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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】ディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20241024BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
G09F9/30 365
G09F9/33
G09F9/30 330
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022518314
(86)(22)【出願日】2020-09-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-30
(86)【国際出願番号】 KR2020012977
(87)【国際公開番号】W WO2021060878
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2023-09-22
(31)【優先権主張番号】62/907,116
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/030,301
(32)【優先日】2020-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506029004
【氏名又は名称】ソウル バイオシス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEOUL VIOSYS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】65-16,Sandan-ro 163 Beon-gil,Danwon-gu,Ansan-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】チョ,デ スン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ソ ラ
(72)【発明者】
【氏名】キム,チャン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ジョン ミン
【審査官】西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0019839(US,A1)
【文献】特表2019-512718(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0214373(US,A1)
【文献】特開2007-095844(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0078955(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0165038(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第1885579(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-9/46
H01L 27/15
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板および前記回路基板上に配列された複数のピクセルを含むディスプレイ装置において、
前記ピクセルの少なくとも一つは、
第1の発光素子および前記第1の発光素子から横方向に離隔された第2の発光素子を含み、
前記第1の発光素子は、第1のピーク波長の光を生成する第1のLED積層を有し、
前記第2の発光素子は、第2のピーク波長の光を生成する第2のLED積層、および前記第2のLED積層上に位置し、第3のピーク波長の光を生成する第3のLED積層を含み、
前記第3のLED積層は、第1の導電型半導体層と、第2の導電型半導体層と、オーミック電極とを含み、
前記第1の導電型半導体層に接する第1電極パッドと、前記オーミック電極に接する第2電極パッドとが設けられ、
前記第1電極パッドの厚さは、前記第2電極パッドの厚さと異なる、ディスプレイ装置。
【請求項2】
前記第1のピーク波長は、前記第2および第3のピーク波長に比べて長波長である、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記第2のピーク波長は、前記第3のピーク波長に比べて短波長である、請求項2に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記第1のLED積層前記第2のLED積層、および前記第3のLED積層は、それぞれ赤色光、青色光および緑色光を発する、請求項3に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記第1の発光素子および前記第2の発光素子の側面を覆う光遮断物質をさらに含む、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記光遮断物質は、前記第1の発光素子および前記第2の発光素子の上面を覆う、請求項5に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記第1の発光素子の上面よりも前記第2の発光素子の上面の方がより高く位置する、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記第1の発光素子の上面前記第2の発光素子との上面は実質的に同じ高さに位置する、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項9】
前記第2のLED積層は、第1の導電型半導体層および第2の導電型半導体層を含み、
前記第2の発光素子は、前記第2のLED積層および前記第3のLED積層の第2の導電型半導体層に共通して電気的に連結された共通アノード電極または前記第2のLED積層および前記第3のLED積層の前記第1の導電型半導体層に共通して電気的に連結された共通カソード電極を含む、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項10】
前記第1のLED積層は、第1の導電型半導体層および第2の導電型半導体層を含み、
前記第1のLED積層の前記第1の導電型半導体層または前記第2の導電型半導体層は、前記共通アノード電極または前記共通カソード電極に電気的に連結される、請求項9に記載のディスプレイ装置。
【請求項11】
前記第1の発光素子は、トンネル接合を用いて積層された少なくとも二つの活性層を含む、請求項9に記載のディスプレイ装置。
【請求項12】
前記回路基板は、ディスプレイされる画面に対して左右方向xおよび上下方向zを有し、前記第1の発光素子と前記第2の発光素子は上下方向に配列される、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項13】
