(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】ポリマーマトリックスナノコンポジットから作られた接着コア層から成るハイブリッド音響中間層
(51)【国際特許分類】
B32B 27/28 20060101AFI20241024BHJP
B32B 17/10 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
B32B27/28 101
B32B17/10
(21)【出願番号】P 2021541132
(86)(22)【出願日】2020-01-14
(86)【国際出願番号】 FR2020050046
(87)【国際公開番号】W WO2020148502
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2022-12-14
(32)【優先日】2019-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】500374146
【氏名又は名称】サン-ゴバン グラス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【氏名又は名称】河原 肇
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン ブイエ
(72)【発明者】
【氏名】オリン アラン ルナ コルネホ
【審査官】岩本 昌大
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-108220(JP,A)
【文献】特表2001-506198(JP,A)
【文献】米国特許第06132882(US,A)
【文献】特開2010-111081(JP,A)
【文献】特表平08-511571(JP,A)
【文献】国際公開第94/029358(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/062192(WO,A1)
【文献】特開2005-105133(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
C03C 27/00-29/00
C08F 251/00-289/00,291/00-297/08
C09D 1/00-10/00,101/00-201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記を含む接着ナノコンポジット
内層によって組み立てられている、ポリ(ビニルブチラール)(PVB)及びポリ(エチレン-酢酸ビニル)(EVA)から選択される材料の2つの外層を備えている、積層ガラス用中間層
であって、
前記接着ナノコンポジット内層が、相互侵入高分子網目(IPN)に基づいたポリマーを含み、かつ、0℃~40℃の温度範囲で、1kHz~10kHzの周波数ディケードにおいて、前記接着ナノコンポジット内層の動的機械分析によって特定される損失係数tanδが、1.6以上である、
中間層:
-50℃~-30
℃のガラス転移温度(Tg)を有するポリマーナノドメインから成る第1の不連続相、及び
前記第1の
不連続相よりも低いガラス転移温度(Tg
)を有する、マトリックスと称される第2の連続ポリマー相であって、前記第1の
不連続相が前記第2の
連続ポリマー相中に分散されている、第2の連続ポリマー相。
【請求項2】
前記2つの外層が、ポリ(ビニルブチラール)(PVB)の層であることを特徴とする、請求項1に記載の積層ガラス用中間層。
【請求項3】
前記第1の
不連続相の
前記ポリマーナノドメインは、架橋されている第1のポリマー(P1)と、架橋されている又は架橋されていない第2のポリマー(P2)とを含む相互侵入高分子網目(IPN)から形成さ
れている、請求項1又は2に記載の中間層。
【請求項4】
前記第1の
不連続相を形成する前記
ポリマーナノドメインは、10~1000n
mの数平均相当径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の中間層。
【請求項5】
前記接着ナノコンポジット
内層は、5~50マイクロメート
ルの厚さを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の中間層。
【請求項6】
前記第2のポリマー(P2)は、架橋されていない、請求項3に記載の中間層。
【請求項7】
前記第1の不連続相の前記ポリマーナノドメインは、架橋されている第1のポリマー(P1)と、架橋されている又は架橋されていない第2のポリマー(P2)とを含む相互侵入高分子網目(IPN)から形成され、
前記第1のポリマー
(P1
)及び
