(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】検出装置
(51)【国際特許分類】
H04N 25/70 20230101AFI20241024BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
H04N25/70
H01L27/146 C
(21)【出願番号】P 2021010588
(22)【出願日】2021-01-26
【審査請求日】2023-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小出 元
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 恵一
(72)【発明者】
【氏名】中村 卓
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-165130(JP,A)
【文献】特開2012-194198(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 25/70
H01L 27/146
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリクス状に配列された複数の光センサ
と、
行方向に並ぶ前記光センサにゲート駆動信号を供給する第1ゲート線駆動回路と、
前記光センサを順バイアスすることによって前記光センサの特性を初期状態に戻すリフレッシュ動作を行うリフレッシュ期間において、行方向に並ぶ前記光センサに順バイアス電位を供給するためのリフレッシュ信号を供給する第2ゲート線駆動回路と、
列方向に並ぶ前記光センサを逆バイアスするための基準電位を供給するリセット回路と、
列方向に並ぶ前記光センサからの信号が供給される検出回路と、
を備え、
前記光センサを逆バイアスすることによって前記光センサから出力される信号を検出し、
所定期間ごとに、前
記リフレッシュ動作を行う、
検出装置。
【請求項2】
前記第2ゲート線駆動回路は、行読み出し期間ごとに、前記リフレッシュ信号を供給する、
請求項
1に記載の検出装置。
【請求項3】
前記第2ゲート線駆動回路は、所定の行読み出し期間ごとに、前記リフレッシュ信号を供給する、
請求項
1又は
2に記載の検出装置。
【請求項4】
前記第2ゲート線駆動回路は、所定フレームごとに一括して、前記リフレッシュ信号を供給する、
請求項
1から
3の何れか一項に記載の検出装置。
【請求項5】
前記第2ゲート線駆動回路は、前記検出回路のオンシーケンスにおいて、前記リフレッシュ信号を供給する、
請求項
1から
4の何れか一項に記載の検出装置。
【請求項6】
前記第2ゲート線駆動回路は、前記検出回路のオフシーケンスにおいて、前記リフレッシュ信号を供給する、
請求項
1から
5の何れか一項に記載の検出装置。
【請求項7】
マトリクス状に配列された複数の光センサ
と、
行方向に並ぶ前記光センサにゲート駆動信号を供給する第1ゲート線駆動回路と、
行方向に並ぶ前記光センサに順バイアス電位を供給するためのリフレッシュ信号を供給する第2ゲート線駆動回路と、
列方向に並ぶ前記光センサからの信号が供給される検出回路と、
を備え、
前記光センサを逆バイアスすることによって前記光センサから出力される信号を検出し、
所定期間ごとに、前記光センサを順バイアスすることによって前記光センサの特性を初期状態に戻すリフレッシュ動作を行
い、
前記検出回路は、
前記リフレッシュ動作を行うリフレッシュ期間において、複数の前記光センサを逆バイアスするための基準電位を供給する、
検出装置。
【請求項8】
前記第2ゲート線駆動回路は、行読み出し期間ごとに、前記リフレッシュ信号を供給する、
請求項
7に記載の検出装置。
【請求項9】
前記第2ゲート線駆動回路は、所定の行読み出し期間ごとに、前記リフレッシュ信号を供給する、
請求項
7又は
8に記載の検出装置。
【請求項10】
前記第2ゲート線駆動回路は、所定フレームごとに一括して、前記リフレッシュ信号を供給する、
請求項
7から
9の何れか一項に記載の検出装置。
【請求項11】
前記第2ゲート線駆動回路は、前記検出回路のオンシーケンスにおいて、前記リフレッシュ信号を供給する、
請求項
7から
10の何れか一項に記載の検出装置。
【請求項12】
前記第2ゲート線駆動回路は、前記検出回路のオフシーケンスにおいて、前記リフレッシュ信号を供給する、
請求項
7から
11の何れか一項に記載の検出装置。
【請求項13】
マトリクス状に配列された複数の光センサ
と、
行方向に並ぶ前記光センサにゲート駆動信号を供給するゲート線駆動回路と、
列方向に並ぶ前記光センサを逆バイアスするための基準電位を供給する第1リセット回路と、
前記光センサを順バイアスすることによって前記光センサの特性を初期状態に戻すリフレッシュ動作を行うリフレッシュ期間において、行方向に並ぶ前記光センサを順バイアスするためのリフレッシュ電位を供給する第2リセット回路と、
列方向に並ぶ前記光センサからの信号が供給される検出回路と、
を備え、
前記光センサを逆バイアスすることによって前記光センサから出力される信号を検出し、
所定期間ごとに、前
記リフレッシュ動作を行う、
検出装置。
【請求項14】
前記第2リセット回路は、行読み出し期間ごとに、前記リフレッシュ電位を供給する、
請求項
13に記載の検出装置。
【請求項15】
前記第2リセット回路は、所定の行読み出し期間ごとに、前記リフレッシュ電位を供給する、
請求項
13又は
14に記載の検出装置。
【請求項16】
前記第2リセット回路は、所定フレームごとに一括して、前記リフレッシュ電位を供給する、
請求項
13から
15の何れか一項に記載の検出装置。
【請求項17】
前記第2リセット回路は、前記検出回路のオンシーケンスにおいて、前記リフレッシュ電位を供給する、
請求項
13から
16の何れか一項に記載の検出装置。
【請求項18】
前記第2リセット回路は、前記検出回路のオフシーケンスにおいて、前記リフレッシュ電位を供給する、
請求項
13から
17の何れか一項に記載の検出装置。
【請求項19】
マトリクス状に配列された複数の光センサ
と、
行方向に並ぶ前記光センサにゲート駆動信号を供給するゲート線駆動回路と、
列方向に並ぶ前記光センサを逆バイアスするための基準電位を供給するリセット回路と、
前記光センサを順バイアスすることによって前記光センサの特性を初期状態に戻すリフレッシュ動作を行うリフレッシュ期間において、複数の前記光センサを順バイアスするためのリフレッシュ電位を供給する電源回路と、
列方向に並ぶ前記光センサからの信号が供給される検出回路と、
を備え、
前記光センサを逆バイアスすることによって前記光センサから出力される信号を検出し、
所定期間ごとに、前
記リフレッシュ動作を行う、
検出装置。
【請求項20】
前記電源回路は、所定フレームごとに一括して、前記リフレッシュ電位を供給する、
請求項
19に記載の検出装置。
【請求項21】
前記電源回路は、前記検出回路のオンシーケンスにおいて、前記リフレッシュ電位を供給する、
請求項
19又は
20に記載の検出装置。
【請求項22】
前記電源回路は、前記検出回路のオフシーケンスにおいて、前記リフレッシュ電位を供給する、
請求項
19から
21の何れか一項に記載の検出装置。
【請求項23】
前記リフレッシュ動作を行う際に光源を消灯する、
請求項1から
22の何れか一項に記載の検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、個人認証等に用いられる生体センサとして、光学式の生体センサが知られている。生体センサとして、指紋センサ(例えば、特許文献1参照)や静脈センサが知られている。特許文献1に記載されている指紋センサは、フォトダイオード等の光電変換素子が半
導体基板上に複数配列されている。光電変換素子は、照射される光量に応じて出力される信号が変化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2018/0012069号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
検出用の光電変換素子として、例えば有機受光素子(OPD:Organic Photo Diode)等の有機光検出器(Organic Photo Detector)が知られている。OPDを用いた検出装置では、有機半導体層にバラツキが生じた場合、OPDの特性にバラツキが生じて検出精度が低下する可能性がある。
【0005】
本発明は、検出精度を向上させることができる検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る検出装置は、マトリクス状に配列された複数の光センサを備え、前記光センサを逆バイアスすることによって前記光センサから出力される信号を検出し、所定期間ごとに、前記光センサを順バイアスすることによって前記光センサの特性を初期状態に戻すリフレッシュ動作を行う。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る検出装置を示す平面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る検出装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る検出装置を示す回路図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る検出装置の複数の部分検出領域を示す回路図である。
【
図5】
