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特許7576669コンテンツ管理システム、コンテンツ管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】コンテンツ管理システム、コンテンツ管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/10 20190101AFI20241024BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20241024BHJP
【FI】
G06F16/10
G06Q50/10
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023132889
(22)【出願日】2023-08-17
【審査請求日】2023-08-17
(73)【特許権者】
【識別番号】303030221
【氏名又は名称】株式会社NXワンビシアーカイブズ
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金井 智
(72)【発明者】
【氏名】長尾 圭挙
【審査官】松尾 真人
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-214935(JP,A)
【文献】特開2013-041336(JP,A)
【文献】特開平11-015899(JP,A)
【文献】特開2009-187374(JP,A)
【文献】特開2010-146210(JP,A)
【文献】特開2005-242586(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの操作を受け付ける端末装置と、
前記端末装置と接続するサーバと、
を備え、
前記サーバは、
前記端末装置を介して、電子ファイル及び前記電子ファイルに関するファイル属性情報を登録するためのファイルコンテンツ又は所望の管理対象に関する管理属性情報を登録するためのレコードコンテンツの入力を受け付ける処理と、
入力された前記ファイルコンテンツ又は前記レコードコンテンツをデータベースに登録して管理する処理と、
前記ユーザの要求に応じて、入力された前記ファイルコンテンツ又は前記レコードコンテンツを、さらに、前記データベースに登録されている前記レコードコンテンツの中から選択されたベースレコードコンテンツに従属するサブコンテンツとして登録する処理と、
前記ユーザの要求に応じて、指定された前記レコードコンテンツを、前記管理対象が倉庫に保管される保管物品であることを示す物品コンテンツとして設定する処理と、
前記物品コンテンツに関して、前記保管物品の保管状況に関する物品保管情報の入力を受け付ける処理と、
入力された前記物品保管情報を指定された前記物品コンテンツに登録して管理する処理と、
を実行するように構成されている
コンテンツ管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツ管理システムであって、
前記倉庫は、前記ユーザが自ら所有する内部倉庫を含む
コンテンツ管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載のコンテンツ管理システムであって、
前記サーバは、さらに、
前記ユーザの要求に応じて、前記ベースレコードコンテンツに登録されている前記物品保管情報の一部又は全部を、前記サブコンテンツの中から選択された前記物品コンテンツに継承して登録する処理を実行するように構成されている
コンテンツ管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載のコンテンツ管理システムであって、
前記サーバは、さらに、
前記ユーザの要求に応じて、指定された前記物品コンテンツに関して、他の倉庫への前記保管物品の預け入れ、前記保管物品の取り寄せ、又は前記保管物品の廃棄のいずれかを所定の事業者に依頼する処理を実行するように構成されている
コンテンツ管理システム。
【請求項5】
請求項1に記載のコンテンツ管理システムであって、
前記サーバは、さらに、
前記ユーザの要求に応じて、指定された前記物品コンテンツに関して、前記保管物品の電子化を所定の事業者に依頼する処理と、
電子化によって得られた電子化ファイルを取得する処理と、
前記電子化ファイルを指定された前記物品コンテンツに従属する前記サブコンテンツとして前記データベースに登録する処理と、
を実行するように構成されている
コンテンツ管理システム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のコンテンツ管理システムであって、
前記サーバは、さらに、
前記ユーザの操作を受け付けるための管理画面を前記端末装置に表示する処理と、
前記データベースに登録されている前記ファイルコンテンツ及び前記レコードコンテンツに関するリストを前記管理画面上に表示する処理と、
前記リストの中から前記レコードコンテンツを選択する操作が行われた場合に、選択されたレコードコンテンツに従属する前記サブコンテンツによって作成されたリストと、前記選択されたレコードコンテンツに登録されている前記管理属性情報と、を前記管理画面に表示する処理と、
前記リストの中から前記ファイルコンテンツを選択する操作が行われた場合に、選択されたファイルコンテンツに登録されている前記電子ファイルの内容と、前記選択されたファイルコンテンツに登録されている前記ファイル属性情報と、を前記管理画面上に表示する処理と、
を実行するように構成されている
コンテンツ管理システム。
【請求項7】
請求項6に記載のコンテンツ管理システムであって、
前記サーバは、前記リストの中から前記レコードコンテンツを選択する操作が行われた場合に、
前記選択されたレコードコンテンツに対して新たな前記管理属性情報を追加するための第1操作部材を前記管理画面上に表示する処理と、
前記第1操作部材が操作された場合に、新たな前記管理属性情報を前記選択されたレコードコンテンツに追加登録する処理と、
をさらに実行するように構成されている
コンテンツ管理システム。
【請求項8】
請求項6に記載のコンテンツ管理システムであって、
前記サーバは、前記リストの中から前記レコードコンテンツを選択する操作が行われた場合に、
前記選択されたレコードコンテンツを前記物品コンテンツとして設定するか否かを切り替える第3操作部材を前記管理画面上に表示する処理と、
前記選択されたレコードコンテンツが前記物品コンテンツとして設定されている場合に、前記選択されたレコードコンテンツに登録されている前記物品保管情報を前記管理画面上に表示する処理と、
をさらに実行するように構成されてい
コンテンツ管理システム。
【請求項9】
請求項6に記載のコンテンツ管理システムであって、
前記サーバは、前記リストの中から前記ファイルコンテンツを選択する操作が行われた場合に、
前記選択されたファイルコンテンツに対して新たな前記ファイル属性情報を追加するための第2操作部材を前記管理画面上に表示する処理と、
前記第2操作部材が操作された場合に、新たな前記ファイル属性情報を前記選択されたファイルコンテンツに追加登録する処理と、
をさらに実行するように構成されている
コンテンツ管理システム。
【請求項10】
請求項6に記載のコンテンツ管理システムであって、
前記ファイル属性情報及び前記管理属性情報は、それぞれ、1又は複数の属性項目に関する情報を含み、
前記サーバは、さらに、
前記1又は複数の属性項目によって各階層を設定可能な仮想ディレクトリ構造の入力を受け付ける処理と、
入力された前記仮想ディレクトリ構造を管理する処理と、
前記ユーザの要求に応じて、前記仮想ディレクトリ構造に基づいて前記データベースに登録されている前記ファイルコンテンツ又は前記レコードコンテンツの検索を行う処理と、
検索結果の前記ファイルコンテンツ又は前記レコードコンテンツで作成されたリストを前記管理画面上に表示する処理と、
を実行するように構成されている
コンテンツ管理システム。
【請求項11】
請求項6に記載のコンテンツ管理システムであって、
前記サーバは、さらに、前記ユーザの要求に応じて、指定された前記ファイルコンテンツ又は前記レコードコンテンツに関して、画像の登録を受け付ける処理を実行するように構成され、
前記リストは、登録された前記画像が対応する前記ファイルコンテンツ又は前記レコードコンテンツの位置に表示されるように作成される
コンテンツ管理システム。
【請求項12】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のコンテンツ管理システムであって、
前記サーバは、さらに、
