(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】ステンシルプリンターのペースト吐出移送システム及び方法
(51)【国際特許分類】
B41F 15/08 20060101AFI20241024BHJP
B41F 15/40 20060101ALI20241024BHJP
B41M 1/12 20060101ALI20241024BHJP
H05K 3/12 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
B41F15/08 303E
B41F15/40 B
B41M1/12
H05K3/12 610N
(21)【出願番号】P 2021573510
(86)(22)【出願日】2020-06-12
(86)【国際出願番号】 US2020037362
(87)【国際公開番号】W WO2020252223
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-05-02
(32)【優先日】2020-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ リンチ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム エー.ロシェビッチ
(72)【発明者】
【氏名】ケネス ジェイ.キング
(72)【発明者】
【氏名】パッツィー エー.マテロ
(72)【発明者】
【氏名】ブレイク ティー.モンジャー
【審査官】長田 守夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-122440(JP,A)
【文献】国際公開第2018/105016(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0145013(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 15/00-15/46
B41M 1/12
H05K 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アセンブリ材料を電子基板上に印刷するステンシルプリンターであって、
フレームと、
前記フレームに連結されるステンシルであって、該ステンシルは内部に孔が形成される、ステンシルと、
前記フレームに連結される支持アセンブリであって、該支持アセンブリは、前記ステンシルの下方の印刷位置において前記電子基板を支持するように構成されたツールを有する、支持アセンブリと、
プリントヘッドアセンブリであって、該プリントヘッドアセンブリが印刷ストローク時に前記ステンシルを横断するように構成されるように該プリントヘッドアセンブリが前記フレームに連結され、該プリントヘッドアセンブリは、アセンブリ材料を前記ステンシル上に堆積させるスクイージーブレードアセンブリと少なくとも1つのペーストカートリッジとを有する、プリントヘッドアセンブリと、
ペースト吐出移送システムであって、
前記プリントヘッドアセンブリに連結されるペーストカートリッジ機構と、
前記フレームに連結される回転インデックス機構とを有し、
該ペースト吐出移送システムは、使用済みのペーストカートリッジを前記プリントヘッドアセンブリから前記フレームによって支持される前記回転インデックス機構へ移送するとともに、新しいペーストカートリッジを前記回転インデックス機構から前記プリントヘッドアセンブリへ移送するように構成される、ペースト吐出移送システムと、
を備え
、
前記回転インデックス機構は、回転するように構成されたカルーセルマウントと、該カルーセルマウントの上面に搭載されるペーストカートリッジチューブホルダーと、前記回転インデックス機構によって支持される複数の前記ペーストカートリッジを互いに分離するように設けられる幾つかの仕切り部とを有し、
前記ペーストカートリッジチューブホルダーは、前記ペーストカートリッジに横方向の支持を提供することで該ペーストカートリッジを垂直の直立位置に維持するように構成された半壁を有する、ステンシルプリンター。
【請求項2】
前記回転インデックス機構は、回転することで、2つの隣接した仕切り部の間に画定される開いた受け入れ部を提示して前記使用済みのペーストカートリッジを受け取るとともに、回転することで、新しいペーストカートリッジを提示してプリントヘッドアセンブリへ移送するように構成される、請求項
1に記載のステンシルプリンター。
【請求項3】
前記回転インデックス機構は、該回転インデックス機構を前記フレームの支持部材に固定するように構成された取り付けブラケットを更に有する、請求項
1に記載のステンシルプリンター。
【請求項4】
前記回転インデックス機構は、モーター・ギヤボックスアセンブリを固定するために、前記取り付けブラケットの底部に固定されるモーター・軸受ハウジングと、該モーター・軸受ハウジング及び前記カルーセルマウントに連結されて該カルーセルマウントの回転を駆動するシャフトと、を更に有する、請求項
3に記載のステンシルプリンター。
【請求項5】
前記ペーストカートリッジ機構は、前記プリントヘッドアセンブリの支持部材の上に搭載される支持ブラケットと、該支持ブラケットに固定されて該支持ブラケットをz軸方向に移動させるアクチュエータとを有する、請求項
1に記載のステンシルプリンター。
【請求項6】
前記支持ブラケットは、前記ペーストカートリッジのノズルの底部を受けるように設計された受け入れ形状部を有するベース部を有するエンドエフェクターを有し、該エンドエフェクターは、前記ペーストカートリッジの前記ノズルを選択的に係合及び固定するとともに、前記ペーストカートリッジを垂直の直立位置に維持するように構成される、請求項
5に記載のステンシルプリンター。
【請求項7】
前記支持ブラケットは、少なくとも1つのリニア軸受によって前記プリントヘッドアセンブリの前記支持部材に固定されて前記支持ブラケット、アクチュエータ、及びエンドエフェクターのx軸方向の移動を可能にするとともに、タイミングベルトによって駆動される、請求項
6に記載のステンシルプリンター。
【請求項8】
前記アクチュエータは、前記ペーストカートリッジの開いた端部が前記プリントヘッドアセンブリのカートリッジシール形状部によってシールされるように、前記ペーストカートリッジを上方へ移動させるように構成される、請求項
6に記載のステンシルプリンター。
【請求項9】
前記エンドエフェクターは、前記ペーストカートリッジの前記ノズルの狭い円筒部を囲うようにサイズ設定された2つの離間したプロング部を有する受け入れ形状部を有することで前記エンドエフェクターが前記ペーストカートリッジを垂直の直立位置において支持することを可能にする、請求項
6に記載のステンシルプリンター。
【請求項10】
ステンシルプリンター内における切り替え及び/又は交換プロセスを完全に自動化する方法であって、
前記ステンシルプリンター内における交換が予定されている使用済みのペーストカートリッジを識別するステップと、
前記使用済みのペーストカートリッジを、ペーストカートリッジ機構を有するプリントヘッドアセンブリから回転インデックス機構へ移送するステップと、
新しいペーストカートリッジを前記回転インデックス機構から前記ペーストカートリッジ機構へ移送するステップと、
前記プリントヘッドアセンブリ内において前記新しいペーストカートリッジを設置するステップと、を含
み、
使用済みのペーストカートリッジを移送するステップは、前記回転インデックス機構の開いた受け入れ部を提示することと、前記使用済みのペーストカートリッジを前記開いた受け入れ部へ移動させることを含む、方法。
【請求項11】
新しいペーストカートリッジを移送するステップは、前記ペーストカートリッジを前記ペーストカートリッジ機構に提示することと、前記新しいペーストカートリッジを前記ペーストカートリッジ機構へ移動させることとを含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
新しいペーストカートリッジを設置することは、前記新しいペーストカートリッジをz軸方向に移動させて前記ペーストカートリッジの開いた端部をシールすることを含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項13】
アセンブリ材料を電子基板上に印刷するように構成されたステンシルプリンターのペースト吐出移送システムであって、
前記ステンシルプリンターのプリントヘッドアセンブリに連結されるペーストカートリッジ機構と、
前記ステンシルプリンターのフレームに連結される回転インデックス機構とを備え、
該ペースト吐出移送システムは、使用済みのペーストカートリッジを前記プリントヘッドアセンブリから前記フレームによって支持される前記回転インデックス機構へ移送するとともに、新しいペーストカートリッジを前記回転インデックス機構から前記プリントヘッドアセンブリへ移送するように構成され
、
前記回転インデックス機構は、回転するように構成されたカルーセルマウントと、該カルーセルマウントの上面に搭載されるペーストカートリッジチューブホルダーと、前記回転インデックス機構によって支持される複数の前記ペーストカートリッジを互いに分離するように設けられる幾つかの仕切り部とを有し、
前記ペーストカートリッジチューブホルダーは、前記ペーストカートリッジに横方向の支持を提供することで該ペーストカートリッジを垂直の直立位置に維持するように構成された半壁を有する、ペースト吐出移送システム。
【請求項14】
前記回転インデックス機構は、回転することで、2つの隣接した仕切り部の間に画定される開いた受け入れ部を提示して前記使用済みのペーストカートリッジを受け取るとともに、回転することで、新しいペーストカートリッジを提示してプリントヘッドアセンブリへ移送するように構成される、請求項
13に記載の
ペースト吐出移送システム。
【請求項15】
前記回転インデックス機構は、前記回転インデックス機構を前記フレームの支持部材に固定するように構成された取り付けブラケットを更に有する、請求項
13に記載の
ペースト吐出移送システム。
【請求項16】
前記回転インデックス機構は、モーター・ギヤボックスアセンブリを固定するために、前記取り付けブラケットの底部に固定されるモーター・軸受ハウジングと、該モーター・軸受ハウジング及び前記カルーセルマウントに連結され、該カルーセルマウントの回転を駆動するシャフトと、を更に有する、請求項
15に記載の
ペースト吐出移送システム。
【請求項17】
前記ペーストカートリッジ機構は、前記プリントヘッドアセンブリの支持部材の上に搭載される支持ブラケットと、該支持ブラケットに固定されて該支持ブラケットをz軸方向に移動させるアクチュエータとを有する、請求項
13に記載の
ペースト吐出移送システム。
【請求項18】
前記支持ブラケットは、前記ペーストカートリッジのノズルの底部を受けるように設計された受け入れ形状部を有するベース部を有するエンドエフェクターを有し、該エンドエフェクターは、前記ペーストカートリッジの前記ノズルを選択的に係合及び固定するとともに、前記ペーストカートリッジを垂直の直立位置に維持するように構成される、請求項
17に記載の
ペースト吐出移送システム。
【請求項19】
前記支持ブラケットは、少なくとも1つのリニア軸受によって前記プリントヘッドアセンブリの前記支持部材に固定されて前記支持ブラケット、アクチュエータ、及びエンドエフェクターのx軸方向の移動を可能にするとともに、タイミングベルトによって駆動される、請求項
18に記載の
ペースト吐出移送システム。
【請求項20】
前記アクチュエータは、前記ペーストカートリッジの開いた端部が前記プリントヘッドアセンブリのカートリッジシール形状部によってシールされるように、前記ペーストカートリッジを上方へ移動させるように構成される、請求項
18に記載の
ペースト吐出移送システム。
【請求項21】
前記エンドエフェクターは、前記ペーストカートリッジの前記ノズルの狭い円筒部を囲うようにサイズ設定された2つの離間したプロング部を有する受け入れ形状部を有することで前記エンドエフェクターが前記ペーストカートリッジを垂直の直立位置において支持することを可能にする、請求項
18に記載の
ペースト吐出移送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、「MULTI-FUNCTIONAL PRINT HEAD FOR A STENCIL PRINTER」と題する、2019年11月6日に出願された同時係属中の米国特許仮出願第62/931,496号明細書及び「METHOD AND SYSTEM FOR AUTOMATED CHANGEOVER AND REPLACEMENT WITHIN A STENCIL PRINTER」と題する、2019年6月13日に出願された米国特許仮出願第62/861,025号明細書の米国特許法第119条(e)項に基づく利益を主張し、これらの米国特許は、あらゆる目的で、引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。
【0002】
本願は、包括的には、粘性材料、例えばはんだペーストを電子基板、例えばプリント回路基板(PCB)上に印刷するステンシルプリンター及び関連する方法に関し、より具体的には、このようなステンシルプリンター及び方法を完全に自動化するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
表面実装プリント回路基板を製造する際に、ステンシルプリンターを用いて、回路基板上にはんだペーストを印刷することができる。通常、その上にはんだペーストが堆積されることになる、パッド又は何らかの他の導電性表面のパターンを有する回路基板がステンシルプリンターの中に自動的に送り込まれ、回路基板上にはんだペーストを印刷する前に、回路基板上の1つ以上の小穴又はマーク(「フィデューシャル(fiducials:基準部)」として知られる)を用いて、回路基板をステンシルプリンターのステンシル又はスクリーンと適切に位置合わせする。幾つかのシステムでは、視覚システムを具現する光学位置合わせシステムを用いて、回路基板をステンシルと位置合わせする。
【0004】
上記プリンターにおいて、回路基板がステンシルと適切に位置合わせされると、回路基板はステンシルまで上昇されて、はんだペーストがステンシルに吐出される。ワイパーブレード(すなわちスクイージー)がステンシルを横断して、ステンシルの孔を通して回路基板にはんだペーストを押し出す。スクイージーがステンシルを横切るように移動する際、はんだペーストはブレードの前方において伸び広がる傾向がある。これにより、望ましくははんだペーストの混合及び剪断が生じ、スクリーンすなわちステンシルの孔を満たすのを容易にするのに所望の粘度が得られる。はんだペーストは、通常、標準的なカートリッジからステンシルに吐出される。その後、ステンシルは回路基板から切り離され、回路基板とはんだペーストとの間の接着によって、材料の大部分が回路基板上に留まる。ステンシルの表面上に残される材料は、更なる回路基板が印刷される前に、洗浄プロセスにおいて除去される。
