(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】レーザースペックル低減用反射型ディフューザー及びそれを備えた反射型発光ホイール
(51)【国際特許分類】
G02B 5/20 20060101AFI20241024BHJP
F21V 3/00 20150101ALI20241024BHJP
F21V 3/02 20060101ALI20241024BHJP
F21V 3/10 20180101ALI20241024BHJP
F21V 3/12 20180101ALI20241024BHJP
F21V 7/00 20060101ALI20241024BHJP
F21V 7/26 20180101ALI20241024BHJP
F21V 7/28 20180101ALI20241024BHJP
F21V 9/08 20180101ALI20241024BHJP
F21V 9/32 20180101ALI20241024BHJP
F21V 9/38 20180101ALI20241024BHJP
F21V 9/40 20180101ALI20241024BHJP
F21V 9/45 20180101ALI20241024BHJP
G03B 21/14 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
G02B5/20
F21V3/00 320
F21V3/02 500
F21V3/10 330
F21V3/12
F21V7/00 320
F21V7/26
F21V7/28 210
F21V7/28 220
F21V7/28 240
F21V7/28 250
F21V9/08 400
F21V9/32
F21V9/38
F21V9/40 200
F21V9/45
G03B21/14 A
(21)【出願番号】P 2022516722
(86)(22)【出願日】2019-09-16
(86)【国際出願番号】 CN2019105920
(87)【国際公開番号】W WO2021051226
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-05-18
【審判番号】
【審判請求日】2023-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】519362767
【氏名又は名称】マテリオン プレシジョン オプティクス (シャンハイ) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン ウェンボ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン シャオファ
【合議体】
【審判長】里村 利光
【審判官】河原 正
【審判官】宮澤 浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-32352(JP,A)
【文献】特開2018-132547(JP,A)
【文献】国際公開第2016/181858(WO,A1)
【文献】中国実用新案第204387958(CN,U)
【文献】特表2018-512617(JP,A)
【文献】特開2018-45199(JP,A)
【文献】国際公開第2015/122075(WO,A1)
【文献】特開2014-149513(JP,A)
【文献】特開2017-181603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/30
G02F 1/1335
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面と、前記前面の反対側の背面と、を有し、レーザー光に対して透明である透明ディフューザー基板と、
前記透明ディフューザー基板の前記前面上に配置されるか、又は前記前面の中に形成され、レーザー光のスペックルを除去するように構成され
、非平面である微細構造体と、
前記透明ディフューザー基板の前記前面側に配置され、前記レーザー光に対して反射防止性であり、前記微細構造体上に配置され、これにより、前記微細構造体をコーティングし、前記微細構造体と比較して薄い、反射防止(AR)コーティングと、
前記透明ディフューザー基板の前記背面上に
直接配置された反射膜と、
前記反射
膜に
配置され、前記レーザー光を遮断するように構成された消光層と、
を備え、
前記透明ディフューザー基板の前記背面と前記反射膜との接合部において画定される光学界面が、前記レーザー光に対して少なくとも96%の反射率を有することを特徴とする、レーザー光スペックル除去用ディフューザー。
【請求項2】
前記反射膜が、前記レーザー光を反射するように調整された金属コーティング又は誘電体層スタックを備えることを特徴とする、請求項1に記載のディフューザー。
【請求項3】
前記ARコーティングは、3ナノメートル~30ナノメートルの厚さを有することを特徴とする、請求項1~2のいずれか1項に記載のディフューザー。
【請求項4】
前記消光層が、金属コーティング又は消光インクを備えることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のディフューザー。
【請求項5】
