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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-11-01
(54)【発明の名称】万能長城型発電堤防
(51)【国際特許分類】
   E02B 9/00 20060101AFI20241024BHJP
   E04H 9/14 20060101ALI20241024BHJP
   F03B 13/08 20060101ALI20241024BHJP
   E02B 9/08 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
E02B9/00 Z
E04H9/14 Z
F03B13/08
E02B9/08
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021070694
(22)【出願日】2021-03-02
(65)【公開番号】P2022134063
(43)【公開日】2022-09-14
【審査請求日】2024-02-19
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】592212102
【氏名又は名称】有限会社日本環境電装
(72)【発明者】
【氏名】高橋 彰
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特許第6032421(JP,B2)
【文献】特開昭58-25589(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 3/04- 3/14
E02B 9/00-13/02
E04H 9/14
F03B 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項2】
請求項1の電源中立掃除機は、取水とダストを吸入でき、逆回転すれば取水を吐き出せる形状の回転ローラーに、吸入した取水とダストを電動のウオーターポンプで吸込み、ダストを排出するために、その前後に請求項1のセンサーとダストフィルターを装備した排出ゲート付きダスト層からダストが排除できるようにして、該回転ローラーは、ローラー用の発電機と電動モーターと取水とで可動するようにしたことで、該発電機の電力で、該電動モーターと該ウオーターポンプを稼働させて、該発電機が電動モーターにもなる様に、請求項1の制御装置で制御できるようにして、その各電動モーターと該ウオーターポンプが同時に逆回転も出来るようにしたことで、該取水の排出口から吸水ができて、請求項1の高低差の床に、請求項1の二層の壁の外部にも出られるようにした、電動リモコン式掃除用ブルドーザーを設置して、ダストの掃除ができるように構成された、請求項1記載の、万能長城型発電堤防。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,万能長城型発電堤防に関するものである。
【背景技術】
【0002】
21世紀になり、地球温暖化は悪化の一途をたどり、豪雨や台風による水害は人命や財産にとてつもない被害を与えながら、年々巨大になってその威力はとても計り知れないが、我々が排出したCO2の増加による外気温度の上昇は、ヨーロッパでさえも、酷暑、大火災、大洪水などの災害をもたらし人類の生命を脅かしている。
非特許文献1で、「CO2はいったん排出されると数千年にわたって大気中にとどまります。気温2度上昇は、熱波が増加し居住地域が酷暑に見舞われ、豪雨や干ばつの被害を受けます。」ですから、もう既に外気温度上昇により、水分を多く含んだ空気が主因の線状降水帯など積乱雲の集合体が停滞することで、経験したことのないような事態で豪雨が長時間続くようになっている。
【0003】
非特許文献2では、学術誌ネイチャーに掲載された最新研究で研究者が警告している、
「海はCO2によってこもった熱の90%を吸収している。」
「水は温度が高くなると膨張するため海面も上昇する。」
「海は思われていたより多くの熱を吸収、気候変動に大きな影響がある。」
そのことで、IPCCは、パリ協定を明確にしているとの内容で、それは、温室効果ガスのあたえる影響は海面上昇によって水没する島国の求めに応じて気温上昇を1.5℃以内にすることである、としている。
【0004】
非特許文献3の、2019年に関東甲信越、東北を襲った未曽有の台風19号は、地球温暖化の影響で日本沿岸の海水温は平年より2度高く、深さ50Mまで達して台風に水蒸気が盛んに供給されたため、堤防の決壊は、52河川73か所で越水は231か所で、記録的な豪雨より起こる外水氾濫、内水氾濫、バックウオーター等による大被害をもたらしてあらゆる街並みが泥まみれに水没してしまい、マンションなどの電源設備が水没して、送電網が使えなくなって、電気や水道が何日も途絶えることになる同時多発の台風大災害になってしまった、との内容である。
