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特許7576197勤怠管理システム、勤怠管理方法及び勤怠管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】勤怠管理システム、勤怠管理方法及び勤怠管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04817 20220101AFI20241023BHJP
   G06F 3/04842 20220101ALI20241023BHJP
   G06Q 10/109 20230101ALI20241023BHJP
【FI】
G06F3/04817
G06F3/04842
G06Q10/109
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024062837
(22)【出願日】2024-04-09
【審査請求日】2024-04-09
(73)【特許権者】
【識別番号】395011562
【氏名又は名称】三菱電機ITソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002491
【氏名又は名称】弁理士法人クロスボーダー特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小松 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】安川 武史
(72)【発明者】
【氏名】伊澤 崇
【審査官】井上 香緒梨
(56)【参考文献】
【文献】特開2024-23950(JP,A)
【文献】特開2021-43761(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048-3/04895
G06Q 10/109
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの勤務形態と時刻とに応じて、出勤と退勤とを含む複数の勤怠項目それぞれの優先度を決定する優先度決定部と、
前記優先度決定部によって決定された優先度が高い勤怠項目に対応する入力ボタンほど大きくなるように、前記複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンのサイズを決定する表示決定部と、
前記表示決定部によって決定されたサイズで前記複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンを表示する表示制御部と
を備える勤怠管理システム。
【請求項2】
前記表示決定部は、前記優先度が高い勤怠項目に対応する入力ボタンほど傾きが小さくなるように、前記複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンの傾きを決定し、
前記表示制御部は、前記表示決定部によって決定された傾きで前記複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンを表示する
請求項1に記載の勤怠管理システム。
【請求項3】
前記表示決定部は、前記優先度が第1閾値以上の勤怠項目に対応する入力ボタンに対して装飾が施されるように、前記複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンに装飾の有無を決定し、
前記表示制御部は、前記表示決定部によって装飾を有と決定された入力ボタンに対して装飾を施した上で、前記複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンを表示する
請求項1に記載の勤怠管理システム。
【請求項4】
前記優先度決定部は、前記時刻と出勤の勤怠項目が入力された時刻との差である勤務時間に応じて、前記優先度を決定する
請求項1に記載の勤怠管理システム。
【請求項5】
前記勤怠管理システムは、さらに、
前記表示制御部によって表示されたいずれかの入力ボタンが押下されると、押下された入力ボタンに対応する勤怠項目を時刻とともに記録する勤怠記録部
を備える請求項1に記載の勤怠管理システム。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンとしてしゃぼん玉を表示し、いずれかのしゃぼん玉が選択されると、選択されたしゃぼん玉を破裂させる
請求項1に記載の勤怠管理システム。
【請求項7】
コンピュータが、ユーザの勤務形態と時刻とに応じて、出勤と退勤とを含む複数の勤怠項目それぞれの優先度を決定し、
コンピュータが、決定された優先度が高い勤怠項目に対応する入力ボタンほど大きくなるように、前記複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンのサイズを決定し、
コンピュータが、決定されたサイズで前記複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンを表示する勤怠管理方法。
【請求項8】
ユーザの勤務形態と時刻とに応じて、出勤と退勤とを含む複数の勤怠項目それぞれの優先度を決定する優先度決定処理と、