【0005】
回路基板を印刷する際の別のプロセスは、はんだペーストが回路基板の表面上に堆積された後に、回路基板を検査することを伴う。回路基板を検査することは、清浄な電気的接続を形成できると判断するのに重要である。はんだペーストが多すぎると短絡が生じる可能性があり、一方、適切な位置においてはんだペーストが少なすぎると、電気的接触が妨げられる可能性がある。一般に、視覚検査システムを更に利用して、回路基板上のはんだペーストの2次元又は3次元の検査を提供する。
【0006】
現代のステンシルプリンターには、ルーティン動作を行うために、手作業による介入が必要となる。例えば、切り替え中において、作業者は、ステンシルの変更、はんだペーストカートリッジの交換、スクイージーブレードの交換、及び支持ツールの交換等、多くの手作業によるタスクを行わなければならない。これらのタスクのそれぞれにおいて、作業者は手作業でタスクを行う必要がある。例えば、大多数のステンシルプリンターにおいて、作業者は、ステンシルをロック解除し、ステンシルを取り外し、交換ステンシルを適切に挿入し、交換ステンシルを適所にロックしなければならない。切り替え動作は30分程かかり得て、その間、ステンシルプリンターは動作しておらず、PCB作製ラインが稼働しないという結果となり得る。
【0007】
ステンシルプリンターは、交換動作及び/又は補充動作を行うために、手作業による介入が更に必要となる。例えば、温度制御されたはんだペーストをステンシルプリンターへ供給するはんだペーストカートリッジは、時間の経過に伴い、例えば、4時間又はそれ以下の時間内において交換が必要である。スクイージーブレード及びステンシル等、通常の摩耗及び引裂が起こる部品は、破損した場合に定期的な交換が必要となり得る。
【発明の概要】
【0008】
本開示の1つの態様は、電子基板上にアセンブリ材料を印刷するステンシルプリンターに向けられる。一実施形態において、前記ステンシルプリンターは、フレームと、前記フレームに連結されるステンシルであって、該ステンシルは内部に孔が形成される、ステンシルと、前記フレームに連結される支持アセンブリであって、該支持アセンブリは、前記ステンシルの下方の印刷位置において前記電子基板を支持するように構成されたツールを有する、支持アセンブリとを備える。前記ステンシルプリンターは、プリントヘッドアセンブリが印刷ストローク時に前記ステンシルを横断するように構成されるように該プリントヘッドアセンブリが前記フレームに連結されるプリントヘッドアセンブリを更に備える。該プリントヘッドアセンブリは、アセンブリ材料を前記ステンシル上に堆積させるスクイージーブレードアセンブリと少なくとも1つのペーストカートリッジとを有する。前記ステンシルプリンターは、ペースト吐出移送システムであって、該ペースト吐出移送システムは、前記プリントヘッドアセンブリに連結されるペーストカートリッジ機構と、前記フレームに連結される回転インデックス機構とを有する、ペースト吐出移送システムを更に備える。該ペースト吐出移送システムは、使用済みのペーストカートリッジを前記プリントヘッドアセンブリから前記フレームによって支持される前記回転インデックス機構へ移送するとともに、新しいペーストカートリッジを前記回転インデックス機構から前記プリントヘッドアセンブリへ移送するように構成される。
【0009】
ステンシルプリンターの実施形態は、回転するように構成されたカルーセルマウントと、該カルーセルマウントの上面に搭載されるペーストカートリッジチューブホルダーとを有して前記回転インデックス機構を構成することを更に含むことができる。前記チューブホルダーは、ペーストカートリッジに横方向の支持を提供することで該ペーストカートリッジを垂直な直立位置に維持するように構成された半壁を有することができる。前記回転インデックス機構は、前記回転インデックス機構によって支持される前記ペーストカートリッジを互いに分離するように設けられる幾つかの仕切り部を更に有することができる。前記回転インデックス機構は、回転することで、2つの隣接した仕切り部の間に画定される開いた受け入れ部を提示して前記使用済みのペーストカートリッジを受け取るように構成することができる。前記回転インデックス機構は、回転することで、新しいペーストカートリッジを提示してプリントヘッドアセンブリへ移送するように構成することができる。前記回転インデックス機構は、前記回転インデックス機構を前記フレームの支持部材に固定するように構成された取り付けブラケットを更に有することができる。前記回転インデックス機構は、前記取り付けブラケットの底部に固定されてモーター・ギヤボックスアセンブリを固定するモーター・軸受ハウジングと、該モーター・軸受ハウジング及び前記カルーセルマウントに連結されて該カルーセルマウントの回転を駆動するシャフトとを更に有することができる。前記ペーストカートリッジ機構は、前記プリントヘッドアセンブリの支持部材上に搭載される支持ブラケットと、該支持ブラケットに固定されて該支持ブラケットをz軸方向に移動させるアクチュエータとを有することができる。前記支持ブラケットは、前記ペーストカートリッジの前記ノズルの底部を受けるように設計された受け入れ形状部を有するベース部を有するエンドエフェクターを有することができ、該エンドエフェクターは、前記ペーストカートリッジの前記ノズルを選択的に係合及び固定するとともに、前記ペーストカートリッジを垂直な直立位置に維持するように構成される。前記支持ブラケットは、少なくとも1つのリニア軸受によって前記プリントヘッドアセンブリの前記支持部材に固定されて前記支持ブラケット、アクチュエータ、及びエンドエフェクターのx軸方向の移動を可能にすることができ、タイミングベルトによって駆動される。前記アクチュエータは、前記ペーストカートリッジの開いた端部が前記プリントヘッドアセンブリのカートリッジシール形状部によってシールされるように、前記ペーストカートリッジを上方へ移動させるように構成することができる。前記エンドエフェクターは、前記ペーストカートリッジの前記ノズルの狭い円筒部を囲うようにサイズ設定された2つの離間したプロング部を有する受け入れ形状部を有することで前記エンドエフェクターが前記ペーストカートリッジを垂直の直立位置において支持することを可能にすることができる。
【0010】
本開示の別の態様は、ステンシルプリンター内における切り替え及び/又は交換プロセスを完全に自動化する方法に向けられる。一実施形態において、前記方法は、前記ステンシルプリンター内における交換が予定されている使用済みのペーストカートリッジを識別するステップと、前記使用済みのペーストカートリッジを、ペーストカートリッジ機構を有するプリントヘッドアセンブリから回転インデックス機構へ移送するステップと、新しいペーストカートリッジを前記回転インデックス機構から前記ペーストカートリッジ機構へ移送するステップと、前記プリントヘッドアセンブリ内において前記新しいペーストカートリッジを設置するステップと、を含む。
【0011】
方法の実施形態は、前記使用済みのペーストカートリッジを移送するステップは、前記回転インデックス機構の開いた受け入れ部を提示することと、前記使用済みのペーストカートリッジを前記開いた受け入れ部へ移動させることとを更に含むことができる。新しいペーストカートリッジを移送するステップは、前記ペーストカートリッジを前記ペーストカートリッジ機構に提示することと、前記新しいペーストカートリッジを前記ペーストカートリッジ機構へ移動させることとを含むことができる。前記新しいペーストカートリッジを設置するステップは、前記新しいペーストカートリッジをz軸方向に移動させて前記ペーストカートリッジの開いた端部をシールすることを含むことができる。
【0012】
本開示の更に別の態様は、アセンブリ材料を電子基板上に印刷するように構成されたステンシルプリンターのペースト吐出移送システムに向けられる。一実施形態において、該移送システムは、前記ステンシルプリンターのプリントヘッドアセンブリに連結されるペーストカートリッジ機構と、前記ステンシルプリンターのフレームに連結される回転インデックス機構とを備える。該ペースト吐出移送システムは、使用済みのペーストカートリッジを前記プリントヘッドアセンブリから前記フレームによって支持される前記回転インデックス機構へ移送するとともに、新しいペーストカートリッジを前記回転インデックス機構から前記プリントヘッドアセンブリへ移送するように構成される。
【0013】
移送アセンブリの実施形態は、回転するように構成されたカルーセルマウントと、前記カルーセルマウントの上面に搭載されるペーストカートリッジチューブホルダーとを有して前記回転インデックス機構を構成することを更に含むことができる。前記チューブホルダーは、ペーストカートリッジに横方向の支持を提供することで該ペーストカートリッジを垂直な直立位置に維持するように構成された半壁を有することができる。前記回転インデックス機構は、前記回転インデックス機構によって支持される前記ペーストカートリッジを互いに分離するように設けられる幾つかの仕切り部を更に有することができる。前記回転インデックス機構は、回転することで、2つの隣接した仕切り部の間に画定される開いた受け入れ部を提示して前記使用済みのペーストカートリッジを受け取るように構成することができる。前記回転インデックス機構は、回転することで、新しいペーストカートリッジを提示してプリントヘッドアセンブリへ移送するように構成することができる。前記回転インデックス機構は、前記回転インデックス機構を前記フレームの支持部材に固定するように構成された取り付けブラケットを更に有することができる。前記回転インデックス機構は、前記取り付けブラケットの底部に固定されてモーター・ギヤボックスアセンブリを固定するモーター・軸受ハウジングと、該モーター・軸受ハウジング及び前記カルーセルマウントに連結されて該カルーセルマウントの回転を駆動するシャフトとを更に有することができる。前記ペーストカートリッジ機構は、前記プリントヘッドアセンブリの支持部材上に搭載される支持ブラケットと、前記支持ブラケットに固定されて前記支持ブラケットをz軸方向に移動させるアクチュエータとを有することができる。前記支持ブラケットは、前記ペーストカートリッジの前記ノズルの底部を受けるように設計された受け入れ形状部を有するベース部を有するエンドエフェクターを有することができ、該エンドエフェクターは、前記ペーストカートリッジの前記ノズルを選択的に係合及び固定するとともに、前記ペーストカートリッジを垂直の直立位置に維持するように構成される。前記支持ブラケットは、少なくとも1つのリニア軸受によって前記プリントヘッドアセンブリの前記支持部材に固定されて前記支持ブラケット、アクチュエータ、及びエンドエフェクターのx軸方向の移動を可能にするとともに、タイミングベルトによって駆動することができる。前記アクチュエータは、前記ペーストカートリッジの開いた端部が前記プリントヘッドアセンブリのカートリッジシール形状部によってシールされるように、前記ペーストカートリッジを上方へ移動させるように構成することができる。前記エンドエフェクターは、前記ペーストカートリッジの前記ノズルの狭い円筒部を囲うようにサイズ設定された2つの離間したプロング部を有する受け入れ形状部を有することで前記エンドエフェクターが前記ペーストカートリッジを垂直の直立位置において支持することを可能にすることができる。
【0014】
添付図面は、縮尺どおりに描かれることを意図されていない。図面では、種々の図に示されている同一又は略同一の各構成部材は同様の符号によって表される。明確であるために、全ての図面において全ての構成部材が符号を付けられていない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1はステンシルプリンターの正面図である。
【
図2】
図2はステンシルプリンターの正面斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2に示されているステンシルプリンターの平面図であって、一部を取り除いた状態を示す図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施形態の取り外し可能カートの斜視図であって、外部パッケージを取り外して可動カートの内部構造が現れた状態を示す図である。
【
図5A】
図5Aは本開示の実施形態のツールトレイの斜視図である。
【
図5B】
図5Bはツールトレイ支持ツール及びスクイージーブレードアセンブリの斜視図である。
【
図6】
図6は本開示の別の実施形態のツールトレイの斜視図である。
【
図7A】
図7Aは、プリントヘッドアセンブリのエンドエフェクターの一部及びスクイージーブレードアセンブリのスクイージーブレードホルダーの一部が係合解除位置にある状態を示す断面図である。
【
図7B】
図7Bは、プリントヘッドアセンブリのエンドエフェクターの一部及びスクイージーブレードアセンブリのスクイージーブレードホルダーの一部が係合位置にある状態を示す断面図である。
【
図7C】
図7Cは、エンドエフェクター及びスクイージーブレードホルダーが係合位置にある状態を示す断面図である。
【
図8A】
図8Aは、エンドエフェクターをスクイージーブレードホルダーから解除するように構成された解除機構の断面図である。
【
図8B】
図8Bは、エンドエフェクターをスクイージーブレードホルダーから解除するように構成された解除機構の断面図である。
【
図9A】
図9Aは、ペーストカートリッジを支持するように構成されたマガジンが格納位置にある状態を示す斜視図である。
【
図9B】
図9Bは、ペーストカートリッジを支持するように構成されたマガジンが伸長位置にある状態を示す斜視図である。
【
図11A-11C】
図11A-11Cは、プリントヘッドアセンブリへのペーストカートリッジの設置を連続的に示す図である。
【
図12】
図12はペーストカートリッジ機構内に設けられるペーストカートリッジの斜視図である。
【
図13A-13C】
図13A-13Cはツールをツールトレイから取り外すように構成されたプリントヘッドアセンブリの斜視図である。
【
図14】
図14は本開示の実施形態のペースト吐出移送システムの斜視図である。
【
図15A】
図15Aはペースト吐出移送システムの回転インデックス機構の拡大斜視図である。
【
図15B】
図15Bは、ペースト吐出移送システムの回転インデックス機構の拡大斜視図であって、回転インデックス機構の詳細を示す図である。
【
図16A】
図16Aは、ペースト吐出移送システムのペーストカートリッジ機構を有するエンドエフェクターの拡大斜視図である。
【
図16B】
図16Bは、ペーストカートリッジ機構を有するエンドエフェクターの別の拡大斜視図である。
【
図17A】
図17Aは、ペースト吐出移送システムの回転インデックス機構とペーストカートリッジ機構を有するエンドエフェクターとの相互作用を示す斜視図である。
