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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】送風装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 8/40 20210101AFI20241024BHJP
   F24F 8/108 20210101ALI20241024BHJP
   F24F 8/26 20210101ALI20241024BHJP
   F24F 13/06 20060101ALI20241024BHJP
   F24F 13/10 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
F24F8/40
F24F8/108
F24F8/26
F24F13/06 A
F24F13/10 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021005859
(22)【出願日】2021-01-18
(65)【公開番号】P2022110445
(43)【公開日】2022-07-29
【審査請求日】2023-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148138
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡
(72)【発明者】
【氏名】小原 浩志
(72)【発明者】
【氏名】吉武 厚
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 敬介
(72)【発明者】
【氏名】今津 龍也
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-180139(JP,A)
【文献】特開2003-262370(JP,A)
【文献】特開平04-336071(JP,A)
【文献】登録実用新案第3142747(JP,U)
【文献】特開平10-152307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 8/40
F24F 8/108
F24F 8/26
F24F 13/06
F24F 13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊り具(2)によって首から吊り下げられる装置本体(1)と、
装置本体(1)の内部に形成される空気流路(8)と、
空気流路(8)の下流端に設けられ、上方に向かって空気を吹出す吹出部(10)と、
空気流路(8)に配され、吹出部(10)に向かって空気を送給する送風手段(19)と、
空気流路(8)にオゾンを放出するオゾン発生部(35)と、
を備え、
装置本体(1)は、吊り具(2)が連結される本体部(3)と、
本体部(3)の上端に配され、吹出部(10)が設けられるヘッド部(4)とを備えており、
本体部(3)の上下の伸び方向を垂直軸と一致させたとき、
ヘッド部(4)は、側面視において、吹出部(10)の吹出方向が垂直軸と一致する起立姿勢と、吹出部(10)の吹出方向が垂直軸に対して前傾する前傾姿勢との間で、本体部(3)に対して変位可能に支持されており、
空気流路(8)は、送風手段(19)が配される上流流路(11)と、該上流流路(11)の吹出部(10)側において分岐される、第1下流流路(13)と第2下流流路(14)とで構成されており、
吹出部(10)は、第1下流流路(13)で送給される空気が吹出される第1吹出部(15)と、第2下流流路(14)で送給される空気が吹出される第2吹出部(16)とを備え、第1下流流路(13)にオゾン発生部(35)、および同流路(13)を開閉する開閉手段(65)が設けられており、
ヘッド部(4)が起立姿勢のとき、第1下流流路(13)が開閉手段(65)で閉塞されるように構成されていることを特徴とする送風装置。
【請求項2】
空気流路(8)に、同流路(8)を流れる空気に含まれる花粉やウイルスを不活化処理あるいは除去する浄化部(24)が設けられている請求項1に記載の送風装置。
【請求項3】
本体部(3)に、吊り具(2)の各端部が連結される左右一対の吊り具連結部(56)が設けられており、
吊り具連結部(56)が、浄化部(24)よりも上方に配されている請求項2に記載の送風装置。
【請求項4】
吹出部(10)は、左右方向に並列される一群の吹出口(49)を備えており、
吹出部(10)が、上方に行くにしたがって左右方向に広がる扇状の空気の流れを形成できるように構成されている請求項1に記載の送風装置。
【請求項5】
各吹出口(49)の開口面積が吹出口(10)の左右中央から左右の各端部側に行くほど大きくなるように設定されている請求項4に記載の送風装置。
【請求項6】
吊り具(2)によって首から吊り下げられる装置本体(1)と、
装置本体(1)の内部に形成される空気流路(8)と、
空気流路(8)の下流端に設けられ、上方に向かって空気を吹出す吹出部(10)と、 空気流路(8)に配され、吹出部(10)に向かって空気を送給する送風手段(19) と、
空気流路(8)に配され、空気流路(8)を流れる空気に含まれる花粉やウイルスを不活化処理あるいは除去する浄化部(24)と、
を備えており、
吹出部(10)が、左右方向に直線列状に配される多数の吹出ノズル(75)で構成されており、
各吹出ノズル(75)が、装置本体(1)に対して前後傾動可能に支持されていることを特徴とする送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体顔部に向かって空気を送給する送風装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の送風装置として、例えば特許文献1の花粉防護装置が公知である。特許文献1の花粉防護装置は、直流電源、プラスイオン発生器、および送風機が一体に構成されており、胸ポケットの外側にクリップで装着する、あるいはポーチのように紐や鎖で首から吊り下げることによってユーザーの身体前面(胸元)に装着できる。プラスイオン発生器および送風機を駆動すると、プラスイオンを含む空気が上向きに送風され、人体の顔前に正(プラス)に帯電した空気のエアバリア(エアカーテン)が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-326475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の花粉防護装置では、エアバリアで正の電荷を帯びる花粉(埃)を反発させることにより、浮遊する花粉が眼や鼻に侵入することを防ぐことができる。また、ウイルスや細菌(以下、単にウイルスを記す)は正負いずれかの電荷を帯びているので、エアバリアによる反発あるいは吸着により、ウイルスが眼や鼻に侵入することも防ぐことができる。しかし、正に帯電された空気は花粉やウイルスを不活化処理している訳ではないため、顔周辺の花粉やウイルスの量が減少することはない。
【0005】
本発明は、顔前や顔面などの人体顔部に向けて涼感付与用の空気を送給できることは勿論のこと、必要に応じて、顔前に浮遊する花粉やウイルスの減量を図ることができる、首掛けタイプの送風装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の送風装置は、吊り具2によって首から吊り下げられる装置本体1と、装置本体1の内部に形成される空気流路8と、空気流路8の下流端に設けられ、上方に向かって空気を吹出す吹出部10と、空気流路8に配され、吹出部10に向かって空気を送給する送風手段19と、空気流路8にオゾンを放出するオゾン発生部35とを備える。そして、送風装置の動作モードが、吹出部10からオゾンを含む空気を吹出すオゾンモードと、吹出部10からオゾンを含まない空気を吹出す送風モードとのいずれか一方のモードに切換え可能に構成されていることを特徴とする。
【0007】
装置本体1は、吊り具2が連結される本体部3と、本体部3の上端に配され、吹出部10が設けられるヘッド部4とを備えている。ヘッド部4は、本体部3に対して前後傾動可能に支持されている。
【0008】
動作モードは、本体部3に対するヘッド部4の傾動姿勢によってオゾンモードまたは送風モードのいずれか一方のモードに切換えられるように構成されている。
【0009】
本体部3の上下方向の伸び方向を垂直軸と一致させたとき、ヘッド部4は、側面視において、吹出部10の吹出方向が垂直軸と一致する起立姿勢と、吹出部10の吹出方向が垂直軸に対して前傾する前傾姿勢との間で、本体部3に対して変位可能に支持されている。ヘッド部4が起立姿勢とされたとき、動作モードが送風モードとなり、ヘッド部4が前傾姿勢とされたとき、動作モードがオゾンモードとなるように構成されている。
【0010】
ヘッド部4は、起立姿勢および前傾姿勢に加え、さらに吹出部10の吹出方向が垂直軸に対して後傾する後傾姿勢に変位可能に支持されており、ヘッド部4が後傾姿勢とされたとき、動作モードが送風モードとなるように構成されている。
【0011】
ヘッド部4が前傾姿勢とされたことを検知する姿勢検知体62を備え、姿勢検知体62がオンのとき、オゾンモードとされ、姿勢検知体62がオフのとき、送風モードとなるように構成されている。
【0012】
空気流路8は、送風手段19が配される上流流路11と、該上流流路11の吹出部10側において分岐される、第1下流流路13と第2下流流路14とで構成されている。吹出部10は、第1下流流路13で送給される空気が吹出される第1吹出部15と、第2下流流路14で送給される空気が吹出される第2吹出部16とを備え、第1下流流路13にオゾン発生部35、および同流路13を開閉する開閉手段65が設けられている。ヘッド部4が起立姿勢のとき、第1下流流路13は開閉手段65で閉塞されるように構成されている。
【0013】
