(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】縦型製袋充填包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 9/20 20120101AFI20241024BHJP
【FI】
B65B9/20
(21)【出願番号】P 2020217079
(22)【出願日】2020-12-25
【審査請求日】2023-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000148162
【氏名又は名称】株式会社川島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 一義
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0009936(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109625371(CN,A)
【文献】特開2000-226007(JP,A)
【文献】特開2019-073302(JP,A)
【文献】特開2014-111464(JP,A)
【文献】特開2003-020003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/10 - 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状包装材から成形した袋に製品を充填する縦型製袋充填包装機であって、
上下方向に延びる筒状の製品充填筒、及び前記製品充填筒の外面に沿って帯状包装材を筒状に成形する製筒器を有する充填筒ユニットと、
前記製品充填筒の幅方向の両側に配置された一対の搬送ベルトによって、前記製筒器によって筒状に成形された帯状包装材を、前記製品充填筒の外面に沿って下方に搬送する搬送ユニットと、
前記搬送ユニットによって搬送された帯状包装材の重ね合わされた両端部をシールする縦シールユニットと、
前記製品充填筒を通じて供給された製品を内包した筒状の帯状包装材のうち、袋の頂部及び底部に相当する部分をシールする横シールユニットと、
前記充填筒ユニット、前記搬送ユニット、前記縦シールユニット、及び前記横シールユニットを支持する本体フレームとを備え、
前記本体フレームは、
前記充填筒ユニット、前記搬送ユニット、前記縦シールユニット、及び前記横シールユニットを位置決めするための基準面となる前面、及び前記前面と反対側の背面を有する板状の正面部と、
前記正面部の幅方向の両端部から前記背面側に突出する板状の一対の側面部とを有し、
前記正面部の前記前面には、前記正面部の幅方向に離間した位置において、各々が上下方向に延設された一対の基準溝が形成され、
前記一対の基準溝それぞれの外側の側面によって位置決めされ、前記縦シールユニットを支持する一対の縦シール支持フレームを備えることを特徴とする縦型製袋充填包装機。
【請求項2】
請求項1に記載の縦型製袋充填包装機において、
両端が前記一対の縦シール支持フレームに支持されて、前記正面部の幅方向に延設されたガイドシャフトを備え、
前記一対の搬送ベルトは、前記正面部の幅方向にスライド可能な状態で、前記ガイドシャフトに支持されていることを特徴とする縦型製袋充填包装機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の縦型製袋充填包装機において、
前記一対の縦シール支持フレームに支持され、前記充填筒ユニットを支持す
る一対の充填筒支持フレームを有することを特徴とする縦型製袋充填包装機。
【請求項4】
帯状包装材から成形した袋に製品を充填する縦型製袋充填包装機であって、
上下方向に延びる筒状の製品充填筒、及び前記製品充填筒の外面に沿って帯状包装材を筒状に成形する製筒器を有する充填筒ユニットと、
前記製品充填筒の幅方向の両側に配置された一対の搬送ベルトによって、前記製筒器によって筒状に成形された帯状包装材を、前記製品充填筒の外面に沿って下方に搬送する搬送ユニットと、
前記搬送ユニットによって搬送された帯状包装材の重ね合わされた両端部をシールする縦シールユニットと、
前記製品充填筒を通じて供給された製品を内包した筒状の帯状包装材のうち、袋の頂部及び底部に相当する部分をシールする横シールユニットと、
前記充填筒ユニット、前記搬送ユニット、前記縦シールユニット、及び前記横シールユニットを支持する本体フレームとを備え、
前記本体フレームは、