【文献】国際連合の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)特別報告書からチューリッヒ工科大学の気候変動研究者ソニア・セネヴィラトネ氏談
【文献】米BBCニュース https://www.bbc.com/japsnese/features-and-analysis-46053302
【文献】NHKクローズアップ現代 https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4341/index.html
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
地球温暖化による海面上昇が引き起こす大津波災害を防止するために、特許文献1では、地球温暖化と地震津波台風高潮対応の蓄電型発電防波堤を提案したが、防波堤を大津波の巨大なエネルギーから護りの強化をするために海面上昇対応可動フロアを持ち、堤外と堤内に分けた二層の防波堤外壁と、連結補強フレームと、自然災害用ドレンハッチなどを用いて大津波の脅威を防ぐ発明ですが、本出願人が、海面上昇が世の中に発生することになると、昭和末期にある商社マンより伺ってから約30数年、後の現在では海面上昇で昭和末期の海岸風景とは一変した。これから、各国がCO2排出量を大幅に減らし気温上昇を1.5℃以内に下げる行動を世界中で起こすだろうが、IPCCの報告書では「早ければ12年後に1.5℃に達する可能性がありその結果は悲惨なものだ。」とあり海岸線の風景はどのようになるか予想もつかないが、改善もあると考えられ、特許文献1の海面上昇対応可動フロアは海岸線に対して並行だからそこに集中でき十分対応可能だが、河川堤防は海岸線に対して垂直方向になり、内陸方面に高低差で連なっていくので不十分である。
【0006】
本出願人は同様にして双眸となる、特許文献2の複合トリプルパワー用いた自立可動防波堤も発明しており、近年における大災害については、上記の背景技術の通りで、特に豪雨による河川の氾濫については、2000年からの10年間では、年平均3河川だったのが、2020年まででは、年平均9河川と約三倍に急増して、内陸部でも軒並み大被害が大きく及んでいるので、河川への大津波に対する遡上の対応はそれでベストと考えられるが、河川堤防への防御とか越水対策、電源と水源対策で人命救助などの対応が、不十分である。
【0007】
特許文献1の取水方法による発電は潮汐による海水であり、月の引力が及ぼす潮汐を利用することで、海水が排出後も返ってくるので永久機関として重宝でき、原料が無料となることで、CO2を大幅に削減できる再生可能エネルギーの普及に向けて主力発電と成りうる大革命となるものと思慮するが、海水を生活必需品として再利用するのは限られるので、河川などで真水による取水のほうが再利用の価値が高くなるためその点では不十分である。
【0008】
特許文献1の発電防波堤を本出願の万能長城型発電堤防へ接続だけでは津波に対する防御効果が不十分であり、特許文献2の自立防波堤を現行の河川堤防や防波堤に接続するだけでは、発電も何もなくてただ単に自然の猛威がやむのを祈るだけでは不十分であり、本出願の、新しく設備を備える新発想の万能長城型発電堤防と、特許文献1と特許文献2とを接続をすることで、三拍子そろう、画期的な三方よしの災害防御システムになると予想されるので、今のままでは不十分であると思慮する。
【文献】特許第6032421号
【文献】特許第6524602号
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、このような従来の構成が有していた問題点を、解決しようというものであり、河川堤防の堤外や堤内に、二層の壁と天端で取水できる空間(1)を設置して、該二層の壁の下の端にセンサー(3)を設置したことで、浸透浸水が判明できるようにして、災害時における河川の越水などが引き起こす、外水氾濫を防止できて、豪雨や海面上昇などによるバックウオーターに対する防止効果が出せるように、電源中立掃除機で洪水を、大筒排水管(13)により海面に向けた排水対策ができるように構成されている。
【0010】
