(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】蒸気システム
(51)【国際特許分類】
F17D 3/14 20060101AFI20241024BHJP
F22B 37/00 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
F17D3/14
F22B37/00 A
(21)【出願番号】P 2020211022
(22)【出願日】2020-12-21
【審査請求日】2023-11-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000133733
【氏名又は名称】株式会社テイエルブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100131200
【氏名又は名称】河部 大輔
(72)【発明者】
【氏名】恩田 英
(72)【発明者】
【氏名】横谷 隆道
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-187700(JP,A)
【文献】特開昭61-066996(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17D 3/14
F22B 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気使用装置に接続され、蒸気を前記蒸気使用装置に供給する供給管と、
前記供給管に設けられる流量調節弁と、
前記流量調節弁を制御して、前記供給管の圧力を設定圧力まで上昇させる暖機運転を実行する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記供給管の蒸気流速が所定値以下になるように前記流量調節弁における上下流の圧力差に応じて前記流量調節弁の開度が設定されている開度データに基づいて、前記流量調節弁を制御するように構成され、
前記開度データは、前記流量調節弁の開度が互いに異なる値に設定される複数のモードの開度データを含んでおり、
前記制御装置は、前記設定圧力までの所定の経過圧力と、前記供給管の圧力を前記経過圧力まで上昇させる目標時間とを設定すると共に、前記暖機運転において、前記供給管の圧力が前記経過圧力まで上昇すると、前記供給管の圧力が前記経過圧力まで上昇するのに要した実際時間と前記目標時間との大小関係に応じて、前記複数のモードを切り換える
ことを特徴とする蒸気システム。
【請求項2】
請求項1に記載の蒸気システムにおいて、
前記制御装置は、前記暖機運転において、前記供給管の圧力が前記経過圧力まで上昇すると、前記実際時間が前記目標時間よりも遅い場合は、現在の前記モードの開度データよりも前記流量調節弁の開度が大きく設定されている前記モードの開度データに切り換える
ことを特徴とする蒸気システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の蒸気システムにおいて、
前記制御装置は、前記暖機運転において、前記供給管の圧力が前記経過圧力まで上昇すると、前記実際時間が前記目標時間よりも所定時間以上早い場合は、現在の前記モードの開度データよりも前記流量調節弁の開度が小さく設定されている前記モードの開度データに切り換える
ことを特徴とする蒸気システム。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の蒸気システムにおいて、
前記制御装置は、前記経過圧力および前記目標時間を複数設定する
ことを特徴とする蒸気システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、蒸気システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、蒸気システムの暖機運転が知られている。例えば、特許文献1に開示されている蒸気システムは、蒸気使用装置に接続される蒸気配管と、蒸気配管の途中に接続される複数のドレン管と、それぞれのドレン管に設けられる複数のドレン弁とを有する。この蒸気システムの暖機運転では、少量の蒸気を蒸気配管に供給すると共に、蒸気配管の上流側のドレン弁から開弁してドレンを排出し、そのドレン管の温度が所定値まで上昇すると、そのドレン弁を閉弁する。このようなドレン弁の動作が複数のドレン弁に対し順次行われて、暖機運転が終了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した暖機運転の方法では、ユーザの要望に応じた最適な運転を行うことが困難な場合がある。例えば、いざ暖機運転を開始したものの、暖機運転の完了時間がユーザの想定以上に長くなったり、逆にユーザの想定した時間よりも非常に短かったりする場合がある。前者の場合は、暖機運転の後に行う通常運転の運転スケジュールに支障が生じる場合がある。後者の場合は、暖気のために過剰に蒸気が使用されることになるので、省エネルギ性が低下する。
【0005】