空気流路8に、同流路8を流れる空気に含まれる花粉やウイルスを不活化処理あるいは除去する浄化部24が設けられている。
【0014】
吹出部10は、上方に行くにしたがって左右方向に広がる扇状の空気の流れを形成できるように構成されている。
【0015】
吹出部10は、左右方向に並列される一群の吹出口49を備えている。各吹出口49から吹出される空気の風圧は、吹出部10の左右中央から左右の各端部側に行くほど大きくなるように設定されている。
【0016】
本体部3に、吊り具2の各端部が連結される左右一対の吊り具連結部56が設けられている。吊り具連結部56は、送風手段19よりも上方に配されている。
【0017】
吊り具連結部56は、オゾン発生部35よりも上方に配されている。
【0018】
本体部3に、吊り具2の各端部が連結される左右一対の吊り具連結部56が設けられている。吊り具連結部56は、浄化部24よりも上方に配されている。
【0019】
本発明の別の送風装置は、吊り具2によって首から吊り下げられる装置本体1と、装置本体1の内部に形成される空気流路8と、空気流路8の下流端に設けられ、上方に向かって空気を吹出す吹出部10と、空気流路8に配され、吹出部10に向かって空気を送給する送風手段19と、空気流路8に配され、空気流路8を流れる空気に含まれる花粉やウイルスを不活化処理あるいは除去する浄化部24とを備えていることを特徴とする。
【0020】
吹出部10は、左右方向に直線列状に配される多数の吹出ノズル75で構成されている。
【0021】
各吹出ノズル75は、装置本体1に対して前後傾動可能に支持されている。
【発明の効果】
【0022】
本発明の送風装置においては、吊り具2によって首から吊り下げられる装置本体1の空気流路8に、送風手段19およびオゾン発生部35を備えるものとし、送風手段19で送給される空気が吹出部10から上方に向かって吹出されるようにした。そのうえで、送風装置の動作モードを、吹出部10からオゾンを含む空気を吹出すオゾンモードと、吹出部10からオゾンを含まない空気を吹出す送風モードとのいずれか一方のモードに切換え可能に構成した。これによれば、装置本体1を吊り具2によって首から吊り下げて、例えば胸元に保持させた状態で動作モードをオゾンモードに切換えて送風装置を駆動することにより、顔前を浮遊する花粉やウイルスを、オゾンを含む空気で不活化処理することができる。一方、動作モードを送風モードに切換えて送風装置を駆動することにより、オゾン発生部35を停止させて、オゾンを含まない空気を顔面に送給することができる。なお、オゾンは独特の臭気を持つが、送風モードにおいては、オゾンを含まない空気が送給されるので、ユーザーが臭気(オゾン臭)を感じることはない。以上のように本発明の送風装置によれば、オゾンモードが選択されたときには、オゾンによる不活化処理により、顔前を浮遊する花粉やウイルスの減量を図ることができ、また送風モードが選択されたときには、ユーザーの顔面にオゾンが含まれない空気を送給して、ユーザーに涼感を付与することができる。なお、本発明の送風装置は首から吊り下げられるので、ハンズフリーで使用することができる。
【0023】
装置本体1が、吊り具2が連結される本体部3と、本体部3の上端に配され、吹出部10が設けられるヘッド部4とを備えるものとし、ヘッド部4が、本体部3に対して前後傾動可能に支持されていると、ヘッド部4を傾動させることで吹出部10から吹出される空気の送給方向を調整することができるので、吊り具2で保持された本体部3の姿勢に関わらず、ユーザーの顔前の任意の位置に空気を送給することが可能となる。例えば顔面から離れた位置に空気を送給することも可能であり、その場合には、オゾンモードにおいて、ユーザーがオゾン臭を感じることを抑えることができる。
【0024】
動作モードが、本体部3に対するヘッド部4の傾動姿勢によってオゾンモードまたは送風モードのいずれか一方のモードに切換えられるように構成されていると、ヘッド部4を傾動操作する単純な操作で動作モードを切換え操作することができる。また、ユーザーは、ヘッド部4の姿勢を視認あるいは手で触れて確認することで、送風装置がいずれの動作モードで動作しているかを容易に識別できる。
【0025】
本体部3の上下方向の伸び方向を垂直軸と一致させたとき、ヘッド部4は、側面視において、吹出部10の吹出方向が垂直軸と一致する起立姿勢と、吹出部10の吹出方向が垂直軸に対して前傾する前傾姿勢との間で、本体部3に対して変位可能に支持されており、ヘッド部4が起立姿勢とされたとき、動作モードが送風モードとなり、ヘッド部4が前傾姿勢とされたとき、動作モードがオゾンモードとなるように構成することができる。これによれば、ヘッド部4が起立姿勢とされたとき、すなわち空気の送給方向が顔面に近く、顔に触れる空気が多いときには、送風装置を送風モードで駆動して、的確に快適な涼感をユーザーに与えることができる。また、ヘッド部4が前傾姿勢のとき、すなわち空気の送給方向が顔面から離れ、顔前により多くの空気が送給されるときには、送風装置をオゾンモードで駆動して、花粉やウイルスを的確に不活化処理し減量することができる。
【0026】
ヘッド部4は、起立姿勢および前傾姿勢に加え、さらに吹出部10の吹出方向が垂直軸に対して後傾する後傾姿勢に変位可能に支持されており、ヘッド部4が後傾姿勢のとき、動作モードが送風モードに切換えられるようにすることができる。これによれば、ヘッド部4を後傾姿勢としたとき、動作モードが送風モードとなり、顔面から首元に亘ってオゾンを含まない空気を送給することができるので、ユーザーに対してより快適な涼感を与えることができる。
【0027】
前傾姿勢に姿勢変更されたヘッド部4を検知する姿勢検知体62を設け、姿勢検知体62がヘッド部4を検知しているとき、オゾン発生部35が駆動されて動作モードがオゾンモードに切換えられ、姿勢検知体62がヘッド部4を検知していないとき、オゾン発生部35が停止されて動作モードが送風モードに切換えられるものとしたので、オゾン発生部35の駆動状態を電気的に制御することが可能となり、例えば空気流路8に開閉バルブを設け、該開閉バルブで機械的にオゾン発生部35が放出したオゾンを遮断する場合に比べて、送風装置の構成を簡素化できる。
【0028】
空気流路8は、送風手段19が配される上流流路11と、該上流流路11の吹出部10側において分岐される、第1下流流路13と第2下流流路14とで構成されており、吹出部10は、第1下流流路13で送給される空気が吹出される第1吹出部15と、第2下流流路14で送給される空気が吹出される第2吹出部16とを備え、第1下流流路13にオゾン発生部35、および同流路13を開閉する開閉手段65が設けられており、ヘッド部4が起立姿勢のとき、第1下流流路13が開閉手段65で閉塞されるように構成することができる。これによれば、動作モードがオゾンモードにおいては、両吹出部15・16から空気が送給されるのに対して、動作モードが送風モードにおいては、一方の第2吹出部16からのみ空気が送給される。したがって、送風モードにおいて送給される空気の勢いを強くすることができ、より快適な涼感を付与することができる。
【0029】
空気流路8に、同流路8を流れる空気に含まれる花粉やウイルスを不活化処理あるいは除去する浄化部24が設けられていると、浄化部24で空気流路8を流れる空気を浄化し、送風モードにおいて浄化された空気を顔面に送給でき、さらに快適な涼感を付与することができる。また、オゾンモードにおいては、オゾンを含む空気による花粉やウイルスの不活化処理に加えて、空気流路8に取り込んだユーザー周囲の空気を浄化することができる。
【0030】
吹出部10は、左右方向に並列される一群の吹出口49を備え、吹出部10が、上方に行くにしたがって左右方向に広がる扇状の空気の流れを形成できるように構成されていると、吹出部10の左右幅より大きな幅のエアカーテンを顔前に形成できる。また、扇状のエアカーテンによる空気の仕切りを顔前に形成できるので、オゾンモードにおいては、浮遊する花粉やウイルスより効果的に不活化処理することができる。また、送風モードにおいては、顔面の広範な領域に空気を送給して、より快適な涼感をユーザーに与えることができる。
オゾンモードおよび送風モードにおけるエアカーテンは、送風装置のユーザーと対面者との間の空気の仕切りとなるので、食事や会話の際における相手方への空気の移動をエアカーテンで抑制して、口臭等を気にすることなく食事や会話を楽しむことができる。またウイルス等の感染予防も期待できる。エアカーテンによる仕切りは不可視であるので、エアカーテンが気になることもない。エアカーテンによる空気の仕切りは、空気にオゾンが含まれるオゾンモード時においては、オゾンによる不活化処理で除菌、消臭を行うことができる点で、より有効である。
【0031】
各吹出口49から吹出される空気の風圧が、吹出部10の左右中央から左右の各端部側に行くほど大きくなるように設定されていると、吹出部10の左右端側から吹出される空気をより上方まで送給して、エアカーテンの左右部分をその中央部分と同等の高さ位置まで形成できるので、より広範なエアカーテンを形成することができる。
【0032】
本体部3に、吊り具2の各端部が連結される左右一対の吊り具連結部56が設けられており、吊り具連結部56が、送風手段19よりも上方に配されていると、本体部3が吊持される位置よりも下側に送風手段19を配して本体部3の重心位置を下方に寄せることができるので、安定した状態で装置本体1を首から吊り下げ保持することができる。
【0033】
吊り具連結部56が、オゾン発生部35よりも上方に配されていると、本体部3が吊持される位置よりも下側にオゾン発生部35を配して本体部3の重心位置をより下方に寄せることができるので、より安定した状態で装置本体1を首から吊り下げ保持することができる。
【0034】
本体部3に、吊り具2の各端部が連結される左右一対の吊り具連結部56が設けられており、吊り具連結部56が、浄化部24よりも上方に配されていると、本体部3が吊持される位置よりも下側に浄化部24を配して本体部3の重心位置を下方に寄せることができるので、安定した状態で装置本体1を首から吊り下げ保持することができる。
