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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】端子付きダンパー装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 15/14 20060101AFI20241023BHJP
   H01H 3/60 20060101ALI20241023BHJP
   F16F 9/12 20060101ALI20241023BHJP
   F16F 15/16 20060101ALI20241023BHJP
   B60Q 3/225 20170101ALN20241023BHJP
   B60R 7/06 20060101ALN20241023BHJP
【FI】
H01H15/14
H01H3/60 A
F16F9/12
F16F15/16 Z
B60Q3/225
B60R7/06 G
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023556382
(86)(22)【出願日】2022-10-20
(86)【国際出願番号】 JP2022039177
(87)【国際公開番号】W WO2023074538
(87)【国際公開日】2023-05-04
【審査請求日】2024-04-19
(31)【優先権主張番号】P 2021174977
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000124096
【氏名又は名称】株式会社パイオラックス
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】加藤 幸一
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/198423(WO,A1)
【文献】特開2009-184466(JP,A)
【文献】特開2011-178296(JP,A)
【文献】国際公開第2020/241518(WO,A1)
【文献】国際公開第2007/080448(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0187195(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0121501(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2008-0082766(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 15/14
H01H 3/60
F16F 9/12
F16F 15/16
B60Q 3/225
B60R 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに接離する第1端子及び第2端子を有する、端子付きダンパー装置であって、
外側に端子ケース装着部を設けた本体ケースと、
前記本体ケースにスライド可能に保持されるロッドと、
両端子を収容保持すると共に、前記端子ケース装着部に装着されて前記本体ケースの外側に配置される端子ケースと、
前記ロッドに制動力を付与するダンパー構造とを有しており、
両端子は、対向して配置されると共に、前記ロッドの、所定のスライド位置で互いに接触するように構成されており、
両端子は、所定方向に延び撓み変形可能とされた板部と、該板部に対して所定方向に折り曲げられてなる第1折曲リブと、前記板部の基端部側から延出するバスバーとをそれぞれ有しており、
前記端子ケースは、その内部に隔壁を介して、両端子の前記板部を収容保持する端子収容空間と、電気コネクタが差し込まれるコネクタ差し込み空間とが形成されており、
前記隔壁に、前記バスバーが挿通され、同バスバーを前記コネクタ差し込み空間へと挿出させる、バスバー挿通孔が形成されており、
前記端子ケース装着部には、前記第1端子の板部と前記第2端子の板部との間に配置されると共に、各第1折曲リブを前記隔壁との間で挟持して、両端子の、前記ロッドのスライド方向側の移動を規制する突部が設けられていることを特徴とする端子付きダンパー装置。
【請求項2】
前記端子ケース装着部は、前記端子ケースに係合する本体ケース側係合部を有しており、
前記端子ケースには、前記端子ケースを、前記ロッドのスライド方向に移動させることで、前記本体ケース側係合部に係合する端子ケース側係合部を有しており、
前記本体ケース側係合部と前記端子ケース側係合部とが係合した状態で、前記突部と前記隔壁との間で、両端子の第1折曲リブが挟持されるように構成されている請求項1記載の端子付きダンパー装置。
【請求項3】
前記端子ケースには、前記第2端子の前記板部が弾性的に当接するリブが設けられている請求項1又は2記載の端子付きダンパー装置。
【請求項4】
前記端子ケース装着部には、前記リブが挿入されると共に、前記ロッドのスライド方向に延びる位置決め溝が形成されている請求項3記載の端子付きダンパー装置。
【請求項5】
両端子の前記板部の基端部側には、その面が、前記ロッドのスライド方向に交差する方向に向くように折り曲げられてなる、第2折曲リブが設けられており、
前記端子ケースには、両端子が収容保持された状態で、両端子の、前記第2折曲リブどうしの間に入り込むガイド突部が設けられており、
該ガイド突部と、前記端子ケースの、前記端子収容空間を形成する壁部の内面との間に、前記第2折曲リブがそれぞれ配置されて、両端子の基端部側での近接移動が規制されるように構成されている請求項1又は2記載の端子付きダンパー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自動車のグローブボックスの開閉動作等の制動に用いられ、所定動作がなされたときに、互いに接触して導通する端子を有する、端子付きダンパー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車のグローブボックスには、リッドが急に開くのを抑制して緩やかに開かせるために、ダンパー装置が用いられることがある。また、ダンパー装置には、例えば、グローブボックスが開いたときに、ライトを点灯させるための、一対の端子を備えたものもある。
【0003】
このようなダンパー装置として、下記特許文献1には、ハウジングと、該ハウジングにスライド可能に保持されるピストンロッドとを有し、ハウジングの外周から、径方向外方に向けてコンタクトキャリアが突設しており(特許文献1のFig.4参照)、該コンタクトキャリアに、一対のコンタクトタングが配置された、ダンパー装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第6298959号明細書(US6298959B1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1のダンパー装置の場合、ハウジングに対して、コンタクトキャリアが一体的に形成されているため、ハウジングに一対のコンタクトタングを組付けにくく、組付け後には、ハウジングから一対のコンタクトタングが外れてしまう恐れがあった。
【0006】
したがって、本発明の目的は、本体ケースに一対の端子を組付けやすく、組付け後に本体ケースから一対の端子が外れるのを防止できる、端子付きダンパー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、互いに接離する第1端子及び第2端子を有する、端子付きダンパー装置であって、外側に端子ケース装着部を設けた本体ケースと、前記本体ケースにスライド可能に保持されるロッドと、両端子を収容保持すると共に、前記端子ケース装着部に装着されて前記本体ケースの外側に配置される端子ケースと、前記ロッドに制動力を付与するダンパー構造とを有しており、両端子は、対向して配置されると共に、前記ロッドの、所定のスライド位置で互いに接触するように構成されており、両端子は、所定方向に延び撓み変形可能とされた板部と、該板部に対して所定方向に折り曲げられてなる第1折曲リブと、前記板部の基端部側から延出するバスバーとをそれぞれ有しており、前記端子ケースは、その内部に隔壁を介して、両端子の前記板部を収容保持する端子収容空間と、電気コネクタが差し込まれるコネクタ差し込み空間とが形成されており、前記隔壁に、前記バスバーが挿通され、同バスバーを前記コネクタ差し込み空間へと挿出させる、バスバー挿通孔が形成されており、前記端子ケース装着部には、前記第1端子の板部と前記第2端子の板部との間に配置されると共に、各第1折曲リブを前記隔壁との間で挟持して、両端子の、前記ロッドのスライド方向側の移動を規制する突部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、端子ケースの端子収容空間に、各端子を収容し、各バスバーを対応するバスバー挿通孔に挿通させて、コネクタ差し込み空間へと挿出させることで、端子ケースに両端子を収容して仮保持されると共に、この端子ケースを端子ケース装着部に装着することで、端子ケースに設けた隔壁と、端子ケース装着部に設けた突部との間で、各端子の第1折曲リブが挟持されて、両端子を、ロッドのスライド方向への移動を規制した状態で、両端子が本固定されるので、本体ケースの外側に、端子ケースを介して両端子を組付けることができる。このように、端子ケース内に、両端子を一旦収容して仮保持した後、端子ケースを端子ケース装着部に装着することで、隔壁及び突部とで第1折曲リブが挟持されて、両端子が本固定されるので、本体ケースに対する両端子の組付け作業性を向上させることができると共に、組付け後に、本体ケースから両端子が外れることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る端子付きダンパー装置の、一実施形態を示す分解斜視図である。