前記第2のポリマー(P2
)は、少なくとも1つのアクリルモノマーを含むアクリルコポリマーである、請求項3~
6のいずれか一項に記載の中間層。
【請求項8】
前記第1の
不連続相の屈折率(n1)と前記第2の
連続ポリマー相の屈折率(n2)との差が、0.2未
満である、請求項1~
7のいずれか一項に記載の中間層。
【請求項9】
前記接着ナノコンポジット
内層は、前記2つの外層と直接接触している、請求項1~
8のいずれか一項に記載の中間層。
【請求項10】
前記第1の
不連続相の体積の前記第2の
連続ポリマー相の体積に対する比が、20/80~80/2
0である、請求項1~
9のいずれか一項に記載の中間層。
【請求項11】
積層ガラス用中間層を製造する方法であって、以下の工程を含む方法:
ポリ(ビニルブチラール)(PVB)及びポリ(エチレン-酢酸ビニル)(EVA)から選択される材料の第1のシートを供給する工程:
前記第1のシートの面の一方に対して、コアシェル構造を有するポリマー粒子を含むラテックスを適用する工程であって、
前記コアは、-50℃~-30
℃のTgを有する相互侵入高分子網目(IPN)から形成され、及び
前記シェルは、前記コアよりも低いT
gを有するポリマーから形成される、
工程、
前記ラテックスを乾燥して、接着ナノコンポジット
内層を形成する
乾燥工程
であって、0℃~40℃の温度範囲で、1kHz~10kHzの周波数ディケードにおいて、前記接着ナノコンポジット内層の動的機械分析によって特定される損失係数tanδが、1.6以上である、前記乾燥工程、
得られた前記接着ナノコンポジット
内層に対して、ポリ(ビニルブチラール)(PVB)及びポリ(エチレン-酢酸ビニル)(EVA)から選択される材料の第2のシートを適用する工程。
【請求項12】
接着ナノコンポジット内層を形成するための前記ラテックスの前記乾燥工程は、周囲温度で、及び/又は40℃~120
℃の温度でのオーブンにおいて行われる、請求項
11に記載の積層ガラス用中間層を製造する方法。
【請求項13】
第1のガラスシート、
第2のガラスシート、
前記第1及び前記第2のガラスシートの間に配置されている、請求項1~
10のいずれか一項に記載の中間層、
を備えている、積層グレージングユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層ガラスのための振動減衰特性を有する中間層に関し、その製造方法にも関する。本発明はまた、1Hz~1000Hzの振動及び構造伝播ノイズを減衰するための、並びに/又は特に1kHz~10kHzの可聴周波数ディケードにわたる空気伝播ノイズへの伝達の損失を高めるための、この種類の中間層を備えた積層グレージングユニット、並びに前記グレージングユニットの乗り物用ウィンドシールドとしての及び/又は建築用グレージングとしての使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
積層グレージングユニットは、輸送の分野で、より詳細には自動車及び航空機の窓において、並びに建築においても一般的に用いられている。積層グレージングユニットの機能は、急な破壊の発生時に破片が突出するリスクを抑制すること、及び不法侵入を遅らせることである。積層グレージングユニットのさらなる利点は、UV及び/又は赤外放射線の透過を低減すること、並びに乗り物又は建築物の内部への外部からのノイズの伝達を低減し、それによって、乗客又は居住者の振動及び音に関する快適さを向上させることである。
【0003】
積層グレージングユニットは、一般に、第1のガラスシート及び第2のガラスシートから、両者の間に中間層を備えて構成されている。これらのグレージングユニットは、公知の方法によって、例えば加熱及び加圧下での組み立てによって製造される。
【0004】
振動減衰特性を有する積層グレージングユニットの場合、「外層」又は「スキン」とも称されるポリ(ビニルブチラール)(PVB)の2層を、「内層」又は「コア」とも称されるPVBの層によって組み立てられて備える3層中間層が報告されている。内層のPVBの物理化学は、2つの外層のPVBの物理化学とは異なっている(例えば、米国特許第5340654号明細書及び米国特許第5190826号明細書、米国特許出願公開第2006/021782号明細書及び米国特許出願公開第2016/0171961号明細書を参照)。具体的には、コアのPVBの方が、スキンのPVBよりも残留ヒドロキシル(-OH基)含有量が少ない。残留ヒドロキシル含有量とは、ポリ(ビニルアルコール)をブチルアルデヒドでアセチル化した後にPVBのビニル鎖上に側鎖として残留するヒドロキシル基の量を意味する。PVB外層のヒドロキシル基含有量が多いことは、可塑剤との相溶性が低下すると解釈され、したがって、オートクレーブ工程の過程で、可塑剤が内層のPVBへと移行することに繋がる。可塑剤は、粘性成分を増加させるため、粘弾性内層の振動減衰特性を改善するが、一方外層は堅いため、中間層の取り扱い性及び機械的強度は確保される。堅い外層の振動減衰特性への寄与は、一般には非常に小さい。
