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特許7576691光ファイバプラグ、光ファイバコネクタ、および光ファイバ接続システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-10-23
(45)【発行日】2024-10-31
(54)【発明の名称】光ファイバプラグ、光ファイバコネクタ、および光ファイバ接続システム
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/38 20060101AFI20241024BHJP
【FI】
G02B6/38
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2023514852
(86)(22)【出願日】2021-08-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-20
(86)【国際出願番号】 CN2021111905
(87)【国際公開番号】W WO2022048411
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-04-10
(31)【優先権主張番号】202010923453.7
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100132481
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 克豪
(74)【代理人】
【識別番号】100115635
【弁理士】
【氏名又は名称】窪田 郁大
(72)【発明者】
【氏名】李 秀▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】彭 尚▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】李 媛媛
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-266088(JP,A)
【文献】特開平10-319274(JP,A)
【文献】米国特許第05233674(US,A)
【文献】国際公開第2015/028433(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバプラグであって、前記光ファイバプラグ(1)は、プラグ本体(11)と、ロック構造(12)と、ロック解除構造(13)とを備え、
前記ロック構造(12)は、前記プラグ本体(11)の側壁上に位置し、前記プラグ本体(11)を、挿入方向に光ファイバアダプタ(2)に挿入されたときに前記光ファイバアダプタ(2)の弾性ボルト(22)とインターロックして、前記プラグ本体(11)と前記光ファイバアダプタ(2)との間の相対位置を拘束するためのものであり、
前記ロック解除構造(13)は、前記プラグ本体(11)の前記側壁上に位置し、前記プラグ本体(11)が前記挿入方向とは反対の方向に前記光ファイバアダプタから取り外されるときに、前記ロック構造(12)と前記弾性ボルト(22)との間のインターロックを解放するためのものであり、
前記ロック構造(12)は、内側溝壁(122)と溝底部(123)とを備え、前記内側溝壁(122)および前記溝底部(123)は、一方の側に切欠部を有する溝を形成し、前記溝の形状は、前記弾性ボルト(22)の底部形状と合致し、
前記ロック解除構造(13)は、傾けられた傾斜面であり、前記ロック解除構造(13)は、前記溝の前記切欠部に位置し、前記ロック解除構造(13)は、前記ロック構造(12)の前記溝底部から溝開口部(121)まで延びて、前記弾性ボルト(22)が前記溝開口部(121)から後退するのを可能にし、前記弾性ボルト(22)を延在方向の前記傾斜面の傾きによって前記溝開口部(121)から前記延在方向に押し出して、前記ロック構造(12)と前記弾性ボルト(22)との間の前記インターロックを解放する、光ファイバプラグ。
【請求項2】
前記ロック解除構造(13)の前記延在方向は、前記プラグ本体(11)の円周方向と同じであり、前記ロック構造(12)および前記ロック解除構造(13)は、前記延在方向に順次配置される請求項1に記載の光ファイバプラグ。
【請求項3】
前記ロック解除構造(13)の延在方向は、前記プラグ本体(11)の前記挿入方向と同じであり、前記ロック構造(12)および前記ロック解除構造(13)は、前記延在方向に順次配置される請求項1に記載の光ファイバプラグ。
【請求項4】
前記プラグ本体(11)は、シャフト本体(111)と摺動スリーブ(112)とを含み、前記摺動スリーブ(112)は、前記シャフト本体(111)の外側にスリーブ接続され、前記シャフト本体(111)に対して円周方向に回転するか、または軸方向に移動し、前記ロック構造(12)および前記ロック解除構造(13)は、前記摺動スリーブ(112)の側壁上に位置する請求項1乃至のいずれか一項に記載の光ファイバプラグ。
【請求項5】
前記ロック構造(12)は、止まり孔または貫通孔である請求項に記載の光ファイバプラグ。
【請求項6】
前記ロック構造(12)が前記貫通孔であるとき、前記ロック解除構造(13)は、第1の側段部(131)と第2の側段部(132)とを含み、前記第1の側段部(131)と前記第2の側段部(132)の両方は、前記摺動スリーブ(112)の軸方向に前記ロック構造(12)の内側溝壁(122)上に位置し、前記第1の側段部(131)は、前記第2の側段部(132)に接続されて前記ロック解除構造(13)の傾斜面を形成し、ロックボス(1111)が、前記シャフト本体(111)の外側側壁から延び、前記ロックボス(1111)は、前記シャフト本体(111)を向く前記第2の側段部(132)の一方の側部に位置し、前記ロックボス(1111)の側壁は、前記ロック構造(12)の溝の切欠部に位置する請求項に記載の光ファイバプラグ。
【請求項7】
駆動溝(1121)が、前記摺動スリーブ(112)の外側側壁上に設けられ、前記駆動溝(1121)は、前記摺動スリーブ(112)の軸方向に延び、前記摺動スリーブ(112)の円周方向に徐々に曲がり、前記プラグ本体(11)は、駆動スリーブ(113)を備え、前記駆動スリーブ(113)は、前記摺動スリーブ(112)の外側に移動可能にスリーブ接続され、駆動突起部(1131)が、前記駆動スリーブ(113)の内側側壁上に設けられ、前記駆動突起部(1131)は、前記駆動溝(1121)に移動可能に挿入される請求項に記載の光ファイバプラグ。
【請求項8】
前記駆動溝(1121)の曲がり方向は、前記ロック解除構造(13)の延在方向と同じである請求項に記載の光ファイバプラグ。
【請求項9】
前記プラグ本体(11)は、前記シャフト本体(111)の外側にスリーブ接続された防塵キャップ(114)をさらに備える請求項乃至のいずれか一項に記載の光ファイバプラグ。
【請求項10】
前記シャフト本体(111)の外側側壁には、封止部材(1112)が設けられ、前記封止部材(1112)は、前記防塵キャップ(114)の内側側壁と封止接触するように構成される請求項に記載の光ファイバプラグ。
【請求項11】
前記シャフト本体(111)の側壁には、接着剤注入孔(1113)が設けられ、前記接着剤注入孔(1113)は、前記シャフト本体(111)の前記側壁を貫通する請求項乃至10のいずれか一項に記載の光ファイバプラグ。
【請求項12】
前記プラグ本体(11)は、挿入コア構成要素(115)をさらに備え、前記挿入コア構成要素(115)は、前記シャフト本体(111)の端部部分に接続され、前記挿入コア構成要素(115)の外側側壁には、第1の案内溝(1151)が設けられ、前記第1の案内溝(1151)は、前記挿入方向に延びる請求項乃至11のいずれか一項に記載の光ファイバプラグ。
【請求項13】
前記シャフト本体(111)から離れる方を向く前記第1の案内溝(1151)の一方の端部には、案内切欠部(1152)が設けられ、前記案内切欠部(1152)の開口部は、前記挿入方向にサイズが徐々に増大する請求項12に記載の光ファイバプラグ。
【請求項14】
前記シャフト本体(111)の前記外側側壁には、第2の案内溝(1114)が設けられ、前記第2の案内溝(1114)は、前記挿入方向に延び、前記シャフト本体(111)に近い前記第1の案内溝(1151)の一方の端部と連通する請求項13に記載の光ファイバプラグ。
【請求項15】
光ファイバアダプタ(2)と、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の光ファイバプラグ(1)とを備える光ファイバコネクタであって、
前記光ファイバアダプタ(2)は、突き合わせ接合式スリーブ(21)と弾性ボルト(22)とを備え、
前記弾性ボルト(22)は、前記突き合わせ接合式スリーブ(21)の内側側壁に接続され、前記弾性ボルト(22)は、前記突き合わせ接合式スリーブ(21)の前記内側側壁から突起し、前記ロック構造(12)および前記ロック解除構造(13)と合致するように構成される、光ファイバコネクタ。
【請求項16】
前記光ファイバコネクタが請求項に記載の前記光ファイバプラグ(1)を備えるとき、
前記プラグ本体(11)と向かい合う前記弾性ボルト(22)の端部表面には、第2の外側面取部(222)が設けられ、前記第2の外側面取部(222)は、前記弾性ボルト(22)の一方の側に向かって曲がって延び、前記第2の外側面取部(222)は、前記ロック解除構造と摺動可能に嵌合するように構成される請求項15に記載の光ファイバコネクタ。
【請求項17】
前記光ファイバコネクタが請求項に記載の前記光ファイバプラグ(1)を備えるとき、
前記プラグ本体(11)と向かい合う前記弾性ボルト(22)の前記端部表面には、第1の外側面取部(221)が設けられ、前記第1の外側面取部(221)は、前記弾性ボルト(22)のプレート表面に向かって曲がって延び、前記第1の外側面取部(221)は、前記ロック解除構造と摺動可能に嵌合するように構成される請求項16に記載の光ファイバコネクタ。
【請求項18】
ボックス本体(3)と、屋内光ファイバプラグ(4)と、請求項15乃至17のいずれか一項に記載の光ファイバコネクタとを備える、光ファイバ接続システムであって、
光ファイバアダプタ(2)は、前記ボックス本体(3)の側壁に接続され、前記ボックス本体(3)内に位置する部分を有し、
