(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】多糖誘導体及び同一物を含む組成物
(51)【国際特許分類】
C08B 37/00 20060101AFI20241024BHJP
C11D 3/22 20060101ALI20241024BHJP
C11D 17/00 20060101ALI20241024BHJP
C11D 3/37 20060101ALI20241024BHJP
C11D 3/395 20060101ALI20241024BHJP
C11D 3/50 20060101ALI20241024BHJP
C11D 3/48 20060101ALI20241024BHJP
C11D 3/40 20060101ALI20241024BHJP
C11D 3/386 20060101ALI20241024BHJP
C11D 3/12 20060101ALI20241024BHJP
D06L 1/12 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
C08B37/00 G
C11D3/22
C11D17/00
C11D3/37
C11D3/395
C11D3/50
C11D3/48
C11D3/40
C11D3/386
C11D3/12
D06L1/12
C08B37/00 H
(21)【出願番号】P 2020570745
(86)(22)【出願日】2019-06-19
(86)【国際出願番号】 US2019037940
(87)【国際公開番号】W WO2019246228
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2022-06-17
(32)【優先日】2018-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519307218
【氏名又は名称】デュポン・インダストリアル・バイオサイエンシーズ・ユーエスエイ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【氏名又は名称】今井 千裕
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【氏名又は名称】朴 志恩
(72)【発明者】
【氏名】フアン、ジャンジャン
(72)【発明者】
【氏名】ルー、ヘレン エス エム
(72)【発明者】
【氏名】ナンバイアー、ラケシュ
(72)【発明者】
【氏名】ポーリン、ジェミ エル
(72)【発明者】
【氏名】シヴィック、マーク ロバート
【審査官】土橋 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特表平09-507695(JP,A)
【文献】特開昭64-043600(JP,A)
【文献】特表2002-521503(JP,A)
【文献】特表2001-523300(JP,A)
【文献】特開昭51-007090(JP,A)
【文献】特表2020-501568(JP,A)
【文献】Brian D. BOWES et al.,“Protein adsorption and transport in dextran-modified ion-exchange media. III. Effects of resin charge density and dextran content on adsorption and intraparticle uptake”,Journal of Chromatography A,2011年10月,Vol. 1218, No. 40,p.7180-7188,DOI: 10.1016/j.chroma.2011.08.039
【文献】E. ROTUREAU et al.,“From polymeric surfactants to colloidal systems (3): Neutral and anionic polymeric surfactants derived from dextran”,Colloids and Surfaces A: Physicochemical and Engineering Aspects,2007年07月,Vol. 301, No. 1-3,p.229-238,DOI: 10.1016/j.colsurfa.2006.12.062
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08B
C11D
D06L
CAplus/REGISTRY(STN)
JSTPlus(JDreamIII)
JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多糖誘導体を含む組成物であって、前記多糖誘導体は:
a)少なくとも1つの硫酸基;
b)少なくとも1つのスルホン酸基;
c)少なくとも1つのチオ硫酸基;若しくは
d)それらの組み合わせ
で置換された多糖を含み、
前記多糖が、ポリα-1,3-グルカン、ポリα-1,6-グルカン、ポリα-1,3-1,6-グルカン又はこれらの混合物であり;及び、
前記多糖誘導体が
、0.001
~3の置換度を有する
とともに
前記多糖は、少なくとも1つのスルホン酸基及び少なくとも1つのチオ硫酸基で置換されている、組成物。
【請求項2】
前記多糖は、ポリα-1,3-グルカンであり、及び前記ポリα-1,3-グルカンは、グルコースモノマー単位の主鎖を含み、前記グルコースモノマー単位の50%以上が、α-1,3-グリコシド結合を介して結合している、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記多糖は、ポリα-1,3-グルカンであり、及び前記ポリα-1,3-グルカンは、グルコースモノマー単位の主鎖を含み、前記グルコースモノマー単位の90%以上が、α-1,3-グリコシド結合を介して結合している、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記多糖は、ポリα-1,6-グルカンであり、及び前記ポリα-1,6-グルカンは、グルコースモノマー単位の主鎖を含み、前記グルコースモノマー単位の40%以上が、α-1,6-グリコシド結合を介して結合している、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記多糖は、ポリα-1,6-グルカンであり、及び前記ポリα-1,6-グルカンは、50%未満のα-1,2-分岐度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記多糖は、ポリα-1,3-1,6-グルカンであり、ここで(i)前記ポリα-1,3-1,6-グルカンの少なくとも30%の前記グリコシド結合は、α-1,3結合であり、(ii)前記ポリα-1,3-1,6-グルカンの少なくとも30%の前記グリコシド結合は、α-1,6結合であり、(iii)前記ポリα-1,3-1,6-グルカンは、少なくとも10の重量平均重合度(DPw)を有し、及び(iv)前記ポリα-1,3-1,6-グルカンの前記α-1,3結合及び前記α-1,6結合は、連続してお互い交互になっていない、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記少なくとも1つの硫酸基は、硫酸塩又はアルキル硫酸塩である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1つのスルホン酸基は、アルキルスルホン酸塩である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記アルキルスルホン酸基は、エチルスルホン酸塩、プロピルスルホン酸塩、ブチルスルホン酸塩又はそれらの組み合わせである、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記多糖は、少なくとも1つの硫酸基及び少なくとも1つのスルホン酸基で置換されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記多糖誘導体は
、5~1400の範囲内の重量平均重合度を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
液体、ジェル、粉末、親水コロイド、水溶液、顆粒、錠剤、カプセル、単一区画サシェ、複数区画サシェ、単一区画パウチ又は複数区画パウチの形態にある、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
界面活性剤、酵素、洗剤ビルダー、錯化剤
、汚れ放出ポリマー、界面活性増強ポリマー、漂白剤
、織物コンディショナー、粘土、起泡増進剤
、腐食防止剤、汚れ懸濁化剤、汚れ再付着防止剤、染料、殺菌剤、曇り防止剤、蛍光増白剤、香料、飽和若しくは不飽和脂肪酸、移染防止剤、キレート剤、色相染料、カルシウムカチオン、マグネシウムカチオン
、消泡剤
、増粘剤、固化防止剤、デンプン、砂、ゲル化剤又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記酵素は、セルラーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ又はこれらの組み合わせである、請求項
13に記載の組成物。
【請求項15】
請求項1又は
13に記載の組成物を含む、パーソナルケア製品又は工業用製品。
【請求項16】
基質を処理するための方法であって:
A)多糖誘導体を含む組成物を提供する工程であって、前記多糖誘導体は、
a)少なくとも1つの硫酸基;
b)少なくとも1つのスルホン酸基;
c)少なくとも1つのチオ硫酸基;若しくは
d)それらの組み合わせ
で置換された多糖を含み、
ここで前記多糖は、ポリα-1,3-グルカン、ポリα-1,6-グルカン、ポリα-1,3-1,6-グルカン若しくはそれらの混合物であり、前記多糖誘導体は
、0.001
~3の置換度を有する
とともに
前記多糖は、少なくとも1つのスルホン酸基及び少なくとも1つのチオ硫酸基で置換されている、工程;
B)前記基質を前記組成物と接触させる工程;及び
C)任意選択的に、前記基質をすすぐ工程を含み、
ここで前記基質が、布地、織物、カーペット、室内装飾材料、服飾品又は表面である方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その開示が参照により本明細書に全体として組み込まれる、‘‘Polysaccharide Derivatives Containing Sulfate,Sulfonate,or Thiosulfate Groups and Compositions Comprising Same’’と題する、2018年6月20日出願の米国仮特許出願第62/687310号に対する優先権及び利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、多糖誘導体を含む組成物であって、多糖誘導体が、少なくとも1つの硫酸基、少なくとも1つのスルホン酸基、少なくとも1つのチオ硫酸基又はそれらの組み合わせで置換された多糖を含む組成物に向けられる。
【背景技術】
【0003】
電荷を有することのできる官能基(即ち、カチオン性若しくはアニオン性官能基の塩)で修飾された多糖は、公知である。このような修飾された多糖は、例えば洗浄、洗剤、化粧品、食品、セメント、フィルム及び製紙におけるレオロジー改質剤、エマルジョン安定剤及び分散剤としての様々な水性用途において溶解性の強化を提供するために使用されてきた。特に、カルボキシメチルセルロース誘導体は、レオロジー改質剤として使用されてきた。しかしながら、一部の用途においては、カルボキシメチルセルロース誘導体は、低下したレオロジー安定性を有し得る。スルホン酸化若しくは硫酸化誘導体は、イオン強度及びpH値へのそれらの改良されたレオロジー安定性を有するために、カルボン酸塩系誘導体より優れた長所を提供し得る。スルホン酸化材料のより高い安定性は、スルホン酸基の低pKa値に起因すると考えられている。更に、スルホン酸基は、カルボン酸基と比較して分離イオン対を作製することができ、これは硬水感受性が低いという利点を提供する可能性がある。更に、スルホン酸化若しくは硫酸化多糖は、多価イオンとの錯化に対するより低い感受性を有する可能性がある。スルホン酸化多糖は、織物ケア用途において、例えば洗濯用洗剤における沈着防止剤及び/又は灰色化防止剤において、並びにホームケア(家庭用)及びパーソナルケア用途において有用である。
【0004】
洗剤組成物の一部を形成する成分の多くは、再生不可能な石油原料から製造される。再生可能資源から製造される改善された洗浄性能をもたらす洗剤組成物を配合する必要性が依然として存在している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書で開示されるのは、多糖誘導体を含む組成物であって、多糖誘導体が、
a)少なくとも1つの硫酸基;
b)少なくとも1つのスルホン酸基;
c)少なくとも1つのチオ硫酸基;若しくは
d)それらの組み合わせ;で置換された多糖を含み、
ここで、多糖は、ポリα-1,3-グルカン、ポリα-1,6-グルカン、ポリα-1,3-1,6-グルカン若しくはそれらの混合物であり、及び多糖誘導体は、約0.001~約3の置換度を有する組成物である。
【0006】
一実施形態において、多糖は、ポリα-1,3-グルカンであり、及びポリα-1,3-グルカンは、グルコースモノマー単位の主鎖を含み、ここでグルコースモノマー単位の50%以上はα-1,3-グリコシド結合を介して結合している。別の実施形態において、ポリα-1,3-グルカンは、グルコースモノマー単位の主鎖を含み、ここでグルコースモノマー単位の90%以上はα-1,3-グリコシド結合を介して結合している。更なる実施形態において、多糖は、ポリα-1,6-グルカンであり、及びポリα-1,6-グルカンは、グルコースモノマー単位の主鎖を含み、ここでグルコースモノマー単位の40%以上はα-1,6-グリコシド結合を介して結合している。異なる実施形態において、ポリα-1,6-グルカンは、50%未満のα-1,2-分枝度を有する。更に別の一実施形態において、多糖は、ポリα-1,3-1,6-グルカンであり、ここで(i)ポリα-1,3-1,6-グルカンの少なくとも30%のグリコシド結合は、α-1,3結合であり、(ii)ポリα-1,3-1,6-グルカンの少なくとも30%のグリコシド結合は、α-1,6結合であり、(iii)ポリα-1,3-1,6-グルカンは、少なくとも10の重量平均重合度(DPw)を有し、(iv)ポリα-1,3-1,6-グルカンのα-1,3結合及びα-1,6結合は、連続してお互い交互になっていない。
【0007】
一実施形態において、少なくとも1つの硫酸基は、硫酸塩若しくはアルキル硫酸塩である。別の実施形態において、少なくとも1つのスルホン酸基は、アルキルスルホン酸塩である。追加の実施形態において、多糖は、少なくとも1つの硫酸基及び少なくとも1つのスルホン酸基で置換されている。更なるの実施形態において、多糖は、少なくとも1つのスルホン酸基及び少なくとも1つのチオ硫酸基で置換されている。更に別の実施形態において、多糖は、少なくとも1つの硫酸基、少なくとも1つのスルホン酸基及び少なくとも1つのチオ硫酸基で置換されている。
【0008】
一実施形態において、多糖誘導体は、約5~約1400の範囲内の重量平均重合度を有する。
【0009】
別の実施形態において、組成物は、液体、ゲル、粉末、親水コロイド、水溶液、顆粒、錠剤、カプセル、単一区画サシェ、複数区画サシェ、単一区画パウチ又は複数区画パウチの形態にある。
【0010】
更に別の実施形態において、組成物は、界面活性剤、酵素、洗剤ビルダー、錯化剤、ポリマー、汚れ放出ポリマー、界面活性増強ポリマー、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、織物コンディショナー、粘土、起泡増進剤、泡抑制剤、腐食防止剤、汚れ懸濁化剤、汚れ再付着防止剤、染料、殺菌剤、曇り防止剤、蛍光増白剤、香料、飽和若しくは不飽和脂肪酸、移染防止剤、キレート剤、色相染料、カルシウムカチオン、マグネシウムカチオン、視覚信号成分、消泡剤、構造化剤、増粘剤、固化防止剤、デンプン、砂、ゲル化剤又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを更に含む。
【0011】
一実施形態において、酵素は、セルラーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ又はこれらの組み合わせである。一実施形態において、酵素はセルラーゼである。別の実施形態において、酵素はプロテアーゼである。更なる実施形態において、酵素はアミラーゼである。更に別の実施形態において、酵素はリパーゼである。
【0012】
本明細書で更に開示されるのは、組成物を含むパーソナルケア製品、ホームケア製品、工業用製品又は織物ケア製品である。一部の実施形態において、組成物を含む製品は、パーソナルケア製品又は工業用製品である。
【0013】
本明細書で更に開示されるのは、基質を処理するための方法であって:
A)多糖誘導体を含む組成物を提供する工程であって、多糖誘導体が:
a)少なくとも1つの硫酸基;
b)少なくとも1つのスルホン酸基;
c)少なくとも1つのチオ硫酸基;若しくは
d)それらの組み合わせ、で置換された多糖を含み、
ここで、多糖は、ポリα-1,3-グルカン、ポリα-1,6-グルカン、ポリα-1,3-1,6-グルカン若しくはそれらの混合物であり、及び多糖誘導体は、約0.001~約3の置換度を有する工程;
B)基質を組成物と接触させる工程;及び
C)任意選択的に、基質をすすぐ工程、を含み、
ここで基質が、布地、織物、カーペット、室内装飾材料、服飾品又は表面である方法である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
引用した全ての特許及び非特許文献の開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0015】
本明細書で用いる場合、用語「実施形態」又は「開示」は、限定的であることを意味するものではないが、特許請求の範囲で定義されるか又は本明細書に記載した実施形態の何れにも一般的に適用される。これらの用語は、本明細書では互換的に用いられる。
【0016】
本開示では、多数の用語及び略語が用いられる。特に具体的に明記しない限り、下記の定義が適用される。
【0017】
要素又は構成要素に先行する冠詞「1つの」及び「その」は、要素又は構成要素の事例(即ち出現)の数に関して非限定的であることが意図される。「1つの」及び「その」は、1つ又は少なくとも1つを含むと解釈されるべきであり、要素又は構成要素の単数形は更に、その数が明らかに単数であることを意味しない限り、複数形を含む。
【0018】
用語「含む(comprising)」は、特許請求の範囲で言及されるような規定の特徴、整数、工程又は構成要素の存在を意味するが、それは、1つ以上の他の特徴、整数、工程、構成要素又はそれらの群の存在又は追加を排除するものではない。用語「含む」は、用語「から本質的に成る」及び「から成る」によって包含される実施形態を含むことを意図する。同様に、用語「から本質的に成る」は、用語「から成る」によって包含される実施形態を含むことを意図する。
【0019】
存在する場合、全ての範囲は、包括的であり、且つ結合可能である。例えば、「1~5」の範囲が列挙されている場合、列挙されている範囲は、「1~4」、「1~3」、「1~2」、「1~2及び4~5」、「1~3及び5」等の範囲を含むと解釈されるべきである。
【0020】
数値と結び付けて本明細書で用いられるところでは、用語「約」は、その用語が文脈において特に具体的に定義されていない限り、数値の±0.5の範囲を言う。例えば、語句「約6のpH値」は、pH値が特に具体的に定義されていない限り、5.5~6.5のpH値を言う。
【0021】
本明細書の全体に渡って示されるあらゆる数値上限は、このようなより小さい数値限度が本明細書に明確に記載されたかのように、あらゆるより小さい数値限度を含むことを意図する。本明細書の全体に渡って示されるあらゆる数値下限は、このようなより大きい数値限度が本明細書に明確に記載されているかのように、あらゆるより大きい数値限度を含むであろう。本明細書の全体に渡って示されるあらゆる数値範囲は、このようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように、このようなより広い数値範囲内に入るあらゆるより狭い数値範囲を含むであろう。
【0022】
本開示の特徴及び利点は、当業者であれば以下の詳細な説明を読むことにより更に容易に理解できるであろう。明確にするために、別個の実施形態との関連で上及び下に記載されている、本開示の特定の特徴は、単一要素においても組み合わせて提供されてもよいことが理解されるべきである。反対に、簡潔にするために、単一実施形態との関連で記載されている本開示の様々な特徴は、別個に又は任意の副次的組み合わせで提供されてもよい。更に、文脈が特に具体的に記載しない限り、単数形についての言及は更に、複数形を含む可能性がある(例えば、「1つの」は、1つ以上を言う可能性がある)。
【0023】
本出願に明記した様々な範囲内での数値の使用は、特に明示的に指示しない限り、規定範囲内の最小値及び最大値の何れにも用語「約」が先行するかのように近似値として記載されている。この形式では、規定範囲内の上下のわずかな変動を用いてこの範囲内の値と実質的に同じ結果を達成することができる。同様に、これらの範囲の開示は、最小値と最大値との間の各値及びあらゆる値を含む連続範囲であることが意図されている。
【0024】
本明細書で使用される場合:
用語「重量パーセント」、「重量百分率(重量%)」及び「重量-重量百分率(w/w%)」は、本明細書では互換的に用いられる。重量パーセントは、それが組成物、混合物又は溶液中に含まれているときの質量基準での物質の百分率を言う。
【0025】
用語「水溶性」は、糖又は糖誘導体が、25℃のpH7の水中において1重量%以上で可溶性であることを意味する。重量パーセンテージは、水溶性の多糖の総重量に基づいており、例えば、100グラムの水中に1グラムの多糖である。
【0026】
本明細書で使用する「重量平均分子量」又は「Mw」は、Mw=ΣNiMi2/ΣNiMi(式中、Miは鎖の分子量であり、Niはその分子量の鎖の数である)として計算される。重量平均分子量は、静的光散乱法、ガスクロマトグラフィー法(GC)、高圧液体クロマトグラフィー法(HPLC)、ゲル透過クロマトグラフィー法(GPC)、小角中性子散乱法、X線散乱法及び沈降速度法等の技術によって測定することができる。
【0027】
本明細書で使用する「数平均分子量」又は「Mn」は、試料中のポリマー鎖の全ての統計的平均分子量を指す。数平均分子量は、Mn=ΣNiMi/ΣNi(式中、Miは、鎖の分子量であり、Niは、その分子量の鎖の数である)として計算される。ポリマーの数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー法、(マーク-ハウィンク方程式)による粘度測定法及び蒸気圧オスモメトリー法、末端基測定法又はプロトンNMR法等の束一的な方法等の技術によって測定することができる。
【0028】
本明細書で言うグルコースの炭素の位置1、2、3、4、5及び6は、当該技術分野で公知であり、構造I中に示した通りである:
【化1】
【0029】