前記ARコーティングは、周囲空気と前記透明ディフューザー基板との間の屈折率差を滑らかにするインデックスマッツチングコーティングであり、前記透明ディフューザー基板は、前記レーザー光に対して透明なガラス基板、石英基板、又はセラミック基板であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のディフューザー。
【請求項6】
前記ARコーティングは、前記レーザー光に対して反射率がほぼゼロであるように調整された誘電体層スタックであることを特徴とする、請求項1
~4のいずれか1項に記載のディフューザー。
【請求項7】
ディスクを回転させるためにモーターと接続可能なディスクと、
前記ディスクと共に回転するように前記ディスクに固定された光学リングであって、少なくとも1つの蛍光セグメントと請求項1~6のいずれか1項に記載のディフューザーとを備え、前記蛍光セグメントの各々が、前記レーザー光を前記レーザー光とは異なるスペクトルを有する変換光に変換するように構成されている、前記光学リングと、
前記ディスク及び前記ディフューザーに接着されたバランス部品と、
を備えることを特徴とする、発光ホイール。
【請求項8】
前記ディフューザーが前記ディスクに直接接着されていないことを特徴とする、請求項7に記載の発光ホイール。
【請求項9】
前記バランス部品は、前記ディスクに固定され、
前記ディスクは、ディフューザーが嵌合し、前記ディフューザーと前記ディスクとが同一平面状にある扇形切欠き部を有し、かつ、
前記ディフューザーは、内側部分と外側部分とを有し、前記ディフューザーの前記内側部分は、前記ディスクの中心に近く、前記ディフューザーの前記外側部分は前記ディスクの前記中心から遠く、
前記ディフューザーの前記内側部分は前記バランス部品の背面に接着され、前記ディフューザーの前記外側部分は前記バランス部品に接着されない、又は前記バランス部品によって覆われていないことを特徴とする、請求項7~8のいずれか1項に記載の発光ホイール。
【請求項10】
ディスクを回転させるためにモーターと接続可能なディスクと、
前記ディスクと共に回転するように前記ディスクに固定された光学リングであって、少なくとも1つの蛍光セグメントと少なくとも1つのディフューザーセグメントとを備える前記光学リングと、を備えており、
ここで、各蛍光セグメントは、励起波長におけるレーザー光を変換光に変換するように構成され、かつ、
各ディフューザーセグメントは、
前面と、前記前面と反対側の背面とを有し、前記励起波長における前記レーザー光に対して透明である前記透明ディフューザー基板と、
前記透明ディフューザー基板の前記前面に配置、又は形成され、前記励起波長における前記レーザー光のスペックルを除去するように構成され
、非平面である微細構造体と、
前記透明ディフューザー基板の前記前面側に配置され、前記レーザー光に対して反射防止性であり、前記微細構造体上に配置され、これにより、前記微細構造体をコーティングし、前記微細構造体と比較して薄い、反射防止(AR)コーティングと、
前記透明ディフューザー基板の前記背面に
直接配置された反射膜と、
前記反射
膜に
配置され、前記レーザー光を遮断するように構成された消光層と、を備え、
前記透明ディフューザー基板の前記背面と前記反射膜との接合部に画定される光学界面は、前記レーザー光に対して少なくとも96%の反射率を有することを特徴とする、発光ホイール。
【請求項11】
前記ARコーティングは、3ナノメートル~30ナノメートルの厚さを有することを特徴とする、請求項10に記載の発光ホイール。
【請求項12】
前記ARコーティングは、周囲空気と前記透明ディフューザー基板との間の屈折率差を滑らかにするインデックスマッツチングコーティングであり、前記透明ディフューザー基板は、前記レーザー光に対して透明なガラス基板、石英基板、又はセラミック基板であり、又は
前記ARコーティングは、前記励起波長における前記レーザー光に対して反射率がほぼゼロであるように調整された誘電体層スタックであることを特徴とする、請求項10~11のいずれか1項に記載の発光ホイール。
【請求項13】
前記反射膜が、前記励起波長における前記レーザー光を反射するように調整された金属コーティング又は誘電体層スタックを備えることを特徴とする、請求項10~12のいずれか1項に記載の発光ホイール。
【請求項14】
前記消光層は、金属コーティング、又は消光インクを備えることを特徴とする、請求項
10~13のいずれか1項に記載の発光ホイール。
【請求項15】
前記反射膜及び消光層は、500W/mm2以上のレーザエネルギー密度で照射されるレーザー光のエネルギーに耐えるように構成された厚さを有することを特徴とする、請求項10~14のいずれか1項に記載の発光ホイール。
【請求項16】
前記消光層が、
前記消光インクを備え
、前記消光層は、前記反射膜の屈折率と同じ反射率を有することを特徴とする、請求項
14に記載の発光ホイール。
【請求項17】
単一のディフューザーセグメントと、前記ディフューザーセグメントと位置合わせした扇形切欠き部を有する前記ディスクと、を有し、
前記発光ホイールが、前記ディスク及び前記ディフューザーセグメントに接着されたバランス部品をさらに備えており、前記ディフューザーセグメントは前記ディスクに直接接着されていないことを特徴とする、請求項10~16のいずれか1項に記載の発光ホイール。