【0035】
本発明の別の送風装置においては、吊り具2によって首から吊り下げられる装置本体1の空気流路8に、送風手段19および浄化部24を備えるものとし、送風手段19で送給される空気を吹出部10から上方に向かって吹出すようにした。これによれば、装置本体1を吊り具2によって首から吊り下げて、例えば胸元に保持させた状態で送風装置を駆動することにより、空気流路8に取り込んだユーザー周囲の空気を浄化して顔前に送給することができるので、浄化された空気で顔前から花粉やウイルスを排除できる。したがって、本発明の送風装置によれば、顔前を浮遊する花粉やウイルスの量を減少させながら、ユーザーに涼感を与えることができる。
【0036】
吹出部10が、左右方向に直線列状に配される多数の吹出ノズル75で構成されていると、各吹出ノズル75から吹出される空気でエアカーテンを形成できるので、顔前の広い範囲に空気を送給して、ユーザーに快適な涼感を与えることができる。
また、エアカーテンは、送風装置のユーザーと対面者との間の空気の仕切りとなるので、食事や会話の際における相手方への空気の移動をエアカーテンで抑制して、口臭等を気にすることなく食事や会話を楽しむことができる。またウイルス等の感染予防も期待できる。エアカーテンによる仕切りは不可視であるので、エアカーテンが気になることもない。
【0037】
各吹出ノズル75が、装置本体1で前後傾動可能に支持されていると、吹出ノズル75を傾動させることで空気の吹出し方向を調整することができるので、吊り具2で保持された本体部3の姿勢に関わらず、ユーザーが所望する方向に空気を送給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明の実施例1に係る送風装置の縦断正面図である。
図2】実施例1に係る送風装置の使用形態を示す正面図である。
図3】実施例1に係る送風装置の縦断側面図である。
図4】前傾スイッチ部分を示す縦断側面図である。
図5】実施例1に係る送風装置の電気系統の概略を示すブロック図である。
図6】実施例1に係る送風装置の使用状態を示す側面図であり、吹出口から吹出される空気の方向を説明するための図である。
図7】本発明の実施例2に係る送風装置を示す縦断側面図であり、開閉手段を示している。
図8】本発明の実施例3に係る送風装置の縦断正面図である。
図9】実施例3に係る送風装置の使用形態を示す正面図である。
図10】実施例3に係る送風装置の電気系統の概略を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
(実施例1) 図1から図6に、本発明に係る送風装置の実施例1を示す。本実施例における前後、左右、上下とは、図1および図3に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。図2において送風装置は、前後方向に厚みを持つ全体が縦長長方体状の装置本体1と、該装置本体1に連結されるベルト状の吊り具2とで構成されており、吊り具2に首を通して掛けることにより、装置本体1を首から吊り下げて胸元に保持することができる。装置本体1は首から吊り下げられ胸元に保持されるので、この送風装置はハンズフリーで使用することができる。
【0040】
装置本体1は、吊り具2が連結される本体部3と、本体部3の上端に配されるヘッド部4とを備えている。正面視において、本体部3は縦長の凸字状に形成され、ヘッド部4は逆凹字状に形成されており、ヘッド部4は本体部3に対して前後傾動可能に支持される。詳しくは、図1に示すように、本体部3とヘッド部4とは、本体部3上端の突出部分とヘッド部4下端の凹み部分とが上下方向から嵌め合わされた状態で、当該嵌合部分が左右一対の水平軸からなる支軸5で連結されている。本体部3およびヘッド部4は、それぞれ前後中央部で分割された半割体を接合して形成される。
【0041】
図1および図3に示すように、装置本体1の内部には空気流路8が形成されており、同流路8の上流端は本体部3の左側面に開口される吸込部9に連通し、同流路8の下流端はヘッド部4の上面に開口される吹出部10に連通している。空気流路8は、上流側の上流流路11と下流側の下流流路12とで構成されており、さらに下流流路12は、前側の第1下流流路13と後側の第2下流流路14とを備えている。下流流路12が第1と第2の下流流路13・14に分岐されていることに伴い、吹出部10は、第1下流流路13が連通する第1吹出部15と、第2下流流路14が連通する第2吹出部16とで構成されている。第1吹出部15と第2吹出部16とは、ヘッド部4の上面において前後に並べて配されている。
【0042】
空気流路8の上流流路11には、吹出部10に向かって空気を送給する送風手段19が配されている。送風手段19は、遠心ファン型の送風ファン20と、該送風ファン20を回転駆動するファンモーター21とを備えており、本体部3をケーシングとするシロッコファンで構成される。送風ファン20は空気流路8内に配され、ファンモーター21は空気流路8外に配される。図1において符号22は、吸込部9に着脱可能に装着されたエアフィルターを示しており、エアフィルター22は、空気流路8へ衣服や大きな異物が吸い込まれるのを防いでいる。なお、送風手段19は軸流式のプロペラファンと、該プロペラファンを駆動するファンモーターとで構成することができる。
【0043】
空気流路8を流れる空気、換言すれば吸込部9から空気流路8に取り込まれた空気に含まれる花粉やウイルスを不活化処理するため、送風ファン20と下流流路12との間の上流流路11に浄化部24が配されている。該浄化部24は、上流流路11の一部と、当該上流流路11にオゾンを放出する浄化用オゾン発生部25と、浄化用オゾン発生部25から放出され、不活化処理後も残存するオゾンを吸着除去するオゾンフィルター26などで構成される。オゾンフィルター26は活性炭、ゼオライト、シリカゲルなどで構成することができる。なお、オゾンフィルター26は、オゾンを分解除去するオゾン分解触媒であってもよい。
【0044】
浄化部24は浄化用オゾン発生部25に換えて、紫外線を放射する紫外線LEDで構成することができ、紫外線LEDから照射された紫外線で花粉やウイルスを不活化処理することができる。この場合、紫外線の放射によりオゾンの発生を伴う波長が185nmの紫外線LEDや、殺菌力の高い波長が254nmの紫外線LEDを用いることができる。これら2種の波長の紫外線LEDを組み合わせることもできる。紫外線LEDは紫外線ランプであってもよい。また、浄化部24は、上流流路11内面に塗布された光触媒と該光触媒を励起するための光源とで構成して、励起された光触媒で花粉やウイルス(有機物)分解して不活化処理することもできる。
【0045】
浄化用オゾン発生部25は、針状に形成された放電電極27と、該放電電極27と正対するように配され、クラウン状に形成された対向電極28と、両電極27・28間にオゾンを生成するための電圧を印加する駆動ユニット29などで構成される。駆動ユニット29は、入力される直流電流をパルス電流に変換するパルス発生回路30と、パルス電流を高電圧化するトランスを含む昇圧回路31と、昇圧回路31と放電電極27との間に設けられるダイオード32などで構成される(図5参照)。放電電極27および対向電極28は上流流路11(空気流路8)に配されており、高電圧を印加した両電極27・28間でコロナ放電を生じさせることにより、上流流路11にオゾンが放出される。ファンモーター21で送風ファン20を駆動することにより吸込部9から上流流路11へと取り込まれた外気(空気)は、その空気中に含まれる花粉やウイルスが浄化部24で不活化処理され、浄化された空気が下流流路12へと送給される。
【0046】
第1下流流路13には、第1吹出部15(吹出部10)から吹出される空気にオゾンが含まれるようにするための、吹出用オゾン発生部(オゾン発生部)35が配されている。吹出用オゾン発生部35は先の浄化用オゾン発生部25と同様の構成であり、針状に形成された放電電極36と、該放電電極36と正対するように配され、クラウン状に形成された対向電極37と、両電極36・37間にオゾンを生成するための電圧を印加する駆動ユニット38などで構成される。駆動ユニット38は、入力される直流電流をパルス電流に変換するパルス発生回路39と、パルス電流を高電圧化するトランスを含む昇圧回路40と、昇圧回路40と放電電極36との間に設けられるダイオード41などで構成される(図5参照)。放電電極36および対向電極37は第1下流流路13(空気流路8)に配されており、高電圧を印加した両電極36・37間でコロナ放電を生じさせることにより、第1下流流路13(空気流路8)にオゾンが放出される。
【0047】
浄化用オゾン発生部25および吹出用オゾン発生部35の駆動ユニット29・38はファンモーター21に隣接して設けられている。これらファンモーター21、駆動ユニット29・38よりも下方の本体部3の下部には、これら機器の駆動電源44が内蔵されている。駆動電源44は二次電池からなり、図示しないコネクタを介して商用電源から充電することができる。勿論、駆動電源44は本体部3に対して交換可能に設けられる一次電池であってもよい。また、駆動電源44は内蔵する必要はなく、外部電源から電源ラインを介して供給する形態であってもよい。この場合の外部電源はモバイルバッテリーあるいは商用電源とすることができ、本実施例の送風装置は首から吊り下げる形態である点で外部電源はモバイルバッテリーが好適である。
【0048】
第1吹出部15は、正面視で逆等脚台形状に形成された左右横長の凹溝からなる吹出スリット47と、吹出スリット47の上半部において前後橋絡状に設けられる多数のルーバー48とで構成されている。隣り合うルーバー48間、および吹出スリット47の左右端と当該端部に隣り合うルーバー48との間はそれぞれ吹出口49として構成されており、第1吹出部15は左右方向に並列される一群(13個)の吹出口49を備えている。第1下流流路13を送給された空気は、一群の吹出口49から上方に向かって吹出される。
