(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】流水検知装置
(51)【国際特許分類】
A62C 35/68 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
A62C35/68
(21)【出願番号】P 2020064523
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2023-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】390002381
【氏名又は名称】株式会社キッツ
(74)【代理人】
【識別番号】100081293
【氏名又は名称】小林 哲男
(72)【発明者】
【氏名】馬場 拓真
【審査官】森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-104148(JP,A)
【文献】実開昭55-015676(JP,U)
【文献】特開2009-297586(JP,A)
【文献】特開2005-076255(JP,A)
【文献】実開昭60-117536(JP,U)
【文献】特開2015-119894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 2/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
逆止弁体を内蔵した本体に、前記逆止弁体の開閉動作を検知する検知手段を有する検知ボックスを備え
るとともに圧力計が配設された流水検知装置において、
前記検知ボックスは、長尺状のベース体と、前記ベース体を被蓋するカバーとを有し、
前記カバーは、一面が長尺方向を有する略矩形状に開口した開口部を形成した被覆部と、前記開口部の長尺方向の前端部側に延設した縁部を前記ベース体に面状に接触可能に設けた干渉部と
、前記ベース体の長尺方向の後端部に掛けて回転軸とする引掛部とを有し、
前記ベース体には、
前記圧力計の配設側にスライドスイッチを設け、該スライドスイッチは、長尺方向の前端部側を前記検出手段の出力を遮断するオフ位置として長尺方向にオン位置およびオフ位置にスライド操作されるスライド部を有
し、
前記ベース体に前記カバーを被蓋する際に、オン位置の前記スライド部が前記被覆部の内部に収納された状態で被蓋可能となり、オフ位置の前記スライド部が前記干渉部に干渉して前記ベース体に対して前記カバーが被蓋できないようにしたことを特徴とする流水検知装置。
【請求項2】
前記スライド部がオン位置の場合、前記干渉部が前記ベース体に面状に接触して被蓋状態となり、前記スライド部がオフ位置の場合、前記ベース体に面状に接触する前記干渉部の面が前記スライド部のオフ位置方向に前記ベース体との距離を拡大するように傾いた状態で前記スライド部に当接する請求項1に記載の流水検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流水検知装置に関し、特に、簡易な構成でありながら極めて取扱性に優れた流水検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流水検知装置は、取り付け対象となる配管内の流水の有無を検知する装置であり、配管内に流体(水)が流れた場合に、それを外部に報知するために用いられる。典型的には、ビル設備内の消火用スプリンクラーの配管に設けられ、スプリンクラーの作動で生じる配管内の流体の流れの発生を検知することで、火災の発生等を報知可能とする。このため、一般的には、取り付ける配管と連通する流路内に、流体の逆流を防ぐ逆止弁構造が内蔵され、この弁の開閉を、リミットスイッチなど、所定の検知機構を介して検知可能に構成されている。弁の開閉検知には、流体圧の変化を検知する自動警報弁型や、弁の回転の有無を検知する回転作動弁型などが知られている。前記検知機構などは、ボデー近傍の検知ボックス内にコンパクトに集約して装置が構成されている。
【0003】
また、流水検知装置や取り付け対象の設備にメンテナンス等の作業を行う場合、流水検知装置の作動をオフにする必要がある一方で、当該作業は、流水検知装置の作動をオンに確実に復帰させて終了しなければならない。このオンへの復帰を忘れると、流水検知装置がオフのまま使用され、前記防火用スプリンクラーなど取り付け対象の設備が正常に機能しなくなるため、流水検知装置のオンへの復帰は、安全管理上極めて重要である。
【0004】
通常、この種の流水検知装置には、所定の規格により、前記検知機構のオンオフが可能な所定のスイッチ(遮断スイッチ)が設けられているので、現場において手動で容易に装置のオンオフ操作が可能となっている。よって、作業前には、この遮断スイッチをオフにし、作業終了後には、この遮断スイッチをオンにすることで、装置のメンテナンス等の作業が行われることが一般的である。しかしながら、この種の作業では、このような遮断スイッチが設けられていても、依然として流水検知装置のオンへの復帰操作が忘れられる場合があることが現状である。例えば、装置に付された注意書きを判読することが困難な暗い狭所において作業を急いだ場合や、未熟な作業者の場合、遮断スイッチのオンへの復帰を忘れるミスが生じやすいといわれている。