前記屋内光ファイバプラグ(4)は、前記ボックス本体(3)内に位置し、前記光ファイバアダプタ(2)に挿入される、光ファイバ接続システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、光通信技術の分野に関し、詳細には光ファイバプラグ、光ファイバコネクタ、および光ファイバ接続システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、参照により本明細書にその全体において組み込まれている、2020年9月4日に中国国家知識産権局に出願された「OPTICAL FIBER PLUG、OPTICAL FIBER CONNECTOR、AND OPTICAL FIBER CONNECTION SYSTEM」と題する、中国特許出願第202010923453.7号の優先権を主張するものである。
【0003】
ファイバトゥザホーム(fiber to the home、FTTH)の作業中、光ケーブルは、セントラルオフィス(central office、CO)、コネクタ化ファイバ分配点(connectorised fiber distribution point、CFDP)を通り抜けて、最終的にはカスタマースプライシング点(customer splicing point、CSP)までルーティングされる必要がある。
【0004】
関連する技術では、CFDPとCSPとの間の光ケーブルがルーティングされるとき、光ケーブルの一方の端部にある光ファイバプラグは、CFDPの光ファイバアダプタに挿入され、これに締結され、光ケーブルの他方の端部にある光ファイバプラグは、CSPに挿入され、これに締結される。これにより、CFDPとCSPとの間の光ケーブルルーティングを実施する。
【0005】
しかし、光ファイバプラグおよび光ファイバアダプタは、光ファイバプラグ上のロックキャップと光ファイバアダプタ上のロック部材を対合させることによって互いに締結されるため、光ファイバプラグが光ファイバアダプタに挿入された後、光ファイバプラグと光ファイバアダプタとの間で挿入および締結を実施するために、光ファイバプラグ上のロックキャップは、ロックキャップをロック部材と一緒にインターロックするためにさらにねじ込まれる必要がある。これに対応して、光ファイバプラグが光ファイバアダプタから取り出されるとき、光ファイバプラグ上のロックキャップが最初に弛められる必要があり、次いで、光ファイバプラグが光ファイバアダプタから引き出される。その結果、光ファイバプラグと光ファイバアダプタとの間の取り付けと取り出しの両方が複雑になり、作業のために大きな空間が必要とされる。
【発明の概要】
【0006】
本出願の実施形態は、光ファイバプラグの取り付けおよび取り出しが複雑であり、作業に大きな空間が必要とされるという問題を解決するために、光ファイバプラグ、光ファイバコネクタ、および光ファイバ接続システムを提供する。技術的解決策は、以下の通りである。
【0007】
第1の態様によれば、光ファイバプラグが提供される。光ファイバプラグは、プラグ本体と、ロック構造と、ロック解除構造とを含む。ロック構造は、プラグ本体の側壁上に位置し、プラグ本体を、挿入方向に光ファイバアダプタに挿入されたときに光ファイバアダプタの弾性ボルトとインターロックして、プラグ本体と光ファイバアダプタとの間の相対位置を拘束するためのものである。ロック解除構造は、プラグ本体の側壁上に位置し、プラグ本体が挿入方向とは反対の方向に光ファイバアダプタから取り外されるときに、ロック構造と弾性ボルトとの間のインターロックを解放し、それにより、プラグ本体および光ファイバアダプタが互いに対して移動できるようにするためのものである。
【0008】
本出願のこの実施形態に提供される光ファイバプラグは、少なくとも以下の効果を有する。
【0009】
光ファイバプラグが光ファイバアダプタに挿入されるとき、プラグ本体は、挿入方向に光ファイバアダプタに向かって移動される。プラグ本体が移動されるにつれて、プラグ本体は、光ファイバアダプタに所定位置において挿入される。この場合、プラグ本体の側壁上に位置するロック構造は、光ファイバアダプタの弾性ボルトとインターロックし、それにより、プラグ本体と光ファイバアダプタとの間の相対位置が固定され、すなわち、光ファイバプラグは光ファイバアダプタに安定して挿入される。
【0010】
光ファイバプラグが光ファイバアダプタから引き出されるとき、プラグ本体は、挿入方向とは反対の方向に光ファイバアダプタから取り外される。この場合、ロック解除構造は、それにしたがって移動して、ロック構造と弾性ボルトとの間のインターロックを解放する。インターロックが解放されるとき、プラグ本体は、光ファイバアダプタに対してひとりでに移動することができ、すなわち、光ファイバプラグは、光ファイバアダプタから引き出される。
【0011】
すなわち、ユーザは、1つの挿入動作だけで、本出願のこの実施形態において提供される光ファイバプラグを光ファイバアダプタに安定して挿入することができ、ユーザはまた、1つの引く動作だけで、光ファイバプラグを光ファイバアダプタからすばやく引き出すこともできる。このようにして、ユーザの作業は簡単にされ、作業のためにユーザによって必要とされる空間はさらに低減され、それにより、光ファイバプラグは、より狭い空間内で適用可能になる。
【0012】
例示的な実施形態では、ロック構造は、一方の側部に切欠部を有する溝を画定する内側溝壁および溝底部を含む。加えて、溝の形状および弾性ボルトの底部形状は、弾性ボルトを拘束するようにサイズ設定される。すなわち、弾性ボルトがロック構造内に係合された後、弾性ボルトは、内側溝壁によって停止されて、プラグ本体と光ファイバアダプタとの間の相対位置を拘束することができる。ロック構造に対応して、ロック解除構造は、傾けられた傾斜面であり、溝の切欠部に位置している。ロック構造のために、ロック解除構造の延在方向は、溝底部からロック構造の溝開口部までとなる。そのような設計では、ロック解除構造が移動するとき、ロック構造内に位置する弾性ボルトは、駆動されて、弾性ボルトがロック構造の溝開口部まで誘導され、押されるまでロック構造の溝開口部に向かって後退し、最終的には弾性ボルトは、ロック構造から外に移動してロック構造と弾性ボルトとの間のインターロックを解放し、プラグ本体と光ファイバアダプタとの間の相対的な移動の制限を解放する。
【0013】
例示的な実施形態では、ロック解除構造の延在方向は、弾性ボルトを誘導し、押すための方向を決定する。ロック解除構造の延在方向がプラグ本体の円周方向と同じである場合、弾性ボルトは、誘導され、プラグ本体の円周方向におけるロック解除構造の溝開口部から押し出される。加えて、ロック構造およびロック解除構造は延在方向に順次配置されているため、ロック解除構造がロック解除のために必要とされるとき、ロック解除構造が弾性ボルトと優先的に接触し、それにより、弾性ボルトが、ロック構造の溝開口部から離れるように誘導され、押しやられて、ロック構造と弾性ボルトとの間のインターロックを解放することができ、プラグ本体が光ファイバアダプタに対して正常に移動することを可能にすることが確実にされることが可能である。
【0014】
例示的な実施形態では、ロック解除構造の延在方向は、弾性ボルトを誘導し、押すための方向を決定する。ロック解除構造の延在方向がプラグ本体の挿入方向と同じである場合、弾性ボルトは、プラグ本体の軸方向に誘導され、ロック解除構造の溝開口部から押し出される。加えて、ロック構造およびロック解除構造は延在方向に順次配置されているため、ロック解除構造がロック解除のために必要とされるとき、ロック解除構造が弾性ボルトと優先的に接触し、それにより、弾性ボルトが、ロック構造の溝開口部から離れるように誘導され、押しやられて、ロック構造と弾性ボルトとの間のインターロックを解放することができ、プラグ本体が光ファイバアダプタに対して正常に移動することを可能にすることが確実にされることが可能である。
【0015】
例示的な実施形態では、プラグ本体は、シャフト本体と摺動スリーブとを含む。シャフト本体は、プラグ本体の主要部であり、プラグ本体の他の構成要素および光ファイバを支承する。摺動スリーブは、シャフト本体の外側にスリーブ接続され、シャフト本体に対して円周方向に回転するか、または軸方向に移動して、ロック解除構造のための移動基盤を提供することができる。ロック解除構造の延在方向がプラグ本体の円周方向と同じである場合、それに対応して、摺動スリーブは、シャフト本体に対して円周方向に回転する。ロック解除構造の延在方向がプラグ本体の挿入方向と同じである場合、それに対応して、摺動スリーブは、シャフト本体に対して方向に移動する。すなわち、ロック構造およびロック解除構造は、摺動スリーブの側壁上に位置するため、ロック構造およびロック解除構造は、シャフト本体に対して摺動スリーブと共に移動して、ロック構造と弾性ボルトとの間のインターロックによってロック状態を実施し、ロック解除構造と弾性ボルトとの間の合致によってロック解除を実施することができる。
【0016】
例示的な実施形態では、ロック構造は貫通孔であり、すなわち、ロック構造は、摺動スリーブの側壁を貫通する。加えて、ロック構造は、代替として止まり孔であり得、すなわち、ロック構造は、摺動スリーブの側壁を貫通しない。そのような設計では、弾性ボルトがロック構造内に係合された後、弾性ボルトは、摺動スリーブが挿入方向とは反対の方向に移動することを停止して、プラグ本体が光ファイバアダプタから外れることを防止する。弾性ボルトは、2つの様式の両方に限定され、相違点は、弾性ボルトが摺動スリーブに対して異なる深さに延びることのみである。ロック構造が貫通孔であるとき、弾性ボルトはより大きな深さに延び、ロック構造が止まり孔であるとき、弾性ボルトはより小さな深さに延びることは理解が容易である。
【0017】
例示的な実施形態では、ロック構造が貫通孔であるとき、ロック解除構造は、第1の側段部と第2の側段部とを含み、第1の側段部および第2の側段部は、ロック構造の内側溝壁から外に延びる。第1の側段部および第2の側段部は、摺動スリーブの軸方向に順次配置され、第1の側段部は、第2の側段部に接続されてロック解除構造の傾斜面を形成して、弾性ボルトを誘導してロック構造から押し出す。加えて、ロックボスが、さらに、シャフト本体の外側側壁から外に延び、ロックボスは、シャフト本体を向く第2の側段部の一方の側部に位置し、すなわち、ロックボスは、第2の側段部の下方に位置する。加えて、ロックボスの側壁は、ロック構造の溝の切欠部に位置して弾性ボルトを停止させる。
【0018】