図5は、光センサのダイオード特性の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る検出装置の動作例を表すタイミング波形図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る検出装置の読み出し期間の動作例を表すタイミング波形図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る検出装置の読み出し期間における光センサのカソード電位及び信号線電位の変動の一例を示す波形図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態の第1変形例に係る読み出し期間の動作例を表すタイミング波形図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態の第2変形例に係る検出装置のリフレッシュ動作タイミングの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態に係る検出装置を示す平面図である。
【
図12】
図12は、第2実施形態に係る検出装置の構成例を示すブロック図である。
【
図13】
図13は、第2実施形態に係る検出装置を示す回路図である。
【
図14】
図14は、第2実施形態に係る検出装置の複数の部分検出領域を示す回路図である。
【
図15】
図15は、第2実施形態に係る検出装置の動作例を表すタイミング波形図である。
【
図16】
図16は、第2実施形態に係る検出装置の読み出し期間の動作例を表すタイミング波形図である。
【
図17】
図17は、第2実施形態の第1変形例に係る読み出し期間の動作例を表すタイミング波形図である。
【
図18】
図18は、第2実施形態の第2変形例に係る検出装置のリフレッシュ動作タイミングの一例を示す図である。
【
図19】
図19は、第3実施形態に係る検出装置を示す平面図である。
【
図20】
図20は、第3実施形態に係る検出装置の構成例を示すブロック図である。
【
図21】
図21は、第3実施形態に係る検出装置を示す回路図である。
【
図22】
図22は、第3実施形態に係る検出装置の複数の部分検出領域を示す回路図である。
【
図23】
図23は、第3実施形態に係る検出装置の動作例を表すタイミング波形図である。
【
図24】
図24は、第3実施形態に係る検出装置の読み出し期間の動作例を表すタイミング波形図である。
【
図25】
図25は、第3実施形態の第1変形例に係る読み出し期間の動作例を表すタイミング波形図である。
【
図26】
図26は、第3実施形態の第2変形例に係る検出装置のリフレッシュ動作タイミングの一例を示す図である。
【
図27】
図27は、第4実施形態に係る検出装置を示す平面図である。
【
図28】
図28は、第4実施形態に係る検出装置の構成例を示すブロック図である。
【
図29】
図29は、第4実施形態に係る検出装置を示す回路図である。
【
図30】
図30は、第4実施形態に係る検出装置の複数の部分検出領域を示す回路図である。
【
図31】
図31は、第4実施形態に係る検出装置の動作例を表すタイミング波形図である。
【
図32】
図32は、第4実施形態に係る検出装置の読み出し期間の動作例を表すタイミング波形図である。
【
図33】
図33は、第4実施形態に係る検出装置のリフレッシュ動作タイミングの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る検出装置を示す平面図である。
図1に示すように、検出装置1は、センサ基材21と、センサ部10と、ゲート線駆動回路15と、信号線選択回路16と、リセット回路17と、検出回路48と、制御回路122と、電源回路123と、第1光源基材51と、第2光源基材52と、第1光源61と、第2光源62と、を有する。第1光源基材51には、複数の第1光源61が設けられる。第2光源基材52には複数の第2光源62が設けられる。
【0010】
センサ基材21には、フレキシブルプリント基板71を介して制御基板121が電気的に接続される。フレキシブルプリント基板71には、検出回路48が設けられている。制御基板121には、制御回路122及び電源回路123が設けられている。本開示において、センサ基材21は、後述する複数の光センサPD(OPD:Organic Photo Diode)が形成される有機半導体層が設けられている。有機半導体層は、近赤外光(例えば、波長850nmの光)に感度を持つ材料を用いている。
【0011】
制御回路122は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)である。制御回路122は、センサ部10、ゲート線駆動回路15、信号線選択回路16、及びリセット回路17に制御信号を供給して、センサ部10の検出動作を制御する。また、制御回路122は、第1光源61及び第2光源62に制御信号を供給して、第1光源61及び第2光源62の点灯又は非点灯を制御する。
【0012】
電源回路123は、センサ電源電位VDDSNS(
図4参照)等の電圧信号をセンサ部10、ゲート線駆動回路15、信号線選択回路16、及びリセット回路17に供給する。また、電源回路123は、電源電圧を第1光源61及び第2光源62に供給する。
【0013】
センサ基材21は、検出領域AAと、周辺領域GAとを有する。検出領域AAは、センサ部10が有する複数の光センサPD(
図4参照)が設けられた領域である。周辺領域GAは、検出領域AAの外周と、センサ基材21の端部との間の領域であり、光センサPDが設けられない領域である。
【0014】
ゲート線駆動回路15、信号線選択回路16、及びリセット回路17は、周辺領域GAに設けられる。具体的には、ゲート線駆動回路15は、周辺領域GAのうち第2方向Dyに沿って延在する領域に設けられる。信号線選択回路16は、周辺領域GAのうち第1方向Dxに沿って延在する領域に設けられ、センサ部10と検出回路48との間に設けられる。リセット回路17は、周辺領域GAのうち第1方向Dxに沿って延在する領域に設けられる。
図1において、リセット回路17は、センサ部10の図中上側に設けられた例を示したが、信号線選択回路16と同様に、センサ部10と検出回路48との間に設けられる態様であっても良い。
【0015】
なお、第1方向Dxは、センサ基材21と平行な面内の一方向である。第2方向Dyは、センサ基材21と平行な面内の一方向であり、第1方向Dxと直交する方向である。なお、第2方向Dyは、第1方向Dxと直交しないで交差してもよい。また、第3方向Dzは、第1方向Dx及び第2方向Dyと直交する方向であり、センサ基材21の法線方向である。
【0016】
複数の第1光源61は、第1光源基材51に設けられ、第2方向Dyに沿って配列される。複数の第2光源62は、第2光源基材52に設けられ、第2方向Dyに沿って配列される。第1光源基材51及び第2光源基材52は、それぞれ、制御基板121に設けられた端子部124、125を介して、制御回路122及び電源回路123と電気的に接続される。
【0017】
複数の第1光源61及び複数の第2光源62は、例えば、無機LED(Light Emitting Diode)や、有機EL(OLED:Organic Light Emitting Diode)等が用いられる。
【0018】
第1光源61及び第2光源から出射された光は、主に指Fg等の被検出体の表面や内部で反射されセンサ部10に入射する。これにより、センサ部10は、指Fg等の表面の凹凸の形状や、指Fg等の内部の生体に関する情報を検出することができる。生体に関する情報とは、例えば、指Fgや掌の脈波、脈拍、血管像等である。すなわち、検出装置1は、指紋を検出する指紋検出装置や、静脈などの血管パターンを検出する静脈検出装置として構成されてもよい。
【0019】
第1光源61から出射される光と、第2光源62から出射される光とは、それぞれ異なる波長を有する態様であっても良い。このように、検出装置1は、第1光源61から出射される光に基づいた検出と、第2光源62から出射される光に基づいた検出とを行うことで、種々の生体に関する情報を検出することができる。
【0020】
なお、
図1に示す第1光源61及び第2光源62の配置は、あくまで一例であり適宜変更することができる。検出装置1は、光源として複数種類の光源(第1光源61と第2光源62)が設けられている。ただし、これに限定されず、光源は1種類であってもよい。例えば、第1光源基材51及び第2光源基材52のそれぞれに、複数の第1光源61及び複数の第2光源62が配置されていてもよい。また、第1光源61及び第2光源62が設けられる光源基材は1つ又は3つ以上であってもよい。あるいは、光源は、少なくとも1つ以上配置されていればよい。また、光源は、例えば、検出領域AAの直下に設けられた、いわゆる直下型のバックライトであっても良い。
【0021】
図2は、第1実施形態に係る検出装置の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、検出装置1は、さらに検出制御部11と検出部40と、有する。検出制御部11の機能の一部又は全部は、制御回路122に含まれる。また、検出部40のうち、検出回路48以外の機能の一部又は全部は、制御回路122に含まれる。
【0022】
センサ部10は、複数の光センサPD(
図4参照)を有する。光センサPDは、光電変換素子であり、それぞれに照射される光に応じた電気信号を、検出信号Vdetとして信号線選択回路16に出力する。本開示において、光センサPDは、OPD(Organic Photo Diode)である。また、センサ部10は、ゲート線駆動回路15から供給されるゲート駆動信号Vgclにしたがって検出を行う。
【0023】
検出制御部11は、ゲート線駆動回路15、信号線選択回路16及び検出部40にそれぞれ制御信号を供給し、これらの動作を制御する回路である。検出制御部11は、スタート信号STV、クロック信号CK、リセット信号RST1等の各種制御信号をゲート線駆動回路15に供給する。また、検出制御部11は、選択信号ASW等の各種制御信号を信号線選択回路16に供給する。また、検出制御部11は、各種制御信号を第1光源61及び第2光源62に供給して、それぞれの点灯及び非点灯を制御する。
【0024】
第1実施形態において、ゲート線駆動回路15は、第1ゲート線駆動回路15a及び第2ゲート線駆動回路15bを含む。
【0025】
第1ゲート線駆動回路15aは、各種制御信号に基づいて複数の第1ゲート線GCL1(
