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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】容器処理装置
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/32 20220101AFI20241024BHJP
   B30B 9/32 20060101ALI20241024BHJP
   B65F 1/10 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
B09B3/32
B30B9/32 101B
B65F1/10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2024075405
(22)【出願日】2024-05-07
【審査請求日】2024-05-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】394008271
【氏名又は名称】日本シーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001335
【氏名又は名称】弁理士法人 武政国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 理也
(72)【発明者】
【氏名】石田 広和
(72)【発明者】
【氏名】坂井 弘樹
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-328894(JP,A)
【文献】特開2006-187781(JP,A)
【文献】特開平07-101501(JP,A)
【文献】特開2005-153019(JP,A)
【文献】特開2006-095547(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 3/32
B30B 9/32
B65F 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側面視で隣接する圧縮ギアの一部と圧縮ギアの一部が重なり合う重合部に、上方から投下された容器を押し潰す容器処理装置において、
側面視で周方向に歯と谷部が繰り返し形成された3枚の単独ギアが、中央ギアおよび2枚の側部ギアとして連結されることで構成され、該中央ギアが該側部ギアに挟まれるように配置され、側面視で中央ギアは側部ギアから、前記谷部の一部が残されるように前記歯の一部が該谷部に配置されるよう回転した姿勢で配置された、圧縮ギアと、
隙間を設けながら複数の前記圧縮ギアがシャフトに固定された左圧縮ロールと、
隙間を設けながら複数の前記圧縮ギアがシャフトに固定された右圧縮ロールを、備え、
前記左圧縮ロールと前記右圧縮ロールが対向配置され、
前記左圧縮ロールは右回りに回転するとともに、前記右圧縮ロールは左回りに回転し、
前記左圧縮ロールの前記隙間に前記右圧縮ロールの一部が挿入され、前記右圧縮ロールの前記隙間に前記左圧縮ロールの一部が挿入された、
容器処理装置。
【請求項2】
シャフト方向に隣接する2つの前記圧縮ギアは、一方の圧縮ギアに対して他方の圧縮ギアが回転した姿勢で配置された、
請求項1に記載の容器処理装置。
【請求項3】
容器の内側に洗浄水を噴射する回転噴射口を備えた洗浄部と、
容器を投下する投下口と、
押し込まれると洗浄水を噴射する押込スイッチと、をさらに備えた、
請求項2に記載の容器処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨て容器を廃棄する際に用いる処理装置に関する。より詳しくは、紙製またはプラスチック製のコップなどを、店舗内で洗浄して圧縮減容する、容器処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店などでは、飲み物などを紙製またはプラスチック製の使い捨てコップに入れて提供されることがある。これらは使用後に店舗内に設置された回収箱にて回収される。回収箱内の回収袋が満杯になると、店員がこれを回収して新しい回収袋を設置する。回収した使い捨てコップは、廃棄もしくはリサイクルされる。
【0003】
特許文献1には、V型に配置された一対のコップ押し潰しベルト機構を備えたコップ押し潰し回収装置であって、上記一対のコップ押し潰しベルト機構は、一定位置においてモータで回転駆動される一対の上部ローラと、回転可能な一対の下部ローラと、上記一対の上部ローラと下部ローラ間に張設された一対のベルトとから構成され、上記一対の下部ローラは、夫々一定の点を中心に垂直面内で回転可能な回転支持部材に取り付けられており、上記一対の回転支持部材は、常時は一対の下部ローラを上記一対のベルトを介して互いに押圧する方向に一対のばねにより付勢されており、押し潰されるコップが上記一対の下部ローラの間を上記一対のベルトを介して通過する際には、上記一対の下部ローラが互いに離れる方向かつ上方に、上記一対のばねに抗して回動することを特徴とするコップ押し潰し回収装置が記載されている。
