により深く配置することができる。
【0108】
加えて、電源の配置が車両の水平の広がりの中により深い、すなわち、車両の重心軸へより近いもしくはそこにあると、車両の全体的な安定条件を増加させる。
【0109】
以下では、権利主張される充電ステーション、システム、および方法の実施形態の徹底的な理解を与えるために、多数の特定の詳細が、単なる例によって導入される。しかしながら、当業者は、これらの実施形態については、特定の詳細のうちの1つまたは複数がなくて、また他の構成要素、システムなどを用いて実施することができると認識しよう。他の例では、開示された実施形態の態様をあいまいにするのを防ぐために、よく知られている構造または動作は示されておらず、または詳細に説明されない。
【0110】
以下の図面は、本発明の理解を容易にするために添付される。図面は、本発明の実施形態を示しており、次に、この図面を例のみによって説明する。
【図面の簡単な説明】
【0111】
図1】先行技術の自動保管および取出しシステムのグリッドの斜視図である。
図2】保管コンテナを内部に保管する中央に配置された空洞を有する先行技術のコンテナ取扱車両の斜視図である。
図3】保管コンテナを真下に保管する片持ち梁を有する先行技術のコンテナ取扱車両の斜視図である。
図4】先行技術のシングルレールグリッドの平面図である。
図5】先行技術のダブルレールグリッドの平面図である。
図6図1による自動保管および取出しシステムの軌道システムの平面図である。
図7】本発明の例示的な一実施形態による2つのコンテナ取扱車両を含む自動保管および取出しシステムの斜視図である。
図8図7の自動保管および取出しシステムの平面図である。
図9図7および図8による自動保管および取出しシステムの側面図である。
図10】車両の上部カバーおよび側面パネルが取り除かれている、図7から図9によるコンテナ取扱車両の斜視図である。
図11図10によるコンテナ取扱車両の側面図である。
図12図10および図11によるコンテナ取扱車両の断面側面図である。
図13A】保管グリッドに設置された充電ステーションを備える本発明の別の実施形態による自動保管および取出しシステムの図であり、充電ステーションの斜視図である。
図13B】保管グリッドに設置された充電ステーションを備える本発明の別の実施形態による自動保管および取出しシステムの図であり、X方向に沿った充電ステーションの側面図である。
図13C】保管グリッドに設置された充電ステーションを備える本発明の別の実施形態による自動保管および取出しシステムの図であり、Y方向に沿った充電ステーションの側面図である。
図14A図7から図9によるコンテナ取扱車両を備えた図13による自動保管および取出しシステムの斜視図であって、充電ステーションから車両の電力貯蔵源室へ移送される電力貯蔵源を順序通り示す図である。
図14B図7から図9によるコンテナ取扱車両を備えた図13による自動保管および取出しシステムの斜視図であって、充電ステーションから車両の電力貯蔵源室へ移送される電力貯蔵源を順序通り示す図である。
図14C図7から図9によるコンテナ取扱車両を備えた図13による自動保管および取出しシステムの斜視図であって、充電ステーションから車両の電力貯蔵源室へ移送される電力貯蔵源を順序通り示す図である。
図14D図7から図9によるコンテナ取扱車両を備えた図13による自動保管および取出しシステムの斜視図であって、充電ステーションから車両の電力貯蔵源室へ移送される電力貯蔵源を順序通り示す図である。
図14E図7から図9によるコンテナ取扱車両を備えた図13による自動保管および取出しシステムの斜視図であって、充電ステーションから車両の電力貯蔵源室へ移送される電力貯蔵源を順序通り示す図である。
図14F図7から図9によるコンテナ取扱車両を備えた図13による自動保管および取出しシステムの斜視図であって、充電ステーションから車両の電力貯蔵源室へ移送される電力貯蔵源を順序通り示す図である。
図15A】電力貯蔵源に装着された充電ステーションを車両の電力貯蔵源室に挿入する順序の一例として示す例示的な自動保管および取出しシステムの側面図である。
図15B】電力貯蔵源に装着された充電ステーションを車両の電力貯蔵源室に挿入する順序の一例として示す例示的な自動保管および取出しシステムの側面図である。
図15C】電力貯蔵源に装着された充電ステーションを車両の電力貯蔵源室に挿入する順序の一例として示す例示的な自動保管および取出しシステムの側面図である。
図15D】電力貯蔵源に装着された充電ステーションを車両の電力貯蔵源室に挿入する順序の一例として示す例示的な自動保管および取出しシステムの側面図である。
図16】本発明の一実施形態による充電ステーションに解除可能に接続されたコンテナ取扱車両の側面図である。
図17】充電可能な電力貯蔵源の斜視図である。
図18】コンテナ取扱車両の電池室内の動作位置に配置された図17の充電可能な電力貯蔵源のX方向に沿った断面図である。
図19】本発明の第2の実施形態によるコンテナ取扱車両の斜視図である。
図20A】本発明の第3の実施形態に係るコンテナ取扱車両の斜視側面図である。
図20B】本発明の第3の実施形態に係るコンテナ取扱車両の斜視側面図である。
図21】本発明による充電ステーションの一実施形態の斜視図である。
図22図21の充電ステーションの詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0112】