【0005】
上述した3層中間層を備えた積層グレージングユニットの遮音性能を高める目的で、内層のPVBの残留ヒドロキシル基含有量をなおさらに減少させることで、その可塑剤含有量を増加させることが考慮されてきた。しかし、これは、コアのPVBのガラス転移温度(Tg)の値を、過剰に低い温度へシフトさせ、そのため、周囲温度よりも低い温度で、1Hz~10kHzの目的の周波数範囲での効果的な振動減衰が得られる結果となった。したがって、グレージングユニットの使用温度では、目的の周波数範囲での振動減衰は低下した。
【0006】
内層のPVBの残留ヒドロキシル基含有量を増加させ、さらにその可塑剤含有量を減少させることも考慮されてきた。しかし、これは、コアのPVBの粘性成分を減少させ、及び前記PVBのガラス転移温度(Tg)の値を過剰に高い温度へシフトさせる結果となり、同様に、周囲温度における目的の周波数範囲での振動減衰力が低下した。
【0007】
したがって、これら2つの手法は、中間層にあるPVB内層のヒドロキシル基含有量を調節することを含むが、望ましくないが不可避であるガラス転移温度(Tg)の上昇/低下に関連して、結局、行き詰ってしまった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の背景にある着想は、上記で定める3層中間層において、PVB内層を、1kHz~10kHzの周波数ディケードにおいて、好ましくは1Hz~10kHzの周波数範囲において、周囲温度に近い温度で非常に高い減衰係数(tanδ)を有する、PVBとは異なる特定のポリマー構造から形成された層に置き換えることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本出願者によって選択されたポリマー系は、2つのポリマー相を有する系であり、-50℃~-30℃、好ましくは-45℃~-35℃の特定のTgを有するポリマーナノドメインから成る第1の不連続相、及び前記第1の相よりも低いTgを有する第2の連続ポリマー相である。第1の相は、第2の相中に分散され、第2の相は、ナノドメインを取り囲むある種のマトリックスを形成している。
【0010】
前記第1の相のTgは、1kHz~10kHzの周波数ディケードにおいて、好ましくは1Hz~10kHzの周波数範囲において、0℃~40℃、好ましくは10℃~30℃、より好ましくは15℃~25℃の温度で、なおより好ましくは20℃に近い温度で、振動減衰がその最大値となるように選択される。
【0011】
さらに、本出願者は、相互侵入高分子網目(IPN)に基づいたポリマー系の使用が、前記IPNを形成するポリマーの各々の場合よりも非常に広い振動周波数範囲で、動的機械分析によって特定される損失係数(tanデルタ)の高い値を有する結果となることを見出した。
【0012】
したがって、本出願者は、積層ガラス用の3層中間層のコアを形成するために、相互侵入高分子網目(IPN)タイプのポリマー系の使用を提案する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本出願者は、積層グレージングユニットの製造用として意図される3層中間層の内層を形成するために、IPN相を含有する、ポリマー粒子の水性エマルジョンであるラテックスの使用を特に提案するものである。中間層の2つの外層は、ポリ(ビニルブチラール)(PVB)から、又はそうでなければ、ある特定の用途においてPVBの代わりとなり得るポリ(エチレン-酢酸ビニル)(EVA)から作られてよい。
【0014】
IPNラテックスは、本発明において、中間層の2つの外層を互いに結合するために用いられる。ポリマー粒子の合着後、IPNラテックスはこうして、IPN相が電子顕微鏡によって視認可能に維持された接着層を形成する。以降でマトリックスと称される場合もある、内層の接着機能を満たす連続ポリマー相によって、それらは囲まれている。以下において本発明を記載するために用いられる「ナノコンポジット」の用語は、ラテックスの合着後でも中間層で視認可能であるポリマーナノ粒子又はナノドメインが分散された、高い接着特性を有するポリマーマトリックスから成るこのポリマー構造を意味する。
【0015】
本特許出願の第1の主題は、したがって、下記を含む接着ナノコンポジット層によって組み立てられているポリ(ビニルブチラール)(PVB)及びポリ(エチレン-酢酸ビニル)(EVA)から選択される材料の2つの外層を備えている、積層ガラスのための中間層である、
