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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】収穫用のエンドエフェクタ
(51)【国際特許分類】
   A01D 46/30 20060101AFI20241023BHJP
【FI】
A01D46/30
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2023547260
(86)(22)【出願日】2022-02-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 US2022014955
(87)【国際公開番号】W WO2022169883
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2023-09-05
(31)【優先権主張番号】17/168,019
(32)【優先日】2021-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】523293448
【氏名又は名称】トルツガ・アグリカルチュラル・テクノロジーズ・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】TORTUGA AGRICULTURAL TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドーアティ・ジェイリン
(72)【発明者】
【氏名】スクロール・グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ブラックビル・ティモシー
【審査官】星野 浩一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-037214(JP,A)
【文献】特開2016-192943(JP,A)
【文献】特開2006-061162(JP,A)
【文献】特開2005-176745(JP,A)
【文献】特開2004-180554(JP,A)
【文献】特開昭59-107886(JP,A)
【文献】実開平04-068647(JP,U)
【文献】実開昭56-111729(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第106233938(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0000027(US,A1)
【文献】矢口裕明 外3名,収穫装置と視覚認識に着目したトマト自動収穫ロボットの構成法,日本ロボット学会誌,第36巻第10号,日本,2018年,第37-46頁,https://www.jstage.jst.go.jp/article/jrsj/36/10/36_36_693/_article/-char/ja/
【文献】原紳 外3名,摘み取り指の弾性を活かした切断後把持戦略とその設計手法,日本機械学会論文集,第81巻第830号,日本,2015年,第1―12頁,https://www.jstage.jst.go.jp/article/transjsme/81/830/81_15-00304/_article/-char/ja/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 46/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンドエフェクタであって、
切断メカニズムと、
把持メカニズムと、
ピボット構成要素と、前記切断メカニズムおよび前記把持メカニズムは、前記ピボット構成要素に結合され、前記切断メカニズムは、前記ピボット構成要素の第1部分に結合され、前記把持メカニズムは、前記ピボット構成要素の第2部分に結合され、
直線部分とループ部とを備える作動接続構造と、前記作動接続構造のループ部は前記切断メカニズムと関連付けられているスロット開口部を介して前記切断メカニズムに結合され、前記把持メカニズムに関連付けられているスロット開口部を介して前記把持メカニズムに結合され、前記切断メカニズムに関連付けられている前記スロット開口部に関する幅は、前記把持メカニズムに関連付けられている前記スロット開口部に関する幅とは異なり、
