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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/04 20230101AFI20241024BHJP
【FI】
G06Q10/04
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023500907
(86)(22)【出願日】2022-02-16
(86)【国際出願番号】 JP2022006225
(87)【国際公開番号】W WO2022176923
(87)【国際公開日】2022-08-25
【審査請求日】2024-09-10
(31)【優先権主張番号】P 2021022839
(32)【優先日】2021-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517372106
【氏名又は名称】株式会社レボーン
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】松岡 広明
(72)【発明者】
【氏名】元日田 祐子
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-036930(JP,A)
【文献】国際公開第2020/116490(WO,A1)
【文献】特開平04-186139(JP,A)
【文献】特開2009-156768(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
生成部と、取得部と、学習部と、判定部とを備え、
前記生成部は、指定された指標数に応じて、指標毎の評価を入力可能なテンプレートを生成し、
前記取得部は、前記テンプレートに入力された評価と、該評価に対応するにおい情報とを取得し、
前記におい情報は、においセンサにより検出された検出結果であり、
前記学習部は、前記評価と前記におい情報との組を教師データとして機械学習を行い、
前記判定部は、前記機械学習の結果に基づいて、判定対象のにおい情報を前記指標毎に判定する
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記指標は、ヒトの感覚を表現した語句に対応する
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記テンプレートは、値の入力又は選択により前記評価を入力可能に構成され、
前記値は、指定された評価段階数に応じた値である
情報処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記学習部は、複数の学習アルゴリズムのうち、選択された学習アルゴリズムに基づいて前記機械学習を行う
情報処理装置。
【請求項5】
請求項2に記載の情報処理装置において、
提示部を備え、
前記提示部は、前記判定部による判定結果に基づいてグラフを生成し、該生成したグラフを視認可能な態様で提示する
情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置において、
前記提示部は、前記判定部による複数の判定対象のそれぞれの判定結果を比較可能な態様で提示する
情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータを情報処理装置として動作させるプログラムであって、
コンピュータを請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の情報処理装置として機能させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
農作物や食品の評価は、官能評価員の鼻に頼らざるを得ない工程である。この工程を機械化することが望まれている。なお、特許文献1には、物体の匂い情報を計測し、識別することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2020/116490号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明では上記事情を鑑み、嗅覚センサデータ分析において、ヒトの感覚を分析要素として取り入れ、ヒトの感覚と異なる場合は修正をすることでよりヒトの感覚に近いアウトプットを可能と情報処理装置及びプログラムを提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、生成部と、取得部と、学習部と、判定部とを備える。生成部は、指定された指標数に応じて、指標毎の評価を入力可能なテンプレートを生成する。取得部は、テンプレートに入力された評価と、該評価に対応するにおい情報とを取得する。におい情報は、においセンサにより検出された検出結果である。学習部は、評価とにおい情報との組を教師データとして機械学習を行う。判定部は、機械学習の結果に基づいて、判定対象のにおい情報を指標毎に判定する。
【0006】
本発明の一態様によれば、嗅覚センサデータ分析において、ヒトの感覚を分析要素として取り入れ、ヒトの感覚と異なる場合は修正をすることでよりヒトの感覚に近いアウトプットを可能が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係るシステム100の構成例を示した図である。
図2】情報処理装置1の構成を示した図である。