【0005】
特許文献1、2の流水検知装置では、上記のような検知機構がオフの状態で作業を終えてしまう復帰忘れを防ぐための各種の手段が提案されている。
【0006】
特許文献1では、信号停止手段を用いている。すなわち、上記メンテナンス等の作業の際、リミットスイッチからの信号を外部に出力させない手段である信号停止手段がガイドに装着される。具体的には、棒状に形成された同文献の信号停止手段は、リミットスイッチとリミットスイッチ押圧手段との間に装着され、この装着状態では、その一部である把持部が筐体の外部にはみ出る長さを有しているので、装着状態ではターミナルボックスの蓋を閉じることができなくなる。このような構成により、信号停止手段の取り外し忘れを防止することで、装置がオフのまま作業が終了してしまうことが防がれる。
【0007】
特許文献2では、以下のように、複数の手段が開示されている。一つは、信号を発する出力装置を用いた手段(同文献2の第1実施形態)であり、リミットスイッチから受信盤へ信号を送る電路に、電路の開閉を行うスイッチが設置され、スイッチにより電路が遮断された状態で信号を発する出力装置を設置することにより、この出力装置からのブザーや音声、ランプの点滅などを用いて外部へオフ状態を報知するようにしている。
【0008】
次に、スイッチにより電路が遮断されてから所定時間経過後にスイッチが元の状態に戻る手段(同文献2の第3実施形態)も開示されており、当該手段としては、ゼンマイ式タイマースイッチや電子タイマーを用いてスイッチを定位から信号停止に戻すようにした例が開示されている。
【0009】
さらに、上記手段のほか、シーソースイッチを用いた手段も示されている(同文献2の第2実施形態)。すなわち、一方を押し込むと他方が突出するシーソースイッチが定位状態のとき、L字状に折り曲げた形状の蓋に形成された開口に向けて、スイッチの突出側が露出されるように構成されており、スイッチが信号停止状態のときは、スイッチの突出側が反対になり、ベースに蓋を被せて被蓋しようとすると、この突出部分が干渉して蓋とベースが離間した状態になる。この状態で、ビスがベースに螺合できなくなり、蓋をビスによって固定できなくなるので、作業者へ異常を認識させると記載されている。
【0010】
さらに、別の手段として、スイッチを流水検知装置の本体近傍に設置された筐体の内部に設置して、筐体の蓋を外した状態においてはスイッチの操作が可能となり、蓋を閉めるとスイッチが元の状態(電路が接続された状態)に戻る構成としても実現可能と記載されている(同文献2の請求項5、明細書段落0009)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2009-297586号公報
【文献】特開2017-104148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献1、2に開示の各手段には、それぞれ以下のような問題を挙げることができる。先ず、特許文献1と、特許文献2の第1実施形態に開示される手段は、少なくとも本体装置とは別に、上記課題を解決するための専用部品が必要となる。すなわち、特許文献1では、少なくとも信号停止手段と、これを装着するガイドが必須であり、特許文献2では、所定のタイマーが必須となる。
【0013】
よって、少なくともこのような専用部品が必要となる分、流水検知装置の構成が複雑化する問題がある。流水検知装置の構成は、できる限り簡素でコンパクトに構成される必要があり、最も需要が高いビル設備に必須となるスプリンクラー設備に備えられる装置として、特に近年は装置の簡素化やコンパクト化の要請が大きい。しかも、特許文献1には、信号停止手段を紛失してしまうと点検の際に代用品を準備する等の手間が発生することから、筐体には紛失防止手段としても収納部が設けられているとの記載もある。よって、同文献1では、装置本来の機能の発揮とは別に、このような余分な構成も必要とされる。
【0014】
次に、特許文献2に開示の第2実施形態に関しては、少なくともカバーに何らかの加工を施す必要がある。すなわち、定位状態にあるシーソースイッチの突出側が露出するための開口を蓋に形成しなければならないので、蓋に対して専用の加工が必須であり、少なくともその分、装置の生産コストなども悪化する。
【0015】
また、同文献2に開示のシーソースイッチは、スイッチの操作部が押下と突出するタイプであり、このタイプの操作部が、被蓋される蓋を直接受けるように構成されているので、作業者が、この操作部の操作を忘れる可能性もある。すなわち、当該シーソースイッチは、ベースに蓋を被せるときに、蓋により操作部が押し下げられる可能性があるので、同文献2に記載のように蓋とベースが離間することなく、この蓋で押し下げられて被蓋され得ることから、実質的には、この蓋でスイッチの操作部が操作され得るように構成されている。
【0016】