【0004】
特許文献2には、ドリンクショップ、ファストフードショップ等の店舗内に設置する、使用したコップ、カップ又は皿などの使い捨て容器を回収する使用済み使い捨て容器の処理装置であって、飲み残しと氷を回収する飲み残し回収口と、該飲み残し回収口に隣接して使用した容器を投入する容器投入口が上部に設けられ、かつその高さが、該飲み残し回収口と容器投入口に、容器を捨てようとする人の手が届く高さである90~110cmに形成された処理装置本体と、前記飲み残し回収口の下部に設けられた、飲み残しを一時貯留する飲み残し用タンクと、前記容器投入口の下部に設けられた、容器を所定の大きさの細片に破砕する刻み目が形成された回転刃が軸方向に並べられた第1回転刃軸と、同様な形状の刻み目を有する第2回転刃軸とから成り、第1回転刃軸と第2回転刃軸の各回転刃が噛み合うように並べられ、かつ向かい合う方向にそれぞれ回転させる構成の破砕装置と、前記破砕装置において破砕された容器の細片を水洗浄し、その細片に付着した水分を圧縮空気で除去する、筒体内で洗浄水と洗剤で洗浄回転するスクリューコンベアがその軸方向に設けられ、該筒体の下部に洗浄後の洗浄水を排水する排水口と細片を排出する細片排出口と、該筒体の上部に細片を投入する細片投入口が取り付けられ、該筒体における排水口と細片投入口の間に、コンプレッサーの圧縮空気を噴射する噴射口を有する、洗浄・脱水・圧縮装置と、前記洗浄・脱水・圧縮装置において洗浄と脱水が済んだ容器の細片を、収納する細片回収ボックスと、を備え、前記飲み残しタンク、破砕装置、洗浄・脱水・圧縮装置、コンプレッサー及び細片回収ボックスの全てが前記処理装置本体内に収納され、かつ該処理装置本体内において容器を破砕、洗浄と圧縮をして、その嵩を減量させる、ことを特徴とする使用済み使い捨て容器の処理装置が記載されている。
【0005】
特許文献3には、容器を投下する投下口と、前記投下口から投下された前記容器が、開口部が下方とされた状態で載置される洗浄台と、前記洗浄台に載置された前記容器の内側に、洗浄水を噴射する噴射口と、噴射した洗浄水を吸引する吸引装置と、壁面および水平面が一体となった第一移送手段と、前記容器を挟み込んで圧縮減容する減容装置と、を備え、前記第一移送手段は、前記容器が前記洗浄台に載置されると移動を開始し、前記第一移送手段が移動すると、前記壁面が前記容器を押すことによって前記容器を洗浄場所まで移送し、該第一移送手段の移動後には前記水平面にて前記投下口を塞ぐ、容器処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2001-105190号公報
【文献】特許7051158号公報
【文献】特許7229613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の回収装置は、洗浄しないため汚れが残り、リサイクル時の負荷が大きかった。また、押し潰すだけのため、回収袋内で容器が開いてしまうことがあり嵩張ってしまうことがあった。
特許文献2の処理装置は、紙コップを破砕するため、細かくなり過ぎてしまい、その砕片が輸送や処理の際に飛んだり溢れたりしてリサイクルしづらいという問題点があった。
特許文献3の容器処理装置は、容器を挟み込んで圧縮減容するため、圧縮後の容器が開いてしまい嵩張ってしまうことがあった。
【0008】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、紙コップ等を店舗内で洗浄し、破砕することなく圧縮後に広がってしまわないように減容する装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、側面視で隣接する圧縮ギアの一部と圧縮ギアの一部が重なり合う重合部に、上方から投下された容器を押し潰す容器処理装置において、側面視で周方向に歯と谷部が繰り返し形成された3枚の単独ギアが、中央ギアおよび2枚の側部ギアとして連結されることで構成され、該中央ギアが該側部ギアに挟まれるように配置され、側面視で中央ギアは側部ギアから、谷部の一部が残されるように歯の一部が該谷部に配置されるよう回転した姿勢で配置された、圧縮ギア(47)と、隙間を設けながら複数の圧縮ギアがシャフトに固定された左圧縮ロール(43)と、隙間を設けながら複数の圧縮ギアがシャフトに固定された右圧縮ロール(44)を、備え、左圧縮ロールと前記右圧縮ロールが対向配置され、左圧縮ロールは右回りに回転するとともに、右圧縮ロールは左回りに回転し、左圧縮ロールの隙間に右圧縮ロールの一部が挿入され、右圧縮ロールの隙間に左圧縮ロールの一部が挿入された、容器処理装置である。