前記優先度決定処理によって決定された優先度が高い勤怠項目に対応する入力ボタンほど大きくなるように、前記複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンのサイズを決定する表示決定処理と、
前記表示決定処理によって決定されたサイズで前記複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンを表示する表示制御処理と
を行う勤怠管理システムとしてコンピュータを機能させる勤怠管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、勤怠情報の入力を受け付ける技術に関する。
【背景技術】
【0002】
企業等では、従業員は、出勤時及び退勤時に、PC又はスマートフォン等の端末により勤怠管理用のアプリケーションプログラムを起動して、勤怠情報を入力している。このアプリケーションプログラムでは、出勤ボタン及び退勤ボタン等が表示される。出勤時には従業員が出勤ボタンを押下することにより、ボタンが押下された時刻が出勤時刻として記録される。また、退勤時には従業員が退勤ボタンを押下することにより、ボタンが押下された時刻が退勤時刻として記録される。
【0003】
特許文献1には、何らかの操作がされた場合に、次にされる操作の頻度に応じて、操作しやすいように操作子の座標位置を変更することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-054760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
勤怠情報の入力は日々行う必要があり、できるだけ簡便に、かつ、ミスなく行えることが望ましい。特許文献1のように操作子の座標位置を変更してしまうと、誤った操作をしてしまう可能性がある。
本開示は、簡便かつミスなく勤怠情報の入力を行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る勤怠管理システムは、
ユーザの勤務形態と時刻とに応じて、出勤と退勤とを含む複数の勤怠項目それぞれの優先度を決定する優先度決定部と、
前記優先度決定部によって決定された優先度が高い勤怠項目に対応する入力ボタンほど大きくなるように、前記複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンのサイズを決定する表示決定部と、
前記表示決定部によって決定されたサイズで前記複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンを表示する表示制御部と
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示では、ユーザの勤務形態と時刻とに応じて決定された優先度が高いほど大きなサイズで勤怠項目に対応する入力ボタンを表示する。勤務形態と時刻とに応じて入力される可能性が高い勤怠項目を概ね特定可能である。そのため、入力される可能性が高い入力ボタンを大きくでき、簡便かつミスなく勤怠情報の入力を行えるようできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る勤怠管理システム100の構成図。
図2】実施の形態1に係る勤怠管理装置10の構成図。
図3】実施の形態1に係るユーザ端末20の構成図。
図4】実施の形態1に係るユーザ情報131の説明図。
図5】実施の形態1に係る勤務実態情報132の説明図。
図6】実施の形態1に係る優先度情報133の説明図。
図7】実施の形態1に係るボタン情報134の説明図。
図8】実施の形態1に係る優先度情報231の説明図。
図9】実施の形態1に係る勤怠管理システム100の処理の流れを示すフローチャート。
図10】実施の形態1に係る勤怠入力画面の説明図。
図11】実施の形態1に係る確認画面の説明図。
図12】変形例1に係る優先度情報133の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
***構成の説明***
図1を参照して、実施の形態1に係る勤怠管理システム100の構成を説明する。
勤怠管理システム100は、勤怠管理装置10と、1台以上のユーザ端末20とを備える。勤怠管理装置10と各ユーザ端末20とは、ネットワーク90を介して接続されている。
勤怠管理装置10は、クラウドサーバといったコンピュータである。ユーザ端末20は、ユーザによって操作されるスマートフォン等のコンピュータである。
【0010】
図2を参照して、実施の形態1に係る勤怠管理装置10の構成を説明する。
勤怠管理装置10は、コンピュータである。
勤怠管理装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信インタフェース14とのハードウェアを備える。プロセッサ11は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0011】
勤怠管理装置10は、機能構成要素として、通信部111と、勤怠管理部112とを備える。勤怠管理装置10の各機能構成要素の機能はソフトウェアにより実現される。