用語「グリコシド結合(glycosidic linkage)」及び「グリコシド結合(glycosidic bond)」は、本明細書では互換的に用いられ、炭水化物(糖)分子を別の炭水化物等の別の基に結び合わせるタイプの共有結合を言う。本明細書で使用する用語「α-1,6-グルコシド結合」は、α-D-グルコース分子を隣接するα-D-グルコース環上の炭素1及び6を介して相互に結合するタイプの共有結合を指す。本明細書で使用する用語「α-1,3-グルコシド結合」は、α-D-グルコース分子を、隣接するα-D-グルコース環上の炭素1及び3を介して相互に結合するタイプの共有結合を指す。本明細書で使用する用語「α-1,2-グルコシド結合」は、α-D-グルコース分子を、隣接するα-D-グルコース環上の炭素1及び2を介して相互に結合するタイプの共有結合を指す。本明細書で使用する用語「α-1,4-グルコシド結合」は、α-D-グルコース分子を、隣接するα-D-グルコース環上の炭素1及び4を介して相互に結合するタイプの共有結合を指す。本明細書では、「α-D-グルコース」を「グルコース」と呼ぶことになる。
【0030】
グルカン、デキストラン、置換グルカン又は置換デキストランのグリコシド結合プロファイルは、当該技術分野において公知の任意の方法を使用して決定することができる。例えば、結合プロファイルは、核磁気共鳴(NMR)分光法(例えば、13C NMR又は1H NMR)を使用する方法を用いて決定することができる。使用できるこれらの方法及び他の方法は、Food Carbohydrates:Chemistry,Physical Properties,and Applications(S.W.Cui.Ed,Chapter 3,S.W.Cui,Structural Analysis of Polysaccharides,Taylor&Francis Group LLC,Boca Raton,FL,2005)に開示されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
本明細書で使用する用語「ポリグルカン(poly glucan)」は、ポリα-1,3-グルカン、ポリα-1,6-グルカン及び/又はポリα-1,3-1,6-グルカンを指す。複数形の「ポリグルカン(poly glucans)」は、3つ全ての多糖類を指す。
【0032】
本明細書で使用する用語「アルキル基」は、不飽和を含有しない直鎖、分枝鎖又は環状(「シクロアルキル」)の炭化水素基を指す。本明細書で使用する用語「アルキル基」は、置換アルキル、例えば、別のアルキル基又は少なくとも1つのヒドロキシアルキル基若しくはジヒドロキシアルキル基で置換されているアルキル基を包含する。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、イソプロピル、イソ-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル基が挙げられる。
【0033】
本明細書で使用する用語「アルケン」は、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を含有する、直鎖、分枝鎖又は環状の炭化水素基を指す。本明細書で使用する用語「アルケン」は、置換アルケン基、例えば、少なくとも1つのアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はジヒドロキシアルキル基で置換されているアルケン、並びに炭化水素鎖内に酸素、硫黄及び/又は窒素等の1個以上のヘテロ原子を含有するアルケンを包含する。
【0034】
本明細書で使用する用語「アルキン」は、少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を含有する直鎖状及び分枝鎖の炭化水素基を指し、例えば、少なくとも1つのアルキル基で置換されたアルキン等の置換アルキン基を包含する。
【0035】
本明細書で使用する用語「アリール」は、単環(例えば、フェニル)、多環(例えば、ビフェニル)又は少なくとも1つが芳香族である多縮合環(例えば、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、ナフチル、アントリル又はフェナントリル)を有する芳香族炭素環基を意味し、これは任意選択的に、アルキル基で一置換、二置換又は三置換されている。
【0036】
本開示は、多糖誘導体を含む組成物であって、多糖誘導体が、
a)少なくとも1つの硫酸基;
b)少なくとも1つのスルホン酸基;
c)少なくとも1つのチオ硫酸基;若しくは
d)それらの組み合わせ、で置換された多糖を含み、
ここで、多糖は、ポリα-1,3-グルカン、ポリα-1,6-グルカン、ポリα-1,3-1,6-グルカン若しくはそれらの混合物であり、及び多糖誘導体は、約0.001~約3の置換度を有する組成物に向けられる。語句「それらの組み合わせ」は、多糖が少なくとも1つの硫酸基及び少なくとも1つのスルホン酸基で、又は少なくとも1つのスルホン酸基及び少なくとも1つのチオ硫酸基で、又は少なくとも1つの硫酸基及び少なくとも1つのチオ硫酸基で、又は少なくとも1つの硫酸基、少なくとも1つのスルホン酸基及び少なくとも1つのチオ硫酸基で置換されていることを意味する。硫酸基、スルホン酸基及びチオ硫酸基はイオン化性であり、及び多糖誘導体が単離されるか又は使用されるpHに依存して、固体として中性形若しくはイオン性形態で又は配合物若しくは水溶液中で存在し得る。
【0037】
他の実施形態では、組成物は、多糖誘導体を含み、ここで多糖誘導体は:
a)少なくとも1つの硫酸基;
b)少なくとも1つのスルホン酸基;
c)少なくとも1つのチオ硫酸基;若しくは
d)それらの組み合わせ、で置換された多糖を含み、
ここで、多糖は、ポリα-1,3-グルカン、ポリα-1,6-グルカン、ポリα-1,3-1,6-グルカン若しくはそれらの混合物であり、及び多糖誘導体は、約0.001~約3の置換度を有する多糖で置換された多糖から成る、又は本質的に成る。
【0038】
本明細書に開示した多糖誘導体は、上昇したイオン強度及び/又はpH値の条件下でのそれらの強化された水溶性及び粘度安定性に起因して重要である。これらの特性は、洗濯、洗浄、食品、化粧品、工業、フィルム及び製紙等の幅広い用途において有益であり得る。スルホン酸化、硫酸化及び/又はチオ硫酸多糖は、織物ケア用途において、例えば洗濯用洗剤における沈着防止剤及び/又は灰色化防止剤において、並びにホームケア(家庭用)及びパーソナルケア用途において有用であり得る。
【0039】
本明細書に開示した多糖誘導体は、パーソナルケア製品、医薬製品、家庭用製品若しくは工業製品中に、所望の程度の下記の:例えば、増粘性、凍結融解安定性、潤滑性、水分の保持及び放出、質感、稠度、形状保持性、乳化性、結合性、懸濁性、分散性、ゲル化性の1つ以上の物理的特性を製品に提供する量で含まれてよい。製品中の本明細書に開示した多糖誘導体の濃度若しくは量の例としては、重量ベースで、例えば、約0.1~3重量%、1~2重量%、1.5~2.5重量%、2.0重量%、0.1~4重量%、0.1~5重量%又は0.1~10重量%であり得る。
【0040】
本明細書の家庭用及び/又は工業製品は、例えば、ドライウォールテープ接合化合物;モルタル;グラウト;セメントプラスター;スプレープラスター;セメントスタッコ;接着剤;ペースト;壁/天井結着剤;テープキャスティング用、押出成形用、射出成形用及び陶磁器用の結合剤及び加工助剤;殺虫剤用、除草剤用及び肥料用のスプレー接着剤及び懸濁化/分散助剤;織物柔軟剤及び洗濯用洗剤等の織物ケア剤;硬質表面洗浄剤;空気清浄剤;ポリマーエマルジョン;ゲル剤、例えば水性ゲル;界面活性剤溶液;塗料、例えば水性塗料;保護コーティング;接着剤;シーラント及びコーキング剤;インク類、例えば水性インク;金属工作液;電気めっき、リン酸塩処理、亜鉛めっき及び/又は一般金属洗浄作業において使用されるエマルジョンベースの金属洗浄液;油圧液(例えば、坑内作業におけるフラッキング(水圧破砕)のために使用される油圧液);並びに水性鉱石スラリーの形態にあってよい。
【0041】
一実施形態において、多糖誘導体は、多糖主鎖が非置換及び置換α-D-グルコース環を含むように、多糖主鎖に沿ってランダムに置換された硫酸基、スルホン酸基、チオ硫酸基又はそれらの組み合わせを含む多糖を含む。本明細書で使用する用語「ランダムに置換された」は、ランダムに置換された多糖中のグルコース環上の置換基が、非繰り返し又はランダムな様式で生じることを意味する。即ち、置換されたグルコース環上の置換基[つまり、多糖中のグルコース環中の異なる原子上の置換基(これは、同一でも異なっていてもよい)]は、多糖中の第2の置換されたグルコース環上の置換基と同一でも異なっていてもよいので、ポリマー上の全体的な置換はパターンを持たない。更に、置換されたグルコース環は、多糖内にランダムに生じる(即ち、多糖内に置換及び非置換グルコース環を有するパターンはない)。
【0042】
一実施形態において、多糖誘導体は、a)少なくとも1つの硫酸基;b)少なくとも1つのスルホン酸基;c)少なくとも1つのチオ硫酸基;又はd)それらの組み合わせで置換された多糖を含み、及び多糖誘導体は、疎水性置換基を含まない。語句「疎水性置換基を含まない」は、多糖誘導体が例えばアルキル基、アルケン基、アルキン基、ベンジル基、アリール基、p-トルエンスルホニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基若しくは(-CH2CH2O-)、(-CH2CH(CH3)O-)の繰り返し単位を含むポリエーテル又はそれらの組み合わせ等の疎水性置換基を含有しておらず、ここで繰り返し単位の総数は3~100の範囲内にあることを意味する。本明細書で使用する用語「疎水性の」は、非極性であり、水に対して殆ど若しくは全く親和性を有さず、水をはじく傾向がある分子又は置換基を指す。
【0043】
多糖誘導体は、1つ以上の位置でa)少なくとも1つの硫酸基;b)少なくとも1つのスルホン酸基;c)少なくとも1つのチオ硫酸基;若しくはd)それらの組み合わせと置換されたポリα-1,3-グルカン、ポリα-1,6-グルカン若しくはポリα-1,3-1,6-グルカンを含み、ここで多糖誘導体は、約0.001~約3の置換度(DoS)を有する。少なくとも1つの硫酸基、スルホン酸基及び/又はチオ硫酸基は、各々独立して、特定の多糖に適切なように、グルコースモノマーの2、3、4及び/又は6のヒドロキシル位置で多糖を誘導体化することができる。
【0044】
好適な硫酸基としては、硫酸塩、C1~C4アルキル硫酸塩、C2~C4アルケン硫酸塩、C2~C4アルキン硫酸塩、C6~C12アリール硫酸塩及びそれらの組み合わせが挙げられる。硫酸基は、独立して、硫酸塩(-OSO2OH);アルキル硫酸塩(-アルキレン-OSO2OH)(式中、アルキル部分は1~4個の炭素原子を含有し得る);アルケン硫酸塩(-アルケニル-OSO2OH)(式中、アルケン部分は、2~4個の炭素原子を含有し得る);アルキン硫酸塩(-アルキニル-OSO2OH)(式中、アルキン部分は、2~4個の炭素原子を含有し得る);及びアリール硫酸塩(-Ar-OSO2OH)(式中、アリール部分Arは、6~12個の炭素原子を含有し得る)等の化学結合を通して多糖に結合している。硫酸基はイオン化性であり、及び多糖誘導体が単離されるか又は使用されるpHに依存して、固体として中性形で若しくはイオン性形態又は配合物若しくは水溶液中で存在し得る。
【0045】
好適なスルホン酸基としては、スルホン酸塩、C1~C4アルキルスルホン酸塩、C2~C4アルケンスルホン酸塩、C6~C12アリールスルホン酸塩及びそれらの組み合わせが挙げられる。スルホン酸基は、独立して、スルホン酸塩(-SO2OH);アルキルスルホン酸塩(-アルキレン-SO2OH)(式中、アルキレン部分は1~4個の炭素原子を含有し得る);アルケンスルホン酸塩(-アルケニル-SO2OH)(式中、アルケン部分は、2~4個の炭素原子を含有し得る);アルキンスルホン酸塩(-アルキニル-SO2OH)(式中、アルキン部分は、2~4個の炭素原子を含有し得る);及びアリールスルホン酸塩(-Ar-SO2OH)(式中、アリール部分Arは、6~12個の炭素原子を含有し得る)等の化学結合を通して多糖に結合している。アルキルスルホン酸塩の例としては、エチルスルホン酸塩、プロピルスルホン酸塩及びブチルスルホン酸塩が挙げられる。スルホン酸基はイオン化性であり、及び多糖誘導体が単離されるか又は使用されるpHに依存して、固体として中性形若しくはイオン性形態で又は配合物若しくは水溶液中で存在し得る。
【0046】
好適なチオ硫酸基としては、チオ硫酸(-SSO2OH)が挙げられる。チオ硫酸基はイオン化性であり、及び多糖誘導体が単離されるか又は使用されるpHに依存して、固体として中性又はイオン形態で又は配合物若しくは水溶液中で存在し得る。
【0047】
下記の構造II、III及びIVは、可能性のある置換部位及びグルコース繰り返し単位への化学結合を示すために、硫酸基、アルキルスルホン酸基若しくはチオ硫酸基を含むポリ-1,3-グルカングルコース繰り返し単位若しくはポリ-1,6-グルカングルコース繰り返し単位の誘導体化を表す3つの実施形態を示している。誘導体化多糖中に存在する硫酸基、スルホン酸基及び/又はチオ硫酸基の総数は、誘導体化多糖の置換度に反映される。構造II、III及びIVは、グルコース繰り返し単位が十分に置換されている理想的な描写であり、置換度は3と示されている。
【化2】
可能性のある各置換点での硫酸基によるポリα-1,3-グルカン内のグルコース単位の誘導体化。
【化3】
可能性のある各置換点でのアルキルスルホン酸基によるポリα-1,6-グルカン内のグルコース単位の誘導体化。
【化4】
可能性のある各置換点でのチオ硫酸基によるポリα-1,3-グルカン内のグルコース単位の誘導体化。
【0048】
一実施形態において、多糖誘導体は、少なくとも1つの硫酸基で置換された多糖を含み、ここで多糖は、ポリα-1,3-グルカンである。別の実施形態において、多糖誘導体は、少なくとも1つのスルホン酸基で置換された多糖を含み、ここで多糖は、ポリα-1,3-グルカンである。更なる実施形態において、多糖誘導体は、少なくとも1つのアルキルスルホン酸基で置換されたポリα-1,3-グルカンを含む。別の更なる実施形態において、多糖誘導体は、少なくとも1つのアルキルスルホン酸基で置換されたポリα-1,3-グルカンを含み、ここでアルキルスルホン酸基は、エチルスルホン酸塩、プロピルスルホン酸塩、ブチルスルホン酸塩又はそれらの組み合わせである。追加の実施形態において、多糖誘導体は、少なくとも1つのチオ硫酸基で置換された多糖を含み、ここで多糖は、ポリα-1,3-グルカンである。更なるの実施形態において、多糖誘導体は、少なくとも1つの硫酸基及び少なくとも1つのスルホン酸基で置換された多糖を含み、ここで多糖は、ポリα-1,3-グルカンである。更なる別の実施形態において、多糖誘導体は、少なくとも1つの硫酸基及び少なくとも1つのチオ硫酸基で置換された多糖を含み、ここで多糖は、ポリα-1,3-グルカンである。異なる実施形態において、多糖誘導体は、少なくとも1つのスルホン酸基及び少なくとも1つのチオ硫酸基で置換された多糖を含み、ここで多糖は、ポリα-1,3-グルカンである。又別の実施形態において、多糖誘導体は、少なくとも1つの硫酸基、少なくとも1つのスルホン酸基及び少なくとも1つのチオ硫酸基で置換された多糖を含み、ここで多糖は、ポリα-1,3-グルカンである。
【0049】
一実施形態において、多糖誘導体は、少なくとも1つの硫酸基で置換された多糖を含み、ここで多糖は、ポリα-1,6-グルカンである。別の実施形態において、多糖誘導体は、少なくとも1つのスルホン酸基で置換された多糖を含み、ここで多糖は、ポリα-1,6-グルカンである。更なる実施形態において、多糖誘導体は、少なくとも1つのアルキルスルホン酸基で置換されたポリα-1,6-グルカンを含む。更に別の実施形態において、多糖誘導体は、少なくとも1つのアルキルスルホン酸基で置換されたポリα-1,6-グルカンを含み、ここでアルキルスルホン酸基は、エチルスルホン酸塩、プロピルスルホン酸塩、ブチルスルホン酸塩又はそれらの組み合わせである。追加の実施形態において、多糖誘導体は、少なくとも1つのチオ硫酸基で置換された多糖を含み、ここで多糖は、ポリα-1,6-グルカンである。更なる実施形態において、多糖誘導体は、少なくとも1つの硫酸基及び少なくとも1つのスルホン酸基で置換された多糖を含み、ここで多糖は、ポリα-1,6-グルカンである。更なる実施形態において、多糖誘導体は、少なくとも1つの硫酸基及び少なくとも1つのチオ硫酸基で置換された多糖を含み、ここで多糖は、ポリα-1,6-グルカンである。異なる実施形態において、多糖誘導体は、少なくとも1つのスルホン酸基及び少なくとも1つのチオ硫酸基で置換された多糖を含み、ここで多糖は、ポリα-1,6-グルカンである。又別の実施形態において、多糖誘導体は、少なくとも1つの硫酸基、少なくとも1つのスルホン酸基及び少なくとも1つのチオ硫酸基で置換された多糖を含み、ここで多糖は、ポリα-1,6-グルカンである。
【0050】
一実施形態において、多糖誘導体は、少なくとも1つの硫酸基で置換された多糖を含み、ここで多糖は、ポリα-1,3-1,6-グルカンである。別の実施形態において、多糖誘導体は、少なくとも1つのスルホン酸基で置換された多糖を含み、ここで多糖は、ポリα-1,3-1,6-グルカンである。更なる実施形態において、多糖誘導体は、少なくとも1つのアルキルスルホン酸基で置換されたポリα-1,3-1,6-グルカンを含む。更に別の実施形態において、多糖誘導体は、少なくとも1つのアルキルスルホン酸基で置換されたポリα-1,3-1,6-グルカンを含み、ここでアルキルスルホン酸基は、エチルスルホン酸塩、プロピルスルホン酸塩、ブチルスルホン酸塩又はそれらの組み合わせである。追加の実施形態において、多糖誘導体は、少なくとも1つのチオ硫酸基で置換された多糖を含み、ここで多糖は、ポリα-1,3-1,6-グルカンである。更なる実施形態において、多糖誘導体は、少なくとも1つの硫酸基及び少なくとも1つのスルホン酸基で置換された多糖を含み、ここで多糖は、ポリα-1,3-1,6-グルカンである。更なる実施形態において、多糖誘導体は、少なくとも1つの硫酸基及び少なくとも1つのチオ硫酸基で置換された多糖を含み、ここで多糖は、ポリα-1,3-1,6-グルカンである。異なる実施形態において、多糖誘導体は、少なくとも1つのスルホン酸基及び少なくとも1つのチオ硫酸基で置換された多糖を含み、ここで多糖は、ポリα-1,3-1,6-グルカンである。又別の実施形態において、多糖誘導体は、少なくとも1つの硫酸基、少なくとも1つのスルホン酸基及び少なくとも1つのチオ硫酸基で置換された多糖を含み、ここで多糖は、ポリα-1,3-1,6-グルカンである。
【0051】
多糖誘導体は、約0.001~約3.0の置換度を有する。本明細書で使用する用語「置換度」DoSは、多糖誘導体の各モノマー単位(グルコース)中で置換されたヒドロキシル基の平均数を指す。グルカンポリマー中のグルコースモノマー単位中にはヒドロキシル基が最大で3つであるので、全体の置換度は3以下であり得る。他の実施形態において、置換度は、0.02~2.5又は0.02~2.0又は0.2~2又は0.2~1の範囲内にあり得る。一実施形態において、置換度は、約0.5~約1.5の範囲内にあり得る。又は、DoSは、約0.001、0.005、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0又は0.001~3の間の任意の数値であり得る。本明細書に開示した多糖誘導体は、約0.001~約3.0の間の置換度を有するので、当業者であれば、多糖上の置換基が水素のみであることはあり得ないことが理解されるであろう。
【0052】
本明細書で開示した多糖誘導体の置換度は、少なくとも1つの硫酸基を考慮して、少なくとも1つのスルホン酸基を考慮して、少なくとも1つのチオ硫酸基を考慮して又は総置換度、即ち硫酸基、スルホン酸基及びチオ硫酸基のDoSの合計を考慮して言及され得る。本明細書で使用するように、置換度が特定の基を参照して言及されない場合、全置換度を意味する。多糖誘導体は、a)少なくとも1つの硫酸基;b)少なくとも1つのスルホン酸基;c)少なくとも1つのチオ硫酸基;又はd)それらの組み合わせで置換された多糖を含むので、硫酸基単独に関する、スルホン酸基単独に関する、又はチオ硫酸基単独に関するDoSは、必然的に3未満である。所望のDoSは、対象の特定用途において所望の溶解性及び性能を提供するために選択される。
【0053】
一実施形態において、硫酸基に関する多糖誘導体のDoSは、約0.02~約1.5又は例えば約0.1~約1の範囲内であり得る。別の実施形態において、スルホン酸基に関する多糖誘導体のDoSは、約0.1~約2.5又は例えば約0.2~約1.5又は例えば約0.1~約1の範囲内であり得る。追加の実施形態において、チオ硫酸基に関する多糖誘導体のDoSは、約0.02~約2.5又は例えば約0.1~約2.5又は例えば約0.1~約1の範囲内であり得る。
【0054】
多糖誘導体は、約5~約1400の範囲、例えば、約5~約100、又は約5~約500、又は約5~約1000、又は約5~約1100、又は約5~約1200、又は約5~約1300、又は約5~約1400の範囲内の重量平均重合度を有する。
【0055】
多糖誘導体の構造、分子量及び置換度は、例えばNMR分光法及びサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)等の当技術分野において公知の様々な物理化学的分析法を使用して確証され得る。
【0056】
多糖又は多糖誘導体の「分子量」は、数平均分子量(Mn)又は重量平均分子量(Mw)で表され得る。又は、分子量は、ダルトン、グラム/モル、DPw(重量平均重合度)又はDPn(数平均重合度)で表され得る。これらの分子量測定値を計算するために、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)又はゲル透過クロマトグラフィー(GPC)等の様々な手段は、当該技術分野において公知である。
【0057】
用語「ポリα-1,3-グルカン」、「α-1,3-グルカンポリマー」及び「グルカンポリマー」は、本明細書では互換的に用いられる。ポリα-1,3-グルカンは、グリコシド結合によって結合したグルコースモノマー単位を含むポリマーを意味し、ここで、少なくとも約50%のグリコシド結合は、α-1,3-グリコシド結合である。ポリα-1,3-グルカンは、多糖の一種である。ポリα-1,3-グルカンのα-1,3-グリコシド結合は、以下の構造Vで示され得る:
【化5】
【0058】
ポリα-1,3-グルカンは、化学的方法を使用して調製することができる。又は、ポリα-1,3-グルカンは、ポリα-1,3-グルカンを生成する真菌等の様々な生物からそれを抽出することによって調製することができる。又は、ポリα-1,3-グルカンは、例えば、米国特許第7,000,000号明細書;同第8,642,757号明細書;及び同第9,080,195号明細書(それらの全体は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている等の、1種以上のグルコシルトランスフェラーゼ(gtf)酵素(例えば、gtfJ)を用いて、スクロースから酵素的に生成することができる。それらの中に示されている手順を用いて、このポリマーは、組み換えグルコシルトランスフェラーゼ酵素、例えばgtfJ酵素を触媒として及びスクロースを基質として使用して、一段階酵素反応で直接的に製造される。ポリα-1,3-グルカンは、副生成物としてのフルクトースと共に生成される。反応が進行するにつれて、ポリα-1,3-グルカンは、溶液から析出する。gtfJ酵素を使用して生成されると、ポリα-1,3-グルカンは、4~500の範囲内の数平均重合度(DPn)を有し得る。他の実施形態において、DPnは、30~500又は40~500又は50~400の範囲内にあり得る。一部の実施形態において、ポリα-1,3-グルカンは、約10~約400、10~約300、10~約200、10~約100、10~約50、400~約1400、又は約400~約1000、又は約500~約900のDPwを有する。
【0059】