図2】同端子付きダンパー装置を構成する一対の端子及び端子ケースの斜視図である。
図3】端子ケースの外側に、端子ケースを介して、一対の端子を組付けた状態の斜視図である。
図4】端子付きダンパー装置の斜視図である。
図5図4のA-A矢視線における断面図である。
図6】端子付きダンパー装置の正面図である。
図7】一対の端子及び同一対の端子を収容保持した端子ケースの、側面図である。
図8図3のD-D矢視線における断面図である。
図9】端子付きダンパー装置の、端子ケースを除いた状態の平面図である。
図10】端子ケース装着部に端子ケースを装着する前の状態を示す斜視図である。
図11図4のB-B矢視線における断面図である。
図12】端子付きダンパー装置について、本体ケースを除いた状態での動作を示しており、(a)は、ロッドの押圧部が、第1端子の受け部を押圧していない状態の断面説明図、(b)はロッドがスライドして、その押圧部が第1端子の受け部を押圧した状態の断面説明図である。
図13】端子付きダンパー装置について、端子ケースを除いた状態での動作を示しており、(a)は、ロッドの押圧部が、第1端子の受け部を押圧していない状態の側面説明図、(b)は、ロッドがスライドして、その押圧部が第1端子の受け部を押圧した状態の側面説明図である。
図14】固定体の開口部を、開閉体で閉じた状態の説明図である。
図15】固定体の開口部から開閉体が開いた状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(端子付きダンパー装置の一実施形態)
以下、図面を参照して、本発明に係る端子付きダンパー装置の、一実施形態について説明する。
【0011】
図1に示すように、この端子付きダンパー装置10(以下、単に「ダンパー装置10」ともいう)は、互いに接離する第1端子60及び第2端子70を有し、図14及び図15に示すように、互いに近接離反する一対の部材に取付けられ、両部材が近接又は離反するときに制動力を付与するものであって、例えば、自動車のインストルメントパネルに設けられた収容部の開口部に、開閉可能に取付けられたグローブボックスやリッド等の、制動用として用いられる。
【0012】
なお、以下の実施形態においては、一方の部材を、インストルメントパネルの収容部等の固定体1とし、他方の部材を、固定体の開口部に開閉可能に取付けられた、グローブボックスやリッド等の開閉体3として説明するが、一対の部材は互いに近接離反可能なものであれば、特に限定はされない。また、この実施形態では、一対の端子60,70は、固定体1内(ここではグローブボックス内)に配置された図示しないライトを、開閉体3が開いたときに点灯させるために用いられるスイッチ端子となっており、固定体1の開口部から開閉体3が開いたときに、両端子60,70が互いに接触して導通し、上記ライトを点灯させるものとなっている。ただし、第1端子及び第2端子は、ライト点灯用のスイッチ端子以外に用いてもよく、特に限定されない。
【0013】
図1に示すように、この実施形態のダンパー装置10は、互いに接離する第1端子60及び第2端子70を有するものであって、外側に端子ケース装着部30を設けた本体ケース20と、該本体ケース20にスライド可能に保持されるロッド40と、両端子60,70を収容保持すると共に、端子ケース装着部30に装着されて本体ケース20の外側に配置される端子ケース80と、ロッド40に制動力を付与するダンパー構造とを有している。また、両端子60,70は、対向して配置されると共に、ロッド40の、所定のスライド位置で互いに接触するように構成されている。なお、この実施形態では、複数のギヤ等からなるダンパー構造体50と、ロッド40に設けたラックギヤ43a(図5参照)とが、本発明における「ダンパー構造」をなしている。
【0014】
また、詳細は後述するが、両端子60,70は、図2に示すように、所定方向に延び撓み変形可能とされた板部61,71と、該板部61,71に対して所定方向に折り曲げられてなる第1折曲リブ67,77と、板部61,71の基端部61b,71b側から延出するバスバー69,69をそれぞれ有している。同じく詳細は後述するが、図8に示すように、端子ケース80は、その内部に隔壁83を介して、両端子60,70の板部61,71を収容保持する端子収容空間S1と、電気コネクタが差し込まれるコネクタ差し込み空間S2とが形成されている。
【0015】
なお、以下の説明では、本体ケース20に対するロッド40のスライド方向を「X」とし、その一方の方向を「X1」、他方の方向を「X2」とする(図1及び図2参照)。また、ロッド40のスライド方向Xに直交する方向を「幅方向Y」とし、スライド方向X及び幅方向Yに直交する方向を「高さ方向Z」とする(図1及び図2参照)。
【0016】
まず、本体ケース20について説明する。
【0017】
図1に示すように、この実施形態の本体ケース20は、所定長さで延び且つ互いに平行に配置される一対の側壁21,21と、該一対の側壁21,21の長手方向両端部どうしを連結する一対の連結壁23,24と、これらの側壁21,21及び連結壁23,24の底部側に設けられた底壁25とを有しており、底壁25とは反対側の天井側が開口した、薄肉ケース状(薄肉箱状)をなしている。
【0018】
また、一対の連結壁23,24の、高さ方向Zの一端部側には、連結壁23,24を貫通して、本体ケース20に対してロッド40をスライド可能に保持する、スロット23a,24aがそれぞれ形成されている。このように、この本体ケース20は、ロッド40のスライド方向Xの両方向X1,X2に開口した、スロット23a,24aが設けられた形状をなしている。また、図4図5に示すように、前記ロッド40は、一対の連結壁23,24のスロット23a,24aに挿入されて、図14に示すX1方向や図15に示すX2方向に、スライド可能となるように保持される。
【0019】
更に図5及び図6に示すように、底壁25の外側には、取付部25aが突設されている。この取付部25aを介して、ダンパー装置10全体が、一方の部材である固定体1に取付けられるようになっている。また、本体ケース20の内部には、ダンパー構造体50を構成する、遊星ギヤ57(図1参照)が所定方向に回転しようとしたときに、その回転を規制する、回転規制部26が設けられている(図5参照)。
【0020】
更に図1に示すように、各側壁21の外側には、端子ケース80を装着するための、端子ケース装着部30が設けられている。
【0021】
この端子ケース装着部30は、各側壁21の外面側であって、その高さ方向Z(図1参照)の両端縁部から外方に向けて張り出した、薄肉フランジ状をなした一対の押え壁31,31を有している。これらの一対の押え壁31,31は、対向して配置されており、側壁21の長手方向(ロッド40のスライド方向Xと同方向)に沿って延びている。また、一方の押え壁31の長手方向一端部(ロッド40のスライド方向X1側の端部)及び長手方向他端部(ロッド40のスライド方向X2側の端部)の内面側(相手側の押え壁31との対向面側)であって、押え壁31の幅方向Yの他側部(側壁21の外面から離反する側部)からは、他方の押え壁31に向けて、突起状をなした本体ケース側係合部32,33がそれぞれ突設している。これらの本体ケース側係合部32,33が、端子ケース80の端子ケース側係合部86,87に係合することで、本体ケース20の端子ケース装着部30に、端子ケース80が装着されるようになっている。
【0022】
更に、端子ケース装着部30には、第1端子60の板部61と第2端子70の板部71との間に配置されると共に、各第1折曲リブ67,77を隔壁83との間で挟持して、両端子60,70の、ロッド40のスライド方向X側の移動を規制する突部35が設けられている(図1及び図7参照)。
【0023】