図3】測定装置4の構成を示した図である。
図4】情報処理端末5の構成を示した図である。
図5】測定装置6の構成を示した図である。
図6】情報処理装置1の機能的な構成を示すブロック図である。
図7】におい情報の登録の流れを示すアクティビティ図である。
図8】テンプレートの生成の流れを示すアクティビティ図である。
図9】指標の入力画面の例を示した図である。
図10】評価値の入力画面の例を示した図である。
図11】においの判定の流れを示すアクティビティ図である。
図12】提示部105が提示するグラフの例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0009】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0010】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0011】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0012】
1.全体構成
図1は、本発明の実施形態に係るシステム100の構成例を示した図である。同図に示すように、システム100は、情報処理装置1がネットワーク2に接続されて構成される。ネットワーク2には、情報処理端末3と情報処理端末5が接続され、情報処理端末3と情報処理端末5には、それぞれ、測定装置4が接続されている。また、ネットワーク2には、測定装置6が接続されてもよい。なお、ネットワーク2に接続される情報処理端末3の数と、情報処理端末5の数、測定装置6の数に制限はなく、情報処理端末3と測定装置4とを含めた少なくとも1つのみが、ネットワーク2に接続されていればよい。なお、情報処理端末3と、情報処理端末5と、測定装置6は、必要に応じてネットワーク2に接続可能であればよく、常時接続されている必要はない。
【0013】
情報処理装置1は、測定装置4や測定装置6で検出されたにおいの判定を行う。ネットワーク2は、情報処理装置1と、情報処理端末3、情報処理端末5、測定装置6とを通信可能にするネットワークであり、例えば、インターネットを含むものである。情報処理端末3は、コンピュータであり、デスクトップ型、ノート型のいずれであってもよく、情報処理装置1との通信と測定装置4の制御とを行う。測定装置4は、センサを有しており、においの検出を行う。情報処理端末5は、タブレット、スマートフォンや可搬型のコンピュータであり、情報処理装置1との通信と測定装置4の制御とを行う。測定装置6は、測定装置4と同様に、においの検出を行うとともに、情報処理端末3等を介することなく情報処理装置1との通信が可能な構成となっている。
【0014】
2.情報処理装置1の構成
次に、情報処理装置1の構成について説明する。図2は、情報処理装置1の構成を示した図である。同図に示すように、情報処理装置1は、処理部11と、記憶部12と、一時記憶部13と、外部装置接続部14と、通信部15とを有しており、これらの構成要素が情報処理装置1の内部において通信バス16を介して電気的に接続されている。
【0015】
処理部11は、例えば、中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)により実現されるもので、記憶部12に記憶された所定のプログラムに従って動作し、種々の機能を実現する。
【0016】
記憶部12は、様々な情報を記憶する不揮発性の記憶媒体である。これは、例えばハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)やソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスにより実現される。なお、記憶部12は、情報処理装置1と通信可能な別の装置に配するようにすることも可能である。
【0017】
一時記憶部13は、揮発性の記憶媒体である。これは、例えばランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリにより実現され、処理部11が動作する際に一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶する。
【0018】
外部装置接続部14は、例えばユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus:USB)や高精細度マルチメディアインターフェース(High-Definition Multimedia Interface:HDMI(登録商標))といった規格に準じた接続部であり、キーボード等の入力装置やモニタ等の表示装置を接続可能としている。
【0019】
通信部15は、例えばローカルエリアネットワーク(Local Area Network:LAN)規格に準じた通信手段であり、情報処理装置1とローカルエリアネットワークやこれを介したインターネット等のネットワーク2との間の通信を実現する。
【0020】
なお、情報処理装置1には、汎用のサーバ向けのコンピュータやパーソナルコンピュータ等を利用することが可能であり、複数のコンピュータを用いて情報処理装置1を構成することも可能である。
【0021】
3.情報処理端末3の構成
情報処理端末3は、コンピュータであり、その構成は、情報処理装置1と同様である。このため、詳細な説明は省略する。
【0022】
4.測定装置4の構成