【
図17B】
図17Bは、ペースト吐出移送システムの回転インデックス機構とペーストカートリッジ機構を有するエンドエフェクターとの相互作用を示す斜視図である。
【
図18】
図18はペーストカートリッジ機構を有するエンドエフェクターの拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は包括的には、表面実装技術(SMT)プロセスラインにおいて利用され、アセンブリ材料(例えば、はんだペースト、導電性インク又は封入材料)を基板(substrate)(例えば、本明細書において、「電子基板」、「回路基板」、「板(board)」、「PCB」、「PCB基板」、「基板」、又は「PCB板」と称する)上に塗布するか、又は検査、再加工又は基板上への電子構成要素の載置のような他の動作を実行するように構成される、材料塗布機械(本明細書において、「ステンシルプリンター」、「スクリーンプリンター」、「印刷機」、又は「プリンター」と称する)及び他の機器に関する。具体的には、本開示の実施形態は、プリント回路基板を作製するために使用されるステンシルプリンターを参照しながら以下に説明される。
【0017】
例示のためだけであり、普遍性を限定するものではないが、ここで、添付の図面を参照しながら本開示が詳細に説明される。本開示は、その応用形態に関して、以下の説明に記載されるか、又は図面に示される構成の細部及び構成要素の配置には限定されない。本開示において記載される原理は、他の実施形態でも使用可能であり、種々の方法において実践又は実行することができる。また、本明細書において用いられる言い回し及び用語は、説明することを目的としており、限定するものと見なされるべきではない。本明細書において単数のものとして参照されるシステム及び方法の例、実施形態、構成要素、要素又は動作に対する任意の参照は、複数のものを含む実施形態も包含することができ、本明細書における任意の実施形態、構成要素、要素又は動作に対する複数のものとしての任意の参照は、単数のもののみを含む実施形態も包含することができる。単数形又は複数形における参照は、本明細書において開示されるシステム又は方法、それらの構成要素、動作又は要素を限定することを意図されていない。本明細書において「~を含む」、「~を備える」、「~を有する」、「~を含有する」、「~を伴う」及びそれらの変形の用語を使用することは、その前に列挙されるアイテムと、その均等物及び追加のアイテムとを包含することを意味する。「又は/若しくは」に対する参照は、「又は/若しくは」を用いて説明される任意の用語が、この説明される用語の単一のもの、2つ以上、及び全てのもののうちの任意のものを示すことができるような包括的なものと解釈することができる。加えて、本明細書と、引用することにより本明細書の一部をなす書類との間で用語の使用法が一貫しない場合、本明細書の一部をなす文献における用語の使用法は、本明細書の使用法に対する補足であり、非一貫性が矛盾をきたすものである場合、本明細書における用語の使用法が有効である。
【0018】
例示を目的として、以下、本開示の実施形態について、はんだペースト等のアセンブリ材料を回路基板上に印刷するために使用されるステンシルプリンターを参照しながら説明する。しかしながら、当業者であれば、本開示の実施形態は回路基板上にはんだペーストを印刷するステンシルプリンターに限らず、糊及び封止材料等の他の粘着性のアセンブリ材料の吐出を必要とする他の用途において使用できることを理解するであろう。例えば、チップスケールパッケージ用のアンダーフィルとして使用されるエポキシを印刷するために装置を使用することができる。さらに、本開示の実施形態に係るステンシルプリンターは、回路基板上にアセンブリ材料を印刷するものに限らず、半導体ウエハ等の様々な基板上に他の材料を印刷するために使用されるものを含む。また、スクリーン及びステンシルの用語は、本明細書においては、基板に印刷されるパターンを規定するプリンター内のデバイスを説明するために区別なく使用することができる。或る特定の実施形態において、ステンシルプリンターは、マサチューセッツ州ホプキントンのITW Electronic Assembly Equipmentにより提供されるMomentum(登録商標)又はEdison(登録商標)シリーズのステンシルプリンタープラットフォームを含むことができる。例示的なステンシルプリンターは、概して
図1において5で指定されている。この実施形態において、ステンシルプリンター5は、マサチューセッツ州ホプキントンのITW Electronic Assembly Equipmentにより提供されるMomentum(登録商標)シリーズのステンシルプリンタープラットフォームである。
【0019】
図2を参照すると、本開示の実施形態に係るステンシルプリンターが概して10で示されている。示されているように、ステンシルプリンター10は、ステンシルプリンターの構成部品を支持するフレーム12を有する。ステンシルプリンターの構成部品は、一部として、コントローラー14と、ディスプレイ16と、ステンシル18と、プリントヘッド又はプリントヘッドアセンブリとを含むことができる。プリントヘッド又はプリントヘッドアセンブリは、概して20で示されており、以下でより詳細に説明する方法ではんだペーストを塗布するように構成される。
【0020】
図2に示され、以下で説明するように、ステンシル及びプリントヘッドアセンブリは、適宜、フレーム12に連結することができる、又は別様に接続することができる。一実施形態において、プリントヘッドアセンブリ20は、プリントヘッドアセンブリガントリー22上に搭載することができ、プリントヘッドアセンブリガントリー22は、フレーム12上に搭載することができる。プリントヘッドアセンブリガントリー22により、プリントヘッドアセンブリ20は、コントローラー14の制御下においてy軸方向に移動することが可能となるとともに、ステンシル18と係合することでプリントヘッドアセンブリに圧力を加えることが可能となる。或る特定の実施形態において、プリントヘッドアセンブリ20は、ステンシル18の上方に載置することができるとともに、z軸方向に降下してステンシルに接触及び封止係合することができる。
【0021】
ステンシルプリンター10は、プリント回路基板(本明細書においては「プリント配線基板」、「基板」、又は「電子基板」と称する場合がある)をステンシルプリンター内の印刷位置へ輸送する、レール(図示せず)を有するコンベヤシステムも有することができる。レールは、本明細書においては「トラクターフィード機構」と称する場合がある。トラクターフィード機構は、本明細書において「プリントネスト」と称する場合があるステンシルプリンターの作業領域へ回路基板を送り込む、積み込む、又は別様に送達するとともに、プリントネストから回路基板を積み下ろすように構成される。
【0022】
加えて
図3を参照すると、ステンシルプリンター10は、回路基板29(破線で示されている)を支持する支持アセンブリ28を有する。支持アセンブリ28は、印刷動作時に回路基板が安定するように、回路基板を上昇させ、固定する。或る特定の実施形態において、基板支持アセンブリ28は、特定の基板支持システム、例えば、堅固な支持体、複数のピン、又は柔軟なツール等を更に有することができ、基板支持システムは、回路基板が印刷位置にあるときに回路基板の下方に位置決めされる。基板支持システムは、一部が、回路基板の内部領域を支持して、印刷動作時の回路基板の曲げ又は反りを防止するのに使用することができる。
【0023】
一実施形態において、プリントヘッドアセンブリ20は、印刷動作時にはんだペーストをプリントヘッドアセンブリに提供する、ディスペンサー、例えば、はんだペーストカートリッジ等の供給源からはんだペーストを受け取るように構成することができる。カートリッジの代わりに、はんだペーストを供給する他の方法を利用してもよい。例えば、はんだペーストは、ブレード間において又は外部の供給源から手作業で堆積させることができる。加えて、或る特定の実施形態において、コントローラー14は、Microsoft Corporationによって提供されるMicrosoft Windows(登録商標)オペレーティングシステム等の適したオペレーティングシステムを有するパーソナルコンピュータを使用し、特定用途向けソフトウェアを用いてステンシルプリンター10の動作を制御するように構成することができる。コントローラー14は、回路基板を作製する生産ラインを制御するために使用されるマスターコントローラーとネットワーク接続することができる。
【0024】
1つの構成において、ステンシルプリンター10は以下のように動作する。回路基板29は、コンベヤレールを使用してステンシルプリンター10内へ積み込まれる。支持アセンブリ28は、印刷位置へ回路基板29を上昇させ、固定する。そして、プリントヘッドアセンブリ20は、プリントヘッドアセンブリのブレードがステンシル18に対して所望の圧力で接触するまでz軸方向に降下される。そして、プリントヘッドアセンブリ20は、プリントヘッドアセンブリガントリー22によって、ステンシル18を横切ってy軸方向に移動される。プリントヘッドアセンブリ20は、ステンシル18内の孔を通じて回路基板29上にはんだペーストを堆積させる。ひとたびプリントヘッドアセンブリが孔を横切ってステンシル18を完全に横断すると、プリントヘッドアセンブリはステンシルから持ち上げられ、回路基板29はコンベヤレール上へ戻るように降下させられる。回路基板29は、ステンシルプリンター10から解放及び輸送され、これにより、第2の回路基板をステンシルプリンター内へ積み込むことができる。第2の回路基板29上に印刷するために、プリントヘッドアセンブリはz軸方向に降下させられてステンシルと接触し、第1の回路基板に使用された方向とは逆方向にステンシル18を横切って移動させられる。
【0025】
印刷前に回路基板29に対してステンシル18を位置合わせする、及び印刷後に回路基板を検査する目的のために、撮像システム30を設けることができる。一実施形態において、撮像システム30は、ステンシル18と回路基板が支持される支持アセンブリ28との間に配設することができる。撮像システム30は、撮像システムを移動させるために撮像ガントリー32に連結される。一実施形態において、撮像ガントリー32は、フレーム12に連結することができ、フレーム12の側方レール間を延在する梁を有し、y軸方向における回路基板29の上方で撮像システム30に前後移動をもたらす。撮像ガントリー32は、撮像システム30を収容するキャリッジデバイスを更に有することができ、x軸方向における梁の長さに沿って移動するように構成される。撮像システム30を移動させるために使用される撮像ガントリー32の構造は、はんだペースト印刷の技術において既知である。回路基板又はステンシルの予め定められた領域の画像をそれぞれ撮影するためにステンシル18の下方であって回路基板29の上方の任意の位置に撮像システム30が位置することができるような配置となっている。
【0026】
はんだペーストを回路基板に対して1回以上塗布した後、余分なはんだペーストがステンシル18の底に蓄積し得て、概して34で示されるステンシルワイパーアセンブリがステンシルの下方を移動して余分なはんだペーストを除去することができる。他の実施形態において、ステンシル18は、ステンシルワイパーアセンブリの上方を移動してもよい。
【0027】
上述のように、ステンシルプリンターは、或る特定の部品の交換及び/又は補充動作を行うために、手作業による介入が必要となる。例えば、典型的なステンシルは、或る特定の期間後、例えば、4時間後に交換が必要となる。また、ステンシルは、別個の生産運転(production run)のために交換が必要となる。加えて、温度制御されたはんだペーストをステンシルプリンターに供給するはんだペーストカートリッジは、時間の経過に伴い、例えば、4時間以内に交換が必要となる。別個の生産運転には、異なるはんだペースト材料が必要となり得る。定期的な交換を必要とする別の部品は、使用時に摩耗するスクイージーブレードである。そして最後に、印刷位置において基板を支持するために使用されるツールは、1つの生産品から別の生産品へ変更するときに交換される。
【0028】
印刷位置において基板を支持するために使用されるツールを交換するシステム及び方法は、新しい生産運転のために、又は既設のツールに欠陥が検知されたことにより、新しいツールをツール貯蔵室から取り出して幾つかのステンシルプリンターのうちの1つへ輸送することを含む。生産ラインにおいて、使用済みのツールはステンシルプリンターから取り外され、新しいツールは、ステンシルプリンター内へ挿入され、使用のために固定される。使用済みのツールは、ツールが検査されるとともに回収可能な場合には再利用のために洗浄されるステーションへ輸送される。欠陥がある場合、ツールは責任ある方法で廃棄される。ひとたび洗浄されると、ツールは、ツールを同じ又は異なる生産運転時に再利用する準備ができているツール貯蔵室へ戻るように輸送される。
【0029】
スクイージーブレード又は一対のスクイージーブレードを交換するシステム及び方法は、新しい生産運転のために、又は既設のスクイージーブレードに欠陥が検知されたことにより、新しいスクイージーブレードをスクイージーブレード貯蔵室から取り出して幾つかのステンシルプリンターのうちの1つへ輸送することを含む。生産ラインにおいて、使用済みのスクイージーブレードはステンシルプリンターから取り外され、新しいスクイージーブレードは、ステンシルプリンター内へ挿入され、使用のために固定される。使用済みのスクイージーブレードは、スクイージーブレードが検査されるとともに回収可能な場合には再利用のために洗浄されるステーションへ輸送される。欠陥がある場合、スクイージーブレードは責任ある方法で廃棄される。ひとたび洗浄されると、スクイージーブレードは、スクイージーブレードを同じ又は異なる生産運転時に再利用する準備ができているスクイージーブレード貯蔵室へ戻るように輸送される。
【0030】
ペーストカートリッジを交換するシステム及び方法は、新しい生産運転のために、又は既設のペーストカートリッジの消尽により、新しいペーストカートリッジをペーストカートリッジ貯蔵室から取り出して幾つかのステンシルプリンターのうちの1つへ輸送することを含む。ステンシルプリンターは、プリント回路基板を作製するために使用される単一の生産ラインの一部、又は幾つかの生産ラインの一部とすることができる。ステンシルプリンターの数は様々であり得る。貯蔵室内でのペーストカートリッジの貯蔵、及びペーストカートリッジの輸送は、はんだペーストカートリッジ内に収容されたはんだペーストを保存するのに適した、温度及び/又は気候の制御された環境において行われなければならない。生産ラインにおいて、「消費済み」又は使用済みのペーストカートリッジはステンシルプリンターから取り外され、「満杯の」又は新しいペーストカートリッジはステンシルプリンター内へ挿入され、使用のために固定される。消費済みペーストカートリッジは、ペーストカートリッジが確保される(完全に使用済みではないため)又はリサイクルのために確保される、ステーションへ輸送される。ひとたび確保又はリサイクルされると、ペーストカートリッジは、ペーストカートリッジを同じ又は異なる生産運転時に使用する準備ができているペーストカートリッジ貯蔵室へ戻るように輸送される。
