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特許7576615ハンドセット内への流体侵入を軽減する機構を備える制御ハンドセット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】ハンドセット内への流体侵入を軽減する機構を備える制御ハンドセット
(51)【国際特許分類】
   H01H 9/04 20060101AFI20241024BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
H01H9/04 D
H05K5/02 L
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022520102
(86)(22)【出願日】2020-09-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-05
(86)【国際出願番号】 US2020053408
(87)【国際公開番号】W WO2021067359
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2023-07-24
(31)【優先権主張番号】62/907,972
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/036,723
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】エイドリアン リディック
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル シュイナード
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-140671(JP,A)
【文献】特開2001-88820(JP,A)
【文献】実開昭63-179627(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/04
H01H 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御ハンドセットであって、
互いに係合して筐体を形成するように構成された頂部セクション及び底部セクションを備え、
前記頂部セクション及び前記底部セクションのそれぞれは、形成されると該制御ハンドセットの前記筐体内に入る突出部を有し、
前記突出部のうちの少なくともいくつかは、該制御ハンドセットの前記筐体内の1つ以上の内部チャンバーを画定するように整列するように構成され、
1つ以上の内部チャンバーは、少なくとも部分的に前記頂部セクションを通って該制御ハンドセットの外部に延在する入力部材を収容するように構成された少なくとも1つの内部チャンバーを含み、前記入力部材は、ユーザーによるインタラクションに応じて前記入力部材の動作に基づいてユーザー入力を容易にするように構成されており、
前記1つ以上の内部チャンバーは少なくとも1つの他の内部チャンバーを含み、前記少なくとも1つの他の内部チャンバーは前記入力部材の動作を可能にするかまたは容易にするように構成された機構を収容するように構成され、
該制御ハンドセットは、前記入力部材に対応する開口を介した前記筐体内への流体侵入を軽減する1つ以上の軽減機構を備える又は組み込む、制御ハンドセット。
【請求項2】
前記入力部材は、回転式入力部材を含む、請求項1に記載の制御ハンドセット。
【請求項3】
前記1つ以上の軽減機構は、前記頂部セクション及び前記底部セクションの一方又は双方に組み込まれた被覆係合要素を含む、請求項1に記載の制御ハンドセット。
【請求項4】
前記被覆係合要素の少なくとも一部は、前記頂部セクション及び前記底部セクションのうちの一方の外縁部又は突出部の少なくとも一部に組み込まれ、前記頂部セクション及び前記底部セクションのうちの他方の外縁部又は突出部の少なくとも対応する部分に重なるように構成される、請求項3に記載の制御ハンドセット。
【請求項5】
前記被覆係合要素の少なくとも一部は、前記制御ハンドセット内の前記入力部材に対する前記少なくとも1つの内部チャンバーを被覆するように構成される、請求項3に記載の制御ハンドセット。
【請求項6】
前記1つ以上の軽減機構は、前記頂部セクションと前記底部セクションとの間の接触面の少なくとも一部に組み込まれたシールを含む、請求項1に記載の制御ハンドセット。
【請求項7】
前記接触面の前記一部は、前記制御ハンドセット内の前記入力部材に対する前記少なくとも1つの内部チャンバーと、前記制御ハンドセット内の前記1つ以上の内部チャンバーのうちの少なくとも別の1つとの間の壁を含む、請求項6に記載の制御ハンドセット。
【請求項8】
前記1つ以上の軽減機構は、前記底部セクションに組み込まれ、重力によって流体の流れを可能にする1つ以上の穴を含む、請求項1に記載の制御ハンドセット。
【請求項9】
前記1つ以上の穴のうちの少なくとも1つは、前記制御ハンドセット内の前記入力部材に対する前記少なくとも1つの内部チャンバーに対応する前記底部セクションの一部にある、請求項8に記載の制御ハンドセット。
【請求項10】
前記頂部セクションは、前記制御ハンドセットの内部に延在しない1つ以上の他の入力部材を実装する画定された領域を有する、請求項1に記載の制御ハンドセット。
【請求項11】
前記制御ハンドセットは、前記1つ以上の他の入力部材を実装する前記画定された領域に付加されたエラストマー被覆材を備える、請求項10に記載の制御ハンドセット。
【請求項12】
前記1つ以上の軽減機構は、シール面と、該シール面と嵌合するように構成された対応する嵌合ガスケットとを含む、請求項1に記載の制御ハンドセット。
【請求項13】
制御ハンドセットであって、
筐体と、
前記筐体の第1の内部チャンバー内の入力デバイスであって、該入力デバイスの少なくとも一部は、該制御ハンドセットの側部の開口を通って該制御ハンドセットの外部に延在し、ユーザーによるインタラクションに応じて前記入力デバイスの動作に基づいてユーザー入力を容易にするように構成された、入力デバイスと、
第2の内部チャンバー内の動作機構であって、前記入力デバイスの動作を可能にするかまたは容易にするように構成された、動作機構と、
前記入力デバイスを介した入力を表す制御信号を生成するように構成された回路部であって、前記筐体の前記第1の内部チャンバーとは物理的に分離した第の内部チャンバー内に位置する、回路部と、
を備え、
前記制御ハンドセットは、前記開口から侵入した流体を排出するために、前記開口が配置された前記制御ハンドセットの前記側部とは反対側に1つ以上の反対側の開口を備え、
該制御ハンドセットは、少なくとも前記開口を介した前記筐体内への流体侵入を軽減する1つ以上の軽減機構を備える又は組み込む、制御ハンドセット。
【請求項14】