本願に開示の技術は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザの要望に応じた最適な暖機運転を行うことができる蒸気システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示の技術は、蒸気使用装置に接続され、蒸気を前記蒸気使用装置に供給する供給管と、前記供給管に設けられる流量調節弁と、前記流量調節弁を制御して、前記供給管の圧力を設定圧力まで上昇させる暖機運転を実行する制御装置とを備えた蒸気システムである。前記制御装置は、前記供給管の蒸気流速が所定値以下になるように前記流量調節弁における上下流の圧力差に応じて前記流量調節弁の開度が設定されている開度データに基づいて、前記流量調節弁を制御するように構成されている。前記開度データは、前記流量調節弁の開度が互いに異なる値に設定される複数のモードの開度データを含んでいる。前記制御装置は、前記設定圧力までの所定の経過圧力と、前記供給管の圧力を前記経過圧力まで上昇させる目標時間とを設定すると共に、前記暖機運転において、前記供給管の圧力が前記経過圧力まで上昇すると、前記供給管の圧力が前記経過圧力まで上昇するのに要した実際時間と前記目標時間との大小関係に応じて、前記複数のモードを切り換える。
【発明の効果】
【0007】
本願に開示の技術によれば、ユーザの要望に応じた最適な暖機運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、蒸気システムを示す概略構成図である。
【
図2】
図2は、制御装置を概略的に示すブロック図である。
【
図3】
図3は、開度データを説明するための図である。
【
図4】
図4は、制御装置による制御動作を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、蒸気システムの一状態を示す概略構成図である。
【
図6】
図6は、蒸気システムの一状態を示す概略構成図である。
【
図7】
図7は、第1制御部によるモード切換動作を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、経過圧力、設定時間および経過時間の関係を示す表である。
【
図9】
図9は、変形例に係る制御装置による制御動作の一部を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本願の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本願に開示の技術、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0010】
図1は、蒸気システム100を示す概略構成図である。本実施形態の蒸気システム100は、例えば、段ボール製造工場に設けられ、蒸気によって段ボールを加熱するものである。この場合、蒸気システム100は、蒸気使用装置22である段ボールの加熱ロールに蒸気を供給する。
【0011】
蒸気システム100は、蒸気使用系統2と、ドレン排出系統3と、制御装置5とを備えている。ドレン排出系統3は、蒸気使用系統2に接続されている。蒸気使用系統2は、蒸気生成系統1に接続されている。
【0012】
蒸気生成系統1は、蒸気を生成する。蒸気生成系統1は、ボイラ11および供給管12を有する。ボイラ11は、水を加熱して蒸気を生成する。ボイラ11は、供給管12を介して蒸気使用系統2と接続されている。つまり、供給管12は、ボイラ11の蒸気を蒸気使用系統2に供給する。
【0013】
蒸気使用系統2は、蒸気生成系統1で生成された蒸気を使用する。具体的に、蒸気使用系統2は、蒸気によって対象物(例えば、段ボール)を加熱する。蒸気使用系統2は、ヘッダ21と、供給管23と、第1調節弁25と、複数の第2調節弁26とを有している。
【0014】
ヘッダ21には、蒸気生成系統1の供給管12が接続されている。ヘッダ21は、供給管12から蒸気が供給され、その供給された蒸気を一時的に貯留する蒸気ヘッダである。ヘッダ21には、供給管23が接続されている。供給管23は、ヘッダ21の蒸気を複数の蒸気使用装置22に供給する。
【0015】
具体的に、供給管23は、主管23aと、複数の分岐管23bとを有している。主管23aは、ヘッダ21に接続されている。主管23aは、ヘッダ21から蒸気が流入してくる管である。複数の分岐管23bは、主管23aから分岐し複数の蒸気使用装置22のそれぞれに接続されている。つまり、複数の分岐管23bのそれぞれは、一端である流入端が主管23aに接続され、他端である流出端が蒸気使用装置22に接続されている。複数の分岐管23bは、主管23aにおいて上流側(即ち、ヘッダ21側)から順に接続されている。供給管23では、ヘッダ21から主管23aに流入した蒸気が各分岐管23bに分流する。
【0016】