【請求項18】
前記ディフューザーセグメントは、内側部分と外側部分とを有し、前記ディフューザーセグメントの前記内側部分は、前記ディスクの中心に近く、前記ディフューザーセグメントの前記外側部分は前記ディスクの前記中心から遠く、前記ディフューザーセグメントの前記内側部分は前記バランス部品の前記背面に接着され、前記ディフューザーセグメントの前記外側部分は前記バランス部品に接着されない、又は前記バランス部品によって覆われていないことを特徴とする、請求項17に記載の発光ホイール。
【請求項19】
前記透明ディフューザー基板が、前記励起波長において透明なガラス基板、石英基板、又はセラミック基板であることを特徴とする、請求項10~18のいずれか1項に記載の発光ホイール。
【請求項20】
さらに、前記ディスクを回転させるために前記ディスクに動作可能に接続されたモーターを備えることを特徴とする、請求項10~19のいずれか1項に記載の発光ホイール。
【請求項21】
前記光学リングに衝突する前記励起波長における前記レーザー光を放射するように構成されたレーザーを備えることを特徴とする、請求項20に記載の発光ホイール。
【請求項22】
透明ディフューザー基板の前面上に、レーザー光のスペックルを除去するように構成され
、非平面である微細構造体を形成するステップと、
前記透明ディフューザー基板の前記前面側にコーディングされ、前記レーザー光に対して反射防止性であり、前記微細構造体上に配置され、これにより、前記微細構造体をコーティングし、前記微細構造体と比較して薄い、反射防止(AR)コーティングを配置するステップと、
前記透明ディフューザー基板の前記前面と反対側に配置された前記透明ディフューザー基板の背面に反射膜をコーティングするステップと、
前記レーザー光を遮断するように構成された前記反射膜に消光層を沈着させるステップと、
を含
み、
前記透明ディフューザー基板の前記背面と前記反射膜との接合部に画定される光学界面は、前記レーザー光に対して少なくとも96%の反射率を有することを特徴とする、レーザー光スペックル除去用ディフューザーの製造方法。
【請求項23】
前記微細構造体が、前記透明ディフューザー基板の前記前面にエッチングすることによって、又は、予め形成された金型を用いて生成された微細構造体の薄膜を前記透明ディフューザー基板の前記前面に転写することによって形成されることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記反射膜が、前記レーザー光を反射するように調整された金属コーティング又は誘電体層を備え、及び/又は、前記消光層は、金属コーティング又は消光インクを備えることを特徴とする、請求項22~23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記ARコーティングは、3ナノメートル~30ナノメートルの厚さを有することを特徴とする、請求項22~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記ARコーティングは、周囲空気と前記透明ディフューザー基板との間の屈折率差を滑らかにするインデックスマッツチングコーティングであり、前記透明ディフューザー基板は、前記レーザー光に対して透明なガラス基板、石英基板、又はセラミック基板であり、又は
前記ARコーティングは、前記レーザー光に対して反射率がほぼゼロであるように調整された誘電体層スタックであることを特徴とする、請求項22~25のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の開示は、光学技術、レーザー照明技術、発光ホイール技術、及び関連技術に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ホイールは、ディスクの周囲に配置された蛍光セグメントを有するディスクと、ディスクを回転させるために接続されたモーターとを含む。使用時には、レーザー光線が回転ディスクの周囲に向けられる。レーザー光は、蛍光セグメントによって蛍光に変換(すなわち、波長変換)される。市販の発光ホイールは、典型的には、ディスクが金属のような反射性材料で作られるか、又は蛍光セグメントを支持する側に反射性コーティングを有する反射型アレンジメントを採用する。発光ホイールの商業的応用の1つは、光学プロジェクターにおけるものである。原理的には、ホイールの周囲に配置された赤色、緑色、及び青色の変換光を放射する蛍光セグメントを有することによって、赤色、緑色、及び青色の照明のシーケンスを出力することができ、これは、時間平均フルカラー画像を投影するために、微小電気機械式DLPリフレクター又は他の適切な画像形成技術によって画定された赤色、緑色、及び青色の画素パターンと同期させることができる。
【0003】
しかし、蛍光セグメントを励起するレーザー光の光子エネルギーは、波長変換された光の光子エネルギーよりも高くすべきである。これは、青色蛍光セグメントの使用が紫外レーザーの使用を必要とすることを意味する。より通常の設計は、代わりに、青色レーザーと、赤色及び緑色の蛍光セグメント及び光透過型セグメントを有する発光ホイールと、を採用することである。次いで、青色レーザー光は、光透過型セグメントを通過して、赤色、緑色、及び青色の照明シーケンスの青色光成分を提供する。
