(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】可塑性多孔質移植片固定システム
(51)【国際特許分類】
A61F 2/28 20060101AFI20241024BHJP
A61F 2/36 20060101ALI20241024BHJP
A61F 2/38 20060101ALI20241024BHJP
A61F 2/40 20060101ALI20241024BHJP
A61F 2/42 20060101ALI20241024BHJP
【FI】
A61F2/28
A61F2/36
A61F2/38
A61F2/40
A61F2/42
(21)【出願番号】P 2023125950
(22)【出願日】2023-08-02
(62)【分割の表示】P 2020554386の分割
【原出願日】2018-12-18
【審査請求日】2023-08-18
(32)【優先日】2017-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】510102122
【氏名又は名称】マテリアライズ・ナムローゼ・フエンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】MATERIALISE NV
【住所又は居所原語表記】Technologielaan 15,B-3001 Leuven,Belgium
(73)【特許権者】
【識別番号】520223712
【氏名又は名称】オベエル エスアーエス
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】アダム,ジェレミ
(72)【発明者】
【氏名】ゲーベレン,ベンジャミン
【審査官】白土 博之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/042366(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/28
A61B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨に移植される可塑性多孔質構造体であって、
複数のユニット本体(502,602)と、
前記複数のユニット本体に可塑性連結されるように構成された外側スキン(506,606)と、
前記複数のユニット本体に連結されている複数のインターロッキング素子(504,604)と、
を備え、
前記複数のインターロッキング素子の各々がニュートラルポジションにあるときには、
各インターロッキング素子
は、1つのユニット本体に連結されているとともに隣接す
るユニット本体
から空間により離れ、および隣り合う前記インターロッキング素子同士の間には、空間が形成される構成となっており、
前記可塑性多孔質構造体に圧縮力が加えられると、前記複数のインターロッキング素子は、互いに接触することによって前記可塑性多孔質構造体の圧縮を制限する構成となっており、
前記可塑性多孔質構造体に延伸力が加えられると、前記複数のインターロッキング素子は、互いに接触することによって前記可塑性多孔質構造体の延伸を制限する構成となっている、
骨に移植される可塑性多孔質構造体(500,600)。
【請求項2】
前記ユニット本体は、穿孔ディスクである、
請求項1に記載の可塑性多孔質構造体。
【請求項3】
前記複数のインターロッキング素子の各々は、層状構造体を含み、
隣り合う前記インターロッキング素子の層は、互いの間に介在されている、
請求項1または2に記載の可塑性多孔質構造体。
【請求項4】
前記外側スキンは、バネ状設計を含む、
請求項1から3の何れか1項に記載の可塑性多孔質構造体。
【請求項5】
前記外側スキンは、螺旋形設計又は交差する螺旋形設計を含む、
請求項1から3の何れか1項に記載の可塑性多孔質構造体。
【請求項6】
前記外側スキンは、追加のインターロッキング素子を含む、
請求項4又は5に記載の可塑性多孔質構造体。
【請求項7】
前記外側スキンは、ねじれ型構成において、スリット形状の穿孔を含む、
請求項1から3の何れか1項に記載の可塑性多孔質構造体。
【請求項8】
前記複数のユニット本体は、一方向に積み重ねられている、
請求項1から7の何れか1項に記載の可塑性多孔質構造体。
【請求項9】
前記可塑性多孔質構造体は、円筒形の形状を有する、
請求項1から8の何れか1項に記載の可塑性多孔質構造体。
【請求項10】
前記可塑性多孔質構造体は、三角形、正方形、長方形、又は、六角形のような多角形断面を有する、
請求項1から8の何れか1項に記載の可塑性多孔質構造体。
【請求項11】
請求項10に記載の可塑性多孔質構造体を複数有する板状構造体を有する、可塑性多孔質構造体(900)。
【請求項12】
請求項10に記載の可塑性多孔質構造体を複数有する集合体を有する、可塑性多孔質構造体(1000)。
【請求項13】
移植片であって、
前記移植片は、橈骨、尺骨、上腕骨、大腿骨、脛骨、腓骨、肋骨、鎖骨、下顎骨、指骨、中手骨、又は、中足骨のような細長い骨のための骨欠損充填移植片であり、前記骨欠損充填移植片は、請求項1から9の何れか1項に記載の可塑性多孔質構造体を含み、
または
前記移植片は、請求項11に記載の可塑性多孔質構造体を含み、前記板状構造体は、前記移植片の骨接触表面を覆い、
または
前記移植片は、請求項11に記載の可塑性多孔質構造体を含み、前記板状構造体は、板状の前記移植片の本体を形成し、
または
前記移植片は、請求項12に記載の可塑性多孔質構造体を含み、前記集合体は、前記移植片の本体の少なくとも一部を形成する、
移植片。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2017年12月20日に出願された欧州特許出願第17306847.9号の便益を主張する。この出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
〔発明の背景〕
〔発明の分野〕
本開示は、医療用移植片に関する。より詳細には、本開示は、可塑性多孔質移植片固定システムに関する。
【0003】
〔背景技術〕
多孔質又は部分的に多孔質の骨移植片が、様々な状況下で使用される。重量を節約するため、熱伝導率を低下させるため、周囲の骨の機械的特性に近づき機械的特性を達成するため、及び/又はより良好な固定のために骨の内部成長を可能にするためといった異なる理由により、多孔質にしている。
【0004】
良好に固定できるよう骨の内部成長が可能であるように骨移植片を設計するとき、移植片設計者は、移植片の剛性が周囲の骨の剛性よりも低くなければならない一方で、移植片が偶発的な衝撃に耐えるのに十分に強くなければならないという、相反する要件に直面する。
【0005】
特に、周囲の骨よりも硬い移植片は、応力遮蔽を引き起こし得る。応力遮蔽は、より少ない負荷が骨によって運ばれるように、移植片が負荷の大部分を受ける現象である。これは、骨吸収につながり得る。換言すれば、骨の内部成長とは反対のことが、起こり得る。多孔質移植片の剛性を低下させるための1つの戦略は、多孔質構造体の密度を低下させることである。
【0006】
しかしながら、低密度の多孔質構造体は、強度が弱い。これは、移植片が偶発的な負荷の下で破損する危険性を増大させるため、有害である。多孔質移植片の強度を増加させるための1つの戦略は、その多孔質構造体の密度を増加させることである。
【0007】
全体が参照により本明細書に組み込まれる国際特許出願WO/2017/042366の要約書及び
図8bなどには、通常の荷重下での低い剛性及び偶発的な荷重下での高い剛性の両方の要件を調和させることを可能にする多孔質構造体を開示している。いくつかの実施形態において、この多孔質構造体は、
図13cに示され、WO/2017/042366の明細書の20頁15行~21行に記載されているような連結素子を用いることにより連結されたユニットを含む。隣接するユニットの各対は、WO/2017/042366の明細書の概要に記載されているように、通常より大きな変形時に接触する2つの表面を有する。このようにして、連結素子は、表面が接触しないときに骨の内部成長を促進するために必要とされる低い剛性を伝達するような寸法にすることができ、ユニットはそれらの表面が接触したとき、WO/2017/042366の明細書の概要に記載されているように、偶発的な荷重に耐えるために必要とされる強度を伝達するように設計することができる。
【0008】