ストレージ13には、勤怠管理装置10の各機能構成要素の機能を実現するプログラムが格納されている。このプログラムは、プロセッサ11によりメモリ12に読み込まれ、プロセッサ11によって実行される。これにより、勤怠管理装置10の各機能構成要素の機能が実現される。
【0012】
ストレージ13には、ユーザ情報131と、勤務実態情報132と、優先度情報133と、ボタン情報134とが記憶される。
【0013】
図3を参照して、実施の形態1に係るユーザ端末20の構成を説明する。
ユーザ端末20は、コンピュータである。
ユーザ端末20は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信インタフェース24とのハードウェアを備える。プロセッサ21は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
【0014】
ユーザ端末20は、機能構成要素として、通信部211と、優先度決定部212と、表示決定部213と、表示制御部214と、操作受付部215とを備える。ユーザ端末20の各機能構成要素の機能はソフトウェアにより実現される。
ストレージ23には、ユーザ端末20の各機能構成要素の機能を実現するプログラムが格納されている。このプログラムは、プロセッサ21によりメモリ22に読み込まれ、プロセッサ21によって実行される。これにより、ユーザ端末20の各機能構成要素の機能が実現される。
【0015】
ストレージ23は、優先度情報231と、ボタン情報232とが記憶される。
【0016】
プロセッサ11,21は、プロセッシングを行うICである。ICはIntegrated Circuitの略である。プロセッサ11,21は、具体例としては、CPU、DSP、GPUである。CPUは、Central Processing Unitの略である。DSPは、Digital Signal Processorの略である。GPUは、Graphics Processing Unitの略である。
【0017】
メモリ12,22は、データを一時的に記憶する記憶装置である。メモリ12,22は、具体例としては、SRAM、DRAMである。SRAMは、Static Random Access Memoryの略である。DRAMは、Dynamic Random Access Memoryの略である。
【0018】
ストレージ13,23は、データを保管する記憶装置である。ストレージ13,23は、具体例としては、SSDである。SSDは、Solid State Driveの略である。また、ストレージ13,23は、SD(登録商標)メモリカード、CompactFlash(登録商標)、NANDフラッシュ、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク、DVDといった可搬記録媒体であってもよい。SDは、Secure Digitalの略である。DVDは、Digital Versatile Diskの略である。
【0019】
通信インタフェース14,24は、外部の装置と通信するためのインタフェースである。通信インタフェース14,24は、具体例としては、Ethernet(登録商標)、USB、HDMI(登録商標)のポートである。USBは、Universal Serial Busの略である。HDMIは、High-Definition Multimedia Interfaceの略である。
【0020】
図2では、プロセッサ11は、1つだけ示されていた。しかし、プロセッサ11は、複数であってもよく、複数のプロセッサ11が、各機能を実現するプログラムを連携して実行してもよい。同様に、図3では、プロセッサ21は、1つだけ示されていた。しかし、プロセッサ21は、複数であってもよく、複数のプロセッサ21が、各機能を実現するプログラムを連携して実行してもよい。
【0021】
***動作の説明***
図4から図11を参照して、実施の形態1に係る勤怠管理システム100の動作を説明する。
実施の形態1に係る勤怠管理システム100の動作手順は、実施の形態1に係る勤怠管理方法に相当する。また、実施の形態1に係る勤怠管理システム100の動作を実現するプログラムは、実施の形態1に係る勤怠管理プログラムに相当する。
【0022】
図4を参照して、実施の形態1に係るユーザ情報131を説明する。
ユーザ情報131は、ユーザID毎に、ユーザ名と、認証情報と、勤務種別とを含む。IDは、IDentifierの略である。ユーザIDは、ユーザの識別情報である。ユーザ名は、ユーザの氏名である。認証情報は、ユーザを認証するための情報であり、パスワード又は生体情報等である。勤務種別は、日勤及び夜勤といった勤務形態を示す。
【0023】
図5を参照して、実施の形態1に係る勤務実態情報132を説明する。
勤務実態情報132は、ユーザID毎に、勤怠項目と、日時とを含む。勤怠項目は、出勤と退勤といった勤怠管理をする上で必要となる項目である。具体的には、勤怠項目には、出勤と退勤と外出と外出戻りといった項目がある。日時は、勤怠項目が入力された日時である。
【0024】
図6を参照して、実施の形態1に係る優先度情報133を説明する。
