(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-22
(45)【発行日】2024-10-30
(54)【発明の名称】果実由来の不溶性固形分を含む飲料
(51)【国際特許分類】
A23L 2/54 20060101AFI20241023BHJP
A23L 2/00 20060101ALI20241023BHJP
A23L 2/02 20060101ALI20241023BHJP
【FI】
A23L2/54 101
A23L2/00 B
A23L2/00 T
A23L2/02 A
(21)【出願番号】P 2024120325
(22)【出願日】2024-07-25
(62)【分割の表示】P 2024112473の分割
【原出願日】2024-07-12
【審査請求日】2024-07-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596126465
【氏名又は名称】アサヒ飲料株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【氏名又は名称】久松 洋輔
(74)【代理人】
【識別番号】100192603
【氏名又は名称】網盛 俊
(72)【発明者】
【氏名】虻川 慧
(72)【発明者】
【氏名】三木 智恵
【審査官】高山 敏充
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-178928(JP,A)
【文献】特開2019-129806(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第113317481(CN,A)
【文献】特開2014-221014(JP,A)
【文献】特開2018-068195(JP,A)
【文献】特開2018-093777(JP,A)
【文献】特開2018-068196(JP,A)
【文献】特開2019-017325(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY(STN)
FSTA/AGRICOLA/BIOSIS/BIOTEHCNO/CABA/CAPLUS/SCISEARCH/TOXCENTER(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
果実由来の不溶性固形分を0.1g/L以上含有する炭酸飲料であって、
その含有量が0.5ppb以上である1-オクテン-3-オールと、
その含有量が1ppb以上であるマルトールとを含む、炭酸飲料。
【請求項2】
炭酸ガスを1ガスボリューム以上含有する、請求項1に記載の炭酸飲料。
【請求項3】
その含有量が0.5ppb以上200ppb以下である1-オクテン-3-オールを含む、請求項1または2に記載の炭酸飲料。
【請求項4】
果実由来の不溶性固形分を0.1g/L以上含有する炭酸飲料において、
その含有量を0.5ppb以上として1-オクテン-3-オールを含有させ、
その含有量を1ppb以上としてマルトールを含有させることを含む、前記炭酸飲料の雑味を低減する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は果実由来の不溶性固形分を含む飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば果皮、パルプ、ペクチンなどの、果実に由来しており水に不溶である固形成分(以下、果実由来の不溶性固形分、または単に不溶性固形分ともいう)を含む飲料が知られており(例えば特許文献1)、需要者に広く親しまれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、果実由来の不溶性固形分を含む炭酸飲料の、飲んだときに感じられる雑味を低減できる新規な技術を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明者は果実由来の不溶性固形分を含む炭酸飲料(例えば不要性固形分を0.1g/L以上含有する飲料)について検討を行ったところ、当該飲料では炭酸ガスを含有させることにより飲んだときの雑味がより強く感じられるようになることに気が付いた。
鋭意研究の結果、発明者は、1-オクテン-3-オールを所定の含有量で含有させることで、飲んだときに感じられる雑味を低減できることを見出した。
なお、本明細書において、雑味とは、とげとげしさ、とも称され、苦味や渋みなどに由来する炭酸ガスによる刺激とは異なる刺激についての感覚を意味する。雑味がより強く感じられるようになると、飲んだときに不快な印象を与えてしまう可能性が高まる。
【0006】
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]
果実由来の不溶性固形分を0.1g/L以上含有する炭酸飲料であって、
その含有量が0.5ppb以上である1-オクテン-3-オールを含む、炭酸飲料。
[2]
