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特許7576162交通渋滞検出方法、装置、電子デバイス及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】交通渋滞検出方法、装置、電子デバイス及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/01 20060101AFI20241023BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
G08G1/01 C
G08G1/09 F
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023512766
(86)(22)【出願日】2022-01-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-06
(86)【国際出願番号】 CN2022070351
(87)【国際公開番号】W WO2022152026
(87)【国際公開日】2022-07-21
【審査請求日】2023-02-21
(31)【優先権主張番号】202110032765.3
(32)【優先日】2021-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(73)【特許権者】
【識別番号】519273810
【氏名又は名称】長安大学
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】于宏全
(72)【発明者】
【氏名】安毅生
(72)【発明者】
【氏名】黄偉
(72)【発明者】
【氏名】劉明鳳
(72)【発明者】
【氏名】郭紅星
(72)【発明者】
【氏名】王超
(72)【発明者】
【氏名】趙振興
(72)【発明者】
【氏名】朱晨星
(72)【発明者】
【氏名】楊志強
【審査官】武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-191614(JP,A)
【文献】特開2006-105686(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/01
G08G 1/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
路側ユニットに適用される交通渋滞検出方法であって、
路側ユニットRSU検出領域内に進入した各車両の車両情報を取得することと、
前記車両情報に基づいて、前記RSU検出領域の交通渋滞状況を表すために用いられる第1の渋滞指数を算出することと、
複数の前記RSU検出領域を含む目標領域内の各RSUの複数の前記第1の渋滞指数を取得することと、
複数の前記第1の渋滞指数に基づいて、前記目標領域の交通渋滞状況を示すために用いられる第2の渋滞指数を算出することとを含
複数の前記第1の渋滞指数に基づいて第2の渋滞指数を算出することは、
前記目標領域内の各リンクの割引係数を算出することであって、前記割引係数は、前記目標領域内の他のリンクの渋滞指数によってリンクの渋滞指数が支持される度合いを反映することと、
前記割引係数に基づいて前記目標領域内の各リンクの平均渋滞指数を算出することと、
証拠組み合わせ規則に基づいて前記平均渋滞指数を自己融合し、基本確率分配関数を得ることと、
基本確率分配関数を確率分布に変換し、前記確率分布に基づいて前記第2の渋滞指数を確定することと、を含む、
交通渋滞検出方法。
【請求項2】
前記車両情報は、少なくとも速度情報と位置情報とを、含み、
前記車両情報に基づいて第1の渋滞指数を算出することは、
前記RSU検出領域内でカバーされているリンクを確定することと、
前記各車両の速度情報と位置情報に基づいて前記RSU検出領域でカバーされているリンクのリンク平均速度とリンク平均密度を確定することと、
前記リンク平均速度と前記リンク平均密度に基づいて前記第1の渋滞指数を確定することと、を含む、
請求項1に記載の交通渋滞検出方法。
【請求項3】
前記リンク平均速度と前記リンク平均密度に基づいて前記第1の渋滞指数を確定することは、
DS証拠理論とファジィ集合理論に基づいて前記リンク平均速度と前記リンク平均密度に対応する基本確率分配関数を確定することと、
前記基本確率分配関数に基づいて証拠組み合わせ規則を用いて前記第1の渋滞指数を融合して得ることと、を含む、
請求項2に記載の交通渋滞検出方法。
【請求項4】