前記充填筒ユニット、前記搬送ユニット、前記縦シールユニット、及び前記横シールユニットを位置決めするための基準面となる前面、及び前記前面と反対側の背面を有する板状の正面部と、
前記正面部の幅方向の両端部から前記背面側に突出する板状の一対の側面部とを有し、
前記正面部の前記前面には、前記正面部の幅方向に離間した位置において、各々が上下方向に延設された一対の基準溝が形成され、
前記一対の基準溝それぞれの内側の側面によって位置決めされ、前記横シールユニットを昇降可能に支持する一対の昇降ガイドレールを備えることを特徴とする縦型製袋充填包装機。
【請求項5】
請求項4に記載の縦型製袋充填包装機において、
前記横シールユニットを昇降させるモータと、
前記正面部の幅方向の両側に配置される一対のサイドフレームと、
上端が前記一対のサイドフレームそれぞれに接続され、下端が前記横シールユニットに接続されて、前記横シールユニットを上方に付勢する一対の付勢部材とを備えることを特徴とする縦型製袋充填包装機。
【請求項6】
帯状包装材から成形した袋に製品を充填する縦型製袋充填包装機であって、
上下方向に延びる筒状の製品充填筒、及び前記製品充填筒の外面に沿って帯状包装材を筒状に成形する製筒器を有する充填筒ユニットと、
前記製品充填筒の幅方向の両側に配置された一対の搬送ベルトによって、前記製筒器によって筒状に成形された帯状包装材を、前記製品充填筒の外面に沿って下方に搬送する搬送ユニットと、
前記搬送ユニットによって搬送された帯状包装材の重ね合わされた両端部をシールする縦シールユニットと、
前記製品充填筒を通じて供給された製品を内包した筒状の帯状包装材のうち、袋の頂部及び底部に相当する部分をシールする横シールユニットと、
前記充填筒ユニット、前記搬送ユニット、前記縦シールユニット、及び前記横シールユニットを支持する本体フレームとを備え、
前記本体フレームは、
前記充填筒ユニット、前記搬送ユニット、前記縦シールユニット、及び前記横シールユニットを位置決めするための基準面となる前面、及び前記前面と反対側の背面を有する板状の正面部と、
前記正面部の幅方向の両端部から前記背面側に突出する板状の一対の側面部とを有し、
帯状包装材を前記製筒器に供給する包装材供給ユニットと、
前記正面部の幅方向にスライド可能な状態で前記一対の側面部それぞれの内面に支持されて、前記包装材供給ユニットを支持する内フレームとを備えることを特徴とする縦型製袋充填包装機。
【請求項7】
請求項6に記載の縦型製袋充填包装機において、
前記本体フレームの上端において、前記正面部の背面と、前記一対の側面部それぞれの内面とに面接触して、前記正面部及び前記一対の側面部のなす角を90°に保持する補強プレートを備えることを特徴とする縦型製袋充填包装機。
【請求項8】
帯状包装材から成形した袋に製品を充填する縦型製袋充填包装機であって、
上下方向に延びる筒状の製品充填筒、及び前記製品充填筒の外面に沿って帯状包装材を筒状に成形する製筒器を有する充填筒ユニットと、
前記製品充填筒の幅方向の両側に配置された一対の搬送ベルトによって、前記製筒器によって筒状に成形された帯状包装材を、前記製品充填筒の外面に沿って下方に搬送する搬送ユニットと、
前記搬送ユニットによって搬送された帯状包装材の重ね合わされた両端部をシールする縦シールユニットと、
前記製品充填筒を通じて供給された製品を内包した筒状の帯状包装材のうち、袋の頂部及び底部に相当する部分をシールする横シールユニットと、
前記充填筒ユニット、前記搬送ユニット、前記縦シールユニット、及び前記横シールユニットを支持する本体フレームとを備え、
前記本体フレームは、
前記充填筒ユニット、前記搬送ユニット、前記縦シールユニット、及び前記横シールユニットを位置決めするための基準面となる前面、及び前記前面と反対側の背面を有する板状の正面部と、
前記正面部の幅方向の両端部から前記背面側に突出する板状の一対の側面部とを有し、
前記正面部の前記前面には、前記正面部の幅方向に離間した位置において、各々が上下方向に延設された一対の基準溝が形成され、
前記充填筒ユニット、前記搬送ユニット、及び前記縦シールユニットは、前記一対の基準溝の外側の側面によって位置決めされ、
前記横シールユニットは、前記一対の基準溝の内側の側面によって位置決めされることを特徴とする縦型製袋充填包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状包装材から成形した袋に製品を充填する縦型製袋充填包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、帯状フィルムを筒状に成形すると共に、筒状に成形された帯状フィルムの内部に製品を充填する充填筒ユニットと、筒状に成形された帯状フィルムを搬送する搬送ユニットと、帯状フィルムの重ね合わされた両端部をシールする縦シールユニットと、製品を内包した袋の頂部及び底部をシールする横シールユニットとを備える縦型製袋充填包装機が知られている。