その含有量が1ppb以上であるマルトールをさらに含む、[1]に記載の炭酸飲料。[3]
炭酸ガスを1ガスボリューム以上含有する、[1]または[2]に記載の炭酸飲料。
[4]
果実由来の不溶性固形分を0.1g/L以上含有する炭酸飲料においてその含有量を0.5ppb以上として1-オクテン-3-オールを含有させることを含む、前記炭酸飲料の雑味を低減する方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、果実由来の不溶性固形分を含む炭酸飲料の、飲んだときに感じられる雑味を低減できる新規な技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の1つの実施形態について、詳細に説明する。
本実施形態は、果実由来の不溶性固形分を含む飲料に関する。本実施形態は、果実由来
の不溶性固形分を0.1g/L以上含有する炭酸飲料であって、その含有量が0.5ppb以上である1-オクテン-3-オールを含む。
【0009】
本実施形態に係る果実由来の不溶性固形分とは、果物の果肉や果皮などに由来する水に不溶である成分をいう。
果実由来の不溶性固形分としては例えば、パルプや、種子片、果皮片、膜片、ペクチンなどを挙げることができ、例えばこれらのうち一つまたは二つ以上を本実施形態の炭酸飲料に含有されるようにしてもよい。
不要性固形分が由来する果実としては特に限定されないが、例えば、柑橘類、バラ科植物の果物、ブドウ、パイナップル、グァバ、バナナ、マンゴー、アセロラ、ライチ、パパイヤ、パッションフルーツ、ブルーベリー、キウイフルーツ、メロン、キウイフルーツ、カラント、グーズベリーなどのスグリ類、クランベリー等のツツジ科植物の果物などが挙げられる。柑橘類としてはオレンジ、うんしゅうみかん、グレープフルーツ、レモン、ライム、柚子、いよかん、なつみかん、はっさく、ポンカン、シークワーサー、かぼす等が例示できる。また、バラ科植物の果物としてはアンズ、イチゴ、ウメ、サクランボ、スモモ、西洋ナシ、日本梨、ビワ、モモ、リンゴ、プルーン、ラズベリー、ブラックベリーなどが挙げられる。例えばこれらのうち一種または二種以上の果物に由来する不溶性固形分が本実施形態の炭酸飲料に含有されるようにしてもよい。
本実施形態において、不要性固形分の大きさや形状などは特に限定されない。また、果汁等とは分離されている不要性固形分が添加されて飲料中に含有されてもよいほか、不要性固形分を含む混濁果汁などの果汁が飲料に添加されることにより不要性固形分が飲料中に含まれることとなった態様でもよい。
【0010】
本実施形態において果実由来の不溶性固形分は例えば飲料中に0.1g/L以上含有する。不溶性固形分の含有量の上限は特に限定されず、当業者が適宜設定できるが、本発明の構成を適用することで雑味をより抑えることができるため、3g/L以下が好ましく、2g/L以下がより好ましく、1g/L以下がさらにより好ましい。
果実由来の不溶性固形分の含有量は例えば、原材料から算出することができる。不要性固形分が原材料の果汁に含まれている場合には例えば果汁を遠心分離に供して上清を除去し、沈殿物を乾燥することで不溶性固形分の含有量を算出するようにしてもよい。また、飲料の組成によっては飲料を遠心分離に供して上清を除去し、沈殿物を乾燥することで不溶性固形分の含有量を算出することもできる。
【0011】
本実施形態において飲料は炭酸飲料とすることができる。本明細書において炭酸飲料とは、飲料中に溶存している二酸化炭素(炭酸ガス)を含有する飲料をいう。本実施形態の炭酸飲料においてその炭酸ガスボリュームは本発明の構成を適用することで雑味をより抑えることができるため、1.0以上が好ましく、1.0以上4.0以下がより好ましく、2.0以上4.0以下がさらにより好ましい。
【0012】
ここで、炭酸ガスボリューム[vol]とは、1気圧、20℃における、炭酸飲料の体積に対する、炭酸飲料中に溶解している炭酸ガスの体積の比を指す。炭酸ガスボリュームは、例えば、市販の測定器(京都電子工業製ガスボリューム測定装置GVA-500A)を用いて測定することができる。具体的には、試料を20℃とした後、ガス内圧力計を取り付け、一度活栓を開いてガス抜き(スニフト)操作を行い、直ちに活栓を閉じてから激しく振とうし、圧力が一定になった時の値から算出することで炭酸ガスボリュームを得ることができる。
【0013】
本実施形態の炭酸飲料は、1-オクテン-3-オールを含む。
1-オクテン-3-オール(1-octen-3-ol)は不飽和アルコールであり、マツタケオールなどとも称される化合物である。
本実施形態の炭酸飲料において1-オクテン-3-オールの含有量は0.5ppb以上とすることができ、雑味抑制の観点から、4ppb以上が好ましい。1-オクテン-3-オールの含有量の上限は特に限定されず、当業者が適宜設定できるが、例えば果実感の強さや生果のような味わいの観点から、200ppb以下が好ましい。また、雑味を抑えることができるとともに、果実感の強さや生果のような味わいについてもより感じられるようになるため、1-オクテン-3-オールの含有量は、120ppb以下がより好ましく、40ppb以下がさらにより好ましく、15ppb以下がさらにより一層好ましい。