図3は、測定装置4の構成を示した図である。同図に示すように、測定装置4は、接続部41と、制御部42と、検出部43とを有している。
【0023】
接続部41は、例えばユニバーサルシリアルバスやブルートゥース(登録商標)といった規格に準じたものであり、情報処理端末3等を接続可能にする。制御部42は、検出部43の動作を制御するとともに、情報処理端末3等との間で情報の授受を行う。検出部43は、においを検出するセンサを有している。検出部43が有するセンサは、例えば、二酸化炭素、一酸化炭素、メタン、ブタン、アンモニア等のガスを検知するセンサや、複数の水晶振動子センサであり、各々の水晶振動子センサは、非特異的吸着性を有する薄膜により形成された水晶振動子を有し、それぞれ異なる化合物が蒸着されている。蒸着される化合物は、例えば、Dフェニルアラニン、D-チロシン、DL-セスチジン、Dグルコース、アデニン、ポリエチレン等である。これらは、いずれも、匂いの成分の付着により、共振周波数が変化するもので、匂い成分の付着具合は、化合物によって異なるため、水晶振動子センサの各々が異なる匂いを検知することができる。
【0024】
5.情報処理端末5の構成
図4は、情報処理端末5の構成を示した図である。同図に示すように、情報処理端末5は、処理部51と、記憶部52と、一時記憶部53と、外部装置接続部54と、通信部55と、入力部56と、表示部57とを有しており、これらの構成要素が情報処理端末5の内部において情通信バス58を介して電気的に接続されている。
【0025】
処理部51は、例えば、中央処理装置により実現されるもので、記憶部52に記憶された所定のプログラムに従って動作し、種々の機能を実現する。
【0026】
記憶部52は、様々な情報を記憶する不揮発性の記憶媒体である。
【0027】
一時記憶部53は、揮発性の記憶媒体である。これは、例えばランダムアクセスメモリ等のメモリにより実現され、処理部51が動作する際に一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶する。
【0028】
外部装置接続部54は、例えばユニバーサルシリアルバスやブルートゥース(登録商標)といった規格に準じた接続部であり、測定装置4等を接続可能にする。
【0029】
通信部55は、例えばローカルエリアネットワーク規格に準じた通信手段であり、情報処理装置1とローカルエリアネットワークやこれを介したインターネット等のネットワーク2との間の通信を実現する。また、通信部55は、携帯電話網を介して通信可能な通信手段も含む。
【0030】
入力部56は、操作入力を受け付ける。表示部37は、情報等を画面表示する。なお、入力部56と表示部57は、タッチパネルとして一体化されていてもよい。
【0031】
なお、情報処理端末5には、汎用のスマートフォンやタブレット端末等を利用することが可能である。
【0032】
6.測定装置6の構成
図5は、測定装置6の構成を示した図である。同図に示すように、測定装置6は、通信部61と、制御部62と、検出部63と、入力部64と、表示部65とを有している。
【0033】
通信部61は、例えばローカルエリアネットワーク規格に準じた通信手段であり、測定装置6とローカルエリアネットワークやこれを介したインターネット等のネットワーク2との間の通信を実現する。また、通信部61は、携帯電話網を介して通信可能な通信手段も含むようにしてもよい。
【0034】
制御部62は、検出部63の動作を制御するとともに、情報処理装置1等との間で情報の授受を行う。検出部63は、検出部43と同様に、においを検出するセンサを有している。
【0035】
入力部64は、操作入力を受け付ける。表示部65は、情報等を画面表示する。なお、入力部64と表示部65は、タッチパネルとして一体化されていてもよい。
【0036】
7.情報処理装置1の機能的構成
次に、情報処理装置1の機能について説明する。図6は、情報処理装置1の機能的な構成を示すブロック図である。
【0037】
図6に示すように、情報処理装置1は、生成部101と、取得部102と、学習部103と、判定部104と、提示部105とを備える。なお、これら各機能部は、コンピュータを情報処理装置として機能させるプログラムにより実現されるもので、具体的には、処理部11がプログラムに従って動作し、その動作の際に、処理部11が必要に応じて記憶部12と、一時記憶部13と、外部装置接続部14と、通信部15とを動作させることで実現される。
【0038】
生成部101は、情報処理端末3、情報処理端末5、測定装置6からの指示に応じてテンプレートを生成する。このテンプレートは、学習部103による学習と判定部104による判定に用いられる。このテンプレートには、においを識別する指標として、ヒトの感覚を表す語句を用いることができる。
【0039】
取得部102は、情報処理端末3、情報処理端末5、測定装置6からの指示や、におい情報を取得する。指示やにおい情報は、提示部105が情報処理端末3、情報処理端末5、測定装置6に提示した画面にしたがって、ユーザがこれらを操作することで情報処理装置1に通知又は送信され、取得部102が、これらの取得を行う。
【0040】
学習部103は、生成部101が生成したテンプレートと、取得部102が取得したにおい情報との組を教師データとして機械学習を行い、判定対象のにおい情報を判定するための学習済みデータを生成する。
【0041】
判定部104は、学習部103が生成した学習済みデータに基づいて、取得部102が取得した判定対象のにおい情報の判定を行う。
