(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】シート加工装置
(51)【国際特許分類】
B26D 1/24 20060101AFI20241024BHJP
B65H 5/06 20060101ALI20241024BHJP
B65H 5/36 20060101ALI20241024BHJP
B26D 7/06 20060101ALI20241024BHJP
B26D 7/22 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
B26D1/24 G
B65H5/06 F
B65H5/36
B26D7/06 Z
B26D1/24 E
B26D7/22 A
(21)【出願番号】P 2021079283
(22)【出願日】2021-05-07
【審査請求日】2023-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】390002129
【氏名又は名称】デュプロ精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】山田 健太
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】特許第4627906(JP,B2)
【文献】米国特許第05881624(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 1/24
B65H 5/06
B65H 5/36
B26D 7/06
B26D 7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを第1の方向に搬送する搬送ユニットと、
シートの平面視で前記第1の方向に交差する第2の方向に延在する1つの移動経路に沿って移動可能な少なくとも1つのシート加工ユニットと、
少なくとも鉛直方向に延在する回動中心線を中心にして回動可能な且つ前記移動経路から外れた位置に配置された固定端を備え、シートを下方から支持するガイド部材と、
前記移動経路上に前記ガイド部材の一部が位置する原点姿勢に復帰するように前記ガイド部材を付勢する付勢部材と、
前記
少なくとも1つのシート加工ユニットの移動を制御する制御部と、
前記制御部が前記シート加工ユニットの少なくとも1つを移動させる前に、移動対象のシート加工ユニットの移動開始位置と目標位置および前記ガイド部材のサイズと移動開始前姿勢に基づいて、回動状態の前記ガイド部材に対する前記移動対象のシート加工ユニットの衝突の発生の可能性の有無を判定する衝突判定部と、を有する、シート加工装置。
【請求項2】
前記衝突判定部が、
複数の前記移動対象のシート加工ユニットが目標位置に向かう移動を同時に開始する前提条件で、前記衝突の発生の可能性の有無を判定する、請求項1に記載のシート加工装置。
【請求項3】
前記衝突判定部が、
複数の前記移動対象のシート加工ユニットが同一の速度でそれぞれの目標位置に向かう移動を行う前提条件で、前記衝突の発生の可能性の有無を判定する、請求項1または2に記載のシート加工装置。
【請求項4】
前記衝突判定部が前記衝突の発生の可能性があると判定すると、前記衝突の発生を通知する通知部を、さらに有する請求項1から3のいずれか一項に記載のシート加工装置。
【請求項5】
前記通知部が、前記衝突の発生対象のガイド部材を通知する、請求項4に記載のシート加工装置。
【請求項6】
前記通知部が、前記衝突の回避方法を通知する、請求項4または5に記載のシート加工装置。
【請求項7】
前記移動対象のシート加工ユニットの移動開始位置および目標位置とシート加工ユニット間の安全距離とに基づいて、前記衝突を回避する前記移動対象のシート加工ユニットの移動パターンを算出する移動パターン算出部を、さらに有し、
前記安全距離が、1つのシート加工ユニットが前記ガイド部材を最大に回動させる位置に位置するときに他のシート加工ユニットが当該ガイド部材に接触しないシート加工ユニット間の距離であって、
前記制御部が、前記移動パターンに基づいて前記複数のシート加工ユニットの移動を制御する、請求項1から6のいずれか一項に記載のシート加工装置。
【請求項8】
前記移動パターン算出部は、シート加工ユニット間の距離を安全距離以上にした後、前記移動対象のシート加工ユニットを目標位置に向かって移動させる移動パターンを算出する、請求項7に記載のシート加工装置。
【請求項9】
前記移動パターン算出部は、隣り合う2つシート加工ユニットに一方が、他方に対して接近し、接近後に方向転換してシート加工ユニット間の距離が前記安全距離以上になると、他方が目標位置に向かう移動を開始する移動パターンを算出する、請求項7に記載のシート加工装置。
【請求項10】
1つの前記移動対象のシート加工ユニットの移動開始位置および目標位置に基づいて、前記衝突を回避する前記移動対象のシート加工ユニットの移動パターンを算出する移動パターン算出部を、さらに有し、
前記移動パターン算出部が、前記移動対象のシート加工ユニットが移動して1つのガイド部材との接触を解除した後に、当該ガイド部材が前記原点姿勢に復帰してから当該シート加工ユニットが方向転換するように移動パターンを算出する、請求項1から6のいずれか一項に記載のシート加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シートを搬送しつつ、シートを加工するシート加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、シートを搬送しつつ、そのシートを加工することが可能なシート加工装置が開示されている。このシート加工装置は、シートを加工する加工具をそれぞれ備え、シートの搬送方向に対して交差する方向に移動可能な複数のシート加工ユニットを有する。複数のシート加工ユニットは1つの共通の移動経路に沿って移動する。このようなシート加工ユニットにより、シートを任意の箇所で加工することができる。
【0003】
また、特許文献1に記載されたシート加工装置は、シート加工ユニットがシートを加工するときに、そのシートがたるまないように下方から支持する複数のガイド部材を有する。ガイド部材それぞれは、少なくとも鉛直方向に延在する回動中心線を中心にして回動可能な固定端を備える。ガイド部材の一部がシート加工ユニットの移動経路上に配置されており、移動中のシート加工ユニットがガイド部材に接触すると、そのガイド部材は回動してシート加工ユニットを回避する。なお、シート加工ユニットがガイド部材と接触しない位置に移動すると、ガイド部材は、付勢部材に付勢されて、その一部が移動経路上に存在する原点姿勢に戻る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたシート加工装置の場合、複数のシート加工ユニットそれぞれの移動パターンによっては、ガイド部材が破損する可能性がある。具体的には、1つのシート加工ユニットに接触して回動したガイド部材が他のシート加工ユニットに衝突し、その結果として、ガイド部材が破損する可能性がある。
【0006】
そこで、本開示は、シートの搬送方向に交差する方向に移動可能な複数のシート加工ユニットと、シートを支持し、シート加工ユニットとの接触によって回動するガイド部材とを有するシート加工装置において、回動状態のガイド部材に対するシート加工ユニットの衝突を回避することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の一態様によれば、
