(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】液晶表示装置及びその組み立て方法
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1333 20060101AFI20241024BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20241024BHJP
G09F 9/40 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
G02F1/1333
G09F9/00 350Z
G09F9/40 301
G09F9/00 336F
(21)【出願番号】P 2021005363
(22)【出願日】2021-01-15
【審査請求日】2023-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】518078142
【氏名又は名称】上海天馬微電子有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】横山 朋陽
【審査官】岩村 貴
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/113908(WO,A1)
【文献】特開2020-181129(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0158468(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0205464(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0007369(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1333
G02F 1/1335-1/13357
G09F 9/00
G09F 9/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示装置であって、
前面パネルの背面に接着された第1液晶表示パネルと、
前記第1液晶表示パネルと並んで、前記前面パネルの前記背面に接着された第2液晶表示パネルと、
前記第1液晶表示パネルと前記第2液晶表示パネルとの間の隙間に配置された、遮光性のリブと、
前記第1液晶表示パネルと対向するように配置された第1バックライトと、
前記第2液晶表示パネルと対向するように配置された第2バックライトと、
を含み、
前記リブは、第1コーナ部と第2コーナ部とを含み、
前記第1液晶表示パネルのコーナ部及び前記第1バックライトのコーナ部は、前記第1コーナ部の内側に当接し、
前記第2バックライトのコーナ部は、前記第2コーナ部の内側に当接している、
液晶表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液晶表示装置であって、
前記リブは、前記第1液晶表示パネルと前記第2液晶表示パネルの前記隙間において、自立可能である、
液晶表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の液晶表示装置であって、
前記リブは前記第1バックライトに対して固定されている、
液晶表示装置。
【請求項4】
請求項1に記載の液晶表示装置であって
、
前記リブは、
前記隙間において、前記第1液晶表示パネルの第1側面及び前記第2液晶表示パネルの第1側面に沿って延びている、第1壁と、
前記第1壁の第1端から前記第1液晶表示パネルの第2側面に沿って延びている、第2壁と、
前記第1壁の前記第1端又は前記第1端の反対側の第2端の一方から前記第2液晶表示パネルの第2側面に沿って延びている、第3壁と、
を含み、
前記第1コーナ部は、前記第1壁の一部及び前記第2壁の一部を含み、
前記第2コーナ部は、前記第1壁の一部及び前記第3壁の一部を含む、
液晶表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載の液晶表示装置であって、
前記第3壁は、前記第1端から前記第2液晶表示パネルの前記第2側面に沿って、前記第2壁と反対側に延びている、
液晶表示装置。
【請求項6】
請求項4に記載の液晶表示装置であって、
前記第1壁の高さは、前記第1液晶表示パネル及び前記第1バックライトの高さの和より大きく、前記第2液晶表示パネル及び前記第2バックライトの高さの和より大きい、
液晶表示装置。
【請求項7】
請求項4に記載の液晶表示装置であって、
前記第2壁及び前記第3壁それぞれの高さは、前記第1液晶表示パネル及び前記第1バックライトの高さの和より大きく、前記第2液晶表示パネル及び前記第2バックライトの高さの和より大きい、