【0003】
このような縦型製袋充填包装機は、例えば、充填筒ユニット、搬送ユニット、縦シールユニット、及び横シールユニットを、複数のパイプを溶接して構成されたフレームに支持させることによって、各ユニットの相対位置を決定している(例えば、特許文献1、2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-219744号公報
【文献】特開2000-203510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、パイプを溶接して構成されるフレームは、安価に製造が可能な反面、構成部品の取付精度が低く、品質確保が難しい。そのため、各ユニットをフレームに取り付ける際の位置調整に長い時間と熟練技術が必要になるという課題がある。
【0006】
なお、このような課題は、縦型製袋充填包装機を製造するときだけでなく、既存の縦型製袋充填包装機をオーバーホールする(各ユニットをフレームから取り外して、再び取り付ける)ときにも同様に生じ得る。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高剛性で耐振動性に優れた構造のフレームであって、各ユニットの取り付け作業が容易で且つ高い位置精度で各ユニットを支持可能なフレームを備える縦型製袋充填包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記課題を解決するため、帯状包装材から成形した袋に製品を充填する縦型製袋充填包装機であって、上下方向に延びる筒状の製品充填筒、及び前記製品充填筒の外面に沿って帯状包装材を筒状に成形する製筒器を有する充填筒ユニットと、前記製品充填筒の幅方向の両側に配置された一対の搬送ベルトによって、前記製筒器によって筒状に成形された帯状包装材を、前記製品充填筒の外面に沿って下方に搬送する搬送ユニットと、前記搬送ユニットによって搬送された帯状包装材の重ね合わされた両端部をシールする縦シールユニットと、前記製品充填筒を通じて供給された製品を内包した筒状の帯状包装材のうち、袋の頂部及び底部に相当する部分をシールする横シールユニットと、前記充填筒ユニット、前記搬送ユニット、前記縦シールユニット、及び前記横シールユニットを支持する本体フレームとを備え、前記本体フレームは、前記充填筒ユニット、前記搬送ユニット、前記縦シールユニット、及び前記横シールユニットを位置決めするための基準面となる前面、及び前記前面と反対側の背面を有する板状の正面部と、前記正面部の幅方向の両端部から前記背面側に突出する板状の一対の側面部とを有し、前記正面部の前記前面には、前記正面部の幅方向に離間した位置において、各々が上下方向に延設された一対の基準溝が形成され、前記一対の基準溝それぞれの外側の側面によって位置決めされ、前記縦シールユニットを支持する一対の縦シール支持フレームを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高剛性で耐振動性に優れた構造のフレームであって、各ユニットの取り付け作業が容易で且つ高い位置精度で各ユニットを支持可能なフレームを備える縦型製袋充填包装機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図6】各ユニットとフレームとの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態に係る縦型製袋充填包装機1を図面に基づいて説明する。なお、以下に記載する本発明の実施形態は、本発明を具体化する際の一例を示すものであって、本発明の範囲を実施形態の記載の範囲に限定するものではない。従って、本発明は、実施形態に種々の変更を加えて実施することができる。
【0012】
図1は、縦型製袋充填包装機1の全体斜視図である。
図2は、縦型製袋充填包装機1の側面図である。縦型製袋充填包装機1は、帯状フィルムFw(帯状包装材)を袋Bpに成形すると共に、成形した袋Bpに製品を充填する装置である。なお、本明細書中の「幅方向」とは、縦型製袋充填包装機1の左右方向に一致する。
【0013】
縦型製袋充填包装機1は、フィルム供給ユニット(包装材供給ユニット)10と、充填筒ユニット20と、搬送ユニット30と、縦シールユニット40と、横シールユニット50と、フレーム100(