シートを第1の方向に搬送する搬送ユニットと、
シートの平面視で前記第1の方向に交差する第2の方向に延在する1つの移動経路に沿って移動可能な少なくとも1つのシート加工ユニットと、
少なくとも鉛直方向に延在する回動中心線を中心にして回動可能な且つ前記移動経路から外れた位置に配置された固定端を備え、シートを下方から支持するガイド部材と、
前記移動経路上に前記ガイド部材の一部が位置する原点姿勢に復帰するように前記ガイド部材を付勢する付勢部材と、
前記複数のシート加工ユニットの移動を制御する制御部と、
前記制御部が前記シート加工ユニットの少なくとも1つを移動させる前に、移動対象のシート加工ユニットの移動開始位置と目標位置および前記ガイド部材のサイズと移動開始前姿勢に基づいて、回動状態の前記ガイド部材に対する前記移動対象のシート加工ユニットの衝突の発生の可能性の有無を判定する衝突判定部と、
を有する、シート加工装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、シートの搬送方向に交差する方向に移動可能な複数のシート加工ユニットと、シートを支持し、シート加工ユニットとの接触によって回動するガイド部材とを有するシート加工装置において、回動状態のガイド部材に対するシート加工ユニットの衝突を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】シート加工装置における複数のシート搬送ユニットの斜視図
【
図4】シート加工モジュール内の構成要素を示す前方斜視図
【
図5】シート加工モジュール内の構成要素を示す前面図
【
図7】シート加工ユニット内の構成内部を示す前面図
【
図12A】回動したガイド部材の衝突が発生する可能性があるケース1を説明するための図
【
図12B】ケース1において回動したガイド部材の衝突が発生した様子を示す図
【
図13A】回動したガイド部材の衝突が発生する可能性があるケース2を説明するための図
【
図13B】
図13Bは、ケース2において回動したガイド部材の衝突が発生した様子を示す図
【
図14A】回動したガイド部材の衝突が発生する可能性があるケース3を説明するための図
【
図14B】ケース3において回動したガイド部材の衝突が発生した様子を示す図
【
図15】回動したガイド部材の衝突の発生の可能性の有無を判定するための衝突判定フローを示すフローチャート
【
図16A】回動したガイド部材の衝突の発生の可能性の有無を判定するために必要なパラメータを示す図
【
図16B】シート加工ユニット間の安全距離を説明するための図
【
図17A】
図12Aおよび
図12Bに示すケース1において、回動したガイド部材のシート加工ユニットへの衝突を回避する一例の移動パターンを示す図
【
図17B】
図12Aおよび
図12Bに示すケース1において、回動したガイド部材のシート加工ユニットへの衝突を回避する一例の移動パターンを示す図
【
図17C】
図12Aおよび
図12Bに示すケース1において、回動したガイド部材のシート加工ユニットへの衝突を回避する一例の移動パターンを示す図
【
図17D】
図12Aおよび
図12Bに示すケース1において、回動したガイド部材のシート加工ユニットへの衝突を回避する一例の移動パターンを示す図
【
図18A】
図13Aおよび
図13Bに示すケース2において、回動したガイド部材のシート加工ユニットへの衝突を回避する一例の移動パターンを示す図
【
図18B】
図13Aおよび
図13Bに示すケース2において、回動したガイド部材のシート加工ユニットへの衝突を回避する一例の移動パターンを示す図
【
図19A】
図14Aおよび
図14Bに示すケース3において、回動したガイド部材のシート加工ユニットへの衝突を回避する一例の移動パターンを示す図
【
図19B】
図14Aおよび
図14Bに示すケース3において、回動したガイド部材のシート加工ユニットへの衝突を回避する一例の移動パターンを示す図
【
図20】シート加工ユニットに搭載される別例の加工具を概略的に示す図
【
図21】ダイの溝幅を調節可能な、ミシン目加工用の加工具を概略的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0011】
なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するものであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本開示の一実施の形態に係るシート加工装置の概略的構成図である。また、
図2は、シート加工装置における複数のシート搬送ユニットの斜視図である。なお、図に示すX-Y-Z直交座標系は、本開示の理解を容易にするためのものであって、本開示を限定するものではない。Z軸方向は鉛直方向を示し、X軸方向およびY軸方向は水平方向を示している。なお、本開示においては、X軸方向はシートの搬送方向であって、Y軸方向は、シートの搬送方向の下流側から見たときの左右方向である。
【0013】
図1および
図2に示すように、本実施の形態に係るシート加工装置10は、シートSを搬送経路FPに沿って搬送しつつ、そのシートSに対して加工可能な装置である。シートSは、例えば、紙、樹脂シートなどである。
【0014】
図1に示すように、シート加工装置10は、筺体12と、筺体12に搭載された複数のシート搬送ユニット14A~14Dとを有する。複数のシート搬送ユニット14A~14Dそれぞれは、シートSの搬送経路FPに沿ってシートSを搬送方向Fに搬送するように構成されている。
【0015】
図1および
図2に示すように、シート搬送ユニット14Aは、シート搬送方向Fの最上流側に位置するように筺体12に設けられている。また、シート搬送ユニット14Aは、搬送モータ16Aと、複数のシート搬送ローラ18Aと、搬送モータ16Aと複数のシート搬送ローラ18Aとを駆動連結する駆動ベルト20Aとを備える。搬送モータ16Aが回転することにより、駆動ベルト20Aを介してシート搬送ローラ18Aが回転し、そのシート搬送ローラ18A上のシートSが搬送方向Fに送られる。なお、シート搬送ローラ18AとシートSとの接触を維持するために、シートSをシート搬送ローラ18Aに向かって付勢する押さえローラ22Aがシート搬送ローラ18Aそれぞれに対して設けられている。
【0016】
シート搬送ユニット14Bは、シート搬送ユニット14Aに対してシートSの搬送方向Fの下流側に位置するように筺体12に設けられている。また、シート搬送ユニット14Bは、搬送モータ16Bと、複数のシート搬送ローラ18Bと、搬送モータ16Bと複数のシート搬送ローラ18Bとを駆動連結する駆動ベルト20Bとを備える。搬送モータ16Bが回転することにより、駆動ベルト20Bを介してシート搬送ローラ18Bが回転し、そのシート搬送ローラ18B上のシートSが搬送方向Fに送られる。なお、シート搬送ローラ18BとシートSとの接触を維持するために、シートSをシート搬送ローラ18Bに向かって付勢する押さえローラ22Bがシート搬送ローラ18Bそれぞれに対して設けられている。また、シート搬送ユニット14Bは、詳細は後述するが、駆動ベルト20Bを介して搬送モータ16Bに駆動連結され、シートSに対してシート加工を行う加工具を駆動するための複数の駆動ローラ24A~24Cを備えている。駆動ローラ24A~24Cの先端には、動力を伝達するためのドライブギア26A~26Cが取り付けられている。