WO/2017/042366の明細書の概要に記載されているような、WO/2017/042366に記載されている移植片及び多孔質構造体にさらなる新規かつ非自明な改善を提供する、移植片及び多孔質構造体を本明細書では説明する。
【0009】
〔図面の簡単な説明〕
図1は、ある態様による、一体化されたインターロッキング素子を用いる螺旋形の棒である本体を有する多孔質構造体の一例である。
【0010】
図2は、ある態様による、一体化されたインターロッキング素子を用いる特定のジグザグ形状の本体を有する多孔質構造体の一例である。
【0011】
図3は、ある態様による、一体化されたインターロッキング素子を用いる有孔シートである本体を有する多孔質構造体の一例である。
【0012】
図4は、ある態様による、一体化されたインターロッキング素子を用いる有孔管である本体を有する多孔質構造体の一例である。ある態様において、
図4の本体は、内部的に多孔質構造体のためのスキンであってもよい。
【0013】
図5Aは、ある態様による、多孔質構造体のユニットの5つの本体(例えば、多孔質ユニット本体)の一例である。
【0014】
図5Bは、ある態様による、多孔質構造体のインターロッキング素子の一例である。
【0015】
図5Cは、ある態様による、多孔質構造体の連結素子の一例である。
【0016】
図5Dは、ある態様による、
図5A~
図5Cの素子から形成された完全な多孔質構造体の一例である。
【0017】
図5Eは、ある態様による、本体及びインターロッキング素子をそれぞれ用いる、多孔質構造体の2つのユニットの一例の分解図である。
【0018】
図6は、ある態様による、2つのユニット及び可塑性連結素子を含む六角形の多孔質構造体の分解図である。ある態様において、
図6の多孔質構造体の可塑性連結素子は、スキンを構成することができる。
【0019】
図7は、ある態様による、可塑性連結素子によって連結された多孔質構造体の2つのユニットの一例である。
【0020】
図8は、ある態様による、直線構造体を形成するように積み重ねられ、及び可塑性連結素子によって接続される多孔質構造体のユニットの一例である。
【0021】
図9は、ある態様による、可塑性連結素子によって連結された平面構造体を形成するように結合された多孔質ユニットの一例である。
【0022】
図10は、ある態様による、可塑性連結素子によって連結された3D構造体を形成するように積み重ねられ、結合された多孔質ユニットの一例である。
【0023】
図10Aは、ある態様による、可塑性連結素子によって積み重ねられ、結合され、連結された多孔質ユニットから形成された脊椎スペーサの一例である。
【0024】
図11は、ある態様による、螺旋形多孔質構造体を有するネジの一例である。
【0025】
図12は、
図11のネジの例の断面図である。ある態様において、ネジがネジ頭部、ネジ先端、外側シェル、及び中心コアを含む。
【0026】
図12A~
図12Cは、内部成長骨を切断するように構成された可塑性多孔質構造体及び支柱を含む一例としてのネジを示す。
【0027】
図13は、ある態様による、交差する螺旋形として形成された多孔質構造体を用いるネジの回転軸の一例である。
【0028】
図14A及び
図14Bは、ある態様による、ネジ又はボルトの回転軸のための多孔質構造体の別個のユニットの例である。
【0029】
【0030】
図14Dは、ある態様による、ネジ又はボルトの回転軸のためのネジ山を有する螺旋形連結素子の一例である。
【0031】
図14Eは、ある態様による、ネジ又はボルトの回転軸のための第2の螺旋形連結素子の一例である。
【0032】
【0033】
図15は、ある態様による、多孔質構造体としての2つの並列の螺旋形を有するネジの一例である。
【0034】
図16は、ある態様による、多孔質構造体を含む関節窩移植片の一例である。
【0035】
図17は、ある態様による、多孔質構造体を含む関節窩移植片(例えば、大きな骨欠損のため)の一例である。
【0036】
図18は、ある態様による、多孔質構造体を含む大腿骨移植片の一例である。
【0037】
図19は、ある態様による、多孔質構造体を含む膝移植片の一例である。
【0038】
図20は、ある態様による、多孔質構造体を含む歯科移植片の一例である。
【0039】
図21Aは、ある態様による、多孔質構造体を含む(例えば、小さい断面を有する)骨のための移植片固定システムのための移植片の本体の一例である。
【0040】
図21Bは、ある態様による、多孔質構造体を含む(例えば、小さい断面を有する)骨のための移植片固定システムのための移植片のボルトの一例である。
【0041】
図21Cは、ある態様による、多孔質構造体を含む(例えば、小さい断面を有する)骨のための移植片固定システムのための移植片のプラグの一例である。
【0042】
図21Dは、ある態様による、
図21A~
図21Cの素子から形成された多孔質構造体を含む、骨(例えば、小さい断面を有する)のための移植片固定システムの一例である。
【0043】
【0044】
図23は、3D物体を設計及び製造するためのシステムの一例である。
【0045】
図24は、
図23に示すコンピュータの一例の機能ブロック図である。
【0046】
図25は、付加的な製造システムを使用して3D物体を製造するための高レベルのプロセスを示す。
【0047】
〔発明の詳細な説明〕
以下の説明及び添付の図面は、ある特定の実施形態を対象とする。任意の特定の文脈において説明される実施形態は、本開示を特定の実施形態又は任意の特定の使用に限定することを意図しない。当業者は、開示された実施形態、態様、及び/又は特徴が、任意の特定の実施形態に限定されないことを認識するであろう。例えば、「或る(a)」層、構成素子、部品などへの言及は、ある態様では「1つ又は複数」を指すことがある。
【0048】
本明細書中のある実施形態は、別個のユニット本体、連結素子、大きな変形時に接触する素子(例えば、インターロッキング素子又は変形制限素子)、及びスキンを有する、いくつかの他の多孔質構造体と比較してサイズが縮小された移植片に関する。
【0049】
例えば、本明細書のある実施形態は、WO/2017/042366に記載されている設計をさらに改善する多孔質構造体設計を提供する。具体的には、WO/2017/042366の
図13cの設計及び明細書の20頁15行~21行、あるいはWO/2017/042366の
図1a~
図7、
図10a~
図17b、
図19a~
図19dの9頁31行~15頁18行、17頁14行~23頁16行又は25頁4行~28行に記載されている設計である。特に、ある実施形態において、連結素子を用いることにより連結され、WO/2017/042366の
図13c及び明細書の20頁15行~21行に記載されているような、大きな変形時にのみ接触するインターロッキング又は制限素子を有する個々のユニットを備える構造体の代わりである。本明細書に記載されている多孔質構造体の実施形態は、これらの素子のうちの2つ以上を組み合わせて、より小型の設計を達成する。1つの例示的な実施形態は、それ自体がWO/2017/042366の
図13c及び20頁15行~21行の明細書に記載されているように、WO/2017/042366において連結素子の可塑性の挙動を提供し、変形を制限し、機械的強度に寄与する2つ以上の素子を内部に備える1つ以上のユニットを含む。換言すれば、ユニットの本体は、同時に、連結素子として、及び任意選択でスキンとしてさえも機能する。制限素子は、圧縮を制限するための対向素子及び延伸を制限するためのインターロッキング素子のような、あるレベルの変形に対して接触する結合解除素子とすることができる。圧縮と延伸の制限の組み合わせは、過度の延伸時に互いに接触し、過度の圧縮時にユニットの本体に接触するインターロッキング素子を設計することによって得ることができる。他の実施形態も可能である。
【0050】
そのようなユニットの実施例は、ユニット100(
図1)のような螺旋形状、ユニット200(
図2)のようなジグザグ形状、ユニット300(
図3、例えばハニカム)のような孔あき構造体、ユニット200又は300(
図2又は
図3)のようなシート、又はユニット100又は400(
図1又は
図4)のような管路のような形状を有することができる。3次元構造体、層状構造体、オーセティック構造体、プリズム構造体、波状設計、カール状設計、階段状設計、段状設計、波形設計といった他の形状も可能な実施形態である。制限素子104、204、304、404の実施例は、
図1~4にまた示されている。
【0051】
別の例示的な実施形態は、識別可能なユニット本体を維持しながら、外側スキン層を連結素子の機能に組み合わせる。このような実施形態の例は、
図5~
図10に見ることができる。
【0052】
図5A~
図5Eは、ユニット本体502が穿孔ディスク502(
図5A)の形状をとる例を示す。ディスク502の間には、相互に連動するように構成されたインターロッキング素子504(
図5B)があり、それによってユニット本体502を移動可能に結合する。各対のインターロッキング素子504のうちの一方は、隣接するユニット本体502の対のうちの一方のユニット本体502に取り付けられ、他方は、隣接するユニット本体502の対のうちの他方のユニット本体502に取り付けられる。
図5Eは、それらのインターロッキング素子504を有する2つのユニット本体502の分解図を示す。この場合、インターロッキング素子504は、2つの層508を有する層状設計であるが、他の設計又は単一層又は2つより多い層を有する設計であってもよい。隣接するインターロッキング素子504の層508は、隣接するユニット本体502を移動可能に結合するために、互いの間に介在されてもよい。通常の負荷の下では、隣接するユニット本体502のこれらのインターロック素子504が互いに接触しない。偶発的な負荷が加わると、通常よりも大きな変形は、インターロッキング素子504の接触させるため、それらは、多孔質構造体500の強度をもたらす。ユニット本体502を連結する連結素子506は、スキン506(
図5C)としてもふるまう。このスキン506は、所望の範囲内の可塑性を提供するように設計される。
図5Cに示す例において、所望の可塑性は、互い違いに配置されたスリット形状の穿孔を用いることによって達成される。追加のインターロッキング素子(例えばインターロッキング素子104、204、304、404など)を用いる、又は用いないバネ状設計又は
図1及び
図4の設計といった、連結素子506の他の設計は、可能である。
図5Dは、
図5A~Cの各素子の集合体を示す。
図5A~Eの実施例は、円形の断面及び円筒形の形状を有するが、断面及び長手方向の形状の両方が医療デバイスの目的に適合するように適合され得る。この例はとりわけ、骨欠損充填注入の設計、特に、橈骨、尺骨、上腕骨、大腿骨、脛骨、肘、肋骨、鎖骨、下顎骨、指骨、中手骨、及び中足骨などの細長い骨のための骨欠損充填注入に適している。
【0053】
異なる断面を有する同様の構造体600の一例は、
図6~
図8に示されている。例えば、構造体600は、ユニット本体602、インターロッキング素子604、層608、及び連結素子606を含む。本例の異なる素子は、
図5A~Eの例と同じ原理に従う。しかしながら、この例は、多角形の断面、特に六角形の断面を有する。三角形、長方形、正方形、六角形などのより規則的な形状の断面を有することは、多孔質構造体の繰り返し単位に、
図9に見ることができる板状構造体900といった板状構造体、又は
図10に見ることができる多孔質構造体1000の集合体(volumes)といった多孔質構造体の集合体を形成することを可能にする。このような板状構造体は、移植片の骨接触表面を覆うように成形することができる。代わりに、このような板状構造体が、頭蓋プレートといった板状の移植片の本体を形成するように成形され得る。多孔質構造体の集合体は、
図10Aの脊椎スペーサ1005、
図17の関節窩移植片1700、又は骨欠損充填移植片といった他の移植片など、移植片の本体又は本体の一部を形成するように成形又はトリミングすることができる。
【0054】
図22に示す従来技術の移植片9は、端部10及び11を用いて骨に接続される。これらの端部は、多孔質でもあるが、多くの固定ネジ穴12の周りに非常に多くの補強を必要とするため、移植片9の残りの部分を目標とする通常の荷重下では低い剛性を達成することができないだろう。これは、骨-移植片界面(すなわち、骨が切断された骨切り術平面)が負荷されず、すべての負荷がより硬い端部分及びより硬い固定ネジを介して骨の側面に向かって方向転換されるため、問題となり得る。換言すると、骨の内部成長は、予想よりも骨-移植片界面において促進されない。
【0055】
本明細書のある実施形態は固定システムを提供するものである。この固定システムは、WO/2017/042366の多孔質構造体と同等の機械的挙動を有する。WO/2017/042366の多孔質構造体としては、WO/2017/042366の
図1a~
図7、
図10a~
図17b又は
図19a~
図19d、及び明細書の9頁31行~15頁18行、17頁14行~23頁16行、又は25頁4~28行に記載されている、通常の荷重下では低い剛性で、より高い(すなわち偶発的である)荷重下では高い強度多孔質構造体である。この挙動を達成するために、ある実施形態の固定システムは、WO/2017/042366の内部構造体、本開示の実施形態に基づいた内部構造体、又は両方の組み合わせを使用する。WO/2017/042366の内部構造体としては、
図1a~
図7、
図10a~
図17b又は
図19a~
図19dの何れかに示される、及びWO/2017/042366の明細書の9頁31行~15頁18行、17頁14行~23頁16行、又は25頁4~28行に記載されることに基づく。ある実施形態の固定システムは、1つ又は複数のステム、ペグ、ネジ及び/又はボルト、及び任意選択で1つ又は複数のプラグを含む。
【0056】
ステム、ペグ、ネジ及び/又はボルトは、WO/2017/042366の多孔質構造体あるいは本開示に記載される実施形態の多孔質構造体に基づく内部構造体を有していてよい。WO/2017/042366の多孔質構造体とは、WO/2017/042366の
図1a~
図7、
図10a~
図17b又は
図19a~
図19d、及び明細書の9頁31行~15頁18行、17頁14行~23頁16行、又は25頁4~28行に記載される多孔質構造体による内部構造体である。
【0057】
いくつかの実施形態において、ステム、ペグ、ネジ及び/又はボルトの回転軸は、外側シェル及び内側コアを有する。ある実施形態において、外側シェルは、
図1の螺旋形設計に従った構造体を有することができる。ネジ又はボルトの場合、ネジ山が螺旋形に沿うことができる。このようなネジ1100の一例を
図11~
図12に示される。図示されるように、外側シェルは、ネジ山1104及びインターロッキング素子1106を有する螺旋形本体1102を備える。残念ながら、外側シェルは螺旋形であるため、インターロッキング素子1106が接触するまで、ねじれに対する抵抗は、ほとんどない。しかしながら、いくつかの実施形態において、ねじれ剛性は、長手方向に摺動するスライディング素子1108を備えた
図12に示されるような内側コアを有することによって、増加させることができる。これは、頭部1110とチップ1112との間のねじれを防止するために、スライディング素子1108のうちのいくつかがネジ頭部1110に接続され、いくつかのスライディング素子1108がネジチップ1112に接続される。
【0058】
ある実施形態において、ペグ、ネジ、及び/又はボルトの回転軸は、
図4の交差する螺旋形設計による構造体を有する外側シェルを有する(例えば、
図13に示されるような螺旋形1302及び1304を有するネジ1300といった、2つより多いネジが可能である)。次いでネジ山は、1つの螺旋形に続くことができる。本実施形態において、交差する螺旋形の存在は、ねじり剛性を提供する。中心のコアは、開いたままにすることができ、
図12のスライディング素子1108を用いて充填することができ、又は別の方法で、例えば多孔質構造体を用いて充填することができる。ある実施形態において、中心のコアは、通常の荷重下での螺旋形本体の圧縮及び延伸を妨げない。一例は、外側シェルから内側に延びる多数の相互に分離された素子を備える多孔質構造体である。
【0059】
別の実施形態は、
図14A~
図14Fに示すように、単一の(例えば、
図14D又は
図14Eに示すような螺旋形本体1402又は1404)又は、外側シェル及び内部コアを占めるインターロッキング素子1406を占める交差する螺旋形本体(例えば、
図14Fに示すような螺旋形本体1402及び1404)を有することができる。
【0060】
別の実施形態は、
図15に示されるネジ1500におけるような、ねじれ型構成において、インターバル部分1506で接続された2つの並列螺旋形(例えば、螺旋形1502及び1504)を有することができる。本設計は、偶発的な荷重時の圧縮を制限するが、延伸時には制限しない。
【0061】