図5及び
図6参照)とを主に備える。なお、「ユニット」とは、フレーム100に対して一体として着脱される部品の集合を指す。
【0014】
帯状フィルムFwは、製品を包装する袋の材料となる帯状の包装材である。帯状フィルムFwは、熱を加えることによって溶着することが可能な膜状の部材であって、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、アルミ裏打紙、アルミ蒸着紙などが挙げられる。製品は、例えば、飴、豆菓子、スナック等の粒状の食品を指す。但し、製品の具体例はこれらに限定されず、袋Bpに包装されて出荷されるあらゆる物を含む。
【0015】
フィルム供給ユニット10は、巻取ロール11に巻き取られた帯状フィルムFwを、フォーマ23に搬送する装置である。フィルム供給ユニット10は、巻取ロール11と、複数の固定ガイドロール12a~12hと、テンション機構13とを主に備える。
【0016】
巻取ロール11は、モータ(図示省略)の駆動力が伝達されて、帯状フィルムFwを繰り出す向きに回転する。固定ガイドロール12a~12hは、巻取ロール11からフォーマ23に至る帯状フィルムFwの送り経路に配置されて、送り経路に沿って搬送される帯状フィルムFwを案内する。テンション機構13は、送り経路に沿って搬送される帯状フィルムFwに、適切なテンションを付与する。
【0017】
巻取ロール11からフォーマ23に至る帯状フィルムFwの送り経路に対面して、日付印字装置15及び日付検査装置16が配置されている。日付印字装置15は、フィルム供給ユニット10によって搬送される帯状フィルムFwの所定の位置に、日付(例えば、製造年月日、消費期限、賞味期限など)を印字する。日付検査装置16は、日付印字装置15によって日付が適切に印字されたかを検査する。
【0018】
充填筒ユニット20は、フィルム供給ユニット10から供給された帯状フィルムFwを筒状に成形すると共に、筒状に成形された帯状フィルムFwの内部に製品を充填する。充填筒ユニット20は、ホッパ21と、製品充填筒22と、フォーマ(製筒器)23とを主に備える。
【0019】
ホッパ21は、断面積が上方に向かって広がる円錐台形状(漏斗形状)の部材である。ホッパ21の上面及び下面は、開口している。ホッパ21の下面は製品充填筒22に対面し、下面より断面積が大きいホッパ21の上面は組合せ計量器(図示省略)に対面している。そして、ホッパ21は、組合せ計量器から落下した製品を受けて製品充填筒22に供給する。
【0020】
製品充填筒22は、上端及び下端が開放された筒状の部材である。また、製品充填筒22は、上下方向に延設されている。さらに、製品充填筒22の上端は、ホッパ21の下端に接続されている。そして、製品充填筒22は、ホッパ21を通じて組合せ計量器から供給された製品を、縦シールユニット40及び横シールユニット50によって成形された袋Bpに充填する。
【0021】
フォーマ23は、ホッパ21より下方において、製品充填筒22の外面に取り付けられている。フォーマ23は、フィルム供給ユニット10から供給された帯状フィルムFwの幅方向の両端部を重ね合わせることによって、帯状フィルムFwを製品充填筒22の外面に沿って筒状に成形する。
【0022】
図3は、充填筒ユニット20の概略斜視図である。
図3に示すように、ホッパ21、製品充填筒22、及びフォーマ23は、充填筒取付パネル24と、フォーマ取付パネル25と、複数の接続柱26a、26bとによって一体化されている。
【0023】
充填筒取付パネル24及びフォーマ取付パネル25には、厚み方向に貫通する貫通孔が設けられている。また、充填筒取付パネル24及びフォーマ取付パネル25は、上下方向に離間した位置において、互いに平行に配置される。さらに、接続柱26a、26bは、充填筒取付パネル24の下面と、フォーマ取付パネル25の上面とを接続する。
【0024】
そして、製品充填筒22は、充填筒取付パネル24及びフォーマ取付パネル25に設けられた貫通孔に挿通され、充填筒取付パネル24に取り付けられる。また、フォーマ23は、製品充填筒22を囲むように、フォーマ取付パネル25の上面に取り付けられる。さらに、ホッパ21は、充填筒取付パネル24の上面から露出する製品充填筒22の上端に接続される。
【0025】
図1及び
図2に戻って、搬送ユニット30は、フォーマ23によって筒状に成形された帯状フィルムFwを、製品充填筒22の外面に沿って下方に搬送する。より詳細には、搬送ユニット30は、製品充填筒22の左右方向(幅方向)の両側に配置された一対の搬送ベルト31、32を備える。一対の搬送ベルト31、32は、モータ(図示省略)の駆動力が伝達されて、製品充填筒22の外周面を覆う帯状フィルムFwを、横シールユニット50に向けて下方に送る。