前記第1電極パッドの厚さは、前記第2電極パッドの厚さよりも大きい、請求項1に記載のディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ディスプレイ用発光素子およびディスプレイ装置に関するものであり、特に、LEDの積層構造を有するディスプレイ用発光素子およびそれを有するディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードは、無機光源として、ディスプレイ装置、車両用ランプ、一般照明のような様々な分野に多様に用いられている。発光ダイオードは、寿命が長く、且つ消費電力が低く、応答速度が速いという長所があるため、既存の光源を速い速度で置き換えている。
【0003】
一方、従来の発光ダイオードは、ディスプレイ装置においてバックライト光源として主に使用されて来た。しかし、バックライト光源を使用するディスプレイ装置の場合、光度の制約によって明るい所では画面を認識し難く、また、それ自体が発光する構造ではないため、優れた画質のディスプレイを実現できないという問題点があった。バックライト光源を使用するディスプレイの短所を解決するために、近年では、青色、緑色および赤色発光ダイオードが直接ピクセルに作用してイメージを実現するマイクロLEDに対する研究が活発に進められている。
【0004】
ディスプレイ装置は、一般に、青色、緑色および赤色の混合色を用いて多様な色を実現する。ディスプレイ装置は、多様なイメージを実現するために複数のピクセルを含み、各ピクセルは、青色、緑色および赤色のサブピクセルを備え、これらサブピクセルの色を通じて特定ピクセルの色が決められ、これらピクセルの組合せによってイメージが実現される。
【0005】
LEDは、その材料によって多様な色の光を放出することができ、青色、緑色および赤色を放出する個別LEDチップを二次元平面上に配列してディスプレイ装置を提供できる。しかし、各サブピクセルに一つのLEDチップを配列する場合、LEDチップの個数が多くなるため実装工程に多くの時間がかかる。通常、マイクロLEDの場合、数百万個から数千万個のLEDを基板に実装しなければならないが、これにより生産性低下等の問題を避けることができず、結果的に製品の価格上昇につながることになる。
【0006】
さらに、サブピクセルを二次元平面上に配列するため、青色、緑色および赤色サブピクセルを含む一つのピクセルが占有する面積が相対的に広くなる。よって、制限された面積内にサブピクセルを配列するためには、各LEDチップの面積を減らす必要がある。しかし、LEDチップの大きさを減少させることは、LEDチップの実装を困難にする可能性があり、さらに、発光面積の減少を招き光度が劣る場合がある。
【0007】
一方、多様な色を実現するディスプレイ装置は、高品質の白色光を一貫して提供する必要がある。従来、TVはD65の標準白色光を実現するために3:6:1のRGB混合比を使用していた。つまり、青色の光度に比べて赤色の光度が相対的により高く、緑色光の光度が相対的に最も高い。ところが、現在使用されているLEDチップは、一般に青色LEDの光度が他のLEDに比べ相対的に非常に高いため、LEDチップを用いたディスプレイ装置においてRGBの混合比を合わせることが難しいという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示が解決しようとする課題は、制限されたピクセル面積内で各サブピクセルの面積を増やすことのできるディスプレイ用発光素子およびディスプレイ装置を提供することである。
【0009】
本開示が解決しようとするまた別の課題は、実装工程時間を短縮できるディスプレイ用発光素子およびディスプレイ装置を提供することである。
【0010】
本開示が解決しようとするまた別の課題は、工程収率を増大させることのできるディスプレイ用発光素子およびディスプレイ装置を提供することである。
【0011】
本開示が解決しようとするまた別の課題は、RGB混合比を容易に制御できるディスプレイ用発光素子およびディスプレイ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の一実施例にかかるディスプレイ装置は、回路基板および回路基板上に配列された複数のピクセルを含み、ピクセルの少なくとも一つは、第1の発光素子および第1の発光素子から横方向に離隔された第2の発光素子を含み、第1の発光素子は第1のピーク波長の光を生成する第1のLED積層を有し、第2の発光素子は第2のピーク波長の光を生成する第2のLED積層、および第2のLED積層上に位置し、第3のピーク波長の光を生成する第3のLED積層を含む。
【0013】
本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子は、第1の導電型半導体層および第2の導電型半導体層を含む下部LED積層;第1の導電型半導体層および第2の導電型半導体層を含み、下部LED積層上に配置された上部LED積層;および下部LED積層と上部LED積層をボンディングするボンディング物質層を含み、単に二つのピーク波長の光のみを放出する。
【0014】
本開示のまた別の実施例にかかるディスプレイ装置は、回路基板および回路基板上に配列された複数のピクセルを含み、ピクセルの少なくとも一つは、第1のピーク波長の光を生成する第1のLED積層;第1のLED積層から横方向に離隔され、第2のピーク波長の光を生成する第2のLED積層;および第2のLED積層上に位置し、第3のピーク波長の光を生成する第3のLED積層を含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の実施例にかかるディスプレイ装置を説明するための概略的な斜視図である。
図2】本開示の一実施例にかかるディスプレイパネルを説明するための概略的な平面図である。
図3A】本開示の一実施例にかかる第1の発光素子を説明するための概略的な平面図である。
図3B図3Aの切り取り線A-A’に沿って切り取った概略的な断面図である。
図4A】本開示の多様な実施例にかかる第1の発光素子を説明するための概略的な断面図である。
図4B】本開示の多様な実施例にかかる第1の発光素子を説明するための概略的な断面図である。
図4C】本開示の多様な実施例にかかる第1の発光素子を説明するための概略的な断面図である。
図5A】本開示の一実施例にかかる第2の発光素子を説明するための概略的な平面図である。
図5B図5Aの切り取り線B-B’に沿って切り取った概略的な断面図である。
図6A】本開示の多様な実施例にかかる第2の発光素子を説明するための概略的な断面図である。
図6B】本開示の多様な実施例にかかる第2の発光素子を説明するための概略的な断面図である。
