(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】突っ張り棒落下防止部材、及び、突っ張り棒整列システム
(51)【国際特許分類】
A47G 25/02 20060101AFI20241024BHJP
A47B 96/14 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
A47G25/02 Z
A47B96/14 E
A47B96/14 C
(21)【出願番号】P 2024089554
(22)【出願日】2024-05-31
【審査請求日】2024-06-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515094408
【氏名又は名称】野島 良之
(74)【代理人】
【識別番号】110001793
【氏名又は名称】弁理士法人パテントボックス
(72)【発明者】
【氏名】野島 良之
(72)【発明者】
【氏名】野島 佐百合
【審査官】葛谷 光平
(56)【参考文献】
【文献】特許第5920960(JP,B1)
【文献】特開2005-253549(JP,A)
【文献】特開2023-088419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 96/14
A47G 25/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
突っ張り棒と接触する表面と、壁又は棚の表面と接触する裏面と、を有するベース部を備え、
前記表面には、突っ張り棒の端部の複数の外径に対応するマルチガイド機構が設けられて
おり、
前記マルチガイド機構は、同心円状に配置された複数の円環状突起部として構成され、複数の前記円環状突起部の高さは、内側で低く、外側で高くなるように構成されている、突っ張り棒落下防止部材。
【請求項2】
前記マルチガイド機構は、3重の円環状突起部として構成されている、
請求項1に記載された、突っ張り棒落下防止部材。
【請求項3】
前記マルチガイド機構の3重の円環状突起部の外径は、内側から順に10mm、24mm、34mmとされている、
請求項2に記載された、突っ張り棒落下防止部材。
【請求項4】
前記ベース部は、長辺と短辺を有する長方形として形成されており、
長辺に沿って複数のマルチガイド機構が1列に設けられている、請求項1乃至
請求項3のいずれか一項に記載された、突っ張り棒落下防止部材。
【請求項5】
前記ベース部は、正方形として形成されており、
複数のマルチガイド機構が複数列X複数行に設けられている、請求項1乃至
請求項3のいずれか一項に記載された、突っ張り棒落下防止部材。
【請求項6】
棚の対向する内壁に沿って立設された複数組の
請求項4に記載された第1の突っ張り棒落下防止部材と、
複数組の前記第1の突っ張り棒落下防止部材の上に略水平に架け渡された1組の
請求項4に記載された第2の突っ張り棒落下防止部材と、から構成される突っ張り棒整列システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の突っ張り棒を整列して配置できる突っ張り棒落下防止部材と、突っ張り棒落下防止部材を備えた突っ張り棒整列システムと、に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、突っ張り棒は、比較的に軽量の布製品を吊るしたり、開閉の必要がない布製品を吊るしたりする際に使用されてきている。しかしながら、例えばカーテン等の比較的に重量があり、開閉の際にストレスがかかる布製品に突っ張り棒を使用すると、突っ張り棒ごと落下するおそれがある。
【0003】
このため、本発明者らは、突っ張り棒の落下を防止するための、圧着固定式突っ張り棒落下防止部材を提案している(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された突っ張り棒落下防止部材は、1種類の外径の突っ張り棒のみに対応したものであり、複数の外径の突っ張り棒に対応するものではなかった。