図面では、同じ参照番号は、別段明示的に示されない限り、または文脈から暗黙的に理解されない限り、同じ部分、要素、または特徴を示すために使用されている。
【0113】
以下において、本発明の実施形態は、添付図面を参照してより詳細に説明される。しかしながら、図面は、本発明を図面に描かれた主題事項に限定することを意図しないと理解されたい。
【0114】
自動保管および取出しシステム1の枠組み100は、図1図6に関連して上述された先行技術の枠組み100、すなわち、いくつかの垂直部材102、およびこの垂直部材102によって支持されるいくつかの水平部材103に従って構築され、さらに、枠組み100は、保管コラム105の上部/グリッドコラム112にわたって配置されたX方向およびY方向の平行な軌道110、111の軌道システム108を備える。グリッドコラム112の水平面積、すなわち、X方向およびY方向に沿った面積は、それぞれ隣接したレール110と111との間の距離によって規定することができる(図4図6参照)。
【0115】
図1では、グリッド104は、8個のセルの高さで示される。しかしながら、原理上のグリッド104は、任意のサイズであってもよいと理解される。特に、グリッド104は、図1に開示されたものよりもかなり広く、および/または長く、および/または深いものであり得ることが理解される。例えば、グリッド104は、700×700個より多く
のグリッドセルの水平の広がり、および12個より多くのグリッドセルの奥行きを有することができる。
【0116】
次に、本発明による自動保管および取出しシステムの一実施形態を、図7から図12を参照してより詳細に説明する。
【0117】
図に示されたコンテナ取扱車両3の正確な構成は異なる場合がある。しかしながら、自動保管および取出しシステム1の全ての車両3は、車両本体17と、この車両本体17の下側セクションまたは部分17a(図12参照)に配置された車輪組立体18(または任意の他の転がり手段/転がり装置)とを備え、コンテナ取扱車両3の横移動、すなわち、コンテナ取扱車両3の車両3の移動(図7図8参照)を可能にするようになっている。
【0118】
車輪組立体/転がり装置18は、第1のセットの軌道110の一対の軌道110a、110bに係合するように配置された第1のセットの車輪19と、第2のセットの軌道111(図8参照)の一対の軌道111a、111bに係合するように配置された第2のセットの車輪20とを備える。車輪19、20のセットの少なくとも1つは、持ち上げたり下げたりすることができ、それによって第1のセットの車輪19および/または第2のセットの車輪20は、どの時点においても軌道110、111のそれぞれのセットに係合するようにもたらされ得る。持ち上げ/下げの手順は、例えば、車両3の上部17bに配置された持ち上げ用モータを使用することで、それぞれの車輪19、20に取り付けられた側板25(図12参照)を持ち上げることによって行うことができる。
【0119】
車輪19、20の各セットは、車両3の側面に沿って配置された4つの車輪19a、19b、19c、19d;20a、20b、20c、20dを備える。車輪19aおよび19bは、第1の垂直面に配置され、車輪19cおよび19dは、第1の垂直面に平行である第2の垂直面に配置されるとともに、レール110aと110b(例えば、図8参照)の間の距離に対応する第1の垂直面からの距離に配置される。車輪20aおよび20bは、車輪19a、19b、19c、および19dが配置される各垂直面に直交する第3の垂直面に配置され、車輪20cおよび20dは、第3の垂直面に平行である第4の垂直面に配置されるとともに、レール111aと111bの間の距離に対応する第3の垂直面からの距離に配置される。
【0120】
各セット19、20の車輪の少なくとも1つは、軌道システム108に沿って車両3を推進させるためにモータが付けられる。有利には、各セット19、20の少なくとも1つのモータ付き車輪は、ハブモータ、すなわち、車輪のハブに結合されるまたは車輪のハブに組み込まれる電気モータを備え、車輪を直接駆動する。そのようなモータを備えたコンテナ取扱車両の一例は、WO2016/120075A1に開示されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0121】
各コンテナ取扱車両3は、軌道システム108(図8参照)にわたって保管コンテナ106を搬送するときに保管コンテナ106を受容および保持するための車両本体17の下部17a(図12参照)内に配置された保管室または箱保管空間24を備える。箱保管空間24は、下方から、すなわち、コンテナ取扱車両3の底にある開口部からアクセスすることができる。図7図16に示された特定の車両構成では、箱保管空間24は、車両本体17内で中央にまたはほぼ中央に配置される。
【0122】
各コンテナ取扱車両3は、保管コンテナ106を垂直搬送するための、例えば、保管コラム105から保管コンテナ106を持ち上げ、保管コンテナ106を箱保管空間24に運び、また保管コンテナ106を保管空間24から保管コラム105の中に下げるための持ち上げ装置21(図10および図12参照)も備える。持ち上げ装置21は、保管コン