【0031】
本開示の実施形態は、ステンシルプリンターの切り替えプロセスを自動化するとともに、本明細書において説明したシステム及び方法のうちの1つ以上を実施するように構成された送達システムに向けられる。一実施形態において、送達システムは、ステンシルプリンターに係合し、交換用及び補充用の部品及び材料をステンシルプリンターに対して供給する及び受け取るように構成された可動カートを有する。例えば、ステンシルプリンターは、可動カートを受けるように構成されたドッキングステーションを有することができる。ドッキングステーションは、可動カートがステンシルプリンターと通信できるようにするインターフェースを有することができる。単一の可動カートは、交換支持ツール、交換スクイージーブレード、補充スクイージーブレード、交換はんだペーストカートリッジ、及び補充はんだペーストカートリッジを有するように構成することができる。切り替え時において、例えば、ステンシルプリンターは、異なるアイテムを生産するように再構成しなければならない。したがって、異なる基板に適応するための新しい支持ツール、異なる長さを有する新しいブレード、及び異なるタイプのはんだペーストをステンシルプリンター内に利用し、異なる製品を生産することができる。
【0032】
本明細書において説明する切り替えプロセスは、各部品を交換及び/補充するように構成された単一の可動カートによって実現することができる。他の実施形態において、2つ以上の可動カートを設けることができる。
【0033】
可動カート又は別の可動カートは、特定の日又は特定の期間に予定されている生産運転に対して選択される、プリント回路基板を印刷位置において支持するために使用される所定数のツールを支持するように構成される。可動カート及び/又はステンシルプリンターは、支持ツールを識別し、支持ツールを貯蔵し、支持ツールをステンシルプリンターへ及びステンシルプリンターから輸送し、支持ツールを検査し、ステンシルプリンターとインターフェース接続するように構成することができる。可動カートは、支持ツール等の使用済みの部品をステンシルプリンターから取り外すように構成することもできる。
【0034】
可動カート又は別の可動カートは、特定の日又は特定の期間に予定されている生産運転に対して選択される、所定数のスクイージーブレードを支持するように構成される。可動カート及び/又はステンシルプリンターは、スクイージーブレードを識別し、スクイージーブレードを貯蔵し、スクイージーブレードをステンシルプリンターへ及びステンシルプリンターから輸送し、スクイージーブレードを検査し、ステンシルプリンターとインターフェース接続するように構成することができる。可動カートは、スクイージーブレード等の使用済みの部品をステンシルプリンターから取り外すように構成することもできる。
【0035】
可動カート又は別の可動カートは、特定の日又は特定の期間に予定されている生産運転に対して選択される、所定数のペーストカートリッジを支持するように構成される。可動カート及び/又はステンシルプリンターは、ペーストカートリッジを識別し、ペーストカートリッジを適した環境において貯蔵し、ペーストカートリッジをステンシルプリンターへ及びステンシルプリンターから輸送し、ペーストカートリッジを検査し、ステンシルプリンターとインターフェース接続するように構成することができる。可動カートは、ペーストカートリッジ等の使用済みの部品をステンシルプリンターから取り外すように構成することもできる。また、可動カートは、長期に渡ってペーストカートリッジを貯蔵するように構成することができる。一実施形態において、はんだペーストの長期の貯蔵は、0℃~10℃(32°F~50°F)で冷蔵することによって実現することができる。ペーストカートリッジは、可動カート内においてこの温度範囲を維持する箇所で貯蔵することができる。別の実施形態において、可動カートは、使用前にペーストカートリッジを予熱し、ステンシルプリンター内における使用のためにカートリッジを準備するように構成することができる。
【0036】
図4を参照すると、一実施形態において、概して40で示されている可動カートは、交換及び/又は補充部品を支持するように構成されたフレーム又はハウジング42を有する。示されているように、フレームは、概して矩形であり、ホイール又はキャスター(図示せず)上で支持される。一実施形態において、可動カート40は、作業者が可動カートのフレームを押すことによって手作業で移動されるように構成される。この実施形態において、可動カート40は、プッシュバー又はハンドルを有して構成することができる。別の実施形態において、可動カート40は、可動カート、ステンシルプリンター10、生産ライン、及び/又は何らかの他の専用の制御と関連付けられる遠隔制御又は自動化された制御によって自動的に移動されるように構成される。この実施形態において、可動カート40は、適したモーター及びドライブトレインによって駆動されるホイールを含むことができ、可動カート、ステンシルプリンター10、生産ライン、及び/又は何らかの他の専用の制御と関連付けられた制御は、可動カートを制御するように構成される。可動カート40は、可動カートを貯蔵室から例えばステンシルプリンターへ案内するために、1つ以上のセンサー及び/又は視覚システム、例えばカメラを更に有することができる。
【0037】
可動カート40は、交換ステンシル、交換支持ツール、交換及び/又は補充スクイージーブレード、並びに交換及び/又は補充ペーストカートリッジ等の1つ以上の部品を支持するように構成することができる、概して44で示されている並進可能キャリッジを有する。並進可能キャリッジ44は、上部48と、底部50と、対向する側部52、54と、開いた前部と、開いた背部とを有する矩形の構造体46を含む。構造体46の側部52、54は、それぞれが56で示されているスロットを有することができ、各スロットは、ステンシル18又は図示されている実施形態における概して60で示されているツールトレイ等の平面状の部品の対向する縁部を受けるとともに支持するように構成されている。構造体46は、幾つかの、例えば10個以上の部品を受けるように構成することができる。スロット56の間の空間は、その内部に標準的なステンシルフレームを受けるようにサイズ設定することができる。
【0038】
並進可能キャリッジ44は、4つの垂直に方向付けされたロッドを更に有し、ロッドは、それぞれが62で示されており、構造体46の4つの角部に位置決めされる。図示されているように、構造体46は上部に2つのバー部材64、66を有し、一方のバー部材64は構造体の開いた前部に隣接して構造体の上部48に固定され、他方のバー部材66は開いた背部に隣接して上部に固定される。同様に、構造体46は底部に2つのバー部材64a、66aを有し、一方のバー部材64aは構造体の開いた前部に隣接して構造体の底部50に固定され、他方のバー部材66aは開いた背部に隣接して底部に固定される。各バー部材64、64a及び66、66aは、バーの対向する端部に2つの開口を有し、開口はその内部にそれぞれのロッドを受けるように位置決めされる。構造体46がロッド62に対して垂直に移動して構造体を上昇及び下降させることができるような配置となっている。コントローラーの制御下において構造体46を上昇及び下降させるために、適した機構を設けることができる。例えば、構造体46を移動させてスロット56によって画定される「棚」をステンシルプリンター10に隣接するように位置決めするために、ボールねじ駆動アセンブリを設けることができる。「棚」は、限定されるものではないが、新しい及び使用済みの支持ツール、新しい及び使用済みのスクイージーブレード、並びに新しい及び消費済み/使用済みのペーストカートリッジを含む部品を支持するように構成することができるツールトレイ60を支持するように特定的に設計することができる。幾つかの棚は、ステンシルプリンター10内における使用の準備ができた清浄な又は新しい部品を支持するための「清浄な棚」として指定することができるツールトレイ60を有することができる。幾つかの棚は、ステンシルプリンター10から取り出される使用済みの部品を支持するための「清浄でない棚」として指定することができるツールトレイ60を有することができる。上述のように、スロット56の間の空間は、様々な部品を受けるために、互いに特定の距離だけ間隔を空けることができる。例えば、棚は、ステンシルフレーム及びツールトレイの厚さに適応するために、9.525mm(3/8インチ)~38.1mm(1・1/2インチ)だけ間隔を空けることができる。
【0039】
可動カート40は、部品を可動カートからステンシルプリンター10へ、及びステンシルプリンターから可動カートへ輸送するために使用される1つ以上のデバイスを有して構成することができる。例えば、デバイスは、ステンシル18及びツールトレイ60をそれぞれ可動カート40へ向けて押す、及び可動カート40から取り出すように構成された輸送アーム68を含むことができる。例えば、
図4に示されているように、輸送アーム68はツールトレイ60を可動カート40から離れる方向へ押し、ツールトレイはステンシルプリンターによって受け取られるように位置決めされる。輸送アームを移動させるために、ボールねじ駆動アセンブリ等の任意の適した機構を設けることができる。
【0040】
図5A及び
図5Bを参照すると、ツールトレイ60は、矩形又は正方形のフレーム70と平面状の本体72とを有する。フレーム70は、ステンシル18のフレームを模するようにサイズ設定することができる。一実施形態において、ツールトレイ60は、アルミ合金等、軽量でありながら強度の高い材料から作製することができる。
図5Aに示されているように、ツールトレイ60の本体72は、支持ツール及びスクイージーブレードアセンブリをそれぞれ支持するために、それぞれが74で示されている幾つかの切り欠き部とそれぞれが76で示されている幾つかの凹部とを有することができる。
図5Bに示されているように、切り欠き部74は、ステンシル印刷動作時に電子回路基板29を支持するために設けられる、それぞれが78で示されている支持ツールを受けて固定するように構成される。凹部76は、ステンシル印刷動作を行うためにプリントヘッドアセンブリ20によって使用される、それぞれが80で示されているスクイージーブレードアセンブリを受けて固定するように構成される。
【0041】
上記のように、ツールトレイ60は、フォームファクターがステンシルと実質的に同じであり、ステンシルと実質的に同じ方法によるツールトレイの取り扱い及び貯蔵/取り出しを可能とする。可動カート40及びツールトレイ60は、共通の方法でステンシル及びツールトレイを取り扱うのに特に適している。可動カート40は、ツールトレイ60を可動カートからステンシルプリンター10へ部分的に送達するように構成され、ステンシルプリンターは、残りの工程でツールトレイを受け取るように構成される。例えば、輸送アーム68は、ツールトレイ60をキャリッジ44から離れる方向へ押すとともにツールトレイをキャリッジ内へ取り出すために使用することができる。
【0042】
幾つかの実施形態において、ツールトレイ60は、ツールトレイ上のパーツ及び位置に対する位置合わせを確立するためにステンシルプリンター10の撮像システム30によって見ることができる、フィデューシャルを有することができる。ツールトレイ60に対する位置合わせの方法は、フィデューシャルの位置を取り込んで解析することによって利用することができる。
【0043】
図6を参照すると、ステンシルプリンター10のプリントヘッドアセンブリ20は、部品をツールトレイ60から拾い上げて解放するように構成することができるエンドエフェクター82を有する。前に説明したように、プリントヘッドアセンブリ20は、コントローラー14の制御下においてプリントヘッドアセンブリをy軸方向に移動させるプリントヘッドアセンブリガントリー22上に搭載される。プリントヘッドアセンブリガントリー22は、上で説明したようにz軸方向に移動するように構成される。
【0044】
一実施形態において、エンドエフェクター82は、スクイージーブレードアセンブリ80を拾い上げて解放するように構成することができる。エンドエフェクター82は、ツールを用いることなくスクイージーブレードアセンブリ80と係合及び係合解除してスクイージーブレードアセンブリを取り付ける、及びスクイージーブレードアセンブリをプリントヘッドアセンブリ20から取り外すように構成される。図示されているように、ツールトレイ60は、スクイージーブレードアセンブリ80のスクイージーブレードホルダーをプリントヘッドアセンブリ20のエンドエフェクター82に固定するために、ばね付勢式の係止機構を有して構成される。追加の軸又はアクチュエータを要することなくスクイージーブレードアセンブリ80を受動的に拾い上げて降ろす方法は、エンドエフェクター82によって行うことができる。
【0045】
図7A~
図7Cを参照すると、エンドエフェクター82は、それぞれが86で示されている一対の接続ロッドによってプリントヘッドアセンブリ20に固定される、矩形の形状を有する本体84を有する。エンドエフェクター82は、それぞれが88で示されている、一対の下方に延在するピン(
図7C)を更に有し、各ピンはノッチ90を有しており、その目的は、機構の説明を進めるにつれて説明する。スクイージーブレードアセンブリ80は、内部にL字形状の凹部94が形成されたホルダー92を有する。凹部94は、垂直部94aと水平部94bとを有する。機構は、凹部94の水平部94b内に収納されるばね付勢ピン96を有し、ばね付勢ピン96は、ばね98によって凹部の垂直部94aに向けて付勢される。
【0046】
図7A及び
図7Bは、エンドエフェクター82のピン88が凹部94の垂直部94aに進入する状態を示している。ピン88が凹部94の垂直部94aに進入するにつれ、ピンの傾斜部が、ばね付勢ピン96の対応する傾斜部と係合する。ピン88が下方へ移動することにより、ピンのノッチ90がばね付勢ピンの係合要素100を受けてスクイージーブレードアセンブリ80のホルダー92がエンドエフェクター82に係合して固定されるまで、ばね付勢ピン96がばね98の付勢に抗して移動する。
図7Cは、両方のピン88がそれぞれのばね付勢ピン96によって固定され、スクイージーブレードアセンブリ80のホルダー92が固定された状態を示している。この位置において、エンドエフェクター82はスクイージーブレードアセンブリ80を固定し、スクイージーブレードアセンブリはステンシル印刷動作を行うために利用することができる。
【0047】
図8A及び
図8Bは、エンドエフェクター82のピン88が凹部94の垂直部94aから引っ込んだ状態を示している。ばね付勢ピン96を