図3参照)を駆動する回路である。第1ゲート線駆動回路15aは、複数の第1ゲート線GCL1を順次又は同時に選択し、選択された第1ゲート線GCL1にゲート駆動信号Vgclを供給する。これにより、第1ゲート線駆動回路15aは、第1ゲート線GCL1に電気的に接続された複数の光センサPDを選択して、ゲート駆動信号Vgclを供給する。
【0026】
第2ゲート線駆動回路15bは、各種制御信号に基づいて複数の第2ゲート線GCL2(
図3参照)を駆動する回路である。第2ゲート線駆動回路15bは、複数の第2ゲート線GCL2を順次又は同時に選択し、選択された第2ゲート線GCL2にリフレッシュ信号RST3を供給する。これにより、第2ゲート線駆動回路15bは、第2ゲート線GCL2に電気的に接続された複数の光センサPDを選択して、順バイアス電位RFを供給する。
【0027】
信号線選択回路16は、複数の信号線SGL(
図3参照)を順次又は同時に選択するスイッチ回路である。信号線選択回路16は、例えばマルチプレクサである。信号線選択回路16は、検出制御部11から供給される選択信号ASWに基づいて、選択された信号線SGLと検出回路48とを電気的に接続する。これにより、信号線選択回路16は、光センサPDの検出信号Vdetを検出部40に出力する。
【0028】
リセット回路17は、複数の信号線SGL(
図3参照)を同時に選択して、光センサPDを逆バイアスするための基準電位COMを印加するスイッチ回路である。リセット回路17は、例えばマルチプレクサである。リセット回路17は、検出制御部11から供給される第2リセット信号RST2に基づいて、各信号線SGLに基準電位COMを供給する。
【0029】
検出部40は、検出回路48と、信号処理部44と、座標抽出部45と、記憶部46と、検出タイミング制御部47と、画像処理部49と、出力処理部50とを備える。検出タイミング制御部47は、検出制御部11から供給される制御信号に基づいて、検出回路48と、信号処理部44と、座標抽出部45と、画像処理部49と、が同期して動作するように制御する。
【0030】
検出回路48は、例えばアナログフロントエンド回路(AFE:Analog Front End)である。検出回路48は、少なくとも検出信号増幅部42及びA/D変換部43の機能を有する信号処理回路である。検出信号増幅部42は、検出信号Vdetを増幅する。A/D変換部43は、検出信号増幅部42から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0031】
信号処理部44は、検出回路48の出力信号に基づいて、センサ部10に入力された所定の物理量を検出する論理回路である。信号処理部44は、指Fgが検出面に接触又は近接した場合に、検出回路48からの信号に基づいて指Fgや掌の表面の凹凸を検出できる。また、信号処理部44は、検出回路48からの信号に基づいて生体に関する情報を検出できる。生体に関する情報は、例えば、指Fgや掌の血管像、脈波、脈拍、血中酸素濃度等である。
【0032】
また、信号処理部44は、複数の光センサPDにより同時に検出された検出信号Vdet(生体に関する情報)を取得し、これらを平均化する処理を実行してもよい。この場合、検出部40は、ノイズや、指Fg等の被検出体とセンサ部10との相対的な位置ずれに起因する測定誤差を抑制して、安定した検出が可能となる。
【0033】
記憶部46は、信号処理部44で演算された信号を一時的に保存する。記憶部46は、例えばRAM(Random Access Memory)、レジスタ回路等であってもよい。
【0034】
座標抽出部45は、信号処理部44において指の接触又は近接が検出されたときに、指等の表面の凹凸の検出座標を求める論理回路である。また、座標抽出部45は、指Fgや掌の血管の検出座標を求める論理回路である。画像処理部49は、センサ部10の各光センサPDから出力される検出信号Vdetを組み合わせて、指Fg等の表面の凹凸の形状を示す二次元情報及び指Fgや掌の血管の形状を示す二次元情報を生成する。なお、座標抽出部45は、検出座標を算出せずにセンサ出力Voとして検出信号Vdetを出力してもよい。また、座標抽出部45及び画像処理部49は、検出部40に含まれていない場合であってもよい。
【0035】
出力処理部50は、複数の光センサPDからの出力に基づいた処理を行う処理部として機能する。具体的には、実施形態の出力処理部50は、少なくとも、信号処理部44を経て取得された検出信号Vdetに基づいて、少なくとも脈波データを含むセンサ出力Voを出力する。実施形態では、後述する各光センサPDの検出信号Vdetの出力の変化(振幅)を示すデータを信号処理部44が出力し、どの出力がセンサ出力Voに採用されるかを出力処理部50が決定するが、この両方を信号処理部44又は出力処理部50が行うようにしてもよい。なお、出力処理部50は、座標抽出部45が求めた検出座標、画像処理部49が生成した二次元情報等をセンサ出力Voに含めるようにしてもよい。また、出力処理部50の機能は、他の構成(例えば、画像処理部49等)に統合されてもよい。
【0036】
次に、検出装置1の回路構成例について説明する。
図3は、検出装置を示す回路図である。
図3に示すように、センサ部10は、マトリクス状に配列された複数の部分検出領域PAAを有する。複数の部分検出領域PAAには、それぞれ光センサPDが設けられている。
【0037】
第1ゲート線GCL1は、第1方向Dxに延在し、第1方向Dxに配列された複数の部分検出領域PAAと接続される。また、複数の第1ゲート線GCL1は、第2方向Dyに配列され、それぞれ第1ゲート線駆動回路15aに接続される。また、
図3では、説明を分かりやすくするために、8本の第1ゲート線GCL1を示しているが、あくまで一例であり、これに限定されない。
【0038】
第2ゲート線GCL2は、第1方向Dxに延在し、第1方向Dxに配列された複数の部分検出領域PAAと接続される。また、複数の第2ゲート線GCL2は、第2方向Dyに配列され、それぞれ第2ゲート線駆動回路15bに接続される。また、
図3では、説明を分かりやすくするために、8本の第2ゲート線GCL2を示しているが、あくまで一例であり、これに限定されない。
【0039】
信号線SGLは、第2方向Dyに延在し、第2方向Dyに配列された複数の部分検出領域PAAの光センサPDに接続される。また、複数の信号線SGLは、第1方向Dxに配列されて、それぞれ信号線選択回路16及びリセット回路17に接続される。また、
図3では、説明を分かりやすくするために、12本の信号線SGLを示しているが、あくまで一例であり、これに限定されない。
【0040】
また、
図3では、信号線選択回路16とリセット回路17との間にセンサ部10が設けられている。これに限定されず、信号線選択回路16とリセット回路17とは、信号線SGLの同じ方向の端部にそれぞれ接続されていてもよい。
【0041】
第1ゲート線駆動回路15aは、スタート信号STV1、クロック信号CK1、第1リセット信号RST1等の各種制御信号を、制御回路122(
図1参照)から受け取る。第1ゲート線駆動回路15aは、各種制御信号に基づいて、複数の第1ゲート線GCL1を時分割的に順次選択する。第1ゲート線駆動回路15aは、選択された第1ゲート線GCL1にゲート駆動信号Vgclを供給する。これにより、第1ゲート線GCL1に接続された複数の第1スイッチング素子Tr1(
図4参照)にゲート駆動信号Vgclが供給され、第1方向Dxに配列された複数の部分検出領域PAAが、検出対象として選択される。
【0042】
なお、第1ゲート線駆動回路15aは、指紋の検出及び異なる複数の生体に関する情報(脈波、脈拍、血管像、血中酸素濃度等)のそれぞれの検出モードごとに、異なる駆動を実行してもよい。例えば、第1ゲート線駆動回路15aは、複数の第1ゲート線GCL1を束ねて駆動してもよい。
【0043】
第2ゲート線駆動回路15bは、スタート信号STV2、クロック信号CK2、リフレッシュ信号RST3等の各種制御信号を、制御回路122(
図1参照)から受け取る。第2ゲート線駆動回路15bは、各種制御信号に基づいて、複数の第2ゲート線GCL2を時分割的に順次選択する。第2ゲート線駆動回路15bは、選択された第2ゲート線GCL2にリフレッシュ信号RST3を供給する。これにより、第2ゲート線GCL2に接続された複数の第4スイッチング素子Tr4(
図4参照)にリフレッシュ信号RST3が供給され、第1方向Dxに配列された複数の部分検出領域PAAが、検出対象として選択される。
【0044】
第2ゲート線駆動回路15bは、リフレッシュ信号RST3を第2ゲート線GCL2に供給する。これにより、複数の第4スイッチング素子Tr4(
図4参照)がオンになり、選択された第2ゲート線GCL2は順バイアス電位線Lvr2と電気的に接続される。電源回路123は、順バイアス電位RFを順バイアス電位線Lvr2に供給する。これにより、複数の部分検出領域PAAに含まれる光センサPD(
図4参照)のカソードに順バイアス電位RFが供給される。本開示において、順バイアス電位RFは、例えば-2[V]である。
【0045】
なお、第2ゲート線駆動回路15bは、指紋の検出及び異なる複数の生体に関する情報(脈波、脈拍、血管像、血中酸素濃度等)のそれぞれの検出モードごとに、異なる駆動を実行してもよい。例えば、第2ゲート線駆動回路15bは、複数の第2ゲート線GCL2を束ねて駆動してもよい。
【0046】
信号線選択回路16は、複数の選択信号線Lselと、複数の出力信号線Loutと、第2スイッチング素子Tr2と、を有する。複数の第2スイッチング素子Tr2は、それぞれ複数の信号線SGLに対応して設けられている。
図3に示す12本の信号線SGLのうち、6本の信号線SGLは、共通の出力信号線Lout1に接続される。また、
図3に示す12本の信号線SGLのうち、6本の信号線SGLは、共通の出力信号線Lout2に接続される。出力信号線Lout1、Lout2は、それぞれ検出回路48に接続される。
【0047】
制御回路122(