一部の実施形態において、α-1,3であるポリα-1,3-グルカンのグルコースモノマー単位間のグリコシド結合のパーセンテージは、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%(又は50%~100%の間の任意の整数値)以上である。従って、このような実施形態において、ポリα-1,3-グルカンは、50%、40%、30%、20%、10%、5%、4%、3%、2%、1%又は0%(又は0%~50%の間の任意の整数値)以下のα-1,3ではないグリコシド結合を有する。ポリα-1,3-グルカンは、1,2-、1,4-及び/又は1,6-の位置で結合しているグルコースモノマーを相当に低いパーセンテージで有し得る。一部の実施形態において、ポリα-1,3-グルカンは、93~97%以上のα-1,3-グリコシド結合及び3%未満のα-1,6-グリコシド結合を含む。他の実施形態において、ポリα-1,3-グルカンは、95%以上のα-1,3-グリコシド結合及び約1%のα-1,6-グリコシド結合を含む。更なる実施形態において、ポリα-1,3-グルカンは、1~3%以下のα-1,3,6-グリコシド結合を含む。
【0060】
一部の実施形態における不溶性のポリα-1,3-グルカンは、(i)少なくとも約100000ダルトンの分子量を有する(例えば、少なくとも約95%、96%、97%、98%、99%又は100%のα-1,6結合を有する)デキストランを含む主鎖及び(ii)少なくとも約95%、96%、97%、98%、99%又は100%のα-1,3-グルコシド結合を含むα-1,3-グルカン側鎖を有するコポリマー(例えば、グラフトコポリマー)の形態であり得る。このようなコポリマーは、その開示が本明細書に全体として組み込まれる国際公開第2017/079595号パンフレットに開示された通りであり得る。
【0061】
用語「ポリα-1,6-グルカン」及び「デキストラン」は、本明細書では互換的に用いられる。デキストランは、一般に、α-1,3-結合によって直鎖に結合した周期的側鎖(分枝鎖)を有する、α-1,6-結合したグルコースモノマーの鎖を含む複雑な分枝鎖α-グルカンのファミリーを表す(Ioan et al.,Macromolecules 33:5730-5739)。デキストランは、典型的には、細菌(例えば、ロイコノストック(Leuconostoc)、又はストレプトコッカス(Streptococcus)種)によるスクロースの発酵によって製造され、この場合、スクロースは、デキストラン重合のグルコース源として働く(Naessens et al.,J.Chem.Technol.Biotechnol.80:845-860;Sarwat et al.,Int.J.Biol.Sci.4:379-386;Onilude et al.,Int.Food Res.20:1645-1651)。ポリα-1,6-グルカンは、(限定されるわけではないが)どちらも参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2015/183714号パンフレット及び同第2017/091533号パンフレットに記載されているGTF1729、GTF1428、GTF5604、GTF6831、GTF8845、GTF0088及びGTF8117等のグルコシルトランスフェラーゼを使用して調製することができる。
【0062】
ポリα-1,6-グルカンは、4~1400の範囲内の数平均重合度(DPn)を有し得る。他の実施形態において、DPnは、4~100、又は4~500、又は40~500、又は50~400の範囲内であり得る。一部の実施形態において、ポリα-1,6-グルカンは、約10~約400、10~約300、10~約200、10~約100、10~約50、400~約1400、又は約400~約1000、又は約500~約900のDPwを有する。
【0063】
一部の実施形態において、ポリα-1,6-グルカンは、グルコースモノマー単位の40%以上が、α-1,6-グリコシド結合を介して結合しているグルコースモノマー単位、例えば、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%又は90%以上のグルコースモノマー単位の主鎖を含む。
【0064】
本明細書のデキストラン「長鎖」は、「実質的に[又は大部分が]α-1,6-グリコシド結合」を含み得るが、これは一部の態様ではそれらが少なくとも約98.0%のα-1,6-グリコシド結合を有し得ることを意味する。本明細書のデキストランは、一部の態様では、「分枝鎖構造(branching structure)」(分枝状構造(branched structure))を含み得る。この構造における長鎖は、おそらく反復方法で、他の長鎖から分枝する(例えば、長鎖は他の長鎖からの分枝鎖であってよく、これは順にその分枝鎖自体が他の長鎖からの分枝鎖であってよく、と続く)と考えられる。この構造における長鎖は、分枝鎖構造内の全長鎖の少なくとも70%の長さ(DP[重合度])が分枝鎖構造の全長鎖の平均長の±30%内であることを意味する「長さが類似」であり得ると考えられる。
【0065】
一部の実施形態におけるデキストランは更に、典型的には、長さが1~3個のグルコースモノマーであり、典型的には、デキストランポリマーの全グルコースモノマーの約10%未満を含む、長鎖から分枝している「短鎖」を含み得る。このような短鎖は、典型的には、α-1,2-、α-1,3-及び/又はα-1,4-グルコシド結合を含む(一部の態様では、長鎖内に少ないパーセンテージのこのような非α-1,6結合も又存在し得ると理解されている)。特定の実施形態において、分枝鎖を有するポリα-1,6-グルカンは、(その開示が本明細書に全体として参照により組み込まれる)国際公開第2015/183714号パンフレット及び同第2017/091533号パンフレットの手順に従って酵素的に製造され、例えば「gtfJ18T1」又は「GTF9905」等のα-1,2-分枝鎖酵素をデキストランポリマー(多糖)の製造中又は製造後に添加することができる。他の実施形態において、α-1,2-分枝を生成することが知られる任意の他の酵素を添加することができる。このような実施形態におけるポリα-1,6-グルカンの分枝度は、50%、40%、30%、20%、10%、5%、4%、3%、2%、1%又は0%以下(又は0%~50%の任意の整数値)の短い分枝鎖、例えば、α-1,2-分枝鎖を有する。一実施形態において、ポリα-1,6-グルカンは、50%未満のα-1,2-分枝度を有する。一実施形態において、ポリα-1,6-グルカンは、主に直鎖である。
【0066】
一実施形態において、多糖は、ポリα-1,3-1,6-グルカンである。ポリα-1,3-1,6-グルカンは、その開示がその全体を本明細書に参照により組み込まれる、米国特許出願公開第2015/0232785A1号明細書に開示されているように、グルコシルトランスフェラーゼ酵素の生成物である。一部の実施形態では、不溶性α-グルカンは、少なくとも約30%のα-1,3結合並びにα-グルカン中のα-1,3及びα-1,6結合の両方の合計を100%にするパーセンテージのα-1,6結合を含み得る。例えば、α-1,3及びα-1,6結合のパーセンテージは、それぞれ約30~40%及び60~70%であり得る。一部の態様では、少なくとも約30%のα-1,3結合を含む不溶性α-グルカンは、直鎖である。少なくとも約30%のα-1,3結合を含む不溶性α-グルカンを生成するためのグルコシルトランスフェラーゼは、その開示が参照により本明細書に全体として組み込まれる米国特許公開2015/0232819号明細書に開示されている。
【0067】
一実施形態において、多糖は、ポリα-1,3-1,6-グルカンを含み、ここで(i)ポリα-1,3-1,6-グルカンの少なくとも30%のグリコシド結合は、α-1,3結合であり、(ii)ポリα-1,3-1,6-グルカンの少なくとも30%のグリコシド結合は、α-1,6結合であり、(iii)ポリα-1,3-1,6-グルカンは、少なくとも10の重量平均重合度(DPw)を有し;及び(iv)ポリα-1,3-1,6-グルカンのα-1,3結合及びα-1,6結合は、連続して相互に交互になっていない。別の実施形態において、ポリα-1,3-1,6-グルカンの少なくとも60%のグリコシド結合は、α-1,6結合である。
【0068】
ポリα-1,3-1,6-グルカンの少なくとも30%のグリコシド結合は、α-1,3結合であり、及びポリα-1,3-1,6-グルカンの少なくとも30%のグリコシド結合は、α-1,6結合である。又は、本明細書のポリα-1,3-1,6-グルカン中のα-1,3結合のパーセンテージは、少なくとも31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%又は64%であり得る。又は更に、本明細書のポリα-1,3-1,6-グルカン中のα-1,6結合のパーセンテージは、少なくとも31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%又は69%であり得る。
【0069】
ポリα-1,3-1,6-グルカンは、パーセンテージの合計が100%を超えない100%以下である限り、α-1,3結合の前述のパーセンテージの何れか1つ及びα-1,6結合の前述のパーセンテージの何れか1つを有することができる。例えば、本明細書のポリα-1,3-1,6-グルカンは、まさにパーセンテージの合計が100%以下である限り、(i)30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%又は40%(30%~40%)の何れか1つのα-1,3結合及び(ii)60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%又は69%(60%~69%)の何れか1つのα-1,6結合を有することができる。非限定的な例としては、31%のα-1,3結合及び67%のα-1,6結合を有するポリα-1,3-1,6-グルカンが挙げられる。特定の実施形態において、ポリα-1,3-1,6-グルカンの少なくとも60%のグリコシド結合は、α-1,6結合である。
【0070】
ポリα-1,3-1,6-グルカンは、例えば、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%又は1%未満のα-1,3及びα-1,6以外のグリコシド結合を有することができる。別の実施形態において、ポリα-1,3-1,6-グルカンは、α-1,3結合及びα-1,6結合のみを有する。
【0071】
本明細書に開示のポリα-1,3-1,6-グルカンの主鎖は、直鎖/非分枝鎖であり得る。又は、ポリα-1,3-1,6-グルカンに分岐が存在し得る。そのため、特定の実施形態におけるポリα-1,3-1,6-グルカンは、分岐点を有さないか、又は約30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%若しくは1%未満の分岐点をポリマー中のグリコシド結合のパーセントとして有し得る。
【0072】
ポリα-1,3-1,6-グルカンのα-1,3結合及びα-1,6結合は、互いに連続的に交互しない。次の説明では、…G-1,3-G-1,6-G-1,3-G-1,6-G-1,3-G-…(ここで、Gは、グルコースを表す)は、連続的に交互するα-1,3結合及びα-1,6結合によって結合された6個のグルコースモノマー単位の伸びを表すとみなされる。本明細書の特定の実施形態におけるポリα-1,3-1,6-グルカンは、交互のα-1,3結合及びα-1,6結合により連続的に結合された、2、3、4、5、6、7、8、9、10又はそれを超える数未満のグルコースモノマー単位を含む。
【0073】
ポリα-1,3-1,6-グルカンの分子量は、DPw(重量平均重合度)又はDPn(数平均重合度)として測定することができる。又は、分子量は、ダルトン又はグラム/モルで測定することができる。ポリα-1,3-1,6-グルカンの数平均分子量(Mn)又は重量平均分子量(Mw)に言及することが有用な場合もある。
【0074】
本明細書のポリα-1,3-1,6-グルカンは、例えば、少なくとも約1600、3000、4000、5000、8000、10000、15000、20000、25000、30000、35000、40000、50000、100000、200000、300000、400000、500000、600000、700000、800000、900000、1000000、1100000、1200000、1300000、1400000、1500000、又は1600000(又は50000~1600000の間の任意の整数)のMwを有し得る。特定の実施形態におけるMwは、少なくとも約1000000である。又は、ポリα-1,3-1,6-グルカンは、例えば、少なくとも約1600、3000、4000、5000、10000、20000、30000、又は40000のMwを有し得る。
【0075】
本明細書のポリα-1,3-1,6-グルカンは、例えば、少なくとも10個のグルコースモノマー単位を含み得る。又は、グルコースモノマー単位の数は、例えば、少なくとも10、25、50、100、500、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、又は9000(又は10~9000の間の任意の整数)であり得る。
【0076】
本明細書に開示した多糖誘導体は、当分野において公知の方法を使用して、適切な多糖の化学的誘導体化によって得ることができる。ポリグルカンの硫酸塩及びスルホン酸塩は、Solarek,D.B.,Phosphoryated Starches and Miscellaneous Inorganic Esters in Modified Starches: Properties and Uses,Wurzburg,O.B.,Ed.,CRC Press,Inc.Boca Raton,Fla,1986,pp.97-108で記載されたのと同様に製造され得る。多糖は、Modified Starches:properties and Uses,by O.B.Wurzburg,CRC Press,2000)に記載されているように、硫酸、有機溶媒中のクロロスルホン酸又は三酸化硫黄錯体による硫酸化を含む様々な方法により硫酸化され得る。
【0077】
スルホアルキル多糖は、多糖をハロアルキルスルホン酸、エチレンスルホン酸(スルホアルキルを生成するため)又はアルキルスルトンと反応させることによって生成することができる。例えば、スルホエチル多糖は、多糖をクロロエチルスルホン酸又はビニルスルホン酸と反応させることによって生成され得る。スルホプロピル多糖は、3-プロパンスルトン若しくは3-クロロ-1-プロピルスルホン酸から生成され得る。同様に、スルホブチル多糖は、1,4-ブタンスルトン若しくは4-クロロ-1-ブタンスルホン酸から調製され得る。置換度は、試薬モル当量によって制御される。
【0078】
チオスルホン酸基で置換された多糖は、引き続いてチオ硫酸ナトリウムと置き換え得る官能基最初に多糖を官能化することによって生成することができる。この基は、例えば、ハロゲン化物(Cl、Br、I)又はトレシル、メシル若しくはフェニル炭酸塩から選択され得る。
【0079】
所望の用途に応じて、本明細書で開示される多糖誘導体は、様々な組成物、例えば、工業用、洗濯ケア、布地/織物ケア及び/又はパーソナルケア製品において使用するための組成物における使用に好適な1つ以上の他の物質及び/又は活性成分を用いて配合(例えば、ブレンド、混合、組み込む等)することができる。これに関連して用語「多糖誘導体を含む組成物」は、各々がa)少なくとも1つの硫酸基;b)少なくとも1つのスルホン酸基;c)少なくとも1つのチオ硫酸基;又はd)それらの組み合わせで置換されたポリα-1,3-グルカン、ポリα-1,6-グルカン又はポリα-1,3-1,6-グルカンを含む、例えば、工業製品、水性配合物、レオロジー修飾組成物、織物処理/ケア組成物、洗濯ケア配合物/組成物、衣類柔軟剤若しくはパーソナルケア組成物(ヘアケア、スキンケア及び口腔ケア)を含み得るが、ここで多糖誘導体は、約0.001~約3の置換度を有する。
【0080】
本明細書で使用する用語「有効量」は、所望の効果を達成するために好適である、使用又は投与される物質の量を指す。物質の有効量は、用途に応じて変動し得る。当業者であれば、典型的には、過度の実験を行わずに特定の用途又は被験者にとっての有効量を決定できるであろう。
【0081】
用語「酵素的加水分解に対する耐性」は、酵素的加水分解に対する多糖誘導体の相対的安定性を指す。加水分解に対する耐性を有することは、洗剤、織物ケア及び/又は洗濯ケア等の用途において等の、酵素が存在する用途においてこれらの材料を使用するために重要である。一部の実施形態において、多糖誘導体は、セルラーゼに耐性がある。他の実施形態において、多糖誘導体は、プロテアーゼに耐性がある。又更なる実施形態において、多糖誘導体は、アミラーゼに耐性がある。更に他の実施形態において、多糖誘導体は、リパーゼに耐性がある。更に他の実施形態において、多糖誘導体は、マンナナーゼに耐性がある。他の実施形態において、多糖誘導体は、複数の部類の酵素、例えば、セルラーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、マンナナーゼ又はこれらの組み合わせの2つ以上に耐性がある。任意の特定の酵素に対する耐性は、それぞれの酵素を用いた処理後に残存する物質の少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、95又は100%を有すると定義されるであろう。残存パーセンテージは、SEC-HPLCを使用して、酵素処理後の上清を測定することによって決定され得る。酵素耐性を測定するためのアッセイは、以下の手順を使用して決定することができる:多糖誘導体の試料をバイアル中の水に添加し、PTFEマグネティックスターラーを使用して混合して1重量%溶液を作製する。水性混合物をpH7.0及び20℃で生成する。これらの多糖誘導体が完全に溶解した後、1.0mL(ミリリットル)(1重量%の酵素配合物)のセルラーゼ(PURADEX(登録商標)EGL)、アミラーゼ(PURASTAR(登録商標)ST L)プロテアーゼ(SAVINASE(登録商標)16.0L)又はリパーゼ(Lipex(登録商標)100L)を添加し、20℃で72時間混合する。72時間の攪拌後、反応混合物は、添加された酵素を不活性化するために70℃まで10分間加熱し、生じた混合物を室温に冷却し、任意の沈降物を除去するために遠心する。上清は、回収した多糖誘導体についてSEC-HPLCによって分析し、反応混合液に酵素が全く添加されていないコントロールと比較する。それらのそれぞれの多糖誘導体についての面積総数における変化率を使用すると、それぞれの酵素処理に対する物質の相対耐性を試験することができる。特定酵素を用いた処理後に残存している物質の相対量を評価するためには、全体に対する面積における変化率が使用されるであろう。少なくとも10%、好ましくは少なくとも50、60、70、80、90、95又は100%の回収率を有する物質は、それぞれの酵素処理に対して「耐性」があると見なされるであろう。
【0082】
本明細書の語句「水性組成物」は、溶媒が少なくとも約1重量%の水であり、及び多糖誘導体を含む溶液又は混合物を指す。
【0083】
用語「親水コロイド」及び「ヒドロゲル」は、本明細書において互換的に用いられる。親水コロイドは、水が分散媒であるコロイド系を指す。本明細書の「コロイド」は、別の物質全体に渡って微視的に分散している物質を指す。そのため、本明細書の親水コロイドは更に、水又は水溶液中の多糖誘導体の分散体、エマルション、混合物又は溶液も意味し得る。
【0084】
本明細書の用語「水溶液」は、溶媒が水を含む溶液を指す。多糖誘導体は、水溶液に分散、混合及び/又は溶解され得る。水溶液は、本明細書の親水コロイドの分散媒として機能し得る。
【0085】
用語「分散剤(dispersant)」及び「分散剤(dispersion agent)」は、1つの物質の別の物質中の分散系の形成及び安定化を促進する物質を意味するために本明細書において互換的に用いられる。本明細書の「分散体」は、水性組成物全体に渡って散乱しているか、又は一様に分布している1つ以上の粒子、例えばパーソナルケア製品、医薬品、食品、家庭用製品又は工業製品の任意の成分を含む水性組成物を指す。多糖誘導体は、本明細書で開示される水性組成物中で分散剤として機能し得ると考えられる。
【0086】
本明細書で使用する用語「粘度」は、流体又は水性組成物、例えば親水コロイドが、それを流動させる傾向がある力に抵抗する程度の尺度を指す。本明細書で使用できる粘度の様々な単位としては、センチポアズ(cPs)及びパスカル秒(Pa・s)が挙げられる。1センチポアズは、1/100ポアズであり、1ポアズは、0.100kg・m-1・s-1に等しい。そのため、本明細書で使用する用語「粘度調整剤(viscosity modifier」及び「粘度調整剤(viscosity-modifying agent)」は、流体又は水性組成物の粘度を変更/変性できるあらゆるものを指す。
【0087】
用語「織物」、「布地」及び「布」等は、天然及び/又は化学繊維の網状組織を有する織布又は不織布材料を意味するために、本明細書では互換的に用いられる。このような繊維は、例えば、撚り糸若しくは編み糸であり得る。
【0088】
本明細書の「織物ケア組成物」は、何らかの方法で織物を処理するのに好適な任意の組成物である。このような組成物の好適な例としては、洗濯ではない繊維処理(湯通し、精錬、シルケット加工、漂白、彩色、着色、印刷、バイオポリッシング、抗菌処理、防皺処理、耐汚染性処理等)、洗濯ケア組成物(例えば、洗濯ケア洗剤)及び織物柔軟剤が挙げられる。
【0089】
用語「洗剤組成物」、「重質洗剤」及び「万能洗剤」は、任意の温度での基材、例えば、食器、カトラリー、ビヒクル、織物、カーペット、服飾品、白色及び着色布地の通常の洗濯のために有用な組成物を指すために、本明細書では互換的に用いられる。織物、織物及びホームケアの領域における硬質表面並びに任意のその他の表面を処理するための洗剤組成物としては:洗濯洗剤、織物コンディショナー(柔軟剤を含む)、洗濯及びすすぎ添加剤並びにケア組成物、織物消臭組成物、洗濯予洗い用洗剤、洗濯前処理剤、硬質表面処理組成物、カーケア組成物、食器洗い組成物(手洗い用製品及び自動食器洗浄機用製品を含む)、空気ケア製品、多孔性基材若しくは不織布の上又は中に含有される洗剤及び消費者用又は業務用のその他の洗浄製品が挙げられる。
【0090】
用語「セルラーゼ」及び「セルラーゼ酵素」は、セルロース中のβ-1,4-D-グルコシド結合を加水分解し、それによりセルロースを部分的又は完全に分解する酵素を意味するために、本明細書では互換的に用いられる。セルラーゼは、又は、例えば「β-1,4-グルカナーゼ」と呼ぶことができ、エンドセルラーゼ活性(EC3.2.1.4)、エキソセルラーゼ活性(EC3.2.1.91)又はセロビアーゼ活性(EC3.2.1.21)を有し得る。本明細書の特定の実施形態におけるセルラーゼは更に、例えばカルボキシメチルセルロース等のセルロースエーテル誘導体中でβ-1,4-D-グルコシド結合を加水分解することもできる。「セルロース」は、β-1,4-結合D-グルコースモノマー単位の直鎖を有する不溶性多糖を指す。
【0091】
本明細書で使用する用語「織物の風合」又は「手触り」は、物理的、生理学的、心理学的、社会的又はこれらの任意の組み合わせであり得る織物に対する個人の触覚感覚応答を意味する。一部の実施形態において、織物の風合は、米国繊維化学者・色彩技術者協会(AATCC test method,“202-2012,Relative Hand Value of Textiles:Instrumental Method”)により与えられるように、相対風合値を測定するためのPHABROMETER(登録商標)システム(Nu Cybertek,Inc.Davis,CAから入手可能)を使用して測定できる。