【0049】
同様に、第2吹出部16は、正面視で逆等脚台形状に形成された左右横長の凹溝からなる吹出スリット47と、吹出スリット47の上半部において前後橋絡状に設けられる多数のルーバー48とで構成されている。隣り合うルーバー48間、および吹出スリット47の左右端と当該端部に隣り合うルーバー48との間はそれぞれ吹出口49として構成されており、第2吹出部16は左右方向に並列される一群(13個)の吹出口49を備えている。第2下流流路14を送給された空気は、一群の吹出口49から上方に向かって吹出される。
【0050】
ルーバー48の伸び方向と垂直軸とで挟まれる角度をルーバー角度と規定したとき、各ルーバー48のルーバー角度は、中央から左右の端部に行くにしたがって大きくなるように設定されている。このような第1吹出部15(吹出部10)によれば、送風手段19で送給された空気は、上方に向かって左右方向に広がる扇状のエアカーテンを形成する。また、ルーバー48の下端側で規定される各吹出口49の開口面積は、中央から左右の端部に行くにしたがって大きくなるように設定されている。このような第1吹出部15(吹出部10)によれば、吹出部10の左右中央から左右の各端部側に行くほど、吹出される空気の風圧が大きくなり、より上方へと空気を送給できる。吹出部10は、前後の第1および第2の吹出部15・16で構成したので、吹出部10からは前後2重のエアカーテンが形成される。本実施例では、吹出部10を第1および第2の吹出部15・16で構成したが、第1下流流路13および第2下流流路14を送給される空気を混合したのち、ひとつの吹出部10から上方に向かって吹出させることも可能である。なお、各吹出口49から吹出される空気の風圧調整(空気の吹出量)は、上記の構成に限らない。例えば、ルーバー48の下端側で規定される各吹出口49の開口面積を同じとし、ルーバー48の上端、下端、あるいは中途部に横向きに伸びるリブを設けることで吹出口49の流路を狭めて、空気の風圧を調整することもできる。
【0051】
本体部3に対して前後傾動可能に支持されるヘッド部4は、側面視において、吹出部10の吹出方向が垂直軸と一致する起立姿勢を中立位置として、吹出部10の吹出方向が垂直軸に対して前傾する前傾姿勢と、吹出部10の吹出方向が垂直軸に対して後傾する後傾姿勢との間で傾動できる。つまり、本体部3の伸び方向を垂直軸と一致させたとき、ヘッド部4は、側面視において、吹出部10の吹出方向が垂直軸と一致する起立姿勢と、吹出部10の吹出方向が垂直軸に対して前傾する前傾姿勢と、吹出部10の吹出方向が垂直軸に対して後傾する後傾姿勢との間で、本体部3に対して変位可能に支持されている。ヘッド部4は、前傾姿勢、起立姿勢、および後傾姿勢において、不図示の節動構造で各位置に保持されるように構成されている。なお、各姿勢の間におけるヘッド部4は、本体部3とヘッド部4とを連結する支軸5部分の摩擦抵抗により、傾動させた位置で仮保持される。
【0052】
図3において、符号51は、第1下流流路13を構成する中空の導風チューブ、符号52は、第2下流流路14を構成する中空の導風チューブを示す。各チューブ51・52は可撓性を有する素材で形成されている。このように可撓性を有する導風チューブ51・52を含んで第1・第2下流流路13・14を構成することにより、ヘッド部4が本体部3に対して前後傾動した際の空気流路8の連通状態を維持することが可能となる。各導風チューブ51・52は、本体部3上端の突出部分の上面に開設された、スリット53を介して本体部3の外部に導出され、ヘッド部4に連結される。
【0053】
ベルト状の吊り具2は、本体部3の左右の側面に設けられた一対の吊り具連結部56に連結されている。吊り具連結部56はタックボタン状に突出形成されており、吊り具2の両端にそれぞれ開設された掛け孔57を吊り具連結部56に掛け止めることにより、本体部3に吊り具2を連結することができる。吊り具連結部56は、本体部3の左右側面において上端部に配されており、本体部3の内部に設けられた送風手段19、浄化用オゾン発生部25、吹出用オゾン発生部35、および駆動電源44などの構成部材の設置位置よりも上側に設けられる。掛け孔57は吊り具2の端部において、吊り具2の長さ方向に複数個設けることができる。この場合には、吊り具連結部56に掛け止める掛け孔57を変更することで、吊り具2の全長を調節してユーザーの好みの上下位置に装置本体1を保持することができる。
【0054】
装置本体1の中央より上側、具体的には本体部3の前面上部には、送風装置をオン/オフ操作するための電源スイッチ60が配されている。電源スイッチ60はタクト式のスイッチで構成されており、押込み動作のたびに送風装置のオン/オフが切換えられる。送風手段19、浄化用オゾン発生部25、および吹出用オゾン発生部35の各機器の動作は制御部61で制御されており、送風装置がオフ状態にあるとき、電源スイッチ60を押込み操作して制御部61に向かって信号を出力すると、制御部61は送風手段19および浄化用オゾン発生部25を駆動する。吹出用オゾン発生部35は、ヘッド部4を前傾姿勢に傾動させたときに駆動されるようになっており、ヘッド部4がその他の姿勢に傾動しているときには停止されている。送風装置がオン状態にあるとき、電源スイッチ60を押込み操作して制御部61に向かって信号を出力すると、制御部61は送風手段19、浄化用オゾン発生部25、および吹出用オゾン発生部35を停止させる。本実施例の電源スイッチ60は、装置本体1の中央より上側に配されているので、例えば装置本体1を側方から人差し指以外の指で掴み保持し、この状態で人差し指で電源スイッチ60を操作することができる。これによれば、電源スイッチ60の操作を容易に行うことができる。
【0055】
ヘッド部4の姿勢が前傾姿勢にあるかどうかを検知するため、図4に示すように、本体部3上端の凸部の前側には、前傾姿勢に姿勢変更されたヘッド部4を検知する前傾スイッチ(姿勢検知体)62が設けられている。該前傾スイッチ62は接触式のリミットスイッチからなり、前傾姿勢とされたヘッド部4の凹み部分の底面で押込み操作されるようになっている。前傾スイッチ62は、押込み操作されている(ヘッド部4が前傾姿勢になっている)状態ではオン信号を出力し、押込み操作されていない(ヘッド部4が前傾姿勢になっていない)状態ではオフ信号を出力する。勿論、前傾スイッチ62のオフ信号とオン信号の出力は逆であってもよい。制御部61は、前傾スイッチがオン信号を出力している状態で吹出用オゾン発生部35を駆動する。姿勢検知体62はリミットスイッチに換えて、静電容量型や磁気型の近接センサなどの非接触式のスイッチで構成することもできる。
【0056】
オフ状態にある送風装置を吊り具2で首から吊り下げて、装置本体1を胸元に保持したのち電源スイッチ60を押込み操作すると、制御部61はファンモーター21および浄化用オゾン発生部25を駆動し、前傾スイッチ62が出力している信号に基づいて吹出用オゾン発生部35の動作を制御する。電源スイッチ60の押込み操作時においてヘッド部4が前傾姿勢に傾動しており、前傾スイッチ62がオン信号を出力しているときには、制御部61は吹出用オゾン発生部35を駆動させる。この動作モードをオゾンモードと称する。オゾンモードにおいては、送風ファン20が回転することによって吸込部9から空気流路8に取り込まれた空気は、浄化部24で当該空気に含まれる花粉やウイルスが不活化処理され、両下流流路13・14へと送給される。第1下流流路13を送給される空気には、吹出用オゾン発生部35が放出したオゾンが添加され、第1吹出部15から吹出される。また、第2下流流路14を送給される空気は、第2吹出部16から吹出される。これにより、花粉やウイルスが不活化処理され、さらにオゾンが添加された空気が顔前(図6における矢印Xの方向)に送給され、顔面前方に当該空気による2重のエアカーテンが形成される。オゾンを含む第1吹出部15から吹出される空気によるエアカーテンと顔とに間には、オゾンが含まれていない第2吹出部16から吹出される空気によるエアカーテンが形成されるので、オゾンが直接顔に送給されるのを防ぐことができる。
【0057】
また、電源スイッチ60の押込み操作時において、ヘッド部4が前傾姿勢に傾動しておらず前傾スイッチ62がオフ信号を出力しているときには、制御部61は吹出用オゾン発生部35を駆動しない。この動作モードを送風モードと称する。送風モードにおいては、送風ファン20が回転することによって吸込部9から空気流路8に取り込まれた空気は、浄化部24で当該空気に含まれる花粉やウイルスが不活化処理され、両下流流路13・14へと送給される。次いで、第1下流流路13を送給される空気は第1吹出部15から吹出され、第2下流流路14を送給される空気は第2吹出部16から吹出される。これにより、花粉やウイルスが不活化処理された空気が顔面(図6における矢印Yの方向)あるいは首元(図6における矢印Zの方向)に送給され、顔面あるいは首元に風をあてることができる。
【0058】
上記では送風装置がオフ状態にあるときからの各機器の動作を説明したが、オゾンモードで動作している送風装置のヘッド部4を起立姿勢または後傾姿勢に姿勢変更すると、送風装置は送風モードに切換えられる。逆に、送風モードで動作している送風装置のヘッド部4を前傾姿勢に姿勢変更すると、送風装置はオゾンモードに切換えられる。このように、制御部61はヘッド部4の姿勢に応じて吹出用オゾン発生部35の動作を制御しており、これより、本実施例の送風装置は、花粉やウイルスが不活化処理されたのちの空気にオゾンを含ませた空気が吹出部10から顔前に送給されるオゾンモードと、花粉やウイルスが不活化処理されたのちの空気が吹出部10から顔面に送給される送風モードとの2つの動作モードが切換え可能に構成されている。送風モードにおいては、吹出用オゾン発生部35を停止させるので、送風装置の消費電力を低減することができる。
【0059】