この場合、例えば蓋の開口とスイッチの位置ずれや、スイッチの操作部の押し下げ不足など、想定外の原因により、スイッチの操作部がオンにならないまま蓋がベースに取り付けられるおそれもある。特に、ビル設備のスプリンクラーに備えられる流水検知装置を高いレベルで安全管理する上で、スイッチの操作部は、このように蓋を閉じる動作による間接的な操作に委ねることなく、作業者自身によって、意識的に操作部をオンへ復帰させる操作が行われるべきであり、同文献2のシーソースイッチによる手段は、これが確実に担保できる構成とは言えない。しかも、蓋により操作(押下)られることが繰り返されると、本来の動作と異なる不自然な力が作用する機会が増し、スイッチの強度が弱まり故障の原因になるおそれもある。
【0017】
さらに、特許文献2に開示の蓋を閉めるとスイッチが元の状態に戻る構成に関しては、具体的に開示されていないので、どのように構成すべきか不明である。
【0018】
なお、通常このような構成としては、例えばシーソースイッチの場合と同様に、押し下げによりオンとなるタイプのスイッチの操作部が、被蓋位置の蓋を受けるように構成して、蓋の動作で押し下げられるようなスイッチをベースに設けることが考えられるが、このような構成では、上記のように作業者が直接操作を忘れるおそれがある問題や、スイッチが損傷されやすくなる問題がある。その他、例えば蓋とベースの両方にスイッチを設けて、両者が接触するとスイッチがオンとなる接触タイプのスイッチも考えられるが、この場合は、少なくとも蓋に専用部品となるスイッチを設ける必要があるので、上記の場合と同様、装置のコスト性が悪化する問題がある。以上のように、特許文献1、2には、複数の手段の開示があるが、いずれの手段にも課題を有している。
【0019】
そこで、本発明は上記問題点を解決するために開発されたものであり、その目的とするところは、簡易な構成でありながら誤った取り扱いを確実に防止できる流水検知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、逆止弁体を内蔵した本体に、逆止弁体の開閉動作を検知する検知手段を有する検知ボックスを備えるとともに圧力計が配設された流水検知装置において、検知ボックスは、長尺状のベース体と、ベース体を被蓋するカバーとを有し、カバーは、一面が長尺方向を有する略矩形状に開口した開口部を形成した被覆部と、開口部の長尺方向の前端部側に延設した縁部をベース体に面状に接触可能に設けた干渉部と、ベース体の長尺方向の後端部に掛けて回転軸とする引掛部とを有し、ベース体には、圧力計の配設側にスライドスイッチを設け、スライドスイッチは、長尺方向の前端部側を検出手段の出力を遮断するオフ位置として長尺方向にオン位置およびオフ位置にスライド操作されるスライド部を有し、ベース体にカバーを被蓋する際に、オン位置のスライド部が被覆部の内部に収納された状態で被蓋可能となり、オフ位置のスライド部が干渉部に干渉してベース体に対してカバーが被蓋できないようにした流水検知装置である。
【0021】
請求項2に係る発明は、スライド部がオン位置の場合、干渉部がベース体に面状に接触して被蓋状態となり、スライド部がオフ位置の場合、ベース体に面状に接触する干渉部の面がスライド部のオフ位置方向に前記ベース体との距離を拡大するように傾いた状態でスライド部に当接する流水検知装置である。
【発明の効果】
【0024】
請求項1に記載の発明によると、遮断スイッチがオフ位置にある状態で、かつベース体にカバーを被蓋する際に、遮断スイッチの少なくとも一部が被蓋動作に干渉して被蓋できないようにしたから、カバーには何も施す必要がなく既存のカバーにそのまま適用可能であって、遮断スイッチがオフのとき、確実に被蓋が妨げられる。よって、遮断スイッチのオンへの復帰忘れを確実に防止できる上に、流水検知装置を簡易に構成できる。特に、オフ位置でカバーが確実に被蓋不能となるから、被蓋に伴ってカバーで遮断スイッチがオン位置となることがなく、作業者自身に確実にオン位置への復帰操作を促すことができる。
【0025】
請求項1に記載の発明によると、カバーの一部をベース体に掛けた状態でカバーを回転させて被蓋できるようにしたから、簡素な構造のみで、カバーの位置合わせと開閉を極めて容易に行うことができ、作業性の向上に寄与する。また、カバーの一部をベース体に掛けてから回動動作させるため、被蓋のための動作が一定の動作に規制されることになる。カバーを不定の動作で被蓋しようとすると、遮断スイッチがオフ位置のまま、想定していない形でカバーが閉じてしまうおそれもあるが、被蓋を一定の動作に規制できることで、そのような想定外の被蓋も起こりにくく、より確実な操作を担保できる。
【0026】
請求項2に記載の発明によると、遮断スイッチがベース体に設けられたスライドタイプなので、スライド部がカバーに向けて突出するから、ベース体に被蓋する際に、カバーの干渉部は、スライド部をスイッチ本体に向けて押し付けることになる。よって、このスライド部とスイッチ本体との間の接続部分を剪断する方向に力が作用することがほとんどなくなるため、スライド部に対し、不自然な方向への力の作用を抑制し、カバーとの干渉に対して強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本例のスライドタイプの遮断スイッチにおいて、カバーがスライド部に係止された状態を模式的に示した模式斜視図である。