【0092】
組成物は、液体、ジェル、粉末、親水コロイド、水溶液、顆粒、錠剤、カプセル、単一区画サシェ、複数区画サシェ、単一区画パウチ又は複数区画パウチの形態であり得る。一部の実施形態において、組成物は、液体、ジェル、粉末、単一区画サシェ又は複数区画サシェの形態にある。
【0093】
一部の実施形態において、本明細書に開示した多糖誘導体を含む組成物は、織物ケア組成物の形態であり得る。織物ケア組成物は、手洗い、洗濯機洗浄及び/又は他の目的例えば織物の浸漬及び/又は前処理等の他の目的のために使用できる。織物ケア組成物は、例えば、洗濯用洗剤;織物コンディショナー、任意の洗濯用製品、リンス用製品又は乾燥機添加製品;単位用量又はスプレーの形態を取り得る。液体形態の織物ケア組成物は、水性組成物の形態であり得る。他の実施形態において、織物ケア組成物は、例えば顆粒状洗剤又は乾燥機添加用織物柔軟剤シート等の乾燥形態であり得る。本明細書の織物ケア組成物の他の非限定的な例としては、顆粒状又は粉末状の万能又は重質洗浄剤;液体、ジェル又はペースト形態の万能又は重質洗浄剤;液体又はドライの細(例えば、繊細)繊維用洗剤;例えば漂白用添加物、「ステイン・スティック」又は前処理剤等の洗浄補助剤;基質積載製品、例えばドライワイプ又はウェットワイプ、パッド又はスポンジ;スプレー剤及びミスト剤;水溶性単位用量製品が挙げられる。
【0094】
一部の実施形態において、多糖誘導体を含む組成物は、パーソナルケア製品の形態であり得る。パーソナルケア製品としては、ヘアケア組成物、スキンケア組成物、日焼けケア組成物、ボディクレンザー組成物、口腔ケア組成物、拭き取り布、美容ケア組成物、化粧品組成物、抗真菌組成物及び抗菌組成物が挙げられるが、これらに限定されない。パーソナルケア製品としては、クレンジング、洗浄、保護、堆積、保湿、コンディショニング、閉塞性バリア及び皮膚軟化剤組成物を挙げることができる。
【0095】
本明細書で使用する場合、「パーソナルケア製品」は更に、限定されるものではないが、シャンプー、ボディーローション、シャワージェル、局所保湿剤、練り歯磨き、歯磨きジェル、マウスウォッシュ、マウスリンス、抗プラークリンス及び/又は他の局所クレンザーを含む、髪の毛、肌、頭皮及び歯の洗浄、漂白及び/又は消毒に使用される製品が挙げられる。一部の実施形態において、これらの製品はヒトに利用されているが、他の実施形態においては、これらの製品はヒト以外の動物にも使用されている(例えば、獣医用途)。一態様において、「パーソナルケア製品」としては、ヘアケア製品が挙げられる。ヘアケア製品は、粉末、ペースト、ジェル、液体、油、軟膏、スプレー、発泡体、錠剤、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナーリンス又はこれらの任意の組み合わせの形態であり得る。
【0096】
本明細書に記載された多糖誘導体を含む製品配合物は、任意選択的に水、又は主に水から成る溶液で希釈されて、目的の用途に所望される多糖誘導体濃度を有する配合物を製造し得る。当業者であれば明らかに、選択されたパーソナルケア製品のための所望の多糖誘導体濃度を達成するために反応成分及び/又は希釈量を調節することができる。
【0097】
本明細書に記載されるパーソナルケア組成物は、既知の又はそうでなくともヘアケア若しくはその他のパーソナルケア製品での使用に効果的な1種以上の皮膚科学的又は美容的に許容可能な成分を更に含んでもよいが、ただし、任意成分が本明細書に記載の必須成分と物理的及び化学的に適合性があるか、そうでなければ製品の安定性、審美性、又は性能を過度に損なわないことを条件とする。このような任意成分の非限定的な例は、International Cosmetic Ingredient Dictionary,Ninth Edition,2002,及びCTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Tenth Edition,2004に開示されている。
【0098】
一実施形態において、皮膚科学的に許容される担体は、約10重量%~約99.9重量%又は約50重量%~約95重量%又は約75重量%~約95重量%の皮膚科学的に許容される担体を含み得る。組成物との使用に好適な担体としては、例えば、ヘアスプレー、ムース、トニック、ジェル、皮膚保湿剤、ローション及びリーブオンコンディショナーの配合物で使用されるものを挙げることができる。担体は、水;有機油;シリコーン、例えば、揮発性シリコーン、アミノ又は非アミノのシリコーンガム又は油及びこれらの混合物;鉱油;植物油、例えば、オリーブ油、ヒマシ油、菜種油、ココナツ油、小麦麦芽油、甘扁桃油、アボカド油、マカダミア油、アプリコット油、ベニバナ油、ククイ油、アマナズナ油、タマヌ油、レモン油及びこれらの混合物;ワックス;並びに有機化合物、例えば、C2~C10アルカン、アセトン、メチルエチルケトン、揮発性有機C1~C12アルコール、C1~C20酸及びC1~C8アルコールのエステル(エステルの選択は、ペルヒドロラーゼに対するカルボン酸エステル基質として機能し得るか否かに依存し得るという理解を前提として)、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル及びミリスチン酸イソプロピル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、C10~C30脂肪アルコール、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコール;C10~C30脂肪酸、例えば、ラウリン酸及びステアリン酸;C10~C30脂肪アミド、例えば、ラウリン酸ジエタノールアミド;C10~C30脂肪アルキルエステル、例えば、C10~C30脂肪アルキル安息香酸塩;ヒドロキシプロピルセルロース;並びにこれらの混合物を含むことができる。一実施形態において、担体は、水、脂肪アルコール、揮発性有機アルコール及びこれらの混合物を含む。
【0099】
本明細書に開示した組成物は更に、組成物に所望の粘度を付与する助けとなる、約0.1%~約10%又は約0.2%~約5.0%のゲル化剤を含み得る。好適な任意選択のゲル化剤の非限定的な例としては、架橋カルボン酸ポリマー;非中和型架橋カルボン酸ポリマー;非中和型変性架橋カルボン酸ポリマー;架橋エチレン/無水マレイン酸コポリマー;非中和型架橋エチレン/無水マレイン酸コポリマー(例えば、Monsantoから市販されているEMA81);非中和型架橋アルキルエーテル/アクリル酸コポリマー(例えば、Allied Colloidsから市販されているSALCARE(商標)SC90);ポリアクリル酸ナトリウム、鉱油及びPEG-1 トリデセス-6の非中和型架橋コポリマー(例えば、Allied Colloidsから市販されているSALCARE(商標)SC91);メチルビニルエーテル及び無水マレイン酸の非中和型架橋コポリマー(例えば、International Specialty Productsから市販されているSTABILEZE(商標)QM-PVM/MAコポリマー);疎水変性非イオン性セルロースポリマー;疎水変性エトキシレートウレタンポリマー(例えば、Union Carbideから市販されているアルカリ膨潤性ポリマーのUCARE(商標)Polyphobe Series);並びにこれらの組み合わせが挙げられる。これに関連して、用語「非中和型」は、任意選択のポリマー及びコポリマーゲル化剤材料が非中和型酸モノマーを含有することを意味する。好ましいゲル化剤としては、水溶性非中和型架橋エチレン/無水マレイン酸コポリマー、水溶性非中和型架橋カルボン酸ポリマー、水溶性疎水変性非イオン性セルロースポリマー及び界面活性剤/脂肪アルコールゲルネットワーク、例えば、ヘアコンディショニング製品での使用に好適なもの等が挙げられる。
【0100】
本明細書に記載された多糖誘導体は、限定されないが、ヘアコンディショニング剤等のヘアケア組成物及び製品に組み込むことができる。ヘアコンディショニング剤は当該技術分野において周知であり、例えば、Green et al.(国際公開第0107009号パンフレット)を参照されたく、様々な供給元から市販されている。ヘアコンディショニング剤の好適な例としては、カチオン性ポリマー、例えばカチオン化グアーガム、ジアリル第4級アンモニウム塩/アクリルアミドコポリマー、四級化ポリビニルピロリドン及びその誘導体、並びに種々のポリクオタニウム化合物等;カチオン性界面活性剤、例えば塩化ステアラルコニウム、塩化セントリモニウム及びサパミン塩酸塩等;脂肪アルコール、例えばベヘニルアルコール等;脂肪アミン、例えばステアリルアミン等;ワックス;エステル;非イオン性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール及びポリエチレングリコール等;シリコーン;シロキサン、例えばデカメチルシクロペンタシロキサン等;ポリマーエマルション、例えばアモジメチコン等;並びにナノ粒子、例えばシリカナノ粒子及びポリマーナノ粒子等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0101】
ヘアケア製品は更に、典型的には、美容的に許容可能な媒体中に見出される追加の成分を含み得る。このような成分の非限定的な例は、International Cosmetic Ingredient Dictionary,Ninth Edition,2002及びCTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Tenth Edition,2004に開示されている。更に、ヘアケアのための美容的に許容可能な媒体中に含まれることが多い成分の非限定的なリストは、Philippe et al.により米国特許第6,280,747号明細書において及びOmura et al.により同第6,139,851号明細書において及びCannell et al.により同第6,013,250号明細書において記載されており、これらは全て、参照により本明細書に組み込まれる。例えば、ヘアケア組成物は水溶液、アルコール溶液、又は水性アルコール溶液であってよく、水性アルコール溶液の場合、好ましくは、アルコールは全重量に対して約1~約75重量%の比率のエタノール又はイソプロパノールである。更に、ヘアケア組成物は、酸化防止剤、保存剤、充填剤、界面活性剤、UVA及び/又はUVB日焼け止め、香料、増粘剤、ゲル化剤、湿潤剤及びアニオン性、非イオン性又は両性ポリマー並びに染料又は顔料を含むがこれらに限定されない、1種以上の従来の化粧品又は皮膚科用添加剤又は補助剤を含有し得る。
【0102】
ヘアケア組成物及び方法は更に、毛髪、皮膚又は爪の色を変化させるために使用され得る任意の染料、レーキ、顔料等の少なくとも1種のカラーリング剤を含み得る。ヘアカラーリング剤は当該技術分野において周知であり(例えば、Green et al.上記、CFTA International Color Handbook,2nd ed.,Micelle Press,England(1992)及びCosmetic Handbook,US Food and Drug Administration,FDA/IAS Booklet(1992)を参照)、様々な供給元(例えば、Bayer,Pittsburgh,PA;Ciba-Geigy,Tarrytown,NY;ICI,Bridgewater,NJ;Sandoz,Vienna,Austria;BASF,Mount Olive,NJ;及びHoechst,Frankfurt,Germany)から市販されている。好適なヘアカラーリング剤としては、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール、4-アミノ-3-ニトロフェノール、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、2-ニトロ-パラフェニレンジアミン、N,N-ヒドロキシエチル-2-ニトロ-フェニレンジアミン、4-ニトロ-インドール、Henna、HC Blue 1、HC Blue 2、HC Yellow 4、HC Red 3、HC Red 5、Disperse Violet 4、Disperse Black 9、HC Blue 7、HC Blue 12、HC Yellow 2、HC Yellow 6、HC Yellow 8、HC Yellow 12、HC Brown 2、D&C Yellow 1、D&C Yellow 3、D&C Blue 1、Disperse Blue 3、Disperse violet 1、エオシン誘導体、例えばD&C Red No.21等及びハロゲン化フルオレセイン誘導体、例えばD&C Red No.27、D&C Orange No.10と組み合わせたD&C Red Orange No.5及びD&C Red No.21等の染料;並びに例えばD&C Red No.36及びD&C Orange No.17、D&C Red Nos.7、11、31及び34のカルシウムレーキ、D&C Red No.12のバリウムレーキ、D&C Red No.13のストロンチウムレーキ、FD&C Yellow No.5、FD&C Yellow No.6、D&C Red No.27、D&C Red No.21及びFD&C Blue No.1のアルミニウムレーキ、酸化鉄、マンガンバイオレット、酸化クロム、二酸化チタン、二酸化チタンナノ粒子、酸化亜鉛、酸化バリウム、ウルトラマリンブルー、クエン酸ビスマス並びにカーボンブラック粒子等の顔料が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、ヘアカラーリング剤は、D&C Yellow 1及び3、HC Yellow 6及び8、D&C Blue 1、HC Blue 1、HC Brown 2、HC Red 5、2-ニトロ-パラフェニレンジアミン、N,N-ヒドロキシエチル-2-ニトロ-フェニレンジアミン、4-ニトロ-インドール並びにカーボンブラックである。金属及び半導体ナノ粒子も更に、その強力な発光のためにヘアカラーリング剤として使用され得る(米国特許出願公開第2004-0010864号明細書(Vic et al.))。
【0103】
ヘアケア組成物としては、シャンプー、コンディショナー、ローション、エアロゾル、ジェル、ムース及び毛髪染料が挙げることができるが、これらに限定されない。
【0104】
パーソナルケア製品は、ローション、クリーム、ペースト、バーム、軟膏、ポマード、ジェル、リキッド又はこれらの組み合わせの形態にあってよい。パーソナルケア製品は更に、例えば、メーキャップ、リップスティック、マスカラ、ルージュ、ファンデーション、ブラシ、アイライナー、リップライナー、リップグロス、他の化粧品、サンスクリーン、サンブロック、マニキュア、ムース、ヘアスプレー、スタイリングジェル、ネイルコンディショナー、バスジェル、シャワージェル、ボディソープ、洗顔料、シャンプー、ヘアコンディショナー(リーブオン又はリンスアウト)、クリームリンス、毛髪染料、ヘアカラーリング製品、ヘアシャイン製品、ヘアセラム、毛髪縮れ防止製品、毛髪枝毛修復製品、リップバーム、スキンコンディショナー、コールドクリーム、保湿剤、ボディースプレー、石鹸、ボディスクラブ、剥離剤、収れん剤、スクラッフィングローション、脱毛剤、パーマネント液、ふけ防止配合物、制汗組成物、デオドラント、シェービング製品、プレシェーブ製品、アフターシェーブ製品、クレンジング剤、スキンジェル、リンス、歯磨き組成物、練り歯磨き又はマウスウォッシュの形態であり得る。
【0105】
パーソナルケア製品は、本明細書で開示したような多糖誘導体を含むことができ、サンスクリーン剤、保湿剤、湿潤剤、毛髪、皮膚、爪及び口に有益な剤、付着剤、例えば、界面活性剤、閉塞剤、水分バリア、潤滑剤、皮膚軟化剤、抗老化剤、帯電防止剤、研磨剤、抗菌剤、コンディショナー、剥離剤、芳香剤、粘性化剤、塩、脂質、リン脂質、ビタミン、気泡安定剤、pH調整剤、防腐剤、懸濁化剤、シリコーンオイル、シリコーン誘導体類、精油、油、脂肪、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール、ワックス、ポリオール、炭化水素及びこれらの混合物を含む、パーソナルケア活性成分材料を更に含み得る。活性成分は、一般に、意図した薬理学的効果を引き起こす成分であると認識されている。
【0106】
特定の実施形態において、スキンケア製品は、化粧効果をもたらしながら、皮膚疾患を治療若しくは予防するため、又は皮膚に保湿効果をもたらすための少なくとも1種の活性成分、例えば、酸化亜鉛、ワセリン、白色ワセリン、鉱油、タラ肝油、ラノリン、ジメチコン、硬質脂肪、ビタミンA、アラントイン、カラミン、カオリン、グリセリン、若しくはコロイド状オートミール及びこれらの組み合わせを含み得る。スキンケア製品は、1種以上の天然保湿要素、例えば、セラミド、ヒアルロン酸、グリセリン、スクアラン、アミノ酸、コレステロール、脂肪酸、トリグリセリド、リン脂質、グリコスフィンゴ脂質、ウレア、リノール酸、グリコサミノグリカン、ムコ多糖、乳酸ナトリウム、又はピロリドンカルボン酸ナトリウムを含み得る。スキンケア製品に含まれ得る他の成分としては、限定されるものではないが、グリセリド、杏仁油、キャノーラ油、スクアラン、スクアレン、ココナツ油、コーン油、ホホバ油、ホホバワックス、レシチン、オリーブ油、ベニバナ油、ゴマ油、シアバター、大豆油、甘扁桃油、ヒマワリ油、ティーツリー油、シアバター、パーム油、コレステロール、コレステロールエステル、ワックスエステル、脂肪酸及びオレンジ油が挙げられる。
【0107】
本明細書に開示したパーソナルケア組成物は、口腔ケア組成物の形態であり得る。口腔ケア組成物の例としては、何らかの形態の口腔ケア(例えば、虫歯[う蝕]、歯肉炎、歯垢、歯石及び/又は歯周疾患の治療又は予防)を提供する歯磨き剤、練り歯磨き、洗口液、口内洗浄剤、チューインガム及び可食ストリップが挙げられる。口腔ケア組成物は、舌の表面、硬口蓋若しくは軟口蓋、頬粘膜、歯肉及び歯表面等を含む口腔内の柔らかい又は硬い表面を全て包含する「口腔面」の治療に用いることもできる。本明細書では、「歯表面」は、例えば、天然歯の表面又はクラウン、キャップ、詰め物、ブリッジ、義歯、若しくは歯科用インプラント等の人工歯の硬質表面である。
【0108】
口腔ケア組成物に含まれる1種以上の多糖誘導体は、典型的には組成物に増粘剤及び/又は分散剤として提供されるが、それらは、組成物に所望の稠度及び/又は口当たりを付与するのに有用であり得る。本明細書の口腔ケア組成物は、約0.01~15.0重量%(例えば、約0.1~10重量%又は約0.1~5.0重量%、約0.1~2.0重量%)の本明細書に開示した1種以上の多糖誘導体を含み得る。本明細書の口腔ケア組成物には、例えば、カルボキシビニルポリマー、カラギーナン(例えば、L-カラギーナン)、天然ゴム(例えば、カラヤ、キサンタン、アラビアゴム、トラガカント)、コロイド状ケイ酸アルミニウムマグネシウム又はコロイドシリカ等の1種以上の他の増粘剤又は分散剤も又提供することができる。
【0109】
本明細書の口腔ケア組成物は、例えば、練り歯磨き又は他の歯磨き剤であり得る。本明細書のこのような組成物及び他の任意の口腔ケア組成物は、限定はされないが、追加して虫歯予防薬、抗微生物剤若しくは抗菌剤、抗歯石剤若しくは歯石防止剤、界面活性剤、研磨剤、pH調節剤、起泡調節剤、保湿剤、香味剤、甘味料、顔料/着色料、増白剤及び/又は他の好適な成分の1種以上を含み得る。
【0110】
本明細書の虫歯予防薬は、経口的に許容されるフッ化物イオン源であり得る。好適なフッ化物イオン源としては、例えば、フッ素化合物、モノフルオロリン酸塩及びフルオロケイ酸塩並びにオラフルル(N’-オクタデシルトリメチレンジアミン-N,N,N’-トリス(2-エタノール)-ジヒドロフルオリド)を含むアミンフッ化物が挙げられる。虫歯予防薬は、例えば、組成物に全体で約100~20000ppm、約200~5000ppm又は約500~2500ppmのフッ化物イオンを与える量で存在し得る。フッ化ナトリウムがフッ化物イオンの単独源である場合の口腔ケア組成物では、例えば、約0.01~5.0重量%、約0.05~1.0重量%又は約0.1~0.5重量%の量のフッ化ナトリウムが組成物中に存在し得る。
【0111】
本明細書の口腔ケア組成物の使用に好適な抗微生物剤又は抗菌剤としては、例えば、フェノール化合物(例えば、4-アリルカテコール;ベンジルパラベン、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン及びプロピルパラベン等のp-ヒドロキシ安息香酸エステル;2-ベンジルフェノール;ブチル化ヒドロキシアニソール;ブチル化ヒドロキシトルエン;カプサイシンン;カルバクロール;クレオソール;オイゲノール;グアイアコール;ヘキサクロロフェン及びブロモクロロフェン等のハロゲン化ビスフェノール;4-ヘキシルレゾルシノール、8-ヒドロキシキノリン及びその塩、サリチル酸メンチル、サリチル酸メチル及びサリチル酸フェニル等のサリチル酸エステル;フェノール;ピロカテコール;サリチルアニリド;チモール;トリクロサン及びトリクロサン一リン酸等のハロゲン化ジフェニルエーテル化合物)、銅(II)化合物(例えば、塩化銅(II)、フッ化物、硫酸塩及び水酸化物)、亜鉛イオン源(例えば、亜鉛酢酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、グリシン酸塩、酸化物及び硫酸塩)、フタル酸及びその塩(例えば、フタル酸マグネシウム一カリウム)、ヘキセチジン、オクテニジン、サンギナリン、塩化ベンザルコニウム、臭化ドミフェン、塩化アルキルピリジニウム(例えば、塩化セチルピリジニウム、塩化テトラデシルピリジニウム、塩化N-テトラデシル-4-エチルピリジニウム)、ヨウ素、スルホンアミド、ビスビグアニド(例えば、アレキシジン、クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン)、ピペリジン誘導体(例えば、デルモピノール、オクタピノール)、マグノリア抽出物、グレープシード抽出物、ローズマリー抽出物、メンソール、ゲラニオール、シトラール、オイカリプトール、抗生物質(例えば、オウグメンチン、アモキシリン、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、メトロニダゾール、ネオマイシン、カナマイシン、クリンダマイシン)及び/又は米国特許第5776435号明細書(参照により本明細書に組み込まれる)に開示された抗菌剤が挙げられる。1種以上の抗微生物剤は、任意選択的に、開示した口腔ケア組成物中において、例えば約0.01~10重量%(例えば、0.1~3重量%)で存在し得る。
【0112】