【0017】
シート搬送ユニット14Cは、シート搬送ユニット14Bに対してシートSの搬送方向Fの下流側に位置するように筺体12に設けられている。シート搬送ユニット14Cは、搬送モータ16Cと、複数のシート搬送ローラ18Cと、搬送モータ16Cと複数のシート搬送ローラ18Cとを駆動連結する駆動ベルト20Cとを備える。搬送モータ16Cが回転することにより、駆動ベルト20Cを介してシート搬送ローラ18Cが回転し、そのシート搬送ローラ18C上のシートSが搬送方向Fに送られる。なお、シート搬送ローラ18CとシートSとの接触を維持するために、シートSをシート搬送ローラ18Cに向かって付勢する押さえローラ22Cがシート搬送ローラ18Cそれぞれに対して設けられている。また、シート搬送ユニット14Cは、詳細は後述するが、駆動ベルト20Cを介して搬送モータ16Cに駆動連結され、シートSに対してシート加工を行う加工具を駆動するための駆動ローラ24Dを備えている。駆動ローラ24Dの先端には、動力を伝達するためのドライブギア26Dが取り付けられている。
【0018】
シート搬送ユニット14Dは、シート搬送方向Fの最下流側に位置するように筺体12に設けられている。また、シート搬送ユニット14Dは、搬送モータ16Dと、複数のシート搬送ローラ18Dと、搬送モータ16Dと複数のシート搬送ローラ18Dとを駆動連結する駆動ベルト20Dとを備える。搬送モータ16Dが回転することにより、駆動ベルト20Dを介してシート搬送ローラ18Dが回転し、そのシート搬送ローラ18D上のシートSが搬送方向Fに送られる。なお、シート搬送ローラ18DとシートSとの接触を維持するために、シートSをシート搬送ローラ18Dに向かって付勢する押さえローラ22Dがシート搬送ローラ18Dそれぞれに対して設けられている。
【0019】
また、
図1に示すように、シート加工装置10は、複数のシート搬送ユニット14A~14Dによって搬送されるシートSに対して加工を行うシート加工モジュール30を備える。
【0020】
本実施の形態の場合、
図1に示すように、シート加工装置10は、その筺体12に複数個のシート加工モジュール30を搭載可能に構成されている。複数のシート加工モジュール30は、二点鎖線で示す複数の搭載位置P1~P4に着脱可能に搭載される。なお、
図1は、1つのシート加工モジュール30が搭載位置P3に搭載された状態を示している。
【0021】
図3Aは、シート加工モジュールの前方斜視図である。また、
図3Bは、シート加工モジュールの後方斜視図である。さらに、
図4は、シート加工モジュール内の構成要素を示す前方斜視図である。そして、
図5は、シート加工モジュール内の構成要素を示す前面図である。
【0022】
図3Aおよび
図3Bに示すように、シート加工モジュール30は、略直方体形状であって、天板32と、右側板34Rと、左側板34Lとを備える。天板32の左右方向(Y軸方向)の両端それぞれに、右側板34Rの上端と左側板34Lの上端とが固定されている。なお、天板32は、作業者がシート加工モジュール30を筺体12に対して着脱するときに把持するグリップ36が設けられている。
【0023】
また、シート加工モジュール30は、
図3Aに示すように、一端が左側板34Lに固定され、他端が右側板34Rに固定されているフロントカバー38、40を備える。フロントカバー38、40は、上下に隙間をあけて配置されており、その隙間をシートSが通過する。
【0024】
さらに、シート加工モジュール30は、
図3Bに示すように、一端が左側板34Lに固定され、他端が右側板34Rに固定されているバックカバー42、44を備える。バックカバー42、44は、上下に隙間をあけて配置されており、その隙間をシートSが通過する。
【0025】
図4および
図5に示すように、シート加工モジュール30は、シートSを加工する複数のシート加工ユニット46A、46Bを備える。本実施の形態の場合、シート加工モジュール30は、2つのシート加工ユニット46A、46Bを備える。
【0026】
複数のシート加工ユニット46A、46Bは、略直方体形状のユニットであって、シートSの搬送方向F(X軸方向)に交差する左右方向(Y軸方向)に移動可能に、シート加工モジュール30に搭載されている。具体的には、シート加工モジュール30は、左右方向に延在する複数のガイドロッド48を備える。それらガイドロッド48に支持されるとともにガイドされることにより、複数のシート加工ユニット46A、46Bの移動は左右方向に限定されている。すなわち、複数のシート加工ユニット46A、46Bは、共通のガイドロッド48に支持されるとともにガイドされることにより、1つの共通の移動経路上を追い越し不可能な状態で移動する。
【0027】
また、シート加工モジュール30は、複数のシート加工ユニット46A、46Bを左右方向(Y軸方向)に移動させるための駆動機構を備える。本実施の形態の場合、その駆動機構は、2本のねじシャフト50A、50Bと、ねじシャフト50A、50Bと係合するナット52A、52Bとから構成されるボールねじ機構である。
【0028】
ねじシャフト50A、50Bは、左右方向(Y軸方向)に且つ互いに平行に延在する。一方のねじシャフト50Aは、一方のシート加工ユニット46Aに取り付けられたナット52Aと係合する。他方のねじシャフト50Bは、他方のシート加工ユニット46Bに取り付けられたナット52Bと係合する。
【0029】
また、一方のねじシャフト50Aの一端(左側端)には、ドリブンギア54Aが取り付けられている。他方のねじシャフト50Bの一端(右側端)にも、ドリブンギア54Bが取り付けられている。
【0030】
ねじシャフト50A、50Bのドリブンギア54A、54Bは、
図1に示すように、筺体12に設けられた駆動モータ56A、56Bのドライブギア58A、58Bと係合する。なお、
図1には、駆動モータ56Aとドライブギア58Aは図示されていない。
【0031】
【0032】
具体的には、
図6に示すように、駆動モータ56Aとそのドライブギア58Aは、駆動モータ56Bとそのドライブギア58Bに対して左右方向(Y軸方向)に向き合うように、筺体12に設けられている。また、互いに向き合う駆動モータ56A、56Bは、シート加工モジュール30の搭載位置P1~P4それぞれに対して設けられている。シート加工モジュール30が筺体12のいずれかの搭載位置P1~P4に設置されると、ねじシャフト50Aのドリブンギア54Aと駆動モータ56Aのドライブギア58Aとが係合するとともに、ねじシャフト50Bのドリブンギア54Bと駆動モータ56Bのドライブギア58Bとが係合する。これらの駆動モータ56A、56Bが回転することにより、ボールねじ機構のねじシャフト50A、50Bを介して、シート加工ユニット46A、46Bが左右方向に移動する。
【0033】
また、シート加工ユニット46A、46Bそれぞれは、シートSを加工するために加工具を備える。
【0034】
図7は、シート加工ユニット内の構成要素を示す前面図である。
【0035】
シート加工ユニット46A、46Bそれぞれは、左右対称(X-Z平面対称)な構造であって、その内部にシートSを加工するための加工具60、62を備える。本実施の形態の場合、加工具60、62それぞれは、回転切断刃であって、左右方向視(Y軸方向視)で円形の刃先を備え、その刃先でシートSをその搬送方向F(X軸方向)に切断する。
