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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】基板間接続構造および電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/14 20060101AFI20241024BHJP
   H05K 3/36 20060101ALI20241024BHJP
   H05K 7/14 20060101ALI20241024BHJP
   H01R 12/73 20110101ALN20241024BHJP
【FI】
H05K1/14 E
H05K3/36 Z
H05K7/14 D
H01R12/73
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021040235
(22)【出願日】2021-03-12
(65)【公開番号】P2022139728
(43)【公開日】2022-09-26
【審査請求日】2023-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋元 清克
(72)【発明者】
【氏名】磯田 秀藏
(72)【発明者】
【氏名】萬田 泰辰
【審査官】中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/149801(WO,A1)
【文献】特開2007-005529(JP,A)
【文献】実開平05-038942(JP,U)
【文献】特開2019-115164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/14
H05K 3/36
H05K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板および第2基板における基板間接続構造であって、
前記第1基板に設けられる第1接続部と、
前記第2基板に設けられ、前記第1接続部と嵌合することで前記第1基板と前記第2基板とを電気接続する第2接続部と、
前記第2基板における前記第2接続部が配置された第1面とは反対側の第2面側に設けられ、前記第2基板を前記第2面側から支持することで前記第1基板と前記第2基板との間で発生する振動を抑制する複数の振動抑制部と、
を備え
第1の振動抑制部および第2の振動抑制部は、前記第2接続部に対して対称に配置され、
前記第1の振動抑制部および前記第2の振動抑制部は、前記第2基板における、前記第2接続部が設けられた範囲に対応しない部分の裏側から前記第2基板を支持する、
基板間接続構造。
【請求項2】
前記複数の振動抑制部は、前記第2面に接触して設けられる弾性層を有する、
請求項1記載の基板間接続構造。
【請求項3】
前記複数の振動抑制部は、前記第2基板との間で前記弾性層を挟むように設けられる非弾性層を有する、
請求項に記載の基板間接続構造。
【請求項4】
前記非弾性層は、絶縁体である、
請求項に記載の基板間接続構造。
【請求項5】
前記複数の振動抑制部は、前記非弾性層における、前記弾性層とは反対側に位置する弾性体を有する、
請求項または請求項に記載の基板間接続構造。
【請求項6】
前記複数の振動抑制部は、前記第2基板の熱を吸収可能に構成されている、
請求項1~の何れか1項に記載の基板間接続構造。
【請求項7】
電力変換回路に関する電気回路が搭載される第1基板および第2基板と、
請求項1~の何れか1項に記載の基板間接続構造と、
を備える電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板間接続構造および電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力変換回路等の電気回路を搭載した2つの基板間の電気接続には、ワイヤーハーネスやFPC/FFC(Flexible Printed Circuit/Flexible Flat Cable)等の部品(以下、ハーネス部)が用いられる。ハーネス部を設けると、基板を搭載した製品で振動が発生しても、その振動をハーネス部で吸収することが可能であるので、基板間の電気接続に対する影響度が小さい。
【0003】
また、特許文献1には、柱状ハンダのグリッドアレイを利用してベースコンポーネントに対して電気的接続をもたらす回路構成要素の衝撃および振動絶縁を改善するための構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-163435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、昨今の製品は、大電流、高電圧が要求される一方で、筐体サイズがコンパクト化されているので、上記のハーネス部を設けるスペースを確保することが困難になっている。そのため、2つの基板のそれぞれに、互いに嵌合可能なコネクタ等の接続部を設けることで、筐体サイズのコンパクト化が実現される。