【0010】
複数枚の単独ギアが連結されることで一組の圧縮ギアが構成された、ものとすることが望ましい。
【0011】
形状の同じ3枚の単独ギアが連結されることで一組の圧縮ギアが構成され、圧縮ギアは、中央ギア(471)と2枚の側部ギア(472,473)からなり、該中央ギアが該側部ギアに挟まれるように配置され、側面視で中央ギアは側部ギアから回転した姿勢で配置された、ものとすることが望ましい。
【0012】
側面視で単独ギアは周方向に歯と谷部が繰り返し形成され、谷部の一部が残されるように歯の一部が該谷部に配置された、ものとすることが望ましい。
【0013】
シャフト方向に隣接する2つの圧縮ギアは、一方の圧縮ギアに対して他方の圧縮ギアが回転した姿勢で配置された、ものとすることが望ましい。
【0014】
容器の内側に洗浄水を噴射する回転噴射口を備えた洗浄部(20)と、容器を投下する投下口(30)と、押し込まれると洗浄水を噴射する押込スイッチ(24,25,26)と、をさらに備えた、ものとすることが望ましい。
【0015】
押し込まれると洗浄水を噴射する押込スイッチ(24,25,26)を、さらに備えた、ものとすることが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の容器処理装置は、使用済み使い捨て容器を洗浄し、破砕することなく切れ目を付けて減容することで、容器が開いて嵩張ることを防止できる。その結果、従来技術と比べて容易に使用済み使い捨て容器をリサイクルすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】容器処理装置の説明正面図。
図2】容器処理装置の説明右側面図。
図3】洗浄時の容器処理装置の説明右側面詳細図。
図4】容器処理装置の説明正面詳細図。
図5】容器処理装置の説明左側面図。
図6】減容部の説明断面図。
図7】誘導ロールを表す斜視図。
図8】圧縮ギアの構成を表す斜視図。
図9】圧縮ギアを表す斜視図。
図10】圧縮ロールを表す斜視図。
図11】圧縮ロールを表す平面図。
図12】圧縮ロールを表す側面図。
図13】単独ギアを表す正面図。
図14】圧縮減容された容器の写真。
図15】洗浄・圧縮の流れを表すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の容器処理装置の実施の一例について、図を用いて説明する。
【0019】
<全体概要>
図1は、容器処理装置の説明正面図である。
容器処理装置1は、主に筐体10、洗浄部20、投下口30、減容部40および収容箱50によって構成される。紙コップなどの容器Cを洗浄部20で洗浄し、投下口30から容器処理装置1内に投下して、減容部40で圧縮減容し、収容箱50に収容する。
【0020】
<筐体>
筐体10は、洗浄部20や減容部40などを構成する各機械を収める箱体である。実施例では、アルミ角材を使用してフレームを組んで、フレーム間に外装としてパネルを張ることで構成している。もちろん、アルミに限らず他の金属や木材などを用いてもよい。また、フレームを組まず、骨組みをもたないモノコック構造としてもよい。
【0021】
<洗浄部>
図2は、容器処理装置の説明右側面図である。
本発明の容器処理装置1を用いて洗浄をする際には、まず容器C内の飲み残しや氷などの排水を排水受21に捨てる。排水受21は、容器Cの外径よりも充分に広い内径を有する円筒形である。
排水受21の下部には排水管22が繋がっている。排水管22は捨てられた排水を滞りなく流すための管である。排水管22として、可撓性を有するホースや塩ビ管などのパイプを用いる。排水受21に捨てられた飲み残し等は重力によって排水管22内を下り、排水管22の下端に設置された排水槽23に溜められる。排水槽23は、いわゆるバケツの様な防水性の上が開いた箱である。その容量は、後述する給水槽27の容量よりも大きくすると良い。使用した洗浄液と飲み残しがどちらも溜められるからである。排水槽23は、底面にキャスターを備え、独立して床に接地し、筐体10から引き出せる構造とすると出し入れがしやすく好適である。また、排水槽23を備えず、排水管22を容器処理装置1の設置場所の下水管に繋げるものとすることもできる。
【0022】
図3は、洗浄時の容器処理装置の説明右側面図である。
容器C内の飲み残し等を排水受21に捨てた後は、そのまま容器Cの開口部(コップの縁)を押し当て部24に押し当てる。押し当て部24が押されると噴射口25全体がスライドして動き、スイッチ26が押される。スイッチ26が押されると、弁が開き噴射口25の先端から洗浄水が噴射される。洗浄水が噴射されると噴射の力によって噴射口25の先端部が回転し、洗浄水が360°に噴射される。洗浄水は一定時間(例えば、2,3秒間)噴射されるものとするとよい。もしくは、押し当て部24が押されている間、噴射し続けるものとすることもできる。