図7】本開示のまた別の実施例にかかるディスプレイパネルを説明するための概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付の図面を参照して本開示の実施例を詳しく説明する。次に紹介する実施例は、本開示の属する技術分野の通常の技術者に本開示の思想が十分に伝わるようにするために例として提供するものである。よって、本開示は以下で説明する実施例に限定されるのではなく、他の形態に具体化することもできる。そして、図面において、構成要素の幅、長さ、厚さ等は便宜のために誇張して表現する場合もある。また、一つの構成要素が他の構成要素の「上部に」又は「上に」あると記載されている場合は、各部分が他の部分の「真上部」又は「真上に」ある場合だけでなく、各構成要素と他の構成要素間にまた別の構成要素が介在する場合も含む。明細書全体に亘って、同じ参照番号は同じ構成要素を表す。
【0017】
本開示の一実施例にかかるディスプレイ装置は、回路基板および回路基板上に配列された複数のピクセルを含み、ピクセルの少なくとも一つは、第1の発光素子および第1の発光素子から横方向に離隔された第2の発光素子を含み、第1の発光素子は第1のピーク波長の光を生成する第1のLED積層を有し、第2の発光素子は第2のピーク波長の光を生成する第2のLED積層、および第2のLED積層上に位置し、第3のピーク波長の光を生成する第3のLED積層を含む。
【0018】
第2のLED積層および第3のLED積層が重なり合う第2の発光素子を採用することにより、発光素子の実装工程数を減らすことができ、また、ピクセル面積を増やさずに、各サブピクセルの発光面積を増やすことができる。
【0019】
第1のピーク波長は、第2および第3のピーク波長に比べて長波長になり得る。長波長を有する第1のLED積層は、第2および第3のLED積層に比べて相対的に低い電圧下で動作する。よって、第2および第3のLED積層を第2の発光素子内に相互重ねて配置し、第1のLED積層を第2の発光素子から離隔させて配置することにより、互いに別の電源を用いて好適に第1および第2の発光素子を駆動させることができる。しかし、本開示が互いに別の電源を用いて第1の発光素子と第2の発光素子を駆動させることに限定するものではない。
【0020】
一実施例において、第2のピーク波長は、第3のピーク波長に比べて長波長になり得る。相対的に長波長の第2のピーク波長の光は、第3のLED積層を通じて光を損失することなく外部に容易に放出できる。別の実施例において、第2のピーク波長は第3のピーク波長に比べて短波長になり得る。相対的に短波長の第2のピーク波長の光は、第3のLED積層を通過しながら一部損失される可能性があり、これにより、第2のピーク波長の光の光度が減少し得る。これにより、外部に放出される第2のピーク波長の光の光度を減少させて、第2のピーク波長の光と第3のピーク波長の光の光度を調節できる。
【0021】
例えば、第1、第2、及び第3のLED積層は、それぞれ赤色光、青色光および緑色光を放出できる。
【0022】
ディスプレイ装置は、第1の発光素子および第2の発光素子の側面を覆う光遮断物質をさらに含むことができる。さらに、光遮断物質は、第1の発光素子および第2の発光素子の上面を覆うことができる。
【0023】
一実施例において、第1の発光素子の上面よりも第2の発光素子の上面の方がより高く位置してもよい。別の実施例において、第1の発光素子と第2の発光素子の上面は、実質的に同じ高さに位置してもよい。
【0024】
一方、第1~第3のLED積層は、それぞれ第1の導電型半導体層および第2の導電型半導体層を含むことができ、第2の発光素子は第2および第3のLED積層の第2の導電型半導体層に共通して電気的に連結された共通アノード電極、又は第1の導電型半導体層に共通して電気的に連結された共通カソード電極を含むことができる。
【0025】
共通カソード電極または共通アノード電極を採用することにより、ボンディングパッドの個数を減らすことができる。
【0026】
さらに、第1のLED積層の第1の導電型半導体層または第2の導電型半導体層は、共通アノード電極または共通カソード電極に電気的に連結できる。
【0027】
特定の実施例において、第1の発光素子はトンネル接合を用いて積層された少なくとも二つの活性層を含むことができる。これにより、第1の発光素子の光度を増やすことができる。
【0028】
一実施例において、第2のLED積層の第2の導電型半導体層と第3のLED積層の第2の導電型半導体層は、ボンディングによって互いに電気的に連結できる。
【0029】
一方、回路基板は、ディスプレイされる画面に対して左右方向xおよび上下方向zを有し、第1の発光素子と第2の発光素子は、上下方向に配列されてもよい。これにより、ディスプレイされる画面において左右方向の色ムラを減らすことができる。
【0030】
本開示の一実施例にかかるディスプレイ用発光素子は、第1の導電型半導体層および第2の導電型半導体層を含む下部LED積層;第1の導電型半導体層および第2の導電型半導体層を含み、下部LED積層上に配置された上部LED積層;下部LED積層と上部LED積層をボンディングするボンディング物質層;および下部および上部LED積層の第2の導電型半導体層に共通して電気的に連結された共通アノード電極または下部および上部LED積層の第1の導電型半導体層に共通して電気的に連結された共通カソード電極を含み、単に二つのピーク波長の光のみを放出する。
【0031】
二つのピーク波長の光は、緑色光および青色光になり得る。一実施例において、下部LED積層は緑色光を放出し、上部LED積層は青色光を放出し得、青色光が下部LED積層を通過して外部に放出されてもよい。しかし、別の実施例において、下部LED積層が青色光を放出し、上部LED積層が緑色光を放出する場合もある。
【0032】
一方、ディスプレイ用発光素子は、下部および上部LED積層の第1の導電型半導体層または第2の導電型半導体層にそれぞれ電気的に連結された個別電極をさらに含むことができる。
【0033】
これにより、下部LED積層と上部LED積層は、個別電極および共通電極を用いて独立して駆動することができる。
【0034】
ディスプレイ用発光素子は、下部LED積層の下に位置する基板をさらに含むことができ、基板は下部LED積層の成長基板になり得る。
【0035】
本開示のまた別の実施例にかかるディスプレイ装置は、回路基板および回路基板上に配列された複数のピクセルを含み、ピクセルの少なくとも一つは、第1のピーク波長の光を生成する第1のLED積層;第1のLED積層から横方向に離隔され、第2のピーク波長の光を生成する第2のLED積層;および第2のLED積層上に位置し、第3のピーク波長の光を生成する第3のLED積層を含む。
【0036】
回路基板は、ディスプレイされる画面に対して左右方向xおよび上下方向zを有し、第1のLED積層と第2のLED積層は、上下方向に配列されてもよい。
【0037】
一方、第3のピーク波長は、第2のピーク波長よりも長波長になり得る。
【0038】
以下、図面を参照して本開示の実施例について具体的に説明する。
【0039】
図1は、本開示の実施例にかかるディスプレイ装置を説明するための概略的な斜視図である。
