(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】全固体二次電池用正極および全固体二次電池
(51)【国際特許分類】
H01M 4/525 20100101AFI20241024BHJP
H01M 4/505 20100101ALI20241024BHJP
H01M 4/131 20100101ALI20241024BHJP
H01M 4/62 20060101ALI20241024BHJP
H01M 4/36 20060101ALI20241024BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20241024BHJP
H01M 10/0562 20100101ALI20241024BHJP
【FI】
H01M4/525
H01M4/505
H01M4/131
H01M4/62 Z
H01M4/36 C
H01M10/052
H01M10/0562
(21)【出願番号】P 2020044548
(22)【出願日】2020-03-13
【審査請求日】2022-12-23
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078064
【氏名又は名称】三輪 鐵雄
(74)【代理人】
【識別番号】100115901
【氏名又は名称】三輪 英樹
(72)【発明者】
【氏名】松岡 尚輝
(72)【発明者】
【氏名】青木 潤珠
(72)【発明者】
【氏名】冨田 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】上剃 春樹
【審査官】小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-062683(JP,A)
【文献】特開2010-170715(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/00-4/62
H01M 10/05-10/0587
H01M 10/36-10/39
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極活物質、導電助剤および固体電解質を含有する正極合剤の成形体を有する全固体二次電池用正極であって、
前記正極活物質として、下記一般式(1)
LiCo
1-a-b-cAl
aM
1
bM
2
cO
2 (1)
〔前記一般式(1)中、M
1は、Mg、NiおよびNaよりなる群から選択される少なくとも1種の元素、M
2は、Mn、Fe、Cu、Zr、Ti、Bi、Ca、F、P、Sr、W、Ba、Nb、Si、Zn、Mo、V、Sn、Sb、Ta、Ge、Cr、K、SおよびErよりなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0<a<0.1、0<b<0.1、a+b<0.1、0≦c
≦0.05である〕で表され
、Coサイトの少なくとも一部が前記Alで置換されているリチウムコバルト酸化物を含有
し、
前記固体電解質は、硫化物系固体電解質を含有することを特徴とする全固体二次電池用正極。
【請求項2】
前記正極活物質の表面に、前記正極活物質と前記固体電解質との反応を抑制するための反応抑制層が形成されている請求項1に記載の全固体二次電池用正極。
【請求項3】
正極、負極、および前記正極と前記負極との間に介在する固体電解質層を有する全固体二次電池であって、
前記正極として、請求項1または2に記載の全固体二次電池用正極を有することを特徴とする全固体二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抵抗値が低い全固体二次電池用正極と、前記正極を用いた全固体二次電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータなどのポータブル電子機器の発達や、電気自動車の実用化などに伴い、小型・軽量で、かつ高容量・高エネルギー密度の二次電池が必要とされるようになってきている。
【0003】
現在、この要求に応え得るリチウム二次電池、特にリチウムイオン二次電池では、正極活物質にコバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)などのリチウム含有複合酸化物が用いられ、負極活物質に黒鉛などが用いられ、非水電解質として有機溶媒とリチウム塩とを含む有機電解液が用いられている。
【0004】
そして、リチウムイオン二次電池の適用機器の更なる発達に伴って、リチウムイオン二次電池の更なる長寿命化・高容量化・高エネルギー密度化が求められていると共に、長寿命化・高容量化・高エネルギー密度化したリチウムイオン二次電池の信頼性も高く求められている。
【0005】
しかし、リチウムイオン二次電池に用いられている有機電解液は、可燃性物質である有機溶媒を含んでいるため、電池に短絡などの異常事態が発生した際に、有機電解液が異常発熱する可能性がある。また、近年のリチウムイオン二次電池の高エネルギー密度化および有機電解液中の有機溶媒量の増加傾向に伴い、より一層リチウムイオン二次電池の信頼性が求められている。
