IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ボード・オブ・リージエンツ,ザ・ユニバーシテイ・オブ・テキサス・システムの特許一覧

<>
  • 特許-調整可能なロック式外科用レトラクタ 図1
  • 特許-調整可能なロック式外科用レトラクタ 図2
  • 特許-調整可能なロック式外科用レトラクタ 図3
  • 特許-調整可能なロック式外科用レトラクタ 図4
  • 特許-調整可能なロック式外科用レトラクタ 図5
  • 特許-調整可能なロック式外科用レトラクタ 図6
  • 特許-調整可能なロック式外科用レトラクタ 図7
  • 特許-調整可能なロック式外科用レトラクタ 図8
  • 特許-調整可能なロック式外科用レトラクタ 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】調整可能なロック式外科用レトラクタ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/02 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
A61B17/02
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021539485
(86)(22)【出願日】2019-09-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-10
(86)【国際出願番号】 US2019051549
(87)【国際公開番号】W WO2020061073
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-08-24
(31)【優先権主張番号】62/732,340
(32)【優先日】2018-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500039463
【氏名又は名称】ボード オブ リージェンツ,ザ ユニバーシティ オブ テキサス システム
【氏名又は名称原語表記】BOARD OF REGENTS,THE UNIVERSITY OF TEXAS SYSTEM
【住所又は居所原語表記】210 West 7th Street Austin,Texas 78701 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】チェステロ ラモン フランシスコ
(72)【発明者】
【氏名】ロング ジャスティン アレキサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ロング クラレンス ラマー
(72)【発明者】
【氏名】ロング ジェフリー アダム
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-523558(JP,A)
【文献】特開2012-040381(JP,A)
【文献】特表2008-531219(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0271096(US,A1)
【文献】米国特許第05520610(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下:
第一フレームセグメントおよび第二フレームセグメントと2つのコネクタとを具備するレトラクタフレームであって、該第一フレームセグメントおよび該第二フレームセグメントの各々が、
実質的にまっすぐな第一および第二アーム部分、ならびに、該実質的にまっすぐな第一および第二アーム部分を接続する中間部分であって、
該実質的にまっすぐな第一および第二アーム部分と該中間部分とが実質的に同じ平面内にあり;かつ各セグメントが切れずに続く固定の長さを有し;該実質的にまっすぐな第一および第二アーム部分の長軸が、互いに平行でありかつ該中間部分の同じ側に突出し;該中間部分の長軸が該実質的にまっすぐな第一および第二アーム部分の長軸に垂直であるよう、該中間部分が、該実質的にまっすぐな第一および第二アーム部分とともにそれぞれ第一および第二屈曲部を形成し;各フレームセグメントが、内縁部と外縁部とともに上面および下面を有し;該第一フレームセグメントおよび該第二フレームセグメントは、該第一フレームセグメントの実質的にまっすぐな第一アーム部分が該第二フレームセグメントの実質的にまっすぐな第一アーム部分と接続し、かつ該第一フレームセグメントの実質的にまっすぐな第二アーム部分が該第二フレームセグメントの実質的にまっすぐな第二アーム部分と接続する時に、接続して、調整可能なレトラクタフレームを形成するように構成されている、
該実質的にまっすぐな第一および第二アーム部分、ならびに中間部分と;
該第一および第二フレームセグメントの該実質的にまっすぐな第一および第二アーム部分を受けて該調整可能なレトラクタフレームを形成するよう構成されたコネクタであって、
(i)該フレームセグメントの該実質的にまっすぐなアーム部分が互いに対して動くことを可能にして、これにより該レトラクタフレームの調整を可能にする、非ロック構成;または、
(ii)実質的にまっすぐなアーム部分を、他方のフレームセグメントの実質的にまっすぐなアーム部分に対する相対的なポジションに固定する、ロック構成
になることができる、該コネクタと
を具備する、該レトラクタフレーム;ならびに
該レトラクタフレームに連結された2つまたはそれ以上のレトラクタブレードであって、該レトラクタブレードの面が該レトラクタフレームの平面と角度を形成する、該レトラクタブレード
を具備する、調整可能な外科用レトラクタ。
【請求項2】
1つまたは複数のフレームセグメントが一方向に動くことを可能にするよう、コネクタが構成された、請求項1記載の調整可能な外科用レトラクタ。
【請求項3】
コネクタが、少なくとも1つのフレームセグメントに付着されているかまたは取り外し可能式に付着されている、請求項2記載の調整可能な外科用レトラクタ。
【請求項4】
各コネクタが、1つまたは複数のフレームセグメントに係合するよう構成された爪を具備する、請求項2記載の調整可能な外科用レトラクタ。
【請求項5】
コネクタが、個々のフレームセグメントと相互作用するよう構成された個々の爪を具備する、請求項4記載の調整可能な外科用レトラクタ。
【請求項6】
各コネクタが、フレームセグメントの端部をスタック構成にポジショニングするよう構成された、請求項1記載の調整可能な外科用レトラクタ。
【請求項7】
各コネクタが、フレームセグメントの端部をオフセット構成にポジショニングするよう構成された、請求項1記載の調整可能な外科用レトラクタ。
【請求項8】
前記調整可能な外科用レトラクタが、2つまたはそれ以上のレトラクタブレードをレトラクタフレームに連結させるための2つまたはそれ以上のレトラクタブレードコネクタをさらに具備し、
該2つまたはそれ以上のレトラクタブレードの各々が調整可能であり;該2つまたはそれ以上のレトラクタブレードコネクタの各々が、該2つまたはそれ以上のレトラクタブレードの近位部分を受けるよう、かつそれに組み込まれたレトラクタブレードロック機構でレトラクタブレードのポジションを可逆的に固定するよう、構成され;該レトラクタブレードの該近位部分が、該レトラクタブレードロック機構によってロックされるまで上下に可動である、請求項1記載の調整可能な外科用レトラクタ。
【請求項9】
第一フレームセグメントの実質的にまっすぐな第一アーム部分の内縁部が第二フレームセグメントの実質的にまっすぐな第一アームの外縁部と実質的に平行にアライメントするよう、第一および第二フレームセグメントの実質的にまっすぐなアーム部分がポジショニングされている、請求項1記載の調整可能な外科用レトラクタ。
【請求項10】
第一および第二フレームセグメントの各々の実質的にまっすぐなアーム部分が長さ約2.5~50センチメートルであり、かつ、該第一および第二フレームセグメントの各々の中間部分が長さ2.5~100センチメートルである、請求項1記載の調整可能な外科用レトラクタ。
【請求項11】