優先度情報133は、勤務種別及び表示条件毎に、各入力ボタンの優先度を含む。表示条件は、ボタン情報が示す入力ボタンを表示する条件を示す。実施の形態1では、表示条件は時刻である。入力ボタンは、勤怠項目毎に設けられる。ここでは、勤怠項目には、出勤と退勤と外出と外出戻りとの項目がある。優先度は、値が大きいほど高い(優先される)ことを示す。
【0025】
図7を参照して、実施の形態1に係るボタン情報134を説明する。
ボタン情報134は、入力ボタン毎に、勤怠項目と、座標値と、表示内容とを含む。座標値は、入力ボタンの中央の座標を示す。表示内容は、優先度毎に、サイズと、傾きと、装飾有無とを含む。
サイズは、入力ボタンのサイズを示す。ここでは、入力ボタンは円形のため、サイズは入力ボタンの半径を示す。サイズは、優先度が高いほど大きくなるように設定されている。
傾きは、入力ボタンの傾きを示す。傾きが0の場合、入力ボタンにおける文字が水平に表示される。傾きは、優先度が高いほど0に近くなるように設定されている。つまり、優先度が低いほど、入力ボタンにおける文字が傾いて表示される。
装飾有無は、入力ボタンに対して装飾を施すか施さないかを示す。装飾有無は、優先度が第1閾値以上の場合に装飾を施すことを示す有が設定され、優先度が第1閾値未満の場合に装飾を施さないことを示す無が設定されている。ここでは、第1閾値は、4である。そのため、優先度が4の入力ボタンに対しては装飾を施すことを示す有が設定され、4より低い優先度の入力ボタンには装飾を施さないことを示す無が設定されている。
【0026】
図8を参照して、実施の形態1に係る優先度情報231を説明する。
優先度情報231は、優先度情報133に含まれる情報のうち、ユーザ端末20を使用するユーザの勤務種別に対応する情報である。
【0027】
図9を参照して、実施の形態1に係る勤怠管理システム100の処理の流れを説明する。
(ステップS101:ログイン処理)
ユーザ端末20の通信部211は、ユーザ端末20を使用するユーザのユーザID及び認証情報の組を勤怠管理装置10に送信する。
具体的には、ユーザ端末20にインストールされた勤怠管理アプリケーションプログラムが起動される。すると、通信部211は、ユーザ端末20に事前に設定されたユーザID及び認証情報を読み出して、勤怠管理装置10に送信する。なお、ユーザID及び認証情報の少なくとも一方は、勤怠管理アプリケーションプログラムが起動される度にユーザに入力されるようにしてもよい。
【0028】
(ステップS102:認証判定処理)
勤怠管理装置10の通信部111は、ステップS101で送信されたユーザID及び認証情報の組を取得する。通信部111は、ユーザID及び認証情報の組がユーザ情報131に登録されているか否かを判定する。
通信部111は、ユーザID及び認証情報の組が登録されている場合には、認証可(ログインOK)として、処理をステップS103に進める。一方、通信部111は、ユーザID及び認証情報の組が登録されていない場合には、認証不可(ログインNG)として、処理を終了する。認証不可の場合には、通信部111は、ユーザ端末20にエラーメッセージ等を送信してもよい。
【0029】
(ステップS103:情報送信処理)
勤怠管理装置10の通信部111は、ステップS102で取得されたユーザIDについての勤務種別に対応する情報を、優先度情報133から読み出す。具体的には、通信部111は、優先度情報133から勤務種別に対応する各表示条件と、各表示条件についての各入力ボタンの優先度とを読み出す。また、通信部111は、ボタン情報134を読み出す。通信部111は、読み出された情報を、ステップS102で取得されたユーザIDの送信元のユーザ端末20に送信する。
【0030】
(ステップS104:情報設定処理)
ユーザ端末20の通信部211は、ステップS103で送信された情報を取得する。通信部211は、各表示条件と、各表示条件についての各入力ボタンの優先度とを優先度情報231として設定する。また、通信部211は、ボタン情報134をボタン情報232として設定する。
【0031】
(ステップS105:優先度決定処理)
ユーザ端末20の優先度決定部212は、ユーザの勤務形態と時刻とに応じて、出勤と退勤とを含む複数の勤怠項目それぞれの優先度を決定する
具体的には、優先度決定部212は、優先度情報231から、各入力ボタンについて、現在の時刻に対応する優先度を読み出す。つまり、優先度決定部212は、現在の時刻が表示条件を満たすレコードから、各入力ボタンの優先度を読み出す。ここで、優先度情報231は、優先度情報133からユーザの勤務形態に対応する情報が抽出されたものである。したがって、ここでは、単に時刻に対応する優先度を読み出すことで、勤務形態及び時刻に対応する優先度を取得することができる。優先度決定部212は、各入力ボタンについて、読み出された優先度を、その入力ボタンについての優先度として決定する。
【0032】
(ステップS106:表示決定処理)
ユーザ端末20の表示決定部213は、各入力ボタンについて、ステップS105で決定された優先度に応じて表示態様を決定する。
具体的には、表示決定部213は、各入力ボタンについて、ボタン情報232から勤怠項目と座標値とを読み出す。また、表示決定部213は、各入力ボタンについて、ボタン情報232から、ステップS105で決定された優先度に対応するサイズと傾きと装飾有無とを読み出す。
【0033】