テナ106に解除可能に係合するように配置される把持装置22を備える。持ち上げ装置21は、車両本体17に対しての把持装置22の位置が第3の方向Z、すなわち、第1の方向Xおよび第2の方向Y(図7に参照)に直交する第3の方向Zに調整可能であり得るように把持装置22を下げたり持ち上げたりするモータ付きの持ち上げ機構23も備える。図10および図12に示された車両構成では、把持装置22は、持ち上げ板22bの真下で取り付けられた遠隔で操作される爪部22aを備える。持ち上げ板22bは、モータ付きの持ち上げ機構23の一部を構成する複数のベルト(図示せず)に接続することができる。
【0123】
モータ付きの持ち上げ機構23は、充電可能な電池28(図10参照)を装着するための電池カバーまたは格納部27の下方、および箱保管空間24を備えた下部17aの上方で車両本体17(図12参照)の上部17bに配置される。
【0124】
保管グリッド104に保管された保管コンテナ106がアクセスされるとき、コンテナ取扱車両3のうちの1つが、目標の保管コンテナ106を保管グリッド104内のその位置からを取出し、目標の保管コンテナ106をアクセスステーション(図示せず)へ搬送するように指示され、そこで保管コンテナ106は、保管グリッド104の外側からアクセス可能となり、または保管グリッド104から外へ移送可能となる。この動作は、目標の保管コンテナ106が配置される保管コラム105の上方のグリッドセル122へコンテナ取扱車両3を移動させることと、コンテナ取扱車両の持ち上げ装置21を用いて保管コンテナ106を保管コラム105から取出すこととを含む。持ち上げ装置21は、保管コンテナ106を保管コラム105からグリッドセル122のグリッド開口部115を通じて車両3の保管空間24の中に持ち上げる。
【0125】
目標の保管コンテナ106が(図1に示された)スタック107内に深く位置する場合、すなわち、1つまたは複数の他の保管コンテナが目標の保管コンテナ106の上方に配置されている場合、動作は、保管コラム105から目標の保管コンテナ106を持ち上げる前に、上方に配置された保管コンテナを一時的に移動することも含む。このステップは、当技術分野内で「掘り起こし」と呼ばれる場合があり、目標の保管コンテナ106をアクセスステーションへ搬送するために続いて使用される同じコンテナ取扱車両3、または1つまたは複数の他の協働するコンテナ取扱車両3を用いて実施することができる。代替として、または加えて、自動保管および取出しシステム1は、保管コラム105から保管コンテナを一時的に取り除く作業に特に専用のコンテナ取扱車両、例えば、図19に示されたマルチコンテナ取扱車両5を有してもよい。目標の保管コンテナ106が保管コラム105から取り除かれてしまうと、一時的に取り除かれた保管コンテナは、元の保管コラム105の中に再配置することができる。代替としてまたは加えて、取り除かれた保管コンテナは、他の保管コラムに配置し直されてもよい。
【0126】
目標の保管コンテナ106がコンテナ取扱車両3の保管空間24の中に運ばれてしまうと、車両3は、保管コンテナ106をアクセスステーションへ搬送し、そこで保管コンテナ106が積み下ろしされる。典型的には、アクセスステーションは、保管グリッド104の周辺にあるグリッド位置を備えることができ、そこで保管コンテナ106は、適切なコンベヤシステム(図示せず)をさらに用いて手動でアクセス、または搬送され得る。
【0127】
保管コンテナ106が保管グリッド104に保管されることになるとき、コンテナ取扱車両3のうちの1つは、アクセスステーションも兼ね得る取上げステーション(図示せず)から保管コンテナ106を取り上げ、それをそれが保管されることになる保管コラム105の上方のグリッドセル122へ搬送するように指示される。保管コラムのスタック107内の目標の位置にまたはその上方に配置されたいずれかの保管コンテナが取り除かれた後、コンテナ取扱車両3は、保管コンテナ106を所望の位置に配置する。次いで、取
り除かれた保管コンテナは、保管コラム105の中に下げ戻され、または保管グリッド104内の他の保管コラムに配置し直され得る。
【0128】
コンテナ取扱車両3が互いに衝突することなく所望の保管コンテナ106が所望の時間に所望の位置へ送り届けられ得るように自動保管および取出しシステム1を監視および制御するために、自動保管および取出しシステム1は、制御システムを備え、典型的にはこの制御システムは、コンピュータ化されるとともに、例えば、保管グリッド104内のそれぞれの保管コンテナ106の位置、各保管コンテナ106の内容、およびコンテナ取扱車両3の移動を監視および制御するためのデータベースを備える。したがって、各車両3は、遠隔に位置する制御システムからおよびそこへの信号の送受信を可能にするために適切な送信および受信手段(すなわち、送信機-受信機システム)を備えている車載された制御および通信システム35を備えるべきである。典型的には、コンテナ取扱車両3は、無線通信手段を介して、例えば、IEEE 802.11(WiFi)規格の下で動作するおよび/または4G以上などの移動体電気通信技術を利用するWLANを介して制御システムと通信する。
【0129】
各コンテナ取扱車両3は、モータ付き転がり装置18、モータ付き持ち上げ機構23、および車載式の制御および通信システム35を含む車載機器に電力を供給する電池28(すなわち、交換可能な電源)を備える。
【0130】
