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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】カテーテルアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/32 20060101AFI20241024BHJP
   A61M 25/06 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
A61M5/32 510F
A61M25/06 500
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023051940
(22)【出願日】2023-03-28
(62)【分割の表示】P 2020529560の分割
【原出願日】2018-10-31
(65)【公開番号】P2023073372
(43)【公開日】2023-05-25
【審査請求日】2023-04-11
(31)【優先権主張番号】15/827,967
(32)【優先日】2017-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エス.レイ アイザックソン
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-514943(JP,A)
【文献】特開2003-180833(JP,A)
【文献】国際公開第2017/029361(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/32
A61M 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルアセンブリ内の隔壁アクチュエータアセンブリであって、
周方向開口部を有する隔壁アクチュエータと、
前記隔壁アクチュエータ内に配置され、開位置で前記隔壁アクチュエータの前記周方向開口部に係合するスプリングクリップであって、前記スプリングクリップは、
第一のフレキシブルアームおよび第二のフレキシブルアームであって、針が前記スプリングクリップを前記開位置にバイアスし、前記スプリングクリップを解放して、閉位置で前記針の先端を封入することにより、前記スプリングクリップを開閉するようにそれぞれ構成される、第一のフレキシブルアームおよび第二のフレキシブルアームと、
前記針が通過するための軸方向開口部と、
前記第一のフレキシブルアームおよび前記第二のフレキシブルアームの各々に設けられたリップを有する先端壁であって、前記針が前記リップを前記開位置にバイアスし、前記先端壁および前記リップが前記閉位置で前記針の前記先端を遮蔽する、先端壁と、
前記第一のフレキシブルアームおよび前記第二のフレキシブルアームを接続する後方壁と
を備え、
前記第一のフレキシブルアームは、前記第二のフレキシブルアームとは反対側に面する切り欠き部分を含み、前記第二のフレキシブルアームは、前記第一のフレキシブルアームとは反対側に面する他の切り欠き部を含み、これにより、前記第一のフレキシブルアームおよび前記第二のフレキシブルアームが、前記隔壁アクチュエータの前記周方向開口部の外側に延びないことを特徴とする、隔壁アクチュエータアセンブリ
【請求項2】
前記第一のフレキシブルアームおよび前記第二のフレキシブルアームは、近位アーム部分および先端アーム部分をそれぞれ含み、
前記先端アーム部分は、前記近位アーム部分よりも幅が狭く、
前記第一のフレキシブルアームの前記先端アーム部分は、前記切り欠き部分を含む
ことを特徴とする、請求項1に記載の隔壁アクチュエータアセンブリ
【請求項3】
前記先端壁の各々は、上壁部分および底壁部分を含み、
前記上壁部分は、前記底壁部分より幅が狭い
ことを特徴とする、請求項1に記載の隔壁アクチュエータアセンブリ
【請求項4】
前記上壁部分は、前記上壁部分の両側にある前記切り欠き部分を含むことを特徴とする、請求項3に記載の隔壁アクチュエータアセンブリ
【請求項5】
前記切り欠き部分は、前記第一のフレキシブルアームにおける前記先端壁の上壁部分と、前記第一のフレキシブルアームの先端アーム部分との間に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の隔壁アクチュエータアセンブリ
【請求項6】
前記周方向開口部に係合するように構成される前記上壁部分の何れの部分も、前記底壁部分と幅が等しくないことを特徴とする、請求項に記載の隔壁アクチュエータアセンブリ
【請求項7】
前記後方壁は、前記スプリングクリップの動きをバレルアセンブリ内に誘導するように構成されているテーパーの外表面を含むことを特徴とする、請求項1に記載の隔壁アクチュエータアセンブリ
【請求項8】
前記切り欠き部分が湾曲を有することを特徴とする、請求項1に記載の隔壁アクチュエータアセンブリ
【請求項9】
カテーテルアダプタに接続されたカテーテルと、
先端を有し、前記カテーテル内に配置された針であって、第一の針位置において前記針が前記カテーテルを越えて延伸する、針と、
周方向開口部を有する隔壁アクチュエータであって、前記カテーテルアダプタ内に配置され、前記カテーテルアダプタ内に配置される隔壁を開くように構成された、隔壁アクチュエータと、
前記隔壁アクチュエータ内に配置され、前記第一の針位置で前記隔壁アクチュエータの前記周方向開口部と係合するスプリングクリップであって、前記スプリングクリップは、
第一のフレキシブルアームおよび第二のフレキシブルアームであって、針が前記スプリングクリップを前記第一の針位置にバイアスし、前記スプリングクリップを解放して、第二の針位置で前記針の先端を封入することにより、前記スプリングクリップを開閉するようにそれぞれ構成される、第一のフレキシブルアームおよび第二のフレキシブルアームと、
前記針が通過するための軸方向開口部と、
前記第一のフレキシブルアームおよび前記第二のフレキシブルアームの各々に設けられたリップを有する先端壁であって、前記針が前記リップを前記第一の針位置にバイアスし、前記先端壁および前記リップが前記第二の針位置で前記針の前記先端を遮蔽する、先端壁と、
前記第一のフレキシブルアームおよび前記第二のフレキシブルアームを接続する後方壁と
を含み、
前記第一のフレキシブルアームは、前記第二のフレキシブルアームとは反対側に面する切り欠き部分を含み、前記第二のフレキシブルアームは、前記第一のフレキシブルアームとは反対側に面する他の切り欠き部を含み、これにより、前記第一のフレキシブルアームおよび前記第二のフレキシブルアームが、前記隔壁アクチュエータの前記周方向開口部の外側に延びない、
スプリングクリップ
を備えることを特徴とする、カテーテルアセンブリ。
【請求項10】
前記第一のフレキシブルアームおよび前記第二のフレキシブルアームは、前記第一の針位置で前記隔壁アクチュエータの異なる周方向開口部と係合して、前記カテーテルアセンブリからの前記スプリングクリップの取り外しを防止することを特徴とする、請求項9に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項11】
前記針が前記第二の針位置にあると、前記スプリングクリップは、前記隔壁アクチュエータの前記周方向開口部を係合解除することを特徴とする、請求項9に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項12】
前記切り欠き部分は、前記隔壁アクチュエータの前記周方向開口部の側壁に接触しないことを特徴とする、請求項10に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項13】
前記第一のフレキシブルアームおよび前記第二のフレキシブルアームは、前記第二の針位置で前記隔壁アクチュエータの前記周方向開口部を係合解除して、前記カテーテルアセンブリからの前記スプリングクリップの取り外しを可能にすることを特徴とする、請求項10に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項14】
前記第一のフレキシブルアームおよび前記第二のフレキシブルアームは、近位アーム部分および先端アーム部分をそれぞれ含み、
前記先端アーム部分は、前記近位アーム部分よりも幅が狭く、
前記第一のフレキシブルアームの前記先端アーム部分は、前記切り欠き部分を含む
ことを特徴とする、請求項10に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項15】
前記第一のフレキシブルアームおよび前記第二のフレキシブルアームは、リップを有する先端壁をそれぞれ含み、前記先端壁は、上壁部分および底壁部分を有し、
前記上壁部分は、前記底壁部分より幅が狭い