拡張構成のレトラクタフレームにおいて2.5~90センチメートルの調整可能な内部距離を有する、請求項1記載の調整可能な外科用レトラクタ。
【請求項12】
2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのレトラクタブレードがレトラクタフレームに連結されている、請求項1記載の調整可能な外科用レトラクタ。
【請求項13】
外科用レトラクタであって、
第一フレームセグメントおよび第二フレームセグメントと2つのコネクタとを具備する調整可能なレトラクタフレーム;ならびに、該レトラクタフレームに連結された2つまたはそれ以上のレトラクタブレードであって、該レトラクタブレードの面が該レトラクタフレームの平面と角度を形成する、該レトラクタブレードを具備し;
該第一フレームセグメントおよび該第二フレームセグメントの各々が、実質的にまっすぐな第一および第二アーム部分、ならびに、該実質的にまっすぐな第一および第二アーム部分を接続する中間部分を具備し、該実質的にまっすぐな第一および第二アーム部分と該中間部分とが実質的に同じ平面内にあり、かつ各セグメントが連続的な固定の長さを有し、該実質的にまっすぐな第一および第二アーム部分の長軸が、該中間部分の同じ側に突出し、該中間部分が、該実質的にまっすぐな第一および第二アーム部分とともに第一および第二屈曲部を形成し、各フレームセグメントが、内縁部および外縁部とともに上面および下面を有し;
該第一フレームセグメントおよび該第二フレームセグメントは、該第一フレームセグメントの実質的にまっすぐな第一アーム部分が該第二フレームセグメントの実質的にまっすぐな第一アーム部分と接続され、かつ該第一フレームセグメントの実質的にまっすぐな第二アーム部分が該第二フレームセグメントの実質的にまっすぐな第二アーム部分と接続されると調整可能なレトラクタフレームを形成するように、該2つのコネクタを用いて接続されるよう構成されており、かつ
該コネクタは、該第一および第二フレームセグメントの実質的にまっすぐな第一および第二アーム部分と接続して調整可能なレトラクタフレームを形成するよう構成されており、該コネクタが、(i) 該調整可能なレトラクタフレームの拡張もしくは収縮を可能にする第一構成、または (ii) 該調整可能なレトラクタフレームの収縮に抵抗する第二構成になることができる、
外科用レトラクタ。
【請求項14】
コネクタが、少なくとも1つのフレームセグメントに付着されている、請求項13記載の外科用レトラクタ。
【請求項15】
コネクタが、少なくとも1つのフレームセグメントに取り外し可能式に付着されている、請求項13記載の外科用レトラクタ。
【請求項16】
調整可能なレトラクタフレームが、第一軸に沿った固定の長さと、第二軸に沿った調整可能な長さとを有し、該第二軸が該第一軸に垂直である、請求項13記載の外科用レトラクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権に関する段落
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、2018年9月17日に提出された米国特許仮出願第62/732,340号に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
背景
腹部手術は、緊急手術および待機手術のいずれの設定においても、傷害または疾患の部位を外科医が適切に視認するため、腹部内容の充分な露出を必要とする。これは静止型の金属レトラクタの使用によって実現されることが典型的である。現在使用されている最も一般的なレトラクタ機構のうち2つが、BalfourレトラクタおよびBookwalterレトラクタである。これらレトラクタはそれぞれ、その設計および使用における利点と不利点とを呈する。Balfourレトラクタは、ラチェットシステム上で統合された金属ブレードを伴うフレームからなる;フレームは、係合された時に腹壁を側方に開創し、これにより腹部内容を露出させて、外科医が手術することを可能にする。Bookwalter機構は、手術台に取り付けられる支持用フレームからなり、それに剛性の調整不可能な金属リングが取り付けられ、次にそれにレトラクタブレードが個々に取り付けられる。これらレトラクタは普遍的に使用されているものの、これら外科用レトラクタの機構はかなりの期間にわたって改善されていない。
【0003】
Balfourレトラクタは、設計がシンプルであること、使用が容易であること、そして、時間が極めて重要である外傷および緊急手術の設定においてとりわけ腹部の露出が迅速であることから、おそらく最も一般的に利用されている腹部レトラクタである。Bookwalterレトラクタと異なり金属フレームを手術室ベッドに取り付ける必要がないので、貴重な時間が無駄にならず、腹部切開部の作成後に迅速に挿入できる。
【0004】
手術室に普及しかつ利用が容易なBalfourレトラクタであるが、その使用には複数の限界がある。Balfourレトラクタは、大柄または肥満の患者では腹部の露出が不充分となる。大柄または肥満の患者において、標準的なBalfourレトラクタの現在の設計は、腹部を充分に露出させるだけの開創を提供できないことが多い。レトラクタブレードがフレームに沿って走行するが、そのフレームは大柄または肥満の患者には短すぎることが典型的であり、結果として露出が最適未満となり、しばしば別のレトラクタシステムへの転換が必要となる。本質的に限界があるBalfourレトラクタの設計により、外科的切開部は1つの軸(横軸)に沿って開創されるのみであり、創傷の全体的な露出が限定される。任意で追加のレトラクタブレード(膀胱ブレード)を取り付けることができるが、それは下方向の開創を加えるのみであり、結果として露出が最適未満となって、別のレトラクタシステムへの転換を要することが典型的である。
【0005】
標準的なBalfourレトラクタは、単一の膀胱ブレードを除いて、追加のレトラクタブレードを取り付けるための追加フレームを提供していない。このことは、他のレトラクタ機構と比較して、切開内容または腹部内容を追加で開創する能力を著しく限定し、これにより外科的露出を限定する。加えて、Balfourレトラクタシステムは、術創の縁部に沿ったレトラクタブレードの偶発的な動きおよび移動によって、使用中に著しい問題を呈することも多い。創縁(または腹部手術において腹壁)に側方への開創を提供する2つのレトラクタブレードは、しばしば創傷の上部または下部のいずれかに偶発的に移動し、それはレトラクタ機構全体の回転や、創縁の開創の喪失を引き起こし、そして、時間のかかるレトラクタの再ポジショニングまたは別のタイプのレトラクタシステムへの転換のいずれかが必要となる。このことは大柄または肥満の患者にとりわけ多く生じる。
【0006】
Bookwalterレトラクタは、典型的に、Balfourレトラクタが不充分または無効であるとみなされた時に用いられるレトラクタシステムである。Bookwalterレトラクタは、患者に麻酔がかかった後、手術室内の非無菌人員(non-sterile individual)によって手術台上のサイドレールに取り付けられる支持用金属ロッドからなる(手術台上のレールは無菌術野の一部とはみなされない)。次に第二の金属アームがこの支持用ロッドに取り付けられ、そして次に、剛性である円形または長円形の金属リングが第二の金属アームに取り付けられる。これが所定の位置になったら、次に剛性のリングを支持用に用いて、個々のレトラクタブレードを取り付けることができる。
【0007】