図1参照)は、選択信号ASWを順次選択信号線Lselに供給する。これにより、信号線選択回路16は、第2スイッチング素子Tr2の動作により、1つの信号線ブロックにおいて信号線SGLを時分割的に順次選択する。また、信号線選択回路16は、複数の信号線ブロックでそれぞれ1本ずつ信号線SGLを選択する。このような構成により、検出装置1は、検出回路48を含むIC(Integrated Circuit)の数、又はICの端子数を少なくすることができる。なお、信号線選択回路16は、複数の信号線SGLを束ねて検出回路48に電気的に接続してもよい。
【0048】
図3に示すように、リセット回路17は、基準電位線Lvr1、リセット信号線Lrst及び第3スイッチング素子Tr3を有する。第3スイッチング素子Tr3は、複数の信号線SGLに対応して設けられている。基準電位線Lvr1は、複数の第3スイッチング素子Tr3のソース又はドレインの一方に接続される。リセット信号線Lrstは、複数の第3スイッチング素子Tr3のゲートに接続される。
【0049】
制御回路122は、第2リセット信号RST2をリセット信号線Lrstに供給する。これにより、複数の第3スイッチング素子Tr3がオンになり、複数の信号線SGLは基準電位線Lvr1と電気的に接続される。電源回路123は、基準電位COMを基準電位線Lvr1に供給する。これにより、複数の部分検出領域PAAに含まれる容量素子Ca(
図4参照)に基準電位COMが供給される。本開示において、基準電位COMは、例えば0.75[V]である。
【0050】
図4は、第1実施形態に係る検出装置の複数の部分検出領域を示す回路図である。なお、
図4では、検出回路48の回路構成も併せて示している。
図4に示すように、部分検出領域PAAは、光センサPDと、容量素子Caと、第1スイッチング素子Tr1と、第4スイッチング素子Tr4とを含む。容量素子Caは、光センサPDに形成される容量(センサ容量)であり、等価的に光センサPDと並列に接続される。さらに、信号線容量Ccは、信号線SGLに形成される寄生容量であり、等価的に、信号線SGLと、光センサPDのアノード及び容量素子Caの一端側との間に形成される。
【0051】
図4では、複数の第1ゲート線GCL1のうち、第2方向Dyに並ぶ2つの第1ゲート線GCL1(m)、GCL1(m+1)を示す。また、複数の第2ゲート線GCL2のうち、第2方向Dyに並ぶ2つの第2ゲート線GCL2(m)、GCL2(m+1)を示す。また、複数の信号線SGLのうち、第1方向Dxに並ぶ2つの信号線SGL(n)、SGL(n+1)を示す。部分検出領域PAAは、ゲート線GCLと信号線SGLとで囲まれた領域である。
【0052】
第1スイッチング素子Tr1は、光センサPDに対応して設けられる。第1スイッチング素子Tr1は、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFT(Thin Film Transistor)で構成されている。
【0053】
第1方向Dxに並ぶ複数の部分検出領域PAAに属する第1スイッチング素子Tr1のゲートは、第1ゲート線GCL1に接続される。第2方向Dyに並ぶ複数の部分検出領域PAAに属する第1スイッチング素子Tr1のソースは、信号線SGLに接続される。第1スイッチング素子Tr1のドレインは、光センサPDのカソード及び容量素子Caに接続される。
【0054】
第1方向Dxに並ぶ複数の部分検出領域PAAに属する第4スイッチング素子Tr4のゲートは、第2ゲート線GCL2に接続される。第2方向Dyに並ぶ複数の部分検出領域PAAに属する第4スイッチング素子Tr4のソースは、順バイアス電位線Lvr2に接続される。第4スイッチング素子Tr4のドレインは、光センサPDのカソード及び容量素子Caに接続される。
【0055】
光センサPDのアノードには、電源回路123からセンサ電源電位VDDSNSが供給される。本開示において、センサ電源電位VDDSNSは、例えば-1.25[V]である。また、信号線SGL、光センサPDのカソード及び容量素子Caには、電源回路123から、第3スイッチング素子Tr3を介して容量素子Caの初期電位となる基準電位COMが供給される。また、信号線SGL、光センサPDのカソード及び容量素子Caには、電源回路123から、第4スイッチング素子Tr4を介して、光センサPDのリフレッシュ電位となる順バイアス電位RFが供給される。
【0056】
部分検出領域PAAに光が照射されると、光センサPDには光量に応じた電流が流れ、これにより容量素子Caに電荷が蓄積される。第1スイッチング素子Tr1がオンになると、容量素子Caに蓄積された電荷に応じて、信号線SGLに電流が流れる。信号線SGLは、信号線選択回路16の第2スイッチング素子Tr2を介して検出回路48に電気的に接続される。これにより、検出装置1は、部分検出領域PAAごとに光センサPDに照射される光の光量に応じた信号を検出できる。
【0057】
また、第1スイッチング素子Tr1及び第3スイッチング素子Tr3がオン、第4スイッチング素子Tr4がオフになると、容量素子Caに基準電位COMが供給される。これにより、容量素子Caが初期電位(基準電位COM)にリセットされる。
【0058】
また、第1スイッチング素子Tr1及び第3スイッチング素子Tr3がオフ、第4スイッチング素子Tr4がオンになると、光センサPDのカソードに順バイアス電位RFが供給される。これにより、光センサPDが順バイアスされてリフレッシュされる。
【0059】
検出回路48は、読み出し期間Pdet(
図6参照)にスイッチSSWがオンになり、信号線SGLと電気的に接続される。検出回路48の検出信号増幅部42は、信号線SGLから供給された電流の変動を電圧の変動に変換して増幅する。検出信号増幅部42の非反転入力部(+)には、固定された電位を有する基準電位(Vref)が入力され、反転入力端子(-)には、信号線SGLが電気的に接続される。実施形態では、基準電位(Vref)として基準電位COMと同じ信号が入力される。また、検出信号増幅部42は、容量素子Cb及びリセットスイッチRSWを有する。第1リセット期間Prst1(
図6参照)において、リセットスイッチRSWがオンになり、容量素子Cbの電荷がリセットされる。
【0060】
ここで、光センサPD(OPD:Organic Photo Diode)が形成される有機半導体層にバラツキが生じた場合、OPDの特性にバラツキが生じて検出精度が低下する可能性がある。以下、有機半導体層にバラツキが生じた場合の光センサPDのダイオード特性について、
図8を参照して説明する。
【0061】
図5は、光センサのダイオード特性の一例を示す図である。
図5において、横軸は電流を示し、縦軸は電圧を示している。また、
図5において、実線は正常時のダイオード特性を示し、破線はOPDの特性バラツキによる特性変化の一例を示している。
【0062】
光センサPD(OPD:Organic Photo Diode)が形成される有機半導体層のバラツキにより、OPDの逆方向特性が破線で示したように変化する場合がある。これにより、後述する露光期間(実効露光期間)において光センサPDに流れる逆方向電流が部分検出領域PAAごとにバラツキが生じることとなり、検出精度が低下する。
【0063】
本実施形態では、所定のタイミングで光センサPDに順方向バイアス電流を流すことで、OPDの特性を初期状態(
図5に示す実線)に戻す。本開示では、このOPDの特性を初期状態に戻す動作を、「リフレッシュ動作」と称する。以下、第1実施形態に係る検出装置1の動作例について、
図6及び
図7を参照して説明する。
【0064】
図6は、第1実施形態に係る検出装置の動作例を表すタイミング波形図である。
図7は、第1実施形態に係る検出装置の読み出し期間の動作例を表すタイミング波形図である。
【0065】
図6に示すように、第1実施形態に係る検出装置1は、第1リセット期間Prst1、露光期間Pex及び読み出し期間Pdetを有する。電源回路123は、第1リセット期間Prst1、露光期間Pex及び読み出し期間Pdetに亘って、センサ電源電位VDDSNSを光センサPDのアノードに供給する。例えば、光センサPDのカソードには実質0.75[V]の基準電位COMがされているが、アノードに実質-1.25[V]のセンサ電源電位VDDSNSを印加することにより、アノード-カソード間は実質2.0Vで逆バイアスされる。制御回路122は、第2リセット信号RST2を「H」とした後にゲート線駆動回路15にスタート信号STVおよび第1クロック信号CK1を供給し、第1リセット期間Prst1が開始する。第1リセット期間Prst1において、制御回路122は、基準電位COMをリセット回路17に供給し、第2リセット信号RST2によって基準電位COMを供給するための第3スイッチング素子Tr3をオンさせる。これにより各信号線SGLには基準電位COMが供給される。基準電位COMは、例えば0.75[V]とされる。
【0066】
第1リセット期間Prst1において、第1ゲート線駆動回路15aは、第1スタート信号STV1、第1クロック信号CK1及び第1リセット信号RST1に基づいて、順次第1ゲート線GCL1を選択する。第1ゲート線駆動回路15aは、ゲート駆動信号Vgcl(Vgcl(1)~Vgcl(M))を第1ゲート線GCL1に順次供給する。ゲート駆動信号Vgclは、高レベル電圧である電源電圧VDDと低レベル電圧である電源電圧VSSとを有するパルス状の波形を有する。
図6では、M本(例えばM=256)の第1ゲート線GCL1が設けられており、各第1ゲート線GCL1に、ゲート駆動信号Vgcl(1)、…、Vgcl(M)が順次供給され、複数の第1スイッチング素子Tr1は各行毎に順次導通され、基準電位COMが供給される。この結果、容量素子Caの容量がリセットされる。
【0067】
具体的に、第1ゲート線駆動回路15aは、期間V(1)において、第1ゲート線GCL1(1)に、高レベル電圧(電源電圧VDD)のゲート駆動信号Vgcl(1)を供給する。制御回路122は、ゲート駆動信号Vgcl(1)が高レベル電圧(電源電圧VDD)の期間に、選択信号ASW1、…、ASW6のいずれか1つ(例えば、選択信号ASW1)を、信号線選択回路16に供給する。これにより、ゲート駆動信号Vgcl(1)により選択された部分検出領域PAAの信号線SGLが検出回路48に電気的に接続される。この結果、第2スイッチング素子Tr2と検出回路48との間の接続配線にも基準電位COMが供給される。