【0004】
この設計の1つの困難は、青色レーザー光が、コヒーレントレーザー光線の波面の相互干渉によって生じるスペックルパターンを有することである。このスペックルパターンは、青色照明成分において望ましくない。従って、スペックルを除去するために、光透過型セグメントの光路にディフューザーを追加することが知られている。ディフューザーは、典型的には、ガラス基板上にエッチングして微細構造体を形成することによって作られる。レーザー光線がディフューザーに衝突すると、ディフューザーの微細構造体は散乱を導入し、レーザーの干渉特性を除去し、スペックルを低減又は除去する目的を達成する。ディフューザー基板は、一般に、ガラス又は石英又は光透過性セラミックである。
【0005】
いくつかの改良が本明細書に開示される。
【発明の概要】
【0006】
本明細書に開示されるいくつかの例示的な実施形態によれば、発光ホイールは、ディスクを回転させるためにモーターと接続可能なディスクと、ディスクと共に回転するようにディスクに固定された光学リングと、を備える。光学リングは、少なくとも1つの蛍光セグメントと、少なくとも1つのディフューザーセグメントと、を備える。各蛍光セグメントは、励起波長におけるレーザー光を変換光に変換するように構成される。各ディフューザーセグメントは、透明ディフューザー基板の背面上にコーティングされた反射膜を有する透明ディフューザー基板を備える。透明ディフューザー基板は、透明ディフューザー基板の前面上に配置されるか、又は前記前面の中に形成され、励起波長におけるレーザー光のスペックルを除去するように構成された微細構造体を有することができ、さらに、励起波長におけるレーザー光に対して反射防止性である反射防止(AR)コーティングを前記前面上に配置することができる。各ディフューザーセグメントは、さらに、反射膜上にコーティングされ、励起波長におけるレーザー光を遮断するように構成された消光層を備えていてもよい。
【0007】
本明細書に開示されるいくつかの例示的な実施形態によれば、スペックル除去レーザー光のためのディフューザーが開示される。ディフューザーは、第1の側(すなわち、前面)と、第1の側とは反対側の第2の側(すなわち、背面)と、を有する透明ディフューザー基板と;透明ディフューザー基板の第1の側上に配置されるか、又は第1の側の中に形成され、レーザー光のスペックルを除去するように構成された微細構造体と;透明ディフューザー基板の第2の側上にコーティングされた反射膜と;を備える。透明ディフューザー基板の第2の側と反射膜との接合部に画定される光学界面は、レーザー光に対して少なくとも96%の反射率を有する。ディフューザーは、任意選択で、反射膜上にコーティングされ、レーザー光を遮断するように構成された消光層、及び/又は透明ディフューザー基板の第1の側上に配置され、レーザー光に対して反射防止性であるARコーティングを、さらに備えていてもよい。
【0008】
本明細書に開示されるいくつかの例示的な実施形態によれば、発光ホイールは、ディスクを回転させるためにモーターと接続可能なディスクと、ディスクと共に回転するようにディスクに固定された光学リングと、を備える。光学リングは、直前の段落に記載されるように、少なくとも1つの蛍光セグメント及びディフューザーを備える。各蛍光セグメントは、レーザー光を、レーザー光とは異なるスペクトルを有する変換光に変換するように構成される。
【0009】
本明細書に開示されるいくつかの例示的な実施形態によれば、レーザー光スペックル除去用ディフューザーの製造方法が開示される。この方法は、透明ディフューザー基板の第1の側(すなわち、前面)上にレーザー光のスペックルを除去するように構成された微細構造体を形成するステップと、透明ディフューザー基板の第1の側とは反対側の第2の側(すなわち、背面)に反射膜をコーティングするステップと、を含む。この方法は、反射膜上に消光層を沈着させるステップをさらに含むことができる。この方法は、レーザー光に対して反射防止性である反射防止コーティングを、透明ディフューザー基板の第1の側上に沈着させるステップをさらに含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図面は、本明細書に開示された例示的な実施形態を例示する目的で提示されており、それを限定する目的では提示されていない。
【
図4】
図4は、
図1~3の発光ホイールを組み立てるための適切な組み立て方法を示す図である。
【
図5】
図5は、
図1~3の反射型ディフューザーの側面図を示す。
【
図6】