【0006】
以上のような状況において、有機溶媒を用いない全固体型のリチウム二次電池(全固体二次電池)が注目されている(特許文献1、2など)。全固体二次電池は、従来の有機溶媒系電解質に代えて、有機溶媒を用いない固体電解質の成形体を用いるものであり、固体電解質の異常発熱の虞がなく、高い安全性を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2017-40531号公報
【文献】特開2017-168387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、現在、全固体二次電池においては、その適用分野が急速に拡大しており、例えば大きな電流値での放電が求められる用途への適用も考えられることから、これに応え得るように負荷特性を高めることが求められる。全固体二次電池の負荷特性を高める手段としては、例えば正極の抵抗値を下げることが挙げられることから、これを達成する技術の開発が要請される。
【0009】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、抵抗値が低い全固体二次電池用正極と、前記正極を用いた全固体二次電池とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の全固体二次電池用正極は、正極活物質、導電助剤および固体電解質を含有する正極合剤の成形体を有し、
前記正極活物質として、下記一般式(1)
LiCo1-a-b-cAlaM1
bM2
cO2 (1)
〔前記一般式(1)中、M1は、Mg、NiおよびNaよりなる群から選択される少なくとも1種の元素、M2は、Mn、Fe、Cu、Zr、Ti、Bi、Ca、F、P、Sr、W、Ba、Nb、Si、Zn、Mo、V、Sn、Sb、Ta、Ge、Cr、K、SおよびErよりなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0<a<0.1、0<b<0.1、a+b<0.1、0≦cである〕で表されるリチウムコバルト酸化物を含有することを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の全固体二次電池は、正極、負極、および前記正極と前記負極との間に介在する固体電解質層を有し、前記正極として、本発明の全固体二次電池用正極を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、抵抗値が低い全固体二次電池用正極と、前記正極を用いた全固体二次電池とを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の全固体二次電池の一例を模式的に表す断面図である。
【
図2】本発明の全固体二次電池の他の例を模式的に表す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<全固体二次電池用正極>
本発明の全固体二次電池用正極は、正極活物質、導電助剤および固体電解質を含有する正極合剤の成形体を有している。そして、正極活物質として、下記一般式(1)で表されるリチウムコバルト酸化物(A)を使用する。
【0015】
LiCo1-a-b-cAlaM1
bM2
cO2 (1)
【0016】
前記一般式(1)中、M1は、Mg、NiおよびNaよりなる群から選択される少なくとも1種の元素、M2は、Mn、Fe、Cu、Zr、Ti、Bi、Ca、F、P、Sr、W、Ba、Nb、Si、Zn、Mo、V、Sn、Sb、Ta、Ge、Cr、K、SおよびErよりなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0<a<0.1、0<b<0.1、a+b<0.1、0≦cである。
【0017】
リチウムコバルト酸化物(A)は、有機電解液を使用する非水電解質二次電池用の正極活物質に用いた場合、含有するAlやM1元素などの添加元素の作用によって、電池の内部抵抗を増大させる材料である。しかし、有機電解液を有する非水電解質二次電池の場合、正極と負極との間でのイオンの受け渡しを行う電解質が液状(電解液)であるため、元々の内部抵抗が小さいことから、リチウムコバルト酸化物(A)による前記の内部抵抗増大は電池特性に殆ど影響しない。一方、正極-負極間でのイオンの受け渡しを固体電解質で行う全固体二次電池においては、正極活物質の作用による内部抵抗の増大によって負荷特性などの電池特性の低下が引き起されることも予想される。
【0018】
しかしながら、前記一般式(1)で表されるリチウムコバルト酸化物(A)を正極活物質として用いた全固体二次電池では、実際には、例えばLiCoO2を正極活物質とする場合に比べて内部抵抗を下げることが可能であることが、本発明者らの検討によって明らかとなった。
【0019】