ことを特徴とする、請求項10に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項16】
前記上壁部分は、前記上壁部分の両側にある前記切り欠き部分を含むことを特徴とする、請求項15に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項17】
前記切り欠き部分は、前記第一のフレキシブルアームにおける前記先端壁の前記上壁部分と、前記第一のフレキシブルアームの先端アーム部分との間に配置されることを特徴とする、請求項10に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項18】
前記周方向開口部に係合するように構成される前記上壁部分の何れの部分も、前記底壁部分と幅が等しくないことを特徴とする、請求項16に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項19】
記後方壁は、前記スプリングクリップの動きをバレルアセンブリ内に誘導するように構成されているテーパーの外表面を含む
ことを特徴とする、請求項10に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項20】
前記切り欠き部分が湾曲を有することを特徴とする、請求項10に記載のカテーテルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明のさまざまな例示的な実施形態は、カテーテルアセンブリにおける、針の保護、および針の格納に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2017年11月30日に出願された米国特許出願第15/827,967号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。関連する主題は、2017年7月31日に出願された共通に譲渡された米国特許出願第15/664,827号に開示されており、また、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、その本出願が米国への一部継続出願である。
【0003】
典型的なカテーテルアセンブリには、2種類の針の保護メカニズムのうちの1つが組み込まれている。アクティブシステムとは、針の保護機構を起動するよう別のユーザアクションを必要とする針の保護機構であり、起動ボタンを押下することで、針をバレルアセンブリへ自動的に、且つ瞬時に格納させることなどである。このアクションは、針が患者の皮膚、およびカテーテルから引き抜かれた後に行われる。あるいは、安全上の理由のため、針が患者の皮膚から引き抜かれる前に起動ボタンを押下することで、血液の飛散および/または汚染を低減することが可能となる。一方、パッシブシステムは、ユーザがカテーテルから針を手動で格納させた場合に、通常、スプリングクリップを使用し、別のユーザアクションを必要としないで針を自動的に保護する、針の保護機構である。つまり、針は、患者の皮膚、およびカテーテルから引き抜かれた場合に、直ちに保護される。
【0004】
それぞれの針の保護機構にさまざまな不利益が生じる。具体的には、アクティブシステムにおいて、ユーザが起動ボタンを押下することを怠る場合があり、または針を保護するための2次的なユーザアクションの実行に失敗する場合がある。例えば、起動ボタンが押下されなかった場合、血液で覆われた使用済みの針の先端が患者の体から不必要に露出する。パッシブシステムにおいて、スプリングクリップは、不必要な鋭いエッジを含み、針、およびスプリングクリップに血液が露出され、それを覆った後に、スプリングクリップは、手動で操作され、針の先端を露出させることが可能である。
【0005】
さらに、血液制御カテーテルアセンブリは、制限される境界内の機能要件を満たすよう、独特で、創造的な設計解決法を引き起こすスペース要件を有する。
【発明の概要】
【0006】
本発明の一態様は、動作の間に、スプリングクリップが隔壁アクチュエータと選択的に係合される血液制御カテーテルアセンブリを提供することである。具体的には、スプリングクリップは、針の先端を封入し、同時に隔壁アクチュエータ内の開口部(フラッシングウィンドウ)を係合および係合解除するよう構成された、フレキシブルアームを含む。フレキシブルアームは、サイズの制約を満たすよう、最小限の干渉、および改善されたコンパクトさを用いて、スプリングクリップが隔壁アクチュエータの開口部と係合および係合解除することを可能とする、切り欠き部を含む。あるいは、フレキシブルアームは、スプリングクリップが上記と同様の方法で、隔壁アクチュエータの開口部と係合および係合解除することを可能とするよう、十分に狭くすることが可能である。スプリングクリップは、有利に、カテーテルアダプタと係合せず、且つ接触しない。
【0007】
本発明の別の態様は、血液制御カテーテルアセンブリにおける、アクティブシステムとパッシブシステムの両方を組み込む、血液制御カテーテルアセンブリを提供することである。そのようなカテーテルアセンブリは、上記の不利益を改善し、針の保護、および針の格納を改善する。具体的には、針の先端がスプリングクリップに封入されており、針はバレルアセンブリに格納されている。このようにして、ユーザが起動ボタンを押下することを忘れた場合に、先端が既にスプリングクリップによって保護されている。起動ボタンが押下された場合に、針、およびスプリングクリップがバレルアセンブリ内に格納され、それによって、ユーザをあらゆる危険から保護することになる。あるいは、針、およびスプリングクリップは、ユーザによって、手動で血液制御カテーテルアセンブリから格納される。したがって、カテーテルアセンブリが有利に、針の再露出を防止し、血液露出を低減する。
【0008】
本発明の前述および/または他の態様は、カテーテルアダプタによって運ばれるカテーテルと、鋭い先端を有し、カテーテル内に配置される針であって、第1の針の位置において、針がカテーテルを超えて延伸する針と、開口部を有する隔壁アクチュエータであって、カテーテルアダプタ内に配置され、隔壁を貫通させるよう構成された隔壁アクチュエータと、隔壁アクチュエータ内に配置され、開口部を第1の針の位置と係合させるスプリングクリップとを含む、カテーテルアセンブリを提供することによって達成できる。
【0009】
本発明の追加および/または他の態様、および利点は、以下の説明に記載されることになるか、または、説明から明らかとなるか、または、本発明の実施によって知ることとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の上記の態様、および特徴は、添付の図面を参照して行われる本発明の例示的な実施形態の説明からより明らかなものとなるであろう。
【0011】
図1】第1の針の位置におけるカテーテルアセンブリの第1の例示的な実施形態の側面図を図示する。
図2】第2の針の位置に向けて移動する、図1のカテーテルアセンブリの断面図を図示する。
図3図2のカテーテルアダプタの断面図を図示する。
図4図2のバレルアセンブリの部分断面図を図示する。
図5図4のバレルアセンブリにおける針ハブの部分断面図を図示する。
図6】第2の針の位置における、図1のカテーテルアセンブリの側面図を図示する。
図7】第3の針の位置に向けて移動する、図1のカテーテルアセンブリの断面図を図示する。
図8】第3の針の位置における、図1のバレルアセンブリの部分断面図を図示する。
図9図8のバレルアセンブリにおけるスプリングクリップの部分断面図を図示する。
図10】第2の針の位置に向けて移動する、カテーテルアセンブリの第2の例示的な実施形態の部分断面図を図示する。
図11図10のカテーテルアダプタの部分断面図を図示する。
図12】第2の針の位置に向けて移動する、図11のスプリングクリップ、およびクリップハウジングの透視斜視図を図示する。
図13図10のバレルアセンブリの部分断面図を図示する。
図14図13のバレルアセンブリにおける針ハブの部分断面図を図示する。
図15】第2の針の位置における、図10のスプリングクリップ、およびクリップハウジングの透視斜視図を図示する。
図16】第2の針の位置における、図10のスプリングクリップ、クリップハウジング、およびバレルアセンブリの上面断面図を図示する。
図17】第2の針の位置における、図10のスプリングクリップ、クリップハウジング、およびバレルアセンブリの透視断面図を図示する。
図18】第3の針の位置における、図10のスプリングクリップ、クリップハウジング、およびバレルアセンブリの透視断面図を図示する。
図19】第3の針の位置における、図10のバレルアセンブリの部分断面図を図示する。
図20】針ハブの始端位置におけるバレルアセンブリの第3の例示的な実施形態の断面図を図示する。