【
図2】
図1において、カバーの被蓋状態を模式的に示した模式斜視図である。
【
図3】本例の矢形タイプの遮断スイッチにおいて、カバーが矢形ハンドルに係止された状態を模式的に示した模式斜視図である。
【
図4】
図3において、カバーの被蓋状態を模式的に示した模式斜視図である。
【
図5】本例の検知ボックスの開閉を模式的に示した模式断面図であり、(a)は、カバーの引掛部とベース体が係合した状態でカバーが閉じられる前の状態であり、(b)は、(a)におけるカバーの被蓋状態を示している。
【
図6】(a)は、
図5(b)のX部の拡大断面図であり、(b)は、
図2におけるスライドスイッチの配置関係を模式的に示した模式説明図である。
【
図8】(a)は、本例の流水検知装置の全閉状態を示す断面図である。(b)は、全閉時の検知ボックスの内部を示す概略模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の流水検知装置の実施形態の一例を説明する。
図1-5は、本例の流水検知装置に備えられる検知ボックス1のカバー3とベース体2とを模式的に示したものである。本例の流水検知装置は、
図7-8を参照して後述するように、本体15を有し、この本体15外部の取付台座16に、前記検知ボックス1(検知機構)が設けられるほか、一次及び二次側の圧力計17、排出弁機構18が配設され、本体15内部には、円盤状の逆止弁体19が設けられる。
【0032】
なお、
図7-8を参照して後述するように、本例の検知ボックス1内部には、弁体回転軸19aの回転を検知するタイプの検知機構(少なくとも電装類などの一部)が収納されるが、このようなタイプの検知機構のほか、本発明の検知ボックスには、例えば特許文献1-2に示されるタイプの検知機構など、種々の検知機構に用いることができることは勿論である。
【0033】
先ず、
図5を参照して、本例の検知ボックス1を説明する。
図5は、本例の検知ボックス1において、内部に何も有さない状態を模式的に示した模式断面図であり、この検知ボックス1は、少なくとも、本体15側に固定されるベース体2と、このベース体2を被蓋するためのカバー3とを有する。同図(a)は、ベース体2の一端にカバー3の一端を掛けた状態を示した斜視断面図であり、同図(b)は、カバー3をベース体2に被蓋した被蓋状態を示した斜視断面図である。
【0034】
図5において、カバー3は、樹脂又は金属により一体的に形成されており、2面状に対向する長方形状の側面5(例えば250mm×47.5mmの大きさ)と、2面状に対向する矩形状の前面6と後面7(例えば73mm×47.5mmの大きさ)と、これらの各面に隣接する長方形状の上面4(例えば250mm×73mmの大きさ)と、この上面4に対向して矩形状に開口した開口部8(例えば上面4と概ね同じ大きさ)から成る略直方体形状を呈している。本例では、上面4は、開口部8に対向する対向面となる。
【0035】
なお、カバー3の形状は、このような形状に限らず、少なくとも蓋として機能すればよく、カバー3の被蓋状態で、ベース体2と当接可能な開口部8と、ベース体2を被覆する被覆部とを有していればよい。本例の場合、被覆部は、側面5、この側面5に対向する図示しない側面、前面6、後面7及び上面4から一体的に形成される部分であり、被蓋状態において、被覆部の内部には検知ボックス1内の部材群が納められる。また、図示していないが、カバー3には、ベース体2に設けられた部材に合わせた穴や切り欠き、間仕切り、或いは所定の注意事項の標記や着色など必要な加工が施される。
【0036】
図5において、ベース体2は、樹脂又は金属により一体的に形成された矩形板状部材(例えば256mm×73mmの大きさ)であり、ベース体2の外周囲9は、カバー3の開口部8と適合する形状を呈している。また、
図1-5には図示していないが、
図7-8を参照して後述するように、ベース体2には、種々の検知機構の部品が備えられる。
【0037】
図5、6(a)において、カバー3の開口部8は、直線状の四辺(具体的には互いに対向する短辺と長辺)を有しており、被蓋状態においてベース体2の表面に当たる段部8aと、ベース体2の外周囲9に対向する段部8bを有する断面略L字形状に形成されており、被蓋状態において、ベース体2の外周囲9と全周に亘って当接(密着)可能に構成されている。これら四辺を有する開口部8の一辺を形成している端部(後面7に隣接する短辺となる端部)は、後述する
ベース体2の外周囲9の一辺に掛けられた状態で回転軸となる引掛部10であり、この引掛部10の一部には、
図6(a)に示すように、突起部11を突設させて外周囲9の端部9aと容易に係合可能に設けている。
【0038】
図6(a)は、本例の引掛部10である
図5(b)のX部を拡大した部分拡大断面図であり、本例では、カバー3の開口側の端面の一部を内側に折り返すように突起部11を突設させ、同図に示すように断面略コ字形状に形成している。特に、
図6(a)に示すように、突起部11にはベース体2の底面側から離れるようにテーパ状の傾斜面11aが形成されている。この傾斜面11aは、必須ではないが、同図に示すように傾斜面11aとベース体2の底面との間にクリアランスCが確保されていることにより、ベース体2に対してカバー3を回動させやすくなる。