【0068】
同様に、第1ゲート線駆動回路15aは、期間V(2)、…、V(M-1)、V(M)において、第1ゲート線GCL1(2)、…、GCL1(M-1)、GCL1(M)に、それぞれ高レベル電圧のゲート駆動信号Vgcl(2)、…、Vgcl(M-1)、Vgcl(M)を供給する。
【0069】
これにより、第1リセット期間Prst1では、全ての部分検出領域PAAの容量素子Caは、順次信号線SGLと電気的に接続されて、基準電位COMが供給される。この結果、容量素子Caの容量がリセットされる。なお、部分的に第1ゲート線GCL1、および信号線SGLを選択することにより部分検出領域PAAのうち一部の容量素子Caの容量をリセットすることも可能である。
【0070】
露光するタイミングの例として、ゲート線非選択時露光制御方法と常時露光制御方法がある。ゲート線非選択時露光制御方法においては、検出対象の光センサPDに電気的に接続された全ての第1ゲート線GCL1にゲート駆動信号(Vgcl(1)~(M))が順次供給され、検出対象の全ての光センサPDに基準電位COMが供給される。その後、検出対象の光センサPDに電気的に接続された全ての第1ゲート線GCL1が低電圧(第1スイッチング素子Tr1がオフ)になると露光が開始され、露光期間Pexの間に露光が行われる。露光が終了すると前述のように検出対象の光センサPDに電気的に接続された第1ゲート線GCL1にゲート駆動信号(Vgcl(1)~(M))が順次供給され、読み出し期間Pdetに読み出しが行われる。常時露光制御方法においては、第1リセット期間Prst1、読み出し期間Pdetにおいても露光を行う制御(常時露光制御)をすることも可能である。この場合は、第1リセット期間Prst1にゲート駆動信号Vgcl(1)が第1ゲート線GCL1に供給された直後に、実効露光期間SPex(1)が開始する。ここで、実効露光期間SPex((1)・・・(M))とは光センサPDから容量素子Caへ充電される期間とされる。すなわち常時露光制御方法においては、第1スイッチング素子Trがオフになったときに実効露光期間SPex((1)・・・(M))が開始されることになる。第1リセット期間Prst1に容量素子Caにチャージされた電荷が、光照射によって光センサPDに逆方向電流(カソードからアノードへ)として流れ、容量素子Caの電位差は減少する。なお、各第1ゲート線GCL1に対応する部分検出領域PAAでの、実際の実効露光期間SPex(1)、…、SPex(M)は、開始のタイミング及び終了のタイミングが異なっている。実効露光期間SPex(1)、…、SPex(M)は、それぞれ、第1リセット期間Prst1でゲート駆動信号Vgclが高レベル電圧の電源電圧VDDから低レベル電圧の電源電圧VSSに変化したタイミングで開始される。また、実効露光期間SPex(1)、…、SPex(M)は、それぞれ、読み出し期間Pdetでゲート駆動信号Vgclが電源電圧VSSから電源電圧VDDに変化したタイミングで終了する。各実効露光期間SPex(1)、…、SPex(M)の露光時間の長さは等しい。
【0071】
ゲート線非選択時露光制御方法において、実効露光期間SPex(1)、…、SPex(M)では、各部分検出領域PAAで、光センサPDに照射された光に応じて電流が流れる。この結果、各容量素子Caに電荷が蓄積される。
【0072】
読み出し期間Pdetが開始する前のタイミングで、制御回路122は、第2リセット信号RST2を低レベル電圧にする。これにより、リセット回路17の動作が停止する。
【0073】
読み出し期間Pdetでは、第1リセット期間Prst1と同様に、第1ゲート線駆動回路15aは、第1ゲート線GCL1にゲート駆動信号Vgcl(1)、…、Vgcl(M)を順次供給する。
【0074】
具体的に、第1ゲート線駆動回路15aは、行読み出し期間VR(1)において、第1ゲート線GCL1(1)に、高レベル電圧(電源電圧VDD)のゲート駆動信号Vgcl(1)を供給する。制御回路122は、ゲート駆動信号Vgcl(1)が高レベル電圧(電源電圧VDD)の期間に、選択信号ASW1、…、ASW6を、信号線選択回路16に順次供給する。これにより、ゲート駆動信号Vgcl(1)により選択された部分検出領域PAAの信号線SGLが順次検出回路48に電気的に接続される。この結果、検出信号Vdetが部分検出領域PAAごとに検出回路48に供給される。
【0075】
同様に、第1ゲート線駆動回路15aは、行読み出し期間VR(2)、…、VR(M-1)、VR(M)において、第1ゲート線GCL1(2)、…、GCL1(M-1)、GCL1(M)に、それぞれ高レベル電圧のゲート駆動信号Vgcl(2)、…、Vgcl(M-1)、Vgcl(M)を供給する。すなわち、第1ゲート線駆動回路15aは、行読み出し期間VR(1)、VR(2)、…、VR(M-1)、VR(M)ごとに、第1ゲート線GCL1にゲート駆動信号Vgclを供給する。各ゲート駆動信号Vgclが高レベル電圧となる期間ごとに、信号線選択回路16は選択信号ASWに基づいて、順次信号線SGLを選択する。信号線選択回路16は、信号線SGLごとに順次、1つの検出回路48に電気的に接続する。これにより、読み出し期間Pdetで、検出装置1は、全ての部分検出領域PAAの検出信号Vdetを検出回路48に出力することができる。
【0076】
本実施形態では、行ごとに第1ゲート線GCL1にゲート駆動信号Vgclが供給され、所定の行に属する複数の第1スイッチング素子Trが接続状態となる。具体的には、
図7に示すように、時刻t21に、ゲート線駆動回路15は、第1ゲート線GCL1(1)に、高レベル電圧(電源電圧VDD)のゲート駆動信号Vgcl(1)を供給する。行読み出し期間VR(1)は、時刻t21において、ゲート駆動信号Vgcl(1)が高レベル電圧になるタイミングで開始される。
【0077】
具体的に、制御回路122は、ゲート駆動信号Vgcl(1)が高レベル電圧(電源電圧VDD)の期間に、選択信号ASW1、…、ASW6を、信号線選択回路16に順次供給する。選択信号ASW1、…、ASW6に応じて、第3スイッチング素子TrSが順次接続状態となる。すなわち、行ごとの読み出し期間(行読み出し期間VR(1))に、所定の行の複数の第1スイッチング素子Trが接続状態で、信号線選択回路16は、複数の信号線SGLを列ごとに所定の順番で検出回路48に電気的に接続する。この結果、検出信号Vdetが部分検出領域PAAごとに検出回路48に供給される。
【0078】
図7では、期間T11、・・・、T16の順に時分割で選択信号ASW1、…、ASW6が供給される。制御回路122は、選択信号ASW6を低レベル電圧とし、最後の列の読み出しが終了する。これにより、行読み出し期間VR(1)が終了する。
【0079】
本実施形態では、所定の行の読み出し期間(行読み出し期間VR(1))の完了後、ゲート線GCL(1)に対応する光センサPD及び複数の信号線SGLに基準電位COMを供給する前に、光センサPDに順バイアスを印加する。具体的に、第1ゲート線駆動回路15aは、行読み出し期間VR(1)の終了後にゲート駆動信号Vgcl(1)を低レベル電圧(電源電圧VSS)とし、第2ゲート線駆動回路15bは、時刻t22においてリフレッシュ信号RST3を高レベル電圧とする。これにより、複数の第1スイッチング素子Tr1がオフ、複数の第4スイッチング素子Tr4がオンになり、ゲート線GCL(1)に対応する光センサPD及び複数の信号線SGLに順バイアス電位RFが供給され、光センサPDのカソード-アノード間が0.75[V]の順バイアスとなる。
【0080】
その後、第2ゲート線駆動回路15bは、時刻t23においてリフレッシュ信号RST3を低レベル電圧とする。これにより、複数の第4スイッチング素子Tr4がオフとなる。以下、時刻t22から時刻t23までの期間を、第1実施形態における「リフレッシュ期間Pref」と称する。
【0081】
また、所定の行のリフレッシュ期間Prefの後、次の行の読み出し期間(行読み出し期間VR(2))の開始前に、所定の行に属する複数の光センサPD及び複数の信号線SGLに基準電位COMを供給する。具体的に、第1ゲート線駆動回路15aは、リフレッシュ期間Prefの終了後にゲート駆動信号Vgcl(1)を高レベル電圧とし、制御回路122は、時刻t24で第2リセット信号RST2を高レベル電圧とする。これにより、複数の第4スイッチング素子Tr4がオフ、複数の第1スイッチング素子Tr1及び複数の第3スイッチング素子Tr3がオンになり、ゲート線GCL(1)に対応する光センサPD及び複数の信号線SGLに基準電位COMが供給される。
【0082】
なお、
図7では、リフレッシュ期間Prefの終了後の時刻t24に第2リセット信号RST2を高レベル電圧としたが、
図7に破線で示したように、リフレッシュ信号RST3を高レベル電圧とする時刻t22において、第2リセット信号RST2を高レベル電圧とする態様であっても良い。
【0083】
その後、時刻t25で、第1ゲート線駆動回路15aは、ゲート駆動信号Vgcl(1)を低レベル電圧とする。これにより、所定の行の複数の第1スイッチング素子Trが非接続状態となる。また、時刻t25で、制御回路122は、第2リセット信号RST2を低レベル電圧とする。これにより、1行目の読み出し期間Pdetが終了する。以下、時刻t24から時刻t25までの期間を、第1実施形態における「第2リセット期間Prst2」と称する。
【0084】
その後、時刻t26に、ゲート線駆動回路15は、2行目のゲート線GCL(2)に、高レベル電圧(電源電圧VDD)のゲート駆動信号Vgcl(2)を供給する。以下、1行目と同様に、時刻t26から時刻t30で2行目の読み出し期間Pdetが実行される。この動作を、最終行(ゲート線GCL(256))まで繰り返し走査することで、1フレームの検出を行うことができる。
【0085】
図8は、第1実施形態に係る検出装置の読み出し期間における光センサのカソード電位及び信号線電位の変動の一例を示す波形図である。