LiCoO2を正極活物質として用いた電池を充電すると、価数変化によってCoが膨張する。有機電解液を用いた電池では、これに起因する正極活物質の体積変化が生じても、イオンの受け渡しをする電解質が液状であるために正極活物質との接触が損なわれることはない。一方、全固体二次電池では、正極内でイオンの受け渡しをする電解質が固体(固体電解質)であるため、電池の充放電によって正極活物質が体積変化することで固体電解質との間に隙間が生じてしまい、正極の内部抵抗、延いては電池の内部抵抗が増大してしまう。
【0020】
ところが、前記一般式(1)で表されるリチウムコバルト酸化物(A)であれば、充電状態となっても、Alおよび元素M1の作用によってCoの膨張が抑えられるため、正極活物質全体の膨張量(体積変化量)が小さくなる。よって、本発明の全固体二次電池用正極を用いた全固体二次電池(本発明の全固体二次電池)であれば、充放電しても正極内でのリチウムコバルト酸化物(A)と固体電解質との接触が良好維持されることで内部抵抗を低く保ち得ることから、優れた負荷特性を有するようになる。
【0021】
全固体二次電池用正極としては、正極合剤を成形してなる成形体(ペレットなど)や、正極合剤の成形体からなる層(正極合剤層)を集電体上に形成してなる構造のものなどが挙げられる。
【0022】
リチウムコバルト酸化物(A)において、AlはCoサイトに置換される元素、M1はLiサイトに置換される元素であり、ともに充電時におけるCoの膨張量〔リチウムコバルト酸化物(A)の膨張量〕を小さくする作用を有している。
【0023】
リチウムコバルト酸化物(A)は、元素M1として、Mg、NiおよびNaのうちの少なくとも1種の元素を含有していればよいが、置換するLiとイオン半径が同等であり、さらに充放電時における価数変化を起こさないことからMgが好ましい。
【0024】
リチウムコバルト酸化物(A)において、充電時における膨張量を小さく抑える観点から、Alの量aは0より大きく0.1未満であり、元素M1の量bは0より大きく0.1未満であり、また、a+bが0.1未満である。なお、Alの量aは0.005以上であることが好ましく、また、元素M1の量bは0.005以上であることが好ましい。さらに、Alの量aは0.08以下であることが好ましく、また、元素M1の量bは0.08以下であることが好ましい。
【0025】
リチウムコバルト酸化物(A)は、元素M2を含有していてもよく、含有していなくてもよい(その量cは0でもよい)が、元素M2の量が多すぎると、例えばCoの量が少なくなって、リチウムコバルト酸化物(A)の容量が小さくなる虞がある。よって、元素M2の量cは0.05以下であることが好ましい。
【0026】
正極活物質には、リチウムコバルト酸化物(A)のみを使用してもよく、リチウムコバルト酸化物(A)と他の正極活物質とを併用してもよい。リチウムコバルト酸化物(A)と併用し得る他の正極活物質としては、従来から知られているリチウムイオン二次電池に正極活物資として用いられているものと同様の、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な活物質が挙げられる。ただし、正極活物質にリチウムコバルト酸化物(A)と他の正極活物質とを併用する場合、全正極活物質中の、リチウムコバルト酸化物(A)の割合を、60質量%以上とすることが好ましい。なお、正極活物質の全てをリチウムコバルト酸化物(A)としてもよいため、全正極活物質中のリチウムコバルト酸化物(A)の好適含有量の上限値は、100質量%である。
【0027】
正極活物質の平均粒子径は、1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましく、また、10μm以下であることが好ましく、8μm以下であることがより好ましい。なお、正極活物質は一次粒子でも一次粒子が凝集した二次粒子であってもよい。平均粒子径が前記範囲の正極活物質を使用すると、固体電解質との界面を多くとれるため、電池の負荷特性がより向上する。
【0028】
本明細書でいう正極活物質の平均粒子径は、粒度分布測定装置(日機装株式会社製マイクロトラック粒度分布測定装置「HRA9320」など)を用いて、粒度分布の小さい粒子から積分体積を求める場合の体積基準の積算分率における50%径の値(d50)を意味している。
【0029】
正極活物質は、その表面に、固体電解質との反応を抑制するための反応抑制層を有していることが好ましい。
【0030】
正極合剤の成形体内において、正極活物質と固体電解質とが直接接触すると、固体電解質が酸化して抵抗層を形成し、成形体内のイオン伝導性が低下する虞がある。正極活物質の表面に、固体電解質との反応を抑制する反応抑制層を設け、正極活物質と固体電解質との直接の接触を防止することで、固体電解質の酸化による成形体内のイオン伝導性の低下を抑制することができる。
【0031】