前記速度情報は、車両の瞬間速度情報を含み、
前記各車両の速度情報と位置情報に基づいて前記RSU検出領域でカバーされているリンクのリンク平均速度とリンク平均密度を確定する前に、
大量サンプリング検査を用いて前記瞬間速度情報を仮定検査し、検査閾値に基づいて前記瞬間速度情報と実際の走行速度に顕著な差異があるかどうかを確定することであって、前記実際の走行速度は、目標車両の瞬間速度を除くすべての瞬間速度の平均値により算出され、前記検査閾値は、前記目標車両の瞬間速度を除くすべての瞬間速度の標準差に基づいて算出されることと、
実際の走行速度と顕著な差異がある瞬間速度を異常データとして除外することと、を更に含む、
請求項2に記載の交通渋滞検出方法。
【請求項5】
前記目標領域内の各RSUの複数の前記第1の渋滞指数を取得する前に、
インテリジェント交通システムによってデータ融合センターとして確定される場合、前記目標領域内の各RSUによってアップロードされた複数の第1の渋滞指数を取得することを更に含む、
請求項1~4の何れか1項に記載の交通渋滞検出方法。
【請求項6】
前記目標領域内の各リンクの重み係数を取得することであって、主リンクの重み係数は補助リンクの重み係数より高いことと、
前記各リンクの重み係数に基づいて関連係数行列を構築することであって、前記関連係数行列中の要素の値は、位置する行代表リンクが位置する列代表リンクに支持される度合いを表し、前記関連係数行列中の各行要素値の総和は、当該行に対応するリンクの前記目標領域におけるセンター的地位を表し、
行要素値の総和が最も高い対応するリンク上のRSUを前記データ融合センターとして選択する、
ことにより前記データ融合センターを確定する、
請求項5に記載の交通渋滞検出方法。
【請求項7】
路側ユニットRSU検出領域内に進入した各車両の車両情報を取得する第1の取得モジュールと、
前記車両情報に基づいて、前記RSU検出領域の交通渋滞状況を表すために用いられる第1の渋滞指数を算出する第1の算出モジュールと、
複数の前記RSU検出領域を含む目標領域内の各RSUの複数の前記第1の渋滞指数を取得する第2の取得モジュールと、
複数の前記第1の渋滞指数に基づいて、前記目標領域の交通渋滞状況を示すために用いられる第2の渋滞指数を算出する第2の算出モジュールと、を含み、
複数の前記第1の渋滞指数に基づいて第2の渋滞指数を算出することは、
前記目標領域内の各リンクの割引係数を算出することであって、前記割引係数は、前記目標領域内の他のリンクの渋滞指数によってリンクの渋滞指数が支持される度合いを反映することと、
前記割引係数に基づいて前記目標領域内の各リンクの平均渋滞指数を算出することと、
証拠組み合わせ規則に基づいて前記平均渋滞指数を自己融合し、基本確率分配関数を得ることと、
基本確率分配関数を確率分布に変換し、前記確率分布に基づいて前記第2の渋滞指数を確定することと、を含む、
交通渋滞検出装置。
【請求項8】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信接続されるメモリとを含み、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行可能な指令が記憶され、前記指令が前記少なくとも1つのプロセッサで実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1からのいずれか1項に記載の交通渋滞検出方法を実行可能である、
電子デバイス。
【請求項9】
コンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、請求項1からのいずれか1項に記載の交通渋滞検出方法が実現される、
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願実施例は通信技術分野に関し、特に交通渋滞検出方法、装置、電子デバイス及び記憶媒体に関する。
【0002】
本願は、出願番号を「202110032765.3」、出願日を2021年1月12日とする中国特許出願に基づいて提出され、当該中国特許出願の優先権を要求し、当該中国特許出願のすべての内容はここに参照によって本願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