【0006】
しかしながら、互いに嵌合可能な接続部を設ける構成であると、ハーネス部のように振動を吸収できないので、接続部の接点部で微摺動摩耗が発生し、接触抵抗の増加に起因する断線が発生するおそれがあった。
【0007】
また、接続部の接点部の微摺動摩耗を抑制するため、基板間の接続部の周辺にスタッドを設けてネジで締結する方法があるが、スタッドを設ける物理的なスペースを確保する他、当該スタッドおよびネジと、基板上の部品との絶縁距離を確保する必要があるため、筐体サイズのコンパクト化の観点から実現が困難である。
【0008】
本開示の目的は、基板間の振動発生を抑制し、ひいては接続部の接点部での微摺動摩耗の発生を抑制することが可能な基板間接続構造および電力変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る基板間接続構造は、
第1基板および第2基板における基板間接続構造であって、
前記第1基板に設けられる第1接続部と、
前記第2基板に設けられ、前記第1接続部と嵌合することで前記第1基板と前記第2基板とを電気接続する第2接続部と、
前記第2基板における前記第2接続部が配置された第1面とは反対側の第2面側に設けられ、前記第2基板を前記第2面側から支持することで前記第1基板と前記第2基板との間で発生する振動を抑制する複数の振動抑制部と、
を備え
第1の振動抑制部および第2の振動抑制部は、前記第2接続部に対して対称に配置され、
前記第1の振動抑制部および前記第2の振動抑制部は、前記第2基板における、前記第2接続部が設けられた範囲に対応しない部分の裏側から前記第2基板を支持する
【0010】
本開示に係る電力変換装置は、
電力変換回路に関する電気回路が搭載される第1基板および第2基板と、
上記の基板間接続構造と、
を備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、基板間の振動発生を抑制し、ひいては接続部の接点部での微摺動摩耗の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の実施の形態に係る電力変換装置が適用された車両の構成例を示すブロック図である。
図2】第1の実施の形態に係る基板間接続構造を示す図である。
図3】第2の実施の形態に係る基板間接続構造を示す図である。
図4】第3の実施の形態に係る基板間接続構造を示す図である。
図5】変形例に係る基板間接続構造を示す図である。
図6】変形例に係る基板間接続構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施の形態)
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本開示の実施の形態に係る電力変換装置100が適用された車両1の構成例を示すブロック図である。図2は、第1の実施の形態に係る基板間接続構造200を示す図である。
【0014】
図1に示すように、電力変換装置100は、車両1外部の外部交流電源2に接続され、外部交流電源2から供給される交流電力を直流電力に電力変換してバッテリー3を充電する充電器である。バッテリー3は、例えば、電気自動車やハイブリッドカー等の車両1に搭載された電池である。
【0015】
電力変換装置100は、交流フィルタ110、整流部120、電力変換部130および基板間接続構造200(図2参照)等を備える。
【0016】
交流フィルタ110は、外部交流電源2と、整流部120および電力変換部130との間の電力線上に設けられている。
【0017】
交流フィルタ110は、コンデンサやリアクトルなどの部品により構成され、当該電力線上に重畳されたノイズが外部交流電源2へ流出しないようにノイズを除去する役割を果たす。また、交流フィルタ110は、外部交流電源2から入力される交流電力に重畳するノイズを除去する役割も副次的に果たす。
【0018】
整流部120は、例えば、4つのダイオードからなるダイオードブリッジ回路を有しており、外部交流電源2から出力された交流電力を全波整流して直流電力に変換し、電力変換部130に出力する。
【0019】
電力変換部130は、力率改善回路およびDC/DC変換回路等の電力変換回路を含む。力率改善回路は、整流部120から入力された直流電力の力率を改善する。DC/DC変換回路は、スイッチング素子を有しており、力率改善回路が出力した直流電力を、当該スイッチング素子のスイッチングにより、バッテリー3を充電可能な直流電力に変換する。このように電力変換部130によって変換された直流電力がバッテリー3に出力されることにより、バッテリー3が充電される。