液晶表示装置。
【請求項8】
請求項4に記載の液晶表示装置であって、
前記リブは、
前記第1壁の第1端から前記第2壁と反対側に延びている、第4壁と、
前記第1壁の前記一方の端から前記第3壁と反対側に延びている、第5壁と、
を含む液晶表示装置。
【請求項9】
請求項4に記載の液晶表示装置であって、
前記リブの前記第1壁は、前記第1バックライトに形成されている孔を貫通する突出部を含む、
液晶表示装置。
【請求項10】
液晶表示装置の組み立て方法であって、
前面パネルの主面の異なる領域に、第1液晶表示パネル及び第2液晶表示パネルそれぞれを接着し、
前記第1液晶表示パネルと前記第2液晶表示パネルとの間の隙間に、第1コーナ部及び第2コーナ部を含むリブを、前記第1液晶表示パネルのコーナ部が前記第1コーナ部の内側に当接するように、配置し、
前記第1液晶表示パネルと対向し、第1バックライトのコーナ部が前記リブの前記第1コーナ部に当接するように、前記第1バックライトを配置し、
前記第2液晶表示パネルと対向し、第2バックライトのコーナ部が前記リブの前記第2コーナ部に当接するように、前記第2バックライトを配置する、
ことを含む、液晶表示装置の組み立て方法。
【請求項11】
請求項10に記載の液晶表示装置の組み立て方法であって、
前記リブが前記前面パネルの前記主面上で自立するように、前記リブを配置する、
液晶表示装置の組み立て方法。
【請求項12】
請求項11記載の液晶表示装置の組み立て方法であって、
前記リブは、
第1壁と、
前記第1壁と共に前記第1コーナ部を構成するように前記第1壁の第1端から延びる第2壁と、
前記第1壁と共に前記第2コーナ部を構成するように前記第1壁の前記第1端又は前記第1端の反対側の第2端の一方から延びる第3壁と、
を含み、
前記液晶表示装置の組み立て方法は、
前記第1壁を前記隙間に挿入して、前記第1液晶表示パネルの前記コーナ部が前記第1コーナ部の内側に当接するように、
前記リブを配置する、
液晶表示装置の組み立て方法。
【請求項13】
請求項12記載の液晶表示装置の組み立て方法であって、
前記第3壁は、前記第1壁の前記第1端から前記第2壁と反対側に延びている、
液晶表示装置の組み立て方法。
【請求項14】
請求項10に記載の液晶表示装置の組み立て方法であって、
前記第2バックライトを配置する前に、前記リブを前記第1バックライトに固定する、
液晶表示装置の組み立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液晶表示装置及びその組み立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車載用表示器などにおいて、スピードメータやタコメータなどが配置されるメータクラスターと、センターコンソールの各種スイッチやカーナビゲーション表示などを統合した、マルチファンクション・ディスプレイを搭載しようとする動きがある。複数の情報表示を統合表示するため、横長のディスプレイが求められる。
【0003】
横長ディスプレイを実現する、以下の三つの構成が知られている。一つの構成は、1枚の横長液晶表示パネルと一つのバックライトを含む。他の一つの構成は、並べて配置された複数の液晶表示パネルと、複数の液晶表示パネルを照らす一つのバックライトを含む。他の一つの構成は、並べて配置された複数の液晶表示パネルと、複数の液晶表示パネル各々を照らす複数のバックライトを含む。
【0004】
また、こうした車載用表示器では、ダッシュボード周りのデザインに合わせた形状のように様々な形状に対応できること、表示機器に故障が発生したとしても必要な情報が確認できるようにフェールセーフの技術を組み込むこと、が望ましい。複数のパネル及び複数のバックライトを含む構成は、パネル及びバックライトをそれぞれ個別制御できるため、様々な形状への対応性及びフェールセーフの点において、他の構成よりも優れている。
【0005】
複数の液晶表示パネルそれぞれの背面にバックライトを配置するいくつかの方法が知られている。例えば、特許文献1に開示の方法は、各液晶表示パネルに対してバックライトを嵌合配置する。特許文献2に開示の方法は、液晶表示パネルにバックライトを嵌合配置することなく、液晶表示パネルの背面側にバックライトを配置する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2006-017894号公報
【文献】特開2018-031898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
各液晶表示パネルに対してバックライトを嵌合配置する構成は、バックライトを嵌合配置するために、隣接する液晶表示パネル間に寸法余裕を必要とする。液晶表示パネルの間の隙間が広い場合、表示情報の視認性や搭載機器のデザイン性を損ね得る。
【0008】
液晶表示パネルにバックライトを嵌合配置することなく液晶表示パネルの背面側にバックライトを配置する構成は、液晶表示パネル間の隙間を狭くできるが、液晶表示パネル間の継ぎ目からバックライトの光が漏れてしまう可能性がある。
【0009】
したがって、複数の液晶表示パネルと複数の表示パネルそれぞれのバックライトを含む液晶表示装置において、表示品質を改善できる技術が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様に係る液晶表示装置は、前面パネルの背面に接着された第1液晶表示パネルと、前記第1液晶表示パネルと並んで、前記前面パネルの前記背面に接着された第2液晶表示パネルと、前記第1液晶表示パネルと前記第2液晶表示パネルとの間の隙間に配置された、遮光性のリブと、前記前面パネルの反対側において、前記第1液晶表示パネルと対向するように配置された第1バックライトと、前記前面パネルの反対側において、前記第2液晶表示パネルと対向するように配置された第2バックライトと、を含む。前記リブは、第1コーナ部と第2コーナ部とを含む。前記第1液晶表示パネルのコーナ部及び前記第1バックライトのコーナ部は、前記第1コーナ部の内側に当接している。前記第2バックライトのコーナ部は、前記第2コーナ部の内側に当接している。
【0011】
本開示の一態様に係る液晶表示装置の組み立て方法は、前面パネルの主面の異なる領域に、第1液晶表示パネル及び第2液晶表示パネルそれぞれを接着し、前記第1液晶表示パネルと前記第2液晶表示パネルとの間の隙間に、第1コーナ部及び第2コーナ部を含むリブを、前記第1液晶表示パネルのコーナ部が前記第1コーナ部の内側に当接するように、配置し、前記第1液晶表示パネルと対向し、第1バックライトのコーナ部が前記リブの前記第1コーナ部に当接するように、前記第1バックライトを配置し、前記第2液晶表示パネルと対向し、第2バックライトのコーナ部が前記リブの前記第2コーナ部に当接するように、前記第2バックライトを配置する、ことを含む。
【発明の効果】
【0012】
本開示の一態様によれば、複数の液晶表示パネル及びバックライトを含む液晶表示装置の表示品質を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】本明細書の一実施形態に係る液晶表示装置の構成例を示す分解斜視図である。
【
図3】液晶表示装置の組み立てられた一部の部品の構成を模式的に示す斜視図である。
【
図6】リブが、隣接する液晶表示パネルの間の隙間に配置された状態を模式的に示す。
【
図7A】リブと液晶表示パネルとの位置関係を模式的に示す平面図である。
【
図7B】リブとバックライトとの位置関係を模式的に示す平面図である。
【
図7C】リブとバックライトとの位置関係を模式的に示す平面図である。
【
図8B】
図8AにおけるVIIIB-VIIIB切断線での断面構造を模式的に示す。
【
図9】本明細書の一実施形態に係る、液晶表示装置の組み立て方法のフローチャートを示す。
【
図10A】液晶表示装置の組み立て工程における状態を示す。
【
図10B】液晶表示装置の組み立て工程における状態を示す。
【
図10C】液晶表示装置の組み立て工程における状態を示す。
【
図10D】液晶表示装置の組み立て工程における状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。本実施形態は本開示を実現するための一例に過ぎず、本開示の技術的範囲を限定するものではないことに注意すべきである。
【0015】
本明細書の一実施形態に係る液晶表示装置は、前面パネルの主面上に並んで接着された第1液晶表示パネル及び第2液晶表示パネルと、第1液晶表示パネル及び第2液晶表示パネルそれぞれの背面に配置された第1バックライト及び第2バックライトを含む。第1液晶表示パネルと第2液晶表示パネルとの間の隙間に、遮光性のリブが配置されている。
【0016】
バックライトを液晶表示パネルに対して位置決めするガイド部材であり、第1コーナ部と第2コーナ部を含む。第1液晶表示パネルのコーナ部と第1バックライトのコーナ部は、リブの第1コーナ部の内側に当接している。第2バックライトのコーナ部は、リブの第2コーナ部の内側に当接している。
【0017】
遮光性のリブは、液晶表示パネルの隙間を通過して視認者側に漏れるバックライトからの光を低減することができる。また、リブは、バックライトと液晶表示パネルを適切に位置合わせすることを可能とする。これにより、複数の表示パネルと複数の表示パネルそれぞれのバックライトを含む表示装置において、表示品質を改善できる。
【0018】
図1A及び1Bは、本明細書の一実施形態に係る液晶表示装置の構成を模式的に示す斜視図である。
図1Aは、液晶表示装置を前側(視認側)から見た構成を示し、
図1Bは、液晶表示装置を後側(背面側)から見た構成を示す。以下において、ユーザが視認する表示画像が表示される側を前側又は視認側、その反対側を後側、背面側又は裏側と呼ぶことがある。
【0019】
液晶表示装置1は、前面パネル11と、前面パネル11の背面側に並んで配置された複数の液晶表示モジュール41、42及び43を含む。液晶表示モジュール41、42及び43は、バックライト及びバックライトの前側に配置された液晶表示パネルを含む。
図1Bは、液晶表示モジュールそれぞれのバックライトを示す。
【0020】
図1A及び1Bの構成例において、前面パネル11の主面はフラットであり、平面視において(主面の法線方向において見て)矩形である。前面パネル11の主面は平面ではなく、曲面であってもよい。前面パネル11の外形は矩形に限定されず、前面パネル11は設計に応じて実装に適した任意の形状を有することができる。前面パネル11は無色透明又は有色透明であり、例えば、ガラス又は樹脂で形成することができる。前面パネル11は、例えば、タッチパネルの機能を有してもよい。また、利用環境や用途に対応して、フィルムやコーティングにより反射防止膜が設けられ、さらにガラス飛散防止フィルムなどが設けられる場合がある。
【0021】
本構成例において、
図1Bに示すように、三つの液晶表示モジュール41、42及び43が、前面パネル11の背面側主面上に配置されている。前面パネル11は、前側から見て、液晶表示モジュール41、42及び43の全体を覆っている。液晶表示モジュール41、42及び43それぞれの外形は、前面パネル11の外形内側にある
。前面パネル11上に配置される液晶表示モジュールの数及びそれらのレイアウトはこれに限定されず、表示装置が搭載される機器のデザインや、そのデザインに対応する設計に応じて実装に適した任意のレイアウトを採用可能である。
【0022】
図1Bに示すように、隣接する液晶表示モジュール41、42の間にリブ51が配置されており、隣接する液晶表示モジュール41、43の間にリブ52が配置されている。リブ51、52は、遮光性の材料で形成されている。後述するように、リブ51、52は、液晶表示モジュール間の隙間から漏れる光を低減し、さらに、バックライトの位置決めのためのガイドとして機能する。リブ51、52についての詳細は後述する。
【0023】
図2は、本明細書の一実施形態に係る液晶表示装置1の構成例を示す分解斜視図である。液晶表示モジュール41は、液晶表示パネル31及びバックライト21を含む。バックライト21は、液晶表示パネル31の背面側に、液晶表示パネル31と対向する位置に配置されている。
【0024】
液晶表示モジュール42は、液晶表示パネル32及びバックライト22を含む。バックライト22は、液晶表示パネル32の背面側に、液晶表示パネル32と対向する位置に配置されている。液晶表示モジュール43は、液晶表示パネル33及びバックライト23を含む。バックライト23は、液晶表示パネル33の背面側に、液晶表示パネル33と対向する位置に配置されている。
【0025】
図2に示す構成例において、液晶表示パネル31、32及び33の主面はフラットである。表示画像は、前側主面に表示される。他の構成例において、液晶表示パネル31、32及び33の主面は曲面であってもよい。
図2に示す構成例において、液晶表示パネル31、32及び33の外形は矩形であるが、それらの外形は矩形に限定されず、多角形状や曲線を含んでもよい。
【0026】
液晶表示パネル31、32及び33は、対向する樹脂又はガラス基板並びにそれらの間の液晶材料を含む。液晶表示パネル31、32及び33は、垂直電界型、水平電界型、カラー型、モノクロ型等、任意の構成を有することができる。
【0027】
図2に示す構成例において、バックライト21、22及び23の主面はフラットである。他の構成例において、バックライト21、22及び23の主面は曲面であってもよい。
図2に示す構成例において、バックライト21、22及び23の外形は矩形であるが、それらの外形は矩形に限定されず、多角形状や曲線を含んでもよい。
【0028】
バックライト21、22及び23は、直下型やエッジ型など、任意の構成を有することができ、発光ダイオードのような光源要素に加え、拡散シートや導光板等光源要素からの光の方向を制御する部品及びそれらを収容するフレームを含むことができる。
【0029】
液晶表示パネル31、32及び33の前側主面は、それぞれ、接着層35、36及び37によって、前面パネル11の裏側主面に接着されている。接着層35、36及び37は、例えば透明な樹脂層であって、前面パネル11及び液晶表示パネル31、32及び33それぞれと直接接触している。接着層は、例えば、両面接着テープ、又は、UV光、熱、湿気等で硬化するシリコーン系樹脂又はアクリル系樹脂によって形成できる。