例示的な実施形態では、プラグ本体は、駆動スリーブを含み、駆動スリーブは、摺動スリーブの外側にスリーブ接続され、摺動スリーブに対して移動することができる。駆動スリーブが挿入方向とは反対の方向にシャフト本体に対して移動するとき、ロック解除構造は、駆動されてシャフト本体の軸に沿って円周方向に回転することができる。このようにして、シャフト本体に対して方向である駆動スリーブの移動は、シャフト本体に対して円周方向であるロック解除構造の移動に変換されることができる。すなわち、ユーザが実行することは、依然として1つの引く動作のみであり、光ファイバプラグが光ファイバアダプタからすばやく引き出されることができる。S字形状の駆動溝が、摺動スリーブの外側側壁上に設けられる。駆動溝は、駆動溝の長さ方向において摺動スリーブの軸方向に延び、駆動溝の幅方向において摺動スリーブの円周方向に徐々に曲がる。加えて、駆動突起部が、駆動スリーブの内側側壁上に設けられ、駆動突起部は、駆動溝に挿入され、駆動溝に対して移動することができる。駆動スリーブが挿入方向とは反対の方向にシャフト本体に対して移動することができるため、駆動突起部もまた、挿入方向とは反対の方向にシャフト本体に対して移動することができる。駆動突起部が移動するとき、駆動突起部は、駆動溝の内側側壁と接触して、摺動スリーブを押してシャフト本体に対して回転させ、それにより、ロック解除構造は、シャフト本体に対して円周方向に回転して、ロック構造と弾性ボルトとの間のインターロックを解放する。
【0019】
例示的な実施形態では、駆動溝の曲がり方向は、ロック解除構造の延在方向と同じであり、それにより、摺動スリーブの回転方向は、ロック解除構造の延在方向とは反対になり、ロック解除構造は、ロック構造内に位置する弾性ボルトを誘導し、ロック構造から押し出して、ロック構造と弾性ボルトとの間のインターロックを解放することができる。
【0020】
例示的な実施形態では、プラグ本体は、防塵キャップを含む。光ファイバプラグが光ファイバアダプタに挿入される前、防塵キャップは、シャフト本体の外側にスリーブ接続されることが可能であって、埃および不純物がプラグ本体に入ることを防止し、作動中のプラグ本体の機能に影響を与えない。確かなことには、光ファイバプラグが光ファイバアダプタに挿入される必要がある前、防塵キャップは、光ファイバプラグの正常な挿入を容易にするために取り外されなければならない。
【0021】
例示的な実施形態では、シャフト本体の外側側壁には封止部材が設けられ、封止部材は、防塵キャップの内側側壁と封止接触するように構成される。封止部材は、シャフト本体の外側側壁と防塵キャップの内側側壁との間の空隙を封止するように構成されて、光ファイバプラグが使用される前に、埃および不純物が空隙から光ファイバプラグに入るのを防止し、それによって光ファイバプラグの信頼性を確実にする。加えて、封止部材は、シャフト本体の外側側壁と光ファイバアダプタの内側側壁との間の空隙を封止するようにさらに構成されて、光ファイバプラグが使用されるときに、埃および不純物が空隙から光ファイバプラグに入るのを防止し得、それによって光ファイバプラグの信頼性をさらに確実にする。
【0022】
例示的な実施形態では、シャフト本体の側壁には、シャフト本体の側壁を貫通する接着剤注入孔が設けられる。シャフト本体に光ケーブルを接続する前、光ケーブルは、光ファイバおよび光ケーブルの強度部材を露出させるために取り払われる必要があり、その後、光ファイバおよび強度部材は、一緒にシャフト本体に挿入されて接続を完了する。接続が完了した後、接着剤が接着剤注入孔を通してシャフト本体に注入され、それにより、強度部材とシャフト本体の内側側壁との間の空隙は、接着剤で充填され、それによって光ケーブルとシャフト本体との間の接続の安定性を向上させる。
【0023】
例示的な実施形態では、プラグ本体は、挿入コア構成要素をさらに含み、挿入コア構成要素は、シャフト本体の端部部分に接続される。挿入コア構成要素は、取り払うことによって得られた光ファイバを支持して、その後の光ファイバアダプタ内での別の光ファイバとの接続を容易にし、光ファイバ間の光信号結合の効率性を向上させることができる。加えて、挿入コア構成要素の外側側壁には、第1の案内溝が設けられ、第1の案内溝は、挿入方向に延びる。光ファイバプラグが挿入されて光ファイバと適合するとき、第1の案内溝は光ファイバアダプタの内側側壁上の案内突起部と摺動可能に嵌合するため、第1の案内溝は、誘導機能を果たすことができる。加えて、光ファイバプラグは、第1の案内溝が光ファイバアダプタと位置合わせされた後にのみ光ファイバアダプタ内に円滑に挿入されることが可能であるため、第1の案内溝は、フールプルーフ機能をさらに果たすことができる。
【0024】
例示的な実施形態では、シャフト本体から離れる方を向く第1の案内溝の1つの端部には、案内切欠部が設けられ、案内切欠部の開口部は、挿入方向においてサイズが徐々に増大し、すなわち、案内切欠部は、ホーン口の形状であり、それにより、案内突起部は、第1の案内溝内に容易に誘導されることが可能である。
【0025】
例示的な実施形態では、シャフト本体の外側側壁には、第2の案内溝が設けられ、第2の案内溝は、挿入方向に延び、シャフト本体に近い第1の案内溝の1つの端部と連通する。プラグ本体が挿入方向に移動するとき、案内突起部は、第1の案内溝から第2の案内溝内に徐々に移動する。このようにして、シャフト本体と光ファイバアダプタとの間の相対的な回転は、案内突起部と第2の案内溝との間の合致によって制限されることが可能であり、それによって光ファイバプラグと光ファイバアダプタとの間の挿入の安定性を向上させる。
【0026】
第2の態様によれば、光ファイバコネクタが、さらに提供される。光ファイバコネクタは、光ファイバアダプタと、第1の態様において提供される光ファイバプラグとを含む。光ファイバアダプタは、プラグ本体が挿入される突き合わせ接合式スリーブを含む。光ファイバアダプタは、突き合わせ接合式スリーブの内側側壁に接続された弾性ボルトをさらに含み、弾性ボルトは、突き合わせ接合式スリーブの内側側壁から突起し、ロック構造およびロック解除構造を一緒にインターロックするように構成されて、ロックおよびロック解除を実施する。
【0027】
本出願のこの実施形態において提供される光ファイバコネクタは、少なくとも以下の効果を有する。
【0028】
光ファイバプラグと光ファイバアダプタとの間の合致により、光ファイバプラグからの直接的な挿入および取り出しが、すばやく実施されることが可能である。これにより、複雑な作業を回避し、光ファイバコネクタは、より狭い空間内で適用可能となる。
【0029】
例示的な実施形態では、摺動スリーブは、シャフト本体に対して円周方向に回転することができ、それにより、ロック解除構造は、シャフト本体に対して円周方向に摺動スリーブと共に回転することができる。加えて、ロック解除構造の延在方向はプラグ本体の円周方向と同じであり、ロック解除構造およびロック構造は、延在方向に順次配置されているため、ロック解除構造がシャフト本体に対して円周方向に回転するとき、ロック解除構造が弾性ボルトと優先的に接触し、それにより、弾性ボルトが、ロック構造の溝開口部から離れるように誘導され、押しやられて、ロック構造と弾性ボルトとの間のインターロックを解放することができ、プラグ本体が光ファイバアダプタに対して正常に移動することを可能にすることが確実にされることが可能である。これに対応して、プラグ本体と向かい合う弾性ボルトの端部表面には第2の外側面取部が設けられ、第2の外側面取部は、弾性ボルトの一方の側部に向かって曲がって延び、第2の外側面取部は、ロック解除構造と摺動可能に嵌合するように構成される。すなわち、ロック解除構造がプラグ本体の円周方向に移動するとき、ロック解除構造は摺動して第2の外側面取部と嵌合し、それにより、ロック解除構造は、弾性ボルトを円滑に押してロック解除構造と弾性ボルトとの間の阻害を回避することができる。
【0030】
例示的な実施形態では、摺動スリーブは、シャフト本体に対して軸方向に移動することができ、それにより、ロック解除構造は、シャフト本体に対して円周方向に摺動スリーブと共に回転することができる。加えて、ロック解除構造の延在方向は、挿入方向とは反対であり、ロック解除構造およびロック構造は、延在方向に順次配置されているため、ロック解除構造がシャフト本体に対して円周方向に移動するとき、ロック解除構造が弾性ボルトと優先的に接触し、それにより、弾性ボルトが、ロック構造の溝開口部から離れるように誘導され、押しやられて、ロック構造と弾性ボルトとの間のインターロックを解放することができ、プラグ本体が光ファイバアダプタに対して正常に移動することを可能にすることが確実にされることが可能である。これに対応して、プラグ本体と向かい合う弾性ボルトの端部表面には、第1の外側面取部が設けられ、第1の外側面取部は、弾性ボルトのプレート表面に向かって曲がって延び、第1の外側面取部は、ロック解除構造と摺動可能に嵌合するように構成される。すなわち、ロック解除構造が挿入方向とは反対に移動するとき、ロック解除構造は摺動して第1の外側面取部と嵌合し、それにより、ロック解除構造は、弾性ボルトを円滑に押して、ロック解除構造と弾性ボルトとの間の阻害を回避することができる。
【0031】
第3の態様によれば、光ファイバ接続システムがさらに提供される。光ファイバ接続システムは、ボックス本体と、屋内光ファイバプラグと、第2の態様において提供される光ファイバコネクタとを含む。ボックス本体は、光ファイバコネクタを支承するように構成され、それにより、光ファイバアダプタは、ボックス本体の側壁に接続されることが可能である。光ファイバアダプタの一部は、ボックス本体内に位置してボックス本体内への屋内光ファイバプラグの挿入を容易にし、光ファイバアダプタの他の部分は、ボックス本体の外側に位置して、第1の態様において提供される光ファイバプラグの挿入を容易にする。
【0032】
本出願のこの実施形態において提供される光ファイバ接続システムは、少なくとも以下の効果を有する。
【0033】
光ファイバコネクタは、狭い空間内で直接的に挿入され、取り出されることが可能であり、光ファイバプラグは、光ファイバアダプタにすばやく挿入され、または光ファイバアダプタからすばやく取り出されることが可能であるため、光ファイバ接続システムは、それにしたがって、作業が便利であり、作業のために必要とされる空間が小さいという利点を有する。加えて、作業のために光ファイバコネクタによって必要とされる空間が小さいため、より多くの光ファイバコネクタが、制限されたサイズを有するボックス本体内に収容されることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本出願の実施形態によるファイバトゥザホームの作業接続の概略図である。
図2】本出願の実施形態による光ファイバプラグの概略構造図である。
図3】本出願の実施形態による光ファイバプラグの挿入の断面図である。
図4】本出願の実施形態によるロック構造およびロック解除構造の概略構造図である。
図5】本出願の実施形態によるロック構造およびロック解除構造の概略構造図である。