【0036】
シート加工ユニット46A、46Bそれぞれの一方の加工具60は、左右方向(Y軸方向)に延在するドライブシャフト64に回転不可能に且つ左右方向に移動可能に支持されている。ドライブシャフト64の先端にはドリブンギア66が取り付けられている。このドリブンギア66は、シート搬送ユニット14B、14Cのドライブギア26A~26Dのいずれか1つと係合する。シート搬送ユニット14B、14Cの搬送モータ16B、16Cが回転することにより、ドライブシャフト64が回転し、その結果として加工具60が回転する。
【0037】
シート加工ユニット46A、46Bそれぞれの他方の加工具62は、シート加工ユニット46A、46B内に設けられた支持シャフト68に自由回転可能に支持されている。
【0038】
さらに、シート加工モジュール30は、
図4および
図5に示すように、シート加工モジュール30を通過するシートSを支持する複数のガイド部材70A~70Cを備える。
【0039】
図8は、複数のガイド部材を示す斜視図である。また、
図9は、ガイド部材の側面を示す断面図である。そして、
図10は、複数のガイド部材を示す上面図である。
【0040】
シート加工モジュール30は、シート搬送ユニット14A~14Dのシート搬送ローラ18A~18DのようなシートSを下方から支持するローラを備えていない。その代わりとして、複数のガイド部材70A~70Cを、シート加工モジュール30は備える。
【0041】
本実施の形態の場合、複数のガイド部材70A~70Cは、ロッド状の部材であって、シートSの平面視(Z軸方向視)で、シートSの搬送方向F(X軸方向)に延在している。なお、ガイド部材70Aは最も右側に位置し、ガイド部材70Cは最も左側に位置する。
【0042】
また、複数のガイド部材70A~70Cそれぞれは、
図9に示すように、少なくとも鉛直方向に延在する回動中心線SCを中心にして回動可能な固定端70aを備える。すなわち、ガイド部材70A~70Cそれぞれは、回動中心線SCを中心にして回動可能に下側バックカバー44に取り付けられている。なお、複数のガイド部材70A~70Cは、回動しても互いに接触しない間隔をあけて配置されている。
【0043】
複数のガイド部材70A~70Cが回動可能な理由は、
図9および
図10に示すように、ガイド部材70A~70Cそれぞれの一部がシート加工ユニット46A、46Bの移動経路上に存在するからである。
【0044】
具体的に説明すると、上述したように、シート加工ユニット46A、46Bは左右方向(Y軸方向)の1つの共通の移動経路に沿って移動する。そのシート加工ユニット46A、46Bが通過する空間内に、複数のガイド部材70A~70Cの一部が進入している。したがって、
図10に示すように、一方のシート加工ユニット46Aが最も左側の位置(退避位置)に位置しつつ他方のシート加工ユニット46Bが最も右側の位置(退避位置)に位置するとき、複数のガイド部材70A~70Cの一部は、2つのシート加工ユニット46A、46Bの間に位置する。
【0045】
ガイド部材70A~70Cは、左右方向(Y軸方向)に移動するシート加工ユニット46A、46Bの一方に接触すると、そのシート加工ユニットに押されて回動中心線SCを中心にして回転する。最終的に、ガイド部材70A~70Cは、シート加工ユニットに押されてシート加工ユニットの移動経路の外まで回動する。その結果、シート加工ユニットとの接触によるガイド部材70A~70Cの破損が抑制されるとともに、シート加工ユニットがガイド部材70A~70Cを左右方向に通過することができる。なお、このようなガイド部材70A~70Cの回動を可能とするために、ガイド部材70A~70Cの固定端70aは、シート加工ユニットの移動経路から外れた位置に配置されている。また、シート加工ユニットに押されて回動したガイド部材70A~70Cが、
図8および
図10に示すシートSを支持できる原点姿勢、すなわちその一部がシート加工ユニットの移動経路上に位置する原点姿勢に復帰するように、ガイド部材70A~70Cそれぞれは、ばねなどの付勢部材72によって付勢されている。
【0046】
ここまでは、本実施の形態に係るシート加工装置10の構成について説明してきた。ここからは、シート加工装置10の動作およびそれに関する制御について説明する。
【0047】
図11は、シート加工装置の制御系を示すブロック図である。なお、
図11は、本開示の実施の形態に密接に関連する制御に必要な構成要素のみを示している。
【0048】
図11に示すように、シート加工装置10は、複数の構成要素を制御する制御装置80と、入力デバイス82と、出力デバイス84とを有する。入力デバイス82は、作業者または外部装置からシート加工条件などの情報(シート加工ジョブ情報)を取得するためのデバイスである。入力デバイス82は、例えば、ユーザインターフェースとしてのマウス、キーボード、タッチスクリーン、外部装置と通信するための通信装置などである。出力デバイス84は、シート加工の結果などの情報を作業者または外部装置に出力するためのデバイスである。出力デバイス84は、例えば、ユーザインターフェースとしてのディスプレイ、スピーカー、外部装置と通信するための通信装置などである。
【0049】
制御装置80は、搬送モータ制御部86と、駆動モータ制御部88と、衝突判定部90と、通知部92とを含んでいる。本実施の形態の場合、制御装置80はまた、移動パターン算出部94を含んでいる。
【0050】
制御装置80は、例えば、CPUなどのプロセッサと、HDDなどの記憶装置とを備える。記憶装置に記憶されているプログラムにしたがってプロセッサが、搬送モータ制御部86、駆動モータ制御部88、衝突判定部90、通知部92、または、移動パターン算出部94として動作する。
【0051】
制御装置80の搬送モータ制御部86は、複数のシート搬送ユニット14A~14Dにおける搬送モータ16A~16Dを制御する。すなわち、複数のシート搬送ユニット14A~14Dそれぞれのシート搬送速度を制御する。
【0052】
搬送モータ制御部86は、例えば、複数のシート搬送ユニット14A~14Dにおいて、隣接し合う2つのシート搬送ユニットのシート搬送速度を所定の速度で同期させる。
【0053】
例えばシート加工ユニット46A、46Bが停止中のシートSに対して加工を行う場合、給紙ミスによってシートSを再給紙した場合など、複数のシート搬送ユニット14A~14Dにおいて、いずれかのシート搬送ユニットのシート搬送速度が所定の速度から変動する場合がある。
【0054】
例えば、隣接し合う2つのシート搬送ユニットにおいて、下流側のシート搬送ユニットのシート搬送速度が所定の速度且つ上流側のシート搬送ユニットに比べて高速であって、その上流側のシート搬送ユニットが加速中である場合、搬送モータ制御部86は、下流側のシート搬送ユニットのシート搬送速度を所定の速度から減速させる。そして、両者のシート搬送速度が同一になると、そのタイミングから両者を同期させて所定の速度になるまで加速させる。
【0055】
また例えば、隣接し合う2つのシート搬送ユニットにおいて、上流側のシート搬送ユニットのシート搬送速度が所定の速度且つ下流側のシート搬送ユニットに比べて高速であって、その下流側のシート搬送ユニットが加速中である場合、搬送モータ制御部86は、上流側のシート搬送ユニットのシート搬送速度を所定の速度から減速させる。両者のシート搬送速度が同一になると、そのタイミングから両者を同期させて所定の速度になるまで加速させる。