【0006】
そこで、本発明は、複数の外径の突っ張り棒の落下を防止できる、突っ張り棒落下防止部材と、突っ張り棒落下防止システムと、を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した課題を解決するために、本発明の突っ張り棒落下防止部材は、突っ張り棒と接触する表面と、壁又は棚の表面と接触する裏面と、を有するベース部を備え、前記表面には、突っ張り棒の端部の複数の外径に対応するマルチガイド機構が設けられている。
【発明の効果】
【0008】
このように、本発明の突っ張り棒落下防止部材は、突っ張り棒と接触する表面と、壁又は棚の表面と接触する裏面と、を有するベース部を備え、表面には、突っ張り棒の端部の複数の外径に対応するマルチガイド機構が設けられている。このようにマルチガイド機構が設けられていることで、複数の外径の突っ張り棒の落下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例の突っ張り棒落下防止部材(1x1)の斜視図である。
【
図2】実施例の突っ張り棒落下防止部材(1x1)の正面図である。
【
図3】実施例の突っ張り棒落下防止部材(1x1)の断面図である。
【
図4】第1変形例の突っ張り棒落下防止部材(1x6)の斜視図である。
【
図5】第1変形例の突っ張り棒落下防止部材(1x6)の正面図である。
【
図6】第1変形例の突っ張り棒落下防止部材(1x6)の断面図である。
【
図7】第2変形例の突っ張り棒落下防止部材(6x6)の斜視図である。
【
図8】第2変形例の突っ張り棒落下防止部材(6x6)の正面図である。
【
図9】第2変形例の突っ張り棒落下防止部材(6x6)の断面図である。
【
図10】突っ張り棒落下防止部材の作用について説明する説明図である。
【
図11】実施例の突っ張り棒落下防止部材(1x1)の使用状態の説明図である。
【
図12】第1変形例の突っ張り棒落下防止部材(1x6)の使用状態の説明図である。
【
図13】第1変形例の突っ張り棒落下防止部材(1x6)を使用した突っ張り棒整列システムの説明図である。(a)は四角形(ロ字状)に組んだ状態であり、(b)はπ字形状に組んだ状態である。
【
図14】第2変形例の突っ張り棒落下防止部材(6x6)の使用状態の説明図である。(a)は正面図であり、(b)は内空の側面図である。
【
図15】他の例の突っ張り棒落下防止部材(1x6;埋没型)の斜視図である。
【
図16】他の例の突っ張り棒落下防止部材(6x6;側壁型)の斜視図である
【
図17】他の例の突っ張り棒落下防止部材(6x6;埋没型)の斜視図である
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、以下の実施例に記載されている構成要素は例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例】
【0011】
(実施例:1x1の構成)
まず、
図1~
図3を用いて、実施例の(1x1)の正方形の小型プレート状の突っ張り棒落下防止部材1の構成を説明する。本実施例の突っ張り棒落下防止部材1は、
図1に示すように、突っ張り棒Pと接触する表面11と、壁又は棚の表面(内面)と接触する裏面12と、を備えており、表面11には突っ張り棒Pの端部の複数の外径に対応するマルチガイド機構2が設けられている。
【0012】
そして、本実施例の突っ張り棒落下防止部材1は、
図2に示すように、全体として正方形に形成されており、中央に1つのマルチガイド機構2が設けられている。すなわち、(1x1)(1行1列)のマルチガイド機構2であり、1つの突っ張り棒Pのみを支持することができるようになっている。具体的に言うと、例えば、厚みt=4mm、一辺40mmの正方形とすることが好ましい。
【0013】