図7図12および図14図16に示された各コンテナ取扱車両3は、設置面積、すなわち、軌道システム108との接触面積を有し、これは、グリッドセル122の水平面積と等しいまたはそれよりも少ない水平の広がりまたは面積を有する。言い換えると、例えば、保管コラム105から保管コンテナ106を持ち上げるまたは保管コラム105の中にコンテナ106を下げるために、車両3がグリッドセル122の上方に配置されるとき、車両3の設置面積は、グリッドセル122を越えて隣り合ったグリッドセル122の中に広がらない。車輪19a~19d、20a~20dは、箱保管空間24の周辺に配置され、車両3の設置面積は、車輪19a~19d、20a~20dを収容するために十分な分だけ保管空間24よりも大きい。このようにして、車両3の設置面積は、X-Y平面内のあり得る最小量の空間を占める。箱保管空間24は車輪のペア間、すなわち、ペア19aおよび19b、19cおよび19d、20aおよび20b、ならびに20cおよび20dの間に位置するので、保管箱106が保管空間24の中に持ち上げられるとき、車両3の重心は、やはり設置面積30内に位置する。
【0131】
さらに、車両3は、車輪19a~19d;20a~20dが配置される垂直面と同一平面にあるほぼ垂直の側壁26a~26d(図7図9図11、および図14図16参照)を備える。したがって、コンテナ取扱車両3の下部は、ほぼ立方体形状を有する。
【0132】
上述したように、車両3の上部17b(図12参照)は、電池カバー27を備え、この電池カバー27は、他のほぼ垂直の側壁26cおよび26d(例えば、図7図9、および図10参照)を越えてX方向に水平に突出することができる。この突出する電池カバー27は、車両3の電池28(図10参照)を格納するように構成される。
【0133】
例えば、1つまたは複数の交換可能な電池、1つまたは複数の固定された電池、1つまたは複数のコンデンサ、あるいはそれらの組合せなど、任意の種類の電力貯蔵源は、電池カバー27によってカバーされてもよく、または電池室27a内に配置されてもよいことに留意されたい。
【0134】
車両の側壁から突出している電池28(または任意の他の電力貯蔵源)をこのように配置することは、それが充電および/または電池交換ステーション40が充電または電池交
換のために電池28に容易にアクセスすることを可能にするので、有利であり得る。特に、電池交換スキームが使用される場合、この場合には、突出する電池カバー27が電池室または細長い穴27a(例えば、図12参照)を覆い、電池カバー27の突出している特徴は、電池交換作業中に電池28に有利な案内を与えることができる。
【0135】
しかしながら、電池を充電および交換するための非常に有利なシステムを提供するために、電池カバー27が、車両の側壁から突出することがいずれのやり方でも要求されないことは本説明から明らかである。車両の代替実施形態では、電池カバーは、車両の側壁から間隔をおいて配置することもできる。さらに、電池カバー27および電池28を上部17b内で箱保管空間24の十分上方に配置することによって、電池28は、箱106に利用可能な保管空間をかなり大きく減少させることなく、車両3の中により深く配置され得る。より大きい電池28の使用を可能にすることに加えて、電池が車両の側壁に配置される先行技術の解決策と比較して電池をより深く配置することによって、車両3についての全体的な安定条件を増加させる。本明細書中で用語「より深く」は、X-Y方向に、すなわち車両3の重心を通過する垂直軸に向かって横方向に、車両3の最も外側の周辺に対して定義される。
【0136】
代替として、または加えて、突出する電池カバー27は、下向きセンサ(図示せず)を保持することができ、これは、例えば、国際公開WO2017/037095A1(その内容は参照により本明細書に組み込まれる)に開示されるように、例えば、車両の一連の流れとして車両を動作させるときに、軌道システム108上の車両の位置、例えば、グリッドセル122に対する車両の位置決めを確立するために、または軌道システム108上の他の車両に対する車両の位置を確立するために使用することができる。
【0137】
例えば、グリッドセル122の垂直下方に位置する保管コラム105内のコンテナ106にアクセスするために車両3がグリッドセル122の上方に配置されるとき、この特定の実施形態において、電池カバー27は、隣り合ったグリッドセル122の上に延びる。言い換えると、車両3は、1つのグリッドセル122の水平の広がりを越えて延びないレールシステム108に対する接触面積を有するが、この車両3は、2つ以上のグリッドセル122を占める垂直の突出を有する。
【0138】
そのような構成は、通常、隣り合ったグリッドセル122、すなわち、第1の車両3の突出する電池カバー27が内部に延びるグリッドセルの上を第2の車両3が移動するのを防ぐ。これは、それが自動保管および取出しシステム1の全体的な能力を減少させ得るので問題であり得る。
【0139】
この特定の問題を解決するために、コンテナ取扱車両3は、突出する電池カバー27(図12参照)の反対で上部17bに配置される凹んだセクション29を備える。言い換えると、突出する電池カバー27および凹んだセクション29は、コンテナ取扱車両3の反対側に配置される。凹んだセクション29は、それらが隣り合ったグリッドセル122の上を通るときに他の車両の突出する電池カバー27を収容することができる。特に、凹んだセクション29は、突出する電池カバー27の形状に相補的である形状を有し、Y方向にコンテナ取扱車両3の全幅にわたって延び、したがって車両3が隣接したグリッドセル122の上を互いに通ることを可能にする。