【0020】
電力変換装置100の各部は、1つの筐体内に収容されている。また、図2に示すように、筐体内には、電力変換回路(電力変換部)に関する電気回路等が搭載された第1基板140および第2基板150を有している。第1基板140と第2基板150とは、互いに対向して配置されており、基板間接続構造200により電気接続されている。
【0021】
基板間接続構造200は、第1接続部210と、第2接続部220と、振動抑制部230とを有する。
【0022】
第1接続部210および第2接続部220は、互いに嵌合可能なコネクタであり、第1接続部210および第2接続部220の一方がオス端子であり、第1接続部210および第2接続部220の他方がメス端子である。
【0023】
第1接続部210は、第1基板140における、第2基板150と対向する側の面140Aに設けられる。第2接続部220は、第2基板150における第1基板140と対向する側の第1面150Aに設けられる。第1接続部210と第2接続部220とが嵌合することで、第1基板140と第2基板150とが電気接続される。
【0024】
振動抑制部230は、第1基板140と第2基板150との間で発生する振動を抑制する。振動抑制部230は、第2基板150における第2接続部220が配置された第1面150Aとは反対側の第2面150B側に設けられる。
【0025】
振動抑制部230は、第2基板150と間隔をあけて設けられる別部材160と、第2基板150との間において、第2基板150と別部材160との間隔を埋めるように設けられる。
【0026】
別部材160は、振動抑制部230とは別の用途に用いられる部品、筐体の壁等どのようなものであっても良い。別の用途に用いられる部品は、例えば、第1基板140および第2基板150とは別に設けられた基板や、EMC(electromagnetic compatibility)対策用の板金(フィルタ)等である。
【0027】
振動抑制部230は、第2基板150における、第2接続部220が設けられた範囲の裏側から、第2面150Bを支持するように配置されている。振動抑制部230は、第1層231と、第2層232と、第3層233とを有する。
【0028】
第1層231および第2層232は、ゴム等の弾性体であり、振動抑制部230の表面層である。第1層231は、振動抑制部230における第2基板150側の表面層であり、第2基板150の第2面150Bと接触する。第2層232は、振動抑制部230における第1層231とは反対側に位置する表面層であり、別部材160と接触する。第1層231は、本開示の「弾性層」に対応する。第2層232は、本開示の「弾性体」に対応する。
【0029】
第3層233は、例えば樹脂(例えば、ポリブチレンテレフタレート)等の絶縁体(非弾性層)であり、振動抑制部230の中間層である。第3層233は、第2基板150との間で第1層231を挟んでおり、第2基板150の熱が第1層231を介して伝達されるようになっている。
【0030】
以上のように構成された本実施の形態によれば、振動抑制部230が、第1基板140と第2基板150との間で発生する振動を抑制する。具体的には、第2基板150の第2接続部220の裏側から第2基板150を支持するように振動抑制部230が設けられる。
【0031】
これにより、第2基板150の第2接続部220の部分を、第2面150B側から、振動抑制部230によって支持することができるので、外乱等に起因して、第1基板140と第2基板150との間で発生する振動を振動抑制部230で抑制することができる。
【0032】
その結果、第1基板140と第2基板150との間に発生する振動に起因した、第1接続部210と第2接続部220との接点部に微摺動摩耗の発生を抑制することができ、ひいては接触抵抗増加に伴う断線の発生を抑制することができる。
【0033】
また、第2基板150の第2接続部220に対応する部分の裏側から振動抑制部230によって第2基板150を支持するので、第1基板140と第2基板150との間で発生する振動をさらに抑制することができる。
【0034】
また、振動抑制部230が第1層231で第2基板150の第2面150Bと接触するので、第1層231の弾性力により、第2基板150からの振動を吸収しやすくすることができる。なお、第1層231は、第2基板150の振幅低減の観点から薄く構成することが好ましい。また、第1層231の厚さは、第2基板150の振幅を低減可能な厚さに適宜設定可能である。
【0035】