前記ユーザの要求に応じて、1又は複数の電子ファイルの入力を受け付ける第1入力部と、前記ファイル属性情報の入力を受け付ける第2入力部と、を少なくとも含む登録画面を前記端末装置に表示する処理と、
前記第1入力部に前記1又は複数の電子ファイルが入力されている場合に、入力された前記1又は複数の電子ファイルのそれぞれと対応する1又は複数のファイルコンテンツを前記データベースに登録する処理と、
前記第2入力部に前記ファイル属性情報が入力されている場合に、入力された前記ファイル属性情報を前記1又は複数のファイルコンテンツのそれぞれに登録する処理と、
を実行するように構成されている
コンテンツ管理システム。
【請求項13】
コンテンツの管理をコンピュータに実行させるコンテンツ管理プログラムであって、
前記コンテンツ管理プログラムは、
電子ファイル及び前記電子ファイルに関するファイル属性情報を登録するためのファイルコンテンツ又は所望の管理対象に関する管理属性情報を登録するためのレコードコンテンツの入力を受け付ける処理と、
入力された前記ファイルコンテンツ又は前記レコードコンテンツをデータベースに登録して管理する処理と、
要求に応じて、入力された前記ファイルコンテンツ又は前記レコードコンテンツを、さらに、前記データベースに登録されている前記レコードコンテンツの中から選択されたベースレコードコンテンツに従属するサブコンテンツとして登録する処理と、
ユーザの要求に応じて、指定された前記レコードコンテンツを、前記管理対象が倉庫に保管される保管物品であることを示す物品コンテンツとして設定する処理と、
前記物品コンテンツに関して、前記保管物品の保管状況に関する物品保管情報の入力を受け付ける処理と、
入力された前記物品保管情報を指定された前記物品コンテンツに登録して管理する処理と、
を前記コンピュータに実行させるように構成されている
コンテンツ管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、データベースを用いて電子ファイルを含む種々の管理対象を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子ファイルをデータベースに記録して管理する技術に関して、様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1では、認証を要する電子文書の管理の効率向上を目的とする電子文書管理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-140863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
企業や団体等では、一般に、各部門で作成された電子ファイルを所定のデータベースで一元管理することが行われている。一方で、企業や団体等においては、電子ファイルだけでなく、紙の書類や試料等の物品も保管・管理の対象となることがある。このため、企業や団体等では、電子ファイルに加えてこれらの管理対象を管理するための情報も一元管理しようとするニーズがある。
【0005】
従来のシステムでは、これらの管理対象を管理しようとする場合、管理台帳を電子ファイルとして作成して記録しておく等、ユーザによる独自の対応が必要となっていた。このため、管理の方法の自由度が高いことにより、管理の状況が複雑化してしまう課題があった。また、電子ファイルかそれ以外かによって、データベースにおける検索性が異なってしまう課題もある。
【0006】
本開示の1つの目的は、上記の課題を鑑みたものであり、ユーザの利便性を確保しつつ、電子ファイルを含む種々の管理対象のデータベースによる一元管理を可能とする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の観点は、コンテンツ管理システムに関する。
【0008】
第1の観点に係るコンテンツ管理システムは、ユーザの操作を受け付ける端末装置と、端末装置と接続するサーバと、を備える。サーバは、以下の第1乃至第3の処理を実行するように構成されている。第1の処理は、端末装置を介して、電子ファイル及び電子ファイルに関するファイル属性情報を登録するためのファイルコンテンツ又は所望の管理対象に関する管理属性情報を登録するためのレコードコンテンツの入力を受け付ける処理である。第2の処理は、入力されたファイルコンテンツ又はレコードコンテンツをデータベースに登録して管理する処理である。第3の処理は、ユーザの要求に応じて、入力されたファイルコンテンツ又はレコードコンテンツを、さらに、データベースに登録されているレコードコンテンツの中から選択されたベースレコードコンテンツに従属するサブコンテンツとして登録する処理である。
【0009】
本開示の第2の観点は、コンテンツの管理をコンピュータに実行させるコンテンツ管理プログラムに関する。
【0010】
第2の観点に係るコンテンツ管理プログラムは、以下の第1乃至第3の処理をコンピュータに実行させるように構成されている。第1の処理は、電子ファイル及び電子ファイルに関するファイル属性情報を登録するためのファイルコンテンツ又は所望の管理対象に関する管理属性情報を登録するためのレコードコンテンツの入力を受け付ける処理である。第2の処理は、入力されたファイルコンテンツ又はレコードコンテンツをデータベースに登録して管理する処理である。第3の処理は、要求に応じて、入力されたファイルコンテンツ又はレコードコンテンツを、さらに、データベースに登録されているレコードコンテンツの中から選択されたベースレコードコンテンツに従属するサブコンテンツとして登録する処理である。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、ユーザの利便性を確保しつつ、電子ファイルを含む種々の管理対象のデータベースによる一元管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係るコンテンツ管理システムの構成例を示す図である。
図2】実施形態に係るコンテンツ管理システムにおいて管理されるデータベースの構成の一例を示す図である。
図3】実施形態に係るコンテンツ管理システムによる管理の第1の例を示す図である。
図4】実施形態に係るコンテンツ管理システムによる管理の第2の例を示す図である。
図5】実施形態に係るコンテンツ管理システムによる管理の第3の例を示す図である。
図6】閲覧修正機能に関して、実施形態に係るサーバが実行する処理を説明するための図である。
図7】閲覧修正機能に関する管理画面の表示の一例を示す図である。
図8】閲覧修正機能に関する管理画面の表示の一例を示す図である。
図9】閲覧修正機能に関する管理画面の表示の一例を示す図である。
図10】閲覧修正機能に関する管理画面の表示の一例を示す図である。
図11】コンテンツ登録機能に関して、実施形態に係るサーバが実行する処理を説明するための図である。
図12】コンテンツ登録機能に関する管理画面の表示の一例を示す図である。
図13】仮想ディレクトリ検索機能に関する管理画面の表示の一例を示す図である。
図14】仮想ディレクトリ検索機能の概要を説明するための図である。
図15】仮想ディレクトリ検索機能に関して、実施形態に係るサーバが実行する処理を説明するための図である。
図16】仮想ディレクトリ検索機能に関する管理画面の表示の一例を示す図である。
図17】依頼機能に関して、実施形態に係るサーバが実行する処理を説明するための図である。
図18】実施形態に係るサーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
【0014】
1 コンテンツ管理システム
図1は、本実施形態に係るコンテンツ管理システム10の構成例を示す図である。本実施形態において、コンテンツ管理システム10は、管理事業者とユーザ企業との間で運用されるシステムである。ただし、以下の説明で理解されるように、運用の主体は、コンテンツ管理システム10を適用する環境に応じて適宜変更して考えることが可能である。
【0015】
ユーザ企業では、事業や活動に関連して管理を必要とする多くの電子ファイルが作成されることが考えられる。またユーザ企業は、自ら所有する内部倉庫210を利用して、管理を必要とする物品を保管していることも考えられる。あるいはユーザ企業は、管理事業者が所有する外部倉庫310を利用して、管理を必要とする物品を保管していることも考えられる。内部倉庫210や外部倉庫310に保管される物品(以下、「保管物品」とも呼ぶ)としては、紙文書、書類、資料、記録媒体(USBメモリ、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、マイクロフィルム、等)、生体試料(細胞、検体、血液、薬品)等の各種の試料、等が例示される。コンテンツ管理システム10は、このようなユーザ企業が管理を必要とする電子ファイルや物品を効果的に管理するための機能を提供する。