図7B及び
図7Cに示されている係合位置から
図7Aに示されている係合解除位置へ移動させるために、上方へ突出する要素102がツールトレイ60上に設けられる。
図8Aを参照すると、要素102の傾斜部は、ばね付勢ピン96上に形成された対応する傾斜部と係合する。エンドエフェクター82が要素102に向けて下方へ移動することにより、ばね付勢ピンの係合要素100がピン88のノッチ90から取り外されてスクイージーブレードアセンブリ80がエンドエフェクター82から解除されるまで、ばね付勢ピン96がばね98の付勢に抗して移動し、これは
図8Bに示されている。要素102は、ばね付勢ピン96を係合解除位置に維持し、これにより、スクイージーブレードアセンブリ80のホルダー92を解除することが可能となる。
【0048】
幾つかの実施形態において、エンドエフェクター82は、スクイージーブレードアセンブリ80と関連付けられた磁性材料を係合させてスクイージーブレードアセンブリをプリントヘッドアセンブリ20に対して固定及び解除するために、磁石を利用することができる。
【0049】
図4に戻り、可動カート40は、それぞれが110で示されている交換ペーストカートリッジを有する。図示されているように、ペーストカートリッジ110は、可動カート40のペーストカートリッジ準備領域上で支持される。ペーストカートリッジ準備領域は、別様に「オンデッキサークル(on-deck-circle)」と称され、動作が途絶えないようにはんだペーストを連像的にステンシルプリンター10に供給することを可能とする。
図9A及び
図9Bを参照すると、ステンシルプリンター10のフレーム12は、ペーストカートリッジを可動カート40から受けるときにペーストカートリッジ110を直立した垂直位置に支持するように構成された凹部を有するブロック114を有する。ブロック114は、ステンシルプリンター10のフレーム12に連結されるとともに格納位置から伸長位置へ移動するように構成された可動支持アーム116に固定される。各ペーストカートリッジ110は、ペーストカートリッジに横方向からの支持を提供することでペーストカートリッジを垂直位置に維持することを支援するために、円筒状の半壁118によって支持される。
図9A及び
図9Bに示されているブロック114は2つのペーストカートリッジ110を支持するように構成されているが、ブロックは、任意の数のペーストカートリッジを支持するように構成することができる。
【0050】
図9Aは、ステンシルプリンター10がペーストカートリッジ110を貯蔵する格納位置にある、ブロック114及び可動支持アーム116を示している。
図9Bは、ペーストカートリッジ110を可動カート40からブロックへ移送することができる伸長位置にある、ブロック114及び可動支持アーム116を示している。可動支持アーム116を移動させるために、ボールねじ駆動アセンブリ等の任意の適した機構を設けることができる。
【0051】
幾つかの実施形態において、ペーストカートリッジ110は、可動カートを用いることなく、ステンシルプリンター10のブロック114上に手作業で供給することができる。
【0052】
図10を参照すると、可動カート40がない場合であってもペースト切り替え(複数の場合もある)を含むステンシルプリンター10の動作を可能にするN個のペーストカートリッジ用のマガジン112内に複数のペーストカートリッジ110を設けることができる。マガジン112によって提供されるペーストカートリッジ110の数は、ステンシルプリンター10の物流ニーズ及び特定の用途に応じて決定することができる。
【0053】
図11A~
図11Cを参照すると、ペーストカートリッジ110をプリントヘッドアセンブリ20上に設置するプロセスが連続的に示されている。プリントヘッドアセンブリ20は、プリントヘッドアセンブリ20に対してペーストカートリッジ110を受け取る、着座させる、シールする、及び加圧するように構成された、支持ブラケット120を有するペーストカートリッジ機構を有する。図示されているように、支持ブラケット120は、ペーストカートリッジ110の底部を受けるように設計された受け入れ形状部124を有するベース部122を有する。図示されている例において、形状部124は、ペーストカートリッジ110の狭い円筒部を囲うようにサイズ設定された2つの離間したプロング部を有する。狭い円筒部は、プロング部を間に捕捉するために、2つの広い円筒部間に配置される。プリントヘッドアセンブリ20は、ペーストカートリッジをペーストカートリッジ機構の支持ブラケット120に固定するために、プリントヘッドアセンブリガントリー22を操作することによってペーストカートリッジ110へ移動するように構成される。
【0054】
ペーストカートリッジ機構の支持ブラケット120は、ペーストカートリッジ110の上方部分を固定、シール、及び加圧するように構成された直立部材126を更に有する。直立部材126は、ペーストカートリッジ110の上方部分をシールするように設計されたシール部128を有する。ひとたびペーストカートリッジ110がベース部122の受け入れ形状部124内に着座すると、ベース部は、
図11B及び
図11Cの間で示される態様で上方へ移動してペーストカートリッジ110の空気圧接続部をシール部128によってシールするように構成される。ひとたび加圧されると、ペーストカートリッジ110は、吐出動作を行う準備ができた状態となる。ベース部122を上方向及び下方向へ移動させてそれぞれペーストカートリッジ110をシール部128へ係合させる、及びペーストカートリッジ110をシール部128から係合解除するために、任意の適した機構を利用することができる。例えば、ベース部122を移動させるために空気アセンブリ130を設けることができる。吐出動作時にシリンダーアセンブリの全体を下降させるために別の空気シリンダー132を利用することができる。一実施形態において、空気シリンダー132は、プリントヘッドアセンブリ20をz軸方向において上下移動させる動力を供給する。シール部128に対してシールを行うためにペーストカートリッジ110が持ち上げられた後、ペーストカートリッジは、はんだペーストを吐出する必要があるときに加圧することができる。このアセンブリのための接続は、直立部材126及びシール部128を通じて行われる。
【0055】
図12は、ペーストカートリッジ機構によって固定及びシールされたペーストカートリッジ110を示している。したがって、ペーストカートリッジ機構は、ペーストカートリッジ110を着座させるとともにシールすることができる。ペーストカートリッジ機構は、サイズの異なるペーストカートリッジ又はペーストジャーを受け入れるように構成することができる。
【0056】
幾つかの実施形態において、各ペーストカートリッジ110は、ペーストカートリッジの周りの全体にわたって巻き付けられる一次元バーコードを有し、これにより、チューブに対していかなる方向からでもバーコードの読み取りが可能となる。
【0057】
図13A~
図13Cを参照すると、支持ツール78をツールトレイ60からステンシルプリンター10へ移動させるように構成された支持ツール移動機構が概して140で示されている。図示されているように、支持ツール移動機構140は、プリントヘッドアセンブリ20上に搭載されたプレート142を有する。プレート142は、それぞれが144で示されている4つのリニア軸受を有しており、リニア軸受の第1の組は、プレートの一方側において一方が他方の上方に位置決めされ、リニア軸受の第2の組は、プレートの他方側において、一方が他方の上方に位置決めされる。リニア軸受144の各組は、リニア軸受上で横方向に移動するように構成されたツール部材146を有する。ツール部材146を移動させるために、任意の適した機構を利用することができる。例えば、ツール部材146をリニア軸受に沿って移動させるために、ボールねじ駆動アセンブリを設けることができる。一実施形態において、機構には、プリントヘッドアセンブリ20をz軸方向において上下移動させる動力を供給する駆動アセンブリによって動力を供給することができる。各ツール部材146は、支持ツール78と関連付けられた受け入れ形状部150内に受けられるように構成されたヘッドを有する、下方に延在するピン148を有する。
【0058】
図13Aは、ツール部材146のピン148が支持ツール78のそれぞれの係合部150内に受けられた状態を示している。ツール部材146は、支持ツール78よりも広い幅まで伸長することができるとともに、受け入れ形状部150を介してピン間に支持ツール78を捕捉するように互いに向けて移動させることができる。ツールトレイ60は、内部に形成された凹部を有することができ、当該凹部は、支持ツール78に隣接して位置し、支持ツール78の受け入れ形状部150に対して横方向に隣接してピン148を載置することが可能となる。
図13Bは、支持ツール78を拾い上げるためにプリントヘッドアセンブリ20がz軸方向において上昇している状態を示している。支持ツールを拾い上げて降ろすために使用される機構は、支持ツールを係合及び固定するように構成することができ、ツール部材に対する支持ツールの取り付け及び取り外しを容易にするために磁石を有することができる。図示されているように、開口、例えば切り欠き部74は、ツールトレイがステンシルプリンター内にある間にプリントヘッドアセンブリ20からステンシルプリンター10内の支持ツールにアクセスすることが容易となるように、ツールトレイ60に設けられる。
【0059】
印刷位置においてプリント回路基板29を支持するために使用される所定数の支持ツール78を支持するように可動カート40が構成されるような配置となっている。可動カート40及びステンシルプリンター10は、支持ツール78を識別する、支持ツールを貯蔵する、ステンシルプリンターへ及びステンシルプリンターから支持ツールを輸送する、支持ツールを検査する、並びにステンシルプリンターとインターフェース接続するために互いに動作する。また、可動カート40及びステンシルプリンター10は、支持ツール78等の使用済みのパーツをステンシルプリンターから取り外すために互いに動作する。
【0060】
幾つかの実施形態において、可動カート40における複合運動軸により、駆動システムのコスト及び複雑性を最小化することができる。駆動部は可動カート40又はステンシルプリンター10のいずれかに残すことができる。
【0061】
幾つかの実施形態において、プリントヘッドアセンブリ20は支持ツール78を拾い上げて載置することができる。同じプリントヘッドアセンブリ20がスクイージーブレードアセンブリ80を拾い上げて降ろすことができる。
【0062】
幾つかの実施形態において、支持ツール78又はプレート、スクイージーブレードアセンブリ80、及びペーストカートリッジ110を管理するために使用される機構を、プリントヘッドアセンブリガントリー22の代わりに、撮像ガントリー32又はステンシルワイパーアセンブリガントリー等の他のガントリー上に設けることができる。
【0063】
可動カート40は、ステンシルプリンター10上に設けられたドッキングステーション内でドッキングするように設計されたインターフェースを有して構成することができる。一実施形態において、可動カートのインターフェースは、ステンシルプリンター10のドッキングステーション内で機械インターフェース及び電気通信インターフェースの両方からドッキングするように構成される。特定の実施形態において、可動カートは、ステンシルプリンター10の固有の機械インターフェースに接続する固有の機械インターフェースを有して構成することができる。固有の機械インターフェースは、幾何学的特徴を含むことができる。別の実施形態において、可動カートは、ピンを有して構成することができ、ピンは、ステンシルプリンター10に関連付けられたガイド部内で受けられ、可動カートを完全にドッキングする前に、可動カートがステンシルプリンターに対して位置合わせされる。ピン及びガイド部は逆とすることができ、ピンがステンシルプリンター10上に設けられ、ガイド部が可動カート内に設けられる。電気/磁気ガイド部、視覚ガイド部、センサー、ラッチ等、他のタイプのガイド部を使用することができる。電気/磁気ガイド部、視覚ガイド部、センサー、ラッチ等、他のタイプのガイド部を使用することができる。可動カートは、ステンシルプリンター10のドッキングステーション内でドッキングすると、ステンシルプリンターと物理的に係合することができる、又はステンシルプリンターから間隔を空けることができる。
【0064】
幾つかの実施形態において、可動カートは、スクイージーブレードから使用済みのペーストを洗浄することによって、又は別様に除去することによって、スクイージーブレードを洗浄するように構成することができる。
【0065】
幾つかの実施形態において、可動カートは、スクイージーブレードをプリントヘッドアセンブリ20から外し、可動カートの開いた棚の上に使用済みのスクイージーブレードを位置決めすることによって、使用済みのスクイージーブレードを変更するように構成することができる。新しいスクイージーブレードは、可動カートから取り出され、ステンシルプリンター10のプリントヘッドアセンブリ20上に搭載される。
【0066】
幾つかの実施形態において、可動カートは、コントローラーを有し、コントローラーは、コントローラーによって得られた動作パラメーターに基づいて可動カートの動作を制御するように適合される。コントローラーは、ステンシルプリンター10のコントローラー14及び/又は生産ラインと関連付けられたコントローラーと通信するように構成することができる。複数の可動カートを有する一実施形態において、コントローラーは、コントローラエリアネットワーク(CAN)バス又は他のタイプのネットワークを介して互いに通信する、各可動カート内に設けられた複数のコントローラーを具現することができる。他の実施形態において、可動カートのコントローラーの動作を制御するためにマスターコントローラーを設けることができる。各可動カートには、コントローラーに動作可能に連結されるディスプレイを設けることができる。ディスプレイは、限定はしないが、清浄なステンシル及び使用済みのステンシルの数、満杯のペーストカートリッジ及び消費済み/使用済みのペーストカートリッジの数、新しいスクイージーブレード及び使用済みのスクイージーブレードの数、及び/又は新しいツール及び使用済みのツールの数等、可動カートの動作パラメーターを表示するように適合される。このような情報を取得するために、適したモニターを設けることができる。代替的に、又は前述の実施形態に加えて、ステンシルプリンター10内に設けられたディスプレイ16及び/又は生産ラインと関連付けられたディスプレイ上に動作パラメーターを表示させてもよい。
【0067】
他の実施形態において、可動カートは、ステンシルプリンター10のコントローラー14及び/又は生産ラインと関連付けられたコントローラーによって制御することができる。コントローラーは、1つ以上の可動カート専用のコントローラーとすることができる。
【0068】