【0030】
図2に示す構成例において、接着層35、36及び37の外形は、液晶表示パネル31、32及び33の前側主面の外形内に収まっている。一例において、接着層35、36及び37は、液晶表示パネル31、32及び33の表示領域全域を覆う。隣接する接着層35、36の間に隙間が存在し、隣接する接着層35、37の間に隙間が存在する。
【0031】
バックライト21、22及び23は、それぞれ、液晶表示パネル31、32及び33と対応するように、液晶表示パネル31、32及び33の背面側に配置される。例えば、バックライト21、22及び23は、前面パネル11又は不図示のフレームに、固定される。例えば、バックライト21、22及び23は、接着剤で前面パネル11に固着されているL字状のアングル(不図示)にネジで固定されてもよい。
【0032】
前面パネル11に固着されている隣接する液晶表示パネル31、32の間には、隙間が存在している。同様に、前面パネル11に固着されている隣接する液晶表示パネル31、33の間には、隙間が存在している。また、隣接するバックライト21、22の間には、隙間が存在している。同様に、隣接するバックライト21、23の間には、隙間が存在している。
【0033】
リブ51は、液晶表示パネル31、32の間の隙間及びバックライト21、22の隙間に配置されている。リブ52は、液晶表示パネル31、33の間の隙間及びバックライト21、23の隙間に配置されている。リブ51は、例えば接着剤やネジを使用してバックライト21及びバックライト22に固定されてよく、リブ52は、バックライト21及びバックライト23に固定されてよい。リブ51、52は、バックライト21のみに固定されてもよい。
【0034】
図3は、液晶表示装置1の組み立てられた一部の部品の構成を模式的に示す斜視図である。具体的には、
図3は、前面パネル11上に配置されている液晶表示パネル31、32、バックライト21、及びリブ51を示す。バックライト21の前側に、液晶表示パネル31が配置されている。液晶表示パネル3
2の背面側には、
図3に不図示のバックライト22が配置される。
【0035】
図3において、リブ51の一部は、液晶表示パネル31と32との間の隙間に存在し、他の一部は液晶表示パネル31と液晶表示パネル32との間の隙間の外側に存在する。同様に、リブ51の一部は、バックライト21とバックライト22(
図3で不図示)との間の隙間に存在し、他の一部はバックライト21と22との間の隙間の外側に存在する。
図3に示すように、リブ51は突出部517を含む。突出部517は、バックライト21とバックライト22(
図3で不図示)との間の隙間から、背面側に突出している。突出部517は、バックライト21に形成されている孔211を貫通している。
【0036】
図4は、リブ51の構成例を示す斜視図である。リブ52も同様の構成を有してよい。リブ51は、遮光性であって、例えば黒である。リブ51は、例えば樹脂で形成されている。
図4は、リブ5
1が前面パネル11の裏側で自立可能な形状の例を示す。具体的には、液晶表示装置1に組み込まれた状態において、リブ5
1を前面パネル11の主面に沿って見た場合(平面視において)、リブ5
1はI字形状を有している。リブ5
1は、自立不能な形状を有してもよい。
【0037】
図4の構成例において、リブ51は、複数の壁511~515と、突出部517を含む。リブ51が組み込まれた状態において、壁511~515は、前面パネル11の背面を基準として、液晶表示パネル及びバックライトの側壁に沿って立ち上がっている。
図4の構成例において、壁511~515は、前面パネル11の背面側主面の法線方向に立ち上がっている。
【0038】
第1壁511はリブ51の最も大きな壁であり、一方向に沿って延びるフラットな壁である。第1壁511は、前面パネル11の背面側に突出する突出部517を含む。第2壁512は、第1壁511の一端(第1端)から一方向に延びている、フラットな壁である。
図4の構成例において、第1壁511と第2壁512の形成する角度は直角である。
【0039】
第3壁513は、第1壁511の上記一端から前記第2壁と反対側に延びている、フラットな壁である。
図4の構成例において、第1壁511と第3壁513の形成する角度は直角である。第4壁は、第1壁511の他端(第2端)から一方向に延びている、フラットな壁である。
図4の構成例において、第1壁511と第4壁514の形成する角度は直角である。第1壁511の他端から第4壁514が延びる方向は第2壁512が延びる方向と同一であり、これらは平行である。
【0040】
第5壁515は、第1壁511の上記他端から前記第4壁と反対側に延びている、フラットな壁である。