【0016】
本実施形態に係るコンテンツ管理システム10は、データベースD10を管理するサーバ100と、ユーザ企業の端末装置200と、管理事業者の端末装置300と、により構成されている。サーバ100、端末装置200、及び端末装置300のそれぞれは、通信ネットワーク1を介して互いに情報を送受信することが可能に接続している。通信ネットワーク1は、例えば、インターネットやローカルエリアネットワークで構成される。端末装置200及び端末装置300は、メモリとプロセッサを含むコンピュータで構成される。ユーザ企業のユーザ2は、端末装置200を操作することによりコンテンツ管理システム10の機能を利用する。コンテンツ管理システム10の機能は、サーバ100が処理を実行することにより実現される。
【0017】
サーバ100は、端末装置200を介して、ユーザ2からデータベースD10に登録するコンテンツの入力を受け付けるように構成されている。コンテンツは、以下で説明されるように、ユーザ2が管理を必要とする管理対象に関連する。ユーザ2は、端末装置200を操作することにより、コンテンツを入力する。そして、サーバ100は、入力されたコンテンツをデータベースD10に登録して管理する。
【0018】
本実施形態において、サーバ100が入力を受け付けるコンテンツは、ファイルコンテンツ又はレコードコンテンツに分類される。
【0019】
ファイルコンテンツは、電子ファイル及び電子ファイルに関する属性情報(以下、「ファイル属性情報」とも呼ぶ)を登録するためのコンテンツである。1つのファイルコンテンツは、管理対象とする1つの電子ファイルに対応する。ただし、ファイルコンテンツは、電子ファイル又はファイル属性情報のいずれか一方のみが登録された状態であってもよい。なお電子ファイルの形式は、特に限定されない。例えば、電子ファイルは、テキストファイル、スプレッドシートファイル、音声ファイル、画像ファイル、動画ファイル、等であってよい。
【0020】
ファイル属性情報は、1又は複数の属性項目と、各属性項目に対する属性値と、により構成される。ファイル属性情報は、データベースD10上でコンテンツの検索を行うときのキーワードとなる。ファイル属性情報は、対応する電子ファイルの「タグ」と考えることもできる。
【0021】
レコードコンテンツは、所望の管理対象に関する属性情報(以下、「管理属性情報」とも呼ぶ)を登録するためのコンテンツである。ファイルコンテンツと異なり、レコードコンテンツでは、電子ファイルは登録されない。つまり、レコードコンテンツでは、電子ファイル自体を管理することは想定されない。レコードコンテンツに係る管理対象としては、電子ファイルのグループ、保管物品、保管物品のグループ、等が想定される。例えば、管理対象が電子ファイルのグループであるとき、1つのレコードコンテンツは、ファイルシステムにおける1つのフォルダに対応するものと考えることができる。
【0022】
管理属性情報は、ファイル属性情報と同様に、1又は複数の属性項目と、各属性項目に対する属性値と、により構成される。管理属性情報もまた、データベースD10でコンテンツの検索を行うときのキーワードとなる。管理属性情報は、対応する管理対象の「タグ」と考えることもできる。
【0023】
レコードコンテンツは、特に管理対象が保管物品であるコンテンツ(以下、「物品コンテンツ」と呼ぶ)として設定することができる。サーバ100は、ユーザ2の要求に応じて、指定されたレコードコンテンツを物品コンテンツとして設定する。物品コンテンツとして設定されたレコードコンテンツには、管理属性情報に加えて、保管物品の保管状況に関する情報(以下、「物品保管情報」とも呼ぶ)をさらに登録することができる。物品保管情報として、例えば、保管物品の保管形態、保管期限日、保管場所、保管状態、等の情報が挙げられる。
【0024】
サーバ100は、さらにユーザ2の要求に応じて、入力されたファイルコンテンツ又はレコードコンテンツを、データベースD10に登録されているレコードコンテンツの中から選択されたコンテンツ(以下、「ベースレコードコンテンツ」とも呼ぶ)に従属するサブコンテンツとして登録することができる。つまり、データベースD10において、各レコードコンテンツは、1又は複数のサブコンテンツをもつことができる。
【0025】
ここで、ベースレコードコンテンツとそのサブコンテンツが物品コンテンツとして設定されている場合を考える。この場合、サーバ100は、さらにユーザ2の要求に応じて、ベースレコードコンテンツに設定されている物品保管情報の一部又は全部を、サブコンテンツに継承して登録することができる。
【0026】
このようにしてユーザ2がコンテンツを入力することにより、サーバ100は、ファイルコンテンツ、レコードコンテンツ、及びレコードコンテンツに従属するサブコンテンツで構成されたデータベースD10を管理する。
【0027】
図2は、データベースD10の構成の一例を示す図である。図2に示すデータベースD10には、4つのレコードコンテンツRC1,RC2,RC3,RC4と1つのファイルコンテンツFC1が登録されている。特にレコードコンテンツRC2,RC3とファイルコンテンツFC1は、レコードコンテンツRC1をベースレコードコンテンツとするサブコンテンツとして登録されている。またレコードコンテンツRC4は、レコードコンテンツRC3をベースレコードコンテンツとするサブコンテンツとして登録されている。さらにレコードコンテンツRC3,RC4は、物品コンテンツとして設定されている。
【0028】
レコードコンテンツRC1,RC2,RC3,RC4の各々には、管理属性情報が登録されている。またファイルコンテンツFC1には、電子ファイル及びファイル属性情報が登録されている。さらに物品コンテンツとして設定されているレコードコンテンツRC3,RC4の各々には、物品保管情報が登録されている。特に、サーバ100は、レコードコンテンツRC3に登録されている物品保管情報を、レコードコンテンツRC4に継承して登録している。
【0029】
図2で示されるように、本実施形態に係るデータベースD10は、レコードコンテンツRCにサブコンテンツが従属していくことにより構成されるディレクトリ構造(階層構造)を有する。以下ディレクトリ構造に着目する場合に、データベースD10に登録されているコンテンツに関して、第1階層、第2階層、・・・という用語を用いる。第1階層とは、従属先をもたないコンテンツの階層である。第2階層は、第1階層のコンテンツに従属するサブコンテンツの階層である。以下同様にして、第3階層、第4階層、・・・が定義される。例えば、図2に示す場合、レコードコンテンツRC1は、第1階層のコンテンツである。またレコードコンテンツRC2,RC3とファイルコンテンツFC1は、第2階層のコンテンツである。またレコードコンテンツRC4は、第3階層のコンテンツである。
【0030】
以上説明したように、サーバ100は、ユーザ2からコンテンツの入力を受け付け、データベースD10を構成し管理する処理を実行する。ユーザ2は、ファイルコンテンツFC又はレコードコンテンツRCをデータベースD10に登録することにより、管理を必要とする電子ファイルや物品を管理することができる。以下では、コンテンツ管理システム10による管理に関して、いくつかの例を説明する。
【0031】
1.1 第1の例
図3は、コンテンツ管理システム10による管理の第1の例を示す図である。第1の例は、コンテンツ管理システム10により電子ファイルのフォルダ管理を行う場合である。
【0032】
いまユーザ2は、図3の上部に示すように、「契約書1.pdf」の電子ファイルをフォルダ管理したいと考えているとする。このとき、ユーザ2は、図3の下部に示すように各コンテンツをデータベースD10に登録することにより、所望のフォルダ管理を行うことができる。
【0033】
具体的には、まずユーザ2は、「2023年度」のフォルダに相当するレコードコンテンツRC11をデータベースD10に登録する。次にユーザ2は、「A0001」のフォルダに相当するレコードコンテンツRC12と、「A0002」のフォルダに相当するレコードコンテンツRC13と、をレコードコンテンツRC11のサブコンテンツとしてデータベースD10に登録する。そしてユーザ2は、「契約書1.pdf」に対応するファイルコンテンツFC11を、レコードコンテンツRC12のサブコンテンツとしてデータベースD10に登録する。ファイルコンテンツFC11には、電子ファイルである「契約書1.pdf」が登録される。ユーザ2は、さらに、「契約書1.pdf」に関連して、契約者、契約日、契約商品、等を属性項目とするファイル属性情報をファイルコンテンツFC11に登録することもできる。
【0034】