-50℃~-30℃、好ましくは-45℃~-35℃のガラス転移温度(Tg)を有するポリマーナノドメインから成る第1の不連続相、及び
前記第1の相よりも低いガラス転移温度(Tg)、好ましくは-50℃未満、より好ましくは-60℃未満のTgを有する、マトリックスと称される第2の連続ポリマー相であって、第1の相は第2の相中に分散されている、第2の連続ポリマー相。
【0016】
中間層の2つの外層は、好ましくは、ポリ(ビニルブチラール)(PVB)の層である。
【0017】
本出願者によって選択されたポリマー系の第1の相は、相互侵入高分子網目(IPN)によって形成されることが好ましいポリマーナノドメインから成る。この第1の不連続相は、最初に説明したように、周囲温度で、1kHz~10kHzの周波数ディケード、好ましくは1Hz~10kHzの周波数範囲における振動吸収材の役割を果たし、一方前記ナノドメインを囲んでいる第2のポリマー相は、第1の相の周囲に連続マトリックスを形成し、その機能は、本質的に、第1の相のナノ粒子を互いに接合させること、及び積層中間層の2つの外層を互いに結合させることである。
【0018】
したがって、本発明に従う、3層中間層の内層を得るために本出願者によって選択されたポリマー系は、好ましくはラテックスから形成される。本明細書において、「ラテックス」の用語は、水又は水性溶媒中のポリマー粒子の分散体を意味する。本発明によると、ラテックスは、コアシェル構造を有するポリマー粒子を含み:
コアは、-50℃~-30℃、好ましくは-45℃~-35℃のガラス転移温度(Tg)を有する相互侵入高分子網目(IPN)から形成され、
シェルは、乾燥後に粒子を合着させるのに充分に低いTgを有するポリマーであって、このTgは、前記コアのTgよりも低く、好ましくは-50℃未満、より好ましくは-60℃未満である、ポリマーから形成される。
【0019】
本発明に従う相互侵入高分子網目(IPN)から形成されたコアは、2つの逐次重合によって得られる。したがって、IPNは、架橋されている第1のポリマー(P1)と、架橋されていてもよく又は架橋されていなくてもよい第2のポリマー(P2)とを含む。
【0020】
本発明の1つの好ましい実施形態では、第2のポリマー(P2)は、架橋されていない。この場合、IPNは、「セミ相互侵入高分子網目」又はセミIPNである。第2のポリマーは、直鎖状又は分岐鎖状であってよい。
【0021】
ラテックスの形態でのIPNの合成は、何年も前から公知であり、当業者によく知られている。それは例えば、米国特許第3833404号明細書に記載されている。
【0022】
本発明によると、IPNは、以下のように:
エマルジョン中での重合によって、好ましくは-30℃よりも高い、より特には-20℃よりも高いTgを有する第1の架橋されたポリマー(P1)の水性分散体を形成することと、
架橋剤あり又はなしで、第1の架橋されたポリマー中へモノマーを組み込み、第1のポリマーは、その中に組み込まれたモノマーによって膨潤し、続いて重合して、-40℃未満、好ましくは-50℃未満のTgを有する相互侵入高分子網目の第2のポリマーを形成することと、
によって合成することができる。
【0023】
第2の重合工程が架橋コモノマーの存在下で行われる場合、それは、第2の架橋されたポリマー(P2)及びIPNの形成に繋がる。
【0024】
第2の重合工程が架橋コモノマーの非存在下で行われる場合、第2のポリマー(P2)は架橋されず、セミIPNが形成されることになる。
【0025】
第1のポリマー(P1)の鎖と、Tgが第1のポリマーよりも低い第2のポリマー(P2)の鎖との局所的な絡み合いによって、こうして形成された(セミ)IPNに、第1のポリマーと第2のポリマーとの中間のTgを付与することができる。
【0026】
第1のポリマー(P1)のTgと第2のポリマー(P2)のTgとの差は、好ましくは10℃~60℃、好ましくは20℃~50℃である。
【0027】
本発明によると、ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量測定(DSC)によって測定される。ガラス転移温度は、示差走査熱量測定についての規格ASTM-D-3418に記載の中点法を用いて特定される。本出願者が用いた測定機器は、TA Instruments製のDiscovery DSCモデルである。
【0028】
相互侵入高分子網目を形成する第1及び第2のポリマーは、原則的には、ラジカル重合によって共重合可能であるコモノマーの任意の混合物を用いて合成されてもよい。当業者であれば、フォックス方程式(T.G. Fox, Bull. Am. Phys. Soc. 1, 123 (1956))によって、所望されるガラス転移温度を有するコポリマーに到達するための反応混合物中のコモノマー及びそれらの割合を選択することができる。