【0056】
さらに例えば、隣接し合う2つのシート搬送ユニットにおいて、上流側のシート搬送ユニットのシート搬送速度が所定の速度且つ下流側のシート搬送ユニットに比べて高速であって、その下流側のシート搬送ユニットが減速中または停止中である場合、搬送モータ制御部86は、上流側のシート搬送ユニットを減速または停止させる。
【0057】
すなわち、搬送モータ制御部86は、隣接し合う2つのシート搬送ユニットにおいて、シート搬送速度が速い方のシート搬送ユニットを一旦減速させ、そのシート搬送速度を遅い方のシート搬送ユニットのシート搬送速度に合わせる。両者のシート搬送速度が同一になると、そのタイミングから両者を同期させて所定の速度になるまで加速させる。このような同期制御により、隣接し合う2つのシート搬送ユニット間において、シートSがスムーズに受け渡しされる。
【0058】
制御装置80の駆動モータ制御部88は、駆動モータ56A、56Bを制御し、シート加工モジュール30におけるシート加工ユニット46A、46Bの左右方向(Y軸方向)の位置を制御する。例えば、入力デバイス82を介して取得したシート加工ジョブ情報に含まれるシート加工位置に基づいて、シート加工ユニット46A、46Bの位置が制御される。
【0059】
制御装置80の衝突判定部90は、複数のシート加工ユニット46A、46Bの移動によってガイド部材70A~70Cが破損しうる衝突の発生の可能性の有無を判定する判定処理を実行する。具体的には、衝突判定部90は、複数のシート加工ユニット46A、46Bの一方に押されて回動したガイド部材の他方のシート加工ユニットへの衝突の発生の可能性の有無を判定する。このような衝突が発生するとガイド部材および衝突されたシート加工ユニットの少なくとも一方が破損しうる。
【0060】
図12Aは、回動したガイド部材の衝突が発生する可能性があるケース1を説明するための図である。また、
図12Bは、ケース1において回動したガイド部材の衝突が発生した様子を示す図である。
【0061】
図12Aに示すように、ケース1においては、両脇の退避位置でそれぞれ待機するシート加工ユニット46A、46Bが、中央に位置する目標位置Pta、Ptbそれぞれに向かって移動する。
図12Bに示すように、シート加工ユニット46A、46Bがそれぞれの目標位置Pta、Ptbに向かって移動すると、シート加工ユニット46Bに接触したガイド部材70Bは、回動してシート加工ユニット46Aに衝突する。
【0062】
図13Aは、回動したガイド部材の衝突が発生する可能性があるケース2を説明するための図である。また、
図13Bは、ケース2において回動したガイド部材の衝突が発生した様子を示す図である。
【0063】
図13Aに示すように、ケース2においては、ガイド部材70Bの一方側で待機するシート加工ユニット46Aがガイド部材70Aと接触する目標位置Ptaに向かって左に移動する。また、ガイド部材70Bの他方側で待機するシート加工ユニット46Bがガイド部材70Bと接触する目標位置Ptbに向かって左に移動する。
図13Bに示すように、シート加工ユニット46A、46Bがそれぞれの目標位置Pta、Ptbに向かって左に移動すると、シート加工ユニット46Bに接触したガイド部材70Bは、回動してシート加工ユニット46Aに衝突する。
【0064】
図14Aは、回動したガイド部材の衝突が発生する可能性があるケース3を説明するための図である。また、
図14Bは、ケース3において回動したガイド部材の衝突が発生した様子を示す図である。
【0065】
図14Aに示すように、ケース3においては、ガイド部材70Cの一方側で待機するシート加工ユニット46Aがガイド部材70Bと接触する目標位置Ptaに向かって左に移動する。また、ガイド部材70Cの他方側で待機するシート加工ユニット46Bがガイド部材70Cと接触する目標位置Ptbに向かって左に移動する。
図14Bに示すように、シート加工ユニット46A、46Bがそれぞれの目標位置Pta、Ptbに向かって左に移動すると、シート加工ユニット46Bに接触したガイド部材70Cは、回動してシート加工ユニット46Aに衝突する。
【0066】
このような回動したガイド部材とシート加工ユニットとの衝突の発生の可能性の有無の判定を、衝突判定部90は、所定の衝突判定フローに基づいて行う。
【0067】
図15は、回動したガイド部材の衝突の発生の可能性の有無を判定するための衝突判定フローを示すフローチャートである。
【0068】
まず、回動したガイド部材のシート加工ユニットとの衝突の発生の可能性の有無を判定するために必要なパラメータについて説明する。
【0069】
図16Aは、回動したガイド部材の衝突の発生の可能性の有無を判定するために必要なパラメータを示す図である。
図16Bは、シート加工ユニット間の安全距離を説明するための図である。
【0070】
図16Aに示すように、ガイド部材70A~70Cそれぞれには、衝突判定に必要なパラメータとして、回動範囲Rが設定されている。回動範囲Rの外に位置しているシート加工ユニット46A、46Bは、その回動範囲が設定されているガイド部材に接触することがない。なお、回動範囲Rは、ガイド部材の回動中心から先端(自由端)までのサイズ(長さ)に比べてわずかに大きい半径rで定義される半円状の領域である。
【0071】
また、
図16Aに示すように、シート加工ユニット46Aの目標位置Ptaとシート加工ユニット46Bの目標位置Ptbの間の距離Dtが、衝突判定に必要なパラメータとして使用される。さらに、移動を開始する前(現在)のシート加工ユニット46A、46B間の距離Duも、衝突判定に必要なパラメータとして使用される。
【0072】
図16Bに示すように、安全距離Dsは、2つのシート加工ユニット46A、46Bの間の距離であって、ガイド部材70A~70Cの破損を回避するために必要な距離である。安全距離Dsは、一方のシート加工ユニットが接触してガイド部材を回動させても、当該ガイド部材が他方のシート加工ユニットに衝突しない、シート加工ユニット間の距離である。より具体的に言えば、安全距離Dsは、一方のシート加工ユニットがガイド部材を原点姿勢から最大に回動させる位置に位置するときに他のシート加工ユニットが当該ガイド部材に接触しない、シート加工ユニット間の距離である。
【0073】
図15に示す判定フローを実行する前に、衝突判定部90は、シート加工ユニット46A、46Bの現在位置を取得する。現在位置は、例えば、シート加工ユニット46A、46Bの移動の履歴データ、駆動モータ56A、56Bの回転角度(例えばロータリーエンコーダの検出値)、シート加工ユニットの位置を検出する位置検出センサの検出値などから取得することができる。また、衝突判定部90は、入力デバイス82を介して取得したシート加工ジョブ情報に含まれるシート加工位置情報に基づいて、目標位置Pta、Ptbを取得する。
【0074】
また、本実施の形態の場合、衝突判定部90は、シート加工ユニット46A、46Bがそれぞれの目標位置Pta、Ptbに向かう移動を同時に開始する前提条件(第1の前提条件)で判定処理を実行する。さらに、本実施の形態の場合、衝突判定部90は、シート加工ユニット46A、46Bが同一の速度でそれぞれの目標位置Pta、Ptbに向かう移動を行う前提条件(第2の前提条件)で判定処理を実行する。
【0075】