前記1つ以上の軽減機構は、前記制御ハンドセットの少なくとも1つの他の側部に、前記第1の内部チャンバー内の流体を前記筐体から排出することを可能にするように構成された1つ以上の開口を有する、請求項13に記載の制御ハンドセット。
【請求項15】
前記1つ以上の軽減機構は、前記制御ハンドセットの外側部、又は、前記制御ハンドセット内の内部チャンバーと前記制御ハンドセット内の少なくとも1つの他の内部チャンバーとの間の壁の一方若しくは双方の少なくとも一部に組み込まれた被覆係合要素を含む、請求項13に記載の制御ハンドセット。
【請求項16】
前記1つ以上の軽減機構は、少なくとも、前記制御ハンドセット内の内部チャンバーと、前記制御ハンドセット内の少なくとも1つの他の内部チャンバーとの間の壁に組み込まれたシールを含む、請求項13に記載の制御ハンドセット。
【請求項17】
前記1つ以上の軽減機構は、シール面と、該シール面と嵌合するように構成された対応する嵌合ガスケットとを含む、請求項13に記載の制御ハンドセット。
【請求項18】
前記入力デバイスは、回転式入力部材を含む、請求項13に記載の制御ハンドセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本特許出願は、2019年9月30日に出願された米国仮特許出願第62/907,972号、及び2020年9月29日に出願された米国特許出願第17/036,723号を援用し、それらの出願に対する優先権を主張するとともに、その利益を主張する。上記に示した出願は、本明細書に引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。
【0002】
本開示は、包括的には、機械試験に関し、より詳細には、流体侵入が軽減された試験デバイスのハンドセットに関する。従来の手法の更なる制限及び不利点が、そのような手法を、図面を参照して本開示の残りの部分において記載されている本方法及びシステムのいくつかの態様と比較すると、当業者には自明となるであろう。
【発明の概要】
【0003】
本開示の態様は、試験解決策及びそれと併せて使用されるシステムに関する。より具体的には、本開示に係る種々の実施態様は、実質的に、図面のうちの少なくとも1つによって例示されるか又は図面のうちの少なくとも1つに関連して記載され、特許請求の範囲においてより完全に記載されるような、流体侵入が軽減された試験デバイスのハンドセットに関する方法及びシステムに関する。
【0004】
本開示のこれらの利点、態様及び新規の特徴、並びに他の利点、態様及び新規の特徴は、それらの図示される実施態様の詳細とともに、以下の説明及び図面からより十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】機械試験を実行する一例示の試験デバイスの図である。
図2図1の試験デバイスの一例示の実施態様のブロック図である。
図3】本開示の態様に係る、流体侵入を軽減する手段を組み込む一例示のハンドセットの図である。
図4】ハンドセット内に組み込まれた流体侵入を軽減する手段のうちのいくつかを示す、図3のハンドセットの断面図である。
図5】ハンドセット内に組み込まれた流体侵入を軽減する手段のうちのいくつかを示す、図3のハンドセットの別の断面図である。
図6】代替的な設計に係る、ハンドセット内に組み込まれた流体侵入を軽減する手段を示す、図3のハンドセットの断面図である。
図7図6に示されている代替的な設計に係る、ハンドセット内に組み込まれた流体侵入を軽減する手段のうちのいくつかを示す、図3のハンドセットの別の断面図である。
図8】流体侵入を軽減するガスケットに基づく機構を組み込むハンドセットの頂部セクション及び底部セクションの図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示に係る種々の実施態様は、特に、流体侵入が軽減されたハンドセットを備える試験設備を実施及び操作することによって、破壊試験及び非破壊試験(NDT:non-destructive testing)検査を含む、向上及び最適化された試験解決策を提供することに関する。
【0007】
本明細書において使用される場合、「回路」及び「回路部」という用語は、物理的な電子コンポーネント(例えば、ハードウェア)と、ハードウェアを構成することができ、ハードウェアが実行することができ、及び/又は他の方法でハードウェアに関連付けることができる、任意のソフトウェア及び/又はファームウェア(「コード」)とを指す。本明細書において使用される場合、例えば、特定のプロセッサ及びメモリ(例えば、揮発性又は不揮発性メモリデバイス、汎用コンピューター可読媒体等)は、第1の1つ以上のコードラインを実行するときに第1の「回路」を備え、第2の1つ以上のコードラインを実行するときに第2の「回路」を備えることができる。さらに、回路は、アナログ及び/又はデジタル回路部を含むことができる。そのような回路部は、例えば、アナログ及び/又はデジタル信号に対し動作することができる。回路は、単一のデバイス又はチップ内、単一のマザーボード上、単一のシャーシ内、単一の地理的ロケーションにおける複数の筐体内、複数の地理的ロケーションにわたって分散された複数の筐体内等にあり得ることが理解されるべきである。同様に、「モジュール」という用語は、例えば、物理的な電子コンポーネント(例えば、ハードウェア)と、ハードウェアを構成することができ、ハードウェアが実行することができ、及び/又は他の方法でハードウェアに関連付けることができる、任意のソフトウェア及び/又はファームウェア(「コード」)とを指すことができる。
【0008】
本明細書において使用される場合、回路部又はモジュールは、或る機能を実施するために必要なハードウェア及びコード(いずれかが必要である場合)を含む場合はいつでも、その機能の実施が(例えば、ユーザーが構成可能な設定、工場トリム等により)無効にされる又は有効にされていないか否かに関わりなく、回路部又はモジュールはその機能を実行するように「動作可能」である。
【0009】
本明細書において使用される場合、「及び/又は」は、「及び/又は」によって連結されるリストにおける項目のうちの任意の1つ以上の項目を意味する。一例として、「x及び/又はy」は、3つの要素の組{(x),(y),(x,y)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x及び/又はy」は、「x及びyのうちの一方又は両方」を意味する。別の例として、「x、y及び/又はz」は、7つの要素の組{(x),(y),(z),(x,y),(x,z),(y,z),(x,y,z)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x、y及び/又はz」は、「x、y及びzのうちの1つ以上」を意味する。本明細書において使用される場合、「例示的な」という用語は、非限定的な例、事例又は例証としての役割を果たすことを意味する。本明細書において使用される場合、「例えば」という用語は、1つ以上の非限定的な例、事例又は例証のリストを開始する。
