IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 井関農機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-コンバインの脱穀装置 図1
  • 特許-コンバインの脱穀装置 図2
  • 特許-コンバインの脱穀装置 図3
  • 特許-コンバインの脱穀装置 図4
  • 特許-コンバインの脱穀装置 図5
  • 特許-コンバインの脱穀装置 図6
  • 特許-コンバインの脱穀装置 図7
  • 特許-コンバインの脱穀装置 図8
  • 特許-コンバインの脱穀装置 図9
  • 特許-コンバインの脱穀装置 図10
  • 特許-コンバインの脱穀装置 図11
  • 特許-コンバインの脱穀装置 図12
  • 特許-コンバインの脱穀装置 図13
  • 特許-コンバインの脱穀装置 図14
  • 特許-コンバインの脱穀装置 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】コンバインの脱穀装置
(51)【国際特許分類】
   A01F 12/32 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
A01F12/32
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022045077
(22)【出願日】2022-03-22
(65)【公開番号】P2023139511
(43)【公開日】2023-10-04
【審査請求日】2023-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】二神 伸
(72)【発明者】
【氏名】渡部 寛樹
(72)【発明者】
【氏名】上加 郁朗
(72)【発明者】
【氏名】内山 龍介
(72)【発明者】
【氏名】黒木 慎
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-132530(JP,A)
【文献】特開2020-065496(JP,A)
【文献】特開2019-041595(JP,A)
【文献】特開2018-085958(JP,A)
【文献】特開2020-065497(JP,A)
【文献】実開昭58-170931(JP,U)
【文献】特開平10-118570(JP,A)
【文献】実開昭55-035942(JP,U)
【文献】実開昭59-008541(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2013/0109450(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01F 12/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀稈を脱穀する扱室(10)と、該扱室(10)の下側に脱穀された処理物を選別する選別室(20)を備えたコンバインの脱穀装置において、
前記扱室(10)の前後壁に、穀稈の脱穀処理を行う略円筒形状の扱胴(11)を支持する回転軸(11A)を回転自在に架設し、
前記扱胴(11)の下側に、前記扱胴(11)に沿って前後方向に延在する略半円筒形状の受網(12)を設け、
該受網(12)の後端部を、前記扱胴(11)の後端部よりも前側に位置させ、
前記受網(12)を、前後方向に所定の間隔を隔てて設けられた略半円形状の仕切り板(60)と、該仕切り板(60)に周方向に所定の間隔を隔てて設けられた前後方向に延在する桟(62)で形成し、
前記受網(12)の後端部に位置する第1後端仕切り板(69)と該第1後端仕切り板(69)の前側に隣接する第2後端仕切り板(68)の間に位置する部位に開口部(63)を形成し、
前記選別室(20)の上部に、前記処理物を選別する揺動選別装置(21)を設け、
該揺動選別装置(21)の上部に、前側から順に、板状体から形成された移送棚(70)と、前後方向に所定の間隔を隔てて並設する左右方向に延在するシーブ(71)と、鋼線から形成された第1選別網(72)を設け、
前記揺動選別装置(21)の下部におけるシーブ(71)に対向する部位に、鋼線から形成された第2選別網(76)を設け
前記第1選別網(72)の前部の格子状の目合いを、前記第1選別網(72)の後部の格子状の目合いよりも大きく形成したコンバインの脱穀装置。
【請求項2】
前記第1選別網(72)の格子状の目合いを、前記第2選別網(76)の格子状の目合いよりも大きく形成した請求項1記載のコンバインの脱穀装置。
【請求項3】
前記第1選別網(72)の後上がり傾斜角度を、前記第2選別網(76)の後上がり傾斜角度よりも大きくした請求項1又は2記載のコンバインの脱穀装置。
【請求項4】
前記第1選別網(72)の後部を、前記揺動選別装置(21)の後壁に設けられた左右方向に延在する支軸(80)に支持部材(81)を介して回転自在に支持した請求項1~のいずれか1項に記載のコンバインの脱穀装置。