図6は、反射型ディフューザーを製造するための適切な製造方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で開示されるプロセス及び装置のより完全な理解は、添付の図面を参照することによって得ることができる。これらの図は、単に、便宜性及び既存の技術及び/又は本発明の開発を実証する容易さに基づく概略的な表現であり、したがって、そのアセンブリ又は部品の相対的なサイズ及び寸法を示すことを意図していない。本開示は、本明細書に含まれる以下の所望の実施形態及び実施例の詳細な説明を参照することによって、より容易に理解され得る。以下の明細書及び特許請求の範囲においては、以下の意味を有するように定義される複数の用語を参照する。単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでないことを明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。本出願の明細書及び特許請求の範囲における数値は、同じ数の有効数字に減少させたときに同じ数値と、本願に記載されたタイプの従来の測定技術の実験誤差よりも小さく記載された数値とは異なる数値とを含み、その値を決定するものと理解されるべきである。本明細書に開示される全ての範囲は、列挙された端点を含む。
【0012】
前述のように、公知の発光ホイール設計は、赤色及び緑色の蛍光セグメント及び透過型セグメントを採用し、青色レーザーと併せて使用される。それによって、赤色、緑色、及び青色(又は、例えば、緑色、赤色、及び青色などの他の何らかの順序)の間の連続的な光循環が提供される。しかしながら、この公知の設計は、実質的な欠点を有する。蛍光セグメントは、反射モードで動作する(実際には、変換された蛍光は、通常、ほぼ均等拡散のパターンで放射されるが、ディスクが金属であるか、さもなければ不透明であるため、得られる蛍光照明は拡散反射に近似する)。一方、青色光は、レーザー光線が光透過型セグメントの中を透過することによって生成される。これは、赤色と緑色の拡散「反射」蛍光及び透過された直接の青色光の異なる光路を方向変更し、組み合わせて最終的な連続照明出力を形成するために、追加の光学部品が必要であることを意味する。追加の光学系は、今度は、連続カラー照明源のサイズ及び複雑さを増大させる。
【0013】
追加の光路の必要性を回避するために、ディフューザーを反射ディスクに取り付けることができ、その結果、スペックルを除去された青色光も反射モードで放射される。この場合、光透過型セグメントは存在せず、むしろ、ディフューザーセグメントはディスクに接着される。ディスクの回転によって青色セグメントがレーザー光線に接触すると、青色レーザー光線はディフューザーを通過し(それによってスペックルが除去され)、反射ディスクから反射し、ディフューザーを通過して戻る。しかしながら、このアプローチにも欠点がある。
【0014】
第1に、光損失が大きい。高温耐性ディスク基板の反射率は、典型的には約95%に過ぎない。さらに、青色レーザー光線は接着剤を2回通過する。接着剤としてシリコーンを使用する場合、透明シリコーンの透過率は約98%である。したがって、全体効率は95%×(2×98%)、すなわち約91%に過ぎず、青色レーザー光の利用率が低下する。
【0015】
第2に、ディフューザーに通常使用されるガラスと、蛍光セグメントに共通のホストであるシリコーンとの間には大きな密度差がある。この密度差は、回転ディスクの不均衡を引き起こす可能性がある。ディスクが典型的には、カラー照明シーケンスのための高いサイクル周波数を達成するために急速に回転するので、この不均衡は、モーター及び/又はディスクウォブル上の摩耗の原因となり得る。
【0016】
第3に、ディフューザーをディスクに固定する接着剤は、青色レーザー光線からの直接照射を受ける。シリコーンは耐熱性であり、発光ホイールは高出力レーザー光線によって加熱されるので、シリコーン接着剤は、典型的には、蛍光セグメントを接着するために使用される。蛍光セグメントを固定するシリコーン接着剤は、蛍光セグメントがその照射の大部分を吸収するので、直接的なレーザー光線照射を受けない。しかしながら、ディフューザーセグメントを接着するためにシリコーンも使用される場合、ディフューザーセグメントにおけるシリコーン接着剤の老化は、直接レーザー照射下で加速される。
【0017】
第4に、透明シリコーンの熱伝導率はわずか約0.2W/m・Kである。これは、ディフューザーセグメントでシリコーン接着剤によって吸収された直接レーザー照射からの熱による発光ホイールの温度上昇をもたらすであろう。
【0018】
次に、
図1~3を参照して、発光ホイールを示す。
図1は、分解斜視図における発光ホイール10を示す。一方、
図2は、組立て正面図における発光ホイールを示し、
図3は、組立て背面図における発光ホイールを示す。電気ケーブル11は、ドライブシャフト13を介して発光ホイールを駆動するモーター12に動力を供給する。ディスク14は中央開口部15を有し、これはモーター12と接続可能であり、ディスク14を回転させるためにハブ16によって固定されている。この接続は、例えば、接着剤での接着によるものであってもよい。ディスク14は、ディフューザーセグメント20と位置合わせした扇形切欠き部18を備える。少なくとも1つの蛍光セグメント22。ディフューザーセグメント20及び少なくとも1つの蛍光セグメント22は、ディスク14と共に回転するようにディスク14に固定された光学リングを集合的に定義する。光学リングは、少なくとも1つの蛍光セグメント22と、少なくとも1つのディフューザーセグメント20と、を備える。