図21】針ハブの中間位置における、図20のバレルアセンブリの断面図を図示する。
図22】針ハブの終端位置における、図20のバレルアセンブリの断面図を図示する。
図23】第1の針の位置から第2の針の位置へと移動する、血液制御カテーテルアセンブリの第5の例示的な実施形態の断面図を図示する。
図24】バレルアセンブリを備える、図23の血液制御カテーテルアセンブリの断面図を図示する。
図25】第2の針の位置における、図23の血液制御カテーテルアセンブリの断面図を図示する。
図26】第3の針の位置における、図23の血液制御カテーテルアセンブリの断面図を図示する。
図27図23の血液制御カテーテルアセンブリの隔壁アクチュエータの斜視図を図示する。
図28】従来技術の血液制御カテーテルアセンブリにおける、一般的に使用されるスプリングクリップの斜視図を図示する。
図29図23の血液制御カテーテルアセンブリにおけるスプリングクリップの上面斜視図を図示する。
図30図23の血液制御カテーテルアセンブリにおけるスプリングクリップの側面斜視図を図示する。
図31図23の血液制御カテーテルアセンブリにおける隔壁アクチュエータの斜視図を図示する。
図32】第1の針の位置から第2の針の位置へと移動する血液制御カテーテルアセンブリの第6の例示的な実施形態における、スプリングクリップ、およびスプリングハウジングの透視斜視図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1図9は、カテーテルアセンブリ10の第1の例示的な実施形態を図示する。図1は、動作の準備ができている第1の針の位置における、カテーテルアセンブリ10を図示する。一実施形態によって、カテーテルアセンブリ10は、患者の皮膚の中に挿入するための鋭い先端24を有する、中空イントロドューサ針20を備える。針20は、フレキシブルカテーテル30内に配置される。カテーテル30は、カテーテルアセンブリ10が使用される間、薬剤搬送のために使用される。第1の針の位置において、針20の鋭い先端24は、挿入のためにカテーテル30を越えて延伸する。
【0013】
一実施形態によって、カテーテル30、および針20は、カテーテルアダプタ32によって運ばれるか、または囲まれる。図2は、ユーザがカテーテル30を患者の体内に取り付けて針20を患者から取り外した後に、針20が第1の針の位置から第2の針の位置に向けて移動することを図示する。
【0014】
図3は、一実施形態によって、針20が抜かれて第2の針の位置に近づいている場合のカテーテルアダプタ32を図示する。カテーテルアダプタ32は、突起を含む保持機能34を含む。保持機能34は、図示されるように、スプリングクリップ40が開位置にある場合に、金属スプリングクリップ40を保持する。スプリングクリップ40の動作は、以下でさらに説明される。
【0015】
スプリングクリップ40は、カテーテルアダプタ32内に配置され、針20の鋭い先端24を選択的に封入し、且つロックすることにより、針20と協働する。スプリングクリップ40のコンポーネント、および動作は、その全体の参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,616,630号に一般的に開示されている。
【0016】
具体的には、一実施形態において、スプリングクリップ40は、針20が内通する開口部42を含む。スプリングクリップ40の1つまたはそれよりも多くのフレキシブルアーム44が、好ましくは、2つのアームフレキシブル44が、針が第2の針の位置に入る前に、針20の開位置で係合およびバイアスする。フレキシブルアーム44は、針20の2つの側にスプリング力を付加する。第1の針の位置において、第2の針の位置の前に、スプリングクリップ40は、針20が通過することが可能となるよう開いている。
【0017】
フレキシブルアーム44の先端には、先端壁50が含まれる。先端壁50は、傾斜した壁であり、針20と接触する一端にリップ52を有する。リップ52は、スプリングクリップ40の先端壁50の内側部分に折り曲げられている。
【0018】
スプリングクリップ40は、さらに後方壁46を含む。後方壁46は、針20の長手方向軸に実質的に垂直であり、2つのフレキシブルアーム44と互いに接続する。後方壁46はまた、上記のように開口部42を含む。後方46は、好ましくは、テーパーの外表面48を含む。別の実施形態において、テーパーの外表面48は、丸み、または面取りを含む。以下でさらに説明されるように、テーパーの外表面48は、有利に、スプリングクリップ40のハンドル71、およびバレル72へ誘導される、動きをもたらす。
【0019】
図4および図5は、バレルアセンブリ70を図示する。一実施形態によって、バレルアセンブリ70は、ハンドル71(グリップとも称される)と、バレル72(バレルハウジングとも称される)とを含む。ハンドル71は、ハンドル71の先端に内径74と、テーパーの内表面76とを含む。別の実施形態において、テーパーの内表面48は、丸み、または面取りを含む。別の実施形態において、テーパーの内表面76は、ハンドル71の外表面とハンドル71の内表面との間を接続して、遷移をもたらす。バレル72の先端は、動作の間に、ハンドル71の近位端に接続される。
【0020】
本実施形態において、カテーテルアセンブリ10は、ハンドル71の先端のテーパーの内表面76と、スプリングクリップ40のテーパーの外表面48との両方を備える。代替の実施形態において、カテーテルアセンブリ10は、ハンドル71の先端にテーパーの内表面76のみを備える。同様に、代替の実施形態において、カテーテルアセンブリ10は、スプリングクリップ40のテーパーの外表面48のみを備える。別の実施形態において、カテーテルアセンブリ10は、ハンドル71の先端のテーパーの内表面76と、スプリングクリップ40のテーパーの外表面48とのいずれも備えない。
【0021】
テーパーの内表面76は、スプリングクリップ40のテーパーの外表面48と協働して、スプリングクリップ40をハンドル71、およびバレル72と有利に、係合および誘導するよう構成される。また、テーパーの外表面48は、テーパーの内表面76と有利に係合して、ハンドル71、およびバレル72に対して、スプリングクリップ40を中心に据える。ハンドル71、およびバレル72は、以下でさらに説明されるように、バレルアセンブリ70のコンポーネントを収容する。
【0022】
バレルアセンブリ70は、針ハブ80をさらに含む。針ハブ80は、針20に固定され、ハンドル71、およびバレル72内で動く。具体的には、針ハブ80は、針20の近位端に隣接して固定される。図1に図示するように、針ハブ80は、針20が第1の針の位置にある場合にカテーテルアダプタ32に接続される。針ハブ80の移動が、以下に説明されるように、針が第2の針の位置から第3の針の位置に格納させる。
【0023】
ハンドル71、およびバレル72はまた、起動ボタン78と相互作用して、針ハブ80およびスプリング82と係合および係合解除する。具体的には、スプリング82は、針20の周りに配置され、針ハブ80とバレル72の近位端との間に延伸する。スプリング82が圧縮されている間に、起動ボタン78は、針ハブ80と接触する。起動ボタン78が押下された場合、針ハブ80は、もはや起動ボタン78と接触しなくなり、続いてスプリング82が解放されて、針ハブ80は、ハンドル71を通してバレル72の近位端に向けて移動する。すなわち、起動ボタン78は、バレル72の先端に隣接して移動可能に取り付けられ、針ハブ80と選択的に係合して、スプリング82のバイアスに対してバレル72の先端に隣接する、針ハブ80を保持するよう適合される。第1の針の位置において、針20は、ハンドル71、およびバレル72の先端を越えて、バレル72の先端に隣接するカテーテルハブ32を備える、カテーテル30を通して延伸する。起動ボタン78の動作は、米国特許第5,501,675号、および第5,797,880号に記載されており、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。さらなる動作の説明を以下に示す。
【0024】
一実施形態によって、図6は、第2の針の位置にあるカテーテルアセンブリ10を図示する。この位置において、針20の鋭い先端24は、スプリングクリップ40内に配置され、外部環境から遮蔽される。第1の針の位置から第2の針の位置にユーザの動かす針20は、パッシブシステムに対応する。これは、針20が患者の皮膚から取り除かれ、スプリングクリップ40が同じ手動操作で針20を保護するためである。
【0025】