図6】本出願の実施形態による光ファイバプラグの概略部分構造図である。
図7】本出願の実施形態によるロック構造と弾性ボルトとの間のインターロックの状態の概略図である。
図8】本出願の実施形態によるロック解除構造と弾性ボルトとの間のロック解除の状態の概略図である。
図9】本出願の実施形態による摺動スリーブの概略構造図である。
図10】本出願の実施形態による駆動スリーブの概略構造図である。
図11】本出願の実施形態による光ファイバプラグの概略構造図である。
図12】本出願の実施形態による光ファイバプラグの概略部分構造図である。
図13】本出願の実施形態によるロック構造と弾性ボルトとの間のインターロックの状態の概略図である。
図14】本出願の実施形態によるロック解除構造と弾性ボルトとの間のロック解除の状態の概略図である。
図15】本出願の実施形態による光ファイバプラグの断面図である。
図16】本出願の実施形態による接着剤注入孔の概略構造図である。
図17】本出願の実施形態による挿入コア構成要素の概略構造図である。
図18】本出願の実施形態による挿入コア構成要素の断面図である。
図19】本出願の実施形態による挿入コア構成要素の分解図である。
図20】本出願の実施形態による光ファイバコネクタの概略構造図である。
図21】本出願の実施形態による光ファイバアダプタの断面図である。
図22】本出願の実施形態による光ファイバプラグの挿入の断面図である。
図23】本出願の実施形態による弾性ボルトの概略構造図である。
図24】本出願の実施形態による弾性ボルトの概略構造図である。
図25】本出願の実施形態による光ファイバ接続システムの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本出願の実装部分において使用される用語は、本出願の実施形態を説明するために使用されているにすぎず、本出願を限定することは意図されていない。
【0036】
図1は、ファイバトゥザホーム(fiber to the home、FTTH)の作業接続の概略図である。図1を参照すれば、FTTHのプロセスにおいて、光ファイバは、セントラルオフィス(central office、CO)100、コネクタ化ファイバ分配点(connectorised fiber distribution point、CFDP)200を通り抜けて、最終的にカスタマースプライシング点(customer splicing point、CSP)300までルーティングされる必要がある。CFDPとCSPとの間の接続は、ドロップケーブル500を介して実施される。
【0037】
関連する技術では、光ファイバプラグが、ドロップケーブル500の2つの端部のそれぞれの上に配置される。ドロップケーブル500の一方の端部にある光ファイバプラグは、CFDP200の光ファイバアダプタに挿入され、これに締結され、ドロップケーブル500の他方の端部にある光ファイバプラグは、CSP300に挿入され、これに締結される。これにより、CFDP200とCSP300との間の接続を実施する。
【0038】
しかし、光ファイバプラグおよび光ファイバアダプタは、光ファイバプラグ上のロックキャップと光ファイバアダプタ上のロック部材を対合させることによって互いに締結される。したがって、光ファイバプラグが光ファイバアダプタに挿入された後、光ファイバプラグと光ファイバアダプタとの間で挿入および締結を実施するために、光ファイバプラグ上のロックキャップは、ロックキャップをロック部材と一緒にインターロックするためにさらにねじ込まれる必要がある。これに対応して、光ファイバプラグが光ファイバアダプタから取り出されるとき、光ファイバプラグ上のロックキャップは、最初に弛められる必要があり、次いで、光ファイバプラグは、光ファイバアダプタから引き出される。すなわち、光ファイバプラグは、「挿入する」および「ねじ込む」の2つの動作によって取り付けられ、光ファイバプラグは、「弛める」および「引く」の2つの動作によって取り外され、その結果複雑な作業となる。加えて、「ねじ込む」動作は大きい作業空間を必要とし、通常は少なくとも33mmの空隙が、2つの隣接する光ファイバプラグ間で確保される必要がある。その結果、光ファイバプラグは、狭い空間には適用可能ではない。
【0039】
前述の問題を解決するために、本出願の実施形態は、光ファイバプラグを提供する。光ファイバプラグは、光ファイバアダプタ上での直接的な挿入および光ファイバアダプタからの取り出しを実施することができ、すなわち、光ファイバプラグは、1つの「挿入する」動作だけで光ファイバアダプタ上に取り付けられ、光ファイバプラグは、1つの「引く」動作だけで光ファイバアダプタから取り外される。前述のものはFTTHを一例として使用して説明されているが、本出願のこの実施形態において提供される光ファイバプラグは、FTTHに加えて、別のタイプの光通信ネットワークにさらに適用可能であることに留意されたい。以下は、図2を参照しながら、本出願のこの実施形態において提供される光ファイバプラグを説明する。
【0040】
図2は、光ファイバプラグの概略構造図である。図2を参照すると、光ファイバプラグは、プラグ本体11と、ロック構造12と、ロック解除構造13とを含む。ロック構造12およびロック解除構造13は、プラグ本体11の側壁上に位置する。
【0041】
図3は、光ファイバプラグの挿入の断面図である。図7は、ロック構造と弾性ボルトとの間のインターロックの状態の概略図である。図3および図7を参照すれば、ロック構造12は、プラグ本体11を、挿入方向に光ファイバアダプタ2に挿入されたときに光ファイバアダプタ2の弾性ボルト22とインターロックして、プラグ本体11と光ファイバアダプタ2との間の相対位置を拘束するためのものである。挿入方向aは、光ファイバプラグが光ファイバアダプタ2に向かって移動する方向である。
【0042】
すなわち、光ファイバプラグが光ファイバアダプタ2に挿入されるとき、プラグ本体11は、挿入方向aに光ファイバアダプタ2に向かって移動される。プラグ本体11が移動されるにつれて、プラグ本体11は、所定位置において光ファイバアダプタ2に挿入される。この場合、プラグ本体11の側壁上に位置するロック構造12は、光ファイバアダプタ2の弾性ボルト22とインターロックし、それにより、プラグ本体11と光ファイバアダプタ2との間の相対位置が固定され、すなわち、光ファイバプラグは、光ファイバアダプタ2に安定して挿入される。したがって、ユーザは、プロセス全体において1つの「挿入する」動作だけを実行することが分かる。
【0043】
図8は、ロック解除構造と弾性ボルトとの間のロック解除の状態の概略図である。図8を参照すると、それに対応して、ロック解除構造13は、プラグ本体11が挿入方向とは反対の方向に光ファイバアダプタ2から取り外されるときに、ロック構造12と弾性ボルト22との間のインターロックを解放するためのものである。
【0044】
すなわち、光ファイバプラグが光ファイバアダプタ2から引き出されるとき、プラグ本体11は、挿入方向aとは反対の方向に光ファイバアダプタ2から取り外される。この場合、ロック解除構造13は、それにしたがって移動してロック構造12と弾性ボルト22との間のインターロックを解放する。インターロックが解放されたとき、プラグ本体11は、光ファイバアダプタ2に対してひとりでに移動することができ、すなわち、光ファイバプラグは、光ファイバアダプタ2から引き出される。したがって、ユーザは、全プロセスにおいて1つの「引く」動作だけを実行することが分かる。
【0045】
本出願のこの実施形態において提供される光ファイバプラグによれば、ドロップケーブル500が光ファイバアダプタ2に取り付けられるか、またはこれから取り外されるとき、ユーザの作業は非常に簡単であり、ユーザによって作業に必要とされる空間は小さく、それにより、2つの隣接する光ファイバプラグは、約13mmだけ離して間隔を置いて配置される。加えて、光ファイバプラグ全体の直径は小さく、11mmしかない。これは、光ファイバプラグの配置密度を向上させて、より多くの光ファイバプラグを制限された空間内に配置することに役立つ。
【0046】
光ファイバプラグからの直接の挿入および取り出しを実施するために重要なことは、ロック構造12およびロック解除構造13の設計にあることが前述から分かる。したがって、以下は、引き続いてロック構造12およびロック解除構造13を説明する。
【0047】
この実施形態において、光ファイバプラグを挿入するためのこれ以後の説明を容易にするために、光ファイバアダプタを向く一方の端部は、頭端部と称され、光ファイバアダプタ2から離れる方を向く他方の端部は、末端部と称される。すなわち、光ファイバプラグの末端部から頭端部への方向は、挿入方向aである。
【0048】
図4および図5は、ロック構造およびロック解除構造の概略構造図である。図4および図5に示されるロック構造12およびロック解除構造13は、最も基本的な実装である。以下は、図4および図5を参照しながら、ロック構造12およびロック解除構造13の基本的な原理を説明する。
【0049】
この実施形態では、ロック構造12は、内側溝壁122と溝底部123とを含む。内側溝壁122および溝底部123は、一方の側部に切欠部を有する溝を形成し、溝の形状は、弾性ボルト22の底部形状に合致する。
【0050】
弾性ボルト22がロック構造12内に係合されるとき、弾性ボルト22は、ロック構造12の位置に向かって移動する。溝の溝開口部121に対応する位置まで移動するとき、弾性ボルト22は、弾性ボルトの弾性ポテンシャルエネルギー作用の下で溝開口部121からロック構造12の内部空間、すなわち溝内に係合され、溝底部と当接したときに移動を停止する(図7を参照)。その後、溝の形状は弾性ボルト22の底部形状と合致しているため、内側溝壁122は弾性ボルト22を停止させて、弾性ボルト22が溝から外れるのを防止して光ファイバプラグをロックすることができる。したがって、光ファイバプラグと光ファイバアダプタ2との間のインターロックは、弾性ボルト22が溝内に係合された後は、本質的には溝の内側溝壁122と弾性ボルト22との間のインターロックであることが分かる。
【0051】
ロック構造12に対応して、ロック解除構造13は、傾けられた傾斜面であり、ロック解除構造13は、溝の切欠部に位置し、ロック解除構造13は、ロック構造12の溝底部から溝開口部121まで延びて、弾性ボルト22が溝開口部121から後退するのを可能にする。
【0052】