図15に示すように、衝突判定フローのステップS200において、衝突判定部90は、シート加工ユニット46Aの目標位置Ptaに近いガイド部材と、シート加工ユニット46Bの目標位置Ptbに近いガイド部材とを特定する。
図12Aに示すケース1の場合、目標位置Ptaに近いガイド部材としてガイド部材70Bが特定され、目標位置Ptbに近いガイド部材としてガイド部材70Bが特定される。
【0076】
続くステップS210において、衝突判定部90は、ステップS200で特定されたガイド部材が同一であるか否かを判定する。
図12Aに示すケース1は、特定されたガイド部材が同一であるケースである。特定されたガイド部材が同一である場合、ステップS220に進む。そうでない場合、ステップS270に進む。
【0077】
ステップS220において、衝突判定部90は、目標位置Pta、Ptbの両方がステップS210で同一と特定されたガイド部材の回動範囲R内に存在するか否かを判定する。
図12Aに示すケース1の場合、目標位置Pta、Ptbの両方がガイド部材70Bの回動範囲R内に存在する。目標位置Pta、Ptbの両方が特定されたガイド部材の回動範囲R内に存在する場合、ステップS230に進む。そうでない場合、ステップS270に進む。
【0078】
ステップS230において、衝突判定部90は、目標位置Pta、Ptbの間の距離Dtが安全距離Dsに比べて小さい否かを判定する。
図12Aに示すケース1は、目標位置Pta、Ptbの間の距離Dtが安全距離Dsに比べて小さいケースである。距離Dtが安全距離Dsに比べて小さい場合、ステップS240に進む。そうでない場合、ステップS270に進む。
【0079】
ステップS240において、衝突判定部90は、予めガイド部材70A~70C毎に設定された衝突回避設定姿勢の情報を取得する。衝突回避設定姿勢の情報とは、シート加工ユニットがガイド部材の回動範囲内に存在するときに当該ガイド部材が他のシート加工ユニットとの衝突を回避するためにとるべき姿勢であって、予め設定されている姿勢の情報である。衝突回避設定姿勢の情報は、制御装置80の記憶装置に記憶されている。
【0080】
続くステップS250において、衝突判定部90は、ステップS240で取得した衝突回避設定姿勢の情報に基づいて、シート加工ユニット46A、46Bが目標位置Pta、Ptbに位置するときの衝突回避設定姿勢を算出する。そして、衝突判定部90は、ステップS210で同一と特定されたガイド部材について算出された衝突回避設定姿勢が、当該ガイド部材の現在の姿勢と異なる否かを判定する。なお、ここで言う「異なる姿勢」の場合とは、算出された衝突回避設定姿勢と現在の姿勢の一方が原点姿勢であって他方が左側または右側に回動した姿勢である場合、算出された衝突回避設定姿勢と現在の姿勢の一方が左側に回動した姿勢であって他方が右側に回動した姿勢である場合を言う。異なる姿勢である場合、ステップS260に進み、衝突判定部90は、ガイド部材が破損しうるガイド部材とシート加工ユニットとの衝突が発生する可能性があると判定する。そうでない場合、ステップS270に進む。
【0081】
ステップS270において、衝突判定部90は、シート加工ユニット46Aの目標位置Ptaとシート加工ユニット46Bの目標位置Ptbの少なくとも一方が、ステップS210で同一と特定されたガイド部材の回動範囲Rの奥側の領域内に位置するか否かを判定する。ガイド部材が原点姿勢をとる場合、その当該ガイド部材によってその回動範囲Rは、右側の領域と左側の領域とに分割される。ガイド部材に対して右側にシート加工ユニットが存在する場合、当該ガイド部材の回動範囲Rの左側領域がそのシート加工ユニットに対する奥側領域になる。また、ガイド部材に対して左側にシート加工ユニット存在する場合、当該ガイド部材の回動範囲Rの右側領域がそのシート加工ユニットに対する奥側領域になる。目標位置Pta、Ptbの少なくとも一方が特定されたガイド部材の回動範囲Rの奥側の領域内に位置する場合、ステップS280に進み、衝突判定部90は、回動したガイド部材とシート加工ユニットとの衝突が発生する可能性があると判定する。そうでない場合、ステップS290に進む。
【0082】
ステップS290において、衝突判定部90は、現在のシート加工ユニット46A、46Bの間の距離Duが安全距離Dsに比べて小さいか否かを判定する。距離Duが安全距離Dsに比べて小さい場合、ステップS300に進む。そうでない場合、ステップS310に進み、衝突判定部90は、衝突が発生する可能性がないと判定する。
【0083】
ステップS300において、衝突判定部90は、シート加工ユニット46A、46Bそれぞれが目標位置Pta、Ptbに向かうときの移動方向が、シート加工ユニット46A、46Bが接近する方向または同一方向であるか否かを判定する。接近する方向または同一方向である場合、ステップS320の進み、衝突判定部90は、回動したガイド部材とシート加工ユニットとの衝突が発生する可能性があると判定する。そうでない場合、ステップS310に進む。
【0084】
そして、ステップS260、ステップS280、ステップS310、またはステップS320での処理が完了すると、衝突判定部90は、衝突判定フローにしたがう判定処理を終了する。
【0085】
このような
図15に示す衝突判定フローにより、
図12A、
図13A、および
図14Aに示すケース1~3は、
図12B、
図13B、および
図14Bに示す回動したガイド部材の衝突が発生する可能性があると判定される。例えば、ケース1は、ステップS250の工程において衝突回避設定姿勢と現在の姿勢とが異なると判定され、ステップS260の工程において衝突の可能性があると判定される。また、ケース2および3は、ステップ300の工程においてシート加工ユニット46A、46Bの移動方向が同一方向と判定され、ステップS320の工程において衝突の可能性があると判定される。
【0086】
なお、衝突判定部90が衝突が発生する可能性がないと判定した場合、駆動モータ制御部88が、シート加工ジョブにしたがってシート加工ユニット46A、46Bを目標位置Pta、Ptbに向かって移動させてもよい。
【0087】
図11に戻り、制御装置80の通知部92は、衝突判定部90の判定結果を、出力デバイス84を介して作業者に通知する。すなわち、シート加工ユニット46A、46Bの一方に押されて回動したガイド部材の他方のシート加工ユニットへの衝突が発生する可能性があることを作業者に向かって通知する。なお、衝突が発生する可能性がないことを作業者に通知してもよい。この通知により、作業者は、ガイド部材が破損する前に、シート加工ジョブ、すなわちシートの加工箇所(シート加工ユニットの配置位置)を再検討することができる。または、作業者は、シート加工ユニットの現在位置を変更し、当該シート加工ジョブを変更することなくシート加工装置10に実行させることも可能である。
【0088】
なお、通知部92は、衝突判定部90の判定結果に基づいて、衝突が生じうるガイド部材を作業者に出力デバイス84を介して通知してもよい。この通知により、作業者は、シート加工ジョブの再検討がしやすくなる。また、ガイド部材の位置の変更や着脱が可能である場合、作業者は、衝突が生じうるガイド部材をその左右方向(Y軸方向)の位置を変更するまたは下側バックカバー44から取り外すことにより、当該シート加工ジョブを変更することなくシート加工装置10に実行させることができる。
【0089】