このようにコンテンツ管理システム10によれば、ユーザ2は、従来のフォルダ管理とほとんど変わらない手続で、電子ファイルのフォルダ管理を行うことができる。またユーザ2は、ファイルコンテンツFCにファイル属性情報を登録することができる。ファイル属性情報を登録することにより、対象のファイルコンテンツFCの検索性を向上させることができる。さらにユーザ2は、フォルダに対応するレコードコンテンツRCにも管理属性情報を登録することが可能である。管理属性情報を登録することにより、フォルダに対応するレコードコンテンツRCの検索性も向上させることができる。
【0035】
1.2 第2の例
図4は、コンテンツ管理システム10による管理の第2の例を示す図である。第2の例は、コンテンツ管理システム10により保管物品の管理を行う場合である。
【0036】
いまユーザ2は、図4の上部に示すように、内部倉庫210に「文書ボックス1」を保管し、外部倉庫310に「文書ボックス2」を保管しているとする。また「文書ボックス1」には「文書ファイル1」及び「文書ファイル2」が格納され、「文書ボックス2」には「文書ファイル3」が格納されているとする。このとき、ユーザ2は、図4の下部に示すように各コンテンツをデータベースD10に登録することにより、内部倉庫210や外部倉庫310に保管された保管物品をデータベースD10上で管理することができる。
【0037】
具体的には、まずユーザ2は、「文書ボックス1」に対応するレコードコンテンツRC21と、「文書ボックス2」に対応するレコードコンテンツRC22と、をデータベースD10に登録する。特にユーザ2は、レコードコンテンツRC21及びレコードコンテンツRC22を物品コンテンツに設定する。そしてユーザ2は、レコードコンテンツRC21に、保管場所が内部倉庫210であることを物品保管情報として登録し、レコードコンテンツRC22に、保管場所が外部倉庫310であることを物品保管情報として登録する。ユーザ2は、倉庫内のキャビネットの番号等のより詳細な保管場所を物品保管情報として登録することも可能である。その他、ユーザ2は、保管形態、保管期限日、等を物品保管情報として登録することも可能である。さらにユーザ2は、保管物品の種類、内容、等を属性項目とする管理属性情報をレコードコンテンツRC21やレコードコンテンツRC22に登録することもできる。
【0038】
次にユーザ2は、「文書ファイル1」に対応するレコードコンテンツRC23と、「文書ファイル2」に対応するレコードコンテンツRC24と、をレコードコンテンツRC21のサブコンテンツとしてデータベースD10に登録する。またユーザ2は、「文書ファイル3」に対応するレコードコンテンツRC25をレコードコンテンツRC22のサブコンテンツとしてデータベースD10に登録する。特にユーザ2は、レコードコンテンツRC23、レコードコンテンツRC24、及びレコードコンテンツRC25を物品コンテンツに設定する。そしてユーザ2は、レコードコンテンツRC23及びレコードコンテンツRC24に、保管場所が内部倉庫210であることを物品保管情報として登録する。ここで、ユーザ2は、レコードコンテンツRC21に登録された物品保管情報を、レコードコンテンツRC23及びレコードコンテンツRC24のそれぞれに継承して登録することが可能である。同様にユーザ2は、レコードコンテンツRC22に登録された物品保管情報を、レコードコンテンツRC25に継承して登録する。
【0039】
このようにコンテンツ管理システム10によれば、ユーザ2は、レコードコンテンツRCを登録することにより、内部倉庫210や外部倉庫310に保管されている保管物品をデータベースD10上で管理することができる。またユーザ2は、レコードコンテンツRCに物品保管情報を登録することにより、対応する保管物品の保管状況を管理することができる。特にユーザ2は、ベースレコードコンテンツに登録された物品保管情報を、サブコンテンツに継承して登録することができる。これにより、物品保管情報を登録する手間を低減することが可能である。またユーザ2は、レコードコンテンツRCに管理属性情報を登録することにより、各レコードコンテンツRCの検索性を向上させることができる。
【0040】
1.3 第3の例
図5は、コンテンツ管理システム10による管理の第3の例を示す図である。第3の例は、保管物品の電子化が行われた場合に、コンテンツ管理システム10により保管物品と電子化によって取得された電子ファイルの管理を行う場合である。
【0041】
ユーザ企業では、内部倉庫210に保管している保管物品の電子化を行う場合が想定される。例えば、内部倉庫210に保管された紙の書類を電子化する場合が挙げられる。あるいは、ユーザ企業は、管理事業者に、外部倉庫310に保管している保管物品の電子化を依頼することも考えられる。コンテンツ管理システム10は、このように保管物品の電子化が行われた場合に、保管物品と電子化によって取得された電子ファイルとを関連付けて管理することを可能とする。
【0042】
いまユーザ2は、図5の上部に示すように、外部倉庫310に「文書ファイル」を保管しているとする。このときユーザ2は、図5の下部に示すように、「文書ファイル」に対応するレコードコンテンツRC31をデータベースD10に登録して管理することができる。またユーザ2は、物品コンテンツに設定したレコードコンテンツRC31に、保管場所が外部倉庫310であることを物品保管情報として登録することができる。
【0043】
ここで外部倉庫310に保管された「文書ファイル」の電子化が行われ、「文書1.pdf」と「文書2.pdf」の2つの電子ファイルが取得されたとする。このときユーザ2は、「文書1.pdf」に対応するファイルコンテンツFC31と、「文書2.pdf」に対応するファイルコンテンツFC32と、をレコードコンテンツRC31のサブコンテンツとしてデータベースD10に登録することができる。電子化が管理事業者によって行われる場合、データベースD10への登録は、管理事業者の作業者3が端末装置300を操作することにより行われてもよい。
【0044】
このようにコンテンツ管理システム10によれば、ユーザ2は、保管物品と電子化によって取得された電子ファイルとを関連付けて管理することができる。
【0045】
1.4 効果
以上説明したように、ユーザ2は、コンテンツ管理システム10の機能を利用することにより、種々の態様の管理をデータベースD10上で行うことができる。特にユーザ2は、コンテンツ管理システム10による管理に関して、上記の例を組み合わせることが可能である。このとき、それぞれの例におけるデータベースD10は、ファイルコンテンツFC、レコードコンテンツRC、及びレコードコンテンツRCに従属するサブコンテンツで構成される点で同じである。つまり管理の状況の複雑化を抑制しつつ、データベースD10によって種々の管理対象の一元管理が可能である。
【0046】
さらにコンテンツ管理システム10によれば、管理対象をファイルコンテンツFC又はレコードコンテンツRCのいずれか1つのコンテンツに対応させることができる。つまり、データベースD10上の管理対象の検索は、管理対象の種類に関わらず、対応するコンテンツの検索により行われる。コンテンツの検索は、登録されたファイル属性情報又は管理属性情報に基づいて行うことができる。ファイル属性情報又は管理属性情報は、それぞれ、ユーザ2が適宜登録することが可能である。このようにコンテンツ管理システム10によれば、種々の管理対象に対して、同等の検索性を確保することを可能とする。
【0047】
2 管理画面の表示と処理
サーバ100は、ユーザ2の操作を受け付けるため、端末装置200に管理画面を表示する。サーバ100は、管理画面上のユーザ2の操作に応じて、各種の機能を提供するための処理を実行する。以下では、各種の機能に関して、管理画面の表示と、管理画面上のユーザ2の操作に応じてサーバ100が実行する処理と、について説明する。なお以下の説明において、ユーザ2の操作は、端末装置200を介して行われるものであり、端末装置200は、ユーザ2によって行われた操作を適宜サーバ100に送信していると考えてよい。同様に、作業者3の操作は、端末装置300を介して行われるものであり、端末装置300は、作業者3によって行われた操作を適宜サーバ100に送信していると考えてよい。
【0048】
2.1 コンテンツの閲覧と登録情報の修正
サーバ100が提供する機能の1つは、ユーザ2がデータベースD10に登録されたコンテンツの閲覧と登録情報の修正を行うための機能(以下、「閲覧修正機能」と呼ぶ)である。図6は、閲覧修正機能に関して、サーバ100が実行する処理を説明するための図である。
【0049】
まずステップS100で、サーバ100は、管理画面上にデータベースD10に登録されているコンテンツに関するリスト(以下、「コンテンツリスト」とも呼ぶ)を表示する。例えば、サーバ100は、管理画面を起動したときのホーム画面においてコンテンツリストを表示する。図7に、コンテンツリストL10が表示された管理画面の一例を示す。
【0050】
図7では、ホーム画面を表示する管理画面P100(以下、単に「ホーム画面P100」と呼ぶ)が示されている。ホーム画面P100は、コンテンツリストL10を表示する表示領域P110を含んでいる。典型的には、サーバ100は、ホーム画面P100において、第1階層のコンテンツによって作成されたコンテンツリストL10を表示する。コンテンツリストL10に表示される各コンテンツの順序は、ユーザ2の要求に応じて、登録順や名称順等で適宜変更されてよい。
【0051】
コンテンツリストL10上の各コンテンツの表示は、コンテンツ名P10と、アイコンP11と、サムネイル画像P12と、コンテンツに対する各種の操作を選択するための操作ボタンB11と、を含んでいる。アイコンP11の表示は、コンテンツの種別(レコードコンテンツRC又はファイルコンテンツFC)に対応している。ユーザ2は、アイコンP11を確認することで、各コンテンツがファイルコンテンツFCであるのかレコードコンテンツRCであるのかを確認することができる。サムネイル画像P12は、後述するように、ユーザ2が各コンテンツに適宜設定することができる。ユーザ2は、サムネイル画像P12を確認することで、コンテンツの種類を視覚的に判断することができる。サムネイル画像P12の表示は、対応する管理対象が多岐に渡る可能性があるレコードコンテンツRCに対して特に有効である。操作ボタンB11に関する各種の操作としては、管理事業者への依頼、登録されている電子ファイルのダウンロード、等が挙げられる。
【0052】
表示領域P110には、さらに、コンテンツの登録を行うための操作ボタンB10が含まれている。ユーザ2は、操作ボタンB10を操作することにより、新たなコンテンツの登録を行うことができる。操作ボタンB10の操作によるコンテンツの登録の詳細ついては、下記の「2.2 コンテンツの登録」で説明される。
【0053】
ステップS100において、サーバ100は、ユーザ2の要求に応じて、データベースD10上のコンテンツの検索を行ってもよい。そして、サーバ100は、検索結果としてコンテンツリストL10を管理画面上に表示しても良い。例えば、サーバ100は、ユーザ2からコンテンツの検索を行うための検索情報の入力を受け付ける。そして、サーバ100は、入力された検索情報に合致するコンテンツにより作成されたコンテンツリストL10を管理画面上に表示する。検索情報は、任意のキーワードであってもよいし、ファイル属性情報や管理属性情報に関して属性項目と属性値を指定するものであってもよい。特にサーバ100は、各コンテンツに登録されているファイル属性情報や管理属性情報を参照して、コンテンツの検索を行うことが可能である。
【0054】
再度図6を参照する。ステップS100の後、ユーザ2は、管理画面上に表示されたコンテンツリストL10の中から閲覧したいコンテンツを選択する(ステップS111)。
【0055】
次にステップS112で、サーバ100は、ユーザ2により選択されたコンテンツの情報を確認する。具体的には、サーバ100は、選択されたコンテンツの種別(レコードコンテンツRC又はファイルコンテンツFC)、選択されたコンテンツに登録されている情報(管理属性情報、物品保管情報、ファイル属性情報、等)、選択されたコンテンツに従属するサブコンテンツ、等を確認する。
【0056】
ステップS112の後、サーバ100は、選択されたコンテンツの種別に応じた処理を実行する。以下では、選択されたコンテンツがレコードコンテンツである場合とファイルコンテンツである場合のそれぞれについて、サーバ100が実行する処理を説明する。
【0057】
2.1.1 レコードコンテンツが選択された場合
選択されたコンテンツがレコードコンテンツRCである場合、サーバ100は、選択されたレコードコンテンツRC(以下、単に「選択レコードコンテンツ」と呼ぶ)に従属するサブコンテンツによって作成されたコンテンツリストL10と、選択レコードコンテンツに関連する登録情報と、を管理画面上に表示する(ステップS200)。図8に、レコードコンテンツRCが選択された場合の管理画面P101(以下、「レコードコンテンツ閲覧画面P101」とも呼ぶ)の一例を示す。
【0058】
図8では、コンテンツ名が「A0001」であるレコードコンテンツが選択レコードコンテンツとなる場合を示している。レコードコンテンツ閲覧画面P101は、コンテンツリストL10を表示する表示領域P111と、登録情報を表示する表示領域P121と、を含んでいる。またレコードコンテンツ閲覧画面P101は、ディレクトリ構造における選択レコードコンテンツの階層を示す階層表示P21を含んでいる。
【0059】
図8に示す表示領域P111において、コンテンツリストL10上の各コンテンツは、選択レコードコンテンツに従属するサブコンテンツである。コンテンツリストL10上の各コンテンツの表示は、図7と同様である。表示領域P111には、さらに、コンテンツの登録を行うための操作ボタンB10が含まれている。
【0060】
表示領域P121で表示される登録情報は、選択レコードコンテンツに登録されている管理属性情報と、選択レコードコンテンツの設定状況を示す設定情報と、を含んでいる。さらに選択レコードコンテンツが物品コンテンツとして設定されている場合、表示領域P121で表示される登録情報は、選択レコードコンテンツに登録されている物品保管情報を含んでいる。
【0061】
図9は、表示領域P121における表示の例を示す図である。図9(A)は、管理属性情報の表示の例である。図9(A)に示す例では、「契約番号」、「契約者」、「契約日」、「契約商品」を属性項目とする管理属性情報が表示されている。「クラス」は、属性項目のセットを特定している。ユーザ2は、「クラス」の値を変更することにより、属性項目のセットを切り替えることができる。例えば、「クラス」が“申込書”であるとき、属性項目は、「申込番号」、「申込者」、「申込日」等となる。
【0062】
管理属性情報の表示において、ユーザ2は、各属性項目の値を変更することにより、登録されている管理属性情報を修正することができる。例えば、ユーザは、「契約商品」を“商品A”から“商品B”に修正することができる。ユーザ2により管理属性情報の修正が行われると、サーバ100は、修正された管理属性情報を反映するように選択レコードコンテンツの登録情報を更新する。
【0063】
また管理属性情報の表示は、新たな管理属性情報を追加するための操作ボタンB21(第1操作部材)を含んでいる。ユーザ2は、操作ボタンB21を操作することにより、選択レコードコンテンツに新たな管理属性情報を追加登録することができる。例えば、ユーザ2により操作ボタンB21が操作されると、サーバ100は、新たな管理属性情報として、属性項目と属性値の入力を受け付ける。そして、サーバ100は、入力された管理属性情報を追加するように選択レコードコンテンツの登録情報を更新する。
【0064】
図9(B)は、設定情報の表示の例である。図9(B)に示す例では、「コンテンツ名」、「サムネイル画像」、「種別」、「階層」等の情報が表示されている。設定情報で示される「コンテンツ名」と「サムネイル画像」の値が、それぞれ、コンテンツリストL10で表示されるコンテンツ名P10とサムネイル画像P12に対応する。
【0065】
設定情報の表示は、コンテンツリストL10で表示されるサムネイル画像P12を設定/変更するための操作ボタンB22を含んでいる。ユーザ2は、操作ボタンB22を操作することにより、サムネイル画像P12の設定/変更を行うことができる。例えば、ユーザ2により操作ボタンB22が操作されると、サーバ100は、画像の入力を受け付ける。そして、サーバ100は、入力された画像を選択レコードコンテンツのサムネイル画像P12に設定する。
【0066】
また設定情報の表示は、選択レコードコンテンツを物品コンテンツとして設定するか否かを切り替えるための操作スイッチSW21(第3操作部材)を含んでいる。ユーザ2は、操作スイッチSW21を操作することにより、選択レコードコンテンツを物品コンテンツとして設定することができる。サーバ100は、操作スイッチSW21がONとなるとき、選択レコードコンテンツを物品コンテンツとして設定する。
【0067】
図9(C)は、物品保管情報の表示の例である。図9(C)に示す例では、「管理番号」、「保管形態」、「保管期限日」、「保管場所」、「保管状態」等の項目に関する物品保管情報が表示されている。物品保管情報の項目は、本実施形態を適用する環境に応じて好適に与えられてよい。
【0068】