【0140】
これは、図7図9に最も明確に示されており、これらは、第2の車両3bが隣り合ったグリッドセル122の上に位置する間に、グリッドセル122の上で動作するために近寄っている第1の車両3aを示す。車両3a、3bが同じ方向に向けられるとき、第1の車両3aの突出する電池カバー27aは、第2の車両3bの凹んだセクション29内に収容され、それによって車両3a、3bが妨げられずに通ることを可能にする。
【0141】
開示された実施形態では、各コンテナ取扱車両3の突出する電池カバー27は、X方向に延び、凹んだセクション29は、車両3の全幅にわたってY方向に延びる。しかしながら、代替として、突出しているセクションは、Y方向に延びてもよく、凹んだセクションは、車両3の全幅にわたってX方向に延びてもよいことが理解される。
【0142】
さらに別の代替構成では、車両は、上で開示されたように、突出する電池カバー27を備えることができるが、そこには、相補的な凹んだセクション29が存在しない。
【0143】
図5および図8に示された軌道システム108では、軌道システムを構成する各水平部材は、2つの軌道を備える。したがって、各水平部材は、2つ以上の車輪を平行に収容することができる。そのような軌道システム108では、図5に示されるように、隣り合ったグリッドセル122間の境界は、水平部材の中心線に沿って延びる。
【0144】
次に、上述した充電および/または電池交換ステーション40を、さらに詳細に、および特に図13図16を参照して説明する。
【0145】
以下充電ステーションと呼ばれる充電および/または電池交換ステーション40の一例が、斜視図(図13A)とX方向(図13B)に沿ったおよびY方向(図13C)に沿った側面図との両方において、図13に示される。
【0146】
図13図14に示された特定の実施形態では、充電ステーション40は、充電ステーション基部板41上に装着され、充電ステーション基部板41は、枠組み構造100の周辺におけるまたはその近くにおけるグリッドコラム112(図8参照)の上方の軌道システム108の隣り合ったレール110a、110b、111a、111bに(直接または間接的に)やはり固定される。以下、充電ステーション40を含む特定のグリッドコラム112は、充電ステーションセルと呼ばれる。
【0147】
図13図16に示された充電ステーション40は、下端42aにおいてベース板41に固定された垂直の車両充電ステーションコラム42を備える。充電ソケット45は、コラム42の上端42bに、すなわち下端42aの反対側に、またはその近くに、配置され、場合によっては充電電力を所望の電力レベルに変換する電力変圧器を介して、電源44に電気的に接続される。
【0148】
充電ソケット45は各車両3(図17参照)に設置された電池28上の充電プラグ46を受容するようにさらに構成され、それよって充電プラグ46が充電ソケット45に電気的に接続されると電力が流れることを可能にする。
【0149】
充電ソケット45は、充電ステーション42に弾性的に取り付けられ、充電ソケット45の位置は、外力が充電ソケット45に作用しないときに上側(非搭載)位置に、および充電ソケットが電気的に接続された電池28の重量にさらされるときに下側(搭載)位置に固定されるようになっている。この特徴は、充電ソケット45および充電プラグ46が、接続および切断中に、互いに対して同じレベルにあることを確かなものとする。充電ソケットを上側位置の方へ付勢させるとともに、電池の重量により下側位置に移動可能にさせることは、それが標準的なプラグ/ソケット充電コネクタを使用することを可能にするので、非常に有利な特徴である。付勢された充電ソケットを有する特徴なしで、プラグおよびソケットは、十分に接続されている間、互いに対して垂直に移動できなければならない(すなわち、接続中にそれらが移動する方向に直角をなす方向に互いに対して移動する)。そのようなプラグ/ソケット接続が考えられ得るが、それらは、必要な充電能力および信頼性を有するしっかりした接続を行うことができないと思われる。
【0150】
もちろん、充電ソケット45および充電プラグ46は、交換されてもよい。
【0151】
一般に、充電ステーション40と電池28の間の任意の種類の切断可能な電気接続が可能である。
【0152】
本明細書に説明されるように、自動保管および取出しシステム1は、典型的には軌道システム108の周辺に沿って配置される複数のそのような充電ステーション40を備えることができる。しかしながら、代替としてまたはさらに、1つまたは複数の充電ステーション40は、軌道システム108の中におよび/または十分外側にさらに配置されてもよい。後者の構成において、充電ステーション40は、車両3がそれらのそれぞれの充電ステーション40へ移動することを可能にするために、さらなるレールによって軌道システム108に接続されるべきである。
【0153】
次に、図14A図14F図15A図15D、および図16を特に参照して、考えられる電池交換の工程の1つを説明する。
【0154】
車両3であって、その放電したまたは一部放電した主電池28を、充電のためにその電池室27aから第1の充電ステーションへ移送した車両3は、充電したまたは一部充電した主電池28(図14Aおよび図15C参照)を保管する第2の充電ステーション40へ近づく。
