(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】管理システム、及び管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20241024BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20241024BHJP
G08G 1/123 20060101ALI20241024BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20241024BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
G06Q50/40
G06Q50/10
G08G1/123 A
G08G1/13
G01C21/26 C
(21)【出願番号】P 2020214393
(22)【出願日】2020-12-24
【審査請求日】2023-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(73)【特許権者】
【識別番号】000202361
【氏名又は名称】綜合警備保障株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】八木下 知己
(72)【発明者】
【氏名】岡村 克己
(72)【発明者】
【氏名】三好 康平
(72)【発明者】
【氏名】山川 昭次
(72)【発明者】
【氏名】松田 真二郎
(72)【発明者】
【氏名】平谷 彰一
(72)【発明者】
【氏名】中原 有輝
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 壯生
(72)【発明者】
【氏名】佐野 幹弘
(72)【発明者】
【氏名】西澤 貴志
(72)【発明者】
【氏名】竹永 伸明
(72)【発明者】
【氏名】石河 通
(72)【発明者】
【氏名】三浦 哲也
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕二
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/054490(WO,A1)
【文献】特開2019-027911(JP,A)
【文献】特開2000-231691(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G08G 1/123
G08G 1/13
G01C 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地から目的地に向けて走行する車両の待機場所であって、前記出発地及び前記目的地の間に設けられている前記待機場所に関する管理を行う管理システムであって、
前記待機場所に関する待機場所関連情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記待機場所関連情報に基づいて、前記待機場所に関する管理処理を行う管理手段と、を備
え、
前記待機場所は前記目的地から離れた別の場所にあり、
前記待機場所は、予約して利用され、
前記待機場所は、予約している時間帯を示す予約時間帯であって、予約開始日時から予約終了日時までの時間帯である前記予約時間帯に、当該待機場所を予約している前記車両によって利用され、
前記取得手段は、少なくとも、前記車両が通る道路の渋滞を示す渋滞情報を前記待機場所関連情報として取得し、
前記管理手段は、少なくとも、前記取得手段が取得した前記渋滞情報に基づいて、前記待機場所と前記目的地との間の前記車両が通る道路が渋滞しているか否かを特定し、特定結果に基づいて、前記予約時間帯の前記予約終了日時を調整する、
管理システム。
【請求項2】
前記管理手段は、少なくとも、前記車両の運転手に覚知させるべき覚知情報を特定し、特定した当該覚知情報を前記運転手側に通知する処理を行う、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記管理手段は、少なくとも、前記待機場所の現状を特定し、特定した現状に基づいて、前記待機場所に設けられている制御対象機器を制御する処理を行う、
請求項1又は2に記載の管理システム。
【請求項4】
出発地から目的地に向けて走行する車両の待機場所であって、前記出発地及び前記目的地の間に設けられている前記待機場所に関する管理を行う管理プログラムであって、
コンピュータを、
前記待機場所に関する待機場所関連情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記待機場所関連情報に基づいて、前記待機場所に関する管理処理を行う管理手段と、として機能さ
せ、
前記待機場所は前記目的地から離れた別の場所にあり、
前記待機場所は、予約して利用され、