【0014】
また、本実施形態の炭酸飲料は1-オクテン-3-オールに加えてマルトールをさらに含有することが好ましい。
マルトール(Maltol、3-hydroxy-2-methyl-4H-pyran-4-one)はピロン環を有する化合
物である。
マルトールの含有量は雑味をより抑える観点から1ppb以上であることが好ましい。また、マルトールの含有量の上限は特に限定されないが、より雑味を抑制する観点から500ppb以下が好ましい。また、雑味を抑えることができるとともに、果実感の強さや生果のような味わいについてもより感じられるようになるため、マルトールの含有量は1ppb以上350ppb以下がより好ましく、1ppb以上200ppb以下がさらにより好ましい。
【0015】
1-オクテン-3-オールおよびマルトールの含有量を調整する方法は特に限定されず、例えば市販品を用いて飲料製造過程において添加を行うなどすればよい。
また、本実施形態の炭酸飲料における1-オクテン-3-オールおよびマルトールの含有量の測定は例えばガスクロマトグラフィー質量分析法によって行うことができる。測定は例えば実施例に記載の方法に基づいて行うことができる。
【0016】
本実施形態に係る炭酸飲料は、本発明の目的を達成できる範囲で他の成分を含有してもよく、特に限定されない。例えば、本実施形態の飲料は果汁を含有してもよい。果汁を含む場合の果汁含有率については特に限定されず、当業者が適宜設定することができる。
なお、本明細書において、果汁とは、果実を破砕して搾汁又は裏ごし等をし、必要に応じて皮、種子等を除去した液体成分をいう。また、本明細書に係る果汁には、当該液体成分を濃縮したものや、これらの希釈還元物も含まれる概念である。また、果汁を含有したフルーツソース等の加工品を用いることもできる。
また、果汁含有率とは、果実等の食用部分を搾汁して得られ、濃縮等の処理を行っていない搾汁(ストレート果汁)のBrix値または酸度を100%としたときの相対濃度である。Brix値は、JAS規格に基づき、試料の温度(液温度)20℃における糖用屈折計の示度をいう。Brix値の測定は、公知の方法、装置を用いて行うことができる。また、酸度は、100g中に含まれる有機酸量をクエン酸に換算した場合のグラム数(無水クエン酸g/100g)で表すことができる。酸度もまた、JAS規格の酸度測定法で定められた方法、具体的には0.1mol/L水酸化ナトリウム標準液をアルカリ溶液として使用した中和滴定法(定量式)により測定できる。果汁含有率をBrix値または酸度のいずれに基づいて算出するかはJAS規格に基づき果物の種類ごとに定められている。例えば、リンゴ、オレンジ、モモはBrix値に基づいて算出される。果汁含有率をJAS規格のBrix値に基づいて換算する場合、果汁に加えられた糖類、はちみつ等のBrix値は除いて算出される。
【0017】
また、果汁以外のその他の原料としては、例えば、糖類および高甘味度甘味料といった甘味料、食塩、抗酸化剤、酸味料、pH調整剤、香料、色素、エキス、ビタミン類、アミノ酸、食物繊維、消泡剤などが挙げられる。
本実施形態の炭酸飲料において糖度や酸度、pHは特に限定されず、当業者は適宜設定できる。
また、本実施形態の炭酸飲料はエタノールなどのアルコールを含有する飲料であってもよく、アルコールを実質的に含有しない飲料(具体的には、アルコールの含有量が1.0体積/体積%未満の飲料)であってもよい。
【0018】
本実施形態の炭酸飲料の製造方法は特に限定されず、当業者が常法により製造することができる。
例えば、原料水に、飲料としたときに0.1g/L以上となる量の不溶性固形分と、飲料としたときに0.5ppb以上となる量の1-オクテン-3-オールと、必要に応じて加えられるその他の成分を添加するとともに、飲料中に二酸化炭素を溶存させる処理を行うことで製造することができる。
不溶性固形分、1-オクテン-3-オール、その他必要に応じて添加される成分を添加する方法や順序などは特に限定されず、当行者が適宜設定できる。上記の原料水は、水自体のほか、含有されるその他の成分の溶液等であってもよい。また、不溶性固形分や1-オクテン-3-オールは、単独で配合されても、また、他の含有成分と共に配合されるようにしてもよく、特に限定されない。
二酸化炭素を溶存させる処理も特に限定されず、例えば、溶液に二酸化炭素を溶存させた水を混合して炭酸飲料とする方法(ポストミックス法)や、溶液に二酸化炭素を直接噴き込んで溶解させる方法(プレミックス法)が挙げられる。
【0019】
本実施形態に係る飲料は、容器に封入された容器詰飲料とすることができる。
容器への封入方法などは特に限定されず、例えば常法に従って行うことができる。
容器も炭酸飲料に用いられる公知のものを適宜選択して用いることができ、素材や形状など特に限定されない。容器の具体例としては、例えば、ビン、ペットボトル等のプラスチック容器、スチール缶やアルミニウム缶等の金属缶などが挙げられる。