【0040】
本開示の発光素子は、特別限定されるものではないが、特に、スマートウォッチ1000a、VRヘッドセット1000bのようなVRディスプレイ装置、又は拡張現実眼鏡1000cのようなARディスプレイ装置内に使用される。
【0041】
ディスプレイ装置内には、イメージを実現するためのディスプレイパネルが実装される。図2は、本開示の一実施例にかかるディスプレイパネルを説明するための概略的な平面図である。
【0042】
図2を参照すると、ディスプレイパネルは回路基板101及びピクセル100を含む。
【0043】
回路基板101は、パッシブマトリックス駆動またはアクティブマトリックス駆動のための回路を含み得る。一実施例において、回路基板101は内部に配線および抵抗を含むことができる。他の実施例において、回路基板101は配線、トランジスタ及びキャパシタを含むことができる。回路基板101はまた、内部に配置された回路に電気的接続を許容するためのパッドを上面に有していてもよい。
【0044】
複数のピクセル100は、回路基板101上に整列される。それぞれのピクセル100は第1の発光素子100Rおよび第2の発光素子100GBを含むことができる。全てのピクセル100が第1の発光素子100Rおよび第2の発光素子100GBを含んでいてもよいが、本開示はこれに限定されるのではなく、少なくとも一つのピクセル100が第1のおよび第2の発光素子100R,100GBを含む一つの本開示の範囲に属する。
【0045】
第2の発光素子100GBは、第1の発光素子100Rから横方向に離隔される。特に、ディスプレイされる画面を基準に、左右方向xおよび上下方向zを定義すると、第1の発光素子100Rと第2の発光素子100GBは、図2に示したように、上下方向zに配列できる。つまり、第2の発光素子100GBは、第1の発光素子100Rから上下方向に離隔されてもよい。第1の発光素子100Rの下に第2の発光素子100GBが配置されたことを図示したが、これに限定されるのではなく、第1の発光素子100Rが第2の発光素子100GBの下に配置されてもよい。一般に、ディスプレイされる画面を見るとき、上下方向よりも左右方向の色ムラの方がユーザーにより敏感に認識されることがある。よって、第1の発光素子100Rと第2の発光素子100GBを上下方向に配列することにより、左右方向xにおける色ムラの発生を防ぐことができる。
【0046】
第1の発光素子100Rおよび第2の発光素子100GBの具体的な構成について、以下で詳しく説明する。
【0047】
図3Aは、第1の発光素子100Rを説明するための概略的な平面図であり、図3Bは、図3Aの切り取り線A-A’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【0048】
説明の便宜のために、バンプパッド30a,30bが上側に配置されたことを図示および説明するが、発光素子100Rは図2に示したように、回路基板101上にフリップボンディングされ、この場合、バンプパッド30a,30bが第1の発光素子100Rの下側に配置される。さらに、特定の実施例において、バンプパッド30a,30bは省略してもよい。
【0049】
図3Aおよび図3Bを参照すると、第1の発光素子100Rは第1のLED積層23R、オーミック電極25、絶縁層27、コネクタ29a,29bおよびバンプパッド30a,30bを含んでいてもよい。第1のLED積層23Rは、第1の導電型半導体層23a、第2の導電型半導体層23bおよび活性層23cを含む。
【0050】
第1のLED積層23Rは、第1のピーク波長の光を放出する。ここで、第1のピーク波長の光は赤色光になってもよい。そのために、第1のLED積層23RはAlGaInP系列の井戸層を含んでいてもよい。
【0051】
オーミック電極25は、第2の導電型半導体層23bにオーミック接触する。オーミック電極25は、第1のLED積層23で生成された光を反射させる反射金属層を含むことができる。しかし、本開示がこれに限定されるものではなく、オーミック電極25はインジウムスズ酸化物(ITO)等の透明酸化物層や金属層を用いて形成することもできる。オーミック電極25は、第2の導電型半導体層23bのほぼ全面を覆うことができ、よって、第1の発光素子100R内で電流を広く分散させることができる。
【0052】
一方、コネクタ29aは、第1の導電型半導体層23aに電気的に連結できる。コネクタ29aは、第2の導電型半導体層23bおよび活性層23cを貫通する貫通ホールを通じて第1の導電型半導体層23aに接続できるが、これに限定されるのではなく、メサエッチングを通じて露出された第1の導電型半導体層23aに接続することもできる。また、図示してはいないが、第1の導電型半導体層23a上にオーミック電極がさらに形成され、コネクタ29aはオーミック電極に接続することもできる。
【0053】
一方、コネクタ29aは絶縁層27によって第2の導電型半導体層23bおよび活性層23cから絶縁できる。絶縁層27はまた、第2の導電型半導体層23bおよびオーミック電極25を覆うことができる。図示したように、コネクタ29aは、絶縁層27上に相対的に広いパッドを有することができる。
【0054】
コネクタ29bは、オーミック電極25に電気的に接続できる。図示したように、コネクタ29bは絶縁層27を通じてオーミック電極25に接続できる。コネクタ29bは、絶縁層27上に相対的に広いパッドを含み得る。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、コネクタ29bは直接オーミック電極25上に形成されてもよい。
【0055】
一方、バンプパッド30a,30bがそれぞれコネクタ29a,29b上に配置されてもよい。バンプパッド30a,30bは、第1の発光素子100Rを回路基板101上にボンディングする際、ボンディングパッドとして使用できる。別の実施例において、バンプパッド30a,30bが省略され、コネクタ29a,29bがボンディングパッドとして使用されてもよい。
【0056】
本実施例にかかる第1の発光素子100Rは、例えば、GaAs基板のような成長基板上に第1の導電型半導体層23a、活性層23cおよび第2の導電型半導体層23bを成長させた後、オーミック電極25、コネクタ29a,29bおよびバンプパッド30a,30bを形成した後、成長基板を除去して形成できる。よって、第1の発光素子100Rは成長基板を含まない。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、その構造および形状は多様であってもよい。
【0057】
図4A図4Bおよび図4Cは、本開示の多様な実施例にかかる第1の発光素子を説明するための概略的な断面図である。
【0058】
図4Aを参照すると、本実施例にかかる第1の発光素子100R’は、成長基板21を含み得る。成長基板21は、例えば、GaAs基板であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0059】