弾性ボルト22がロック構造12内に係合された後、ロック解除構造13は、プラグ本体11と同期して移動し、ロック構造12内に位置する弾性ボルト22は、ロック構造12の溝開口部121まで誘導され、押されて(図8を参照)、ロック構造12からさらに取り出されて、ロック構造12と弾性ボルト22との間のインターロックをさらに解放して、プラグ本体11と光ファイバアダプタ2との間の相対的な移動の制限を解放する。したがって、光ファイバプラグと光ファイバアダプタ2との間のロック解除は、本質的には、弾性ボルト22を延在方向の傾斜面の傾きによってロック構造12の溝開口部121から延在方向に押し出して、ロック構造12の内側側壁と弾性ボルト22との間のインターロックを解放するものであることが分かる。
【0053】
インターロックプロセスにおいて、弾性ボルト22は常に、挿入方向aとは反対の方向においてロック構造12内に係合されるが、ロック解除プロセスでは、ロック解除構造13は、プラグ本体11の円周方向に弾性ボルト22を押し出すことができ(図4を参照)、また、プラグ本体11の軸方向に弾性ボルト22を押し出すこともできる(図5を参照)ことが前述から分かる。弾性ボルト22を押し出す2つの方向のために、ロック解除構造13は、以下の2つの延在様式を有する。
【0054】
第1の延在様式:図4を参照すれば、ロック解除構造13の延在方向は、プラグ本体11の円周方向と同じであり、ロック構造12およびロック解除構造13は、延在方向に順次配置される。
【0055】
このロック解除様式では、ロック解除構造13がロック解除のためにプラグ本体11の円周方向に移動するとき、ロック解除構造13が弾性ボルト22と優先的に接触して、弾性ボルト22を溝開口部121の一方の側部から押し出してロック構造12と弾性ボルト22との間のインターロックを解放し、それにより、プラグ本体11が、光ファイバアダプタ2に対して正常に移動できることが確実にされることが可能である。
【0056】
第1の延在様式では、ロック解除構造13は、以下の様式で駆動されることが可能である。
【0057】
図6は、光ファイバプラグの概略部分構造図である。この実施形態では、プラグ本体11は、シャフト本体111と摺動スリーブ112とを含む。摺動スリーブ112は、シャフト本体111の外側にスリーブ接続され、シャフト本体111に対して円周方向に回転し、または軸方向に移動する。ロック構造12およびロック解除構造13は、摺動スリーブ112の側壁に位置する。
【0058】
シャフト本体111は、プラグ本体11の主要部分であり、プラグ本体11の他の構成要素および光ファイバを支承する。摺動スリーブ112は、摺動スリーブ上に位置するロック構造12およびロック解除構造13の移動基底を提供することができる。このようにして、ロック構造12およびロック解除構造13は、シャフト本体111に対して摺動スリーブ112と共に移動して、ロック構造12と弾性ボルト22との間のインターロックによってロック状態を実施し、ロック解除構造13と弾性ボルト22との間の合致によってロック解除を実施することができる。
【0059】
摺動スリーブ112は、摺動スリーブ112を手でつまむことによって駆動されることが可能であることは理解が容易である。いくつかの例では、摺動スリーブ112の外側側壁には、傷防止パターンが設けられ、それにより、ユーザは、摺動スリーブ112をより便利につまむことができる。
【0060】
いくつかの例では、シャフト本体111と摺動スリーブ112の両方は、円筒状の機械的構成要素となる。シャフト本体111の外側側壁の一部は、外側円周壁であり、摺動スリーブ112の内側側壁の一部は、内側円周壁である。シャフト本体111の外側円周壁および摺動スリーブ112の内側円周壁は、すきま嵌め状態にあり、それにより、シャフト本体111および摺動スリーブ112は、不必要な振動無しに互いに対して円滑に移動することができる。
【0061】
ロック構造12は摺動スリーブ112の側壁上に位置し、摺動スリーブ112はシャフト本体111の外側にスリーブ接続されているため、弾性ボルト22がロック構造12内に係合するのに十分な弾性ポテンシャルエネルギーを有することができ、プラグ本体11の別の部分と弾性ボルト22との間に抵触が存在しないことを確実にする必要がある。この目的を達成するために、図6を参照すると、案内スロープ1122が摺動スリーブ112の側壁上に設けられる。案内スロープ1122は、挿入方向aを向くロック構造12の一方の側部に位置し、案内スロープ1122は、摺動スリーブ112の内側側壁から摺動スリーブ112の外側側壁まで挿入方向aとは反対の方向に傾く。確かなことには、案内スロープ1122がロック構造12よりも先に弾性ボルト22と接触できることを確実にするために、案内スロープ1122は、ロック構造12よりも摺動スリーブ112の頭端部のより近くに位置すべきである。たとえば、案内スロープ1122は、摺動スリーブ112の頭端部の外縁に位置する。弾性ボルト22がロック構造12内に正常に係合できることをさらに確実にするために、案内スロープ1122の一方の端部は、摺動スリーブ112の外側側壁と面一になるまで延び、すなわち、弾性ボルト22は、摺動スリーブ112の外側側壁に誘導され、押されることが可能である。ロック構造12の溝開口部121の最大高さは、摺動スリーブ112の外側側壁の最大高さを超えず、弾性ボルト22がロック構造12内に正常に係合できることを確実にする。
【0062】
摺動スリーブ112を直接つまんで移動させることに加えて、本出願は、摺動スリーブ112を駆動して移動させる別の様式を提供することは理解が容易である。図9は、摺動スリーブの概略構造図である。駆動スリーブ113と駆動溝1121との間の組み立て関係を明確に示すために、駆動スリーブ113の部分的構造が図9では差し控えられている。図10は、駆動スリーブの概略構造図である。図9および図10を参照すれば、駆動溝1121は、摺動スリーブ112の外側側壁上に設けられ、駆動溝1121は、摺動スリーブ112の軸方向に延び、摺動スリーブ112の円周方向に徐々に曲がり、プラグ本体11は、駆動スリーブ113を含み、駆動スリーブ113は、摺動スリーブ112の外側に移動可能にスリーブ接続され、駆動突起部1131が、駆動スリーブ113の内側側壁上に設けられ、駆動突起部1131は、駆動溝1121に移動可能に挿入される。
【0063】
駆動スリーブ113が摺動スリーブ112上にスリーブ接続されるとき、シャフト本体111に対して円周方向である駆動スリーブ113の移動は、シャフト本体111に対して円周方向であるロック解除構造13の移動に変換されることが可能である。すなわち、摺動スリーブ112の移動方向は回転であるが、ユーザが実行するものは、依然として1つの引く動作のみである。摺動スリーブ112がロック解除のために回転するとき、プラグ本体11は、光ファイバアダプタ2から引き出されることが可能である。
【0064】
駆動スリーブ113が、摺動スリーブ112の外側側壁から過度に突出するために引き起こされる駆動スリーブ113と別の構成要素との間の抵触を回避するために、いくつかの例では、摺動スリーブ112に対して移動する駆動スリーブ113の一部内で、摺動スリーブ112の壁はより薄くなり、それにより、駆動スリーブ113の外側側壁は、摺動スリーブ112の外側側壁と面一であることができる。
【0065】
加えて、挿入方向とは反対の方向の駆動スリーブ113の移動の最大距離を制限するために、制限フランジ1115が、シャフト本体111の外壁上に設けられる(図6を参照)。駆動スリーブ113が挿入方向aとは反対の方向にシャフト本体111上を摺動するにつれて、駆動スリーブ113は、制限フランジ1115の端部表面と当接して制限する機能を果たす。
【0066】
この実施形態では、駆動溝1121は、S字形状に延びる溝本体である。駆動スリーブ113は、挿入方向aとは反対の方向にシャフト本体111に対して移動することができるため、駆動スリーブ113上に位置する駆動突起部1131は、それにしたがって、挿入方向aとは反対の方向にシャフト本体111に対して移動する。駆動突起部1131が移動するとき、駆動突起部1131は、駆動溝1121の内側側壁と接触して、摺動スリーブ112を押してシャフト本体111に対して回転させ、それにより、ロック解除構造13は、シャフト本体111に対して円周方向に回転して、ロック構造12と弾性ボルト22との間のインターロックを解放する。
【0067】
いくつかの例では、駆動溝1121は、代替として、傾けられた溝であり得、すなわち、駆動溝1121は、摺動スリーブ112の軸方向に延び、摺動スリーブ112の軸方向に対して摺動スリーブ112の半径方向に傾く。このようにして、摺動スリーブ112は、駆動スリーブ113のより小さい軸方向変位によってより大きく回転することができる。確かなことには、駆動溝1121の特有の形状は、実際の要求事項に基づいて選択される。これは、本出願において限定されない。
【0068】
駆動溝1121の曲がり方向が、ロック解除構造13の延在方向と同じであることに留意されたい。このようにして、摺動スリーブ112の回転方向が、ロック解除構造13の延在方向と同じであり、それにより、ロック解除構造13は、摺動スリーブ112が回転する間に弾性ボルト22と接触して、ロック解除のために弾性ボルト22を押すことができ、それによってロック解除の効率性を確保することが確実にされることが可能となる。
【0069】
いくつかの例では、互いから離間された2つ以上の駆動溝1121が、摺動スリーブ112の外側側壁上に設けられ、駆動溝1121は、同じ延在方向と同じ曲がり方向とを有し、駆動溝1121の端部部分間の接続線は、摺動スリーブ112と同軸の円を形成する。それに対応して、対応する数の互いから離間された駆動突起部1131が、駆動スリーブ113の内側側壁上に設けられ、駆動突起部1131間の接続線は、駆動スリーブ113と同軸の円を形成し、駆動突起部1131は、対応する駆動溝1121それぞれに移動可能に挿入される。駆動スリーブ113が移動するとき、駆動突起部1131は、それぞれの対応する駆動溝1121の内側側壁に同時に当接して、共同で摺動スリーブ112を駆動して円滑に回転させることができる。
【0070】
いくつかの例では、弾性構成要素(図示せず)が、駆動スリーブ113の末端部に配置される。駆動スリーブ113が挿入方向aとは反対の方向にシャフト本体111に対して移動するとき、弾性構成要素は圧縮される。移動が完了した後、駆動スリーブは、弾性構成要素の作用の下で元の位置に戻って次の移動の準備をすることができる。
【0071】
第1の延在様式に関して、ロックおよびロック解除プロセスが、以下の通りに簡単に説明される。
【0072】