第1調節弁25は、主管23aに設けられている。より詳しくは、第1調節弁25は、主管23aにおける最も上流側に位置する分岐管23bの接続位置よりも上流側の部分に設けられている。複数の第2調節弁26は、複数の分岐管23bのそれぞれに設けられている。つまり、第2調節弁26は、複数の分岐管23bに一つずつ設けられている。第1調節弁25は、主管23aにおける蒸気の流量を調節するものであり、本願請求項に係る流量調節弁を構成している。第2調節弁26は、分岐管23bにおける蒸気の流量を調節する流量調節弁である。つまり、第1調節弁25および第2調節弁26は、開度が可変に構成されている。
【0017】
蒸気使用装置22では、分岐管23bから供給された蒸気が対象物(例えば、段ボール)と熱交換し、対象物が加熱される。一方、蒸気は凝縮してドレンとなる。
【0018】
また、主管23aには、ドレントラップ27が設けられている。ドレントラップ27は、主管23aの下流側端部近傍に設けられている。つまり、ドレントラップ27は、主管23aにおける最も下流側に位置する分岐管23bの接続位置よりも下流側の部分に設けられている。ドレントラップ27は、主管23aから流入したドレンのみを下流側へ排出する。主管23aでは、主管23aの残留ドレンをドレントラップ27を介して外部に排出可能となっている。
【0019】
ドレン排出系統3は、蒸気使用系統2で発生したドレンを排出する。ドレン排出系統3は、排出管31およびドレントラップ32を有している。排出管31は、蒸気使用装置22に接続されており、蒸気使用装置22で蒸気の凝縮によって発生したドレンが排出される。ドレントラップ32は、排出管31に設けられている。ドレントラップ32は、排出管31から流入したドレンのみを下流側へ排出する。
【0020】
また、蒸気システム100には、第1圧力センサ41、第2圧力センサ42および複数の第3圧力センサ43が設けられている。
【0021】
第1圧力センサ41は、ヘッダ21に設けられ、ヘッダ21の圧力を検出する。第2圧力センサ42は、主管23aに設けられている。詳しくは、第2圧力センサ42は、主管23aにおける最も上流側に位置する分岐管23bの接続位置よりも上流側の部分に設けられている。より詳しく言えば、第2圧力センサ42は、第1調節弁25よりも下流側に設けられている。第2圧力センサ42は、主管23aの圧力を検出する。複数の第3圧力センサ43は、複数の分岐管23bのそれぞれに設けられている。詳しくは、第3圧力センサ43は、分岐管23bにおける第2調節弁26よりも下流側の部分に設けられている。第3圧力センサ43は、第2調節弁26の下流側の圧力、即ち蒸気使用装置22の圧力を検出する。
【0022】
制御装置5は、通常運転と暖機運転とを実行する。通常運転は、蒸気を蒸気使用装置22に供給して、対象物を所定温度に加熱する運転である。暖機運転は、通常運転を行う前に、予め供給管23(主管23a、複数の分岐管23b)の圧力を設定圧力まで上昇させる運転である。
【0023】
具体的に、暖機運転は、複数の第2調節弁26を閉じた状態で第1調節弁25を制御して、主管23aの蒸気流速を所定値以下に維持しながら主管23aの圧力を設定圧力PSまで上昇させる第1動作と、主管23aの圧力を設定圧力PSを含む所定範囲内に維持しながら複数の第2調節弁26を設定開度DSまで開弁する第2動作とを行う運転である。
【0024】
図2は、制御装置5を概略的に示すブロック図である。制御装置5は、取得部51と、ボイラ指令部52と、第1制御部54と、第2制御部55とを機能ブロックとして有している。また、制御装置5は、記憶部53および表示部56も有している。なお、
図2では、便宜上、第2調節弁26および第3圧力センサ43について複数の表示を省略している。
【0025】
取得部51は、前述した各圧力センサ41,42,43と通信可能に構成されている。取得部51は、各圧力センサ41,42,43の検出値を受信することで取得する。具体的に、取得部51は、第1圧力センサ41が検出したヘッダ21の圧力を測定圧力PAして取得し、第2圧力センサ42が検出した主管23aの圧力を測定圧力PBとして取得する。また、取得部51は、第3圧力センサ43が検出した蒸気使用装置22の圧力を測定圧力PCとして取得する。
【0026】
ボイラ指令部52は、ボイラ11と通信可能に構成されている。ボイラ指令部52は、必要に応じて、ボイラ11の制御装置にボイラ11の駆動指令を出力する。ボイラ指令部52には、ボイラ11から、ボイラ11の運転状態(駆動状態、停止状態)が入力される。
【0027】
記憶部53は、各種プログラムおよび各種データを記憶する、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体である。
図3は、開度データ531を説明するための図である。記憶部53は、測定圧力PAと測定圧力PBとの圧力差ΔP(PA-PB)と、第1調節弁25の開度との相関データである開度データ531を記憶している。つまり、開度データ531では、圧力差ΔPに応じて、暖機運転時の安全運転が可能な範囲内で第1調節弁25の開度が設定されている。圧力差ΔPとは、第1調節弁25における上下流の圧力差とも言える。
【0028】