【0026】
縦シールユニット40は、前後方向において、製品充填筒22に対面する位置に配置されている。また、縦シールユニット40は、搬送ユニット30による帯状フィルムFwの搬送方向において、フォーマ23より下流側で且つ横シールユニット50より上流側に配置されている。
【0027】
縦シールユニット40は、帯状フィルムFwの重ね合わされた端部を挟むように配置された一対のシールブロック41、42を備える。一対のシールブロック41、42は、モータ(図示省略)の回転が伝達されて接離する。一対のシールブロック41、42それぞれには、ヒータが内蔵されている。そして、一対のシールブロック41、42は、帯状フィルムFwの重ね合わされた端部を挟んで加熱することによって、幅方向の両端部を溶着(シール)する。これにより、帯状フィルムFwは、筒状に成形される。
【0028】
横シールユニット50は、筒状に成形された帯状フィルムFwを所定の間隔毎に溶着(シール)することによって、帯状フィルムFwを袋Bpに成形する。より詳細には、横シールユニット50は、袋Bpの底部に相当する部分と、袋Bpの頂部に相当する部分とをシールすると共に、連続する2つの袋の境界部分を切断する。
【0029】
図4は、横シールユニット50の斜視図である。
図4に示すように、横シールユニット50は、一対の昇降ガイドレール51、52と、昇降ブロック53と、昇降モータ55と、クランク機構56と、開閉ユニット60とを主に備える。
【0030】
一対の昇降ガイドレール51、52は、帯状フィルムFwの送り経路を挟んで、左右方向に離間した位置に配置されている。また、一対の昇降ガイドレール51、52は、各々が帯状フィルムFwの搬送方向(すなわち、上下方向)と平行に延設されている。昇降ブロック53は、一対の昇降ガイドレール51、52に昇降可能な状態で支持されている。また、昇降ブロック53は、開閉ユニット60を支持している。
【0031】
昇降ブロック53は、モータ55の駆動力がクランク機構56を通じて伝達されることによって、一対の昇降ガイドレール51、52に沿って、開閉ユニット60と共に昇降する。但し、昇降ブロック53を昇降させる具体的な機構は、クランク機構56に限定されない。
【0032】
開閉ユニット60は、一対のシールブロック66、67を接離させることによって、袋Bpの底部に相当する部分と、袋Bpの頂部に相当する部分とをシールする役割を担う。開閉ユニット60は、一対の昇降ガイドレール51、52の間に配置されている。開閉ユニット60は、一対の開閉ガイドシャフト61、62と、一対のホルダ63、64と、後端ブロック65と、一対のシールブロック66、67と、トグル機構68とを主に備える。
【0033】
一対の開閉ガイドシャフト61、62は、帯状フィルムFwの送り経路を挟んで、左右方向に離間して配置されている。また、一対の開閉ガイドシャフト61、62は、帯状フィルムFwの搬送方向に直交する前後方向(水平方向)に延設されている。そして、一対の開閉ガイドシャフト61、62は、前端でホルダ63を支持し、後端で後端ブロック65を支持し、ホルダ63及び後端ブロック65の間で前後方向にスライド可能な状態でホルダ64を支持する。
【0034】
ホルダ63は、ホルダ64に対面する後面でシールブロック66を支持している。ホルダ64は、ホルダ63に対面する前面でシールブロック67を支持している。そして、トグル機構68は、接離モータ(図示省略)の駆動力が伝達されることによって、ホルダ63、64(換言すれば、シールブロック66、67)を接離させる。
【0035】
より詳細には、トグル機構68は、一端がホルダ64に接続され、他端が後端ブロック65に接続されている。そして、トグル機構68は、接離モータが正回転することによって伸長し、ホルダ64を前方に移動させ且つ後端ブロック65を後方に移動させる。これにより、ホルダ63、64が近接する。一方、トグル機構68は、接離モータが逆回転することによって収縮し、ホルダ64を後方に移動させ且つ後端ブロック65を前方に移動させる。これにより、ホルダ63、64が離間する。
【0036】
このように、クランク機構56によって横シールユニット50が昇降し、トグル機構68によってシールブロック66、67が接離する。これにより、横シールユニット50のボックスモーション動作が実現される。なお、ボックスモーション動作自体は公知なので、本明細書での説明は省略する。
