(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】電子申請業務支援装置、電子申請業務支援方法および電子申請業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20241024BHJP
G06Q 10/0631 20230101ALI20241024BHJP
【FI】
G06Q10/10 310
G06Q10/0631
(21)【出願番号】P 2021119502
(22)【出願日】2021-07-20
【審査請求日】2023-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒木 法行
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】前田 侑香
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-204963(JP,A)
【文献】特開2008-158896(JP,A)
【文献】特開2019-61475(JP,A)
【文献】特開2003-50905(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える電子申請業務支援装置であって、
項目と、当該項目の内容が変更された場合に承認者に対する電子申請を自動的に行うか否かを示す区分である申請対象区分と、を含む申請項目テーブルと、
登録情報を含む登録データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部は、
前記登録データの内容が変更された場合、内容変更前の前記登録データと内容変更後の前記登録データとを比較し、内容が変更された項目を特定する変更項目特定手段と、
前記申請項目テーブルから、前記変更項目特定手段で特定した項目と対応付けられた前記申請対象区分を取得する申請対象区分取得手段と、
前記申請対象区分取得手段で特定した前記申請対象区分が、前記電子申請を自動的に行うことを示す区分である場合、前記内容変更後の前記登録データの前記電子申請を実行する電子申請実行手段と、
を備えること、
を特徴とする電子申請業務支援装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記申請対象区分取得手段で特定した前記申請対象区分が、前記電子申請を自動的には行わないことを示す区分である場合、前記電子申請を行うか否かをオペレータに問うためのメッセージを表示部に表示させるメッセージ表示制御手段を更に備え、
前記電子申請実行手段は、
前記メッセージに対して前記オペレータにより前記電子申請を行う旨が選択された場合、前記内容変更後の前記登録データの前記電子申請を実行すること、
を特徴とする請求項1に記載の電子申請業務支援装置。
【請求項3】
制御部を備える電子申請業務支援装置で実行される電子申請業務支援方法であって、
前記電子申請業務支援装置は、
項目と、当該項目の内容が変更された場合に承認者に対する電子申請を自動的に行うか否かを示す区分である申請対象区分と、を含む申請項目テーブルと、
登録情報を含む登録データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部で実行される、
前記登録データの内容が変更された場合、内容変更前の前記登録データと内容変更後の前記登録データとを比較し、内容が変更された項目を特定する変更項目特定ステップと、
前記申請項目テーブルから、前記変更項目特定ステップで特定した項目と対応付けられた前記申請対象区分を取得する申請対象区分取得ステップと、
前記申請対象区分取得ステップで特定した前記申請対象区分が、前記電子申請を自動的に行うことを示す区分である場合、前記内容変更後の前記登録データの前記電子申請を実行する電子申請実行ステップと、
を含むこと、
を特徴とする電子申請業務支援方法。
【請求項4】
制御部を備える電子申請業務支援装置に実行させるための電子申請業務支援プログラムであって、
前記電子申請業務支援装置は、
項目と、当該項目の内容が変更された場合に承認者に対する電子申請を自動的に行うか否かを示す区分である申請対象区分と、を含む申請項目テーブルと、
登録情報を含む登録データと、
にアクセス可能であり、
前記制御部で実行されるための、
前記登録データの内容が変更された場合、内容変更前の前記登録データと内容変更後の前記登録データとを比較し、内容が変更された項目を特定する変更項目特定ステップと、
前記申請項目テーブルから、前記変更項目特定ステップで特定した項目と対応付けられた前記申請対象区分を取得する申請対象区分取得ステップと、
前記申請対象区分取得ステップで特定した前記申請対象区分が、前記電子申請を自動的に行うことを示す区分である場合、前記内容変更後の前記登録データの前記電子申請を実行する電子申請実行ステップと、
を含むこと、
を特徴とする電子申請業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子申請業務支援装置、電子申請業務支援方法および電子申請業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、リモートワークの普及が進むこと等により、電子承認(電子文書回覧承認)の重要性が高まってきている。例えば、特許文献1には、「書式が統一されており、申し込み順に処理をする必要があり、かつ承認ルートが同一である申込書や申請書等の文書を一括して取りまとめた形で承認依頼をし、依頼された承認者がまとめて承認できるようにすることにより、承認処理のわずらわしさを軽減でき、人為的ミスの発生しにくく、迅速な電子承認処理」を実行可能な電子承認システムが開示されている。
【0003】
この技術によれば、作成者は、取りまとめたい文書を一括して、電子回覧による電子承認のワークフローを利用できる。したがって、承認者は、まとめた形のままで承認することにより、承認処理のわずらわしさが軽減される。また、承認順の逆転や承認漏れなどの人為的ミスが発生しにくくなる。
【0004】