以上のように、本実施例の送風装置では、吊り具2によって首から吊り下げられる装置本体1の空気流路8に、送風手段19および吹出用オゾン発生部35を備えるものとし、送風手段19で送給される空気を吹出部10から上方に向かって吹出すようにした。また、送風装置の動作モードを、吹出部10からオゾンを含む空気を吹出すオゾンモードと、吹出部10からオゾンを含まない空気を吹出す送風モードとのいずれかに切換え可能に構成した。以上のような構成からなる本実施例の送風装置によれば、装置本体1を吊り具2によって首から吊り下げて、例えば胸元に保持させた状態で動作モードをオゾンモードに切換えて送風装置を駆動することにより、顔前を浮遊する花粉やウイルスを、オゾンを含む空気で不活化処理することができる。一方、動作モードを送風モードに切換えて送風装置を駆動することにより、吹出用オゾン発生部35を停止させて、オゾンを含まない空気を顔面に送給することができる。なお、オゾンは独特の臭気を持つが、送風モードにおいては、オゾンを含まない空気が送給されるので、ユーザーが臭気(オゾン臭)を感じることはない。以上より本実施例の送風装置によれば、オゾンモードが選択されたときには、オゾンによる不活化処理により、顔前を浮遊する花粉やウイルスの減量を図ることができ、また送風モードが選択されたときには、ユーザーの顔面にオゾンが含まれない空気を送給して、ユーザーに涼感を付与することができる。
【0060】
装置本体1を、吊り具2が連結される本体部3と、本体部3の上端に配され、吹出部10が設けられるヘッド部4とで構成し、ヘッド部4を、本体部3に対して前後傾動可能に支持したので、ヘッド部4を傾動させることで吹出部10から吹出される空気の送給方向を調整することができる。これによれば、吊り具2で保持された本体部3の姿勢に関わらず、ユーザーの顔前の任意の位置に空気を送給することができる。顔面から離れた位置へと空気を送給することができるので、オゾンモードにおいて、ユーザーがオゾン臭を感じることを抑えることができる。
【0061】
動作モードを、本体部3に対するヘッド部4の傾動姿勢によってオゾンモードまたは送風モードのいずれか一方のモードに切換えられるように構成したので、ヘッド部4を傾動操作する単純な操作で動作モードを切換え操作することができる。また、ユーザーは、ヘッド部4の姿勢を視認あるいは手で触れて確認することで、送風装置がいずれの動作モードで動作しているかを容易に識別することができる。
【0062】
ヘッド部4を、側面視において、吹出部10の吹出方向が垂直軸と一致する起立姿勢と、吹出部10の吹出方向が垂直軸に対して前傾する前傾姿勢との間で、本体部3に対して変位可能に支持し、ヘッド部4が起立姿勢とされたとき、動作モードが送風モードとなり、ヘッド部4が前傾姿勢とされたとき、動作モードがオゾンモードとなるように構成した。これによれば、ヘッド部4が起立姿勢とされたとき、すなわち空気の送給方向が顔面に近く、顔に触れる空気が多いときには、送風装置を送風モードで駆動して、的確に快適な涼感をユーザーに与えることができる。また、ヘッド部4が前傾姿勢のとき、すなわち空気の送給方向が顔面から離れ、顔前により多くの空気が送給されるときには、送風装置をオゾンモードで駆動して、花粉やウイルスを的確に不活化処理し減量することができる。
【0063】
ヘッド部4を、起立姿勢および前傾姿勢に加え、さらに吹出部10の吹出方向が垂直軸に対して後傾する後傾姿勢に変位可能に支持し、ヘッド部4が後傾姿勢のとき、動作モードが送風モードに切換えられるようにした。これによれば、ヘッド部4を後傾姿勢としたとき、動作モードが送風モードとなり、顔面から首元に亘ってオゾンを含まない空気を送給することができるので、ユーザーに対してより快適な涼感を与えることができる。
【0064】
前傾姿勢に姿勢変更されたヘッド部4を検知する姿勢検知体62を設け、姿勢検知体62がヘッド部4を検知しているとき、吹出用オゾン発生部35が駆動されて動作モードがオゾンモードに切換えられ、姿勢検知体62がヘッド部4を検知していないとき、吹出用オゾン発生部35が停止されて動作モードが送風モードに切換えられるものとした。これによれば、吹出用オゾン発生部35の駆動状態を電気的に制御することができるので、例えば空気流路8に開閉バルブを設け、該開閉バルブで機械的に吹出用オゾン発生部35が放出したオゾンを遮断する場合に比べて、送風装置の構成を簡素化できる。
【0065】
空気流路8に、同流路8を流れる空気に含まれる花粉やウイルスを不活化処理あるいは除去する浄化部24を設けたので、浄化部24で空気流路8を流れる空気を浄化し、送風モードにおいて浄化された空気を顔面に送給でき、さらに快適な涼感を付与することができる。また、オゾンを含む空気による花粉やウイルスの不活化処理に加えて、空気流路8に取り込んだユーザー周囲の空気を浄化することができる。
【0066】
吹出部10を、左右方向に並列される一群の吹出口49を備えるものとし、吹出部10を、上方に行くにしたがって左右方向に広がる扇状の空気の流れを形成できるように構成したので、吹出部10の左右幅より大きな幅のエアカーテンを顔前に形成できる。また、扇状のエアカーテンによる空気の仕切りを顔前に形成できるので、オゾンモードにおいては、浮遊する花粉やウイルスをより効果的に不活化処理することができる。また、送風モードにおいては、顔面の広範な領域に空気を送給して、より快適な涼感を与えることができる。
オゾンモードおよび送風モードにおけるエアカーテンは、送風装置のユーザーと対面者との間の空気の仕切りとなるので、食事や会話の際における相手方への空気の移動をエアカーテンで抑制して、口臭等を気にすることなく食事や会話を楽しむことができる。またウイルス等の感染予防も期待できる。エアカーテンによる仕切りは不可視であるので、エアカーテンが気になることもない。エアカーテンによる空気の仕切りは、空気にオゾンが含まれるオゾンモード時においては、オゾンによる不活化処理で除菌、消臭を行うことができる点で、より有効である。
【0067】
各吹出口49から吹出される空気の風圧を、吹出部10の左右中央から左右の各端部側に行くほど大きくなるように設定したので、吹出部10の左右端側から吹出される空気をより上方まで送給して、エアカーテンの左右部分をその中央部分と同等の高さ位置まで形成できるので、より広範なエアカーテンを形成できる。
【0068】
本体部3に吊り具2の各端部が連結される左右一対の吊り具連結部56を設け、吊り具連結部56を送風手段19よりも上方に配したので、本体部3が吊持される位置よりも下側に、重量物であるファンモーター21を含む送風手段19を配して本体部3の重心位置を下方に寄せることができる。これにより、安定した状態で装置本体1を首から吊り下げ保持することができる。
【0069】
吊り具連結部56を、オゾン発生部35よりも上方に配したので、本体部3が吊持される位置よりも下側に、重量物であるトランスを含む吹出用オゾン発生部35を配して本体部3の重心位置をより下方に寄せることができ、より安定した状態で装置本体1を首から吊り下げ保持できる。
【0070】
吊り具連結部56を、浄化部24よりも上方に配したので、本体部3が吊持される位置よりも下側に、重量物であるトランスを含む浄化用オゾン発生部35を備える浄化部24を配して本体部3の重心位置を下方に寄せることができ、安定した状態で装置本体1を首から吊り下げ保持できる。
【0071】
上記の実施例1では、下流流路12を第1および第2の下流流路13・14の2流路で構成したが、第2下流流路14は省略することができる。この場合には、流路がひとつとなることにより送風手段19で送給される空気のすべてが第1下流流路13で送給されるので、第1吹出部15から吹出される空気の風圧を大きくすることができる。これにより、より大きなエアカーテンを形成でき、また、付与できる涼感をより高めることができる。
【0072】
本実施例の送風装置は、首から吊り下げるように構成したが、装置本体1は縦長長方体状に形成されているので机上や床面に載置可能となっており、ヘッド部4が上側に位置する状態で装置本体1を机上や床面に載置すると、送風装置の上方にエアカーテンを形成できる。これにより、隣り合う人との間の机上や床面に送風装置を載置することで、隣人との間にエアカーテンによる空気の仕切りを設けることができるので、食事や会話の際における相手方への空気の移動をエアカーテンで抑制して、口臭等を気にすることなく食事や会話を楽しむことができる。またウイルス等の感染予防も期待できる。エアカーテンによる仕切りは不可視であるので、エアカーテンが気になることもない。
【0073】
(実施例2) 図7に、本発明に係る送風装置の実施例2を示す。実施例1においては、吹出用オゾン発生部35の動作を制御部61で制御して、電気的にオゾンモードと送風モードとを切換えるように構成したが、本実施例では、吹出用オゾン発生部35が配される第1下流流路13を開閉する開閉手段65で同流路13を開閉することで、機械的にオゾンモードと送風モードとを切換えるように構成した点が実施例1と相違する。具体的には、開閉手段65は、第1下流流路13の一部を構成する導風チューブ51と、本体部3の内部に配される固定ニップ体66と、ヘッド部4に配される可動ニップ体67とを備えている。
【0074】
可動ニップ体67は、ヘッド部4の下面から本体部3の内部に向かって延設されるニップアーム68の先端に設けられている。ヘッド部4が前傾姿勢に傾動しているとき、固定ニップ体66と可動ニップ体67とは、図6に示すように離間しており、導風チューブ51は全長において連通している。この状態においては、第1下流流路13を送給される空気は第1吹出部15から吹出されるので、吹出用オゾン発生部35から第1下流流路13へと放出されたオゾンが顔前へと送給される。したがって、ヘッド部4が前傾姿勢に傾動しているときには、送風装置の動作モードはオゾンモードに切換えられる。
【0075】