【0023】
洗浄水としては、水道水などの水を用いてもよいし、洗剤入りの洗浄液を用いてもよい。洗浄水は給水槽27に貯められ、ポンプ28によって給水管29を通って噴射口25へ送られる。また、給水槽27を備えず、給水管29を設置場所の上水管に繋げるものとすることもできる。その場合は、ポンプ28によって容器処理装置1内で増圧して噴射するものとしてもよいし、ポンプ28を備えず上水の水圧で水を噴射するものとしてもよい。
【0024】
<投下口>
図4は投下口蓋が開いた状態を表す容器処理装置の説明正面詳細図であり、図5は容器投下時の容器処理装置の説明左側面図である。
前述の通りスイッチ26が押されると、洗浄水の噴射が始まると同時に、投下口30内にある投下口蓋33が開く。なお、スイッチ26が押されると同時に投下口蓋33が開くものとしてもよいし、一定時間(例えば、1,2秒間)後に開くものとしてもよい。実施例では、投下口蓋33は(モータなどの)回転軸34によって回転することで開くものとしているが、これに限らずスライドして開くものとしてもよい。
【0025】
投下口30は、第一投下口31と第二投下口32から成る。第一投下口31は、第二投下口32よりも一回り径が小さく、途中で折れ曲がった円筒形である。第二投下口32は、使用者によって容器処理装置1内に入れられた容器Cを減容部40へ導く様、ほぼ垂直もしくは垂直に近い角度で傾斜している。
使用者が容器Cを投下しやすい様に投下口の入口面は傾斜している(実施例では水平に対して60°)が、垂直でもよいし、水平でもよい。該入口面の傾斜角度と第二投下口32の傾斜角度によって、第一投下口31の折れ曲がり角度は決まる。もちろん、途中で折れ曲がらない直線状の円筒形でもよい。
【0026】
第一投下口31の下部は、その一部が長くなっており、第二投下口32内に入るように配置されている。長くなっていない部分は、第二投下口32内に入っておらず、第一投下口31と第二投下口32の間に隙間が生じるように配置されている。この隙間は、投下口蓋33が開閉する際に投下口30外に抜けるため設けられている。
【0027】
投下口30内の投下口蓋33より下に投下検知センサ(不図示)を備える。投下検知センサが投下された容器Cを検知すると投下口蓋33を閉め、減容機が作動する。投下口蓋33が開いた状態で減容機が作動すると手などが巻き込まれるおそれがある為である。投下検知センサを備えずに一定時間が経過すると投下口蓋33が閉まるものとすることもできる。
【0028】
<減容部>
図6は、減容部の説明断面図である。
容器処理装置1に投下された容器Cは、減容部40に落下する。
減容部40は、上下に配置された二組のロールから成る。上部に配置された誘導ロール41,42は、投下された容器Cを回転する誘導ギア45,46によって下部に誘導する。下部に配置された圧縮ロール43,44は、誘導されてきた容器Cを回転する圧縮ギア47によって挟み込んで圧縮減容する。
【0029】
図7は、誘導ロールを表す斜視図である。
誘導ロール41,42は、互いに同じ速度で逆回転(図では第一誘導ロール41は右回転、第二誘導ロール42が左回転)し、その間に投下された容器Cを下へと誘導する。容器Cが小さい場合は誘導ロールに押されることなく下へ抜け、容器Cが大きい場合は誘導ギア45,46によって挟まれて変形しながら下へ押されて抜けていく。第一誘導ロール41にモータを接続し、第二誘導ロール42へ同期ギアやベルトを介して回転力を伝達する構成とするとよい。もちろん、その逆でもよい。
【0030】
第一誘導ロール41と第二誘導ロール42は、互いに大きさの異なる誘導ギア45,46を備える。誘導ギア45,46は、各々3つの歯を有し、これによって容器Cを捉えて下へと押し込む。第一誘導ロール41には、歯の大きな第一誘導ギア45が3枚配置されている。3枚の第一誘導ギア45は互いに120°回転してシャフトに固定されている。第二誘導ロール42には、歯の小さな第二誘導ギア46が2枚配置されている。2枚の第二誘導ギア46は互いに120°回転してシャフトに固定されている。なお、誘導ギアの枚数やその歯の数などは実施例に限らず、容器Cを捉えて下に押し込める数であればよい。
【0031】
図8,9は、1組の圧縮ギアを表す斜視図である。圧縮ロール43,44は、単独のギアが3枚1組となった圧縮ギア47を複数備える。3枚のうち間に挟まれる中央ギア471は、側部ギア472,473に対して各歯どうしの中心角の1/4だけ回った状態で取り付けられる。実施例では、各構成ギアが6つの歯を有し各歯が60°ごとに配置されているので、中央ギア471は側部ギア472,473に対して15°回った状態で連結されている。なお、この回転角は谷部が残る回転量であれば1/4(15°)でなくてもよい。
【0032】