幾つかの実施形態において、可動カート上の部品についての材料識別は、部品を操作するデバイスと、部品をスキャン及び識別するスキャナーとを含むことができる。例えば、ペーストカートリッジについて、可動カートは、ペーストカートリッジを回転させ、ペーストカートリッジ上に設けられたコード又は所定の識別マークを可動カート上に設けられたスキャナーに対して位置合わせするピンチホイールを有するように構成することができる。システムは、ペーストカートリッジと関連付けられた材料識別をステンシルプリンター10のレシピ及び生産時間等に関連付けるように構成される。一実施形態において、部品を識別するバーコードを提供することができる。例えば、バーコードは、UPCコード用の1Dスキャナー、QRCコード用の2Dスキャナー、部品上に貼り付けられた印刷ラベル、又は部品上にエッチングされたレーザーエッチングラベルを含むことができる。別の実施形態において、部品を識別するRFIDシステムを適用することができる。例えば、RFIDシステムは、部品に貼り付けられるRFIDタグと、可動カート40又はステンシルプリンター10と関連付けられたRFID読取装置とを含むことができる。RFIDシステムを用いることにより、読取装置と部品との間の見通し線(line-of-site)が不要となる。また、可動カート内における全ての部品を識別するためのスキャンが不要となる。別の実施形態において、部品を識別する撮像又は視覚システムを適用することができる。視覚システムは、ステンシルプリンター10と関連付けられた撮像システム30と同様の撮像システムであり得て、ステンシルプリンター上、ステンシルプリンター外、又は可動カート上で関連付けることができる。
【0069】
幾つかの実施形態において、可動カート上にストックされた部品を追跡するためにデータベースが設けられる。一実施形態において、データベースは、オープン・アプリケーション(App)アーキテクチャを含むことができるとともに、データをステンシルプリンター10にプッシュするように構成することができる。可動カート40は、ステンシルプリンター10と通信してステンシルプリンター及び又は生産ラインに対してデータをプッシュ/プルする、又は生産ラインと直接的に通信するように構成することができる。データベースは、ジョブ情報又は材料情報を含むことができる。データベースは、生産ライン、ステンシルプリンター10、又はこれら両方と関連付けられた製造実行システム(MES)と更に通信することができる。MESシステムは、生産運転にどの材料が必要かを知るように構成することができる。可動カートは、ステンシルプリンター10への部品の送達を調整するためにMESシステムと通信するように構成することができる。
【0070】
データベースは、識別情報、例えばバーコード番号に基づいて部品についての情報を取り出すように更に構成することができる。一実施形態において、可動カートから来る材料を受け入れるようにステンシルプリンター10及び/又は可動カート40がプログラムされる中央管理システムを設けることができる。可動カート40は、可動カート上の材料を識別するためにデータベースを更新し、可動カート及び/又はステンシルプリンター10と関連付けられたデータベースにネットワークから情報をロードするようにプログラムされ、情報は更にMESシステムに関連付けられる。
【0071】
データベースは、使用量及び消費量等の追加の情報を記憶するように更に構成することができる。データベースは、情報をローカル又はリモートに記憶するように構成することができるとともに、1つ以上の生産運転と関連付けられたデータを記憶するように構成することができる。例えば、データベースは、限定はしないが、ステンシル、ペーストカートリッジ、スクイージーブレード、及びツールの追跡可能性、ペースト使用量、サイクル等を含むデータを取得及び記憶するように構成することができる。
【0072】
データベースは、交換/補充が必要な場合に予測データを共有するように構成することができる。例えば、ペーストカートリッジに関する情報の記憶に対し、データベースは、ペーストカートリッジへの補充がいつ必要かについての情報を記憶すること、ペーストカートリッジのペーストが少ない場合に特定の機能を実行すること、ペーストカートリッジが少ないことについての警報及び/又は報告をトリガーすること、ステンシルプリンター10及び/又は生産ラインと関連付けられた在庫管理システムへ信号を送ること、動作パラメーター及び実際の使用並びに上流/下流の機器の活動に基づく消費可能な使用量についての分析を実行すること、交換又は保守(ステンシルプリンターについて及び/又は可動カート40について)を予測すること、並びに複数箇所に対する相関を行ってペーストカートリッジをいつ切り替えるかについて予測することのうちの1つ以上を実行するように構成することができる。データベースは、ステンシル、ペーストカートリッジ、スクイージーブレード、及びツール等、他の変更可能/消費可能な部品について予測データを共有するように構成することができる。
【0073】
データベースは、ロット追跡可能性と関連付けられたデータを記憶するように構成することができる。加えて、これらの部品がステンシルプリンター10に挿入される際に位置合わせ、向き、方向、前後、上下が確実に正しくなるように基板のRFID若しくは機械的キーイング又はステンシルのステンシルフレームが設けられる。この情報は、部品が倉庫から輸送される前、及び/又は部品がステンシルプリンター10に設置される前に、正しい向き及び/又は嵌め合いを照合するために使用することができる。低コストの読取装置によりこの機能を実行することができる。
【0074】
幾つかの実施形態において、可動カートは、材料を貯蔵するように構成することができる。可動カートは、材料がどこから来るのか及び材料がどこへ行くのかについて適応する柔軟性を有するように構成することができる。加えて、可動カートは、特定の材料が可動カート上のどこに位置するのかを識別するように構成することができる。或る特定の実施形態において、場所は、自動的な送達又は手作業による送達に関わらず、リモート、ローカル、可動カート上、及び/又はステンシルプリンター10上である。上述のように、可動カートは、環境パラメーターを制御するように構成することができる。例えば、可動カートは、貯蔵されたペーストカートリッジを冷やす、使用の準備ができているペーストカートリッジを加熱する、及び使用されたがペーストを保持しているペーストカートリッジを冷やすことにより、ペーストカートリッジ内に収容されたペーストの温度を制御するように構成することができる。可動カートは、近々行われる生産に基づいてペーストカートリッジをいつ加熱する/冷やすかを予測する、貯蔵寿命についての時間を追跡する、及び各ペーストカートリッジを適切な温度に正しい時間で個別に制御するように更に構成することができる。他の実施形態において、可動カートは、ペーストカートリッジを移動させるカートリッジシューターを有することができる。可動カートは、復水を回避するために湿度を制御するように更に構成することができる。可動カートは、清浄な環境、例えば、標準メカニカルインターフェース(SMIF)環境で動作するように更に構成することができる。
【0075】
幾つかの実施形態において、可動カートは、在庫管理を実行するように構成することができる。具体的には、可動カートは、材料がどこに位置するのか、材料がどれくらい使用されるのか、材料がどのように使用されるのか、材料がいつ使用されるのかを識別し、材料及び材料についての情報を顧客在庫管理システムと関連付け、基板当たり又は基板のロット当たりに消費される材料のタイプを追跡するように構成することができる。
【0076】
幾つかの実施形態において、可動カートは、可動カート上に貯蔵される部品を整理するように構成することができる。上述のように、一実施形態において、限定されないが、ステンシル、ペーストカートリッジ、スクイージーブレード、及びツールを含む複数の資源を貯蔵、輸送、及び送達するために、1つの可動カートを設けることができる。別の実施形態において、可動カートは、単一の資源又は部品を貯蔵し、ステンシルプリンター10に輸送、及び送達するように構成することができる。例えば、可動カートは、複数のステンシルを貯蔵するように構成することができる。可動カートは、複数の生産ラインに供するように構成することができる。別の実施形態において、可動カートは、1つのステンシルプリンター10に供するように構成することができる。
【0077】
幾つかの実施形態において、可動カートは、部品を可動カートからステンシルプリンター10へ、及びステンシルプリンターから可動カートへ輸送するように構成することができるとともに、可動カートとステンシルプリンターとの間の高さの差を計算に入れることが可能なように構成することができる。輸送は、自動化することができる、又は手作業とすることができる。一実施形態において、可動カートは、可動カートと関連付けられた無人搬送車(AVG)技術によって移動させることができる、又はリモート制御することができる。別の実施形態において、可動カートは、自律的に移動するように構成することができる。別の実施形態において、可動カートは、手作業で移動されるように構成することができる。更に他の実施形態において、可動カートは、可動カート上に貯蔵される部品を自動的に及び/又は手作業により移動するように構成することができる。例えば、可動カートは、部品を自動で移動させるように構成することができるとともに、部品が手作業で移動される事前に計画された活動の中断に備えることができる。
【0078】
幾つかの実施形態において、可動カートの輸送機能の実行と関連付けられたタイミングは、シフト変更、例えば、作業員のシフト、予定された保守、オンデマンドの活動、例えば、レシピ変更、及び前兆となる事象(ジャストインタイム交換)を計算に入れるようにプログラムすることができる。タイミングは、1つ以上の可動カートを用いた複数ラインバランス制御要件を満たすとともに、生産ライン上におけるリアルタイムのオンデマンド材料供給の需要を満たすようにプログラムすることができる。
【0079】
幾つかの実施形態において、可動カートは、検査を実行するように構成される。例えば、可動カートは、ステンシル、ペーストカートリッジ、スクイージーブレード、及びツールを含む、カート上及びカート外の部品に対して検査することができる。一実施形態において、可動カートと関連付けられた視覚システムは、部品の画像を得るように構成することができる。コントローラーと連動した視覚システムは、清浄さ、損傷、摩耗、及び識別情報読取可能性、例えば、バーコードラベルが摩耗しているか、清浄でないか、又は破れているかを検査するように構成することができる。視覚システムは、任意のタイプの2D、3D、又はカラーカメラを具現することができる。
【0080】
幾つかの実施形態において、インターフェース及びドッキングステーションは、可動カートをステンシルプリンター10に対して適所に維持するクランプシステムを有して構成することができる。例えば、磁気クランプシステムを利用することができる。
【0081】
幾つかの実施形態において、ステンシルプリンター10は、複数のドッキングステーション、例えば、5つのドッキングステーションを有して構成することができる。ドッキングステーションは、ステンシルプリンター10の前部、又はステンシルプリンターの後部に設けることができる。
【0082】
可動カート及び/又はステンシルプリンター10は、可動カートがステンシルプリンターに対してドッキングできる及びインターフェース接続できるかどうかを照合するように構成することができる。一実施形態において、照合は、可動カートが適切な位置にあってステンシルプリンター10とインターフェース接続する準備ができているかどうかを確認するために提供することができる。この照合プロセスにより、正しい材料が可動カート上にあるかどうか、及び可動カート材料情報をMESシステムから受け取ることができるか又はローカルで識別できるかどうかを更に判定することができる。正しくない場合、可動カート40は、誤った又は損傷した材料が可動カート上にある場合に警報を起動する及び/又は作業者に警告するように構成することができる。
【0083】
幾つかの実施形態において、可動カートは、ひとたび可動カートがステンシルプリンター10にドッキングされると可動カート上へ及び可動カート外へ部品を移動させる作動デバイス又はアクチュエータを有して構成することができる。アクチュエータの実施形態は、可動カート、ステンシルプリンター10、又はこれら両方に適用することができる。別の実施形態において、部品は、可動カートに対して手作業で積み込む及び積み下ろすことができる。
【0084】
幾つかの実施形態において、可動カートは、生産ラインとインターフェース接続するように構成することができる。この実施形態によれば、生産ラインの作業者は、ステンシルプリンター10上における可動カートの正しい場所を確認するとともに受け入れを知らせることができる。
【0085】
幾つかの実施形態において、可動カートは、オープン・プラットフォームを介してステンシルプリンター10、生産ライン、及び/又は生産ライン内における選択されたマシンと通信するように構成することができる。通信システムは、有線システム、無線システム(共通ネットワーク、メッシュ、Bluetooth、Wi-Fi、Zigbee、WAN、Nodes、Li-Fi等を介して)、有線及び無線システムの組み合わせ、並びに赤外線(IR)システムを含むことができる。
【0086】
幾つかの実施形態において、可動カートは、専用の電源を有して構成することができる。一実施形態において、可動カートは、可動カート内に設けられた自動化された構成部品、例えば、可動カートの内外へステンシルを移動させるために使用される機構、可動カートの内外へペーストカートリッジを移動させるために使用される機構、可動カートの内外へスクイージーブレードを移動させるために使用される機構、及び可動カートの内外へツールを移動させるために使用される機構に給電するように構成されたバッテリーを有する。他の実施形態において、可動カートは、無停電電源装置を有して構成することができる。電源は、「ドッキング」されている間に作動を支持するように構成することができる(ドッキングされているときはステンシルプリンターからの高電圧、ドッキング解除されたときは別様に低電圧)。電源は、自律動作のために再充電する、例えば、ステンシルプリンター10によって提供される電力からバッテリーを再充電するように構成することができる。
【0087】