前記作動接続構造に結合されているアクチュエータであって、前記切断メカニズムと前記把持メカニズムとを同時に閉じさせる前記作動接続構造に力を加えるように構成されているアクチュエータと、を備える、エンドエフェクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のエンドエフェクタであって、前記第1部分は、前記ピボット構成要素の上部であり、前記第2部分は、前記ピボット構成要素の底部である、エンドエフェクタ。
【請求項3】
請求項1に記載のエンドエフェクタであって、前記第1部分は、前記ピボット構成要素の底部であり、前記第2部分は、前記ピボット構成要素の上部である、エンドエフェクタ。
【請求項4】
請求項1に記載のエンドエフェクタであって、さらに、付勢メカニズムを備え、
前記付勢メカニズムは、前記把持メカニズムに結合されている、エンドエフェクタ。
【請求項5】
請求項4に記載のエンドエフェクタであって、前記付勢メカニズムは、閾値量の範囲内の力を前記把持メカニズムへ印加するよう構成されている、エンドエフェクタ。
【請求項6】
請求項4に記載のエンドエフェクタであって、前記付勢メカニズムは、バネである、エンドエフェクタ。
【請求項7】
請求項4に記載のエンドエフェクタであって、前記付勢メカニズムは、特定の大きさ力で予荷重されている、エンドエフェクタ。
【請求項8】
請求項4に記載のエンドエフェクタであって、前記付勢メカニズムは、付勢制限構成要素に結合されている、エンドエフェクタ。
【請求項9】
請求項8に記載のエンドエフェクタであって、前記付勢制限構成要素は、溝部である、エンドエフェクタ。
【請求項10】
請求項に記載のエンドエフェクタであって、前記アクチュエータからの力に応じて、前記作動接続構造は、前記切断メカニズムおよび前記把持メカニズムを開くよう構成されている、エンドエフェクタ。
【請求項11】
請求項10に記載のエンドエフェクタであって、前記アクチュエータは、前記作動接続構造を前記エンドエフェクタの遠位端に向かって押すよう構成されている、エンドエフェクタ。
【請求項12】
請求項に記載のエンドエフェクタであって、前記アクチュエータからの力に応じて、前記作動接続構造は、前記切断メカニズムおよび前記把持メカニズムを閉じるよう構成されている、エンドエフェクタ。
【請求項13】
請求項12に記載のエンドエフェクタであって、前記アクチュエータは、前記作動接続構造を前記エンドエフェクタの近位端に向かって引くよう構成されている、エンドエフェクタ。
【請求項14】
請求項に記載のエンドエフェクタであって、さらに、ハウジングを備え、
前記作動接続構造、前記切断メカニズムの近位端、および、前記把持メカニズムの近位端が、前記ハウジング内に配置されている、エンドエフェクタ。
【請求項15】
請求項に記載のエンドエフェクタであって、前記アクチュエータからの力に応じて、前記作動接続構造は、前記把持メカニズムに植物の付属物を把持させる、エンドエフェクタ。
【請求項16】
請求項15に記載のエンドエフェクタであって、前記アクチュエータからの前記力に応じて、前記作動接続構造は、前記切断メカニズムに前記付属物の切断を実行させ、前記付属物は、第1部分および第2部分に分割され、前記把持メカニズムは、前記第2部分を把持するよう構成されている、エンドエフェクタ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
作物の収穫に関連する人件費を削減するために、作物収穫用のロボットシステムが利用されている。これらのロボットシステムは、作物をその環境から取り除くよう設計されているエンドエフェクタを備えうる。ロボットシステムを実装することによって人件費は削減されうるが、エンドエフェクタは、作物がその環境から取り除かれる時に作物に損傷を与えうる。例えば、エンドエフェクタは、果実を把持してつるからねじ切るために用いられる複数の指を備えうる。この把持してねじ切る動きが、あやまって果実を損傷しうる。結果として、ロボットシステムによる人件費の削減が、損傷した作物による損失で相殺される。より良いエンドエフェクタが、効率的に作物を収穫するために必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0002】
以下の詳細な説明と添付の図面において、本発明の様々な実施形態を開示する。
【0003】
図1A】いくつかの実施形態に従って、エンドエフェクタを示す側面図。
【0004】
図1B】いくつかの実施形態に従って、エンドエフェクタを示す上面図。
【0005】