Bookwalterレトラクタもまた、一般的であるものの、複数の限界がある。Bookwalterレトラクタ機構には手術台への固定が伴い、それは手術室内の非無菌人員による取り付けを必要とする。このことは時として無菌野の維持における懸念をもたらす;外科医が、レトラクタアームを補助してそれを適切に置くために、手を無菌バリアより下に置く必要が生じる可能性があるからである。加えて、外科的開創が実現される前にセットアップを必要とする複数のアームは、器具のセットアップにおいてかなりの時間を要求し、このことが、時間が極めて重要である緊急の設定または手術に対してこのシステムを不充分なものにしている。Bookwalterシステムに用いられる外周リングは拡張可能ではなく、そして、縦軸および横軸のいずれにおいても、追加のレトラクタを置くことがしばしば制限される。加えて、リングのサイズが固定されているので、各患者の個々の身体的特性ならびにさまざまなタイプおよびサイズの創傷または切開に応じて開創を調整することができない。Bookwalterシステムはまた、使用中に外科チームによる頻繁な再ポジショニングも必要とする。Bookwalterシステムがセットアップされてベッドフレームに取り付けられた後、これによりリングシステムが所定の位置に固定され、そして追加のレトラクタが取り付けられる。しかし、手術が進行して外科的露出の要件が変化すると、拡張可能でない静止型のリングを正しい位置に置くためにシステムの再ポジショニングが必要になる。このことは、手術の中断、レトラクタブレードの取り外し、リングの再ポジショニング、およびレトラクタブレードの再取り付けを必要とし、再びかなりの時間が必要となる。さらなるレトラクタシステムに対するニーズが存在している。
【発明の概要】
【0008】
概要
本開示は、現在のレトラクタシステムについて以上に概説した問題の多くに対処しながら、一方で構成要素の数を最少にする、調整可能なレトラクタシステムについて説明する。特定の態様は、相互接続する2つのフレームセグメントを具備する、調整可能な外周または幅を有するフレームを備えた、外科用レトラクタを対象とする。特定の局面において、フレームは、1つの軸に沿った固定の長さと、垂直な他方の軸に沿った調整可能な長さとを有する。特定の局面において、フレームセグメントの外縁部は、その長さの少なくとも一部分に沿って、そして特定の局面においては外縁部の全長に沿って、歯または溝を形成する一連のリッジを有する。フレームセグメントは、フレームセグメントの1つまたは両方の端部にポジショニングされたストップ機構を有してもよい。特定の局面において、ストップは、フレームセグメントの長さに沿った任意の場所にあってもよい。コネクタを通るフレームセグメントの動きは、その結果としてレトラクタの分解または不安定性をもたらす可能性があるが、ストップは、その動きを止めるためにコネクタと接触または係合できる、ねじ、ピン、穴、または隆起した材料の形態であってもよい。特定の局面において、ストップは、フレームセグメントに形成されたねじ山に係合できるねじである。特定の点において、外科用レトラクタは、(a)調整可能な外周または幅を有するレトラクタフレームであって、(i)アーム部分に実質的に垂直な中間部分によって接続された、実質的にまっすぐかつ実質的に平行な第一および第二のアーム部分を、各フレームセグメントが具備する、2つのフレームセグメント;を具備するレトラクタフレームを具備する。フレームセグメントは、アーム部分を中間部分に接続する2つの湾曲部分を形成する。各フレームセグメントは、内縁部と外縁部とともに上面および下面を有する;フレームセグメントは、1つのフレームセグメントの実質的にまっすぐな第一アーム部分が他方のフレームセグメントの実質的にまっすぐな第一アーム部分にオーバーラップする状態で、オーバーラップするよう構成される;そして、(ii)コネクタが、第一および/または第二フレームセグメントのアーム部分を受けてレトラクタフレームを形成するよう構成される。コネクタは、(i)フレームセグメントのアーム部分が互いに対して動くことを可能にして、これによりフレームの外周の調整を可能にする、非ロック構成;または、(ii)第一フレームセグメントの実質的にまっすぐな第一アーム部分を、第二フレームセグメントの実質的にまっすぐな第一アーム部分に対する相対的なポジションに固定する、ロック構成;になることができる。特定の局面において、コネクタはフレームセグメントに付着されるかまたは取り外し可能式に付着されてもよい。さらなる局面において、第一および第二のコネクタが、同じフレームセグメントまたは異なるフレームセグメントに付着されるかまたは取り外し可能式に付着されてもよい。特定の局面において、コネクタは、フレームセグメントのまっすぐなアーム部分の端部に付着されるかまたは取り外し可能式に付着される。特定の局面において、1つのフレームセグメントのアーム部分は、第二フレームセグメントのアーム部分と同じではない。他の局面において、アーム部分は等しい長さまたは同様の長さである。調整可能なレトラクタは、フレームセグメントに連結された2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたはそれ以上のレトラクタブレードを具備してもよく、その場合、レトラクタブレードの面は、フレームの平面と、例えば実質的に垂直などの角度を形成する。特定の局面において、コネクタはラチェット機構を提供するよう設計される。コネクタのラチェット機構は、フレームセグメントの内縁部または外縁部の、全部または一部分に沿ってポジショニングされた、歯または溝と相互作用するよう構成される。コネクタは、1つまたは複数のフレームセグメントに係合するよう構成された、1つ、2つ、3つまたはそれ以上の爪を含んでもよい。特定の局面において、コネクタは、個々のフレームセグメントと別々にかつ/または独立に相互作用するよう構成された、個々の爪を具備する。さらなる態様において、コネクタは、フレームセグメントの面の間に空間を提供するよう構成されてもよい。フレームセグメント間に空間があると、この空間は、レトラクタに付着されうる追加のアタッチメントをさらに安定化させるために、アタッチメントの一部分(例えばアタッチメント上のリップまたは突起)を挿入することを可能にする。ラチェット機構は、コネクタがロックポジションにある時にフレームの拡張を可能にするが、リリースが係合されない限りフレームの収縮を可能にしない。特定の局面において、コネクタに関連するラチェット機構は、フレームの拡張をもたらす1つの方向にフレームセグメントが動くことを可能にし、かつ、反対方向におけるフレームセグメントの動き、すなわちフレームの収縮に抵抗するかまたはこれを不可能にする、方向性ラチェットである。さらなる局面において、ラチェット歯または溝の縁部は、ラチェットのクリアランスを可能にするため面取りされる。コネクタは、1つまたは複数のばね荷重ブレーキ機構をさらに具備してもよい。特定の局面において、レトラクタは、対象の身体、創傷、切開部、または腔に安定化、連結、または固定されるよう構成されてもよい。レトラクタは、クランプ、縫合、ステープル、または他の機構によって安定化、連結、または固定されてもよい。特定の局面において、レトラクタは、アダプターを有するかまたはアダプターに固定されてもよく、そのアダプターがベッドまたは手術台などの支持体に固定されてもよい。
【0009】
別の態様において、レトラクタブレードがレトラクタブレードコネクタに取り付けられる。レトラクタブレードコネクタは、レトラクタブレードをフレームセグメントに対して上下に調整すること、または、フレームセグメントに沿って動かすことおよび確実固定することを、可能にするよう構成されてもよい。レトラクタブレードコネクタは、レトラクタブレードの近位部分がそこを通って通過できる通路を形成してもよい。通路は、レトラクタブレードを特定のポジションまたは深さに可逆的に固定するレトラクタブレードロック機構を備えて構成される。ロック機構は、係合された時にレトラクタブレードを所定の位置に保持しかつ脱係合された時にレトラクタブレードの動きを可能にするため、レトラクタブレードの近位部分に可逆的に係合できる、ピン、ねじ、または他のロック機構であってもよい。特定の局面において、ロック機構は、機構の係合を補助しかつ機構の脱係合に抵抗するため、ばねを含んでもよい。特定の局面において、ピンまたはねじはレトラクタブレードコネクタボディにおける開口部を通過できてもよく、または、レトラクタブレードコネクタボディの最上部または最下部に取り付けられてもよい。レトラクタブレードの近位部分は、レトラクタブレードコネクタを通過する調整部分を有してもよい。調整部分は、レトラクタブレードロック機構に係合するための溝、穴、または歯を有してもよい。コネクタは、フレームセグメントに形成された既定のスロットまたは穴パターンと連結され、コネクタを所定の位置に可逆的にロックするよう共に構成された、取り外し可能ストップをさらに具備してもよい。特定の局面において、コネクタは、1つまたは複数のフレームセグメントの拡張を可能にし、かつ、1つまたは複数のフレームセグメントの収縮を不可能にするよう、構成される。コネクタは、少なくとも1つのフレームセグメントに付着されるよう構成されてもよい。フレームセグメントは長さが等しくなくてもよい。特定の局面において、フレームセグメントは長さが等しい。