この実施形態では、各側壁21の外面の、本体ケース側係合部32及び本体ケース側係合部33の間であって、高さ方向Yの中間部から、突部35が突設されている。図1に示すように、この突部35は、側壁21の長手方向に沿って延びる一対の突起35a,35aと、該一対の突起35a,35aに対して直交して配置され、且つ、一対の突起35a,35aどうしを連結する突起35b,35bとからなる、略四角枠状をなしている。
【0024】
更に図1に示すように、端子ケース装着部30には、端子ケース80に設けられたリブ92(図2参照)が挿入されると共に、ロッド40のスライド方向Xに延びる位置決め溝37が形成されている。この実施形態では、各側壁21の外面であって、高さ方向Yの中間部には、凹溝状をなした位置決め溝37が、長手方向一端から他端側に向けて、突部35には至らない長さで形成されている(図1参照)。
【0025】
次に、ロッド40について説明する。
【0026】
この実施形態のロッド40は、所定長さで延びる長板状の基板41と、該基板41の長手方向に直交する幅方向Yの両側縁から垂設した一対の側壁43,43と、基板41や両側壁43の長手方向一端部に配置されて、これらを互いに連結する先端部45とを有しており、全体として薄肉平坦状をなしている。このロッド40は、本体ケース20のスロット23a,24aに挿入され、同本体ケース20によりスライド可能に保持される。この際、一対の側壁43,43は、スロット23a,24aの幅方向Yの両側に配置される。また、図5に示すように、一方の側壁43の内面には、ラックギヤ43aが形成されている。
【0027】
更に、先端部45からは、舌片状をなした一対の取付片45a,45aが突出している。これらの一対の取付片45a,45aを介して、ダンパー装置10全体が、他方の部材である開閉体3に取付けられるようになっている(図14及び図15参照)。
【0028】
また、ロッド40は、そのスライド位置によって、第1端子60を押圧して第2端子70に接触させる、押圧部47を有している。
【0029】
図1図13に示すように、この実施形態では、各側壁43の外面側であって、高さ方向Zの一端縁部から、薄肉のリブ状をなした押圧部47がそれぞれ張り出している。図1に示すように、この押圧部47は、ロッド40の側壁43の長手方向一端部側から他端部側に向けて延びている。また、この押圧部47は、本体ケース20の外側に第1端子60が配置された状態で、第1端子60の受け部62(図1,2参照)に対して整合する位置となり、押圧部47と受け部62とが対向配置されるようになっている(図6参照)。
【0030】
そして、ロッド40のスライドに伴って、押圧部47が第1端子60の受け部62を押圧することで(図12(b),図13(b)では受け部62は図示されないが、図12の紙面手前側に位置する受け部62や、図13の紙面手奥側に位置する受け部62が、押圧部47によって押圧される)、第1端子60の接触部を、第2端子70の接触部に接触させるようになっている(これについては端子60,70の説明にて詳述する)。
【0031】
また、図12に示すように、押圧部47の長手方向一端部(ロッド40のスライド方向X1側の端部)の、内面側(第1端子60との対向面側)には、押圧部47の長手方向の最先端(一端部の最端)に向けて次第に高さが低くなるテーパ面47aが形成されている。このテーパ面47aによって、第1端子60に設けられた受け部62を、押圧部47が押圧しやすくしている。
【0032】
次に、ダンパー構造体50について説明する。
【0033】
このダンパー構造体50は、基本的には、本出願人が出願した特願2019-099113号や特願2019-099441号におけるダンパー構造と同様の構造をなしているので、詳細な構造は省略するが、概ね次のような構造となっている。
【0034】
図1図5に示すように、このダンパー構造体50は、外周にギヤ溝を形成した大径ギヤ51と、その内側に粘性流体Rを介して回転可能に配置される支軸52aを有するロータ52と、ロータ52の、支軸52a以外の表面側をカバーして、粘性流体Rを封止する複数のキャップ53,54,55と、ロータ52の支軸52aの先端部に回転規制状態で装着されるピニオンギヤ56と、大径ギヤ51の外周に配置される遊星ギヤ57とからなる。また、ピニオンギヤ56は、ロッド40のラックギヤ43aと歯合するようになっている。更に、遊星ギヤ57は、所定方向に回転したときに、本体ケース20の回転規制部26に係合して、その回転が規制されるが、所定方向とは反対方向に回転したときには、回転規制部26に係合せずに、回転が許容されるようになっている。
【0035】
そして、図14に示すように、ロッド40がX1方向にスライドすると(すなわち、本体ケース20の連結壁23のスロット23aからのロッド突出量が増大するように、ロッド40がスライドした場合)、ラックギヤ43aに歯合するピニオンギヤ56が所定方向に回転して、ロータ52が同方向に回転し、粘性流体Rを介して大径ギヤ51も同方向に回転しようとする。そのため、大径ギヤ51に歯合する遊星ギヤ57が同方向に回転しようとするが、回転規制部26により回転規制されるので、大径ギヤ51の回転が停止して、ロータ52のみが回転する。その結果、ロータ52に粘性流体Rを介して制動力が付与され、ロッド40のX1方向へのスライドに対して制動力が付与されるようになっている。
【0036】
一方、図15に示すように、ロッド40がX2方向にスライドすると(すなわち、本体ケース20の連結壁23からのロッド突出量が減少して、スロット23aに対してロッド40が引き込まれるように、ロッド40がスライドした場合)、ラックギヤ43aに歯合するピニオンギヤ56が、上記の回転方向(ロッド40のX1方向へのスライド時におけるピニオンギヤ56の回転方向)とは反対方向に回転する。すると、ロータ52が同方向に回転し、粘性流体Rを介して大径ギヤ51も同方向に回転しようとする。そのため、大径ギヤ51に歯合する遊星ギヤ57が同方向に回転するが、この際、遊星ギヤ57は、回転規制部26により回転規制されずに、その回転が許容される。その結果、ロータ52と一緒に大径ギヤ51も回転するので、ロータ52に粘性流体Rを介しての制動力は付与されず、ロッド40のX2方向へのスライドに対して制動力は付与されないようになっている(ロッド40に付与された制動力が解除される、とも言える)。
【0037】
次に、第1端子60について説明する。
【0038】
この第1端子60は、上述したように、板部61と、第1折曲リブ67と、バスバー69とを有しているが、より具体的には以下の構成となっている。すなわち、図1図2図6~8等に示すように、この第1端子60は、ロッド40のスライド方向Xに延びる板部61と、該板部61の先端部61a側に設けられた接触部(この実施形態では、後述する折り返し部65の基端部65a)と、押圧部47により押圧される受け部62とを有し、本体ケース20の外側に配置されている。また、図2図7に示すように、この第1端子60は、第2端子70に対向するように配置されるようになっている。更に、この第1端子60は、対向配置された第2端子70に対して、近接離反するように撓み変形可能となっている。
【0039】
図1や、図9に示すようにダンパー装置10を平面方向から見たときに、第1端子60の板部61は、ロッド40のスライド方向Xに沿って所定長さで且つ一定幅で延びる、長板状をなしている。そして、図12(b)や図13(b)に示すように、ロッド40の押圧部47により受け部62が押圧されたときに、第1端子60は、主に板部61が撓み変形するようになっている。
【0040】
また、図2図3に示すように、板部61の延出方向の先端部61a(X1方向側の端部)側には、第2端子70から離反する方向に向けて屈曲した、屈曲部63を有している。なお、この屈曲部63の頂部63bは曲面状をなしている(図12参照)。
【0041】
更に、この屈曲部63は、その幅方向Yの一側辺から、突出する部分を有しており、この部分が受け部62をなしている(図2参照)。すなわち、屈曲部63の、幅方向Yの一側辺(本体ケース20の側壁21の外面に近接する側辺)から、スリット62cを介して、受け部62が、屈曲部63の幅方向Y方向に突出している。また、図7に示すように、この受け部62は、屈曲部63と同様に、第2端子70から離反する方向に向けて屈曲した形状をなしており、その頂部62bは曲面状をなしている。更に図6に示すように、上記受け部62は、本体ケース20の外側に第1端子60が配置された状態で、本体ケース20の一方の側壁21よりも内方に突出して、ロッド40の押圧部47に対して整合する位置となり、押圧部47と受け部62とが対向配置されるようになっている。
【0042】
そして、図12(b)や図13(b)に示すように、ロッド40がX1方向にスライドしたときに、その押圧部47によって、受け部62の頂部62bが押圧されるようになっている。この際には、主として、板部61の延出方向の基端部61b側を支点として、同第1端子60が撓み変形して、その接触部(折り返し部65の基端部65a)が、第2端子70の接触部(後述する突部75)に接触することとなる(図12(b),図13(b)参照)。このように両接触部が互いに接触した状態から、押圧部47からの押圧力が作用しない状態となると、第1端子60は元の形状に弾性復帰するようになっている(図12(a),図13(a)参照)。