本明細書の口腔ケア組成物の使用に好適な抗歯石剤又は歯石防止剤としては、例えば、リン酸塩及びポリリン酸塩(例えば、ピロリン酸塩)、ポリアミノプロパンスルホン酸(AMPS)、クエン酸亜鉛三水和物、ポリペプチド(例えば、ポリアスパラギン酸及びポリグルタミン酸)、ポリオレフィンスルホン酸塩、ポリオレフィンリン酸塩、ジホスホン酸塩(例えば、アザシクロヘプタン-2,2-ジホスホン酸等のアザシクロアルカン-2,2-ジホスホン酸塩)、N-メチルアザシクロペンタン-2,3-ジホスホン酸、エタン-1-ヒドロキシ-1,1-ジホスホン酸(EHDP)、エタン-1-アミノ-1,1-ジホスホン酸塩並びに/又はホスホノアルカンカルボン酸及びその塩(例えば、そのアルカリ金属塩及びアンモニウム塩)が挙げられる。有用な無機リン酸塩及びポリリン酸塩としては、例えば、一塩基性、二塩基性及び三塩基性リン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸塩、ピロリン酸一ナトリウム、二ナトリウム、三ナトリウム及び四ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、三メタリン酸ナトリウム、六メタリン酸ナトリウム又はこれらのナトリウムがカリウム若しくはアンモニウムで置換されたものが挙げられる。特定の実施形態における他の有用な抗歯石剤としては、アニオン性ポリカルボン酸塩ポリマー(例えば、ポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸コポリマー等のアクリル酸、メタクリル酸及び無水マレイン酸のポリマー又はコポリマー)が挙げられる。更に他の有用な抗歯石剤としては、ヒドロキシカルボン酸等の金属イオン封鎖剤(例えば、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸及びシュウ酸並びにそれらの塩)及びアミノポリカルボン酸(例えば、EDTA)が挙げられる。1種以上の抗歯石剤又は歯石防止剤は、開示した口腔ケア組成物中において、任意選択的に例えば約0.01~50重量%(例えば、約0.05~25重量%又は約0.1~15重量%)で存在し得る。
【0113】
本明細書の口腔ケア組成物での使用に好適な界面活性剤は、例えば、アニオン性、非イオン性又は両性であり得る。好適なアニオン性界面活性剤としては、限定はされないが、C8~20アルキル硫酸塩の水溶性塩、C8~20脂肪酸のスルホン化モノグリセリド、サルコシン酸塩及びタウリン酸塩が挙げられる。アニオン性界面活性剤の例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ヤシ油モノグリセリドスルホン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルイセチオン酸ナトリウム、ラウレスカルボン酸ナトリウム及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤としては、限定はされないが、ポロキサマー、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、脂肪アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、第三級アミン酸化物、第三級ホスフィン酸化物及びジアルキルスルホキシドが挙げられる。好適な両性界面活性剤としては、限定はされないが、カルボン酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩又はホスホン酸塩等のアニオン基を有する、C8~20の第二級及び第三級脂肪族アミンの誘導体が挙げられる。好適な両性界面活性剤の一例は、ココアミドプロピルベタインである。1種以上の界面活性剤は、開示した口腔ケア組成物中において、任意選択的に例えば約0.01~10重量%(例えば、約0.05~5.0重量%又は約0.1~2.0重量%)の総量で存在する。
【0114】
本明細書の口腔ケア組成物中での使用に好適な研磨剤としては、例えば、シリカ(例えば、シリカゲル、ケイ酸、沈降シリカ)、アルミナ、不溶性リン酸塩、炭酸カルシウム及び樹脂研磨剤(例えば、尿素-ホルムアルデヒド縮合生成物)を挙げ得る。本明細書の研磨剤として有用な不溶性リン酸塩の例は、オルトリン酸塩、ポリメタリン酸塩及びピロリン酸塩であり、オルトリン酸二カルシウム二水和物、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸β-カルシウム、リン酸三カルシウム、ポリメタリン酸カルシウム及び不溶性ポリメタリン酸ナトリウムである。1種以上の研磨剤は、開示した口腔ケア組成物中において、任意選択的に例えば約5~70重量%(例えば、約10~56重量%又は約15~30重量%)の総量で存在する。特定の実施形態における研磨剤の平均粒径は、約0.1~30μ(例えば、約1~20μ又は約5~15μ)である。
【0115】
特定の実施形態における口腔ケア組成物は、少なくとも1種のpH調節剤を含み得る。このような剤は、約2~10のpH範囲(例えば、約2~8、3~9、4~8、5~7、6~10又は7~9のpH範囲)に組成物のpHを酸性化する、より塩基性にする又は緩衝するために選択され得る。本明細書で有用なpH調節剤の例としては、限定はされないが、カルボン酸、ホスホン酸及びスルホン酸;酸塩(例えば、クエン酸一ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、マレイン酸一ナトリウム);アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩、セスキ炭酸塩);ホウ酸塩;ケイ酸塩;リン酸塩(例えば、リン酸一ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸塩);及びイミダゾールが挙げられる。
【0116】
本明細書の口腔ケア組成物での使用に好適な起泡調節剤は、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)であり得る。例えば、約200000~7000000(例えば、約500000~5000000又は約1000000~2500000)の平均分子量を有するPEGを含む高分子量PEGが好適である。1種以上のPEGは、任意選択的に、開示した口腔ケア組成物中において、例えば約0.1~10重量%(例えば、約0.2~5.0重量%又は約0.25~2.0重量%)の総量で存在する。
【0117】
特定の実施形態における口腔ケア組成物は、少なくとも1種の保湿剤を含み得る。特定の実施形態における保湿剤は、グリセリン、ソルビトール、キシリトール又は低分子量PEG等の多価アルコールであり得る。最も好適な保湿剤は、本明細書の甘味料としても機能し得る。1種以上の保湿剤は、任意選択的に、本明細書に開示した口腔ケア組成物中において、例えば約1.0~70重量%(例えば、約1.0~50重量%、約2~25重量%又は約5~15重量%)の総量で存在する。
【0118】
天然又は人工甘味料は、本明細書の口腔ケア組成物中に任意選択的に含まれ得る。好適な甘味料の例としては、デキストロース、スクロース、マルトース、デキストリン、転化糖、マンノース、キシロース、リボース、フルクトース、レブロース、ガラクトース、コーンシロップ(例えば、高フルクトースコーンシロップ又は固形コーンシロップ)、部分加水分解デンプン、水素化デンプン加水分解物、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、イソマルト、アスパルテーム、ネオテーム、サッカリン及びその塩、ジペプチドをベースとする強力甘味料並びにシクラミン酸塩が挙げられる。1種以上の甘味料は、任意選択的に、本明細書に開示した口腔ケア組成物中において、例えば約0.005~5.0重量%の総量で存在する。
【0119】
本明細書の口腔ケア組成物中においては、任意選択的に天然又は人工香味剤が含まれ得る。好適な香味剤の例としては、バニリン;セージ;マジョラム;オランダセリ油;スペアミント油;シナモン油;冬緑油(サリチル酸メチル);ペパーミント油;チョウジ油;ベイ油;アニス油;ユーカリ油;カンキツ油;果実油;レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、アンズ、バナナ、ブドウ、リンゴ、イチゴ、サクランボ又はパイナップル等に由来する精油;コーヒー、ココア、コーラ、ピーナッツ又はアーモンド等のマメ又はナッツに由来する香味料;並びに吸着及びカプセル封入香味剤が挙げられる。更に本明細書の香味剤に包含されるのは、清涼又は温熱効果等を含む、口中に芳香及び/又は他の感覚効果を与える成分である。このような成分としては、限定はされないが、メンソール、酢酸メンチル、乳酸メンチル、樟脳、ユーカリ油、オイカリプトール、アネトール、オイゲノール、カッシア、オキサノン、Irisone(登録商標)、プロペニルグアエトール、チモール、リナロール、ベンズアルデヒド、桂皮アルデヒド、N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミン、N,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタンアミド、3-(1-メントキシ)-プロパン-1,2-ジオール、桂皮アルデヒドグリセロールアセタール(CGA)及びメントングリセロールアセタール(MGA)が挙げられる。1種以上の香味剤は、任意選択的に、本明細書に開示した口腔ケア組成物中において、例えば約0.01~5.0重量%(例えば、約0.1~2.5重量%)の総量で存在する。
【0120】
特定の実施形態における口腔ケア組成物は、少なくとも1種の重炭酸塩を含み得る。例えば、重炭酸ナトリウム又は重炭酸カリウム等の重炭酸アルカリ金属塩及び重炭酸アンモニウムを含む、経口的に許容される任意の重炭酸塩を使用することができる。1種以上の重炭酸塩は、任意選択的に、本明細書に開示した口腔ケア組成物中において、例えば約0.1~50重量%(例えば、約1~20重量%)の総量で存在する。
【0121】
特定の実施形態における口腔ケア組成物は、少なくとも1種の増白剤及び/又は着色料を含み得る。好適な増白剤は、米国特許第8540971号明細書に開示されているもの等の過酸化物であり、これは、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書の好適な着色料としては、例えば、顔料、染料、レーキ及びパール剤等の特定の光沢又は反射率を付与する化学物質が挙げられる。本明細書の有用な着色料の具体例としては、タルク;マイカ;炭酸マグネシウム;炭酸カルシウム;ケイ酸マグネシウム;ケイ酸アルミニウムマグネシウム;シリカ;二酸化チタン;酸化亜鉛;赤色、黄色、褐色及び黒色酸化鉄;第二鉄アンモニウムフェロシアン化合物;マンガンバイオレット;ウルトラマリン;チタン化マイカ;並びにオキシ塩化ビスマスが挙げられる。1種以上の着色剤は、任意選択的に、本明細書に開示した口腔ケア組成物中において、例えば約0.001~20重量%(例えば、約0.01~10重量%又は約0.1~5.0重量%)の総量で存在する。
【0122】
本明細書の口腔ケア組成物中に任意選択的に含まれ得る更なる成分としては、例えば、1種以上の(上記の)酵素、ビタミン類及び抗接着剤が挙げられる。本明細書で有用なビタミン類の例としては、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB5及び葉酸が挙げられる。好適な抗接着剤の例としては、ソルブロール、フィシン及びクオラムセンシング阻害剤が挙げられる。
【0123】
組成物は、例えば、粉末、顆粒、ペースト、バー、単位用量又は液体等の任意の有用な形態であり得る。
【0124】
単位用量の形態は、水溶性であってよく、例えば、水溶性フィルムと液体若しくは固体の洗剤組成物とを含む水溶性単位用量物品は、パウチとも称される。水溶性単位用量パウチは、少なくとも1つの区画内に液体若しくは固体の洗剤組成物を完全に封入する水溶性フィルムを備える。水溶性単位用量物品は、単一区画、又は複数区画を備え得る。水溶性単位用量物品は、少なくとも2つの区画又は少なくとも3つの区画を備え得る。これらの区画は、重ね合わせる向き又は横並びの向きに配置され得る。
【0125】
単位用量物品は、典型的には、液体若しくは固体の洗濯洗剤組成物を含む内容積を囲む水溶性フィルムで製造された密閉構造である。パウチは、組成物を、例えば、パウチからの組成物を、パウチが水に接触する前に解放させることなく、保持及び保護するために好適な任意の形態及び形状であり得る。
【0126】
液体洗剤組成物は水性であってよく、典型的には、最大約70重量%の水と0重量%~約30重量%の有機溶媒とを含有する。それは更に、30重量%以下の水を含有するコンパクトジェルタイプの形態であってもよい。
【0127】
a)少なくとも1つの硫酸基、b)少なくとも1つのスルホン酸基、c)少なくとも1つのチオ硫酸基;又はd)それらの組み合わせで置換された多糖を含む多糖誘導体であって、ここで多糖が、ポリα-1,3-グルカン、ポリα-1,6-グルカン、ポリα-1,3-1,6-グルカン、又はそれらの組み合わせである多糖誘導体は、所望の製品中の成分として使用することができるか、又は1種以上の追加の好適な成分とブレンドして、例えば、工業用製品、家庭用製品、織物ケア用途、洗濯ケア用途及び/又はパーソナルケア用途として使用することができる。開示された組成物の何れか、例えば、工業用製品、家庭用製品、織物ケア、洗濯ケア又はパーソナルケア組成物は、組成物の総乾燥重量に基づいて(乾燥固形分ベースで)、0.01~99重量%の範囲内の多糖誘導体を含み得る。用語「総乾燥重量」は、任意の溶媒、例えば存在し得る任意の水を除いた組成物の重量を意味する。他の実施形態において、組成物は、0.1~10重量%又は0.1~9重量%又は0.5~8重量%又は1~7重量%又は1~6重量%又は1~5重量%又は1~4重量%又は1~3重量%又は5~10重量%又は10~15重量%又は15~20重量%又は20~25重量%又は25~30重量%又は30~35重量%又は35~40重量%又は40~45重量%又は45~50重量%又は50~55重量%又は55~60重量%又は60~65重量%又は65~70重量%又は70~75重量%又は75~80重量%又は80~85重量%又は85~90重量%又は90~95重量%又は95~99重量%の多糖誘導体を含み、ここで、重量パーセントは、組成物の総乾燥重量に基づく。
【0128】
組成物は、界面活性剤、酵素、洗剤ビルダー、錯化剤、ポリマー、汚れ放出ポリマー、界面活性増強ポリマー、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、織物コンディショナー、粘土、起泡増進剤、泡抑制剤、腐食防止剤、汚れ懸濁化剤、汚れ再付着防止剤、染料、殺菌剤、曇り防止剤、蛍光増白剤、香料、飽和若しくは不飽和脂肪酸、移染防止剤、キレート剤、色相染料、カルシウムカチオン、マグネシウムカチオン、視覚信号成分、消泡剤、構造化剤、増粘剤、固化防止剤、デンプン、砂、ゲル化剤又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを更に含み得る。一実施形態において、酵素はセルラーゼである。別の実施形態において、酵素はプロテアーゼである。更に別の実施形態において、酵素はアミラーゼである。更なる実施形態において、酵素はリパーゼである。
【0129】
組成物は、例えば、織物ケア、洗濯ケア及び/又はパーソナルケアのために有用な洗剤組成物であり得、及び1種以上の活性酵素を更に含有し得る。好適な酵素の非限定的な例としては、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、脂肪分解酵素(例えば、金属脂肪分解酵素)、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ(例えば、アリールエステラーゼ、ポリエステラーゼ)、ペルヒドロラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、マンナナーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ(例えば、コリンオキシダーゼ)、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β-グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、メタロプロテイナーゼ、アマドリアーゼ、グルコアミラーゼ、アラビノフラノシダーゼ、フィターゼ、イソメラーゼ、トランスフェラーゼ、アミラーゼ又はこれらの組み合わせが挙げられる。酵素が含まれる場合、酵素は、組成物の総重量に基づいて、約0.0001~0.1重量%の活性酵素で組成物中に存在し得る。他の実施形態において、酵素は、組成物の総重量に基づいて(例えば、純粋酵素タンパク質として計算して)、約0.01~0.03重量%の活性酵素で存在し得る。一部の実施形態において、組成物中では2種以上の酵素の組み合わせを使用することができる。一部の実施形態において、2種以上の酵素は、セルラーゼ及び、プロテアーゼ、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、脂肪分解酵素、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、ペルヒドロラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、マンナナーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β-グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、メタロプロテイナーゼ、アマドリアーゼ、グルコアミラーゼ、アラビノフラノシダーゼ、フィターゼ、イソメラーゼ、トランスフェラーゼ、アミラーゼ又はこれらの組み合わせのうちの1種以上である。
【0130】
一部の実施形態において、組成物は、各酵素が、組成物の総重量に基づいて、約0.00001重量%~約10重量%で存在する1種以上の酵素を含み得る。一部の実施形態において、組成物は更に、組成物の総重量に基づいて、約0.0001重量%~約10重量%、約0.001重量%~約5重量%、約0.001重量%~約2重量%又は約0.005重量%~約0.5重量%の濃度で各酵素を含み得る。
【0131】
セルラーゼは、エンドセルラーゼ活性(EC3.2.1.4)、エキソセルラーゼ活性(EC3.2.1.91)又はセロビアーゼ活性(EC3.2.1.21)を有し得る。セルラーゼは、セルラーゼ活性を維持するための好適な条件下で活性を有する「活性セルラーゼ」である;このような好適な条件を決定することは、当該技術分野の範囲内である。セルロースを分解できることに加えて、特定の実施形態におけるセルラーゼは、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエーテル誘導体を又分解することができる。
【0132】
セルラーゼは、細菌又は真菌等の任意の微生物源由来であり得る。化学変性されたセルラーゼ又はタンパク質工学により産出された突然変異体セルラーゼが含まれる。好適なセルラーゼとしては、例えば、バチルス(Bacillus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ストレプトミセス(Streptomyces)属、トリコデルマ(Trichoderma)属、フミコーラ(Humicola)属、フザリウム(Fusarium)属、チエラビア(Thielavia)属及びアクレモニウム(Acremonium)属からのセルラーゼが挙げられる。他の例として、セルラーゼは、フミコーラ・インソレンス(Humicola insolens)、マイセリオフトラ・サーモフィレ(Myceliophthora thermophile)、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、トリコデルマ・リーセイ(Trichoderma reesei)、又はこれらの組み合わせから誘導され得る。前述の何れか等のセルラーゼは、N末端シグナルペプチドが欠損している成熟型であり得る。本明細書で有用である市販のセルラーゼとしては、CELLUSOFT(登録商標)、CELLUCLEAN(登録商標)、CELLUZYME(登録商標)及びCAREZYME(登録商標)(Novozymes A/S);CLAZINASE(登録商標)及びPURADAX(登録商標)HA及びREVITALENZ(商標)(DuPont Industrial Biosciences)、BIOTOUCH(登録商標)(AB Enzymes);並びにKAC-500(B)(登録商標)(花王株式会社)が挙げられる。
【0133】
又は、本明細書のセルラーゼは、当該技術分野で公知の任意の手段によって製造され得、例えば、セルラーゼは、微生物又は真菌異種発現系等の異種発現系で組み換えにより製造され得る。異種発現系の例としては、細菌(例えば、大腸菌(E.coli)、バチルス種(Bacillus sp.))及び真核細胞系が挙げられる。真核細胞系は、例えば、酵母(例えば、ピチア種(Pichia sp.)、サッカロミセス種(Saccharomyces sp.))又は真菌(例えば、T.リーゼイ(T.reesei)等のトリコデルマ種(Trichoderma sp.)、A.ニガー(A.niger)等のアスペルギルス種(Aspergillus sp.))発現系を用いることができる。
【0134】
特定の実施形態におけるセルラーゼは、熱安定性であり得る。セルラーゼ熱安定性は、ある時間(例えば、約30~60分間)に渡る高温(例えば、約60~70℃)への曝露後に酵素が活性を保持する能力を意味する。セルラーゼの熱安定性は、その時間中に規定条件下でセルラーゼ活性の半分が失われる分、時間又は日単位で与えられるその半減期(t1/2)によって測定することができる。
【0135】
特定の実施形態におけるセルラーゼは、広範囲内のpH値(例えば、約7.0~約11.0等の中性又はアルカリ性pH)まで安定であり得る。このような酵素は、このようなpH条件下で、所定の期間(例えば、少なくとも約15分、30分、又は1時間)安定を維持し得る。
【0136】
少なくとも1つ、2つ又はそれを超えるセルラーゼが、組成物中に含まれ得る。本明細書の組成物中のセルラーゼの総量は、典型的には、組成物中にセルラーゼを使用する目的に好適な量(「有効量」)である。例えば、セルロース含有織物の感触及び/又は外観を改善することを目的とした組成物中の有効量のセルラーゼは、織物の感触に測定可能な改善をもたらす(例えば、織物の滑らかさ及び/又は外観を改善し、織物の外観の鮮明さを低下させがちな毛玉及び小繊維を除去する)量である。別の例として、本明細書の織物ストーンウォッシュ組成物中の有効量のセルラーゼは、所望の効果(例えば、継ぎ目及び織物パネルに磨耗及び色褪せた外観を生じさせるため)を提供する量である。本明細書の組成物中のセルラーゼの量は、例えば、組成物が使用されるプロセスパラメーター(例えば、機器、温度、時間等)及びセルラーゼ活性にも依存し得る。織物が処理される水溶性組成物中のセルラーゼの有効濃度は、当業者が容易に決定することができる。織物ケア加工では、セルラーゼは、その中で織物が処理される水性組成物(例えば、洗浄液)中に、最少約0.01~0.1ppmの全セルラーゼタンパク質、又は約0.1~10ppb(例えば、1ppm未満)の全セルラーゼタンパク質から最大約100、200、500、1,000、2,000、3,000、4,000若しくは5,000ppmの全セルラーゼタンパク質の濃度で存在してよい。
【0137】