図3に示すように、開度データ531は、複数のモードの開度データを有している。本実施形態において、複数のモードは、高速モード、中速モードおよび低速モードの3つである。これら複数のモードの開度データは、互いに異なる値に設定されている。具体的に、高速モードの開度DHは、中速モードの開度DMよりも大きい値に設定され、低速モードの開度DLは、中速モードの開度DMよりも小さい値に設定されている。つまり、圧力差ΔPが同じ場合、低速モードの開度DL、中速モードの開度DM、高速モードの開度DHの順に値が大きくなる。さらに言えば、高速モードは、中速モードおよび低速モードよりも暖機運転を早くすることができるモードであり、中速モードは、低速モードよりも暖機運転を早くすることができるモードである。
【0029】
開度データ531では、各モードにおける第1調節弁25の開度DH,DM,DLは、主管23aの蒸気流速が所定値以下となる開度に定められている。前記所定値は、蒸気が主管23aに高速で流入してくることによるウォータハンマの発生を防止し得る値である。基本的に、圧力差ΔPが大きくなるほど、主管23aの蒸気流速は高くなるため、第1調節弁25の開度DH,DM,DLは小さく設定される。開度データ531は、第1制御部54によって読み出され、用いられる。
【0030】
第1制御部54は、第1調節弁25と通信可能に構成され、第1調節弁25を制御(開度制御)する。より詳しくは、第1制御部54は、前述した暖機運転の第1動作を実行する。第1制御部54は、設定部541、弁駆動部542、モード切換部543および計時部544を有している。
【0031】
設定部541は、ユーザの入力操作によって、暖機運転における主管23aの設定圧力PSを設定する。また、設定部541は、ユーザの入力操作によって、複数の経過圧力と、これら経過圧力に対応する設定時間とを設定する。経過圧力は、設定圧力PSまでの途中の圧力である。設定時間は、主管23a(供給管23)の圧力を経過圧力まで上昇させる目標時間である。さらに、設定部541は、ユーザの入力操作によって、開度データ531のモードを初期設定する。つまり、どのモードの開度データ531に基づいて第1調節弁25を制御するかが初期設定される。
【0032】
弁駆動部542は、暖機運転において、各モードの開度データ531に基づいて第1調節弁25の開度を制御し、測定圧力PBを設定圧力PSまで上昇させる。弁駆動部542は、各モードの開度データ531の開度DH,DM,DLに応じた駆動信号を第1調節弁25に出力することによって、第1調節弁25の開度を制御する。このように、圧力差ΔPに応じた開度データ531の開度DH,DM,DLに第1調節弁25を制御することにより、主管23aの蒸気流速が所定値以下に維持される。
【0033】
モード切換部543は、開度データ531の複数のモードを切り換えるモード切換動作を実行する。モード切換部543は、主管23a(供給管23)の圧力が、設定部541に設定されている経過圧力まで上昇すると、主管23aの圧力が経過圧力まで上昇するのに要した実際時間(以下、経過時間という)と設定時間との大小関係に応じて、開度データ531の複数のモードを切り換える。詳細は、後述する。計時部544は、前述の経過時間を計時する。
【0034】
第2制御部55は、第2調節弁26と通信可能に構成され、第2調節弁26を制御(開度制御)する。より詳しくは、第2制御部55は、前述した暖機運転の第2動作を実行する。第2制御部55は、設定部551および弁駆動部552を有している。
【0035】
設定部551は、ユーザの入力操作によって、前述した設定圧力PSと、暖機運転における第2調節弁26の設定開度DSとを設定する。この設定開度DSは、例えば、通常運転における第2調節弁26の初期開度として設定される開度である。弁駆動部552は、暖機運転において、測定圧力PBを設定圧力PSを含む所定範囲内に維持しながら、第2調節弁26を設定開度DSまで開弁する。より詳しくは、弁駆動部552は、第2調節弁26を設定開度DSまで所定の一定速度で開弁する。弁駆動部552は、第2調節弁26の開度が所定の一定速度で増加するように、駆動信号を第2調節弁26に出力する。なお、設定開度DSは複数の第2調節弁26において互いに異なる値であってもよい。
【0036】
表示部56は、各モードの開度データ531、後述する経過圧力や設定時間の関係を示す表等を表示可能に構成されている。表示部56は、例えばタッチパネルである。
【0037】
〈通常運転〉
蒸気システム100の通常運転では、ボイラ11で生成された蒸気はヘッダ21に供給されて一時的に貯留される。ヘッダ21の蒸気は、主管23aから複数の分岐管23bに分流し、それぞれの蒸気使用装置22に供給される。このとき、第1制御部54は、取得部51の測定圧力PBが設定圧力PSに維持されるように、第1調節弁25の開度を制御する。また、第2制御部55は、取得部51の測定圧力PCが所定の圧力となるように、第2調節弁26の開度を制御する。
【0038】
蒸気使用装置22では、蒸気と対象物とが熱交換し、対象物が所定の温度に加熱される。蒸気は、凝縮してドレンとなる。こうして蒸気の凝縮によって発生したドレンは、蒸気使用装置22から排出管31を介してドレントラップ32から排出される。