図4の構成例において、第1壁511と第5壁515の形成する角度は直角である。第1壁511の他端から第5壁515が延びる方向は第3壁513が延びる方向と同一であり、これらは平行である。
【0041】
図5は、リブ51の他の構成例を示す斜視図である。
図5に示す構成例は、
図4に示す構成例に対して、さらにネジ止めのための孔518A、518Bを有する。リブ51は、例えば、孔518Aを貫通するネジによってバックライト21に固定され、孔518Bを貫通するネジによってバックライト22に固定される。
【0042】
ネジ止めのための孔の数は、設計に応じて2つ以上設けても良い。例えば、孔518Aと518Bの間に、さらに1つ以上の孔を設け、孔518A、518Bによってバックライト21側にネジ止め固定され、残りの孔によりバックライト22側にネジ止め固定されてもよい。
【0043】
なお、壁511~515の形状及び隣接する壁の間の角度は、液晶表示パネル及びバックライトの外形の設計に応じて決まる。例えば、壁511~515はフラットではなく曲面であってもよく、隣接する壁の間の角度は直角に限定されない。リブ51、52は、バックライトを位置決めするためコーナ部を含む任意の形状を有することができる。
【0044】
図6は、リブ51が、隣接する液晶表示パネル31、32の間の隙間に配置された状態を模式的に示す。以下リブ51と液晶表示パネル31、32との間の関係の説明は、リブ51とバックライト21、22との間の関係にも適用可能である。
【0045】
リブ51が液晶表示装置に組み込まれた状態において、第1壁511は液晶表示パネル31、32の隙間に配置されている。第1壁511は、液晶表示パネル31の第1側面311、液晶表示パネル32の第1側面321に対向し、第1側面311、321に沿って延びている。第1壁511は、
図6における上下方向に延びている。
【0046】
リブ51が液晶表示装置に組み込まれた状態において、第2壁512は、液晶表示パネル31第2側面312に対向し、第2側面312に沿って延びている。第2壁512は、
図6における左右方向に延びている。さらに、第3壁513は、液晶表示パネル32の第2側面322に沿って延びている。
【0047】
リブ51が液晶表示装置に組み込まれた状態において、第4壁514は、液晶表示パネル31の第3側面313に沿って延びている。第3側面313は、第2壁512が液晶表示パネル31と対向する第2側面312の反対側の側面である。第5壁515は、液晶表示パネル32の第3側面323に沿って延びている。第3側面323は、第3壁513が液晶表示パネル32と対向する第2側面322の反対側の側面である。
【0048】
図7A、7B及び7Cは、リブと液晶表示パネル31との間の位置関係及びリブとバックライトとの間の位置関係を説明するための平面図である。具体的には、
図7Aの平面図は、リブ51と液晶表示パネル31との位置関係を模式的に示す。
図7Bの平面図は、リブ51とバックライト21との位置関係を模式的に示す。
図7Cの平面図は、リブ51とバックライト22との位置関係を模式的に示す。
【0049】
図7Aを参照して、液晶表示パネル31のコーナ部561は、リブ51の第1コーナ部551の内側に当接している。リブ51の第1コーナ部551は凹状であって、第1壁511と第2壁512の一部で構成されている。液晶表示パネル31のコーナ部561は凸状であって、第1壁511と第2壁512が対向する側面の一部で構成されている。液晶表示パネル31のコーナ部561は、第1壁511及び第2壁512に当接している。
【0050】
図7Bを参照して、バックライト21のコーナ部571は、リブ51の第1コーナ部551の内側に当接している。バックライト21のコーナ部571は凸状であって、第1壁511と第2壁512が対向する側面の一部で構成されている。バックライト21のコーナ部571は、第1壁511及び第2壁512に当接している。
【0051】
図7Cを参照して、バックライト22のコーナ部572は、リブ51の第2コーナ部552の内側に当接している。リブ51の第2コーナ部552は凹状であって、第1壁511と第3壁513の一部で構成されている。バックライト22のコーナ部572は凸状であって、第1壁511と第3壁513が対向する側面の一部で構成されている。バックライト22のコーナ部572は、第1壁511及び第3壁513に当接している。
【0052】
後述するように、バックライト21及び22は、それぞれ、リブ51に対して位置決め配置される。具体的には、コーナ部551が液晶表示パネル31のコーナ部561と当接するように、リブ51は二つの液晶表示パネル31、32の間の隙間に配置される。さらに、バックライト21のコーナ部571がリブ51のコーナ部551の内側に当接するように、バックライト21は位置決め固定される。同様に、バックライト22のコーナ部572がリブ51のコーナ部552の内側に当接するように、バックライト22は位置決め固定される。