ロックプロセス:ユーザは、駆動スリーブ113をつまんで挿入方向aに移動させ、駆動スリーブ113は、摺動スリーブ112を駆動して一緒に移動させる。案内スロープ1122は、最初に弾性ボルト22と接触する。移動が進むにつれて、案内スロープ1122は、弾性ボルト22を誘導し、押して摺動スリーブ112の外側側壁から離れるように移動させて弾性ボルト22を圧縮し、弾性ボルト22は、弾性ポテンシャルエネルギーを蓄える。移動が続くにつれて、弾性ボルト22は案内スロープ1122を横切り、摺動スリーブ112の外側側壁上に移動し、摺動スリーブ112の外側側壁と摺動可能に接触する。その後、弾性ボルト22は、ロック構造12の位置に移動するまで弾性ボルト22と摺動スリーブ112の外側側壁との間の摩擦に打ち勝ち、弾性ボルト22の弾性ポテンシャルエネルギーの作用下でロック構造12内に係合されて、弾性ボルト22によって光ファイバプラグ上のロックを実施する(図7を参照)。
【0073】
ロック解除プロセス:ユーザは、摺動スリーブ112をつまんで挿入方向aとは反対に移動させる。駆動突起部1131と駆動溝1121との間の合致状態で、摺動スリーブ112は、シャフト本体111に対して円周方向に回転する。ロック構造12に位置するロック解除構造13の一部は、最初に弾性ボルト22と接触している。移動が進むにつれて、ロック解除構造13は、弾性ボルト22を誘導し、押してロック構造12の溝底部から離れるように移動させ、ロック解除構造13が横切られるまで弾性ボルト22を圧縮し、弾性ボルト22は、摺動スリーブ112の溝開口部121の一方の側部に移動されて摺動スリーブ112の外側側壁と接触する(図8を参照)。この場合、弾性ボルト22による光ファイバプラグ上のロックは解放される。次いで、移動が続くにつれて、弾性ボルト22は、案内スロープ1122が位置する外縁における摺動スリーブ112から外れるまで、弾性ボルト22と摺動スリーブ112の外側側壁との間の摩擦に打ち勝ち、弾性ボルト22は、元の状態に戻って光ファイバプラグの次の挿入に備えて待機する。
【0074】
第2の延在様式:ロック解除構造13の延在方向は、プラグ本体11の挿入方向と同じであり、ロック構造12およびロック解除構造13は、延在方向に順次配置される。
【0075】
このロック解除様式では、ロック解除構造13がロック解除のためにプラグ本体11の軸方向に移動するとき、ロック解除構造13が弾性ボルト22と優先的に接触して、弾性ボルト22を溝開口部121の頭端部から押し出して、ロック構造12と弾性ボルト22との間のインターロックを解放し、それにより、プラグ本体11が、光ファイバアダプタ2に対して正常に移動できることが確実にされることが可能である。
【0076】
第2の延在様式では、ロック解除構造13は、代替として、摺動スリーブ112の軸方向移動によって駆動され得る。しかし、円周方向の回転を軸方向移動に転換する必要はないため、駆動スリーブ113と駆動溝1121などの構成要素との間のインターロックは必要とされず、摺動スリーブ112は、直接つままれて軸方向に移動することができる。
【0077】
加えて、挿入方向とは反対の方向の摺動スリーブ112の移動の最大距離を制限するために、制限フランジ1115が、シャフト本体111の外側側壁上に設けられる(図11を参照)。摺動スリーブ112が挿入方向aとは反対の方向にシャフト本体111上を摺動するとき、摺動スリーブ112は、制限フランジ1115の端部表面と当接して制限する機能を果たす。
【0078】
第2の延在様式に関して、ロックおよびロック解除プロセスが、以下の通りに簡単に説明される。
【0079】
ロックプロセス:ユーザは、摺動スリーブ112をつまんで挿入方向aに移動させる。案内スロープ1122は、最初に弾性ボルト22と接触している。移動が進むにつれて、案内スロープ1122は、弾性ボルト22を誘導し、押して摺動スリーブ112の外側側壁から離れるように移動させて弾性ボルト22を圧縮し、弾性ボルト22は、弾性ポテンシャルエネルギーを蓄える。移動が続くにつれて、弾性ボルト22は、案内スロープ1122を横切り、摺動スリーブ112の外側側壁上に移動し、摺動スリーブ112の外側側壁と摺動可能に接触する。その後、弾性ボルト22は、ロック構造12の位置に移動するまで弾性ボルト22と摺動スリーブ112の外側側壁との間の摩擦に打ち勝ち、弾性ボルト22の弾性ポテンシャルエネルギーの作用下でロック構造12内に係合されて、弾性ボルト22による光ファイバプラグ上のロックを実施する(図13を参照)。
【0080】
ロック解除プロセス:ユーザは、摺動スリーブ112をつまんで挿入方向aとは反対に移動させ、それにより、摺動スリーブ112は、シャフト本体111に対して軸方向に移動する。ロック構造12内に位置するロック解除構造13の一部は、最初に弾性ボルト22と接触する。移動が進むにつれて、ロック解除構造13は、弾性ボルト22を誘導し、押してロック構造12の溝底部から離れるように移動させ、ロック解除構造13が横切られるまで弾性ボルト22を圧縮し、弾性ボルト22は、摺動スリーブ112の溝開口部121の頭端部に移動されて摺動スリーブ112の外側側壁と接触する(図14を参照)。この場合、弾性ボルト22による光ファイバプラグ上のロックは解放される。次いで、移動が続くにつれて、弾性ボルト22は、案内スロープ1122が位置する外縁における、摺動スリーブ112から外れるまで弾性ボルト22と摺動スリーブ112の外側側壁との間の摩擦に打ち勝ち、弾性ボルト22は、元の状態に戻って光ファイバプラグの次の挿入に対して待機する。
【0081】
ロック解除構造13の2つの延在様式は、実際に基本的には、ロック解除構造13が傾けられた傾斜面として使用されて、弾性ボルト22をロック構造12から押し出すのと同じ原理になる。相違点は、ロック解除構造13がプラグ本体11に対して異なる方向に移動し、すなわち、ロック解除構造13が異なる方向に弾性ボルト22を押すことである。2つのロック解除様式は、実際の要求事項に基づいて選択されることが可能である。これは、本出願において限定されない。
【0082】
以下は、図6および図12をそれぞれ参照しながら、2つのタイプのロック構造12を説明する。
【0083】
第1のタイプのロック構造12:図6を参照すれば、ロック構造12は、止まり孔である。
【0084】
前述の実装では、ロック構造12は、全体的に摺動スリーブ112上に位置しており、それにより、弾性ボルト22は、摺動スリーブ112を直接的にロックし、それによって光ファイバプラグ上で全体のロックを実施する。
【0085】
第1のタイプのロック構造12の場合、ロック解除構造13は、ロック構造12の縁に直接的に配置されることが可能である。このようにして、ロック解除構造13の構成は非常に簡単であり、生産コストが低減され、より良好なロック解除の信頼性が確実にされる。
【0086】
第2のタイプのロック構造12:図12を参照すれば、ロック構造12は貫通孔である。
【0087】
弾性ボルト22は、2つの様式の両方に限定されることが可能であり、相違点は、弾性ボルト22が摺動スリーブ112に対して異なる深さに延びることのみである。ロック構造12が貫通孔であるとき、弾性ボルト22はより大きな深さに延び、ロック構造12が止まり孔であるとき、弾性ボルト22はより小さな深さに延びる。
【0088】
加えて、ロック構造12が貫通孔であるとき、ロック構造12は摺動スリーブ112の側壁を貫通するため、弾性ボルト22もまた、シャフト本体111内に真っ直ぐ延びることができ、溝が、それに対応してシャフト本体111の外側側壁上に設けられて、弾性ボルト22を収容する。このようにして、シャフト本体111および摺動スリーブ112は、同時にロックされることが可能であり、それによってロック安定性をさらに向上させる。
【0089】
加えて、ロック構造12が貫通孔であるとき、シャフト本体111および摺動スリーブ112は、溝を形成するために、さらに一緒に使用されることが可能である。この場合について、図12を参照されたい。
【0090】
ロック構造12が貫通孔であるとき、ロック解除構造13は、第1の側段部131と第2の側段部132とを含み、第1の側段部131と第2の側段部132の両方は、摺動スリーブ112の軸方向に内側溝壁122上に位置し、第1の側段部131は、第2の側段部132に接続されて傾斜面を形成し、ロックボス1111が、シャフト本体111の外側側壁から延び、ロックボス1111は、シャフト本体111を向く第2の側段部132の一方の側部上に位置し、ロックボス1111の側壁は、溝の切欠部に位置する。
【0091】
前述の実装では、第1の側段部131および第2の側段部132は、一緒にロック解除構造13を形成する。第1の側段部131と第2の側段部132の両方は溝内に位置しているため、ロック解除構造13がロック構造12内に位置し、それにより、ロック解除構造13が、ロック構造12内に位置する弾性ボルト22をより良好に駆動させることができ、ロック解除構造13の信頼性が確保されることが確実にされることが可能である。
【0092】
いくつかの例では、2つの対向する内側溝壁122には、1つの第2の側段部132がそれぞれに設けられ、2つの第2の側段部132は、摺動スリーブ112の軸方向に2つの側部上にそれぞれ位置し、2つの第2の側段部132の延在方向は、同じであり、対称的である。このようにして、弾性ボルト22は、より安定的に誘導され、押されることが可能であり、ロック解除構造13の安定したロック解除が確実にされる。
【0093】
第1の側段部131について、第1の側段部131が第2の側段部132と共に移動することができるとき、および弾性ボルト22がロック構造12内に係合された後、第1の側段部131は、弾性ボルト22を支持して、弾性ボルト22の不必要な振動を回避することができる。
【0094】
この実施形態では、第1の側段部131の一方の端部は、ロック解除構造13の延在方向とは反対に延び、それにより、ロック構造12内に入った後、弾性ボルト22は、第1の側段部131と共に移動することができ、それによって弾性ボルト22についての誘導の制限を実施する。
【0095】
2つの第2の側段部132に対応して、2つの対向する内側溝壁122には、1つの第1の側段部131がそれぞれに設けられ、2つの第1の側段部131はそれぞれ、摺動スリーブ112の軸方向に2つの側部上にそれぞれ位置し、2つの第1の側段部131の延在方向は、同じであり、対称的である。このようにして、弾性ボルト22は、より安定的に支持されることが可能であり、ロック構造12による弾性ボルト22上の安定的な収容が、確実にされる。
【0096】
ロックボス1111は、摺動スリーブ112を貫通する弾性ボルト22を停止させるように構成される。ロックボス1111はシャフト本体111上に位置するため、弾性ボルト22は、ロックボス1111によってシャフト本体111を直接的にロックして、光ファイバプラグ上で全体のロックを実施することができる。
【0097】