一方、コネクタおよびバンプパッドは、活性層23cで生成された光が外部に放出されるように成長基板21の上部または下部に形成されてもよい。
【0060】
図4Bを参照すると、本実施例にかかる第1の発光素子100R”は、成長基板21の代わりにウィンドウ層121を含むことに違いがある。例えば、図4Aのように、成長基板21上に第1の導電型半導体層23a、活性層23c、および第2の導電型半導体層23bを成長させた後、第2の導電型半導体層23b上にウィンドウ層121を形成することができ、その後、成長基板21を除去して第1の発光素子100R”を提供することができる。
【0061】
活性層23cで生成された光は、ウィンドウ層121を通じて外部に放出することができ、そのために、コネクタおよびバンプパッドはウィンドウ層121を通じて光が放出されるように、第1の導電型半導体層23aの下部に形成されてもよい。
【0062】
図4Cを参照すると、本実施例にかかる第1の発光素子100R’”は、トンネル接合によって形成された二つの活性層23c,23c’を含む。例えば、成長基板上に順に第1の導電型半導体層23a、活性層23c、第2の導電型半導体層23b、第1の導電型半導体層23a’、活性層23c’および第2の導電型半導体層23b’を成長させて第1のLED積層23R’を形成することができ、第2の導電型半導体層23bと第1の導電型半導体層23a’がトンネル接合層によって接合されてもよい。
【0063】
一方、図4Bを参照して説明したように、ウィンドウ層121が形成され、成長基板は除去されて図4Cの積層構造を有する第1の発光素子100R’”が提供されてもよい。しかし、本開示はこれに限定されるものではなく、ウィンドウ層121を形成せずに成長基板が除去されてもよく、成長基板を除去せず残しておいてもよい。
【0064】
図5Aは、本開示の一実施例にかかる第2の発光素子を説明するための概略的な平面図で、図5Bは、図5Aの切り取り線B-B’に沿って切り取った概略的な断面図である。
【0065】
説明の便宜のために、バンプパッド63a,63b,63cが上側に配置されたことを図示および説明するが、発光素子100GBは図2に示したように、回路基板101上にフリップボンディングされて、この場合、バンプパッド63a,63b,63cが第2の発光素子100GBの下側に配置される。さらに、特定の実施例において、バンプパッド63a,63b,63cは省略することもある。
【0066】
図5Aおよび図5Bを参照すると、第2の発光素子100GBは第2のLED積層33、第3のLED積層43、第2のオーミック電極35、第3のオーミック電極45、n電極パッド47a、下部p電極パッド47b、上部p電極パッド37b、ボンディング層49、下部絶縁層51、側壁絶縁層53、埋立層55a,55b,55c,55d、コネクタ57a,57b,57c、上部絶縁層61およびバンプパッド63a,63b,63cを含むことができる。
【0067】
図5Bに示したように、本開示の実施例において、第2のLED積層33と第3のLED積層43は垂直方向に重ねる。一方、各LED積層33,43は互いに別の成長基板上で成長したものだが、第2のLED積層33が成長した成長基板は第2のLED積層33から分離される。また、基板41は第3のLED積層43を成長するための成長基板になってもよく、第2の発光素子100GB内に残留してもよく、除去されてもよい。
【0068】
第2のLED積層33および第3のLED積層43は、それぞれ第1の導電型半導体層33a、又は43a、第2の導電型半導体層33b、又は43b、およびこれらの間に介在する活性層(図示せず)を含む。活性層は、特に多重量子井戸構造を有してもよい。本明細書において、各LED積層23,33又は43の第1の導電型半導体層23a,33a,43aはn型半導体層で、第2の導電型半導体層23b,33b,43bはp型半導体層である。
【0069】
一実施例において、第2のLED積層33の下に第3のLED積層43が配置される。よって、第2のLED積層33は上部LED積層、第3のLED積層43は下部LED積層と称する場合もある。但し、図2に示したように、第2の発光素子100GBが回路基板101上に実装される場合、第2の発光素子100GBの上下方向が反転する場合があることに注意しなければならない。
【0070】
第2および第3のLED積層33,43で生成された光は、最終的に第3のLED積層43を通じて外部に放出されてもよい。つまり、第3のLED積層43で生成された光は、直接外部に放出され得、第2のLED積層33で生成された光は、第3のLED積層43を通過して外部に放出されてもよい。
【0071】
第2および第3のLED積層33,43は、第1のLED積層23Rから放出される第1のピーク波長の光より短波長の光を放出できる。さらに、一実施例において、第2のLED積層33は第3のLED積層43に比べて長波長である第2のピーク波長の光を放出し、第3のLED積層43は第1のおよび第2のピーク波長に比べて短波長である第3のピーク波長の光を放出できる。例えば、第2のLED積層33は緑色光を発する無機発光ダイオードで、第3のLED積層43は青色光を発する無機発光ダイオードになってもよい。第2のLED積層33は、AlGaInP系列またはAlGaInN系列の井戸層を含んでいてもよく、第3のLED積層43はAlGaInN系列の井戸層を含んでいてもよい。第2のLED積層33が第3のLED積層43に比べて長波長の光を放出するため、第2のLED積層33で生成された光は、第3のLED積層43を透過して外部に放出してもよい。
【0072】
別の実施例において、第2のLED積層33は第3のLED積層43に比べて短波長である第2のピーク波長の光を放出し、第3のLED積層43は第2のピーク波長に比べて長波長である第3のピーク波長の光を放出できる。例えば、第2のLED積層33は青色光を発する無機発光ダイオードで、第3のLED積層43は緑色光を発する無機発光ダイオードになってもよい。第3のLED積層43は、AlGaInP系列またはAlGaInN系列の井戸層を含んでいてもよく、第2のLED積層33はAlGaInN系列の井戸層を含んでいてもよい。第2のLED積層33が第3のLED積層43に比べて短波長の光を放出するため、第2のLED積層33で生成された光の一部が、第3のLED積層43に吸収されて損失されてもよい。
【0073】
一般に、青色光を放出するLEDの外部量子効率は、緑色光を放出するLEDの外部量子効率に比べて相対的に高い。第2のLED積層33が緑色光を放出し、第3のLED積層43が青色光を放出する場合、緑色光と青色光の光度の割合がディスプレイで要求される混合割合を満たすことができない場合がある。例えば、ディスプレイで要求される光度の混合比は、赤色:緑色:青色の光度割合が大体3:6:1付近に決定される。ところが、青色光の光度が高すぎると、この光度混合比を満たし難くなって良好な色のイメージの実現が難しくなる。よって、第2のLED積層33が青色光を放出し、第3のLED積層43が緑色光を放出するように第2の発光素子100GBを形成することにより、青色光の一部が第3のLED積層43によって吸収され損失されるようにすることができ、よって、青色光の光度を減らして、光度混合比を調節できる。