好適な酵素は、当該技術分野において公知であり、例えば、MAXATASE(登録商標)、MAXACAL(商標)、MAXAPEM(商標)、OPTICLEAN(登録商標)、OPTIMASE(登録商標)、PROPERASE(登録商標)、PURAFECT(登録商標)、PURAFECT(登録商標)OXP、PURAMAX(商標)、EXCELLASE(商標)、PREFERENZ(商標)プロテアーゼ(例えば、P100、P110、P280)、EFFECTENZ(商標)プロテアーゼ(例えば、P1000、P1050、P2000)、EXCELLENZ(商標)プロテアーゼ(例えば、P1000)、ULTIMASE(登録商標)及びPURAFAST(商標)(Genencor);ALCALASE(登録商標)、SAVINASE(登録商標)、PRIMASE(登録商標)、DURAZYM(商標)、POLARZYME(登録商標)、OVOZYME(登録商標)、KANNASE(登録商標)、LIQUANASE(登録商標)、NEUTRASE(登録商標)、RELASE(登録商標)及びESPERASE(登録商標)(Novozymes);BLAP(商標)及びBLAP(商標)変異体(Henkel Kommanditgesellschaft auf Aktien,Duesseldorf,Germany)及びKAP(B.アルカロフィルス(B.alkalophilus)サブチリシン;花王株式会社、日本国、東京)プロテアーゼ;MANNASTAR(登録商標)、PURABRITE(商標)及びMANNAWAY(登録商標)マンナーゼ;M1 LIPASE(商標)、LUMA FAST(商標)及びLIPOMAX(商標)(Genencor);LIPEX(登録商標)、LIPOLASE(登録商標)及びLIPOLASE(登録商標)ULTRA(Novozymes);並びにLIPASE P(商標)「Amano」(天野製薬株式会社、日本)リパーゼ;STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、NATALASE(登録商標)、DURAMYL(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、TERMAMYL ULTRA(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)及びBAN(商標)(Novo Nordisk A/S及びNovozymes A/S);RAPIDASE(登録商標)、POWERASE(登録商標)、PURASTAR(登録商標)及びPREFERENZ(商標)(DuPont Industrial Biosciences)アミラーゼ;GUARDZYME(商標)(Novo Nordisk A/S及びNovozymes A/S)ペルオキシダーゼ又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0138】
一部の実施形態において、組成物中の酵素は、従来の安定化剤、例えば、プロピレングリコール又はグリセロール等のポリオール;糖又は糖アルコール;乳酸;ホウ酸又はホウ酸誘導体(例えば、芳香族ホウ酸エステル)を使用して安定化することができる。
【0139】
本明細書において、洗剤組成物は、典型的には、1種以上の界面活性剤を含み、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤及びこれらの混合物から選択される。界面活性剤は、石油由来(合成とも称される)でも非石油由来(天然とも称される)であってもよい。一部の実施形態において、界面活性剤は、洗浄組成物の約0.1重量%~約60重量%の濃度で存在し、代替実施形態において、濃度は約1重量%~約50重量%であり、更に別の実施形態において、濃度は約5重量%~約40重量%である。洗剤は、通常は0重量%~約50重量%のアニオン性界面活性剤、例えば直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、α-オレフィンスルホン酸塩(AOS)、アルキル硫酸塩(脂肪族アルコール硫酸塩)(AS)、アルコールエトキシ硫酸塩(AEOS又はAES)、第二級アルカンスルホン酸塩(SAS)、α-スルホ脂肪酸メチルエステル、アルキル若しくはアルケニルコハク酸又は石鹸等を含有するであろう。
【0140】
洗剤組成物は、式R1-(OCH2CH2)x-O-SO3M[式中、R1は、非石油由来の、約C8~約C20の偶数の炭素鎖長から成る直鎖又は分枝鎖脂肪族アルコールであり、xは、約0.5~約8であり、Mはアルカリ金属又はアンモニウムカチオンである]のアルコールエトキシ硫酸塩を含み得る。アルコールエトキシ硫酸塩の脂肪族アルコール部分(R1)は、地質学的に誘導される(例えば、石油由来)のではなく、再生可能資源(例えば、動物又は植物由来)から誘導される。再生可能資源から誘導される脂肪族アルコールは、天然脂肪族アルコールと呼ぶことができる。天然脂肪族アルコールは、末端炭素に結合した単一のアルコール(-OH)と共に偶数個の炭素原子を有する。界面活性剤(R1)の脂肪アルコール部分は、偶数の炭素鎖、例えば、C12、C14、C16、C18等々の分布を含み得る。
【0141】
加えて、洗剤組成物は、任意選択的に0重量%~約40重量%の非イオン性界面活性剤、例えば、アルコールエトキシレート(AEO又はAE)、カルボキシル化アルコールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、アルキルジメチルアミンオキシド、エトキシル化脂肪酸モノエタノールアミン、脂肪酸モノエタノールアミド、又はポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミドを含有してもよい。洗剤組成物は、式R2-(OCH2CH2)y-OH[式中、R2は、非石油由来の、約C10~約C18の偶数の炭素鎖長から成る直鎖又は分枝鎖脂肪族アルコールであり、yは、約0.5~約15である]のアルコールエトキシレートを含み得る。アルコールエトキレートの脂肪族アルコール部分(R2)は、地質学的に誘導される(例えば、石油由来)のではなく、再生可能資源(例えば、動物又は植物由来)から誘導される。界面活性剤(R2)の脂肪アルコール部分は、偶数の炭素鎖、例えば、C12、C14、C16、C18等々の分布を含み得る。
【0142】
組成物は、1種以上の洗剤ビルダー又はビルダー系を更に含み得る。少なくとも1種のビルダーを組み込んでいる一部の実施形態において、組成物は、組成物の総重量に基づいて、少なくとも約1重量%、約3重量%~約60重量%又は約5重量%~約40重量%のビルダーを含む。ビルダーとしては、例えば、アルカリ金属、ポリリン酸のアンモニウム塩及び/若しくはアルカノールアンモニウム塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ土類及びアルカリ金属カーボネート、アルミノケイ酸塩、ポリカルボン酸化合物、エーテルヒドロキシポリカルボン酸塩、マレイン酸無水物とエチレン若しくはビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5-トリヒドロキシベンゼン-2,4,6-トリスルホン酸及びカルボキシメチルオキシコハク酸、ポリ酢酸の様々なアルカリ金属塩、アンモニウム塩及び置換アンモニウム塩、例えばエチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸、並びにポリカルボン酸塩、例えばメリット酸、コハク酸、クエン酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5-トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸及びこれらの可溶塩が挙げられる。洗剤ビルダー又は錯化剤の例としては、ゼオライト、二リン酸塩、三リン酸塩、ホスホン酸塩、クエン酸塩、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTMPA)、アルキルコハク酸又はアルケニルコハク酸、可溶ケイ酸塩又は層状ケイ酸塩(例えば、HoechstからのSKS-6)が挙げられる。洗剤は、未構築、即ち本質的に洗剤ビルダーを含まないものでもよい。
【0143】
組成物は、少なくとも1種のキレート剤を更に含み得る。好適なキレート剤としては、例えば、銅、鉄及び/又はマンガンキレート剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。少なくとも1種のキレート剤が使用される一部の実施形態において、組成物は、組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約15重量%又は更には約3.0重量%~約10重量%のキレート剤を含む。
【0144】
組成物は、少なくとも1種の沈着助剤を更に含み得る。好適な沈着助剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリカルボン酸塩、ポリテレフタル酸等の汚れ放出ポリマー、カオリナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイト、イライト、ベントナイト、ハロイサイト等の粘土又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0145】
組成物は、1種以上の移染防止剤を更に含み得る。好適な移染防止剤としては、例えば、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN-オキシドポリマー、N-ビニルピロリドンとN-ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン、ポリビニルイミダゾール、マンガンフタロシアニン、ペルオキシダーゼ、ポリビニルピロリドンポリマー、エチレンジアミン-四酢酸(EDTA);ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸(DTPMP);ヒドロキシ-エタンジホスホン酸(HEDP);エチレンジアミンN,N’-ジコハク酸(EDDS);メチルグリシン二酢酸(MGDA);ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA);プロピレンジアミン四酢酸(PDTA);2-ヒドロキシピリジン-N-オキシド(HPNO);又はメチルグリシン二酢酸(MGDA);グルタミン酸N,N-二酢酸(N,N-ジカルボキシメチルグルタミン酸四ナトリウム塩)(GLDA);ニトリロ三酢酸(NTA);4,5-ジヒドロキシ-m-ベンゼンジスルホン酸;クエン酸及びこれらの任意の塩;N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)、N-ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HEIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸(EDTP)並びにこれらの誘導体又はこれらの組み合わせが挙げられる。少なくとも1種の移染防止剤が使用される実施形態において、組成物は、組成物の総重量に基づいて、約0.0001重量%~約10重量%、約0.01重量%~約5重量%又は更には約0.1重量%~約3重量%の移染防止剤を含み得る。
【0146】
組成物は、ケイ酸塩を更に含み得る。好適なケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、二ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、結晶性フィロケイ酸塩又はこれらの組み合わせを挙げることができる。一部の実施形態において、ケイ酸塩は、組成物の総重量に基づいて、約1重量%~約20重量%の濃度で存在し得る。他の実施形態において、ケイ酸塩は、組成物の総重量に基づいて、約5重量%~約15重量%の濃度で存在し得る。
【0147】
組成物は、分散剤を更に含み得る。好適な水溶性有機材料としては、例えば、その中でポリカルボン酸が2個以下の炭素原子で互いに分離された少なくとも2つのカルボキシル基を含むホモポリマー酸若しくはコポリマー酸又はこれらの塩を挙げることができる。
【0148】
組成物は、本発明のポリα-1,3-グルカン、ポリα-1,6-グルカン、又はポリα-1,3-1,6-グルカン誘導体に加えて、1種以上の他のポリマーを更に含み得る。本明細書において有用なポリマーの他の種類の例としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリカルボン酸塩、例えば、ポリアクリル酸、マレイン酸/アクリル酸コポリマー及びラウリルメタクリル酸/アクリル酸コポリマーが挙げられる。
【0149】
組成物は、漂白系を更に含み得る。例えば、漂白系としては、過酸形成漂白活性化剤、例えば、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸塩、デカノイルオキシベンゼンスルホン酸塩、デカノイルオキシ安息香酸若しくはその塩、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)又はナノニルオキシベンゼンスルホン酸塩(NOBS)と結合する、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過水和物塩等のH2O2源、過ホウ酸塩、過硫酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩の一水和物又は四水和物ナトリウム塩、過カルボン酸及び塩、過炭酸及び塩、過イミド酸及び塩、過オキシモノ硫酸酸及び塩、スルホン化亜鉛フタロシアニン、スルホン化アルミニウムフタロシアニン、キサンテン染料を挙げることができる。又は、漂白系は、ペルオキシ酸(例えば、アミド、イミド又はスルホンタイプのペルオキシ酸)を含み得る。他の実施形態において、漂白系は、ペルヒドロラーゼを含む酵素的漂白系であり得る。上述のうち任意のものの組み合わせも又使用することができる。
【0150】
組成物は、従来の洗剤成分、例えば、織物コンディショナー、粘土、起泡増進剤、泡抑制剤、腐食防止剤、汚れ懸濁化剤、汚れ再付着防止剤、染料、殺菌剤、曇り防止剤、蛍光増白剤又は香料を更に含み得る。本明細書における洗剤組成物の(使用濃度にある水溶液中で測定した)pHは、中性又はアルカリ性(例えば、約7.0~約11.0のpH)であり得る。
【0151】
組成物は、洗剤組成物、任意選択的には、重質(万能)洗濯洗剤組成物であり得る。一部の実施形態において、洗剤組成物は、アニオン洗浄性界面活性剤(直鎖若しくは分枝鎖若しくはランダム鎖の、置換若しくは非置換アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアルコキシル化硫酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルホスホン酸塩、アルキルカルボン酸塩及び/又はこれらの混合物の群から選択される)及び任意選択的に非イオン性界面活性剤(直鎖若しくは分枝鎖若しくはランダム鎖の、置換若しくは非置換アルキルアルコキシル化アルコール、例えばC8~C18アルキルエトキシ化アルコール及び/又はC6~C12アルキルフェノールアルコキシレートの群から選択される)等の洗浄性界面活性剤(10重量%~40重量%)を含むことができ、ここで、アニオン洗浄性界面活性剤(6.0~9の親水性指数(HIc)を有する)対非イオン洗浄性界面活性剤の重量比は、1:1よりも大きい。好適な洗浄性界面活性剤としてはさらに、カチオン洗浄性界面活性剤(アルキルピリジニウム化合物、アルキル第四級アンモニウム化合物、アルキル第四級ホスホニウム化合物、アルキル三元スルホニウム化合物及び/又はこれらの混合物の群から選択される);双性及び/又は両性洗浄性界面活性剤(アルカノールアミンスルホベタインの群から選択される);両性界面活性剤;半極性非イオン性界面活性剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0152】
組成物は、洗剤組成物であり得、任意選択的に、例えば、両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーから成る界面活性増強ポリマーが挙げられる。好適な両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーとしては、例えば、アルコキシル化ポリアルキレンイミン等、分岐した親水性及び疎水性特性を有するアルコキシル化ポリマー、モノマー、例えば不飽和C1~C6カルボン酸、エーテル、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、糖類単位、アルコキシ単位、無水マレイン酸、グリセロール等の飽和ポリアルコール及びそれらの混合物を含む親水性骨格と;疎水性側鎖、例えば1つ以上のC4~C25アルキル基、ポリプロピレン、ポリブチレン、飽和C1~C6モノカルボン酸のビニルエステル、アクリル酸若しくはメタクリル酸のC1~C6アルキルエステル及びそれらの混合物を含むランダムグラフトポリマーを挙げることができる。
【0153】
好適な強力洗濯洗剤組成物は、防汚ポリマー(アニオン的に末端キャップされたポリエステル、例えばSRP1、ランダム若しくはブロック構造の、サッカライド、ジカルボン酸、ポリオール及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのモノマー単位を含むポリマー、ランダム若しくはブロック構造のエチレンテレフタレートベースのポリマー及びそれらのコポリマー、例えばREPEL-O-TEX SF、SF-2及びSRP6、TEXCARE SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN240、SRN300及びSRN325、MARLOQUEST SLを含む)、再付着防止ポリマー等の追加のポリマーを任意選択的に含むことができ、アクリル酸、マレイン酸(若しくはマレイン酸無水物)、フマル酸、イタコン酸、アコニット酸、メサコン酸、シトラコン酸、メチレンマロン酸及びそれらの任意の混合物から選択される少なくとも1つのモノマーを含むポリマー等のカルボン酸塩ポリマー、ビニルピロリドンホモポリマー及び/又はポリエチレングリコール(500~100,000ダルトン(Da)の範囲内の分子量);並びに(マレイン酸/アクリル酸ランダムコポリマー若しくはポリアクリル酸ホモポリマー等の)ポリマーカルボン酸塩を含むことができる。存在する場合、汚れ放出ポリマーは、組成物の総重量に基づいて、0.1重量%~10重量%で含まれ得る。
【0154】
強力洗濯洗剤組成物は、任意選択的に、飽和若しくは不飽和脂肪酸、好ましくは飽和若しくは不飽和C12~C24脂肪酸;堆積助剤、例えば多糖類、セルロースポリマー、ポリジアリルジメチルアンモニウムハライド(DADMAC)、並びにランダム若しくはブロック構造の、DADMACと、ビニルピロリドン、アクリルアミド、イミダゾール、イミダゾリニウムハライド及びそれらの混合物とのコポリマー、カチオン性グアーガム、カチオン性デンプン、カチオン性ポリアクリルアミド又はそれらの組み合わせを更に含むことができる。存在する場合、脂肪酸及び/又は沈着助剤は、各々、組成物の総重量に基づいて、0.1重量%~10重量%で存在し得る。
【0155】
洗剤組成物は、任意選択的に、シリコーン若しくは脂肪酸系泡抑制剤;色相染料、カルシウム及びマグネシウムカチオン、視覚信号成分、消泡剤(組成物の総重量に基づいて、0.001重量%~約4.0重量%)並びに/又はジグリセリド及びトリグリセリド、エチレングリコールジステアレート、微結晶セルロース、マイクロファイバーセルロース、バイオポリマー、キサンタンガム、ジェランガム並びにこれらの混合物から成る群から選択される構造化剤/増粘剤(組成物の総重量に基づいて、0.01重量%~5重量%)を含み得る。
【0156】
本明細書で開示される組成物は、食器洗浄用洗剤組成物の形態であり得る。食器洗浄用洗剤の例としては、自動食器洗浄機用洗剤(典型的には、食器洗浄機で使用される)及び手洗い食器用洗剤が挙げられる。食器洗浄用洗剤組成物は、例えば、本明細書に開示された任意の乾燥又は液体/水性形態であり得る。食器洗浄用洗剤組成物の特定の実施形態に含まれ得る成分としては、例えば、リン酸塩;酸素系若しくは塩素系漂白剤;非イオン性界面活性剤;アルカリ性塩(例えば、メタケイ酸塩;アルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム);本明細書で開示される任意の活性酵素;防錆剤(例えば、ケイ酸ナトリウム);消泡剤;セラミックスからの艶及び模様の除去を減速するための添加物;香料;固化防止剤(顆粒状洗剤中);デンプン(錠剤系洗剤中);ゲル化剤(液体/ジェル系洗剤中);並びに/又は砂(粉末状洗剤)の1つ以上が挙げられる。
【0157】
多糖誘導体に加えて、食器洗浄用洗剤組成物は、(i)0~10重量%の量で存在する、任意のエトキシル化非イオン性界面活性剤、アルコールアルコキシル化界面活性剤、エポキシキャップされたポリ(オキシアルキル化)アルコール若しくはアミンオキシド界面活性剤を含む非イオン性界面活性剤;(ii)任意のリン酸塩ビルダー(例えば、一リン酸塩、二リン酸塩、トリポリリン酸塩、その他のオリゴマーポリリン酸塩、ナトリウムトリポリリン酸塩-STPP)、任意の無リン酸塩ビルダー(例えば、メチル-グリシン二酢酸[MGDA]及びこれらの塩若しくは誘導体、グルタミン-N,N-二酢酸[GLDA]及びこれらの塩若しくは誘導体、イミノ二酢酸(IDS)及びこれらの塩若しくは誘導体、カルボキシメチルイヌリン及びこれらの塩若しくは誘導体、ニトリロ三酢酸[NTA]、ジエチレントリアミン五酢酸[DTPA]、B-アラニン二酢酸[B-ADA]及びこれらの塩を含むアミノ酸系化合物)、ポリカルボン酸及びこれらの部分若しくは完全中和塩のホモポリマー及びコポリマー、0.5重量%~50重量%の範囲内のモノマーポリカルボン酸及びヒドロキシカルボン酸及びこれらの塩若しくは約0.1重量%~約50重量%の範囲内のスルホン化/カルボキシル化ポリマーを含む約5~60重量%の範囲内のビルダー;(iii)約0.1重量%~約10重量%の範囲内の乾燥助剤(例えば、任意選択的に3~6個の官能基を有する更なるモノマー、例えば、重縮合を誘導する酸、アルコール若しくはエステル官能基を備えるモノマーと一緒にポリエステル、特にアニオン性ポリエステル、ポリカーボネート-、ポリウレタン-及び/又はポリウレア-ポリオルガノシロキサン化合物若しくはこれらの前駆体化合物、特に反応性環状カーボネート及びウレアタイプ);(iv)約1重量%~約20重量%の範囲内のケイ酸塩(例えば、ケイ酸ナトリウム若しくはカリウム、例えば二ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム及び結晶性フィロケイ酸塩);(v)無機漂白剤(例えば、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩、過硫酸塩及び過ケイ酸塩塩等の過水和物塩)及び/若しくは有機漂白剤(例えば、ジアシル-及びテトラアシルペルオキシド、特にジペルオキシドデカン二酸、ジペルテトラデカン二酸及びジペルオキシヘキサデカン二酸等の有機ペルオキシ酸);(vi)漂白活性化剤(例えば、約0.1重量%~約10重量%の範囲内の有機過酸前駆体)及び/若しくは漂白触媒(例えば、マンガントリアザシクロノナン及び関連錯体;Co、Cu、Mn及びFeビスピリジルアミン及び関連錯体;並びにペンタミン酢酸コバルト(III)及び関連錯体);(vii)約0.1重量%~5重量%の範囲内の金属ケア剤(例えば、ベンザトリアゾール、金属塩及び錯体及び/又はケイ酸塩);並びに/又は(viii)自動食器洗浄機用洗剤組成物1グラム当たり約0.01~5.0mgの範囲の活性酵素の本明細書に開示した任意の活性酵素及び酵素安定化剤を含み得る。重量パーセントは組成物の総重量に基づく。
【0158】
少なくとも1種の多糖誘導体を含む洗剤配合物の様々な例を以下(1~21)に開示する。
【0159】
1)少なくとも600g/Lの嵩密度を有する顆粒として配合された:約7~12重量%の線状アルキルベンゼンスルホン酸塩(酸として計算される);約1~4重量%のアルコールエトキシ硫酸塩(例えば、C12~C18アルコール、1~2エチレンオキシド[EO])又はアルキル硫酸塩(例えば、C16~C18);約5~9重量%のアルコールエトキシレート(例えば、C14~C15アルコール);約14~20重量%の炭酸ナトリウム;約2~6重量%の可溶性ケイ酸塩(例えば、Na2O 2SiO2);約15~22重量%のゼオライト(例えば、NaAlSiO4);約0~6重量%の硫酸ナトリウム;約0~15重量%のクエン酸ナトリウム/クエン酸;約11~18重量%の過ホウ酸ナトリウム;約2~6重量%のTAED;約2重量%以下の多糖誘導体;約0~3重量%の他のポリマー(例えば、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、PVP、PEG);任意選択的に約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋酵素タンパク質として計算される);並びに約0~5重量%の微量成分(例えば、発泡抑制剤、香料、光学的光沢剤、光退色剤)を含む洗剤組成物。