【0039】
〈暖機運転〉
蒸気システム100では、制御装置5によって、以下の暖機運転方法が行われる。
図4は、制御装置5による暖機運転時の制御動作を示すフローチャートである。
図5および
図6は、蒸気システム100の暖機運転時の一状態を示す概略構成図である。具体的に、本実施形態の暖機運転方法は、前述した第1動作および第2動作を含んでいる。
【0040】
先ず、第1制御部54が第1調節弁25を全閉状態にすると共に、第2制御部55が第2調節弁26を全閉状態にする(ステップS1)。続くステップS2では、必要に応じて、ボイラ指令部52がボイラ11に駆動指令を出力する。つまり、ボイラ指令部52は、ボイラ11が停止状態であると判定した場合、ボイラ11を運転する駆動指令を出力する。これにより、ボイラ11が駆動され、ボイラ11からヘッダ21に蒸気が貯留されていく。
【0041】
続いて、第1制御部54によって第1動作が行われる。先ず、第1制御部54によって、取得部51が取得した測定圧力PAが設定圧力PSに到達したか否かが判定される(ステップS3)。第1制御部54は、測定圧力PAが設定圧力PSに到達していない場合は、そのまま待機する。
【0042】
第1制御部54は、測定圧力PAが設定圧力PSに到達すると、第1調節弁25を開度制御する(ステップS4)。つまり、第1制御部54は、複数の第2調節弁26を閉じた状態で第1調節弁25を制御して、主管23aの蒸気流速を所定値以下に維持しながら主管23aの圧力を設定圧力PSまで上昇させる。
【0043】
具体的に、第1制御部54は、取得部51が取得した測定圧力PA,PBから圧力差ΔP(PA-PB)を算出する。そして、第1制御部54は、記憶部53の開度データ531に基づいて、前述の圧力差ΔPに応じた開度に第1調節弁25を制御する。そうすると、測定圧力PBが徐々に上昇していく。さらに、ステップS4では、第1制御部54によってモード切換動作が行われる。この動作については後述する。続いて、第1制御部54によって、測定圧力PBが設定圧力PSに到達したか否かが判定される(ステップS5)。
【0044】
測定圧力PBが設定圧力PSに到達していない場合は、ステップS4に戻り、再び第1調節弁25が開度制御される。つまり、第1制御部54は、圧力差ΔPを算出し、その圧力差ΔPに応じた開度データ531の開度DH,DM,DLに第1調節弁25を制御する。圧力差ΔPは、時間の経過と共に小さくなるので、第1調節弁25の開度は増加する方向に制御される。
【0045】
測定圧力PBが設定圧力PSに到達した場合は、第1制御部54による第1動作が終了する。このように第1動作が行われることにより、
図5に太い実線で示すように、主管23a、分岐管23bにおける第2調節弁26よりも上流側の部分の圧力を設定圧力PSまで上昇させることができる。その際、主管23aの蒸気流速が所定値以下に維持されるので、ウォータハンマの発生を防止できる。また、第1動作が行われることにより、主管23aに残留していたドレンがドレントラップ27を介して外部に排出される。
【0046】
続いて、第2制御部55によって第2動作が行われる。先ず、第2制御部55によって、複数の第2調節弁26が開弁される(ステップS6)。具体的に、第2制御部55は、第2調節弁26を所定の一定速度で開弁する。つまり、第2制御部55は、第2調節弁26の開度を所定の一定速度で増加させる。これにより、分岐管23bにおける第2調節弁26よりも下流側の部分ないし蒸気使用装置22に蒸気が流入してくる。そのため、分岐管23bにおける第2調節弁26よりも下流側の部分ないし蒸気使用装置22の圧力は、徐々に上昇する。
【0047】
続いて、第2制御部55によって、測定圧力PBが設定圧力PSから所定量以上低下したか否かが判定される(ステップS7)。つまり、測定圧力PBが設定圧力PSを含む所定範囲内に維持されているか否か、さらに言い換えれば、測定圧力PBが設定圧力PSを含む所定範囲を超えて低下したか否かが判定される。
【0048】
測定圧力PBが設定圧力PSから所定量以上は低下していない場合、即ち測定圧力PBが設定圧力PSを含む所定範囲内に維持されている場合は、第2制御部55によって、複数の第2調節弁26の開度が設定開度DSに到達しているか否かが判定される(ステップS8)。第2調節弁26の開度が設定開度DSに到達していない場合は、ステップS6に戻り、第2調節弁26の開弁動作が継続される。つまり、第2調節弁26の開度が増加し続ける。そして、再びステップS7の判定が行われる。
【0049】
一方、第2制御部55は、ステップS7において測定圧力PBが設定圧力PSから所定量以上低下していると判定した場合は、複数の第2調節弁26の開弁動作を停止する(ステップS9)。つまり、測定圧力PBが設定圧力PSを含む所定範囲を超えて低下した場合、第2調節弁26の開度は増加せずに維持される。これにより、主管23a側から第2調節弁26の下流側(蒸気使用装置22含む)への蒸気流入量の増加を抑えることができるため、測定圧力PBの低下度合いを小さくすることができる。