【0074】
さらに、光度混合比を調節するために、第2のLED積層33の発光面積を第3のLED積層43の発光面積よりも小さくすることもできる。
【0075】
一方、本実施例において、第2のLED積層33の上面はp型半導体層33bで、第3のLED積層43の上面はp型半導体層43bである。第2のLED積層33の半導体層を第3のLED積層43の半導体層と同じ順序で配置することにより、工程安定性を確保することができる。第2のLED積層33を第3のLED積層43と同じ順序で積層するために、TBDB(temporary bonding & debonding)技術を用いることができる。
【0076】
第2のLED積層33は、第2の導電型半導体層33bが除去されて第1の導電型半導体層33aの上面を露出させるメサエッチング領域を含むことができる。図5Bに示したように、第2のLED積層33のメサエッチング領域を貫通して埋立層55a,55bが形成され、また、第2のLED積層33のメサエッチング領域上に埋立層55cが形成されてもよい。埋立層の形成のために第2のLED積層33を貫通する貫通ホールが形成できる。貫通ホールは、メサエッチング領域に露出された第1の導電型半導体層33aを貫通するように形成されてもよいが、必ずしもこれに限定されるのではなく、第2の導電型半導体層33bおよび第1の導電型半導体層33aを全て貫通することもできる。
【0077】
第3のLED積層43もまた、第2の導電型半導体層43bが除去されて第1の導電型半導体層43aの上面を露出させるメサエッチング領域を含むことができる。
【0078】
第2の発光素子100GBの側面は、第2のLED積層33において第3のLED積層43に行くほど幅が広くなるように傾斜していてもよく、これにより、第3のLED積層43の発光面積が第2のLED積層33の発光面積よりもさらに大きくなってもよい。第3のLED積層43の上面に対して、第2の発光素子100GBの側面が成す傾斜角は、約75度~90度になってもよい。傾斜角が75度よりも小さいと、第2のLED積層33の発光面積が小さくなりすぎて第2の発光素子100GBの大きさを減らすことが難しい。
【0079】
一方、第2のオーミック電極35は、第2のLED積層33の第2の導電型半導体層33bにオーミック接触する。図示したように、第2のオーミック電極35は第2のLED積層33の上面に接触する。第2のオーミック電極35は、金属層または導電性酸化物層で形成されてもよい。導電性酸化物層の例としては、SnO,InO,ITO,ZnO,IZO等を挙げることができる。第2のオーミック電極35はまた、Al、又はAgのような反射金属層を含んでいてもよい。
【0080】
第3のオーミック電極45は、第3のLED積層43の第2の導電型半導体層43bにオーミック接触する。第3のオーミック電極45は、第2のLED積層33と第3のLED積層43間に位置することができ、第3のLED積層43の上面に接触する。第3のオーミック電極45は、第2のLED積層33から放出される光に対して透明な金属層または導電性酸化物層で形成できる。導電性酸化物層の例としては、SnO,InO,ITO,ZnO,IZO等を挙げることができる。特に、第3のオーミック電極45はZnOで形成できるが、ZnOは第3のLED積層43上に単結晶で形成されてもよいため、金属層や他の導電性酸化物層に比べて電気的および光学的特性に優れる。特に、ZnOは第3のLED積層43に対する接合力が強く、レーザーリフトオフを用いて成長基板を分離しても損傷せず残っている。
【0081】
第3のオーミック電極45は、第3のLED積層43の縁に沿って部分的に除去されてもよく、これにより、第3のオーミック電極45の外側の側面は外部に露出されず、ボンディング層49で覆うことができる。つまり、第3のオーミック電極45の側面は、第3のLED積層43の側面よりも内側にリセスされ、第3のオーミック電極45がリセスされた領域は、ボンディング層49で埋めることができる。一方、第3のLED積層43のメサエッチング領域の近くでも第3のオーミック電極45がリセスされ、リセスされた領域はボンディング層49で埋めることができる。
【0082】
n電極パッド47aは、第3のLED積層43の第1の導電型半導体層43aにオーミック接触する。n電極パッド47aは、第2の導電型半導体層43bを通じて露出された第1の導電型半導体層43a上に、つまり、メサエッチング領域に配置されてもよい。n電極パッド47aは、例えば、Cr/Au/Tiで形成することができる。n電極パッド47aの上面は、第2の導電型半導体層43bの上面、さらに、第3のオーミック電極45の上面よりも高くなってもよい。例えば、n電極パッド47aの厚さは、約2μm以上になってもよい。n電極パッド47aは、円錐台形状になってもよいが、これに限定されるものではなく、四角錐台、円筒形、四角筒形等の多様な形状を有することができる。別の実施例において、n電極パッド47aは省略されてもよい。
【0083】
下部p電極パッド47bは、n電極パッド47aと同じ材料で形成することができる。但し、下部p電極パッド47bの上面は、n電極パッド47aと同じ高さに位置させることができ、よって、下部p電極パッド47bの厚さはn電極パッド47aよりも小さくなってもよい。つまり、下部p電極パッド47bの厚さは、第2のオーミック電極45上に突出したn電極パッド47a部分の厚さと大体同じになってもよい。例えば、下部p電極パッド47bの厚さは、約1.2μm以下になってもよい。下部p電極パッド47bの上面がn電極パッド47aの上面と同じ高さに位置するようにさせることにより、第2のLED積層33を貫通する貫通ホールを形成する際、下部p電極パッド47bとn電極パッド47aが同時に露出するようにできる。n電極パッド47aと下部p電極パッド47bの高さが異なる場合、いずれかの電極パッドがエッチング工程で大きく損傷する可能性がある。よって、n電極パッド47aと下部p電極パッド47bの高さを大体同じに合わせることにより、いずれかの電極パッドが大きく損傷することを防ぐことができる。
【0084】
ボンディング層49は、第2のLED積層33を第3のLED積層43に結合する。ボンディング層49は、第1の導電型半導体層33aと第3のオーミック電極45の間でこれらを結合させることができる。ボンディング層49は、第2の導電型半導体層43bに部分的に接してもよく、メサエッチング領域に露出された第1の導電型半導体層43aに部分的に接してもよい。さらに、ボンディング層49は、n電極パッド47a及び下部p電極パッド47bを覆うことができる。
【0085】
ボンディング層49は、透明有機物層で形成されたり、透明無機物層で形成されてもよい。有機物層は、SU8、ポリメチルメタアクリレート(poly(methylmethacrylate):PMMA)、ポリイミド、パリレン、ベンゾシクロブテン(Benzocyclobutene:BCB)等を例として挙げることができ、無機物層は、Al、SiO、SiNx等を例として挙げることができる。また、ボンディング層49はスピン-オン-ガラス(SOG)で形成することもできる。