図1C】いくつかの実施形態に従って、切断メカニズムおよび把持メカニズムを示す上面図。
【0006】
図2A】いくつかの実施形態に従って、エンドエフェクタを示す側面図。
【0007】
図2B】いくつかの実施形態に従って、エンドエフェクタを示す上面図。
【0008】
図2C】いくつかの実施形態に従って、切断メカニズムおよび把持メカニズムを示す上面図。
【0009】
図3A】いくつかの実施形態に従って、エンドエフェクタを示す側面図。
【0010】
図3B】いくつかの実施形態に従って、エンドエフェクタを示す上面図。
【0011】
図3C】いくつかの実施形態に従って、切断メカニズムおよび把持メカニズムを示す上面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、処理、装置、システム、物質の組成などとして、多くの方法で実施されうる。本明細書では、これらの実施例または本発明が取りうる任意の他の形態が、技術と呼ばれうる。一般に、開示されている処理の工程の順序は、本発明の範囲内で変更されてもよい。
【0013】
以下では、本発明の原理を示す図面を参照しつつ、本発明の1または複数の実施形態の詳細な説明を行う。本発明は、かかる実施形態に関連して説明されているが、どの実施形態にも限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定されるものであり、本発明は、多くの代替物、変形物、および、等価物を含む。以下の説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細事項が記載されている。これらの詳細事項は、例示を目的としたものであり、本発明は、これらの具体的な詳細事項の一部または全てがなくとも特許請求の範囲に従って実施可能である。簡単のために、本発明に関連する技術分野で周知の技術事項については、本発明が必要以上にわかりにくくならないように、詳細には説明していない。
【0014】
植物の付属物を切り取るためのエンドエフェクタが開示されている。エンドエフェクタは、切断メカニズムおよび把持メカニズムで構成されている。切断メカニズムおよび把持メカニズムは、対応するジョーのセットを備える。エンドエフェクタは、切断メカニズムおよび把持メカニズムを同時に開閉するよう構成されている。植物は、付属物(例えば、茎、つる、枝、柄、など)および収穫対象物(例えば、花、果実、など)を備えうる。切断メカニズムおよび把持メカニズムが開いている時に、植物の付属物が、対応するジョーのセットに関連する開口部内に配置されてよい。エンドエフェクタに関連付けられているアクチュエータが、切断メカニズムおよび把持メカニズムを閉じさせる力を印加してよい。印加された力は、植物の付属物を第1部分および第2部分に分けるバイパス切断を切断メカニズムに実行させる一方で、印加された力は、収穫対象物に結合した植物の付属物の第2部分を把持メカニズムに把持させる。結果として、エンドエフェクタは、収穫対象物を損傷することなしに、収穫対象物を植物から取り除くことができる。
【0015】
図1A図1Bは、いくつかの実施形態に従って、それぞれ、エンドエフェクタを示す側面図および上面図である。図に示す例において、エンドエフェクタ100は、切断メカニズム102および把持メカニズム104を備える。
【0016】
切断メカニズム102は、切断用のジョーのセットを備える。いくつかの実施形態において、切断用のジョーのセットは、アンビル型の切断メカニズムである。いくつかの実施形態において、切断用のジョーのセットは、バイパス型の切断メカニズムである。いくつかの実施形態において、切断用のジョーのセットは、フラッシュ型の切断メカニズムである。
【0017】
把持メカニズム104は、把持用のジョーのセットを備える。いくつかの実施形態において、把持用のジョーのセットは、プライヤ型の把持メカニズムである。いくつかの実施形態において、把持用のジョーのセットは、様々な形状のテクスチャまたは歯を備える。いくつかの実施形態において、把持用のジョーのセットは、平坦かつテーパ状である。
【0018】