また、通知部92は、衝突判定部90の判定結果に基づいて、衝突の回避方法を通知してもよい。例えば、シート加工ジョブの変更指示、シート加工ユニット46A、46Bの加工具60、62の変更指示、衝突が生じうるガイド部材の退避指示(最大に回動した状態で固定させる指示)、衝突が生じうるガイド部材の取り外し指示などを、通知部92は作業者に支持してもよい。
【0090】
本実施の形態の場合、制御装置80は、シート加工ユニット46A、46Bの一方に押されて回動したガイド部材の他方のシート加工ユニットへの衝突を回避するシート加工ユニット46A、46Bの移動パターンを算出する移動パターン算出部94を含んでいる。
【0091】
移動パターン算出部94は、シート加工ユニット46A、46Bそれぞれの移動開始位置および目標位置に基づいて、様々な移動パターンをシミュレーションする。例えば、現在のシート加工ユニット46A、46Bの間のユニット間距離Duが安全距離Dsに比べて小さい場合、シート加工ユニット46A、46Bの一方を移動させてユニット間距離Duを安全距離Ds以上の大きさにする移動パターンを算出する。そのために、移動パターン算出部94は、例えば、シート加工ユニット46A、46Bの移動開始タイミングが異なる条件で、移動パターンをシミュレーションする。
【0092】
また例えば、移動パターン算出部94は、シート加工ユニット46A、46Bの一方が、他方に対して接近し、接近後に方向転換してユニット間距離Duが安全距離Ds以上になると他方が目標位置に向かう移動を開始する条件で、移動パターンをシミュレーションする。
【0093】
【0094】
まず、ケース1における移動パターンにおいて、
図12Aに示すように、ガイド部材70Cの右側に位置するシート加工ユニット46Bが、その目標位置Ptbに向かう移動、すなわちシート加工ユニット46Aへの接近を開始する。このとき、シート加工ユニット46Aは現在位置で停止した状態を維持する。
【0095】
図17A~
図17Cに示すように、シート加工ユニット46Bは、目標位置Ptbを通過してガイド部材70Bの回動範囲Rを抜けると、ガイド部材70Bが原点姿勢に戻る。ガイド部材70Bの回動範囲Rを抜けたシート加工ユニット46Bは、ガイド部材70Aに接触する前に方向転換して目標位置Ptbに向かって移動する。それにより、ガイド部材70Bがその先端がシート加工ユニット46Aに衝突回避設定姿勢になる。そして、シート加工ユニット46Bが目標位置Ptbに到達するまたはユニット間距離Duが安全距離Ds以上になると、シート加工ユニット46Aが目標位置Ptaに向かう移動を開始する。
【0096】
このようなシート加工ユニット46A、46Bの移動パターンにより、
図12Bに示す、シート加工ユニット46Bとの接触によって回動したガイド部材70Bのシート加工ユニット46Aへの衝突を回避することができる。その結果、衝突を回避して、
図17Dに示すように、シート加工ユニット46Aが目標位置Ptaに到達し、シート加工ユニット46Bが目標位置Ptbに到達することができる。
【0097】
【0098】
まず、ケース2における移動パターンにおいて、
図18Aに示すように、シート加工ユニット46Aがその左側の目標位置Ptaに向かう移動を開始する。このとき、シート加工ユニット46Bは停止した状態を維持する。
【0099】
図18Aに示すように、シート加工ユニット46Aが目標位置Ptaに到達するとまたはシート加工ユニット46Aとの間のユニット間距離Duが安全距離Dsに比べて大きくなると、シート加工ユニット46Bが左側への移動を開始する。その結果、衝突を回避して、
図18Bに示すように、シート加工ユニット46Aが目標位置Ptaに到達し、シート加工ユニット46Bが目標位置Ptbに到達することができる。
【0100】
このようなシート加工ユニット46A、46Bの移動パターンにより、
図13Bに示す、シート加工ユニット46Bとの接触によって回動したガイド部材70Bのシート加工ユニット46Aへの衝突を回避することができる。
【0101】
【0102】
まず、ケース3における移動パターンにおいて、
図19Aに示すように、シート加工ユニット46Aがその左側の目標位置Ptaに向かう移動を開始する。このとき、シート加工ユニット46Bは停止した状態を維持する。
【0103】
図19Aに示すように、シート加工ユニット46Aが目標位置Ptaに到達するとまたはシート加工ユニット46Aとの間のユニット間距離Duが安全距離Dsに比べて大きくなると、シート加工ユニット46Bが左側への移動を開始する。その結果、衝突を回避して、
図19Bに示すように、シート加工ユニット46Aが目標位置Ptaに到達し、シート加工ユニット46Bが目標位置Ptbに到達することができる。
【0104】
このようなシート加工ユニット46A、46Bの移動パターンにより、
図14Bに示す、シート加工ユニット46Bとの接触によって回動したガイド部材70Cのシート加工ユニット46Aへの衝突を回避することができる。
【0105】
シミュレーションの結果、回動したガイド部材のシート加工ユニットへの衝突が回避できる移動パターンが複数存在する場合、移動パターン算出部94は、複数のシート加工ユニット46A、46Bの少なくとも一方が移動を開始してから両方がそれぞれの目標位置Pta、Ptbに到達するまでの時間が最短である移動パターンを最終的に出力する。
【0106】
図11に戻り、駆動モータ制御部88は、移動パターン算出部94が算出して出力した移動パターンに基づいて、シート加工ユニット46A、46Bを移動させる。これにより、回動したガイド部材のシート加工ユニットへの衝突を回避しつつ、シート加工ユニット46A、46Bが目標位置Pta、Ptbに配置される。
【0107】
以上のような本実施の形態によれば、シートの搬送方向に交差する方向に移動可能な複数のシート加工ユニットと、シートを支持し、シート加工ユニットとの接触によって回動するガイド部材とを有するシート加工装置において、1つのシート加工ユニットとの接触によって回動したガイド部材の他のシート加工ユニットへの衝突を回避することができる。
【0108】
上述の実施の形態を挙げて本開示を説明したが、本開示の実施の形態はこれに限定されない。
【0109】
例えば、上述の実施の形態の場合、
図10に示すように、シート加工装置10は、2つのシート加工ユニット46A、46Bと、3つのガイド部材70A~70Cとを有する。しかしながら、本開示の実施の形態はこれに限らない。シート加工ユニットは、少なくとも2つあればよく、例えば3つ以上であってもよい。ガイド部材は、少なくとも1つあればよい。
【0110】
また、上述の実施の形態の場合、衝突判定部90が衝突判定を行う前提条件として、シート加工ユニット46A、46がそれぞれの目標位置Pta、Ptbに向かう移動を同時に開始する第1の前提条件と、シート加工ユニット46A、46Bが同一の速度でそれぞれの目標位置Pta、Ptbに向かう移動を行う第2の前提条件とが存在する。しかしながら、本開示の実施の形態はこれに限らない。例えば、複数のシート加工ユニットが共通の1つの駆動源によって駆動され、複数のシート加工ユニットと1つの駆動源とがクラッチなどの動力伝達切替機構によって連結されている場合、複数のシート加工ユニットは1つずつ移動する。この場合、衝突判定部は、第1および第2の前提条件なしで、衝突判定を行う。
【0111】
さらに、上述の実施の形態の場合、