【0029】
エマルジョン中で共重合可能であるモノマーの例としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸tert-ブチル、メタクリル酸tert-ブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸イソアミル、メタクリル酸イソアミル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸イソオクチル、アクリル酸ノニル、メタクリル酸ノニル、アクリル酸イソノニル、メタクリル酸イソノニル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸トリデシル、メタクリル酸トリデシル、アクリル酸ヘキサデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、ギ酸ビニル、アクリル酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2-ヒドロキシプロピル、スチレン、及びアクリロニトリルから成る群より選択されるモノマーが挙げられる。
【0030】
架橋コモノマーは、例えば、フタル酸ジアリル、シアヌル酸トリアリル、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、アリルアクリレート、及びアリルメタクリレートである。
【0031】
水不溶性モノマーは、有利には、水不溶性モノマーと共重合するか又は別個に重合してラテックス粒子の表面に吸着するポリマーを形成する少量の、一般には5質量%未満の水溶性コモノマーと混合される。
【0032】
これらの水溶性モノマーは、好ましくは酸、一般にはカルボン酸であり、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、及びフマル酸から成る群より好ましくは選択される。表面に負電荷が存在することは、ラテックスのコロイド安定性を高める。
【0033】
乳化重合は、乳化剤の存在下で、好ましくは例えばポリオキシエチレングリコールエステルなどの非イオン性界面活性剤の存在下で、従来のように行われる。
【0034】
従来から、エマルジョン中のラジカル重合に用いることができる開始剤は、反応混合物の水相に可溶性でなければならない。言及され得る水溶性過酸化物の例としては、過酸化水素、又は過硫酸アンモニウム、若しくは過硫酸カリウムなどの無機過酸化物が挙げられる。開始剤は、ラジカルの形成を促進する硫酸第一鉄(FeSO3)などの還元剤と混合されてもよい。
【0035】
より詳細には、本発明に従う3層中間層の内層は、上記で述べたコアシェル構造を有するポリマー粒子を含むラテックスを、PVB又はEVAの第1のシートの面の1つに適用し、その後前記ラテックスを乾燥することによって得られる。前記ラテックスの乾燥の過程で、水又は水相が消滅し:
ラテックスのポリマー粒子のコアは、第1の不連続相を形成し、-50℃~-30℃のTgを有するポリマーナノドメインとなり、したがって、これらのナノドメインは、上述したラテックスの粒子のコアと同じ特性を有し、及び
低Tgシェルのために、ラテックスのポリマー粒子は、合着し、続いてマトリックスと称される、第1の相の前記ナノドメインを囲む第2の連続ポリマー相を形成する。
【0036】
本発明者らは、驚くべきことに、上記で定める特性を有し、前記2つのポリマー相の形成を引き起こすポリマーラテックス粒子の合着は、こうして形成されたコア中の接着ナノコンポジット層に対して、良好な振動減衰特性を付与し、これは特に、内層がヒドロキシル基の低い残留レベルを有するPVB層である3層中間層を有する積層グレージングユニットと比較して、この中間層を有する積層グレージングユニットの部分に対する遮音性の向上に寄与することを見出した。
【0037】
この遮音性の向上は、1kHz~10kHzの周波数ディケード、好ましくは1Hz~10kHzの周波数範囲において、0℃~40℃、好ましくは10℃~30℃、より好ましくは15℃~25℃の温度範囲で、なおより好ましくは20℃に近い温度で、本発明に従う3層中間層の内層の(動的機械分析によって特定される)損失係数tanδが1.6以上、好ましくは2以上、より特には3以上、又はさらには4以上の値であることによるものである。
【0038】
したがって、驚くべきことに、上記で述べたラテックスのポリマー粒子のコアシェル構造が、本発明に従う3層中間層中で前記ラテックスを乾燥した後に前記粒子が合着した場合、前記中間層の内層に対して4~5の損失係数をもたらすことが本発明者らによって見出されたものであり、これは、従来のPVB内層の場合よりも4倍~6倍大きい。