切断メカニズム102および把持メカニズム104は、結合メカニズムを介して互いに機械的に結合されており、結合メカニズムは、ピボット構成要素106を備えてよい。ピボット構成要素106は、ピン、ネジ、ボルト、留め具、だぼ、ペグ、などであってよい。切断メカニズム102は、ピボット構成要素106の第1部分に結合され、把持メカニズム104は、ピボット構成要素106の第2部分に結合されている。第1部分は、ピボット構成要素106の上部であり、第2部分は、ピボット構成要素106の底部である。例えば、エンドエフェクタ100は、つるからぶら下がっている果実を取り除くために用いられてよい。エンドエフェクタ100が果実を取り除くために用いられる場合、切断メカニズム102は、把持メカニズムが、果実に付いているつるの部分を把持している間に、つるを切断してよく、これにより、果実が地面に落下して潜在的に損傷を受けることを防止する。いくつかの実施形態において、第1部分は、ピボット構成要素106の底部であり、第2部分は、ピボット構成要素106の上部である。例えば、エンドエフェクタ100は、花を収穫するために用いられてもよい。エンドエフェクタ100が花を収穫するために用いられる場合、切断メカニズム102は、把持メカニズムが、花に付いている茎の部分を把持している間に、茎の底部から花を切断してよく、これにより、が地面に落下して潜在的に損傷を受けることを防止する。いくつかの実施形態において、ピボット構成要素106は、2つのピボット構成要素で構成される。2つのピボット構成要素は、切断メカニズム102に関連付けられた第1ピボット構成要素が、把持メカニズム104に関連付けられた第2ピボット構成要素と重ならないようにずらされていてよい。いくつかの実施形態において、切断メカニズム102および把持メカニズム104は、傾斜ブロックおよび伸縮ばねとの線形結合など、異なる結合メカニズムを介して互いに結合される。
【0019】
エンドエフェクタ100は、切断メカニズム102および把持メカニズム104を同時に開閉するよう構成されている作動接続構造114を備える。作動接続構造114は、直線部分113およびループ部108を備えてよい。作動接続構造114は、ワイヤ形態、鋳造または機械加工された部品と金属ピンとの組立品、もしくは、その他の剛性材料(プラスチック、ポリマ、複合材料、または、切断メカニズム102および把持メカニズム104が開閉される時にアクチュエータ118からの力に耐えることのできる任意のその他のタイプの剛性材料など)であってよい。
【0020】
切断メカニズム102および把持メカニズム104は、(図1Bおよび図1に示されている)対応するスロット開口部を備える。スロット開口部は、角度の付いたスロット開口部(同じ角度または異なる角度)、直線スロット開口部、曲線スロット開口部であってよく、または、複合的な経路に従っていてもよい。作動接続構造114のループ部108は、対応するスロット開口部を介して切断メカニズム102および把持メカニズム104と連結されていてよい。切断メカニズム102に関連するスロット開口部および把持メカニズム104に関連するスロット開口部は、異なる幅を有する。把持メカニズム104に関連するスロット開口部幅は、切断メカニズム102に関連するスロット開口部幅よりも広い。いくつかの実施形態において、切断メカニズム102に関連するスロット開口部幅は、作動接続構造114のループ部108の幅である。いくつかの実施形態において、切断メカニズム102に関連するスロット開口部幅は、閾値量(例えば、2mm)だけ作動接続構造114のループ部108の幅よりも広いが、把持メカニズム104に関連するスロット開口部幅よりも狭い。
【0021】
いくつかの実施形態において、作動接続構造114は、押し引きされうる傾斜ランプに結合されている直線部分113を備える。いくつかの実施形態において、作動接続構造114は、直線部分113と、直線部分113を通して回転されることができるネジメカニズムと、を備える。ネジメカニズムの回転は、切断メカニズム102および把持メカニズム104を同時に開閉させる力を印加する。
【0022】
エンドエフェクタ100は、付勢メカニズム110を備える。いくつかの実施形態において、付勢メカニズム110は、作動接続構造114を取り巻く軸バネである。いくつかの実施形態において、付勢メカニズム110は、回転メカニズムの周りの角度バネである。いくつかの実施形態において、付勢メカニズム110は、コンプライアントなメカニズム、エラストマ、または、その他である。
【0023】