反応抑制層は、イオン伝導性を有し、正極活物質と固体電解質との反応を抑制できる材料で構成されていればよい。反応抑制層を構成し得る材料としては、例えば、Liと、Nb、P、B、Si、Ge、TiおよびZrよりなる群から選択される少なくとも1種の元素とを含む酸化物、より具体的には、LiNbO3などのNb含有酸化物、Li3PO4、Li3BO3、Li4SiO4、Li4GeO4、LiTiO3、LiZrO3などが挙げられる。反応抑制層は、これらの酸化物のうちの1種のみを含有していてもよく、また、2種以上を含有していてもよく、さらに、これらの酸化物のうちの複数種が複合化合物を形成していてもよい。これらの酸化物の中でも、Nb含有酸化物を使用することが好ましく、LiNbO3を使用することがより好ましい。
【0032】
反応抑制層は、正極活物質:100質量部に対して0.1~1.0質量部で表面に存在することが好ましい。この範囲であればリチウムコバルト酸化物と固体電解質との反応を良好に抑制することができる。
【0033】
正極活物質の表面に反応抑制層を形成する方法としては、ゾルゲル法、メカノフュージョン法、CVD法、PVD法などが挙げられる。
【0034】
正極合剤における正極活物質の含有量は、60~95質量%であることが好ましい。
【0035】
正極の導電助剤には、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛)、グラフェン、カーボンブラック、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブなどの炭素材料などを使用することができる。正極合剤における導電助剤の含有量は、1~10質量%であることが好ましい。
【0036】
正極の固体電解質としては、リチウムイオン伝導性を有していれば特に限定されず、例えば、硫化物系固体電解質、水素化物系固体電解質、酸化物系固体電解質などが使用できる。
【0037】
硫化物系固体電解質としては、例えば、Li2S-P2S5、Li2S-SiS2、Li2S-P2S5-GeS2、Li2S-B2S3系ガラスなどの粒子が挙げられる他、近年、リチウムイオン伝導性が高いものとして注目されているLGPS系のもの(Li10GeP2S12など)や、アルジロダイト系のもの〔Li6PS5Clなどの、Li7-x+yPS6-xClx+y(ただし、0.05≦y≦0.9、-3.0x+1.8≦y≦-3.0x+5.7)で表されるもの、Li7-aPS6-aClbBrc(ただし、a=b+c、0<a≦1.8、0.1≦b/c≦10.0)で表されるものなど〕も使用することができる。これらの中でも、特にリチウムイオン伝導性が高く、化学的に安定性の高いアルジロダイト系材料が好ましく用いられる。
【0038】
水素化物系固体電解質としては、例えば、LiBH4、LIBH4と下記のアルカリ金属化合物との固溶体(例えば、LiBH4とアルカリ金属化合物とのモル比が1:1~20:1のもの)などが挙げられる。前記固溶体におけるアルカリ金属化合物としては、ハロゲン化リチウム(LiI、LiBr、LiF、LiClなど)、ハロゲン化ルビジウム(RbI、RbBr、RbiF、RbClなど)、ハロゲン化セシウム(CsI、CsBr、CsF、CsClなど)、リチウムアミド、ルビジウムアミドおよびセシウムアミドよりなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
【0039】
酸化物系固体電解質としては、例えば、Li7La3Zr2O12、LiTi(PO4)3、LiGe(PO4)3、LiLaTiO3などが挙げられる。
【0040】
固体電解質は、先に例示したもののうちの1種または2種以上を使用することができる、前記例示の固体電解質の中でも、リチウムイオン伝導性が高く、また、正極合剤の成形性を高める機能を有していることから、硫化物系固体電解質を用いることがより好ましい。
【0041】
正極合剤における固体電解質の含有量は、4~30質量%であることが好ましい。
【0042】
正極合剤には、樹脂製のバインダは含有させなくてもよく、含有させてもよい。樹脂製のバインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などのフッ素樹脂などが挙げられる。ただし、樹脂製のバインダは正極合剤中において抵抗成分として作用するため、その量はできるだけ少ないことが望ましい。よって、正極合剤においては、樹脂製のバインダを含有させないか、含有させる場合にはその含有量を0.5質量%以下とすることが好ましい。正極合剤における樹脂製のバインダの含有量は0.3質量%以下であることがより好ましく、0質量%である(すなわち、樹脂製のバインダを含有させない)ことがさらに好ましい。
【0043】
正極に集電体を使用する場合、その集電体としては、アルミニウムやステンレス鋼などの金属の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタル、発泡メタル;カーボンシート;などを用いることができる。
【0044】
正極合剤の成形体は、例えば、正極活物質、導電助剤および固体電解質、さらには必要に応じて添加されるバインダなどを混合して調製した正極合剤を、加圧成形などによって圧縮することで形成することができる。