【0039】
材料の損失係数tanδは、熱の形態で放散されるエネルギーと弾性変形のエネルギーとの間の比に対応する。したがって、それは、材料の性質に固有の技術的特性に対応し、エネルギーを、より詳細には音波を放散させるその能力を反映している。損失係数が大きい程、エネルギーの放散も大きく、その材料が振動減衰に作用する程度も大きくなる。この損失係数tanδは、温度及び入射波の周波数に応じて変動する。ある周波数に対して、損失係数は、ある温度でその最大値に達し、その温度は、ガラス転移温度と称され、動的機械分析によって特定される。この損失係数tanδは、レオメータ又は任意の他の適切な既知デバイスを用いて推定することができる。レオメータは、精密な温度及び周波数条件下で材料サンプルに変形応力を掛ける測定機器であり、それによって、材料を特徴付けるレオロジーパラメータのすべてが得られ、処理される。損失係数は、より具体的には、回転式レオメータを振動モードで用いて測定され、この場合、サンプルは、5℃毎に平坦域を有する-100℃~100℃の温度範囲、1~1000rad/sの角速度ωでの正弦応力に掛けられる。本出願者が用いたレオメータは、Anton Paar製のMCR302モデルである。内層の損失係数tanδは、内層の体積分率が小さ過ぎない限り実質的に同じ値を有する中間層の損失係数tanδを定めることには留意されたい。
【0040】
したがって、比較的高い損失係数tanδである内層を有する中間層を使用することで、それを備えたグレージングユニットの遮音性能をさらに改善することができる。
【0041】
本発明の1つの好ましい実施形態では、3層中間層のコアにある第1の相のIPNナノドメインは、10~1000nm、好ましくは20~400nm、理想的には30~250nmの数平均相当径を有する。前記径は、動的光散乱(DLS)測定機器を用いて測定され、これは、およそ1~5000nm径の懸濁液体中の粒子のサイズ又は溶液中のポリマー鎖のサイズへのアクセスを提供する非破壊分光分析技術である。本出願者が用いた測定機器は、Malvern Instruments製のZetasizer Nano Seriesモデルである。ナノドメインのサイズが小さいことで、ナノドメインによる光の拡散が限定され、本発明に従う3層中間層の内層の透明性が高まる。
【0042】
第1の相の屈折率(n1)と第2の相の屈折率(n2)との差は、好ましくは0.2未満、好ましくは0.1未満、理想的には0.05未満である。屈折率n1及びn2は、有利には、1.40~1.60、好ましくは1.45~1.55である。これらの屈折率のそれぞれの値によって、コアとシェルとの間の界面での光の反射を低下させることができることから、コア層による光の拡散が低下し、最終的には積層ガラスの透明性が高められる。
【0043】
本発明の1つの特定の態様では、3層中間層の内層における第1の相の体積の第2の相の体積に対する比は、20/80~80/20、好ましくは30/70~70/30である。
【0044】
前記ナノドメインを囲むマトリックスを形成するポリマーは、好ましくは、第1の相の相互侵入高分子網目を形成する第2のポリマー(P2)と同一である。このポリマーは、少なくとも1つのアクリルモノマーを含むアクリルコポリマーであってよい。
【0045】
1つの実施形態では、本発明に従う3層中間層の接着ナノコンポジット層は、さらに粘着付与剤及び/又は可塑剤を含む。粘着付与剤及び/又は可塑剤の添加は、1kHz~10kHzの周波数ディケード、好ましくは1Hz~10kHzの周波数範囲において、0℃~40℃の温度範囲で、振動減衰を向上させ、損失係数の値を4超に高め、ラテックスの乾燥時における粒子シェルの合着を補助し、そして最後にPVB層に対するコア層の接着性を向上させる。粘着付与剤は、天然の粘着性樹脂、特にロジン及びテルペン、並びに石油由来の脂肪族樹脂、芳香族樹脂、及び水素化樹脂などの合成粘着性樹脂から選択され得る。
【0046】
用いられる粘着付与剤は、好ましくは、無色透明であるように修飾され、ガードナー色スケール上で厳密に1未満のガードナー指数を有するテルペンであり、DRT製のCrystazene 110製品などである。粘着付与剤の量は、ラテックスの総重量に対して1質量%~8質量%、好ましくは2質量%~5質量%であってよい。
【0047】
1つの好ましい実施形態では、接着ナノコンポジット層は、本発明に従う中間層の2つのPVB外層と直接接触している。
【0048】