【0010】
本明細書において用いられる場合、「軽減」という用語は、流体侵入に関連して用いられるとき、流体侵入の低減及び/又は抑制、及び/又は、流体侵入によって生じる損害の低減若しくは防止のことを指す。
【0011】
図1は、機械試験を実行する一例示の試験デバイスである。図1には、機械特性試験を実行するように構成することができる一例示の試験デバイス100が示されている。
【0012】
例示の試験デバイス100は、例えば、静的機械試験が可能である一般的な試験システムとすることができる。試験デバイス100は、例えば、圧縮強さ試験、引張強さ試験、剪断強さ試験、曲げ強さ試験、撓み強さ試験、引裂強さ試験、剥離強さ試験(例えば、接着剤結合の強さ)、及び/又は他の任意の圧縮、引張、捻り、熱及び/又は衝撃試験を実行することができる。加えて又は代替的に、試験デバイス100は、動的試験を実行することができる。
【0013】
例示の試験デバイス100は、試験装置102と、試験装置102に通信可能に結合されたコンピューティングデバイス104とを備える。試験装置102は、試験対象の材料106に負荷を印加し、試験対象の材料106の変位及び/又は試験対象の材料106に印加された力等の試験の機械特性を測定する。
【0014】
例示のコンピューティングデバイス104は、処理、表示、報告、及び/又は他の任意の所望の目的のために、試験装置102を構成する、試験装置102を制御する、及び/又は試験装置102からの測定結果を受信するのに用いることができる。
【0015】
いくつかの実施態様において、ハンドセット120は、試験デバイス100の動作と連携して用いることができる。これに関して、ハンドセット120は、試験デバイス100のオペレーターが、試験デバイス100の操作中に、例えば、コンピューティングデバイス104と直接インタラクトする必要なく、入力を提供することが可能であるように構成することができる。ただし、ハンドセットの使用にはいくつかの難点が課され得る。
【0016】
例えば、ハンドセット(例えば、ハンドセット120)は、ハンドセット120、特にハンドセット120の内部構成要素(例えば、ハンドセットの構成要素に対応する回路部、ハードウェア、例えば、ボタン又は他の入力部品等)に損傷を与え得る試験環境における条件に影響を受けやすい場合がある。特に、試験環境内に存在し得る流体又は液体(例えば、水)によって、流体がハンドセット120の内部に入り、ハンドセットの内部構成要素を損傷するか又は別様に劣化させる可能性があり得るというリスクが課される場合がある。
【0017】
本開示に係る実施態様は、試験環境におけるハンドセットの使用に課されるそのようなリスクを軽減する解決策を組み込んでいる。特に、本開示に係る種々の実施態様において、試験構成において用いられるように構成されたハンドセットは、試験環境内に流体が存在するという条件によって課されるリスクを軽減し、特にそれをコスト効果的に行う最適化された手段を組み込んでいる。例示のハンドセットを以下に記載する。
【0018】
図2は、図1の試験デバイスの一例示の実施態様のブロック図である。図2には、図1の試験デバイス100を実装するのに用いることができる一例示のコンピューティングシステム200のブロック図が示されている。
【0019】
例示の試験デバイス100は、試験装置102と、コンピューティングデバイス104とを備える。例示のコンピューティングデバイス104は、汎用コンピューター、ラップトップコンピューター、タブレットコンピューター、モバイルデバイス、サーバー、オールインワンコンピューター、及び/又は他の任意のタイプのコンピューティングデバイスとすることができる。
【0020】
図2の例示のコンピューティングシステム200は、プロセッサ202を備える。例示のプロセッサ202は、任意の製造者からの任意の汎用中央処理装置(CPU)とすることができる。他のいくつかの例では、プロセッサ202は、ARMコアを有するRISCプロセッサ、画像処理装置、デジタル信号プロセッサ、及び/又はシステムオンチップ(SoC)等の1つ以上の専用処理装置を含むことができる。プロセッサ202は、プロセッサにおいて(例えば、内蔵キャッシュ又はSoC)、ランダムアクセスメモリ206(又は他の揮発性メモリ)、リードオンリーメモリ208(又はフラッシュメモリ等の他の不揮発性メモリ)、及び/又はマスストレージデバイス210にローカルに記憶することができる機械可読命令204を実行する。例示のマスストレージデバイス210は、ハードドライブ、ソリッドステートストレージドライブ、ハイブリッドドライブ、RAIDアレイ、及び/又は他の任意のマスデータストレージデバイスとすることができる。
【0021】
バス212は、プロセッサ202、RAM206、ROM208、マスストレージデバイス210、ネットワークインターフェース214、及び/又は入力/出力インターフェース216間の通信を可能にする。
【0022】
例示のネットワークインターフェース214は、コンピューティングシステム200を、インターネット等の通信ネットワーク218に接続するハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含む。例えば、ネットワークインターフェース214は、通信を送信及び/又は受信するために、IEEE 802.X準拠無線及び/又は有線通信ハードウェアを含むことができる。
【0023】
図2の例示のI/Oインターフェース216は、プロセッサ202に入力を提供する及び/又はプロセッサ202から出力を提供するために、1つ以上の入力/出力デバイス220をプロセッサ202に接続するハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含む。例えば、I/Oインターフェース216は、ディスプレイデバイスとインターフェース接続する画像処理装置、1つ以上のUSB準拠デバイスとインターフェース接続するユニバーサルシリアルバスポート、FireWire(登録商標)、フィールドバス、及び/又は他の任意のタイプのインターフェースを含むことができる。例示の試験デバイス100は、I/Oインターフェース216に結合されたディスプレイデバイス224(例えば、LCDスクリーン)を備える。他の例示のI/Oデバイス(複数の場合もある)220は、キーボード、キーパッド、マウス、トラックボール、ポインティングデバイス、マイクロフォン、オーディオスピーカー、ディスプレイデバイス、光メディアドライブ、マルチタッチタッチスクリーン、ジェスチャー認識インターフェース、磁気メディアドライブ、及び/又は他の任意のタイプの入力及び/又は出力デバイスを含むことができる。
【0024】