【0037】
シールブロック66、67は、縦シールユニット40によって筒状に成形された帯状フィルムFwを挟んで対向配置されている。一対のシールブロック66、67それぞれには、ヒータが内蔵されている。さらに、シールブロック66には、隣接する袋を切断するためのカッタが配置されている。
【0038】
そして、シールブロック66、67は、製品充填筒22を通じて供給された製品を内包する筒状の帯状フィルムFwを挟んで加熱することによって、袋Bpの頂部及び底部に相当する部分を溶着(シール)する。また、シールブロック66からカッタを突出させることによって、隣接する袋Bpの間を切断する。
【0039】
フレーム100は、主に板状の部材(プレート)を組み合わせて構成される。そして、フレーム100は、フィルム供給ユニット10、充填筒ユニット20、搬送ユニット30、縦シールユニット40、及び横シールユニット50を支持する。
図5は、フレーム100の分解斜視図である。
図6は、各ユニット10、20、30、40、50と、フレーム100との分解斜視図である。
【0040】
図5に示すように、フレーム100は、ベースフレーム101と、一対のサイドフレーム102、103と、本体フレーム110と、一対の縦シール支持フレーム121、122と、一対のガイドシャフト123、124と、一対の充填筒支持フレーム125、126と、一対の内フレーム127、128とで構成される。
【0041】
ベースフレーム101は、地面に載置されると共に、一対のサイドフレーム102、103及び本体フレーム110を支持する。一対のサイドフレーム102、103は、左右方向に離間した位置において、ベースフレーム101の上面に立設される。本体フレーム110は、左右方向における一対のサイドフレーム102、103の間で且つ前後方向における一対のサイドフレーム102、103の後方において、ベースフレーム101の上面に立設される。
【0042】
本体フレーム110は、正面部111と、一対の側面部112、113とで構成される、所謂「コ字状」の外形を呈する。正面部111は、上下方向及び左右方向に延設された板状であって、前面111a及び背面111bを有する。一対の側面部112、113は、上下方向及び前後方向に延設された板状であって、正面部111の左右方向(幅方向)の両端部それぞれから背面111b側に突出している。正面部111及び一対の側面部112、113には、メンテナンス用の開口や他のフレームを締結するためのねじ穴が形成されている。
【0043】
そして、正面部111及び一対の側面部112、113のなす角は、90°に設定されている。すなわち、一対の側面部112、113は、互いに平行になっている。なお、正面部111及び側面部112、113は、例えば、平板を曲げ加工して構成されてもよいし、独立した板材を結合して構成されてもよい。
【0044】
正面部111の前面111aは、充填筒ユニット20、搬送ユニット30、縦シールユニット40、及び横シールユニット50を位置決めするための基準面となる。前面111aには、左右方向に離間した位置において、各々が上下方向に延設された一対の基準溝114、115が形成されている。
【0045】
一対の基準溝114、115は、正面部111の前面111aを機械加工(切削)することによって、前面111aから凹んだ凹溝である。基準溝114は、底面114aと、一対の側面114b、114cとを有する。底面114aは、前面111aと平行な面である。一方、一対の側面114b、114cは、底面114aに直交する面である。なお、基準溝115の構成も同様である。
【0046】
また、本体フレーム110の上端部には、補強プレート116が取り付けられる。補強プレート116は、長方形の平板である。すなわち、補強プレート116の隣接する端面のなす角は90°に設定されている。そして、補強プレート116は、正面部111の背面111bと、一対の側面部112、113それぞれの内面とに面接触することによって、正面部111及び一対の側面部112、113のなす角を90°に保持すると共に、本体フレーム110の剛性を向上させる。
【0047】
そして、一対の昇降ガイドレール51、52は、一対の基準溝114、115の内部において、内側の側面114c、115cに当接して固定される。すなわち、一対の昇降ガイドレール51、52は、側面114c、115cによって位置決めされる。さらに、一対の昇降ガイドレール51、52の一部は、一対の基準溝114、115から前方に突出している。そして、昇降ブロック53は、一対の昇降ガイドレール51、52のうち、一対の基準溝114、115から突出した部分を挟持する。すなわち、横シールユニット50は、一対の基準溝114、115の内側の側面114c、115cによって位置決めされている。