また、振動抑制部230が、非弾性層である第3層233を有するので、第2基板150を裏側から支持することで、第1基板140と第2基板150との間で発生する振動の振幅を低減することができる。
【0036】
また、第3層233が絶縁体で構成されるので、基板におけるその他の周辺部材との絶縁距離を確保する必要がない。第3層が導電部材で構成されていると、周辺部材との絶縁距離を確保する必要が生じて、ひいては装置の大型化につながるおそれがある。それに対し、本実施の形態では、第3層233が絶縁体であるので、絶縁距離を確保する必要がなく、装置の省スペース化を実現でき、ひいては装置のコンパクト化に寄与することができる。
【0037】
また、第3層233が樹脂で構成されるので、比較的熱容量の高い材質のもので構成することができる。その結果、振動抑制部230が、第2基板150の熱を吸収可能に構成されるので、第2基板150を冷却することができる。なお、振動抑制部230に蓄えられた熱を放射するためのヒートシンク等が別途設けられていても良い。
【0038】
また、振動抑制部230が第2基板150の裏側に設けられるので、第1基板140側からの荷重が、第1基板140、第1接続部210、第2接続部220および第2基板150を介して振動抑制部230に伝達する。これにより、当該荷重に起因する変形に対する剛性を向上させることができる。
【0039】
また、第2層232が弾性体で構成されるので、振動抑制部230と別部材160とが擦れ合うことを抑制することができる。
【0040】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。図3は、第2の実施の形態に係る基板間接続構造を示す図である。
【0041】
図3に示すように、第2の実施の形態に係る基板間接続構造200は、第1接続部210、第2接続部220および振動抑制部230の他、第2の振動抑制部240を有する。
【0042】
第2の振動抑制部240は、第1基板140と第2基板150との間で発生する振動を抑制する。第2の振動抑制部240は、第1基板140と第2基板150との間における第1接続部210および第2接続部220とは異なる位置に配置され、第1基板140と第2基板150との間隔を埋めるように設けられる。
【0043】
第2の振動抑制部240は、振動抑制部230と同様に、第1層241、第2層242および第3層243を有する。
【0044】
第1層241および第2層242は、振動抑制部230の第1層231および第2層232と同様に、ゴム等の弾性体である。第1層241は、第1基板140側の表面層であり、第1基板140と接触する。第2層242は、第2基板150側の表面層であり、第2基板150と接触する。
【0045】
第3層243は、振動抑制部230の第3層233と同様に、樹脂等の絶縁体(非弾性体)であり、第2の振動抑制部240の中間層である。
【0046】
また、第2の実施の形態における振動抑制部230は、第2接続部220と、第2の振動抑制部240との両方の裏側の位置に配置されている。具体的には、第2接続部220の一部の裏側に、振動抑制部230の一端部が位置し、第2の振動抑制部240の一部の裏側に振動抑制部230の他端部が位置するように、振動抑制部230が配置される。別の言い方をすると、第2接続部220および第2の振動抑制部240は、振動抑制部230に対して略対称に配置されている。
【0047】
以上のように構成された第2の実施の形態によれば、第2の振動抑制部240が第1基板140と第2基板150との間に設けられたので、第1基板140と第2基板150とが近づくような振動が発生しても、第2の振動抑制部240によって当該振動を抑制することができる。その結果、振動抑制部230による振動抑制の効果をさらに向上させることができる。
【0048】
また、第2接続部220および第2の振動抑制部240が、振動抑制部230に対して対称に配置されているので、第2接続部220および第2の振動抑制部240から第2基板150にかかる荷重を振動抑制部230により均等に受け止めることができる。その結果、振動抑制部230により、第2基板150を安定して支持することができ、ひいては振動抑制部230による振動抑制の効果を向上させることができる。
【0049】
また、第2の振動抑制部240の第3層243が絶縁体であるので、基板におけるその他の周辺部材との絶縁距離を確保する必要がないので、装置の省スペース化に寄与することができる。
【0050】
また、第3層243が樹脂で構成されるので、比較的熱容量の高い材質のもので構成することができる。その結果、第2の振動抑制部240が、第1基板140および第2基板150の熱を吸収可能に構成されるので、第1基板140および第2基板150を冷却することができる。