本発明の1つの特定の態様では、本発明の接着ナノコンポジット内層の厚さは、好ましくは5~50マイクロメートル、より好ましくは10~30マイクロメートルである。マイクロメートルスケールの厚さを有するコアを使用することで、その適用時にコアを形成するラテックスが流れ出すリスクを低減することができる。この厚さはまた、最終的な積層グレージングユニットの形成時及び湾曲時の応力に関して、積層グレージングのスケールでの剛性が得られ、及び積層ガラスの破壊発生時の乗客又は居住者の安全性が確保されるように、3層中間層の剛性を調節することも可能とするものである。
【0049】
本発明の3層中間層のPVB外層の厚さは、200~500マイクロメートル、好ましくは300~400マイクロメートル、理想的にはおよそ380マイクロメートルであってよい。
【0050】
本発明の1つの特定の態様では、内層は、0.2%~8%、好ましくは0.5%~8%、好ましくは2.5%~4%の中間層の体積分率に相当する。中間層内での内層の体積分率をそのような値に選択することで、一方での剛性に対する要件と、他方での遮音性能との間で充分なトレードオフが得られる。
【0051】
本発明はまた、積層ガラスのための粘弾性中間層を製造する方法にも関し、この方法は以下の工程を含む:
ポリ(ビニルブチラール)(PVB)及びポリ(エチレン-酢酸ビニル)(EVA)から選択される材料の第1のシートを供給する工程:
前記第1のシートの面の一方に対して、コアシェル構造を有するポリマー粒子を含むラテックスを適用する工程であって、
コアは、-50℃~-30℃、好ましくは-45℃~-35℃のTgを有する相互侵入高分子網目(IPN)から形成され、及び
シェルは、前記コアよりも低いTg、好ましくは-50℃未満、より好ましくは-60℃未満のTgを有するポリマーから形成される、
工程、
ラテックスを乾燥して、接着ナノコンポジット層を形成する工程、
得られた接着ナノコンポジット層に対して、ポリ(ビニルブチラール)(PVB)及びポリ(エチレン-酢酸ビニル)(EVA)から選択される材料の第2のシートを適用する工程。
【0052】
前記第1のPVBシートの面の一方に対してラテックスを適用することは、好ましくは、公知のロールトゥロール液体コーティングの方法によって、より具体的には、ニップを介してラテックスが供給されるリバースロールコーター(ニップフィードリバースロール)を用いた方法によって行われる。
【0053】
乾燥工程は、好ましくは連続的に、周囲温度で、及び/又は40℃~120℃、好ましくは60℃~100℃の温度でのオーブンにおいて行われる。この乾燥工程は、有利には、0.01atm~1atm、好ましくは0.1atm~0.5atmの減圧下で、理想的には0.25atmの圧力で行われる。次に、第2のPVBシートが、ラテックスの乾燥から得られたフィルムの上に適用される。
【0054】
方法におけるPVBシートの張力、並びにロールの安定性及びニップを介するラテックスの供給の安定性などの本方法のパラメータは、本発明の3層中間層がいかなる波状不良(waviness defects)も呈さないように制御され得る。
【0055】
本発明はまた、
第1のガラスシート、
第2のガラスシート、
第1及び第2のガラスシートの間に配置された、上記で述べた中間層、
を備えた積層グレージングユニットにも関する。
【0056】
本発明の1つの特定の態様では、前記第1のガラスシートは、0.5~3mm、好ましくは1.4~2.1mmの厚さを有し、前記第2のガラスシートは、0.5~2.1mm、好ましくは1.1~1.6mmの厚さを有する。
【0057】
本明細書の文中で述べた本発明の中間層によって付与される技術的利点は、この種類の中間層を含む積層グレージングユニットにも関連する。本出願者は、したがって、上記で述べた特定の中間層を備えた積層グレージングユニットであって、1kHz~10kHzの周波数ディケードにおいて、好ましくは1Hz~10kHzの周波数範囲において、前記積層グレージングユニットが使用される0℃~40℃、好ましくは10℃~30℃、より好ましくは15℃~25℃の温度範囲で、なおより好ましくは20℃に近い温度で良好な振動減衰特性を持つ、積層グレージングユニットを提案する。
【0058】
さらに、本発明の中間層は:
乗り物内の人のプライバシーを可能とするためか、若しくはそうでなければ乗り物の運転者が太陽光でまぶしくなることを防止するためか、若しくは単に審美的な効果のために、その面の大部分が着色されてよく、並びに/又は、
積層グレージングユニットをヘッドアップディスプレイ(HUD)システム用のスクリーンとして用いることができるように、積層グレージングユニットの上部から下部に向かってウェッジ形状に減少する断面を有してよく、並びに/又は、
太陽の赤外放射線に起因して乗り物内部の温度が上昇することを制限し、乗り物の乗客又は建築物の居住者の快適さを向上させるために、赤外放射線に対するフィルター機能を有する粒子を含んでいてもよい。
【0059】