【0042】
提示部105は、情報処理端末3、情報処理端末5、測定装置6に、指示を行うための画面や、におい情報を送信するための画面、判定部104による判定結果を確認するための画面等を提示する。判定部104による判定結果は、例えば、グラフにより提示される。
【0043】
8.情報処理装置1の動作
次に、情報処理装置1の動作を説明するが、最初に、におい情報の登録について説明する。図7は、におい情報の登録の流れを示すアクティビティ図である。なお、ここでは、測定装置4が接続された情報処理端末3から、におい情報を登録する場合を例として説明するが、測定装置4が接続された情報処理端末5と測定装置6からにおい情報の登録を行う場合も、情報処理装置1の動作は同様のものとなる。
【0044】
まず、情報処理端末3が、認証情報等を入力して(A101)、情報処理装置1にアクセスすると、情報処理装置1の提示部105が、におい情報を取得する際に必要となるパラメータのセットの種別を選択可能な態様で情報処理端末3に提示する(A102)。提示するパラメータ種別は、全ての種別であってもよく、入力された認証情報に応じて選択された種別であってもよい。パラメータは、測定装置4を動作させる際に設定するもので、例えば、サンプリングレートや測定時間等である。
【0045】
続いて、情報処理端末3で、いずれかのパラメータ種別が選択されると(A103)、情報処理装置1は、取得部102がこの選択を受け、提示部105が情報処理端末3にパラメータを提供し(A104)、情報処理端末3が、パラメータを取得する(A105)。なお、情報処理端末3は、必ずしも情報処理装置1からパラメータの提供を受ける必要はなく、この場合には、A102からA105の処理は省略することが可能である。
【0046】
次に、情報処理端末3が、パラメータに応じて測定装置4、つまり、においを検出するセンサを制御する(A106)。これに応じて測定装置4は、におい検出を実行する(A107)。においの検出は、例えば、前洗浄、吸引、滞留、後洗浄の工程があるため、これらの全てが完了するまで測定装置4は、におい検出を実行する(A107)。
【0047】
測定装置4によるにおい検出が完了すると、情報処理端末3が、検出結果を情報処理装置1に送出し(A108)、情報処理装置1の取得部102が、その検出結果を取得して(A109)、図示しない記憶部に記憶させて登録する(A110)。
【0048】
情報処理装置1に登録されるにおい情報は、学習用のにおい情報と、判定対象のにおい情報とがあるが、いずれも、同様の方法で登録される。なお、におい情報の登録は、任意のタイミングで行うことができる。
【0049】
続いて、テンプレートの生成について説明する。図8は、テンプレートの生成の流れを示すアクティビティ図である。情報処理装置1は、情報処理端末3、情報処理端末5、測定装置6のいずれかから、テンプレートの新規生成の指示を受け付けると、提示部105が指標の入力画面を情報処理端末3等に提示し、その入力画面に対して入力された指標を受け付ける(A201)。図9は、指標の入力画面の例を示した図である。同図に示すように、指標の入力画面300には、テンプレート名入力欄301と、指標入力欄302が表示され、指標入力欄302には、任意の数の指標が入力可能となっている。指標は、ヒトの感覚を表現した語句に対応するもので、例えば、日本酒を評価する指標として、「華やか」、「軽快」、「ドライ」、「穏やか」、「重厚」、「芳醇」等となる。また、入力画面300には、指標の数に応じた形状のグラフ303を表示させるようにしてもよい。なお、指標入力欄302における指標の並び順を変更することで、グラフ303の指標の位置を変更することができる。この入力画面300に対する入力に応じて、生成部101は、指定された指標数に応じた指標毎の評価を入力可能なテンプレートを生成する。
【0050】
生成部101がテンプレートを生成すると、提示部105は、テンプレートを可視化した評価入力画面を情報処理端末3等に提示し、その入力画面に対して入力された評価値を受け付ける(A202)。図10は、評価値の入力画面の例を示した図である。同図に示すように、評価値の入力画面310には、テンプレート名表示欄311と、評価対象名入力欄312と、評価値入力欄313と、グラフ314と、におい情報選択オブジェクト315が表示されている。テンプレート名表示欄311は、テンプレートが生成された際に付された名称を表示し、評価対象名入力欄312は、評価対象の名称、例えば、日本酒の商品名を入力する欄である。評価値入力欄313は、評価対象に対する評価を入力する欄で、値の入力又は選択により評価を入力可能に構成される。値は、指定された評価段階数に応じた値である。この評価は、評価者が評価した値であり、例えば、日本酒の鑑定師等の技能保有者が下した評価であることが望ましい。また、グラフ314には、評価値入力欄313に入力された値が入力される。取得部102は、このテンプレートに入力された評価を受け付け(A202)、取得する。
【0051】
また、取得部102は、テンプレートに入力された評価に対応するにおい情報を取得する。におい情報の取得は、におい情報選択オブジェクト315の操作で選択されたものを、図示しない記憶部から選択して取得することで行われるが(A203)、このタイミングで、におい情報の登録を受け付けるようにしてもよい(A204)。このにおい情報は、測定装置4等のにおいセンサにより検出された検出結果である。
【0052】