いくつかの例では、摺動スリーブ112上のロック構造12の一部は、正方形の切欠部であり、ロックボス1111は、正方形の切欠部の開口部に位置し、それにより、ロックボス1111および正方形の切欠部は、共同でロック構造12の溝を形成することができる。
【0098】
すなわち、ロック構造12は、シャフト本体111と摺動スリーブ112の両方によって形成されて、弾性ボルト22によってシャフト本体111を停止させ得、または摺動スリーブ112上に独立して位置して、弾性ボルト22によって摺動スリーブ112を停止させ得、2つの様式の両方は、プラグ本体11が光ファイバアダプタ2から外れることを防止することができる。
【0099】
説明は、ロック構造12が止まり孔である場合の図6を参照しながら行われ、図6は、ロック解除構造13の第1の延在様式を示しているが、これは、例として使用されているにすぎず、ロック構造12が止まり孔である場合に、ロック解除構造13の第1の延在様式のみが適用可能であることは要求しないことに留意されたい。同様に、説明は、ロック構造12が貫通孔である場合の図12を参照しながら行われ、図12は、ロック解除構造13の第2の延在様式を示しているが、これは、例として使用されているにすぎず、ロック構造12が貫通孔である場合に、ロック解除構造13の第2の延在様式のみが適用可能であることは要求しない。相互の組み合わせおよび適用が、実際の要求事項に基づいて実行される。これは、本出願において限定されない。
【0100】
以下は、光ファイバプラグの他の構成要素を説明する。
【0101】
埃および他の不純物が光ファイバプラグの正常な作動に影響を与えるので、光ファイバプラグには防塵保護が設けられる必要がある。図15は、光ファイバプラグの挿入されていない状態の断面図である。図15を参照すれば、この実施形態では、プラグ本体11は、シャフト本体111の外側にスリーブ接続された防塵キャップ114をさらに含む。光ファイバプラグが光ファイバアダプタ2に挿入される前、防塵キャップ114は、シャフト本体111の外側にスリーブ接続されて、埃および不純物がプラグ本体11に入って作動中にプラグ本体11の機能に影響を与えることを防止する。確かなことには、光ファイバプラグが光ファイバアダプタ2に挿入される必要がある前、防塵キャップ114は、光ファイバプラグの正常な挿入を容易にするために取り外されなければならない。
【0102】
いくつかの例では、防塵キャップ114の内側側壁およびシャフト本体111の外側側壁は、ねじ嵌め状態にある。
【0103】
防塵キャップ114とシャフト本体111との間のねじ接続は、防塵キャップ114のすばやい安定した取り付けを実施し、また、防塵キャップ114のすばやい取り外しを実施することもでき、それによって光ファイバプラグの使用の利便性を向上させる。
【0104】
いくつかの例では、防塵キャップ114およびシャフト本体111の外側側壁は、締まり嵌め状態にあって、防塵キャップ114の内側側壁上の雌ねじおよびシャフト本体111の外側側壁上の雄ねじを省き、それにより、光ファイバプラグの構造は、より簡単になる。これは、本出願において限定されない。
【0105】
光ファイバプラグの防塵能力をさらに向上させるために、シャフト本体111の外側側壁には封止部材1112が設けられ、封止部材1112は、防塵キャップ114の内側側壁と封止接触するように構成される。
【0106】
前述の実装では、封止部材1112は、シャフト本体111の外側側壁と防塵キャップ114の内側側壁との間の空隙を封止するように構成されて、光ファイバプラグが使用される前に埃および不純物が空隙から光ファイバプラグに入るのを防止し、それによって光ファイバプラグの信頼性を確実にする。加えて、封止部材1112は、シャフト本体111の外側側壁と光ファイバアダプタ2の内側側壁との間の空隙を封止するようにさらに構成されて、光ファイバプラグが使用されるときに埃および不純物が空隙から光ファイバプラグに入るのとを防止し得、それによって光ファイバプラグの信頼性をさらに確実にする。
【0107】
たとえば、封止部材1112は、封止リングであり、封止部材1112は、シャフト本体111の外側側壁上にスリーブ接続されて、光ファイバプラグを簡単な方法で封止する。
【0108】
防塵キャップ114が、使用される前の光ファイバプラグの防塵保護を実施するために使用されることが前述から分かる。加えて、使用される前、光ファイバプラグは、さらに、光ケーブル400に接続される必要がある。依然として図15を参照すれば、光ケーブル400が接続されるとき、光ケーブル400は、シャフト本体111の末端部から挿入され、その後光ケーブル400内の強度部材が、シャフト本体111の末端部分に保持され、光ファイバ402は、シャフト本体111全体を貫通し、シャフト本体111の頭端部から外に延びる。光ケーブル400をシャフト本体111の末端部に安定して締結するために、この実施形態では、光ファイバプラグは、熱収縮保護スリーブ14と末端スリーブ15とをさらに含む。熱収縮保護スリーブの一部は、シャフト本体111上にスリーブ接続され、熱収縮保護スリーブの他の部分は、光ケーブル400上にスリーブ接続され、熱収縮保護スリーブ14は、加熱作業によって光ケーブル400およびシャフト本体111を密封して覆う。末端スリーブ15は、熱収縮保護スリーブ14上にスリーブ接続され、末端スリーブ15の頭端部は、ねじ付きベース16によるねじ接続でシャフト本体111に組み付けられ、末端スリーブ15の内側側壁は、ねじ付きベース16の外側側壁上にクランプされる。
【0109】
すなわち、熱収縮保護スリーブ14は、熱収縮保護スリーブ14の熱収縮性能を使用して、光ケーブル400およびシャフト本体111を一緒に結合させるように構成される。末端スリーブ15は、熱収縮保護スリーブ14を覆うように構成されて、熱収縮保護スリーブ14を保護して、熱収縮保護スリーブ14が損傷によって光ケーブル400およびシャフト本体111を安定して結合させることができない場合を回避する。
【0110】
熱収縮保護スリーブ14がスリーブ接続される前に、光ケーブル400と光ファイバプラグとの間の接続の安定性をさらに向上させるために、接着剤が、さらに、接着剤注入孔1113を通してシャフト本体111に注入されることが可能である。図16は、接着剤注入孔1113の概略構造図である。接着剤注入孔1113をより明確に示すために、熱収縮保護スリーブ14および末端スリーブ15は、図16では非表示にされている。図16を参照すると、接着剤注入孔1113は、シャフト本体111の側壁上に位置し、シャフト本体111の側壁を貫通する。このようにして、強度部材およびシャフト本体111の内側側壁は、接着剤注入孔1113から注入された接着剤を使用して一緒に接着されることが可能であり、それによって光ファイバプラグと光ケーブル400との間の接続の安定性を向上させる。
【0111】
いくつかの例では、接着剤注入孔1113は、円形、楕円、正方形などの形状である。これは、本出願において限定されない。
【0112】
図17は、挿入コア構成要素115の概略構造図である。図17を参照すれば、この実施形態では、プラグ本体11は、挿入コア構成要素115をさらに含み、挿入コア構成要素115は、シャフト本体111の端部分に接続され、挿入コア構成要素115の外側側壁には、第1の案内溝1151が設けられ、第1の案内溝1151は、挿入方向aに延びる。
【0113】
上記で述べられたように、光ケーブル400が接続されるとき、光ケーブル400は、シャフト本体111の末端部から挿入され、次いで光ケーブル400内の強度部材は、シャフト本体111の末端部分に保持され、光ファイバは、シャフト本体111全体を貫通し、シャフト本体111の頭端部から外に延びる。したがって、挿入コア構成要素115は、外に延びる光ファイバを支持するために使用されて、その後の光ファイバアダプタ2内の別の光ファイバとの接続を容易にし、光ファイバ間の光信号結合の効率性を向上させる。加えて、光ファイバプラグが挿入されて光ファイバに適合されるとき、第1の案内溝1151は、光ファイバアダプタ2の内側側壁上の案内突起部と摺動可能に嵌合するため、第1の案内溝1151は、誘導機能を果たすことができる。加えて、第1の案内溝1151が光ファイバアダプタ2と位置合わせされた後にのみ光ファイバプラグは光ファイバアダプタ2に円滑に挿入されることが可能であるため、第1の案内溝1151は、フールプルーフ機能をさらに果たすことができる。
【0114】
いくつかの例では、シャフト本体111から離れる方を向く第1の案内溝1151の一方の端部には案内切欠部1152が設けられ、案内切欠部1152の開口部は、挿入方向aにおいてサイズが徐々に増大し、すなわち、案内切欠部1152は、ホーン口の形状であり、それにより、案内突起部は、第1の案内溝1151内に容易に誘導されることが可能である。
【0115】
たとえば、案内切欠部1152の開口部が挿入方向aにおいてサイズが徐々に増大し、案内突起部が第1の案内溝1151内に誘導されることが可能であることが確実にされることが可能である限り、案内切欠部1152の内側側壁は、第1の案内溝1151に対して傾けられたスロープであり得、または第1の案内溝1151に対して曲がる湾曲部であり得る。これは、本明細書において限定されない。
【0116】
いくつかの例では、シャフト本体111の外側側壁には、第2の案内溝1114が設けられ、第2の案内溝1114は、挿入方向aに延び、シャフト本体111に近い第1の案内溝1151の一方の端部と連通する。
【0117】
プラグ本体11が挿入方向aに移動するとき、案内突起部は、第1の案内溝1151から第2の案内溝1114内に徐々に移動する。このようにして、シャフト本体111と光ファイバアダプタ2との間の相対的回転は、案内突起部と第2の案内溝1114との間の合致によって制限されることが可能であり、それによって光ファイバプラグと光ファイバアダプタ2との間の挿入の安定性を向上させる。すなわち、光ファイバプラグが光ファイバアダプタに所定位置において挿入された後、案内突起部は、第2の案内溝1114内に位置して、光ファイバアダプタ2に挿入されたシャフト本体111が回転しないことを確実にする。
【0118】
図18は、挿入コア構成要素115の断面図である。図18を参照すれば、この実施形態では、挿入コア構成要素115は、保護フレーム1153と、挿入コア1154と、挿入コアばね1155と、挿入コアジャケット1156と、ばねベース1157とを含む。
【0119】
図19は、挿入コア構成要素115の分解図である。以下は、図18および図19を参照しながら、挿入コア構成要素115の組み立て関係を説明する。
【0120】