一実施形態によるネジの特定の例は、
図20に見られるような歯科用移植片2000である。歯科用移植片の回転軸は、前の実施形態の構造体のいずれかを有することができる。歯科用移植片において、口腔内に存在する細菌による感染は、骨量減少の原因とされている。したがって、移植片に抗菌コーティングを施すこと、及び/又は移植片が骨から突出する固体で滑らかな回転軸部分を設けることが適切であり得る。
【0062】
ある移植片において、移植片と骨との間の負荷は、骨にとって自然ではない剪断応力によって伝達される。骨は、主に圧縮荷重を支えることができる。固定ネジの周りに局所化された剪断応力は、骨への損傷につながり得る。
【0063】
前述したように、
図11~
図12に示されるような、ある実施形態において、ネジは、可塑性多孔質構造体(例えば、
図1の螺旋形設計)を含み、これはネジ内への骨の内部成長を促進し、これは固定を助ける。しかしながら、修正手術のような特定の場合において、骨への挿入後に骨からネジを除去/抜去することが望ましい場合がある。さらに、ネジを取り外すときに骨に生じる損傷を低減することが望ましい場合がある。したがって、本明細書のある実施形態は、鋭い縁部を有するように構成された可塑性多孔質構造体に沿った1つ又は複数の支柱を提供する。鋭利な縁部は、ネジが骨からネジを引き抜くように(例えば、反時計回りに)回転されるときに、鋭利な縁部が、ネジ内に成長した骨を切断又は分断し、それによって、ネジがよりきれいに、骨へのさらなる損傷の可能性をより少なくして引き抜かれることを可能にするように、位置決めされる。ある態様において、切断される内部成長骨は、ネジ内に落下することができ、したがって、ネジと共に引き出すことができる。
【0064】
図12A~
図12Cは、内部成長骨を切断するように構成された可塑性多孔質構造体及び支柱を含む例示的なネジを示す。図示したように、ネジは、ネジ山を備えるネジの周囲(例えば、ネジのマントル上)の第1の螺旋形構造体1202を含む。ネジは、多数の支柱1206を含む第2の螺旋形構造体1204を、更に含む。図示したように、支柱1206は、ネジの長さに沿って形成される(例えば、長手方向支柱に対応する)。支柱1206の縁部は、任意の数の適切な設計に従って、鋭利な縁部(例えば、
図12B及び12Cにより明確に示される)として形成されてもよい。従って、ネジが回転され、骨から引き抜かれると、螺旋形構造体1202及び1204は、ネジが最初に骨に占めた空洞内の骨を通って摺動し、支柱1206は、ネジの多孔質構造体の開口内に成長した骨とさらに衝突する。この抜去の間、支柱1206の鋭利な縁部は、骨を切断し、支柱1206が骨を通って移動することを可能にする。
【0065】
ある態様において、
図12Cの様々な実施形態に示されるように、支柱の断面は、70度の角度、より小さい角度、より大きい角度などを有することができる。ある態様において、
図11~
図15といった、いくつかの又はすべての支柱1206及び/又は異なるネジの設計における追加の支柱は、このような鋭い縁部を含む。
【0066】
いくつかの実施形態において、固定システムは、患者の解剖学的部分(例えば、骨)に、移植片を取り付けるために使用される。前述した弱点を克服するために、固定システムは、移植片/解剖学的界面で予想される支配的な負荷に従って設計されてもよい。例えば、骨は、支配的な応力に耐えるためにそれ自体をモデル化する。移植片は、ある実施形態において、骨から移植片に負荷を効果的に伝達するために、これらの支配的な応力の方向に実質的に垂直である骨との界面を有するように設計されてもよい。また、ある実施形態における固定システムは、界面における負荷の伝達を維持し、負荷を別の位置に方向転換しないように、又は負荷を他の種類の負荷に変換する(例えば、圧縮/張力から剪断へ)ように設計される。従って、ペグ、ネジ、及び/又はボルトは、移植片/解剖学的界面に垂直に適用されてもよい。
【0067】
移植片固定システムの一実施形態は、関節窩移植片1600について、
図16に見ることができるように、移植片に取り付けられたペグ又はステムである。一実施形態において、移植片1600は、固体金属コア1610と、ネジ挿入のための穿孔1602と、骨の内部成長のための多孔質層1604と、安定化及び固定のための多孔質ペグ1608とを有する。応力遮蔽を回避し、骨の内部成長を促進するために、ペグ1608、多孔質層1604(規則的な多孔質構造体としてここで示される)、及び/又は固定ネジ(図示せず)について、本明細書に開示している多孔質構造体、又はWO/2017/042366の
図1a~
図7、
図10a~
図17b又は
図19a~
図19d及び明細書の9頁31行~15頁18行、17頁14行~23頁16行、又は25頁4~28行に記載された多孔質構造体の1つを使用することができる。
【0068】
移植片固定システムの別の例示的な実施形態は、
図17に見られるような関節窩移植片1700と、
図11~
図15に見られるような1つ又は複数のネジとの組み合わせである。一実施形態において、関節窩移植片1700は、本発明の他の態様による固体金属ベース1710、多孔質構造体1704を有し、大きな骨欠損に適し得る。多孔質構造体1704は、関節窩における支配的な荷重に適応するように配向される。側部1712において、移植片1700は、表面上を移動する際に損傷又は刺激される筋肉、腱、神経及び血管を回避するために平滑な壁を有する。
【0069】
もう一つの実施形態は、
図18に見られるように、大腿骨移植片1800である。一実施形態において、
図5の構造体506は、移植片1800のステムの一部に適用される。このようにして、ステムは、応力遮蔽を回避し、骨の内部成長を促進するのに十分な可塑性を有するように設計され得るが、それでもなお、偶発的な負荷に耐えるのに十分な強度を有する。
【0070】
もう一つの例示的な実施形態は、
図19に見ることができる膝移植片1900である。一実施形態において、図示したように、膝移植片1900は、金属大腿骨構成素子1902、金属脛骨構成素子1904、及びポリマースペーサ(図示せず)を備える。各金属構成素子は、固体金属コア1906/1908、1つ又は複数の骨-対向面1910/1912、及び1つ又は複数のペグ1914/1916を有する。ペグ1914/1916は、円筒形、円錐形、羽根状、又は任意の他の適切な形状であり得る。内部成長を促進するために、骨-対向面1910/1912は、多孔質構造体で覆われ得る。多孔質構造体は、規則的な構造体(例えば、当技術分野で公知の反復ユニットセル)であり得るほか、WO/2017/042366の
図1a~
図7、
図10a~
図17b又は
図19a~
図19d及び明細書の9頁31行~15頁18行、17頁14行~23頁16行、又は25頁4~28行に記載される構造体で有り得るほか、あるいは、本開示で記載される実施形態に基づいた構造体であり得る。構造体は、卓越する荷重方向に適応するように配向されてもよい。骨の内部成長を促進し、応力遮蔽を防止するために、ペグは、WO/2017/042366の
図1a~
図7、
図10a~
図17b又は
図19a~
図19d及び明細書の9頁31行~15頁18行、17頁14行~23頁16行、又は25頁4~28行に記載される多孔質構造体、又は本明細書で記載される実施形態の多孔質構造体の1つを備える設計となっていてもよい。
【0071】
図21Dに示されるような一実施形態は、下顎骨又は大腿骨、脛骨、腓骨、上腕骨、橈骨、尺骨、肋骨、鎖骨、中手骨、中足骨、指骨の骨幹などの細長い骨のための固定システム2100を提供する。特により小さい断面を有する骨において、骨の軸に垂直な界面と、骨の軸に実質的に平行な固定ネジとを有する固定システムを用いて骨置換移植片を固定することが課題となり得る。本実施形態によれば、移植片固定システム2100は、以下の素子を備える:
-
図21Aに示すような本体2102。この本体2102は、骨の一部を置換する。一実施形態において、本体2102は、WO/2017/042366の
図1a~
図7、
図10a~
図17b又は
図19a~
図19d及び明細書の9頁31行~15頁18行、17頁14行~23頁16行、又は25頁4~28行に記載される多孔質構造体、又は本願に記載される実施形態に基づく多孔質構造体を有する。本体2102は、骨の軸に実質的に垂直な骨との界面2104を有する。本体2102は、界面2104をボルト又はネジ受入素子2105に連結する連結素子2103を含む。界面2104と受入素子2105との間の空間は、ボルト又はネジが内部に位置することができる大きさである;
-
図21Bに示すようなボルト又はネジ2106。寸法の限界の課題を克服し、ボルト又はネジ2106が骨/移植片の界面に揃うよう、且つ骨の軸に実質的に平行になるよう、ボルト又はネジ2106の頭部2110が、本体2102の体積内にあってもよい。界面2104及び受入素子2105は、ボルト又はネジ2106の骨の軸に垂直な方向の移動を制限する。本体2102は、ネジドライバの挿入を可能にするために、ボルト又はネジ2106の軸に沿ってさらに延在する開口部2108を有してもよい。代わりに、ボルト又はネジ2106の頭部2110は、側面から接近可能にされ、その結果、ボルト又はネジ2106は、レンチを用いて、又はボルト又はネジ2106のヘッド2110内の一連の開口部2112につかむピンを用いて固定されてもよい。一実施形態において、ボルト又はネジ2106は、上記のステム、ペグ、及びネジについて示されるような多孔質構造体を有する;
-任意選択で、
図21Cに示すようなプラグ2120。特に、ねじ回しのための開口部2108を提供するための空間がなく、ボルト又はネジ2106を側面から締結しなければならない場合、外科医が、ボルト又はネジ2106に十分な圧力をかけて骨にそれを打ち込むことは困難である。従って、一実施形態において、移植片固定システムは、プラグ2120も備える。プラグ2120のための穴は、(患者固有の)ドリルガイドを使用するなどして、事前に穿孔することができる。次いで、プラグ2120は、例えば手動で、又はハンマーを使用して、穴に挿入され得る。プラグ2120は、回転(例えば、プラグの軸に平行な羽根)を制限するために、外部特徴2122を備える。プラグ2120はまた、移植片が骨に固定されたときに抜去を防止するための少なくとも1つの素子を備える。これは、ボルト2106がプラグ2120内に駆動されるときに外側に押し出される1つ又は複数の素子であり得る。代わりに、それは、髄内の釘と区別されるように、プラグ2120の軸から約90°で挿入された1つ以上の固定ネジ又はピンであってもよい。一実施形態において、プラグ2120は、上記のステム、ペグ、及び/又はネジについて示されるような多孔質構造体を有する。
【0072】
ボルト2106及びプラグ2120を使用することの1つの利点は、プラグ2120が骨の形状に適合するように設計され得ることである。例えば、プラグ2120は、骨の断面に最も適した直径を与えられることができる。例えば、プラグ2120は、骨の皮質壁の間に適合するような寸法にすることができる。
【0073】
本明細書に記載されるように、その(例えば、全ての)素子が多孔質構造体を有するインプラント固定システムを使用することの重要な利点は、移植片の設計だけでなく、固定システムも骨の内部成長を促進することである。
【0074】
ある実施形態は、骨への移植のための可塑性多孔質構造体を提供する。ある実施形態において、構造体は、
図1、
図4、
図5C、
図5D、
図6~
図13、
図14D~
図16、
図19、又は
図20のいずれか1つに示されるような螺旋形構造体を含む。さらに、この構造体は、螺旋形構造体に結合された複数のインターロッキング素子を含み、この螺旋形構造体は、
図1、
図4、
図5A、
図5B、
図5D~
図16、
図19、又は
図20のいずれか1つに示すように、複数のインターロッキング素子を接続するように構成される。複数のインターロッキング素子の各々は、インターロッキング素子と螺旋形構造体との間に空間を有し、ニュートラルポジションにあるとき、インターロッキング素子と隣接するインターロッキング素子との間に空間を有するように構成される。複数のインターロッキング素子は、可塑性多孔質構造体に圧縮力が加えられたとき、螺旋形構造体と接触するように構成され、それによって螺旋形構造体の圧縮が制限される。複数のインターロッキング素子は、可塑性多孔質構造体に延伸力が加えられるとき、隣接するインターロッキング素子に接触するように構成され、それによって螺旋形構造体の延伸が制限される。
【0075】
ある実施形態において、螺旋形構造体及び複数のインターロッキング素子は、
図1、
図4、
図11~
図13又は
図15に示すような中空円筒の表面を形成する。ある実施形態において、複数のインターロッキング素子の各々は、T構成体を含み、隣接するインターロッキング素子は、
図1、
図11、又は
図12に示すように、互いに鏡像関係に配向される。
【0076】
ある実施形態において、螺旋形構造体は、
図5A~
図10又は
図14Fに示すように、中空の円柱(円筒)の表面を形成し、複数のインターロッキング素子は、当該円柱の内部に位置決めされる。
【0077】
ある実施形態において、可塑性多孔質構造体は、ネジを備え、螺旋形構造体は、
図11~
図15又は
図20に示すように、ネジの外側シェルを含む。ある実施形態において、ネジは、
図11~
図15又は
図20に示すように、外側シェル上に形成されたネジ山を含む。ある実施形態において、ネジ山は、
図11~
図12C、
図15又は
図20に示されるように、螺旋形構造体と整列している。ある実施形態において、ネジ山は、
図13に示されるような螺旋形構造体と交差する螺旋形の設計を形成する。
【0078】
ある実施形態において、ネジは、ネジの頭部に結合された第1のスライディング素子と、ネジの先端に結合された第2のスライディング素子とを含む複数のスライディング素子を備える内側コアを備え、複数のスライディング素子がニュートラルポジションにあるとき、第1のスライディング素子と第2のスライディング素子との間に空間を有するように構成され、第1のスライディング素子は、
図12に示すように、可塑性多孔質構造体に力(例えば、圧縮力、ねじれによる力など)が加わったとき、第2のスライディング素子に接触するように構成されることによって、螺旋形構造体の圧縮及び/又はねじれを制限する。このようなある態様において、第1及び第2のスライディング素子は、ネジの長手方向の軸の周りのネジのねじれに抵抗するように構成される。
【0079】
ある実施形態において、ネジは、ネジの頭部に結合された第1のスライディング素子と、ネジの先端に結合された第2のスライディング素子とを含む複数のスライディング素子を備える内側コアを備え、第1及び第2のスライディング素子は、
図12に示すように、ネジの長手方向の軸に沿って互いに対して摺動するように構成される。このようなある態様において、第1及び第2のスライディング素子は、長手方向の軸の周りのネジのねじれに抵抗するように構成される。
【0080】
ある実施形態において、螺旋形構造体は、少なくとも1つの支柱(例えば、ネジの長さに沿って形成される)を備え、少なくとも1つの支柱は、
図12A~
図12Cに示されるような鋭い縁部を備える。
【0081】
ある実施形態は、多孔質構造体を備える本体を含む移植片固定システムを提供し、本体は、
図21Aに示されるように、骨の軸に垂直な骨と対面するように構成される。移植片固定システムは、
図21Bに示されるような頭部を備えるネジをさらに含む。頭部は、
図21Dに示されるように、本体の体積内に位置するように構成され、一方、ネジの一部は、本体から離れるように延びる。本体は、骨の軸に沿った本体内の頭部の運動を制限するように構成される。
【0082】
ある実施形態において、移植片固定システムは、ネジの一部を受け入れるように構成されたプラグをさらに含み、プラグは、
図21Cに示すように、骨の中に形成された孔に挿入されるように構成される。ある実施形態において、プラグは、
図21Cに示すような、孔内でのプラグの回転を制限するように構成された外部特徴を備える。ある実施形態において、プラグの頭部は、
図21Dに示すような第2の多孔質構造体を含む。
【0083】
ある態様において、移植片、多孔質構造体、可塑性多孔質移植片固定システムなどの本明細書に記載される実施形態は、付加的な製造AMプロセスを使用して製造され得る。
【0084】
AMプロセスは、構築部品への材料付加のアプローチであり、典型的には、液体、固体シート又は粉末形態の基材から出発し、付加された材料を層ごとに局所的に固結するというものである。1990年代初期の最初のAMプロセスの出現以来、AMプロセスは、フライス削り、切削、又はドリル削り、又は射出成形などの成形技術などの従来の材料除去技術の代替として使用されており、金型又はダイなどの専用の工具なしで、比較的短時間で複雑な部品を製造するのに特に有効であることが示されている。
【0085】