【0039】
なお、この突起部11の幅や位置・断面形状は、実施に応じて適宜選択できることは勿論である。このような突起部11であれば、加工が容易である上に、引掛部10を回転軸として機能させやすい上、カバー3の被蓋動作を容易にできる。また、このような突起部11を設けることで、確実に引掛部10を構成してからでなければカバー3を回動させた被蓋動作ができなくなる。すなわち、後面7側ではなく、前面6側を回転軸としてカバー3を回動動作させたとしても、突起部11が障害となってカバー3は被蓋できない。したがって、本発明のような遮断スイッチがオフ位置にあるときの被蓋動作への干渉がさらに確実なものとなる。ただし、このような突起部11は必ずしも必要でなく、突起部11を設けることなく、開口部8を単純に全周に亘って断面略L字形状に形成してもよい。
【0040】
また、
図5に示すように、この引掛部10に対向する一辺を形成する端部(前面6に隣接する短辺となる端部)には、開口部8の一部から、開口部8と略同一平面方向に所定幅で延設するように形成した縁部12が突設され、この縁部12のベース体2側(つまり、引掛部10となる開口部8の一辺に対向する他方の一辺)は、
図2、
図4、
図5(b)に示すように、被蓋状態において、ベース体2に面状に接触可能な干渉部13となる。このカバー3に設けられる縁部12は、後述のように、少なくともスライドスイッチ20を用いる場合は、このスライドスイッチ20のスイッチ本体21を被覆するために必要となる。
【0041】
図5(a)は、断面コ字形状の突起部11を端部9aに係合させた状態を示し、カバー3をベース体2に被蓋するときは、この係合状態を保って、カバー3の引掛部10の対向側(前面6側)を、引掛部10を回転軸としてヒンジ状に回転させ、同図(b)に示す被蓋状態とする。この被蓋動作において、特にカバー3の前面6は、同図(a)に示すように、概ね回転半径Rでベース体2に向けて回転することで被蓋する。よって、ベース体2に備えられた各部品は、このベース体2からの高さとベース体2の短尺方向の幅を別として、矩形状のベース体2の長尺方向に向かって引掛部10から概ね距離R以内に配置されれば、カバーの干渉部13と干渉することなくカバー3の回動範囲内に収まる。
【0042】
図5(b)に示すように、カバー3を被蓋状態とすることで、検知ボックス1内部は、外部に対して密封され、少なくとも検知ボックス1内部に収容された部材が外部から適切に保護される。なお、密封の程度や検知ボックス1の素材・形状選択により、例えば、防爆、防振、防水構造など、実施に応じて適宜構成可能である。さらに、本例の検知ボックス1は、一体形成されたベース体2に対して一体形成されたカバー3を被せて構成されるが、この構成のほか、例えば、ベース体やカバーを複数部材で構成してもよく、ベース体にカバーが枢着されたり、ボルトなどで被蓋状態を固着したり、被蓋状態をワンタッチで解除できるロック機構を設けるなど、適宜に構成することができる。
【0043】
次いで、
図1-4を参照して、検知ボックスに備えられる遮断スイッチを説明する。本発明の遮断スイッチは、後述の検知機構の作動をON状態とOFF状態に切り替える切り替えスイッチであり、検知ボックス(ベース体又はカバーの何れか)に適宜備えられる。この遮断スイッチとしては、後述のように、実施条件に応じて、押し下げによりON状態となるプッシュスイッチや、ON状態とOFF状態が交互に切り替わるロッカースイッチ、スライドによりON状態とOFF状態が切り替わるスライドスイッチ、回転や姿勢変位によりON状態とOFF状態が切り替わる矢形スイッチやトグルスイッチなど、種々のタイプを広く適用可能である。
【0044】
本例の遮断スイッチは、変位することによりオン位置(ON状態)とオフ位置(OFF状態)を切り替える操作部を有しており、オフ位置にある操作部は、カバーをベース体に被蓋するとき、カバーの一部と干渉してカバーの被蓋を妨害することで、被蓋不能とする機能を有する。本発明では、オフ位置の操作部と干渉した状態にあるカバーをさらに被蓋しようとしても、物理的に被蓋動作を強固に妨害できるように構成している。
【0045】
このように構成することで、カバーの被蓋(間接動作)にスイッチのON/OFFを委ねることなく、作業者に対し、遮断スイッチのON状態への復帰操作を直接行うことを促すことができる。一方で、ON状態にある遮断スイッチは、被蓋されるカバーと干渉することがなく、よって、遮断スイッチの存在によらず自由にカバーを被蓋可能となるように構成される。以下、
図1-4において、
図5と同一部分は同一符号を付してその説明を省略する。
【0046】
図1-2は、本例の検知ボックス1に、遮断スイッチとしてのスライドスイッチ20を備えた例を模式的に示した模式図である。この
図1-2に示した例では、カバー3とベース体2とは、
図5に示したものと実質的に同一に構成することができ、例えばカバー3の加工など、スライドスイッチ20を備えることに応じた特別な構成は不要である。
【0047】