また、従来の電子承認システムは、運用する顧客ごとに、承認時に確認すべき内容や重要度が異なるため、何か1つでも項目を修正する場合は、必ず電子承認が行われる仕組みとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、電子承認システムにおいて、修正した項目のすべてが電子承認の対象となると、電子承認の数が膨大となる。したがって、承認者が入念に内容を確認すべき申請とそれ以外の申請とを容易に識別できず、承認業務の効率や品質が低下するおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、自動的に電子申請を行う対象の項目を任意に設定可能な電子申請業務支援装置、電子申請業務支援方法および電子申請業務支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために本発明に係る電子申請業務支援装置は、制御部を備え、項目と、当該項目の内容が変更された場合に承認者に対する電子申請を自動的に行うか否かを示す区分である申請対象区分と、を含む申請項目テーブルと、登録情報を含む登録データと、にアクセス可能である。前記制御部は、前記登録データの内容が変更された場合、内容変更前の前記登録データと内容変更後の前記登録データとを比較し、内容が変更された項目を特定する変更項目特定手段と、前記申請項目テーブルから、前記変更項目特定手段で特定した項目と対応付けられた前記申請対象区分を取得する申請対象区分取得手段と、前記申請対象区分取得手段で特定した前記申請対象区分が、前記電子申請を自動的に行うことを示す区分である場合、前記内容変更後の前記登録データの前記電子申請を実行する電子申請実行手段と、を備えること、を特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る電子申請業務支援装置においては、前記制御部は、前記申請対象区分取得手段で特定した前記申請対象区分が、前記電子申請を自動的には行わないことを示す区分である場合、前記電子申請を行うか否かをオペレータに問うためのメッセージを表示部に表示させるメッセージ表示制御手段を更に備える。前記電子申請実行手段は、前記メッセージに対して前記オペレータにより前記電子申請を行う旨が選択された場合、前記内容変更後の前記登録データの前記電子申請を実行する。
【0010】
また、本発明に係る電子申請業務支援方法は、制御部を備える電子申請業務支援装置で実行される。前記電子申請業務支援装置は、項目と、当該項目の内容が変更された場合に承認者に対する電子申請を自動的に行うか否かを示す区分である申請対象区分と、を含む申請項目テーブルと、登録情報を含む登録データと、にアクセス可能である。電子申請業務支援方法は、前記制御部で実行される、前記登録データの内容が変更された場合、内容変更前の前記登録データと内容変更後の前記登録データとを比較し、内容が変更された項目を特定する変更項目特定ステップと、前記申請項目テーブルから、前記変更項目特定ステップで特定した項目と対応付けられた前記申請対象区分を取得する申請対象区分取得ステップと、前記申請対象区分取得ステップで特定した前記申請対象区分が、前記電子申請を自動的に行うことを示す区分である場合、前記内容変更後の前記登録データの前記電子申請を実行する電子申請実行ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る電子申請業務支援プログラムは、制御部を備える電子申請業務支援装置に実行させるための電子申請業務支援プログラムである。前記電子申請業務支援装置は、項目と、当該項目の内容が変更された場合に承認者に対する電子申請を自動的に行うか否かを示す区分である申請対象区分と、を含む申請項目テーブルと、登録情報を含む登録データと、にアクセス可能である。電子申請業務支援プログラムは、前記制御部で実行されるための、前記登録データの内容が変更された場合、内容変更前の前記登録データと内容変更後の前記登録データとを比較し、内容が変更された項目を特定する変更項目特定ステップと、前記申請項目テーブルから、前記変更項目特定ステップで特定した項目と対応付けられた前記申請対象区分を取得する申請対象区分取得ステップと、前記申請対象区分取得ステップで特定した前記申請対象区分が、前記電子申請を自動的に行うことを示す区分である場合、前記内容変更後の前記登録データの前記電子申請を実行する電子申請実行ステップと、を含むこと、を特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、自動的に電子申請を行う対象の項目を任意に設定することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、電子申請業務支援装置等の構成の例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、電子申請業務支援装置の記憶部に記憶される各データのデータ構成の例を示す図である。
【
図3】
図3は、登録データの月額の項目を修正する場合のデータ例を示す図である。
【
図4】
図4は、登録データの備考の項目を修正する場合のデータ例を示す図である。
【
図5】
図5は、電子申請業務支援装置による処理の例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、
図5のステップS13の処理の詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る電子申請業務支援装置、電子申請業務支援方法および電子申請業務支援プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0015】
[1.概要]
近年、リモートワークの普及が進むこと等により、電子承認の重要性が高まってきている。例えば、従来技術として、「書式が統一されており、申し込み順に処理をする必要があり、かつ承認ルートが同一である申込書や申請書等の文書を一括して取りまとめた形で承認依頼をし、依頼された承認者がまとめて承認できるようにすることにより、承認処理のわずらわしさを軽減でき、人為的ミスの発生しにくく、迅速な電子承認処理」を実行可能な電子承認システムがある。