【0043】
また、屈曲部63の先端からは、第2端子70に近接する方向に延びる延長部64が設けられており、この延長部64の先端部側が折り返されて折り返し部65が設けられており、この折り返し部65が接触部をなしており、第2端子70に設けられた突部75に接離するように構成されている。図7に示すように、折り返し部65の基端部65aは曲面状をなしており、この曲面状の基端部65aが、第2端子70の接触部に接触する、接触部となっている。
【0044】
更に図9に示すように、板部61の、幅方向Yの他側辺61dであって、その基端部61b寄りの位置から、幅方向Yの一側辺61cであって先端部61a側の位置に向けて斜めに延びる、ビード部66が設けられている。
【0045】
また、板部61に対して所定方向に折り曲げられてなる第1折曲リブ67は、この実施形態の場合、板部61の延出方向の基端部61b(X2方向側の端部)であって、ロッド40のスライド方向Xと同方向の端縁から、第2端子70側に向けて折り曲げられてなるものとなっている。より具体的に説明すると、図2に示すように、この第1折曲リブ67は、平坦な面67а(厚さ方向の面)を有しており、この面67аが、ロッド40のスライド方向Xに向くように折り曲げられて、第1折曲リブ67が形成されるようになっている。そして、図7に示すように、この第1折曲リブ67は、本体ケース20の端子ケース装着部30に設けた突部35と端子ケース80に設けた隔壁83との間で挟持されて、第1端子60の、ロッド40のスライド方向X側への移動が規制されるようになっている。この実施形態では、突部35の、X2方向側に位置する一方の突起35bと、隔壁83との間で、第1折曲リブ67が挟持されるようになっている。より具体的には図7に示すように、第1折曲リブ67の一方の面67аが、突部35の一方の突起35bの外面に当接し、第1折曲リブ67の他方の面67аが、隔壁83の内面に当接した状態で、突部35と隔壁83との間で第1折曲リブ67が挟持されるようになっている。
【0046】
更に、第1端子60の板部61の基端部61b側には、その面が、ロッド40のスライド方向Xに交差する方向(ここではY方向)に向くように折り曲げられてなる、第2折曲リブ68が設けられている。より具体的には、この実施形態の第2折曲リブ68は、第1折曲リブ67と同様に平坦な面(厚さ方向の面)を有していると共に、板部61の延出方向の基端部61bであって、ロッド40のスライド方向Xに交差する側縁(幅方向Yの他側辺61d側の側縁)から、第2端子70側に向けて、且つ、端子ケース80の端子収容空間S1を形成する側壁82の内面M(本体ケース20の側壁21の外面に向く面)の面方向(側壁82の内面Mに沿った方向、図2参照)に沿うように、前記平坦な面が、ロッド40のスライド方向Xに直交するY方向に向けて折り曲げられることで形成される。
【0047】
また、第2折曲リブ68は、端子ケース80との関係で、板部61に対して、端子ケース80の側壁82の内面Mに沿うように折り曲げられている(図2参照)、とも言える。すなわち、第2折曲リブ68の面方向と、端子ケース80の側壁82の内面Mの面方向とが互いに平行となるように、板部61に対して第2折曲リブ68が折曲されている。
【0048】
また、板部61の基端部61b側からは、バスバー69が延出している。この実施形態では、板部61の基端部61bに折り曲げ形成された第2折曲リブ68を介して、バスバー69が、ロッド40のスライド方向Xに沿って延びている(板部61の延出方向に沿って延びている)。このバスバー69は、図示しない電気コネクタに電気的に接触する部分となっている。更に図8に示すように、バスバー69は、端子ケース80のバスバー挿通孔94に挿通されて、コネクタ差し込み空間S2内へと挿出されるようになっている。なお、第2折曲リブ68は、端子ケース80の側壁82の内面に当接可能とされており、バスバー69を、バスバー挿通孔94に挿通する際のガイドともなる。
【0049】
また、図1に示すように、第1端子60は、板部61の面方向(板部61の面Mに沿った方向)が、本体ケース20の側壁21の外面に対して交差(ここでは直交)するように、本体ケース20の外側に配置されている。更に、第1端子60の板部61の面方向は、ロッド40の基板41の面方向(基板41の面Mに沿った方向)に対してほぼ平行となるように、本体ケース20の外側に配置されるようになっている。
【0050】
以上説明した第1端子60は、この実施形態の場合、板部61、受け部62、屈曲部63、延長部64、折り返し部65、第1折曲リブ67、第2折曲リブ68、バスバー69等の全ての部分が、例えば、ばね鋼やステンレス鋼等の鉄系合金、銅合金、アルミニウム合金等の金属材料からなる、金属板材を適宜折り曲げることで一体形成されている。なお、バスバー69は、金属板材を二つ折りして重ねられた形状とされており、板部61等の、他の部分よりも肉厚となっている。
【0051】
次に、第2端子70について説明する。
【0052】
この第2端子70は、上述したように、板部71と、第1折曲リブ77と、バスバー79とを有しているが、より具体的には以下の構成となっている。すなわち、図1図2図6~8等に示すように、この第2端子70は、ロッド40のスライド方向Xに延びる板部71と、該板部71の先端部側に設けられ、押圧部47により受け部62が押圧されたときに、接触部(折り返し部65の基端部65a)に接離する接触部(この実施形態では、後述する突部75)とを有し、本体ケース20の外側であって且つ第1端子60に対向して配置されている。更に、この第2端子70は、対向配置された第1端子60に対して、近接離反するように撓み変形可能となっている。
【0053】
図1に示すように、第2端子70の板部71は、ロッド40のスライド方向Xに沿って所定長さで且つ一定幅で延びる、長板状をなしている。そして、図12(b)や図13(b)に示すように、ロッド40の押圧部47により受け部62が押圧されて、板部61が撓み変形し、第1端子60の接触部が第2端子70の接触部に接触したときに、第2端子70は、ロッド40の押圧部47からの押圧力を、第1端子60を介して間接的に受ける。そのため、第2端子70の板部71が撓み変形するようになっている(図12(b),図13(b)参照)。
【0054】
また、板部71の延出方向の先端部(X1方向側の端部)よりも、やや基端部(X2方向側の端部)寄りの位置には、第1端子60に近接する方向に向けて屈曲した、屈曲部73が設けられている。この屈曲部73は、曲面状をなした頂部73aを有している。そして、この第2端子70は、屈曲部73の頂部73aが、端子ケース80のリブ92に弾性的に当接して、その板部71が、端子60の板部61から離反する方向にやや撓み変形した状態で、本体ケース20の外側に配置されるようになっている(図7参照)。その結果、第2端子70は、図7の矢印F1に示す方向に弾性付勢されることとなる。ただし、この状態でも、屈曲部73の頂部73aがリブ92に当接することで、板部71が、第1端子60側にそれ以上近接することが規制されて、突部75と、折り返し部65の基端部65aとが、互いに離反した状態に維持されるようになっている。
【0055】
更に図6に示すように、板部71の延出方向の先端部71aには、第1端子60の受け部62に対して近接するように、幅方向Yに偏位した位置(板部71の幅方向Yの一側辺71c寄りの位置)から、第1端子60に近接する方向に向けて突出する突部75が設けられており、この突部75が接触部をなしている。なお、突部75の、突出方向の端面は、曲面状をなしている。
【0056】
また、板部71に対して所定方向に折り曲げられてなる第1折曲リブ77は、この実施形態の場合、板部71の延出方向の基端部61b(X2方向側の端部)であって、ロッド40のスライド方向Xと同方向の端縁から、第1端子60側に向けて折り曲げられてなるものとなっている。より具体的に説明すると、図2に示すように、この第1折曲リブ77は、平坦な面77a(厚さ方向の面)を有しており、この面77aが、ロッド40のスライド方向Xに向くように折り曲げられて、第1折曲リブ77が形成されるようになっている。そして、図7に示すように、この第1折曲リブ77は、本体ケース20に設けた突部35と端子ケース80に設けた隔壁83との間で挟持されて、第2端子70の、ロッド40のスライド方向X側への移動が規制されるようになっている。この実施形態では、突部35の、X2方向側に位置する一方の突起35bと、隔壁83との間で、第1折曲リブ77が挟持されるようになっている。より具体的には図7に示すように、第1折曲リブ77の一方の面77aが、突部35の一方の突起35bの外面に当接し、第1折曲リブ77の他方の面77aが、隔壁83の内面に当接した状態で、突部35と隔壁83との間で第1折曲リブ77が挟持されるようになっている。