【0045】
集電体を有する正極の場合には、前記のような方法で形成した正極合剤の成形体を集電体と圧着するなどして貼り合わせることで製造することができる。
【0046】
正極合剤の成形体の厚み(集電体を有する正極の場合は、集電体の片面あたりの正極合剤の成形体の厚み。以下、同じ。)は、電池の高容量化の観点から、200μm以上であることが好ましい。なお、電池の負荷特性は、一般に正極や負極を薄くすることで向上しやすいが、本発明によれば、正極合剤の成形体が200μm以上と厚い場合においても、その負荷特性を高めることが可能である。よって、本発明においては、正極合剤の成形体の厚みが例えば200μm以上の場合に、その効果がより顕著となる。また、正極合剤の成形体の厚みは、通常、2000μm以下である。
【0047】
<全固体二次電池>
本発明の全固体二次電池は、正極、負極、および前記正極と前記負極との間に介在する固体電解質層とを有し、正極が本発明の全固体二次電池用正極である。
【0048】
(負極)
全固体二次電池の負極は、例えば、負極活物質、導電助剤および固体電解質などを含む負極合剤の成形体を有するものであり、前記成形体のみからなる負極や、前記成形体と集電体とが一体化してなる構造の負極などが挙げられる。
【0049】
負極活物質としては、例えば、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、炭素繊維などのリチウムを吸蔵・放出可能な炭素系材料の1種または2種以上の混合物が用いられる。また、Si、Sn、Ge、Bi、Sb、Inなどの元素を含む単体、化合物およびその合金;リチウム含有窒化物またはリチウム含有酸化物などのリチウム金属に近い低電圧で充放電できる化合物;リチウム金属;リチウム/アルミニウム合金;も、負極活物質として用いることができる。
【0050】
負極合剤における負極活物質の含有量は、50~95質量%であることが好ましい。
【0051】
負極の導電助剤には、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛)、グラフェン、カーボンブラック、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブなどの炭素材料などを使用することができる。負極合剤における導電助剤の含有量は1~10質量%であることが好ましい。
【0052】
負極の固体電解質には、正極合剤に含有させ得る固体電解質として先に例示したものと同じもののうちの1種または2種以上を使用することができる。前記例示の固体電解質の中でも、リチウムイオン伝導性が高く、また、負極合剤の成形性を高める機能を有していることから、硫化物系固体電解質を用いることがより好ましい。
【0053】
負極合剤における固体電解質の含有量は、4~49質量%であることが好ましい。
【0054】
負極合剤には、樹脂製のバインダは含有させなくてもよく、含有させてもよい。樹脂製のバインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などのフッ素樹脂などが挙げられる。ただし、樹脂製のバインダは負極合剤中においても抵抗成分として作用するため、その量はできるだけ少ないことが望ましい。よって、負極合剤においては、樹脂製のバインダを含有させないか、含有させる場合にはその含有量を0.5質量%以下とすることが好ましい。負極合剤における樹脂製のバインダの含有量は0.3質量%以下であることがより好ましく、0質量%である(すなわち、樹脂製のバインダを含有させない)ことがさらに好ましい。
【0055】
負極に集電体を用いる場合、その集電体としては、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタル、発泡メタル;カーボンシート;などを用いることができる。
【0056】
負極合剤の成形体は、例えば、負極活物質、導電助剤および固体電解質、さらには必要に応じて添加されるバインダなどを混合して調製した負極合剤を、加圧成形などによって圧縮することで形成することができる。
【0057】
集電体を有する負極の場合には、前記のような方法で形成した負極合剤の成形体を集電体と圧着するなどして貼り合わせることで製造することができる。
【0058】
負極合剤の成形体の厚み(集電体を有する負極の場合は、集電体の片面あたりの正極合剤の成形体の厚み。以下、同じ。)は、電池の高容量化の観点から、200μm以上であることが好ましい。なお、電池の負荷特性は、一般に正極や負極を薄くすることで向上しやすいが、本発明によれば、負極合剤の成形体が200μm以上と厚い場合においても、その負荷特性を高めることが可能である。よって、本発明においては、負極合剤の成形体の厚みが例えば200μm以上の場合に、その効果がより顕著となる。そして、本発明においては、正極合剤の成形体の厚みが200μm以上であり、かつ負極合剤の成形体の厚みが200μm以上である場合に、その効果が特に顕著となる。また、負極合剤の成形体の厚みは、通常、3000μm以下である。