物品保管情報の表示において、ユーザ2は、各項目の値を変更することにより、登録されている物品保管情報を修正することができる。ユーザ2により物品保管情報の修正が行われると、サーバ100は、修正された物品保管情報を反映するように選択レコードコンテンツの登録情報を更新する。
【0069】
また物品保管情報の表示は、ベースレコードコンテンツに登録されている物品保管情報を選択レコードコンテンツに継承して登録するか否かを切り替えるための操作スイッチSW22を含んでいる。ユーザ2は、操作スイッチSW22を操作することにより、ベースレコードコンテンツに登録されている物品保管情報を選択レコードコンテンツに継承して登録することができる。サーバ100は、操作スイッチSW22がONとなるとき、ベースレコードコンテンツに登録されている物品保管情報を選択レコードコンテンツに継承して登録する。ただし、選択レコードコンテンツに継承して登録される物品保管情報は、一部の項目に関するものであってもよい。例えば、図9(C)に示す例において、操作スイッチSW22がONとなるとき、サーバ100は、「保管期限日」~「返却期限日」に関する物品保管情報は継承して登録する一方で、「管理番号」と「保管形態」に関する物品保管情報は継承しないように構成されていてもよい。これにより、継承して登録することが馴染まない項目を考慮することができる。
【0070】
なお操作スイッチSW22は、選択レコードコンテンツが物品コンテンツのサブコンテンツである場合に限って操作可能に構成されていてもよい。また操作スイッチSW22がONとなるとき、継承して登録された物品保管情報に関する値は、変更不可能に構成されていてもよい。
【0071】
このように表示領域P121は、選択レコードコンテンツに関連する登録情報を表示する。表示領域P121は、ユーザ2の操作により、上記の各情報の表示が切り替わるように構成されていてもよい。例えば、表示領域P121には、各情報の表示と対応したタブを含み、選択されたタブに応じた情報の表示を行うように構成されていてもよい。ただし、表示領域P121は、選択レコードコンテンツが物品コンテンツとして設定されていない場合、物品保管情報の表示を行わないように構成されていてもよい。
【0072】
再度図6を参照する。上述したように、サーバ100は、レコードコンテンツ閲覧画面P101において、ユーザ2から各種の登録情報の修正を受け付けている。ユーザ2により登録情報の修正が行われると(ステップS211)、サーバ100は、修正を反映するように選択レコードコンテンツの登録情報を更新する(ステップS212)。
【0073】
なおレコードコンテンツ閲覧画面P101における各種の登録情報の修正に関して、ユーザ2のアカウントごとに、修正権限の有無が設定されていてもよい。同様に操作スイッチSW21,SW22に関して、ユーザ2のアカウントごとに、操作権限の有無が設定されていてもよい。
【0074】
以上説明したように、選択されたコンテンツがレコードコンテンツである場合、サーバ100は、レコードコンテンツ閲覧画面P101を端末装置200に表示する。ユーザ2は、レコードコンテンツ閲覧画面P101において、選択レコードコンテンツの内容の確認と、登録情報の修正を行うことができる。特にユーザ2は、レコードコンテンツ閲覧画面P101において、選択レコードコンテンツの内容を確認しながら管理属性情報の追加登録を行うことができる。これにより、ユーザ2による閲覧が繰り返されていくことで、管理属性情報が充実化されていくことが期待できる。延いては、検索性の高いデータベースD10が構成されていくことが期待できる。
【0075】
2.1.2 ファイルコンテンツが選択された場合
選択されたコンテンツがファイルコンテンツFCである場合、サーバ100は、選択されたファイルコンテンツFC(以下、単に「選択ファイルコンテンツ」と呼ぶ)に登録されている電子ファイルの内容と、選択ファイルコンテンツに関連する登録情報と、を管理画面上に表示する(ステップS220)。図10に、ファイルコンテンツFCが選択された場合の管理画面P102(以下、「ファイルコンテンツ閲覧画面P102」とも呼ぶ)の一例を示す。
【0076】
図10では、「契約書1.pdf」の電子ファイルが登録されたファイルコンテンツが選択ファイルコンテンツとなる場合を示している。ファイルコンテンツ閲覧画面P102は、登録されている電子ファイルの内容を表示する表示領域P132と、登録情報を表示する表示領域P122と、を含んでいる。またファイルコンテンツ閲覧画面P102は、ディレクトリ構造における選択ファイルコンテンツの階層を示す階層表示P21を含んでいる。
【0077】
表示領域P132では、所定のビューアにより電子ファイルの内容を表示する。ビューアは、電子ファイルの形式に応じて好適に選択されてよい。ユーザ2は、表示領域P132において、選択ファイルコンテンツに登録されている電子ファイルの内容を確認することができる。
【0078】
表示領域P122で表示される登録情報は、選択ファイルコンテンツに登録されているファイル属性情報と、選択ファイルコンテンツの設定状況を示す設定情報と、を含んでいる。
【0079】
表示領域P122におけるファイル属性情報の表示は、図9(A)に示す例と同様であってよい。この場合、上記の説明において、「管理属性情報」を「ファイル属性情報」に、「選択レコードコンテンツ」を「選択ファイルコンテンツ」に読み替えればよい。つまり、ファイル属性情報の表示において、ユーザ2は、各属性項目の属性値を変更することにより、登録されているファイル属性情報を修正することができる。またユーザ2は、操作ボタンB21(第2操作部材)を操作することにより、選択ファイルコンテンツに新たなファイル属性情報を追加登録することができる。
【0080】
表示領域P122における設定情報の表示も、図9(B)に示す例と同様であって良い。ただし、表示領域P122における設定情報の表示は、操作スイッチSW21を含まない。その他、上記の説明において、「管理属性情報」を「ファイル属性情報」に、「選択レコードコンテンツ」を「選択ファイルコンテンツ」に読み替えればよい。
【0081】
このように表示領域P122は、選択ファイルコンテンツに関連する登録情報を表示する。表示領域P122は、ユーザ2の操作により、上記の各情報の表示が切り替わるように構成されていてもよい。
【0082】
再度図6を参照する。上述したように、サーバ100は、ファイルコンテンツ閲覧画面P102において、ユーザ2から各種の登録情報の修正を受け付けている。ユーザ2により登録情報の修正が行われると(ステップS221)、サーバ100は、修正を反映するように選択レコードコンテンツの登録情報を更新する(ステップS222)。
【0083】
なおファイルコンテンツ閲覧画面P102における各種の登録情報の修正に関して、ユーザ2のアカウントごとに、修正権限の有無が設定されていてもよい。同様に操作スイッチSW21,SW22に関して、ユーザ2のアカウントごとに、操作権限の有無が設定されていてもよい。
【0084】
以上説明したように、選択されたコンテンツがファイルコンテンツである場合、サーバ100は、ファイルコンテンツ閲覧画面P102を端末装置200に表示する。ユーザ2は、ファイルコンテンツ閲覧画面P102において、登録されている電子ファイルの内容の確認と、選択ファイルコンテンツの登録情報の修正を行うことができる。特にユーザ2は、ファイルコンテンツ閲覧画面P102において、登録されている電子ファイルの内容を確認しながらファイル属性情報の追加登録を行うことができる。これにより、ユーザ2による閲覧が繰り返されていくことで、ファイル属性情報が充実化されていくことが期待できる。延いては、検索性の高いデータベースD10が構成されていくことが期待できる。
【0085】
2.2 コンテンツの登録
サーバ100が提供する機能の1つは、ユーザ2がデータベースD10にコンテンツの登録を行うための機能(以下、「コンテンツ登録機能」と呼ぶ)である。コンテンツ登録機能は、例えば、ホーム画面P100又はレコードコンテンツ閲覧画面P101において、ユーザ2により操作ボタンB10が操作されたときに提供される。図11は、コンテンツ登録機能に関して、サーバ100が実行する処理を説明するための図である。
【0086】
まずステップS310で、サーバ100は、登録するコンテンツの入力を受け付ける登録画面を管理画面上に表示する。例えば、サーバ100は、登録画面において、登録するコンテンツの種別、コンテンツ名、登録する電子ファイル及びファイル属性情報、登録する管理属性情報、物品コンテンツの設定、サムネイル画像P12として表示する画像、等の入力を受け付ける。
【0087】