次に、学習部103は、入力された評価とにおい情報との組を教師データとして機械学習を行う(A205)。このとき、情報処理端末3等から学習アルゴリズムを選択できるようにしてもよく、学習部103は、複数の学習アルゴリズムのうち、選択された学習アルゴリズムに基づいて機械学習を行う。なお、同じテンプレートを利用した追加学習を行う場合には、A202以降の処理を繰り返す。また、別の機会に追加学習を行う場合には、テンプレートの生成を行わずに生成済みのテンプレートを選択して(A206)、A202以降の処理を行う。
【0053】
続いて、判定対象のにおいの判定について説明する。図11は、においの判定の流れを示すアクティビティ図である。情報処理装置1は、情報処理端末3、情報処理端末5、測定装置6のいずれかから、判定処理の指示を受け付けると、提示部105が図示しないテンプレートの選択画面を表示する。このテンプレートの選択画面では、においの判定に利用できるテンプレートが選択可能な状態で提示され、情報処理端末3等でテンプレートが選択されると、取得部102が、当該選択を受け付ける(A301)。続いて、提示部105が図示しないにおい情報の選択画面を表示する。このにおい情報の選択画面では、判定対象となるにおいのにおい情報が選択可能な状態で提示され、情報処理端末3等でにおい情報が選択されると、取得部102が、当該選択を受け付け(A302)、におい情報を取得する。におい情報の取得は、選択されたものを、図示しない記憶部から選択して取得することで行われるが、このタイミングで、におい情報の登録を受け付けるようにしてもよい(A303)。なお、テンプレートの選択と、におい情報の選択とを同一の画面から行えるようにしてもよい。
【0054】
テンプレートとにおい情報が選択されると、判定部104は、機械学習の結果に基づいて、判定対象のにおい情報を指標毎に判定する(A304)。そして、提示部105は、判定部104による判定結果に基づいてグラフを生成し(A305)、該生成したグラフを視認可能な態様で情報処理端末3等に提示する。このとき、提示部105は、判定部104による複数の判定対象のそれぞれの判定結果を比較可能な態様、例えば、複数のグラフを重ね合わせて提示することもできる。図12は、提示部105が提示するグラフの例を示した図である。同図に示すように、判定対象のにおいは、ヒトの感覚による指標で表されることになる。
【0055】
9.情報処理装置1の利用例
情報処理装置1によるにおいの判定を利用することで、例えば、ネットショッピング等で販売する製品に、判定結果と利用したテンプレートを併せて提示することで、購入側では、比較対象となるにおいを同じテンプレートを利用して判定し、その差異を視覚で確認することができる。具体的には、ワインの販売時に判定結果を提示し、購入者は、自身の好みのワインのにおいを判定し、その結果に基づいて、商品を比較して、自身の好みに近いワインを選択することができる。また、情報処理装置1によるにおいの判定は、製品開発において、非属人的で、かつ、効率的な判定を提供することができる。
【0056】
10.その他
本発明は、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理装置において、前記指標は、ヒトの感覚を表現した語句に対応する情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記テンプレートは、値の入力又は選択により前記評価を入力可能に構成され、前記値は、指定された評価段階数に応じた値である情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記学習部は、複数の学習アルゴリズムのうち、選択された学習アルゴリズムに基づいて前記機械学習を行う情報処理装置。
前記情報処理装置において、提示部を備え、前記提示部は、前記判定部による判定結果に基づいてグラフを生成し、該生成したグラフを視認可能な態様で提示する情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記提示部は、前記判定部による複数の判定対象のそれぞれの判定結果を比較可能な態様で提示する情報処理装置。
コンピュータを情報処理装置として動作させるプログラムであって、コンピュータを前記情報処理装置として機能させるプログラム。
もちろん、この限りではない。
【符号の説明】
【0057】
1 :情報処理装置
2 :ネットワーク
3 :情報処理端末
4 :測定装置
5 :情報処理端末
6 :測定装置
11 :処理部
12 :記憶部
13 :一時記憶部
14 :外部装置接続部
15 :通信部
16 :通信バス
37 :表示部
41 :接続部
42 :制御部
43 :検出部
51 :処理部
52 :記憶部
53 :一時記憶部
54 :外部装置接続部
55 :通信部
56 :入力部
57 :表示部
58 :情通信バス
61 :通信部
62 :制御部
63 :検出部
64 :入力部
65 :表示部
100 :システム
101 :生成部
102 :取得部
103 :学習部
104 :判定部
105 :提示部
300 :入力画面
301 :テンプレート名入力欄
302 :指標入力欄
303 :グラフ
310 :入力画面
311 :テンプレート名表示欄
312 :評価対象名入力欄
313 :評価値入力欄
314 :グラフ
315 :情報選択オブジェクト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12