【0050】
続いて、第2制御部55によって、測定圧力PBが設定圧力PSに復帰したか否かが判定される(ステップS10)。つまり、測定圧力PBが設定圧力PSを含む所定範囲内に復帰したか否かが判定される。測定圧力PBが設定圧力PSに復帰していない場合は、ステップS9に戻り、第2調節弁26の開弁動作の停止が継続される。
【0051】
測定圧力PBが設定圧力PSに復帰した場合は、ステップS8へ移行する。第2制御部55は、ステップS8において第2調節弁26の開度が設定開度DSに到達していないと判定した場合は、ステップS6に戻り、複数の第2調節弁26の開弁動作を再開する(ステップS6)。つまり、再び第2調節弁26の開度が所定の一定速度で増加していく。
【0052】
ステップS8において第2調節弁26の開度が設定開度DSに到達したと判定されると、第2制御部55による第2動作が終了する。このように第2動作が行われることにより、
図6に太い実線で示すように、分岐管23bにおける第2調節弁26よりも下流側の部分ないし蒸気使用装置22の圧力も設定圧力PSまで上昇させることができる。その際、測定圧力PBが設定圧力PSを含む所定範囲内に維持されるので、高圧に保たれた蒸気を第2調節弁26よりも下流側の部分(蒸気使用装置22含む)に流入させることができる。そのため、蒸気の質量流量を稼ぐことができるので、第2調節弁26よりも下流側の部分(蒸気使用装置22含む)の圧力を速やかに設定圧力PSまで上昇させることができる。以上により、暖機運転が終了する。
【0053】
なお、前述した第2動作では、分岐管23bの蒸気流速を所定値以下に維持するという制限を積極的には設けていない理由は以下のとおりである。先ずは、第1動作によって主管23aに残留していたドレンの大半をドレントラップ27から排出するので、分岐管23bに流通するドレン量は少なく、ウォータハンマの発生の可能性は低いからである。また、分岐管23bは主管23aと比べて長さが短いことから、残留しているドレン量は少ないからである。また、第2動作では、第2調節弁26を徐々に(一定速度で)開弁するため、蒸気流速の急激な上昇が抑制されるからである。
【0054】
〈モード切換動作〉
次に、第1制御部54によるモード切換動作について
図7および
図8を参照しながら説明する。前述したように、モード切換動作は
図4に示すステップS4で行われる。
図7は、第1制御部54によるモード切換動作を示すフローチャートである。
図8は、経過圧力PEn、設定時間TSnおよび経過時間TEnの関係を示す表である。
【0055】
ここでは、設定部541は、それぞれN個の経過圧力PEn(n=1,2,・・・N)および設定時間TSn(n=1,2,・・・N)を設定しているとする。N番目(最後)の経過圧力(第n経過圧力PEn)は、設定圧力PSである。また、設定部541は、中速モードの開度データ531を初期設定しているとする。
【0056】
モード切換動作では、先ず、計時部544によって経過時間TEnの計時が開始される(ステップSa1)。続いて、モード切換部543(第1制御部54)によって、測定圧力PBが1番目の経過圧力PEn(第1経過圧力PE1)に到達したか否かが判定される(ステップSa2)。測定圧力PBが第1経過圧力PE1に到達した場合、ステップSa3へ移行する。測定圧力PBが第1経過圧力PE1に到達していない場合は、そのまま待機する。
【0057】
ステップSa3では、モード切換部543によって、測定圧力PBが第1経過圧力PE1に到達した際の経過時間TE1が、設定時間TS1よりも遅いか否かが判定される。経過時間TE1が設定時間TS1よりも早い場合は、ステップSa4へ移行する。ステップSa4では、モード切換部543によって、経過時間TE1が設定時間TS1よりも所定時間以上早いか否かが判定される。
【0058】
経過時間TE1が設定時間TS1よりも所定時間以上は早くない場合は、モード切換部543は、開度データ531のモードを切り換えない(ステップSa5)。つまり、本実施形態では、開度データ531のモードは中速モードのままである。そのため、以降の開度制御についてもユーザの設定時間TSnに応じた制御を維持することができる。一方、経過時間TE1が設定時間TS1よりも所定時間以上早い場合は、モード切換部543によって、開度データ531のモードが遅いモードに切り換えられる(ステップSa6)。つまり、本実施形態では、中速モードの開度データ531から低速モードの開度データ531に切り換えられる。そのため、以降の経過時間TEnをユーザの設定時間TSnに近づけることができる。
【0059】
ステップSa3において、モード切換部543は、経過時間TE1が設定時間TS1よりも遅いと判定した場合は、開度データ531のモードを早いモードに切り換える(ステップSa7)。つまり、本実施形態では、中速モードの開度データ531から高速モードの開度データ531に切り換えられる。そのため、以降の経過時間TEnをユーザの設定時間TSnに近づけることができる。
【0060】