【0086】
上部p電極パッド37bは、第2のオーミック電極35上に配置されてもよい。図5Bに示したように、上部p電極パッド37bは下部絶縁層51によって覆われ得る。上部p電極パッド37bは、例えば、Ni/Au/Tiで形成することができ、約2μmの厚さに形成できる。
【0087】
下部絶縁層51は、第2のLED積層33上に形成され、第2のオーミック電極35を覆う。下部絶縁層51はまた、第2のLED積層33のメサエッチング領域を覆って平坦な上部面を提供することができる。下部絶縁層51は、例えば、SiOで形成できる。
【0088】
下部絶縁層51を貫通する貫通ホールが形成され、貫通ホール内に埋立層55a,55b,55c,55dが形成されてもよい。少なくとも二つの貫通ホールが、下部絶縁層51、第2のLED積層33およびボンディング層49を貫通して、それぞれn電極パッド47aおよび下部p電極パッド47bを露出させる。また、少なくとも一つの貫通ホールは、第2のLED積層33の第1の導電型半導体層33aを露出させる。さらに、少なくとも一つの貫通ホールは、上部p電極パッド37bを露出させる。
【0089】
側壁絶縁層53は、貫通ホールの側壁を覆い、貫通ホールの底を露出させる開口部を有する。側壁絶縁層53は、例えば、化学蒸着技術または原子層蒸着技術を用いて形成することができ、例えば、Al、SiO、Si等で形成できる。一部の貫通ホール内の側壁絶縁層53は、省略されてもよい。特に、n電極パッド47aを露出させる貫通ホール内の側壁絶縁層53や、第1の導電型半導体層33aを露出させる貫通ホール内の側壁絶縁層、又は上部p電極パッド37bを露出させる貫通ホール内の側壁絶縁層53は省略されてもよい。
【0090】
埋立層55a,55b,55c,55dは、それぞれ貫通ホールを埋めることができる。埋立層55bは、側壁絶縁層53によって第2のLED積層33から絶縁される。
【0091】
埋立層55aは、n電極パッド47aに電気的に接続され、埋立層55bは下部p電極パッド47bに電気的に接続され、埋立層55cは第2のLED積層33の第1の導電型半導体層33aに電気的に接続されてもよい。また、埋立層55dは上部p電極パッド37bに電気的に接続されてもよい。
【0092】
埋立層55a,55b,55c,55dは、化学機械研磨技術を用いて形成できる。例えば、シード層を形成し、めっき技術を用いて貫通ホールを埋めた後、化学機械研磨技術を用いて下部絶縁層51上の金属層を除去することにより、埋立層55a,55b,55c,55dが形成できる。さらに、シード層を形成する前に金属バリア層が形成されてもよい。
【0093】
埋立層55a,55b,55c,55dは、同じ工程を通じて一緒に形成できる。これにより、埋立層55a,55b,55c,55dは、上面が下部絶縁層51と大体並び得る。しかし、本開示が本実施例に限定されるのではなく、埋立層55a,55b,55c,55dが互いに異なる工程を通じて形成することもできる。
【0094】
コネクタ57a,57b,57cは、下部絶縁層51上に形成される。共通コネクタ57cは、埋立層55aおよび埋立層55cに共通して接続され、コネクタ57aは埋立層55bに接続され、コネクタ57bは埋立層55dに接続されてもよい。
【0095】
共通コネクタ57cおよび埋立層55a,55cによって第2のLED積層33の第1の導電型半導体層33aおよび第3のLED積層43の第1の導電型半導体層43aが互いに電気的に連結される。一方、コネクタ57a,57bは、互いに電気的に離隔され、それぞれ第2の導電型半導体層33b,43bに電気的に連結される。
【0096】
コネクタ57a,57b,57cは、同一工程で同一材料によって形成され得、例えば、Ni/Au/Tiの多層構造で形成できる。
【0097】
上部絶縁層61は、下部絶縁層51を覆い、コネクタ57a,57b,57cを覆う。上部絶縁層61はまた、第2および第3のLED積層33,43の側面を覆うことができる。上部絶縁層61は、コネクタ57a,57b,57cを露出させる開口部を有してもよい。上部絶縁層61は、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜で形成でき、例えば、約400nmの厚さに形成できる。
【0098】
バンプパッド63a,63b,63cは、それぞれ上部絶縁層61の開口部内でコネクタ57a,57b,57c上に配置されてこれらに電気的に接続できる。
【0099】
第1のバンプパッド63aは、上部コネクタ57a、埋立層55b、下部p電極パッド47bおよび第3のオーミック電極45を通じて、第3のLED積層43の第2の導電型半導体層43bに電気的に接続できる。第2のバンプパッド63bは、コネクタ57b、埋立層55d、および第2のオーミック電極35を通じて第2のLED積層33の第2の導電型半導体層33bに電気的に接続できる。
【0100】
共通バンプパッド63cは、共通コネクタ57c、埋立層55a,55c、下部n電極パッド47aを第2および第3のLED積層33,43の第1の導電型半導体層33a,43aに共通して電気的に接続できる。
【0101】
つまり、第1および第2のバンプパッド63a,63bは、それぞれ第2および第3のLED積層33,43の第2の導電型半導体層33b,43bに電気的に接続され、共通バンプパッド63cは第2および第3のLED積層33,43の第1の導電型半導体層33a,43aに共通して電気的に接続される。
【0102】
バンプパッド63a,63b,63cは、上部絶縁層61の開口部内に配置することができ、バンプパッドの上面は平坦な面になり得る。バンプパッド63a,63b,63cは、コネクタ57a,57b,57cの平坦な面上に位置してもよい。バンプパッド63a,63b,63cは、Au/Inで形成され得、例えばAuは3μmの厚さに形成され、Inは約1μmの厚さに形成できる。第2の発光素子100GBは、Inを用いて回路基板101上のパッドにボンディングされてもよい。本実施例において、Inを用いてバンプパッドをボンディングすることについて説明するが、Inに限定されるのではなく、PbまたはAuSnを用いてボンディングされてもよい。
【0103】
本実施例によると、第1のLED積層23はバンプパッド30a,30bに電気的に連結され、第2のLED積層33はバンプパッド63b,63cに電気的に連結され、第3のLED積層43はバンプパッド63a,63cに電気的に連結され、よって、第1~第3のLED積層23,33,43を独立して駆動することができる。
【0104】