中央ギア471は、側部ギア472,473よりも厚い。実施例では、中央ギア471は3mm、側部ギア472,473が各2.5mmとなっている。もちろん、厚みはこれに限定されないし、3枚とも同一の厚さとしてもよい。
【0033】
図10は、圧縮ギアを配置した圧縮ロールを表す斜視図である。
図11は、圧縮ロールを表す平面図である。
図12は、圧縮ロールを表す断面図である。
圧縮ロール43,44は、互いに同じ速度で逆回転(図では左圧縮ロール43は右回転、右圧縮ロール44が左回転)する。圧縮ロール43,44には、複数の圧縮ギア47が等間隔でシャフトに固定される。左圧縮ロール43および右圧縮ロール44に固定された圧縮ギア47は、側面視(図5,6,12の向き)でその一部が重なり合って重合部を形成する。実施例では、1組の圧縮ギア47の厚さが8mmで、各圧縮ギア47どうしの間隔が9mmとなっている。左圧縮ロール43の各圧縮ギア47どうしの隙間に、右圧縮ロール44の各圧縮ギア47の歯が入り込むように配置される。つまり、実施例では左圧縮ロール43と右圧縮ロール44の各ギアは0.5mm間隔で並んでいる。
【0034】
各圧縮ロール43,44上の圧縮ギア47は、隣り合う圧縮ギア47と、各歯どうしの中心角の1/2だけ回った状態で取り付けられる。実施例では、各圧縮ギアが6つの歯を有し各歯が60°ごとに配置されているので、30°回った状態で取り付けられている。このように圧縮ギア47ごとに歯の位置をずらすことで、歯がない部分(谷部)では容器Cを押し潰し、歯がある部分では容器Cに切れ込みを入れることができる。
【0035】
図13は、単独ギアを表す正面図である。
前述の通り、各単独ギアは互いに回転した姿勢でシャフトに固定されるので、シャフトを六角形として実施例では、15°ずつ回転した4種類の単独ギアを用いる。
【0036】
図14は、圧縮減容された容器の写真である。
容器Cは、各ギアの底部(谷部の底)に挟まれて押し潰され、各ギアの歯によって切れ込みを入れられる。切れ込みは容器Cの反対の面まで達し、容器Cの壁面が反対の壁面に引っ掛かることで、容器Cが開くのを防ぐ。容器Cには、複数の圧縮ギアおよび複数の歯によって全体的に複数の独立した切れ込みが付けられる。
【0037】
<収容箱>
減容部40によって圧縮された容器Cは、減容部40の下に配置された収容箱50内に落下する(図5)。収容箱50は、独立して床に接地し、筐体10から引き出せる構造とすると出し入れがしやすく好適である。収容箱50には、ビニール袋などの回収袋を被せて使う。また、底面にキャスターを備えてもよい。
【0038】
図15は、洗浄・圧縮の流れを表すフロー図である。
押し当て部24に容器Cが押し当てられ、スイッチ26が押されると、噴射口25の先端から洗浄水が噴射されると同時に、投下口30内の投下口蓋33が開く。投下口30から容器Cが投下され、投下検知センサが容器Cを検知すると、投下口蓋33が閉まり、減容部40が作動して移送および減容を行う。減容が終わると容器Cは収容箱50に収容される。
減容部40は一定時間作動するが、減容部40の作動中に押し当て部24に容器Cが押し当てられて投下口蓋33が開くと、作動時間内であっても回転を停止する。安全のためである。この際に減容部40内に容器Cが残っていても、次の容器Cが投下されたときに減容部40が作動して、減容の続きが行われることになる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の容器処理装置は、使用済み使い捨て容器を店舗内で洗浄し圧縮減容することで、リサイクル分野において大きな貢献をし得る。また、減容した容器が開かなくなることで輸送コストなどを低減することができ、産業上利用できるばかりでなく、環境負荷を抑えることで、社会的にも大きな貢献を期待し得る発明である。
【符号の説明】
【0040】
1 容器処理装置
10 筐体
20 洗浄部
21 排水受
22 排水管
23 排水槽
24 押し当て部
25 噴射口
26 スイッチ
27 給水槽
28 ポンプ
29 給水管
30 投下口
31 第一投下口
32 第二投下口
33 投下口蓋
34 回転軸
40 減容部
41 第一誘導ロール
42 第二誘導ロール
43 左圧縮ロール
44 右圧縮ロール
45 第一誘導ギア
46 第二誘導ギア
47 圧縮ギア
471 中央ギア
472 側部ギア
473 側部ギア
50 収容箱
C 容器

【要約】
【課題】
紙コップが汚れた状態ではリサイクル時の洗浄コストが高くなる。また、紙コップを破砕してしまうと、輸送や再生処理の際に紙屑が舞ったり溢れたりして処理がしづらいという問題点があった。
【解決手段】
紙コップなどの容器Cを洗浄部20で洗浄し、投下口30から容器処理装置1内に投下して、減容部40で切れ込みを入れつつ圧縮減容し、収容箱50に収容する容器処理装置。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15