【0010】
特定の局面において、レトラクタフレームは、アセンブリされた時に、例えば四辺形(正方形または長方形)など、丸みを帯びた多角形である。さらなる局面において、フレームは丸みを帯びた四辺形である。なおさらなる局面において、フレームは丸みを帯びた長方形である。フレームは2つのフレームセグメントで構築されてもよい。フレームセグメントは、各端部上の実質的にまっすぐな2つのアーム部分と、実質的にまっすぐなアーム部分を接続してU字形のフレームセグメントを形成する中間部分とを含む。
【0011】
特定の局面において、フレームセグメントの外縁部、内縁部、または、外縁部および内縁部は、セグメントの少なくとも一部分に沿って歯が付いているかかつ/または溝が付いている。さらなる局面において、上面、下面、または、上面および下面もまた、一連の溝またはリッジを具備する。
【0012】
特定の局面において、上面、下面、または、上面および下面は、実質的に平面である。さらなる局面において、上面、下面、または、上面および下面は、セグメントの単軸に沿って(凹状または凸状に)湾曲している。
【0013】
特定の局面において、フレームセグメントの各々(実質的にまっすぐなアームおよび中間部分)は、湾曲していないまたは実質的にまっすぐな部分に沿って測定した長さが独立に約2.5、5、10、15、20、25、30、35、40、45、から50センチメートルであり、かつ、それらの間のすべての値および範囲も含みうる。さらなる局面において、セグメントの実質的にまっすぐな第一アーム部分は、湾曲していないまたは実質的にまっすぐな部分に沿って測定した長さが約2.5~50、5~40、5~30、5~20、5~100、10~40、または10~30センチメートルであり、かつ、実質的にまっすぐな第二アーム部分は、湾曲していないまたは実質的にまっすぐな部分に沿って測定した長さが約2.5~50、5~40、5~30、5~20、5~100、10~40、または10~30センチメートルである。フレームセグメントのアームは長さが同じであってもよいがそうでなくてもよく、長さが異なるアームは、フレーム内の他方のフレームセグメントによって補足される。さらなる局面において、フレームセグメントの中間部分は、湾曲していないまたは実質的にまっすぐな部分に沿って測定した長さが約2.5~50、5~40、5~30、5~20、5~100、10~40、または10~30センチメートルである。特定の局面において、第一および第二アーム部分は長さが等しい。アーム部分の長さは、セグメントの端部からセグメントの湾曲部分の始まりまでで(湾曲していないまたは実質的にまっすぐな部分に沿って)測定される。特定の局面において、フレームセグメントの丸みを帯びた角度は約90度(+/- 0.5、1、2、から5度)である。さらなる局面において、個々のフレームセグメントのアーム部分は、第一アーム部分の内縁部が第二フレームセグメントの外端部と実質的に平行にアライメントするようにポジショニングされる。別の局面において、第一フレームセグメントの上面が、第二フレームセグメントの下面に面してもよい。フレームセグメントの面は、アセンブリされた時に、互いに接触していてもよく、またはフレームセグメント間にギャップもしくは空間を形成してもよい。特定の態様において、レトラクタは、拡張された構成において、2.5、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、から90センチメートルの調整可能な内部距離を有し、これにはそれらの間のすべての範囲および値も含まれる。
【0014】
特定の局面において、2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたはそれ以上のレトラクタブレードがレトラクタフレームに連結される。レトラクタブレードは、遠位のブレード部分と近位のコネクタまたは調整部分とを有してもよい。さらなる局面において、少なくとも2つのレトラクタブレードがフレームに連結される。他の局面において、少なくとも4つのレトラクタブレードがフレームに連結される。特定の局面において、6つのレトラクタブレードがフレームに連結される。さらなる局面において、少なくとも1つのレトラクタブレードがレトラクタブレードコネクタに連結される。特定の局面において、少なくとも1つのレトラクタブレードがフレームセグメントに連結される。さらなる局面において、少なくとも1つのレトラクタブレードが、レトラクタフレームに沿って可動であるよう構成される。なおさらなる局面において、レトラクタブレードは、レトラクタフレームに対して上下に可動であるよう構成される。
【0015】
特定の態様は、実質的にまっすぐな中間部分によって接続された第一および第二の実質的にまっすぐなアーム部分を具備し、アーム部分と中間部分との間に湾曲部分を有する、外科用レトラクタフレームセグメントであって、中間部分の長軸がアーム部分の長軸にほぼ垂直であり、アーム部分が中間部分から同じ側に突出している、外科用レトラクタフレームセグメントを対象とする。特定の局面において、アーム部分は互いに実質的に平行である。フレームセグメントは、内縁部と外縁部とともに上面および下面を有する。フレームセグメントは、フレームセグメントに可逆的に接続されてもよくかつフレームセグメントの上面または下面に突起を形成してもよい、1つまたは複数の拡張ストップをさらに具備してもよく、そのストップは、フレームセグメントの1つもしくは両方の端部か、もしくはその近くに、かつ/または、両方の面に、ポジショニングされてもよい。
【0016】
他の態様は、各管腔が別々のフレームセグメントのアーム部分を受けるよう構成されている2つまたはそれ以上の管腔を形成するボディを具備する、外科用レトラクタコネクタを対象とする。特定の態様において、外科用レトラクタコネクタは、フレームセグメントが外科用レトラクタコネクタの管腔内に挿入された時にその少なくとも1つの縁部(すなわち、内縁部、外縁部、または、内縁部および外縁部)と相互作用するよう構成されたラチェット機構を含んでもよい。外科用レトラクタコネクタは、(i)フレームセグメントのアーム部分が互いに対して動くことを可能にして、これによりレトラクタフレームの調整を可能にする、非ロック構成;または、(ii)第一フレームセグメントのアーム部分を、第二フレームセグメントの第一アーム部分に対する相対的なポジションに固定する、ロック構成;になることができる。コネクタはさらに、フレームの下方にポジショニングされかつフレームの平面と既定の角度(例えば垂直)を形成してもよいレトラクタブレードを具備するかまたはこれを含むよう構成されてもよい。レトラクタブレードは、コネクタボディに固定されてもよく、または、レトラクタブレードコネクタによって取り外し可能式にコネクタボディに接続されてもよい。
【0017】
特定の態様は、本明細書に説明する外科用レトラクタを用いる方法であって、収縮されたレトラクタのレトラクタブレードを創傷または切開内に挿入する段階;体腔を露出させるために外科用レトラクタを拡張させる段階;および、レトラクタを所定のポジションにロックする段階;を含む方法を対象とする。
【0018】
本発明の他の態様も本出願全体を通して論じられている。本発明の1つの局面に関して論じられるいずれの態様も、本発明の他の局面にも適用されうるのであり、逆もまたしかりである。本明細書に説明する各態様は、本発明のすべての局面に適用可能な、本発明の態様であると理解される。本明細書に論じるいずれの態様も、本発明のいずれかの方法または組成に関して実施されうるものと企図されており、逆もまたしかりである。さらに、本発明の組成およびキットが、本発明の方法を実現するために用いられてもよい。
【0019】