【0155】
車両が充電ステーション保管セルに入ることを可能にするために、第1のセットの車輪19a~dは、下にある軌道システム108(図15A図15D参照)に接触すべきであり、充電ステーション30に最も近い第2のセットの車輪20a~dは、Y方向に沿って軌道111と干渉しないために、軌道システム108の上方に十分高くあるべきである。
【0156】
第2のセットの車輪20a~dのうちの2つの車輪20a、bが充電ステーション保管セルに入ったとき、かつ充電ステーション40が近づく車両3に接触している水平位置に到達する前に、車両3は、軌道システム108の方へ再び下げられる。上述したように、電池28の重量が充電ソケット45をその下側(搭載)位置まで下げさせるので、再びの下げは、電池交換の工程中に主電池28との正しい位置合わせを可能にするために行われる。車両3の下げは、交換手順の全体的な安定性をやはり増加させる。車両3の典型的な垂直変位は、5~15mm、例えば10mmである。
【0157】
したがって、充電ステーション40は、軌道システム108に対しての充電下の主電池28の高さが、車両3が下げられた位置にあるときに車両3上の電池室27aの対応する高さにおおよそ等しいように構成されるべきである。
【0158】
主電池28を欠く車両3の移動を可能にするために、例えば、公開WO2015/104263A1(その内容は参照により本明細書に組み込まれる)に開示されるのと同じまたは類似したように、補助電池が設置されてもよい。例えば、導体レールなどの外部動力源、手動干渉等の使用といった他の解決策も考えられ得る。
【0159】
充電ステーション40もしくは車両3、または両方の組合せが複数の電池28を含み、それによって電池交換中に充電ステーション40間の車両移動を必要としない代替実施形態がある。上述した保管システム1に適用可能なマルチ電池充電ステーションは、WO2017/220627A1に開示されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0160】
第2の充電ステーション40上の利用可能な充電済み電池28が、電池支持体43上へ装着され、図13図15に示された例では、これは、充電ステーションコラム42の上端42bの各側から軌道システム108の中に横に延びる2本の案内ピン43a、43b(すなわち、案内アーム)の形態にある。
【0161】
車両3が充電ステーション40(図14Aおよび図15D参照)に接触しているとき、解除機構50(すなわち、解除可能なロック機構)が作動され、電池カバー27が回転Y軸まわりに傾斜されることを可能にする。
【0162】
図14図16に示された例では、解除機構50は、電池28が内部に入るべき電池室27aの開口部の各側に配置された枢動アーム51を備える。
【0163】
さらに、(電池支持体43を構成する)案内ピン43a、43bの各突出端は、先細りセクション52(図13Aおよび図13C参照)を表示する。枢動アーム51と案内ピン43の間で接触すると、各枢動アーム51の枢動アーム接触要素51aは、先細りセクション52の方へ押され、それによって枢動アーム51の上向きに向けられた枢動移動を実現する(図14A図15D、および図16参照)。この枢動移動により、安全ロック51b(図14および図18参照)を解除し、上述した電池カバー27の傾斜を可能にする。
【0164】
解除機構50の動作は、図14および図16の連続図面の各々に示されている。明確さを高めるために、解除機構50の拡大領域の図面が図14A~Cおよび図14Fに加えられる。拡大領域の図面は、先細りセクション52と接触すると枢動アームの移動を引き起こし、安全ロック51bを電池カバー27および電池28の続く入り口から離れるように移動させることを明確に示す。
【0165】
取り付けられた電池28と共に案内ピン43が電池室27a(図14Bおよび図14C)の中にある距離だけ入ったとき、案内ピン43は、電池28が電池室27a内のその端位置に完全に収まるまでさらに入ることを可能にする電池ロック27b、27cを解除する。
【0166】
図18では、電池ロック27b、c(すなわち、電源ロック組立体)は、車輪27bと、電池カバー27の内壁から(すなわち、電源ロック組立体の側壁36から)電池室27aの中に延びる1つまたは複数の阻止用歯27cとの形態で電池ロック作動装置を備える。案内ピン43a、bの先細り端52が車輪27bに接触するとき、電池カバー27は、上向きに傾斜され、それによって、電池28および案内ピン43a、bが電池室27aの中により深い移動を続けることができるように1つまたは複数の歯27cを変位させる。電池カバー27の主な機能は、電池ロックの構成要素として働き、阻止用歯および車輪が配置される2つの側壁に剛性を与えることであることに留意されたい。したがって、他の実施形態では、電池カバーは、阻止用歯および車輪が配置される2つの側壁(または長手方向要素)に十分な支持/剛性を与えることができる任意の要素であり得る。
【0167】
この端位置において、車両3の退避前に、電池28は充電ステーション40と、車輪19a~d、20a~dのためのすなわち駆動モータとの両方の2つと電気的に接続されることができる。
【0168】