通信技術の発展に伴い、車両ネットワーク技術は徐々に広く応用されている。車のインターネット技術は、車と車(V2V、Vehicle to Vehicle)、車と道路(V2I、Vehicle to Infrastructure)、車と人(V2P、Vehicle to People)、車とセンター(V2C、Vehicle to Center)などの相互接続を含み、車の自組織網と多種異種ネットワーク間の通信とローミングを実現し、機能と性能の上でリアルタイム性とサービス性を保障し、これにより車の運動制御を実現して、車両の運動制御、交通信号の制御及び交通情報処理の技術を実現する。ここで、V2Vとは交通参加者同士の相互接続であり、V2Iとは交通参加者と交通インフラとの相互接続である。近年、交通渋滞は各大都市が直面している共通の難題となっており、通常はV2V技術を用いて交通データの収集を行い、交通渋滞状況の検出を実現している。
【0004】
しかし、実際の渋滞検出シーンでは、実際の道路ネットワークには車両が多いため、各交通参加者間の通信総量が膨大になるとともに、一部の情報は各交通参加者間で伝達する必要があり、情報伝達過程の信頼性と安定性が良好に保証されず、最終的に渋滞検出の効率と精度に影響を与えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願実施例は、路側ユニットに適用される交通渋滞検出方法であって、路側ユニットRSU検出領域内に進入した各車両の車両情報を取得することと、車両情報に基づいて、RSU検出領域の交通渋滞状況を表すために用いられる第1の渋滞指数を算出することと、複数のRSU検出領域を含む目標領域内の各RSUの複数の第1の渋滞指数を取得することと、複数の第1の渋滞指数に基づいて、目標領域の交通渋滞状況を示すために用いられる第2の渋滞指数を算出することとを含複数の第1の渋滞指数に基づいて第2の渋滞指数を算出することは、目標領域内の各リンクの割引係数を算出することであって、割引係数は、目標領域内の他のリンクの渋滞指数によってリンクの渋滞指数が支持される度合いを反映することと、割引係数に基づいて目標領域内の各リンクの平均渋滞指数を算出することと、証拠組み合わせ規則に基づいて平均渋滞指数を自己融合し、基本確率分配関数を得ることと、基本確率分配関数を確率分布に変換し、確率分布に基づいて第2の渋滞指数を確定することと、を含む、路側ユニットに適用される交通渋滞検出方法を提供する。
【0006】
本願実施例では、路側ユニットRSU検出領域内に進入した各車両の車両情報を取得する第1の取得モジュールと、車両情報に基づいて、RSU検出領域の交通渋滞状況を表すために用いられる第1の渋滞指数を算出する第1の算出モジュールと、複数の前記RSU検出領域を含む目標領域内の各RSUの複数の第1の渋滞指数を取得するための第2の取得モジュールと、複数の第1の渋滞指数に基づいて、目標領域の交通渋滞状況を示すために用いられる第2の渋滞指数を算出する第2の算出モジュールと、を含複数の第1の渋滞指数に基づいて第2の渋滞指数を算出することは、目標領域内の各リンクの割引係数を算出することであって、割引係数は、目標領域内の他のリンクの渋滞指数によってリンクの渋滞指数が支持される度合いを反映することと、割引係数に基づいて目標領域内の各リンクの平均渋滞指数を算出することと、証拠組み合わせ規則に基づいて平均渋滞指数を自己融合し、基本確率分配関数を得ることと、基本確率分配関数を確率分布に変換し、確率分布に基づいて第2の渋滞指数を確定することと、を含む、交通渋滞検出装置をさらに提供する。
【0007】
本願実施例では、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサと通信接続されるメモリとを含み、メモリには、少なくとも1つのプロセッサにより実行可能な指令が記憶され、指令が少なくとも1つのプロセッサで実行されると、少なくとも1つのプロセッサが上記交通渋滞検出方法を実行可能である、電子デバイスをさらに提供する。
【0008】
本願実施例では、コンピュータプログラムが記憶され、コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、上記の交通渋滞検出方法が実現される、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本願の第1の実施例に基づいた交通渋滞検出方法のフローチャートである。
図2】本願の第1の実施例に基づいた交通渋滞検出方法の適用シーンにおける道路ネットワーク構造の概略図である。
図3】本願の第2の実施例に基づいた第1の渋滞指数を算出するフローチャートである。
図4】本願の第2の実施例に基づいたリンク平均速度依存度関数の関数画像である。
図5】本願の第2の実施例に基づいたリンク平均密度依存度関数の関数画像である。
図6】本願の第2の実施例に基づいた第2の渋滞指数を算出するフローチャートである。
図7】本願の第3の実施例に基づいた交通渋滞検出方法のフローチャートである。
図8】本願の第4の実施例に基づいた交通渋滞検出装置の構成図である。
図9】本願の第5の実施例に基づいた電子デバイスの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下に図面を用いて本願の各実施例について詳細に説明する。しかし、当業者であれば、本願の各実施例では、読者が本願をよりよく理解するために多くの技術的詳細が提案されていることを理解するであろう。しかし、これらの技術的詳細や以下の各実施例に基づく種々の変更や修正がなくても、本願が請求している技術案を実現することができる。以下の各実施例の区分は便宜上用いるものであり、本願の具体的な実現方式に対し如何なる限定を加えず、各実施例は矛盾しない前提で互いに組み合わせ参照することができる。
【0011】
本願実施例の主な目的は、交通データの算出効率と安定性を向上させ、交通渋滞レベルの検出結果の信頼性を向上させる交通渋滞検出方法、装置、電子デバイス及び記憶媒体を提案することにある。
【0012】
本願が提案する交通渋滞検出方法は、V2Iの車のインターネットモードに基づいて、路側ユニットにより検出領域内の車両情報を取得し、検出領域内の渋滞指数を算出して渋滞指数をアップロードした後、目標領域内の複数の路側ユニットにより算出された渋滞指数により目標領域の渋滞指数を算出して目標領域の交通渋滞状況を評価し、各交通参加者間の情報伝達に依存せず、安定した信頼性の高い交通渋滞検出結果を得ることができる。
【0013】
本願の第1の実施例は交通渋滞検出方法に関し、具体的なフローは図1に示すように、RSU検出領域内に進入した各車両の車両情報を取得することと、車両情報に基づいて、RSU検出領域の交通渋滞状況を表すために用いられる第1の渋滞指数を算出することと、複数のRSU検出領域を含む目標領域内の各RSUの複数の第1の渋滞指数を取得することと、前記複数の第1の渋滞指数に基づいて、前記目標領域の交通渋滞状況を示すために用いられる第2の渋滞指数を算出することとを含む。目標領域内の複数の路側ユニットで算出された渋滞指数から目標領域の渋滞指数を算出して目標領域の交通渋滞状況を評価し、各交通参加者間の情報伝達に依存せず、安定した信頼性の高い交通渋滞検出結果を得ることができる。
【0014】
以下では、本実施例における交通渋滞検出方法の実現詳細について具体的に説明する。以下の内容は、技術案を実施するために必須ではなく、理解するために提供される実施詳細にすぎない。
【0015】
本実施例における実行主体は路側ユニットRSUであり、路側に取り付けられ、路上を走る車両に取り付けられた車載デバイスであり、つまり車載ユニットOBUと通信し、車両情報をやりとりする機能を実現する。本実施例における方法のフローチャートは図1に示すように、具体的には、以下を含む。
【0016】
ステップ101:RSU検出領域内に進入した各車両の車両情報を取得する。
【0017】
具体的には、本実施例は、領域内に複数のリンクが含まれる目標領域を交通渋滞の検出対象とし、目標領域中のリンクは1つまたは複数の路側ユニットの検出領域を全面的にカバーするとともに、路側ユニットと車載デバイスとの通信の特徴に基づいて、任意の2つの路側ユニットの距離を200m以内に設定する。路側ユニットの配備が完了すると、自身の検出領域内のリンク上の車載デバイスと通信接続を確立し、交通渋滞検出を開始し、車載デバイスから報告された車両情報を周期的に取得する。
【0018】
一例において、車両情報は主に速度情報と現在の位置を含み、速度情報は具体的には車載デバイスが属する車両の瞬間速度を含むことができる。路側ユニットは、後で渋滞指数を算出するのに用いるために、周期時間内においてすべての車両情報を保存する。
【0019】
実際の応用シーンにおいて、車のインターネット通信過程はリンク上の路側ユニットが車載ユニットOBU(On Board Unit)から送信されたメッセージを収集し、路側ユニットは広帯域無線、移動基地局、衛星などの通信方式を通じてコア無線ネットワークにアクセスし、コア無線ネットワークからインターネットにアクセスし、スマート交通システムと通信する。
【0020】
ステップ102:車両情報に基づいて第1の渋滞指数を算出する。
【0021】
具体的には、まず、路側ユニットは、予め入力された交通道路ネットワークデータに基づいて検出領域がカバーするリンクを確定し、その後、各車両の速度情報と位置情報に基づいてRSU検出領域がカバーするリンクのリンク平均速度及びリンク平均密度を確定し、リンク平均速度及びリンク平均密度に基づいて第1の渋滞指数を確定する。つまり、まず車両情報を予備処理し、車両の速度、位置情報から検出領域内のあるリンクのリンク平均速度及びリンク平均密度を算出し、その後、リンク平均速度と前記リンク平均密度から第1の渋滞指数を確定する。
【0022】
ここで、リンク平均速度は車載ユニットがアップロードした瞬間速度の算出によって得られ、リンク平均密度は、路側ユニットが、車載ユニットによりアップロードされた位置情報によって車両が位置するリンクを確定し、その後、リンク内の車両数を統計して得られる。
【0023】
1つの具体的な実現において、目標領域内の道路ネットワーク構造は、図2に示すように、車両が検出範囲に進入すると、車載ユニットを介して自身の速度及び位置情報を1秒おきに当該リンクの路側ユニットに報告する。都市道路の車両の平均速度が約40km/hであると仮定すると、路側ユニット検出領域(半径200mを例とする)を通過するのに要する時間は約36秒であり、車両の瞬間速度に基づいて時間帯内の車両平均速度を求め、瞬間速度データのサンプル数は少なすぎてはならず、データ個数が多いほど当該時間帯が長いことが求められ、算出において伝送遅延などの誤差を無視し、自動車が検出領域を通過する時間の長さを路側ユニットが当該領域の渋滞指数を算出する時間の周期とし、時間周期が短いほど路側ユニットの効率が高くなり、当該周期の長さを30秒に設定したと仮定すると、路側ユニットは30sごとに当該領域の渋滞指数を1つ算出する。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
S12:路側ユニットは1周期内の車線rの平均速度を算出し、算出式は以下の通りである。
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
一例において、第1の渋滞指数(すなわち、リンクの平均速度及びリンクの平均密度に基づいて確定される渋滞指数)を算出する際に、主リンクに高い重みを割り当て、次リンクに低い重みを割り当てるなど、道路ネットワーク構造に応じて異なるリンクに異なる重み指数を割り当てることができ、領域内のすべてのリンク全体の渋滞状況をより正確に測定することができる。
【0042】
ステップ103:目標領域内の各RSUにアップロードされた複数の第1の渋滞指数を取得する。
【0043】
具体的には、本実施例では、目標領域の交通渋滞状況を交通渋滞検出の対象とし、目標領域は、複数のRSU検出領域を含み、つまり、複数のリンクを目標領域内に含み、同時に、スマート交通システムは、路側ユニットが算出してアップロードした第1の渋滞指数を統計し、道路ネットワーク構造に基づいて複数の第1の渋滞指数を分析し、データ融合センターを確定し、第2の渋滞指数の算出を行う。一般に、主要リンク、つまり、車の流量が最も大きいリンクでセンター位置にある路側ユニットをデータ融合センターとする。しかし、本実施例では、前記ステップ101、102を実行する路側ユニットがデータ融合センターとして確定された場合を例に、スマート交通システムを介して、目標領域内の他の路側ユニットから報告された第1の渋滞指数を取得する。
【0044】
ステップ104:複数の第1の渋滞指数に基づいて第2の渋滞指数を算出する。
【0045】
具体的には、データ融合センターとして確定された路側ユニットが、目標領域内の複数の路側ユニットから報告された第1の渋滞指数を取得した後、すべての第1の渋滞指数を統計して算出する。第1の渋滞指数が単一の路側ユニットの検出領域内の渋滞状況を示すパラメータであるため、複数の検出領域の渋滞状況を統計解析する場合、複数の検出領域からなる目標領域の渋滞状況を得ることができ、本実施例では第2の渋滞指数により目標領域の渋滞状況を示す。
【0046】
本実施例における交通渋滞検出方法は、路側ユニットにより検出領域内の車両情報を取得し、検出領域内の渋滞指数を算出して渋滞指数をアップロードした後、目標領域内の複数の路側ユニットにより算出された渋滞指数から目標領域の渋滞指数を算出して目標領域の交通渋滞状況を評価し、安定した信頼性の高い交通渋滞検出結果を得る。
【0047】
なお、本実施例における上記各例は、理解しやすく行うための例示であり、本願の技術案を限定するものではない。
【0048】
本願の第2の実施例は交通渋滞検出方法に関し、第2の実施例は第1の実施例とほぼ同一であり、主な相違点は、第2の実施例において、第1の渋滞指数及び第2の渋滞指数はいずれもDS証拠理論とファジィ集合理論に基づいて算出されるという点である。
【0049】
次に、本実施例における交通渋滞検出方法の実現詳細について具体的に説明する。本実施例の交通渋滞検出方法における第1の渋滞指数の算出の流れは、図3に示すように、次のステップを含む。
【0050】
ステップ301:RSU検出領域のリンク平均速度とリンク平均密度を算出する。
【0051】
具体的には、本実施例では、第1の実施例における算出方法を用いてリンク平均速度及びリンク平均密度を確定することができるが、ここでは改めて説明しない。
【0052】
【0053】
ステップ302:DS証拠理論とファジィ集合理論に基づいて、リンク平均速度とリンク平均密度に関する基本確率分配関数を生成する。
【0054】
【0055】
【0056】
ここで、Gは単サブセット命題または多サブセット命題を表すことができる。生成されたBPAの信頼度値の和が1より大きい場合、正規化処理を行う。その和が1未満であれば、冗長な信頼度は集合全体に割り当てられ、つまり未知に割り当てられる。
【0057】
渋滞指数集合Θ={I,II,III,IVである。
【0058】
その中で、渋滞指数Iは滞りがないことを示し、市民の感覚の定性的説明は、路上に車が少なく、阻むものがないというものであり、渋滞指数IIは基本的にスムーズであることを示し、市民の感覚の定性的説明は、基本的にスムーズであるというものであり、渋滞指数IIIは軽度の渋滞を示し、市民の感覚の定性的説明は、渋滞があるが、深刻ではないというものであり、渋滞指数IVは中度の渋滞を示し、市民の感覚の定性的説明は渋滞が深刻であるというものである。
【0059】
【0060】
【0061】
ステップ303:証拠組み合わせ規則を用いて検出領域内の各リンクのリンク平均速度とリンク平均密度を融合し、第1の渋滞指数を得る。
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
本実施例における交通渋滞検出方法における第2の渋滞指数を算出するフローチャートは、図6に示すように、次のステップを含む。
【0068】
ステップ601:スマート交通システムは、道路ネットワーク構造に基づいて各リンクの重み係数を確定し、証拠関連係数行列SMを構築する。
【0069】
ステップ602:スマート交通システムは証拠関連係数行列SMに基づいてデータ融合センターを確定する。
【0070】
具体的には、前記目標領域内の各リンクの重み係数を取得し、ここで、主リンクの重み係数は補助リンクの重み係数より高く、各リンクの重み係数に基づいて関連係数行列を構築し、前記行列中の要素の値は、位置する行代表リンクが位置する列代表リンクに支持される度合いを表し、前記行列中の各行要素値の総和は、当該行に対応するリンクの前記目標領域におけるセンター的地位を表し、行要素値の総和が最も高い対応するリンク上のRSUをデータ融合センターとして選択する。
【0071】
【0072】
1つの具体的な実現において、図2の道路ネットワーク構造に示されているように、リンクAは主要道路であり、リンクB、C、Dは補助道路であるため、以下のような証拠関連行列SMを設計する。
【0073】
【0074】
【0075】
ステップ603:各リンクの基本確率分配関数の割引係数を算出する。
【0076】
【0077】
【0078】
具体的な実現において、図2に示す道路ネットワーク構造を例に、4つのリンク対応割引係数は以下の通りである。
【0079】
【0080】
ステップ604:割引係数を用いて各リンクの平均渋滞指数を算出する。
【0081】
【0082】
【0083】
本実施例の算出過程は次の通りである。
【0084】
【0085】
ステップ605:証拠組み合わせ規則を用いて平均渋滞指数自体を融合し、基本確率分配関数を得る。
【0086】
【0087】
3回の融合結果を下表に示す。
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
本実施例における交通渋滞検出方法は、第1の渋滞指数と第2の渋滞指数の両方に対し証拠理論に基づく方法を用いてデータ融合算出を行うというものであり、各リンクの渋滞状況をより正確に統計分析することができ、実際の交通渋滞状況をより正確に反映した渋滞指数を得ることができる。
【0093】
本願の第3の実施例は交通渋滞検出方法に関し、第3の実施例は第1の実施例とほぼ同一であり、主な相違点は、第3の実施例において、RSU検出領域内の各車載デバイスが周期的にアップロードする車両情報を取得した後、車両情報に基づいて第1の渋滞指数を算出する前に、車両情報中の瞬間速度情報を統計し、瞬間速度情報を選別して、異常な瞬間速度情報を取り除くことをさらに含む点である。
【0094】
次に、本実施例における交通渋滞検出方法の実現詳細について具体的に説明する。本実施例における交通渋滞検出方法のフローチャートは図7に示すように、具体的には次のステップを含む。
【0095】
ステップ701:路側ユニットRSU検出領域内に進入した各車両の車両情報を取得する。
【0096】
ステップ701は本願第1の実施例におけるステップ101と同一で、関連する実施詳細は第1の実施例で具体的に説明されており、ここでは改めて説明しない。
【0097】
ステップ702:車両情報中の瞬間速度情報を統計し、瞬間速度情報を選別して、異常な瞬間速度情報を取り除く。
【0098】
具体的には、車両のリンクにおける走行状態は一定の不確実性を有しているため、路側ユニットは車載ユニットがアップロードした瞬間速度に基づくだけでは車両のリンクにおける走行状態を正確に測定することができないため、瞬間速度のデータサンプルを選別し、一般的な瞬間速度データサンプルのみを用いてリンクの平均速度を算出する。
【0099】
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
【0107】
【0108】
ステップ703:選別された車両情報に基づいて第1の渋滞指数を算出する。
【0109】
ステップ704:目標領域内の各路側ユニットがアップロードした複数の第1の渋滞指数を取得する。
【0110】
ステップ705:複数の第1の渋滞指数に基づいて第2の渋滞指数を算出する。
【0111】
ステップ703~ステップ705は本願第1の実施例におけるステップ102~ステップ104とほぼ同一であり、関連する実施詳細は第1の実施例において具体的に説明されており、ここでは改めて説明しない。
【0112】
本実施例における交通渋滞検出方法は、車載ユニットにアップロードした速度データを取得した後、データを選別し、信頼度の高い車両の瞬間速度データを得ることにより、算出した渋滞指数をより正確にし、測定領域内の交通渋滞状況をより正確に測定することができる。
【0113】
上記の各方法のステップの区分は、明確に説明するためのものにすぎず、実現時に1つのステップに統合するか、または、一部のステップを複数のステップに分割することができ、同じ論理関係を含む限り、本特許の請求範囲内にある。アルゴリズムまたはフローチャートに重要でない修正を追加したり、重要でない設計を導入したりしても、アルゴリズムやプロセスを変更しない核心設計は、特許の請求範囲内にある。
【0114】
本願の第4の実施例は、交通渋滞検出装置に関するものであり、その構造は図8に示すとおりであり、路側ユニットRSU検出領域内に進入した各車両の車両情報を取得する第1の取得モジュール801と、RSU検出領域の交通渋滞状況を表す車両情報に基づいて第1の渋滞指数を算出する第1の算出モジュール802と、複数の前記RSU検出領域を含む目標領域内の各RSUの複数の第1の渋滞指数を取得する第2の取得モジュール803と、複数の第1の渋滞指数に基づいて、目標領域の交通渋滞状況を示す第2の渋滞指数を算出する第2の算出モジュール804と、を含む。
【0115】
一例において、第1の算出モジュール802は、RSU検出領域によってカバーされるリンクを確定するために具体的に使用される。各車両の速度情報と位置情報に基づいてRSU検出領域がカバーするリンクのリンク平均速度とリンク平均密度を確定し、リンク平均速度とリンク平均密度に基づいて第1の渋滞指数を確定する。
【0116】
別の例において、第1の取得モジュール801は、大量サンプル検査を用いて前記瞬間速度情報を仮定検査し、検査閾値に基づいて前記瞬間速度と実際の走行速度との間に顕著な差異があるかどうかを確定するためにさらに用いられる。前記実際の走行速度は、目標車両の瞬間速度を除くすべての瞬間速度の平均値に基づいて算出され、前記検査閾値は、前記目標車両の瞬間速度を除くすべての瞬間速度の標準差に基づいて算出され、実際の走行速度と顕著な差異がある瞬間速度を異常データとして除外する。
【0117】
一例において、第2の取得モジュール803はまた、路側ユニットがスマート交通システムによってデータ融合センターとして確定されたときに、目標領域内のすべての路側ユニットがアップロードした複数の第1の渋滞指数を取得するために使用される。ここで、データ融合センターは、目標領域内の各リンクの重み係数を取得し、主リンクの重み係数が補助リンクの重み係数より高いことと、各リンクの重み係数に基づいて関連係数行列を構築し、ここで、前記行列中の要素の値は、位置する前記行代表リンクが位置する列代表リンクに支持される度合いを表し、前記行列中の各行要素値の総和は、当該行に対応するリンクの前記目標領域におけるセンター地位を表し、行要素値の総和が最も高い対応するリンク上のRSUを前記データ融合センターとして選択することとにより確定される。
【0118】
一例において、第2の算出モジュール804は、前記目標領域内の各リンクの割引係数を算出するために使用され、前記割引係数は、前記目標領域内の他のリンクの渋滞指数によってリンクの渋滞指数が支持される度合いを反映し、割引係数に基づいて前記目標領域内の各リンクの平均渋滞指数を算出し、証拠組み合わせ規則に基づいて平均渋滞指数を自己融合し、基本確率分配関数を得て、基本確率分配関数を確率分布に変換し、確率分布に基づいて第2の渋滞指数を確定する。
【0119】
特筆すべきは、本実施に係る各モジュールはすべて論理モジュールであり、実際の応用において、1つの論理ユニットは1つの物理ユニットであってもよく、1つの物理ユニットの一部であってもよく、さらに、複数の物理ユニットの組み合わせで実現されてもよい。また、本願の革新的な部分を強調するために、本願が提出する技術課題の解決にあまり密接な関係がないユニットは本実施例には導入されていないが、これは本実施例に他のユニットが存在しないことを示しているわけではない。
【0120】
本願の第5の実施例は、図9に示すように、電子デバイスに関し、少なくとも1つのプロセッサ901と、少なくとも1つのプロセッサ901と通信接続されるメモリ902とを含み、メモリ902には、少なくとも1つのプロセッサ901により実行可能な指令が記憶され、指令が少なくとも1つのプロセッサ901で実行されると、少なくとも1つのプロセッサ901が第1の、第2の、または第3の実施例における交通渋滞検出方法を実行できる。メモリ902とプロセッサ901はバス方式で接続され、バスは任意の数の相互接続されたバスとブリッジを含むことができ、バスは1つ以上のプロセッサ901とメモリ902の様々な回路を接続する。バスはまた、周辺デバイス、レギュレータ、パワー管理回路などの様々なその他の回路をともに接続することができ、これらは本分野野で知られているため、本明細書ではこれ以上説明しない。バスインタフェースは、バスとトランシーバの間にインタフェースを提供する。トランシーバは、1つの要素であってもよく、例えば、複数の受信機や送信機などの複数の要素であってもよく、伝送媒体上で様々なその他の装置と通信するためのユニットを提供する。プロセッサ901によって処理されたデータは、アンテナを介して無線媒体上で伝送され、さらに、アンテナはデータを受信してプロセッサ901に伝送する。プロセッサ901はバスの管理と通常の処理を担当し、タイミング、周辺インタフェース、電圧調整、電源管理、その他の制御機能を含む様々な機能を提供することもできる。一方、メモリ902は、プロセッサ901が動作を実行する際に使用するデータを記憶するために使用することができる。
【0121】
本願の第6の実施例はコンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、上記方法実施例が実現される。つまり、上記実施例の方法における全てのまたは一部のステップの実現はプログラムが関連するハードウェアに指令して実行することができることを当業者は理解するであろう。当該プログラムは、1つのデバイス(シングルチップ、チップなどであってもよい)またはプロセッサ(processor)が本願の各実施例に記載の方法の全てのまたは一部のステップを実行するようにするための幾つかの指令を含む記憶媒体に記憶される。前述の記憶媒体は、Uディスク、リムーバブルハードディスク、読み取り専用メモリ(ROM、Read-OnlyMemory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク、または光ディスクなど、プログラムコードを記憶することができる様々な媒体を含む。上述各実施例は本願を実現するための具体的な実施例であり、実際の応用においては、本願の精神及び範囲から逸脱しない限り、形式及び詳細において各種変形を行うことができることを当業者は理解するであろう。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9