ユーザ2によりコンテンツの入力が行われると(ステップS311)、サーバ100は、入力されたコンテンツをデータベースD10に登録する(ステップS312)。ここで、コンテンツの登録先となる階層は、操作ボタンB10が操作されたときの管理画面の状況に応じて決定されてよい。例えば、ホーム画面P100において操作ボタンB10が操作された場合、コンテンツの登録先となる階層は、第1階層であってよい。つまりこの場合、登録されるコンテンツは、従属先をもたないコンテンツとなる。またレコードコンテンツ閲覧画面P101において操作ボタンB10が操作された場合、コンテンツの登録先となる階層は、選択レコードコンテンツの階層であってよい。つまりこの場合、登録されるコンテンツは、選択レコードコンテンツのサブコンテンツとなる。
【0088】
2.2.1 一括登録
ユーザ2は、複数の電子ファイルをそれぞれファイルコンテンツFCとして登録しようとする場合が考えられる。この場合に、複数の電子ファイルの1つ1つに関してファイルコンテンツFCの登録を行うことは、ユーザ2にとって煩わしさを感じる作業である。そこでファイルコンテンツFCの一括登録を可能とするため、サーバ100は、ユーザ2の要求に応じて、次のような登録画面を表示してもよい。
【0089】
図12は、ファイルコンテンツFCの一括登録のための登録画面P200の一例を示す図である。登録画面P200は、1又は複数の電子ファイルの入力を受け付ける入力部R11(第1入力部)と、ファイル形式でファイル属性情報の入力を受け付ける入力部R21(第2入力部)と、を含んでいる。入力部21には、例えば、各属性項目と属性値が所定の形式で記載されたcsvファイルやスプレッドシートファイルが入力される。
【0090】
ユーザ2は、登録画面P200において、複数の電子ファイルを入力部R11に入力することができる。サーバ100は、入力された複数の電子ファイルをそれぞれ別個にファイルコンテンツFCとしてデータベースD10に登録する。さらにユーザ2は、ファイル属性情報を入力部R21に入力することができる。入力部R21にファイル属性情報が入力されている場合、サーバ100は、さらに、入力されたファイル属性情報をそれぞれのファイルコンテンツFCに登録する。なおユーザ2は、入力部R11に電子ファイルが入力されておらず、入力部R21にのみファイル属性情報を入力した状態で登録を行うことも可能である。この場合、サーバ100は、入力されたファイル属性情報をファイルコンテンツFCとしてデータベースD10に登録する。
【0091】
このように登録画面P200を表示することで、ユーザ2は、一度に複数の電子ファイルをそれぞれファイルコンテンツFCとして登録することができる。これにより、登録作業の煩わしさを低減することができる。またこのように登録画面P200を表示することで、ユーザ2は、電子ファイルだけが登録されたファイルコンテンツFC、ファイル属性情報だけが登録されたファイルコンテンツFC、電子ファイル及びファイル属性情報の両方が登録されたファイルコンテンツFCの3パターンの登録を選択して行うことができる。
【0092】
同様に、サーバ100は、ユーザ2の要求に応じて、レコードコンテンツRCの一括登録を可能とする登録画面を表示してもよい。例えば、サーバ100は、ユーザ2の要求に応じて、ファイル形式で1又は複数の管理属性情報の入力を受け付ける入力部を含む登録画面を表示してもよい。
【0093】
2.3 仮想ディレクトリ構造に基づくコンテンツへのアクセス
ユーザ2が管理画面上でデータベースD10の中の目的のコンテンツにアクセスしようとする場合を考える。このときユーザ2が目的のコンテンツにアクセスするための方法として、以下が考えられる。1つ目の方法は、データベースD10のディレクトリ構造に基づいて、第1階層から順にコンテンツリストL10の中から適切なレコードコンテンツRCを選択していくことで目的のコンテンツにアクセスする方法である。2つ目の方法は、キーワードや属性項目と属性値の指定による検索を適切に行い、検索結果から目的のコンテンツにアクセスする方法である。
【0094】
一方、ユーザ2は、同一のコンテンツに高い頻度でアクセスしようとする場合も考えられる。このような場合、上記の方法だけでは、ユーザ2は、目的のコンテンツへのアクセスに煩わしさを感じるおそれがある。例えば、上記1つ目の方法では、目的のコンテンツの階層が深くなるような場合に、ユーザ2は、目的のコンテンツにアクセスするために毎回多くの操作を行わなければならない。また例えば、上記2つ目の方法では、ユーザ2は、目的のコンテンツにアクセスするために毎回同じような検索を行わなければならない。
【0095】
上記の課題に対処するための機能として、サーバ100は、ユーザ2が任意に設定可能な仮想ディレクトリ構造を介してコンテンツにアクセスすることを可能とする機能(以下、「仮想ディレクトリ検索機能」と呼ぶ)を提供する。
【0096】
仮想ディレクトリ検索機能において、仮想ディレクトリ構造は、ファイル属性情報又は管理属性情報に関する属性項目によって各階層(ディレクトリ)が設定されることにより構成される。例えば、第1階層を「契約年度」、第2階層を「契約商品」、第3階層を「契約者」とすることにより1つの仮想ディレクトリ構造が構成される。仮想ディレクトリ構造の階層の数は、任意に設定されてよい。
【0097】
サーバ100は、ユーザ2から仮想ディレクトリ構造の登録を受け付け、登録された仮想ディレクトリ構造を管理する。例えば、サーバ100は、ユーザ2の要求に応じて、仮想ディレクトリ構造を登録するための登録画面を管理画面上に表示する。図13に、仮想ディレクトリ構造を登録するための登録画面P300の一例を示す。登録画面P300において、ユーザ2は、各階層に属性項目を設定することにより任意の仮想ディレクトリ構造を登録することができる。「クラス」は、各階層で設定可能な属性項目のセットに対応する。ユーザ2は、「クラス」の値を変更することにより、各階層で設定可能な属性項目のセットを切り替えることができる。サーバ100は、各階層の設定が異なる複数の仮想ディレクトリ構造を管理してもよい。ユーザ2は、登録された複数の仮想ディレクトリ構造の中から仮想ディレクトリ検索機能で用いる仮想ディレクトリ構造を選択する。
【0098】
仮想ディレクトリ検索機能により、ユーザ2は、選択した仮想ディレクトリ構造を介してコンテンツにアクセスすることができる。図14を参照して、仮想ディレクトリ検索機能の概要について説明する。
【0099】
仮想ディレクトリ検索機能において、サーバ100は、仮想ディレクトリ構造における第1階層から順に属性値の選択を受け付ける。そして、サーバ100は、選択された属性値に合致するコンテンツで作成されたコンテンツリストL10を管理画面上に表示する。
【0100】
例えば図14(A)に示すように、3つのコンテンツ#1、コンテンツ#2、及びコンテンツ#3に関して、ファイル属性情報又は管理属性情報がデータベースD10に登録されているとする。このとき仮想ディレクトリ検索機能は、選択された仮想ディレクトリ構造に応じて、次のようにユーザ2が各コンテンツにアクセスすることを可能とする。
【0101】
いま、第1階層を「契約年度」、第2階層を「契約商品」とする仮想ディレクトリ構造が選択されたとする。この場合、サーバ100は、まず「契約年度」の属性値の入力を受け付ける。次に、サーバ100は、「契約商品」の属性値の選択を受け付ける。そして、サーバ100は、「契約年度」と「契約商品」に関して登録されている属性値が選択された属性値と合致するコンテンツで作成されたコンテンツリストL10を管理画面上に表示する。従って、ユーザ2は、図13(B)に示すように各コンテンツにアクセスすることが可能となる。例えば、ユーザ2がコンテンツ#2にアクセスしようとする場合を考える。この場合、ユーザ2は、まず「契約年度」を“2023年度”とし、次に「契約商品」を“商品B”とすればよい。
【0102】
他の例として、第1階層を「契約者」、第2階層を「契約年度」とする仮想ディレクトリ構造が選択されたとする。このとき、ユーザ2は、図13(C)に示すように各コンテンツにアクセスすることが可能となる。例えば、ユーザ2がコンテンツ#2にアクセスしようとする場合を考える。この場合、ユーザ2は、まず「契約者」を“ワンビシ三郎”とし、次に「契約年度」を“2023年度”とすればよい。
【0103】
このように仮想ディレクトリ検索機能によれば、ユーザ2は、データベースD10のディレクトリ構造に依らずに、任意に設定可能な仮想ディレクトリ構造に基づいてコンテンツにアクセスすることができる。延いては、ユーザ2が目的のコンテンツにアクセスしようとする場合の煩わしさを低減することができる。
【0104】
図15は、仮想ディレクトリ検索機能に関して、サーバ100が実行する処理を説明するための図である。
【0105】
ステップS400で、ユーザ2は、仮想ディレクトリ検索機能で用いる仮想ディレクトリ構造を選択する。
【0106】