電池28が電池カバー27の内側のその端位置にあり、車両3の対応する電気コネクタと電気接触しているとき、電池カバー27は、歯27cが電池室27a内の電池28を物理的にロックまたは保持するようにその初期位置に傾斜して戻る。一例として、歯27c
は、電池28(図17参照)の両側面に配置された支持レール49内の専用の凹部49aに入ることができる。
【0169】
電池ロック27b、cは、電池室27a内の任意の物理的な障害物であり得る。上述した歯27cの代替として、電池ロックは、電池28が一方向に越えることができるが、他方には越えられない1つまたは複数の突出する楔を備えてもよい。この構成では、楔形は、電池ロック作動装置27bとして働く。
【0170】
電池28がその端位置にあり、電池ロック27b、cによって電池室27aにうまくロックされるとき、車両3の第2のセットの車輪20a~dは、軌道システム108から(典型的には5~15mmの間だけ)持ち上げられ、それによって車両3の全高を持ち上げる。この動作により、電池28を電池支持体43から、例えば、第1および第2の案内ピン43a、b(図13A参照)内の専用のポケットまたは軌道から解除させる。
【0171】
ここで電池ロック27b、cは電池28を電池室27aにロックしており、電池28は電池支持体43から自由に持ち上げられているので、充電ステーション保管セルから外へ車両3を退避させることにより、車両3に電気的に接続された電池28を残す。
【0172】
電池の交換がうまくいくことを可能にすることに加えて、電池28が電池室27aに入ることを阻止することは、電池28が動作中に電池カバー27内で意図せずずれることがないという利点を有する。
【0173】
制御システムが充電のためにその電池28を充電ステーション40の中に配置するように指示を車両3へ送ったとき、車両3から充電ステーション40へ電池28を移送するステップは、充電ステーション40から車両3へ電池28を移送する上述したステップの反対の順序および方向と本質的に等しいまたは類似する。
【0174】
したがって、車両3がまず持ち上げられることにより、第2のセットの車輪20が第2の方向(Y)の軌道111と干渉することなく車両が充電ステーション保管セルに入ることと、動作する電池28を充電ステーション40の充電ソケット45と位置合わせすることとの両方を可能にする。上述したように、充電ソケット45は、上側の非搭載位置における図13図16の例示的な構成にある。
【0175】
車両3が充電ステーション40の方へ近づいている最中、第1および第2の案内ピン43a、bの楔形端52は、まず、解除機構51によって電池格納部27の傾斜を引き起こし、次いで電池ロック27b、cをアクティブにして電池カバー27を上方へ傾斜させ、それによって支持レール49内の対応する凹部49aから阻止用歯27cを取り除く。
【0176】
車両3を軌道システム108の方へ下げることによって、電池28の支持レール49は、電池支持体43と噛み合う。したがって、続く車両3の退避は、充電ステーション40上の所望の充電位置に電池28を残す。
【0177】
車両3内でより大きい電池を可能にするために、電池カバー27と任意の解除機構50の両方は、それらがその他のほぼ垂直の側壁26cおよび26dを越えてX方向に水平に突出するよう配置されてもよい。このようにして、システム1における各車両3の全体的な能力は、軌道110、111をより広くさせることを必要とせずに、かなり大きく向上できる。
【0178】
例えば、一般的なメンテナンスまたは偶発的な電池詰まりにより電池室27aから電池28を取り除くための手動干渉の必要がある場合、突出する解除機構50を備えた構成は
、それが電池28の容易な手動ロック解除を可能にするという点でさらなる利点を有する。すなわち、突出の配置は、例えば、解除機構50が電池カバー27内深くに配置された場合に難しい動作である、解除機構50に対して十分な手動の力を及ぼすことを可能にする。
【0179】
上述した突出構成も、充電ステーション40における早期係合を確実にするのに有益である。
【0180】
電池28の一例は、図17に斜視で示される。2つの支持レール49の一方は、電池28の側壁から突出して示されている。同一の支持レールが、反対の側壁から突出している。支持レール49の目的は、電池支持体/案内ピン43上の電池28の安定した支持を確実にすることと、交換中に電池室27aの内外に電池28を正確に案内するのを確実にすることとの両方である。図18は、支持レール49が電池室27a内に十分に挿入されている状態で電池28を示す。図18に示された特定の構成では、電池28は、電池の最大許容体積のおおよそ半分である。
【0181】
図19および図20は、それぞれ第2および第3の実施形態による枠組み構造100上の車両4、5の斜視図を示す。第1の実施形態による車両3において電池室27aを囲む電池供給部カバー27は、第2および第3の実施形態の場合、箱保管空間24の上方に配置される。
【0182】
図20Aおよび図20Bは、互いに隣接して配置された2つの電池カバー27を備える車両5の一例を示す。図20Bにおいて、車両5の外壁および蓋は、取り除かれている。電池28のいずれの交換も、この例示的な車両5については、一度に1つずつまたは同時に2つの充電ステーション40を使用し得る。持ち上げおよび搬送中の重量配分をとりわけ改善するために、車両5は、車輪セットごとに6つの車輪を備える。
【0183】