例示のコンピューティングシステム200は、I/Oインターフェース216及び/又はI/Oデバイス(複数の場合もある)220を介して非一時的機械可読媒体222にアクセスすることができる。図2の機械可読媒体222の例は、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイル/ビデオディスク(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク等)、磁気メディア(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク)、ポータブル記憶媒体(例えば、ポータブルフラッシュドライブ、セキュアデジタル(SD)カード等)、及び/又は他の任意のタイプの取り外し可能及び/又は設置式機械可読媒体を含む。
【0025】
図1の例示の試験デバイス100は、コンピューティングシステム200に結合された試験装置102を更に含む。図2の例では、試験装置102は、USBポート、Thunderbolt(登録商標)ポート、FireWire(登録商標)(IEEE 1394)ポート、及び/又は他の任意のタイプのシリアル又はパラレルデータポート等のI/Oインターフェース216を介して、コンピューティングデバイスに結合される。他のいくつかの例では、試験装置102は、直接又はネットワーク218を介して、有線又は無線接続を介してネットワークインターフェース214に結合される。
【0026】
図2の試験装置102は、フレーム228と、ロードセル230と、変位トランスデューサー232と、クロスメンバーローダー(cross-member loader)234と、材料固定具236と、コントローラー238とを備える。試験装置102は、試験装置102が実行することが可能である機械試験のタイプ(複数の場合もある)に基づいて、任意の数の他のトランスデューサーを含むことができる。他の試験装置は、動的試験装置とする、及び/又は試験データを生成する適切なトランスデューサーを含みながら、異なる試験機器を含むことができ、当該他の試験装置は、コンピューティングデバイス104を介して制御することができる。
【0027】
フレーム228は、試験を実行する試験装置102の他の構成部材のための剛性構造支持を提供する。ロードセル230は、材料固定具236を介してクロスメンバーローダー234によって試験対象の材料に印加される力を測定する。クロスメンバーローダー234は、材料固定具236(例えば、グリップ又は同様なもの)が試験対象の材料を把持するか、又は別の方法で試験対象の材料をクロスメンバーローダー234に結合している間、試験対象の材料に力を印加する。例示の材料固定具236は、試験されている機械特性及び/又は試験対象の材料に依存して、顎部、ジグ、アンビル、圧縮プラテン、又は他のタイプの固定具を含む。
【0028】
例示のコントローラー238は、コンピューティングデバイス104と通信して、例えば、コンピューティングデバイス104から試験パラメーターを受信し、測定値及び/又は他の結果をコンピューティングデバイス104に報告する。例えば、コントローラー238は、コンピューティングデバイス104との通信を可能にする1つ以上の通信又はI/Oインターフェースを含むことができる。コントローラー238は、印加される力を増減させるようにクロスメンバーローダー234を制御し、試験対象の材料を把持又は解放するように固定具(複数の場合もある)236を制御し、及び/又は変位トランスデューサー232、ロードセル230及び/又は他のトランスデューサー(複数の場合もある)から測定値を受信することができる。
【0029】
図3は、本開示の態様に係る、流体侵入を軽減する手段を組み込む一例示のハンドセット300を示している。図3には、ハンドセット300が示されている。
【0030】
ハンドセット300は、特定のシステム(又はデバイス)と連携して使用され、例えば、システムのオペレーターがシステムの動作のうちの少なくともいくつかを制御することを可能にするように構成することができる。ハンドセット300は、例えば、試験デバイス100の動作と連携して使用されるように構成された図1のハンドセット120に対応することができる。
【0031】
これに関して、ハンドセット300は、入力部品又は入力部材を備えることができ、オペレーターは、この入力部品又は入力部材を用いて入力を提供することができ、この入力は、ハンドセット300と連携して用いられるシステムに印加される。例えば、図3に示されているように、ハンドセット300は、ホイール(又はホイール様の)入力部品310及びボタン(又はボタン様の)入力部材320を備えることができる。これに関して、ボタンを用いると、ユーザーが、ボタン320を押すことによって、例えば、対応する機能を起動又は停止するために入力を提供することを可能にすることができ、又は、ホイール310を回転させることによって、変化する入力(例えば、事前設定範囲内の特定のパラメーターの値を増減させる)を提供することを可能にすることができる。これらの部材に加えて、ハンドセット300は、追加の構成要素(図示せず)を備えることができる。例えば、ハンドセット300の内部空間(複数の場合もある)に、入力部材の動作を円滑にする好適な構成要素が封入される場合がある。これらの構成要素には、駆動機構(例えば、ホイール310の駆動機構)、入力部材とのインタラクションに基づく制御信号を生成する回路部、電源、通信等のような機能をサポートする回路部及び/又は他のハードウェアが含まれ得る。
【0032】
しかしながら、上述したように、ハンドセットの使用にはいくつかの難点が課され得る。特に、ハンドセット300(又は同様のハンドセット)は、ハンドセット300及び/又はハンドセット300の構成要素(例えば、回路部、ハードウェア等)に損傷を与え得る試験環境における条件に影響を受けやすい場合がある。特に、ハンドセットが用いられる環境内に存在し得る流体(例えば、水)によって、流体がハンドセット300の内部に入り、ハンドセットの内部構成要素を損傷するか又は別様に劣化させる可能性があり得るというリスクが課される場合がある。したがって、例示のハンドセット300は、そのようなリスク、特に流体侵入に対処するように構成される。
【0033】
特に、図3のハンドセット300は、流体侵入を防止する及び/又は発生し得る流体侵入を軽減する手段(複数の場合もある)を組み込んでいる。例えば、ハンドセット300は、入力部材(例えば、ボタン320)のうちの少なくともいくつかを統合する耐流体性の被覆材(例えば、エラストマー被覆材)を組み込み、ハンドセット300の内部への開口(複数の場合もある)を形成せずに、ボタンとのインタラクションを可能にすることができる。
【0034】