【0053】
リブ51についての上記説明は、リブ52と液晶表示パネル31との位置関係及びリブ52とバックライト21、23との間の位置関係にも適用可能である。つまり、液晶表示パネル31及びバックライト21それぞれのコーナ部は、リブ52の一つのコーナ部の内側に当接している。バックライト23のコーナ部は、リブ52の他のコーナ部の内側に当接している。
【0054】
上述のように、バックライト21は、リブ51を使用して、対向する液晶表示パネル31に対して位置決め実装される。さらに、バックライト22及び23は、それぞれ、リブ51及び52を使用して、バックライト21に対して位置決め実装される。これにより、液晶表示パネルに対するバックライトの実装位置ズレを少なくでき、製品のバックライト実装位置を安定化できる。特に、ローカルディミングバックライトを採用する場合には、液晶表示パネルの画素とバックライト点灯エリアの位置合わせ精度が重要になるため、液晶表示パネルとバックライトの位置決めが精度よくできることは、特に有効である。
【0055】
また、液晶表示パネル間に配置されるリブによってバックライトが位置決めされるため、液晶表示パネルとの位置決めを行う構造をバックライト側に設ける必要がない。仮に、バックライト側にパネルの位置決め構造を設ける場合、バックライト21、22それぞれの額縁部分に位置決め構造が余分に必要になる。しかし、リブを用いる場合、バックライト側に位置決め構造が不要なので、液晶表示パネルの間の隙間を狭くすることができる。また、リブ51、52は遮光性であるため、液晶表示パネルの側面で散乱反射して視認されるバックライトからの光を低減できる。
【0056】
図7A、7B及び7Cを参照して説明した構成例において、バックライト21及び22は、第1壁511の同一端の両側のコーナ部551及び552に対して位置決めされている(当接している)。この構成により、バックライト21及び22の位置決めをより適切なものとすることができる。
【0057】
なお、リブ51の第4壁514及び第5壁515は省略されてもよい。他の構成例において、バックライト21及び22が、第1壁511の異なる端点のコーナ部に対して位置決めされてもよい。具体的には、バックライト22のコーナ部が、リブ51の第1壁511と第5壁515との間のコーナ部(第2コーナ部)の内側に当接するように、バックライト22が実装されてもよい。この構成においては、例えば、リブ51の第3壁513及び第4壁514は省略されてもよい。
【0058】
図8Aは、液晶表示装置1を裏側から見た構成を示す。
図8Bは、
図8AにおけるVIIIB-VIIIB切断線での断面構造を模式的に示す。具体的には、
図8Bは、液晶表示モジュール41、42の境界部の断面構造を示す。
【0059】
図8Bに示す構造例において、リブ51の第1壁511は前面パネル11の裏側面に当接しており、その裏側面から立ち上がっている。液晶表示パネル31、32それぞれの側面は、リブ51の第1壁511に当接している。同様に、バックライト21、22それぞれの側面は、リブ51の第1壁511に当接している。
【0060】
図8Bに示す構成例において、第1壁511の高さは、液晶表示パネル31及びバックライト21の高さの和より大きく、液晶表示パネル32及びバックライト22の高さの和より大きい。これにより、リブ51は、バックライト21、22を配置するときのガイドとして機能し、より容易にバックライト21、22をリブ51に位置決めできる。
【0061】
また、一例において、第1壁511と共にコーナ部を構成する壁、具体的には、第2壁512及び第3壁513の高さは、液晶表示パネル31及びバックライト21の高さの和より大きく、液晶表示パネル32及びバックライト22の高さの和より大きい。これにより、リブ51は、バックライト21、22を配置するときのガイドとして機能し、より容易にバックライト21、22をリブ51に位置決めできる。第1壁511、第2壁512及び第3壁513の一部又は全部が、上記高さの条件を満たしてよい。
【0062】
以下において、本明細書の一実施形態に係る、液晶表示装置1の組み立て方法を説明する。リブ51、52を使用してバックライト21、22及び23を位置決めして実装することで、バックライトの実装位置のずれを小さくすることができる。
【0063】
図9は、本明細書の一実施形態に係る、液晶表示装置1の組み立て方法のフローチャートを示す。
図10Aから10Eは、
図9に示すフローチャートに従った組み立てにおける液晶表示装置の構成(状態)の変化を示す。
【0064】