図7に図示されるように、スプリングクリップ40は、2つのフレキシブルアーム44が互いに対してバイアスし、針20の鋭利な先端24を封入する閉位置にある。つまり、先端壁50とリップ52とは互いに重なり合い、スプリングクリップ40を閉位置で閉じる。具体的には、一方のフレキシブルアーム44のリップ52は、他方のフレキシブルアーム44の先端壁50と接触する。スプリングクリップ40の2つのフレキシブルアーム44は、もはや針20をバイアスしない。したがって、フレキシブルアーム44は、スプリングクリップ40の先端を閉じて、針20が抜けることを防止する。
【0026】
針20はまた、スプリングクリップ40内の開口部42の直径よりも大きい局所的な直径を有する針20を提供する、針の変形22を含む。針の変形22は、針20がその近位端でスプリングクリップ40から抜けることを防止する。鋭利な先端24をスプリングクリップ40内に保持する他の手段は、米国特許第4,952,207号に記載されるように、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、針におけるプレートまたはノッチと係合する、スプリングクリップを含む。
【0027】
スプリングクリップ40が閉位置に配置される場合、スプリングクリップ40は、もはやカテーテルアダプタ32の保持機能34と係合しない。したがって、図6に図示されるように、スプリングクリップ40は、もはやカテーテルアダプタ32内に保持されず、これからは、カテーテルアダプタ32から取り外すことが可能となる。
【0028】
図8は、一実施形態によって、カテーテルアセンブリ10が第3の針の位置にある場合のバレルアセンブリ70を図示する。上記のように、起動ボタン78が押下された場合、スプリング82、および針ハブ80が解放され、バレル72の近位端に格納される。すなわち、起動ボタン78は、針20、スプリングクリップ40、および針ハブ80の動作運動を引き起こして、バレル72に封入させる。この移動の間に、ハンドル71の内径74のテーパーの内表面76は、スプリングクリップ40のテーパーの外表面48と協働して、スプリングクリップ40をハンドル71、およびバレル72と有利に、係合および誘導する。また、テーパーの外表面48は、テーパーの内表面76と係合し、ハンドル71、およびバレル72に対して、有利にスプリングクリップ40を中心に据える。
【0029】
2番目の針の位置から3番目の針の位置への移動は、アクティブシステムに対応する。これは、患者の皮膚からの針20の最初の引き抜きに続く二次的なステップが行われるためである。具体的には、この二次的なステップでは、ユーザは起動ボタン78を押下して、針20をスプリング82からのスプリング力を介して自動的に格納させる。したがって、この第3の針の位置において、鋭利な先端24、およびスプリングクリップ40は、バレル72内に安全に封入される。
【0030】
一実施形態によって、カテーテル30が患者の皮膚へと挿入され、起動ボタン78が押下されると、針20、および針ハブ80は、バレルアセンブリ70へと直ちに引き抜かれる。この状況下で、第2の針の位置の先端シールドが自動的に行われる。この動きはパッシブシステムに対応する。
【0031】
典型的に先行技術において、スプリングクリップは、バレルへと格納されていない。針の鋭い先端を覆うようスプリングクリップが使用されるか、スプリングクリップがバレルへと格納されずに針が使用されるかのいずれかである。本明細書に開示されるカテーテルアセンブリ10は、有利にアクティブシステムとパッシブシステムとを組み合わせて、ユーザに対する安全性の向上を確実なものとし、血液の露出、および飛散を低減する。カテーテルアセンブリ10は、ハンドル71の内径74のテーパーの内表面76をもたらすことにより、動作を改善し、スプリングクリップ40のテーパーの外表面48と協働する。
【0032】
図10図19は、カテーテルアセンブリ110の第2の例示的な実施形態を図示する。カテーテルアセンブリ110は、以下の違いを用いて、上記のカテーテルアセンブリ10の修正版である。図10は、ユーザがカテーテル130の先端から針120を取り外し、且つ針120の鋭い先端124をカテーテルアダプタ132へと配置する場合のカテーテルアセンブリ110を図示する。
【0033】
図11は、一実施形態によって、カテーテルアダプタ132の内側にある針120を図示する。前の実施形態で同様に説明されたように、スプリングクリップ140は、選択的に開閉し、針120の鋭利な先端124を露出、および封入する。スプリングクリップ140は、針120が通過するための開口部142を含む。スプリングクリップ140はまた、鋭い先端124を封入するよう、湾曲部分154と、先端壁150と、リップ152とを含む。湾曲部分154は、フレキシブルアーム144がスプリングクリップ140の開位置と閉位置との間で適切に曲がるよう構成される。さらに、スプリングクリップ140は、スプリングクリップ140の近位端に後方壁146と、テーパーの外表面148とを含む。カテーテルアダプタ132は、スプリングクリップ140が閉じられるまで、フレキシブルアーム144を介して、スプリングクリップ140を保持する保持機能134をさらに含む。
【0034】
一実施形態によって、図11および図12はまた、スプリングクリップ140を部分的に封入するクリップハウジング156を図示する。クリップハウジング156の特徴、および動作は、同様に、2017年4月6日に出願された米国特許出願第15/481,166号に開示され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。具体的には、クリップハウジング156は、有利に、スプリングクリップ140における任意の鋭いエッジを覆って、ユーザが不注意に接触することから保護する。クリップハウジング156はまた、スプリングクリップ140からの不注意による分離を防止するためのロックおよび/または係合機能を含む。
【0035】
スプリングクリップ140のフレキシブルアーム144は、スプリングクリップ140の開位置でクリップハウジング156の外側に延伸する。この実施形態のクリップハウジング156はまた、有利に、クリップハウジング156のテーパーの外表面158を含む。別の実施形態において、テーパーの外表面48は、丸み、または面取りを含む。テーパーの外表面158は、以下でさらに説明されるように、さらには、前の実施形態で同様に説明されたように、クリップハウジング156の誘導される動きを、ハンドル171、およびバレル172へと有利にもたらすよう構成される。また、テーパーの外表面158は、ハンドル171、およびバレル172に対して、スプリングクリップ140を有利に中心に据える。したがって、クリップハウジング156のテーパーの外表面158は、スプリングクリップ140の後方壁146でテーパーの外表面148と協働して、有利に、ハンドル171、およびバレル172へとスムーズな移動をもたらす。
【0036】
一実施形態によって、図13および図14は、バレルアセンブリ170を図示する。前の実施形態で同様に説明されたように、バレルアセンブリ170は、内径174を有するハンドル171を含む。内径174は、ハンドル171の先端に配置されるテーパーの内表面176を含む。ハンドル171の内径174のテーパーの内表面176は、スプリングクリップ140のテーパーの外表面148、およびクリップハウジング156のテーパーの外表面158と協働し、有利に、スプリングクリップ140、およびクリップハウジング156を係合し、且つハンドル171、およびバレル172へと誘導する。また、スプリングクリップ140のテーパーの外表面148、およびクリップハウジング156のテーパーの外表面158は、テーパーの内表面176と係合して、ハンドル171、およびバレル172に対して、スプリングクリップ140、およびクリップハウジング156を有利に中心に据える。
【0037】
前の実施形態で同様に説明されたように、バレルアセンブリ170は、起動ボタン178と、格納のために針ハブ180と協働するスプリング182とをさらに含む。針120は、針ハブ180に固定されているので、起動ボタン178が押下された場合に、針120がバレル172へと格納される。
【0038】
図15は、一実施形態によって、スプリングクリップ140が実質的にクリップハウジング156内に配置されていて、且つ針が第2の針の位置にある閉位置にあることを図示する。具体的には、先端壁150は、オフセットされており、先端壁150のうちの一方のリップ152は、他方の先端壁150と接触し、針120の先端124がクリップハウジング156から抜けることを阻止する。また、スプリングクリップ140が閉位置に入った後に、スプリングクリップ140の先端部分は、クリップハウジング156を越えて延伸することができる。
【0039】