こうして、ステップSa5~7で開度データ531のモードが切り換えられ又は維持されると、nが1増える(ステップSa8)。つまり、nが1から2に変わる。続いて、モード切換部543によって、nがNと等しいか否かが判定される(ステップSa9)。nがNと異なる場合、即ちnがNに到達していない場合は、ステップSa2に戻る。ステップSa2では、測定圧力PBが第2経過圧力PE2に到達したか否かが判定され、その後、前述したステップSa3~9と同様の動作が行われる。
【0061】
このように、ステップSa2~9の動作は、nがN-1になるまで繰り返し行われる。そのため、測定圧力PBが設定圧力PSを除く各経過圧力PEn到達するごとに、設定時間TSnと経過時間TEnの大小関係に基づいて開度データ531のモードが見直される。したがって、ユーザが要望する設定時間TSnに応じた第1調節弁25の開度制御を行うことができる。そして、nがNになると、モード切換動作が終了する。モード切換動作が終了すると、
図4のステップS5に移行する。
【0062】
以上のように、上記実施形態の蒸気システム100は、蒸気使用装置22に接続され、蒸気を蒸気使用装置22に供給する供給管23と、供給管23に設けられる第1調節弁25(流量調節弁)と、第1調節弁25を制御して、供給管23の圧力を設定圧力PSまで上昇させる暖機運転を実行する制御装置5とを備えている。制御装置5は、供給管23の蒸気流速が所定値以下になるように第1調節弁25における上下流の圧力差ΔPに応じて第1調節弁25の開度DH,DM,DLが設定されている開度データ531に基づいて、第1調節弁25を制御するように構成されている。開度データ531は、第1調節弁25の開度DH,DM,DLが互いに異なる値に設定される複数のモード(高速モード、中速モード、低速モード)の開度データ531を含んでいる。制御装置5は、設定圧力PSまでの所定の経過圧力PEnと、供給管23の圧力を経過圧力PEnまで上昇させる設定時間TSn(目標時間)とを設定すると共に、暖機運転において、供給管23の圧力が経過圧力PEnまで上昇すると、供給管23の圧力が経過圧力PEnまで上昇するのに要した経過時間TEn(実際時間)と設定時間TSnとの大小関係に応じて、複数のモードを切り換える。
【0063】
上記の構成によれば、供給管23の圧力が設定圧力PSまでの途中の経過圧力PEnに到達した時点で、ユーザの設定時間TSnに基づいて開度データ531のモードを見直すことができる。したがって、ユーザが要望する設定時間TSnに応じた最適な暖機運転を行うことができる。しかも、開度データ531の開度DH,DM,DLは、供給管23の蒸気流速が所定値以下になるように設定されているため、前記所定値についてウォータハンマを防止し得る値に設定することで、ウォータハンマを防止しつつ、ユーザの要望に応じた最適な暖機運転を行うことができる。
【0064】
また、上記実施形態の蒸気システム100において、制御装置5は、暖機運転において、供給管23の圧力が経過圧力PEnまで上昇すると、経過時間TEnが設定時間TSnよりも遅い場合は、現在のモードの開度データ531よりも第1調節弁25の開度DH,DM,DLが大きく設定されているモードの開度データ531に切り換える。
【0065】
上記の構成によれば、現在のモードよりも第1調節弁25の開度DH,DM,DLが大きく設定されているモード(早いモード)に切り換えるので、以降の経過時間TEnをユーザの設定時間TSnに応じて早くすることができる。そのため、暖機運転をユーザの要望する時間で終了させることができるので、暖機運転の後に行う通常運転の運転スケジュールに支障が生じることを防止することができる。
【0066】
また、上記実施形態の蒸気システム100において、制御装置5は、暖機運転において、供給管23の圧力が経過圧力PEnまで上昇すると、経過時間TEnが設定時間TSnよりも所定時間以上早い場合は、現在のモードの開度データ531よりも第1調節弁25の開度DH,DM,DLが小さく設定されているモードの開度データ531に切り換える。
【0067】
上記の構成によれば、現在のモードよりも第1調節弁25の開度DH,DM,DLが小さく設定されているモードに切り換えるので、以降の経過時間TEnをユーザの設定時間TSnに応じて遅くすることができる。そのため、暖気運転において過剰に蒸気が供給管23に供給されることを抑制することができ、省エネルギ性を向上させることができる。
【0068】
また、上記実施形態の蒸気システム100において、制御装置5は、経過圧力PEnおよび設定時間TSnを複数設定する。
【0069】
上記の構成によれば、経過圧力PEnおよび設定時間TSnを複数設定することで、開度データ531のモードを見直す機会を複数得ることができる。そのため、よりユーザの要望に応じた最適な暖機運転を行うことができる。
【0070】