各マルチガイド機構2は、同心円状に配置された複数の円環状突起部21、22、23を有している。具体的に言うと、本実施例のマルチガイド機構2は、最も内側の第1の円環状突起部21と、中央の第2の円環状突起部22と、最も外側の第3の円環状突起部23と、から構成されている。
【0014】
したがって、第1の円環状突起部21の外径R1と、第2の円環状突起部22の外径R2と、第3の円環状突起部23の外径R3とは、R1<R2<R3の関係を満たしている。具体的に言うと、例えば、R1=10mm、R2=24mm、R3=34mmとすることが好ましい。
【0015】
さらに言うと、マルチガイド機構2の円環状突起部21、22、23の高さは、
図3に示すように、内側で低く、外側で高くなるように構成されている。すなわち、第1の円環状突起部21の高さH1と、第2の円環状突起部22の高さH2と、第3の円環状突起部23の高さH3とは、H1<H2<H3の関係を満たしている。具体的に言うと、例えば、H1=4mm、H2=10mm、H3=18mmとすることが好ましい。
【0016】
(第1変形例:1x6の構成)
次に、
図4~
図6を用いて、第1変形例の(1x6)の長方形の中型プレート状の突っ張り棒落下防止部材1Aの構成を説明する。本変形例の突っ張り棒落下防止部材1Aは、
図4に示すように、突っ張り棒Pと接触する表面11と、壁又は棚の表面(内面)と接触する裏面12と、を備えており、表面11には突っ張り棒Pの端部の複数の外径に対応するマルチガイド機構2が設けられている。
【0017】
そして、本変形例の突っ張り棒落下防止部材1Aは、
図5に示すように、全体として長方形に形成されており、6つのマルチガイド機構2が並んで設けられている。すなわち、(1x6)(1行6列or6行1列)のマルチガイド機構2、・・・であり、最大で6つの突っ張り棒P、・・・を支持することができるようになっている。具体的に言うと、例えば、厚みt=4mm、短辺55mm、長辺280mmの長方形とすることが好ましい。
【0018】
各マルチガイド機構2は、実施例と同様に、同心円状に配置された複数の円環状突起部21、22、23を有している。具体的に言うと、本実施例のマルチガイド機構2は、最も内側の第1の円環状突起部21と、中央の第2の円環状突起部22と、最も外側の第3の円環状突起部23と、から構成されている。
【0019】
したがって、第1の円環状突起部21の外径R1と、第2の円環状突起部22の外径R2と、第3の円環状突起部23の外径R3とは、R1<R2<R3の関係を満たしている。具体的に言うと、例えば、R1=10mm、R2=24mm、R3=34mmとすることが好ましい。
【0020】
さらに言うと、マルチガイド機構2の円環状突起部21、22、23の高さは、
図6に示すように、内側で低く、外側で高くなるように構成されている。すなわち、第1の円環状突起部21の高さH1と、第2の円環状突起部22の高さH2と、第3の円環状突起部23の高さH3とは、H1<H2<H3の関係を満たしている。具体的に言うと、例えば、H1=4mm、H2=10mm、H3=18mmとすることが好ましい。
【0021】
(第2変形例:6x6の構成)
次に、
図7~
図9を用いて、第2変形例の(6x6)の正方形の大型プレート状の突っ張り棒落下防止部材1Bの構成を説明する。本変形例の突っ張り棒落下防止部材1Bは、
図7に示すように、突っ張り棒Pと接触する表面11と、壁又は棚の表面(内面)と接触する裏面12と、を備えており、表面11には突っ張り棒Pの端部の複数の外径に対応するマルチガイド機構2が設けられている。
【0022】
そして、本変形例の突っ張り棒落下防止部材1Bは、
図8に示すように、全体として正方形に形成されており、36のマルチガイド機構2が縦横に並んで設けられている。すなわち、(6x6)(6行6列)のマルチガイド機構2、・・・であり、最大で36の突っ張り棒P、・・・を支持することができるようになっている。具体的に言うと、例えば、厚みt=4mm、一辺280mmの正方形とすることが好ましい。
【0023】