一実施形態によって、図16は、上部断面図を図示し、図17は、スプリングクリップ140、およびクリップハウジング156の断面図を図示する。これらの図の両方は、第2の針の位置から第3の針の位置までバレル172へ格納されている、スプリングクリップ140およびクリップハウジング156を図示する。
【0040】
前の実施形態で同様に説明されたように、図18および図19は、バレル172における、スプリングクリップ140およびクリップハウジング156を図示する。これは、カテーテルアセンブリ110の針120の第3の針の位置である。
【0041】
図20図22は、バレルアセンブリ270の第3の例示的な実施形態を図示する。バレルアセンブリ270は、ハンドル271およびバレル272における、針220の格納速度を制御するよう以下の改善を有する、上記のバレルアセンブリ70およびバレルアセンブリ170の修正版である。
【0042】
上記の前の実施形態において、起動ボタン78および起動ボタン178が押下された場合、針ハブ80および針ハブ180は、スプリング82およびスプリング182からの力を介して、ハンドル71およびハンドル171、ならびにバレル72およびバレル172へと格納される。しかしながら、針ハブ80および針ハブ180の格納速度は、高速であってよく、格納の間に血液を飛散させることが可能となる。米国特許第5,575,777号、第5,702,367号、および第6,090,078号に記載されているように、シリコーンゲルと、ブラダーエアベントと、Оリングと、クラッシャブルフィルタと、スプリング圧縮ノードとを含む、さまざまな減衰機構が従来技術で使用されてきており、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0043】
一実施形態によって、バレルアセンブリ270は、カテーテルアセンブリのハンドル271およびバレル272へと針220の制御される可変格納速度をもたらす。具体的には、ハンドル271は、第1の内径274aと、第2の内径274bと、第3の内径274cとを含む。第1の内径274aおよび第3の内径274cは、実質的に同様である。また、第2の内径274bは、第1の内径274aおよび第3の内径274cのそれぞれよりも大きい。3つの内径274a、内径274b、および内径274cは、内径のテーパーを介して接続され、連続的に変化する内径をもたらす。
3つの内径274a、内径274b、および内径274cは、内径のテーパーを介して接続され、連続的に変化する内径をもたらす。
【0044】
バレルアセンブリ270は、針220を固定する針ハブ280をさらに含む。第1の減衰機構290は、針ハブ280の近位端に有利に固定される。一実施形態において、第1の減衰機構290は、シリコーンワッシャー、またはシリコーンディスクである。
【0045】
カテーテルアセンブリの動作において、起動ボタン78および起動ボタン178が押下された場合、第1の減衰機構290の外径は、第1の内径274aと摩擦接触している。これは、第1の内径274aが第1の減衰機構290の外径よりも小さいためである。その結果、針ハブ280、および針220は、有利に、ハンドル271、およびバレル272へとゆっくり動き始める。
【0046】
針ハブ280がハンドル271、およびバレル272内を移動し続けると、内径が第2の内径274bまでサイズが増大する。第2の内径274bは、第1の減衰機構290の外径よりも大きい。したがって、第2の内径274bと第1の減衰機構290との間に隙間(実質的に減少した摩擦接触)がある。結果として、針ハブ280は、有利に、速度が増し、ハンドル271、およびバレル272をより速く通過して移動する。
【0047】
針ハブ280がバレル272内の移動が終わりに近づくと、バレル272の内径は、サイズが第3の内径274cまで減少する。第1の減衰機構290の外径は、第3の内径274cと摩擦接触している。これは、第3の内径274aが第1の減衰機構290の外径よりも小さいためである。その結果、針ハブ280は、バレル272内の移動の終わりが近づくと、速度が有利に遅くなる。
【0048】
この実施形態のバレルアセンブリ270を組み込んだカテーテルアセンブリは、有利に、針移動の開始時および終了時に、ゆっくりとした針の格納をもたらし、血液の飛散を減少させ、格納の間に、針220、および針ハブ280の滑らかな移動をもたらす。ハンドル271、およびバレル272内で変化する直径は、有利に、さまざまな位置での針の格納速度を制御するよう速度減衰プロファイルを提供する。
【0049】
速度減衰プロファイルは、針220、および針ハブ280の所望の格納速度に基づいて、調整することが可能である。一実施形態によって、第3の内径274cは、第1の内径274aよりも小さく、移動の開始時と比較して、移動の終了時に、より遅い格納速度を有利にもたらす。別の実施形態によって、第1の内径274aは、第3の内径274cよりも小さく、移動の終了時と比較して、移動の開始時に、より遅い格納速度を有利にもたらす。一実施形態によって、第2の内径274bは、第1の内径274a、および第3の内径274cと実質的に同様であり、ハンドル271、およびバレル272内の移動を通じて、針220、および針ハブ280の遅い格納速度を有利にもたらす。
【0050】
一実施形態によって、内径274a、内径274b、および内径274cのそれぞれの幅は、速度減衰プロファイルを調整するよう変更される。具体的には、内径274a、内径274b、および内径274cの幅は、針220、および針ハブ280がハンドル271、およびバレル272を通して移動すると、ハンドル271、およびバレル272の各部分における、格納のための時間の量を有利に制御する。スプリング82およびスプリング182の力と同様に、内径274a、内径274b、および内径274cと第1の減衰機構290との間の摩擦の量(どの程度の干渉が存在するか)はまた、ハンドル271、およびバレル272のそれぞれの部分での格納のための時間の量を有利に制御する。
【0051】
カテーテルアセンブリの第4の例示的な実施形態は、以下の相違を有する上記のバレルアセンブリ270の修正版である。具体的には、ハンドル271、およびバレル272は、上記と同様に、第1の内径274aおよび第2の内径274bを含む。バレルアセンブリ270はまた、針ハブ280の近位端に固定されている第1の減衰機構290を含む。バレルアセンブリ270は、第2の減衰機構291をさらに含む。第1の減衰機構290は、上記と同様にシリコーンワッシャーであり、第2の減衰機構291は、シリコーンゲルである。シリコーンゲル291は、格納の前に、スプリング82およびスプリング182の近位端に適用される。図4図5図13図14図17図19は、ユーザがシリコーンゲル291を供給するよう、ハンドル71およびハンドル171内に与えられる例示的なアクセス穴292を図示する。
【0052】
本実施形態のバレルアセンブリ270を有するカテーテルアセンブリの動作において、起動ボタン78および起動ボタン178が押下された場合、第1の減衰機構290の外径が、第1の内径274aと摩擦接触している。これは、第1の内径274aが第1の減衰機構290の外径よりも小さいためである。その結果、針ハブ280、および針220は、有利に、ハンドル271およびバレル272へとゆっくり動き始める。
【0053】
針ハブ280がハンドル271およびバレル272内を移動し続けると、ハンドル271の内径、およびバレル272が、第2の内径274bまでサイズが増大する。第2の内径274bは、第1の減衰機構290の外径よりも大きい。したがって、第2の内径274bと第1の減衰機構290との間に実質的に少ない摩擦接触がある。結果として、針ハブ280は、有利に、速度が増し、ハンドル271、およびバレル272をより速く通過して移動する。
【0054】
針ハブ280がバレル272内の移動の終わりに近づくと、スプリング82およびスプリング182は、有利に、第2の減衰機構291の適用されたシリコーンゲルを通過して動き始める。第2の減衰機構291のシリコーンゲルは、スプリング82およびスプリング182の延伸に抵抗して、針220および針ハブ280の格納を有利に遅くさせる。したがって、第1の減衰機構290および第2の減衰機構291の組み合わせは、上記の第3の実施形態として、針の格納の間に、有利に、同様の速度減衰プロファイルを提供する。
【0055】
この構成は、ハンドル271、およびバレル272内に2つを超える制御された内径の製造の複雑さを有利に低減する。また、シリコーンワッシャー290とシリコーンゲル291との組み合わせは、血液の飛散を低減させる一方で、同様の減衰特性を有利にもたらし、格納の間に、針220、および針ハブ280の滑らかな移動をもたらす。
【0056】