付勢メカニズムは、ループ部108の近位端と付勢制限構成要素112の近位端との間に配置されていてよい。付勢制限構成要素112は、L字型の構造であってよい。付勢制限構成要素112の近位端は、作動接続構造114に取り付けられることを可能にするために、U字型の開口部を備えてよい。付勢制限構成要素112の近位端は、付勢メカニズム110の第1端に結合されている。付勢制限構成要素112の遠位端は、ノブ機構120を介して、把持メカニズム104に関連するスロット開口部に結合されている。付勢制限構成要素112は、ループ部108が付勢制限構成要素112を通過することを可能にする溝部115を備える。この例において、溝部115は、U字型である。
【0024】
エンドエフェクタ100は、ハウジング116を備える。ハウジング116は、切断メカニズム102および把持メカニズム104が、植物の部位、他の果実、花、または、栽培場所のその他の機械的側面を乱すことなしに、切断点に近づくことを可能にする長くて狭い機械的部分であってよい。いくつかの実施形態において、ハウジング116は、中空の管である。いくつかの実施形態において、ハウジング116は、別の断面の長い押出成形物である。いくつかの実施形態において、ハウジング116は、押出成形物ではない外部機械骨格である。ハウジング116は、作動接続構造114、付勢メカニズム110、付勢制限構成要素112、切断メカニズム102の近位端、および、把持メカニズム104の近位端を取り囲んでいてよい。
【0025】
エンドエフェクタ100は、アクチュエータ118を備える。いくつかの実施形態において、アクチュエータ118は、サーボモータ、ステッパモータ、または、任意のその他のタイプの電磁モータである。いくつかの実施形態において、アクチュエータ118は、空気モータ、油圧モータ、または、任意のその他のタイプの回転アクチュエータである。いくつかの実施形態において、アクチュエータ118は、空気圧、電磁気、または、油圧を動力源とする線形アクチュエータである。いくつかの実施形態において、アクチュエータ118は、切断メカニズム102および把持メカニズム104を同時に開かせる力を印加する。いくつかの実施形態において、アクチュエータ118は、植物の付属物が、2つの部分に切断された後に力を印加し、収穫された対象物は、保管のためのトレイまたは箱に置かれる。
【0026】
アクチュエータ118は、植物から対象物を収穫しようとする前に力を印加する。いくつかの実施形態において、印加された力は、切断メカニズム102および把持メカニズム104を特定の量だけ開かせる。例えば、エンドエフェクタは、栽培環境内で近くに位置する複数のぶら下がっている果実を収穫するために用いられてよい。複数のぶら下がっている果実に関連するつるの間の距離は、様々でありうる。特定の果実を収穫しようとする時、アクチュエータ118は、栽培場所に位置する他の植物、果実、つる、花などを偶発的に乱して潜在的に損傷することを避けるために、切断メカニズム102および把持メカニズム104を完全に開く代わりに、切断メカニズム102および把持メカニズム104を特定の量だけ開かせてよい。
【0027】
いくつかの実施形態において、アクチュエータ118は、切断メカニズム102および把持メカニズム104を同時に閉じさせる力を印加する。いくつかの実施形態において、植物の付属物が完全には切断されていない旨のフィードバックに応答して、アクチュエータ118は、切断メカニズム102に付属物へより大きい力を印加させるさらなる力を印加する。本明細書に記載されているさらなる力は、把持メカニズム104には付属物へより大きい力を印加させない。
【0028】
いくつかの実施形態において、エンドエフェクタ100は、対象物が収穫された後に閉状態のままであり、植物から次の対象物を収穫しようとする前に開状態に変更される。いくつかの実施形態において、エンドエフェクタ100は、収納場所に解放するために、対象物が収穫された後に開状態に変化する。
【0029】
図1Bは、いくつかの実施形態に従って、エンドエフェクタを示す上面図である。図に示す例において、エンドエフェクタ150は、切断メカニズム102、把持メカニズム14、および、ピボット構成要素106を備える。切断メカニズム102は、スロット開口部122を備え、把持メカニズム104は、スロット開口部124を備える。作動接続構造114のループ部108は、スロット開口部122およびスロット開口部124と連結されている。
【0030】
図1Cは、いくつかの実施形態に従って、切断メカニズムおよび把持メカニズムを示す上面図である。図に示す例において、切断メカニズム102は、スロット開口部122を備える。作動接続構造114のループ部108は、スロット開口部122およびスロット開口部124と連結されている。把持メカニズム104は、スロット開口部124を備える。付勢制限構成要素112のノブ機構120は、スロット開口部124に結合されている。付勢制限構成要素11は、作動接続構造114のループ部108がスロット開口部124を通過することを可能にする溝部115を備える。