【請求項5】
前記第1選別網(72)の前部に、前記第1選別網(72)の上方に選別風を案内する板状体から形成された吹上板(74)を設け、
該吹上板(74)の前吹上板(74A)の後上がり傾斜角度を、前記第1選別網(72)の後上がり傾斜角度よりも大きくした請求項1~のいずれか1項に記載のコンバインの脱穀装置。
【請求項6】
前記受網(12)を左右方向に2分割する略1/4円形状の左受網(12A)と略1/4円形状の右受網(12B)で形成し、
前記開口部(63)を、該左受網(12A)の左開口部(63A)と、前記右受網(12B)の右開口部(63B)で形成し、
背面視において、前記左開口部(63A)を、前記左受網(12A)における扱胴(11)の回転方向の左中間部(65A)に形成し、前記右開口部(63B)を、前記右受網(12B)における扱胴(11)の回転方向の右上手部(64B)と右中間部(65B)に亘って形成した請求項1~のいずれか1項に記載のコンバインの脱穀装置。
【請求項7】
側面視において、前記左開口部(63A)と右開口部(63B)を、前記扱胴(11)の外周部に設けられた扱歯(54)の下側に位置させた請求項記載のコンバインの脱穀装置。
【請求項8】
前記扱胴(11)の上側に、前記扱胴(11)の上部を覆う扱胴カバー(13)を設け、
側面視において、前記左開口部(63A)と右開口部(63B)を、扱胴カバー(13)の内周部に設けられた送塵板(14)の下側に位置させた請求項6又は7記載のコンバインの脱穀装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインの脱穀装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、扱胴から漏下されてくる処理物を選別する揺動選別装置の後部に、左右方向に所定の間隔を隔てて前後方向に延在するストローラックが設けて、処理物中に含まれる背丈の長い稈切れを後部から外部に排出する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-132530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術においては、扱胴から漏下されてくる処理物に含まれる背丈の短い稈切れが隣接して設けられたストローラックとストロークラックの隙間から漏下するために、枝梗等が付着した穀粒等の2番還元物に多くの短い稈切れが混在して低下させる恐れがあった。
【0005】
そこで、本発明の課題は、揺動選別装置の後部から短い稈切れが漏下するのを抑制して選別処理効率が高いコンバインの脱穀装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
すなわち、請求項1記載の発明は、穀稈を脱穀する扱室(10)と、該扱室(10)の下側に脱穀された処理物を選別する選別室(20)を備えたコンバインの脱穀装置において、
前記扱室(10)の前後壁に、穀稈の脱穀処理を行う略円筒形状の扱胴(11)を支持する回転軸(11A)を回転自在に架設し、前記扱胴(11)の下側に、前記扱胴(11)に沿って前後方向に延在する略半円筒形状の受網(12)を設け、該受網(12)の後端部を、前記扱胴(11)の後端部よりも前側に位置させ、前記受網(12)を、前後方向に所定の間隔を隔てて設けられた略半円形状の仕切り板(60)と、該仕切り板(60)に周方向に所定の間隔を隔てて設けられた前後方向に延在する桟(62)で形成し、前記受網(12)の後端部に位置する第1後端仕切り板(69)と該第1後端仕切り板(69)の前側に隣接する第2後端仕切り板(68)の間に位置する部位に開口部(63)を形成し、前記選別室(20)の上部に、前記処理物を選別する揺動選別装置(21)を設け、該揺動選別装置(21)の上部に、前側から順に、板状体から形成された移送棚(70)と、前後方向に所定の間隔を隔てて並設する左右方向に延在するシーブ(71)と、鋼線から形成された第1選別網(72)を設け、前記揺動選別装置(21)の下部におけるシーブ(71)に対向する部位に、鋼線から形成された第2選別網(76)を設け、前記第1選別網(72)の前部の格子状の目合いを、前記第1選別網(72)の後部の格子状の目合いよりも大きく形成したコンバインの脱穀装置である。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記第1選別網(72)の格子状の目合いを、前記第2選別網(76)の格子状の目合いよりも大きく形成した請求項1記載のコンバインの脱穀装置である。
【0008】
【0009】
請求項記載の発明は、前記第1選別網(72)の後上がり傾斜角度を、前記第2選別網(76)の後上がり傾斜角度よりも大きくした請求項1又は2記載のコンバインの脱穀装置である。
【0010】