【0057】
更に図2に示すように、第2端子70の板部71の基端部71b側には、その面78aが、ロッド40のスライド方向Xに交差する方向(ここではY方向)に向くように折り曲げられてなる、第2折曲リブ78が設けられている。より具体的には、この実施形態の第2折曲リブ78は、第1折曲リブ77と同様に平坦な面78a(厚さ方向の面)を有していると共に、板部71の延出方向の基端部71bであって、ロッド40のスライド方向Xに交差する側縁(幅方向Yの他側辺71d側の側縁)から、第1端子60側に向けて、且つ、端子ケース80の端子収容空間S1を形成する側壁82の内面Mの面方向に沿うように、前記平坦な面78aが、ロッド40のスライド方向Xに直交するY方向に向けて折り曲げられることで形成される。
【0058】
また、第2折曲リブ78は、端子ケース80との関係で、板部71に対して、端子ケース80の側壁82の内面Mに沿うように折り曲げられている(図2参照)、とも言える。すなわち、第2折曲リブ78の面方向と、端子ケース80の側壁82の内面Mの面方向とが互いに平行となるように、板部71に対して第2折曲リブ78が折曲されている。
【0059】
また、板部71の基端部71b側からは、バスバー79が延出している。この実施形態では、板部71の基端部71bに折り曲げ形成された第2折曲リブ78を介して、バスバー79が、ロッド40のスライド方向Xに沿って延びている(板部71の延出方向に沿って延びている)。このバスバー79は、図示しない電気コネクタに電気的に接触する部分となっている。更に図8に示すように、バスバー79は、端子ケース80のバスバー挿通孔95に挿通されて、コネクタ差し込み空間S2内へと挿出されるようになっている。なお、第2折曲リブ78は、端子ケース80の側壁82の内面に当接可能とされており、バスバー79を、バスバー挿通孔95に挿通する際のガイドともなる。
【0060】
また、図1に示すように、第2端子70は、板部71の面方向(板部71の面Mに沿った方向)が、本体ケース20の側壁21の外面に対して交差(ここでは直交)するように、本体ケース20の外側に配置されている。更に、第2端子70の板部71の面方向は、ロッド40の基板41の面方向に対して平行となるように、本体ケース20の外側に配置されている。
【0061】
以上説明した第2端子70は、この実施形態の場合、板部71、屈曲部73、突部75、第1折曲リブ77、第2折曲リブ78、バスバー79等の全ての部分が、例えば、ばね鋼やステンレス鋼等の鉄系合金、銅合金、アルミニウム合金等の金属材料からなる、金属板材を適宜折り曲げることで一体形成されている。なお、バスバー79は、金属板材を二つ折りして重ねられた形状とされており、板部71等の、他の部分よりも肉厚となっている。
【0062】
そして、この実施形態においては、図14に示すように、ロッド40がX1方向にスライドして、ロッド40に制動力が付与されるときに、図12(b)や図13(b)に示すように、ロッド40の押圧部47が、第1端子60の受け部62の頂部62bを押圧して、板部61を撓み変形させて、接触部をなす折り返し部65の基端部65aを、第2端子70の、接触部をなす突部75に接触させることで、両端子60,70を導通させるようになっている。この際、第2端子70の板部71が、弾性付勢力(図7の矢印F1参照)に抗して、図12(b)や図13(b)に示すように撓み変形するようになっている(屈曲部73が端子ケース80のリブ92から離れる方向となるように、板部71が撓み変形する)。
【0063】
一方、図15に示すように、ロッド40がX2方向にスライドして、ロッド40に付与された制動力が解除されると、図12(a)や図13(a)に示すように、ロッド40の押圧部47が、第1端子60の受け部62から退避して接触しない位置となり、第1端子60を押圧しないようになるので、板部61が弾性復帰して元の形状に戻り、接触部をなす折り返し部65の基端部65aが、第2端子70の接触部をなす突部75から離反して、両端子60,70が導通しない状態となる。また、第2端子70の板部71が弾性復帰して、図12(a)に示すように、屈曲部73の頂部73aが、端子ケース80のリブ92に当接し、板部71の、第1端子60側への近接移動が規制されて、突部75と折り返し部65の基端部65aとが離反した状態に維持される。
【0064】
次に、端子ケース80について説明する。
【0065】
この端子ケース80は、上述したように、隔壁83と、端子収容空間S1と、コネクタ差し込み空間S2とを有しているが、より具体的には以下の構成となっている。すなわち、図1~4及び図5に示すように、この実施形態の端子ケース80は、互いに平行となるように対向して配置され、ロッド40のスライド方向Xに沿って延びる一対の対向壁81,81と、これらの一対の対向壁81,81の、幅方向Yの他側縁(本体ケース20の側壁21の外面から離れる側縁)どうしを連結する側壁82とを有する、ロッド40のスライド方向Xに長く延びるケース状をなしている。なお、端子ケース80の側壁82は、本体ケース20の端子ケース装着部30に端子ケース80が装着された状態で、端子ケース装着部30に対向して配置されるようになっている。また、図2に示すように、一対の対向壁81,81及び側壁82の延出方向の中間部よりも、やや基端部寄りの位置には、隔壁83が配置されている。そして、端子ケース80の内部には、隔壁83を介して、一対の端子60,70が収容配置される端子収容空間S1と、一対の端子60,70に導通する図示しない電気コネクタが差し込まれる、コネクタ差し込み空間S2とが画成されるようになっている(図8参照)。
【0066】
また、図2に示すように、端子ケース80の長手方向の基端部側(X2方向の端部側)であって、その内面側(本体ケース20の側壁21の外面に近接する側)には、基端壁84が設けられており、この基端壁84と隔壁83との間には、連結壁85によって閉塞されている。すなわち、端子ケース80の基端部側の部分は、長手方向の他端部側のみが開口した、略四角枠状をなしている。一方、図2に示すように、端子ケース80の、隔壁83よりも長手方向の先端部側(X1方向の端部側)の部分は、本体ケース20の側壁21の外面側、及び、端子ケース80の先端部側が開口した、断面略コ字枠状となっている。
【0067】
また、この端子ケース80には、同端子ケース80を、ロッド40のスライド方向Xに移動させることで、本体ケース側係合部32,33に係合する、端子ケース側係合部86,87を有している。
【0068】
この実施形態では、図1図2に示すように、各対向壁81の延出方向の先端部(X1方向側の端部)よりも、やや基端部(X2方向側の端部)寄りの位置であって、幅方向Yの一側縁部(本体ケース20の側壁21の外面に近接する側縁部)には、本体ケース20の本体ケース側係合部32が係合する、貫通孔状をなした端子ケース側係合部86が設けられている。更に、各対向壁81の延出方向の基端部の外面であって、幅方向Yの一側縁部には、前記基端壁84と併せて、本体ケース20の本体ケース側係合部33が係合する、略コ字枠状をなした端子ケース側係合部87が突設されている。なお、端子ケース側係合部87は、端子ケース80の先端部側、及び、対向壁81の面方向に直交する方向が開口した、略コ字枠状となっている。
【0069】
また、各対向壁81の外面であって、前記端子ケース側係合部86よりも先端部側の、幅方向Yの一側縁部には、所定深さの凹部88が形成されている。この実施形態の場合、本体ケース20の端子ケース装着部30に端子ケース80を装着すべく、図1の矢印F2に示すように、本体ケース側係合部32と凹部88とを位置合わせした状態で、本体ケース20の側壁21の外面に向けて、端子ケース80の内面を押し付けたときに、図10に示すように、本体ケース側係合部32が凹部88内に入り込んで、端子ケース側係合部86には係合しないようになっている。更に、上記のように、本体ケース20の側壁21の外面側に向けて、端子ケース80の内面側を押し付けたときは、本体ケース側係合部33は、端子ケース80の対向壁81の外面上であって、端子ケース側係合部87には係合しない位置に配置される。
【0070】
そして、図10に示すように、本体ケース20の側壁21の外面に向けて、端子ケース80を押し付けた状態で、本体ケース20と端子ケース80とを、本体ケース20の先端部及び端子ケース80の先端部が離間するように、ロッド40のスライド方向Xに相対的にスライドさせる。例えば、本体ケース20に対して端子ケース80を、X1方向にスライド移動させるか、又は、端子ケース80に対して本体ケース20を、X2方向にスライド移動させる。それによって図4に示すように、凹部88から本体ケース側係合部32が抜け出て、端子ケース側係合部86に入り込んで係合すると共に、本体ケース側係合部33が、端子ケース側係合部87に嵌まり込んで係合する。その結果、本体ケース20の端子ケース装着部30に、端子ケース80が装着されるようになっている。