幾つかの実施形態において、可動カートは、ステンシルプリンター10とともに機能するように構成することができる。例えば、可動カートは、部品を移送する前に、例えば「ステンシル#1234を私にください」といった、ステンシルプリンター10とのハンドシェーク機能を提供するように構成することができる。可動カート及びステンシルプリンター10は、通信プロトコル及び/又は何が消費可能かについてのライブラリリファレンスを有して構成することができる。可動カートは、可動カートが正しい部品を有しているかどうかを判定するように構成することができる。ハンドシェーク機能は、例えば、「ここにステンシル#1234があります」といった、部品の正しい移送を確実にする、及び/又は例えば「私はステンシル#1234を有しています」といった、部品の後続の移送を確実にするように構成することができる。一実施形態において、モバイルデバイスは、可動カート内の部品をスキャン及び識別するとともに、例えば、部品が使用の準備ができているかどうか、洗浄が必要であるかどうか等を判定するように構成することができる。
【0088】
幾つかの実施形態において、可動カートは、可動カート内の部品の扱い及び取り出しと関連付けられたエラーに対処するように構成することができる。例えば、可動カートは、一当事者による不完全なアクション、部品の不完全な移送、例えば、引っかかった又は詰まった部品、移送の落下、例えば、「私はステンシル#1234をあなたに渡しました、持っていませんか?」、及び手作業による介入又はマニュアルオーバーライド、例えば、「ここで、助けましょう」を検知するように構成することができる。一実施形態において、可動カートと関連付けられたコントローラーは、静電放電制御、データ回復及び/又は保護を実行するように構成することができる。
【0089】
幾つかの実施形態において、可動カートは、より高い能力を有して構成することができる。全ての機器を正しい高さにインデックス化することに加えて、可動カートは、取り付けのために全ての機器をステンシルプリンターガントリーに対して押し入れ/押し出しする必要が生じ得る。
【0090】
幾つかの実施形態において、ステンシルプリンター10の既設のステンシルプリンターガントリー、レール、及びプリントヘッドは、部品を内外へ往復させるように構成することができる。
【0091】
幾つかの実施形態において、ステンシルプリンター10のプリントヘッドアセンブリ20は、支持ツールを持ち上げるとともに往復させるように構成することができる。
【0092】
幾つかの実施形態において、可動カートは、ペーストカートリッジを積み込む/積み下ろすために可動カートの頂部にペーストカートリッジインデクサーを有して構成することができる。
【0093】
幾つかの実施形態において、可動カートは、ステンシルプリンター10、生産ライン、及び生産ラインと関連付けられた倉庫と通信するように構成することができる。
【0094】
幾つかの実施形態において、可動カートは、電気/空気インターフェースを有して構成することができる。
【0095】
幾つかの実施形態において、可動カートは、場所、温度、及び他のデータを含め、例えばはんだペーストカートリッジ等、可動カート上における新しい及び使用済の消耗品を追跡するように構成することができる。
【0096】
幾つかの実施形態において、可動カートは、生産運転の継続期間にわたってステンシルを貯蔵及び供給するように構成することができる。
【0097】
幾つかの実施形態において、可動カートは、切り替え中に部品の互換性を確保するために、スクイージーブレードがステンシルと関連付けられていることを照合及び確保するように構成することができる。
【0098】
幾つかの実施形態において、スクイージーブレードは、プラスチック成形されたブレードである使い捨てのブレードを含むことができる。
【0099】
幾つかの実施形態において、可動カートは、バーコード読取装置又はRFID読取装置等の適したスキャンデバイスを用いて全ての消耗品をスキャンするように構成することができる。
【0100】
幾つかの実施形態において、可動カートは、消耗品を適切に位置させるインデックス機構を有して構成することができる。
【0101】
幾つかの実施形態において、可動カートは、可動カートに問題がある場合に可動カートをステンシルプリンター10から接続解除するバイパススイッチを有して構成することができる。
【0102】
幾つかの実施形態において、可動カートは、手作業又は無人輸送車(AGV)によって移動されるように構成することができる。
【0103】
幾つかの実施形態において、可動カートは、ステンシルプリンター10とドッキング及びインターフェース接続するように構成することができる。
【0104】
幾つかの実施形態において、可動カートは、複数のステンシルプリンター10に供するように構成することができる。
【0105】
幾つかの実施形態において、可動カートは、1つの消耗部品、例えば、ステンシル、又は複数の消耗/切り替え部品専用となるように構成することができる。
【0106】
幾つかの実施形態において、可動カートは、リモートステーションにおいて洗浄される消耗品を輸送して渡すように構成することができる。
【0107】
幾つかの実施形態において、可動カートは、倉庫と関連付けられた貯蔵室において補充されるように構成することができる。
【0108】
幾つかの実施形態において、可動カートは、能動的又は受動的に環境制御されるように構成することができる。
【0109】
幾つかの実施形態において、可動カートは、スマートフォン統合可能なアプリケーション(App)によって制御されるように構成することができる。
【0110】
本明細書において使用される場合、「自動化された」又は「完全に自動化された」切り替えは、人間の介入なしに部品を交換又は補充することを説明している。
【0111】
本明細書において使用される場合、「部分的に自動化された」切り替えは、幾分かの又は限定された人間の介入により部品を交換又は補充することを説明している。
【0112】
本明細書において使用される場合、「輸送(transport)」、「輸送する(transporting)」、「移送(transfer)」又は「移送する(transferring)」は、手作業又はマシンを用いて部品を1つの位置から別の位置へ移動させることを説明している。
【0113】
本明細書において使用される場合、「設置(install)」又は「設置する(installing)」は、使用の準備ができた位置に部品を載置するプロセスを説明している。
【0114】
上述のように、可動カート80及びロボットアーム140は、ステンシルプリンター10内において他の部品を交換するために利用することができる。例えば、ステンシルワイパーアセンブリ34は、可動カート80及びロボットアーム140によって自動的に交換することができる紙及び溶媒等の消耗品を含む。
【0115】
本明細書において開示されているコンセプトは、ディスペンサー、ピックアンドプレイスマシン、リフロー炉、ウェーブはんだ付け機、選択的はんだ付け機、検査ステーション、及び洗浄ステーションを含む、電子基板を作製するために使用される他のタイプの機器に利用してもよい。例えば、ペーストカートリッジの交換に向けられたコンセプトは、粘性材料を吐出するために使用されるディスペンサーに利用することができる。別の例において、ツールの交換に向けられたコンセプトは、ディスペンサー、及び電子部品を電子基板に搭載するために使用されるピックアンドプレイスマシンに利用することができる。別の例において、部品の交換に向けられたコンセプトは、ウェーブはんだ付け機及び選択的はんだ付け機内におけるはんだの交換、及び洗浄ステーション内における製品の洗浄に利用することができる。
【0116】
ペースト吐出移送システム及び方法
一実施形態において、ステンシルプリンターは、消費済み又は使用済みのペーストカートリッジをプリントヘッドアセンブリから取り外すとともに新しいペーストカートリッジをプリントヘッドアセンブリ内に設置するように構成されたペースト吐出移送システムを有する。ペースト吐出移送システムは、使用済みのペーストカートリッジをステンシルプリンターのプリントヘッドアセンブリから受け取り、新しいペーストカートリッジをステンシルプリンターのプリントヘッドアセンブリへ送達するように設計された回転インデックス機構を有するように構成することができる。回転インデックス機構は、ステンシルプリンターのフレーム上に位置することができる。ペースト吐出移送システムは、使用済みのペーストカートリッジを回転インデックス機構へ送達するとともに新しいペーストカートリッジを回転インデックス機構から受け取るように構成されたエンドエフェクターを有するペーストカートリッジ機構を有するように更に構成することができる。ペーストカートリッジ機構は、ステンシルプリンターのプリントヘッドアセンブリ上に位置することができる。
【0117】
幾つかの実施形態において、ペーストカートリッジは、ステンシルプリンターのペースト吐出移送システムの回転インデックス機構上に手作業で供給することができる。ペースト吐出移送システムの回転インデックス機構内に貯蔵されるペーストカートリッジの数は、ステンシルプリンターの物流ニーズ及び特定の用途に応じて決定することができる。ペーストカートリッジをプリントヘッドアセンブリ上に設置するプロセスは、プリントヘッドアセンブリに対してペーストカートリッジを受け取ること、着座させること、シールすること、及び加圧することを含む。このプロセスを実現するために、回転インデックス機構は、エンドエフェクターを有するペーストカートリッジ機構と協働する。
【0118】
幾つかの実施形態において、ペースト吐出移送システムは、ペーストカートリッジ機構が回転インデックス機構とインターフェース接続するように構成される。ペーストカートリッジ機構は、プリントヘッドアセンブリ上に搭載された材料ディスペンサーアセンブリに対してペーストカートリッジを受け取る、着座させる、シールする、及び加圧するように構成された、支持ブラケットと、アクチュエータと、エンドエフェクターとを有するように構成される。支持ブラケットは、ペースト/材料カートリッジの底部を受けるように設計された受け入れ形状部を有するベース部を有することができる。受け入れ形状部は、ペーストカートリッジのノズルの狭い円筒部を囲うようにサイズ設定された2つの離間したプロング部を有することができ、狭い円筒部は、プロング部を間に捕捉するために、2つの広い円筒部間に配置される。ペーストカートリッジ機構の支持ブラケットは、ペースト/材料カートリッジの上方部分を固定及びシールするとともに加圧空気をペーストカートリッジに送達することでユーザーの介入又は相互作用を要することなくはんだペースト又は他の吐出可能な材料を吐出するように構成された、シール部を有する直立部材を更に有することができる。
【0119】
図面、より具体的には
図14を参照すると、本開示の実施形態に係るペースト吐出移送システムは、概して200で示されている回転インデックス機構と、概して202で示されているペーストカートリッジ機構とを有する。図示されているように、回転インデックス機構200は、ステンシルプリンター10の前部に位置決めされたフレーム12の支持部材204に固定される。他の実施形態において、回転インデックス機構200は、ステンシルプリンター10の後部に位置することができる。ペーストカートリッジ機構200は、プリントヘッドアセンブリ20の支持部材206上に搭載され、プリントヘッドアセンブリガントリー22によってプリントヘッドアセンブリと共に移動する。
図14に示されているように、プリントヘッドアセンブリ20及びペーストカートリッジ機構202は、プリントヘッドアセンブリガントリー22によって、y軸方向において、回転インデックス機構200に隣接するステンシルプリンター10の前部に向けて移動させることができる。この位置において、ペーストカートリッジ機構202は、ペーストカートリッジ110等の消費済み又は使用済みのペーストカートリッジを回転インデックス機構200へ移送するとともに、新しいペーストカートリッジを回転インデックス機構から受け取ることができる。
【0120】
図15A及び
図15Bを参照すると、回転インデックス機構200は、回転インデックス機構をフレーム12の支持部材204に固定するように構成された取り付けブラケット210を有する。モーター・軸受ハウジング212は、回転インデックス機構200のシャフト216の回転を駆動するために設けられるモーター・ギヤボックスアセンブリ214を固定するために、取り付けブラケット210の底部に固定される。一実施形態において、回転インデックス機構200のモーター・ギヤボックスアセンブリ214の動作は、ステンシルプリンター10のコントローラー14によって制御される。
【0121】
回転インデックス機構200は、図示されている実施形態においてはシャフト216に搭載される円形のディスクであるカルーセルマウント220を更に有する。したがって、カルーセルマウント220は、モーター・ギヤボックスアセンブリ214の動作によって時計回り又は反時計回りに回転するように構成される。ペーストカートリッジチューブホルダー222は、カルーセルマウント220の上面に搭載される。一実施形態において、チューブホルダー222は、ペーストカートリッジを垂直な直立位置に維持することを支援するためにペーストカートリッジ110に対する横方向の支持を提供するように構成された半壁を具現する。回転インデックス機構200は、回転インデックス機構によって支持されるペーストカートリッジ110を互いに分離するために設けられる、それぞれが224で示されている幾つかの仕切り部を更に有する。示されている実施形態においては、3つの仕切り部224が設けられているが、回転インデックス機構200によって支持されるペーストカートリッジ110の数に応じて任意の数の仕切り部を設けることができる。
【0122】
回転インデックス機構200のカルーセルマウント220の上面は、ペーストカートリッジが直立位置となるようにペーストカートリッジ110のノズル111を支持するように構成される。回転インデックス機構200は、2つの隣接する仕切り部224の間に画定される開いた受け入れ部をペーストカートリッジ機構202に提示し、消費済み又は使用済みのペーストカートリッジ110をペーストカートリッジ機構から受け取るために回転させることができる。この位置において、ペーストカートリッジ機構202は、使用済みのペーストカートリッジ110を回転インデックス機構200の開いた受け入れ部へ移送することができる。回転インデックス機構200は、ペーストカートリッジ機構への移送用の新しいペーストカートリッジ110を提示するために更に回転させることができる。この位置において、ペーストカートリッジ機構202は、新しいペーストカートリッジ110を受け取るとともにプリントヘッドアセンブリ20内における動作のために新しいペーストカートリッジを設置することができる。
【0123】
図16A及び