【0016】
この技術によれば、作成者は、取りまとめたい文書を一括して、電子回覧による電子承認のワークフローを利用できる。したがって、承認者は、まとめた形のままで承認することにより、承認処理のわずらわしさが軽減される。また、承認順の逆転や承認漏れなどの人為的ミスが発生しにくくなる。
【0017】
また、従来の電子承認システムは、運用する顧客ごとに、承認時に確認すべき内容や重要度が異なるため、何か1つでも項目を修正する場合は、必ず電子承認が行われる仕組みとなっている。例えば、備考情報のようなメモ項目を修正する場合にも、電子承認が行われる。
【0018】
しかしながら、電子承認システムにおいて、修正した項目のすべてが電子承認の対象となると、電子承認の数が膨大となる。したがって、承認者が入念に内容を確認すべき申請とそれ以外の申請とを容易に識別できず、承認業務の効率や品質が低下するおそれがある。
【0019】
そこで、本実施形態においては、自動的に電子申請を行う対象の項目を任意に設定可能な電子申請業務支援装置、電子申請業務支援方法および電子申請業務支援プログラムを提供する。以下、具体的な構成および動作について説明する。
【0020】
[2.構成]
本実施形態に係る電子申請業務支援装置100等の構成について、
図1を用いて説明する。
図1は、電子申請業務支援装置100等の構成の例を示すブロック図である。
【0021】
電子申請業務支援装置100は、例えば、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、電子申請業務支援装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0022】
電子申請業務支援装置100は、
図1に示すように、制御部102と、通信インターフェース部104と、記憶部106と、入出力インターフェース部108と、を備えている。電子申請業務支援装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0023】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、電子申請業務支援装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、電子申請業務支援装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する記憶部106に格納されるデータは、サーバ200に格納されてもよい。
【0024】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、表示部(モニタ(家庭用テレビを含む))の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。
【0025】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記憶される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスク等を用いることができる。
【0026】
記憶部106は、電子承認システムに関する各種情報を記憶する。記憶部106は、例えば、(1)項目、および、当該項目の内容が変更された場合に承認者に対する電子申請を自動的に行うか否かを示す区分である申請対象区分を含む情報を記憶するプログラム別申請項目テーブル106a(申請項目テーブル)と、(2)登録情報を含む登録データを記憶するデータテーブル106bと、(3)一時記憶手段であるワークテーブル106cと、を記憶する。各テーブル106a~106cが含む項目(データ)の詳細は、以下の[3.処理の具体例]で説明する。
【0027】
制御部102は、電子申請業務支援装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0028】
制御部102は、機能概念的に、取得部102aと、変更項目特定部102bと、電子申請処理部102cと、表示制御部102dと、を備える。
【0029】
取得部102aは、記憶部106やサーバ200などから各種情報を取得する。変更項目特定部102bは、登録データの内容が変更された場合、内容変更前の登録データと内容変更後の登録データとを比較し、内容が変更された項目を特定する変更項目特定手段として機能する。
【0030】
また、取得部102aは、プログラム別申請項目テーブル106aから、変更項目特定部102bで特定した項目と対応付けられた申請対象区分を取得する申請対象区分取得手段として機能する。
【0031】
また、電子申請処理部102cは、電子申請に関する処理を実行する。電子申請処理部102cは、例えば、変更項目特定部102bで特定した申請対象区分が、電子申請を自動的に行うことを示す区分である場合、内容変更後の登録データの電子申請を実行する電子申請実行手段として機能する。
【0032】
また、表示制御部102dは、変更項目特定部102bで特定した申請対象区分が、電子申請を自動的には行わないことを示す区分である場合、電子申請を行うか否かをオペレータ(申請者)に問うための選択画面(メッセージ)を表示部(出力装置114)に表示させるメッセージ表示制御手段として機能する。選択画面に対してオペレータにより電子申請を行う旨が選択された場合、電子申請処理部102cは、内容変更後の登録データの電子申請を実行する。
【0033】
なお、各部が実行する処理の詳細については、以下の[3.処理の具体例]で説明する。
【0034】
[3.処理の具体例]
以下、本実施形態に係る処理の具体例について、
図2~
図6を用いて詳細に説明する。
図2は、電子申請業務支援装置100の記憶部106に記憶される各データのデータ構成の例を示す図である。
図3は、登録データの月額の項目を修正する場合のデータ例を示す図である。
図4は、登録データの備考の項目を修正する場合のデータ例を示す図である。
図5は、電子申請業務支援装置100による処理の例を示すフローチャートである。