ばねベース1157の末端部が、シャフト本体111の頭端部に挿入され、ばねベース1157の末端部には、第1のバックル11571が設けられる。第1のバックル11571は、シャフト本体111の内側側壁上にクランプされて、挿入方向aのシャフト本体111に対するばねベース1157の変位を制限する。ばねベース1157の頭端部は、シャフト本体111から外に延び、挿入コアジャケット1156の末端部に挿入される。ばねベース1157および挿入コアジャケット1156は、ねじ接続状態にあり、それにより、ばねベース1157および挿入コアジャケット1156は、一体的に接続される。挿入コアジャケット1156の末端部は、シャフト本体111の頭端部と当接し、それによって挿入方向aとは反対の方向のシャフト本体111に対するばねベース1157の変位を制限し、それにより、挿入コアジャケット1156、ばねベース1157、およびシャフト本体111は一体化される。加えて、挿入コアジャケット1156の末端部には、第1の回転防止くぼみ11561が設けられ、シャフト本体111の頭端部には、合致する回転防止突起部1116が設けられる。挿入コアジャケット1156の末端部がシャフト本体111の頭端部と当接するとき、回転防止突起部1116は、第1の回転防止くぼみ11561に挿入されて、挿入コアジャケット1156の回転によって引き起こされる挿入コアジャケット1156とばねベース1157との間のねじ接続の不具合を回避する。
【0121】
挿入コアジャケット1156の頭端部には、第2のバックル11562が設けられ、クランプ孔11531が、保護フレーム1153の側壁を貫通し、挿入コアジャケット1156は、保護フレーム1153に挿入され、第2のバックル11562は、クランプ孔11531内にクランプされ、それにより、保護フレーム1153、挿入コアジャケット1156、ばねベース1157、およびシャフト本体111は一体化される。加えて、保護フレーム1153の末端部には、第2の回転防止くぼみ11532が設けられ、回転防止突起部1116は、第2の回転防止くぼみ11532にも挿入されて、保護フレーム1153の回転を回避する。
【0122】
挿入コア1154の末端部は、挿入コアジャケット1156の頭端部に挿入され、挿入コアばね1155は、挿入コアジャケット1156内に位置し、挿入コア1154の末端部とばねベース1157の頭端部との間で圧縮されて挿入コア1154を挿入方向aに押し出して、挿入コア1154の光信号結合の効率性を確実にする。光ファイバは、結果的にばねベース1157、挿入コアジャケット1156、および挿入コア1154を通過し、最終的に挿入コア1154の頭端部から外に伸びて、接続されるのを待機する。挿入コア1154の頭端部は、保護フレーム1153内に位置し、それにより、挿入コア1154は、保護フレーム1153によって保護される。
【0123】
図20は、本出願の実施形態による光ファイバコネクタの概略構造図である。図20を参照すれば、光ファイバコネクタは、光ファイバアダプタ2と、図2または図11に示される光ファイバプラグとを含む。
【0124】
図21は、光ファイバアダプタ2の断面図である。図21を参照すれば、光ファイバアダプタ2は、突き合わせ接合式スリーブ21と弾性ボルト22とを含む。弾性ボルト22は、突き合わせ接合式スリーブ21の内側側壁に接続され、弾性ボルト22は、突き合わせ接合式スリーブ21の内側側壁から突起し、ロック構造12およびロック解除構造13と合致するように構成される(図22を参照)。
【0125】
本出願のこの実施形態において提供される光ファイバコネクタは、少なくとも以下の効果を有する。
【0126】
光ファイバプラグ1と光ファイバアダプタ2との間の合致により、光ファイバプラグ1からの直接的な挿入および取り出しが、迅速に実施されることが可能である。これにより、複雑な作業を回避し、光ファイバコネクタがより狭い空間内で使用されることを可能にする。
【0127】
図23は、光ファイバプラグが第1のロック解除様式を採択する場合の弾性ボルト22の概略構造図である。図23を参照すると、プラグ本体11に向かい合う弾性ボルト22の端部表面には、第2の外側面取部222が設けられ、第2の外側面取部222は、弾性ボルト22の一方の側部に向かって曲がって延び、第2の外側面取部222は、ロック解除構造と摺動可能に嵌合するように構成される。
【0128】
ロック解除構造13がプラグ本体11の円周方向に移動するとき、ロック解除構造13は摺動して第2の外側面取部222と合致し、それにより、ロック解除構造13は、弾性ボルト22を円滑に押すことができ、ロック解除構造13と弾性ボルト22との間の阻害が回避されることが可能である。
【0129】
図24は、光ファイバプラグが第2のロック解除様式を採択する場合の弾性ボルト22の概略構造図である。図24を参照すると、プラグ本体11と向かい合う弾性ボルト22の端部表面には、第1の外側面取部221が設けられ、第1の外側面取部221は、弾性ボルト22のプレート表面に向かって曲がって延び、第1の外側面取部221は、ロック解除構造と摺動可能に嵌合するように構成される。
【0130】
ロック解除構造13が挿入方向aとは反対に移動するとき、ロック解除構造13は摺動して第1の外側面取部221と合致し、それにより、ロック解除構造13が弾性ボルト22を円滑に押すことができ、ロック解除構造13と弾性ボルト22との間の阻害が回避されることが可能である。
【0131】
依然として図21を参照すれば、取り付け孔211が、突き合わせ接合式スリーブ21の側壁を貫通し、突き合わせ接合式スリーブ21の外側側壁には、圧力プレート212が設けられ、弾性ボルト22は、ボルト構造223と弾性構成要素224とを含み、ボルト構造223の一部が、取り付け孔211に移動可能に挿入され、弾性構成要素224は、取り付け孔211内に位置し、ボルト構造223と圧力プレート212との間で圧縮される。このようにして、弾性ボルト22は、圧力プレート212を分解することによってすばやく取り付けられることが可能である。
【0132】
依然として図24を参照すれば、いくつかの例では、ボルト構造223は、ロックプレート2231と制限ラグ2232とを含む。ロックプレート2231は、突き合わせ接合式スリーブ21の長さ方向に垂直であり、制限ラグ2232は、ロックプレート2231に接続され、ロックプレート2231の移動方向において2つの側部上に位置し、取り付け孔211の開口部にある内側側壁には、制限突起部が設けられ、制限ラグ2232は、制限突起部に向かい合い、それにより、ボルト構造223は、取り付け孔211から外れることが防止されることが可能であり、光ファイバアダプタ2の信頼性が向上される。
【0133】
いくつかの例では、ボルト構造223は、支持プレート2233をさらに含む。支持プレート2233は、ロックプレート2231に接続され、ロックプレート2231の2つの側部上に位置する。支持プレート2233の2つのプレート表面は、ロックプレート2231の2つのプレート表面と面一である。支持プレート2233は、第2の側段部132と合致するように構成され、それにより、第2の側段部132は、支持プレート2233を支持するために使用されることが可能であり、それによってロック構造12内のボルト構造223の挿入の安定性を向上させる。
【0134】
図25は、本出願の実施形態による光ファイバ接続システムの概略構造図である。図25を参照すれば、光ファイバ接続システムは、ボックス本体3と、屋内光ファイバプラグ4と、図20に示される光ファイバコネクタとを含む。光ファイバアダプタ2は、ボックス本体3の側壁に接続され、ボックス本体3内に位置する部分を有する。屋内光ファイバプラグ4は、ボックス本体3内に位置し、光ファイバアダプタ2に挿入される。
【0135】
この実施形態では、光ファイバ接続システムは、複数の光ファイバコネクタを含み、光ファイバコネクタは、横に並んで配置され、光ファイバコネクタ間の間隔は、約13mmであり得る。
【0136】
本出願のこの実施形態において提供される光ファイバ接続システムは、少なくとも以下の効果を有する。
【0137】
光ファイバコネクタは、狭い空間内で一列に挿入され、一列に引き出されることが可能であるため、より多くの光ファイバコネクタが、制限されたサイズを有する光ファイバ接続システム内に配置されることが可能であり、それによって光ファイバ接続システムの適用可能性を向上させる。
【0138】
いくつかの例では、ボックス本体3は、底部ハウジングと上側カバーとを含み、底部ハウジングは、上側カバーにヒンジ留めされ、光ファイバコネクタは、底部ハウジングの側壁に接続され、それにより、上側カバーは、光ファイバコネクタのための防塵機能を果たす。
【0139】
前述の特定の実装では、本出願の目的、技術的解決策、および有益な効果が、詳細にさらに説明されている。前述の説明は、本出願の特有の実装にすぎず、本出願の保護範囲を限定することは意図されないことを理解されたい。本出願の技術的解決策に基づいて行われる任意の改変、等価物の置き換え、改良などは、本出願の保護範囲に入るものとする。
【符号の説明】
【0140】
1 光ファイバプラグ
11 プラグ本体
111 シャフト本体
1111 ロックボス
1112 封止部材
1113 接着剤注入孔
1114 第2の案内溝
1115 制限フランジ
1116 回転防止突起部
112 摺動スリーブ
1121 駆動溝
1122 案内スロープ
113 駆動スリーブ
1131 駆動突起部
114 防塵キャップ
115 挿入コア構成要素
1151 第1の案内溝
1152 案内切欠部
1153 保護フレーム
11531 クランプ孔
11532 第2の回転防止くぼみ
1154 挿入コア
1155 挿入コアばね
1156 挿入コアジャケット
11561 第1の回転防止くぼみ
11562 第2のバックル
1157 ばねベース
11571 第1のバックル
12 ロック構造
121 溝開口部
122 内側溝壁
123 溝底部
13 ロック解除構造
131 第1の側段部
132 第2の側段部
14 熱収縮保護スリーブ
15 末端スリーブ
16 ねじ付きベース
2 光ファイバアダプタ
21 突き合わせ接合式スリーブ
211 取り付け孔
212 圧力プレート
22 弾性ボルト
221 第1の外側面取部
222 第2の外側面取部
223 ボルト構造
2231 ロックプレート
2232 制限ラグ
2233 支持プレート
224 弾性構成要素
3 ボックス本体
4 屋内光ファイバプラグ
100 CO
200 CFDP
300 CSP
400 光ケーブル
401 強度部材
402 光ファイバ
a 挿入方向
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