加えて又は代替的に、そのような設計と交換可能であり得る入力部材、例えば、ホイール310の場合、ハンドセット300の内部への開口が必然的に形成され得るが、追加の手段を用いて流体侵入が軽減される。これに関して、上述したように、「軽減」又は「軽減する」という用語は、流体侵入に関連して用いられるとき、流体侵入の低減及び/又は抑制、及び/又は、流体侵入によって生じる損傷の低減若しくは防止のことを指す。換言すれば、流体侵入の軽減とは、流体侵入を完全に防止することを必要又は必須としない。むしろ、軽減手段により、流体侵入を抑制及び制御することで、ハンドセット内の特定の内部空間(又はチャンバー)に侵入した流体が、ハンドセット内の他の内部チャンバー、特に、ハンドセットの他の構成要素、例えば、回路部、動作機構等を収容する内部チャンバーに入る又は流れ込むことを防止することができる。したがって、ハンドセットは、ハンドセット内の全ての内部空間又はチャンバーが流体侵入に対して不透過である必要なく、依然として動作可能である。
【0035】
例えば、ハンドセット300の底部セクションは、ホイール310の反対側に、侵入した流体が(例えば、重力を用いて)流れ出ることができるように、穴を組み込むことができる。さらに、ホイール310を包囲する空間は、侵入した流体が周囲の内部空間(複数の場合もある)に漏れることを防止するために、シール機構を組み込むことができる。例示の軽減機構は、特に、ホイールを流体侵入に対して完全にシールするような従来の解決策と比較してコスト効果的である。例示の解決策は、図4及び図5により詳細に示されている。
【0036】
図4は、ハンドセット300内に組み込まれた流体侵入を軽減する手段のうちのいくつかを示す、図3の例示のハンドセット300の断面図を示している。
【0037】
特に、図4には、ハンドセット300の様々な特徴を示すために、ホイール310の場所において幅に沿ったハンドセット300の断面が示されている。例えば、図4に示されているように、ハンドセット300は、内部空間330を有することができ、内部空間330には、内部構成要素、例えば、回路部340(例えば、ハンドセット300の電源及び/又は通信機能を制御する回路部、入力部材の動作を制御する、例えば、ボタン320及び/又はホイール310とのインタラクションに基づく制御信号を生成する回路部等)、他のハードウェア(例えば、ホイール310の回転を円滑にするとともに、(任意に)そのような回転に対応する感覚情報を生成するように構成されたホイール機構360等の駆動機構)等がある。
【0038】
内部空間330は、例えば、ハンドセット300が作製又は形成されるときに生み出され得る。例えば、ハンドセット300は、(物理的に)別個の頂部セクション及び底部セクションを備えることができ、頂部セクション及び底部セクションのそれぞれは、頂部セクションと底部セクションとが係合してハンドセット300が形成されると、ハンドセット300の内部構成要素を収容するのに用いることができる1つ以上の内部空間330を画定するような、対応する突出部を有する。それにもかかわらず、本開示は、そのような実施態様(例えば、頂部セクション及び底部セクションのような複数セクションを有する)に限定されないため、本明細書に記載の解決策は、内部チャンバー(複数の場合もある)を内部に有する単一のハウジングを備えるハンドセットにも同様に適用することができる。
【0039】
また、ハンドセット300の断面において、ハンドセット300内に組み込まれた様々な流体侵入防止及び/又は軽減機構が示されている。特に、図4に示されているように、ボタン320は、ボタン320に対応する領域において流体侵入を防止するように構成されたボタン被覆材350に組み込まれている。ボタン被覆材350は、例えば、エラストマー材料から作製することができる。エラストマー材料は、流体侵入に抵抗するのに特に好適でありながら、ボタン320に対応する領域に対する望ましいボタン「感触」を与えることができる。しかしながら、本開示は、そのような材料に限定されず、他の好適な材料を用いることができる。
【0040】
ボタン被覆材350は、ハンドセット300の頂面のほとんどを覆う又はその上に延在し、流体侵入に対する抵抗性を最大限にすることができる。しかしながら、ホイール310が位置する領域等のいくつかの領域は覆われない場合がある。なぜなら、ボタン被覆材350(又は他の耐流体性被覆材料)は、そのような領域を覆う又はその上に延在することができないためである。流体侵入は、そのような領域にあるハンドセット300の内部への何らかの開口を介して生じ得る可能性がある。例えば、ハンドセット300の頂面のホイール310の周りにいくらかの空間(分離)がある場合があり、その空間を通して、流体がハンドセット300の内部に漏れる可能性がある。
【0041】
そのような流体侵入は、ハンドセット300内の構成要素に対してリスクを課すおそれがある。例えば、ハンドセット300の頂面のホイール310の周りの空間を通して侵入し得る流体は、下方に流れる場合があり、また対処しなければ、内部空間330に漏れる場合があり、最終的には、これらの空間内の内部構成要素、例えば、回路部340、ホイール機構360等の動作を損なう又は別様に劣化させるおそれがある。したがって、ハンドセット300は、あらゆる流体侵入の可能性を軽減する追加の手段を組み込むことができる。そのような機構の例が図5に示されている。
【0042】
図5は、ハンドセット内に組み込まれた流体侵入を軽減する手段のうちのいくつかを示す、図3のハンドセットの別の断面図を示している。図5には、図3に関して記載したハンドセット300が示されている。
【0043】
特に、図5には、ハンドセット300の様々な特徴を示すために、ホイール310を通るハンドセット300の長さに沿った断面が示されている。例えば、図4に示されているように、ハンドセット300は、内部空間330を有することができ、内部空間330には、内部構成要素、例えば、回路部340(例えば、ハンドセット300の電源及び/又は通信機能を制御する回路部、入力部材の動作を制御する、例えば、ボタン320及び/又はホイール310とのインタラクションに基づく制御信号を生成する回路部等)、他のハードウェア(例えば、ホイール310の回転を円滑にするとともに、(任意に)そのような回転に対応する感覚情報を生成するように構成されたホイール機構360等の駆動機構)等がある。
【0044】
特に、図5に示されているハンドセット300の断面には、ハンドセット300内に組み込まれた様々な流体侵入防止及び/又は軽減機構が示されている。これに関して、流体侵入を防止するのに用いることができるボタン被覆材350に加えて、ハンドセット300は、ホイール310の周り等のハンドセット300の外側(特に頂部側)の開口/空間を介して生じ得る流体侵入を軽減する流体侵入軽減機構も組み込んでいる。
【0045】