【0071】
また、上記のように、本体ケース側係合部32,33と端子ケース側係合部86,87とが係合した状態で、突部35と隔壁83との間で、各端子60,70の第1折曲リブ67,77が挟持されるように構成されている(図7参照)。この実施形態では、上記状態で、突部35の、X2方向側に位置する一方の突起35bと、隔壁83との間で、第1端子60の第1折曲リブ67及び第2端子70の第1折曲リブ77が、それぞれ挟持されるようになっている。
【0072】
更に、各対向壁81の外面であって、端子ケース側係合部86と端子ケース側係合部87との間には、対向壁81の幅方向Yの一側縁部に沿って屈曲しつつ延びる、突条部89が設けられている。この突条部89は、本体ケース20と端子ケース80との装着時に、本体ケース20の押え壁31の、本体ケース側係合部32と本体ケース側係合部33との間に入り込んで、本体ケース20の押え壁31と、端子ケース80の対向壁81との、隙間の一部を覆うようになっている(図4参照)。それによって、端子収容空間S1内に、ゴミや塵等の異物を混入しにくくしている。
【0073】
また、突条部89の突出方向先端面からは、複数の薄肉突起89aが突設されている。これらの複数の薄肉突起89aは、本体ケース側係合部32と凹部88とを位置合わせして、本体ケース20の側壁21の外面に向けて、端子ケース80を押し付けた状態で(図10参照)、本体ケース20の押え壁31の内面に当接し、本体ケース20と端子ケース80とをロッド40のスライド方向Xに相対的にスライドさせるときに、押え壁31の内面に摺接するようになっている。その結果、押え壁31の内面に、突条部89の先端面全体が当接することを規制できるので、摩擦抵抗の増大を抑えて、端子ケース装着部30に端子ケース80を装着させやすくする。
【0074】
更に、各対向壁81の外面であって、凹部88に隣接し且つ凹部88よりも先端部側には、規制片90が設けられている。この規制片90は、対向壁81の幅方向Yの一側縁部よりも、本体ケース20側に向けて外方にやや張り出した、薄肉板状をなしている。
【0075】
上記の規制片90は、本体ケース側係合部32と凹部88とを位置合わせして、本体ケース20の側壁21の外面に向けて、端子ケース80を押し付けて、凹部88内に本体ケース側係合部32が入り込んだときに、同本体ケース側係合部32の先端部側に配置される(図10参照)。そして、この状態では、本体ケース20と端子ケース80とのスライド方向が規制されるので(本体ケース20に対して端子ケース80をX2方向にスライドできず、端子ケース80に対して本体ケース20をX1方向にスライドできない)、端子ケース装着部30に対する端子ケース80の装着作業を確実に且つ効率的に行うことができるようになっている。
【0076】
更に図2図7に示すように、側壁82の延出方向の先端部側であって、高さ方向Zの中間位置の内面(本体ケース20の側壁21の外面との対向面)からは、本体ケース20の位置決め溝37に挿入される、リブ92が突設されている。このリブ92は、本体ケース20の長手方向に沿って長く延びる長板状をなしていると共に、端子ケース80の端子収容空間S1内に設けられている(図8参照)。また、図7に示すように、リブ92の、第2端子70側に向く面には、第2端子70の、屈曲部73の頂部73aが弾性的に当接するようになっている。
【0077】
更に、このリブ92は、本体ケース側係合部32と凹部88とを位置合わせして、本体ケース20の側壁21の外面に向けて、端子ケース80を押し付けた状態で、位置決め溝37に挿入されるようになっている。その結果、位置決め溝37及びリブ92によって、本体ケース20と端子ケース80とを、本体ケース20の先端部及び端子ケース80の先端部が離間するように、ロッド40のスライド方向Xに相対的にスライドさせる際の、ガイドとなる。また、図11には、本体ケース側係合部32,33が端子ケース側係合部86,87にそれぞれ係合して、端子ケース装着部30に端子ケース80が装着された状態が示されているが、この状態でも、位置決め溝37にリブ92が挿入されるので、端子ケース装着部30に対して端子ケース80が、高さ方向Zの方向に位置決め保持されるようになっている。
【0078】
更に図8に示すように、前記隔壁83には、両端子60,70のバスバー69,79が挿通され、同バスバー69,79を、端子ケース80のコネクタ差し込み空間S2へと挿出させる、バスバー挿通孔94,95が形成されている。図8に示すように、この実施形態では、隔壁83の、高さ方向Zの中間部を挟んで、その上方(一方の対向壁81寄りの位置)及び下方(他方の対向壁81寄りの位置)に、バスバー挿通孔94,95がそれぞれ形成されている。なお、各バスバー挿通孔94,95は、端子ケース80の長手方向に沿って延び、隔壁83を貫通する孔となっている。
【0079】
更に図8に示すように、端子ケース80の端子収容空間S1には、両端子60,70が収容保持された状態で、両端子60,70の、第2折曲リブ68,78どうしの間に入り込む、ガイド突部96が設けられている。また、このガイド突部96と、端子ケース80の、端子収容空間S1を形成する壁部の内面との間に、各端子60,70の板部61,71がそれぞれ配置されて、両端子60,70の基端部61b,71b側での近接移動が規制されるように構成されている。
【0080】
この実施形態のガイド突部96は、端子ケース80の端子収容空間S1を形成する側壁82の内面から所定高さで突出し(図11に示すように、両端子60,70の第2折曲リブ68,78の板厚をカバー可能な高さ)、且つ、図8に示すように、隔壁83の、高さ方向Zの中間部から、端子ケース80の先端部側に向かって所定長さで延びた、薄肉突条をなしている。また、ガイド突部96の延出方向の先端部には、最先端に向けて次第に幅狭となるテーパ面96aが形成されている(図8参照)。なお、ガイド突部96は、隔壁83に設けたバスバー挿通孔94,95の間に配置されており、且つ、バスバー挿通孔94,95の貫通方向と同方向に延びている。
【0081】
そして、第1端子60を端子ケース80に収容保持すべく、第1端子60を端子ケース80の先端部側開口から挿入し、端子収容空間S1を介して、バスバー69をバスバー挿通孔94に挿通させる際に、ガイド突部96の一側縁部と、端子ケース80の一方の対向壁81の内面とによって、第2折曲リブ68を含む板部61の基端部61b側がガイドされながら、バスバー挿通孔94にバスバー69が挿通されるようになっている。同様に、第2端子70を端子ケース80に収容保持すべく、第2端子70を端子ケース80の先端部側開口から挿入し、端子収容空間S1を介して、バスバー79をバスバー挿通孔95に挿通させる際に、ガイド突部96の他側縁部と、端子ケース80の他方の対向壁81の内面とによって、第2折曲リブ78を含む板部71の基端部71b側がガイドされながら、バスバー挿通孔95にバスバー79が挿通されるようになっている。
【0082】
また、両端子60,70のバスバー69,79が、バスバー挿通孔94,95に挿通されて、端子ケース80に両端子60,70が収容保持された状態で、図8に示すように、第1端子60の、第2折曲リブ68を含む板部61の基端部61bが、ガイド突部96及び一方の対向壁81の内面の間に配置されると共に、第2端子70の、第2折曲リブ78を含む板部71の基端部71bが、ガイド突部96及び他方の対向壁81の内面の間に配置されるようになっている。その結果、両端子60,70の板部61,71の基端部61b,71bが互いに近接する方向に移動してしまうことを規制可能となっている(基端部61b,71bの、近接移動が規制される)。
【0083】
(変形例)
本発明における端子付きダンパー装置を構成する、本体ケースや、ロッド、端子ケース、ダンパー構造体、第1端子、第2端子の、形状や構造は、上記態様に限定されるものではない。
【0084】
この実施形態の本体ケース20は、ロッド40のスライド方向Xの両方向X1,X2に、スロット23a,24aを設け、天井側が開口した薄肉ケース状をなしているが、例えば、本体ケースとしては、円筒状や角筒状をなしたケース状であってもよい。また、この実施形態のロッド40は、薄肉平坦状をなしているが、例えば、ロッドとしては、円筒状や各筒状をなしていてもよい。
【0085】
更に、この実施形態のダンパー構造は、複数のギヤ等からなるダンパー構造体50及びロッド40に設けたラックギヤ43aとからなり、粘性流体Rを利用したいわゆるギヤダンパーとなっているが、例えば、ダンパー構造としては、空気を利用したエアダンパーや、摩擦力を利用したダンパー(フリクションダンパー)等であってもよく、ロッドに制動力を付与することができればよい。また、この実施形態では、ロッド40がX1方向にスライドしたときに、制動力が付与され、ロッド40がX2方向にスライドしたときに、制動力が解除されるようになっているが、ロッドがX2方向にスライドしたときに、制動力が付与され、X1方向にスライドしたときに、制動力が解除されるようにしてもよい。