図16Bを参照すると、ペーストカートリッジ機構202は、プリントヘッドアセンブリ20の支持部材206上に搭載された支持ブラケット230と、支持ブラケットに固定されたアクチュエータ232とを有する。一実施形態において、アクチュエータ232は、z軸方向、すなわち上下に移動するように構成されたリニアアクチュエータである。支持ブラケット230は、ペーストカートリッジ110のノズル111の底部を受けるように設計された受け入れ形状部を有するベース部を有するエンドエフェクター234を有することができる。エンドエフェクター234は、ペーストカートリッジ110のノズル111を選択的に係合及び固定するとともにペーストカートリッジを垂直な直立位置に維持するように構成される。プリントカートリッジ機構202のエンドエフェクター234を操作することで、ペーストカートリッジ110のノズル111を係合及び固定してペーストカートリッジを垂直な直立位置に維持するとともに、ペーストカートリッジをプリントヘッドアセンブリ20内における動作位置へ移動させることができるような配置となっている。
【0124】
ペーストカートリッジ機構202のアクチュエータ232は、支持ブラケット230によってプリントヘッドアセンブリ20の支持部材206に固定されるとともに、プリントヘッドアセンブリガントリー22によって提供される運動によってy軸方向に移動するように構成される。支持ブラケット230は、リニア軸受によってプリントヘッドアセンブリ20の支持部材206に固定することができ、支持ブラケット、アクチュエータ232、及びエンドエフェクター234のx軸方向における移動を可能にする。
図14で最も良好に図示されている一実施形態において、支持ブラケット230は、それぞれが236で示されている2つのリニアロッド軸受によってプリントヘッドアセンブリ20の支持部材206に搭載され、モーターに連結されたタイミングベルト238によって駆動される。これにより、回転インデックス機構200へ到達させるためのエンドエフェクター234の横方向の移動が可能となる。モーター及びボールねじアセンブリ等の他の駆動部を使用し、支持ブラケット230の移動及びこれに伴うエンドエフェクター234の移動を駆動することができる。プリントヘッドアセンブリ20は、x軸方向に沿ってステンシル18の幅にわたって横方向に移動し、はんだペースト(又は別の適したアセンブリ材料)を所望の位置に堆積させるように構成される。
【0125】
図17A及び
図17Bを参照すると、アクチュエータ232は、z軸方向に沿った上下運動でペーストカートリッジ機構202のエンドエフェクター234を移動させるように構成される。回転インデックス機械200内に位置決めされたペーストカートリッジ110のノズル111に向けて横方向にエンドエフェクター234を移動させ、ペーストカートリッジのノズルを固定するような配置となっている。この配置は、
図17Aに示されている。ひとたびエンドエフェクター234によって固定されると、アクチュエータ232は、プリントヘッドアセンブリ20のペーストカートリッジシール部240によってペーストカートリッジの開いた端部がシールされるように、ペーストカートリッジ110を上方へ移動させる。シール部240に対してシールを行うためにペーストカートリッジ110が持ち上げられた後、ペーストカートリッジは、はんだペーストを吐出する必要があるときに加圧することができる。シールされた後、ペーストカートリッジ110は、回転インデックス機構200から離れる方向へ移動させることができる。一実施形態において、ペーストカートリッジ機構202のアクチュエータ232の動作は、ステンシルプリンター10のコントローラー14によって制御される。
【0126】
図18を参照すると、一実施形態において、エンドエフェクター234は、受け入れ形状部250を有し、受け入れ形状部250は、ペーストカートリッジ110のノズル111の狭い円筒部を囲うようにサイズ設定された2つの離間したプロング部を有することができ、狭い円筒部は、プロング部を間に捕捉するために、2つの広い円筒部間に配置される。受け入れ形状部250のプロング部がノズル111の2つの広い円筒部間に捕捉され、エンドエフェクター234がペーストカートリッジ110を直立位置において支持することができるような配置となっている。ペーストカートリッジ110のノズル111をエンドエフェクターに対して固定するために、ノズルの相補的な形状部とともに他のエンドエフェクター構造を使用することができる。
【0127】
幾つかの実施形態において、回転インデックス機構200及びペーストカートリッジ機構202は、異なるサイズのペーストカートリッジ又はペーストジャーを受け入れるように構成することができる。
【0128】
幾つかの実施形態において、ペーストカートリッジ110は、限定されるものではないが、はんだペースト、導電性インク、又はカプセル化材料を含むアセンブリ材料を収容するように構成される。
【0129】
幾つかの実施形態において、各ペーストカートリッジ110は、ペーストカートリッジの周りの全体にわたって巻き付けられる一次元バーコードを有し、これにより、チューブに対していかなる方向からでもバーコードの読み取りが可能となる。
【0130】
このように、少なくとも一実施形態の幾つかの態様を記載したが、様々な変形、変更、及び改良が当業者には容易に想到されることが理解される。そのような変形、変更、及び改良は、本開示の一部であることが意図されるとともに、本開示の範囲内にあることが意図される。したがって、前述の記載及び図面は単に例としてのものである。
なお、本発明の態様(構成)として以下に示すものがある。
[態様1]
アセンブリ材料を電子基板上に印刷するステンシルプリンターであって、
フレームと、
前記フレームに連結されるステンシルであって、該ステンシルは内部に孔が形成される、ステンシルと、
前記フレームに連結される支持アセンブリであって、該支持アセンブリは、前記ステンシルの下方の印刷位置において前記電子基板を支持するように構成されたツールを有する、支持アセンブリと、
プリントヘッドアセンブリであって、該プリントヘッドアセンブリが印刷ストローク時に前記ステンシルを横断するように構成されるように該プリントヘッドアセンブリが前記フレームに連結され、該プリントヘッドアセンブリは、アセンブリ材料を前記ステンシル上に堆積させるスクイージーブレードアセンブリと少なくとも1つのペーストカートリッジとを有する、プリントヘッドアセンブリと、
ペースト吐出移送システムであって、
前記プリントヘッドアセンブリに連結されるペーストカートリッジ機構と、
前記フレームに連結される回転インデックス機構とを有し、
該ペースト吐出移送システムは、使用済みのペーストカートリッジを前記プリントヘッドアセンブリから前記フレームによって支持される前記回転インデックス機構へ移送するとともに、新しいペーストカートリッジを前記回転インデックス機構から前記プリントヘッドアセンブリへ移送するように構成される、ペースト吐出移送システムと、
を備える、ステンシルプリンター。
[態様2]
前記回転インデックス機構は、回転するように構成されたカルーセルマウントと、該カルーセルマウントの上面に搭載されるペーストカートリッジチューブホルダーと、前記回転インデックス機構によって支持される前記ペーストカートリッジを互いに分離するように設けられる幾つかの仕切り部とを有する、態様1に記載のステンシルプリンター。
[態様3]
前記ペーストカートリッジチューブホルダーは、ペーストカートリッジに横方向の支持を提供することで該ペーストカートリッジを垂直の直立位置に維持するように構成された半壁を有する、態様2に記載のステンシルプリンター。
[態様4]
前記回転インデックス機構は、回転することで、2つの隣接した仕切り部の間に画定される開いた受け入れ部を提示して前記使用済みのペーストカートリッジを受け取るとともに、回転することで、新しいペーストカートリッジを提示してプリントヘッドアセンブリへ移送するように構成される、態様2に記載のステンシルプリンター。
[態様5]
前記回転インデックス機構は、該回転インデックス機構を前記フレームの支持部材に固定するように構成された取り付けブラケットを更に有する、態様2に記載のステンシルプリンター。
[態様6]
前記回転インデックス機構は、モーター・ギヤボックスアセンブリを固定するために、前記取り付けブラケットの底部に固定されるモーター・軸受ハウジングと、該モーター・軸受ハウジング及び前記カルーセルマウントに連結されて該カルーセルマウントの回転を駆動するシャフトと、を更に有する、態様5に記載のステンシルプリンター。
[態様7]
前記ペーストカートリッジ機構は、前記プリントヘッドアセンブリの支持部材の上に搭載される支持ブラケットと、該支持ブラケットに固定されて該支持ブラケットをz軸方向に移動させるアクチュエータとを有する、態様2に記載のステンシルプリンター。
[態様8]
前記支持ブラケットは、前記ペーストカートリッジのノズルの底部を受けるように設計された受け入れ形状部を有するベース部を有するエンドエフェクターを有し、該エンドエフェクターは、前記ペーストカートリッジの前記ノズルを選択的に係合及び固定するとともに、前記ペーストカートリッジを垂直の直立位置に維持するように構成される、態様7に記載のステンシルプリンター。
[態様9]
前記支持ブラケットは、少なくとも1つのリニア軸受によって前記プリントヘッドアセンブリの前記支持部材に固定されて前記支持ブラケット、アクチュエータ、及びエンドエフェクターのx軸方向の移動を可能にするとともに、タイミングベルトによって駆動される、態様8に記載のステンシルプリンター。
[態様10]
前記アクチュエータは、前記ペーストカートリッジの開いた端部が前記プリントヘッドアセンブリのカートリッジシール形状部によってシールされるように、前記ペーストカートリッジを上方へ移動させるように構成される、態様8に記載のステンシルプリンター。
[態様11]
前記エンドエフェクターは、前記ペーストカートリッジの前記ノズルの狭い円筒部を囲うようにサイズ設定された2つの離間したプロング部を有する受け入れ形状部を有することで前記エンドエフェクターが前記ペーストカートリッジを垂直の直立位置において支持することを可能にする、態様8に記載のステンシルプリンター。
[態様12]
ステンシルプリンター内における切り替え及び/又は交換プロセスを完全に自動化する方法であって、
前記ステンシルプリンター内における交換が予定されている使用済みのペーストカートリッジを識別するステップと、
前記使用済みのペーストカートリッジを、ペーストカートリッジ機構を有するプリントヘッドアセンブリから回転インデックス機構へ移送するステップと、
新しいペーストカートリッジを前記回転インデックス機構から前記ペーストカートリッジ機構へ移送するステップと、
前記プリントヘッドアセンブリ内において前記新しいペーストカートリッジを設置するステップと、
を含む、方法。
[態様13]
使用済みのペーストカートリッジを移送するステップは、前記回転インデックス機構の開いた受け入れ部を提示することと、前記使用済みのペーストカートリッジを前記開いた受け入れ部へ移動させることとを含む、態様12に記載の方法。
[態様14]
新しいペーストカートリッジを移送するステップは、前記ペーストカートリッジを前記ペーストカートリッジ機構に提示することと、前記新しいペーストカートリッジを前記ペーストカートリッジ機構へ移動させることとを含む、態様12に記載の方法。
[態様15]
新しいペーストカートリッジを設置することは、前記新しいペーストカートリッジをz軸方向に移動させて前記ペーストカートリッジの開いた端部をシールすることを含む、態様12に記載の方法。
[態様16]
アセンブリ材料を電子基板上に印刷するように構成されたステンシルプリンターのペースト吐出移送システムであって、
前記ステンシルプリンターのプリントヘッドアセンブリに連結されるペーストカートリッジ機構と、
前記ステンシルプリンターのフレームに連結される回転インデックス機構とを備え、
該ペースト吐出移送システムは、使用済みのペーストカートリッジを前記プリントヘッドアセンブリから前記フレームによって支持される前記回転インデックス機構へ移送するとともに、新しいペーストカートリッジを前記回転インデックス機構から前記プリントヘッドアセンブリへ移送するように構成される、ペースト吐出移送システム。
[態様17]
前記回転インデックス機構は、回転するように構成されたカルーセルマウントと、該カルーセルマウントの上面に搭載されるペーストカートリッジチューブホルダーと、前記回転インデックス機構によって支持される前記ペーストカートリッジを互いに分離するように設けられる幾つかの仕切り部とを有する、態様16に記載の移送アセンブリ。
[態様18]
前記ペーストカートリッジチューブホルダーは、ペーストカートリッジに横方向の支持を提供することで該ペーストカートリッジを垂直の直立位置に維持するように構成された半壁を有する、態様17に記載の移送アセンブリ。
[態様19]
前記回転インデックス機構は、回転することで、2つの隣接した仕切り部の間に画定される開いた受け入れ部を提示して前記使用済みのペーストカートリッジを受け取るとともに、回転することで、新しいペーストカートリッジを提示してプリントヘッドアセンブリへ移送するように構成される、態様17に記載の移送アセンブリ。
[態様20]
前記回転インデックス機構は、前記回転インデックス機構を前記フレームの支持部材に固定するように構成された取り付けブラケットを更に有する、態様17に記載の移送アセンブリ。
[態様21]
前記回転インデックス機構は、モーター・ギヤボックスアセンブリを固定するために、前記取り付けブラケットの底部に固定されるモーター・軸受ハウジングと、該モーター・軸受ハウジング及び前記カルーセルマウントに連結され、該カルーセルマウントの回転を駆動するシャフトと、を更に有する、態様20に記載の移送アセンブリ。
[態様22]
前記ペーストカートリッジ機構は、前記プリントヘッドアセンブリの支持部材の上に搭載される支持ブラケットと、該支持ブラケットに固定されて該支持ブラケットをz軸方向に移動させるアクチュエータとを有する、態様17に記載の移送アセンブリ。
[態様23]
前記支持ブラケットは、前記ペーストカートリッジのノズルの底部を受けるように設計された受け入れ形状部を有するベース部を有するエンドエフェクターを有し、該エンドエフェクターは、前記ペーストカートリッジの前記ノズルを選択的に係合及び固定するとともに、前記ペーストカートリッジを垂直の直立位置に維持するように構成される、態様22に記載の移送アセンブリ。
[態様24]
前記支持ブラケットは、少なくとも1つのリニア軸受によって前記プリントヘッドアセンブリの前記支持部材に固定されて前記支持ブラケット、アクチュエータ、及びエンドエフェクターのx軸方向の移動を可能にするとともに、タイミングベルトによって駆動される、態様23に記載の移送アセンブリ。
[態様25]
前記アクチュエータは、前記ペーストカートリッジの開いた端部が前記プリントヘッドアセンブリのカートリッジシール形状部によってシールされるように、前記ペーストカートリッジを上方へ移動させるように構成される、態様23に記載の移送アセンブリ。
[態様26]
前記エンドエフェクターは、前記ペーストカートリッジの前記ノズルの狭い円筒部を囲うようにサイズ設定された2つの離間したプロング部を有する受け入れ形状部を有することで前記エンドエフェクターが前記ペーストカートリッジを垂直の直立位置において支持することを可能にする、態様23に記載の移送アセンブリ。