例えば、ホイール310のハンドセット300内にある部分を収容する(そしてその部分をホイール機構360に結合することを可能にする)内部空間330(例えば、ホイールウェル)は、底部に穴370を組み込むことで、その空間に漏れる流体が、例えば重力を用いてハンドセット300から流れ出ることを可能にすることができる。さらに、(流体侵入の軽減に関して)向上した性能のために、ハンドセット300は、追加の手段を組み込むことができる。例えば、上述したように、ハンドセット300は、対応する突出部を有する2つのセクション(頂部セクション及び底部セクション)を備えることができ、これらの突出部は、セクション同士が係合すると、内部空間330が形成されるように、互いに整列している。
【0046】
したがって、ハンドセットの内部に侵入する流体の漏れに対する更なる保護のため、そのような侵入が起こり得る内部空間の周りの縁部は、隣接する内部空間への流体の漏れを軽減するのに特に適した係合機構(例えば、図5に示されているように、そのような漏れを防止するように構成された被覆リップ380)を組み込むことができる。いくつかの例において、頂部セクション及び底部セクションの外縁部を含むハンドセット300全体に同じ係合機構を用いることができる。さらに、いくつかの例において、流体侵入の影響を特に受けやすい領域において、(頂部セクション及び底部セクションの)内縁部(ハンドセット内の突出部)及び/又は外縁部のうちのいくつかにシールを付加することができる。
【0047】
図6は、代替的な設計に係るハンドセット内に組み込まれた流体侵入を軽減する手段を示す、図3のハンドセットの断面図を示している。
【0048】
特に、図6には、ハンドセット300の様々な特徴を示すために、ホイール310の場所において幅に沿ったハンドセット300の断面が示されている。これに関して、図4に関して記載したように、ハンドセット300は、内部空間330を有することができ、内部空間330には、内部構成要素、例えば、回路部340及び他のハードウェア(例えば、ホイール機構360)を収容することができる。
【0049】
記載したように、内部空間330は、例えば、ハンドセット300が作製又は形成されるときに生み出され得る。例えば、ハンドセット300は、(物理的に)別個の頂部セクション及び底部セクションを備えることができ、頂部セクション及び底部セクションのそれぞれは、頂部セクションと底部セクションとが係合してハンドセット300が形成されると、ハンドセット300の内部構成要素を収容するのに用いることができる1つ以上の内部空間330を画定するような、対応する突出部を有する。
【0050】
図6に示されているように、ハンドセット300は、図4及び図5に関して図示及び記載したものとは代替的な設計に係る様々な流体侵入防止及び/又は軽減機構を組み込んでいる。これに関して、ハンドセット300は、図6に示されている実施態様において示されているように、上述したようにボタン320に対応する領域における流体侵入を防止するように構成されたボタン被覆材350を依然として使用することができる。さらに、ハンドセット300は、図6に示されている実施態様において示されているように、ホイール310の周りに侵入し得る流体を排出する穴370を依然として使用することができる。
【0051】
しかしながら、ハンドセット内における、すなわち、1つの内部空間から隣接する内部空間(複数の場合もある)への流体の漏れを防止又は軽減するために、ハンドセット内に被覆リップを使用するのではなく、図6及び図7に示されているハンドセット300は、ゴムガスケットを伴う圧縮シール390の使用を組み込むことができる。これに関して、図5に関して記載したように、ハンドセット300の頂部セクション及び底部セクションを被覆リップとともに設計するのではなく、圧縮シール390を用いて、頂部セクションと底部セクションとの間の接触点又は接触面においてシールを形成することができる。圧縮シール390は、例えば、流体侵入に抵抗するのに特に好適であり得るエラストマー材料から作製することができる。
【0052】
したがって、頂部セクション及び底部セクションにおける対応する縁部の間に圧縮シール390を組み込むことで、これらの対応する縁部によって分離された2つの隣接する空間の間の流体の移動が防止される。いくつかの例において、圧縮シール390は、ハンドセット300全体において、すなわち、外縁部を含むハンドセットの頂部セクション及び底部セクションの全ての縁部の間の接触点及び/又は接触面をシールするために用いることができる。代替的に、圧縮シール390は、ホイール310の周り等の流体侵入の影響を特に受けやすい内部空間をシールするためにのみ用いることができる。ホイール310の周りの圧縮シール390の使用は、図7に更に示されている。
【0053】
図7は、図6に示されている代替的な設計に係るハンドセット内に組み込まれた流体侵入を軽減する手段のうちのいくつかを示す、図3のハンドセットの別の断面図を示している。
【0054】
特に、図7には、ハンドセット300の様々な特徴を示すために、ホイール310を通るハンドセット300の長さに沿った断面が示されている。例えば、図6に示されているように、ハンドセット300は、内部空間330を有することができ、内部空間330には、内部構成要素、例えば、回路部340、他のハードウェア(例えば、駆動機構)等を収容することができる。
【0055】
特に、図7に示されているハンドセット300の断面には、ハンドセット300内に組み込まれた様々な流体侵入防止及び/又は軽減機構が示されている。これに関して、流体侵入を防止するのに用いることができるボタン被覆材350に加えて、ハンドセット300は、ホイール310の周り等のハンドセット300の外側(特に頂部側)の開口/空間を介して生じ得る流体侵入を軽減する流体侵入軽減機構も組み込んでいる。
【0056】
例えば、ホイール310のハンドセット300内にある部分を収容する(そしてその部分をホイール機構360に結合することを可能にする)内部空間330(例えば、ホイールウェル)は、底部に穴370を組み込むことで、その空間に漏れる流体が、例えば重力を用いてハンドセット300から流れ出ることを可能にすることができる。さらに、(流体侵入の軽減に関して)向上した性能のために、ハンドセット300は、追加の手段を組み込むことができる。例えば、上述したように、ハンドセット300は、対応する突出部を有する2つのセクション(頂部セクション及び底部セクション)を備えることができ、これらの突出部は、セクション同士が係合すると、内部空間330が形成されるように、互いに整列している。
【0057】
ハンドセットの内部に侵入する流体の漏れに対する更なる保護のため、圧縮シール390を用いることができる。これに関して、圧縮シール390は、そのような侵入が起こり得る、ホイール310を収容する空間の周りの縁部をシールするのに用いることができる。図8に関して記載されるように、追加の機構を用いて、流体侵入の軽減を更に向上させることができる。
【0058】
図8は、流体侵入を軽減するガスケットに基づく機構を組み込むハンドセットの頂部セクション及び底部セクションを示している。図8には、流体侵入を軽減するように構成されたハンドセット800の頂部セクション及び底部セクションが示されている。