ここで、ボタン情報232には、優先度が高いほど大きくなるように設定されている。そのため、表示決定部213は、優先度が高い勤怠項目に対応する入力ボタンほど大きくなるように、複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンのサイズを決定することになる。
また、ボタン情報232には、優先度が高いほど傾きが0に近くなるように設定されている。そのため、表示決定部213は、優先度が高い勤怠項目に対応する入力ボタンほど傾きが小さくなるように、複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンの傾きを決定することになる。
また、ボタン情報232には、優先度が第1閾値以上の場合に装飾を施すことを示す有が設定され、優先度が第1閾値未満の場合に装飾を施さないことを示す無が設定されている。ここでは、優先度が4の場合に装飾を施すことを示す有が設定され、優先度が4よりも低い場合に装飾を施さないことを示す無が設定されている。そのため、表示決定部213は、優先度が第1閾値以上の勤怠項目に対応する入力ボタンに対して装飾が施されるように、複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンに装飾の有無を決定することになる。
【0034】
(ステップS107:表示制御処理)
ユーザ端末20の表示制御部214は、ステップS106で決定された表示態様で、各入力ボタンを示した勤怠入力画面を表示する。つまり、表示制御部214は、ステップS106で決定されたサイズと傾きと装飾の有無とに従い、各入力ボタンを表示する。
【0035】
(ステップS108:操作受付処理)
ユーザ端末20の操作受付部215は、ステップS107で表示された勤怠入力画面に対する操作を受け付ける。具体的には、操作受付部215は、いずれかの入力ボタンに対する操作を受け付ける。
【0036】
(ステップS109:操作判定処理)
ユーザ端末20の操作受付部215は、いずれかの入力ボタンが押下されたか否かを判定する。操作受付部215は、いずれかの入力ボタンが押下された場合には、処理をステップS110に進める。一方、操作受付部215は、一定時間経過してもいずれの入力ボタンも押下されない場合には、処理をステップS105に戻す。すると、優先度決定部212は、時刻を考慮して優先度を決定し直す。
【0037】
(ステップS110:項目送信処理)
ユーザ端末20の通信部211は、ユーザ端末20を使用するユーザのユーザIDと、ステップS108で操作が受け付けされた入力ボタンに対応する勤怠項目と、現在の時刻とを勤怠管理装置10に送信する。ここで、ユーザIDは、ステップS101で送信されたユーザIDと同じである。
【0038】
(ステップS111:勤怠管理処理)
勤怠管理装置10の勤怠管理部112は、ステップS110で送信されたユーザIDと勤怠項目と時刻とを勤務実態情報132に追加する。
【0039】
(ステップS112:受付表示処理)
ユーザ端末20の表示制御部214は、ステップS108で受け付けされた入力ボタンに対応する勤怠項目に応じた確認画面を表示する。例えば、表示制御部214は、勤怠項目として出勤が特定された場合には、「おはようございます。」というメッセージを表示する。このメッセージを見ることにより、正しく勤怠項目が入力できたことが確認可能である。
また、操作受付部215は、ステップS108で受け付けされた入力ボタンに対応する勤怠項目に応じたリズムでバイブレーション機能を作動させてもよい。つまり、ステップS108で受け付けされた入力ボタンに応じて異なるリズムでユーザ端末20が振動する。これにより、画面を見なくても、正しく勤怠項目が入力できたことが確認可能である。
そして、表示制御部214は、処理をステップS105に戻す。すると、優先度決定部212は、時刻を考慮して優先度を決定し直す。
【0040】
例えば、勤務種別が日勤であり、時刻が9:00であったとする。この場合には、ステップS105で決定される優先度は、出勤の入力ボタンが4、退勤の入力ボタンが1、外出の入力ボタンが3、外出戻りの入力ボタンが2である。
そのため、図10の(A)に示すように、入力ボタンのサイズは、出勤が最も大きく、外出、外出戻り、退勤の順に徐々に小さくなっている。また、入力ボタンの傾きは、出勤が最も小さく、外出、外出戻り、退勤の順に徐々に大きくなっている。また、出勤の入力ボタンにのみ装飾が施されている。
【0041】
時間が経過して、時刻が11:00になったとする。すると、ステップS105で決定される優先度は、出勤の入力ボタンが3、退勤の入力ボタンが1、外出の入力ボタンが4、外出戻りの入力ボタンが3である。
そのため、図10の(B)に示すように、入力ボタンのサイズは、外出が最も大きく、出勤及び外出戻り、退勤の順に徐々に小さくなっている。また、入力ボタンの傾きは、外出が最も小さく、出勤及び外出戻り、退勤の順に徐々に大きくなっている。また、外出の入力ボタンにのみ装飾が施されている。
【0042】
図10では、時刻がポイから噴き出たしゃぼん玉の中に表示され、各入力ボタンはしゃぼん玉として表されている。入力ボタンが押下された場合には、図11に示すように、押下されたしゃぼん玉が触れられ破裂した状態を表した確認画面を表示する。図11では、出勤の入力ボタンが押下された場合を示している。そして、表示制御部214は、破裂したしゃぼん玉の中に、勤怠項目に応じたメッセージを表示する。