【0048】
また、
図6に示すように、横シールユニット50は、付勢部材の一例である一対のコイルバネ104、105(参照番号104は図示省略)によって上方に付勢されている。一対のコイルバネ104、105は、コの字型のサイドフレーム102、103の窪みに収容されている。また、一対のコイルバネ104、105は、上端が一対のサイドフレーム102、103の上部に接続され、下端が昇降ブロック53に接続されている。
【0049】
これにより、横シールユニット50は、昇降モータ55の正転駆動力と横シールユニット50の自重とによって、一対のコイルバネ104、105の付勢力に抗して下降する。また、横シールユニット50は、昇降モータ55の逆転駆動力と一対のコイルバネ104、105の付勢力とによって、横シールユニット50の自重に抗して上昇する。
【0050】
一対の縦シール支持フレーム121、122は、板状の部材である。一対の縦シール支持フレーム121、122は、左右方向に離間した位置において、互いに対向して配置されている。より詳細には、一対の縦シール支持フレーム121、122は、一対の基準溝114、115の内部において、外側の側面114b、115bに当接して固定される。そして、縦シールユニット40は、一対の縦シール支持フレーム121、122によって支持される。
【0051】
より詳細には、
図6に示すように、縦シールユニット40は、一対の突出アーム43、44と、回動アーム45とを有する。そして、一対のシールブロック41、42は、一対の突出アーム43、44及び回動アーム45を介して、一対の縦シール支持フレーム121、122に支持される。
【0052】
一対の突出アーム43、44は、一対の縦シール支持フレーム121、122から前方に突出している。また、回動アーム45は、一端が突出アーム43の先端に回動可能に支持され、他端が突出アーム44の先端に着脱可能に構成されている。そして、一対のシールブロック41、42は、突出アーム44に装着されたときに充填筒ユニット20に対面する位置において、回動アーム45に支持されている。
【0053】
一対のガイドシャフト123、124は、両端が一対の縦シール支持フレーム121、122に支持されて、正面部111の前面111aに対面する位置を左右方向に延設されている。そして、一対の搬送ベルト31、32は、左右方向にスライド可能な状態で、一対のガイドシャフト123、124に支持されている。換言すれば、一対の搬送ベルト31、32は、製品充填筒22の左右方向(幅方向)の両側に接離可能な状態で、一対のガイドシャフト123、124に支持されている。
【0054】
一対の充填筒支持フレーム125、126は、板状の部材である。一対の充填筒支持フレーム125、126は、左右方向に離間した位置に配置されている。より詳細には、一対の充填筒支持フレーム125、126は、一対の縦シール支持フレーム121、122の上面に載置されている。そして、充填筒ユニット20は、一対の充填筒支持フレーム125、126によって支持される。より詳細には、一対の充填筒支持フレーム125、126それぞれに、フォーマ取付パネル25の両端部が固定される。
【0055】
このように、一対の縦シール支持フレーム121、122、一対のガイドシャフト123、124、及び一対の充填筒支持フレーム125、126は、一対の基準溝114、115の外側の側面114b、115bによって位置決めされている。すなわち、充填筒ユニット20、搬送ユニット30、及び縦シールユニット40は、一対の基準溝114、115の外側の側面114b、115bによって位置決めされている。また、一対の縦シール支持フレーム121、122の切欠き部をベースフレーム101の上端に篏合させることによって、充填筒ユニット20、搬送ユニット30、縦シールユニット40が上下方向にも位置決めされている。
【0056】
一対の側面部112、113は、フィルム供給ユニット10を位置決めするための基準面となる。より詳細には、一対の内フレーム127、128は、左右方向にスライド可能な状態で、一対の側面部112、113それぞれの内面に支持される。そして、一対の内フレーム127、128は、フィルム供給ユニット10を支持する。
【0057】
上記の実施形態によれば、例えば以下の作用効果を奏する。
【0058】