図2で分かるように、例示的な実施例においては、変換された赤色光を放射する赤色(R)蛍光セグメント、変換された緑色光を放射する緑色(G)蛍光セグメント、及び変換された黄色光を放射する黄色(Y)蛍光セグメント、の3つの蛍光セグメント22がある。例示的な実施例においては、単一のディフューザーセグメント20がある。各蛍光セグメント22は、励起波長におけるレーザー(図示せず)によって放射されたレーザー光を、変換光(例えば、実施例では赤色、緑色、及び黄色の変換光)に変換するように構成される。ディフューザーセグメント20は、レーザー光のスペックルを除去し、反射する。このレーザー光は、例示的な実施例では青色レーザー光である。連続カラー照明を提供するのに適したいくつかの実施形態では、レーザー光の励起波長は、440~485nmまで、より好ましくは440~460nmまでのスペクトル範囲の青色波長であり、各蛍光セグメント22は、青色波長のレーザー光を460~800nmまで、より好ましくは490~750nmまでのスペクトル範囲に最大ピークを有するスペクトルを有する変換光に変換するように構成される(例えば、シリコーンなどの透明材料を含むホスト中に分散された適切な蛍光粉末を含むことによって)。
【0019】
特に
図2の組立て正面図を参照すると、レーザー光は、(任意に集束された)レーザー光線としてスポット24で光学リングに衝突する。レーザーは固定されている。ディスク14が反時計回り(CCW)方向に(図示のように、又は代替的に時計回り、CW、方向に)回転すると、レーザースポット24は、連続する蛍光セグメント22及びディフューザーセグメント20に連続的に衝突するように、円形の軌道に沿って(ディスク14の座標系に対してそれぞれ)移動する。
図2に示される表示された変換光の色に対して、結果として生じる連続カラー照明は、青、赤、黄、緑、青、赤、黄、緑、青、赤、黄、...、であり、ここで、青色光はレーザースポット24がディフューザーセグメント20に衝突したときに生成される。光学リングにおいて1つ以上の蛍光セグメント及び1つ以上のディフューザーセグメントを適切に選択及び配置することによって、任意の色のシーケンスを得ることができることが理解されるであろう。さらに、レーザー光の励起波長は、ここでは青色光として記載されるが、レーザーによって放射される励起光は、別の波長であってもよい。
【0020】
図1~3の発光ホイールは、さらに、前述のハブ16とバランス部品30とを備える。このバランス部品30は、ディスク14の中央開口部15及びハブ16の中央開口部と位置合わせされた中央開口部32を有する。記載された実施例では、ディスク14は、アルミニウム又はアルミニウム合金から適切に作製され、バランス部品30は、鋼又はアルミニウム合金から適切に作製されるが、他の材料がこれらの部品について企図される。バランス部品30は、本明細書ではバランス鋼30と呼ばれることがあるが、アルミニウム合金などの他の熱伝導性材料を使用することもできる。バランス鋼30は、ディフューザーセグメント20の内側部分(すなわち、中央開口部15により近い「内側」)と重なるのに十分な距離だけ半径方向外側に延在するが、ディスク14の外周まで半径方向外側には延在しない。これは、
図2の組立て正面図で最もよく分かるように、ディフューザーセグメント20の露出された外側部分を露出させたままにする。ディフューザーセグメント20はディスク14の扇形切欠き部18に嵌合し、ディフューザーセグメント20の内側部分はバランス鋼30の背面に接着される。したがって、ディフューザーセグメント20の内側部分は、バランス部品30の背面に接着され、ディフューザーセグメント20の外側部分は、バランス部品に接着されない(又はバランス部品で覆われない)。
【0021】
引き続き
図1~3を参照し、さらに
図4を参照して、
図1~3の発光ホイールを組立てるための適切な組立て方法を説明する。工程S1において、シリコーン又は他の適切なマトリックス中の蛍光体粉末を、ディスク14の前面上に分注又は印刷して、少なくとも1つの蛍光セグメント22を形成する。少なくとも1つの蛍光セグメント22を形成するための他の製造アプローチ、例えば、成形された蛍光セグメントを予め形成し、次いで、シリコーン接着剤などを使用してディスク14の前面にそれらを接着することが考えられる。工程S2において、ディフューザーセグメント20をバランス鋼30の背面に接着する。工程S3では、バランス鋼30の前面をハブ16に接着して、バランス鋼30の開口部32とハブ16の開口部を位置合わせする。工程S4では、バランス鋼30の背面をディスク14の前面に接着し、それによって、蛍光セグメント22と接着されたディスク14と、バランス鋼と接着されたディフューザーセグメント20を有するバランス鋼30と、バランス鋼30と接着されたハブ16と、を含むディスク・サブアセンブリを形成する。工程S5において、ディスク・サブアセンブリをモーター12に固定する。この工程は、様々なアプローチを採用することができる。一つのアプローチでは、ハブ16は、モーター12のドライブシャフト13の嵌合ねじにねじ込むねじ付きナットである。別のアプローチでは、ドライブシャフト13は、ディスク14の背面に接着剤によって接着された平面部分を含む。他のアプローチも考えられる。
【0022】
図1~3の発光ホイールは、特定の利点を有する。ディフューザーセグメント20をディスク14に直接接着しない(むしろ、ディフューザーセグメント20はバランス鋼30に接着される)ことによって、ビームスポット24がディフューザーセグメント20に衝突する時間間隔の間、熱はディスク14に伝達されない(又は、せいぜい弱く伝達される)。さらに、