最もよく知られたAM技術の中には、ステレオリソグラフィー(SLA)、3D印刷(3D-P)、選択的レーザ焼結(SLS)、選択的加熱焼結(SHS)、選択的レーザ溶融(SLM)、直接金属レーザ焼結(DMLS)、レーザビーム溶融(LBM)及び電子ビーム溶融(EBM)がある。この技術は、部品の層を固めるために使用される工具、及びこの技術において使用され得る材料に従って変化する。
【0086】
本明細書に記載されるシステム及び方法は、様々な付加的な製造及び/又は3次元(3D)印刷システム及び技術を使用して実行されてもよい。典型的には、付加的な製造技術が形成されるべき3D物体のデジタル表現(例えば、STL、DWG、DXF等のCADファイル、メッシュベースモデル、ボクセルベースモデル等)から開始する。一般的に、デジタル表現は、一連の断面層(例えば、Z方向に垂直であり、構築プラットフォームに平行であることを意味する)、又は「スライス」に分割され、これらは、全体として物体を形成するようにオーバーレイされる。レイヤは、3D物体を表し、コンピューティングデバイスによって実行される付加的な製造モデリングソフトウェアを使用して生成され得る。例えば、ソフトウェアは、コンピュータ支援設計及び製造(CAD/CAM)ソフトウェアを含むことができる。3D物体の断面層に関する情報は、断面データとして記憶されてもよい。付加的な製造(例えば、3D印刷)の機械又はシステムは、層毎に3D物体を構築する目的で断面データを利用する。従って、付加的な製造は、コンピュータ支援設計(CAD)ファイル又はSTLファイルなどの、物体のコンピュータ生成データから直接3D物体の製造を可能にする。付加的な製造は、道具細工なしで、且つ異なる部品の組み立てを必要とせず、単純及び複雑な部品の両方を迅速に製造する能力を提供する。
【0087】
付加的な製造プロセスは、一般に、エネルギー源(例えば、レーザ、電子ビームなど)からエネルギーを供給して、構築材料(例えば、プラスチック、金属など)の層を固化(例えば、重合)させることを含む。例えば、付加的な製造機械は、ジョブファイルに基づいて、エネルギー源から構築材料に選択的にエネルギーを印加する(例えば、スキャンする)ことができる。ジョブファイルは、付加的な製造プロセスを使用して構築される1つ又は複数の物体のデジタル表現のスライスに関する情報を含むことができる。例えば、CADファイルによって表される3D物体は、付加的な製造デバイスの構築の体積に対応する仮想の構築体積に配置されてもよい。選択的に、サポート構造体は、仮想の構築体積内の3D物体に追加することもできる(たとえば、構築品質、放熱性の向上、変形の低減など)。結果として生じる3D物体は、前述したように、レイヤ又はスライスに分割することができる。従って、ジョブファイルは、3D物体のスライス(例えば、スライスのスタック)と、3D物体を構築するための付加的な製造の機械のパラメータとを含むことができる。
【0088】
例えば、各スライスについて、ジョブファイルは、そのスライスに対応する構築材料の物理層にエネルギーを適用する(例えば、走査のレーザ、走査の電子ビームなど)ためのエネルギー源のための走査パターンに関する情報を含むことができる。本明細書で論じられるように、スライス及び層という単語は、互換的に使用され得ることに留意されたい。走査パターンは、各々が構築材料の層にエネルギーを印加するための空間位置と、構築材料にエネルギーを印加するための方向(例えば、走査中に造形材料上でレーザビーム、電子ビーム、又は他のエネルギー源を移動させる方向)とを示す1つ又は複数のベクトルを含むことができる。
【0089】
付加的な製造の機械は、ジョブファイルに示されるように、各個々の層についての走査パターンに従って、構築材料の層にエネルギーを印加する(例えば、走査する)ことによって、物体を層ごとに構築する。例えば、付加的な製造の機械は、第1のスライスについての走査パターンに従って、物体のデジタル表現の第1のスライスに対応する物理的構築の第1の層を走査することができる。次いで、付加的な製造の機械は、第2のスライスについての走査パターンに従って、第1のスライスに隣接する第2のスライスに対応する構築材料の第2の層を走査することができる。付加的な製造の機械は、最後のスライスに対応する層が走査されるまで、ジョブファイル内の全てのスライスに対応する造形材料の層を走査し続ける。
【0090】
本発明の実施形態は、3D物体を設計及び製造するためのシステム内で実施することができる。
図23を参照すると、3D物体の設計及び製造の実行に適したコンピュータ環境の一例が示されている。この環境は、システム2300を含む。システム2300は、1つ又は複数のコンピュータ2302a~2302dを含み、これらは、例えば、任意のワークステーション、サーバ、又は情報を処理することができる他のコンピューティングデバイスとすることができる。いくつかの態様において、コンピュータ2302a~2302dのそれぞれは、任意の適切な通信技術(たとえば、インターネットプロトコル)によって、ネットワーク2305(たとえば、インターネット)に接続することができる。従って、コンピュータ2302a~2302dは、ネットワーク2305を介して互いに情報(例えば、ソフトウェア、3D物体のデジタル表現、付加的な製造デバイスを動作させるためのコマンド又は命令など)を送受信することができる。
【0091】
システム2300はさらに、1つ又は複数の付加的な製造デバイス(例えば、3Dプリンタ)23025a~23025bを含む。図示したように、付加的な製造デバイス23025aは、コンピュータ2302dに直接接続され(そしてコンピュータ2302dを通じて、ネットワーク2305を介し、コンピュータ2302a~2302cに接続される)、付加的な製造デバイス23025bは、ネットワーク2305を介してコンピュータ2302a~2302dに接続される。従って、当業者であれば、付加的な製造デバイス23025は、コンピュータ2302に直接接続されてもよく、ネットワーク2305を介してコンピュータ2302に接続されてもよく、及び/又は別のコンピュータ2302及びネットワーク2305を介してコンピュータ2302に接続されてもよいことを理解するであろう。
【0092】
システム2300は、ネットワーク及び1つ又は複数のコンピュータに関して説明されるが、本明細書で説明される技法は、付加的な製造デバイス23025に直接接続され得る単一のコンピュータ2302にも適用されることに留意されたい。コンピュータ2302a~2302dのいずれも、
図1~
図21に関して説明したコンピューティングデバイスとして機能するように構成することができる。さらに、コンピュータ2302a~2302dのいずれも、本明細書で説明する動作を実行するように構成することができる。
【0093】
図24は、
図23のコンピュータの一例の機能ブロック図を示す。コンピュータ2302aは、メモリ2420、入力装置2430、及び出力装置2440とデータ通信するプロセッサ2410を含む。いくつかの実施形態において、プロセッサは、任意選択のネットワークインターフェースカード2490とさらにデータ通信している。別々に記載されているが、コンピュータ2302aに関して記載されている機能ブロックは、別々の構成素子である必要はないことを理解されたい。例えば、プロセッサ2410及びメモリ2420は、単一チップ内において実施してもよい。
【0094】
プロセッサ2410は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタ論理、ディスクリートハードウェアコンポーネント、又は本明細書で説明される機能を実行するように設計されたそれらの任意の適切な組合せとすることができる。プロセッサはまた、計算デバイスの組合せ、たとえばDSP及びマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと接続された一つ又は複数のマイクロプロセッサ、又は他のそのような構成として実行されてよい。
【0095】
プロセッサ2410は、1つ又は複数のバスを介してメモリ2420に接続して、メモリ2420から情報を読み取る、又は情報をメモリ2420に書き込むことができる。プロセッサは、追加的に、又は代替的に、プロセッサレジスタなどのメモリを含むことができる。メモリ2420は、異なるレベルにおいて、異なる容量及びアクセス速度を有するマルチレベル階層キャッシュを含むプロセッサキャッシュを含むことができる。メモリ2420は、また、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他の揮発性記憶装置、又は不揮発性記憶装置を含むことができる。ストレージは、ハードドライブ、コンパクトディスク(CD)、又はデジタルビデオディスク(DVD)などの光学ディスク、フラッシュメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ、及びジップ(Zip)ドライブを含めることができる。