【0059】
(固体電解質層)
固体電解質層における固体電解質には、正極の固体電解質として先に例示したものと同じもののうちの1種または2種以上を使用することができる。ただし、電池特性をより優れたものとするためには、硫化物系固体電解質を含有させることが望ましく、正極、負極および固体電解質層の全てに硫化物系固体電解質を含有させることがより望ましい。
【0060】
固体電解質層は、樹脂製の不織布などの多孔質体を支持体として有していてもよい。
【0061】
固体電解質層は、固体電解質を加圧成形などによって圧縮する方法;固体電解質を溶媒に分散させて調製した固体電解質層形成用組成物を基材や正極、負極の上に塗布して乾燥し、必要に応じてプレス処理などの加圧成形を行う方法:などで形成することができる。
【0062】
固体電解質層形成用組成物に使用する溶媒は、固体電解質を劣化させ難いものを選択することが好ましい。特に、硫化物系固体電解質や水素化物系固体電解質は、微少量の水分によって化学反応を起こすため、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、デカリン、トルエン、キシレンなどの炭化水素溶媒に代表される非極性非プロトン性溶媒を使用することが好ましい。特に、含有水分量を0.001質量%(10ppm)以下とした超脱水溶媒を使用することがより好ましい。また、三井・デュポンフロロケミカル社製の「バートレル(登録商標)」、日本ゼオン社製の「ゼオローラ(登録商標)」、住友3M社製の「ノベック(登録商標)」などのフッ素系溶媒、並びに、ジクロロメタン、ジエチルエーテルなどの非水系有機溶媒を使用することもできる。
【0063】
固体電解質層の厚みは、100~300μmであることが好ましい。
【0064】
(電極体)
正極と負極とは、固体電解質層を介して積層した積層電極体や、さらにこの積層電極体を巻回した巻回電極体の形態で、電池に用いることができる。
【0065】
なお、電極体を形成するに際しては、正極と負極と固体電解質層とを積層した状態で加圧成形することが、電極体の機械的強度を高める観点から好ましい。
【0066】
(電池の形態)
本発明の全固体二次電池の一例を模式的に表す断面図を
図1に示す。
図1に示す電池1は、外装缶40と、封口缶50と、これらの間に介在する樹脂製のガスケット60で形成された外装体内に、正極10、負極20、および正極10と負極20との間に介在する固体電解質層30が封入されている。
【0067】
封口缶50は、外装缶40の開口部にガスケット60を介して嵌合しており、外装缶40の開口端部が内方に締め付けられ、これによりガスケット60が封口缶50に当接することで、外装缶40の開口部が封口されて素子内部が密閉構造となっている。
【0068】
外装缶および封口缶にはステンレス鋼製のものなどが使用できる。また、ガスケットの素材には、ポリプロピレン、ナイロンなどを使用できるほか、電池の用途との関係で耐熱性が要求される場合には、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)などのフッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル(PEE)、ポリスルフォン(PSF)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの融点が240℃を超える耐熱樹脂を使用することもできる。また、電池が耐熱性を要求される用途に適用される場合、その封口には、ガラスハーメチックシールを利用することもできる。
【0069】
また、
図2および
図3に、本発明の全固体二次電池の他の例を模式的に表す図面を示す。
図2は全固体二次電池の平面図であり、
図3は
図2のI-I線断面図である。
【0070】
図2および
図3に示す全固体二次電池100は、2枚の金属ラミネートフィルムで構成したラミネートフィルム外装体500内に、正極、固体電解質層および本発明の負極からなる電極体200を収容しており、ラミネートフィルム外装体500は、その外周部において、上下の金属ラミネートフィルムを熱融着することにより封止されている。なお、
図3では、図面が煩雑になることを避けるために、ラミネートフィルム外装体500を構成している各層や、電極体を構成している正極、負極およびセパレータを区別して示していない。
【0071】
電極体200の有する正極は、電池100内で正極外部端子300と接続しており、また、図示していないが、電極体200の有する負極も、電池100内で負極外部端子400と接続している。そして、正極外部端子300および負極外部端子400は、外部の機器などと接続可能なように、片端側をラミネートフィルム外装体500の外側に引き出されている。
【0072】
全固体二次電池の形態は、
図1に示すような、外装缶と封口缶とガスケットとで構成された外装体を有するもの、すなわち、一般にコイン形電池やボタン形電池と称される形態のものや、
図2および