上記の実施形態によれば、板状の正面部111及び板状の一対の側面部112、113で本体フレーム110を構成することによって、高剛性で耐振動性に優れた構造が実現されると共に、高い位置精度で各ユニット20、30、40、50を支持することができる。また、各ユニット20、30、40、50を共通の基準面(すなわち、前面111a)に位置決めすることによって、各ユニット20、30、40、50の取り付け作業が容易になる。
【0059】
より詳細には、前面111aに形成した基準溝114、115の側面114b、114c、115b、115cを、各ユニット20、30、40、50の位置決め基準面とした。これにより、基準溝114、115を高精度に機械加工するだけで、各ユニット20、30、40、50を高い位置精度で位置決めできる。
【0060】
また、上記の実施形態によれば、一対のコイルバネ104、105で横シールユニット50を上方に付勢することによって、昇降モータ55による横シールユニット50の昇降をアシストすることができる。これにより、昇降モータ55の容量を小さくできる(省エネに寄与する)と共に、横シールユニット50のボックスモーション動作を高精度に制御することができる。
【0061】
なお、
図4に示すように、本実施形態に係る一対の基準溝114、115は、前面111aの下部のみで左右方向に離間しており、前面111aの上部では内側の側面114c、115cが消滅して底面114a、115aが連続している。一方、外側の側面114b、115bは、前面111aの上下方向の全域に形成されている。このような場合でも、前面111aの上部における外側の側面114b、115bは、「左右方向に離間した一対の基準溝114、115の外側の側面114b、115b」と表記する。
【0062】
また、側面114b、115b、114c、115cは、「正面部111の前面111aに形成された段差」と言い換えることができる。すなわち、「一対の昇降ガイドレール51、52及び一対の縦シール支持フレーム121、122は、正面部111の前面111aに形成された段差に当接して位置決めされている。」と言い換えることができる。
【0063】
但し、一対の基準溝114、115の内側の側面114c、115cは、外側の側面114b、115bと同様に、前面111aの上下方向の全域に形成されていてもよい。すなわち、一対の基準溝114、115は、前面111aの上下方向の全域において、左右方向に離間して形成されていてもよい。
【0064】
また、上記の実施形態によれば、正面部111と直交する一対の側面部112、113で一対の内フレーム127、128を支持することによって、フィルム供給ユニット10を高い位置精度で位置決めできる。なお、平板を屈曲して本体フレーム110を構成する場合、曲げ加工の後で側面部112、113に開口やねじ穴を形成することによって、さらに位置精度を高めることができる。
【0065】
さらに、本体フレーム110の上端部に補強プレート116を取り付けることによって、本体フレーム110の剛性が向上し、耐振動性に優れ、且つ高速稼働が可能になると共に、正面部111及び一対の側面部112、113のなす角(=90°)を正確に保持することができる。その結果、各ユニット10、20、30、40、50をさらに高い位置精度で位置決めできる。
【符号の説明】
【0066】
1…縦型製袋充填包装機、10…フィルム供給ユニット、11…巻取ロール、12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g,12h…固定ガイドロール、13…テンション機構、15…日付印字装置、16…日付検査装置、20…充填筒ユニット、21…ホッパ、22…製品充填筒、23…フォーマ、24…充填筒取付パネル、25…フォーマ取付パネル、26a、26b…接続柱、30…搬送ユニット、31,32…搬送ベルト、40…縦シールユニット、41,42…シールブロック、43,44…突出アーム、45…回動アーム、50…横シールユニット、51,52…昇降ガイドレール、53…昇降ブロック、55…昇降モータ、56…クランク機構、60…開閉ユニット、61,62…開閉ガイドシャフト、63,64…ホルダ、65…後端ブロック、66,67…シールブロック、68…トグル機構、100…フレーム、101…ベースフレーム、102,103…サイドフレーム、104,105…コイルバネ、110…本体フレーム、111…正面部、111a…前面、111b…背面、112,113…側面部、114,115…基準溝、114a,115a…底面、114b,114c,115b,115c…側面、116…補強プレート、121,122…縦シール支持フレーム、123,124…ガイドシャフト、125、126…充填筒支持フレーム、127,128…内フレーム