図7に示すように、シート加工ユニット46A、46Bそれぞれは、加工具として、シートSの搬送方向F(X軸方向)にシートSを切断する回転切断刃60、62を備える。しかしながら、本開示の実施の形態はこれに限らない。
【0112】
図20は、シート加工ユニットに搭載される別例の加工具を概略的に示す図である。
【0113】
図20に示すように、シート加工ユニットは、シートSにミシン目加工を行う加工具160を搭載する。なお、ミシン目加工とは、矩形状の複数の貫通穴が間隔をあけて一列に形成されるようにシートSを打ち抜くパンチ加工である。
【0114】
加工具160は、ミシン目形成刃162と、シートSを挟んでミシン目形成刃162と対向するダイ164とを含んでいる。
【0115】
ミシン目形成刃162は、回転中心線Cを中心にして回転する回転刃であって、回転中心線Cの延在方向視で、部分的に分断された円形状の刃先162aを備える。また、回転中心線Cを含む平面と平行な断面視で、ミシン目形成刃162は、V字状の外周端162bを備える。
【0116】
ダイ164は、ブロック状であって、ミシン目形成刃162と対向するシート載置面164aに、ミシン目形成刃162の接線方向(図面垂直方向)に延在するY字状断面の溝164bを備える。このY字状溝164bは、ミシン目形成刃162のV字状の外周端162bとV字状溝部164cと、そのV字状溝部164cの底に形成されて矩形状断面を備える矩形状溝部164dとから構成されている。
【0117】
ミシン目形成刃162は、シートSを打ち抜くと、溝164bのV字状溝部164c入り込む。そして、ミシン目形成刃162の刃先162aが、溝164bの矩形状溝部164d内に配置される。これにより、ミシン目形成刃162の刃先162aの溝164bの底への接触が抑制され、刃先162aの摩耗や欠損が抑制される。また、ミシン目の開口縁からシートSの裏側に向かって突出するバリの発生が抑制される。
【0118】
なお、ミシン目加工を行う加工具のダイは、溝の幅を調節可能に構成されてもよい。
【0119】
図21は、ダイの溝幅を調節可能な、ミシン目加工用の加工具を概略的に示す図である。
【0120】
図21に示す加工具260は、
図20に示すミシン目形成刃162と実質的に同一のV字状の外周端262bを備えるミシン目形成刃262と、溝幅Wが調節可能なダイ264とを含んでいる。ダイ264は、2つのダイブロック266、268とその間に配置されるスペーサ270とから構成されている。一方のダイブロック266は、シート載置面266aと他方のダイブロック268と対向する対向面266bとの間に、傾斜面266cを備える。また、他方のダイブロック268は、シート載置面268aと一方のダイブロック266と対向する対向面268bとの間に、傾斜面268cを備える。スペーサ270は、2つのダイブロック266、268の対向面266b、268bに挟まれる。厚さの異なるスペーサ270を2つのダイブロック266、268の間に配置することにより、ダイ264のY字状溝264bの溝幅Wを調節することができる。その結果、ミシン目の幅を調節することができる。
【0121】
なお、ミシン目加工は、シートSの搬送方向F(X軸方向)または搬送方向Fに対して交差する方向(Y軸方向)に形成してもよい。搬送方向Fに対して交差する方向にミシン目を加工する場合、ミシン目形成刃は、回転刃ではなく、シートSの厚さ方向(Z軸方向)に昇降することによってシートSにミシン目を形成する刃であってもよい。この場合、ダイのシート載置面には、搬送方向Fに対して交差する方向に延在してY字状断面を備える溝が設けられる。
【0122】
このように、シート加工ユニットに搭載される加工具は、要求されるシート加工の種類によって変更可能である。例えば、他のシート加工として、シートを折りやすくするための直線状のへこみを形成する加工、丸穴を形成する加工などがある。
【0123】
さらに、上述の実施の形態の場合、
図7に示す加工具60、62は、シートSの搬送方向F(X軸方向)にシートSを切断する回転切断刃であるが、本開示の実施の形態はこれに限らない。例えば、加工具は、シートの搬送方向に延在する回転中心線を中心にして回転する回転切断刃であってもよい。また、加工具は、回転することなく、シートの厚さ方向に移動してシートを切断するせん断刃であってもよい。さらに、複数のシート加工ユニットそれぞれに搭載される加工具が、異なるシート加工を行う加工具であってもよい。
【0124】
さらにまた、上述の実施の形態は、1つのシート加工ユニットの接触したガイド部材が回動し、その回動状態のガイド部材に他のシート加工ユニットが衝突する例、すなわち2つのシート加工ユニットが関わる衝突を説明したが、本開示の実施の形態はこれに限らない。例えば、1つのシート加工ユニットがガイド部材を回動させつつ移動し、ガイド部材との接触が解除されてすぐにそのシート加工ユニットが方向転換すると、そのシート加工ユニットがそのガイド部材の先端に衝突する可能性がある。このような衝突が起こらないように、
図16Aに示すように、ガイド部材の回動範囲Rが、そのガイド部材のサイズに比べて大きい半径rで定義されている。シート加工ユニットが回動範囲Rの外で方向転換することによってガイド部材が原点姿勢に復帰することができるので、方向転換したシート加工ユニットがガイド部材の先端に衝突することを回避することができる。このような1つの加工ユニットに関わる衝突が発生する可能性の有無も、衝突判定部90は判定してもよい。また、このような衝突を回避する移動パターンを移動パターン算出部94が算出してもよい。
【0125】
すなわち、本開示の一実施の形態は、広義には、シートを第1の方向に搬送する搬送ユニットと、シートの平面視で前記第1の方向に交差する第2の方向に延在する1つの移動経路に沿って移動可能な少なくとも1つのシート加工ユニットと、少なくとも鉛直方向に延在する回動中心線を中心にして回動可能な且つ前記移動経路から外れた位置に配置された固定端を備え、シートを下方から支持するガイド部材と、前記移動経路上に前記ガイド部材の一部が位置する原点姿勢に復帰するように前記ガイド部材を付勢する付勢部材と、前記複数のシート加工ユニットの移動を制御する制御部と、前記制御部が前記シート加工ユニットの少なくとも1つを移動させる前に、移動対象のシート加工ユニットの移動開始位置と目標位置および前記ガイド部材のサイズと移動開始前姿勢に基づいて、回動状態の前記ガイド部材に対する前記移動対象のシート加工ユニットの衝突の発生の可能性の有無を判定する衝突判定部と、を有するシート加工装置である。
【0126】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。したがって、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0127】
また、前述の実施形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略等を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0128】
本開示は、シートを搬送しつつ加工可能なシート加工装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0129】
46A~46B シート加工ユニット
70A~70C ガイド部材
F シートの搬送方向