取水に対応して、空間(1)の内部に高低差(4)を段々と作り、制御装置(9)により、上下可動シャッター(5)が、シャッター用発電機(6)を稼働して、取水は次の高低差(4)に向けて排出され、同様に次々と排出されるエネルギーで、発電の稼働をして空間(1)に設置した送電網(7)から、総合蓄電装置(8)に蓄電して、河口付近の河口側複数層(11)では、その取水を複数層用排出口(27)に向けて段々と発電させ、その複数層最下部の層(24)では潮汐による発電と、取水による発電も出来て、地球温暖化による海面上昇時には、その上部の河口側複数層(11)で潮汐による同様な発電が出来る様に制御することで、脈々と蓄電できるように構成されている。
【0011】
取水によるダスト混入での、シャッター用発電機(6)を保護するため、電源中立掃除機(2)を設置して、その回転ローラー(ア)を電動モーター(オ)と、回転ローラー用発電機(カ)を支点に可動するようにして、その電力で、電動モーター(オ)と取水とダストを排出させるために装備されているウオーターポンプ(イ)との電力消費を賄えるようにして、ダストフィルター(ク)が装着された排出ゲート付きのダスト層(ウ)をウオーターポンプ(イ)の前後に装備して、それに装着されている請求項1のセンサー(3)の感知でダストを排出して、ウオーターポンプ(イ)をダストから防御して、災害時に対して回転ローラー用発電機(カ)が請求項1の制御装置(9)より電動モーターになる様に制御装置(9)で制御して、それと電動モーター(オ)とウオーターポンプ(イ)で同時に逆回転出来る様にも制御したことで、取水排出口(エ)から吸水できるようにして、請求項1のシャッター(5)の制御で、請求項1の河口側複数層(11)からや、請求項1の大筒排出管(13)からの、台風や豪雨による洪水時の排出効果を高めるようにして、請求項1の高低差(4)に、電動リモコン式掃除用ブルドーザー(キ)を収納して、請求項1の空間(1)の外部にも出られるようにしたことで、請求項1のセンサー(3)の感知で、電動リモコン式掃除用ブルドーザー(キ)で高低差(4)からダストを段々と押し出して掃除をして、外部の電源中立掃除機(2)の排出したダストも、掃除できるように構成されている。
【0012】
請求項1の空間(1)の外側に、取水と充電用栓(15)を設置して、そこで取水して、同時に請求項1の総合蓄電装置(8)より充電して移動できる、請求項1の、脱着式蓄電池付き水タンク搭載EV車(16)により、任意の場所に取水と電源を運べるようにして、請求項1の、EV電動クレーン車(22)により、請求項1の脱着式交換用アタッチメント(17)の、蓄電池付きトイレ(18)蓄電池付き風呂(19)蓄電池付き救命ボート(20)蓄電池排水ポンプ付きタンク(21)を、電動避難用タワー(14)に配置して、脱着式蓄電池付き水タンク搭載EV車(16)の交換作業もできるように構成されている。
【発明の効果】
【0013】
河川はその曲がり具合、水の深さ形状、流れの速さで、常日頃より、コツコツと浸透や侵食が起こっており、そこが災害時に越水などで外水氾濫を引き起こす場合が多いとされ、万能長城型発電堤防は、設置した二層の壁の下の端に、センサー(3)を装着したことで、浸透や侵食が予防できて、堤防の決壊による居住地に襲い掛かる大洪水を防止することができ、電源中立掃除機(2)から河口に向け放水できることで、河川の水位が上がらないようにして、豪雨や海面上昇などによる内水氾濫、バックウオーターを防止するための対応ができる。
【0014】
設置された空間(1)の高低差(4)によって、上下可動シャッター(5)と、シャッター用発電機(6)を稼働させて、そのエネルギーで脈々と発電の稼働ができるので、高低差(4)を多く設置でき、水量のある河川ほど、莫大な電力を総合蓄電装置(8)に蓄電できて、空間(1)に送電網(7)を設置したことで、あらゆる場所に送電しやすい送電網として、とても強く崩壊しにくく、災害時に大きな影響をもたらしている現在の電柱などと比べても、再考される考案であり、河口付近の河口側複数層(11)でも潮汐と取水などから脈々と発電できるのでこれにより安定した発電が見込め、原料が無料で、CO2を出さない水なので、地球温暖化による環境悪化への改善効果がとても大きい。
【0015】
万能長城型発電堤防の天端上の随所に設置された、電動避難用タワー(14)は、そこに避難することで、大洪水や大津波などで付近が水没しても、上下可動で床が立ち上がることで水没を免れることができ、自走できる機能により天端上の海抜の高い場所へ、避難することが可能で、さらなる大洪水時には、そこに搭載された蓄電池付き救命ボート(20)で、その蓄電池付きの機能を使い、電動船外機などを使い安全な場所へ逃げ込むことができる。
【0016】