請求項記載の発明は、前記第1選別網(72)の後部を、前記揺動選別装置(21)の後壁に設けられた左右方向に延在する支軸(80)に支持部材(81)を介して回転自在に支持した請求項1~のいずれか1項に記載のコンバインの脱穀装置である。
【0011】
請求項記載の発明は、前記第1選別網(72)の前部に、前記第1選別網(72)の上方に選別風を案内する板状体から形成された吹上板(74)を設け、該吹上板(74)の前吹上板(74A)の後上がり傾斜角度を、前記第1選別網(72)の後上がり傾斜角度よりも大きくした請求項1~のいずれか1項に記載のコンバインの脱穀装置である。
【0012】
請求項記載の発明は、前記受網(12)を左右方向に2分割する略1/4円形状の左受網(12A)と略1/4円形状の右受網(12B)で形成し、前記開口部(63)を、該左受網(12A)の左開口部(63A)と、前記右受網(12B)の右開口部(63B)で形成し、背面視において、前記左開口部(63A)を、前記左受網(12A)における扱胴(11)の回転方向の左中間部(65A)に形成し、前記右開口部(63B)を、前記右受網(12B)における扱胴(11)の回転方向の右上手部(64B)と右中間部(65B)に亘って形成した請求項1~のいずれか1項に記載のコンバインの脱穀装置である。
【0013】
請求項記載の発明は、側面視において、前記左開口部(63A)と右開口部(63B)を、前記扱胴(11)の外周部に設けられた扱歯(54)の下側に位置させた請求項記載のコンバインの脱穀装置である。
【0014】
請求項8記載の発明は、前記扱胴(11)の上側に、前記扱胴(11)の上部を覆う扱胴カバー(13)を設け、側面視において、前記左開口部(63A)と右開口部(63B)を、扱胴カバー(13)の内周部に設けられた送塵板(14)の下側に位置させた請求項6又は7記載のコンバインの脱穀装置である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明によれば、扱室(10)の前後壁に、穀稈の脱穀処理を行う略円筒形状の扱胴(11)を支持する回転軸(11A)を回転自在に架設し、扱胴(11)の下側に、扱胴(11)に沿って前後方向に延在する略半円筒形状の受網(12)を設け、受網(12)の後端部を、扱胴(11)の後端部よりも前側に位置させ、受網(12)を、前後方向に所定の間隔を隔てて設けられた略半円形状の仕切り板(60)と、仕切り板(60)に周方向に所定の間隔を隔てて設けられた前後方向に延在する桟(62)で形成し、受網(12)の後端部に位置する第1後端仕切り板(69)と第1後端仕切り板(69)の前側に隣接する第2後端仕切り板(68)の間に位置する部位に開口部(63)を形成し、選別室(20)の上部に、処理物を選別する揺動選別装置(21)を設け、揺動選別装置(21)の上部に、前側から順に、板状体から形成された移送棚(70)と、前後方向に所定の間隔を隔てて並設する左右方向に延在するシーブ(71)と、鋼線から形成された第1選別網(72)を設け、揺動選別装置(21)の下部におけるシーブ(71)に対向する部位に、鋼線から形成された第2選別網(76)を設け、第1選別網(72)の前部の格子状の目合いを、第1選別網(72)の後部の格子状の目合いよりも大きく形成したので、脱穀処理された穀稈を受網(12)の開口部(63)と受網(12)の後方から外部に排出して、穀稈が扱胴(11)と受網(12)の間に詰まるのを抑制することができる。また、処理物に含まれる背丈の短い稈切りを第1選別網(72)の後部から外部に排出して、枝梗等が付着した穀粒等の2番還元物に混在する背丈の短い稈切りの増加を防止して選別処理効率の低下を抑制することができる。また、第1選別網(72)に搬送されてきた処理物に含まれる2番還元物を第1選別網(72)の前部からより効率良く漏下させることができる。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明による効果に加えて、第1選別網(72)の格子状の目合いを、第2選別網(76)の格子状の目合いよりも大きく形成したので、第1選別網(72)に搬送されてきた処理物に含まれる2番還元物を第2選別網(72)の前部から効率良く漏下させることができる。
【0017】
【0018】
請求項記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明による効果に加えて、第1選別網(72)の後上がり傾斜角度を、第2選別網(76)の後上がり傾斜角度よりも大きくしたので、穀粒の回収ロスを抑制することができる。
【0019】
請求項記載の発明によれば、請求項1~のいずれか1項に記載の発明による効果に加えて、第1選別網(72)の後部を、揺動選別装置(21)の後壁に設けられた左右方向に延在する支軸(80)に支持部材(81)を介して回転自在に支持したので、処理物量に応じて第1選別網(72)の傾斜角度を変更して穀粒の回収ロスを抑制することができる。
【0020】