一実施形態によって、第2の減衰機構291のシリコーンゲルは、ハンドル271の内径の近位端と同様に、スプリング82およびスプリング182の先端に適用される。このようにして、シリコーンゲル291は、スプリング82およびスプリング182が延伸した状態に移る場合と同様に、スプリング82およびスプリング182は、圧縮した状態にある。したがって、シリコーンゲル291は、針ハブ280と接触することで、移動を通じたその動きを遅くさせる一方で、スプリング82およびスプリング182の延伸に抵抗する。この方法でシリコーンゲル291を適用することは、スプリング82およびスプリング182のコイルが一度にすべてではなく、一度に1つずつ拡張することを有利に可能とする。
【0057】
そのような構成は、最初の起動後に、針ハブ280の最初の動きをゆっくりと可能とすることによって、針の格納の間に、詳細には移動の始めに、速度減衰プロファイルの精度を有利に改善する。この構成はまた、起動時に過度の摩擦を生じやすいシリコーンワッシャー290の使用を有利に回避する。この状況下で、摩擦力は、スプリング力よりも大きく、結果として、針220は格納されず、安全でない状態のままである。したがって、シリコーンゲル291は、有利に、最初の起動段階のための強力な解決法を提供する。
【0058】
一実施形態によって、シリコーンゲル291は、圧縮した状態でスプリング82およびスプリング182の先端に提供され、シリコーンワッシャー290は、針ハブ280の近位端に固定される。シリコーンワッシャー290は、移動の終わりの近くでバレル272の内径に確実に接触するだけで、大きな摩擦力をもたらす。このようにして、シリコーンゲル291は、シリコーンワッシャー290が移動の終わりに、より良い、ゆっくりした/減速の解決法を提供する一方で、上記と同様に、最初の起動段階のための強力な解決法を有利に提供する。シリコーンゲル291の代わりにシリコーンワッシャー290を移動の終わりで使用することは、針ハブ280が端部でシリコーンゲル291の山へと単純に「衝突すること」を有利に防ぎ、より良い減速をもたらす。
【0059】
別の実施形態において、第1の減衰機構290としてのシリコーンワッシャーは、針ハブ280の近位端に配置され、第2の減衰機構291としてのシリコーンゲルは、バレル272の内径の近位端に配置される。シリコーンワッシャーは、ハンドル271、およびバレル272の内径と相互作用して、上記と同様に、針ハブ280の最初の格納を制御する。バレル272の内径の近位端にあるシリコーンゲルは、バレル272内の移動の終わりを遅くするよう針ハブ280と接触する。そのような構成は、針の格納の間に速度減衰プロファイルを制御する別の方法を有利に提供する。
【0060】
別の実施形態において、第2の減衰機構291としてのシリコーンゲルは、針ハブ280の近位端に配置され、スプリング82およびスプリング182に適用され、バレル272の内径の近位端に配置される。針ハブ280の近位端にあるシリコーンゲルは、格納速度を遅くするよう、ハンドル271の内径に接触する。針ハブ280がバレル272の移動の終わりに近づくと、バレル272の内径の近位端にあるシリコーンゲル291を用いて同様の効果が起こる。しかしながら、バレル272の内径の近位端では、スプリングはまた、針ハブ280の近位端からの残留のシリコーンゲルと混ざり、格納速度をさらに減衰させる。
【0061】
このようにして、シリコーンゲル291は、針ハブ280の端部で格納を有利に遅くし、格納位置での針ハブ280のより滑らかな、減速および停止を得る。そのような構成は、シリコーンゲルのみを使用して針の格納の間に、速度減衰プロファイルを制御する別の方法を有利に提供する。別の実施形態において、アクセス穴292は、スプリング82およびスプリング182の近位端、第1の針の位置における針ハブ280の近位端、およびハンドル271の内径の近位端、およびバレル272のいずれか1つの近くに有利に与えられる。このようにして、シリコーンゲル291は、上記の実施形態に記載される所望の位置にユーザによって、容易、且つ正確に適用することが可能である。
【0062】
図23図26は、カテーテルアセンブリ310の第5の例示的な実施形態を図示する。この実施形態のカテーテルアセンブリ310は、上記の実施形態で説明された特徴の多くを使用する血液制御カテーテルアセンブリである。具体的には、カテーテルアセンブリ310は、針320、針の変形322、および鋭い先端324の上記と同様の方法で、カテーテル330と、カテーテルアダプタ332と、保持機能334とを含む。
【0063】
嵌合部分364は、カテーテルアダプタ332の近位端に配置される。嵌合部分364は、流体の流れを可能とし、ルアーコネクタ、またはデバイス(図示せず)の端部を受容、または係合、または当接する。嵌合部分364は、好ましくは、係合中に、ルアーコネクタとカテーテル330との間で、流体が交換されることを可能とする。
【0064】
嵌合部分364は、有利に、長さが少なくとも7.5mmのルアー係合面を含む。このような構成は、最近更新されたISO 594、現在のISO 80369-7「Small-Bore Connector Standard」の規格を満たしている。この新しいISO基準は、すべての小口径コネクタのサイズ、および変更を規制し、さまざまな規格のサブタイプ間の誤接続を低減し、結果として、カテーテルアダプタ332の設計における不正確なルアーコネクタ接続を回避する。したがって、ISO80369-7の新しい要件を満たすことが、カテーテルアセンブリ310の空間を最適化することと、コンパクトな設計を開発することとの、より大きな必要性を引き起こす。
【0065】
カテーテルアセンブリ310は、流体の流れを調節する隔壁314を含む。図31に最もよく図示されているように、隔壁314は、隔壁314を通過する望ましくない流体の流れを選択的に防止するよう設計される1つまたは複数の予め形成された、開口部またはスリットを有する。以下で詳細に説明されるように、隔壁アクチュエータ360によって係合される場合、3つのフラップを形成する3つの交差するスリットが開く。
【0066】
図31に図示される隔壁314は、本明細書で論じられる実施形態のいずれかで使用されてよい。当業者によって理解されることになるよう、他の隔壁の構成を使用することができる。隔壁314は、バルブを形成するための弾性材料、例えば、シリコーンゴムでできている。他の弾性材料を使用してよく、必要に応じて非弾性材料を隔壁314に組み込んでよい。
【0067】
カテーテルアセンブリ310は、図27に最もよく図示されているように、隔壁アクチュエータ360をさらに備える。図27のものと同様の隔壁アクチュエータ360は、本明細書で説明される実施形態のいずれかで使用されてよい。隔壁アクチュエータ360は、カテーテルアダプタ332内に配置され、隔壁314と係合し(そのスリットを開き)、且つ係合を解除する(スリットを閉じる)よう、カテーテルアダプタ332内で軸方向に移動可能である。隔壁アクチュエータ360は、好ましくは、剛性、または半剛性材料、例えば、剛性ポリマー材料、または金属から一体で作られる。
【0068】
隔壁アクチュエータ360は、隔壁アクチュエータ360の全長に及ぶ内部通路362aを含む。隔壁アクチュエータ360は実質的に管状の部材であり、内部通路362aは実質的に円筒形であり、隔壁アクチュエータ360内に中空通路を与え、それにより、隔壁アクチュエータ360によって、隔壁314を開いた場合および/または貫通させた場合に、流体が隔壁314を通して交換することができる。内部通路362aは、隔壁アクチュエータ360の先端に配置される先端開口部362bと流体連通している。
【0069】
1つまたは複数の開口部362cが、隔壁アクチュエータ360の近位端と先端との間のさまざまな位置に配置される。隔壁アクチュエータ360の開口部362cは、米国特許第9,101,746号に同様に記載されており、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。これらの開口部362cは、隔壁アクチュエータ360内およびそれを通過する流体の交換、およびフラッシングを提供する、フラッシングウィンドウとして作動する。開口部362cのそれぞれは、以下でさらに説明されるように、フレキシブルアーム344の幅よりも大きい幅を有する。開口部362cは、内部通路362aの中心線に対して実質的に垂直な方向に隔壁アクチュエータ360を貫通させて延伸する。開口部362cは、内部通路362aと流体連通しており、隔壁アクチュエータ360を通過し、その周りの流体の流れを可能とする。
【0070】
開口部362cは、有利に、流体がカテーテルアセンブリ310のカテーテルアダプタ332の内側を移動するよう増加した面積をもたらす。増加した面積は、有利に、流体のフラッシングを可能にし、カテーテルアダプタ332の近位端、および先端と同様に、隔壁314の近位端、および先端における流体の凝固を防止する。その結果、開口部362cは、流体の停滞を有利に最小化し、より大きな混合を可能とする。