【0086】
また、第1端子60は、屈曲部63や、延長部64、折り返し部65、ビード部66、第2折曲リブ68を有しているが、これらは存在しなくともよく、少なくとも、板部と、第1折曲リブと、バスバーとを有する形状・構造であればよい。更に、第2端子70は、屈曲部73や、突部75、第2折曲リブ78を有しているが、これらは存在しなくともよく、少なくとも、板部と、第1折曲リブと、バスバーとを有する形状・構造であればよい。
【0087】
また、この実施形態における第1端子60の板部61や第2端子70の板部71は、一定幅で延びる長板状をなしているが、板部としては、例えば、基端部から先端部に向けて次第に幅狭或いは幅広としたり、基端部から先端部に向けて段階的に幅狭又は幅広としたりしてもよい。
【0088】
更に、本体ケース20の端子ケース装着部30に設けた突部35は、略四角枠状をなしているが、突部としては、例えば、円形や、楕円形、小判形、多角形の、枠状や突起状等であってもよく、端子ケースの隔壁との間で、端子の第1折曲リブを挟持可能であればよい。
【0089】
また、この実施形態においては、図7に示すように、両端子60,70の、第1折曲リブ67,77の一方の面67а,77аが、突部35の一方の突起35bの外面に当接し、第1折曲リブ67,77の他方の面67а,77аが、隔壁83の内面に当接した状態で、突部35と隔壁83との間で第1折曲リブ67,77が挟持されるようになっている。すなわち、各部(第1折曲リブ、突部、隔壁)の面どうしが互いに当接した状態で、突部と隔壁との間で、第1折曲リブが挟持されている。ただし、各部が面どうしで当接しなくとも、例えば、第1折曲リブの縁部が、突部の縁部又は面と、隔壁の縁部又は面との間で挟持されてもよく、第1折曲リブが突部と隔壁との間で挟持される構成であればよい。
【0090】
また、端子ケース80は、この実施形態の場合、基端部側の部分が、長手方向の他端部側のみが開口した、略四角枠状をなし、隔壁83よりも長手方向の先端部側の部分が、断面略コ字枠状となっているが、端子ケースとしては、例えば、半円筒状や半割筒状等をなしていてもよく、バスバー挿通孔を形成した隔壁と、該隔壁を介して設けられた端子収容空間及び差し込み空間を有すればよく、第1端子及び第2端子を収容保持可能で、電気コネクタを差し込み可能であればよい。
【0091】
また、この実施形態では、図4に示すように、本体ケース20の一方の側壁21の外側に、端子ケース80を介して、一対の端子60,70が対向配置されるようになっているが、本体ケース20の他方の側壁21の外側に、一対の端子60,70を対向配置させてもよく、或いは、本体ケース20の両方の側壁21,21の外側に、一対の端子60,70をそれぞれ対向配置させてもよい。
【0092】
更に、この実施形態では、上述したように、本体ケース20の側壁21の外面に向けて、端子ケース80を押し付けた状態で、本体ケース20と端子ケース80とを、本体ケース20の先端部及び端子ケース80の先端部が離間するように、ロッド40のスライド方向Xに相対的にスライドさせることで、本体ケース側係合部32,33が端子ケース側係合部86,87にそれぞれ係合して、端子ケース装着部30に端子ケース80が装着されるようになっている(端子ケースの押込み及びスライド移動の2工程を要する)。ただし、端子ケース装着部に対する端子ケースの装着構造としては、例えば、上記のスライド方向を逆向きにしたり、又は、単に、本体ケースの側壁の外面に向けて、端子ケースを押し付けるだけで、本体ケース側係合部が端子ケース側係合部に係合して、端子ケース装着部に端子ケースが装着されたりしてもよく(端子ケースの押込みだけの1工程となる)、特に限定はされない。
【0093】
また、この実施形態では、上述したように、固定体1の開口部から開閉体3が開いたときに、ロッド40の押圧部47によって、第1端子60を押圧して第2端子70に接触させる構造としているが、例えば、互いに近接する方向に付勢された一対の端子と、両端子の間に挿入配置されるリブとを設け、固定体の開口部に対して開閉体が閉じた状態で、一対の端子間にリブが配置されて、両端子の導通を妨げ、固定体の開口部から開閉体が開いたときに、一対の端子間からリブが抜け出て、両端子を接触させる構造としてもよい。
【0094】
(作用効果)
次に、上記構造からなるダンパー装置10の作用効果について説明する。
【0095】
まず、本体ケース20の端子ケース装着部30に対する、端子ケース80の装着作業について説明する。
【0096】
すなわち、第1端子60,70のバスバー69,79を、端子ケース80の先端部側開口から挿入して押し込んでいき、端子収容空間S1を介して、バスバー69,79をバスバー挿通孔94,95に挿通させていく。
【0097】
この際、ガイド突部96の一側縁部と、端子ケース80の一方の対向壁81の内面とによって、第2折曲リブ68を含む板部61の基端部61b側がガイドされながら、バスバー挿通孔94にバスバー69が挿通されると共に、ガイド突部96の他側縁部と、端子ケース80の他方の対向壁81の内面とによって、第2折曲リブ78を含む板部71の基端部71b側がガイドされながら、バスバー挿通孔95にバスバー79が挿通される。
【0098】
その後、更に端子60,70を押し込んで、第1折曲リブ67,77が、端子ケース80の隔壁83に当接するまで、端子ケース80に対して端子60,70を押し込んでいくことで、端子ケース80の端子収容空間S1内に、両端子60,70の板部61,71が収容保持されると共に、端子ケース80の差し込み空間S2から、両端子60,70のバスバー69,79が挿出されて、端子ケース80内において、両端子60,70が仮保持状態で収容保持される(図2及び図7参照)。なお、この状態では、両端子60,70の第1折曲リブ67,77は、隔壁83の、端子収容空間S1側に向く面に、隣接して配置される(図7参照)。
【0099】
そして、両端子60,70を収容保持した端子ケース80を、本体ケース20の端子ケース装着部30に装着する。すなわち、本体ケース側係合部32と凹部88とを位置合わせした状態で、本体ケース20の側壁21の外面に向けて、端子ケース80の内面を押し付ける。すると、図10に示すように、本体ケース側係合部32が凹部88内に入り込むと共に、本体ケース側係合部33が、端子ケース80の対向壁81の表面上であって、端子ケース側係合部87には係合しない位置に配置され、更に、本体ケース20に設けた位置決め溝37に、端子ケース80のリブ92が挿入されて、端子ケース装着部30に対して端子ケース80が高さ方向Zの方向に位置決め保持される。
【0100】
その後、本体ケース20と端子ケース80とを、本体ケース20の先端部及び端子ケース80の先端部が離間するように、ロッド40のスライド方向Xに相対的にスライドさせる(図10の矢印X1,X2参照)。すると、図4に示すように、本体ケース側係合部32が端子ケース側係合部86に係合し、本体ケース側係合部33が端子ケース側係合部87に係合すると共に、本体ケース20側の突部35と端子ケース80側の隔壁83との間で、各端子60,70の第1折曲リブ67,77が挟持されて、端子60、70が本固定された状態で(図7参照)、本体ケース20の端子ケース装着部30に、端子ケース80を装着することができ、両端子60,70を端子ケース80から抜け出ないように抜け止め保持することができる。
【0101】
そして、このダンパー装置10においては、上記のように、端子ケース80の端子収容空間S1に、各端子60,70を収容し、各バスバー69,79を対応するバスバー挿通孔94,95に挿通させて、コネクタ差し込み空間S2へと挿出させることで、端子ケース80に両端子60,70を収容して仮保持されると共に、この端子ケース80を端子ケース装着部30に装着することで、端子ケース80に設けた隔壁83と、端子ケース装着部30に設けた突部35との間で、各端子60,70の第1折曲リブ67,77が挟持されて、両端子60,70を、ロッド40のスライド方向Xへの移動を規制した状態で、両端子60,70が本固定されるので、本体ケース20の外側に、端子ケース80を介して両端子60,70を組付けることができる。
【0102】
上記のように、端子ケース80内に、両端子60,70を一旦収容して仮保持した後、端子ケース80を端子ケース装着部30に装着することで、隔壁83及び突部35とで第1折曲リブ67,77が挟持されて、両端子60,70が本固定されるので、本体ケース20に対する両端子60,70の組付け作業性を向上させることができると共に、組付け後に、本体ケース20から両端子60,70が外れることを防止することができる。
【0103】