【0096】
プロセッサ2410はまた、コンピュータ2302aのユーザから入力を受け取り、ユーザに出力を提供するために、それぞれ入力装置2430及び出力装置2440に結合されてもよい。適切な入力装置は、キーボード、ボタン、キー、スイッチ、ポインティングデバイス、マウス、ジョイスティック、遠隔制御装置、赤外線検出器、バーコードリーダ、スキャナ、ビデオカメラ(おそらく、例えば、手のジェスチャ又は顔のジェスチャを検出するためにビデオ処理ソフトウェアと結合される)、モーション検出器、又はマイクロフォン(おそらく、音声コマンドを検出するためにオーディオ処理ソフトウェアと結合される)が含まれるが、これらに限定されない。適切な出力装置は、ディスプレイ及びプリンタを含む視覚出力装置、スピーカー、ヘッドホン、イヤホン、及びアラームを含むオーディオ出力装置、付加的な製造装置、及び触覚出力装置が含まれるが、これらに限定されない。
【0097】
プロセッサ2410はさらに、ネットワークインターフェースカード2490に結合されてもよい。ネットワークインターフェースカード2490は、プロセッサ2410によって生成されたデータを、1つ又は複数のデータ伝送プロトコルに従ってネットワークを介して伝送するために準備する。ネットワークインターフェースカード2490はまた、1つ又は複数のデータ伝送プロトコルに従って、ネットワークを介して受信されたデータを復号する。ネットワークインターフェースカード2490は、送信機、受信機、又はその両方を含むことができる。他の実施形態において、送信機及び受信機は、2つの別個の構成素子とすることができる。ネットワークインターフェースカード2490は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、又は本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の適切な組合せとして実施することができる。
【0098】
図25は、3D物体又はデバイスを製造するためのプロセス2500を示す。図示したように、ステップ2505において、コンピュータ2302aといったコンピュータを使用して、物体のデジタル表現が設計される。例えば、2D又は3Dデータは、3D物体のデジタル表現を設計することを助けるために、コンピュータ2302aに入力されてもよい。続いて、ステップ2510において、情報は、コンピュータ2302aから付加的な製造デバイス23025といった付加的な製造デバイスに送信され、デバイス23025は、受信した情報に従って製造プロセスを開始する。ステップ2515において、付加的な製造デバイス25025は、液体樹脂といった任意の適切な材料を使用して3D物体を製造し続ける。ステップ2520において、物体は、最終的に構築される。
【0099】
これらの任意の適切な材料は、フォトポリマー樹脂、ポリウレタン、メチルメタクリレート-アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー、ポリマー-セラミック複合材料のような再吸収性材料、金属、金属合金などを含むが、これらに限定されない。市販の材料の例は、DSM Somos(登録商標)からDSM Somos(登録商標)シリーズの材料7100、8100、9100、9420、10100、11100、12110、14120及び15100;StratasysからのABSplus-P430、ABSi、ABS-ESD7、ABS-M30、ABS-M30i、PC-ABS、PC ISO、PC、ULTEM 9085、PPSF及びPPSU材料;3DSystemsからAccura Plastic、DuraForm、CastForm、Laserform、及びVisiJetの材料;PAラインの材料、PrimeCast、及びPrimePart材料、EOS GmbHからAlumide及びCarbonMide、アルミニウム、コバルトクロム及びステンレススチール材、MarangingSteel、ニッケル合金、チタニウム及びチタン合金である。3-SystemsのVisiJetラインの材料は、Visijet Flex、Visijet Tough、Visijet Clear、Visijet HiTemp、Visijet e-stone、Visijet Black、Visijet Jewel、Visijet FTIなどを含み得る。他の材料の例には、Objet Fullcure、Objet Veroclear、Objet Digital Materials、Objet Duruswhite、Objet Tangoblack、Objet Tangoplus、Objet TangoblackplusなどのObjet材料が含まれ得る。材料の別の例は、Renshape 5000及び7800シリーズからの材料を含み得る。さらに、ステップ2520において、3D物体が生成される。
【0100】
本明細書で開示される様々な実施形態は、コンピューティングデバイス上で実行されるコンピュータソフトウェアの使用を提供する。当業者は、これらの実施例が汎用及び/又は特殊コンピューティングシステム環境又は構成の両方を含む、多数の異なる種類のコンピューティングデバイスを使用して実行され得ることを容易に理解するであろう。上記の実施形態に関連して使用するのに適した周知のコンピューティングシステム、環境、及び/又は構成の例にはパーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルド又はラップトップデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、プログラマブル家庭用電化製品、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、上記のシステム又はデバイスのいずれかを含む分散コンピューティング環境などが含まれ得るが、これに限定されない。これらの装置は、コンピュータ装置内のマイクロプロセッサによって実行されると、コンピュータ装置に命令を実行するための指定された動作を実行させる、記憶された命令を含むことができる。本明細書で使用されるように、命令は、システム内の情報を処理するためのコンピュータ実行ステップを指す。命令は、ソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェアで実行することができ、システムの構成素子によって実行される任意の種類のプログラムされた工程を含む。
【0101】
マイクロプロセッサは、Pentium(登録商標)プロセッサ、Pentium(登録商標) Proプロセッサ、8051プロセッサ、MIPS(登録商標)プロセッサ、Power PC(登録商標)プロセッサ、又はAlpha(登録商標)プロセッサなどの従来の汎用シングル又はマルチチップマイクロプロセッサであってもよい。さらに、マイクロプロセッサは、デジタル信号プロセッサ又はグラフィックプロセッサなどの任意の従来の専用マイクロプロセッサであってもよい。マイクロプロセッサは、典型的には従来のアドレス線、従来のデータ線、及び1つ又は複数の従来の制御線を有する。
【0102】
本明細書で開示される本発明の態様及び実施形態は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの任意の組合せを生成するために、標準的なプログラミング技法又はエンジニアリング技法を使用して、方法、装置、又は製品として実行され得る。本明細書で使用される「製品(article of manufacture)」という単語は、光記憶デバイスなどのハードウェア又は非一時的なコンピュータ可読媒体、ならびに信号、搬送波などの揮発性又は不揮発性メモリデバイス、又は一時的なコンピュータ可読媒体で実行されるコード又はロジックを指す。そのようなハードウェアは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、マイクロプロセッサ、又は他の同様の処理デバイスを含むことができるが、これらに限定されない。
【0103】