【0043】
***実施の形態1の効果***
以上のように、実施の形態1に係る勤怠管理システム100は、ユーザの勤務形態と時刻とに応じて決定された優先度が高いほど大きなサイズで勤怠項目に対応する入力ボタンを表示する。勤務形態と時刻とに応じて入力される可能性が高い勤怠項目を概ね特定可能である。そのため、入力される可能性が高い入力ボタンを大きくでき、簡便かつミスなく勤怠情報の入力を行えるようできる。
【0044】
また、実施の形態1に係る勤怠管理システム100は、ユーザの勤務形態と時刻とに応じて決定された優先度が高いほど傾きを小さくした入力ボタンを表示する。文字が傾いていることは、ユーザに違和感を与え易い。そのため、傾きがない優先度が最も高い入力ボタン以外を押すことに対して、ユーザに注意を促すことができる。その結果、簡便かつミスなく勤怠情報の入力を行えるようできる。
【0045】
また、実施の形態1に係る勤怠管理システム100は、ユーザの勤務形態と時刻とに応じて決定された優先度が高い入力ボタンにだけ装飾を施す。これにより、入力される可能性が高い入力ボタンを大きくでき、簡便かつミスなく勤怠情報の入力を行えるようできる。
【0046】
***他の構成***
<変形例1>
優先度決定部212は、時刻と出勤の勤怠項目が入力された時刻との差である勤務時間に応じて、優先度を決定してもよい。この場合には、例えば、図12に示すように、優先度情報133が設定される。
図12では、表示条件が時刻と勤務時間とを用いて設定されている。例えば、出勤の入力ボタンは、図6では出勤時間帯である11:00までであれば優先度が4となっていた。しかし、図12では、出勤時間帯であり、かつ、勤務時間が0の場合には優先度が4であるが、出勤時間帯であっても、勤務時間が0でない場合には優先度が1になる。つまり、一旦出勤した後は、優先度が下げられ1になっている。外出、外出戻り、退勤の入力ボタンは、図6では出勤時間帯であれば優先度がそれぞれ3,2,1であった。しかし、図12では、出勤時間帯であり、かつ、勤務時間が0の場合には優先度が3,2,1であるが、出勤時間帯であっても、勤務時間が0でない場合には優先度が1つずつ上がって、4,3,2になる。その他の時間帯についても、同様に、勤務形態及び時刻に加えて勤務時間を考慮して、優先度が設定されるようになっている。
【0047】
<変形例2>
表示制御部214は、入力された勤怠項目にエラーがあった場合には、エラーを知らせる表示をしてもよい。例えば、表示制御部214は、勤怠入力画面の色を変化させることにより、エラーを知らせてもよい。また、エラーボタン等を表示し、エラーボタンが押下された場合に、エラーの詳細を表示するようにしてもよい。
エラーとは、具体例としては、申請がされていないにもかかわらず、休日に出勤の入力ボタンが押下された場合である。
【0048】
<変形例3>
実施の形態1では、各機能構成要素がソフトウェアで実現された。しかし、変形例3として、各機能構成要素はハードウェアで実現されてもよい。この変形例3について、実施の形態1と異なる点を説明する。
【0049】
各機能構成要素がハードウェアで実現される場合には、勤怠管理装置10は、プロセッサ11とメモリ12とストレージ13とに代えて、電子回路を備える。電子回路は、各機能構成要素と、メモリ12と、ストレージ13との機能とを実現する専用の回路である。
【0050】
同様に、各機能構成要素がハードウェアで実現される場合には、ユーザ端末20は、プロセッサ21とメモリ22とストレージ23とに代えて、電子回路を備える。電子回路は、各機能構成要素と、メモリ22と、ストレージ23との機能とを実現する専用の回路である。
【0051】
電子回路としては、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA、ASIC、FPGAが想定される。GAは、Gate Arrayの略である。ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略である。FPGAは、Field-Programmable Gate Arrayの略である。
各機能構成要素を1つの電子回路で実現してもよいし、各機能構成要素を複数の電子回路に分散させて実現してもよい。
【0052】
<変形例4>
変形例4として、一部の各機能構成要素がハードウェアで実現され、他の各機能構成要素がソフトウェアで実現されてもよい。
【0053】
プロセッサ11,21とメモリ12,22とストレージ13,23と電子回路とを処理回路という。つまり、各機能構成要素の機能は、処理回路により実現される。
【0054】
また、以上の説明における「部」を、「回路」、「工程」、「手順」、「処理」又は「処理回路」に読み替えてもよい。
【0055】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
ユーザの勤務形態と時刻とに応じて、出勤と退勤とを含む複数の勤怠項目それぞれの優先度を決定する優先度決定部と、
前記優先度決定部によって決定された優先度が高い勤怠項目に対応する入力ボタンほど大きくなるように、前記複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンのサイズを決定する表示決定部と、