【0031】
切断メカニズム102に関連するスロット開口部および把持メカニズム104に関連するスロット開口部は、異なる幅を有する。把持メカニズム104に関連するスロット開口部幅は、切断メカニズム102に関連するスロット開口部幅よりも広い。いくつかの実施形態において、切断メカニズム102に関連するスロット開口部幅は、作動接続構造114の幅である。いくつかの実施形態において、切断メカニズム102に関連するスロット開口部幅は、閾値量(例えば、2mm)だけ作動接続構造114の幅よりも広いが、把持メカニズム104に関連するスロット幅よりも狭い。
【0032】
図2A図2Bは、それぞれ、エンドエフェクタの一実施形態を示す側面図および上面図である。図に示す例において、エンドエフェクタ200は、開状態にある。切断メカニズム102および把持メカニズム104の両方が、開位置にある。付属物202が、開口部204に配置されている。
【0033】
いくつかの実施形態において、エンドエフェクタ200は、例えば、図1A図1Cに示したように、閉位置にある。エンドエフェクタ200を開くために、アクチュエータ118は、作動接続構造114へ力を印加してよい。例えば、印加された力は、エンドエフェクタ200の遠位端に向かって作動接続構造114を押しうる。印加された力は、ループ部108を、切断メカニズム102および把持メカニズム104に関連するスロット開口部の近位端から、切断メカニズム102および把持メカニズム104に関連するスロット開口部の遠位端に向かって移動させうる。作動接続構造114のループ部108は、印加された力を、切断メカニズム102および把持メカニズム104に関連するスロット開口部へ伝えうる。作動接続構造114のループ部108は、切断メカニズム102および把持メカニズム104に関連するスロット開口部と連結されている。結果として、切断メカニズム102および把持メカニズム104に関連するスロット開口部に印加された力は、切断メカニズム102および把持メカニズム104のジョーを、ピボット構成要素106の周りで、同時に、回転させて開かせる。切断メカニズム102および把持メカニズム104のジョーが開く程度は、アクチュエータ118によって印加される力の大きさに基づく。
【0034】
他の実施形態において、作動接続構造114は、遠位部分(例えば、チップ)において剛性であり、ケーブルに結合されたバネ(図示せず)を備える。ケーブルが引っ張られるのに応じて、バネは、遠位端を押すよう構成されており、これは、切断メカニズム102および把持メカニズム104を閉じさせる。ケーブルが解放されるのに応じて、バネは、切断メカニズム102および把持メカニズムを開かせる。
【0035】
図2Cは、切断メカニズムおよび把持メカニズムの一実施形態を示す上面図である。図に示す例において、切断メカニズム102および把持メカニズム104の両方が、開位置にある。付属物202が、切断メカニズム102に関連する開口部および把持メカニズム104に関連する開口部に配置されている。作動接続構造114のループ部108は、スロット開口部122、124の遠位端に位置する。
【0036】
図3A図3Bは、それぞれ、エンドエフェクタの一実施形態を示す側面図および上面図である。図に示す例において、エンドエフェクタ300は、閉状態にある。
【0037】
一実施形態において、エンドエフェクタ300は、例えば、図2A図2Cに示したように、開位置にある。エンドエフェクタ300を閉じるために、アクチュエータ118は、作動接続構造114へ力を印加する。例えば、印加された力は、作動接続構造114をエンドエフェクタの近位端に向かって引っ張る。印加された力は、作動接続構造114のループ部108を、切断メカニズム102および把持メカニズム104に関連するスロット開口部の遠位端から、切断メカニズム102および把持メカニズム104に関連するスロット開口部の近位端に向かって移動させる。図に示す例において、ループ部108は、距離304だけ移動している。
【0038】