【0071】
最終的に、開口部362cはまた、以下で説明されるように、スプリングクリップ340によって、係合を有利に、且つ同時に可能とする。このようなスプリングクリップ340と隔壁アクチュエータ360との間の係合は、有利に、スペースを最適化し、カテーテルアセンブリ310のコンパクトな設計を提供する。カテーテルアセンブリ310の長さがより短いと、通常、フラッシング性能を低下させる。しかしながら、カテーテルアセンブリ310の実施形態は、最適な性能を維持しながらサイズの利点を達成するよう、流体のフラッシング、およびスプリングクリップ340とのインターロックの二重の方法で、隔壁アクチュエータ360の開口部362cを有利に使用する。
【0072】
隔壁アクチュエータ360はまた、カテーテルアダプタ332における保持機能334と係合するフランジ366含む。具体的には、フランジ366の外径は、保持機能334の内径よりも大きい。したがって、保持機能334は、隔壁アクチュエータ360をカテーテルアダプタ332内に引き止め、その結果、隔壁アクチュエータ360、およびスプリングクリップ340が、不注意に移動されたり、または取り除かれたりしない。
【0073】
カテーテル330が患者の皮膚内へと配置された後に、実施者によって、カテーテルアセンブリ310を利用し、および/または一度または複数回使用することが可能である。前者の場合、ルアーコネクタが取り外された後に、隔壁アクチュエータ360は、隔壁314と係合したままである。後者の場合、隔壁アクチュエータ360は、第1のアクチュエータ位置と第2のアクチュエータ位置との間を移動するよう構成される。第1のアクチュエータの位置において、隔壁アクチュエータ360は、隔壁314を貫通させ、カテーテル330と、カテーテルアダプタ332の近位端との流体連通を確立する。第2のアクチュエータの位置において、隔壁アクチュエータ360は、もはや隔壁314を貫通させず、カテーテル330とカテーテルアダプタ332の近位端との間の流体連通を禁止する。
【0074】
隔壁アクチュエータ360は、さまざまな方法で、第1のアクチュエータの位置から第2のアクチュエータの位置へ移動することが可能である。一実施形態において、スプリング(図示せず)などのリターン部材が、カテーテルアダプタ332の内径、および隔壁アクチュエータ360の外径と係合する。隔壁アクチュエータ360が第1のアクチュエータの位置へと移動する場合、スプリングが圧縮される。使用後に、以下でさらに説明されるように、スプリングからのスプリング力が、隔壁アクチュエータ360を第1のアクチュエータの位置から第2のアクチュエータの位置へ移動させる。
【0075】
別の実施形態において、隔壁314の弾性は、隔壁アクチュエータ360を第1のアクチュエータの位置で隔壁314を完全に貫通させることを可能としない。むしろ、隔壁314は、隔壁アクチュエータ360によって部分的に貫通されている。したがって、使用後に、以下でさらに説明されるように、隔壁314の弾性は、隔壁アクチュエータ360を第2のアクチュエータの位置へと移動させる力をもたらす。
【0076】
カテーテルアセンブリ310は、隔壁アクチュエータ360内に配置されるスプリングクリップ340をさらに備える。スプリングクリップ340は、開口部342、フレキシブルアーム344、後方346、テーパーの外表面348、先端壁350、およびリップ352などの上記の特徴の多くを含む。図28は、先行技術における既知のスプリングクリップ440を図示し、図29および図30は、カテーテルアセンブリ310の本実施形態における例示的なスプリングクリップ340を図示する。図28に図示されるように、従来技術のスプリングクリップ440に関するさらなる情報は、米国特許第8,337,463号に開示され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0077】
図29および図30に図示されるスプリングクリップ340における、フレキシブルアーム344は、近位アーム部分345aと、先端アーム部分345bとを含む。近位アーム部分345aは、先端アーム部分345bよりも幅が広く、動作の間に、必要なフレキシブル性およびスプリング力を有利にもたらす。先端アーム部分345bは、先端アーム部分345bの残りの部分よりも狭い、湾曲または部分を有する、切り欠きを含む。図28に図示するように、先端アーム部分345bのこの切り欠きは、従来技術のスプリングクリップ440には存在しない。
【0078】
図29および図30はまた、それぞれが上壁部分351aおよび下壁部分351bを含むよう、スプリングクリップ340のフレキシブルアーム344の先端壁350を図示する。上壁部351aは、底壁部351bよりも狭い。具体的には、上壁部分351aは、先端アーム部分345bと同様に、湾曲または部分を有する切り欠きを含む。ここでも、先端アーム部分345bと同様に、上壁部分351aの切り欠きは、図28に図示されるように、従来技術のスプリングクリップ440に存在しない。
【0079】
先端アーム部分345b、および上壁部分351aにおける切り欠きは、スプリングクリップ340の最も高い部分で交わる。スプリングクリップ340の最も高い部分は、動作の間に、隔壁アクチュエータ360の開口部362cへと延伸し、且つ突出する。これらの切り欠きは、有利に提供されることによって、開口部362cとの接触を最小化、または排除しながら、動作中に、フレキシブルアーム344が隔壁アクチュエータ360の開口部362cと係合および係合解除が可能である。具体的には、切り欠きの幅は、隔壁アクチュエータ360の開口部362cの幅よりも有利に小さく、適切な動作を可能とする。
【0080】
したがって、不必要な摩擦が発生しなく、スプリングクリップ340の寿命が最適化され、スプリングクリップ340が干渉されることなく動作することが可能である。また、スプリングクリップ340は、カテーテルアダプタ332に直接接触、または係合して、スペースを有利に最適化し、カテーテルアセンブリ310のコンパクトな設計を提供する。最終的に、隔壁アクチュエータ360の開口部362cは、流体のフラッシング、およびスプリングクリップ340とのインターロックの二重の方法で、有利に使用され、最適な性能を維持しながら、コンパクトな設計を達成する。
【0081】
別の実施形態(図示せず)において、スプリングクリップのフレキシブルアームは、上記のスプリングクリップ340のフレキシブルアーム344よりも狭い。スプリングクリップは、上記と同様の方法で、隔壁アクチュエータ360の開口部362cと係合および係合解除をするには十分に狭い。具体的には、より狭いフレキシブルアームは、スプリングクリップ340の先端アーム部分345b、および上壁部分351aの切り欠きを交換することで、上記と同じ恩恵、および利点を達成する。
【0082】
前の実施形態で同様に説明したように、第1の針の位置では、スプリングクリップ340のフレキシブルアーム344は、針320にバイアスされている。この実施形態において、フレキシブルアーム344は、隔壁アクチュエータ360の開口部362cへと突出するか、または係合する。この係合は、隔壁アクチュエータ360からのスプリングクリップ340の取り外しを防止する。
【0083】
前の実施形態における同様に、説明された第2の針の位置では、スプリングクリップ340のフレキシブルアーム344は、針320の先端324を封入する。スプリングクリップ340は、さらなる使用、または不注意による接触から先端324を保護する。この実施形態において、フレキシブルアーム344は、隔壁アクチュエータ360の開口部362cから格納され、且つ係合解除される。この係合解除は、隔壁アクチュエータ360からのスプリングクリップ340の取り外しを可能とする。
【0084】
したがって、上記の係合解除により、スプリングクリップ340、および針320は、第2の針の位置から第3の針の位置へと移動することが可能である。第3の針の位置は、スプリングクリップ340、および針320をカテーテルアセンブリ310のカテーテルアダプタ332から離し、取り外す。以下でさらに説明されるように、第1の針の位置、第2の針の位置、および第3の針の位置間の移動は、手動または自動のいずれかで行うことが可能である。
【0085】