【0020】
以上、本実施形態によれば、果実由来の不溶性固形分を含む炭酸飲料の、飲んだときに感じられる雑味を低減できる。その結果、例えば飲んだときに果実を想起させる飲料においては、需要者は雑味がより抑えられている状態で飲料の果実感を味わうことも可能であり、飲料の嗜好性の向上に寄与することができる。
【実施例】
【0021】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0022】
[(A)不溶性固形分の調製]
りんご混濁果汁を20℃に調温し、8000gで10分間の遠心分離に供した。上清を廃棄し、沈殿物を60℃で2日間乾燥させ、果実由来の不溶性固形分とした。
【0023】
[参考試験]
純水に、(A)で調製した不溶性固形分を0.1g/L添加したものをCTRL1の飲料として対照として用い、そこに炭酸ガス2VOLとなるように炭酸ガスを添加したものをサンプル1の飲料とした。
表1の各項目について、CTRL1を基準(4点)としてパネル5名による評価を行った。
ここで、果実感(果汁感)の強さ、とは、不溶性固形分が由来する果実の果汁の味の強さについての感覚を意味する。
また、生果のような味わい、とは、不溶性固形分が由来する加熱されていない果実の味を想起させる感覚を意味する。
各評価項目の評価基準は表1の通りとした。
【0024】
【0025】
結果を表2に示す。
【0026】
【0027】
表2に示すとおり、炭酸ガスを含有するサンプル1の飲料では不溶性固形分由来の雑味がより強く感じられるようになった。
【0028】
[試験(1)]
純水に(A)で調製した不溶性固形分を1g/L添加したものをCTRL2の飲料として対照とし、また、CTRL2に炭酸ガス2VOLとなるように炭酸ガスを添加したものをサンプル2の飲料(比較例)とした。
サンプル2の飲料に、表1の含有量になるように1-オクテン-3-オール、マルトールを添加したものをサンプル3~8の飲料(実施例)とした。
これらについて参考試験と同様に官能評価を実施した。
結果を表3に示す。
【0029】
なお、各飲料中の1-オクテン―3-オール、マルトールの含有量は、以下のようにして測定した(試験(2)、(3)についても同じ)。
分析対象である各飲料を3g、塩化ナトリウム0.9gを10ml容バイアルに入れ密栓した。
ゲステル社製MPSを用いる2―Step MVM(Multi―Volatile Method) 法によりGC/MSに導入した。
検量線は標準添加法にて作成し、内標としてシクロヘキサノールおよびエチルマルトールを用いた。
〔GC/MSの分析条件]
GC:アジレント・テクノロジー社製7890B。
MS:アジレント・テクノロジー社製5977B。
捕集管( 吸着剤):TenaxTA、Carbopack B/Carbopack X
カラム:アジレント・テクノロジー社製DB-WAX UI 30m×0.25mm、膜厚0.25μm。
注入法: 溶媒ベント。キャリアガス:He。
オーブン温度:40℃(5min)→8℃/min→240℃(10min)。
MS条件:SIM/スキャンモード
定量イオン: 1-オクテン―3-オール m /z57、マルトール m/z126、シクロヘキサノール(内標)m/z82、エチルマルトール(内標)m/z140
【0030】
【0031】
表3に示すとおり、実施例であるサンプル3~8の飲料では飲んだときに感じられる不溶性固形分由来の雑味が低減されていた。
【0032】
[試験(2)]
不溶性固形分を(A)と同様の方法でオレンジ混濁果汁から調製した。
得られた不溶性固形分を用いて、ガスボリュームを3とした以外は試験(1)と同様の方法で対照であるCTRL3の飲料、比較例であるサンプル9の飲料、および実施例であるサンプル10の飲料を調製した。
これらについて参考試験と同様に官能評価を実施した。
結果を表4に示す。
【0033】
【0034】
表4に示すとおり、実施例であるサンプル10の飲料では飲んだときに感じられる不溶性固形分由来の雑味が低減されていた。
【0035】
[試験(3)]
不溶性固形分を(A)と同様の方法でモモ混濁果汁から調製した。
得られた不溶性固形分を用いてガスボリュームを3とした以外は試験(1)と同様の方法で対照であるCTRL4の飲料、比較例であるサンプル11の飲料、実施例であるサンプル12の飲料を調製した。
これらについて参考試験と同様に官能評価を実施した。
結果を表5に示す。
【0036】
【0037】
表5に示すとおり、実施例であるサンプル12の飲料では飲んだときに感じられる不溶性固形分由来の雑味が低減されていた。
【要約】
【課題】果実由来の不溶性固形分を含む炭酸飲料の、飲んだときに感じられる雑味を低減できる新規な技術を提供する。
【解決手段】果実由来の不溶性固形分を0.1g/L以上含有する炭酸飲料であって、その含有量が0.5ppb以上である1-オクテン-3-オールを含む、炭酸飲料。
【選択図】なし