図6は、
図5のステップS13の処理の詳細を示すフローチャートである。
【0035】
(データ構成)
図2(a)に示すように、プログラム別申請項目テーブル106aは、会社CD、プログラムID、データテーブル名、ワークテーブル名、データ列名、ワーク列名、申請対象区分の各項目を有する。
【0036】
申請対象区分において、「1」は電子申請を自動的に行うことを示し、「0」は電子申請を自動的には行わないことを示す。
【0037】
また、
図2(b)に示すように、登録データ(データテーブル106bのデータ)の例として、M賃貸借契約に関し、会社CD「1」、契約番号「10001-00」、物件CD「B001」、賃貸人CD「C005」、月額「100,000(円)」、備考「2014年契約開始」、承認状態「(空欄)」というデータがあるものとする。
【0038】
オペレータは、この登録データを修正する場合、賃貸契約登録画面において修正呼び出しを行う。以下では、月額の項目を修正する場合について
図3を用いて説明し、備考の項目を修正する場合について
図4を用いて説明する。
【0039】
図3(a)は、呼び出された登録データを示す。そして、オペレータが画面上で月額を「100,000(円)」から「150,000(円)」に修正してから登録ボタンを押すと、
図3(b)に示すようにワークデータ(ワークテーブル106cのデータ)において月額が「150,000(円)」に更新される。
【0040】
次に、変更項目特定部102bは、
図3(a)の登録データ(内容変更前の登録データ)と
図3(b)のワークデータ(内容変更後の登録データ)とを比較し、内容が変更された項目が「月額」であると特定する。
【0041】
次に、変更項目特定部102bで特定した申請対象区分が電子申請を自動的に行うことを示す「1」であるので(
図2(a)参照)、電子申請処理部102cは、
図3(b)のワークデータの電子申請を実行する。つまり、電子申請処理部102cは、
図3(c)に示すように、登録データにおいて、月額を「150,000(円)」に更新するとともに、承認状態を「10(申請)」に更新する。
【0042】
次に、
図4(a)は、呼び出された登録データを示す。そして、オペレータが画面上で備考を「2014年契約開始」から「2015年契約開始」に修正してから登録ボタンを押すと、
図4(b)に示すようにワークデータにおいて備考が「2015年契約開始」に更新される。
【0043】
次に、変更項目特定部102bは、
図4(a)の登録データと
図4(b)のワークデータとを比較し、内容が変更された項目が「備考」であると特定する。
【0044】
次に、変更項目特定部102bで特定した申請対象区分が電子申請を自動的には行わないことを示す「0」であるので(
図2(a)参照)、表示制御部102dは、電子申請を行うか否かをオペレータに選択させるための選択画面を表示部(出力装置114)に表示させる。
【0045】
選択画面に対してオペレータにより電子申請を行う旨が選択された場合、電子申請処理部102cは、
図4(b)のワークデータの電子申請を実行する。つまり、電子申請処理部102cは、
図4(c)に示すように、登録データにおいて、備考を「2015年契約開始」に更新するとともに、承認状態を「10(申請)」に更新する。
【0046】
一方、選択画面に対してオペレータにより電子申請を行わない旨が選択された場合、電子申請処理部102cは、
図4(d)に示すように、登録データにおいて、備考を「2015年契約開始」に更新するとともに、承認状態を「50(完了)」に更新する。
【0047】
(処理の流れ)
次に、電子申請業務支援装置100による処理の例について説明する。まず、ステップS1において、電子申請処理部102cは、賃貸契約登録画面においてオペレータによる登録データの修正呼び出しがあったか否かを判定し、Yesの場合はステップS2に進み、Noの場合はステップS1に戻る。
【0048】
ステップS2において、電子申請処理部102cは、賃貸契約登録画面におけるオペレータによる登録データの修正入力を受け付ける。
【0049】
次に、ステップS3において、電子申請処理部102cは、賃貸契約登録画面においてオペレータによる登録ボタンの押下があったか否かを判定し、Yesの場合はステップS4に進み、Noの場合はステップS2に戻る。
【0050】
ステップS4において、電子申請処理部102cは、修正入力に基づいて、ワークテーブルを更新する(
図3(b)/
図4(b))。
【0051】
次に、変更項目特定部102bは、ステップS5において、データテーブル(登録データ)とワークテーブル(ワークデータ)を比較し(
図3(a)(b)/
図4(a)(b))、ステップS6において、修正された項目を特定する。
【0052】
次に、ステップS7において、電子申請処理部102cは、修正された項目と対応付けられた申請対象区分を取得する。
【0053】
次に、ステップS8において、電子申請処理部102cは、申請対象区分を判定し、「0」の場合はステップS9に進み、「1」の場合はステップS12に進む。
【0054】
ステップS9において、表示制御部102dは、電子申請を行うか否かをオペレータに選択させるための選択画面を表示部(出力装置114)に表示させる。
【0055】
次に、ステップS10において、電子申請処理部102cは、選択画面におけるオペレータによる選択入力を受け付け、電子申請あり(電子申請を行う旨)が選択された場合はステップS12に進み、電子申請なし(電子申請を行わない旨)が選択された場合はステップS11に進む。
【0056】
ステップS11において、電子申請処理部102cは、登録処理を行い(
図4(d)参照)、処理を終了する。
【0057】
ステップS12において、電子申請処理部102cは、電子申請を実行する(
図3(c)/
図4(c)参照)。
【0058】
ステップS13において、電子申請処理部102cは、承認者フロー処理を実行する。以下、
図6を参照する。承認者による未承認一覧画面表示のための操作があると、ステップS131において、表示制御部102dは、未承認一覧画面を表示する。
【0059】