図21および図22は、自動保管および取出しシステムと共に使用するための充電ステーションの第2の実施形態を示す。この実施形態では、案内ピン43a、43b上の突出部32が、横方向により延ばされる。上述したように、充電ソケット45は、上側位置と下側位置の間で案内ピン43a、43bに対して(または代替として充電ステーションコラム42に対して)垂直方向に変位可能である。図21および図22では、充電ソケットは、上側位置に示される。充電ソケット45は、ばね33によって上側位置の方へ付勢される。この特定の実施形態では、付勢は、充電ソケット45を、ブラケット34aを介してコラム接続要素34bへ摺動可能に接続させることによって、およびブラケット34aとコラム接続要素34bの間にばねを配置させることによって得られ、それによってブラケット34aが上側位置に付勢される。
【0184】
前述の説明において、本発明による充電ステーションならびに自動保管および取出しシステムの様々な態様は、例示的な実施形態を参照して説明されている。しかしながら、この説明は、限定の意味で解釈されることは意図されない。当業者に明らかである例示的な実施形態の様々な修正および変更、ならびにシステムの他の実施形態は、添付の特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲内にあると考えられる。
【符号の説明】
【0185】
1 自動保管および取出しシステム
3 車両、第1の実施形態
3a 第1の車両、第1の実施形態
3b 第2の車両、第1の実施形態
4 車両、第2の実施形態
5 車両、第3の実施形態
17 車両本体
17a 車両本体17の下側セクション
17b 車両本体17の上側セクション
18 車輪組立体/転がり手段/転がり装置
19 第1のセットの車輪
19a 第1のセットの第1の車輪
19b 第1のセットの第2の車輪
19c 第1のセットの第3の車輪
19d 第1のセットの第4の車輪
20 第2のセットの車輪
20a 第2のセットの第1の車輪
20b 第2のセットの第2の車輪
20c 第2のセットの第3の車輪
20d 第2のセットの第4の車輪
21 持ち上げ装置
22 把持装置
23 持ち上げ用モータ
24 保管室、箱保管空間
25 (第1または第2のセットの車輪に取り付けられた)側板
26 車両の側壁
26a 第2の方向(Y)に向けられた第1の側壁
26b 第2の方向(Y)に向けられた第2の側壁
26c 第1の方向(X)に向けられた第3の側壁
26d 第1の方向(X)に向けられた第4の側壁
27 電源カバー/電池カバー/電池格納部
27a 電源室/電池室
27b 電池ロック作動装置
27c 阻止用歯
28 電源/主電源、電池/主電池
29 凹んだセクション
30 電源室の開口部
31 電源室内の支持面
32 案内ピン上の突出部
33 ばね
34a ブラケット
34b コラム接続要素
35 車載された制御および通信システム
36 側壁/長手方向要素
40 充電および/または電池交換ステーション/充電ステーション
41 充電ステーション基部板/基部板
42 充電ステーションコラム/コラム
42a 充電ステーションの下端
42b 充電ステーションの上端
43 電源支持体/電池支持体/案内手段/案内部/案内ピン
43a 第1の案内ピン
43b 第2の案内ピン
44 電源/電力変圧器
45 充電接続部/充電プラグ
46 電源充電接続部/充電ソケット
49 支持レール
49a (支持レール49内の)凹部
50 解除機構
51 枢動アーム
51a 枢動アーム接触要素
52b (電源カバー27の傾斜を妨げるための)安全ロック
52 (案内ピンの)先細りセクション
100 枠組み構造
102 枠組み構造の垂直部材
103 枠組み構造の水平部材
104 保管グリッド
105 保管コラム
106 保管コンテナ
106’ 保管コンテナの特定の位置
107 スタック
108 レールシステム/軌道システム
110 第1の方向(X)の平行な軌道
110a 隣り合う軌道110の第1の軌道
110b 隣り合う軌道110の第2の軌道
111 第2の方向(Y)の平行な軌道
111a 隣り合う軌道111第1の軌道
111b 隣り合う軌道111第2の軌道
112 グリッドコラム
115 グリッド開口部
119 第1のポートコラム/第1のポート
120 第2のポートコラム/第2のポート
122 グリッドセル/保管セル
201 先行技術の単一セルの保管コンテナ車両
201a 保管コンテナ車両101の車両本体
201b 駆動手段/車輪配置、第1の方向(X)
201c 駆動手段/車輪配置、第2の方向(Y)
301 先行技術の片持ち梁の保管コンテナ車両
301a 保管コンテナ車両101の車両本体
301b 第1の方向(X)の駆動手段
301c 第2の方向(Y)の駆動手段
X 第1の方向
Y 第2の方向
Z 第3の方向
P 水平面
D 充電ステーションコラムの下端の末端から電源支持体の最下の部分までの距離
L 充電下における充電ステーションコラムの外周から電源の幾何学的サイズおよび/または車両の水平中心点までの距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図14F
図15A
図15B
図15C
図15D
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図21
図22