本明細書で開示される様々な実施形態は、コンピュータ又はコンピュータ制御システムを使用して実行され得る。当業者は、これらの実施例が汎用及び特殊コンピューティングシステム環境又は構成の両方を含む、多数の異なる種類のコンピューティングデバイスを使用して実装され得ることを容易に理解するであろう。上記の実施形態に関連して使用するのに適した周知のコンピューティングシステム、環境、及び/又は構成の例は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルド又はラップトップデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、プログラマブル家庭用電化製品、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、上記のシステム又はデバイスのいずれかを含む分散コンピューティング環境などが含まれ得るが、これに限定されない。これらの装置は、コンピュータ装置内のマイクロプロセッサによって実行されるとき、コンピュータ装置に命令を実行するための指定された動作を実行させる、記憶された命令を含むことができる。本明細書で使用されるように、命令は、システム内の情報を処理するためのコンピュータ実行ステップを指す。命令はソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェアで実行することができ、システムの構成素子によって実行される任意の種類のプログラムされた工程を含む。
【0104】
マイクロプロセッサは、Pentium(登録商標)プロセッサ、Pentium(登録商標) Proプロセッサ、8051プロセッサ、MIPS(登録商標)プロセッサ、Power PC(登録商標)プロセッサ、又はAlpha(登録商標)プロセッサなどの従来の汎用シングルチップ又はマルチチップマイクロプロセッサであってもよい。さらに、マイクロプロセッサは、デジタル信号プロセッサ又はグラフィックプロセッサなどの任意の従来の専用マイクロプロセッサであってもよい。マイクロプロセッサは、典型的には従来のアドレス線、従来のデータ線、及び1つ又は複数の従来の制御線を有する。
【0105】
本明細書で開示される本発明の態様及び実施形態は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの任意の組合せを生成するために、標準的なプログラミング技法又はエンジニアリング技法を使用して、方法、装置、又は製品として実行され得る。本明細書で使用される「製品(article of manufacture)」という単語は、光記憶デバイスなどのハードウェア又はそのような一時的なコンピュータ読み取り可能媒体、ならびに信号、搬送波などの揮発性又は不揮発性メモリデバイス、又は一時的なコンピュータ読み取り可能媒体で実行されるコード又はロジックを指す。そのようなハードウェアはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、マイクロプロセッサ、又は他の同様の処理デバイスを含むことができるが、これらに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【
図1】
図1は、ある態様による、一体化されたインターロッキング素子を用いる螺旋形の棒である本体を有する多孔質構造体の一例である。
【
図2】
図2は、ある態様による、一体化されたインターロッキング素子を用いる特定のジグザグ形状の本体を有する多孔質構造体の一例である。
【
図3】
図3は、ある態様による、一体化されたインターロッキング素子を用いる有孔シートである本体を有する多孔質構造体の一例である。
【
図4】
図4は、ある態様による、一体化されたインターロッキング素子を用いる有孔管である本体を有する多孔質構造体の一例である。ある態様において、
図4の本体は、内部的に多孔質構造体のためのスキンであってもよい。
【
図5A】
図5Aは、ある態様による、多孔質構造体のユニットの5つの本体(例えば、多孔質ユニット本体)の一例である。
【
図5B】
図5Bは、ある態様による、多孔質構造体のインターロッキング素子の一例である。
【
図5C】
図5Cは、ある態様による、多孔質構造体の連結素子の一例である。
【
図5D】
図5Dは、ある態様による、
図5A~5Cの素子から形成された完全な多孔質構造体の一例である。
【
図5E】
図5Eは、ある態様による、本体及びインターロッキング素子をそれぞれ用いる、多孔質構造体の2つのユニットの例の分解図である。
【
図6】
図6は、ある態様による、2つのユニット及び可塑性接続素子を含む六角形の多孔質構造体の分解図である。ある態様において、
図6の多孔質構造体の可塑性接続素子は、スキンを構成することができる。
【
図7】
図7は、ある態様による、可塑性連結素子によって接続された多孔質構造体の2つのユニットの一例である。
【
図8】
図8は、ある態様による、直線構造体を形成するように積み重ねられ、可塑性連結素子によって接続される多孔質構造体のユニットの一例である。
【
図9】
図9は、ある態様による、可塑性連結素子によって連結された平面構造体を形成するように結合された多孔質ユニットの一例である。
【
図10】
図10は、ある態様による、可塑性連結素子によって連結された3D構造体を形成するように積み重ねられ、結合された多孔質ユニットの一例である。
【
図10A】
図10Aは、ある態様による、可塑性連結によって積み重ねられ、結合され、連結された多孔質ユニットから形成された脊椎スペーサの一例である。
【
図11】
図11は、ある態様による、螺旋形多孔質構造体を有するネジの一例である。
【
図12】
図12は、
図11のネジの例の断面図である。ある態様において、ネジがネジ頭部、ネジ先端、外側シェル、及び中心コアを含む。
【
図12A】
図12Aは、内部成長骨を切断するように構成された可塑性多孔質構造体及び支柱を含む一例としてのネジを示す。
【
図12B】
図12Bは、内部成長骨を切断するように構成された可塑性多孔質構造体及び支柱を含む一例としてのネジを示す。
【
図12C】
図12Cは、内部成長骨を切断するように構成された可塑性多孔質構造体及び支柱を含む一例としてのネジを示す。
【
図13】
図13は、ある態様による、交差する螺旋形として形成された多孔質構造体を用いるネジの回転軸の一例である。
【
図14A】
図14Aは、ある態様による、ネジ又はボルトの回転軸のための多孔質構造体の別個のユニットの例である。
【
図14B】
図14Bは、ある態様による、ネジ又はボルトの回転軸のための多孔質構造体の別個のユニットの例である。
【
図14D】
図14Dは、ある態様による、ネジ又はボルトの回転軸のためのネジ山を有する螺旋形連結素子の一例である。
【
図14E】
図14Eは、ある態様による、ネジ又はボルトの回転軸のための第2の螺旋形連結素子の一例である。
【
図15】
図15は、ある態様による、多孔質構造体としての2つの並列の螺旋形を有するネジの一例である。
【
図16】
図16は、ある態様による、多孔質構造体を含む関節窩移植片の一例である。
【
図17】
図17は、ある態様による、多孔質構造体を含む関節窩移植片(例えば、大きな骨欠損のため)の一例である。
【
図18】
図18は、ある態様による、多孔質構造体を含む大腿骨移植片の一例である。
【
図19】
図19は、ある態様による、多孔質構造体を含む膝移植片の一例である。
【
図20】
図20は、ある態様による、多孔質構造体を含む歯科移植片の一例である。
【
図21A】
図21Aは、ある態様による、多孔質構造体を含む、骨(例えば、小さい断面を有する)用の移植片固定システムのための移植片の本体の一例である。
【
図21B】
図21Bは、ある態様による、多孔質構造体を含む、骨(例えば、小さい断面を有する)用の移植片固定システムのための移植片のボルトの一例である。
【
図21C】
図21Cは、ある態様による、多孔質構造体を含む、骨(例えば、小さい断面を有する)用の移植片固定システムのための移植片のプラグの一例である。
【
図21D】
図21Dは、ある態様による、
図21A~
図21Cの素子から形成された多孔質構造体を含む、骨(例えば、小さい断面を有する)用の移植片固定システムの一例である。
【
図23】
図23は、3D物体を設計及び製造するためのシステムの一例である。
【
図25】
図25は、付加的な製造システムを使用して3D物体を製造するための高レベルのプロセスを示す。