図示されてはいないが、この適用では、スプリングクリップ340のさまざまな代替設計が考慮されている。例えば、スプリングクリップ340は、プラスチック、金属、またはその両方の組み合わせで作ることが可能である。弾性クリップをスプリングクリップ340の周りに配置させることが可能であり、スプリングクリップ340を閉じ、且つ針320の先端を封入することを助ける。代替のスプリングクリップの例は、米国特許出願公開第2012/0136311号、2013/0030391号、2013/0184645号、2013/0178800号、2014/0121604号、および2017/0043135号に記載されているものであり、それらの全体を参照により本明細書に組み込む。これらの代替のスプリングクリップのいずれも、本明細書に開示されるカテーテルアセンブリ310における、スプリングクリップ340と同様に動作するよう、修正することが可能である。
【0086】
図24はまた、カテーテルアセンブリ310に任意に接続するバレルアセンブリ370を図示する。バレルアセンブリ370は、上記の他の特徴と同様に、グリップ371と、起動ボタン378と、スプリング382とを含む。バレルアセンブリ370は、第1の針の位置から第2の針の位置に、そして最終的に第3の針の位置へと移動する場合に、針320の自動取り出しをもたらす。カテーテルアセンブリ310の別の実施形態において、バレルアセンブリは、存在しない。むしろ、針320は、ユーザによって、第1の針の位置から第2の針の位置へ、そして究極的には第3の針の位置へと手動で移動される。
【0087】
図32は、アセンブリ310の第6の例示的な実施形態を図示し、スプリングクリップ340は、上記と同様の方法でスプリングハウジング356によって封入される。スプリングクリップ340、およびスプリングハウジング356は、カテーテルアセンブリ310の第1の針の位置および第2の針の位置で、隔壁アクチュエータ360内に配置される。続いて、スプリングクリップ340、スプリングハウジング356、および針320は、第3の針の位置にあるカテーテルアセンブリ310の隔壁アクチュエータ360から取り外される。
【0088】
カテーテルアセンブリ310の動作は、以下で説明される。カテーテル330、および針320は、第1のカテーテルアセンブリの位置で患者の静脈へと挿入される。針320、およびカテーテル330が確実に配置されると、起動ボタン378が押下される。起動ボタン378が押下されると、内針ハブ、およびスプリング382を、起動ボタン378の壁(図24には図示されていないが、前の実施形態に図示されている)から係合解除する。次に、針320によって、スプリング382からのスプリング力を介してカテーテルアダプタ332内に格納される。別の実施形態において、針320、およびカテーテル330が確実に配置されると、針320は、バレルアセンブリ370を使用することなく、ユーザによって手動で引き抜かれる。
【0089】
図23に図示されるように、針320が、ユーザによって手動で、またはバレルアセンブリ370を介して自動的に、カテーテルアダプタ332内に格納されると、針320の先端324は、隔壁314をもはや貫通させない。したがって、隔壁314は、流体密封シールを形成し、カテーテル330との間の流体交換を選択的に禁止する。つまり、隔壁314が隔壁アクチュエータ360によって貫通されているかに基づいて、隔壁314は、カテーテル330を通過する流体の流れを選択的に、許容または遮断する。
【0090】
続いて、針320は、図25に図示されるように、第2の針の位置に入り、針320の先端324が、スプリングクリップ340によって封入される。上記のように、スプリングクリップ340のフレキシブルアーム344は、第1の針の位置で針320によってバイアスされる。針320が第2の針の位置に入る場合、スプリングクリップ340のリップ352は、もはや針320にバイアスされていなく、代わりに互いに接触し、針320の先端324を封入、且つ遮蔽する。上記のように、針320は、ユーザによって手動で、またはバレルアセンブリ370を使用して自動的に、第2の針の位置に入る。
【0091】
第2の針の位置において、フレキシブルアーム344はまた、隔壁アクチュエータ360の開口部362cから係合解除される。具体的には、先端アーム部分345bの切り欠き、および上壁部分351aが交わるスプリングクリップ340の最も高い部分は、もはや隔壁アクチュエータ360の開口部362cから突出していない。以下に説明されるように、この係合解除は、針320、およびスプリングクリップ340をカテーテルアダプタ332から取り外すことを可能とする。
【0092】
次に、針320は、第3の針の位置へ移動する。上記のように、図24に図示されるように、カテーテルアセンブリ310がバレルアセンブリ370と協働する場合、内針ハブを囲むスプリング382は、起動ボタン378によって解放される。これが、内針ハブをバレルアセンブリ370の近位で反対側の端部まで移動させる(図24には図示されていないが、前の実施形態において図示されている)。したがって、針320は、ここで格納され、第3の針の位置にあり、完全な針320(その鋭い先端を含む)、およびスプリングクリップ340は、バレルアセンブリ370の外側ハウジングに保持される。針320を保持する内針ハブは、スプリング382によって及ぼされる力を介して、バレルアセンブリ370の外側ハウジング内に保持される。したがって、内針ハブ、外ハウジング、およびスプリング382の組み合わせは、針320を封入するための例示的な針保護部材である。
【0093】
あるいは、図26に図示されるように、針320は、ユーザによる手動で第3の針の位置へ移動されることが可能である。具体的には、スプリングクリップ340がここで、隔壁アクチュエータ360から係合解除されているため、ユーザは、手動で針320をカテーテルアセンブリ310から引き出すことが可能である。上記と同様の方法で、針320における針変形322が、針320と共に、スプリングクリップ340を取り外す。
【0094】
針320の最初の使用の後に、カテーテルアセンブリ310のさらなる使用が、以下のように説明される。カテーテル330が最初に患者に挿入された場合、針320が取り除かれ、隔壁314は、血液がカテーテルアダプタ332の近位端から流出することを防止する。雄型ルアーコネクタがカテーテルアダプタ332に挿入されると、ルアーコネクタの端部が隔壁アクチュエータ360に当接する。ルアーコネクタをさらに動かすと、隔壁アクチュエータ360が、軸方向に第1のアクチュエータの位置へと移動し、隔壁314と係合する。隔壁314が(部分的、または完全に)貫通されると、隔壁アクチュエータ360の先端が1つまたは複数のスリットを離して、隔壁314と係合し、且つ開く。隔壁アクチュエータ360によって隔壁314が開かれた後に、流体がルアーコネクタから、内部通路362a、先端開口部362b、および隔壁アクチュエータ360の開口部362cを通過して流れ、究極的にはカテーテル330へ、またはその逆に流れることを可能とする。
【0095】
ルアーコネクタが取り外された場合、隔壁アクチュエータ360は、隔壁314からの弾性力(または上記のスプリング力)を介して、隔壁314を係合解除し、第2のアクチュエータの位置に戻る。隔壁アクチュエータ360は、隔壁アクチュエータ360のフランジ366とカテーテルアダプタ332における保持機能334との間の係合により、第2のアクチュエータの位置を超えて移動することが抑制される。
【0096】
あるいは、ルアーコネクタが取り外された場合、隔壁アクチュエータ360は、隔壁314と係合したままである。次に、使用の後に、カテーテルアセンブリ310は廃棄される。
【0097】
特定の例示的な実施形態の前述の詳細な説明は、本発明の原理、およびその実際の用途を説明する目的で提供され、それによって、当業者に、本発明のさまざまな実施形態に対し、および特定の使用を考慮したものに適するようなさまざまな修正を理解させることを可能とする。この説明は、必ずしも網羅的ではなく、または正確な実施形態を開示するよう本発明を限定することを意図するものではない。本明細書に開示される実施形態および/または要素のいずれも、互いに矛盾しない限り、互いに組み合わされることができ、具体的に開示されないさまざまな追加の実施形態を形成することができる。したがって、追加の実施形態が可能であり、本明細書、および本発明の範囲内に包含されることが意図されている。本明細書は、別の方法で達成することができるより一般的な目標を達成するための具体的な例を説明している。
【0098】
本出願で使用されるとき、「前」、「後」、「上」、「下」、「上方」、「下方」の用語、および他の方向記述子は、本発明の例示的な実施形態の説明を容易にすることを意図し、本発明の例示的な実施形態の構造を特定の位置または方向に限定することを意図するものではない。「実質的に」、または「およそ」などの程度の用語は、所与の値の外にある合理的な範囲、例えば、記載される実施形態の製造、組み立て、および使用に関連する一般的な許容範囲を参照することが当業者によって理解される。
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