図8において、実線は第1実施形態における光センサPDのカソード電位Vpix及び信号線電位Vsigの変動を示し、破線はリフレッシュ期間を設けなかった場合のカソード電位Vpix及び信号線電位Vsigの変動を示している。
【0086】
第2リセット期間Prst2の前にリフレッシュ期間Prefを設けていない場合、
図8に示すように、光センサPDのカソード電位Vpix及び信号線電位Vsigともに大きく変動している。一方、第1実施形態では、第2リセット期間Prst2の前にリフレッシュ期間Prefを設けることで、光センサPDのカソード電位Vpix及び信号線電位Vsigの変動を抑制することができる。なお、
図8において、行読み出し期間VR内の縦方向の一点鎖線間は各々の行を信号選択回路16で読み出している期間であり、一例として1つの行読み出し期間VR内に3つの列の読み出し期間を表しているがこれに限定されるものではない。
【0087】
このように、第1実施形態では、行読み出し期間VRごとに、第2リセット期間Prst2の前にリフレッシュ期間Prefが設けられているので、光センサPDが形成される有機半導体層にバラツキが生じている場合でも、光センサPD(OPD)の特性を初期状態に戻すことができる。すなわち、第1実施形態に係る検出装置1の検出精度の低下を抑制することができる。
【0088】
(第1変形例)
図9は、第1実施形態の第1変形例に係る読み出し期間の動作例を表すタイミング波形図である。
図7に示す例では、ラインごとにリフレッシュ期間Prefを設けた例を示したが、所定ラインごとにリフレッシュ期間Prefを設ける態様であっても良い。
図9に示す例では、ゲート駆動信号Vgcl(1)に対応する行において、行読み出し期間VR(1)の完了後、リフレッシュ期間Prefを設けず第2リセット期間Prst2を設けている。続いて、ゲート駆動信号Vgcl(1)に隣接するゲート駆動信号Vgcl(2)に対応する行において、行読み出し期間VR(2)の完了後、リフレッシュ期間Prefおよび第2リセット期間Prst2を設けている。
【0089】
(第2変形例)
図10は、第1実施形態の第2変形例に係る検出装置のリフレッシュ動作タイミングの一例を示す図である。第1実施形態及び第1変形例では、読み出し期間Pdetにリフレッシュ期間Prefを設けた例を示したが、例えば、
図10に示すように、所定フレームごとに一括してリフレッシュ期間Prefを設ける態様であっても良い。また、例えば、
図10に示すように、検出回路48のオンシーケンス、つまり検出回路48の通常の検出動作の開始前に、リフレッシュ期間Prefを設ける態様であっても良い。さらには、例えば、
図10に示すように、検出回路48のオフシーケンス、つまり検出回路48の通常の検出動作の完了後に、リフレッシュ期間Prefを設ける態様であっても良い。
【0090】
具体的に、例えば、所定フレームごとに、第2ゲート線駆動回路15bは、RST3を高レベル電圧とする。これにより、光センサPDのカソード-アノード間が0.75[V]の順バイアスとなるリフレッシュ期間Prefを設けることができる。
【0091】
また、具体的に、例えば、検出回路48の通常の検出動作の開始前に、第2ゲート線駆動回路15bは、RST3を高レベル電圧とする。この場合、ゲート駆動信号Vgcl(1)~Vgcl(M)を高レベル電圧とし、複数の第2ゲート線GCL2に対応するRST3を高レベル電圧としてもよい。これにより、光センサPDのカソード-アノード間が0.75[V]の順バイアスとなるリフレッシュ期間Prefを設けることができる。
【0092】
また、具体的に、例えば、検出回路48の通常の検出動作の完了後に、第2ゲート線駆動回路15bは、RST3を高レベル電圧とする。この場合、ゲート駆動信号Vgcl(1)~Vgcl(M)を高レベル電圧とし、複数の第2ゲート線GCL2に対応するRST3を高レベル電圧としてもよい。これにより、光センサPDのカソード-アノード間が0.75[V]の順バイアスとなるリフレッシュ期間Prefを設けることができる。
【0093】
このように、所定フレームごと、検出回路48のオンシーケンス、検出回路48のオフシーケンスの何れか1つ又は複数のリフレッシュ期間Prefを設けることで、光センサPDが形成される有機半導体層にバラツキが生じている場合でも、光センサPD(OPD)の特性を初期状態に戻すことができる。すなわち、第1実施形態に係る検出装置1の検出精度の低下を抑制することができる。
【0094】
(第2実施形態)
図11は、第2実施形態に係る検出装置を示す平面図である。
図12は、第2実施形態に係る検出装置の構成例を示すブロック図である。
図13は、第2実施形態に係る検出装置を示す回路図である。
図14は、第2実施形態に係る検出装置の複数の部分検出領域を示す回路図である。
図15は、第2実施形態に係る検出装置の動作例を表すタイミング波形図である。
図16は、第2実施形態に係る検出装置の読み出し期間の動作例を表すタイミング波形図である。以下の説明では、上述した第1実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0095】
図11から
図14に示すように、第2実施形態に係る検出装置1aは、第1実施形態のリセット回路17に相当する構成部を有していない。したがって、
図16に示すように、第2リセット期間Prst2において、各信号線SGLには、検出部40aの検出回路48aから基準電位COMが供給される。
【0096】
本実施形態では、第1実施形態と同様に、時刻t22から時刻t23までのリフレッシュ期間Prefにおいて、ゲート線GCL(1)に対応する光センサPDに順バイアスを印加する。具体的に、第1ゲート線駆動回路15aは、行読み出し期間VR(1)の終了後にゲート駆動信号Vgcl(1)を低レベル電圧(電源電圧VSS)とし、第2ゲート線駆動回路15bは、時刻t22においてリフレッシュ信号RST3を高レベル電圧とする。これにより、複数の第1スイッチング素子Tr1がオフ、複数の第4スイッチング素子Tr4がオンになり、ゲート線GCL(1)に対応する光センサPD及び複数の信号線SGLに光センサPDのリフレッシュ電位となる順バイアス電位RFが供給され、光センサPDのカソード-アノード間が0.75[V]の順バイアスとなる。
【0097】
その後の時刻t24から時刻t25までの第2リセット期間Prst2において、所定の行に属する複数の光センサPD及び複数の信号線SGLに基準電位COMを供給する。このとき、本実施形態において、制御回路122は、選択信号ASW1、…、ASW6を信号線選択回路16に供給する。これにより、検出回路48aからゲート線GCL(1)に対応する光センサPD及び複数の信号線SGLに基準電位COMが供給される。具体的には、
図14に示す検出回路48aのスイッチSSW及びリセットスイッチRSWをオンとすることにより、基準電位(Vref)がイマジナリーショートの原理で基準電位COMとして供給される。
【0098】
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、行読み出し期間VRごとに、第2リセット期間Prst2の前にリフレッシュ期間Prefが設けられているので、光センサPDが形成される有機半導体層にバラツキが生じている場合でも、光センサPD(OPD)の特性を初期状態に戻すことができる。すなわち、第2実施形態に係る検出装置1aの検出精度の低下を抑制することができる。
【0099】
(第1変形例)
図17は、第2実施形態の第1変形例に係る読み出し期間の動作例を表すタイミング波形図である。本実施形態に係る検出装置1aにおいても、第1実施形態と同様に、所定ラインごとにリフレッシュ期間Prefを設ける態様であっても良い。
図17に示す例では、ゲート駆動信号Vgcl(1)に対応する行において、行読み出し期間VR(1)の完了後、リフレッシュ期間Prefを設けず第2リセット期間Prst2を設けている。続いて、ゲート駆動信号Vgcl(1)に隣接するゲート駆動信号Vgcl(2)に対応する行において、行読み出し期間VR(2)の完了後、リフレッシュ期間Prefおよび第2リセット期間Prst2を設けている。
【0100】
(第2変形例)
図18は、第2実施形態の第2変形例に係る検出装置のリフレッシュ動作タイミングの一例を示す図である。本実施形態に係る検出装置1aにおいても、第1実施形態と同様に、例えば、所定フレームごとに一括してリフレッシュ期間Prefを設ける態様であっても良い。また、第1実施形態と同様に、例えば、検出回路48aのオンシーケンス、つまり検出回路48aの通常の検出動作の開始前に、リフレッシュ期間Prefを設ける態様であっても良い。さらには、第1実施形態と同様に、例えば、検出回路48aのオフシーケンス、つまり検出回路48aの通常の検出動作の完了後に、リフレッシュ期間Prefを設ける態様であっても良い。
【0101】
具体的に、例えば、所定フレームごとに、第2ゲート線駆動回路15bは、RST3を高レベル電圧とする。これにより、光センサPDのカソード-アノード間が0.75[V]の順バイアスとなるリフレッシュ期間Prefを設けることができる。
【0102】
また、具体的に、例えば、検出回路48aの通常の検出動作の開始前に、第2ゲート線駆動回路15bは、RST3を高レベル電圧とする。この場合、ゲート駆動信号Vgcl(1)~Vgcl(M)を高レベル電圧とし、複数の第2ゲート線GCL2に対応するRST3を高レベル電圧としてもよい。これにより、光センサPDのカソード-アノード間が0.75[V]の順バイアスとなるリフレッシュ期間Prefを設けることができる。
【0103】
また、具体的に、例えば、検出回路48aの通常の検出動作の完了後に、第2ゲート線駆動回路15bは、RST3を高レベル電圧とする。この場合、ゲート駆動信号Vgcl(1)~Vgcl(M)を高レベル電圧とし、複数の第2ゲート線GCL2に対応するRST3を高レベル電圧としてもよい。これにより、光センサPDのカソード-アノード間が0.75[V]の順バイアスとなるリフレッシュ期間Prefを設けることができる。
【0104】
このように、所定フレームごと、検出回路48aのオンシーケンス、検出回路48aのオフシーケンスの何れか1つ又は複数のリフレッシュ期間Prefを設けることで、光センサPDが形成される有機半導体層にバラツキが生じている場合でも、光センサPD(OPD)の特性を初期状態に戻すことができる。すなわち、第2実施形態に係る検出装置1aの検出精度の低下を抑制することができる。
【0105】
(第3実施形態)
図19は、第3実施形態に係る検出装置を示す平面図である。
図20は、第3実施形態に係る検出装置の構成例を示すブロック図である。
図21は、第3実施形態に係る検出装置を示す回路図である。
図22は、複数の部分検出領域を示す回路図である。
図23は、第3実施形態に係る検出装置の動作例を表すタイミング波形図である。
図24は、読み出し期間の動作例を表すタイミング波形図である。以下の説明では、上述した各実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0106】
第3実施形態に係る検出装置1bは、
図19から
図22に示すように、上述した各実施形態の第2ゲート線駆動回路15bに相当する構成部を有していない。また、
図19から
図22に示すように、第3実施形態に係る検出装置1bにおいて、リセット回路17aは、第1リセット回路17aa及び第2リセット回路17abを含む。
【0107】
第1リセット回路17aaは、上述した各実施形態のリセット回路17に相当する。具体的に、第1リセット回路17aaは、
図21に示すように、基準電位線Lvr1、第1リセット信号線Lrst1及び第3スイッチング素子Tr3を有する。第3スイッチング素子Tr3は、複数の信号線SGLに対応して設けられている。基準電位線Lvr1は、複数の第3スイッチング素子Tr3のソース又はドレインの一方に接続される。第1リセット信号線Lrst1は、複数の第3スイッチング素子Tr3のゲートに接続される。
【0108】
また、
図21に示すように、第2リセット回路17abは、順バイアス電位線Lvr2、第2リセット信号線Lrst2及び第5スイッチング素子Tr5を有する。第5スイッチング素子Tr5は、複数の信号線SGLに対応して設けられている。順バイアス電位線Lvr2は、複数の第5スイッチング素子Tr5のソース又はドレインの一方に接続される。第2リセット信号線Lrst2は、複数の第5スイッチング素子Tr5のゲートに接続される。
【0109】
また、
図22に示すように、第3実施形態に係る検出装置1bにおいて、部分検出領域PAAに上述した各実施形態の第4スイッチング素子Tr4に相当する構成部は含まれていない。したがって、リフレッシュ期間において、信号線SGL、光センサPDのカソード及び容量素子Caには、電源回路123から、第2リセット回路17abに含まれる第5スイッチング素子Tr5を介して、光センサPDのリフレッシュ電位となる順バイアス電位RFが供給され、光センサPDのカソード-アノード間が0.75[V]の順バイアスとなる。
【0110】
本実施形態では、
図24に示すように、第1ゲート線駆動回路15aは、時刻t22から時刻t23までのリフレッシュ期間Prefを含み、時刻t25までゲート駆動信号Vgcl(1)を高レベル電圧に維持し、制御回路122は、時刻t22から時刻t23までのリフレッシュ期間Prefにおいて、リフレッシュ信号RST3を高レベル電圧とする。これにより、複数の第1スイッチング素子Tr1がオンに維持した状態で、複数の第4スイッチング素子Tr4がオンになり、ゲート線GCL(1)に対応する光センサPD及び複数の信号線SGLに光センサPDのリフレッシュ電位となる順バイアス電位RFが供給される。
【0111】
第3実施形態においても、上述した各実施形態と同様に、行読み出し期間VRごとに、第2リセット期間Prst2の前にリフレッシュ期間Prefが設けられているので、光センサPDが形成される有機半導体層にバラツキが生じている場合でも、光センサPD(OPD)の特性を初期状態に戻すことができる。すなわち、第3実施形態に係る検出装置1bの検出精度の低下を抑制することができる。
【0112】
(第1変形例)
図25は、第3実施形態の第1変形例に係る読み出し期間の動作例を表すタイミング波形図である。本実施形態に係る検出装置1bにおいても、上述した各実施形態と同様に、所定ラインごとにリフレッシュ期間Prefを設ける態様であっても良い。
図25に示す例では、ゲート駆動信号Vgcl(1)に対応する行において、行読み出し期間VR(1)の完了後、リフレッシュ期間Prefを設けず第2リセット期間Prst2を設けている。続いて、ゲート駆動信号Vgcl(1)に隣接するゲート駆動信号Vgcl(2)に対応する行において、行読み出し期間VR(2)の完了後、リフレッシュ期間Prefおよび第2リセット期間Prst2を設けている。
【0113】
(第2変形例)
図26は、第3実施形態の第2変形例に係る検出装置のリフレッシュ動作タイミングの一例を示す図である。本実施形態に係る検出装置1bにおいても、上述した各実施形態と同様に、例えば、所定フレームごとに一括してリフレッシュ期間Prefを設ける態様であっても良い。また、上述した各実施形態と同様に、例えば、検出回路48のオンシーケンス、つまり検出回路48の通常の検出動作の開始前に、リフレッシュ期間Prefを設ける態様であっても良い。さらには、上述した各実施形態と同様に、例えば、検出回路48のオフシーケンス、つまり検出回路48の通常の検出動作の完了後に、リフレッシュ期間Prefを設ける態様であっても良い。
【0114】
具体的に、例えば、所定フレームごとに、第1ゲート線駆動回路15aは、全てのゲート駆動信号Vgclを高レベル電圧とし、第2ゲート線駆動回路15bは、RST3を高レベル電圧とする。この場合、ゲート駆動信号Vgcl(1)~Vgcl(M)を高レベル電圧とし、複数の第2ゲート線GCL2に対応するRST3を高レベル電圧としてもよい。これにより、光センサPDのカソード-アノード間が0.75[V]の順バイアスとなるリフレッシュ期間Prefを設けることができる。
【0115】
また、具体的に、例えば、検出回路48の通常の検出動作の開始前に、第1ゲート線駆動回路15aは、全てのゲート駆動信号Vgclを高レベル電圧とし、第2ゲート線駆動回路15bは、RST3を高レベル電圧とする。この場合、ゲート駆動信号Vgcl(1)~Vgcl(M)を高レベル電圧とし、複数の第2ゲート線GCL2に対応するRST3を高レベル電圧としてもよい。これにより、光センサPDのカソード-アノード間が0.75[V]の順バイアスとなるリフレッシュ期間Prefを設けることができる。
【0116】
また、具体的に、例えば、検出回路48の通常の検出動作の完了後に、第1ゲート線駆動回路15aは、全てのゲート駆動信号Vgclを高レベル電圧とし、第2ゲート線駆動回路15bは、RST3を高レベル電圧とする。この場合、ゲート駆動信号Vgcl(1)~Vgcl(M)を高レベル電圧とし、複数の第2ゲート線GCL2に対応するRST3を高レベル電圧としてもよい。これにより、光センサPDのカソード-アノード間が0.75[V]の順バイアスとなるリフレッシュ期間Prefを設けることができる。
【0117】
このように、所定フレームごと、検出回路48のオンシーケンス、検出回路48のオフシーケンスの何れか1つ又は複数のリフレッシュ期間Prefを設けることで、光センサPDが形成される有機半導体層にバラツキが生じている場合でも、光センサPD(OPD)の特性を初期状態に戻すことができる。すなわち、第3実施形態に係る検出装置1bの検出精度の低下を抑制することができる。
【0118】
(第4実施形態)
図27は、第4実施形態に係る検出装置を示す平面図である。
図28は、第4実施形態に係る検出装置の構成例を示すブロック図である。
図29は、第4実施形態に係る検出装置を示す回路図である。
図30は、第4実施形態に係る検出装置の複数の部分検出領域を示す回路図である。
図31は、第4実施形態に係る検出装置の動作例を表すタイミング波形図である。
図32は、第4実施形態に係る検出装置の読み出し期間の動作例を表すタイミング波形図である。以下の説明では、上述した各実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0119】
第4実施形態に係る検出装置1cは、
図27から
図30に示すように、上述した各実施形態の第2ゲート線駆動回路15bに相当する構成部を有していない。また、
図27から
図30に示すように、上述した第3実施形態の第2リセット回路17abに相当する構成部を有していない。以下、第4実施形態に係る検出装置1cの動作例について、
図31及び
図32を参照して説明する。
【0120】
図31に示すように、第4実施形態に係る検出装置1cは、上述した各実施形態と同様に、第1リセット期間Prst1、露光期間Pex及び読み出し期間Pdetを有する。電源回路123は、第1リセット期間Prst1、露光期間Pex及び読み出し期間Pdetに亘って、センサ電源電位VDDSNSを光センサPDのアノードに供給する。制御回路122は、第2リセット信号RST2を「H」とした後にゲート線駆動回路15aにスタート信号STVおよびクロック信号CKを供給し、第1リセット期間Prst1が開始する。第1リセット期間Prst1において、制御回路122は、基準電位COMをリセット回路17に供給し、第2リセット信号RST2によって基準電位COMを供給するための第3スイッチング素子Tr3をオンさせる。これにより各信号線SGLには基準電位COMが供給される。
【0121】
第1リセット期間Prst1において、ゲート線駆動回路15aは、スタート信号STV、クロック信号CK及び第1リセット信号RST1に基づいて、順次ゲート線GCLを選択する。ゲート線駆動回路15aは、ゲート駆動信号Vgcl(Vgcl(1)~Vgcl(M))をゲート線GCLに順次供給する。各ゲート線GCLに、ゲート駆動信号Vgcl(1)、…、Vgcl(M)が順次供給され、複数の第1スイッチング素子Tr1は各行毎に順次導通され、基準電位COMが供給される。この結果、容量素子Caの容量がリセットされる。
【0122】