「1つの(a)」または「1つの(an)」という語の使用は、特許請求の範囲および/または本明細書において「具備する」という用語とともに用いられる場合、「1つの(one)」を意味する可能性があるが、「1つまたは複数の」、「少なくとも1つの」、および「1つまたは1つより多い」の意味ともまた矛盾しない。
【0020】
本出願全体を通して、「約」という用語は、その値が、その値を決定するために利用されたデバイスまたは方法についての誤差の標準偏差を含むことを示すために用いられる。
【0021】
特許請求の範囲における「または(もしくは)」という用語の使用は、選択肢の1つのみを参照することが明示的に示されているかまたは選択肢が相互排他的であるのでない限り、「および(ならびに)/または(もしくは)」を意味するために用いられる;ただし本開示は、選択肢の1つのみと、「および(ならびに)/または(もしくは)」とを参照する定義を支持する。
【0022】
本明細書および特許請求の範囲において用いる、「具備する(comprising)」(ならびに、「comprise」および「comprises」など、comprisingの任意の変化形)、「有する(having)」(ならびに、「have」および「has」など、havingの任意の変化形)、「含む(including)」(ならびに、「includes」および「include」など、includingの任意の変化形)、または「含有する(containing)」(ならびに、「contains」および「contain」など、containingの任意の変化形)の語は、包含的またはオープンエンドであり、記載されていない追加の要素または方法の段階を排除しない。
【0023】
[本発明1001]
以下:
第一および第二フレームセグメントと2つのコネクタとを具備する、調整可能な外周を有するレトラクタフレームであって、該第一および第二フレームセグメントが、
実質的にまっすぐな第一および第二アーム部分、ならびに、該実質的にまっすぐな第一および第二アーム部分を接続する中間部分であって、
該実質的にまっすぐな第一および第二アーム部分と該中間部分とが実質的に同じ平面内にあり;該実質的にまっすぐな第一および第二アーム部分の長軸が、互いに平行でありかつ該中間部分の同じ側に突出し;該中間部分の長軸が該実質的にまっすぐな第一および第二アーム部分の長軸に垂直であるよう、該中間部分が、第一および第二屈曲部を形成し;各フレームセグメントが、内縁部と外縁部とともに上面および下面を有し;該フレームセグメントは、該第一フレームセグメントの第一アーム部分が該第二フレームセグメントの第一アーム部分と、かつ該第一フレームセグメントの第二アーム部分が該第二フレームセグメントの第二アーム部分と接続するよう構成されて、調整可能なレトラクタフレームを形成する、
該実質的にまっすぐな第一および第二アーム部分、ならびに中間部分と;
該第一および第二フレームセグメントの該実質的にまっすぐな第一および第二アーム部分を受けて該レトラクタフレームを形成するよう構成されたコネクタであって、
(i)該フレームセグメントの該実質的にまっすぐなアーム部分が互いに対して動くことを可能にして、これにより該レトラクタフレームの調整を可能にする、非ロック構成;または、
(ii)実質的にまっすぐなアーム部分を、他方のフレームセグメントの実質的にまっすぐなアーム部分に対する相対的なポジションに固定する、ロック構成
になることができる、該コネクタと
を具備する、該レトラクタフレーム;ならびに
該フレームに連結された2つまたはそれ以上のレトラクタブレードであって、該レトラクタブレードの面が該フレームの平面と角度を形成する、該レトラクタブレード
を具備する、調整可能な外科用レトラクタ。
[本発明1002]
フレームセグメントがコネクタを完全に通過する前にフレームの拡張を止めるよう構成された拡張ストップ
を、該フレームセグメントが、該フレームセグメントの1つまたは両方の端部において1つまたは両方の面上にさらに具備する、本発明1001のレトラクタ。
[本発明1003]
フレームセグメントに形成された既定のスロットまたは穴パターンと連結され、コネクタを所定の位置に可逆的にロックするよう共に構成された、取り外し可能ストップ
を、コネクタがさらに具備する、本発明1001のレトラクタ。
[本発明1004]
1つまたは複数のフレームセグメントの拡張を可能にし、かつ、1つまたは複数のフレームセグメントの収縮を不可能にするよう、コネクタが構成された、本発明1001のレトラクタ。
[本発明1005]
コネクタが、少なくとも1つのフレームセグメントに付着されているかまたは取り外し可能式に付着されている、本発明1004のレトラクタ。
[本発明1006]
フレームセグメントの長さが等しくない、本発明1005のレトラクタ。
[本発明1007]
フレームセグメントの長さが等しい、本発明1005のレトラクタ。
[本発明1008]
フレームセグメントの長さが等しい、本発明1001のレトラクタ。
[本発明1009]
コネクタが、1つまたは複数のフレームセグメントに係合するよう構成された爪を具備する、本発明1004のレトラクタ。
[本発明1010]
コネクタが、個々のフレームセグメントと相互作用するよう構成された個々の爪を具備する、本発明1009のレトラクタ。
[本発明1011]
コネクタが、フレームセグメントの端部をスタック構成にポジショニングするよう構成された、本発明1001のレトラクタ。
[本発明1012]
コネクタが、フレームセグメントの端部をオフセット構成にポジショニングするよう構成された、本発明1001のレトラクタ。
[本発明1013]
隣接フレームセグメントの両方が互いに向かってまたは互いから離れるように動くことを可能にし、これにより、システムの使用時にフレームを収縮または拡張させることを可能にする、モーター式、制御式、ねじ駆動式、ウォームギヤ式、または取り外し可能なロックシステムで、コネクタがさらに構築されている、本発明1001のレトラクタ。
[本発明1014]
コネクタが、1つまたは複数のばね荷重ブレーキ機構をさらに具備する、本発明1001のレトラクタ。
[本発明1015]
レトラクタブレードが調整可能であり;コネクタが、該レトラクタブレードの近位部分を受けるよう、かつ該コネクタ内に組み込まれたロック機構で該レトラクタブレードのポジションを可逆的に固定するよう、構成され;該レトラクタブレードの該近位部分が、レトラクタブレードロック機構によってロックされるまで上下に可動である、本発明1001のレトラクタ。
[本発明1016]
フレームが、丸みを帯びた多角形である、本発明1001のレトラクタ。
[本発明1017]
フレームが、丸みを帯びた四辺形である、本発明1001のレトラクタ。
[本発明1018]
フレームセグメントの外縁部が1つまたは複数のノッチまたは歯を形成している、本発明1001のレトラクタ。
[本発明1019]
第一フレームセグメントの歯が、第二フレームセグメントの歯に対して反対方向に向けられている、本発明1018のレトラクタ。
[本発明1020]
1つの実質的にまっすぐなアーム部分の内縁部が1つの隣接フレームセグメントの外縁部と実質的に平行にアライメントするよう、隣接フレームセグメントの実質的にまっすぐなアーム部分がポジショニングされている、本発明1001のレトラクタ。
[本発明1021]
フレームセグメントの実質的にまっすぐなアーム部分が長さ約2.5~50センチメートルであり、かつ、該フレームセグメントの中間部分が長さ2.5~100センチメートルである、本発明1001のレトラクタ。
[本発明1022]
拡張構成において2.5~90センチメートルの調整可能な内部距離を有する、本発明1001のレトラクタ。
[本発明1023]
フレームセグメントの、丸みを帯びた角度が、約90度である、本発明1001のレトラクタ。
[本発明1024]
2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのレトラクタブレードがレトラクタフレームに連結されている、本発明1001のレトラクタ。
[本発明1025]
2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのレトラクタブレードが、レトラクタフレームから脱連結されうるように具備されている、本発明1001のレトラクタ。