【0160】
2)少なくとも600g/Lの嵩密度を有する顆粒として配合された:約6~11重量%の線状アルキルベンゼンスルホン酸塩(酸として計算される);約1~3重量%のアルコールエトキシ硫酸塩(例えば、C12~C18アルコール、1~2EO)若しくはアルキル硫酸塩(例えば、C16~C18);約5~9重量%のアルコールエトキシレート(例えば、C14~C15アルコール);約15~21重量%の炭酸ナトリウム;約1~4重量%の可溶性ケイ酸塩(例えば、Na2O 2SiO2);約24~34重量%のゼオライト(例えば、NaAlSiO4);約4~10重量%の硫酸ナトリウム;約0~15重量%のクエン酸ナトリウム/クエン酸;約11~18重量%の過ホウ酸ナトリウム;約2~6重量%のTAED;約2重量%以下の多糖誘導体;約1~6重量%の他のポリマー(例えば、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、PVP、PEG);任意選択的に約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋酵素タンパク質として計算される);並びに約0~5重量%の微量成分(例えば、発泡抑制剤、香料、光学的光沢剤、光退色剤)を含む洗剤組成物。
【0161】
3)少なくとも600g/Lの嵩密度を有する顆粒として配合された:約5~9重量%の線状アルキルベンゼンスルホン酸塩(酸として計算される);約7~14重量%のアルコールエトキシ硫酸塩(例えば、C12~C18アルコール、7EO);約1~3重量%の脂肪酸(例えば、C16~C22脂肪酸)としての石鹸;約10~17重量%の炭酸ナトリウム;約3~9重量%の可溶性ケイ酸塩(例えば、Na2O 2SiO2);約23~33重量%のゼオライト(例えば、NaAlSiO4);約0~4重量%の硫酸ナトリウム;約8~16重量%の過ホウ酸ナトリウム;約2~8重量%のTAED;約0~1重量%のホスホン酸塩(例えば、EDTMPA);約2重量%以下の多糖誘導体;約0~3重量%の他のポリマー(例えば、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、PVP、PEG);任意選択的に約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋酵素タンパク質として計算される);並びに約0~5重量%の微量成分(例えば、発泡抑制剤、香料、光学的光沢剤)を含む洗剤組成物。
【0162】
4)少なくとも600g/Lの嵩密度を有する顆粒として配合された:約8~12重量%の線状アルキルベンゼンスルホン酸塩(酸として計算される);約10~25重量%のアルコールエトキシレート(例えば、C12~C18アルコール、7EO);約14~22重量%の炭酸ナトリウム;約1~5重量%の可溶性ケイ酸塩(例えば、Na2O 2SiO2);約25~35重量%のゼオライト(例えば、NaAlSiO4);約0~10重量%の硫酸ナトリウム;約8~16重量%の過ホウ酸ナトリウム;約2~8重量%のTAED;約0~1重量%のホスホン酸塩(例えば、EDTMPA);約2重量%以下の多糖誘導体;約1~3重量%の他のポリマー(例えば、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、PVP、PEG);任意選択的に約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋酵素タンパク質として計算される);並びに約0~5重量%の微量成分(例えば、発泡抑制剤、香料)を含む洗剤組成物。
【0163】
5)約15~21重量%の線状アルキルベンゼンスルホン酸塩(酸として計算される);約12~18重量%のアルコールエトキシレート(例えば、C12~C18アルコール、7EO;又はC12~C15アルコール、5EO);約3~13重量%の脂肪酸(例えば、オレイン酸)としての石鹸;約0~13重量%のアルケニルコハク酸(C12~C14);約8~18重量%のアミノエタノール;約2~8重量%のクエン酸;約0~3重量%のホスホン酸塩;約2重量%以下の多糖誘導体;約0~3重量%の他のポリマー(例えば、PVP,PEG);約0~2重量%のホウ酸塩;約0~3重量%のエタノール;約8~14重量%のプロピレングリコール;任意選択的に約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋酵素タンパク質として計算される);並びに約0~5重量%の微量成分(例えば、分散剤、発泡抑制剤、香料、光学的光沢剤)を含む水性液体洗剤組成物。
【0164】
6)約15~21重量%の線状アルキルベンゼンスルホン酸塩(酸として計算される);約3~9重量%のアルコールエトキシレート(例えば、C12~C18アルコール、7EO;又はC12~C15アルコール、5EO);約3~10重量%の脂肪酸(例えば、オレイン酸)としての石鹸;約14~22重量%のゼオライト(例えば、NaAlSiO4);約9~18重量%のクエン酸カリウム;約0~2重量%のホウ酸塩;約2重量%以下の多糖誘導体;約0~3重量%の他のポリマー(例えば、PVP、PEG);約0~3重量%のエタノール;約0~3重量%のアンカリングポリマー(例えば、ラウリルメタクリレート/アクリル酸コポリマー、モル比25:1、MW3800);約0~5重量%のグリセロール;任意選択的に約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋酵素タンパク質として計算される);並びに約0~5重量%の微量成分(例えば、分散剤、発泡抑制剤、香料、光学的光沢剤)を含む水性構造化液体洗剤組成物。
【0165】
7)少なくとも600g/Lの嵩密度を有する顆粒として配合された:約5~10重量%の脂肪アルコール硫酸塩;約3~9重量%のエトキシル化脂肪酸モノエタノールアミド;約0~3重量%の脂肪酸としての石鹸;約5~10重量%の炭酸ナトリウム;約1~4重量%の可溶性ケイ酸塩(例えば、Na2O 2SiO2);約20~40重量%のゼオライト(例えば、NaAlSiO4);約2~8重量%の硫酸ナトリウム;約12~18重量%の過ホウ酸ナトリウム;約2~7重量%のTAED;約2重量%以下の多糖誘導体;約1~5重量%の他のポリマー(例えば、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、PEG);任意選択的に約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋酵素タンパク質として計算される);並びに約0~5重量%の微量成分(例えば、光学的光沢剤、発泡抑制剤、香料)を含む洗剤組成物。
【0166】
8)顆粒として配合された:約8~14重量%の線状アルキルベンゼンスルホン酸塩(酸として計算される);約5~11重量%のエトキシル化脂肪酸モノエタノールアミド;約0~3重量%の脂肪酸としての石鹸;約4~10重量%の炭酸ナトリウム;約1~4重量%の可溶性ケイ酸塩(例えば、Na2O 2SiO2);約30~50重量%のゼオライト(例えば、NaAlSiO4);約3~11重量%の硫酸ナトリウム;約5~12重量%のクエン酸ナトリウム;約2重量%以下の多糖誘導体;約1~5重量%の他のポリマー(例えば、PVP、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、PEG);任意選択的に約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋酵素タンパク質として計算される);並びに約0~5重量%の微量成分(例えば、発泡抑制剤、香料)を含む洗剤組成物。
【0167】
9)顆粒として配合された:約6~12重量%の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(酸として計算);約1~4重量%の非イオン性界面活性剤;約2~6重量%の脂肪酸としての石鹸;約14~22重量%の炭酸ナトリウム;約18~32重量%のゼオライト(例えば、NaAlSiO4);約5~20重量%の硫酸ナトリウム;約3~8重量%のクエン酸ナトリウム;約4~9重量%の過ホウ酸ナトリウム;約1~5重量%の漂白活性化剤(例えば、NOBS又はTAED);2重量%以下の多糖誘導体;約1~5重量%のその他のポリマー(例えば、ポリカルボン酸塩又はPEG);任意選択的に、約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋な酵素タンパク質として計算);及び約0~5重量%の微量成分(例えば、蛍光増白剤、香料)を含む洗剤組成物。
【0168】
10)約15~23重量%の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(酸として計算);約8~15重量%のアルコールエトキシ硫酸塩(例えば、C12~C15アルコール、2~3EO);約3~9重量%のアルコールエトキシレート(例えば、C12~C15アルコール、7EO;又はC12~C15アルコール、5EO);約0~3重量%の脂肪酸(例えば、ラウリン酸)としての石鹸;約1~5重量%のアミノエタノール;約5~10重量%のクエン酸ナトリウム;約2~6重量%のハイドロトロープ(例えば、トルエンスルホン酸ナトリウム);約0~2重量%のホウ酸塩;約1重量%以下の多糖誘導体;約1~3重量%のエタノール;約2~5重量%のプロピレングリコール;任意選択的に、約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋な酵素タンパク質として計算);及び約0~5重量%の微量成分(例えば、分散剤、香料、蛍光増白剤)を含む水性液体洗剤組成物。
【0169】
11)約20~32重量%の線状アルキルベンゼンスルホン酸塩(酸として計算される);約6~12重量%のアルコールエトキシレート(例えば、C12~C15アルコール、7EO;又はC12~C15アルコール、5EO);約2~6重量%のアミノエタノール;約8~14重量%のクエン酸;約1~3重量%のホウ酸塩;約2重量%以下の多糖誘導体;約1~3重量%のエタノール;約2~5重量%のプロピレングリコール;約0~3重量%の他のポリマー(例えば、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、例えばラウリルメタクリレート/アクリル酸コポリマー等のアンカリングポリマー);約3~8重量%のグリセロール;任意選択的に約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋酵素タンパク質として計算される);並びに約0~5重量%の微量成分(例えば、ハイドロトロープ、分散剤、香料、光学的光沢剤)を含む水性液体洗剤組成物。
【0170】
12)少なくとも600g/Lの嵩密度を有する顆粒として配合された:約25~40重量%のアニオン性界面活性剤(例えば、線状アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、α-スルホ脂肪酸メチルエステル、アルカンスルホン酸塩、石鹸);約1~10重量%の非イオン性界面活性剤(例えば、アルコールエトキシレート);約8~25重量%の炭酸ナトリウム;約5~15重量%の可溶性ケイ酸塩(例えばNa2O 2SiO2);約0~5重量%の硫酸ナトリウム;約15~28重量%のゼオライト(NaAlSiO4);約0~20重量%の過ホウ酸ナトリウム;約0~5重量%の漂白剤活性剤(例えば、TAED又はNOBS);約2重量%以下の多糖誘導体;任意選択的に約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋酵素タンパク質として計算される);並びに約0~3重量%の微量成分(例えば、香料、光学的光沢剤)を含む洗剤組成物。
【0171】
13)上記の(1)~(12)に記載されたような洗剤組成物であるが、その組成物において線状アルキルベンゼンスルホン酸塩の全部若しくは一部は、C12~C18アルキル硫酸塩で置換されている洗剤組成物。
【0172】
14)少なくとも600g/Lの嵩密度を有する顆粒として配合された:約9~15重量%のC12~C18アルキル硫酸塩;約3~6重量%のアルコールエトキシレート;約1~5重量%のポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド;約10~20重量%のゼオライト(例えば、NaAlSiO4);約10~20重量%の層状二ケイ酸塩(例えば、Hoechst製のSK56);約3~12重量%の炭酸ナトリウム;0~6重量%の可溶性ケイ酸塩(例えば、Na2O 2SiO2);約4~8重量%のクエン酸ナトリウム;約13~22重量%の過炭酸ナトリウム;約3~8重量%のTAED;約2重量%以下の多糖誘導体;約0~5重量%の他のポリマー(例えば、ポリカルボン酸塩及びPVP);任意選択的に約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋酵素タンパク質として計算される);並びに約0~5重量%の微量成分(例えば、光学的光沢剤、光退色剤、香料、発泡抑制剤)を含む洗剤組成物。
【0173】
15)少なくとも600g/Lの嵩密度を有する顆粒として配合された:約4~8重量%のC12~C18アルキル硫酸塩;約11~15重量%のアルコールエトキシレート;約1~4重量%の石鹸;約35~45重量%のゼオライトMAP若しくはゼオライトA;約2~8重量%の炭酸ナトリウム;0~4重量%の可溶性ケイ酸塩(例えば、Na2O 2SiO2);約13~22重量%の過炭酸ナトリウム;約1~8重量%のTAED;約3重量%以下の多糖誘導体;約0~3重量%の他のポリマー(例えば、ポリカルボン酸塩及びPVP);任意選択的に約0.0001~0.1重量%の酵素(純粋酵素タンパク質として計算される);並びに約0~3重量%の微量成分(例えば、光学的光沢剤、リン酸塩、香料)を含む洗剤組成物。
【0174】
16)安定化又はカプセル化された過酸を、更なる成分としてか、又は既に明示された漂白系の代替としてかの何れかとして含む上記(1)~(15)に記載の洗剤配合物。
【0175】
17)過ホウ酸塩が過炭酸塩に置換されている、上記(1)、(3)、(7)、(9)及び(12)に記載の洗剤組成物。
【0176】
18)マンガン触媒を更に含有する、上記(1)、(3)、(7)、(9)、(12)、(14)及び(15)に記載の洗剤組成物。マンガン触媒は、例えば、参照により本明細書に組み込まれるHage et al.(1994,Nature 369:637-639)により記載された化合物のうちの1つである。
【0177】
19)非水性洗剤液体として配合された:液体非イオン性界面活性剤(例えば、直鎖アルコキシ化一級アルコール)、ビルダー系(例えば、リン酸塩)、多糖誘導体、任意選択的に、酵素及びアルカリを含む洗剤組成物。洗剤は、アニオン性界面活性剤及び/又は漂白系も含み得る。
【0178】
20)約30~45重量%の非石油由来のアルコールエトキシ硫酸塩(例えば、C12アルコール、1EO)硫酸ナトリウム;約3~10重量%の非石油由来のアルコールエトキシレート(例えば、C12~C14アルコール、9EO);約1~5重量%の脂肪酸(例えば、C12~C18)としての石鹸;約5~12重量%のプロピレングリコール;約4~8重量%のC12~C14アルキルアミンオキシド;約2~8重量%のクエン酸;約4重量%以下の多糖誘導体;約0~3重量%のその他のポリマー(例えば、PVP、PEG);約0~4重量%のホウ酸塩;約0~3重量%のエタノール;任意選択的に、約0.0001~0.3重量%の酵素(純粋な酵素タンパク質として計算);及び約0~5重量%の微量成分(例えば、分散剤、泡抑制剤、香料、蛍光増白剤、安定化剤)並びに残部である水を含む水性液体洗剤組成物。
【0179】
21)約10~25重量%のアルコールエトキシ硫酸塩(例えば、C12~C15アルコール、2~3EO)硫酸ナトリウム;約15~25重量%の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(酸として計算);約0.5~10重量%のアルコールエトキシレート(例えば、C12~C14アルコール、9EO);約0.5~10重量%のアルコールエトキシレート(例えば、C12~C15アルコール、7EO);約1~8重量%の脂肪酸(例えば、C12~C18)としての石鹸;約6~15重量%のプロピレングリコール;約0.5~8重量%のクエン酸;約4重量%以下の多糖誘導体;約5~10重量%のモノエタノールアミン、約0~3重量%のその他のポリマー(例えば、PVP、PEG、PVOH);約2~6重量%のジプロピレングリコール、約2~5重量%のグリセリン;任意選択的に、約0.0001~0.3重量%の酵素(純粋な酵素タンパク質として計算);及び約0~5重量%の微量成分(例えば、分散剤、泡抑制剤、香料、蛍光増白剤、安定化剤)並びに残部である水を含む水溶性単位用量洗剤組成物。
【0180】
少なくとも1種の多糖誘導体を含むパーソナルケア配合物の様々な例を以下(22~24)に開示する。
【0181】
22)セチルアルコール(1~3重量%)、イソプロピルミリスチン酸塩(1~3重量%)、ヒドロキシエチルセルロース(Natrosol(登録商標)250 HHR)0.1~1重量%、本発明の多糖誘導体(0.1~2重量%)、カリウム塩(0.1~0.5重量%)、防腐剤(International Specialty Productsから入手可能なGermaben(登録商標)II)(0.5重量%)及び水である残部を含むヘアコンディショナー組成物。
【0182】
23)5~20重量%のラウレス硫酸ナトリウム、1~2重量%コカミドプロピルベタイン、1~2重量%の塩化ナトリウム、0.1~2重量%の本発明の多糖誘導体及び防腐剤(0.1~0.5重量%)並びに残部である水を含むヘアシャンプー組成物。
【0183】
24)1~5重量%のグリセリン、1~5重量%グリコールステアレート、1~5重量%のステアリン酸、1~5重量%の鉱油、0.5~1重量%のアセチル化ラノリン(Lipolan(登録商標)98)、0.1~0.5重量%のセチルアルコール、0.2~1重量%のトリエタノールアミン、0.1~1重量%のGermaben(登録商標)II防腐剤、0.5~2重量%の本発明の多糖誘導体及び水である残部を含む、スキンローション組成物。
【0184】
他の実施形態において、本開示は、基質を処理するための方法であって、本方法が:
A)多糖誘導体を含む組成物を提供する工程であって、多糖誘導体は、
a)少なくとも1つの硫酸基;
b)少なくとも1つのスルホン酸基;
c)少なくとも1つのチオ硫酸基;又は
d)それらの組み合わせ;で置換された多糖を含み
ここで、多糖は、ポリα-1,3-グルカン、ポリα-1,6-グルカン、ポリα-1,3-1,6-グルカン若しくはそれらの混合物であり、及び多糖誘導体は、約0.001~約3の置換度を有する工程;
B)基質を組成物と接触させる工程;及び
C)任意選択的に、基質をすすぐ工程を含み、
ここで基質は、布地、織物、カーペット、室内装飾材料、服飾品又は表面である方法である。任意選択的に、基質を接触させる工程は、水の存在下で実施することができる。
【0185】
一実施形態において、基質を処理する方法は、基質に抗灰白化特性を付与することができ、それにより織物の洗浄中に織物から引き離された汚れが洗浄液中に懸濁させられ、従って織物上に再沈着することが防止されることを意味する。別の実施形態において、基質を処理する方法は、基質に再付着防止特性を付与することができる。抗灰色化剤及び再付着防止剤の有効性は、例えば、当分野において公知の方法を用いて、再付着防止モニターとして作用する最初の清潔な織物の存在下で洗浄力試験機並びに事前に汚れた織物の複数回の洗浄を使用して決定することができる。
【0186】
一実施形態において、基質は、布地、織物、カーペット又は服飾品であり得る。別の実施形態において、基質は、カーペット、室内装飾材料又は表面材であり得る。更に別の実施形態において、基質は、布地、織物、カーペット、室内装飾材料、服飾品又は表面である方法である。「室内装飾材料」は、肘掛け椅子やソファ等の家具に固定されている柔らかい、パッド入りの布地カバーを意味する。処理は、基質に対して、例えば、織物の風合の改善、汚れ付着に対する耐性の改善、彩色堅牢度の改善、耐摩耗性の改善、防しわ性の改善、抗真菌活性の改善、耐汚染性の改善、洗濯時の洗浄性能の改善、乾燥速度の改善、染料、顔料若しくはレーキ更新の改善、白色度維持の改善又はこれらの組み合わせのうちの1つ以上の利益をもたらす。別の実施形態において、基質は、表面、例えば壁、床、ドア又はパネル又は紙であり得るか、又は基質は、テーブル等の物体の表面であり得る。処理は、基質に対して、例えば、汚れ付着に対する耐性の改善、耐汚染性の改善、洗浄性能の改善又はこれらの組み合わせの利益をもたらす。
【0187】
本明細書における織物は、天然繊維、合成繊維、半合成繊維又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。半合成繊維は、化学的に誘導体化されている天然型材料を使用して製造されるが、その一例は、レーヨンである。本明細書の織物タイプの非限定的な例としては、(i)セルロース繊維、例えば綿(例えば、ブロードクロス、キャンバス、シャンブレー、シェニール、チンツ、コーデュロイ、クレトン、ダマスク、デニム、フランネル、ギンガム、ジャガード、ニット、マテラーゼ、オックスフォード、パーケール、ポプリン、プリッス、サテン、シャーサッカー、シアー、テリークロス、ツイル、ベルベット)、レーヨン(例えば、ビスコース、モーダル、リオセル)、リネン及びTENCEL(登録商標);(ii)タンパク質性繊維、例えばシルク、ウール及び関連哺乳動物繊維;(iii)合成繊維、例えばポリエステル、アクリル、ナイロン等;(iv)ジュート、亜麻、ラミー、コイア、カポック、サイザル、ヘネッケン、アバカ、ヘンプ及びサンヘンプ由来の植物性長繊維;並びに(v)(i)~(iv)の織物の任意の組み合わせから製造された織物が挙げられる。繊維タイプ(例えば、天然及び合成)の組み合わせを含む織物としては、例えば、綿繊維及びポリエステルの両方を備える織物が挙げられる。1種以上の織物を含有する材料/製品としては、例えば、衣類、カーテン、厚手のカーテン、掛け布、カーペット、ベッド用リネン、バス用リネン、テーブルクロス、スリーピングバッグ、テント、車の内装材等が挙げられる。天然及び/又は合成繊維を含むその他の材料としては、例えば、不織布、詰め物、紙及び発泡体が挙げられる。織物は、典型的には、織布又は編み物構造である。
【0188】
接触させる工程は、様々な条件、例えば時間、温度、洗浄/すすぎ容量で実施され得る。織物又は布地基質を接触させる方法、例えば、織物ケア法又は洗濯法は、一般に周知である。例えば、織物を含む材料は、開示された組成物と:(i)少なくとも約5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110若しくは120分間に渡り;(ii)少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90若しくは95℃(例えば、洗濯洗浄又はすすぎのためには;約15~30℃の「低」温、約30~50℃の「中」温、約50~95℃の「高」温)で;(iii)約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11若しくは12のpH(例えば、約2~12又は約3~11のpH範囲)で;(iv)少なくとも約0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5若しくは4.0重量%の塩(例えば、NaCl)濃度で;又は(i)~(iv)の任意の組み合わせで接触させることができる。織物ケア法又は洗濯法における接触させる工程は、例えば、洗浄工程、浸漬工程及び/又はすすぎ工程の何れかを含み得る。一部の実施形態において、すすぎ工程は、水ですすぐ工程である。