豪雨災害や河川氾濫の大水害による電源が使えないとか水道停止の水不足などに対応するために、空間(1)に備えた、取水と充電用栓(15)で取水して充電できる脱着式水タンク搭載EV車(16)で、避難場所に取水を運んで、そのEV車用の蓄電池を、電源として活用でき、さらにEV電動クレーン車(22)により、蓄電池付きトイレ(18)、蓄電池付き風呂(19)蓄電池付き救命ボート(20)蓄電池排水ポンプ付き排水タンク(22)など、脱着式交換用アタッチメント(17)として運べて、脱着式蓄電池付き水タンク搭載EV車(16)から脱着できる該水タンクと、蓄電池付きトイレ(22)及び蓄電池排水ポンプ付きタンク(22)を接続すれば、それぞれ脱着交換して活用することで、防災減災ができる。
【発明を実施する最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図1図2図3図4図5図6に基づいて説明する。
図1図2図3図4図5図6では、万能長城型発電堤防(30)の二層の壁下の端に設置されたセンサー(3)で、河川堤防に浸透や侵食が起こらないように常日頃より、監視することができ、災害時における外水氾濫を引き起こす場所などは特に判明できるようになり、空間(1)に電源中立掃除機(2)を介しての取水は、ダストなどから防御して発電することができ、上流側から河口側の潮汐区間(10)までに設置された、高低差(4)にシャッター(5)は高低差(4)が満水になる様に上部に動いて、満水になればシャッター(5)のシャッター用発電機(6)で、そこが断水するまで発電稼働をして、次の高低差(4)が満水になるまで次のシャッター(5)を同様にして、次のシャッター用発電機(6)も同様に稼働するようにして、段々と脈々と発電させて、
潮汐区間(10)には、河口側複数層(11)を設置して干潮時には、複数層兼用シャッター(12)とシャッター(5)で、複数層最下部の層(24)が取水出来ないよう閉じて、満潮時にそこのシャッター(5)を干潮に合わせて開いて発電させて、干潮時にはそれを閉じて、複数層兼用シャッター(12)を開いて取水を取り入れて、それが満水になれば再びシャッター(5)を開いて発電させる、月日と場所に合わせて潮汐の時間帯を考慮しているから、制御装置(9)は複数層最下部の層(24)の取水具合と潮汐具合を見極めて、排出エネルギーでシャッター用発電機(6)が稼働できる様に制御させるため、余すと来なく発電稼働できる。
【0018】
複数層兼用シャッター(12)により、高低差(4)から排水される取水を、河口側複数層(11)がそれぞれ満水になる様にシャッター(5)の作動により満水にして複数層用排出口(27)よりシャッター(5)で発電稼働させることができる。
【0019】
電動避難用タワー(14)は、上下稼働することで、水没から逃れられ、そこに装備されている蓄電池付き救命ボート(20)で、電動船外機などを装着して安全な場所へ移動することができ、夜間などはライトを持ち込むことで更に安全な行動ができるようにして、蓄電池付きトイレ(18)と脱着式蓄電池付き水タンク搭載EV車(16)と蓄電池排水ポンプ付きタンク(21)の組み合わせにより衛生的なトイレで、汚物などは、排水ポンプでタンクに吸引、取り外して交換もでき、ウオシュレットなど生活必需品なども使えて、脱着式蓄電池付き水タンク搭載EV車(16)と蓄電池付き風呂(19)と蓄電池排水ポンプ付きタンク(22)の接続では、電力で風呂を沸かして、風呂より出た排水は、蓄電池排水ポンプ付きタンク(22)にて回収後、前記のトイレに再利用することもできるので、人命救助の基礎を作り、無駄を省くようにしている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施状態を示す断面構成図
図2】本発明の実施状態を示す高低差の収納部の断面図
図3】本発明の実施状態を示す海側から見た断面構成図
図4】本発明の実施状態を示す電源中立掃除機の断面構成図
図5】本発明の実施状態を示す堤外から見た断面構成図
図6】本発明の実施状態を示す立体構成図
【符号の説明】
1、空間
2、電源中立掃除機
3、センサー
4、高低差
5、シャッター
6、シャッター用発電機
7、送電網
8、総合蓄電装置
9、制御装置
10、潮汐区間
11、河口側複数層
12、複数層兼用シャッター
13、大筒排出管
14、電動避難用タワー
15、取水と充電用栓
16、脱着式蓄電池付き水タンク搭載EV車
17、脱着式交換用アタッチメント
18、蓄電池付きトイレ
19、蓄電池付き風呂
20、蓄電池付き救命ボート
21、蓄電池排水ポンプ付きタンク
22、EV電動クレーン車
23、海面
24、複数層最下部の層
25、従来の河川堤防
26、河川敷
27、複数層用排出口
28、従来の防波堤
29、堤外
30、万能長城型発電堤防
ア、回転ローラー
イ、ウオーターポンプ
ウ、排出ゲート付きダスト層
エ、取水排出口
オ、電動モーター
カ、回転ローラー用発電機
キ、電動リモコン式掃除用ブルドーザー
ク、ダストフィルター
図1
図2
図3
図4
図5
図6