また、この実施形態においては、端子ケース装着部30は、端子ケース80に係合する本体ケース側係合部32,33を有しており(図1参照)、端子ケース80には、端子ケース80を、ロッド40のスライド方向Xに移動させることで、本体ケース側係合部32,33に係合する端子ケース側係合部86,87を有しており(図1,2参照)、本体ケース側係合部32,33と端子ケース側係合部86,87とが係合した状態で、突部35と隔壁83との間で、各端子60,70の第1折曲リブ67,77が挟持されるように構成されている(図7参照)。
【0104】
上記態様によれば、両端子60,70を収容保持した端子ケース80を、ロッド40のスライド方向Xに移動させるという簡単な作業によって、両端子60,70を、ロッド40のスライド方向Xへの移動を規制した状態で、本体ケース20に組付けることができ、本体ケース20に対する両端子60,70の組付け作業性を、より向上させることができる。
【0105】
また、両端子60,70の第1折曲リブ67,77は、両端子60,70を収容保持した端子ケース80を、ロッド40のスライド方向Xに移動させ、本体ケース側係合部32,33と端子ケース側係合部86,87とが係合した状態で、はじめて突部35と隔壁83との間で挟持されるので、本体ケース20の端子ケース装着部30に端子ケース80をしっかりと装着することができる。なお、本体ケース側係合部32,33と端子ケース側係合部86,87との係合前や係合途中で、突部35と隔壁83との間で、各端子60,70の第1折曲リブ67,77が挟持されると、本体ケース側係合部32,33と端子ケース側係合部86,87とを係合できない又は係合が不十分となる。
【0106】
更に、両端子60,70の第1折曲リブ67,77は、本体ケース側係合部32,33と端子ケース側係合部86,87とが係合した状態で、突部35と隔壁83との間で挟持されるので、第1折曲リブ67,77を、ガタツキを少なくして挟持することができる。
【0107】
また、この実施形態においては、図7に示すように、端子ケース80には、第2端子70の板部71が弾性的に当接するリブ92が設けられている。
【0108】
上記態様によれば、例えば、車両の振動等によって、第2端子70が、第1端子60に近接する方向に変形しようとしても、第2端子70の板部71が、端子ケース80に設けたリブ92に弾性的に当接する(この実施形態では、板部71に設けた屈曲部73が、端子ケース80の端子収容空間S1に設けたリブ92に弾性的に当接する)ので、第2端子70が第1端子60に接触することを抑制することができる。
【0109】
更に、この実施形態においては、端子ケース装着部30には、リブ92が挿入されると共に、ロッド40のスライド方向Xに延びる位置決め溝37が形成されている。
【0110】
上記態様によれば、両端子60,70を収容保持した端子ケース80を、ロッド40の、所定のスライド方向Xに移動させて、本体ケース側係合部32,33と端子ケース側係合部86,87とを係合させる際に、端子ケース装着部30に設けた位置決め溝37に、端子ケース80に設けたリブ92が挿入されてスライドするので、端子ケース装着部30に端子ケース80を装着する際の、装着ガイドとなり、端子ケース装着部30に端子ケース80をスムーズに装着することができる。また、端子ケース装着部30に設けた位置決め溝37に、端子ケース80に設けたリブ92が挿入されるので、端子ケース装着部30対して、端子ケース80を位置決めして装着することができる。
【0111】
また、この実施形態においては、両端子60,70の板部61,71の基端部61b,71b側には、その面が、ロッド40のスライド方向Xに交差する方向に向くように折り曲げられてなる、第2折曲リブ68,78が設けられており、端子ケース80には、両端子60,70が収容保持された状態で、両端子60,70の、第2折曲リブ68,78どうしの間に入り込むガイド突部96が設けられており、該ガイド突部96と、端子ケース80の、端子収容空間S1を形成する壁部の内面との間に、第2折曲リブ68,78がそれぞれ配置されて、両端子60,70の基端部61b,71b側での近接移動が規制されるように構成されている(図2及び図8参照)。
【0112】
言い換えると、端子ケース80は、対向して配置される一対の対向壁81,81と、該一対の対向壁81,81どうしを連結すると共に、端子ケース装着部30に対向して配置される側壁82とを有しており、両端子60,70の板部61,71の基端部61b,71b側には、端子ケース80の側壁82の内面Mに沿うように折り曲げられてなる、第2折曲リブ68,78が設けられており、端子ケース80の側壁82の内面Mには、両端子60,70が収容保持された状態で、両端子60,70の、第2折曲リブ68,78どうしの間に入り込むガイド突部96が設けられており、該ガイド突部96と、端子ケース80の一対の対向壁81,81の内面との間に、第2折曲リブ68,78がそれぞれ配置されて、両端子60,70の基端部61b,71b側での近接移動が規制されるように構成されている。
【0113】
上記態様によれば、端子ケース80の端子収容空間S1を介して、各端子60,70のバスバー69,79をバスバー挿通孔94,95に挿通させる際に、バスバー69,79をガイド突部96によってガイドしつつ挿通することができるので、各端子60,70のバスバー69,79を、バスバー挿通孔94,95に挿通させやすくすることができる。また、ガイド突部96と、端子ケース80の、端子収容空間S1を形成する壁部(ここでは一対の対向壁81,81)の内面との間に、各端子60,70の第2折曲リブ68,78がそれぞれ配置されて、両端子60,70の近接移動が規制されるように構成されているので、端子ケース80の端子収容空間S1での、両端子60,70の位置ずれを抑制することができ、安定した姿勢で収容保持することができる。
【0114】
上記のようにして、端子ケース装着部30に端子ケース80が装着され、本体ケース20の外側に両端子60,70が組付けられたダンパー装置10は、以下のような動作をなす。
【0115】
すなわち、このダンパー装置10は、固定体1の開口部に対して開閉体3が閉じた状態では、図14に示すように、本体ケース20のスロット23aからロッド40が引き込まれて、図12(a)や図13(a)に示すように、ロッド40の押圧部47が、第1端子60の受け部62に接触しない位置とされている。この状態では、ロッド40の押圧部47により、第1端子60が押圧されず、折り返し部65の基端部65aが、第2端子70の突部75から離反しており、両端子60,70が導通しないようになっている。
【0116】
そして、固定体1の開口部から開閉体3が開くと、取付片45aを介して、ロッド40が引っ張られて、X1方向にスライドする。その結果、ダンパー構造体50やラックギヤ43aからなるダンパー構造によって、ロッド40に制動力が付与されると共に、図12(b)や図13(b)に示すように、ロッド40の押圧部47が、第1端子60の受け部62の頂部62bを押圧して、板部61を撓み変形させる。その結果、折り返し部65の基端部65aが、第2端子70の突部75に接触するので、両端子60,70が互いに導通して、固定体1内に配置された図示しないランプが点灯するようになっている。
【0117】
一方、固定体1の開口部から開閉体3が開いた状態から、固定体1の開口部を閉じるべく、開閉体3を押し込んでいくと、取付片45aを介して、ロッド40が押し込まれていき、X2方向にスライドする。この場合、ダンパー構造による制動力は解除されるようになっているので、ロッド40はスムーズに押し込まれることとなる。そして、図12(a)や図13(a)に示すように、ロッド40の押圧部47が、第1端子60の受け部62から退避して接触しない位置となり、第1端子60を押圧しないようになるので、板部61が弾性復帰して元の形状に戻り、折り返し部65の基端部65aが突部75から離反する。その結果、両端子60,70が導通しない状態となり、固定体1内に配置された図示しないランプが消灯するようになっている。
【0118】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、各種の変形実施形態が可能であり、そのような実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0119】
10 端子付きダンパー装置(ダンパー装置)
20 本体ケース(ケース)
30 端子ケース装着部
35 突部
40 ロッド
50 ダンパー構造体
60 第1端子
61 板部
67 第1折曲リブ
68 第2折曲リブ
69 バスバー
70 第2端子
71 板部
73 屈曲部
77 第1折曲リブ
78 第2折曲リブ
79 バスバー
80 端子ケース
83 隔壁
S1 端子収容空間
S2 コネクタ差し込み空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15