各マルチガイド機構2は、実施例と同様に、同心円状に配置された複数の円環状突起部21、22、23を有している。具体的に言うと、本実施例のマルチガイド機構2は、最も内側の第1の円環状突起部21と、中央の第2の円環状突起部22と、最も外側の第3の円環状突起部23と、から構成されている。
【0024】
したがって、第1の円環状突起部21の外径R1と、第2の円環状突起部22の外径R2と、第3の円環状突起部23の外径R3とは、R1<R2<R3の関係を満たしている。具体的に言うと、例えば、R1=10mm、R2=24mm、R3=34mmとすることが好ましい。
【0025】
さらに言うと、マルチガイド機構2の円環状突起部21、22、23の高さは、
図9に示すように、内側で低く、外側で高くなるように構成されている。すなわち、第1の円環状突起部21の高さH1と、第2の円環状突起部22の高さH2と、第3の円環状突起部23の高さH3とは、H1<H2<H3の関係を満たしている。具体的に言うと、例えば、H1=4mm、H2=10mm、H3=18mmとすることが好ましい。
【0026】
(作用)
次に、
図10~
図14を用いて、突っ張り棒落下防止部材1、1A、1Bの使用状態について説明する。
【0027】
はじめにマルチガイド機構2の作用について、
図10(a)~(c)を用いて説明する。突っ張り棒Pの端部が比較的に小径の場合、
図10(a)に示すように、第1の円環状突起部21の頂面に突っ張り棒Pのゴムの端面が当接し、第2の円環状突起部22の内面に突っ張り棒Pのゴムの側面がガイドされる。
【0028】
突っ張り棒Pの端部が比較的に大径の場合、
図10(b)に示すように、第2の円環状突起22の頂面に突っ張り棒Pのゴムの端面が当接し、第3の円環状突起部23の内面に突っ張り棒Pのゴムの側面がガイドされる。
【0029】
さらに、
図10(c)に示すように、突っ張り棒Pの端部のゴムを外すことで、円筒状の突っ張り棒Pを、(第1の)円環状突起部21(22、23)に嵌合させることも可能である。このようにすれば、最大で第3の円環状突起部23の外径に嵌まる程度の大径の突っ張り棒Pにも突っ張り棒落下防止部材1を適用できる。以下、実施例(
図11)、第1変形例(
図12、
図13)、第2変形例(
図14)の順に使用状態について説明する。
【0030】
実施例の突っ張り棒落下防止部材1、1は、
図11に示すように、壁や棚の向かい合った表面に、ちょうど対向する位置に両面テープ等によって貼設される。すなわち、突っ張り棒Pの設置前に、突っ張り棒落下防止部材1を、あらかじめ位置を測定しつつ設置することで、突っ張り棒Pの正確な位置決めが可能となる。
【0031】
そして、対向して設置された突っ張り棒落下防止部材1、1の一方に、突っ張り棒Pの一方の端部を当接させつつ、突っ張り棒Pを回転させて徐々に伸ばしていき、他方の端部を他方の突っ張り棒落下防止部材1に押圧力を加えて突っ張らせる。実際には、突っ張り棒Pは、図示するように、複数段の突っ張り棒落下防止部材1、・・・を使用することで複数段設置することも可能である。
【0032】
第1変形例の突っ張り棒落下防止部材1Aは、
図11、
図12に示すように、壁や棚の向かい合った表面に、ちょうど対向する位置に(両面テープ等によって)設置される。すなわち、突っ張り棒Pの設置前に、突っ張り棒落下防止部材1Aを、棚等の内部に設置することで、突っ張り棒Pの正確な位置決めが可能となる。この場合、図示したように、長辺を縦方向(鉛直方向)に沿うようにし、短辺の一方を棚等の底板に当接させることによって、突っ張り棒P及び突っ張り棒落下防止部材1Aのずれ落ちを防止できる。
【0033】
そして、対向して設置された突っ張り棒落下防止部材1A、1Aの一方に、突っ張り棒Pの一方の端部を当接させつつ、突っ張り棒Pを回転させて徐々に伸ばしていき、他方の端部を他方の突っ張り棒落下防止部材1Aに押圧力を加えて突っ張らせる。実際には、複数のマルチガイド機構2、・・・のうち、例えば2個を利用することで複数段の突っ張り棒Pを設置することが可能となる。
【0034】
加えて、複数組の突っ張り棒落下防止部材1A、・・・を用いることで、