図3に示すような、樹脂フィルムや金属-樹脂ラミネートフィルムで構成された外装体を有するもの以外にも、金属製で有底筒形(円筒形や角筒形)の外装缶と、その開口部を封止する封止構造とを有する外装体を有するものであってもよい。
【0073】
本発明の全固体二次電池が正極活物質として含有しているリチウムコバルト酸化物(A)は、高電圧充電状態での安定性に優れている。よって、本発明の全固体二次電池は、従来の有機電解液を有するリチウムイオン二次電池と同様に、充電時の終止電圧を4.2V程度に設定して使用することも可能であるが、これより高い4.3V以上を終止電圧とする充電を行う方法で使用してもよく、このような方法で充電して高容量化を図りつつ高温下で使用しても、良好な放電特性と貯蔵特性とを発揮できる。ただし、全固体二次電池の充電時の終止電圧は4.6V以下であることが好ましい。
【0074】
本発明の全固体二次電池は、従来から知られている二次電池と同様の用途に適用し得るが、有機電解液に代えて固体電解質を有していることから耐熱性に優れており、高温に曝されるような用途に好ましく使用することができる。
【実施例】
【0075】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
【0076】
実施例1
<正極の作製>
平均粒子径5μmで表面にLiNbO3からなる層を有するLiCo0.98Al0.01Mg0.01O2(正極活物質)と、平均粒子径が4μmのアルジロダイト型構造を有する硫化物系固体電解質(Li6PS5Cl)と、アセチレンブラック(導電助剤)とを、60:35:5の質量比で混合し、よく混練して正極合剤を調製した。次に、前記正極合剤:15mgを直径:10mmの粉末成形金型に入れ、プレス機を用いて加圧成形を行い、円柱形状の正極合剤成形体よりなる正極を作製した。なお、LiCo0.98Al0.01Mg0.01O2の表面のLiNbO3からなる層の量は、LiCo0.98Al0.01Mg0.01O2:100質量部に対して0.5質量部であった。
【0077】
<固体電解質層の形成>
次に、前記粉末成形金型内の前記正極合剤成形体の上に、正極の作製に用いたものと同じ硫化物系固体電解質:80mgを投入し、プレス機を用いて加圧成形を行い、前記正極合剤成形体の上に固体電解質層を形成した。
【0078】
<積層電極体の形成>
対極として、LiおよびIn金属を円柱形状に成形して重ねたものを使用した。この対極を、前記粉末成形金型内の固体電解質層の、正極とは反対側の面上に投入し、プレス機を用いて加圧成形を行い、積層電極体を作製した。
【0079】
<モデルセルの組み立て>
前記の積層電極体を使用し、
図2に示すものと同様の平面構造のモデルセルを作製した。ラミネートフィルム外装体を構成するアルミニウムラミネートフィルムの、外装体の内側となる面に、正極集電箔(SUS箔)および対極集電箔(SUS箔)を、間にある程度の間隔を設けつつ横に並べて貼り付けた。前記各集電箔には、前記積層電極体の正極側表面または対極側表面と対向する本体部と、前記本体部からセルの外部に向けて突出する正極外部端子300および対極外部端子400となる部分とを備えた形状に切断したものを用いた。
【0080】
前記ラミネートフィルム外装体の対極集電箔上に前記積層電極体を載せ、正極集電箔が前記積層電極体の正極上に配置されるように前記ラミネートフィルム外装体で前記積層電極体を包み、真空下で前記ラミネートフィルム外装体の残りの3辺を熱融着によって封止して、モデルセルを得た。
【0081】
実施例2
正極活物質を、平均粒子径5μmで表面にLiNbO3からなる層を有するLiCo0.9798Al0.01Mg0.01Ti0.0002O2(LiCo0.9798Al0.01Mg0.01Ti0.0002O2の表面のLiNbO3からなる層の量が、LiCo0.9798Al0.01Mg0.01Ti0.0002O2:100質量部に対して0.5質量部)に変更した以外は、実施例1と同様にしてモデルセルを作製した。
【0082】
実施例3
正極活物質を、平均粒子径8μmで表面にLiNbO3からなる層を有するLiCo0.98Al0.01Mg0.01O2(LiCo0.98Al0.01Mg0.01O2の表面にLiNbO3からなる層の量がLiCo0.98Al0.01Mg0.01O2:100質量部に対して0.5質量部)に変更した以外は、実施例1と同様にしてモデルセルを作製した。
【0083】
比較例1
正極活物質を、平均粒子径5μmで表面にLiNbO3からなる層を有するLiCoO2(LiCoO2の表面のLiNbO3からなる層の量が、LiCoO2:100質量部に対して0.5質量部)に変更した以外は、実施例1と同様にしてモデルセルを作製した。
【0084】
比較例2
正極活物質を、平均粒子径5μmで表面にLiNbO3からなる層を有するLiCo0.99Mg0.01O2(LiCo0.99Mg0.01O2の表面のLiNbO3からなる層の量が、LiCo0.99Mg0.01O2:100質量部に対して0.5質量部)に変更した以外は、実施例1と同様にしてモデルセルを作製した。