具体的に、ゲート線駆動回路15aは、期間V(1)において、ゲート線GCL(1)に、高レベル電圧(電源電圧VDD)のゲート駆動信号Vgcl(1)を供給する。制御回路122は、ゲート駆動信号Vgcl(1)が高レベル電圧(電源電圧VDD)の期間に、選択信号ASW1、…、ASW6のいずれか1つ(例えば、選択信号ASW1)を、信号線選択回路16に供給する。これにより、ゲート駆動信号Vgcl(1)により選択された部分検出領域PAAの信号線SGLが検出回路48に電気的に接続される。この結果、第2スイッチング素子Tr2と検出回路48との間の接続配線にも基準電位COMが供給される。
【0123】
同様に、ゲート線駆動回路15aは、期間V(2)、…、V(M-1)、V(M)において、ゲート線GCL(2)、…、GCL(M-1)、GCL(M)に、それぞれ高レベル電圧のゲート駆動信号Vgcl(2)、…、Vgcl(M-1)、Vgcl(M)を供給する。
【0124】
これにより、第1リセット期間Prst1では、全ての部分検出領域PAAの容量素子Caは、順次信号線SGLと電気的に接続されて、基準電位COMが供給される。この結果、容量素子Caの容量がリセットされる。なお、部分的にゲート線、および信号線SGLを選択することにより部分検出領域PAAのうち一部の容量素子Caの容量をリセットすることも可能である。
【0125】
実効露光期間SPex(1)、…、SPex(M)では、各部分検出領域PAAで、光センサPDに照射された光に応じて電流が流れる。この結果、各容量素子Caに電荷が蓄積される。
【0126】
読み出し期間Pdetが開始する前のタイミングで、制御回路122は、第2リセット信号RST2を低レベル電圧にする。これにより、リセット回路17の動作が停止する。
【0127】
読み出し期間Pdetでは、第1リセット期間Prst1と同様に、ゲート線駆動回路15aは、ゲート線GCLにゲート駆動信号Vgcl(1)、…、Vgcl(M)を順次供給する。この結果、検出信号Vdetが部分検出領域PAAごとに検出回路48に供給される。
【0128】
同様に、ゲート線駆動回路15aは、行読み出し期間VR(2)、…、VR(M-1)、VR(M)において、ゲート線GCL(2)、…、GCL(M-1)、GCL(M)に、それぞれ高レベル電圧のゲート駆動信号Vgcl(2)、…、Vgcl(M-1)、Vgcl(M)を供給する。すなわち、ゲート線駆動回路15は、行読み出し期間VR(1)、VR(2)、…、VR(M-1)、VR(M)ごとに、ゲート線GCLにゲート駆動信号Vgclを供給する。各ゲート駆動信号Vgclが高レベル電圧となる期間ごとに、信号線選択回路16は選択信号ASWに基づいて、順次信号線SGLを選択する。信号線選択回路16は、信号線SGLごとに順次、1つの検出回路48に電気的に接続する。これにより、読み出し期間Pdetで、検出装置1は、全ての部分検出領域PAAの検出信号Vdetを検出回路48に出力することができる。
【0129】
本実施形態においても、行ごとにゲート線GCLにゲート駆動信号Vgclが供給され、所定の行に属する複数の第1スイッチング素子Trが接続状態となる。具体的には、
図32に示すように、時刻t11に、ゲート線駆動回路15aは、ゲート線GCL(1)に、高レベル電圧(電源電圧VDD)のゲート駆動信号Vgcl(1)を供給する。行読み出し期間VR(1)は、時刻t11において、ゲート駆動信号Vgcl(1)が高レベル電圧になるタイミングで開始される。
【0130】
具体的に、制御回路122は、ゲート駆動信号Vgcl(1)が高レベル電圧(電源電圧VDD)の期間に、選択信号ASW1、…、ASW6を、信号線選択回路16に順次供給する。この結果、検出信号Vdetが部分検出領域PAAごとに検出回路48に供給される。
【0131】
図32では、期間T11、・・・、T16の順に時分割で選択信号ASW1、…、ASW6が供給される。制御回路122は、選択信号ASW6を低レベル電圧とし、最後の列の読み出しが終了する。これにより、行読み出し期間VR(1)が終了する。
【0132】
所定の行の読み出し期間(行読み出し期間VR(1))の完了後、かつ、所定の行の、次の行の読み出し期間(行読み出し期間VR(2))の開始前の時刻t12に、所定の行に属する複数の光センサPD及び複数の信号線SGLに基準電位COMが供給される。具体的に、制御回路122は、時刻t12で第2リセット信号RST2を高レベル電圧とする。これにより、複数の第3スイッチング素子Tr3がオンになり、ゲート線GCL(1)に対応する光センサPD及び複数の信号線SGLに基準電位COMが供給される。
【0133】
その後、時刻t13で、ゲート線駆動回路15aは、ゲート駆動信号Vgcl(1)を低レベル電圧とする。これにより、所定の行の複数の第1スイッチング素子Trが非接続状態となる。また、時刻t13で、制御回路122は、第2リセット信号RST2を低レベル電圧とする。これにより、1行目の読み出し期間Pdetが終了する。以下、時刻t12から時刻t13までの期間を、本実施形態における「第2リセット期間Prst2」と称する。
【0134】
なお、
図32では、ゲート駆動信号Vgcl(1)が低レベル電圧になるタイミングと、第2リセット信号RST2が低レベル電圧になるタイミングとが時刻t13で一致している。ただしこれに限定されず、ゲート駆動信号Vgcl(1)が低レベル電圧になったあと、所定の期間経過後に、第2リセット信号RST2を低レベル電圧としてもよい。
【0135】
その後、時刻t14に、ゲート線駆動回路15は、2行目のゲート線GCL(2)に、高レベル電圧(電源電圧VDD)のゲート駆動信号Vgcl(2)を供給する。以下、1行目と同様に、時刻t14から時刻t16で2行目の読み出し期間Pdetが実行される。この動作を、最終行(ゲート線GCL(256))まで繰り返し走査することで、1フレームの検出を行うことができる。
【0136】
本実施形態においても、行読み出し期間VRごとに第2リセット期間Prst2が設けられているので、所定の列(例えばSGL(1))の読み出し後、信号線SGLに電荷がチャージされた場合であっても、次の行での行読み出し期間VRの前にリセットされるが、上述した各実施形態のように、行読み出し期間VRごとに、第2リセット期間Prst2の前にリフレッシュ期間Prefを設けることができない。したがって、上述した各実施形態の第2変形例と同様に、所定フレームごと、あるいは、検出回路48のオンシーケンス又はオフシーケンスにリフレッシュ期間Prefを設ける必要がある。
【0137】
図33は、第4実施形態に係る検出装置のリフレッシュ動作タイミングの一例を示す図である。本実施形態に係る検出装置1cでは、上述した各実施形態の第2変形例と同様に、例えば、所定フレームごとに一括してリフレッシュ期間Prefを設ける。また、上述した各実施形態の第2変形例と同様に、例えば、検出回路48のオンシーケンス、つまり検出回路48の通常の検出動作の開始前に、リフレッシュ期間Prefを設ける。さらには、上述した各実施形態の第2変形例と同様に、例えば、検出回路48のオフシーケンス、つまり検出回路48の通常の検出動作の完了後に、リフレッシュ期間Prefを設ける。
【0138】
具体的に、例えば、所定フレームごとに、電源回路123は、センサ電源電位VDDSNSを1.5[V]のリフレッシュ電位とし、第1ゲート線駆動回路15aは、全てのゲート駆動信号Vgclを高レベル電圧とし、制御回路122は、RST2を高レベル電圧とする。これにより、光センサPDのカソード-アノード間が0.75[V]の順バイアスとなるリフレッシュ期間Prefを設けることができる。
【0139】
また、具体的に、例えば、検出回路48の通常の検出動作の開始前に、電源回路123は、センサ電源電位VDDSNSを1.5[V]のリフレッシュ電位とし、第1ゲート線駆動回路15aは、全てのゲート駆動信号Vgclを高レベル電圧とし、制御回路122は、RST2を高レベル電圧とする。これにより、光センサPDのカソード-アノード間が0.75[V]の順バイアスとなるリフレッシュ期間Prefを設けることができる。
【0140】
また、具体的に、例えば、検出回路48の通常の検出動作の完了後に、電源回路123は、センサ電源電位VDDSNSを1.5[V]のリフレッシュ電位とし、第1ゲート線駆動回路15aは、全てのゲート駆動信号Vgclを高レベル電圧とし、制御回路122は、RST2を高レベル電圧とする。これにより、光センサPDのカソード-アノード間が0.75[V]の順バイアスとなるリフレッシュ期間Prefを設けることができる。
【0141】
このように、第4実施形態では、所定フレームごと、検出回路48のオンシーケンス、検出回路48のオフシーケンスの何れか1つ又は複数のリフレッシュ期間Prefを設けることで、光センサPDが形成される有機半導体層にバラツキが生じている場合でも、光センサPD(OPD)の特性を初期状態に戻すことができる。すなわち、第4実施形態に係る検出装置1cの検出精度の低下を抑制することができる。
【0142】
なお、上述した各実施形態において、リフレッシュ期間には検出を行っていないため、第1光源61及び第2光源62を消灯し、通常の検出動作を行っている期間のみ第1光源61及び第2光源62を点灯する態様であっても良い。
【0143】
また、上述した実施形態は、各構成要素を適宜組み合わせることが可能である。また、本実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0144】
1,1a,1b,1c 検出装置
10 センサ部
11 検出制御部
15 ゲート線駆動回路
15a 第1ゲート線駆動回路
15b 第2ゲート線駆動回路
16 信号線選択回路
17,17a リセット回路
17aa 第1リセット回路
17ab 第2リセット回路
21 センサ基材
40,40a 検出部
48,48a 検出回路
61 第1光源
62 第2光源
122 制御回路
123 電源回路
AA 検出領域
GA 周辺領域
GCL ゲート線
GCL1 第1ゲート線
GCL2 第2ゲート線
PD 光センサ
SGL 信号線
Tr1 第1スイッチング素子
Tr2 第2スイッチング素子
Tr3 第3スイッチング素子
Tr4 第4スイッチング素子
Tr5 第5スイッチング素子
Vgcl ゲート駆動信号