図1-2において、スライドスイッチ20は、スイッチ本体21と、操作部であるスライド部22を有しており、このスライド部22は、ベース体2の上を、その長尺方向に沿ってオン位置とオフ位置との2変位間をスライド変位して検知を切り替える遮断スイッチであり、オン位置はベース体2の内側、オフ位置はベース体2の外側となる。また、同図に示すように、スライド部22の長尺方向のスライド幅をS、スライド部22の長尺方向の幅をsとし、スイッチ本体21の位置をPで示しており、この位置Pは、スライド幅Sの長尺方向に沿った中央位置である。
【0048】
また、
図1のスライド部22は、遮断スイッチのオフ位置にあり、
図2のスライド部22は、遮断スイッチのオン位置にある状態を、それぞれ示している。
図1では、オフ位置にあるスライド部22が干渉部13と干渉し、物理的に被蓋を妨害しているので、確実に被蓋不能となる。
図2では、オン位置にあるスライド部22は干渉部13と干渉せず被蓋可能となる。
【0049】
この位置Pは、
図5に示した回転半径Rと同様に、カバー3の引掛部10を掛けるベース体2の端部9aから、この端部9aに対向する端部9bまでの、ベース体2の長尺方向に沿った距離である。特に干渉部13に干渉させる場合、遮断スイッチの位置Pは、引掛部10の係合状態を示した
図1から、カバー3を回転させた被蓋状態を示した
図2となる間に、オン位置にあるスライド部22がカバー3と干渉することなく、オフ位置にあるスライド部22は、干渉部13と干渉可能となる位置である必要がある。
【0050】
この場合、
図6(b)に示すように、スライドスイッチ20の位置Pは、回転半径Rとの関係では、次の範囲内が許容範囲となる。
図6(b)は、
図1-2に示したスライドスイッチ20を模式的に示した説明図であり、同図に示した横軸の原点位置は、ベース体2の端部9aの位置に対応する。
【0051】
図6(b)において、位置Pには次の条件が必要である。同図(b)の横軸上側は、オン位置にあるスライド部22を模式的に示している。このオン位置にあるスライドスイッチ20は、概ね回転半径Rで被蓋されてくるカバー3の前面6(横軸位置R)と干渉してはならないので、同図に示した配置から、原点O(端部9a)に対してさらに離れてはならない。この条件から、位置Pの上限位置は、R-s+S/2(>P)となる。
【0052】
また、
図6(b)の横軸下側は、オフ位置にあるスライド部22を模式的に示している。このオフ位置にあるスライドスイッチ20は、被蓋されてくるカバー3の前面6(横軸位置R)と干渉しなければならないので、同図に示した配置から、原点O(端部9a)に対してさらに近づいてはならない。この条件から、位置Pの下限位置は、R-S/2(<P)となる。したがって、スライド部22がオン位置にある場合から、R-s+S/2>P>R-S/2が位置Pの許容範囲となる。
【0053】
一方、図示していないが、スライド部22がオフ位置にある場合からは、このオフ位置にあるスライド部22が前面6と干渉しなければならない条件より、位置Pの上限としてR>P+(S/2-s)が得られる。また、位置Pの下限は、上記オフ位置の場合と同様にR-S/2(<P)である。したがって、スライド部22がオフ位置にある場合から、R+s-S/2>P>R-S/2が位置Pの許容範囲となる。これらの条件を満たすようにパラメータを設定することで、本発明の効果を確実に得られる。なお、縁部12の幅や形状に応じて、さらに設計の自由度を増すことも可能となる。
【0054】
ここで、
図1-2はスライドタイプの遮断スイッチであるが、このほか、図示しないプッシュタイプの遮断スイッチ(プッシュスイッチ)を用いてもよい。このプッシュスイッチの構成としては、スイッチ本体に押し下げることでオン位置となる操作部(押下部)を有し、この押下部は、オフ位置にあるときは、スイッチ本体から突出している状態にある。このオフ位置にある押下部と、被蓋されるカバー3の干渉部13とを干渉するように構成されるが、具体的には、プッシュスイッチ本体を、前記スライドスイッチ20のスイッチ本体21と同様に配置し、オフ位置にある押下部がベース体2の端部9b側に(長尺方向に向けて)突出するようにして干渉部13と干渉可能とする一方、押し下げられた状態(スイッチ本体内部に引っ込んだ状態)では干渉部13と干渉しないようにすればよい。
【0055】
このようなプッシュスイッチは、長尺方向に突出するから、干渉部13を係止する場合、オフ位置にある押下部は、干渉部13からスイッチ本体に対して、後述するように曲げる剪断力が作用するので、強度が弱くなるため、強度の観点から上述したスライドスイッチよりは劣る可能性もある。ただし、遮断スイッチは強度以外の要因でも選択できるし、必要な補強等を行うことで実用上問題ない程度の強度を確保することも可能である。例えば低コストが重視されるような場合、プッシュタイプは比較的安価なので、選択されうる。
【0056】
次いで、
図3-4は、本例の検知ボックス1に、遮断スイッチとしての矢形スイッチ30を備えた例を、
図1-2と同様に模式的に示した模式図である。この
図3-4に示した例では、カバー3の上面4(少なくとも被覆部)には、このカバー3を被蓋したとき、オン位置にある矢形ハンドル32が収まる収容部14が形成される。