図13(a)に示すように、ロの字型の突っ張り棒整列システムSを構築することができる。このように、ロの字型に構成すれば、比較的に重量のある積載物を突っ張り棒P上に載置しても、突っ張り棒整列システムSによって積載物を支持することができる。同様に、
図13(b)に示すように、πの字型の突っ張り棒整列システムSを構築することができる。このように、πの字型に構成すれば、比較的に重量のある積載物を突っ張り棒P上に載置しても、突っ張り棒整列システムSによって積載物を支持することができる。
【0035】
第2変形例の突っ張り棒落下防止部材1Bは、
図14(a)、(b)に示すように、壁や棚の向かい合った表面に、ちょうど対向する位置に(両面テープ等によって)設置される。すなわち、突っ張り棒Pの設置前に、突っ張り棒落下防止部材1Bを、棚等の内部に設置することで、突っ張り棒Pの正確な位置決めが可能となる。この場合、図示したように、一辺を棚等の底板に当接させ、他辺を棚等の背板に当接させることによって、突っ張り棒P及び突っ張り棒落下防止部材1Bの位置決めを容易にしつつ、突っ張り棒Pのずれ落ちを防止できる。
【0036】
そして、対向して設置された突っ張り棒落下防止部材1B、1Bの一方に、突っ張り棒Pの一方の端部を当接させつつ、突っ張り棒Pを回転させて徐々に伸ばしていき、他方の端部を他方の突っ張り棒落下防止部材1Bに押圧力を加えて突っ張らせる。実際には、複数のマルチガイド機構2、・・・のうち、例えば2行(12個)を利用することで複数段の突っ張り棒Pを設置することが可能となる。この場合、マルチガイド機構2の円環状突起部21-23内部に突っ張り棒Pを受けてもよいことはもちろんであるが、隣接するマルチガイド機構2の最外縁の円環状突起部23、23の間に、突っ張り棒Pを配置して位置決め・ずれ止めを実施することも可能である(
図14(b)の点線で囲んだ部分)。
【0037】
(効果)
次に、本実施例の突っ張り棒落下防止部材1(1A、1B)及び突っ張り棒整列システムSの奏する効果を列挙して説明する。
【0038】
(1)上述してきたように、本実施例の突っ張り棒落下防止部材1(1A、1B)は、突っ張り棒Pと接触する表面11と、壁又は棚の表面と接触する裏面12と、を有するベース部10を備え、表面11には、突っ張り棒Pの端部の複数の外径に対応するマルチガイド機構2が設けられている。このような構成であれば、マルチガイド機構2が設けられていることで、複数の外径の突っ張り棒Pの落下を防止することができる。
【0039】
(2)また、マルチガイド機構2は、同心円状に配置された複数の円環状突起部21、22、23として構成されているため、突っ張り棒落下防止部材1(1A、1B)を小型化して効率のよい配置を実現できる。
【0040】
(3)具体的には、マルチガイド機構2は、3重の円環状突起部21、22、23として構成されているため、最大で6種類の外径の突っ張り棒Pに対応して、その落下を防止することができる。
【0041】
(4)このマルチガイド機構2の3重の円環状突起部21、22、23の外径は、内側から順にR1=10mm、R2=24mm、R3=34mmとされているため、市販されている外径の突っ張り棒Pに対応しやすくなっている。
【0042】
(5)さらに、ベース部10は、長辺と短辺を有する細長い長方形として形成されており、長辺に沿って複数のマルチガイド機構2、・・・が1列に設けられていることで、例えば1行6列の突っ張り棒落下防止部材1Aを構成できる。そうすれば、
図13(a)、(b)に示すように、突っ張り棒落下防止部材1Aを縦・横に組合わせて、より重量のある積載物を突っ張り棒Pの上に載せることができるようになる。
【0043】
(6)また、ベース部10は、正方形として形成されており、複数のマルチガイド機構2、・・・が複数列X複数行に設けられていることで、例えば6行6列の突っ張り棒落下防止部材1Bを構成できる。そうすれば、
図14に示すように、市販されている棚の内部に突っ張り棒落下防止部材1Bを配置して、多様な突っ張り棒Pの配置を実現できる。
【0044】