【0059】
特に、ハンドセット800(又はハンドセット800の頂部セクション及び底部セクション)は、図6及び図7に関して記載したように、特にホイールの周りの圧縮シールの使用を補助するガスケットに関連する機構を組み込んでいる。例えば、ハンドセット800は、ハンドセット800の頂部セクションに設置することができる嵌合ガスケット820を組み込むことができる。嵌合ガスケット820は、ハンドセット800の底部セクションに成形された対応する三次元(3D)シール面840と嵌合するように構成され、したがって、ホイールを収容することができるシールされたウェルを形成する。さらに、ホイールを駆動する機構(すなわち、ホイール機構)の側面に取り付けられたアダプター部品830を用いて、ホイールを収容する空間の周りに嵌合3Dシール面を完全に形成することができる。
【0060】
さらに、ハンドセット800の頂部セクション及び底部セクションは、クランプ力を与えてゴムガスケットを圧縮し、適切なシールを確実にするために、スナップ留め機構810を組み込むことができる。例えば、図8に示されているように、スナップ留め機構810は、頂部セクション及び底部セクションにおける4つの対応する点に配置することができ、ここで、底部の第2及び頂部セクションにおける機構は、スナップ留め係合を確実にするために適合的な形状になっている。
【0061】
本開示に係る一例示の制御ハンドセットは、互いに係合して筐体を形成するように構成された頂部セクション及び底部セクションを備えることができる。ここで、頂部セクション及び底部セクションのそれぞれは、形成されると制御ハンドセットの筐体内に入る突出部を有し、突出部のうちの少なくともいくつかは、制御ハンドセットの筐体内の1つ以上の内部チャンバーを画定するように整列するように構成される。1つ以上の内部チャンバーは、少なくとも部分的に頂部セクションを通って制御ハンドセットの外部に延在する入力部材を収容するように構成された少なくとも1つの内部チャンバーを含む。制御ハンドセットは、入力部材に対応する開口を介した筐体内への流体侵入を軽減する1つ以上の軽減機構を備える又は組み込む。
【0062】
一例示の実施態様において、入力部材は、回転式入力部材を含む。
【0063】
一例示の実施態様において、1つ以上の軽減機構は、頂部セクション及び底部セクションの一方又は双方に組み込まれた被覆係合要素を含む。
【0064】
一例示の実施態様において、被覆係合要素の少なくとも一部は、頂部セクション及び底部セクションのうちの一方の外縁部又は突出部の少なくとも一部に組み込まれ、頂部セクション及び底部セクションのうちの他方の外縁部又は突出部の少なくとも対応する部分に重なるように構成される。
【0065】
一例示の実施態様において、被覆係合要素の少なくとも一部は、制御ハンドセット内の入力部材に対する少なくとも1つの内部チャンバーを被覆するように構成される。
【0066】
一例示の実施態様において、1つ以上の軽減機構は、頂部セクションと底部セクションとの間の接触面の少なくとも一部に組み込まれたシールを含む。
【0067】
一例示の実施態様において、接触面の一部は、制御ハンドセット内の入力部材に対する少なくとも1つの内部チャンバーと、制御ハンドセット内の1つ以上の内部チャンバーのうちの少なくとも別の1つとの間の壁を含む。
【0068】
一例示の実施態様において、1つ以上の軽減機構は、底部セクションに組み込まれ、重力によって流体の流れを可能にする1つ以上の穴を含む。
【0069】
一例示の実施態様において、1つ以上の穴のうちの少なくとも1つは、制御ハンドセット内の入力部材に対する少なくとも1つの内部チャンバーに対応する底部セクションの一部にある。
【0070】
一例示の実施態様において、頂部セクションは、制御ハンドセットの内部に延在しない1つ以上の他の入力部材を実装する画定された領域を有する。1つ以上の他の入力部材は、ボタン式入力部材を含むことができる。
【0071】
一例示の実施態様において、制御ハンドセットは、1つ以上の他の入力部材を実装する画定された領域に付加されたエラストマー被覆材を備える。
【0072】
一例示の実施態様において、1つ以上の軽減機構は、シール面と、該シール面と嵌合するように構成された対応する嵌合ガスケットとを含む。
【0073】
本開示に係る一例示の制御ハンドセットは、筐体と、筐体の第1の内部チャンバー内の入力デバイスであって、入力デバイスの少なくとも一部は、制御ハンドセットの側部の開口を通って制御ハンドセットの外部に延在する、入力デバイスと、入力デバイスを介した入力を表す制御信号を生成するように構成された回路部であって、筐体の第1の内部チャンバーとは物理的に分離した第2の内部チャンバー内に位置する、回路部とを備えることができる。制御ハンドセットは、少なくとも開口を介した筐体内への流体侵入を軽減する1つ以上の軽減機構を組み込む又は備える。
【0074】
一例示の実施態様において、1つ以上の軽減機構は、制御ハンドセットの少なくとも1つの他の側部に、第1の内部チャンバー内の流体を筐体から排出することを可能にするように構成された1つ以上の開口を有する。
【0075】
一例示の実施態様において、1つ以上の軽減機構は、制御ハンドセットの外側部、又は、制御ハンドセット内の内部チャンバーと制御ハンドセット内の少なくとも1つの他の内部チャンバーとの間の壁の一方若しくは双方の少なくとも一部に組み込まれた被覆係合要素を含む。
【0076】
一例示の実施態様において、1つ以上の軽減機構は、少なくとも、制御ハンドセット内の内部チャンバーと、制御ハンドセット内の少なくとも1つの他の内部チャンバーとの間の壁に組み込まれたシールを含む。
【0077】
一例示の実施態様において、1つ以上の軽減機構は、シール面と、該シール面と嵌合するように構成された対応する嵌合ガスケットとを含む。
【0078】
一例示の実施態様において、入力デバイスは、回転式入力部材を含む。
【0079】
本開示による他の実施態様は、機械及び/又はコンピューターによって実行可能な少なくとも1つのコードセクションを有し、それにより、本明細書において説明されたように機械及び/又はコンピューターに処理を実行させる、機械コード及び/又はコンピュータープログラムが記憶された非一時的コンピューター可読媒体及び/又は記憶媒体、及び/又は非一時的機械可読媒体及び/又は記憶媒体を提供することができる。
【0080】
したがって、本開示による種々の実施態様は、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせにおいて実現することができる。本開示は、少なくとも1つのコンピューティングシステムにおいて集中形式で、又は異なる要素がいくつかの相互接続されたコンピューティングシステムにわたって拡散される分散形式で実現することができる。本明細書において説明された方法を実行するように適応された任意の種類のコンピューティングシステム又は他の装置が適合する。ハードウェア及びソフトウェアの典型的な組み合わせは、ロードされて実行されると、本明細書において説明された方法を実行するようにコンピューティングシステムを制御するプログラム又は他のコードを用いる汎用コンピューティングシステムとすることができる。別の典型的な実施態様は、特定用途向け集積回路又はチップを含むことができる。