一方ヘッド部4を起立姿勢に傾動させると、固定ニップ体66と可動ニップ体67とは、図7の2点鎖線で示すように近接し、導風チューブ51はその中途部において押しつぶされ、当該部分において導風チューブ51(第1下流流路13)が閉塞される。この状態においては、第1下流流路13を送給される空気は閉塞部分で堰き止められて、第1吹出部15から空気は吹出されないので、吹出用オゾン発生部35から第1下流流路13へと放出されたオゾンが顔面へと送給されることはない。したがって、ヘッド部4が起立前傾姿勢に傾動しているときには、送風装置の動作モードは送風モードに切換えられる。また、送風手段19で送給される空気の全部が第2吹出部16から吹出されるので、顔面へと送給される空気の勢いは強くなる。本実施例の送風装置のヘッド部4は、開閉手段65を設けたため、前傾姿勢と起立姿勢の間で姿勢変更可能に構成されている。その他の点は、実施例1と同じであるので、同じ構成、構造、および部材には同じ符号を付してその説明を省略する。以下の各実施例においても同じとする。
【0076】
以上のように、本実施例の送風装置では、第1下流流路13に吹出用オゾン発生部35とともに、同流路13を開閉する開閉手段65を設け、ヘッド部4が起立姿勢のとき、第1下流流路13が開閉手段65で閉塞されるものとしたので、オゾンモードにおいては、両吹出部15・16から空気が送給されるのに対して、送風モードにおいては、一方の第2吹出部16からのみ空気が送給される。したがって、送風モードにおいて送給される空気の勢いを強くすることができ、より快適な涼感を付与することができる。
本実施例においても、オゾンモードおよび送風モードにおけるエアカーテンは、送風装置のユーザーと対面者との間の空気の仕切りとなるので、食事や会話の際における相手方への空気の移動をエアカーテンで抑制して、口臭等を気にすることなく食事や会話を楽しむことができる。またウイルス等の感染予防も期待できる。エアカーテンによる仕切りは不可視であるので、エアカーテンが気になることもない。エアカーテンによる空気の仕切りは、空気にオゾンが含まれるオゾンモード時においては、オゾンによる不活化処理で除菌、消臭を行うことができる点で、より有効である。
【0077】
(実施例3) 図8から図10に、本発明に係る送風装置の実施例3を示す。本実施例においては、吹出用オゾン発生部35を省略した点が先の実施例1と大きく相違する。本実施例の装置本体1は、前後方向に厚みを持つ略縦長長方体状の本体部3と、上突湾曲状に形成された本体部3の上壁に配される5個(多数)のノズル体71からなるヘッド部4とを備えている。各ノズル体71は、本体部3の上壁に形成された球殻状のソケット72で傾動可能に軸支される球軸73と、筒軸状のノズル軸74とが一体に形成されており、球軸73およびノズル軸74を貫通する吹出ノズル75を備えている。各吹出ノズル75は吹出部10を構成しており、ノズル軸74を傾動操作することにより、吹出ノズル75(吹出部10)の指向方向を球軸73の中心を基準にして前後左右の任意方向へ指向できるようにしている。
【0078】
空気流路8は、上流および下流の流路11・12と、空気流路8の終端に設けられるチャンバー室76とで構成されており、先の吹出ノズル75はチャンバー室76に臨んでいる。送風手段19により空気流路8を送給される空気をチャンバー室76で一旦膨張させることにより、各吹出ノズル75から吹出される空気の圧力差を小さくすることができ、各吹出ノズル75から略均等に空気を吹出すことができる。本実施例においても先の実施例1と同様に吹出部10の左右中央から左右の各端部側に行くほど、吹出される空気の風圧が大きくなるようにすることができる。例えば、左右中央の吹出ノズル75の孔径を小さく形成し、左右中央側に行くほど吹出ノズル75の孔径を大きく形成すれば、風圧を大小に変更できる。
【0079】
本体部3前面の電源スイッチ60の下側には、浄化用オゾン発生部25の駆動状態を切換える切換スイッチ77が設けられており、電源スイッチ60と切換スイッチ77はともに、装置本体1の中央より上側に配されている。送風装置の動作時において、浄化用オゾン発生部25が駆動されている状態で切換スイッチ77が押込み操作されると浄化用オゾン発生部25が停止され、浄化用オゾン発生部25が停止されている状態で切換スイッチ77が押込み操作されると浄化用オゾン発生部25が駆動される。
【0080】
オフ状態にある送風装置を吊り具2で首からぶら下げ胸元に保持したのち、電源スイッチ60を押込み操作すると、制御部61はファンモーター21および浄化用オゾン発生部25を駆動させる。この状態においては、送風ファン20が回転することによって吸込部9から空気流路8に取り込まれた空気は、浄化部24で当該空気に含まれる花粉やウイルスが不活化処理され下流流路12へと送給される。下流流路12を送給される空気は、チャンバー室76を介して各吹出ノズル75(吹出部10)から吹出される。
【0081】
また、オフ状態にある送風装置の電源スイッチ60を押込み操作すると、制御部61はファンモーター21のみを駆動するように構成してもよい。ファンモーター21の駆動後、切換スイッチ77を押込み操作すると、浄化用オゾン発生部25が駆動され、再度切換スイッチ77を押込み操作すると、浄化用オゾン発生部25が停止される。このような動作の場合、駆動電源44の消費を抑制した状態で駆動を開始できる。空気の浄化を必要としない場合には、この状態で駆動を継続することにより、より長時間にわたってユーザーに涼感を与えることができる。
【0082】
先に説明したように本実施例の電源スイッチ60および切換スイッチ77は、装置本体1の中央より上側に配されている。これにより、例えば装置本体1を側方から人差し指以外の指で掴み保持し、この状態で人差し指で電源スイッチ60または切換スイッチ77を操作することができるので、電源スイッチ60および切換スイッチ77の操作を容易に行うことができる。また、電源スイッチ60の下側に切換スイッチ77が配されているので、切換スイッチ77の操作中に誤って吹出ノズル75を動かしてしまうのを可及的に防止できる。
【0083】
送風装置を動作させるとき、吹出ノズル75が上方前寄りに指向するようにノズル体71を調整することにより、花粉やウイルスが不活化処理された空気が顔前に送給され、顔面前方に当該空気によるエアカーテンが形成される。また、吹出ノズル75が上方あるいは上方後寄りに指向するようにノズル体71を調整することにより、花粉やウイルスが不活化処理された空気が顔面あるいは首元に送給され、顔面あるいは首元に風が当たることによる涼感を付与することができる。本実施例のノズル体71は前後左右の任意方向へ指向できるので、左右幅の狭いエアカーテンや、扇状に広がるエアカーテンを形成することができ、また、顔前と顔面あるいは首元へと同時に空気を送給することも可能である。本実施例においても、浄化部24は紫外線を放射する紫外線LED、あるいは光触媒と該光触媒を励起するための光源などで構成することができる。
【0084】
以上のように、本実施例の送風装置では、吊り具2で首から吊り下げることが可能な装置本体1の空気流路8に、送風手段19および浄化部24を備えるものとし、送風手段19で送給される空気を吹出部10から上方に向かって吹出すようにしたので、装置本体1を吊り具2で胸元に保持した状態で送風装置を駆動することにより、空気流路8に取り込んだユーザー周囲の空気を浄化して顔前に送給することができ、浄化された空気で顔前から花粉やウイルスを排除できる。したがって、本実施例の送風装置によれば、顔前を浮遊する花粉やウイルスの量を減少させながら涼感を付与することが可能となる。
【0085】
吹出部10を、左右方向に直線列状に配される多数の吹出ノズル75で構成したので、各吹出ノズル75から吹出される空気でエアカーテンを形成でき、顔前の広い範囲に空気を送給して、快適な涼感を与えることができる。
また、エアカーテンは、送風装置のユーザーと対面者との間の空気の仕切りとなるので、食事や会話の際における相手方への空気の移動をエアカーテンで抑制して、口臭等を気にすることなく食事や会話を楽しむことができる。またウイルス等の感染予防も期待できる。エアカーテンによる仕切りは不可視であるので、エアカーテンが気になることもない。
【0086】
各吹出ノズル75を、装置本体1で前後左右傾動可能に支持したので、吹出ノズル75を傾動させることで空気の吹出し方向を調整することができ、吊り具2で保持された本体部3の姿勢に関わらず、ユーザーが所望する方向に空気を送給することができる。
【0087】
上記の各実施例以外に、実施例1の吹出部10(第1および第2の吹出部15・16)は、吹出スリット47と多数のルーバー48とで吹出口49が構成されるものに換えて、実施例3のような多数のノズル体71で構成されるものであってもい。また、実施例3の吹出部10は、多数のノズル体71で構成されるものに換えて、吹出スリット47と多数のルーバー48とで吹出口49が構成されるものであってもよい。
【0088】
以上の実施例のように構成した送風装置は、以下のように表現できる。
【0089】
吊り具2によって首から吊り下げられる装置本体1と、
装置本体1の内部に形成される空気流路8と、
空気流路8の下流端に設けられ、上方に向かって空気を吹出す吹出部10と、
空気流路8に配され、吹出部10に向かって空気を送給する送風手段19と、
空気流路8にオゾンを放出するオゾン発生部35と、
を備え、
動作モードが、吹出部10からオゾンを含む空気を吹出すオゾンモードと、吹出部10からオゾンを含まない空気を吹出す送風モードのいずれか一方のモードに切換え可能に構成されている送風装置。
【0090】
上記のように構成した送風装置によれば、装置本体1を吊り具2によって首から吊り下げて、例えば胸元に保持させた状態で動作モードをオゾンモードに切換えて送風装置を駆動することにより、顔前を浮遊する花粉やウイルスを、オゾンを含む空気で不活化処理することができる。一方、動作モードを送風モードに切換えて送風装置を駆動することにより、オゾン発生部35を停止させて、オゾンを含まない空気を顔面に送給することができる。なお、オゾンは独特の臭気を持つが、送風モードにおいては、オゾンを含まない空気が送給されるので、ユーザーが臭気(オゾン臭)を感じることはない。したがって、オゾンモードが選択されたときには、オゾンによる不活化処理により、顔前を浮遊する花粉やウイルスの減量を図ることができ、また送風モードが選択されたときには、ユーザーの顔面にオゾンが含まれない空気を送給して、ユーザーに涼感を付与することができる。
