(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】タバコ産業製品およびタバコ産業製品に関する方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/90 20200101AFI20241024BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20241024BHJP
A24F 40/50 20200101ALI20241024BHJP
【FI】
A24F40/90
A24F40/40
A24F40/50
(21)【出願番号】P 2021541613
(86)(22)【出願日】2020-01-21
(86)【国際出願番号】 EP2020051384
(87)【国際公開番号】W WO2020152148
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2021-08-16
(32)【優先日】2019-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト、ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】ホロッド、マーティン
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第204888740(CN,U)
【文献】特開2017-005817(JP,A)
【文献】特表2016-524781(JP,A)
【文献】特開2012-054584(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0046929(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1159457(KR,B1)
【文献】特表平10-510975(JP,A)
【文献】特開2007-322883(JP,A)
【文献】特開2000-246217(JP,A)
【文献】国際公開第2018/163262(WO,A1)
【文献】特表2013-524835(JP,A)
【文献】特表2018-523987(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0250552(US,A1)
【文献】国際公開第2016/016619(WO,A1)
【文献】特表2017-518733(JP,A)
【文献】特開2011-232083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル化可能な材料を加熱するための電力を供給するために電源に接続するための第1接続インターフェースと、
第1接続インターフェースに電力を供給して電源を補充するために外部電源に接続するための第2接続インターフェースと、
第2接続インターフェースの温度変化に反応するように第2接続インターフェースと熱接触して配置された温度感知素子とを含むエアロゾル化可能な材料を加熱してエアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置であって、
第2接続インターフェースから第1接続インターフェースへの電力の供給が第2接続インターフェースの温度の上昇に反応する温度感知素子に基づいて抑制され
、前記第2接続インターフェースの温度が温度閾値より高く、温度閾値は前記第2接続インターフェースの通常の作動温度より高い温度値に設定されている、装置。
【請求項2】
プリント基板を含み、第2接続インターフェースはプリント基板の第1の面に設けられ、温度感知素子がプリント基板の第2の面に設けられることを特徴とする請求項
1記載の装置。
【請求項3】
プリント基板の少なくとも一部の内部構造は第2接続インターフェースと温度感知素子間の熱移動を促進するように構成されていることを特徴とする請求項
2記載の装置。
【請求項4】
第2接続インターフェースと温度感知素子とを熱接触させるサーマルビアを含むことを特徴とする請求項
3記載の装置。
【請求項5】
温度感知素子はリセッタブルヒューズであり、
リセッタブルヒューズは第1の状態から温度閾値を上回る第2接続インターフェースの温度の上昇に反応する第2の状態に移行し、第1の状態はリセッタブルヒューズの電気抵抗が所定の電気抵抗量を下回る状態であり、第2の状態はリセッタブルヒューズの電気抵抗が所定の電気抵抗量を上回る状態であることを特徴とする請求項1乃至
4いずれか1項記載の装置。
【請求項6】
リセッタブルヒューズは第2の状態から温度閾値未満に降下した接続インターフェースの温度に反応して第1の状態に移行することを特徴とする請求項
5記載の装置。
【請求項7】
温度感知素子は第1接続インターフェースと第2接続インターフェースの間で直列に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1乃至
6いずれか1項記載の装置。
【請求項8】
温度感知素子を監視し、第2接続インターフェースが温度感知素子の履歴に基づいて障害状態にあるか否かを判断するように構成されたコントローラを含むことを特徴とする請求項1乃至
7いずれか1項記載の装置。
【請求項9】
装置のユーザーに第2接続インターフェースの障害状態を示すおよび/またはサーバーが受け取るための第2接続インターフェースのコンディションに関する情報を送信するように構成されているインジケータを含むことを特徴とする請求項
8記載の装置。
【請求項10】
タバコ産業製品の接続インターフェースのコンディションを判断する方法であって、前記接続インターフェースは、電力を供給して前記タバコ産業製品の電源を補充するために外部電源に接続するための接続インターフェースであり、
前記方法は、
前記接続インターフェースと熱接触して配置された温度感知素子を監視することと、
前記接続インターフェースの作動が該接続インターフェースの温度の上昇によって抑制された回数を温度感知素子の監視に基づいて割り出すことと、
前記接続インターフェースが第1のコンディションまたは第2のコンディションにあるかを割り出された接続インターフェースの作動が抑制された回数に基づいて判断すること
であり、前記接続インターフェースの作動が、前記接続インターフェースの温度の上昇に反応する温度感知素子に基づいて抑制され、前記接続インターフェースの温度が温度閾値より高く、温度閾値は前記接続インターフェースの通常の作動温度より高い温度値に設定されている、こととを含み、
第1のコンディションは、接続インターフェースが通常の機能をしていることを示し、第2のコンディションは、接続インターフェースが障害状態にあることを示している、方法。
【請求項11】
温度感知素子はリセッタブルヒューズであり、
リセッタブルヒューズは第1の状態から温度閾値を上回る接続インターフェースの温度の上昇に反応する第2の状態に移行し、第1の状態はリセッタブルヒューズの電気抵抗が所定の電気抵抗量を下回る状態であり、第2の状態はリセッタブルヒューズの電気抵抗が所定の電気抵抗量を上回る状態であること特徴とする請求項1
0記載の方法。
【請求項12】
接続インターフェースが第1のコンディションまたは第2のコンディションにあるかを所定の時間間隔内で接続インターフェースの作動が抑制された頻度に基づいて判断することを含むことを特徴とする請求項1
0または1
1記載の方法。
【請求項13】
判断された接続インターフェースの状態に基づいて装置のユーザーに表示するおよび/またはサーバーが受け取るための表示を接続インターフェースの判断された状態に基づいて送ることを含むことを特徴とする請求項1
1または1
2記載の方法。
【請求項14】
エアロゾル化可能な材料を加熱してエアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置の製造方法であって、
前記装置の接続インターフェースであって、前記接続インターフェースは電力を供給して前記装置の電源を補充するために外部電源に接続するための接続インターフェースであり、前記接続インターフェースと温度感知素子が熱接触するように、前記温度感知素子を前記接続インターフェースに隣接して設けることと、
コントローラを供することとを含み、コントローラは、
温度感知素子が第1の状態または第2の状態にあるかを監視し、第1の状態が温度閾値を下回る温度に反応する温度感知素子の状態であり、第2の状態は温度閾値を上回る温度に反応する温度感知素子の状態であり、
温度閾値は前記接続インターフェースの通常の作動温度より高い温度値に設定されており、
接続インターフェースの障害状態を温度感知素子の状態の履歴に基づいて判断するように構成された、装置の製造方法。
【請求項15】
タバコ産業製品に電力を供給するための充電ポートと、
充電ポートと熱交換されるように充電ポートと熱接触して配置された温度検知器とを含むタバコ産業製品であって、
充電ポートの作動が充電ポートの温度が温度閾値を上回ったことを検知する温度検知器に反応して抑制され
、温度閾値は前記充電ポートの通常の作動温度より高い温度値に設定されている、タバコ産業製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル化可能な材料を加熱するための装置、タバコ産業製品の部品の状態を判断する方法、前記装置の製造方法およびタバコ産業製品に関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻きタバコ、シガーなどの物品は、使用時にタバコを燃やして煙を発生させる。タバコを燃焼させるこれらの製品に代わるものとして燃焼させずに化合物を放出する製品を作成する試みがなされている。そのような製品の例として材料を燃やさずに加熱することによって化合物を放出するタバコ加熱製品またはタバコ加熱装置としても知られている所謂、非燃焼加熱製品などがある。その材料は、例えばタバコまたは他の非タバコ製品またはブレンドミックスなどの組み合わせであってもよく、これはタバコを含んでも含まなくてもよい。
【0003】
そのような製品は、通常、充電可能なバッテリーと、このバッテリーに電力を供給するための手段を含む。そのような手段は電力を供給するためにコネクターを挿入できる充電ポートを含む。
【発明の概要】
【0004】
本発明の第1の態様ではエアロゾル化可能な材料を加熱してエアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置が提供され、この装置は、エアロゾル化可能な材料を加熱するための電力を供給するために電源に接続するための第1接続インターフェースと、第1接続インターフェースに電力を供給して電源を補充するために外部電源に接続するための第2接続インターフェースと、第2接続インターフェースの温度変化に反応するように第2接続インターフェースと熱接触して配置された温度感知素子とを含み、第2接続インターフェースから第1接続インターフェースへの電力の供給が第2接続インターフェースの温度の上昇に反応する温度感知素子に基づいて抑制される。
【0005】
本発明の第2の態様ではタバコ産業製品の接続インターフェースのコンディションを判断する方法が提供され、この方法は接続インターフェースと熱接触して配置された温度感知素子を監視することと、接続インターフェースの作動が接続インターフェースの温度の上昇によって抑制された回数を温度感知素子の監視に基づいて割り出すことと、接続インターフェースが第1のコンディションまたは第2のコンディションにあるかを割り出された接続インターフェースの作動が抑制された回数に基づいて判断することとを含み、第1のコンディションは接続インターフェースが通常の機能をしていることを示し、第2のコンディションは接続インターフェースが障害状態にあることを示す。
【0006】
本発明の第3の態様ではエアロゾル化可能な材料を加熱してエアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置の製造方法が提供され、この方法は温度感知素子を温度感知素子が装置の接続インターフェースと熱接触するように接続インターフェースに隣接して設けることと、コントローラを供することとを含み、このコントローラは温度感知素子が第1の状態または第2の状態にあるかを監視するように構成され、第1の状態が温度閾値を下回る温度に反応する温度感知素子の状態であり、第2の状態は温度閾値を上回る温度に反応する温度感知素子の状態であり、接続インターフェースの障害状態を温度感知素子の状態の履歴に基づいて判断する。
【0007】
本発明の第4の態様ではタバコ産業製品が提供され、このタバコ産業製品はタバコ産業製品に電力を供給するための充電ポートと、充電ポートと熱交換されるように充電ポートと熱接触して配置された温度検知器とを含み、充電ポートの作動が充電ポートの温度が温度閾値を上回ったことを検知する温度検知器に反応して抑制される。
【0008】
添付図面を参照して本発明の実施態様をあくまで例示を目的として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】エアロゾル化可能な材料を加熱するための装置の略図である。
【
図3】
図1の装置の部品の温度依存挙動を示すグラフである。
【
図4】
図1の装置の部品のコンディションを判断する方法を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
種々の問題の対処と技術の発展のため、本開示全体は種々の実施形態を例示的に示しており、これらの実施形態では特許請求された発明が実践され、吸引可能な媒体を発生させるために構成された優れたシステムを提供することができる。本開示の利点および特徴は実施形態の単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。これらは特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
【0011】
本明細書中では「エアロゾル化可能な材料」なる用語は加熱すると揮発成分を、典型的にはエアロゾルの形体で供する材料を含む。「エアロゾル化可能な材料」はあらゆるタバコ含有材料を含み、例えばタバコ、タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコまたはタバコ代替え品の1つ以上を含んでもよい。「エアロゾル化可能な材料」は、製品によっては他の非タバコ製品も含んでもよく、ニコチンを含んでも含まなくてもよい。「エアロゾル化可能な材料」は、例えば固体、液体、ゲル、ワックスなどの形体であってもよい。「エアロゾル化可能な材料」は、材料の組み合わせまたはブレンドであってもよい。一部の例ではエアロゾル化可能な材料はゲルである。一部の例ではエアロゾル化可能な材料は液体であり、例えばエアロゾル化可能な材料を加熱する装置と使用する好適な容器に入れて提供してもよい。
【0012】
エアロゾル化可能な材料を燃やさずまたは燃焼させずに典型的には吸引可能なエアロゾルを形成するためにエアロゾル化可能な材料を加熱してエアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置が知られている。そのような装置は、「非燃焼加熱」装置または「タバコ加熱製品」または「タバコ加熱装置」またはそれに類似するものとして説明される場合がある。同様に典型的にはニコチンを含むまたは含まない液状のエアロゾル化可能な材料を蒸発させる電子タバコと呼ばれているものもある。エアロゾル化可能な材料は、装置に挿入することができるロッド、カートリッジまたはカセットなどの形体であってもよく、またはそれらの一部として提供される。一部の例ではエアロゾル化可能な材料を加熱し、揮発させるヒーターは装置の「永久」部品として設けてもよく、あるいは使用後破棄または交換されるエアロゾル化可能な材料を含む物品または消耗品の一部として提供されてもよい。本文脈において「エアロゾル化可能な材料を含む物品」または「消耗品」は、使用時にエアロゾル化可能な材料および任意に使用時に他の部品を含むまたは収容し、エアロゾル化可能な材料を揮発させるためにエアロゾル化可能な材料を加熱して、ユーザーの吸引のためにエアロゾルの流れを発生させる装置または物品または他の部品である。
【0013】
図1はエアロゾル化可能な材料を加熱してエアロゾル化可能な材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置100を略式に示している。装置100は、例えばユーザーによる吸引のためのエアロゾルを供する携帯型デバイスであってもよい。デバイス100は、例えばタバコ産業製品であってもよい。装置100(以下、「デバイス」100)は、エアロゾル化可能な材料を加熱するために電力を供給するための電源に接続する第1接続インターフェース102を含む。例えば、第1接続インターフェースは携帯小型装置に好適なリチウムイオンバッテリー104などのバッテリー104または別の種類
の充電可能なバッテリー104に接続してもよい。バッテリー104は、それが第1接続インターフェース102(以下、「バッテリーインターフェース」102)と係合するようにデバイス100に挿入してもよい。デバイス100は、例えばユーザーがバッテリー104を挿入および/または取り外せるように構成してもよい。他の例では、デバイス100は既にバッテリーインターフェース102に含まれているまたはこれと係合して
いる、および/またはユーザーが取り外せないバッテリー104が設けられてもよい。
【0014】
バッテリーインターフェース102は、バッテリー104から電力を抽出するおよび/またはバッテリー104に電力を供給するために配置された電機部品を含んでもよい。例えば、バッテリーインターフェース102は、バッテリー104に電気的に接続するためにバッテリー104の1つ以上の端子と係合する電気接点を含んでもよい。当然のことながら種々の形体のバッテリーインターフェースをデバイス100などの携帯装置に使用してもよい。バッテリーインターフェース102は、電力を必要とするデバイス100の他の部品へのバッテリー104からの電力の供給の補助をする。例えば、バッテリーインターフェース102は、エアロゾルを発生するためにエアロゾル化可能な材料を加熱するように構成された加熱装置へのバッテリー104からの電力の供給の補助をする。また例えば、バッテリーインターフェース102は、再充電、言い換えればバッテリー104を補充するためにバッテリー104への電力の供給の補助をする。
【0015】
デバイス100は、バッテリーインターフェース102に電力を供給してバッテリー104を補充するために外部電源に接続するための第2接続インターフェース106を含む。第2接続インターフェース106は、コネクターを挿入することができるまたはコネクターを係合させるポートであってもよい。第2接続インターフェース106はデバイス100に電力を供給するための充電ポートである。第2接続インターフェース106は、従って充電ポート106と言ってもよい。充電ポート106は充電ポート106に接続される(または係合する)コネクターを介して外部電源に接続する。例えば、充電ポート106は雄USBコネクターを収容するためのUSBポートであってもよい。当然のことながら対応するコネクターを収容するための種々の異なるタイプのUSBポートをデバイス100などの携帯装置に使用してもよい。例えば、充電ポートは、USBタイプAポート、USBタイプミニBポート、USBタイプマイクロBポート、USBタイプCポートなどであってもよい。他の例では、充電ポート106は、外部電源に接続するために小型携帯装置に設けられるのに好適なUSBポート以外の種類のポートであってもよい。
【0016】
外部電源は、例えば商用電源(例えば、充電ポートがコネクターおよび壁プラグなどを介して商用電源供給に接続する)、ラップトップ、携帯バッテリーパック等の電力を供給できる電子装置であってもよい。
【0017】
図1の例ではデバイス100は、プリント基板(PCB)108を含む。この例ではバッテリーインターフェース102および充電ポート106はPCB108上に装着されている。この例ではバッテリーインターフェース102と充電ポート106の両方が同じPCB108上に装着されているが、一部の例ではバッテリーインターフェース102と充電ポート106は別々のPCB上に装着されてもよい。この例ではPCB108は電源供給トラック110によって図に示すようにバッテリーインターフェース102と充電ポート106間の電気的接続の補助をしている。またPCBは、デバイス100のバッテリーインターフェース102と種々の他の部品(図示せず)間そしてデバイス100の充電ポート106と種々の他の部品間の電気的接続の補助をしている。この例ではバッテリーインターフェース102はPCB108上のバッテリーインターフェーストラック112を介してデバイス100の他の部品に電気的に接続されており、充電ポート106はPCB108上の充電ポートトラックを介してデバイス100の他の部品に電気的に接続されている。
【0018】
また一部の例では充電ポート106は、データ通信用に構成されている。デバイス100は、デバイス100の種々の作動を制御するためのコントローラ(図示せず)を含んでもよい。またデバイス100は、コントローラとデータ通信するデータ記憶部品(図示せず)を含んでもよい。例えば、充電ポート106は、デバイス100のデータ記憶部品、デバイス100のコントローラなど、および外部デバイス(外部コンピュータ/スマートデバイス、例えばスマートフォン、ラップトップなど)とのデータ通信を行える。例えば、データ通信は装置100のデータ記憶部品と充電ポート106の間で充電ポートトラック114を介して行われ、データ通信は充電ポート106と外部デバイスの間で充電ポート106に挿入される(または係合した)コネクターを介して行われる。
【0019】
デバイス100は、充電ポート106の温度変化に反応するように充電ポート106と熱接触して配置された温度感知素子116を含む。温度感知素子116は、言い換えれば充電ポート106と熱接触して配置された温度検知器であり、熱が温度検知器と充電ポート106の間で交換されるようになっている。例えば、温度感知素子116は、温度感知素子116の特性が充電ポート106の温度の関数として変化するという意味で充電ポート106の温度変化に対して反応してもよい。温度感知素子116は、携帯型デバイスに適したあらゆる種類の温度センサであってもよく、例えばバイメタル板を含むセンサ、サーミスタ、抵抗性温度検知器、サーモカップル、リセッタブルヒューズなどであってもよい。
【0020】
デバイス100では充電ポート106からバッテリーインターフェース102への電力の供給は、充電ポート106の温度の上昇に反応する温度感知素子116に基づいて抑制される。言い換えれば、充電ポート106の作動が充電ポート106の温度の上昇に反応する温度感知素子116により抑制される。例えば、充電ポート106からバッテリーインターフェース102への電力供給は、充電ポート106の温度が温度閾値を上回ることに反応する温度感知素子116に基づいて抑制される(即ち、充電ポートの作動は充電ポート106の温度が温度閾値を上回ったことを検出する温度検知器に反応して抑制される)。「抑制」なる用語は、ここでは電力の供給(または電流の流れなどが)が減らされる/減少させるおよび/または止められることを意味するように使用される。
【0021】
温度閾値は、充電ポート106の通常の作動温度より高い温度に設定してもよい。通常の作動温度は、充電ポート106に障害がないときに充電ポート106がバッテリーインターフェース102へ電力を供給している間に到達すると予測される所定の温度の範囲内の温度であってもよい。例えば、この所定の範囲の上限は、充電ポート106に障害がなく、デバイス100が充電ポート106で受け取るように構成されている最大電流を充電ポート106が受けた際に到達すると予測される最大作動温度によって規定されてもよい。一部の例では温度閾値は最大作動温度より高く設定されてもよい。言い換えれば、温度閾値は、充電ポート106からバッテリーインターフェース102への電力の供給が、充電ポート106が正常に機能している際にそれが最大電流で到達する温度またはそれを下回る温度で抑制されないように定められる(充電ポート106が正常に機能しない原因については以下に説明する)。
【0022】
以下の説明は温度感知素子116がリセッタブルヒューズ116(リセッタブルヒューズはポリヒューズまたはポリスイッチと言われる場合もある)である例に関連する。
【0023】
リセッタブルヒューズ116は、例えばPCB108上の充電ポート106に物理的に極めて接近して配置されることによって充電ポート106と熱接触して配置されてもよい。例えば、リセッタブルヒューズ116は、リセッタブルヒューズ116が充電ポート106と熱接触するようにデバイス100の充電ポート106に隣接して設けてもよい。一部の例ではリセッタブルヒューズ116と充電ポート106間の熱的接触は、リセッタブルヒューズ116および充電ポート106と物理的に接触する熱伝導部材によって設けてもよい。
【0024】
図2は
図1に示した充電ポート106およびリセッタブルヒューズ116が装着されたPCB108の側面を示している(
図1に示したいくつかの部材は分かりやすくするために
図2から省略されていることに留意されたい)。この例では充電ポート106がPCB108の第1の面202に設けられ、リセッタブルヒューズ116がPCB108の第2の面204に設けられている。そのような例ではPCB108の少なくとも一部の内部構造は充電ポート106とリセッタブルヒューズ116間で熱を移動しやすくしている。
図2の例ではリセッタブルヒューズ116は、第1の面202上の充電ポート106と正反対の第2の面204上に設けられている。
図2の例では充電ポート106とリセッタブルヒューズ116の間のPCB108の部分は熱を移動させやすくするように構成されている。この例では充電ポート106とリセッタブルヒューズ116の間のPCB108の部分には充電ポート106とリセッタブルヒューズ116間で熱的接触を供するサーマルビア206が設けられている。
【0025】
サーマルビア206は、良好な熱伝導性を有する金属で構成された中空の円筒であってもよい。例えば、サーマルビア206は、銅などで構成された中空の円筒であってもよい。
【0026】
リセッタブルヒューズ116は、充電ポート106の温度の温度閾値を上回る上昇に反応して第1の状態から第2の状態へと移行してもよい。上述したようにリセッタブルヒューズ116は、充電ポート106と熱接触している。従って、充電ポート106の温度が上昇すると、リセッタブルヒューズ116の温度もまた上昇する。リセッタブルヒューズ116は、リセッタブルヒューズが切り替え温度に到達すると第1の状態から第2の状態へと移行する。第1の状態はリセッタブルヒューズ116の電気抵抗が所定の電気抵抗量を下回る導電状態であってもよい。第2の状態はリセッタブルヒューズ116の電気抵抗が所定の電気抵抗量を上回る非導電状態であってもよい。リセッタブルヒューズ116が非導電状態にあると、それを流れる電流が抑制される。導電および非導電状態にあるリセッタブルヒューズ116の電気抵抗値(そして従って所定の電気抵抗量)は、例えばリセッタブルヒューズ116のポリマーマトリックスに含まれる導電粒子の相対量などのリセッタブルヒューズ116の特定の特性に依存する。
【0027】
上述したように温度閾値は最大作動温度超であってもよい。リセッタブルヒューズ116は、充電ポート106が温度閾値のときにその切り替え温度に到達するように選択される。充電ポート106とリセッタブルヒューズ116間の熱的接触は、リセッタブルヒューズ116と充電ポート106が同じ温度であると判断されれば充分である。そのような場合(例えばリセッタブルヒューズ116と充電ポート106が極めて良好に熱的接触している場合)にはリセッタブルヒューズ116はその切り替え温度が温度閾値と同じになるように選択される。リセッタブルヒューズ116の温度が充電ポート106の温度と同じであると判断されない場合には、リセッタブルヒューズ116は、充電ポート106が温度閾値にあるときにリセッタブルヒューズ116の切り替え温度が、その予測到達温度になるように選択してもよい。
【0028】
リセッタブルヒューズ116が非導電状態にあると、リセッタブルヒューズは冷めて非導電状態から導電状態へと移行する、即ちポリマーマトリックスが非晶質から結晶質へと移行するように冷める。この例ではリセッタブルヒューズ116は、充電ポート106の温度が温度閾値より下がったことに反応して非導電状態から導電状態へと移行する。リセッタブルヒューズ116が非導電状態から導電状態へと移行すると、充電ポート106からバッテリーインターフェース102への電力の供給はそれ以上抑制されない。
【0029】
従って、この例ではリセッタブルヒューズ116は、充電ポート106の温度が温度閾値を上回っているか下回っているかによってその状態を変える。上述したようにバッテリーインターフェース102と充電ポート106間の電力の供給は、充電ポート106の温度が温度閾値を上回ったことに反応するリセッタブルヒューズ116に基づいて抑制される。
【0030】
従って、作動時、リセッタブルヒューズ116は、充電ポート106の温度が温度閾値を上回る場合、電力の供給を抑制するが、充電ポート106の温度が温度閾値未満に下がると、電力の供給の抑制を停止する。
【0031】
電力の供給が抑制される1つの様態は次の通りである。リセッタブルヒューズはバッテリーインターフェース102と充電ポート106の間で電気的に直列に接続される。直列接続は充電ポート106からバッテリーインターフェース102への電力の移行が起こった際に電流がリセッタブルヒューズ116を通過するということである。この場合、リセッタブルヒューズ116が充電ポート106の温度が温度閾値を上回ったことに反応して導電状態から非導電状態に移行した際にリセッタブルヒューズ116はリセッタブルヒューズ116を通る電流の流れを抑制し(その抵抗が非導電状態の所定の電気抵抗量を上回ることによって)、これは充電ポート106からバッテリーインターフェース102への電力の移行が抑制されることを意味する。
【0032】
当然のことながらリセッタブルヒューズ116を流れる電流もまたリセッタブルヒューズ116の温度を上昇させる。リセッタブルヒューズ116が電流がそれを通過して流れるようにデバイス100に配置されている場合、リセッタブルヒューズ116の温度は、それを流れる電流並びに充電ポート106からの熱移動により上昇する。従って、リセッタブルヒューズ116は充電ポート106から熱の移動だけでなく、どれくらい電流がリセッタブルヒューズ116を流れるかによって導電状態から非導電状態に移行することが可能になる。
【0033】
リセッタブルヒューズ116の保持電流は、リセッタブルヒューズ116が切り替え温度に到達する、即ち導電状態から非導電状態へ移行する前にリセッタブルヒューズ116が支持できる最大電流フローとして定義してもよい。当然のことながらリセッタブルヒューズ116は、温度上昇の原因に関係無くそれが切り替え温度に到達すれば導電状態から非導電状態へ移行する。保持電流は、リセッタブルヒューズ116の温度によって変化してもよい。これはリセッタブルヒューズ116が熱くなるほど、それが切り替え温度に到達するまでリセッタブルヒューズ116の温度をさらに上昇させるために必要とされる電流フローが少なくなるためである。
図3はリセッタブルヒューズ116の保持電流とリセッタブルヒューズ116の温度の例示的関係を説明するグラフ300を示している。グラフ
300では垂直軸がリセッタブルヒューズ116の保持電流Ihを示し、水平軸はリセッタブルヒューズ116の温度Tを示している。グラフ300は、リセッタブルヒューズ116の温度Tが上昇すると保持電流Ihが直線的に減少することを示している。
【0034】
説明した例の状況では充電ポート106の温度が高くなるほど、リセッタブルヒューズ116の温度が高くなり、従って、リセッタブルヒューズ116の保持電流が小さくなる。充電ポート106は、最小電流と電力のバッテリーインターフェース102へ移動させるための最大電流の間の範囲内の電流フローを受ける。リセッタブルヒューズ116は、その保持電流が充電ポート106の温度が温度閾値のときに最小電流より小さくなるように選択される。これは充電ポート106の温度が温度閾値またそれより高いときに電力(上述の範囲内の)を供給するための任意の量の電流によって結果としてリセッタブルヒューズ116が切り替え温度に到達することになり、従って、電力の供給が抑制されることを意味する。
【0035】
上記の例では(即ち、リセッタブルヒューズ116が上記したように電気的に直列に接続されている場合)、充電ポート106およびバッテリーインターフェース102に対してリセッタブルヒューズ116は、電力の移動がリセッタブルヒューズ116によって直接的に抑制されるように配置されている。
【0036】
この例では充電ポート106の温度が温度閾値より下がり、その結果リセッタブルヒューズ116の温度が切り替え温度より低下すると、リセッタブルヒューズ116は非導電状態から導電状態へと移行し、それを通る電流フローはそれ以上抑制されず、従って、充電ポート106とバッテリーインターフェース102間の電流フローはそれ以上抑制されない。従って、リセッタブルヒューズ116が充電ポート106とバッテリーインターフェース102の間で電気的に直列に接続されている例では充電ポート106からバッテリーインターフェース102への電力の供給は、充電ポート106の温度が温度閾値より下がると、リセッタブルヒューズ116によって直接的に抑制されるのを停止する。
【0037】
他の例では、リセッタブルヒューズ116は所望の条件下で電力の移動を直接的に抑制する様態(上記した)で配置されなくてもよい。例えば、リセッタブルヒューズ116は上述したように電気的に直列に接続されなくてもよい。上述したようにリセッタブルヒューズ116は温度感知素子の一例である。一部の例では上述のように電力の供給を直接的に抑制しない異なる温度感知素子を使用してもよい。
【0038】
温度感知素子が電力の供給を直接的に抑制しない例では電力の供給はデバイス100の他の部品によって抑制してもよい。例えば、コントローラが充電ポートトラック114を介して充電ポート106の温度の変化に反応するリセッタブルヒューズ116に基づく表示を受け取ってもよい。例えば、コントローラは充電ポート106の温度が温度閾値より高いという第1の表示を受け取ってもよい。第1の表示はリセッタブルヒューズ116の導電状態から非導電状態への移行の結果として受け取られてもよい。第1の表示を得ることは、例えばリセッタブルヒューズ116の抵抗が所定の電気抵抗量を下回ったところからそれを上回ったことを示すリセッタブルヒューズ116の抵抗の測定を含んでもよい。
【0039】
第1の表示に反応してコントローラは充電ポート106からバッテリーインターフェース102への電力の供給を抑制させてもよい。コントローラは、例えば充電ポート106とバッテリーインターフェース102間の電気的接続をスイッチなどを開くことによって遮断することで抑制させてもよい。
【0040】
コントローラは充電ポート106の温度が温度閾値未満である第2の表示を受け取ってもよい。第2の表示はリセッタブルヒューズが温度閾値未満に充電ポート106が冷めたことによって非導電状態から第1へと移行した際に受け取られてもよい。第1の表示と同様に第2の表示はリセッタブルヒューズが非導電状態から導電状態へと移行したことの結果として受け取られてもよく、第2の表示を得ることはリセッタブルヒューズ116の抵抗が所定の電気抵抗量を上回ったところからそれを下回ったことを示すリセッタブルヒューズ116の抵抗の測定を含んでもよい。第2の表示に反応してコントローラは充電ポート106からバッテリーインターフェース102への電力の供給を例えばこれら2つを電気的に接続するスイッチを閉じることによってできるようにしてもよい。
【0041】
充電ポート106の温度は充電ポート106を流れる電流によって上昇する。充電ポート106の温度は充電ポート106に障害が存在する場合、充電ポート106からバッテリーインターフェース102への電力の移送中温度閾値を超える。充電ポート106の障害としては充電ポート106の機械的障害、例えば、充電ポート106の温度を電力の移動中に温度閾値を超えさせる充電ポート106の物理的損傷が挙げられる。また障害の例として充電ポート106が例えば破片などによって汚されることが挙げられる。破片は充電ポート106に入り、供給される電流を自由に受け取ることができる充電ポート106の電気的接触領域に影響を与えることによってその温度を電力の移動時に温度閾値を超えさせてしまう。場合によっては液体が充電ポート106に入って、固化して破片を形成し、その結果電力の移動中に充電ポート106で熱が発生する場合がある。
【0042】
充電ポート106の温度が温度閾値を超えると、充電ポート106からバッテリーインターフェース102への電力の供給は上述したように抑制される。電力の供給が充電ポート106を通る電流フローが抑制されることによって抑制されると、結果として充電ポート106は冷める。充電ポート106が充分に冷めると(非導電状態から導電状態への移行が起きるように)、電力の供給は上述のようにそれ以上抑制されなくなる。最初に充電ポート106の温度が温度閾値を超えさせる充電ポート106の障害が充電ポート106が冷めて電力の供給がそれ以上抑制されなくなったときにクリアになる(即ち、それ以上存在しなくなる)。当然のことながらこれは特定の機械的障害の場合ではなく、破片などの他の障害がクリアにされる。この場合電力はバッテリーインターフェース102に供給され続けてもよい。
【0043】
一部の例では充電ポート106の障害は充電ポート106の温度が繰り返し温度閾値を超えるように持続する。充電ポート106は充電ポートが通常の機能をしている第1のコンディションまたは充電ポート106にその温度が繰り返し温度閾値を超えさせる持続的障害がある第2のコンディションにある。本文脈において通常の機能をしているということは充電ポート106の温度が短時間で繰り返し温度閾値を超えないことを意味する。第1のコンディションは、通常機能コンディションと言ってもよい。第2のコンディションは障害コンディションと言ってもよい。
【0044】
コントローラは、リセッタブルヒューズ116を監視し、充電ポートがリセッタブルヒューズ116の履歴に基づいて障害状態にあるかを判断するように構成してもよい。デバイス100のコントローラは
図4のブロック図に例示した方法400などの方法を採用してもよい。
【0045】
方法400のブロック402では接続インターフェースと熱接触して配置された温度感知素子が監視される。例えば、充電ポート106と熱接触する(例えばサーマルビア206を用いて)リセッタブルヒューズ116が監視される。コントローラはブロック402の監視を例えば充電ポートトラック114を介して行う。方法400のブロック404では接続インターフェースの作動が接続インターフェースの温度の上昇により抑制された回数が温度感知素子の監視に基づいて割り出される。ブロック404の関連で接続インターフェースの作動は接続インターフェースの温度の上昇に反応した温度感知素子により抑制される。例えば、リセッタブルヒューズ116は導電状態から非導電状態への移行による充電ポート106の温度の上昇に反応する。充電ポート106の作動は充電ポート106の温度上昇に反応する充電ポート106からバッテリーインターフェース102への電力の供給の抑制により抑制される。例えば、コントローラはブロック404により判断する。
【0046】
ブロック406では接続インターフェースが第1のコンディションまたは第2のコンディションにあるかは割り出された接続インターフェースの作動の抑制回数に基づいて判断され、第1のコンディションは接続インターフェースの通常の機能を示し、第2のコンディションは接続インターフェースの障害コンディションを示す。例えば、充電ポート106からバッテリーインターフェース102への電力供給の割り出された抑制回数に基づき、コントローラは充電ポート106が第1のコンディション(通常の機能コンディション)または第2のコンディション(障害状態-充電ポート106が継続する障害を有する)にあるかを判断する。
【0047】
ブロック406は、充電ポート106の作動が所定の時間間隔で抑制される頻度に基づいて充電ポート106が通常の機能コンディションまたは障害コンディションにあるかを判断することを含んでもよい。例えば、この所定の時間間隔は、第1の充電状態から第2の充電状態に進むためにデバイス100のバッテリー104が必要とする時間またはその倍数であってもよい。第1の充電状態はデバイス100のユーザーが充電を開始しようとした際(例えば、適当なコネクターを電力供給のために充電ポート106に差し込むことによって)の充電状態になるように選択されてもよい。例えば、第1の充電状態は、20%バッテリーが残っている状態であってもよい。第2の充填状態は、100%バッテリー残っている状態またはユーザーが通常充電を止める(例えば80%)とされる別の値であってもよい。当然のことながら正確な充填状態は、方法400が実行される様態には重要ではない。
【0048】
例えば、充電ポート106はその作動が所定の時間間隔で3回以上上記の通り抑制されたら障害コンディションにあると判断され、所定の時間間隔は、20%バッテリー残量から80%バッテリー残量に進むのにバッテリーが必要とする時間である。充電ポート106のそのような履歴は持続する障害によるものである。
【0049】
一部の例ではデバイス100は、デバイス100のユーザーに充電ポート106の障害コンディションを示すためのものであって、サーバーによって受け取られる充電ポート106のコンディションに関する情報を送るように構成されたインジケータを含む。例えば、デバイス100は、視覚インジケータ、聴覚インジケータ、触覚インジケータを含んでもよい。例えば、視覚インジケータは、LEDなどのライトまたは情報(テキスト、図形などの)を表示するディスプレイスクリーンなどのより複雑なインジケータを含んでもよい。デバイス100は、デバイス100がいつスマートデバイス、例えばラップトップなどに接続されたかのコンディションに関する情報を送ってもよい。例えば、コントローラは、充電ポートトラック114を介してスマートデバイスが充電ポート106によってデバイス100にいつ接続されたかという情報を送ってもよい。スマートデバイスはサーバーにその情報を送ってもよい。これとは別にまたは加えてデバイス100は情報を送るための無線トランスミッターを含んでもよい。デバイス100は、その情報をサーバーによって受け取られるためにネットワーク(例えば携帯通信ネットワーク)を介して無線で送信してもよく、および/またはサーバーによって最終的に受け取られるようにその情報をスマートデバイス(例えば、Bluetooth、WiFiなどを介して)に無線で送信してもよい。スマートデバイスは情報をサーバーに送信してもよい。
【0050】
サーバーは充電ポートのコンディションに関する情報を収集してもよい。デバイス100の製造者はこの情報にアクセスしてもよく、ユーザーにデバイス100の交換または修理を提案してもよい。製造者はデバイス100の充電ポート106の性能および信頼性に関する情報を得ると有利である。サーバーが収集した情報は、デバイス100の問題を診断するのに役立ててもよく、例えばユーザーによって報告された問題は充電ポート106の持続的障害によるものか否かを判断することも可能である。
【0051】
上述の例のいくつかによるデバイス100などのエアロゾル化可能な材料を加熱するための装置の製造方法が実行される。そのような方法は、温度感知素子が接続インターフェースと熱接触するように温度感知素子(例えば、リセッタブルヒューズ116)を装置の接続インターフェース(例えば、充電ポート106)に隣接して設けることを含む。またこのような方法は上述のコントローラのようなコントローラを設けることを含み、このコントローラは温度感知素子が第1の状態または第2の状態にあるかを監視するように構成され、第1の状態が温度閾値を下回る温度に反応する温度感知素子の状態であり、第2の状態は温度閾値を上回る温度に反応する温度感知素子の状態である。このような方法で設けられたコントローラは接続インターフェースの障害状態を温度感知素子の状態の履歴に基づいて判断するように構成されている。
【0052】
本明細書で説明した種々の例は、特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。これらの実施態様は単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。