(7)さらに、本実施例の突っ張り棒整列システムSは、棚の対向する内壁に沿って立設された複数組の上述(5)に記載された第1の突っ張り棒落下防止部材1A、・・・と、複数組の第1の突っ張り棒落下防止部材1A、・・・の上に略水平に架け渡された1組の上述(5)に記載された第2の突っ張り棒落下防止部材1A、・・・と、から構成されている。このような構成であれば、
図13(a)、(b)に示すように、突っ張り棒落下防止部材1Aを縦・横に組合わせて、より重量のある積載物を突っ張り棒Pの上に載せることができるようになる。
【0045】
以上、図面を参照して、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0046】
例えば、突っ張り棒落下防止部材1、1A、1Bの具体的な厚み、幅、長さは、どのような値であってもよい。さらに、実施例では、片側の突っ張り棒整列システムSが、ロの字状やπの字状に構成される場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0047】
また、実施例では説明しなかったが、本実施例の突っ張り棒整列システムSを用いれば、突っ張り棒Pにカーテンやタオルなどを取り付けることで、収納物の目隠しや、ほこり防止も可能となる。
【0048】
さらに、例えば、本実施例の突っ張り棒整列システムSを用いれば、重量のあるハンガー(衣服)をかけることもできるし、パネル(絵画)を吊り下げることもできる。さらに、図示しないが、本実施例の突っ張り棒整列システムSを用いれば、突っ張り棒Pがずれ落ちにくくなるため、押し入れのデッドスペースを簡単にクローゼットとして利用できるようになる。
【0049】
また、実施例では説明しなかったが、
図15に示すように、1x6の突っ張り棒落下防止部材(1A)のマルチガイド機構2、・・・を、ベース部10に埋没させるように構成することもできる。換言すると、この突っ張り棒落下防止部材1Cでは、マルチガイド機構2の最も外側の第3の円環状突起部23の外側を埋めるように構成している。
【0050】
さらに、実施例では説明しなかったが、
図16に示すように、6x6の突っ張り棒落下防止部材(1B)のベース部10の外周縁にマルチガイド機構2群を囲むように側壁13を形成することもできる。この突っ張り棒落下防止部材1Dでは、側壁13を形成することで、最も外側のマルチガイド機構2、・・・の外側の側壁13との間にも突っ張り棒Pを配置できる。
【0051】
また、実施例では説明しなかったが、
図17に示すように、6x6の突っ張り棒落下防止部材(1B)のマルチガイド機構2、・・・を、ベース部10に埋没させるように構成することもできる。換言すると、この突っ張り棒落下防止部材1Eでは、マルチガイド機構2の最も外側の第3の円環状突起部23の外側を埋めるように構成している。
【符号の説明】
【0052】
S 突っ張り棒整列システム
P 突っ張り棒
1、1A、1B 突っ張り棒落下防止部材
1C、1D、1E 突っ張り棒落下防止部材
10 ベース部
11 表面
12 裏面
13 側壁
2 マルチガイド機構
21 第1の円環状突起部
22 第2の円環状突起部
23 第3の円環状突起部
R1 第1の円環状突起部の外径
R2 第2の円環状突起部の外径
R3 第3の円環状突起部の外径
H1 第1の円環状突起部の高さ
H2 第2の円環状突起部の高さ
H3 第3の円環状突起部の高さ
【要約】
【課題】複数の外径の突っ張り棒の落下を防止できる、突っ張り棒落下防止部材を提供する。
【解決手段】突っ張り棒落下防止部材1(1A、1B)は、突っ張り棒Pと接触する表面11と、壁又は棚の表面と接触する裏面12と、を有するベース部10を備え、表面11には、突っ張り棒Pの端部の複数の外径に対応するマルチガイド機構2が設けられている。このマルチガイド機構2は、同心円状に配置された複数の円環状突起部21、22、23として構成されている。より具体的に言うと、マルチガイド機構2は、3重の円環状突起部21、22、23として構成されている。
【選択図】
図1