【0091】
装置本体1は、吊り具2が連結される本体部3と、本体部3の上端に配され、吹出部10が設けられるヘッド部4とを備えており、
ヘッド部4が、本体部3に対して前後傾動可能に支持されている送風装置。
【0092】
上記のように構成した送風装置によれば、ヘッド部4を傾動させることで吹出部10から吹出される空気の送給方向を調整することができるので、吊り具2で保持された本体部3の姿勢に関わらず、ユーザーの顔前の任意の位置に空気を送給することが可能となる。例えば顔面から離れた位置に空気を送給することも可能であり、その場合には、オゾンモードにおいて、ユーザーがオゾン臭を感じることを抑えることができる。
【0093】
動作モードが、本体部3に対するヘッド部4の傾動姿勢によってオゾンモードまたは送風モードのいずれか一方のモードに切換えられるように構成されている送風装置。
【0094】
上記のように構成した送風装置によれば、ヘッド部4を傾動操作する単純な操作で動作モードを切換え操作することができる。また、ユーザーは、ヘッド部4の姿勢を視認あるいは手で触れて確認することで、送風装置がいずれの動作モードで動作しているかを容易に識別できる。
【0095】
本体部3の上下の伸び方向を垂直軸と一致させたとき、
ヘッド部4は、側面視において、吹出部10の吹出方向が垂直軸と一致する起立姿勢と、吹出部10の吹出方向が垂直軸に対して前傾する前傾姿勢との間で、本体部3に対して変位可能に支持されており、
ヘッド部4が起立姿勢とされたとき、動作モードが送風モードとなり、ヘッド部4が前傾姿勢とされたとき、動作モードがオゾンモードとなるように構成されている送風装置。
【0096】
上記のように構成した送風装置によれば、ヘッド部4が起立姿勢とされたとき、すなわち空気の送給方向が顔面に近く、顔に触れる空気が多いときには、送風装置を送風モードで駆動して、的確に快適な涼感をユーザーに与えることができる。また、ヘッド部4が前傾姿勢のとき、すなわち空気の送給方向が顔面から離れ、顔前により多くの空気が送給されるときには、送風装置をオゾンモードで駆動して、花粉やウイルスを的確に不活化処理し減量することができる。
【0097】
ヘッド部4は、起立姿勢および前傾姿勢に加え、さらに吹出部10の吹出方向が垂直軸に対して後傾する後傾姿勢に変位可能に支持されており、
ヘッド部4が後傾姿勢とされたとき、動作モードが送風モードとなるように構成されている送風装置。
【0098】
上記のように構成した送風装置によれば、ヘッド部4を後傾姿勢としたとき、動作モードが送風モードとなり、顔面から首元に亘ってオゾンを含まない空気を送給することができるので、ユーザーに対してより快適な涼感を与えることができる。
【0099】
ヘッド部4が前傾姿勢とされたことを検知する姿勢検知体62を備え、
姿勢検知体62がオンのとき、オゾンモードとされ、姿勢検知体62がオフのとき、送風モードとなるように構成されている送風装置。
【0100】
上記のように構成した送風装置によれば、オゾン発生部35の駆動状態を電気的に制御することが可能となり、例えば空気流路8に開閉バルブを設け、該開閉バルブで機械的にオゾン発生部35が放出したオゾンを遮断する場合に比べて、送風装置の構成を簡素化できる。
【0101】
空気流路8は、送風手段19が配される上流流路11と、該上流流路11の吹出部10側において分岐される、第1下流流路13と第2下流流路14とで構成されており、
吹出部10は、第1下流流路13で送給される空気が吹出される第1吹出部15と、第2下流流路14で送給される空気が吹出される第2吹出部16とを備え、第1下流流路13にオゾン発生部35、および同流路13を開閉する開閉手段65が設けられており、
ヘッド部4が起立姿勢のとき、第1下流流路13が開閉手段65で閉塞されるように構成されている送風装置。
【0102】
上記のように構成した送風装置によれば、オゾンモードにおいては、両吹出部15・16から空気が送給されるのに対して、送風モードにおいては、一方の第2吹出部16からのみ空気が送給される。したがって、送風モードにおいて送給される空気の勢いを強くすることができ、より快適な涼感を付与することができる。
【0103】
空気流路8に、同流路8を流れる空気に含まれる花粉やウイルスを不活化処理あるいは除去する浄化部24が設けられている送風装置。
【0104】
上記のように構成した送風装置によれば、浄化部24で空気流路8を流れる空気を浄化し、送風モードにおいて浄化された空気を顔面に送給でき、さらに快適な涼感を付与することができる。また、オゾンモードにおいては、オゾンを含む空気による花粉やウイルスの不活化処理に加えて、空気流路8に取り込んだユーザー周囲の空気を浄化することができる。
【0105】
吹出部10は、左右方向に並列される一群の吹出口49を備えており、
吹出部10が、上方に行くにしたがって左右方向に広がる扇状の空気の流れを形成できるように構成されている送風装置。
【0106】
上記のように構成した送風装置によれば、吹出部10の左右幅より大きな幅のエアカーテンを顔前に形成できる。また、扇状のエアカーテンによる空気の仕切りを顔前に形成できるので、オゾンモードにおいては、浮遊する花粉やウイルスより効果的に不活化処理することができる。また、送風モードにおいては、顔面の広範な領域に空気を送給して、より快適な涼感をユーザーに与えることができる。
オゾンモードおよび送風モードにおけるエアカーテンは、送風装置のユーザーと対面者との間の空気の仕切りとなるので、食事や会話の際における相手方への空気の移動をエアカーテンで抑制して、口臭等を気にすることなく食事や会話を楽しむことができる。またウイルス等の感染予防も期待できる。エアカーテンによる仕切りは不可視であるので、エアカーテンが気になることもない。エアカーテンによる空気の仕切りは、空気にオゾンが含まれるオゾンモード時においては、オゾンによる不活化処理で除菌、消臭を行うことができる点で、より有効である。
【0107】
各吹出口49から吹出される空気の風圧が、吹出部10の左右中央から左右の各端部側に行くほど大きくなるように設定されている送風装置。
【0108】
上記のように構成した送風装置によれば、吹出部10の左右端側から吹出される空気をより上方まで送給して、エアカーテンの左右部分をその中央部分と同等の高さ位置まで形成できるので、より広範なエアカーテンを形成することができる。
【0109】
本体部3に、吊り具2の各端部が連結される左右一対の吊り具連結部56が設けられており、
吊り具連結部56が、送風手段19よりも上方に配されている送風装置。
【0110】
上記のように構成した送風装置によれば、本体部3が吊持される位置よりも下側に送風手段19を配して本体部3の重心位置を下方に寄せることができるので、安定した状態で装置本体1を首から吊り下げ保持することができる。
【0111】
吊り具連結部56が、オゾン発生部35よりも上方に配されている送風装置。
【0112】
上記のように構成した送風装置によれば、本体部3が吊持される位置よりも下側にオゾン発生部35を配して本体部3の重心位置をより下方に寄せることができるので、より安定した状態で装置本体1を首から吊り下げ保持することができる。
【0113】
吊り具連結部56が、浄化部24よりも上方に配されている送風装置。
【0114】
上記のように構成した送風装置によれば、本体部3が吊持される位置よりも下側に浄化部24を配して本体部3の重心位置を下方に寄せることができるので、安定した状態で装置本体1を首から吊り下げ保持することができる。
【0115】
吊り具2によって首から吊り下げられる装置本体1と、
装置本体1の内部に形成される空気流路8と、
空気流路8の下流端に設けられ、上方に向かって空気を吹出す吹出部10と、
空気流路8に配され、吹出部10に向かって空気を送給する送風手段19と、
空気流路8に配され、空気流路8を流れる空気に含まれる花粉やウイルスを不活化処理あるいは除去する浄化部24と、
を備える送風装置。
【0116】
上記のように構成した送風装置によれば、装置本体1を吊り具2によって首から吊り下げて、例えば胸元に保持させた状態で送風装置を駆動することにより、空気流路8に取り込んだユーザー周囲の空気を浄化して顔前に送給することができるので、浄化された空気で顔前から花粉やウイルスを排除できる。したがって、上記のように構成した送風装置によれば、顔前を浮遊する花粉やウイルスの量を減少させながら、ユーザーに涼感を与えることができる。
【0117】
吹出部10が、左右方向に直線列状に配される多数の吹出ノズル75で構成されている送風装置。
【0118】
上記のように構成した送風装置によれば、各吹出ノズル75から吹出される空気でエアカーテンを形成できるので、顔前の広い範囲に空気を送給して、ユーザーに快適な涼感を与えることができる。
エアカーテンは、送風装置のユーザーと対面者との間の空気の仕切りとなるので、食事や会話の際における相手方への空気の移動をエアカーテンで抑制して、口臭等を気にすることなく食事や会話を楽しむことができる。またウイルス等の感染予防も期待できる。エアカーテンによる仕切りは不可視であるので、エアカーテンが気になることもない。
【0119】
各吹出ノズル75が、装置本体1に対して前後傾動可能に支持されている送風装置。
【0120】
上記のように構成した送風装置によれば、吹出ノズル75を傾動させることで空気の吹出し方向を調整することができるので、吊り具2で保持された本体部3の姿勢に関わらず、ユーザーが所望する方向に空気を送給することができる。
【0121】
また、以上の実施例のように構成した送風装置は、以下のようにも表現できる。
【0122】
吊り具2で首から吊り下げることが可能な装置本体1と、
装置本体1の内部に形成される空気流路8と、
空気流路8の下流端に設けられ、上方に向かって空気を吹出す吹出部10と、