一方、本実施例において、第2の発光素子100GBは第2のLED積層33および第3のLED積層43の第1の導電型半導体層33a,43aが共通して電気的に連結されたものであり、共通カソード電極および個別アノード電極を含む。さらに、第1の発光素子100Rの第1の導電型半導体層23aが回路基板101を通じて共通カソード電極に電気的に連結されてもよい。共通カソード電極を採用する場合、第1の発光素子100Rと第2の発光素子100GBを互いに別の駆動電源を用いて駆動できる。よって、第1の発光素子100Rは第2の発光素子100GBから電気的に離隔されることもある。
【0105】
しかし、本開示がこれに限定されるものではなく、第2の発光素子100GBは共通アノード電極および個別カソード電極を含んでもよく、第1の発光素子100Rの第2の導電型半導体層23bが回路基板101を通じて共通アノード電極に電気的に連結されてもよい。
【0106】
本実施例において、バンプパッド63a,63b,63cが形成されたことを例に挙げて説明するが、バンプパッドは省略することもある。特に、異方性伝導性フィルムや異方性伝導性ペースト等を用いて第2の発光素子100GBを回路基板101にボンディングする場合、バンプパッドが省略され、コネクタ57a,57b,57cが直接ボンディングされる場合もある。これにより、ボンディング面積を増やすことができる。
【0107】
図6Aおよび図6Bは、本開示の多様な実施例にかかる第2の発光素子を説明するための概略的な断面図である。
【0108】
図6Aを参照すると、本実施例にかかる第2の発光素子100GB’は、図5Aおよび図5Bを参照して説明した第2の発光素子100GBと大体似ているが、第2のLED積層33の順序が変わっていることに違いがある。つまり、第2のオーミック電極35が第3のLED積層43に向くように配置され、第1の導電型半導体層33aが第2の導電型半導体層33b上に位置する。
【0109】
第2の発光素子100GB’は、TBDB工程を用いず、成長基板上に形成された第2のLED積層33を第3のLED積層43と向かい合うようにボンディング層149を用いてボンディングした後、第2のLED積層33から成長基板を除去して形成できる。
【0110】
その後、共通カソード電極または共通アノード電極を有するように第2のLED積層33および第3のLED積層43に接続する電極が形成されてもよい。
【0111】
本実施例において、第2のオーミック電極35と第3のオーミック電極45が互いにボンディング層149によってボンディングされる。本実施例において、ボンディング層149は、上で説明したボンディング層49と同じ物質になり得る。
【0112】
一方、第2のオーミック電極35が第2のLED積層33で生成された光の進行経路上に配置されるため、第2のLED積層33で生成された光を透過させる透明酸化物層または金属層で形成される必要がある。
【0113】
図6Bを参照すると、本実施例にかかる第2の発光素子100GB”は、第2のLED積層33と第3のLED積層43が導電物質層50によってボンディングされる。導電物質層50は、透明酸化物層または金属層になってもよい。例えば、導電物質層50はインジウムスズ酸化物(ITO)層になってもよく、よって、第2の導電型半導体層33b,43bが互いに電気的に連結されてもよい。
【0114】
本実施例において、埋立層155cおよび共通コネクタ157cは、導電物質層50に電気的に連結され得、よって、共通アノード電極が提供できる。一方、埋立層155aおよびコネクタ157aは、第3のLED積層43の第1の導電型半導体層43aに電気的に連結され、埋立層155bおよびコネクタ157bは、第2のLED積層33の第1の導電型半導体層33aに電気的に連結される。
【0115】
図7は、本開示のまた別の実施例にかかるディスプレイパネルを説明するための概略的な断面図である。
【0116】
図7を参照すると、本実施例にかかるディスプレイパネルは、図2を参照して説明したディスプレイパネルと似ており、但し、光遮断物質200をさらに含むことに違いがある。
【0117】
回路基板101は、表面に露出したパッド103を含むことができ、第1の発光素子100Rおよび第2の発光素子100GBは、バンプパッド30,63を用いてパッド103にボンディングすることができる。
【0118】
上で説明したように、第1の発光素子100Rは二つのバンプパッド30を含み、第2の発光素子100GBは三つのバンプパッド63を含むことができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。また、バンプパッド63以外にコネクタ29a,29b,57a,57b,57cがパッド103にボンディングされてもよい。
【0119】
一方、第1の発光素子100Rがボンディングされるパッドと第2の発光素子100GBがボンディングされるパッドが、相互分離されていることを図示したが、第1の発光素子100Rがボンディングされるパッドの一つと、第2の発光素子100GBがボンディングされるパッドの一つは、互いに連結することもできる。これにより、第1の発光素子100Rと第2の発光素子100GBが共通カソードまたは共通アノード構造で連結できる。
【0120】
一方、図7に示したように、回路基板101上に配置された第1の発光素子100Rおよび第2の発光素子100GBは、その上面が実質的に同じ高さに位置してもよい。よって、第1の発光素子100Rを通じて放出される第1のピーク波長の光および第2の発光素子100GBを通じて放出される第2および第3のピーク波長の光が互いに同じ高さで外部に放出されてもよい。
【0121】
一方、光遮断物質200は、第1の発光素子100Rおよび第2の発光素子100GBの側面を覆う。光遮断物質200は、第1の発光素子100Rおよび第2の発光素子100GBの側面に放出される光を遮断して発光素子間の干渉を防止する。光遮断物質200はまた、図7に示したように、第1の発光素子100Rおよび第2の発光素子100GBの上面を覆うこともできる。また、第1の発光素子100Rおよび第2の発光素子100GBの上面を覆う光遮断物質200の厚さは制限され、よって、第1のおよび第2の発光素子100G,100GBから放出される光は、光遮断物質を通過して外部に放出されてもよい。
【0122】
光遮断物質200は、光反射物質または光吸収物質で形成できる。例えば、光遮断物質200は黒色エポキシモールディング材になり得る。
【0123】
本実施例において、第1の発光素子100Rと第2の発光素子100GBの上面が同じ高さに配置されたことを図示および説明したが、本開示がこれに限定されるものではない。例えば、第2の発光素子100GBの上面は第1の発光素子100Rの上面よりもさらに高く位置することができる。これにより、第1の発光素子100Rを先に実装してから第2の発光素子100GBを実装すると、第1の発光素子100Rの損傷を防ぐことができる。
【0124】
以上で、本開示の多様な実施例について説明したが、本開示はこれら実施例に限定されるものではない。また、一つの実施例について説明した事項や構成要素は、本開示の技術的思想から外れない限り、別の実施例にも適用できる。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図7