次にステップS410で、サーバ100は、選択された仮想ディレクトリ構造に基づいて、第1階層から順に各階層の選択可能な属性値のリスト(以下、「選択リスト」と呼ぶ)を管理画面上に表示する。図16(A)に、選択リストL20が表示された管理画面P103(以下、「仮想ディレクトリ検索画面P103」と呼ぶ)の一例を示す。
【0107】
仮想ディレクトリ検索画面P103は、選択リストL20を表示する表示領域P113を含んでいる。また仮想ディレクトリ検索画面P103は、仮想ディレクトリ構造における階層を示す仮想階層表示P22を含んでいる。表示領域P113は、現在の階層に設定された属性項目の表示P31を含んでいる。また選択リストL20上の各項目は、対応する属性値の表示P32を含んでいる。ユーザ2は、選択リストL20の中から適宜属性値を選択する。
【0108】
再度図15を参照する。ユーザ2により各階層の属性値の選択が行われると(ステップS411)、サーバ100は、選択された属性値に合致するコンテンツで作成されたコンテンツリストL10を管理画面上に表示する(ステップS412)。図16(B)に、ステップS412における管理画面P104(以下、「仮想ディレクトリ検索結果画面P104」と呼ぶ)の一例を示す。
【0109】
仮想ディレクトリ検索結果画面P104は、コンテンツリストL10を表示する表示領域P114を含んでいる。また仮想ディレクトリ検索結果画面P104は、仮想階層表示P22を含んでいる。仮想ディレクトリ検索結果画面P104において、コンテンツリストL10上の各コンテンツの表示は、データベースD10のディレクトリ構造における階層を示す実階層表示P23を含んでいる。その他、コンテンツリストL10上の各コンテンツの表示は、図7と同様であってよい。
【0110】
2.4 管理事業者への依頼
サーバ100が提供する機能の1つは、物品コンテンツに関して保管物品に対する所定の作業を管理事業者に依頼する機能(以下、「依頼機能」と呼ぶ)である。図17は、依頼機能に関して、サーバ100が実行する処理を説明するための図である。
【0111】
まずステップS510で、サーバ100は、ユーザ2の要求に応じて、指定された物品コンテンツに関して管理事業者への各種の依頼を選択可能な依頼メニューを管理画面上に表示する。例えば、サーバ100は、ホーム画面P100又はレコードコンテンツ閲覧画面P101において、指定の物品コンテンツに対して操作ボタンB11が操作されたことを受けて、依頼メニューを表示する。本実施形態において、依頼メニューで選択可能な依頼は、他の倉庫への保管物品の預け入れ、保管物品の取り寄せ、保管物品の廃棄、及び保管物品の電子化を含んでいる。
【0112】
他の倉庫への保管物品の預け入れは、例えば、内部倉庫210から外部倉庫310への保管物品の預け入れを依頼するものである。保管物品の取り寄せは、例えば、外部倉庫310からユーザ2への保管物品の取り寄せを依頼するものである。保管物品の廃棄は、例えば、内部倉庫210や外部倉庫310に保管されている保管物品の廃棄を依頼するものである。保管物品の電子化は、例えば、内部倉庫210や外部倉庫310に保管されている保管物品の電子化を依頼するものである。
【0113】
ユーザ2は、依頼メニューの中から上記の各依頼を選択することができる。ユーザ2によりいずれかの依頼が選択されると(ステップS511)、サーバ100は、選択された依頼の内容を確認する(ステップS512)。その後、サーバ100は、指定された物品コンテンツに対応する保管物品の情報(典型的には、物品保管情報)と依頼内容を作業者3に通知する(ステップS513)。例えば、サーバ100は、保管物品の情報と依頼内容が示された表示を端末装置300に表示する。端末装置300は、通知が行われたときに、作業者3に通知を知らせるための音を発するように構成されていてもよい。
【0114】
作業者3は、通知内容を確認した後(ステップS514)、依頼内容を実施する(ステップS515)。依頼内容の実施が完了した後、作業者3は、端末装置300を操作することにより、依頼の完了をサーバ100に通知する(ステップS516)。依頼内容が保管物品の電子化である場合、作業者3は、さらに、電子化によって得られた電子ファイル(以下、「電子化ファイル」と呼ぶ)をサーバ100に送信する(ステップS517)。
【0115】
依頼内容が保管物品の電子化以外の保管物品の預け入れ等である場合、サーバ100は、依頼の完了の通知を受けて、指定された物品コンテンツの物品保管情報を更新する(ステップS520)。例えば、依頼内容が内部倉庫210から外部倉庫310への保管物品の預け入れである場合、サーバ100は、「保管場所」の値を“内部倉庫”から“外部倉庫”に更新する。また例えば、依頼内容がユーザ2への保管物品の取り寄せである場合、サーバ100は、「保管状態」を“保管中”から“貸出中”に更新する。また例えば、依頼内容が保管物品の廃棄である場合、サーバ100は、「保管状態」を“保管中”から“廃棄済み”に更新する。あるいは、サーバ100は、指定された物品コンテンツをデータベースD10から削除してもよい。
【0116】
依頼内容が保管物品の電子化である場合、サーバ100は、受信した電子化ファイルをファイルコンテンツFCとしてデータベースD10に登録する(ステップS530)。特にサーバ100は、電子化ファイルを指定された物品コンテンツに従属するサブコンテンツとして登録する。
【0117】
以上説明したように、依頼機能によれば、ユーザ2は、データベースD10で管理する保管物品に対して管理事業者に各種の依頼を行うことができる。これにより、利便性の高いコンテンツ管理システム10を実現することができる。
【0118】
3 ハードウェア構成
以下、サーバ100のハードウェア構成について説明する。図18は、サーバ100のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ100は、プロセッサ110と、記憶装置120と、通信インタフェース130と、を備えている。
【0119】
プロセッサ110は、各種処理を実行する。プロセッサ110は、例えば、演算装置やレジスタ等を含むCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、等で構成することができる。
【0120】
記憶装置120は、プロセッサ110による処理の実行に必要な各種情報を格納する。記憶装置120は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、等の記録媒体で構成することができる。
【0121】
通信インタフェース130は、通信ネットワーク1に接続し、サーバ100の外部の装置と通信するためのインタフェースである。通信インタフェース130は、例えば、インターネットに接続するための機器である。サーバ100は、通信インタフェース130を介して、端末装置200や端末装置300と通信を行う。
【0122】
記憶装置120は、コンピュータプログラム121と、データベースD10と、を格納している。
【0123】
コンピュータプログラム121は、プロセッサ110によって実行される。コンピュータプログラム121を実行するプロセッサ110と記憶装置120との協働により、上述したサーバ100による各種の処理が実現されてよい。特にサーバ100に上述した各種の処理を実行させるコンピュータプログラム121により、本実施形態に係るコンテンツ管理プログラムが実現される。なおコンピュータプログラム121は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されていてよい。
【符号の説明】
【0124】
1 通信ネットワーク
2 ユーザ
10 コンテンツ管理システム
100 サーバ
121 コンピュータプログラム
200 端末装置
D10 データベース
RC レコードコンテンツ
FC ファイルコンテンツ
L10 コンテンツリスト
P12 サムネイル画像
【要約】
【課題】ユーザの利便性を確保しつつ、種々の管理対象のデータベースによる一元管理を可能とするコンテンツ管理システムを提供する。
【解決手段】コンテンツ管理システムは、ユーザの操作を受け付ける端末装置と、端末装置と接続するサーバと、を備える。サーバは、電子ファイル及び電子ファイルに関するファイル属性情報を登録するためのファイルコンテンツ又は所望の管理対象に関する管理属性情報を登録するためのレコードコンテンツの入力を受け付ける処理と、入力されたファイルコンテンツ又はレコードコンテンツをデータベースに登録して管理する処理と、ユーザの要求に応じて、入力されたファイルコンテンツ又はレコードコンテンツを、さらに、データベースに登録されているレコードコンテンツに従属するコンテンツとして登録する処理である。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18