図1~3の発光ホイールは、バランス鋼30の質量を調整することによって容易にバランスを取ることができる。さらに、設計(特に扇形切欠き部18)は、ディフューザーセグメント20がディスク14と同じ平面内にあることを可能にする。このことは、ディフューザーセグメント20の縁部における望ましくないレーザー光線反射を低減又は排除する。さらに、ディフューザーセグメント20はディスク14の表面から突出しない。この突出は、発光ホイールの安定した回転に悪影響を及ぼす可能性がある空気乱流を導入する可能性がある。
【0023】
上述した例示的な発光ホイール10は、一例であることを理解されたい。発光ホイール10は、任意の反射型発光ホイールベースの連続カラー照明システムに採用することができる。そのようなシステムにおいて、レーザーは、垂直入射で、又は角度をつけて光学リングに衝突させることができる。さらに、開示されたディフューザー20を、発光ホイール以外の他の光学的用途に採用することも考えられる。
【0024】
図5を参照して、ディフューザーセグメント20をさらに詳細に説明する。
図5は、ディフューザー20の側断面図を示す。(注:用語「ディフューザー」20及び「ディフューザーセグメント」20は、本明細書では交換可能に使用される。ディフューザー20は、発光ホイール10の光学リングのセグメントとして使用される場合、ディフューザーセグメント20であるが、より一般的には、ディフューザー20は、他の光学系で使用されてもよい。)一般に、各ディフューザーセグメント(又は、より一般的には、ディフューザー)20は、ディスク12から遠位の第1の側(すなわち、前面)52とディスク12から近位の第2の側(すなわち、背面)54とを含む透明ディフューザー基板50と、透明ディフューザー基板50の第2の側(すなわち、背面)54上にコーティングされた反射膜60と、を含む。それぞれの第1の側(すなわち、前面)及び第2の側(すなわち、背面)を示す参照符号52、54は、
図2にのみ示されていることに留意されたい。透明ディフューザー基板50は、励起波長において透明、すなわち、衝突するレーザー光線24のレーザー光に対して透明である(
図2参照)。透明ディフューザー基板50は、例えば、励起波長において透明なガラス基板、石英基板、又はセラミック基板であってもよい。透明ディフューザー基板50は、透明ディフューザー基板50の第1の側52上に配置されるか、又は第1の側52の中に形成される微細構造体(図示せず)を有し、この微細構造体は、励起波長においてレーザー光のスペックルを除去するように構成される。微細構造体は、スペックルを除去する微細構造体を製造するためのあらゆる公知のアプローチを用いて適切に形成される。微細構造体は、例えば、透明ディフューザー基板50の第1の側52の化学的、機械的、化学機械的、又はホログラフィックエッチングによって、あるいは、予め形成された金型を使用して生成された微細構造体の薄層が透明ディフューザー基板50の第1の側52上に転写される転写プロセスによって、透明ディフューザー基板20の第1の側52上に形成されてもよい。レーザー光がディフューザー20に照射されると、微細構造体がレーザーの散乱方向及び光路を変化させ、レーザーの干渉特性を除去し、スペックルを低減又は除去する目的を達成する。微細構造体は、非平面微細構造体であり、ランダム又は擬似ランダム又は無秩序な微細構造体であることが好ましいが、必ずしもそうである必要はない。
【0025】
有利には、透明ディフューザー基板50の第2の側(すなわち、背面)54上にコーティングされた反射膜60は、光学効率を改善する高反射性界面を提供する。反射膜60は、例えば、励起波長におけるレーザー光を反射するように調整された金属コーティング又は誘電体層スタックを備えていてもよい。いくつかの好ましい実施態様では、光学界面は、透明ディフューザー基板50の第2の側54と反射膜60との接合部において画定され、これは、レーザー光に対して少なくとも96%の反射率を有し、より好ましくは、レーザー光に対して少なくとも97%の反射率を有し、さらに好ましくは、レーザー光に対して少なくとも98%の反射率を有する。
【0026】
光学効率をさらに高めるために、反射防止(AR)コーティング62が、任意に、透明ディフューザー基板50の第1の側52上に配置される(それによって、スペックルを除去する微細構造体をコーティングする)。ARコーティング62は、微細構造体の寸法と比較して薄いことが好ましく、例えば、ARコーティング62は、数ナノメートル~数十ナノメートルの厚さを有することができるが、より厚くすることも考えられる。ARコーティング62は、励起波長におけるレーザー光に対して反射防止性である。ARコーティング62は、周囲空気と透明ディフューザー基板50のガラス、石英、又は他の材料との間の屈折率差を滑らかにするインデックスマッチングコーティングであってもよい。他の実施形態では、ARコーティング62は、レーザー光に対する反射率がほぼゼロであるように調整された誘電体層スタックである。
【0027】