作動接続構造114のループ部108は、印加された力を、切断メカニズム102および把持メカニズム104に関連するスロット開口部へ伝える。作動接続構造114のループ部108は、切断メカニズム102および把持メカニズム104に関連するスロット開口部と連結されている。切断メカニズム102に関連するスロット開口部122の幅は、作動接続構造114のループ部108の幅であってよい。この構成の結果として、切断メカニズム102および把持メカニズムに関連するスロット開口部に印加された力は、切断メカニズム102および把持メカニズム104のジョーを、ピボット構成要素106の周りで、同時に、回転させて閉じさせる。印加された力は、まず、把持メカニズム104に付属物202を把持させる。
【0039】
印加された力は、まず、把持メカニズム104に付属物202を把持させる。より大きい力が印加されると、印加された力は、切断メカニズム102に付属物202のバイパス切断を実行させ、これは、付属物202を第1部分302aおよび第2部分302bに分割させる。切断メカニズム102が付属物202に印加する力の大きさは、アクチュエータ118によって印加される力に比例する。
【0040】
把持メカニズム104が付属物202に印加する力の大きさは、付勢構成要素110および付勢制限構成要素112によって制限される。付勢制限構成要素112の近位端とループ部108の近位端との間に配置されると、付勢構成要素110は、特定の大きさの力で予荷重される。予荷重される力は、付属物の直径(例えば、1mm~1cm)にかかわらず、付属物を切断できない力であってよい。例えば、付勢構成要素110は、20ポンドの力で予荷重されてよい。いくつかの実施形態において、予荷重される大きさは、特定の大きさの力の閾値(例えば、±5ポンド)内にある。
【0041】
アクチュエータ118が作動接続構造114に力を印加すると、その力は、付勢構成要素110を圧縮させる。付勢構成要素110の受ける圧縮の量は、フックの法則(F=kx)に基づく。把持メカニズム104が付属物に印加する力の大きさは、閾値量の範囲内で予荷重された力の大きさを超ええない。アクチュエータ118によって印加される力の大きさが増大した場合でも、把持メカニズム104によって付属物302bへ印加される力の大きさは、閾値量の範囲内で予荷重された力の大きさを超えない。
【0042】
エンドエフェクタ300が付属物200を第1部分302aおよび第2部分302に切断した後、エンドエフェクタ300に結合されたロボットアームが、収穫された対象物の保管場所へエンドエフェクタ300を移動してよい。アクチュエータ118は、例えば、図2A図2Bに示したように、切断メカニズム102および把持メカニズムを開かせる力を印加する。第2部分302に付随する収穫対象物は、ロボットアームを備えたロボットシステムに関連する一時保管場所(例えば、箱、トレイ)の中に置かれてよい。結果として、エンドエフェクタは、収穫対象物を損傷することなしに、対象物を植物から収穫できる。
【0043】
図3Cは、切断メカニズムおよび把持メカニズムの一実施形態を示す上面図である。図に示す例において、切断メカニズム102および把持メカニズム104の両方が、閉位置にある。切断メカニズム102は、すでに、付属物202を第1部分302aおよび第2部分302bに分割している。第1部分302aは、付属物202から分離された後に植物に付いたまま残りうるが、第2部分302bは、把持メカニズム104によって把持される。
【0044】
図に示す例において、作動接続構造114のループ部108は、スロット開口部122の近位端に位置する。付勢制限メカニズム112のノブ機構120は、スロット開口部124の遠位端からスロット開口部124の近位端に向かって移動しているが、把持メカニズム104が付属物202の第2部分302bを把持しているので、スロット開口部124の近位端に向かって完全には移動していない。切断メカニズム102が付属物202を分割した後に、把持メカニズム104が付属物202の第2部分302bを把持し損ねた場合、付勢メカニズムのノブ機構120は、例えば、図1Cに示すように、スロット開口部の近位端に向かって完全に移動する。
【0045】
上述の実施形態は、理解しやすいようにいくぶん詳しく説明されているが、本発明は、提供された詳細事項に限定されるものではない。本発明を実施する多くの代替方法が存在する。開示された実施形態は、例示であり、限定を意図するものではない。
[適用例1]エンドエフェクタであって、
切断メカニズムと、
把持メカニズムと、
ピボット構成要素と、
を備え、
前記切断メカニズムおよび前記把持メカニズムは、前記ピボット構成要素に結合され、前記切断メカニズムは、前記ピボット構成要素の第1部分に結合され、前記把持メカニズムは、前記ピボット構成要素の第2部分に結合されている、エンドエフェクタ。