本発明はまた、1Hz~1000Hzの振動及び構造伝播ノイズを減衰するための、及び/又は1kHz~10kHzの可聴周波数ディケードにおける空気伝播ノイズへの伝達の損失を高めるための、上記で述べた積層グレージングユニットの乗り物用ウィンドシールドとしての及び/又は建築用グレージングとしての使用にも関する。本発明のグレージングユニットがウィンドシールドとして用いられる場合、それは当然、その機械的強度を確保する目的で、耐重衝撃性のための国連規則第43号(又は単に、規則R43)の条件をすべて満たしている。
本開示の実施態様の一部を以下の[項目1]-[項目16]に記載する。
[項目1]
下記を含む接着ナノコンポジット層によって組み立てられている、ポリ(ビニルブチラール)(PVB)及びポリ(エチレン-酢酸ビニル)(EVA)から選択される材料の2つの外層を備えている、積層ガラス用中間層:
-50℃~-30℃、好ましくは-45℃~-35℃のガラス転移温度(Tg)を有するポリマーナノドメインから成る第1の不連続相、及び
前記第1の相よりも低いガラス転移温度(Tg)、好ましくは-50℃未満、より好ましくは-60℃未満のTgを有する、マトリックスと称される第2の連続ポリマー相であって、前記第1の相が前記第2の相中に分散されている、第2の連続ポリマー相。
[項目2]
前記2つの外層が、ポリ(ビニルブチラール)(PVB)の層であることを特徴とする、項目1に記載の積層ガラス用中間層。
[項目3]
前記第1の相のナノドメインは、架橋されている第1のポリマー(P1)と、架橋されている又は架橋されていない第2のポリマー(P2)とを含む相互侵入高分子網目(IPN)から形成されている、項目1又は2に記載の中間層。
[項目4]
前記第1の相を形成する前記ナノドメインは、10~1000nm、好ましくは20~400nm、理想的には30~250nmの数平均相当径を有する、項目1~3のいずれか一項に記載の中間層。
[項目5]
前記接着ナノコンポジット層は、5~50マイクロメートル、好ましくは10~30マイクロメートルの厚さを有する、項目1~4のいずれか一項に記載の中間層。
[項目6]
前記第2のポリマー(P2)は、架橋されていない、項目3に記載の中間層。
[項目7]
前記第1のポリマー(P1)は、-30℃よりも高い、好ましくは-20℃よりも高いTgを有する、項目3~6のいずれか一項に記載の中間層。
[項目8]
前記第2のポリマー(P2)は、-50℃未満、好ましくは-60℃未満のTgを有する、項目3~6のいずれか一項に記載の中間層。
[項目9]
前記第1のポリマー(P1)のTgと前記第2のポリマー(P2)のTgとの差が、10℃~60℃、好ましくは20℃~50℃である、項目7又は8に記載の中間層。
[項目10]
前記ポリマーP1及びP2は、少なくとも1つのアクリルモノマーを含むアクリルコポリマーである、項目3~9のいずれか一項に記載の中間層。
[項目11]
前記第1の相の屈折率(n1)と前記第2の相の屈折率(n2)との差が、0.2未満、好ましくは0.1未満、及び理想的には0.05未満である、項目1~10のいずれか一項に記載の中間層。
[項目12]
前記接着ナノコンポジット層は、前記2つの外層と直接接触している、項目1~11のいずれか一項に記載の中間層。
[項目13]
前記第1の相の体積の前記第2の相の体積に対する比が、20/80~80/20、好ましくは30/70~70/30である、項目1~12のいずれか一項に記載の中間層。
[項目14]
積層ガラス用中間層を製造する方法であって、以下の工程を含む方法:
ポリ(ビニルブチラール)(PVB)及びポリ(エチレン-酢酸ビニル)(EVA)から選択される材料の第1のシートを供給する工程:
前記第1のシートの面の一方に対して、コアシェル構造を有するポリマー粒子を含むラテックスを適用する工程であって、
前記コアは、-50℃~-30℃、好ましくは-45℃~-35℃のTgを有する相互侵入高分子網目(IPN)から形成され、及び
前記シェルは、前記コアよりも低いTg、好ましくは-50℃未満、より好ましくは-60℃未満のTgを有するポリマーから形成される、
工程、
前記ラテックスを乾燥して、接着ナノコンポジット層を形成する工程、
得られた前記接着ナノコンポジット層に対して、ポリ(ビニルブチラール)(PVB)及びポリ(エチレン-酢酸ビニル)(EVA)から選択される材料の第2のシートを適用する工程。
[項目15]
前記乾燥工程は、周囲温度で、及び/又は40℃~120℃、好ましくは60℃~100℃の温度でのオーブンにおいて行われる、項目14に記載の積層ガラス用中間層を製造する方法。
[項目16]
第1のガラスシート、
第2のガラスシート、
前記第1及び前記第2のガラスシートの間に配置されている、項目1~13のいずれか一項に記載の中間層、
を備えている、積層グレージングユニット。