[本発明1026]
少なくとも1つのレトラクタブレードがコネクタに連結されている、本発明1001のレトラクタ。
[本発明1027]
少なくとも1つのレトラクタブレードがフレームセグメントに連結されている、本発明1001のレトラクタ。
[本発明1028]
少なくとも1つのレトラクタブレードが、レトラクタフレームに沿って可動であるよう構成された、本発明1001のレトラクタ。
[本発明1029]
ベッドフレームに連結される、本発明1001のレトラクタ。
[本発明1030]
拡張された後に患者に取り付けられる、本発明1001のレトラクタ。
[本発明1031]
ヒトの外科的開創用に構成された、本発明1001のレトラクタ。
[本発明1032]
獣医学的な外科的開創用に構成された、本発明1001のレトラクタ。
[本発明1033]
実質的にまっすぐな中間部分によって接続された、実質的にまっすぐでかつ互いに対して実質的に平行である第一および第二アーム部分
を具備する、外科用レトラクタフレームセグメントであって、
該中間部分が、実質的にまっすぐな各アーム部分に湾曲部分によって接続されており;
該フレームセグメントが、内縁部と外縁部とともに上面および下面を有する、
外科用レトラクタフレームセグメント。
[本発明1034]
フレームセグメントの1つまたは両方の端部かまたはその近くにおいて、該フレームセグメントの上面または下面に可逆的に接続されうる1つまたは複数の拡張ストップ
をさらに具備する、本発明1033のフレームセグメント。
[本発明1035]
2つまたはそれ以上の管腔を形成するボディとラチェット機構とを具備する外科用レトラクタコネクタであって、
各管腔が2つの隣接フレームセグメントの実質的にまっすぐなアーム部分を受けるよう構成され;
該ラチェット機構が、該コネクタ管腔内に挿入された時に1つのフレームセグメントの少なくとも1つの縁部と相互作用するよう構成され;
該コネクタが、
(i)隣接フレームセグメントの実質的にまっすぐなアーム部分が互いに対して動くことを可能にして、これによりフレームの外周の調整を可能にする、非ロック構成;または、
(ii)1つの実質的にまっすぐなアーム部分を、隣接したフレームセグメントの1つの実質的にまっすぐなアーム部分に対する相対的なポジションに固定する、ロック構成
になることができる、
外科用レトラクタコネクタ。
[本発明1036]
フレームの下方にポジショニングされかつ該フレームの平面と角度を形成するレトラクタブレード
をさらに具備する、本発明1035のコネクタ。
[本発明1037]
レトラクタブレードがコネクタボディに付着されている、本発明1036のコネクタ。
[本発明1038]
レトラクタブレードが、コネクタボディに取り外し可能式に接続されるよう構成されたレトラクタブレードアームによって取り付けられている、本発明1036のコネクタ。
[本発明1039]
以下の段階を含む、本発明1001の外科用レトラクタを用いる方法:
収縮された本発明1001のレトラクタを創傷または切開内に挿入する段階;
体腔を露出させるために、該外科用レトラクタを上方、下方、または側方のうち1つまたは複数の方向に拡張させる段階;および
フレームをロックする段階。
本発明の他の目的、特徴、および利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。ただし、当業者にはこの詳細な説明から本発明の精神および範囲内におけるさまざまな変更および改変が明らかになると考えられるので、以下の詳細な説明および具体例は、本発明の具体的態様を示してはいるものの、実例として与えられるにすぎないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下の図面は本明細書の一部をなし、かつ、本発明の特定の局面をさらに示すために本明細書に含まれる。これら図面のうち1つまたは複数を、本明細書に提示する諸態様の詳細な説明と組み合わせて参照することにより、本発明がよりよく理解されうる。
【0025】
図1】調整可能なレトラクタアセンブリの1つの態様の分解図である。
図2】調整可能なレトラクタアセンブリの1つの態様の斜視図である。
図3】調整可能なレトラクタアセンブリの1つの態様の上面図である。
図4】調整可能なレトラクタアセンブリの1つの態様を下から上に見た斜視図である。
図5】調整可能なレトラクタアセンブリの1つの態様の側面図である。
図6】いっぱいまで拡張された構成になっている調整可能なレトラクタアセンブリの1つの態様の斜視図である。
図7】レトラクタブレードアセンブリの1つの態様を分離して示した斜視図である。
図8】フレームセグメントの1つの態様を分離して示した斜視図である。
図9】いっぱいまで拡張された構成になっている外科用レトラクタアセンブリにおいて、外科用レトラクタコネクタの1つの態様に焦点を当てた斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
説明
本明細書に説明する外科用レトラクタを手術台または他の支持体に取り付けることは、選択肢となりうるが必須ではなく、したがって、本明細書に説明する外科用レトラクタの使用は、手術チームの非無菌メンバーの関与を必ずしも必要としない。加えて、邪魔になる固定式金属フレームがないことにより、手術中に外科医が患者の側方でより大きく移動およびポジショニングできる。本発明のシステムは無菌のまま保たれ、そして、展開がシンプルかつ迅速であることから、緊急の状況および時間に敏感な状況にも適用できる。
【0027】
コネクタまたはロック式ラチェット機構上で拡張されるフレームセグメントを具備する、本発明の調整可能/拡張可能システムは、フレームセグメントに取り付けられたラチェット機構が創傷を最大に開創することを可能にするので、術創をいっぱいまで露出させることができる。この設計は、(Bookwalterレトラクタと異なり)あらかじめ決定されたリングサイズの使用による限定を受けないので、切開部を可能な最大の寸法まで開創することを可能にする。
【0028】
本発明の拡張可能なロック式外科用レトラクタは、(Bookwalterレトラクタと同様に)追加的な外科的露出を提供するため、後に続けて複数のレトラクタブレードを取り付けることができる。本発明のフレームでは、フレームに直接取り付ける点灯用オプションも使用でき、それは手術の視認性、ならびに、深い創傷および/または空間の照明を向上させる。
【0029】
本明細書に説明する外科用レトラクタは2つのフレームセグメントを具備してもよく、そのフレームセグメントをコネクタまたはレトラクタフレームコネクタ(図9を参照)で接続することによってレトラクタフレームが形成される。特定の局面において、レトラクタは、2つのコネクタによって接合された2つのフレームセグメントを具備する。特定の態様において、セグメントは、中間部分によって接合された実質的にまっすぐな2つのアーム部分を有し、中間部分は、その実質的にまっすぐなアーム部分の各々を接続する湾曲部分を有し、これによりU字形のフレームセグメントが形成される(図8を参照)。セグメントは、例えば丸みを帯びた長方形など、丸みを帯びた多角形のフレームを形成するようにアセンブリされるよう構成される。各セグメントは、上部表面/上面および下部表面/下面を具備し、アセンブリされたフレームの内側に面した内縁部と、外向きに面した外縁部とを備える。
【0030】