[適用例2]適用例1に記載のエンドエフェクタであって、前記第1部分は、前記ピボット構成要素の上部であり、前記第2部分は、前記ピボット構成要素の底部である、エンドエフェクタ。
[適用例3]適用例1に記載のエンドエフェクタであって、前記第1部分は、前記ピボット構成要素の底部であり、前記第2部分は、前記ピボット構成要素の上部である、エンドエフェクタ。
[適用例4]適用例1に記載のエンドエフェクタであって、さらに、付勢メカニズムを備え、
前記付勢メカニズムは、前記把持メカニズムに結合されている、エンドエフェクタ。
[適用例5]適用例4に記載のエンドエフェクタであって、前記付勢メカニズムは、閾値量の範囲内の力を前記把持メカニズムへ印加するよう構成されている、エンドエフェクタ。
[適用例6]適用例4に記載のエンドエフェクタであって、前記付勢メカニズムは、バネである、エンドエフェクタ。
[適用例7]適用例4に記載のエンドエフェクタであって、前記付勢メカニズムは、特定の大きさ力で予荷重されている、エンドエフェクタ。
[適用例8]適用例4に記載のエンドエフェクタであって、前記付勢メカニズムは、付勢制限構成要素に結合されている、エンドエフェクタ。
[適用例9]適用例8に記載のエンドエフェクタであって、前記付勢制限構成要素は、溝部である、エンドエフェクタ。
[適用例10]適用例1に記載のエンドエフェクタであって、さらに、作動接続構造を備え、前記作動接続構造は、ループ部を備える、エンドエフェクタ。
[適用例11]適用例10に記載のエンドエフェクタであって、前記作動接続構造の前記ループ部は、前記切断メカニズムおよび前記把持メカニズムに結合されている、エンドエフェクタ。
[適用例12]適用例11に記載のエンドエフェクタであって、前記作動接続構造の前記ループ部は、前記切断メカニズムに関連するスロット開口部を介して前記切断メカニズムに結合され、前記把持メカニズムに関連するスロット開口部を介して前記把持メカニズムに結合されている、エンドエフェクタ。
[適用例13]適用例12に記載のエンドエフェクタであって、前記アクチュエータ構造の前記ループ部に関する幅は、前記切断メカニズムに関連する前記スロット開口部に関する幅と同じ幅である、エンドエフェクタ。
[適用例14]適用例12に記載のエンドエフェクタであって、前記アクチュエータ構造の前記ループ部に関する幅は、前記把持メカニズムに関連する前記スロット開口部に関する幅と異なっている、エンドエフェクタ。
[適用例15]適用例10に記載のエンドエフェクタであって、前記作動接続構造は、アクチュエータに結合されている、エンドエフェクタ。
[適用例16]適用例15に記載のエンドエフェクタであって、前記アクチュエータからの力に応じて、前記作動接続構造は、前記切断メカニズムおよび前記把持メカニズムを開くよう構成されている、エンドエフェクタ。
[適用例17]適用例16に記載のエンドエフェクタであって、前記アクチュエータは、前記作動接続構造を前記エンドエフェクタの遠位端に向かって押すよう構成されている、エンドエフェクタ。
[適用例18]適用例15に記載のエンドエフェクタであって、前記アクチュエータからの力に応じて、前記作動接続構造は、前記切断メカニズムおよび前記把持メカニズムを閉じるよう構成されている、エンドエフェクタ。
[適用例19]適用例18に記載のエンドエフェクタであって、前記アクチュエータは、前記作動接続構造を前記エンドエフェクタの近位端に向かって引くよう構成されている、エンドエフェクタ。
[適用例20]適用例10に記載のエンドエフェクタであって、さらに、ハウジングを備え、
前記作動接続構造、前記切断メカニズムの近位端、および、前記把持メカニズムの近位端が、前記ハウジング内に配置されている、エンドエフェクタ。
[適用例21]適用例15に記載のエンドエフェクタであって、前記アクチュエータからの力に応じて、前記作動接続構造は、前記把持メカニズムに植物の付属物を把持させる、エンドエフェクタ。
[適用例22]適用例21に記載のエンドエフェクタであって、前記アクチュエータからの前記力に応じて、前記作動接続構造は、前記切断メカニズムに前記付属物の切断を実行させ、前記付属物は、第1部分および第2部分に分割され、前記把持メカニズムは、前記第2部分を把持するよう構成されている、エンドエフェクタ。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C