また、上記実施形態の暖機運転では、暖機運転の対象領域を2つの領域に分けてこれら領域を順に昇圧するようにしている。つまり、第1動作を行うことによって、主管23aと、分岐管23bにおける第2調節弁26よりも上流側の部分の圧力を設定圧力PSまで上昇させる。そして、第1動作の後に第2動作を行うことによって、第2調節弁26よりも下流側の部分(蒸気使用装置22含む)の圧力も設定圧力PSまで上昇させる。その際、主管23aの圧力を設定圧力PSを含む所定範囲内に維持するようにしたので、高圧に保たれた蒸気を第2調節弁26よりも下流側の部分(蒸気使用装置22含む)に流入させることができる。そのため、第2調節弁26よりも下流側の部分の圧力を速やかに設定圧力PSまで上昇させることができる。その結果、例えば暖機運転の対象領域を区分けせずに一気に昇圧しようとした場合に比べて、暖機運転に要する時間を短縮することができる。
【0071】
つまり、暖機運転の対象領域を区分けせずに一気に昇圧しようとした場合、即ち複数の第2調節弁を全開にした状態で第1調節弁を制御しようとした場合、領域が広い分、なかなか対象領域の圧力は上昇しない。そうすると、第1調節弁の上下流の圧力差ΔPはなかなか小さくならないため、ウォータハンマを防止する観点上、第1調節弁の開度をなかなか増加させることができない。その結果、対象領域全体を昇圧する時間が長くなるので、暖機運転の時間が長くなってしまう。
【0072】
(実施形態の変形例)
上記実施形態の変形例について
図9を参照しながら説明する。
図9は、変形例に係る制御装置5による制御動作の一部を示すフローチャートである。本変形例は、上記実施形態の制御装置5による制御動作において、第2制御部55による第2動作の前に、必要に応じて、ボイラ11に駆動指令を出力するようにしたものである。
【0073】
具体的に、本変形例の制御装置5による制御動作は、
図4のフローチャートにおいて、ステップS5とステップS6との間にステップS11およびステップS12を追加するようにした。
【0074】
ステップS5において測定圧力PBが設定圧力PSに到達したと判定されると、ボイラ指令部52によって、ボイラ11は駆動されているか否かが判定される(ステップS11)。つまり、ボイラ指令部52が、ボイラ11の運転状態(駆動状態、停止状態)を判定する。ボイラ指令部52は、ボイラ11は駆動されていないと判定した場合、即ちボイラは停止状態であると判定した場合、ボイラ11を運転する駆動指令をボイラ11に出力する(ステップS12)。ボイラ11に駆動指令が出力されると、ステップS11に戻る。ステップS11においてボイラ11は駆動されていると判定された場合は、ステップS6に移行し、第2制御部55による第2動作が行われる。
【0075】
以上のように、本変形例によれば、第2制御部55による第2動作の前に、必要に応じてボイラ11に駆動指令を出力するようにしたので、確実に測定圧力PA(ヘッダ21の圧力)が設定圧力PSに維持される。そのため、第2動作において、測定圧力PBを設定圧力PSを含む所定範囲内に維持することが容易となる。これにより、第2調節弁26の開弁動作を停止すること(ステップS9)を抑制することができ、その結果、第2動作の時間ひいては暖機運転の時間をより短縮することができ、よりユーザの要望に応じた暖機運転を行うことが可能である。
【0076】
なお、上記実施形態の暖機運転では、第1動作と第2動作とを行う、即ち暖機運転の対象領域を2つの領域に分けてこれら領域を順に昇圧するようにしたが、暖機運転の対象領域を区分けせずに一気に昇圧するようにしてもよい。つまり、第1制御部54による第1動作(モード切換動作も含む)のみを行うようにしてもよい。その場合、第1制御部54は、第2調節弁26を開弁(全開)した状態で、第1調節弁25の開度制御を行い、供給管23(主管23aおよび複数の分岐管23b)の圧力を設定圧力PSまで上昇させる。
【0077】
また、上記実施形態では、開度データ531のモードの数は3つとして説明したが、2つまたは4つ以上であってもよい。
【0078】
また、上記実施形態では、第2動作において、第2調節弁26を所定の一定速度で開弁するようにしたが、第2調節弁26の開弁速度を加速させるようにしてもよい。つまり、第2調節弁26の開度の増加速度を加速させるようにしてもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、
図4のステップS9において、第2調節弁26の開弁動作を停止するようにしたが、第2調節弁26を開弁する速度を低下させるようにしてもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、
図4のステップS10において、測定圧力PBが設定圧力PSに復帰したか否かを判定するようにしたが、測定圧力PBが設定圧力PSを含む所定範囲内に復帰したか否かを判定するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0081】
以上説明したように、本願に開示の技術は、蒸気システムについて有用である。
【符号の説明】
【0082】
100 蒸気システム
5 制御装置
22 蒸気使用装置
23 供給管
25 第1調節弁(流量調節弁)
531 開度データ
PS 設定圧力
ΔP 圧力差
DH,DM,DL 開度
PEn 経過圧力
TSn 設定時間(目標時間)
TEn 経過時間(実際時間)