【0057】
図3-4において、矢形スイッチ30は、スイッチ本体31と、操作部である矢形ハンドル32を有しており、この矢形ハンドル32は、ベース体2に対して略垂直方向の回転軸に対してオン位置とオフ位置との2変位間を回転変位して検知を切り替える遮断スイッチである。矢形ハンドル32の上端部には、突出部33が突設されており、この突出部33は、この矢形スイッチ30をベース体2に設けられた状態のベース体2の平面視において、少なくとも回転変位に応じて非対称な形状となる必要があるので、同図に示すように、平面視の突出部33は、例えば矩形状を呈している。
【0058】
また、
図3の矢形ハンドル32は、遮断スイッチのオフ位置にあり、
図4の矢形ハンドル32は、遮断スイッチのオフ位置にある状態を、それぞれ示している。
図3-4に示すように、カバー3には、その被蓋状態において突出部33を収めることができる収容部14が形成される。
図3では、オフ位置にある突出部33が上面4と干渉し、物理的に被蓋を係止しているので、確実に被蓋することができないが、
図4では、オン位置にある突出部33が収容部14に収まることで被蓋可能となる。
【0059】
この収容部14は、遮断スイッチのベース体2上の位置に応じて、カバー3に1か所設ければよく、オン位置にある突出部33が収まれば実施に応じて適宜形成できる。また、矢形スイッチ30の位置は、干渉部13と干渉させる必要がないため、被蓋状態のカバー3に干渉しなければ、ベース体2の適宜の位置に設けることができる。
【0060】
本例の収容部14は、矩形状に突出した突出部33の形状に適合する矩形状の貫通穴14として、上面4に1か所形成されている。よって、オン位置にある矩形状の突出部33と同じ方向を向いて貫通している。このような貫通穴14であれば、加工が容易であり、被蓋状態において、オン位置にある突出部33が上面4から外部に露出させることもできるので、被蓋状態(正常状態)であることを視認しやすく、好適であり、より目立たせるため、例えば突出部33のみ、上面4の外部の色(通常は規格により赤色)と異なる色に着色するなどしてもよい。その他、例えば上面4を貫通させずに収容部14を設けることも可能であり、被蓋状態において、オフ位置にある突出部33と干渉させつつ、上面4の内側に、オン位置にある突出部33を収容できる空間部(収容穴や収容溝)として設けてもよい。
【0061】
あるいは、この矢形ハンドル32の突出部33が、オン位置にあるときは、カバー3の前面6(干渉部13)と干渉するが、オフ位置にあるときには干渉しないような配置で矢形スイッチ30を配置すれば、カバー3に収容部に対してとくに加工を施さなくとも被蓋動作に干渉できるため、より簡易な構造にできる可能性もある。
【0062】
なお、
図3-4は矢形タイプの遮断スイッチであるが、例えば図示しないスライドタイプを用いることもできる。このスライドタイプは、
図1-2に示したようなスライド部を有し、カバーの被蓋状態において、スライド部がオフ位置にあればカバーと干渉し、スライド部がオン位置にあればスライド部がカバーの収容部に収まるように構成される。この場合の収容部も、上記同様に設けることができる。具体的には、突出部33と同様に上面4に向けて突出させたスライド部(不図示)を設け、このスライド部がオン位置にあるとき、収容部14に収まる突出部33と同様に、所定の収容部(不図示)に収まるように構成すればよい。
【0063】
この場合のスライドスイッチは、
図1-2に示した場合のようにスライド変位方向を特定する必要がなく(例えばカバー3の被蓋方向に対して交差する方向、つまりベース体2の短尺方向でもよい)、適宜の方向にスライドさせることができ、しかも、干渉部13と干渉させる必要もないので、干渉部13に近接させる必要もない。よって、
図1-2に示したスライドスイッチと比べてベース体に設ける位置や向きの自由度が大きい点で有効である。
【0064】
図1-4に示した遮断スイッチ(スライドスイッチ20、矢形スイッチ30)は、何れも、オフ位置にある操作部(スライド部22、矢形ハンドル32)は、スイッチ本体21、31から、被蓋しようとするカバー3(干渉部13や上面4など)に向けて突出しているので、カバー3に当たって被蓋を係止しても、突出している操作部22、32とスイッチ本体21、31との間を曲げるような剪断力がほとんど作用することがない。よって、繰り返しカバー3を受け止める可能性のある操作部22、32の強度を高めることができる。
【0065】
さらに、図示していないが、実施条件が許容する限りは、カバーの被蓋動作に伴ってON状態とOFF状態が切り替えられるタイプの遮断スイッチを用いることも可能である。最も単純な構成としては、カバーの被蓋動作において、操作部としての押下部を有するプッシュタイプの遮断スイッチを用いて、この押下部をカバー(上面)に向けてオフ位置で突出させるように設けた上で、被蓋に伴ってカバー(上面)で押下部を押し下げ(プッシュ)、被蓋状態で押下部がスイッチ本体内部へ押し込まれて遮断スイッチがオン位置となるように構成することも可能である。
【0066】