請求項記載の発明によれば、請求項1~のいずれか1項に記載の発明による効果に加えて、第1選別網(72)の前部に、第1選別網(72)の上方に選別風を案内する板状体から形成された吹上板(74)を設け、吹上板(74)の前吹上板(74A)の後上がり傾斜角度を、第1選別網(72)の後上がり傾斜角度よりも大きくしたので、第1選別網(72)に向かって送風される選別風の一部を第1選別網(72)の上方に案内して選別網72に搬送されてきた背丈の短い稈切れや夾雑物を第1選別網(72)の後方に効率良く搬送することができる。
【0021】
請求項記載の発明によれば、請求項1~のいずれか1項に記載の発明による効果に加えて、受網(12)を左右方向に2分割する略1/4円形状の左受網(12A)と略1/4円形状の右受網(12B)で形成し、開口部(63)を、左受網(12A)の左開口部(63A)と、右受網(12B)の右開口部(63B)で形成し、背面視において、左開口部(63A)を、左受網(12A)における扱胴(11)の回転方向の左中間部(65A)に形成し、右開口部(63B)を、右受網(12B)における扱胴(11)の回転方向の右上手部(64B)と右中間部(65B)に亘って形成したので、穀稈が左受網(12A)の左開口部(63A)から過度に落下するのを防止して、穀粒の回収ロスの増加を抑制することができる。
【0022】
請求項記載の発明によれば、請求項記載の発明による効果に加えて、側面視において、左開口部(63A)と右開口部(63B)を、扱胴(11)の外周部に設けられた扱歯(54)の下側に位置させたので、扱歯(54)で脱穀処理された穀稈を左開口部(63A)と右開口部(63B)に向けて跳ね出すことができる。
【0023】
請求項記載の発明によれば、請求項6又は7記載の発明による効果に加えて、扱胴(11)の上側に、扱胴(11)の上部を覆う扱胴カバー(13)を設け、側面視において、左開口部(63A)と右開口部(63B)を、扱胴カバー(13)の内周部に設けられた送塵板(14)の下側に位置させたので、送塵板(14)で脱穀処理された穀稈を左開口部(63A)と右開口部(63B)の上方に集めて、左開口部(63A)と右開口部(63B)に向けて効率良く跳ね出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】コンバインの正面図である。
図2】コンバインの左側面図である。
図3】コンバインの平面図である。
図4】脱穀装置の
図5】要部の脱穀装置の左右方向の縦断面図である。
図6】扱胴の左側面図である。
図7】左右受網の(a)は平面図、(b)はA-A矢印図である。
図8】扱胴カバーの送塵板と、扱胴の扱歯と、受網の開口部の配置の説明図であり、(a)は扱胴カバーの底面図、(b)は左右受網等の平面図、(c)はA-A矢印図である。
図9】第1実施形態の揺動選別装置の平面図である。
図10】同揺動選別装置の左側面図である。
図11】同揺動選別装置の前後方向の縦断面図である。
図12】同揺動選別装置の前後方向の縦断面図の要部であり選別網の説明図である。
図13】第2実施形態の揺動選別装置の(a)は左側面図であり、(b)は吹上板の背面図である。
図14】同揺動選別装置の前後方向の縦断面図である。
図15】同揺動選別装置の前後方向の(a)は縦断面図の要部であり吹上板の説明図であり、(b)は吹上板の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1~3に示すように、汎用コンバインは、機体フレーム1の下側に土壌面を走行する左右一対のクローラからなる走行装置2が設けられ、機体フレーム1の前側に圃場の穀稈を収穫する刈取前処理装置3が設けられ、刈取前処理装置3の後方左側に収穫された穀稈を脱穀・選別処理する脱穀装置4が設けられ、刈取前処理装置3の後方右側に操縦者が搭乗する操縦部5が設けられている。
【0026】
操縦部5の下側にエンジンを内装するエンジンルーム6が設けられ、操縦部5の後側に脱穀・選別処理された穀粒を貯留するグレンタンク7が設けられ、グレンタンク7の後側に穀粒を外部に排出する排出オーガ8が設けられている。
【0027】
刈取前処理装置3は、圃場の穀稈を起立させながら後側に搬送する搬送装置3Aと、搬送装置3Aの後側下部に搬送された穀稈の株元を切断する刈刃装置3Bと、搬送装置3Aの後側に搬送された穀稈を左側に寄せ集めるオーガ装置3Cと、寄せ集められた穀稈を脱穀装置4に搬送するフィーダハウス3Dから構成されている。
【0028】
図4,5に示すように、脱穀装置4は、穀稈を脱穀する扱室10と、脱穀された穀粒を選別する選別室20から形成されている。
【0029】
扱室10の前後壁には、フィーダハウス3Dから搬送されてくる穀稈を脱穀する扱胴11が架設され、扱胴11の下側には、扱胴11の外周下部に沿って半円弧形状に形成された受網12が設けられている。また、扱胴11の上部は、開閉可能な扱胴カバー13で覆われており、扱胴カバー13の内周部には、穀稈を扱室10の後方左側に搬送する送塵板14が設けられている。