前記待機場所は、予約している時間帯を示す予約時間帯であって、予約開始日時から予約終了日時までの時間帯である前記予約時間帯に、当該待機場所を予約している前記車両によって利用され、
前記取得手段は、少なくとも、前記車両が通る道路の渋滞を示す渋滞情報を前記待機場所関連情報として取得し、
前記管理手段は、少なくとも、前記取得手段が取得した前記渋滞情報に基づいて、前記待機場所と前記目的地との間の前記車両が通る道路が渋滞しているか否かを特定し、特定結果に基づいて、前記予約時間帯の前記予約終了日時を調整する、
管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システム、及び管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両を待機させる待機場所が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の待機場所を含めて、車両の待機場所に関して適切に運用することが要望されていた。
【0005】
本発明は上記事実に鑑みなされたもので、待機場所に関して適切に運用することが可能となる管理システム、及び管理プログラムを提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の管理システムは、出発地から目的地に向けて走行する車両の待機場所であって、前記出発地及び前記目的地の間に設けられている前記待機場所に関する管理を行う管理システムであって、前記待機場所に関する待機場所関連情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記待機場所関連情報に基づいて、前記待機場所に関する管理処理を行う管理手段と、を備え、前記待機場所は前記目的地から離れた別の場所にあり、前記待機場所は、予約して利用され、前記待機場所は、予約している時間帯を示す予約時間帯であって、予約開始日時から予約終了日時までの時間帯である前記予約時間帯に、当該待機場所を予約している前記車両によって利用され、前記取得手段は、少なくとも、前記車両が通る道路の渋滞を示す渋滞情報を前記待機場所関連情報として取得し、前記管理手段は、少なくとも、前記取得手段が取得した前記渋滞情報に基づいて、前記待機場所と前記目的地との間の前記車両が通る道路が渋滞しているか否かを特定し、特定結果に基づいて、前記予約時間帯の前記予約終了日時を調整する。
【0007】
請求項2に記載の管理システムは、請求項1に記載の管理システムにおいて、前記管理手段は、少なくとも、前記車両の運転手に覚知させるべき覚知情報を特定し、特定した当該覚知情報を前記運転手側に通知する処理を行う。
【0008】
請求項3に記載の管理システムは、請求項1又は2に記載の管理システムにおいて、前記管理手段は、少なくとも、前記待機場所の現状を特定し、特定した現状に基づいて、前記待機場所に設けられている制御対象機器を制御する処理を行う。
【0009】
請求項4に記載の管理プログラムは、出発地から目的地に向けて走行する車両の待機場所であって、前記出発地及び前記目的地の間に設けられている前記待機場所に関する管理を行う管理プログラムであって、コンピュータを、前記待機場所に関する待機場所関連情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記待機場所関連情報に基づいて、前記待機場所に関する管理処理を行う管理手段と、として機能させ、前記待機場所は前記目的地から離れた別の場所にあり、前記待機場所は、予約して利用され、前記待機場所は、予約している時間帯を示す予約時間帯であって、予約開始日時から予約終了日時までの時間帯である前記予約時間帯に、当該待機場所を予約している前記車両によって利用され、前記取得手段は、少なくとも、前記車両が通る道路の渋滞を示す渋滞情報を前記待機場所関連情報として取得し、前記管理手段は、少なくとも、前記取得手段が取得した前記渋滞情報に基づいて、前記待機場所と前記目的地との間の前記車両が通る道路が渋滞しているか否かを特定し、特定結果に基づいて、前記予約時間帯の前記予約終了日時を調整する。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の管理システム、及び請求項4に記載の管理プログラムによれば、待機場所関連情報に基づいて待機場所に関する管理処理を行うことにより、例えば、待機場所に関して適切に運用することが可能となる。
【0012】
請求項2に記載の管理システムによれば、覚知情報を前記運転手側に通知することにより、例えば、待機場所を安全に運用することができ、適切に運用することが可能となる。
【0013】
請求項3に記載の管理システムによれば、待機場所に設けられている制御対象機器を制御することにより、例えば、歩行者の遮断等を行うことができるので、待機場所を安全に運用することができ、適切に運用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施の形態が適用される待機場所を含む地図を例示した図である。
【
図2】管理システムを機能概念的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る管理システム、及び管理プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、管理システム、及び管理プログラムに関する。本発明に係る管理システムは、待機場所に関する管理を行うためのシステムであり、例えば、取得手段、及び管理手段を備える。
【0018】
「取得手段」とは、待機場所関連情報を取得する手段である。「管理手段」とは、取得手段が取得した待機場所関連情報に基づいて、管理処理を行う手段である。
【0019】
なお、「待機場所関連情報」とは、待機場所に関する情報であり、具体的には後述する。また、「管理処理」とは、待機場所に関する管理の処理であり、具体的には後述する。
【0020】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0021】
(構成‐待機場所、車両)
まず、待機場所及び車両について説明する。
図1は、本実施の形態が適用される待機場所を含む地図を例示した図である。
【0022】
図1の「待機場所」とは、出発地から目的地に向けて走行する車両が待機する場所であり、具体的には、出発地及び目的地の間に設けられている場所であり、例えば、出発地を出発した車両が目的地に到着するまでに経由して一時的に待機する場所等を含む概念である。なお、「出発地及び目的地の間に設けられている」とは、例えば、出発地から目的地に至るルート上に設けられていること等を含む概念である。
【0023】
なお、
図1の「出発地」とは、車両が出発する地点を示す概念であり、例えば、工場(コンクリート工場、鉄骨工場等)、及び倉庫等を含む概念である。
図2の「目的地」とは、車両の走行の目的となる地点を示す概念であり、例えば、工事又は建設等が行われている作業所等を含む概念である。
【0024】
また、
図1の「車両」は任意であるが、例えば、工事用の車両(工事用車両)を含む概念であり、一例としては、生コン車、ダンプトラック、及びトレーラー等を含む概念である。以下、工事用車両を、単に「車両」とも称して説明する。
【0025】
なお、本実施の形態では、
図1に図示されている待機場所A及び車両Aに着目して説明する。
【0026】
(構成‐管理システム)
次に、管理システムの構成について説明する。
図2は、管理システムを機能概念的に示すブロック図である。
【0027】
図2の管理システム100は、待機場所に関する管理を行うためのシステムであり、例えば、車載装置1、端末装置2、待機場所側装置群3、及びサーバ装置4を備えている。そして、管理システム100のサーバ装置4以外の装置と、サーバ装置4とは相互に通信可能となっている。
【0028】
(構成‐管理システム‐車載装置)
図2の車載装置1は、車両に搭載されている装置であり、例えば、カーナビゲーション装置等を用いて構成することができる。この車載装置1は、
図1に示す地図を示す地図情報をメモリに格納しており、また、例えばGPS信号を受信して当該地図上において自己に現在位置(つまり、車両の現在の位置)を特定可能となっている。
【0029】
(構成‐管理システム‐端末装置)
図2の端末装置2は、車両の運転手が携帯する携帯端末であり、例えば、スマートフォン又はタブレット端末等である。
【0030】
(構成‐管理システム‐待機場所側装置群)
図2の待機場所側装置群3は、
図1の待機場所に設けられている各種装置であり、例えば、撮影装置、警報装置、及び仕切装置等を備える。
【0031】
「撮影装置」とは、待機場所内又待機場所の周辺の画像を撮影するカメラであり、例えば、撮影した画像をサーバ装置4に送信するカメラである。なお、この撮影装置としては、飛行体であるドローンに設けられたカメラを用いてもよいし、待機場所の任意の位置に固定されている360度カメラを用いてもよいし、あるいは、待機場所の内外を区画する仮囲い上を走行する走行装置に設けられたカメラを用いてもよい。なお、この走行装置については、例えば、仮囲い上にレールを設けて、当該レールに沿って走行するように構成してもよい。
【0032】
「警報装置」とは、光又は音にて警報を行う装置であり、例えば、待機場所に設置されているもの(一例としては、スピーカ、ディスプレイ、レーザー出力装置等)を用いてもよいし、あるいは、待機場所の警備員が着用するもの(一例としては、ベスト型のウエアラブルデバイスとして構成されているもの等)を用いてもよい。
【0033】
「仕切装置」とは、待機場所の車両が出入りする出入口付近の歩道における歩行者の通行を適宜遮断して仕切る装置であり、例えば、遮断する場合に遮断用のロープを所定高さまで上げて歩行者の通行を遮断し、遮断しない場合に当該ロープを路面まで下げて歩行者の通行を許可する装置等を含む概念である。また、この仕切装置としては、例えば、歩道又は空中に情報を表示して、通行を遮断又は許可する装置等を用いてもよい。なお、歩道又は空中に情報を表示する具体的な手法は任意であり、例えば、待機場所の出入口付近に設けられたプロジェクター等を用いて歩道に情報を表示する技術、あるいは、公知の空中ディスプレイの技術を用いる手法を適用してもよい。
【0034】
(構成‐管理システム‐サーバ装置)
図2のサーバ装置4は、管理システム100の各装置との間で通信を行って各種処理を行う装置であり、例えば、1台のコンピュータ、又は、複数台のコンピュータが分散配置されて構成されたいわゆるクラウドコンピュータである。
【0035】
図2のサーバ装置4は、例えば、通信部41、記録部42、及び制御部43を備える。
【0036】
(構成‐管理システム‐サーバ装置‐通信部)
通信部41は、外部機器(例えば、車載装置1、端末装置2、待機場所側装置群3)との間で通信を行う通信手段であり、例えば、通信回路等を用いて構成することができる。
【0037】
(構成‐管理システム‐サーバ装置‐記録部)
記録部42は、サーバ装置4を動作させるためのプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等を用いて構成することができる。この記録部42には、例えば、待機場所情報が格納されている。
【0038】
(構成‐管理システム‐サーバ装置‐記録部‐待機場所情報)
図3は、待機場所情報を例示した図である。「待機場所情報」とは、待機場所関連情報であり、例えば、
図3に示すように、名称情報、位置情報、及び画像情報が相互に関連付けられている。名称情報とは、待機場所の名称を示す情報である(
図3では、
図1に例示されている「待機場所A」等)。位置情報とは、待機場所の位置を示す情報である(
図3では、前述の地図情報が記録部42にも記録されており、当該地図情報が示す地図上の位置を示す情報が格納されていることとする)。画像情報とは、待機場所側装置群3の撮影装置で撮影した待機場所内の画像及び待機場所の周辺の画像を示す情報である。
【0039】
そして、このような待機場所情報は、例えば、管理者が入力した情報に基づいて、サーバ装置4が名称情報及び位置情報を記録する。また、所定時間間隔(例えば、数秒間隔~数十秒間隔等)で待機場所側装置群3の撮影装置が、待機場所内の画像及び待機場所の周辺の画像を撮影し、撮影した画像をサーバ装置4に送信することとし、この送信された画像をサーバ装置4が受信して記録する。
【0040】
(構成‐管理システム‐サーバ装置‐制御部)
制御部43は、サーバ装置4を制御する制御手段であり、例えば、CPU、RAM、及びROM等の内部メモリ等を用いて構成することができる。制御部43は、例えば、機能概念的に、取得部431、及び管理部432を備える。
【0041】
取得部431は、待機場所に関する待機場所関連情報を取得する取得手段である。管理部432は、取得部431が取得した待機場所関連情報に基づいて、待機場所に関する管理処理を行う管理手段である。取得部431および管理部432が行う具体的な処理については、後述する。
【0042】
(待機場所関連情報)
次に、待機場所関連情報について説明する。「待機場所関連情報」とは、前述したように、待機場所に関する情報であり、例えば、
図3の待機場所情報、車両の現在位置を示す現在位置情報、及びその他の情報を含む概念である。なお、その他の情報については、変形例において説明する。
【0043】
(管理処理)
次に、本実施の形態に係る管理システム100によって実行される管理処理について説明する。「管理処理」とは、待機場所に関する管理を行う処理であり、例えば、覚知関連処理、制御関連処理、及び予約関連処理を含む概念であり、本実施の形態では、覚知関連処理、及び制御関連処理について説明し、予約関連処理については、変形例で説明する。
【0044】
(管理処理‐覚知関連処理)
まず、覚知関連処理について説明する。「覚知関連処理」とは、概略的にはサーバ装置4が主体となって行われる処理であり(制御関連処理、予約関連処理も同様)、例えば、車両の運転手に覚知させるべき覚知情報を特定し、特定した当該覚知情報を運転手側に通知する処理である。
【0045】
例えば、
図2の各車載装置1が、各車両の現在位置を所定時間間隔(例えば、数秒~数十秒間隔等)で繰り返し特定し、特定した各車両の現在位置を示す現在位置情報を、所定時間間隔で繰り返しサーバ装置4に送信する。
【0046】
一方、サーバ装置4の取得部431は、当該送信された各車両の現在位置情報を受信(取得)して、サーバ装置4の管理部432は、当該取得した現在位置情報に基づいて、各車両の現在位置を特定する。
【0047】
次に、サーバ装置4の管理部432は、前述の特定した現在位置と
図3の位置情報に基づいて、車両が待機場所周辺に到着したか否かを判定する。
【0048】
次に、到着したものと判定した場合、サーバ装置4の取得部431は、車両が周辺に到着した待機場所についての
図3の画像情報を取得し、サーバ装置4の管理部432は、当該取得した画像情報に基づいて、待機場所の出入口付近に運転の障害(例えば、停車中の車両等障害物、又は歩行者等)が存在するか否かを判定する。
【0049】
次に、運転の障害が存在するものと判定した場合、サーバ装置4の管理部432は、記録部42に予め記録されている各種情報から、障害が存在することを覚知させるためのメッセージ(覚知情報)を特定し、特定したメッセージを待機場所の周辺に到着した車両の運転手に通知する。
【0050】
通知については、例えば、車載装置1にメッセージを送信して、当該メッセージを当該車載装置1のディスプレイに表示したり、当該車載装置1のスピーカを介して音声出力したりして、通知してもよい。又は、例えば、各車両の運転手が携帯する端末装置2を特定するための情報が記録部42に記録されており、当該情報に基づいて通知の対象となる運転手の端末装置2を特定してメッセージを送信することにより、当該端末装置2を介して通知してもよい。これにて、覚知関連処理を終了する。
【0051】
(管理処理‐制御関連処理)
次に、制御関連処理について説明する。「制御関連処理」とは、例えば、待機場所の現状を特定し、特定した現状に基づいて、待機場所に設けられている制御対象機器を制御する処理である。
【0052】
例えば、覚知関連処理の場合と同様にして、車両が待機場所周辺に到着したか否かを判定する。そして、到着したものと判定した場合、サーバ装置4の管理部432は、待機場所に車両が到着した状態を、待機場所の現状として特定し、到着した待機場所における待機場所側装置群3を制御する。
【0053】
制御については、例えば、待機場所側装置群3の警報装置(制御対象機器)及び仕切装置(制御対象機器)を動作させるための動作命令を送信することにより、当該各装置を動作させて、待機場所周辺に対して車両への注意を促す警報を出力したり、あるいは、歩行者の通行を遮断したりする。これにて、制御関連処理を終了する。
【0054】
(本実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、待機場所関連情報に基づいて待機場所に関する管理処理を行うことにより、例えば、待機場所に関して適切に運用することが可能となる。
【0055】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0056】
(覚知関連処理について)
また、上記実施の形態の覚知関連処理において、任意の処理を追加、変更、又は省略等してもよい。例えば、
図3の画像情報(待機場所の周辺の画像)に基づいて、車両が待機場所周辺に到着したか否かを判定してもよい。この場合、例えば、取得部431が、直近に格納された画像情報を取得し、管理部432が、当該取得した画像情報に基づいて所定の画像認識を行い、画像中に車両が写っている場合に、車両が待機場所周辺に到着したものと判定してもよい(制御関連処理も同様に処理してもよい)。なお、実施の形態で説明した処理と組み合わせて、車両の現在位置、及び
図3の位置情報も考慮して、判定してもよい。
【0057】
また、例えば、出入口付近に運転の障害が存在する場合、車両の移動を自動的に停止させてもよい。例えば、車両に遠隔操作可能なブレーキシステムを設けた上で、管理部432が、画像情報に基づいて、車両の進行方向に障害が存在するか否かを判定し、存在するものと判定した場合に、車両側に制御信号を送信することにより、ブレーキシステムを動作させて、車両を停止させてもよい。
【0058】
また、例えば、車両が待機場所に駐車している場合、
図2の待機場所側装置群3の撮影装置が撮影する画像中に、当該車両が写ることになるが、特に、ドローンに設けられたカメラにて車両を上方側から撮影して、車両の荷台への積載物の積載状況を把握するこができるようになる点に着目して、以下の処理を行ってもよい。例えば、取得部431が画像情報を取得し、管理部432が、当該取得した画像情報に基づいて所定の画像認識を行い、所定のルールを基準にして、車両の積載状況が正常であるか否かを判定する。次に、管理部432は、正常でないものと判定した場合、記録部42に予め記録されている各種情報から、積載状況が正常でなく注意を要することを覚知させるためのメッセージ(覚知情報)を特定し、特定したメッセージを当該車両の運転手に通知してもよい。
【0059】
また、例えば、車両が待機場所に到着したものと判定した場合、管理部432は、記録部42に予め記録されている各種情報から、待機場所での留意事項等を運転手に教育して覚知されるための教育情報(覚知情報)を特定し、特定した教育情報を待機場所の周辺に到着した車両の運転手に通知してもよい。なお、管理部432が、画像情報に基づいて、車両が待機場所に駐車しているか否かを判定し、駐車しているものと判定した場合に、教育情報を通知してもよい。
【0060】
また、
図3の待機場所情報において、管理者が入力した情報に基づいて、各待機場所の混雑の度合いを示す待機場所側混雑情報(待機場所関連情報)を追加で格納し、以下の処理を行ってもよい。例えば、取得部431が車両の現在位置情報を受信し、また、
図3の待機場所情報において、位置情報及び待機場所側混雑情報(不図示)を取得する。次に、管理部432が、当該受信及び取得した情報に基づいて、所定の基準に従って車両が待機するべき1個の待機場所を選択し、選択した1個の待機場所の
図3の名称情報(覚知情報)を特定し、特定した名称情報を、待機するべき待機場所の名称を示す情報として、運転手に通知してもよい。なお、この場合、当該待機場所の所在地を運転手に通知してもよい。
【0061】
なお、待機場所を選択するための所定の基準としては、例えば、混雑の度合いが低い待機場所を優先的に選択する基準、車両の現在位置からの距離が近い待機場所を優先的に選択する基準、あるいは、これらの組み合わせ等の任意の基準を適用してよい。
【0062】
(制御関連処理について)
また、上記実施の形態の制御関連処理において、任意の処理を追加、変更、又は省略等してもよい。例えば、サーバ装置4の制御部43が、
図3の画像情報を取得し、取得した画像情報に基づいて所定の画像認識を行うことにより、待機場所内又は待機場所周辺に不審者又は不審車両が存在するか否かを判定し、存在するものと判定した場合、待機場所に不審者又は不審車両が存在する状態を特定し、待機場所側装置群3の警報装置を動作させて警報を出力してもよい。
【0063】
(予約関連処理)
また、予約関連処理を実行するように構成してもよい。「予約関連処理」とは、例えば、待機場所を予約して利用する運用となっている場合において、当該予約に関する処理である。
【0064】
図4は、予約情報を例示した図である。サーバ装置4の記録部42に、予約情報が格納されていることとする。「予約情報」とは、待機場所の予約に関する情報であり、例えば、
図4に示すように、名称情報、駐車枠情報、予約時間帯情報、及び予約車両情報が相互に関連付けられている。名称情報は、
図3の同一名称の情報と同様である。駐車枠情報とは、各待機場所内に設けられている1個以上の駐車枠(1台の車両を駐車するためのスペース)を示す情報である(
図4では、「1番」等)。予約時間帯情報とは、予約している時間帯を示す情報である(
図4では、予約開始日時である「12月1日07時00分」から、予約終了日時である「12月1日10時00分」までの時間帯を示す「12月1日07時00分~12月1日10時00分」等)。予約車両情報とは、駐車枠を予約している車両を特定する情報であり、例えば、自動車登録番号又は車載装置1を一意に示す情報等を用いてもよい。
【0065】
そして、このような予約情報は、例えば、管理者が入力した情報に基づいて、制御部43が格納する。
【0066】
例えば、公知の手法(渋滞を示す情報を送信する道路交通情報センターからの情報を利用する手法、あるいは、管理者が入力した情報を利用する手法等)で道路の渋滞(混雑)を示す渋滞情報が記録部42に記録されていることとする。そして、取得部431が、当該記録されている渋滞情報、
図3の待機場所情報及び
図4の予約情報を取得し、また、車両の現在位置情報を受信(取得)し、管理部432が、取得した各情報に基づいて、以下の処理を行ってもよい。なお、渋滞情報については、例えば、待機場所に関連する道路の混雑を示す情報であるので、「待機場所に関する混雑情報(待機場所関連情報)」に対応するものと解釈してもよい。
【0067】
例えば、車両が出発地と待機場所との間を当該待機場所に向けて走行している場合、出発地と待機場所との間の車両が走行する道路が渋滞しているか否かを特定し、特定結果に基づいて、
図4の予約時間帯情報の予約開始日時を調整してもよい。一例としては、道路が渋滞している場合、到着が遅れることが想定されるので、この場合、予約開始日時を所定時間分後の日時(例えば、12月1日07時30分等)に調整することにより、待機場所を有効利用することが可能となる。なお、ここでの所定時間については、渋滞における混雑の度合いに応じて、例えば、混雑の度合いが大きい程長くなるように、定めてもよい(予約終了日時を調整するための所定時間も同様)。
【0068】
また、例えば、車両が待機場所に駐車している場合、待機場所と目的地との間の車両が走行する道路が渋滞しているか否かを特定し、特定結果に基づいて、
図4の予約時間帯情報の予約終了日時を調整してもよい。一例としては、道路が渋滞している場合、目的地に至るまでに、予め想定した予定所要時間よりも長い時間を要することが想定され、目的地に時間通りに到着するためには、待機場所からの出発を早める必要があり、この場合、予約終了日時を所定時間分前の日時(例えば、12月1日09時30分等)に調整することにより、待機場所を有効利用することが可能となる。
【0069】
また、例えば、車両が出発地と待機場所との間を当該待機場所に向けて走行している場合において、道路が渋滞している場合、各車両側に対して迂廻路を示す情報を通知するように構成してもよい。
【0070】
(その他の特徴)
また、例えば、車両の現在位置については、運転手が携帯する端末装置2に実装されている現在位置特定機能(現在の位置を特定するための機能)を用いて特定してもよい。
【0071】
また、例えば、カメラを搭載したドローンについては、電線等障害物を避けて安全性を確保可能な機能(障害物を検出して避けて飛行する機能等)を実装してもよい。
【0072】
また、例えば、予約関連処理において、待機場所から出発するべき時刻である出発時刻を予測し、予測した出発時刻を運転手に通知してもよい。なお、出発時刻の予測については、例えば、前述の調整後の予約終了日時を基準に予測してもよく、一例としては、調整後の予約終了日時の10分前の時刻を出発時刻と予測してもよい。
【0073】
また、例えば、待機場所に駐車している車両の出発時刻に基づいて、当該車両が待機場所からスムーズに退出できるように各車両の駐車場所を決定してもよい。
【0074】
また、例えば、各待機場所の予約情報又は利用実績(待機場所を利用した実績)を示す情報に基づいて、各待機場所における車両の最大利用台数を特定し、特定結果に基づいて、待機場所の全部又は一部を他のサービスで利用できるようにしてもよい。一例としては、待機場所の全部又は一部を、他の業者に貸し出すための処理を行い、待機場所を、車両待機以外の他の用途に用いてもよい。なお、駐車枠単位で貸し出すための処理を行ってもよい。また、「貸し出すための処理」とは、例えば、貸し出すための広告情報を不動産仲介業者等のサーバに送信する処理等を含む概念であるものと解釈してもよい。
【0075】
また、
図3の待機場所情報において、各待機場所の前面道路(待機場所の出入口に面している道路)の広さを示す前面道路情報(待機場所関連情報)を追加で格納し、以下の処理を行ってもよい。例えば、取得部431が、車両の現在位置情報を受信し、また、
図3の待機場所情報において、位置情報及び前面道路情報(不図示)を取得する。次に、管理部432が、当該受信及び取得した情報に基づいて、各車両に関して安全面を考慮して、車両が待機するべき1個の待機場所を選択し、選択した1個の待機場所の
図3の名称情報(覚知情報)を特定し、特定した名称情報を、待機するべき待機場所の名称を示す情報として、運転手に通知してもよい。
【0076】
なお、車両が待機するべき1個の待機場所を選択する具体的な手法は任意であるが、例えば、車載装置1との通信によりサーバ装置4側で車両の車種又はサイズを特定可能となっていることとし、車両の車種又はサイズと前面道路の広さとの関係を考慮し、各車両が入場し易い待機場所を選択する手法を用いてもよい。
【0077】
また、例えば、車両の車種又はサイズを考慮して、上記各処理を行ってもよい。例えば、待機場所が複数存在する場合、比較的大きいサイズの車両については、目的地から遠い待機場所(以下、「遠位待機場所」とも称する)を選択して通知し、一方、比較的小さいサイズの車両については、目的地から近い待機場所(以下、「近位待機場所」)を選択して通知するように構成してもよい。なお、「遠位待機場所」と目的地との間の距離は、「近位待機場所」と目的地との間の距離よりも、長くなっていることとする。また、例えば、生コン車、ダンプトラック、又はトレーラーの内の、生コン車については、近位待機場所を選択して通知し、一方、ダンプトラック及びトレーラーについては、遠位待機場所を選択して通知するように構成してもよい。
【0078】
(出発地及び目的地について)
また、
図1では、例えば、1個の車両の出発地及び目的地が1個ずつ図示されているが、出発地及び目的地の個数は1個ずつに限らず、2個以上ずつ設けられていることとしてもよい。すなわち、例えば、車両が、複数個所の工場に立ち寄って、この後に、複数個所の作業所に向かう場合、複数個所の工場を「出発地」と解釈し、また、複数個所の作業所を「目的地」と解釈してもよい。
【0079】
また、実際には、待機場所を利用する車両は複数存在し、この複数の車両が、相互に異なる出発地から、相互に異なる目的地に向けて走行することも想定され、この場合において、この複数の車両の待機場所として1個の共通の待機場所を利用する場合に、本願の技術を適用してもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 車載装置
2 端末装置
3 待機場所側装置群
4 サーバ装置
41 通信部
42 記録部
43 制御部
100 管理システム
431 取得部
432 管理部