【0085】
比較例3
正極活物質を、平均粒子径5μmで表面にLiNbO3からなる層を有するLiCo0.989Mg0.01Ti0.001O2(LiCo0.989Mg0.01Ti0.001O2の表面のLiNbO3からなる層の量が、LiCo0.989Mg0.01Ti0.001O2:100質量部に対して0.5質量部)に変更した以外は、実施例1と同様にしてモデルセルを作製した。
【0086】
比較例4
正極活物質を、平均粒子径5μmで表面にLiNbO3からなる層を有するLiCo0.99Al0.01O2(LiCo0.99Al0.01O2の表面のLiNbO3からなる層の量が、LiCo0.99Al0.01O2:100質量部に対して0.5質量部)に変更した以外は、実施例1と同様にしてモデルセルを作製した。
【0087】
比較例5
正極活物質を、平均粒子径5μmで表面にLiNbO3からなる層を有するLiCo0.9Al0.05Mg0.05O2(LiCo0.9Al0.05Mg0.05O2の表面のLiNbO3からなる層の量が、LiCo0.9Al0.05Mg0.05O2:100質量部に対して0.5質量部)に変更した以外は、実施例1と同様にしてモデルセルを作製した。
【0088】
比較例6
正極活物質を、平均粒子径5μmで表面にLiNbO3からなる層を有するLiCo0.9Al0.1O2(LiCo0.9Al0.1O2の表面のLiNbO3からなる層の量が、LiCo0.9Al0.1O2:100質量部に対して0.5質量部)に変更した以外は、実施例1と同様にしてモデルセルを作製した。
【0089】
比較例7
正極活物質を、平均粒子径5μmで表面にLiNbO3からなる層を有するLiCo0.89Al0.1Mg0.01O2(LiCo0.89Al0.1Mg0.01O2の表面のLiNbO3からなる層の量が、LiCo0.89Al0.1Mg0.01O2:100質量部に対して0.5質量部)に変更した以外は、実施例1と同様にしてモデルセルを作製した。
【0090】
比較例8
正極活物質を、平均粒子径5μmで表面にLiNbO3からなる層を有するLiCo0.9Mg0.1O2(LiCo0.9Mg0.1O2の表面のLiNbO3からなる層の量が、LiCo0.9Mg0.1O2:100質量部に対して0.5質量部)に変更した以外は、実施例1と同様にしてモデルセルを作製した。
【0091】
比較例9
正極活物質を、平均粒子径5μmで表面にLiNbO3からなる層を有するLiCo0.89Al0.01Mg0.1O2(LiCo0.89Al0.01Mg0.1O2の表面のLiNbO3からなる層の量が、LiCo0.89Al0.01Mg0.1O2:100質量部に対して0.5質量部)に変更した以外は、実施例1と同様にしてモデルセルを作製した。
【0092】
実施例および比較例で作製したモデルセルについて、以下の方法で直流抵抗(DCR)測定を行った。各モデルセルについて、0.05Cの電流値で電圧が3.68Vになるまで定電流充電し、続いて電流値が0.01Cになるまで定電圧充電を行い、その後に0.02Cの電流値で電圧が1.88Vになるまで放電させて、そのときの放電容量(初期容量)を測定した。
【0093】
初期容量測定後の各モデルセルについて、初期容量測定時と同じ条件で定電流充電および定電圧充電を行い、その後に0.1Cの電流値で充電深度(SOC)が、50%になるまで放電させてから1時間休止させた。その後の各電池について、0.1Cの電流値で10secのパルス放電を行った後に電圧を測定し、パルス放電前後の電圧差から固体電解質層と対極とに帰属される電圧降下分を差引いた電圧を求め、その値からDCRを算出した。
【0094】
この方法で求められるDCRが小さいモデルセルに使用されている正極ほど、内部抵抗が低く、負荷特性に優れた全固体二次電池を構成可能であるといえる。
【0095】
各モデルセルに係る正極に用いたリチウムコバルト酸化物の構成を表1に示し、前記の評価結果を表2に示す。なお、表1におけるAlの欄の数値、M1(元素M1)の欄の数値、およびM2(元素M2)の欄の数値は、それぞれ、前記一般式(1)におけるa、b、およびcの値を意味しており、「a+b」欄の数値は、前記のaとbとの合計値を意味している
【0096】
【0097】
【0098】
表1および表2に示す通り、実施例1~3で作製したモデルセルは、適正な組成のリチウムコバルト酸化物(A)を正極活物質として含有する正極を有しており、DCRが低かった。よって、これらの正極であれば、負荷特性に優れた全固体二次電池を構成することができる。
【0099】
これに対し、比較例1~10で作製したモデルセルは、構成元素の量が前記一般式(1)を満たさないリチウムコバルト酸化物を正極活物質とした正極を有しており、実施例で作製したモデルセルに比べて、DCRが高かった。
【符号の説明】
【0100】
1、100 全固体二次電池
10 正極
20 負極
30 固体電解質層
40 外装缶
50 封口缶
60 ガスケット
200 電極体
300 正極外部端子
400 負極外部端子
500 ラミネートフィルム外装体