図1に、外科用レトラクタフレームの1つの態様を分解図において示す。特定の態様において、フレームは2つのフレームセグメント100を具備する。各フレームセグメント100は、中間部分121によって接続された2つのアーム部分120および122を有する。フレームセグメントはコネクタ103を用いて接続される。フレームセグメントは、1つもしくは複数の縁部に沿った歯もしくは溝105、および/または、1つもしくは複数の面に沿ったリッジもしくは溝(105もしくは106)を有してもよい。特定の局面において、フレームセグメント100の内縁部はコネクタ103と相互作用するよう構成され、コネクタ103はラチェット機構104を有してもよく、そして、フレームセグメント100の諸部分は、フレームセグメントの縁部および/または面に沿ったラチェット歯105および/または106を有してもよい。内縁部は、フレームセグメント100のアセンブリによって形成される開口部の内部に面する。他の局面において、フレームセグメント100は、アタッチメントなどを確実固定するために利用されてもよい、ノッチ、溝、または歯105および/または106を有してもよい。特定の局面において、ノッチ、溝、または歯106は、セグメント100の外縁部、セグメント100の上側の面、セグメント100の下側の面、またはそれらの組み合わせにおいてポジショニングされてもよい。別々のフレームセグメントのアーム部分(本明細書において実質的にまっすぐなアーム部分ともいう)120および122がコネクタ103によって接続されてもよい。特定の態様において、コネクタ103は、アーム部分120および122を調整可能式に確実固定するためラチェット歯105と相互作用するラチェット機構104を具備し、そして、アセンブリされたフレームの拡張および収縮を可能にするとともに、望ましい構成が実現されたらフレームを安定化させる。特定の局面において、レトラクタブレードコネクタ107は、固定されたまたは取り外し可能なレトラクタブレード108を有してもよい。特定の局面において、フレームセグメント100は、フレームセグメントの面から飛び出して、コネクタを通るアーム部分の拡張を止める、拡張ストップ109を有する。拡張ストップは、フレームセグメントがコネクタ103を通過することを不可能にするよう構成された、ねじ、クリップ、ピン、または他の機構であってもよい。
【0031】
図1をさらに参照すると、レトラクタブレード108は、フレームに対して上下に動くよう構成されてもよい。この態様において、レトラクタブレードコネクタ107はレトラクタブレードの動きを可能にするよう構成されてもよい。レトラクタブレードコネクタ107は、レトラクタブレードコネクタのロック機構110を用いてフレームに固定されてもよい。同機構は、ねじ、ピン、ばね荷重ピン、または同様の調整可能なロック機構を含んでもよい。レトラクタブレードコネクタ107は、レトラクタブレードの近位部分(111)を受けるよう構成されてもよい。レトラクタブレードの近位部分は、レトラクタブレードロック機構112を用いて可逆的にロックされてもよい。レトラクタの近位部分は、レトラクタブレードロック機構受け部を形成してもよい。ロック機構受け部は、ノッチ、穴、キャビティ、またはロック機構を受けるための他の構造であってもよい。ロック機構が係合された時、レトラクタブレードはその特定のポジションで可逆的に固定される。レトラクタブレードを調整したい場合は、ロック機構を脱係合し、レトラクタブレードを新しいポジションまで動かし、そして、ロック機構をロック機構受け部に係合させることによってそのポジションを固定する。
【0032】
図2に、アセンブリされたレトラクタフレームの1つの態様を示す。コネクタ203は、人がフレームセグメント200をリリースすることを可能にするリリース/ロック機構を備えて構成され、そして、フレームの拡張または収縮を可能にするとともに、望ましい時にセグメントを所定の位置に確実固定するためのロック機構を提供する。特定の局面において、コネクタ203はロック式ラチェット機構204を具備する。別の態様において、フレームセグメントは、フレームの拡張を選択されたポイントで止めるストップ機構209を有する。拡張ストップは、コネクタを通過できない隆起部分であり、結果としてフレームの拡張を拡張ストップのポイントで止める。拡張ストップは、必要に応じて係合または脱係合されうる、ねじまたはピンであってもよい。典型的に、拡張ストップは、過剰な拡張を防ぐため使用中は係合される。特定の態様において、フレームが調整用の機構を有するだけでなく、デバイスのレトラクタブレード部分208もまた調整用の機構を有する(212)。レトラクタブレード208は、レトラクタブレードコネクタ207を通過し、そして所定のポジションに可逆的に固定されるためレトラクタブレードロック機構210に係合できる、フレームに近い部分(近位部分211)を有してもよい。可逆的に固定されるとは、ロック機構が脱係合されるかまたは係合が逆転されて、脱係合時に動きが自由になるまで、そのポジションを維持することを意味する。特定の局面において、近位部分は、ロック機構を受ける1つまたは複数のロック機構受け部を有してもよい。図2には、アタッチメントまたはコネクタなどをフレームに確実固定するために利用されてもよい、ノッチ、溝、または歯(ラチェット歯205および/または溝206)もまた示されている。
【0033】
図3は、アセンブリされたフレームを上から下に見た図であり、望ましい時にセグメントを所定の位置に確実固定するためのフレームロック機構309の例を備えたフレームセグメント300を接続している、フレームセグメントコネクタ303を示している。特定の局面において、コネクタ303はロック式ラチェット機構304を具備する。フレームセグメントのストップ機構309もまた図示されている。レトラクタブレード部分308が、レトラクタブレードの近位部分311がレトラクタブレードコネクタ307を横切った状態で示されている。レトラクタブレード308は、レトラクタブレードロック機構312を用いてフレーム上に可逆的にポジショニングされてもよい。レトラクタコネクタロック機構312は、溝306内にフィットするロック用ピン310と相互作用した状態で示されている。図3には、アタッチメントまたはコネクタなどをフレームに確実固定するために利用されてもよい、ノッチ、溝、または歯(ラチェット歯305および/または溝306)もまた示されている。
【0034】
図4は、アセンブリされたフレームを下から上に見た斜視図であり、望ましい時にセグメントを所定の位置に確実固定するためのフレームロック機構409の例を備えたフレームセグメント400を接続している、フレームセグメントコネクタ403を示している。特定の局面において、コネクタ403はロック式ラチェット機構404を具備する。フレームセグメントのストップ機構409もまた図示されている。レトラクタブレード部分408が、レトラクタブレードの近位部分411がレトラクタブレードコネクタ407を横切った状態で示されている。レトラクタブレード408は、レトラクタブレードロック機構412を用いてフレーム上に可逆的にポジショニングされてもよい。レトラクタコネクタロック機構412は、溝406内にフィットするロック用ピン410と相互作用した状態で示されている。図4には、アタッチメントまたはコネクタなどをフレームに確実固定するために利用されてもよい、ノッチ、溝、または歯(ラチェット歯405および/または溝406)もまた示されている。
【0035】
図5は、アセンブリされたフレームの側面図であり、望ましい時にセグメントを所定の位置に確実固定するためのフレームロック機構504の例を備えたフレームセグメント500を接続している、フレームセグメントコネクタ503を示している。特定の局面において、コネクタ503はロック式ラチェット機構504を具備する。フレームセグメントのストップ機構509もまた図示されている。レトラクタブレード部分508が、レトラクタブレードの近位部分511がレトラクタブレードコネクタ507を横切った状態で示されている。レトラクタブレード508は、レトラクタブレードロック機構512を用いてフレーム上に可逆的にポジショニングされてもよい。レトラクタコネクタロック機構512は、溝506内にフィットするロック用ピン510と相互作用した状態で示されている。図5には、アタッチメントまたはコネクタなどをフレームに確実固定するために利用されてもよい、ノッチ、溝、または歯(溝506)もまた示されている。
【0036】
図6は、アセンブリされいっぱいまで延長されたフレームの上面斜視図であり、望ましい時にセグメントを所定の位置に確実固定するためのフレームロック機構604の例を備えたフレームセグメント600を接続している、フレームセグメントコネクタ603を示している。特定の局面において、コネクタ603はロック式ラチェット機構604を具備する。フレームセグメントのストップ機構609もまた図示されている。レトラクタブレード部分608が、レトラクタブレードの近位部分611がレトラクタブレードコネクタ607を横切った状態で示されている。レトラクタブレード608は、レトラクタブレードロック機構612を用いてフレーム上に可逆的にポジショニングされてもよい。レトラクタコネクタロック機構612は、溝606内にフィットするロック用ピン610と相互作用した状態で示されている。図6には、アタッチメントまたはコネクタなどをフレームに確実固定するために利用されてもよい、ノッチ、溝、または歯(ラチェットノッチ605および溝606)もまた示されている。