次に、ステップS132において、電子申請処理部102cは、未承認一覧画面におけるオペレータによる選択入力を受け付け、「承認」が選択された場合はステップS133に進み、「却下」が選択された場合はステップS134に進む。なお、承認者は、修正内容に問題が無ければ「承認」を選択し、問題があれば「却下」を選択する。
【0060】
ステップS133において、電子申請処理部102cは、登録処理を行い(
図4(d)と同様)、処理を終了する。
【0061】
ステップS134において、電子申請処理部102cは、電子申請を申請者へ差し戻す処理を実行する。その後、申請者は、差し戻しの通達を受け、再度、登録画面で修正を行い、
図5のステップS2以降の処理が再び実行される。
【0062】
このように、本実施形態の電子申請業務支援装置100によれば、プログラム別申請項目テーブル106aにおける申請対象区分を用いることで、自動的に電子申請を行う対象の項目を任意に設定することができる。つまり、各入力画面で何の項目を修正した場合にワークフロー申請を行うかをプログラム別申請項目テーブル106aで管理することで、顧客ごと、画面ごとで修正時のワークフロー申請の有無を容易に設定できる。
【0063】
これにより、修正した項目のすべてが電子承認の対象となる場合に比べて、承認者の負担が減るとともに、承認業務の効率や品質が向上する。
【0064】
なお、上述の実施形態では、不動産管理の場合を例にとったが、これに限定されず、多くの業界や業種を対象に本発明を適用することができる。また、リモートワークの普及とあわせて電子承認の需要が高まっている中で、顧客の運用にあわせた当該設定を柔軟に実施することができる。
【0065】
また、修正した項目に対応付けられた申請対象区分が電子申請を自動的には行わないことを示す区分である場合、電子申請を行うか否かをオペレータに問うための選択画面を表示させる。これにより、オペレータは、その選択画面で電子申請の有無を選択するだけでよいので、容易に対応できる。
【0066】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0067】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0068】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0069】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0070】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0071】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0072】
また、電子申請業務支援装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0073】
例えば、電子申請業務支援装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されており、必要に応じて電子申請業務支援装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD(Hard Disk Drive)等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記憶されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0074】
また、このコンピュータプログラムは、電子申請業務支援装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0075】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納してもよく、また、プログラム商品として構成することもできる。ここで、この「記憶媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、およびBlu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。したがって、本明細書で説明したような処理又は処理方法を実行するためのプログラムを格納した記憶媒体もまた本発明を構成することとなる。
【0076】
また、「プログラム」とは、任意の言語又は記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記憶媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順並びに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0077】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、およびウェブページ用ファイル等を格納する。
【0078】
また、電子申請業務支援装置100は、既知のパーソナルコンピュータ又はワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、電子申請業務支援装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0079】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、特に、企業等の組織内で利用される電子承認システム(ワークフローシステム)において有用である。
【符号の説明】
【0081】
100 電子申請業務支援装置
102 制御部
102a 取得部
102b 変更項目特定部
102c 電子申請処理部
102d 表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a プログラム別申請項目テーブル
106b データテーブル
106c ワークテーブル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク