(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】取付装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
B23Q 9/02 20060101AFI20241024BHJP
B25F 5/00 20060101ALN20241024BHJP
【FI】
B23Q9/02 B
B25F5/00 G
(21)【出願番号】P 2021547198
(86)(22)【出願日】2020-03-10
(86)【国際出願番号】 EP2020056314
(87)【国際公開番号】W WO2020182796
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2022-09-12
(31)【優先権主張番号】102019203355.5
(32)【優先日】2019-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518407205
【氏名又は名称】フェストール・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【氏名又は名称】鈴木 友子
(72)【発明者】
【氏名】シュペングラー・ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイク・ヨナタン
【審査官】野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-270389(JP,A)
【文献】特開2002-036055(JP,A)
【文献】特開2004-316271(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0011917(US,A1)
【文献】特開2016-163931(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 1/00- 5/02
B23Q 9/00- 9/02
B24B23/08
F16B47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能ユニット(1)用の取付装置(10)であって、
ハウジング(2)と、
ハウジング(2)の外側に配置された吸着領域(3)であって、取付装置(10)を支台(8)に解除可能に取付けできる、吸着領域(3)と、
ハウジング(2)内に配置された電動式の負圧ユニット(4)であって、吸着領域(3)に負圧を供給するように構成された、負圧ユニット(4)と、を備え、
取付装置(10)は、機能ユニット(1)を取付け装置(10)に取外し可能に取り付けるための少なくとも1つの取付インタフェース(5)をさらに備え、取付インタフェース(5)は、機能ユニット(1)に係合し、機能ユニット(1)は、ガイド装置を有する、
取付装置(10)。
【請求項2】
機能ユニット(1)用の取付装置(10)であって、
ハウジング(2)と、
ハウジング(2)の外側に配置された吸着領域(3)であって、取付装置(10)を支台(8)に解除可能に取付けできる、吸着領域(3)と、
ハウジング(2)内に配置された電動式の負圧ユニット(4)であって、吸着領域(3)に負圧を供給するように構成された、負圧ユニット(4)と、を備え、
取付装置(10)は、機能ユニット(1)を取り付けるための少なくとも1つの取付インタフェース(5)をさらに備え、機能ユニット(1)は、ガイド装置を有し、
取付インタフェース(5)は、第1の取付インタフェースであり、取付装置(10)は、第2の取付インタフェース(18)をさらに有し、両取付インタフェース(5、18)が、取付装置(10)のそれぞれ異なる側に配置されている、
取付装置(10)。
【請求項3】
機能ユニット(1)用の取付装置(10)であって、
ハウジング(2)と、
ハウジング(2)の外側に配置された吸着領域(3)であって、取付装置(10)を支台(8)に解除可能に取付けできる、吸着領域(3)と、
ハウジング(2)内に配置された電動式の負圧ユニット(4)であって、吸着領域(3)に負圧を供給するように構成された、負圧ユニット(4)と、を備え、
取付装置(10)は、機能ユニット(1)を取り付けるための少なくとも1つの取付インタフェース(5)及び/又は機能ユニット(1)をさらに備え、機能ユニット(1)は、ガイド装置を有し、
取付装置(10)が、複数の吸着領域(3、3A、3B、3C、3D)を有
し、
ハウジング(2)は、外側で取付装置(10)のそれぞれ異なる側に表面を有し、ハウジング(2)の外側表面において複数の吸着領域(3、3A、3B、3C、3D)が、ハウジング(2)のそれぞれ異なる面に配置されている、
取付装置(10)。
【請求項4】
取付インタフェース(5)は、吸着領域(3)と同一の方向に向けられている、請求項1から3のいずれか一項に記載の取付装置(10)。
【請求項5】
取付インタフェース(5)が、取付装置(10)が支台(8)に取り付けられた状態で、機能ユニット(1)を、支台(8)に当接された位置で保持する又は挟むように構成されている、請求項1から4までのいずれか一項に記載の取付装置(10)。
【請求項6】
ハウジング(2)内に配置されたエネルギ貯蔵器(21)及び/又はハウジング(2)に配置された、エネルギ貯蔵器の取り付けのためのエネルギ貯蔵器インタフェースをさらに備える、請求項1から5のいずれか一項記載の取付装置(10)。
【請求項7】
取付インタフェース(5)が、取付機構(7)、スライドブロック(12)、トグルレバー、偏心体及び/又は回転レバーを有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の取付装置(10)。
【請求項8】
シールアセンブリ及び/又は設置アセンブリ(14)をさらに備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の取付装置(10)。
【請求項9】
シールアセンブリ及び/又は設置アセンブリ(14)の少なくとも1つの部品又は部分が、交換可能に構成されている、請求項8に記載の取付装置(10)。
【請求項10】
吸着領域(3)を提供する吸着面をさらに備え、シールアセンブリ及び/又は設置アセンブリ(14)が、支台(8)上に設置するための設置平面を画定する、請求項8又は9に記載の取付装置(10)。
【請求項11】
設置平面が、吸着面に対して角度付けられている、請求項10に記載の取付装置(10)。
【請求項12】
シールアセンブリ及び/又は設置アセンブリ(14)が、圧力センサダイアフラムを有する、請求項8から11のいずれか一項に記載の取付装置(10)。
【請求項13】
電動式の負圧ユニット(4)が、2つの負圧回路を提供するように構成されている、請求項1から12のいずれか一項に記載の取付装置(10)。
【請求項14】
吸着領域(3)が、別個の少なくとも2つの吸着部分(15A、15B)を有し、各吸着部分(15A、15B)は、それぞれの負圧回路に対応する、請求項13に記載の取付装置(10)。
【請求項15】
吸着領域(3)を通気するための通気弁(16)を備え、通気弁(16)は、操作要素(24)に連結されている、請求項1から14のいずれか一項に記載の取付装置(10)。
【請求項16】
取付装置(10)が、負圧の制御を行うように構成されている、請求項1から15のいずれか一項に記載の取付装置(10)。
【請求項17】
取付装置(10)が、エラー状態を検出し、エラー状態の検出に基づいて、エラー信号を提供するように構成されている、請求項1から16のいずれか一項に記載の取付装置(10)。
【請求項18】
取付装置(10)は、機械式に相互に連結された複数の取付ユニット(20)を備え、各取付ユニット(20)は、吸着領域(3、3A、3B)のうちの1つを提供する、請求項
3に記載の取付装置(10)。
【請求項19】
通信ユニットを備える、請求項1から
18のいずれか一項に記載の取付装置(10)。
【請求項20】
請求項
19に記載の2つ以上の取付装置(10)を備え、取付装置(10)は、通信ユニットを介して相互に通信するように構成されている、システム。
【請求項21】
取付装置(10)が、通信ユニットを介して行われる通信を介して負圧の提供を調整するように構成されていることを特徴とする、請求項
20に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能ユニット用の取付装置に関する。機能ユニットは、例えば工具、工具アクセサリ及び/又は照明装置である。
【0002】
取付装置は、特に、機能ユニットを工作物に解除可能に取り付けるために用いられる。機能ユニットは、好ましくは、ガイド装置、特にガイドレールである。ガイド装置は、例えば、電動工具、特に鋸を工作物に対して相対的にガイドするために用いられる。
【背景技術】
【0003】
米国特許出願公開第2018/0036849号明細書には、切刃ガイドが記載されている。切削工具をガイドできるレールが、回転可能に支持された2つの支持要素を介して、コントロールプレートに取り付けられている。コントロールプレートから垂直に上向きに延在する第1の支持要素にビームが取り付けられていて、ビームには、吸盤が取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2018/0036849号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、より良好に操作可能な取付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、請求項1に記載の取付装置によって解決される。本発明によれば、機能ユニット、特に工具、工具アクセサリ及び/又は照明装置用の取付装置が提供される。取付装置は、ハウジングと、ハウジングの外側に配置された吸着領域であって、取付装置を支台に解除可能に取付けできる、吸着領域と、ハウジング内に配置された電動式の負圧ユニットであって、吸着領域に負圧を供給するように構成された、負圧ユニットと、を備える。取付装置は、機能ユニットを取り付けるための少なくとも1つの取付インタフェースをさらに備える。取付インタフェースに対して代替的に又は付加的に、取付装置は、機能ユニットを備える。機能ユニットは、ガイド装置、特にガイドレール、ルーターガイド、フライステンプレート、ローラガイドレール、穿孔装置、ランプ及び/又は表面コントロールライトを有する。
【0007】
取付装置が電動式の負圧ユニットを有することによって、吸着領域への負圧の提供、ひいては支台における取付装置の取付が、通常は吸盤を用いて実現されるよりも確実にかつ快適に行える。その結果、操作性を改善できる。
【0008】
有利な発展形態は、従属請求項の対象である。
【0009】
以下、図を参照しながら、さらなる詳細及び好ましい形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】取付装置と機能ユニットと支台と工具とからなるアセンブリを示す。
【
図3】取付装置とガイドレールとからなるアセンブリを示す。
【
図4】取外し可能な取付部分とガイドレールとを有する取付装置からなるアセンブリを示す。
【
図5】取付装置とガイドレールとからなるアセンブリを示し、ガイドレールは、第1の取付インタフェースに取り付けられている。
【
図6】取付装置とガイドレールとからなるアセンブリを示し、ガイドレールは、第2の取付インタフェースに取り付けられている。
【
図7】取付装置とガイドレールとからなるアセンブリを断面図で示す。
【
図9】センサとシールアセンブリ及び/又は設置アセンブリとを有する取付装置の一部の断面図を示す。
【
図10】複数の吸着部分を具備する吸着領域を有する取付装置を下から見た図を示す。
【
図11】第1の変化形による、内側のシール部分と外側のシール部分とを有する取付装置を下から見て示す。
【
図12】第2の変化形による、内側のシール部分と外側のシール部分とを有する取付装置を下から見て示す。
【
図13】それぞれ異なる側に配置された複数の吸着領域を有する取付装置を下から見て示す。
【
図14】複数の吸着領域を有する取付装置を上から見て示す。
【
図15】複数の取付ユニットを有する取付装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明では、互いに対して直交方向に向けられた空間方向「x方向」、「y方向」及び「z方向」が参照される。正の方向と負の方向との間の区別は行われない。
【0012】
図1は、取付装置10と機能ユニット1と支台8と工具9とからなるアセンブリ50を示す。
【0013】
アセンブリ50は、取付装置10の例示的な使用環境を表す。好適には、取付装置10は、単独で提供できる。
【0014】
取付装置10は、機能ユニット1の取付けに用いられる。例示的には、機能ユニット1は、工具アクセサリ、特に、例えばガイドレール等のガイド装置である。
【0015】
取付装置10は、ハウジング2と外側でハウジング2に配置された吸着領域3とを有し、吸着領域3によって、取付装置10を解除可能に支台に取付けできる。取付装置10は、ハウジング2内に配置された電動式の負圧ユニット4をさらに有する。負圧ユニット4は、吸着領域3に負圧を提供するように構成されている。取付装置10は、機能ユニット1を取り付けるための取付インタフェース5をさらに有する。
【0016】
以下、さらなる例示的な詳細を説明する。
【0017】
先ず、アセンブリ50の基本構造について説明する。
【0018】
既に言及したように、機能ユニット1は、好ましくは、ガイド装置として、特にガイドレールとして構成されている。代替的に、機能ユニット1は、工具、(別の)工具アクセサリ及び/又は照明装置であってもよい。機能ユニット1は、特にルーターガイド、フライステンプレート、ローラガイドレール、穿孔装置、ランプ及び/又は表面コントロールライトとして構成できる。
【0019】
ガイド装置として構成された機能ユニット1は、ガイド経路を画定し、ガイド経路に沿って、工具9をガイドできる。例示的には、ガイド経路は、y方向に、つまり
図1の図平面に対して垂直に延在する。例えば、ガイド装置は、ガイド構造、例えばガイド溝及び/又はガイド突出部を有し、ガイド構造は、ガイド経路を画定し、ガイド構造に沿って、工具9を確実にガイドできる。この場合、工具9は、好適には、ガイド経路の方向とは異なる方向の、例示的にはx方向の工具9の運動自由度が妨げられるように、ガイド装置に係合する。
【0020】
ガイド装置は、好適には、条片状に構成されている。ガイド装置は、面積において最大の面でもって、z方向に対して垂直に向けられている。ガイド装置の上向きの面は、以下、ガイド装置上面とも称するべきであり、下向きの面は、ガイド装置下面とも称するべきである。ガイド装置上面上には、工具9が載設されている。ガイド装置下面でもって、ガイド装置は、支台8上に設置されている。
【0021】
工具9は、好ましくは、電動工具、特に手持ち式の電動工具である。例示的には、工具9は、鋸刃11を有する鋸である。鋸刃11は、x方向で機能ユニット1の傍に配置されていて、工具9のハウジングから支台8へ延在する。鋸刃11の鋸刃平面は、x方向に対して垂直に向けられている。代替的に、工具9は、フライスとしても構成できる。
【0022】
支台8は、好適には、工具9によって加工されるべき工作物である。
図1に示されるように、鋸刃11は、支台8に進入して鋸引きする。代替的な形態によれば、支台8は、工具9によって加工されるべきではない設置部分を有してよい。さらに、支台8は、全体として、加工されるべきではない設置部分、例えば設置テーブルとして構成できる。例えば、取付装置10及び/又は機能ユニット1がその上に設置される支台8のx方向部分は、部分的に又は全体的に、設置部分、特に設置テーブルであってよい。この場合、加工されるべき工作物は、例示的には、x方向で設置部分に装着されるので、工具9が機能ユニット1上に載置された状態で、工具9を用いて工作物を加工できる。
【0023】
以下、取付装置10についてより詳細に説明する。
【0024】
取付装置10は、ハウジング2を有し、ハウジング2は、好適には、取付装置10の外側ハウジングである。
図1に示された取付装置10の配向では、吸着領域3は、ハウジング2の下面に位置する。取付装置10は、吸着領域3でもって、支台8上に設置されている。
【0025】
取付装置10は、主要部分19と取付部分6とを有する。ハウジング2、特に主要部分19は、好ましくは、プラスチック、マグネシウム及び/又はアルミニウムから製作されている。主要部分19は、例示的には、直方体の基本構成を有する。主要部分19は、機能ユニット1に向いた側の前面と、前面に対して反対に向けられた後面とを有する。前面及び/又は後面は、好適には、x方向に対して垂直に向けられている。主要部分19は、さらに、好適には、y方向に対して垂直に向けられた第1の横面と、これに対して反対に向けられた第2の横面とを有する。さらに、主要部分19は、z方向に対して垂直に向けられた上面と、これとは反対に向けられた下面とを有する。
【0026】
主要部分19の前面から出発して、x方向に取付部分6が延在する。取付部分6は、例示的には、平坦に構成されている。取付部分6は、特にプレート状に又はストリップ状に構成されている。特に、取付部分6は、x方向に延在する突出部である。好ましくは、取付部分6は、面積において最大の面でもって、z方向に対して垂直に向けられている。取付部分6は、z方向で、取付装置10の下側の領域に配置されている。
【0027】
取付装置10は、特に工具を用いずに、ガイドレールに取付けできる。取付けは、特にL字型のスライドブロック12によって行われ、スライドブロック12は、ガイドレールの取付溝22に掛止できる。スライドブロック12は、成形部とも称され得る。
【0028】
取付部分6は、少なくとも部分的にz方向で、ガイド装置として構成された機能ユニット1の上方、特にガイド装置上面の上方に位置する。取付部分6は、少なくとも部分的に、機能ユニット1と同一のx方向範囲を占める。好適には、取付部分6の下面は、機能ユニット1の上面上に設置されている。取付部分6を介して、機能ユニット1は、好適には、z方向で支台8に対して相対的に固定される。特に、機能ユニット1は、取付部分6と支台8の上面との間で挟み付けられる。取付部分6に、特に取付部分6の下面に、取付インタフェース5が位置し、取付インタフェース5は、好適には、機能ユニット1に、特に機能ユニット1の取付構造に係合する。
【0029】
したがって、取付装置10は、取付装置10が支台8に取り付けられた状態で、機能ユニット1を、支台8に当接された位置で保持する、特に挟むように構成されている。
【0030】
取付装置10は、吸着領域3に提供された負圧を介して、支台8の上面に取り付けられている。特に、取付装置10は、吸着領域3に提供される負圧を介して、好適には、支台8に対して相対的に全ての空間方向で固定されている。
【0031】
図示されていない代替的な形態によれば、機能ユニット1は、取付装置10の組込み部分であり、特に取付装置10から取外し不能である。この代替的な形態では、取付装置10は、好適には、取付部分6及び/又は取付インタフェース5を有しない。
【0032】
吸着領域3は、x方向及び/又はy方向に、好適には、主要部19の下面、特に取付装置10の下面の大部分にわたって、つまり半分を超えて延在する。好ましくは、吸着領域3のx方向延在長さ及び/又はy方向延在長さは、主要部分19、特に取付装置10のz方向延在長さよりも大きい。好ましくは、吸着領域3のy方向延在長さに対する吸着領域3のx方向延在長さの比は、1.5対1から3.5対1、好適には、2対1から3対1である。好ましくは、この比は、2対1又は3対1である。
【0033】
吸着領域3は、x方向で機能ユニット1の傍に配置されている。例示的には、吸着領域3及び機能ユニット1の下面は、同一の方向に、例示的にはz方向に向けられていて、特に、同一のxy平面内に位置する。
【0034】
ハウジング2内に、特に主要部分19内に、電動式の負圧ユニット4が配置されている。電動式の負圧ユニット4は、好ましくは、電気的な真空ポンプである。さらに、電動式の負圧ユニット4は、ピストンポンプ、ベーンポンプ及び/又はタービンであってよい。
【0035】
ハウジング2内に、特に主要部分19内に、好適には、エネルギ貯蔵器21がさらに配置されている。エネルギ貯蔵器21は、例えば、蓄電池である。エネルギ貯蔵器21は、好適には、取付装置10、特に負圧ユニット4の運転に必要な全ての電気エネルギを提供する。エネルギ貯蔵器21は、好適には、ハウジング内に配置された複数の蓄電池セルを有する。代替的に又は付加的に、取付装置は、特にハウジングの外部に配置されたエネルギ貯蔵器インタフェースを有してもよく、エネルギ貯蔵器インタフェースは、外部のエネルギ貯蔵器、例えば交換可能な蓄電池の取付けに用いられる。
【0036】
エネルギ貯蔵器21は、好適には、外部の電源アダプタによって充電される。電源アダプタは、電気的な接続部、例えば標準タイプの丸型差込式コネクタインタフェースを介して、取付装置10に接続できる。取付装置10は、好適には、特にハウジング2の外側から見える視覚的表示装置を有する。表示装置は、エネルギ貯蔵器21の充電状態を表示する。さらに、取付装置10は、音響信号発信機を有してよく、信号発信機は、エネルギ貯蔵器21の充電状態が閾値を下回ることに応答して、好適には、エネルギ貯蔵器21の低すぎる充電状態に基づいて負圧ユニットが停止される前に、ユーザによって認識可能な音響警告信号を発信する。
【0037】
ハウジング2と負圧ユニット4と吸着領域3と取付インタフェース5とからなるユニットは、好適には、取付ユニット20と称してもよい。
【0038】
運転中、先ずは、ガイド装置として構成された機能ユニット1が、支台8の上面上に位置決めされる。次いで、取付装置10が、その吸着領域3でもって、支台8の上面上に設置される。取付装置10が支台8の上面上に設置されると、好適には、同時に、取付インタフェース5が、機能ユニット1の上面上に設置され、特にこの上面に係合される。例示的には、取付インタフェース5は、吸着領域3と同一の方向に、ここではz方向に向けられているので、取付装置10の、同一の1つのz方向に行われる設置運動によって、吸着領域3が、支台8の上面上に設置可能であり、取付インタフェース5が、同時に機能ユニット1の上面上に載置可能である。取付装置10は、好ましくは、支台8上に設置される前に及び/又は後に、y方向で自由に、特に機能ユニット1に対して相対的に位置決め可能である。特に、取付装置10は、y方向で、機能ユニット1のy方向延在長さ内で任意のy方向位置に位置決め可能である。
【0039】
取付装置10が支台8及び機能ユニット1上に設置された後で、電動式の負圧ユニット4が、例えばユーザの操作によって起動される。吸着領域3には、そこで負圧、特に雰囲気圧よりも低い圧力が提供される。この負圧の提供によって、取付装置10は、その吸着領域3でもって、支台8の上面に吸着されるので、取付装置10は、支台8に対して相対的に、全ての空間方向で固定されている。機能ユニット1が取付インタフェース5に係合されることによって、そこで機能ユニット1も、支台8に対して相対的に、特にz方向及び/又はx方向で及び/又はy方向で固定されている。
【0040】
取付インタフェース5は、任意選択的に、後でさらに詳説する取付機構を有し、取付機構は、ユーザの操作によって起動でき、これにより、少なくとも1つの空間方向の、特にy方向の、取付インタフェース5に対して相対的な機能ユニット1の固定が提供される及び/又は強化される。
【0041】
好ましくは、機能ユニット1は、z方向及び/又はx方向で、形状接続によって取付インタフェース5に固定されていて、及び/又はy方向で、力接続によって、取付インタフェース5に固定されている。
【0042】
最初に負圧ユニット4が起動され、その後で初めて(任意選択的に存在する)取付機構が起動される、前述の操作形式に対して代替的に、最初に取付機構が起動され、その後で初めて負圧ユニット4が起動されてもよい。後者の操作形式では、最初に取付機構10が機能ユニット1に取り付けられるので、好適には、取付機構10及び機能ユニット1が(負圧ユニット4の起動前に)一緒に特に1つ又は複数の水平方向に支台8に対して相対的に移動できる。その際、負圧ユニット4の起動によって、取付装置10が支台8に取り付けられる。
【0043】
機能ユニット1は、取付装置10に取り付けられることによって、特に全ての空間方向で、支台8に対して相対的に固定されている。そこで、工具9が、機能ユニット1上に載設され、機能ユニット1によって画定されたガイド経路に沿って移動させられ、これにより、支台8、特に工作物が、工具9によって加工される。好適には、その際、支台8の上面の加工が、特に機能ユニット1及び/又は吸着領域3の下面が位置するのと同一のxy平面内で行われる。
【0044】
機能ユニット1を取り外すために、負圧ユニット4を(特にユーザの操作によって)停止できるので、吸着領域3が通気される。設けられている場合には、さらに、(特にユーザの操作によって)、取付機構を解除できる。次いで、取付装置10を支台8及び機能ユニット1から取り外せる。さらに、機能ユニット1を支台8から取り外せる。
【0045】
つまり、取付装置10によって、特に、取付装置10と支台8との間の、かつ取付装置10と機能ユニット1との間の(ユーザの操作による)解除可能な結合部を提供できる。
【0046】
図2は、取付装置10の実施可能な一形態を示す。機能ユニット1用の取付インタフェース5は、ここでは、y方向に延在するスライドブロック12を有する。スライドブロック12は、例示的には、L字形の成形部を有する。スライドブロック12は、取付部分6の下面に取り付けられている。
【0047】
図3は、ガイド装置、特にガイドレールとして構成された機能ユニット1と、取付装置10とからなるアセンブリ30を示す。
【0048】
機能ユニット1は、取付溝22を有し、取付溝22には、取付装置10のスライドブロック12が嵌め込まれている。取付溝22は、例示的には、y方向に延在し、好ましくは、機能ユニット1の上面に配置されている。
【0049】
取付部分6は、ここでは、好適には、固く、特に解除不能に主要部分19に結合されている。特に、取付部分6は、ハウジング2と一体に構成されていて、つまりハウジング2の組み込まれた構成部材である。
【0050】
図4は、取付部分6が主要部分19に取外し可能に取り付けられた、取付装置10の代替的な一形態を示す。(図示されていない)一形態によれば、代替的に相互に主要部分19に取り付け可能であるそれぞれ異なる少なくとも2つの取付部分6が提供される。
【0051】
例示的には、取付部分6は、フレーム状の基本構成を有し、その中央に、貫通部が設けられていて、貫通部に、主要部分19が嵌込み可能である。
【0052】
図5及び
図6は、取付装置10が複数の取付インタフェース5、18、25を有する、取付装置10の一形態を示す。
【0053】
特に、本形態の取付装置10は、第1の取付インタフェース5と第2の取付インタフェース18とを有する。任意選択的に、取付装置10は、第3の取付インタフェース25をさらに有する。2つの取付インタフェース5、18、特に全ての取付インタフェース5、18、25は、取付装置10のそれぞれ異なる側に配置されている。例示的には、第1の取付インタフェース5は、取付装置10の前面に配置されていて、第2の取付インタフェース18は、取付装置10の横面に配置されていて、及び/又は第3の取付インタフェース25は、取付装置10の後面に配置される。
【0054】
第1の取付インタフェース5及び/又は第3の取付インタフェース25は、好適には、それらの長手方向軸線でもって、y方向に向けられている。第2の取付インタフェース18は、その長手方向軸線でもって、x方向に向けられている。
【0055】
取付インタフェース5、18、25の各々は、好適には、取付溝22と係合できる独自のスライドブロックを有する。第1の取付インタフェース5のスライドブロックは、第2の取付インタフェース18のスライドブロックに対して直交方向に向けられている。
【0056】
第2の取付インタフェース18、特にそのスライドブロックは、好適には、第1の取付インタフェース5及び/又は第3の取付インタフェース25のy方向延在長さの少なくとも3倍の大きさであるx方向延在長さを有する。
【0057】
例示的には、取付インタフェース5、18、25の1つ、複数又は全てが、機能ユニット1、特にガイドレールの代替的な取付けに用いられる。機能ユニット1は、好適には、選択的に、第1の取付インタフェース5に、第2の取付インタフェース18に又は第3の取付インタフェース25に取り付けられ得る。
図5では、機能ユニット1は、第1の取付インタフェース5に取り付けられている。機能ユニット1は、ここでは、その長手方向軸線でもって、y方向に向けられている。
図6では、機能ユニット1は、(これに対して代替的に)第2の取付インタフェース18に取り付けられている。機能ユニット1は、ここでは、その長手方向軸線でもって、x方向に向けられている。
【0058】
取付インタフェース5、18、25は、取付部分6に配置されていて、取付部分6は、ここでは、例示的には、C字型の輪郭を有するプレート状の部分として構成されている。取付部分6は、主要部分19を三方で包囲する。主要部分19は、z方向で、取付部分6の上面を越えて延在する。主要部分19は、その長手方向軸線でもって、y方向に対して平行に向けられた、直方体状の基本構成を有する。主要部分19の鉛直の面と取付部分6の上面との間の移行部は、例示的には、丸み付けて構成されている。
【0059】
好ましくは、取付装置10と2つの機能ユニット1、特に2つのガイドレールとを有する(図示されていない)アセンブリが提供され、この場合、取付装置10は、少なくとも2つの取付インタフェース5、18、25を有し、各々の機能ユニット1は、取付インタフェース5、18、25のそれぞれ別の1つに取り付けられている。
【0060】
取付装置10は、例示的には、取付機構7を有し、取付機構7を介して、1つ又は複数の取付インタフェース5、18、25を機能ユニット1に締付け可能である。
【0061】
取付機構7は、好適には、操作要素23と(図示されていない)取付要素とを有する。操作要素23の作動によって、取付要素は、取付位置に移され、取付位置では、取付要素が、機能ユニット1の取付構造に押し付けられるので、機能ユニット1は、取付装置10の取付インタフェースに締め付けられる。例えば、操作要素23の作動によって、U字形部材として構成された取付要素が、カーブ軌道を介して、ガイドレールに緊締される。その際、U字形部材がたわみ、これにより、ある程度の公差補償を提供できる。さらに、たわみによって、プリロードがガイドレールに及ぼされるようになる。
【0062】
例示的には、操作要素23は、取付部分6の上面に配置されたレバーとして構成されている。操作要素23は、水平軸線を中心に旋回自在に支持されている。好適には、2つの操作要素23が設けられている。取付機構7、特に操作要素は、好適には、トグルレバー、偏心体及び/又は回転レバーを有する。
【0063】
実施可能な一形態によれば、第1の取付インタフェース5及び第2の取付インタフェース18に対してそれぞれ異なる取付機構が存在する。例示的には、第1の取付インタフェース5の取付機構は、スライドブロックを有する、及び/又は第2の取付インタフェースの取付機構は、トグルレバーを有する。
【0064】
実施可能な別の一形態によれば、第3の取付インタフェース25が設けられていない。
【0065】
図7は、取付装置10の、特に主要部分19のxz断面を示す。
図8には、
図7の断面図の一部が拡大して示されている。
【0066】
ハウジング2の内部には、例示的には直方体状に形成されたハウジング内室26が位置し、その中に、取付装置10の複数のコンポーネント、特に電動式の負圧ユニット4及びエネルギ貯蔵器21が配置されている。
【0067】
取付装置10は、操作要素24を有する。操作要素24は、例示的には、主要部分19の上面に配置されている。操作要素24は、好適には、ボタンとして構成されていて、特に、電動式の負圧ユニット4を停止させるのに用いられるので、負圧ユニット4は、もはや吸着領域3に負圧を供給しない。代替的に又は付加的に、操作要素24は、通気弁16を開弁するのに用いられ、通気弁16を介して、吸着領域3が通気される。好適には、ユーザによる操作要素24の同じ1つの操作、例えば操作要素24に下向きの圧力を加えることによって、同時に、電動式の負圧ユニット4の停止、特にスイッチオフ、及び通気弁16の開放を行える。その際、負圧ユニット4の停止は、好適には、電気的に行われ、通気弁16の開放は、好適には、純粋に機械式に行われる。特に、操作要素24は、通気弁16に(純粋に)機械的に連結されているので、操作要素24が作動すると、(純粋に)機械的な連結によって通気弁16の開弁が行われる。
【0068】
例示的には、通気弁16は、弁部材29、例示的にはシール要素を有する。シール要素は、吸着領域3に通じる流体導管27の開口を閉じる。操作要素24の作動によって、弁部材29が流体導管27の開口を開放できるようになり、これにより、吸着領域3を、流体導管27を介して通気できる。
【0069】
操作要素24は、さらに、電気的な切換装置28に、特に制御ユニットに、特にマイクロコントローラに連結されている。電気的な切換装置28を介して、操作要素24が作動すると、負圧ユニット4が停止され、特にスイッチオフされる。
【0070】
負圧ユニット4は、例示的には、真空ポンプとして構成されていて、取付装置10と支台8との間に位置する吸着領域3に負圧を生成する。負圧ユニット4は、流体導管、例えばチューブを介して、吸着領域3に流体連通されている。通気弁16に対する流体導管27もまたハウジング2内に配置されている。通気弁16によって、取付装置10を、真空ポンプのスイッチオフの直後に、支台8から離間できるようにもたらされることが可能である。
【0071】
実施可能な一形態によれば、電動式の負圧ユニット4は、2つの負圧回路を提供するように構成されている。このようにして、例えば、互いに対して独立した2箇所の負圧を提供できる。
【0072】
取付装置10は、好適には、さらに、負圧ユニット4によって提供される負圧の制御を行うように構成されている。特に、取付装置10は、負圧を所定の目標圧力へと制御するように構成されている。例示的には、取付装置10は、圧力センサ31を有し、圧力センサ31を介して、負圧の実際圧力値が検出され、好ましくは制御に際して考慮される。
【0073】
好ましくは、取付装置10は、エラー状態を検出し、エラー状態の検出に基づいて、エラー信号、特にユーザによって認識可能なエラー信号を提供するように構成されている。例えば、取付装置10は、吸着領域3に提供された負圧が予め決定された閾値を超えたことを検出し、この検出に基づいて、エラー信号を、例えば音響警告信号として提供するように構成されている。
【0074】
図9は、シールアセンブリ及び/又は設置アセンブリ14を有する取付装置10の下側の部分領域を示す。この部分領域は、例示的には、圧力センサ31をさらに有する。
【0075】
シールアセンブリ及び/又は設置アセンブリ14は、例示的には、シール部分32を有し、シール部分32は、取付装置10の下面に配置されていて、吸着領域3を周回するので、吸着領域3は、取付装置が支台8上に設置された状態で、周囲環境に対して、特に雰囲気に対してシールされている。
【0076】
シールアセンブリ及び/又は設置アセンブリ14は、例示的には、設置部分33をさらに有し、設置部分33は、吸着領域3内で、取付装置10の下面を形成する。シール部分32は、好適には、設置部分33を周回する。取付装置10が支台8の上に設置されていて、負圧ユニット4が作動している状態では、取付装置10は、好適には、シール部32及び設置部分33でもって、支台8上に設置されている。取付装置10が支台8上に設置されていて、負圧ユニット4が停止されている状態では、取付装置10は、好適には、シール部分32でもって(設置部分33でもってはなく)支台8上に設置されている。
【0077】
シールアセンブリ及び/又は設置アセンブリ14は、例示的には鉢状に構成されていて、この場合、シール部分32は、鉢形部の縁領域を形成し、設置部分33は、鉢形部の底領域を形成する。
【0078】
取付装置10は、吸着面を有し、吸着面に、吸着領域3が提供される。例示的には、吸着面は、設置部分33の下面である。吸着面は、第1の設置平面、つまり負圧ユニット4が作動しているときに取付装置10が支台8上に設置されるところの設置平面を画定する。
【0079】
シールアセンブリ及び/又は設置アセンブリ14は、支台8上に設置するための第2の設置平面を画定する。第2の設置平面は、例示的には、シール部分32によって画定される。第2の支持平面は、負圧ユニット4が非作動化されているときに取付装置10が支台8上に設置されるところの設置平面である。
【0080】
第2の設置平面は、第1の設置平面に対して、つまり吸着面に対して角度付けられている。特に、第2の設置平面は、第1の設置平面に対して、水平軸線、特にy軸を中心に旋回されている。
【0081】
負圧が吸入領域3に提供されない場合には、取付装置10は、シール部分32でもって(設置部分33でもってではない)もって、つまり特に第2の設置平面でもって、支台8上に設置される。設置部分33によって画定される第1の設置平面は、支台8に対して、水平の旋回軸線を中心に旋回されて整向されている。吸着領域3に負圧を提供することによって、取付装置10は、設置部分33でもって、支台8に吸着する。その際、2つの設置平面の間の角度に基づいて、支台8に対して相対的な取付装置10の旋回運動が行われる。
【0082】
例示的な一形態によれば、シールアセンブリ及び/又は設置アセンブリ14、特に設置部分33は、圧力センサ31の圧力センサダイアフラム35を有する。圧力センサ31は、例えば圧力センサダイアフラムの振れを検出し、それに基づいて、吸着領域3内に作用する圧力に関する圧力信号を提供する。圧力センサダイアフラム35は、設置部分33の特に中心部分である。好適には、圧力センサダイアフラム35は、設置部分33に組み込まれていて、特に設置部分33と一体に構成されている。
【0083】
設置部分33には、例示的には、設置部分33が支台8上に設置されるときに支台8に接触しない複数の凹部34が設けられている。好適には、設置部分33の面積領域の、支台8に接触する面積の割合は、設置部分33の下面の面積全体の少なくとも50%である。
【0084】
図示された形態によれば、シールアセンブリ及び/又は設置アセンブリ14は、一体に構成されている。特に、シール部32と設置部分33とは、材料接続式に相互に結合されている。シールアセンブリ及び/又は設置アセンブリ14は、例えば下側で、ハウジング2に射出成形されている。
【0085】
これに対して代替的に又は付加的に、シールアセンブリ及び/又は設置アセンブリ14及び/又はその個々の部品及び/又は部分、例えばシール部分32及び/又は設置部分33は、交換可能に、特に個別に交換可能に構成されてよい。
【0086】
図10は、取付装置10を下から見て示す。例示的には、吸着領域3は、ここでは別個の2つの吸着部分15A、15Bを有する。各吸着部分15A、15Bは、好適には、それぞれの負圧回路に対応する。各吸着部分15A、15Bは、例示的には、独自のシール部分32A、32Bによって、周囲環境に対してシールされる(取付装置10が支台8上に設置された状態で)。2つのガイド部分32A、32Bは、例示的には、それぞれ半円状の延在経過を有する。
【0087】
図11は、取付装置10の下面の代替的な一形態を示す。取付装置は、ここでは、吸着領域3を包囲する第1のシール部分32Aと、これに対して付加的に、第1のシール部分32Aを包囲する第2のシール部分32Bとを有する。両シール部分32A、32Bは、例示的には、楕円形の延在経過を有する。好適には、両シール部分32A、32Bは、ウェブ状の複数の第3のシール部分32Cを介して相互に結合されている。第1のシール部分32A、第2のシール部分32B及び/又は第3のシール部分32Cによって形成されるシール構造は、セグメントシールと称されてもよい。
【0088】
図12は、
図11の形態の変形例を示す。取付装置は、ここでも同様に、吸着領域3を包囲する第1のシール部分32Aと、これに対して付加的に、第1のシール部32Aを包囲する第2のシール部分32Bとを有する。2つのシール部32A、32Bの間には、ここでは、設置部分33が設けられている。設置部分33は、第1のシール部分32Aを包囲する。第2のシール部分32Bは、設置部分33を包囲する。両シール部分32A、32B及び/又は設置部分33は、例示的には、楕円形の延在経過を有する。
【0089】
図13及び
図14は、取付装置10の一形態を示し、この形態では、取付装置10は、複数の吸着領域3A、3B、3C、3Dを有し、吸着領域3A、3B、3C、3Dは、好適には、取付装置10のそれぞれ異なる側に、特に主要部分19のそれぞれ異なる側に配置されている。例示的には、第1の吸着領域3Aは、取付装置10の下面に配置されていて、第2の吸着領域3Bは、取付装置10の上面に配置されていて、第3の吸着領域3Cは、取付装置10の第1の側面に配置されていて、第4の吸着領域3Dは、取付装置10の第2の側面に配置されている。例示的には、各吸着領域3A、3B、3C、3Dは、それぞれのシール部分によって包囲される。
【0090】
取付装置10は、特に負圧ユニット4によって各吸着領域3A、3B、3C、3Dに特に個別に負圧を加えるように構成されている。
【0091】
例示的には、取付部分6は、取外し可能に構成されていて、好適には、吸気領域3A、3B、3C、3Dが位置する、主要部分19の各面に取付け可能である。
【0092】
図15は、複数の取付ユニット20を有する取付装置10を示す。好適には、各取付ユニット20は、独自のハウジング2と独自の吸着領域3と独自の負圧ユニット4とを有する。特に、各取付ユニット20は、独自の取付部分6を有しない前述の取付装置のように、つまり特に主要部分19のように構成されている。
【0093】
取付ユニット20は、機械式に相互に連結されている。例示的には、取付ユニット20は、共通の取付部分6を介して機械式に相互に連結されている。取付部分6は、例示的には、十字型に構成されていて、4つの取付ユニット保持領域を有し、例示的には、そのうちの2つが占有されている。取付部分は、例示的には、4つの取付インタフェース5を有する。各取付インタフェース5は、取付部分6のそれぞれの十字の端部に配置されている。
【0094】
別の一形態によれば、前述の取付装置10のうちの1つは、通信ユニット、例えば無線通信ユニットを有する。
【0095】
好適には、上述の2つ以上の取付装置10から成るシステムが提供される。取付装置10は、その通信ユニットを介して相互に通信するように構成されている。特に、取付装置10は、通信ユニットを介する通信を介して負圧の提供を調整するように構成されている。例示的には、第1の取付装置10は、第1の取付装置10の負圧ユニット4が起動されると、通信信号を第2の取付装置10に送信し、通信信号によって、第2の取付装置10の負圧ユニット4も同様に起動されるように構成されている。例示的には、第1の取付装置10は、さらに、第1の取付装置10の負圧ユニット4が停止されると、通信信号を第2の取付装置10に送信し、通信信号によって、第2の取付装置10の負圧ユニット4も同様に停止されるように構成されている。両取付装置10は、好適には、それぞれ独自のハウジング2を有する独立した別個の機器である。
【0096】
別の実施可能な一形態によれば、取付装置10は、ランプを取り付けるための付加的なインタフェースを有する。例示的には、取付装置10とランプとからなるアセンブリが提供され、その際、ランプは、付加的な取付インタフェースに取り付けられている。アセンブリは、好ましくは、機能ユニット1、特にガイドレールをさらに有する。ガイドレールは、取付装置10の取付インタフェース5に取り付けられている。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下を含む。
1.
機能ユニット(1)、特に工具、工具アクセサリ及び/又は照明装置用の取付装置(10)であって、
ハウジング(2)と、
ハウジング(2)の外側に配置された吸着領域(3)であって、取付装置(10)を支台(8)に解除可能に取付けできる、吸着領域(3)と、
ハウジング(2)内に配置された電動式の負圧ユニット(4)であって、吸着領域(3)に負圧を供給するように構成された、負圧ユニット(4)と、を備え、
取付装置(10)は、機能ユニット(1)を取り付けるための少なくとも1つの取付インタフェース(5)及び/又は機能ユニット(1)をさらに備え、機能ユニット(1)は、ガイド装置、特にガイドレール、ルーターガイド、フライステンプレート、ローラガイドレール、穿孔装置、ランプ及び/又は表面コントロールライトを有する、
取付装置(10)。
2.
取付インタフェース(5)は、吸着領域(3)と同一の方向に向けられている、上記1の取付装置(10)。
3.
取付インタフェース(5)が、取付装置(10)が支台(8)に取り付けられた状態で、機能ユニット(1)を、支台(8)に当接された位置で保持する、特に挟むように構成されている、上記1又は2の取付装置(10)。
4.
特にハウジング(2)内に配置されたエネルギ貯蔵器(21)及び/又は特にハウジング(2)に配置された、エネルギ貯蔵器の取り付けのためのエネルギ貯蔵器インタフェースをさらに備える、上記1から3のいずれか一つの取付装置(10)。
5.
取付インタフェース(5)が、取付機構(7)、スライドブロック(12)、トグルレバー、偏心体及び/又は回転レバーを有する、上記1から4のいずれか一つの取付装置(10)。
6.
シールアセンブリ及び/又は設置アセンブリ(14)をさらに備える、上記1から5のいずれか一つの取付装置(10)。
7.
シールアセンブリ及び/又は設置アセンブリ(14)の少なくとも1つの部品又は部分が、交換可能に構成されている、上記6の取付装置(10)。
8.
吸着領域(3)を提供する吸着面をさらに備え、シールアセンブリ及び/又は設置アセンブリ(14)が、支台(8)上に設置するための設置平面を画定する、上記6又は7の取付装置(10)。
9.
設置平面が、吸着面に対して角度付けられている、上記8の取付装置(10)。
10.
シールアセンブリ及び/又は設置アセンブリ(14)が、圧力センサダイアフラムを有する、上記6から9のいずれか一つの取付装置(10)。
11.
電動式の負圧ユニット(4)が、2つの負圧回路を提供するように構成されている、上記1から10のいずれか一つの取付装置(10)。
12.
吸着領域(3)が、別個の少なくとも2つの吸着部分(15A、15B)を有し、各吸着部分(15A、15B)は、それぞれの負圧回路に対応する、上記11の取付装置(10)。
13.
吸着領域(3)を通気するための通気弁(16)を備え、通気弁(16)は、操作要素(24)に連結されている、上記1から12のいずれか一つの取付装置(10)。
14.
取付装置(10)が、負圧の制御を行うように構成されている、上記1から13のいずれか一つの取付装置(10)。
15.
取付装置(10)が、エラー状態を検出し、エラー状態の検出に基づいて、エラー信号、特にユーザによって認識可能なエラー信号を提供するように構成されている、上記1から14のいずれか一つの取付装置(10)。
16.
取付インタフェース(5)が、第1の取付インタフェースであり、取付装置が、第2の取付インタフェース(18)をさらに有する、上記1から15のいずれか一つの取付装置(10)。
17.
両取付インタフェース(5、18)が、取付装置(10)のそれぞれ異なる側に配置されている、上記16の取付装置(10)。
18.
取付装置(10)が、好適には、取付装置のそれぞれ異なる側に配置された複数の吸着領域(3、3A、3B、3C、3D)を有する、上記1から17のいずれか一つの取付装置(10)。
19.
取付装置(10)は、機械式に相互に連結された複数の取付ユニット(20)を備え、各取付ユニット(20)は、吸着領域(3、3A、3B)のうちの1つを提供し、好適には、各取付ユニット(20)は、独自のハウジング(2、2A、2B)及び/又は独自の電動式の負圧ユニットを有する、上記18の取付装置(10)。
20.
通信ユニットを備える、上記1から19のいずれか一つの取付装置(10)。
21.
上記20の2つ以上の取付装置(10)を備え、取付装置(10)は、通信ユニットを介して相互に通信するように構成されている、システム。
22.
取付装置(10)が、通信ユニットを介して行われる通信を介して負圧の提供を調整するように構成されていることを特徴とする、上記21のシステム。