前記表示決定部によって決定されたサイズで前記複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンを表示する表示制御部と
を備える勤怠管理システム。
(付記2)
前記表示決定部は、前記優先度が高い勤怠項目に対応する入力ボタンほど傾きが小さくなるように、前記複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンの傾きを決定し、
前記表示制御部は、前記表示決定部によって決定された傾きで前記複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンを表示する
付記1に記載の勤怠管理システム。
(付記3)
前記表示決定部は、前記優先度が第1閾値以上の勤怠項目に対応する入力ボタンに対して装飾が施されるように、前記複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンに装飾の有無を決定し、
前記表示制御部は、前記表示決定部によって装飾を有と決定された入力ボタンに対して装飾を施した上で、前記複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンを表示する
付記1又は2に記載の勤怠管理システム。
(付記4)
前記優先度決定部は、前記時刻と出勤の勤怠項目が入力された時刻との差である勤務時間に応じて、前記優先度を決定する
付記1から3までのいずれか1項に記載の勤怠管理システム。
(付記5)
前記勤怠管理システムは、さらに、
前記表示制御部によって表示されたいずれかの入力ボタンが押下されると、押下された入力ボタンに対応する勤怠項目を時刻とともに記録する勤怠記録部
を備える付記1から4までのいずれか1項に記載の勤怠管理システム。
(付記6)
前記表示制御部は、前記複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンとしてしゃぼん玉を表示し、いずれかのしゃぼん玉が選択されると、選択されたしゃぼん玉を破裂させる
付記1から5までのいずれか1項に記載の勤怠管理システム。
(付記7)
コンピュータが、ユーザの勤務形態と時刻とに応じて、出勤と退勤とを含む複数の勤怠項目それぞれの優先度を決定し、
コンピュータが、決定された優先度が高い勤怠項目に対応する入力ボタンほど大きくなるように、前記複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンのサイズを決定し、
コンピュータが、決定されたサイズで前記複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンを表示する勤怠管理方法。
(付記8)
ユーザの勤務形態と時刻とに応じて、出勤と退勤とを含む複数の勤怠項目それぞれの優先度を決定する優先度決定処理と、
前記優先度決定処理によって決定された優先度が高い勤怠項目に対応する入力ボタンほど大きくなるように、前記複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンのサイズを決定する表示決定処理と、
前記表示決定処理によって決定されたサイズで前記複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンを表示する表示制御処理と
を行う勤怠管理システムとしてコンピュータを機能させる勤怠管理プログラム。
【0056】
以上、本開示の実施の形態及び変形例について説明した。これらの実施の形態及び変形例のうち、いくつかを組み合わせて実施してもよい。また、いずれか1つ又はいくつかを部分的に実施してもよい。なお、本開示は、以上の実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0057】
100 勤怠管理システム、10 勤怠管理装置、11 プロセッサ、12 メモリ、13 ストレージ、14 通信インタフェース、111 通信部、112 勤怠管理部、131 ユーザ情報、132 勤務実態情報、133 優先度情報、134 ボタン情報、20 ユーザ端末、21 プロセッサ、22 メモリ、23 ストレージ、24 通信インタフェース、211 通信部、212 優先度決定部、213 表示決定部、214 表示制御部、215 操作受付部、231 優先度情報、232 ボタン情報、90 ネットワーク。
【要約】
【課題】簡便かつミスなく勤怠情報の入力を行えるようにする。
【解決手段】ユーザ端末20は、ユーザの勤務形態と時刻とに応じて、出勤と退勤とを含む複数の勤怠項目それぞれの優先度を決定する。ユーザ端末20は、決定された優先度が高い勤怠項目に対応する入力ボタンほど大きくなるように、複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンのサイズを決定する。ユーザ端末20は、決定されたサイズで複数の勤怠項目それぞれに対応する入力ボタンを表示する。
【選択図】図1
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