【0030】
選別室20の上部には、扱室10から漏下してくる穀粒を選別処理する揺動選別装置21が設けられている。また、揺動選別装置21の下側には、前側から順に、揺動選別装置21に選別風を送風する唐箕22、選別風の送風方向を変更する風割23、揺動選別装置21から漏下してくる穀粒をグレンタンク7に搬送する1番螺旋24、及び揺動選別装置21の後部から漏下してくる枝梗等が付着した穀粒(2番還元物)を2番処理室に搬送する2番螺旋25が設けられている。
【0031】
唐箕22の前部と下部を覆う円弧状のケース22Aの後部と1番螺旋24の下部を覆う桶状のケース24Aの前部は、後上がり傾斜姿勢に設けられた斜板27で連結され、1番螺旋24の桶状のケース24Aの後部と2番螺旋25の下部を覆う桶状のケース25Aの前部は、後上がり傾斜姿勢に設けられた斜板28で連結されている。
【0032】
風割23は、上風割23Aと、下風割23Bから形成されている。唐箕22から送風された選別風は、上風割23Aと下風割23Bの間に形成された上風路を通って後述する選別網(請求項の「第2選別網」)76とシーブ71に向かって送風される。また、唐箕22から送風された選別風は、下風割23Bと斜板27の間に形成された下風路を通って後述する選別網(請求項の「第1選別網」)72に向かって送風される。
【0033】
図6に示すように、扱胴11は、扱室10の前後壁に回転自在に支持される回転軸11Aと、回転軸11Aの前端部に支持されるインペラ部40と、回転軸11Aにおけるインペラ部40の後側に支持されるロータ部50から形成されている。
【0034】
インペラ部40は、円形状の前板41と、前板41よりも径が大きい円形状の後板42と、前板41と後板42の外周部を連結する側板43から形成されている。
【0035】
側板43の外周面には、インペラ部40の前部に搬送された穀稈をインペラ部40の後部に搬送する上下一対の搬送螺旋44が立設されている。これにより、インペラ部40に搬送されてきた穀稈をロータ部50に効率良く搬送することができる。
【0036】
搬送螺旋44の前面には、円周方向に所定角度を隔てて側板43と搬送螺旋44の前面下部を連結する略三角形状の補強リブ45が設けられている。これにより、搬送螺旋44の剛性を高めて、穀稈から搬送螺旋44に加わる負荷によって搬送螺旋44が変形するのを抑制することができる。
【0037】
ロータ部50は、円筒形状のドラム51と、ドラム51の外周部に周方向に所定の間隔を隔てて設けられた扱歯部材52から形成されている。扱歯部材52は、ドラム51の前後方向に沿って延在するパイプ形状の支持部53と、支持部53に前後方向に所定の間隔を隔てて設けられた複数の丸棒形状の扱歯54から形成されている。
【0038】
扱歯54には扱胴11の回転方向に対して扱歯54の歯先が基部よりも上手側に位置するように後退角が設けられている。これにより、穀稈が、扱歯54に絡み付くのを抑制することができる。また、扱歯部材52の後端部には、扱歯54に替えて矩形形状の跳出板55が設けられている。これにより、ドラム51の後部に搬送されてきた脱粒処理された穀稈を選別室20に効率良く跳出すことができる。
【0039】
図7に示すように、受網12は、略1/4円弧形状の左受網12Aと右受網12Bから形成されている。これにより、扱胴11の下側に、左受網12Aと右受網12Bを配置して、左受網12Aの左部と右受網12Bの右部を連結して受網12を容易に形成することができる。
【0040】
左受網12Aは、前後方向に所定の間隔を隔てて設けられた略1/4円弧形状の左仕切り板60Aと、隣接する左仕切り板60Aの間に前後方向に所定の間隔を隔てて設けられた左補助仕切り板61Aと、これらの左仕切り板60Aと左補助仕切り板61Aに架設される周方向に所定の間隔を隔てて設けられた左桟62Aとから形成されている。
【0041】
本明細書では、理解を容易にするために、背面視において、左仕切り板60Aを周方向に3分割して、扱胴11の回転方向の上手端部に位置する左仕切り板60Aにおける左上端部から周方向30度(反時計方向で9時~8時)に延在する部位を左上手部64Aといい、周方向30~60度(反時計方向で8時~7時)に延在する部位を左中間部65Aといい、周方向60~90度(反時計方向で7時~6時)に延在する部位を左下手部66Aというものとする。
【0042】
左仕切り板60Aの左上手部64Aに架設した左桟62Aを最も前側に位置する左仕切り板60A(以下、便宜的に第1左仕切り板67Aと言う。)から最も後側に位置する左仕切り板60A(以下、便宜的に第3左仕切り板69Aと言う。)まで延在させ、左仕切り板60Aの左中間部65Aに架設した左桟62Aを第1左仕切り板67Aから第3左仕切り板69Aの前側に隣接する左仕切り板60A(以下、便宜的に第2左仕切り板68Aと言う。)まで延在させ、左仕切り板60Aの左下手部66Aに架設した左桟62Aを第1左仕切り板67Aから第3左仕切り板69Aまで延在させている。これにより、左受網12Aにおける第2左仕切り板68Aと第3左仕切り板69Aで区画される部位において、左仕切り板60Aの左中間部65Aに位置する部位に左開口部63Aを形成することができる。
【0043】
従って、扱胴11によって脱粒処理された穀稈を、扱胴11の後部における左受網12Aが延在していない部位と、左受網12Aの左開口部63Aから効率良く下方に落下させることができ、脱穀負荷を軽減することができる。また、左開口部63A等から落下してくる穀稈は選別網72によって後方に効率良く搬送されて外部に排出することができる。さらに、左受網12Aの左下手部66Aには左桟62Aが設けられているので背丈の長い穀稈が過度に落下するのを抑制することができる。
【0044】
なお、左仕切り板60Aの左上手部64Aに架設した左桟62Aを第1左仕切り板67Aから第3左仕切り板69Aで延在させ、左仕切り板60Aの左中間部65Aと左下手部66Aに架設した左桟62Aを第1左仕切り板67Aから第2左仕切り板68Aまで延在させることもできる。これにより、左受網12Aにおける第2左仕切り板68Aと第3左仕切り板69Aで区画される部位において、左仕切り板60Aの左中間部65Aと左下手部66Aに位置する部位に大きな左開口部63Aを形成することができる。
【0045】
右受網12Bは、前後方向に所定の間隔を隔てて設けられた略1/4円弧形状の右仕切り板60Bと、隣接する右仕切り板60Bの間に前後方向に所定の間隔を隔てて設けられた右補助仕切り板61Bと、これらの右仕切り板60Bと右補助仕切り板61Bに架設される周方向に所定の間隔を隔てて設けられた右桟62Bとから形成されている。
【0046】
本明細書では、理解を容易にするために、背面視において、右仕切り板60Bを周方向に3分割して、扱胴11の回転方向の上手端部に位置する右仕切り板60Bにおける左端部から周方向30度(反時計方向で6時~5時)に延在する部位を右上手部64Bといい、周方向30~60度(反時計方向で5時~4時)に延在する部位を右中間部65Bといい、周方向60~90度(反時計方向で4時~3時)に延在する部位を右下手部66Bというものとする。
【0047】
右仕切り板60Bの右上手部64Bと右中間部65Bに架設した右桟62Bを最も前側に位置する右仕切り板60B(以下、便宜的に第1右仕切り板67Bと言う。)から最も後側に位置する右仕切り板60B(以下、便宜的に第3右仕切り板69Bと言う。)の前側に隣接する右仕切り板60B(以下、便宜的に第2右仕切り板68Bと言う。)まで延在させ、右仕切り板60Bの右下手部66Bに架設した右桟62Bを第1右仕切り板67Bから第3右仕切り板69Bまで延在させている。これにより、右受網12Bにおける第2右仕切り板68Bと第3右仕切り板69Bで区画される部位において、右仕切り板60Bの右上手部64Bと右中間部65Bに位置する部位に大きな右開口部63Bを形成することができる。
【0048】
従って、扱胴11によって脱粒処理された穀稈を、扱胴11の後部における右受網12Bが延在していない部位と、右受網12Bの右開口部63Bから効率良く下方に落下させることができ、脱穀負荷を低減することができる。また、右開口部63B等から落下してくる穀稈は選別網72によって後方に効率良く搬送されて外部に排出することができる。
【0049】
本明細書では、左仕切り板60Aと右仕切り板60Bを総称して仕切り板60といい、左補助仕切り板61Aと右補助仕切り板61Bを総称して補助仕切り板61といい、左桟62Aと右桟62Bを総称して桟62といい、左開口部63Aと右開口部63Bを総称して開口部63といい、第1左仕切り板67Aと第1右仕切り板67Bを総称して第1仕切り板67といい、第2左仕切り板68Aと第2右仕切り板68Bを総称して第2仕切り板(請求項の「第2後端仕切り板」)68といい、第3左仕切り板69Aと第3右仕切り板69Bを総称して第3仕切り板(請求項の「第1後端仕切り板」)69という。
【0050】
図8に示すように、開口部63の前後方向の長さは、扱胴11に設けられた前後方向に隣接する扱歯54の間隔と同一長さに形成され、開口部63の前部を区画する第2仕切り板68は、後側から数えて2番目と3番目の扱歯54の前後方向の中間に設けられ、開口部63の後部を区画する第3仕切り板69は、後側から数えて1番目と2番目の扱歯54の前後方向の中間に設けられている。これにより、受網12の後部の剛性の低下を抑制して、後側から数えて2番目の扱歯54から絡み付いた脱粒処理された穀稈を開口部63から効率良く落下させて脱穀負荷を軽減することができる。
【0051】
また、扱胴カバー13の後側から数えて1番目の送塵板14は、開口部63に対向する部位、すなわち、送塵板14は、開口部63の前部を区画する第2仕切り板68と、後部を区画する第3仕切り板69を横断して設けられている。これにより、脱粒処理された穀稈を後方左側に効率良く搬送して、開口部63から落下させて脱穀負荷を軽減することができる。
【0052】
<第1実施形態の揺動選別装置>
図9に示すように、揺動選別装置21の上部には、前側から順に、板状体から形成された移送棚70、前後方向に所定の間隔を隔てて並設され左右方向に延在するシーブ71、前後方向と左右方向に所定の間隔を隔てて並設された鋼線から形成された選別網72が設けられている。これにより、選別網72に搬送されてきた枝梗や短い稈切れ等の夾雑物が選別網72から漏下して2番還元物に混在するのを抑制することができる。
【0053】
移送棚70の上面には、2番処理室の還元口から移送棚70に搬送されてくる2番還元物を移送棚70の左右方向の中央部に案内する寄せ板73が設けられている。
【0054】
選別網72の前部には、唐箕22から送風されてくる選別風を選別網72の上側に案内する板状体から形成された吹上板74が設けられている。なお、吹上板74は後上がり傾斜姿勢に設けられている。これにより、選別網72に搬送されてきた夾雑物を移送棚70の後方から外部に排出して夾雑物が選別網72から漏下して2番還元物に混在するのをより抑制することができる。
【0055】
側面視において、吹上板74は、後上がり傾斜に形成された前吹上板74Aと、前吹上板74Aの後端部から緩やかに後上がり傾斜に形成された後吹上板74Bからなり、後吹上板74Bは、選別網72の前部の上側に固定されている。
【0056】
図4に示すように、前吹上板74Aの下端部は、2番螺旋25よりも少し後方に位置している。これにより、シーブ71と前吹上板74Aの隙間から2番還元物をケース25Aに効率良く漏下させることができる。また、前吹上板74Aの下端部は、下風割23Bの下部と1番棚先78Aを通る仮想線L上に位置している。これにより、下風路を通って選別網72に向かって送風される選別風が、前吹上板74Aによって過度に遮られるのを防止することができる。なお、下風路を通って選別風の一部は、前吹上板74Aによって選別網72の上側に案内される。これにより、選別網72に搬送されてきた夾雑物を選別網72の後方から外部に排出することができる。
【0057】
前吹上板74Aの後上がり傾斜角度は、すなわち、前吹上板74Aと前後方向に延在する仮想線の交差角度は、斜板28の後上がり傾斜角度、すなわち、斜板28と前後方向に延在する仮想線の交差角度はよりも大きく形成されている。これにより、下風路を通って選別風の一部は、前吹上板74Aによって選別網72の上側に効率良く案内することができる。
【0058】
図10に示すように、シーブ71の下部に設けられた左右方向に延在するピン71Aは、前後方向に延在する連結部材75に形成された長穴75Aに挿通されている。また、手動用レバーやモータ等の駆動手段(図示省略)を駆動させて連結部材75を前後方向に移動することができる。これにより、多くの穀稈が湿っている場合には、駆動手段を駆動して連結部材75を後方に移動させてシーブ71を標準姿勢から起立姿勢に変更、すなわち、シーブ71を開いて湿った穀粒が前後方向に隣接するシーブ71とシーブ71の隙間から漏下し易くし、夾雑物が多い場合には、駆動手段を駆動して連結部材75を前方に移動させてシーブ71を標準姿勢から倒伏姿勢に変更、すなわち、シーブ71を閉めて夾雑物が前後方向に隣接するシーブ71とシーブ71の隙間から漏下するのを抑制することができる。なお、上述した姿勢を変更できるシーブ71に替えて姿勢を変更できないシーブに変更することもできる。これにより、連結部材75等の部材を削除して部品点数を削減することができる。
【0059】
揺動選別装置21の下部におけるシーブ71の下側には、前後方向と左右方向に所定の間隔を隔てて並設された鋼線から形成された選別網76が設けられている。なお、選別網76は、後上がり傾斜姿勢で設けられている。
【0060】
揺動選別装置21の左右壁における選別網76の後側には、下側に向かって延在する左右一対の支持部材77が設けられ、支持部材77の下部には板状体から形成された1番棚78が設けられている。
【0061】
選別網76の前端部は、移送棚70の後部とシーブ71の前部の間に位置し、選別網76の後端部は、1番棚78の1番棚先78Aよりも前側に位置している。なお、1番棚78は、後上がり傾斜姿勢で設けられており、1番棚先78Aは、1番棚78における最も上部に位置する部位である。これにより、シーブ71と選別網76から漏下してきた穀粒を1番螺旋24のケース24A内に効率良く漏下させて穀粒の回収ロスを低減することができる。
【0062】
選別網72の後上がり傾斜角度、すなわち、選別網72と前後方向に延在する仮想線の交差角度は、選別網76の後上がり傾斜角度、すなわち、選別網76と前後方向に延在する仮想線の交差角度はよりも大きく形成されている。これにより、選別網72に搬送されてきた2番還元物が外部に排出されるのを抑制して穀粒の回収ロスを低減することができる。また、選別網72の後上がり傾斜角度は、斜板28の後上がり傾斜角度よりも小さく形成されている。これにより、下風路を通って選別網72に向かって送風された選別風を選別網72の下側から上側に効率良く通過させることができる。
【0063】
選別網72の格子状の目合いは、選別網76の格子状の目合いよりも大きく形成されている。これにより、選別網72に搬送されてきた2番還元物が外部に排出されるのをより抑制して穀粒の回収ロスをより低減することができる。また、選別網72における前側部の格子状の目合いを、選別網72における後側部の格子状の目合いよりも大きく形成するのが好ましい。
【0064】
図11に示すように、揺動選別装置21の後壁には、上下方向に移設可能な板状体から形成された2番棚79が設けられている。選別網72の後部は、最も下方に移動した2番棚79の2番棚先79Aよりも下側に位置している。これにより、選別網72に搬送されてきた2番還元物が外部に排出されるのをさらに抑制して穀粒の回収ロスをさらに低減することができる。
【0065】
図12に示すように、選別網72の後部は、揺動選別装置21の後壁の前側に設けられた左右方向に延在する支軸80に回転自在に支持された支持部材81に支持されている。これにより、支軸80の中心として選別網72の前部を上下方向に移動させることができ、移送棚70を搬送される穀粒の層厚が厚くなる場合、すなわち、選別網72に搬送されてくる2番還元物が多く、夾雑物が少ない場合には、選別網72の前部を下方向に移動させ、層厚が薄くなる場合、選別網72に搬送されてくる2番還元物が少なく、夾雑物が多い場合には、選別網72の前部を上方向に移動させて回収ロスを低減すると共に、夾雑物を選別網72の後方から外部に効率良く排出させることができる。なお、移送棚70を搬送される穀粒の層厚は、受網12の前部の下側に設けられた層厚センサ15によって測定することができる。
【0066】
<第2実施形態の揺動選別装置>
図13~15には、第2実施形態の揺動選別装置21が図示されている。なお、第1実施形態の揺動選別装置21と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0067】
側面視において、吹上板74は、後上がり傾斜に形成された前吹上板74Aと、前吹上板74Aの後端部から緩やかに後上がり傾斜に形成された後吹上板74Bからなり、後吹上板74Bは、選別網72の前部の上側を覆っている。なお、吹上板74の後吹上板74Bは、第1実施形態の後吹上板74Bと異なって、選別網72の前部の上側に固定されていない。
【0068】
図13等に示すように、シーブ71のピン71Aと吹上板74の下部に設けられた左右方向に延在するピン74Cは、前後方向に延在して後部を後下がり傾斜に形成した連結部材75の長穴75Aに挿通されている。また、手動用レバーやモータ等の駆動手段(図示省略)を駆動させて連結部材75を前後方向に移動することができる。これにより、グレンタンク7に貯留された夾雑物が少ない場合には、駆動手段を駆動して連結部材75を後方に移動させてシーブ71を標準姿勢から起立姿勢に変更し、吹上板74を倒伏姿勢から起立姿勢に変更して、隣接するシーブ71とシーブ71の隙間やシーブ71と吹上板74の隙間から2番還元物を効率良く漏下させる。また、グレンタンク7に貯留された夾雑物が多い場合には、駆動手段を駆動して連結部材75を前方に移動させてシーブ71と標準姿勢から倒伏姿勢に変更し、吹上板74を起立姿勢から倒伏姿勢に変更して、隣接するシーブ71とシーブ71の隙間やシーブ71と吹上板74の隙間から夾雑物が漏下するのを抑制することができる。
【0069】
グレンタンク7に貯留された夾雑物はグレンタンク7の内部に設けられたCCDカメラ(図示省略)で測定されている。また、図13等に図示された吹上板74は、吹上板74の上部を下部よりも後方に位置させた倒伏姿勢を示している。
【0070】
図14に示すように、揺動選別装置21の後壁には、上下方向に移設可能な板状体から形成された2番棚79が設けられ、図15に示すように、選別網72の後部は、揺動選別装置21の後壁の前側に設けられた左右方向に延在する支軸80に回転自在に支持された支持部材81に支持されている。
【符号の説明】
【0071】
10 扱室
11 扱胴
11A 回転軸
12 受網
12A 左受網
12B 右受網
13 扱胴カバー
14 送塵板
20 選別室
21 揺動選別装置
54 扱歯
60 仕切り板
62 桟
63 開口部
63A 左開口部
63B 右開口部
64B 右上手部
65A 左中間部
65B 右中間部
68 第2仕切り板(第2後端仕切り板)
69 第3仕切り板(第1後端仕切り板)
70 移送棚
71 シーブ
72 選別網(第1選別網)
74 吹上板
74A 前吹上板
76 選別網(第2選別網)
80 支軸
81 支持部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15