【0081】
本開示による種々の実施態様は、本明細書において説明された方法の実施態様を可能にする全ての特徴を含むとともに、コンピューターシステム内にロードされると、これらの方法を実行することが可能であるコンピュータープログラム製品に埋め込むこともできる。この文脈におけるコンピュータープログラムは、一組の命令の、任意の言語、コード又は表記での任意の表現を意味し、この一組の命令は、情報処理能力を有するシステムに、直接、又は次のもの、すなわち、a)別の言語、コード又は表記への変換、b)異なるマテリアルフォームでの再現、のうちの一方又は双方の後に特定の機能を実行させるように意図される。
【0082】
本開示は、或る特定の実施態様を参照して説明されてきたが、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができるとともに均等物に置き換えることができることを理解するであろう。例えば、開示した例のブロック及び/又はコンポーネントを、組み合わせ、分割し、再配置し、及び/又は他の方法で変更することができる。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の教示に対して特定の状況又は材料を適応させるように多くの改変を行うことができる。したがって、本開示は、開示されている特定の実施態様に限定されず、むしろ、本開示は、添付の特許請求の範囲の適用範囲内に入る全ての実施態様を含むことが意図される。
なお、本開示の態様には以下のものも含まれる。
〔態様1〕
制御ハンドセットであって、
互いに係合して筐体を形成するように構成された頂部セクション及び底部セクションを備え、
前記頂部セクション及び前記底部セクションのそれぞれは、形成されると該制御ハンドセットの前記筐体内に入る突出部を有し、
前記突出部のうちの少なくともいくつかは、該制御ハンドセットの前記筐体内の1つ以上の内部チャンバーを画定するように整列するように構成され、
1つ以上の内部チャンバーは、少なくとも部分的に前記頂部セクションを通って該制御ハンドセットの外部に延在する入力部材を収容するように構成された少なくとも1つの内部チャンバーを含み、
該制御ハンドセットは、前記入力部材に対応する開口を介した前記筐体内への流体侵入を軽減する1つ以上の軽減機構を備える又は組み込む、制御ハンドセット。
〔態様2〕
前記入力部材は、回転式入力部材を含む、態様1に記載の制御ハンドセット。
〔態様3〕
前記1つ以上の軽減機構は、前記頂部セクション及び前記底部セクションの一方又は双方に組み込まれた被覆係合要素を含む、態様1に記載の制御ハンドセット。
〔態様4〕
前記被覆係合要素の少なくとも一部は、前記頂部セクション及び前記底部セクションのうちの一方の外縁部又は突出部の少なくとも一部に組み込まれ、前記頂部セクション及び前記底部セクションのうちの他方の外縁部又は突出部の少なくとも対応する部分に重なるように構成される、態様3に記載の制御ハンドセット。
〔態様5〕
前記被覆係合要素の少なくとも一部は、前記制御ハンドセット内の前記入力部材に対する前記少なくとも1つの内部チャンバーを被覆するように構成される、態様3に記載の制御ハンドセット。
〔態様6〕
前記1つ以上の軽減機構は、前記頂部セクションと前記底部セクションとの間の接触面の少なくとも一部に組み込まれたシールを含む、態様1に記載の制御ハンドセット。
〔態様7〕
前記接触面の前記一部は、前記制御ハンドセット内の前記入力部材に対する前記少なくとも1つの内部チャンバーと、前記制御ハンドセット内の前記1つ以上の内部チャンバーのうちの少なくとも別の1つとの間の壁を含む、態様6に記載の制御ハンドセット。
〔態様8〕
前記1つ以上の軽減機構は、前記底部セクションに組み込まれ、重力によって流体の流れを可能にする1つ以上の穴を含む、態様1に記載の制御ハンドセット。
〔態様9〕
前記1つ以上の穴のうちの少なくとも1つは、前記制御ハンドセット内の前記入力部材に対する前記少なくとも1つの内部チャンバーに対応する前記底部セクションの一部にある、態様8に記載の制御ハンドセット。
〔態様10〕
前記頂部セクションは、前記制御ハンドセットの内部に延在しない1つ以上の他の入力部材を実装する画定された領域を有する、態様1に記載の制御ハンドセット。
〔態様11〕
前記制御ハンドセットは、前記1つ以上の他の入力部材を実装する前記画定された領域に付加されたエラストマー被覆材を備える、態様10に記載の制御ハンドセット。
〔態様12〕
前記1つ以上の軽減機構は、シール面と、該シール面と嵌合するように構成された対応する嵌合ガスケットとを含む、態様1に記載の制御ハンドセット。
〔態様13〕
制御ハンドセットであって、
筐体と、
前記筐体の第1の内部チャンバー内の入力デバイスであって、該入力デバイスの少なくとも一部は、該制御ハンドセットの側部の開口を通って該制御ハンドセットの外部に延在する、入力デバイスと、
前記入力デバイスを介した入力を表す制御信号を生成するように構成された回路部であって、前記筐体の前記第1の内部チャンバーとは物理的に分離した第2の内部チャンバー内に位置する、回路部と、
を備え、
該制御ハンドセットは、少なくとも前記開口を介した前記筐体内への流体侵入を軽減する1つ以上の軽減機構を備える又は組み込む、制御ハンドセット。
〔態様14〕
前記1つ以上の軽減機構は、前記制御ハンドセットの少なくとも1つの他の側部に、前記第1の内部チャンバー内の流体を前記筐体から排出することを可能にするように構成された1つ以上の開口を有する、態様13に記載の制御ハンドセット。
〔態様15〕
前記1つ以上の軽減機構は、前記制御ハンドセットの外側部、又は、前記制御ハンドセット内の内部チャンバーと前記制御ハンドセット内の少なくとも1つの他の内部チャンバーとの間の壁の一方若しくは双方の少なくとも一部に組み込まれた被覆係合要素を含む、態様13に記載の制御ハンドセット。
〔態様16〕
前記1つ以上の軽減機構は、少なくとも、前記制御ハンドセット内の内部チャンバーと、前記制御ハンドセット内の少なくとも1つの他の内部チャンバーとの間の壁に組み込まれたシールを含む、態様13に記載の制御ハンドセット。
〔態様17〕
前記1つ以上の軽減機構は、シール面と、該シール面と嵌合するように構成された対応する嵌合ガスケットとを含む、態様13に記載の制御ハンドセット。
〔態様18〕
前記入力デバイスは、回転式入力部材を含む、態様13に記載の制御ハンドセット。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8