なお、このようなプッシュタイプの他、カバーに適宜加工を施すことにより、ロッカースイッチタイプやトグルスイッチタイプを用いることも可能である。その他、被蓋動作において、カバーとベース体との接触に起因して遮断スイッチがON状態となるタイプのスイッチを用いてもよい。
【0067】
最後に、
図7-8を参照して、本例の流水検知装置の検知ボックス1以外の部分の概略を説明する。
図7は、本例の検知ボックス1を備えた流水検知装置を示した外観斜視図であり、
図8(a)は、
図7におけるA-A線断面図であり、
図8(b)は、検知ボックス1のカバー3を外してベース体2に検知機構の部品などを備えた状態の一例を模式的に示した外観平面図である。
【0068】
本体15は、短筒形状に形成され、この本体15の外周面には、検知ボックス1取付用の取付台座16と、圧力計17取付用の台座24と、排出弁機構18取付用の排出口部25とがそれぞれ設けられる。取付台座16は、本体15に形成された複数の突出部位の先端側に設けられ、台座24には、逆止弁体19の一次側、二次側にそれぞれ連通するように取付穴26が形成され、排出口部25は、逆止弁体19の二次側から外部に連通するように形成されている。
【0069】
図7-8に示すように、逆止弁体19は、回転軸19aが一端部に設けられ、この回転軸19aを中心にアーム27を介して本体15内を回動自在に設けられて、本体15内の流れを開閉するようになっている。アーム27の背面側にはストッパー(当接部)が形成され、逆止弁体19の全開時には、この当接部が本体15の対向する面部に当接することで、図における下方側からの流水量が多い場合でも逆止弁体19がガタつくこと無く全開状態が保持される。
【0070】
回転軸19aには、逆止弁体19の開動作をサポートするためのバネ部材41が装着され、このバネ部材41の弾性力を回転軸19aに付与することにより規定流量の検知に必要な逆止弁体19の弁開度を得るようになっている。さらに、逆止弁体19には、本体15に形成された弁座面28との間をシールするシール用Oリング29が設けられ、このOリング29を介して案内体が逆止弁体19の中央部に設けられている。弁閉時には、Oリング29により逆止弁体19と弁座面28とがシールされて弁閉状態となる。
【0071】
案内体は、一次側の外周部が傾斜状に形成されて先細状に設けられ、ボルトにより中央部が逆止弁体19に固着される。案内体の取付け後には、弁閉時における弁座面28側の流路が狭くなり、流水時には弁座面28付近の流体圧が増すことで逆止弁体19が開きやすくなる。この案内体により逆止弁体19の回転角度をトリガーとして検知させ、その誤動作を防ぎつつ動作角度を増幅させて、スプリンクラー作動時の流水を確実に検知可能になる。
【0072】
逆止弁体19は、回転軸19aを介して検知機構と接続され、この検知機構により逆止弁体19の回動動作が検知される。
図8(b)において、本例の検知機構は検知ボックスる1に収納され、この状態で取付台座16に取付けられる。検知ボックス1の内部には、作動プレート35、36、ロータリーダンパ37、接点38を有するリミットスイッチ39(検出手段)、おもり40、バネ部材41、係止部となるねじ42、プレート43が設けられ、検知機構は、これらを介して逆止弁体19の回転動作を遅延し、この逆止弁体19や配管内部の瞬間的な圧力変動や流体漏れなどにおける誤作動を防ぎつつ、逆止弁体19の回転動作による流水を検知可能になっている。さらに、図示しない電気ケーブルを接続可能な端子ユニット44も設けられている。
【0073】
図8(b)には、本発明の遮断スイッチの一例として、
図1-2と同様に、スライドスイッチ20をベース体2の端部9b側に設けた例を示している。同図のように、スライドスイッチ20の場合、カバー3に何ら加工を施すことなく、既存製品に対しても、スイッチの配置を変更するだけで、容易に本発明を構成することが可能である。
【0074】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は、前記実施の形態記載に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲に記載されている発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更ができるものである。例えば、遮断スイッチをスライドスイッチとする場合、その取り付け位置は上述したようなカバー3の前面6(干渉部13)と干渉する位置でなくともよく、カバー3の側面5と干渉する位置に配置してもよい。同様に、矢形スイッチを用いる場合は、カバー3の上面4(対向面)に収容部を設ける以外にも、側面5に収容部を設け、それに対応するように矢形スイッチを配置させてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1 検知ボックス
2 ベース体
3 カバー
4 上面(対向面)
8 開口部
9 外周囲
10 引掛部
13 干渉部
14 貫通穴(収容部)
15 本体
20 スライドスイッチ(遮断スイッチ)
21 スライド部(操作部)
30 矢形スイッチ(遮断スイッチ)
31 矢形ハンドル(操作部)
39 リミットスイッチ(検出手段)