【0189】
接触させることができる他の基質には、例えば、食器用洗剤(例えば、自動食器洗浄機用洗剤又は手洗い食器用洗剤)で処理できる表面が含まれる。このような材料の例としては、セラミック材料、磁器、金属、ガラス、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)及び木で作られた、皿、グラス、ポット、鍋、グラタン皿、調理器具及び食卓食器(本明細書では、集合的に「食器類(tableware)」と呼ぶ)の表面が挙げられる。食器洗浄又は食器類洗浄方法を実施するための条件(例えば、時間、温度、洗浄量)の例は、当該技術分野において公知である。他の例において、食器類物品は、織物含有材料を接触させることに関して上記で開示された条件のうちの何れか等の好適な一連の条件下で、本明細書の組成物と接触させることができる。
【0190】
上記処理方法において接触させることができる他の材料としては、舌、硬口蓋及び軟口蓋、頬粘膜、歯肉及び歯の表面(例えば、天然の歯又は歯冠、キャップ、充填物、ブリッジ、義歯又は歯科用インプラント等の人工歯の硬質の表面)の表面を含む、口腔内の軟質又は硬質表面等の口腔表面が挙げられる。従って、特定の実施形態における処理方法は、例えば、口腔ケア法又は歯科治療法であると見なすことができる。口腔表面を本明細書の水性組成物と接触させる条件(例えば、時間、温度)は、このような接触を行う使用目的に適したものでなければならない。処理方法で接触させることのできる他の表面としては、皮膚、毛髪又は爪等の外皮系の表面も挙げられる。
【0191】
基質を処理する方法の特定の実施形態は、材料を組成物と接触させた後に乾燥させる乾燥工程を更に含む。乾燥工程は、接触させる工程の直後に、又は接触させる工程に続く可能性がある1つ以上の更なる工程に続いて、例えば水中すすぎ後の織物の乾燥、水性組成物中での洗浄に続いて行うことができる。乾燥は、例えば、少なくとも約30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、170、175、180、又は200℃の温度での空気乾燥等の当該技術分野において公知の一部の手段の何れかによって行うことができる。本明細書における乾燥させた材料は、典型的には、その材料中に3、2、1、0.5又は0.1重量%未満の水分を含む。
【0192】
別の実施形態において、基質は、表面、例えば壁、床、ドア、若しくはパネルであり得るか、又は基質は、テーブル等の物体の表面であり得る。処理は、基質に対して、例えば、汚れ付着に対する耐性の改善、耐汚染性の改善、洗浄性能の改善又はこれらの組み合わせの利益をもたらす。接触させる工程は、組成物を用いて基質を拭くこと又はスプレーすることを含み得る。
【0193】
本明細書で開示される実施形態の非限定的な例としては、下記が挙げられる:
1.多糖誘導体を含む組成物であって、多糖誘導体は、
a)少なくとも1つの硫酸基;
b)少なくとも1つのスルホン酸基;
c)少なくとも1つのチオ硫酸基;若しくは
d)それらの組み合わせ;で置換された多糖を含み、
ここで、多糖は、ポリα-1,3-グルカン、ポリα-1,6-グルカン、ポリα-1,3-1,6-グルカン若しくはそれらの混合物であり、及び多糖誘導体は、約0.001~約3の置換度を有する組成物。
【0194】
2.多糖は、ポリα-1,3-グルカンであり、及びポリα-1,3-グルカンは、グルコースモノマー単位の主鎖を含み、グルコースモノマー単位の50%以上が、α-1,3-グリコシド結合を介して結合している、実施形態1の組成物。
【0195】
3.多糖は、ポリα-1,3-グルカンであり、ポリα-1,3-グルカンは、グルコースモノマー単位の主鎖を含み、グルコースモノマー単位の90%以上が、α-1,3-グリコシド結合を介して結合している、実施形態1の組成物。
【0196】
4.多糖は、ポリα-1,6-グルカンであり、及びポリα-1,6-グルカンは、グルコースモノマー単位の主鎖を含み、グルコースモノマー単位の40%以上が、α-1,6-グリコシド結合を介して結合している、実施形態1の組成物。
【0197】
5.多糖は、ポリα-1,6-グルカンであり、及びポリα-1,6-グルカンは、50%未満のα-1,2-分岐度を有する、実施形態1又は4の組成物。
【0198】
6.多糖は、ポリα-1,3-1,6-グルカンであり、ここで(i)ポリα-1,3-1,6-グルカンの少なくとも30%のグリコシド結合は、α-1,3結合であり、(ii)ポリα-1,3-1,6-グルカンの少なくとも30%のグリコシド結合は、α-1,6結合であり、(iii)ポリα-1,3-1,6-グルカンは、少なくとも10の重量平均重合度(DPw)を有し;及び(iv)ポリα-1,3-1,6-グルカンのα-1,3結合及びα-1,6結合は、連続して互いに交互になっていない、実施形態1の組成物。
【0199】
7.少なくとも1つの硫酸基は、硫酸塩又はアルキル硫酸塩である、実施形態1、2、3、4、5又は6の組成物。
【0200】
8.少なくとも1つのスルホン酸基は、アルキルスルホン酸塩である、実施形態1、2、3、4、5又は6の組成物。
【0201】
9.少なくとも1つのスルホン酸基は、エチルスルホン酸塩、プロピルスルホン酸塩、ブチルスルホン酸塩又はそれらの組み合わせである、実施形態1、2、3、4、5、6又は8の組成物。
【0202】
10.多糖は、少なくとも1つの硫酸基及び少なくとも1つのスルホン酸基で置換されている、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8又は9の組成物。
【0203】
11.多糖は、少なくとも1つのスルホン酸基及び少なくとも1つのチオ硫酸基で置換されている、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8又は9の組成物。
【0204】
12.多糖は、少なくとも1つの硫酸基;少なくとも1つのスルホン酸基;及び少なくとも1つのチオ硫酸基で置換されている、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8又は9の組成物。
【0205】
13.多糖誘導体は、約5~約1400の範囲内の重量平均重合度を有する、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12の組成物。
【0206】
14.液体、ジェル、粉末、親水コロイド、水溶液、顆粒、錠剤、カプセル、単一区画サシェ、複数区画サシェ、単一区画パウチ又は複数区画パウチの形態である、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13の組成物。
【0207】
15.界面活性剤、酵素、洗剤ビルダー、錯化剤、ポリマー、汚れ放出ポリマー、界面活性増強ポリマー、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、織物コンディショナー、粘土、起泡増進剤、泡抑制剤、腐食防止剤、汚れ懸濁化剤、汚れ再付着防止剤、染料、殺菌剤、曇り防止剤、蛍光増白剤、香料、飽和若しくは不飽和脂肪酸、移染防止剤、キレート剤、色相染料、カルシウムカチオン、マグネシウムカチオン、視覚信号成分、消泡剤、構造化剤、増粘剤、固化防止剤、デンプン、砂、ゲル化剤又はこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを更に含む、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14の組成物。
【0208】
16.酵素が、セルラーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ又はこれらの組み合わせである、実施形態15の組成物。
【0209】
17.実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15又は16の組成物を含む、パーソナルケア製品、ホームケア製品、工業用製品又は織物ケア製品。
【0210】
18.基質を処理するための方法であって:
A)実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15又は16の組成物を提供する工程;
B)基質を組成物と接触させる工程;及び
C)任意選択的に、基質をすすぐ工程、を含み、
ここで基質が、布地、織物、カーペット、室内装飾材料、服飾品又は表面である方法。
【実施例】
【0211】
特に指示しない限り、全ての成分は、Sigma-Aldrich(St.Louis,Missouri)から入手可能であり、受け入れたままの状態で使用した。
【0212】
本明細書で使用する場合、「Comp.Ex.)」は、比較例を意味し;「Ex.」は、実施例を意味し;「std dev」は、標準偏差を意味し;「g」は、グラムを意味し;「L」は、リットルを意味し;「mL」は、ミリリットルを意味し;「μL」は、マイクロリットルを意味し;「wt」は、重量を意味し;「L」は、リットルを意味し;「min」は、分間を意味し;「kDa」若しくは「K」は、キロダルトンを意味し;「PES」は、ポリエーテルスルホンを意味する。
【0213】
ポリα-1,3-グルカンの代表的な調製
ポリα-1,3-グルカンは、米国特許第7,000,000号明細書;米国特許出願公開第2013/0244288号明細書、現在米国特許第9,080,195号明細書;及び米国特許出願公開第2013/0244287号明細書、現在米国特許第8,642,757号明細書(それらの全ては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているようなgtfJ酵素調製物を用いて調製することができる。
【0214】
ポリα-1,3-グルカンポリマーは、両方ともその全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2014/0179913号明細書、現在米国特許第9,139,718号明細書(例えば、その中の実施例12を参照されたい)に開示されている手順に従って合成することができ、そのウェットケーキを調製することができる。
【0215】
31.8%のα1,2分枝を備えるポリα-1,6-グルカンの調製
以下の手順に従い、グルコシルトランスフェラーゼGTF8117及びα-(1,2)分枝酵素GTF9905の段階的組み合わせによる可溶性α-(1,2)-分枝ポリα-1,6-グルカンを調製した。この材料は、31.8%のα-1,2-分枝鎖を有し、17Kの分子量を有していた。
【0216】
スクロース(450g/L)、GTF8117(2%、V%)及び50mMの酢酸ナトリウムから構成される反応混合物(2L)をpH5.5に調節し、47℃で攪拌した。予定時間にアリコート(0.2~1mL)を取り出し、90℃で15分間加熱することによりクエンチした。得られた熱処理アリコートを0.45μmフィルターに通した。素通り画分をHPLCにより分析して、スクロース、グルコース、フルクトース、ロイクロース、オリゴ糖及び多糖の濃度を決定した。20時間後、反応混合物を30分間90℃まで加熱した。熱処理反応混合物のアリコートを0.45μmフィルターに通し、素通り画分を可溶性単糖/二糖、オリゴ糖及び多糖について分析した(表1)。
【0217】
【0218】
直前で説明したスクロースとGTF8117との反応から得られた残りの熱処理した反応混合物に、524.1gのスクロース及び60mLのα-(1,2)-分枝酵素GTF9905を添加することにより、第2反応混合物を調製した。混合物を約2.1Lの容量で30℃にて攪拌した。予定時間にアリコート(0.2~1mL)を取り出し、90℃で15分間加熱することによりクエンチした。得られた熱処理アリコートを0.45μmフィルターに通した。素通り画分をHPLCにより分析して、スクロース、グルコース、フルクトース、ロイクロース、オリゴ糖及び多糖の濃度を決定した。48時間後、反応混合物を30分間に渡り90℃へ加熱した。熱処理反応混合物のアリコートを0.45μmフィルターに通し、素通り画分を可溶性単糖/二糖、オリゴ糖及び多糖について分析した(表2)。残りの熱処理した混合物を、1Lの遠心ボトルを使用して遠心分離した。上清を回収し、1又は5KDaのMWCOカセットを有する限外濾過システムを使用して、脱イオン水で100倍以上洗浄した。洗浄したオリゴ糖/多糖生成物溶液を乾燥させた。次いで、乾燥試料をHNMR分光法により分析し、オリゴ糖及び多糖のアノマー結合を決定した(表3)。表3の欄見出しは結合の説明であり、その中では直前及びコンマの後に続く1桁数字が実際のグリコシド結合を示し、任意のそれに続く数字が主鎖結合上の追加の置換(分岐)の位置を示す。
【0219】
【0220】
【0221】
NMR分光法によりアノマー結合を決定するための方法
グルコシルトランスフェラーゼGTF8117及びα-1,2分岐酵素によって合成された水溶性オリゴ糖及び多糖生成物中のグリコシド結合を1H NMR(核磁気共鳴分光法)によって決定した。乾燥オリゴ糖/多糖ポリマー(6mg~8mg)をD2O中の0.7mLの1mMのDSS(4,4-ジメチル-4-シラペンタン-1-スルホン酸;nmr参照基準物質)の溶液中に溶解させた。この試料を周囲温度で一晩攪拌した。525μLの透明な均質溶液を5mmのNMRチューブに移した。AGU(アンヒドログルコース単位)結合を同定するために、NMR実験の2D 1H,13C homo/hetero-nuclear suiteを使用した。データは、20℃で収集し、500MHz又は600MHzの何れかで稼働させながら、Bruker Avance III NMR分光計で処理した。このシステムは、プロトン最適化ヘリウム冷却クリオプローブを装備している。1D 1H NMRスペクトルを使用してグリコシド結合分布(表3)を定量すると、α(1,2)としての31.8%の全AGUを伴う一次α(1,6)AGU[α(1,6)+α(1,62)=68.2%のα(1,6)としての全グリコシド結合]が分岐した多糖主鎖が明らかになる。これらの結果は、グルコース結合を表す全ピークの合計の積分強度で個別結合タイプを表すNMR共鳴の積分強度を割った比率に100を掛けたものを反映している。
【0222】
実施例1
ポリα-1,6-グルカンとビニルスルホン酸ナトリウムとの反応
本実施例では、エチルスルホン酸基で官能化したポリα-1,6グルカンについて記載する。本明細書の上記で調製したポリα-1,6グルカン(20g)をオーバーヘッド型スターラー、添加用漏斗及び窒素入口を装備した1Lの丸底フラスコ中の200mLのイソプロパノール中に懸濁させた。これにビニルスルホン酸ナトリウム(187mLの25重量%の溶液)を添加し、この混合物を10分間撹拌した。これに59gの50重量%の水酸化ナトリウムを添加した。この混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を次に5時間に渡り撹拌しながら80℃に加熱した。混合物を室温に冷却し、18.5重量%のHCl溶液で中和した。生成物を、限外濾過(MWCO 5kDa、PES膜)によって精製した。置換度は、1H NMR分析によって決定すると1.0であった。
【0223】
実施例2
ポリα-1,6-グルカンと1,3-プロパンスルトンとの反応
本実施例では、プロピルスルホン酸基で官能化したポリα-1,6グルカンについて記載する。本明細書の上記で調製したポリα-1,6グルカン(20g)をオーバーヘッド型スターラー、添加用漏斗及び窒素入口を装備した1Lの丸底フラスコ中の50mLの蒸留脱イオン水中に懸濁させた。混合物を、氷/水浴で冷却した。これに窒素掃引下で添加用漏斗を介して9.9gの50重量%の水酸化ナトリウム溶液を添加した。添加後、混合物を30分間に渡り氷/水の上方で更に撹拌した。これに14.6gの1,3-プロパンスルトンを添加した。混合物を窒素下で3時間に渡り45~50℃で加熱した。この混合物を冷却し、18.5重量%のHClで中和した。生成物は、限外濾過(MWCO 5K、PES膜、3×)によって精製した。置換度は、1H NMR分析によって決定すると0.3であった。
【0224】
実施例3
ポリα-1,6-グルカンと1,4-ブタンスルトンとの反応
本実施例では、ブチルスルホン酸基で官能化したポリα-1,6グルカンについて記載する。本明細書の上記で調製したポリα-1,6グルカン(20g)をオーバーヘッド型スターラー、添加用漏斗及び窒素入口を装備した1Lの丸底フラスコ中の50mLの蒸留脱イオン水中に溶解させた。混合物を、氷/水浴で冷却した。これに窒素掃引下で添加用漏斗を介して7.4gの50重量%の水酸化ナトリウム溶液を添加した。添加後、混合物を30分間に渡り氷/水の上方で更に撹拌した。これに16gの1,4-ブタンスルトンを添加した。混合物を窒素下で2日間に渡り40~45℃で加熱した。この混合物を冷却し、18.5重量%のHClで中和した。ポリマーは、限外濾過(MWCO 5K、PES膜、3×)によって精製した。置換度は、1H NMR分析によって決定すると0.8であった。
【0225】
実施例4
ポリα-1,3-グルカンとビニルスルホン酸ナトリウムとの反応
本実施例では、エチルスルホン酸基で官能化したポリα-1,3グルカンについて記載する。ポリα-1,3グルカン(20g)をオーバーヘッド型スターラー、添加用漏斗及び窒素入口を装備した1Lの丸底フラスコ中の200mLのイソプロパノール中に懸濁させた。これにビニルスルホン酸ナトリウム(187mLの25重量%の溶液)を添加しこの混合物を10分間撹拌した。これに59gの50重量%の水酸化ナトリウムを添加した。この混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を次に5時間に渡り撹拌しながら80℃に加熱した。混合物を室温まで冷却し、18.5重量%のHCl溶液で中和した。生成物を濾過し、限外濾過(MWCO 5kDa、PES膜)によって精製した。
【0226】
実施例5
スルホン化多糖の白色度性能の評価
試験のためにCopley洗浄力試験機を試験した。
【0227】
どちらもTestfabricsからのポリエステル/綿織物EMPA213及び綿織物EMPA221を含む2種の織物スワッチを使用した。各種類の織物スワッチは、2”X2”の正方形であった;試験1回当たり各織物のスワッチ3枚を使用した。この実験セットで使用した洗剤は、AATCC WOBリキッドであった。親水性汚染として、Red #1 C-赤粘土を使用した;各試験において計0.6gのC-赤粘土を使用した。カーボンブラックは、疎水性汚染として使用した;各試験において、計0.2gのカーボンブラックを使用した。下記の洗浄条件が適用されている:0.5Lの水道水(硬度100ppm);125mgの多糖誘導体;100rpmでの撹拌;35℃の洗浄温度;10分間の洗浄、5分間のすすぎ。
【0228】
実験後、スワッチを一晩かけて風乾させ、生じたスワッチの色は、X-Rite比色計(L*、a*、b*)を使用して2回ずつ測定した。L*値を使用して、洗浄効果を決定した。多糖誘導体を用いて試験したスワッチと水コントロールを用いて試験した(多糖誘導体が添加されていない)スワッチとの色差を示すために、ΔL*を計算した。より大きな数値は、適用された汚染に対する多糖誘導体のより優れた再付着防止を示している。結果は表4に示した。
【0229】
【0230】
実施例6
ポリα-1,3-1,6-グルカンとビニルスルホン酸ナトリウムとの反応
本実施例では、エチルスルホン酸基で官能化したポリα-1,3-1,6-グルカンについて記載する。ポリα-1,3-1,6-グルカン(20g)をオーバーヘッド型スターラー、添加用漏斗及び窒素入口を装備した1Lの丸底フラスコ中の200mLのイソプロパノール中に懸濁させた。これにビニルスルホン酸ナトリウム(187mLの25重量%溶液)を添加し、この混合物を10分間撹拌した。これに59gの50重量%の水酸化ナトリウムを添加した。この混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を次に5時間に渡り撹拌しながら80℃に加熱した。混合物を室温まで冷却し、18.5重量%のHCl溶液で中和した。生成物を濾過し、限外濾過(MWCO 5kDa、PES膜)によって精製した。
【0231】
実施例7
ポリマー(Miniwasher)の白色度の利点を評価するための方法
白色度保存とも称される白色度維持は、白色のアイテムが汚れの存在下で洗浄される場合に白色度の損失から守る洗剤の能力である。汚れた衣服から汚れが取り除かれて洗濯水中に懸濁させられ、次いでその汚れが衣服に再付着して洗濯する度に衣服の白さが低下すると、時間の経過に伴って白色の衣類は汚れたり/薄汚なくなったりすることがある。本発明におけるポリマーの白色度の利点は、5つのポットを備える自動Miniwasherを使用して評価した。WFKTestgewebe GmbHによって供給されたSBL2004試験汚れストリップを使用して、消費者の汚れレベル(身体の汚れ、食品、汚れ、草等)をシミュレートした。平均して、各1枚のSBL2004ストリップに8gの汚れを装填した。WFKから購入した下記の表5の白色織物スワッチを白色度トレーサーとして使用した。洗浄試験の前に、全白色度トレーサーのL、a、b値は、Konica Minolta CM-3610D分光光度計を使用して測定した。
【0232】
【0233】
試験を完了するためには、3サイクルの洗浄が必要とされた。
サイクル1:所望量のベース洗剤は、各Miniwasherチューブ内に7.57Lの水(規定硬度にある)と混合することによって十分に溶解させた。各織物タイプの3.5 SBL2004ストリップ(約28gの汚れ)及び3枚の白色度トレーサー(社内複製物)を洗浄し、規定条件下のMiniwasher内でリンスし、その後に乾燥させた。
サイクル2:上記の白色度トレーサーを新規セットのSBL2004シートを用いて再度洗浄し、その後に乾燥させた。その他の全条件は、サイクル1と同一であった。
サイクル3:上記の白色度トレーサーを新規セットのSBL2004シートを用いて再度洗浄し、その後に乾燥させた。その他の全条件は、サイクル1と同一であった。
【0234】
サイクル3後、全白色度トレーサーを乾燥させ、その後、Konica Minolta CM-3610D分光光度計を用いて測定した。白色度指数(ΔWI(CIE))における変化は、洗浄前後のL、a、b測定値に基づいて計算した。
ΔWI(CIE)=WI(CIE)(洗浄後)-WI(CIE)(洗浄前)
【0235】
Miniwasherは5つのポットを備えており、1回の試験で5種の製品を試験することができる。典型的なポリマー白色度性能試験では、比較ポリマーを含有する、若しくはポリマーを含有しない1種の参照製品を本発明のポリマーを含有する4種の製品と共に試験し、「ΔWI対参照」を報告した。
ΔWI(CIE)対参照物質=ΔWI(CIE)(製品)-ΔWI(CIE)(参照物質)
【0236】
液体ベース洗剤Aにおけるポリマー性能
下記の液体洗剤は、当業者であれば公知の伝統的手段によって、列挙した成分を混合することによって調製できる。
【0237】
【0238】
参照物質1及び本発明のポリマーを含む配合物1~2の白色度の利点を試験手順に従って評価した。5種の織物タイプの平均ΔWI(CIE)対参照物質は、下記の表7に要約した。本発明のポリマーは、有意な白色度性能を送達できる。
【0239】