空気流路8に配され、吹出部10に向かって空気を送給する送風手段19と、
空気流路8に配され、空気流路8を流れる空気に含まれる花粉やウイルスを不活化処理あるいは除去する浄化部24と、
を備える送風装置。
【0123】
上記のように構成した送風装置によれば、装置本体1を吊り具2によって首から吊り下げて、例えば胸元に保持させた状態で送風装置を駆動することにより、空気流路8に取り込んだユーザー周囲の空気を浄化して顔前に送給することができるので、浄化された空気で顔前から花粉やウイルスを排除できる。したがって、上記のように構成した送風装置によれば、顔前を浮遊する花粉やウイルスの量を減少させながら、ユーザーに涼感を与えることができる。
【0124】
空気流路8にオゾンを放出するオゾン発生部35を備え、
動作モードが、吹出部10からオゾンを含む空気を吹出すオゾンモードと、吹出部10からオゾンを含まない空気を吹出す送風モードとのいずれかに切換え可能に構成されている送風装置。
【0125】
上記のように構成した送風装置によれば、装置本体1を吊り具2によって首から吊り下げて、例えば胸元に保持させた状態で動作モードをオゾンモードに切換えて送風装置を駆動することにより、顔前を浮遊する花粉やウイルスを、オゾンを含む空気で不活化処理することができる。一方、動作モードを送風モードに切換えて送風装置を駆動することにより、オゾン発生部35を停止させて、オゾンを含まない空気を顔面に送給することができる。なお、オゾンは独特の臭気を持つが、送風モードにおいては、オゾンを含まない空気が送給されるので、ユーザーが臭気(オゾン臭)を感じることはない。したがって、オゾンモードが選択されたときには、オゾンによる不活化処理により、顔前を浮遊する花粉やウイルスの減量を図ることができ、また送風モードが選択されたときには、ユーザーの顔面にオゾンが含まれない空気を送給して、ユーザーに涼感を付与することができる。
【0126】
装置本体1は、吊り具2が連結される本体部3と、本体部3の上端に配され、吹出部10が設けられるヘッド部4とを備えており、
ヘッド部4が、本体部3に対して前後傾動可能に支持されている送風装置。
【0127】
上記のように構成した送風装置によれば、ヘッド部4を傾動させることで吹出部10から吹出される空気の送給方向を調整することができるので、吊り具2で保持された本体部3の姿勢に関わらず、ユーザーの顔前の任意の位置に空気を送給することが可能となる。例えば顔面から離れた位置に空気を送給することも可能であり、その場合には、オゾンモードにおいて、ユーザーがオゾン臭を感じることを抑えることができる。
【0128】
動作モードが、本体部3に対するヘッド部4の傾動姿勢によってオゾンモードまたは送風モードのいずれか一方のモードに切換えられるように構成されている送風装置。
【0129】
上記のように構成した送風装置によれば、ヘッド部4を傾動操作する単純な操作で動作モードを切換え操作することができる。また、ユーザーは、ヘッド部4の姿勢を視認あるいは手で触れて確認することで、送風装置がいずれの動作モードで動作しているかを容易に識別できる。
【0130】
本体部3の上下の伸び方向を垂直軸と一致させたとき、
ヘッド部4は、側面視において、吹出部10の吹出方向が垂直軸と一致する起立姿勢と、吹出部10の吹出方向が垂直軸に対して前傾する前傾姿勢との間で、本体部3に対して変位可能に支持されており、
ヘッド部4が起立姿勢とされたとき、動作モードが送風モードとなり、ヘッド部4が前傾姿勢とされたとき、動作モードがオゾンモードとなるように構成されている送風装置。
【0131】
上記のように構成した送風装置によれば、ヘッド部4が起立姿勢とされたとき、すなわち空気の送給方向が顔面に近く、顔に触れる空気が多いときには、送風装置を送風モードで駆動して、的確に快適な涼感をユーザーに与えることができる。また、ヘッド部4が前傾姿勢のとき、すなわち空気の送給方向が顔面から離れ、顔前により多くの空気が送給されるときには、送風装置をオゾンモードで駆動して、花粉やウイルスを的確に不活化処理し減量することができる。
【0132】
ヘッド部4は、起立姿勢および前傾姿勢に加え、さらに吹出部10の吹出方向が垂直軸に対して後傾する後傾姿勢に変位可能に支持されており、
ヘッド部4が後傾姿勢とされたとき、動作モードが送風モードとなるように構成されている送風装置。
【0133】
上記のように構成した送風装置によれば、ヘッド部4を後傾姿勢としたとき、動作モードが送風モードとなり、顔面から首元に亘ってオゾンを含まない空気を送給することができるので、ユーザーに対してより快適な涼感を与えることができる。
【0134】
ヘッド部4が前傾姿勢とされたことを検知する姿勢検知体62を備え、
姿勢検知体62がオンのとき、オゾンモードとされ、姿勢検知体62がオフのとき、送風モードとなるように構成されている送風装置。
【0135】
上記のように構成した送風装置によれば、オゾン発生部35の駆動状態を電気的に制御することが可能となり、例えば空気流路8に開閉バルブを設け、該開閉バルブで機械的にオゾン発生部35が放出したオゾンを遮断する場合に比べて、送風装置の構成を簡素化できる。
【0136】
空気流路8は、送風手段19が配される上流流路11と、該上流流路11の吹出部10側において分岐される、第1下流流路13と第2下流流路14とで構成されており、
吹出部10は、第1下流流路13で送給される空気が吹出される第1吹出部15と、第2下流流路14で送給される空気が吹出される第2吹出部16とを備え、第1下流流路13にオゾン発生部35、および同流路13を開閉する開閉手段65が設けられており、
ヘッド部4が起立姿勢のとき、第1下流流路13が開閉手段65で閉塞されるように構成されている送風装置。
【0137】
上記のように構成した送風装置によれば、オゾンモードにおいては、両吹出部15・16から空気が送給されるのに対して、送風モードにおいては、一方の第2吹出部16からのみ空気が送給される。したがって、送風モードにおいて送給される空気の勢いを強くすることができ、より快適な涼感を付与することができる。
【0138】
空気流路8に、同流路8を流れる空気に含まれる花粉やウイルスを不活化処理あるいは除去する浄化部24が設けられている送風装置。
【0139】
上記のように構成した送風装置によれば、浄化部24で空気流路8を流れる空気を浄化し、送風モードにおいて浄化された空気を顔面に送給でき、さらに快適な涼感を付与することができる。また、オゾンモードにおいては、オゾンを含む空気による花粉やウイルスの不活化処理に加えて、空気流路8に取り込んだユーザー周囲の空気を浄化することができる。
【0140】
吹出部10は、左右方向に並列される一群の吹出口49を備えており、
吹出部10が、上方に行くにしたがって左右方向に広がる扇状の空気の流れを形成できるように構成されている送風装置。
【0141】
上記のように構成した送風装置によれば、吹出部10の左右幅より大きな幅のエアカーテンを顔前に形成できる。また、扇状のエアカーテンによる空気の仕切りを顔前に形成できるので、オゾンモードにおいては、浮遊する花粉やウイルスより効果的に不活化処理することができる。また、送風モードにおいては、顔面の広範な領域に空気を送給して、より快適な涼感をユーザーに与えることができる。
オゾンモードおよび送風モードにおけるエアカーテンは、送風装置のユーザーと対面者との間の空気の仕切りとなるので、食事や会話の際における相手方への空気の移動をエアカーテンで抑制して、口臭等を気にすることなく食事や会話を楽しむことができる。またウイルス等の感染予防も期待できる。エアカーテンによる仕切りは不可視であるので、エアカーテンが気になることもない。エアカーテンによる空気の仕切りは、空気にオゾンが含まれるオゾンモード時においては、オゾンによる不活化処理で除菌、消臭を行うことができる点で、より有効である。
【0142】
各吹出口49から吹出される空気の風圧が、吹出部10の左右中央から左右の各端部側に行くほど大きくなるように設定されている送風装置。
【0143】
上記のように構成した送風装置によれば、吹出部10の左右端側から吹出される空気をより上方まで送給して、エアカーテンの左右部分をその中央部分と同等の高さ位置まで形成できるので、より広範なエアカーテンを形成することができる。
【0144】
本体部3に、吊り具2の各端部が連結される左右一対の吊り具連結部56が設けられており、
吊り具連結部56が、送風手段19よりも上方に配されている送風装置。
【0145】
上記のように構成した送風装置によれば、本体部3が吊持される位置よりも下側に送風手段19を配して本体部3の重心位置を下方に寄せることができるので、安定した状態で装置本体1を首から吊り下げ保持することができる。
【0146】
吊り具連結部56が、オゾン発生部35よりも上方に配されている送風装置。
【0147】
上記のように構成した送風装置によれば、本体部3が吊持される位置よりも下側にオゾン発生部35を配して本体部3の重心位置をより下方に寄せることができるので、より安定した状態で装置本体1を首から吊り下げ保持することができる。
【0148】
吊り具連結部56が、浄化部24よりも上方に配されている送風装置。
【0149】
上記のように構成した送風装置によれば、本体部3が吊持される位置よりも下側に浄化部24を配して本体部3の重心位置を下方に寄せることができるので、安定した状態で装置本体1を首から吊り下げ保持することができる。
【符号の説明】
【0150】
1 装置本体
2 吊り具
3 本体部
4 ヘッド部
8 空気流路
10 吹出部
11 上流流路
13 第1下流流路
14 第2下流流路
15 第1吹出部
16 第2吹出部
19 送風手段
24 浄化部
35 オゾン発生部(吹出用オゾン発生部)
49 吹出口
56 吊り具連結部
62 姿勢検知体(前傾スイッチ)
65 開閉手段
75 吹出ノズル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10