いくつかの実施形態では、消光層64が反射膜60上にコーティングされる。任意の消光層64は、消光層64を構成する材料の不透明度及び厚さによって、レーザー光を遮断するように構成される。例えば、消光層64は、金属コーティング(例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金コーティング、クロム又はクロム合金コーティングなど)又は消光インク(任意選択で反射膜60と屈折率が同じである)を備えていてもよい。
【0028】
引き続き
図2を参照すると、ディフューザー20の動作は以下の通りである。入射レーザー光70は、ディフューザー20の第1の側52に衝突する。レーザー光は、第1の側52を通過し、そこで微細構造体によってスペックルを除去され、次いで、透明ディフューザー基板50を通過して第2の側54に到達し、そこで反射膜60によって反射され、透明ディフューザー基板50を通過して第1の側52に戻り、そこで再び微細構造体と相互作用し、反射レーザー光72として第1の側52から出射する。なお、
図5は、入射レーザー光70が非法線角度(non-normal angle)で入射されることを示しているが、代替的に、レーザー光が法線角度(normal angle)で入射されることが考えられる。この場合、反射レーザー光は、入射レーザー光と同じ軌跡をたどる(ただし、反対方向に向けられる)。
【0029】
図5の設計とは対照的に、従来の発光ホイール設計では、ディフューザーはディスク上に取り付けられ、
図5のディフューザー20の層60、62を含まない。従って、このような従来の発光ホイール設計における反射型ディフューザーとしての動作は、ディスクの反射面に依存する。透明ディフューザー基板を通過した後のレーザー光は、次いで、ディフューザーをディスクに接着する接着剤をスムーズに通過し、次いで、ディスクの反射面から反射されるであろう。前述したように、シリコーン接着剤の透過率は約98%であり、ディスクの反射率は典型的には約95%であり、この場合の全体効率は95%×(2×98%)、すなわち約91%に過ぎない。
【0030】
対照的に、
図5のディフューザー20では、透明ディフューザー基板50の第2の側54と反射膜60との接合部において画定される光学界面は、好ましくはレーザー光に対して少なくとも96%の反射率を有し、より好ましくは、少なくとも97%の反射率を有し、さらに好ましくは、少なくとも98%の反射率を有する。これらの値は、金属又は誘電体スタックが透明ディフューザー基板50の第2の側54上に直接コーティングされ、その界面において密接な接触を提供し、いかなる接着剤中の光の通過も排除するため、容易に達成可能である。
【0031】
任意の消光層64は、それが設けられている場合には、本質的にレーザー光がディフューザー20を通過しないことを保証する。これは、レーザー照射の強度を高めることができるので、有益である。例えば、いくつかの実施形態では、レーザー光は、500 W/mm2以上のレーザーエネルギー密度で照射される。反射膜60及び消光層64は、このエネルギー入力に耐えるために十分に厚くなければならず、反射率の側面及びレーザー光吸収の側面を別々の層60、64に分離することは、これらの設計制約を達成するための設計を単純化することができる。しかし、反射膜60が十分に不透明である(例えば、十分に厚い)場合、反射膜60は、レーザー光線を本質的に完全に消滅させるのにも役立つので、この場合、追加の消光層64は適切に省略することができる。
【0032】
開示されたディフューザーセグメント20を発光ホイール10において採用することの更なる利点は、透明ディフューザー基板50及び追加の層60、64を含むディフューザーセグメント20の全質量が、蛍光セグメント18の質量に匹敵し得ることである。これは、発光ホイール10のバランスをとるのに役立つ。
【0033】
ここで
図6を参照すると、(例えば、
図1~3の発光ホイールに使用される)
図5の反射型ディフューザー20を製造するための例示的な方法が記載されている。工程S10において、光学的に透明な基板ウェハーを提供する。ウェハーは、ガラス、石英、光透過性セラミック、又は透明ディフューザー基板として使用するのに適した他の材料で作られる。工程S12において、ウェハーの第1の側上又は第1の側の中において、微細構造体をエッチングし(又は他の方法で形成し)、任意の工程S14において、ARコーティングを沈着させる(例えば、真空蒸着、スパッタリング蒸着などによって)。工程S16では、ウェハーの第2の側上に反射膜をコーティングし(例えば、真空蒸着、スパッタリング蒸着などによって)、任意の工程S18では、反射膜上に消光膜を沈着させる(例えば、真空蒸着、スパッタリング蒸着などによって)。いくつかの実施形態では、反射膜及び消光膜は、2つの蒸着工程間に蒸着チャンバーの真空を破壊することなく、単一の真空蒸着又はスパッタリング蒸着の実行において沈着することができる。最後に、工程S20において、例えば機械式鋸、レーザー切断等を用いて、基板ウェハーをダイシングしてディフューザーセグメントを形成する。
【0034】
ここまで、本開示を例示的な実施形態を参照して説明してきた。明らかに、これまでの詳細な説明を読み且つ理解することによって、他者は修正及び変更を見出すであろう。本開示は、添付の特許請求の範囲又はその均等物の範囲内に入る限り、そのようなすべての修正及び変更を含むものと解釈されることが意図される。