【0037】
図7に、レトラクタブレードアセンブリを分離して示す。レトラクタブレード708が、レトラクタブレードの近位部分711がレトラクタブレードコネクタ707を横切った状態で示されている。レトラクタブレード708は、レトラクタブレードロック機構を用いてフレーム上に可逆的にポジショニングされてもよい。レトラクタコネクタロック用ピン710は溝または他のフレーム要素内にフィットする。
【0038】
図8に、フレームセグメントを分離して示す。フレームセグメントは、中間部分821によって接続された、第一アーム(実質的にまっすぐなアーム)部分820と第二アーム(実質的にまっすぐなアーム)部分822とを有する。フレームセグメントの各アーム部分820/822は、アセンブリすることと、アセンブリされたレトラクタのフレームを調整することとを可能にする方式で、コネクタと相互作用するよう構成される。アーム部分の内縁部はコネクタのリリース/ロックを可能にするよう構成されてもよい(例えばラチェット805)。特定の局面において、外縁部は、例えば溝806など、単独でまたは内縁部との組み合わせにおいてコネクタと相互作用するよう構成されてもよい。中間部分821は、アーム(実質的にまっすぐなアーム)部分820の間の、フレームセグメントの部分である。中間部分821は、アーム(実質的にまっすぐなアーム)部分820/822を中間部分821に接続する湾曲部分823を有する。特定の局面において、例えば腹部を開くため互いに離れるように動かされるようポジショニングされる2つの対向するU字形フレームセグメントがあり;レトラクタが、拡張される際につぶれることを防ぐため所定の位置にロックするよう構成され;かつ、コネクタが、両方のフレームセグメントをリリースするための1つの爪を備えて構成されている時、この構成において、爪と相互作用するためのフレームセグメント上の歯は、単一の爪を用いて拡張中にロックを提供するため、反対方向にカットされるかまたは構成されてもよい。他の局面において、反対方向に歯をカットするかまたはポジショニングする必要がないよう、個々の爪が適切な構成において提供されてもよい。個々のフレームセグメント上の歯は、同じ方向または逆方向にカットされるかまたは構成されてもよく、したがって、それぞれ、レトラクタがアセンブリされた時に、歯はすべて反対方向を向くかまたは同じ方向を向く。
【0039】
図9に、フレームセグメントコネクタ(またはコネクタ)903およびフレームセグメント900のアセンブリの1つの態様を分離して示す。各コネクタ903は、2つのフレームセグメント(900aおよび900b)のアーム部分を受けるための、1つまたは2つの受け開口部を有してもよい。特定の局面において、開口部は、オフセットされているか、スタックされているか、または並んでいてもよい。特定の局面において開口部はオフセットされている。他の局面において開口部はスタックされている。特定の局面において、コネクタ903は、(例えば、コネクタが、フレームセグメントの1つの端部の、固定された一体部分である時に)1つの開口部を有する;または、コネクタ903は2つもしくはそれ以上の開口部を有してもよい。特定の態様において、1つのフレームセグメントが2つのコネクタに取り付けられ、例えば、コネクタがフレームセグメントの1つまたは両方の端部に固定されてもよい。他の局面において、例えばコネクタが第一フレームセグメントのアーム部分と第二フレームセグメントのアーム部分とを受けるために1つまたは2つの開口部を有するなど、1つのコネクタが2つのフレームセグメントに調整可能式に接続されてもよい。フレームセグメントは、共有されるコネクタを通じて、取り付け、連結、または接続されてもよい。コネクタ903は、反対方向にラチェットで動くよう構成されたラチェットまたは爪904を具備してもよい。ラチェットまたは爪904は、2つの隣接セグメントの歯の付いた表面(例えば905aおよび905b)と相互作用するよう構成されてもよい。ラチェットまたは爪は、レトラクタの中心点から離れる方向に力を印加することによって、ラチェットを脱係合させることなくフレームを拡張させることができるよう構成されてもよい。他の局面において、ラチェットは、ラチェットが脱係合されない限りフレームの収縮を可能にしないよう構成される。他のリリース/ロック機構が現在の設計に統合されてもよく、したがってラチェット機構は1つの例にすぎない。コネクタは、1つまたは複数のフレームセグメントに係合するよう構成された、1つ、2つ、3つまたはそれ以上のラチェットまたは爪を含んでもよい。特定の局面において、コネクタは、個々のフレームセグメントと別々にかつ/または独立に相互作用するよう構成された、個々のラチェットまたは爪を具備する。
【0040】
セグメントに沿ったコネクタのポジションは、ロックする目的のためにフレームセグメントの歯または溝に係合できるロック機構を係合することによって、固定されてもよい。他の態様において、コネクタはフレームセグメントの1つの端部内に統合されてもよく、この場合は、コネクタがそのセグメントの1つの端部に固定されるので、コネクタが1つの開口部および1つのラチェット機構のみを有してもよい。
【0041】
レトラクタブレードがコネクタと関連していなくてもよい。レトラクタブレードもしくは他の用具が、1つもしくは複数のレトラクタブレードコネクタに固定されてもよく、または、コネクタポイント以外のポジションでフレームに取り付けられる付属的な用具であってもよい。複数のレトラクタブレードまたは他の用具がフレームに取り付けられてもよく、特定の局面において、2、3、4、5、6、7、8、9、10個またはそれ以上のレトラクタブレードおよび/または他の用具がフレームに取り付けられてもよい。取り付けに対して限定となる要因は、フレームに沿った利用可能な空間、およびアタッチメント間の物理的な干渉のみである。
【0042】
フレームセグメントはさまざまな領域または部分を具備する。フレームセグメントは、中間部分によって接続された、第一アーム(実質的にまっすぐなアーム)部分と第二アーム(実質的にまっすぐなアーム)部分とを有する。フレームセグメントの各アーム部分は、アセンブリすることと、アセンブリされたレトラクタのフレームを調整することとを可能にする方式で、コネクタと相互作用するよう構成される。アーム部分の内縁部はコネクタのリリース/ロックを可能にするよう構成されてもよい。特定の局面において、外縁部は、単独でまたは内縁部との組み合わせにおいてコネクタと相互作用するよう構成されてもよい。中間部分は、アーム部分の間の、フレームセグメントの部分である。中間部分は、アーム部分を中間部分に接続する湾曲部分を有する。湾曲部分はアーム部分と中間部分との間で角度を形成する。湾曲部分は、アーム部分および中間部分の長軸間で形成される角度によって特性付けされてもよい。特定の局面において、この角度は85~95度である。特定の局面において、セグメント角度は90度または約90度である。
【0043】
フレームセグメント、コネクタ、およびレトラクタブレードは、金属、金属合金、プラスチック、またはそれらの組み合わせであってもよい。特定の局面において、レトラクタは、オートクレーブまたはその他の滅菌(例えば照射など)できる材料で作られる。フレームセグメントは、円形、卵形、正方形、または長方形の断面を備えた、(屈曲部または角度を有する)形成されたロッドであってもよい。コネクタは、フレームのフレームセグメントを受けかつこれと可逆的に係合するよう構成される。セグメントはコネクタによって連結されてレトラクタフレームを形成する。各コネクタは2つのセグメントを連結する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9