図9を参照して、液晶表示装置1の製造は、まず、前面パネル11の背面の接着層35、36及び37上に液晶表示パネル31、32及び33をそれぞれ配置し、前面パネル11の背面に液晶表示パネル31、32及び33を接着する(S101)。液晶表示パネル31、32及び33の配置後、必要に応じて、接着層35、36及び37の硬化処理を実行する。
図10Aは、前面パネル11の背面に接着された液晶表示パネル31、32及び33を示す。
【0065】
図9に戻って、次に、液晶表示装置1の製造は、リブ51を液晶表示パネル31及び32の間の隙間に挿入し、さらに、基準の液晶表示パネルである液晶表示パネル31のコーナ部に対して、リブ51のコーナ部の内側を突き当て、位置決めする。さらに、リブ52を液晶表示パネル31及び33の間の隙間に挿入し、さらに、基準の液晶表示パネルである液晶表示パネル31のコーナ部に対して、リブ52のコーナ部の内側を突き当て、位置決めする(S102)。この状態において、リブ51、52は、いずれの部品にも固定されていなくてもよく、液晶表示パネル31や前面パネル11に、例えば、接着テープによって固定されてもよい。
【0066】
図10Bは、液晶表示パネルの間の隙間に挿入され、基準液晶表示パネル31に対して突き当て、位置決めされているリブ51、52を示す。
図10Bに示すように、リブ51の凹状コーナ部551が液晶表示パネル31の凸状コーナ部561に当接している。また、リブ52の凹状コーナ部581が液晶表示パネル31の凸状コーナ部562に当接している。
【0067】
一つの基準液晶表示パネルに対して両側のリブ51、52を位置決めすることで、この後のバックライトの位置決めをより適切に行うことができる。
図10Bに示す例において、液晶表示パネル31の隣接するコーナ部561、562(同一側のコーナ部)それぞれに対して、リブ51、52が位置決めされている。これにより、この後のバックライトの位置決めをより適切に行うことができる。
【0068】
図9に戻って、次に、液晶表示装置1の製造は、リブ51、52の一方又は双方のコーナ部551、581に、バックライト21の凸状コーナ部を突き当て、バックライト21を位置決めし、リブ51、52とバックライト21を固定する(S103)。リブ51、52がいずれの部品にも固定されていない場合、例えば、組み立てを行う人の手や治具により、リブ51、52を押さえてもよい。
図10Cは、位置決め実装されたバックライト21を示す。
【0069】
バックライト21は、リブ51、52と固定されなくてもよい。バックライト21は、リブ51、52に固定されることなく又はリブ51、52に固定された状態で、前面パネル11に固定されてもよい。バックライト21は、例えば、接着剤によって前面パネル11に固着されている部品にネジで固定されてもよい。
【0070】
図9に戻って、次に、液晶表示装置1の製造は、リブ51の凹状コーナ部552に、バックライト22の凸状コーナ部572を突き当て(
図7C参照)、バックライト22を位置決めし、リブ51とバックライト22を固定する。さらに、リブ52のコーナ部581と同一端の他方の凹状コーナ部に、バックライト23の凸状コーナ部を突き当てバックライト23を位置決めし、リブ52とバックライト
23を固定する
(S104)。
図10Dは、バックライト21、22及び23が実装された後の液晶表示装置1を示す。液晶表示モジュール41、42及び43は、それぞれ、対向する液晶表示パネル及びバックライトを含む。
【0071】
バックライト21、22及び23を組み付ける順序は任意であって、上記順序に限定されない。バックライト22及び23は、リブ51及び52と固定されていなくてもよい。バックライト22及び23は、バックライト21と同様に、前面パネル11に固定されてもよい。
【0072】
上述のように、バックライト21、22及び23を遮光性のリブ51又は52に位置決めして実装することで、バックライト間の隙間を狭くすることができ、バックライトから視認側への光漏れを低減できる。これにより、フェールセーフと表示視認性を両立させたマルチファンクション・ディスプレイを実現できる。
【0073】
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示が上記の実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、上記の実施形態の各要素を、本開示の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 液晶表示装置、11 前面パネル、21-23 バックライト、31-33 液晶表示パネル、35-37 接着層、41-43 液晶表示モジュール、51、52 リブ、211 孔、511-515 壁、517 突出部、518A、518B 孔、551、552、561、562、571、572、581 コーナ部