【0051】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について説明する。図4は、第3の実施の形態に係る基板間接続構造を示す図である。
【0052】
第2の実施の形態では、第2の振動抑制部240が1つ設けられていたが、図4に示すように、第3の実施の形態では、第2の振動抑制部240が、第1接続部210および第2接続部220の両側に1つずつ設けられている。各第2の振動抑制部240の構成は、第2の実施の形態における第2の振動抑制部240と同様である。
【0053】
また、振動抑制部230は、第1の実施の形態と同様に、第2接続部220の裏側に配置されている。具体的には、一方の第2の振動抑制部240の一部の裏側に、振動抑制部230の一端部が位置し、他方の第2の振動抑制部240の一部の裏側に振動抑制部230の他端部が位置するように、振動抑制部230が配置される。別の言い方をすると、2つの第2の振動抑制部240は、振動抑制部230に対して対称に配置されている。
【0054】
以上のように構成された第3の実施の形態によれば、2つの第2の振動抑制部240が第1基板140と第2基板150との間に設けられたので、第1基板140と第2基板150とが近づくような振動が発生しても、2つの第2の振動抑制部240によって当該振動をさらに抑制することができる。その結果、振動抑制部230による振動抑制の効果をさらに向上させることができる。
【0055】
また、2つの第2の振動抑制部240が、振動抑制部230に対して対称に配置されているので、2つの第2の振動抑制部240から第2基板150にかかる荷重を振動抑制部230により均等に受け止めることができる。その結果、振動抑制部230により、第2基板150を安定して支持することができ、ひいては振動抑制部230による振動抑制の効果を向上させることができる。
【0056】
また、上記第2の実施の形態等では、第2の振動抑制部240が第1基板140と第2基板150との間隔を埋めるように設けられていたが、本開示はこれに限定されない。例えば、図5に示すように、第1基板140と第2基板150との間に配置される別部材170(例えば、ノイズフィルタ等)と、第2基板150との間隔を埋めるように設けられていても良い。
【0057】
また、上記実施の形態では、振動抑制部230が一つ設けられていたが、本開示はこれに限定されず、振動抑制部230を複数設けても良い。また、図6に示すように、振動抑制部230を2つ設ける場合、第2接続部220に対して、2つの振動抑制部230を対称に配置することが好ましい。
【0058】
このようにすることで、2つの振動抑制部230により、第2基板150の第2接続部220に対応する部分をバランスよく支持することができる。
【0059】
また、2つの振動抑制部230を第2接続部220に対して対称に配置する限り、各振動抑制部230を、第2接続部220の裏側ではない位置に配置しても良い。
【0060】
また、上記実施の形態では、振動抑制部に第2層(弾性体)が設けられていたが、本開示はこれに限定されず、第2層が設けられていなくても良い。また、別部材側に、振動抑制部を接触可能な弾性体が設けられていても良い。
【0061】
また、上記実施の形態では、車両の電力変換装置における基板間接続構造を例示したが、本開示はこれに限定されず、車両以外の電力変換装置における基板間接続構造であっても良い。
【0062】
また、上記実施の形態では、電力変換装置の基板間接続構造を例示したが、本開示はこれに限定されず、電力変換装置以外の装置の基板間接続構造であっても良い。
【0063】
その他、上記実施の形態は、何れも本開示を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本開示の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本開示はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本開示の基板間接続構造は、基板間の振動発生を抑制し、ひいては接続部の接点部での微摺動摩耗の発生を抑制することが可能な基板間接続構造および電力変換装置として有用である。
【符号の説明】
【0065】
1 車両
2 外部交流電源
3 バッテリー
100 電力変換装置
110 交流フィルタ
120 整流部
130 電力変換部
140 第1基板
150 第2基板
150A 第1面
150B 第2面
200 基板間接続構造
210 第1接続部
220 第2接続部
230 振動抑制部
231 第1層
232 第2層
233 第3層
図1
図2
図3
図4
図5
図6